説明

ホスホジエステラーゼ5型の阻害剤の肺送達

本明細書中で提供されるものは、1)ジケトピペラジン塩PDE5阻害剤及び2)その上にPDE5阻害剤を有するDKP微小粒子の組成物、並びに肺高血圧症及び性機能障害(類)の治療のための、これらの組成物の肺送達のための方法である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連する出願
本出願は、2004年8月23日に出願された米国特許仮出願60/603,764に対する35 U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般的に肺高血圧症、並びに勃起不全及び女性の性機能傷害を含む性機能傷害の治療の分野にある。特に本発明は、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤のジケトピペラジン塩に関する。更に、本発明は、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、特に、置換されたジケトピペラジン又はポリマーを含んでなる微小粒子組成物を使用する、ピラゾロピリミジノン、シルデナフィル及びバルデナフィルのような置換されたピリミジノンの肺投与に関する。
【0003】
発明の背景
シルデナフィル、ピラゾロピリミジノンホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5)は、勃起不全の治療のためにFDA認可により広く処方される薬物である(“Pyrazolopyrimidines for the treatment of impotence”の表題の米国特許第6,469,012号)。これは、更に各種の病因の女性の性機能障害にも適用されている(例えば:Dasgupta et al.,J.Urol.171:1189−93,2004;Laan et al.,J.Womens Health Gend.Based Med.11:357−365,2002;Berman et al.,J.Sex Marital Ther.27:411−420,2001;Vemulapalli and Kurowski,Life Sci.67:23−29,2000;Sher and Fisch,Hum.Reprod.15:806−809,2000;Nurnberg et al,Psychiatr.Serv.50:1076−1078,1999;Shen et al.,J.Reprod.Med.44:535−542,1999を参照されたい)。
【0004】
シルデナフィル及び他のPDE5阻害剤は、更に肺高血圧症の治療において有用性を示している(例えば:Leuchte et al.,Chest.125:580−6,2004;Bonnell et al.,Ann.Thorac.Surg.77:238−42,2004;Travadi and Patole,Pediatr.Pulmonol.36:529−35,2003;Michelakis et al.,Circulation 108:2066−9,2003;Bhatia et al.,Mayo Clin.Proc.78:1207−13,2003を参照されたい)。更に最近になって、シルデナフィルが、肺動脈性高血圧症(PAH)の治療のためのFDA認可を受けている。関連する化学構造、作用の機構、及び臨床的効能を持つ他の薬物は、バルデナフィル及びタダラフィルを含む。
【0005】
このような薬物に伴う使用者の不満足な点の一つは、薬物が効果を獲得するために必要な時間の長さ及び変動性である。そのそれぞれの製造業者によって市販されているように、これらの薬物は、経口的に投与される錠剤として入手可能である。従って、薬物は消化管を経由して血流に入る。これは、部分的に食物の消費にもよるが、1ないし数時間を要することがある。更に、これらの経口的に投与された錠剤は、薬物−薬物相互作用、食物−薬物相互作用に暴露されることがあり、及び/又はこれらは、胃腸管を経由して吸収されにくいことがある。これらの問題を克服する一つの試みにおいて、薬剤師は、砕いた錠剤からロザンジ及びチューインガムを配合して、薬物吸収を舌下及び口腔経路を経由して容易にしたが、しかしこれらの経路によっても薬物は、効果を獲得するために少なくとも15−20分を必要とすることがある。
【0006】
1970年代初期に、ある種の薬物を、乾燥粉末の形態で、口を経由する吸入又は鼻を経由する吸気によって肺に直接投与することができることが見出された。この方法は、医薬が消化器系をバイパスすることを可能にし、そしてある場合には、より小さい投与量を使用して、経口的に摂取される又は注射される医薬と同一の結果を達成することを可能にすることができる。ある場合には、この方法は、これらの医薬に伴う副作用を減少する送達技術を提供し、そして他の処方された医薬との相互作用を減少し、並びに更に迅速な薬物投薬吸収及び/又は取込みを提供する。
【0007】
従って、肺高血圧症及び性機能障害の治療のための、迅速に作用する肺送達系に対する必要性が存在する。
発明の概要
本発明は、肺高血圧症及び性機能障害を治療するための、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤の肺送達のための組成物及び方法を提供する。本発明による組成物は、PDE5阻害剤のジケトピペラジン(DKP)塩及びPDE5阻害剤を伴う(と会合した)DKP微小粒子を含む。本発明の態様は、勃起不全及び女性の性機能障害を含む性機能障害の治療形態を提供する。
【0008】
本発明は、更に制約されるものではないが、シルデナフィル、バルデナフィル、タダフィニル及びこれらの類似体のような置換されたピリミジノン及びピラゾロピリミジノンを含む、PDE5阻害剤のジケトピペラジン塩の組成物を含む組成物を提供する。
【0009】
本発明の一つの態様において、ジケトピペラジンは、以下の式:
【0010】
【化1】

【0011】
の一般構造を有し、式中、環の原子E及びEはO又はNのいずれかであり、そしてR及びRの少なくとも一つがカルボキシル基を含有する。本発明のもう一つの態様において、R及びRの両方がカルボキシル基を含有する。
【0012】
本発明の一つの態様は、ジケトピペラジンが、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−フマリルアミノブチル)ピペラジン、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−スクシニルアミノブチル)ピペラジン、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−グルタリルアミノブチル)ピペラジン、及び2,5−ジケト−3,6−ジ(4−マレイルアミノブチル)ピペラジンからなる群から選択されるジケトピペラジン塩を提供する。
【0013】
本発明の一つの態様は、PDE5阻害剤とジケトピペラジン塩の比が約1:1又は約2:1である、PDE5阻害剤のジケトピペラジン塩を含む。
本発明のもう一つの態様において、ジケトピペラジン塩は、乾燥微小粒子として処方される。
【0014】
本発明のもう一つの態様は、ジケトピペラジン微小粒子、及びPDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなるPDE5阻害剤の送達のための微小粒子組成物を含み、ここにおいて微小粒子は、第1に定義されるpHにおいて不溶性であり、そして第2に規定されるpHにおいて可溶性である。本発明のPDE5阻害剤は、クエン酸シルデナフィル、塩酸バルデナフィル、及びタダラフィルからなる群から選択することができる。
【0015】
本発明の一つの態様において、微小粒子組成物は、PDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩の、ジケトピペラジン微小粒子上への冷凍又は冷却のいずれかによる沈積によって形成される。
【0016】
本発明の一つの態様において、微小粒子組成物は、PDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩の溶液中に懸濁された、ジケトピペラジン微小粒子を噴霧乾燥することによって形成される。
【0017】
本発明のもう一つの態様において、医薬的に受容可能な塩は、ジケトピペラジン塩である。
本発明の一つの態様において、微小粒子組成物は、ジケトピペラジン及びPDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる溶液の沈殿によって形成される。
【0018】
本発明の更なる態様は、約0.5ミクロンないし約10ミクロン間の直径を有するジケトピペラジン微小粒子を含んでなり、そしてこれが、取り込まれたPDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩を、約6.0又はそれより大きいpHにおいて放出する、PDE5阻害剤の肺系への送達のための微小粒子組成物を提供する。
【0019】
本発明のもう一つの態様において、微小粒子組成物は、経口投与のために処方される。
本発明のもう一つの態様は、PDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなるジケトピペラジン微小粒子を、性機能障害に対する治療を必要とする患者の肺系に送達することを含んでなる、性機能傷害の治療の方法を提供する。性機能障害は、勃起不全又は女性の性機能障害である。女性の性機能障害は、抗鬱剤由来性的機能障害、多発性硬化症に二次的な性的機能障害、性感異常症(anorgasmia)、低い性的興奮、遅延オルガスム、膣怒張の減少(decreased vaginal engorgement)、性交疼痛症又は不妊症由来性的機能障害からなる群から選択される。
【0020】
本発明の一つの態様は、PDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなるジケトピペラジン微小粒子を、肺高血圧症に対する治療を必要とする患者の肺系に送達することを含んでなる、肺高血圧症の治療の方法を提供する。肺高血圧は、原発性肺高血圧症(PPH)、急性肺高血圧症、肺動脈性高血圧症(PAH)、子癇前症のような妊娠付随高血圧症、及び新生児の持続性肺高血圧症(PPHN)からなる群から選択される。
【0021】
迅速に吸収されるジケトピペラジン製剤の経口送達の方法も、更に提供される。
発明の詳細な説明
本発明は、1)ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤のジケトピペラジン(DKP)塩、及び2)それに伴うPDE5阻害剤を有する、DKP微小粒子、の組成物、並びに肺高血圧症及び性機能傷害(類)の治療のための、これらの組成物の、肺送達のための方法を含む。
【0022】
シルデナフィル、バルデナフィル、UK343−664及びUK347−334(それぞれ図2、3、4及び5、並びに表1を参照)のようなピラゾロピリミジノンは、酵素環状グアノシン一リン酸(cGMP)−特異的ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)の阻害剤である。環状GMPは、平滑筋の緩和の生理学的調節に関係する。一酸化窒素(NO)は、酵素グアニル酸シクラーゼを活性化し、これは、今度は平滑筋の緩和、血管拡張及び血流の増加に導くcGMPを形成する。PDE5は、cGMPをGMPに転換し、これによってcGMPによって引起こされる血管拡張を妨げる。PDE5の阻害は、血管拡張を増加し、オスの陰茎の勃起、及びメスの子宮内膜及び膣組織の怒張を容易にする。同様に、血管拡張は、高血圧を改善することができる。
【0023】
【表1】

【0024】
タダラフィル(図6及び表1)のような他の置換されたピリミジノンPDE5阻害剤は、性機能障害の治療において不可避な、有効性の迅速な発現を減弱して、長時間にわたって有効であることができる。然しながら、有効性の迅速な発現は、使用者に対して融通性及び都合のよさの手段をなお提供することができる。このような迅速な発現は、更に肺高血圧症、特に急性の形態の治療に対する適用のために重要なことであることもできる。
【0025】
これらのPDE5阻害剤は、典型的には経口的に投与されている。投与の経口経路は、所望される最適な吸収より遅く、遅延した有効性となることを伴う。PDE5阻害剤の肺を経由する投与は、肺によって与えられる大きい表面積による改良された、そして迅速な吸収を容易にする。本発明の一つの態様において、組成物は、PDE5阻害剤のDKP塩を提供する。本発明のもう一つの態様において、DKP微小粒子は、それに伴われたPDE5阻害剤を有して提供される。
【0026】
本明細書中で使用される場合、“ジケトピペラジン”又は“DKP”は、1及び4位における環の原子E及びEがO又はNのいずれかであり、そしてそれぞれ3及び6位に位置する側鎖R及びRの少なくとも一つがカルボン酸(カルボン酸基)基を含有する一般式1の範囲内にあるジケトピペラジン及び塩、誘導体、類似体並びにその改変を含む。式1による化合物は、制約されるものではないが、ジケトピペラジン、ジケトモルホリン及びジケトジオキサン並びにこれらの置換された類似体を含む。例示の目的のために、好ましい態様、ジケトピペラジン及びその誘導体が詳細に記載されるものである;然しながら、これが、以下の式1:
【0027】
【化2】

【0028】
に基づく他の複素環化合物を除外することではないことは理解されることである。
ジケトピペラジンは、空気力学的に適した微小粒子を作ることに加えて、更に細胞層を通過する運搬も容易にし、循環中への吸収を更に加速する。ジケトピペラジンは、薬物を取り込む粒子又はその上に薬物を吸着させることができる粒子に形成することができる。薬物及びジケトピペラジンの組合せは、改良された薬物の安定性を与えることができる。これらの粒子は、投与の各種の経路によって投与することができる。乾燥粉末として、これらの粒子は、粒子の大きさによるが、呼吸器系の特定の部位に吸入によって送達することができる。更に、粒子は、静脈用懸濁剤形中に組込むために十分に小さく製造することができる。懸濁液、錠剤又はカプセル中に組込まれた粒子による、経口送達も更に可能である。ジケトピペラジンは、更に、伴われた薬物の吸収も容易にすることができる。
【0029】
本発明のもう一つの態様において、DKPは、アミノ酸リシンの(熱)縮合によって形成することができる、3,6−ジ(4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジンの誘導体であることができる。例示的な誘導体は、3,6−ジ(スクシニル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(マレイル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(グルタリル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(マロニル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(オキサリル−4−アミノブチル)−、及び3,6−ジ(フマリル−4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジン(本明細書中で以下、フマリルジケトピペラジン又はFDKP)を含む。薬物送達のためのDKPに使用は、当技術において既知である(例えば、ジケトピペラジン及びジケトピペラジンによって仲介される薬物送達に関して教示している全てに関して、そのそれぞれが本明細書中に参考文献としてその全てが援用される、“Self Assembling Diketopiperazine Drug Delivery System”の表題の米国特許第5,352,461号;“Method For Making Self−Assembling Diketopiperazine Drug Delivery System”の表題の5,503,852号;“Microparticles For Lung Delivery Comprising Diketopiperazine”の表題の6,071,497号;及び“Carbon−Substituted Diketopiperazine Delivery System”の表題の6,331,318号を参照されたい)。DKP塩の使用は、2005年8月23日に出願され、そして“Diketopiperazine Salts For Drug Delivery And Related Methods”の表題の同時系属中の米国特許出願XX/XXX,XXX中に記載され、そして本明細書中に参考文献としてその全てが援用される、米国特許仮出願60/603,761によって全てに知られている。DKP微小粒子を使用する肺薬物送達は、本明細書中に参考文献としてその全てが援用される、“Method For Drug Delivery To The Pulmonary System”の表題の米国特許第6,428,771号中に開示されている。
【0030】
本明細書中で使用される場合、用語“微小粒子”は、単独のジケトピペラジン或いはジケトピペラジン及び一つ又はそれより多い薬物の組合せのいずれかから構成される外殻を有するマイクロカプセルを含む。これは、更に球中に分散された薬物を含有する微小球;不規則な形状の粒子;及び薬物が粒子の表面(単数又は複数)に被覆された、又はその中の空隙に満たされた粒子を含む。
【0031】
PDE5阻害剤をDKPと組合せるために、いくつかの別法が利用可能である。本発明の一つの態様において、PDE5阻害剤のDKP塩が製造される。非制約的例において、シルデナフィルは、現時点でクエン酸塩として販売されている。FDKPのようなアニオン性のDKPは、シルデナフィルのFDKP塩を製造するために、クエン酸と置換することができる。シルデナフィルのFDKP塩は、シルデナフィル及びFDKPの両方を、適当な溶媒中に適当な比で溶解することによって調製することができる。例えば、蒸発、凍結乾燥、又は噴霧乾燥による溶媒の除去により、単離された塩を、油状物又は乾燥粉末として与えるものである。同様に、他のPDE5阻害剤(例えば、タダラフィル、バルデナフィル、等)又は他の置換されたDKPを組込んだ塩も、製造することができる。
【0032】
本発明のもう一つの態様において、DKP及びPDE5阻害剤、又はその塩を組合せた微小粒子は、PDE5阻害剤、又はその塩、及びDKPの溶液を噴霧乾燥するか、或いはその中にDKP微小粒子が懸濁されたPDE5阻害剤、又はその塩の溶液を、噴霧乾燥することによって調製される。このような溶液は、更に凍結乾燥することもできる。部分的に溶液の濃度にもよるが、適した乾燥粉末は、直接得ることができる(例えば、本明細書中に参考文献としてその全てが援用される、“Methods For Fine Powder Formation”の表題の米国特許第6,440,463号を参照されたい)。別の方法として、得られた固体を微小化して、適した大きさの粒子を得ることができる。肺投与のために、約10μより小さい、好ましくは約5μより小さい、そして更に好ましくは約1μないし約3μの粒子が好ましい。
【0033】
一つの態様において、PDE5阻害剤、又はその塩は、酸性のR基を持つDKPを、重炭酸塩又は他の塩基性溶液中に溶解し、溶液又は懸濁液中の活性剤を加え、そして次いで1Mのクエン酸のような酸を加えることによって微小粒子を沈殿させることによって微小粒子に伴われる。
【0034】
もう一つの態様において、PDE5阻害剤、又はその塩は、塩基性のR基を持つDKPを、1Mのクエン酸のような酸性溶液中に溶解し、溶液又は懸濁液中の活性剤を加え、そして次いで重炭酸塩又は他の塩基性溶液を加えることによって微小粒子を沈殿させることによって微小粒子に伴われる。
【0035】
なおもう一つの態様において、PDE5阻害剤、又はその塩は、酸性及び塩基性の両方のR基を持つDKPを、酸性又は塩基性溶液中に溶解し、溶液又は懸濁液中のカプセル化される活性剤を加え、次いで溶液を中和することによって微小粒子を沈殿させることによって微小粒子に伴われる。
【0036】
微小粒子は、乾燥状態で保存し、そして患者への投与のために懸濁することができる。第1の態様において、元に戻された微小粒子は、酸性の媒体中でその安定性を維持し、そして媒体が6ないし14間の範囲の生理学的pHに接近した時に解離する。第2の態様において、懸濁された微小粒子は、その安定性を塩基性の媒体中で維持し、そして0ないし6間のpHにおいて解離する。第3の態様において、元に戻された微小粒子は、その安定性を酸性又は塩基性の媒体中で維持し、そして媒体が、6ないし8間の範囲の生理学的pHに接近した時に解離する。
【0037】
不純物は、典型的には、微小粒子が沈殿したときに除去される。然しながら、不純物は、更に粒子を洗浄して、不純物を溶解して除去することもできる。好ましい洗浄溶液は、水又は水性緩衝液である。水以外の溶媒も、更に水に可溶ではない不純物を除去するために、微小粒子を洗浄し又はDKPを沈殿するために使用することができる。PDE5阻害剤、又はその塩、或いはDKPのいずれもが可溶性ではない、いずれもの溶媒が適している。例は、酢酸、エタノール、及びトルエンを含む。
【0038】
別の態様において、DKPの微小粒子は、それにPDE5阻害剤、又はその塩の溶液が加えられる懸濁液、典型的には水性懸濁液中で調製され、そして提供される。次いで懸濁液は、凍結乾燥又は冷凍乾燥されて、PDE5阻害剤の被覆を有する微小粒子を得る。
【0039】
肺送達は、本発明の微小粒子を含んでなる乾燥粉末を使用して非常に有効に達成し、そして循環(血流)中への迅速な吸収に導くことができる。乾燥粉末が得られた場合、これは、商業的に入手可能な各種の乾燥粉末吸入器又は当技術において既知の他の方法を使用して投与することができる。特に適した吸入装置は、本明細書中に参考文献としてその全てが援用される、両方とも“Unit Dose Capsules And Dry Powder Inhaler”の表題の米国特許出願09/621,092及び10/655,153中に記載されている。上記に言及した係属中の特許出願中で特許請求されている薬物粉末吸入器を、図1に示す。
【0040】
図1は、本明細書中に記載される組成物を肺系に送達するために適した乾燥粉末吸入器10の態様を示す。幅広い概念的な用語で、吸入器の収容器15は、取込み部分20、混合部分30及び吸口40を含む。好ましい態様において、この吸入器の収容器15は、概略長さ93mm、高さ38mm、及び厚さ22mmである。ここに例示され、そして記載された他の部分は、比例した大きさである。吸口40は、収容器15内の収納位置からカートリッジ設置位置に回転することができ、吸口40は収容器の長手寸法に対して90度に位置することができる。キャップ352が閉められた時、次いで吸口が、収容器の長手寸法に対して180度に位置する操作位置に吸口を更に回転することができる。吸口40が吸入器15内に収納される場合、収容器上に収納された滑動可能に設置された滑動式埃防護カバー16を上方に滑らせて、吸口40及び吸入器の空気取込み管入口を保護することができる。収容器15は、大量生産における吸入器の迅速な滅菌、並びに臨床−病院の使用のために、ガンマ放射耐性ポリカーボネートプラスチックから形成することができる。本発明の組成物の粉末処方を含有するカートリッジは、組成物の肺送達のために、混合室30中に挿入される。
【0041】
PDE5阻害剤のジケトピペラジン塩又はそれに伴われたPDE5阻害剤を有する微小粒子は、例えば、錠剤、丸薬、カプセル、又はトローチとして経口投与のために適している。これらの微小粒子は、化学的特質及び大きさにもよるが、胃腸管の上皮層に吸収されるか、或いは血流又はリンパ系中にこれを通って通過するかのいずれかである。これらは、次の成分、又は同様な特質の化合物のいずれか:微結晶セルロース、トラガカントゴム又はゼラチンのような結合剤;デンプン又はラクトースのような賦形剤、アルギン酸、PrimogelTM、又はコーンスターチのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又はSterotesTMのような滑剤;コロイド状二酸化ケイ素のような流動促進剤;スクロース又はサッカリンのような甘味剤;或いはペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ香料のような芳香剤を含有することができる。単位剤形がカプセルである場合、これは、上記の種類の物質に加えて、液体担体を含有することができる。更に、単位剤形は、投与単位の物理的形態を改変する各種の他の物質、例えば糖、シェラック、又は他の腸溶性剤を含有することができる。
【0042】
本発明のもう一つの態様において、性機能傷害のための治療を必要とする患者の肺系への、PDE5阻害剤のDKP塩又はPDE5阻害剤又はその塩を含んでなるDKP微小粒子の送達を含んでなる性機能障害を治療するための方法が提供される。
【0043】
性機能障害に対して患者を治療するために、患者は、性的遭遇の勃起機能が所望される時に先立って、単純に本発明の組成物を、血管拡張を達成するために十分な、薬理学的に活性な量で吸入する。当業者の医師及び薬剤師は、所望する臨床的最終段階を達成するために十分な量を得るための投与量のバランスを調整することに精通している。薬物の薬理学的に十分な量は、所望する臨床的最終段階を達成するが、しかし治療の中断となるものである水準における所望しない副作用を有しない投与量である。本発明の肺の薬物送達のための典型的な投与量は、使用される特別な薬物にもよるが、約0.1ないし約100mgであることができる。好ましくは肺胞表面に送達される投与量は、約0.5ないし約50mgの範囲内である。慣用的な経口PDE5阻害剤の処方は、薬物の効果的な全身的濃度を投与の数時間後まで生じないが、それにも関わらず、作用の迅速な発現を提供する経口製剤が、肺送達に対する別の方法として好ましい。迅速に作用する製剤は、経口投与後に、迅速な薬物吸収を容易にするDKPのような薬剤の使用によって調製することができる。従って、例えば、FDKP及びシルデナフィルの組合せを、塩又は物理的混合物のいずれかとして含有する経口剤形は、薬物の作用の迅速な発現を提供することができる。
【0044】
性機能障害は、多くの形態で存在し、そして二つの群、男性の性機能障害及び女性の性機能障害に分類することができる。男性の性機能障害の最も普通の形態は、勃起不全である。女性の性機能障害は、制約されるものではないが、抗鬱剤由来性的機能障害、多発性硬化症に二次的な性的機能障害、性感異常症、低い性的興奮、遅延オルガスム、膣怒張の減少、性交疼痛症又は不妊症由来性的機能障害を含む各種の原因によることができる。
【0045】
本発明の一つの態様において、肺高血圧症のための治療を必要とする患者の肺系に、PDE5阻害剤のDKP塩或いはPDE5阻害剤又はその塩を含んでなるDKP微小粒子を送達することを含んでなる、肺高血圧症を治療するための方法が提供される。肺高血圧症の治療のために、患者は、0.5ないし50mgの投与量を毎日1ないし6回摂取するものである。治療的に活性な薬物を直接肺の内部表面に投与する能力は、肺高血圧症の病態に対して特に重要である。全身的投与と比較した場合、肺投与は、この生命を脅かす疾患の治療において有意な改良及び効率を提供することができる。
【0046】
肺高血圧症は、肺動脈(心臓から肺へ導く血管)の圧力が正常な水準より上昇し、そして生命を脅かすことができる、まれな肺の血管の疾患である。肺高血圧症の徴候は、最小の運動に伴う呼吸の短さ、疲労、胸痛、めまい及び失神を含む。肺高血圧症が、知られた原因が存在しないで起こった場合、これは、原発性肺高血圧症(PPH)と呼ばれる。この用語は、これが一つの名前を有するために、これが一つの疾病を意味すると解釈すべきではない。PPHの多くの未知の原因が存在する可能性がある。PPHは、極めてまれであり、年間、100万人の人口当り約二人に起こる。
【0047】
二次的肺高血圧症(SPH)は、原因が知られていることを意味する。SPHの普通の原因は、呼吸疾患の肺気腫及び気管支炎を含む。他のより頻繁ではない原因は、強皮症、CREST症候群又は全身性紅斑性狼瘡(SLE)のような炎症性又はコラーゲン血管疾病である。心室及び心房中隔欠損症のような肺を通る過剰な血液の短絡を起こす先天性心臓疾患、慢性肺血栓塞栓症(肺動脈中の古い血液の凝血)、HIV感染、肝疾患並びにフェンフルラミン及びデクスフェンフルラミンのようなダイエット薬物は、更に肺高血圧症の原因である。
【0048】
制約されるものではないが、原発性肺高血圧症(PPH)、急性肺高血圧症、肺動脈性高血圧症(PAH)、子癇前症のような妊娠付随高血圧症、及び新生児の持続性肺高血圧症(PPHN)を含む、肺高血圧症の多くの形態は、本発明の組成物による治療のために適している。
【0049】
実施例
実施例1
シルデナフィルのFDKP塩の調製−方法1
13グラムのFDKP(28.73mmol、1当量)を、還流冷却器、磁気撹拌子、及び温度計を備えた250mLの三口丸底フラスコに入れる。反応を窒素雰囲気下で行う。水(150mL)及びシルデナフィル(13.6g、1当量)を連続してフラスコに加える。得られた黄色の溶液を50℃に加熱し、そして2時間保つ。溶液を熱いまま濾過して不溶性物質を除去する。水を試料から回転蒸発によって除去する。回収した固体を真空オーブン中(50℃、30インチの水銀)で一晩乾燥する。次いで塩を水分含有率(カールフィッシャー)及びナトリウム含有率(元素分析及び滴定)に対して分析する。塩の収率は、典型的には約90%ないし95重量%である。
【0050】
実施例2
シルデナフィルのFDKP塩の調製−方法2
13グラムのFDKP(28.73mmol、1当量)及びエタノール(150mL)を、還流冷却器、磁気撹拌子、及び温度計を備えた250mLの三口丸底フラスコに入れる。反応を窒素雰囲気下で行う。スラリーを50℃に加熱する。シルデナフィル(13.6g、1当量)を一度に加える。得られたスラリーを50℃で2時間保つ。反応の内容物を周囲温度(20℃ないし30℃)まで冷却し、そして固体を真空濾過によって単離する。回収した塩をエタノール(300mL)及びアセトン(150mL)で洗浄し、そして真空オーブン中(50℃、30インチの水銀)で一晩乾燥する。更なる精製は必要ない。次いで塩を水分含有率(カールフィッシャー)及びナトリウム含有率(元素分析及び滴定)に対して分析する。塩の収率は、典型的には約90%ないし95重量%である。
【0051】
実施例3
シルデナフィルに伴われたFDKP微小粒子の調製
1.6グラムのシルデナフィルを、320mLの0.1Mの炭酸水素ナトリウム中のラウリル硫酸ナトリウムの0.5%溶液に加えることによって、シルデナフィルを、微小粒子中の2,5−ジケト−3,6−ジ(4−フマリルアミノブチル)ピペラジン(FDKP)に伴わせる。この懸濁液に、4グラムの2,5−ジケト−3,6−ジ(4−フマリルアミノブチル)ピペラジンを加える。最終的な懸濁液をプローブ型ソニケーター下に置き、そして1分間かけて超音波処理し、その間に320mLの0.1Mのクエン酸を加える。懸濁液を更に5分間室温で超音波処理し、その時点で微小粒子の沈殿は完結する。粒子を10,000rpmで10分間の遠心によって単離し、そして試料を室温で一晩凍結乾燥する。乾燥後の収率を決定する。
【0052】
PFE5を含有するFDKP微小粒子の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)、イメージ分析を伴う可視光顕微鏡、レーザー光走査、レーザー回折及びコールターカウンター技術によって決定される。
【0053】
他に示さない限り、本明細書及び特許請求の範囲中で使用される成分の量、分子量、反応条件、等のような特性を表示する全ての数字は、全ての場合用語“約”によって修飾されていると理解されるべきである。従って、逆に示されていない限り、以下の明細書及び特許請求の範囲中に記載された数字のパラメーターは、本発明によって得るように探求される所望する特性によって変化することができる概略値である。少なくとも、そして特許請求の範囲の範囲に対する均等論の適用を制約する企てとしてではなく、それぞれの数字のパラメーターは、少なくとも報告された有意な桁の数字に照らして、そして通常の丸め方の技術を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広い範囲を規定する数字の範囲及びパラメーターが概略であるにも関わらず、具体的な実施例中に規定される数字の値は、可能な限り正確に報告されている。然しながら、いずれもの数字の値は、そのそれぞれの試験の測定値中に見出される標準偏差から必然的に得られる、ある種の誤差を本質的に含有する。
【0054】
本発明を説明する文脈中に(特に特許請求の範囲の文脈中に)使用される用語、不定冠詞(「a」及び「an」)と定冠詞(「the」)、並びに同様な言及は、本明細書中に他に示されるか、又は文脈によって明確に否定されない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、範囲内に入るそれぞれの別個の値に対して個々に言及する簡便な方法として役立つことを単に意図している。本明細書中で他に示されない限り、それぞれの個々の値は、これが本明細書中に個々に列挙されたものとして本明細書中に組込まれる。本明細書中に記載された全ての方法は、本明細書中に他に示されるか、又は文脈によって他に明確に否定されない限り、いずれもの適した順序で行うことができる。本明細書中で与えられた、いずれもの及び全ての実施例、又は例示的言語(例えば“のような”)の使用は、本発明をよりよく例示することを単に意図し、そして特許請求した以外の本発明の範囲の制約を提起するものではない。本明細書中の言語は、本発明の実施のために本質的な、いずれもの特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0055】
本明細書中に開示される本発明の別の要素のグループ又は態様は、制約と解釈されるべきではない。それぞれの群のメンバーは、個々に、或いは群の、又は本明細書中に見出される他の要素の他のメンバーとのいずれもの組合せで、言及及び特許請求することができる。群の一つ又はそれより多いメンバーが、便宜上及び/又は特許の可能性の理由のために、群に含め、又はそれから除去することができることが予測される。いずれものこのような包含又は除去が起こった場合、本明細書は、改変されたように群を本明細書中に含有するとみなされ、従って特許請求の範囲中で使用される、全てのマーカッシュ群の記載された説明を満たす。
【0056】
本発明の好ましい態様は、本発明を行うために、本発明人等が知る最良のモードを含んで本明細書中に記載される。もちろん、これらの好ましい態様に対する変更は、前述の説明を読むことによって当業者にとって明白となるものである。本発明人は、当業者がこのような変更を適宜に使用することを予期し、そして本発明人等は、本発明が具体的に本明細書中に記載された以外の方法で実施されることを意図している。従って、本発明は、適用される法律によって許されるような特許請求の範囲に列挙されている対象の全ての改変及び均等物を含む。更に、先に記載した要素の、その全ての可能な変更のいずれもの組合せは、本明細書中に他に示されるか、又は文脈によって他に明確に否定されない限り、本発明によって包含される。
【0057】
更に、多くの言及が、本明細書を通して特許及び印刷された刊行物に対して行われている。上記に引用したそれぞれの参考文献及び印刷された刊行物は、本明細書中に個々に参考文献としてその全てが援用される。
【0058】
終りに、本明細書中に開示された本発明の態様が、本発明の原理の例示であることは理解されることである。使用することができる他の改変は、本発明の範囲内である。従って、制約されるものではないが、例として、本発明の別の構成を、本明細書中の教示によって使用することができる。従って、本発明は、示され、そして記載されたとおりに精密に制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明の組成物を肺系に送達するために適した例示的な吸入器の等角図を表す。
【図2】図2は、クエン酸シルデナフィルの化学構造を表す。
【図3】図3は、塩酸バルデナフィルの化学構造を表す。
【図4】図4は、シルデナフィル類似体UK343−664の化学構造を表す。
【図5】図5は、シルデナフィル類似体UK347−334の化学構造を表す。
【図6】図6は、タダラフィルの化学構造を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤のジケトピペラジン塩を含んでなる組成物。
【請求項2】
前記PDE5阻害剤が、置換されたピリミジノンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記置換されたピリミジノンが、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル及びこれらの類似体からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記PDE5阻害剤が、ピラゾロピリミジノンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ピラゾロピリミジノンが、シルデナフィル、バルデナフィル及びこれらの類似体からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ジケトピペラジンが、以下の式:
【化1】

の一般構造を有し、式中、環の原子E及びEはO又はNのいずれかであり、そしてR及びRの少なくとも一つがカルボキシル基を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
及びRの両方がカルボキシル基を含有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記ジケトピペラジンが、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−フマリルアミノブチル)ピペラジン、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−スクシニルアミノブチル)ピペラジン、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−グルタリルアミノブチル)ピペラジン、及び2,5−ジケト−3,6−ジ(4−マレイルアミノブチル)ピペラジンからなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記PDE5阻害剤と前記ジケトピペラジンの比が、約1:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記PDE5阻害剤と前記ジケトピペラジンの比が、約2:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記ジケトピペラジン塩が、乾燥した微小粒子として処方される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
ジケトピペラジン微小粒子;及び
PDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩;
を含んでなり、ここにおいて前記微小粒子は、第1に定義されるpHにおいて不溶性であり、そして第2に定義されるpHにおいて可溶性である、PDE5阻害剤の送達のための微小粒子組成物。
【請求項13】
前記PDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩が、クエン酸シルデナフィル、塩酸バルデナフィル及びタダラフィルからなる群から選択される、請求項12に記載の微小粒子組成物。
【請求項14】
前記微小粒子が、PDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩の、ジケトンピペラジン微小粒子上への沈積によって形成される、請求項12に記載の微小粒子組成物。
【請求項15】
前記沈積が、冷凍又は冷却によって開始される、請求項14に記載の微小粒子組成物。
【請求項16】
前記微小粒子が、PDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩の溶液中に懸濁されたジケトピペラジン微小粒子を、噴霧乾燥することによって形成される、請求項12に記載の微小粒子組成物。
【請求項17】
前記医薬的に受容可能な塩が、ジケトピペラジン塩である、請求項12に記載の微小粒子組成物。
【請求項18】
前記微小粒子が、ジケトピペラジン及びPDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩を含んでなる溶液の沈殿によって形成される、請求項12に記載の微小粒子組成物。
【請求項19】
前記ジケトピペラジンの微小粒子が、肺系への送達のために処方される、請求項12に記載の微小粒子組成物。
【請求項20】
前記ジケトピペラジン微小粒子が、0.5ミクロンないし10ミクロン間の直径を有し、そしてこれが、取り込まれたPDE5阻害剤又は医薬的に受容可能なその塩を、6.0又はそれより大きいpHにおいて放出する、請求項12に記載の微小粒子組成物。
【請求項21】
前記ジケトピペラジン微小粒子が、経口投与のために処方される、請求項12に記載の微小粒子組成物。
【請求項22】
肺系への送達のための医薬の製造における、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤−ジケトピペラジン組成物の使用。
【請求項23】
前記ホスホジエステラーゼ5型−ジケトピペラジン組成物が、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤のジケトピペラジン塩である、請求項22に記載の医薬。
【請求項24】
前記ホスホジエステラーゼ5型−ジケトピペラジン組成物が、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、又はその塩に伴われた、ジケトピペラジン微小粒子である、請求項22に記載の医薬。
【請求項25】
前記ホスホジエステラーゼ5型阻害剤−ジケトピペラジン組成物が、性的機能障害の治療において有用である、請求項22に記載の医薬。
【請求項26】
前記性的機能障害が、勃起不全である、請求項25に記載の医薬。
【請求項27】
前記性的機能障害が、女性の性的機能障害である、請求項25に記載の医薬。
【請求項28】
前記女性の性的機能障害が、抗鬱剤由来性的機能障害、多発性硬化症に二次的な性的機能障害、性感異常症、低い性的興奮、遅延オルガスム、膣怒張の減少、性交疼痛症及び不妊症由来性的機能障害からなる群から選択される、請求項27に記載の医薬。
【請求項29】
前記ホスホジエステラーゼ5型阻害剤−ジケトピペラジン組成物が、肺高血圧症の治療において有用である、請求項22に記載の医薬。
【請求項30】
前記肺高血圧症が、原発性肺高血圧症、急性肺高血圧症、肺動脈性高血圧症、子癇前症のような妊娠付随高血圧症、及び新生児の持続性肺高血圧症からなる群から選択される、請求項29に記載の医薬。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−510825(P2008−510825A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530063(P2007−530063)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/030028
【国際公開番号】WO2006/023944
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(503208552)マンカインド コーポレイション (50)
【Fターム(参考)】