説明

ホットフラッシュ予防・治療剤

【課題】ホットフラッシュ予防・治療剤の提供。
【解決手段】性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物を含有してなるホットフラッシュ予防・治療剤。化合物の性質として、脳内移行性である性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物を含有してなるホットフラッシュ予防・治療剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、更年期障害、特にホットフラッシュの予防・治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
人類の半数を占める女性は、卵巣の機能低下によって閉経期に入り、ホットフラッシュ(体表面温度の局所的な上昇、およびそれに伴うのぼせや火照り)を含む更年期障害(血管運動神経障害(ホットフラッシュ、発汗、動悸など)、精神神経障害(興奮、不眠、いらだち、頭痛など)、泌尿生殖器の萎縮、脂質代謝異常、骨粗鬆症など)と称される種々の症状に悩まされている。性ホルモンの低下がその主因と考えられているものの、原因は明確ではない。更年期障害は女性の個人的・社会的生活におけるQOL(クオリティ・オブ・ライフ:Quality of Life)の低下を来しており、その原因究明および治療方法が望まれている。また、性ホルモン依存性疾患に対して、性ホルモンを低下させたり、性ホルモンの作用を阻害させたりする治療が行われるが、その治療により、ホットフラッシュを含む更年期障害様の症状を発現することが知られている。これは、女性だけでなく男性にも認められ、治療による副作用となっている。
更年期障害の原因は明確ではないものの、性ホルモンの低下が引き金になっていることは事実であり、そのため、治療として性ホルモンの補充を行うことがある。このホルモン補充療法は一定の効果を示すものの、発癌リスクの上昇等の問題点も知られている。また、性ホルモンを低下させたり、性ホルモンの作用を阻害したりする治療において性ホルモンを補充することは、本来の薬効を減弱することにもなり、好ましくない。
性ホルモンの低下は、性ホルモンが持つネガティブフィードバックを低下させ、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH(Gonadotropin releasing hormone))の合成・分泌を亢進させる。そして、GnRHの刺激により合成・分泌されるLH、FSHの血中濃度を高める。したがって、ホットフラッシュを含む種々の更年期障害が、GnRHやLH、FSHの上昇によって生じている可能性も考えられる。
GnRHを合成・分泌し、受容体を発現しているのは、視床下部・下垂体に止まらず、脳内にも確認されているが、その機能はよく分かっていない。GnRHあるいはGnRHとそのアンタゴニストをラット脳内に投与する実験から、GnRHの上昇がホットフラッシュの発現にかかわり、アンタゴニストがそれを抑制する可能性があることが示唆されている。しかし、実験に使われているのはペプチド性のアンタゴニスト(非特許文献1参照)であり、臨床的に使用することは困難である。
また、ペプチド性GnRHアンタゴニストであるPPI-149を用いて、前立腺癌処置に伴うホットフラッシュを抑制する方法が報告されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特表2002-512976号公報(国際公開第WO99/55358号パンフレット)
【非特許文献1】Brain Research 754 (1997) 88-94.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
更年期障害、特にホットフラッシュの予防・治療剤に関して、これまで臨床上十分に満足できる医薬品は報告されていない。本発明は、更年期障害、特にホットフラッシュの予防・治療剤を提供することを課題とする。なお、本発明において、予防・治療剤とは、改善剤を含めたものを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、非ペプチド性の性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物が、脳内のGnRHの作用を抑制することにより、ホットフラッシュの予防・治療剤として有効であることを見いだし、この知見に基づいてさらに研究した結果、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、
[1]性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物を含有してなるホットフラッシュ予防・治療剤、
[2]化合物が脳内移行性化合物である前記[1]記載の剤、
[3]化合物が縮合複素環系化合物である前記[1]記載の剤、
[4]化合物が、式
【化1】

〔式中、R1は(1)水素原子、(2)炭素原子を介する基、(3)窒素原子を介する基、(4)酸素原子を介する基または(5)硫黄原子を介する基、
R2は(1)水素原子、(2)炭素原子を介する基、(3)窒素原子を介する基、(4)酸素原子を介する基または(5)硫黄原子を介する基、
R3は(1)水素原子、(2)アルキルまたは(3)-(CH2)pQ(pは0ないし3の整数、Qは置換基を有していてもよい同素環基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)、
【化2】

(R4は(1)水素原子、(2)アルコキシを有していてもよいアルキル、(3)置換基を有していてもよいアリール、(4)置換基を有していてもよいアラルキルまたは(5)置換基を有していてもよいシクロアルキルを、R5は(1)水素原子、(2)ホルミル、(3)シアノ、(4)(i)硫黄原子を介する基または(ii)酸素原子を介する基を有していてもよいC1-6アルキル、(5)置換基を有していてもよい複素環基、(6)窒素原子を介する基、(7)酸素原子を介する基、(8)硫黄原子を介する基、(9)エステル化、チオエステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシルまたは(10)-C(O)R7(R7は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)、R6は(1)水素原子または(2)炭素原子を介する基を示す)を示す〕で表される化合物またはその塩もしくはそのプロドラッグである前記[1]記載の剤、
[5]R1が置換基を有していてもよいC6-14アリール、R2が(1)窒素原子を介する基を有するC1-3アルキルまたは(2)窒素原子を介する基、R3が-(CH2)pQ(pは0ないし3の整数、Qは置換基を有していてもよい同素環基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)、
【化3】

R4が(1)C1-6アルコキシを有していてもよいC1-6アルキルまたは(2)置換基を有していてもよいC6-14アリールである前記[4]記載の剤、
[6]化合物が、式
【化4】

〔式中、R21およびR22は、それぞれ(1)水素原子、(2)ヒドロキシ、(3)C1-4アルコキシ、(4)C1-4アルコキシ-カルボニルまたは(5)置換基を有していてもよいC1-4アルキル、R23は(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)ヒドロキシまたは(4)置換基を有していてもよいC1-4アルコキシを示すか、または隣接する2つのR23が連結してC1-4アルキレンジオキシを形成してもよく、R24は(1)水素原子または(2)C1-4アルキル、R26は(1)置換基を有していてもよいC1-4アルキルまたは(2)式
【化5】

(式中、R25は水素原子を示すか、またはR24と連結して複素環を形成してもよい)で表される基、nは0ないし5の整数を示す〕で表される化合物またはその塩である前記[1]記載の剤、
[7]性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とするホットフラッシュ予防・治療方法、
[8]ホットフラッシュ予防・治療剤を製造するための性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物の使用などに関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の、性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物を含有してなるホットフラッシュ予防・治療剤は、毒性が低く、優れたホットフラッシュ予防・治療作用を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
「性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)拮抗作用を有する非ペプチド性化合物」(GnRHアンタゴニスト)としては、性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性の化合物であれば何れでもよい。
GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性の化合物としては、例えば分子量1,000以下の化合物、好ましくは分子量900以下の化合物、より好ましく分子量800以下の化合物があげられる。
また、その化合物の性質としては、経口吸収性に優れているものが好ましい。例えば、化合物を哺乳動物に10 mg/kg経口投与した際に吸収率が10%以上を示す化合物が好ましく、なかでも10 mg/kg経口投与した際に吸収率が20%以上を示す化合物がより好ましい。
さらに、その化合物の性質として、脳内移行性であるものが好ましい。
GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性の化合物としては、とりわけ上記の条件を満たす縮合複素環系化合物が好ましい。
かかる縮合複素環系化合物としては、例えば、式
【化6】

〔式中、R1は(1)水素原子、(2)炭素原子を介する基、(3)窒素原子を介する基、(4)酸素原子を介する基または(5)硫黄原子を介する基、R2は(1)水素原子、(2)炭素原子を介する基、(3)窒素原子を介する基、(4)酸素原子を介する基または(5)硫黄原子を介する基、R3は(1)水素原子、(2)アルキルまたは(3)-(CH2)pQ(pは0ないし3の整数、Qは置換基を有していてもよい同素環基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)を、
【化7】

(R4は(1)水素原子、(2)アルコキシを有していてもよいアルキル、(3)置換基を有していてもよいアリール、(4)置換基を有していてもよいアラルキルまたは(5)置換基を有していてもよいシクロアルキル、R5は(1)水素原子、(2)ホルミル、(3)シアノ、(4)(i)硫黄原子を介する基または(ii)酸素原子を介する基を有していてもよいC1-6アルキル、(5)置換基を有していてもよい複素環基、(6)窒素原子を介する基、(7)酸素原子を介する基、(8)硫黄原子を介する基、(9)エステル化、チオエステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシルまたは(10)-C(O)R7(R7は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)、R6は(1)水素原子または(2)炭素原子を介する基を示す)を示す〕で表される化合物(以下、化合物(I)と略記することがある)またはその塩もしくはそのプロドラッグなどがあげられる。
【0009】
前記の化合物(I)中の各置換基の定義を以下に示す。
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」としては、例えば(1)置換基を有していてもよいアルキル、(2)置換基を有していてもよいシクロアルキル、(3)置換基を有していてもよいアルケニル、(4)置換基を有していてもよいアリール、(5)置換基を有していてもよいアラルキル、(6)炭素原子に結合手を有する複素環基(この複素環基は置換基を有していてもよい)、(7)ホルミル、(8)エステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル、(9)シアノ、(10)アミジノなどがあげられる。
【0010】
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアルキル」のアルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル、ネオヘキシル、2,3-ジメチルブチル等の直鎖状および分枝状のC1-6アルキル等があげられる。
該「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基としては、例えば、(1)(i)ヒドロキシ、(ii)アミノ、(iii)モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(iv)C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ等)および(v)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)から選ばれた置換基を1ないし4個有していてもよいC6-14アリール(例えば、フェニル、ナフチル等)、(2)ヒドロキシ、(3)カルボキシ、(4)ニトロ、(5)C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ等)、(6)C1-6アルキル-カルボニルオキシ(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンチルカルボニルオキシ、ヘキシルカルボニルオキシ等)、(7)C1-6アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等)、(8)C1-6アルキルスルフィニル(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル、tert-ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル等)、(9)C1-6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル等)、(10)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(11)窒素原子を介する基、(12)複素環基などがあげられる。
【0011】
該「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基としての「窒素原子を介する基」としては、例えば、(1)-NR8R9(式中、R8は水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル、置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル、置換基を有していてもよいC6-14アリール、置換基を有していてもよいC7-20アラルキル、アシル、置換基を有していてもよいカルバモイルまたは複素環基、R9は水素原子または置換基を有していてもよいC1-6アルキルを示す)、(2)窒素原子に結合手を介する複素環基(例えば、1H-1-ピロリル、1-イミダゾリル、ピラゾリル、インドリル、1H-1-インダゾリル、7-プリニル、1-ピロリジニル、1-ピロリニル、1-イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ピラゾリニル、1-ピペリジニル、4-モルホリニル、4-チオモルホリニル、2-イソインドリル、2-(1,2,3,4-テトラヒドロ)イソキノリル等)等があげられる。
【0012】
R8およびR9で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」のC1-6アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル、ネオヘキシル、2,3-ジメチルブチル等があげられる。
R8およびR9で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」の置換基としては、例えば、(1)C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル、ネオヘキシル、2,3-ジメチルブチル等)、(2)C2-6アルケニル(例えば、ビニル、1-メチルビニル、1-プロペニル、アリル等)、(3)C2-6アルキニル(例えば、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル等)、(4)C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、(5)C5-7シクロアルケニル(例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等)、(6)C7-11アラルキル(例えば、ベンジル、α-メチルベンジル、フェネチル等)、(7)C6-14アリール(例えば、フェニル、ナフチル等)、(8)C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)、(9)C6-14アリールオキシ(例えば、フェノキシ、1-ナフトキシ、2-ナフトキシ等)、(10)C1-6アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等)、(11)C6-14アリール-カルボニル(例えば、ベンゾイル、1-ナフチルカルボニル、2-ナフチルカルボニル等)、(12)C1-6アルカノイルオキシ(例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等)、(13)C6-14アリール-カルボニルオキシ(例えば、ベンゾイルオキシ、1-ナフチルカルボニルオキシ、2-ナフチルカルボニルオキシ等)、(14)カルボキシ、(15)C1-6アルコキシ-カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、(16)カルバモイル、(17)N-モノ-C1-4アルキルカルバモイル(例えば、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-イソプロピルカルバモイル、N-ブチルカルバモイル等)、(18)N,N-ジ-C1-4アルキルカルバモイル(例えば、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N,N-ジプロピルカルバモイル、N,N-ジブチルカルバモイル等)、(19)環状アミノカルボニル(例えば、1-アジリジニルカルボニル、1-アゼチジニルカルボニル、1-ピロリジニルカルボニル、1-ピペリジニルカルボニル、N-メチルピペラジニルカルボニル、モルホリノカルボニル等)、(20)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(21)1ないし3個のハロゲン原子で置換されたC1-4アルキル(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル等)、(22)オキソ、(23)アミジノ、(24)イミノ、(25)アミノ、(26)モノ-またはジ-C1-4アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ等)、(27)炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ(例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル等)、(28)C1-6アルカノイルアミノ(例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ等)、(29)ベンズアミド、(30)カルバモイルアミノ、(31)(N-C1-4アルキルカルバモイル)アミノ(例えば、(N-メチルカルバモイル)アミノ、(N-エチルカルバモイル)アミノ、(N-プロピルカルバモイル)アミノ、(N-イソプロピルカルバモイル)アミノ、(N-ブチルカルバモイル)アミノ等)、(32)(N,N-ジ-C1-4アルキルカルバモイル)アミノ(例えば、(N,N-ジメチルカルバモイル)アミノ、(N,N-ジエチルカルバモイル)アミノ、(N,N-ジプロピルカルバモイル)アミノ、(N,N-ジブチルカルバモイル)アミノ等)、(33)C1-6アルキレンジオキシ(例えば、-OCH2O-, -O(CH2)2O-, -O(CH2)3O-, -O(CH2)4O-, -O(CH2)5O-, -O(CH2)6O- 等)、(34)ジヒドロボリル、(35)ヒドロキシ、(36)エポキシ、(37)ニトロ、(38)シアノ、(39)メルカプト、(40)スルホ、(41)スルフィノ、(42)ホスホノ、(43)スルファモイル、(44)N-C1-6アルキルスルファモイル(例えば、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロピルスルファモイル、N-ブチルスルファモイル等)、(45) N,N-ジC1-6アルキルスルファモイル(例えば、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチルスルファモイル等)、(46)C1-6アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等)、(47)フェニルチオ、(48)C1-6アルキルスルフィニル(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等)、(49)フェニルスルフィニル、(50)C1-6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等)、(51)フェニルスルホニル等があげられる。これらから選ばれる置換基を置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0013】
R8で表される「置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル」のC3-6シクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等があげられる。
R8で表される「置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル」の置換基としては、前記のR8およびR9で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」の置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0014】
R8で表される「置換基を有していてもよいC6-14アリール」のC6-14アリールとしては、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニルなどがあげられる。
R8で表される「置換基を有していてもよいC6-14アリール」の置換基としては、前記のR8およびR9で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」の置換基からオキソおよびエポキシを除いたものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0015】
R8で表される「置換基を有していてもよいC7-20アラルキル」のC7-20アラルキルとしては、例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ベンツヒドリル、トリチルなどがあげられる。
R8で表される「置換基を有していてもよいC7-20アラルキル」の置換基としては、前記のR8およびR9で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」の置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0016】
R8で表される「アシル」としては、前記のR8で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」、「置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル」、「置換基を有していてもよいC6-14アリール」および「置換基を有していてもよいC7-20アラルキル」がカルボニル、スルフィニルまたはスルホニルと結合してなる基などがあげられる。
【0017】
R8で表される「置換基を有していてもよいカルバモイル」の置換基としては、(1)置換基を有していてもよいC1-6アルキル、(2)置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル、(3)置換基を有していてもよいC6-14アリール、(4)置換基を有していてもよいC7-20アラルキル、(5)ヒドロキシ、(6)置換基を有していてもよいC1-6アルコキシおよび(7)置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ-カルボニルなどがあげられ、これらの置換基を1または2個有していてもよい。
R8で表される「置換基を有していてもよいカルバモイル」の置換基としての「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」としては、前記のR8およびR9で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」と同様のものがあげられる。
R8で表される「置換基を有していてもよいカルバモイル」の置換基としての「置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル」、「置換基を有していてもよいC6-14アリール」および「置換基を有していてもよいC7-20アラルキル」としては、前記のR8で表される「置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル」、「置換基を有していてもよいC6-14アリール」および「置換基を有していてもよいC7-20アラルキル」と同様のものがあげられる。
R8で表される「置換基を有していてもよいカルバモイル」の置換基としての「置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ」のC1-6アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシなどがあげられる。「置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ」の置換基としては、前記のR8で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」の置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
R8で表される「置換基を有していてもよいカルバモイル」の置換基としての「置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ-カルボニル」としては、前記のR8で表される「置換基を有していてもよいカルバモイル」の置換基としての「置換基を有していてもよいC1-6アルコキシ」がカルボニルと結合してなる基があげられる。
【0018】
R8で表される「複素環基」としては、例えば、(1)炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員環基(例えば、2-チエニル、3-チエニル、2-フリル、3-フリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、3-(1,2,4-オキサジアゾリル)、5-(1,2,4-オキサジアゾリル)、1,3,4-オキサジアゾリル、3-(1,2,4-チアジアゾリル)、5-(1,2,4-チアジアゾリル)、1,3,4-チアジアゾリル、4-(1,2,3-チアジアゾリル)、5-(1,2,3-チアジアゾリル)、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリル、オキソイミダジニル、ジオキソトリアジニル、ピロリジニル等)、(2)炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む6員環基(例えば、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、N-オキシド-2-ピリジル、N-オキシド-3-ピリジル、N-オキシド-4-ピリジル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、N-オキシド-2-ピリミジニル、N-オキシド-4-ピリミジニル、N-オキシド-5-ピリミジニル、2-チオモルホリニル、3-チオモルホリニル、2-モルホリニル、3-モルホリニル、ピペリジニル、ピラニル、チオピラニル、1,4-オキサジニル、1,4-チアジニル、1,3-チアジニル、2-ピペラジニル、3-ピペラジニル、トリアジニル、オキソトリアジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、ピラジニル、N-オキシド-3-ピリダジニル、N-オキシド-4-ピリダジニル等)、(3)炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む2環性または3環性縮合環基(例えば、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル、トリアゾロ[4,5-b]ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、キノリジニル、1,8-ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、クロマニル、ベンゾオキサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等)があげられる。
【0019】
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基としての複素環基としては、前記のR8で表される「複素環基」と同様のものがあげられる。
【0020】
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいシクロアルキル」のシクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル等があげられる。
「置換基を有していてもよいシクロアルキル」の置換基としては、R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0021】
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアルケニル」のアルケニルとしては、例えば、ビニル、ブタジエニル、ヘキサトリエニル等のC2-6アルケニル等があげられる。
「置換基を有していてもよいアルケニル」のアルケニルの置換基としては、R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0022】
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアリール」のアリールとしては、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル等のC6-14アリール等があげられる。
「置換基を有していてもよいアリール」のアリールの置換基としては、R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基と同様のもの、C1-6アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等)、カルバモイル、N-モノ-C1-6アルキルカルバモイル(例えば、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-イソプロピルカルバモイル等)、N,N-ジ-C1-6アルキルカルバモイル(例えば、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N,N-ジプロピルカルバモイル等)等があげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0023】
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアラルキル」のアラルキルとしては、例えば、ベンジル、ベンツヒドリル、トリチル等のC7-20アラルキル等があげられる。
「置換基を有していてもよいアラルキル」のアラルキルの置換基としては、R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0024】
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「炭素原子に結合手を有する複素環基」としては、例えば、R8で表される複素環基と同様のものがあげられる。
該「炭素原子に結合手を有する複素環基」は置換基を有していてもよく、その置換基としては、例えば、R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0025】
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「エステル化されていてもよいカルボキシル」としては、例えば、-CO2R10(R10は、水素、置換基を有していてもよいアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいアラルキルまたは炭素原子に結合手を有する複素環基(この複素環基は置換基を有していてもよい)を示す)で表される基があげられる。
R10で表される、「置換基を有していてもよいアルキル」、「置換基を有していてもよいシクロアルキル」、「置換基を有していてもよいアリール」、「置換基を有していてもよいアラルキル」、「炭素原子に結合手を有する複素環基(この複素環基は置換基を有していてもよい)」としては、前記のR1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」としての「置換基を有していてもよいアルキル」、「置換基を有していてもよいシクロアルキル」、「置換基を有していてもよいアリール」、「置換基を有していてもよいアラルキル」、「炭素原子に結合手を有する複素環基(この複素環基は置換基を有していてもよい)」と同様のものがあげられる。
【0026】
R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「アミド化されていてもよいカルボキシル」としては、例えば、-CONR8R9(R8およびR9は前記と同意義を示す)で表される基があげられる。
【0027】
R1、R2およびR5で表される「窒素原子を介する基」としては、例えば、R1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」で定義される「置換基を有していてもよいアルキル」の置換基の「窒素原子を介する基」と同様のものがあげられる。
【0028】
R1、R2およびR5で表される「酸素原子を介する基」としては、-OR11(R11は置換基を有していてもよいC1-6アルキル、置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル、置換基を有していてもよいC6-14アリール、置換基を有していてもよいC7-20アラルキル、置換基を有していてもよい複素環基を示す)で表される基があげられる。
R11で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」としては、前記のR8およびR9で表される「置換基を有していてもよいC1-6アルキル」と同様のものがあげられる。
R11で表される「置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル」、「置換基を有していてもよいC6-14アリール」、「置換基を有していてもよいC7-20アラルキル」、および「置換基を有していてもよい複素環基」としては、前記のR8で表される「置換基を有していてもよいC3-6シクロアルキル」、「置換基を有していてもよいC6-14アリール」、「置換基を有していてもよいC7-20アラルキル」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものがあげられる。
【0029】
R1、R2およびR5で表される「硫黄原子を介する基」としては、-SR11(R11は前記と同意義を示す)で表される基があげられる。
【0030】
R3で表されるアルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル等があげられる。
【0031】
Qで表される「置換基を有していてもよい同素環基」としては、(1)置換基を有していてもよいアリールまたは(2)置換基を有していてもよいシクロアルキルがあげられる。
【0032】
Qで表される「置換基を有していてもよい同素環基」の定義としての、「置換基を有していてもよいアリール」のアリールとしては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル等のC6-14アリール等があげられる。
Qで表される「置換基を有していてもよい同素環基」の定義としての、「置換基を有していてもよいアリール」のアリールの置換基としては、例えば、(i)C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、(ii)C2-6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル等)、(iii)C2-6アルキニル(例えば、エチニル、プロパルギル、2-ブチニル、5-ヘキシニル等)、(iv)C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、(v)C6-14アリール(例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル等)、(vi)C7-14アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチル等)、(vii)ニトロ、(viii)ヒドロキシ、(ix)メルカプト、(x)シアノ、(xi)カルバモイル、(xii)カルボキシル、(xiii)C1-6アルコキシ-カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等)、(xiv)スルホ、(xv)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(xvi)C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)を有していてもよいC1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、(xvii)C6-10アリールオキシ(例えば、フェノキシ、1-ナフチルオキシ、2-ナフチルオキシ等)、(xviii)C1-6アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等)、(xix)C6-10アリールチオ(例えば、フェニルチオ、1-ナフチルチオ、2-ナフチルチオ等)、(xx)C1-6アルキルスルフィニル(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル、tert-ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル等)、(xxi)C6-10アリールスルフィニル(例えば、フェニルスルフィニル、1-ナフチルスルフィニル、2-ナフチルスルフィニル等)、(xxii)C1-6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル等)、(xxiii)C6-10アリールスルホニル(例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル、2-ナフチルスルホニル等)、(xxiv)アミノ、(xxv)C1-6アシルアミノ(例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、バレリルアミノ等)、(xxvi)モノ-C1-6アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等)、(xxvii)ジ-C1-6アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ等)、(xxviii)C3-6シクロアルキルアミノ(例えば、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ等)、(xxix)C6-10アリールアミノ(例えば、アニリノ、1-ナフチルアミノ、2-ナフチルアミノ等)、(xxx)C1-6アシル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル等)、(xxxi)C6-10アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル、1-ナフチルカルボニル、2-ナフチルカルボニル等)、(xxxii)C1-4アルキレンジオキシ(例えば、-OCH2O-、-O(CH2)2O-、-O(CH2)3O-、-O(CH2)4O-)、(xxxiii)炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5または6員の複素環基(例えば、2-チエニル、3-チエニル、2-フリル、3-フリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、3-(1,2,4-オキサジアゾリル)、5-(1,2,4-オキサジアゾリル)、1,3,4-オキサジアゾリル、3-(1,2,4-チアジアゾリル)、5-(1,2,4-チアジアゾリル)、1,3,4-チアジアゾリル、4-(1,2,3-チアジアゾリル)、5-(1,2,3-チアジアゾリル)、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリル、オキソイミダジニル、ジオキソトリアジニル、ピロリジニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、2-チオモルホリニル、3-チオモルホリニル、2-モルホリニル、3-モルホリニル、ピペリジニル、ピラニル、チオピラニル、1,4-オキサジニル、1,4-チアジニル、1,3-チアジニル、2-ピペラジニル、3-ピペラジニル、トリアジニル、オキソトリアジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、ピラジニル等)等があげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0033】
Qで表される「置換基を有していてもよい同素環基」の定義としての、「置換基を有していてもよいシクロアルキル」のシクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル等があげられる。
Qで表される「置換基を有していてもよい同素環基」の定義としての、「置換基を有していてもよいシクロアルキル」のシクロアルキルの置換基としては、前記のQで表される「置換基を有していてもよい同素環基」の定義としての、「置換基を有していてもよいアリール」の置換基と同様のものおよびオキソ、チオキソなどがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0034】
Qで表される「置換基を有していてもよい複素環基」の複素環基としては、前記のR8で表される「複素環基」と同様のものがあげられる。
Qで表される「置換基を有していてもよい複素環基」の複素環基の置換基としては、前記のQで表される「置換基を有していてもよい同素環基」の定義としての、「置換基を有していてもよいアリール」のアリールの置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0035】
R4で表される「アルコキシを有していてもよいアルキル」の「アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル、ネオヘキシル、2,3-ジメチルブチル等のC1-6アルキル等があげられる。
R4で表される「アルコキシを有していてもよいアルキル」の「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ等があげられる。
【0036】
R4で表される「置換基を有していてもよいアリール」の「アリール」としては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル等のC6-14アリール等があげられる。
R4で表される「置換基を有していてもよいアリール」の置換基としては、前記のQで表される「置換基を有していてもよい同素環基」の定義としての、「置換基を有していてもよいアリール」のアリールの置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0037】
R4で表される「置換基を有していてもよいアラルキル」のアラルキルとしては、例えば、ベンジル、ベンツヒドリル、トリチル等のC7-20アラルキル等があげられる。
R4で表される「置換基を有していてもよいアラルキル」の置換基としては、前記のQで表される「置換基を有していてもよい同素環基」の定義としての、「置換基を有していてもよいアリール」のアリールの置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0038】
R4で表される「置換基を有していてもよいシクロアルキル」のシクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル等があげられる。
R4で表される「置換基を有していてもよいシクロアルキル」の置換基としては、前記のQで表される「置換基を有していてもよい同素環基」の定義としての、「置換基を有していてもよいアリール」のアリールの置換基と同様のものがあげられ、置換可能な位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個有していてもよい。
【0039】
R5で表される「(i)硫黄原子を介する基または(ii)酸素原子を介する基を有していてもよいC1-6アルキル」の「C1-6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル、ネオヘキシル、2,3-ジメチルブチル等のC1-6アルキル等があげられる。
R5で表される「(i)硫黄原子を介する基または(ii)酸素原子を介する基を有していてもよいC1-6アルキル」の「硫黄原子を介する基」としては、R1およびR2で表される「硫黄原子を介する基」と同様の基があげられる。
R5で表される「(i)硫黄原子を介する基または(ii)酸素原子を介する基を有していてもよいC1-6アルキル」の「酸素原子を介する基」としては、R1およびR2で表される「酸素原子を介する基」と同様の基があげられる。
【0040】
R5で表される「置換基を有していてもよい複素環基」としては、前記のQで表される「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものがあげられる。
【0041】
R5で表される「エステル化されていてもよいカルボキシル」としては、例えば、-CO2R10(R10は、前記と同意義を示す)で表される基があげられる。
【0042】
R5で表される「チオエステル化されていてもよいカルボキシル」としては、例えば、-C(O)SR10(R10は、前記と同意義を示す)で表される基があげられる。
【0043】
R5で表される「アミド化されていてもよいカルボキシル」としては、例えば、-CONR8R9(R8およびR9は前記と同意義を示す)で表される基があげられる。
【0044】
R7で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、(1)置換基を有していてもよいアルキル、(2)置換基を有していてもよいシクロアルキル、(3)置換基を有していてもよいアルケニル、(4)置換基を有していてもよいアリール、(5)置換基を有していてもよいアラルキルがあげられる。
R7で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」としての、「置換基を有していてもよいアルキル」、「置換基を有していてもよいシクロアルキル」、「置換基を有していてもよいアルケニル」、「置換基を有していてもよいアリール」、「置換基を有していてもよいアラルキル」としては、例えば、前記のR1、R2およびR6で表される「炭素原子を介する基」としての、「置換基を有していてもよいアルキル」、「置換基を有していてもよいシクロアルキル」、「置換基を有していてもよいアルケニル」、「置換基を有していてもよいアリール」、「置換基を有していてもよいアラルキル」と同様のものがあげられる。
【0045】
R1としては、置換基を有していてもよいC6-14アリールであるものが好ましい。
R2としては、(1)窒素原子を介する基を有するC1-6アルキル(特にC1-3アルキル)または(2)窒素原子を介する基であるものが好ましい。
R3としては、-(CH2)pQ(pは0ないし3の整数を、Qは置換基を有していてもよい同素環基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)で表される基であるものが好ましい。
R4としては、(1)C1-6アルコキシを有していてもよいC1-6アルキルまたは(2)置換基を有していてもよいC6-14アリールが好ましい。
R5としては、-C(O)R7(R7は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)が好ましい。
R6としては、水素原子が好ましい。
【化8】

が好ましい。
【0046】
化合物(I)としては、式
【化9】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物(以下、化合物(Ia)と略記する)であるものが好ましい。なかでも、化合物(Ia)において、
R1が置換基を有していてもよいC6-14アリール、R2が(1)窒素原子を介する基を有するC1-3アルキルまたは(2)窒素原子を介する基、R3が-(CH2)pQ(pは0ないし3の整数を、Qは置換基を有していてもよい同素環基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)で表される基、R4が(1)C1-6アルコキシを有していてもよいC1-6アルキルまたは(2)置換基を有していてもよいC6-14アリールであるものが好ましい。
【0047】
とりわけ化合物(I)において、式
【化10】

〔式中、R21およびR22は、それぞれ(1)水素原子、(2)ヒドロキシ、(3)C1-4アルコキシ、(4)C1-4アルコキシ-カルボニルまたは(5)置換基を有していてもよいC1-4アルキル、
R23は(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)ヒドロキシまたは(4)置換基を有していてもよいC1-4アルコキシを示すか、または
隣接する2つのR23が連結してC1-4アルキレンジオキシを形成してもよく、
R24は(1)水素原子または(2)C1-4アルキル、
R26は(1)置換基を有していてもよいC1-4アルキルまたは(2)式
【化11】

(式中、R25は水素原子を示すか、またはR24と連結して複素環を形成してもよい)で表される基、およびnは0ないし5の整数を示す〕で表される化合物(以下、化合物(Ib)と略記する)であるものが好ましい。
【0048】
R21およびR22で表される「C1-4アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert−ブトキシなどがあげられる。このうち、C1-3アルコキシが好ましい。さらに好ましくはメトキシである。
R21およびR22で表される「C1-4アルコキシ-カルボニル」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなどがあげられる。このうち、C1-3アルコキシ-カルボニルが好ましい。さらに好ましくはメトキシカルボニルである。
R21およびR22で表される「置換基を有していてもよいC1-4アルキル」の「C1-4アルキル」としては、例えば直鎖状C1-4アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、分枝状C3-4アルキル(例えば、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなど)などがあげられる。このうち、C1-3アルキルが好ましい。とりわけ、エチルが好ましい。
【0049】
R21およびR22で表される「置換基を有していてもよいC1-4アルキル」の「置換基」としては、例えば(i)ヒドロキシ、(ii)C1-7アシルオキシ(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシなどのC1-6アルキル-カルボニルオキシ)、(iii)ベンゾイルオキシ、(iv)C1-6アルコキシ-カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなど)、ベンジルオキシカルボニル、C1-4アシル(例えば、アセチル、プロピオニルなどのC1-3アルキル-カルボニルなど)、C1-4アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)およびC1-3アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニルなど)などから選ばれる置換基を1または2個有していてもよいアミノ(例えば、アミノ、ジメチルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニルアミノなど)、(v)C1-10アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシなど)、(vi)C3-7シクロアルキルオキシカルボニルオキシ-C1-3アルコキシ(例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エトキシなど)、(vii)C1-3アルコキシ-C1-3アルコキシ(例えば、メトキシメトキシ、メトキシエトキシなど)などがあげられる。このうち、ヒドロキシが好ましい。
R21およびR22で表される「置換基を有していてもよいC1-4アルキル」の「C1-4アルキル」は、例えば前記置換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
R21およびR22は、一方が水素原子、他方がC1-3アルコキシであるものが好ましい。
【0050】
R23で表される「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。このうち塩素が好ましい。
R23で表される「置換基を有していてもよいC1-4アルコキシ」の「C1-4アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどがあげられる。このうち、メトキシが好ましい。
R23で表される「置換基を有していてもよいC1-4アルコキシ」の「置換基」としては、前記R21およびR22で表される「置換基を有していてもよいC1-4アルキル」の「置換基」と同様のものがあげられる。このうちC1-4アルコキシが好ましい。
該C1-4アルコキシは、例えば前記置換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
隣接する2つのR23が連結して形成する「C1-4アルキレンジオキシ」としては、例えばメチレンジオキシ、エチレンジオキシなどがあげられる。
R23は、水素原子が好ましい。
【0051】
R24で表される「C1-4アルキル」としては、例えば直鎖状C1-4アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、分枝状C3-4アルキル(例えば、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなど)などがあげられる。このうちC1-3アルキルが好ましい。とりわけ、メチルが好ましい。
R26で表される「置換基を有していてもよいC1-4アルキル」としては、R21またはR22で表される「置換基を有していてもよいC1-4アルキル」があげられる。
【0052】
R24とR25とが連結して形成される「複素環」としては、5または6員含窒素複素環基があげられる。R24とR25とが連結するとき、式
【化12】

で表される基としては、例えば、式
【化13】

で表される基などがあげられる。このうち、式
【化14】

で表される基が好ましい。
【0053】
R26は、式
【化15】

〔式中、R25は前記と同意義を示す〕で表される基が好ましい。
R24はC1-3アルキルおよびR25は水素原子が好ましい。
nは0ないし2の整数が好ましい。
【0054】
化合物(I)中、好ましいものとしては、式
【化16】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物(以下、化合物(Ic)と略記する)などがあげられる。
さらに好ましくは、R21がヒドロキシ、メトキシまたはC1-3アルキル;
R22が水素原子またはC1-3アルキル;R24がC1-3アルキル;R25が水素原子;およびnが0である化合物(Ic)などがあげられる。
中でも好ましくは、R21がメトキシ;R22およびR25がそれぞれ水素原子;R24がC1-3アルキル;R25が水素原子;およびnが0である化合物(Ic)などがあげられる。
【0055】
また、化合物(I)中、好ましいものとしては、化合物(Ib)において、R21が(i)ヒドロキシ、(ii)C1-4アルコキシ、または(iii)ヒドロキシもしくはC1-4アルキル-カルボニルオキシを有していてもよいC1-4アルキル;R22が水素原子、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシ-カルボニル;R23が水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシ-C1-4アルコキシ、または隣接する2つのR23が連結してC1-3アルキレンジオキシ;R24が水素原子またはC1-3アルキル;R26がC1-4アルコキシ-C1-4アルキルまたは式
【化17】

〔式中、R25は水素原子を示すか、またはR24とR25とが連結して5または6員複素環を形成する〕で表される基;およびnが1または2である化合物もあげられる。
【0056】
化合物(I)の具体例としては、
5-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-6-[4-(3-メトキシウレイド)フェニル]-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、5-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-6-[4-(3-ヒドロキシウレイド)フェニル]-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、5-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-6-[4-(3-メチルウレイド)フェニル]-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、5-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-6-[4-(3-エチルウレイド)フェニル]-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンまたはこれらの塩があげられる。
なかでも、5-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-6-[4-(3-メトキシウレイド)フェニル]-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンまたはその塩が好ましい。
【0057】
化合物(I)の塩としては、生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩、または有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など)との塩などが用いられる。化合物(I)が酸性基を有している場合は、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属、アンモニアなど)または有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなど)と生理学的に許容される塩を形成してもよい。
【0058】
化合物(I)は、公知の方法、例えばWO95/28405号公報、特開平9-169766号公報、WO96/24597号公報、WO97/14697号公報、WO97/41126号公報、WO00/00493号公報、WO00/56739号公報などに記載の方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【0059】
化合物(I)のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物をいう。
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)がアミノを有する場合、該アミノがアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノがエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert-ブチル化された化合物など);化合物(I)がヒドロキシを有する場合、該ヒドロキシがアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例えば、化合物(I)のヒドロキシがアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物(I)がカルボキシルを有する場合該カルボキシルがエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシルがエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0060】
化合物(I)のプロドラッグはそれ自身であっても、薬理学的に許容される塩であってもよい。このような塩としては、化合物(I)のプロドラッグがカルボキシル等の酸性基を有する場合、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属等)や有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどの有機アミン類、アルギニン、リジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸類等)などとの塩が挙げられる。
化合物(I)のプロドラッグがアミノ等の塩基性基を有する場合、無機酸や有機酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、炭酸、重炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等)、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸等との塩が挙げられる。
また、化合物(I)のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。
化合物(I)は分子内に1ないしそれより多い不斉炭素を有する場合があるが、これら不斉炭素に関しR配置、S配置のいずれも本発明に包含される。
化合物(I)は同位元素(例えば、3H、14C、35S)などで標識されていてもよい。
【0061】
また、性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物の例として、式
【化18】

〔式中、WまたはYはいずれか一方が窒素原子で他方が炭素原子または両方が窒素原子、Xは窒素原子または炭素原子、mは0ないし3の整数、R31、R32およびR33はそれぞれ同一または異なって(i)水素原子または(ii)炭素原子、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合する基、R34は炭素原子を介して結合する基、R35は水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)または炭素原子もしくは酸素原子を介して結合する基、R36は水素原子または炭素原子を介して結合する基を、R37はそれぞれ置換基を有していてもよい同素環基または複素環基を、破線部分は単結合または二重結合をそれぞれ示す〕で表される化合物(以下、化合物(II)と略記することがある)またはその塩もあげられる。
【0062】
以下、化合物(II)における各置換基について詳述する。前記の化合物(II)において、炭素原子を介して結合する基としては、(1)置換基を有していてもよい炭化水素基、(2) 置換基を有していてもよいアシル基、(3) 置換基を有していてもよい炭素原子に結合手を有する複素環基、(4)エステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル基または(5)シアノ基があげられる。
前記の式中、窒素原子を介して結合する基としては、(1)ニトロ基、(2)式 -NR38R39〔式中、R38は水素、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいヒドロキシ、置換基を有していてもよい複素環基または式 -S(O)t-R42(式中、tは0ないし2の整数を、R42は水素原子または置換基を有していてもよいC1-10炭化水素基を示す)で表される基を、R39は水素、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよいアシル基を示すか、R38とR39とが結合し隣接する窒素原子とともに置換基を有していてもよい環状アミノ基を形成していてもよい〕で表される基があげられる。
前記の式中、酸素原子を介して結合する基としては、置換基を有していてもよいヒドロキシがあげられる。該置換基を有していてもよいヒドロキシとしては、式 -OR43(式中、R43は水素原子または、それぞれ置換基を有していてもよいC1-10炭化水素基、C1-20アシル基、C1-20アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシルスルホニル、ウンデシルスルホニル、ドデシルスルホニル、トリデシルスルホニル、テトラデシルスルホニル、ペンタデシルスルホニル等)、C6-14アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル、2-ナフチルスルホニル等)もしくは複素環基を示す)で表される。
前記の式中、硫黄原子を介して結合する基としては、式 -S(O)tR44(式中、tは0ないし2の整数を、R44は水素原子または、それぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を示す)で表される基があげられる。
【0063】
前記エステル化されていてもよいカルボキシル基としては、式 -COOR51(式中、R51は水素原子または置換基を有していてもよいC1-10炭化水素基を示す。)で表される基があげられる。
前記アミド化されていてもよいカルボキシル基としては、式 -CONR45R46〔式中、R45は、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ等)を示す。R46は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。R45とR46とは、隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよい環状アミノ基を形成してもよい。〕で表される基があげられる。該アミド化されていてもよいカルボキシル基としては、例えば -CONH2 で示される基、またはモノ-もしくはジ-C1-15アルキルカルバモイル基、好ましくはモノ-もしくはジ-C1-10アルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、sec-ブチルカルバモイル、tert-ブチルカルバモイル、ペンチルカルバモイル、ヘキシルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、メチルエチルカルバモイル等)などがあげられる。
【0064】
前述の置換基を有していてもよい炭化水素基における炭化水素基としては、例えばC1-20炭化水素基(好ましくは、C1-10炭化水素基)が好ましい。該C1-20炭化水素基の例としては、例えば、(1)C1-15アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等があげられ、なかでも、C1-10アルキルが好ましく、特にC1-6アルキル基が好ましい)、(2)C3-10シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル等があげられ、なかでもC3-6シクロアルキル基が好ましい)、(3)C2-10アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、ブタジエニル、2-メチルアリル、ヘキサトリエニル、3-オクテニル等があげられ、なかでもC2-6アルケニル基が好ましい)、(4)C2-10アルキニル基(例えば、エチニル、2-プロピニル、ブチニル、3-ヘキシニルなどがあげられ、なかでもC2-6アルキニル基が好ましい)、(5)C3-10シクロアルケニル(例えば、シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等があげられ、なかでもC3-6シクロアルケニル基が好ましい)、(6)C6-14アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチル等があげられ、なかでも、フェニル、ナフチルが好ましい)および(7)C7-20アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、ベンツヒドリル等のC6-14アリール-C1-6アルキル基が挙げられ、なかでもベンジル、フェネチルなどのフェニル-C1-6アルキル基が好ましい)などがあげられる。
【0065】
前記の炭化水素基は、置換可能な任意の位置に1ないし6個、好ましくは1ないし5個、さらに好ましくは1ないし3個の置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、(1)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(2)ニトロ、(3)ニトロソ、(4)シアノ、(5)置換基〔例えば、(i)C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ,C1-3アルコキシ-C1-3アルコキシ,C1-3アルキルチオ,ヒドロキシ-C1-3アルコキシ,C1-6アルキル-カルボニル、カルボキシ、カルバモイル、C1-6アルキル-カルバモイル、5ないし8員複素環基(後述の「炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環基」と同様のもの)またはハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を置換基として1ないし3個有していてもよい)、(ii)C1-4アシル(例えば、C1-4アルカノイル(ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等)、C3-4アルケノイル(ビニルカルボニル、1-プロペニルカルボニル、2-プロペニルカルボニル等)等)、(iii)C7-20アラルキル(該C7-20アラルキル基はC6-14アリール-C1-6アルキルであり、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、C1-3アルコキシまたはC1-4アルキルを1ないし3個、好ましくは1個、置換基として有していてもよい)、(iv)C6-14アリール(該C6-14アリールは、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を1ないし3個、好ましくは1個、置換基として有していてもよい)、(v)C2-6アルケニル、(vi)C3-7シクロアルキル、(vii)C1-3アルコキシ-カルボニル、(viii)モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ、(ix)C2-6アルケニルアミノ、(x)C1-6アルキル-カルボニルまたは(xi)C3-6シクロアルキルオキシ-カルボニル〕を有していてもよいヒドロキシ、(6)式 -S(O)tR47〔式中、tは0ないし2の整数を、R47は水素原子または置換可能な任意の位置に1ないし3個、好ましくは1個の置換基(例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、オキソ、チオキソ、カルボキシ、シアノ-C6-14アリール、ハロゲノC6-14アリール等)を有していてもよい炭化水素基を示し、該炭化水素基としては、C1-20炭化水素基、特に、C1-6アルキル、C6-14アリール、C7-20アラルキルが好ましい〕で表される基、(7)置換基を有していてもよいアミノ基〔例えば、式 -NR48R49〔式中、R48およびR49は、同一または異なって、水素原子、C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルキル、フェニル、フェニル-C1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C3-6アルケノイル、C3-7シクロアルキル-カルボニル、フェニル-C1-6アルキル-カルボニル、C1-6アルコキシ-カルボニル、フェニル-C1-6アルコキシ-カルボニルまたは5ないし8員複素環基(後述の「炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環基」と同様のもの)を示す〕で表される基〕、(8)式 -COR50〔式中、R50は、(i)水素原子、(ii)ヒドロキシ、(iii)C1-10アルキル、(iv)C1-6アルコキシ(このアルコキシは、ハロゲン原子やニトロなどの置換基を置換可能な任意の位置に1ないし3個、好ましくは1個有していてもよいC6-14アリールで置換されていてもよい)、(v)C3-6シクロアルキル、(vi)C6-14アリール、(vii)C6-14アリールオキシ、(viii)C7-20アラルキル、(ix)式-NR40R41(式中、R40は水素またはそれぞれ置換基を有していてもよいC1-10炭化水素基、C1-20アシル基、ヒドロキシ、複素環基もしくは式 -S(O)t-R42(式中、tは0ないし2の整数を、R42は水素原子、置換基を有していてもよいC1-10炭化水素基または複素環基を示す)で表される基を、R41は水素またはC1-10炭化水素基を示すか、R40とR41とが隣接する窒素原子とともに置換基を有していてもよい環状アミノ基を形成していてもよい)で表される置換基を有していてもよいアミノ基または(x)5ないし8員複素環基(後述の「炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環基」と同様のもの)を示す〕で表される基(例えば、C1-6アルカノイル、C3-6アルケノイル、C1-6アルコキシ-カルボニルなどが好ましい)、(9)窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし8員の複素環基、(10)スルホ、(11)C6-14アリール、(12)C3-10シクロアルキル、(13)C1-6アルキレンジオキシ(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、2,2-ジメチレンジオキシ等)、(14)オキソ、(15)チオキソ、(16)C2-4アルキニル、(17)C2-10アルケニル(好ましくは、C2-6アルケニル基)、(18)C7-20アラルキル(例えば、C6-14アリール-C1-6アルキル)、(19)アミジノおよび(20)アジドなどがあげられる。
【0066】
前記「炭化水素基」が有する「置換基」の説明で用いられる各基を以下に例示する。
C1-10アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル(すなわち、C1-4アルキル)、ペンチル、ヘキシル(すなわち、C1-6アルキル)、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等があげられる。
C3-10シクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル(すなわち、C3-6シクロアルキル)、シクロヘプチル(すなわち、C3-7シクロアルキル)、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等があげられる。
C2-10アルケニルとしては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、ブタジエニル、2-メチルアリル、ヘキサトリエニル(すなわち、C2-6アルケニル)、3-オクテニル等があげられる。
C2-4アルキニルとしては、例えば、エチニル、2-プロピニル、ブチニル等があげられる。
C1-6アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ(すなわち、C1-3アルコキシ)、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等があげられる。
C1-3アルコキシ-C1-3アルコキシとしては、例えば、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキシ、エトキシプロポキシ、プロポキシメトキシ、プロポキシエトキシ、プロポキシプロポキシ等があげられる。
C1-3アルキルチオとしては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ等があげられる。
ヒドロキシ-C1-3アルコキシとしては、例えば、ヒドロキシメトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、3-ヒドロキシプロポキシ等が挙げられる。
C1-6アルキル-カルボニルとしては、例えば、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル等があげられる。
C3-7シクロアルキル-カルボニルとしては、例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル等があげられる。
C1-6アルコキシ-カルボニルとしては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル(すなわち、C1-3アルコキシ-カルボニル)、ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等があげられる。
C3-6シクロアルキルオキシ-カルボニルとしては、例えば、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロへキシルオキシカルボニル等があげられる。
フェニル-C1-6アルキル-カルボニルとしては、例えば、ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニル等があげられる。
フェニル-C1-6アルコキシ-カルボニルとしては、例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等があげられる。
C1-6アルキル-カルバモイルとしては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、sec-ブチルカルバモイル、tert-ブチルカルバモイル、ペンチルカルバモイル、ヘキシルカルバモイル等が挙げられる。
C1-6アルカノイルとしては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等が挙げられる。
C3-6アルケノイルとしては、例えば、ビニルカルボニル、1-プロペニルカルボニル、2-プロペニルカルボニル、1-ブテニルカルボニル、1-ペンテニルカルボニル等が挙げられる。
C6-14アリールとしては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチル等が挙げられる。
シアノC6-14アリールとしては、例えば、2-シアノフェニル、3-シアノフェニル、4-シアノフェニル等が挙げられる。
ハロゲノC6-14アリールとしては、例えば、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、2-ブロモフェニル、3-ブロモフェニル、4-ブロモフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル等が挙げられる。
C7-20アラルキル、すなわちC6-14アリール-C1-6アルキルとしては、例えば、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
C6-14アリールオキシとしては、例えば、フェノキシ、1-ナフチルオキシ、2-ナフチルオキシ等が挙げられる。
モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノとしては、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等が挙げられる。
C2-6アルケニルアミノとしては、例えば、ビニルアミノ、アリルアミノ、イソプロペニルアミノ、1-ブテニルアミノ、2-ブテニルアミノ、3-ブテニルアミノ、ブタジエニルアミノ、2-メチルアリルアミノ等が挙げられる。
C1-6アルキルアミノ-C1-6アルキルとしては、例えば、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、プロピルアミノメチル、メチルアミノエチル、エチルアミノエチル等が挙げられる。
フェニル-C1-6アルキルとしては、例えば、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
【0067】
前記の置換基を有している炭化水素基上の置換基のうち、(9)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし8員の複素環基、(11)C6-14アリール、(12)C3-10シクロアルキル、(16)C2-4アルキニル、(17)C2-10アルケニルおよび(18)C7-20アラルキルなどは、置換可能な任意の位置にさらに1ないし4個、好ましくは1ないし3個の置換基を有してもよい。該さらに有していてもよい置換基としては、例えば、(1)ヒドロキシ、(2)アミノ、(3)モノ-またはジ-C1-4アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(4)C1-4アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)、(5)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(6)ニトロおよび(7)C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)等から選ばれる1ないし3個の基、さらに好ましくは1または2個の基があげられる。
また、該炭化水素基がC3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルケニル、C6-14アリールまたはC7-20アラルキルである場合は、置換基としてC1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)を1ないし3個有していてもよく、このC1-6アルキルは、さらに1ないし3個のヒドロキシ、オキソ、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、C1-3アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルバモイル等で置換されていてもよい。
該置換されているC1-6アルキルとして、ホルミル(メチルがオキソにより置換されたもの)、カルボキシル(メチルがオキソおよびヒドロキシにより置換されたもの)、C1-6アルコキシカルボニル(メチルがオキソおよびアルコキシにより置換されたもの)(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシカルボニル)、ヒドロキシC1-6アルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシプロピル等)、C1-3アルコキシ-C1-6アルキル(例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、エトキシブチル、プロポキシメチル、プロポキシヘキシル等)などがあげられる。
前記における置換基の数は1ないし6個であるが、1ないし5個が好ましく、とりわけ1ないし3個が好ましく、1または2個が最も好ましい。置換基がさらに有していてもよい置換基の数としては、1ないし4個が好ましく、とりわけ1ないし3個が好ましく、1または2個が最も好ましい。
【0068】
炭素原子を介して結合する基、R38およびR39の一例として例示した前述の置換基を有していてもよいアシル基におけるアシル基としては、C1-20アシル基があげられ、例えば、ホルミル、C1-6アルキル-カルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、tert-ブチルカルボニル等)、C1-6アルコキシ-カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、C6-14アリール-カルボニル(例えば、ベンゾイル、ナフトイル等)、C6-14アリールオキシ-カルボニル(例えば、フェノキシカルボニル等)、C7-15アラルキル-カルボニル(例えば、ベンジルカルボニル等のC6-14アリール-C1-6アルキル-カルボニル)、C7-19アラルキルオキシ-カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC6-14アリール-C1-6アルコキシ-カルボニル)、C2-4アルケニル-カルボニル(例えば、2-プロペニルカルボニル等)、C3-6シクロアルキル-カルボニル(例えば、シクロプロピルカルボニル等)、三環性C9-10架橋環式炭化水素-カルボニル(例えば、アダマンチルカルボニル等)、複素環-カルボニル(例えば、(1)チエニルカルボニル、フリルカルボニル、ピロリルカルボニル、ピロリニルカルボニル、オキサゾリルカルボニル、チアゾリルカルボニル、ピラゾリルカルボニル、イミダゾリルカルボニル、イミダゾリニルカルボニル、イソオキサゾリルカルボニル、イソチアゾリルカルボニル、1,2,4-オキサジアゾリルカルボニル、1,3,4-オキサジアゾリルカルボニル、フラザニルカルボニル、1,2,4-チアジアゾリルカルボニル、1,2,3-チアジアゾリルカルボニル、1,2,5-チアジアゾリルカルボニル、1,2,3-トリアゾリルカルボニル、1,2,4-トリアゾリルカルボニル、トリアジニルカルボニル、トリアゾリジニルカルボニル、1H-または2H-テトラゾリルカルボニルなどの炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などから選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5員複素環-カルボニル;(2)ピリジルカルボニル、ピリミジニルカルボニル、チオモルホリニルカルボニル、モルホリニルカルボニル、トリアジニルカルボニル、ピロリジニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピラニルカルボニル、チオピラニルカルボニル、1,4-オキサジニルカルボニル、1,4-チアジニルカルボニル、1,3-チアジニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、トリアジニルカルボニル、オキソトリアジニルカルボニル、ピリダジニルカルボニル、ピラジニルカルボニルなどの炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などから選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む6員複素環-カルボニル等)、カルバモイル、N-C1-6アルキル-カルバモイル(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、tert-ブチルカルバモイル、ペンチルカルバモイル、ヘキシルカルバモイル等)、N,N-ジ-C1-6アルキル-カルバモイル(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジプロピルカルバモイル、ジイソプロピルカルバモイル、ジブチルカルバモイル等)などがあげられる。
該置換基を有していてもよいアシル基における置換基としては、前述の置換基を有していてもよい炭化水素基における置換基として例示したものと同様のものがあげられる。
【0069】
前記の化合物(II)において、複素環基または置換基を有していてもよい複素環基における複素環基としては、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環基、それらの複素環基同志が同一または異なって2個または3個縮合して形成される2環性または3環性縮合複素環基、およびその複素環基とベンゼン環が1個または2個縮合して形成される2環性または3環性縮合複素環基等があげられる。
該複素環基の具体例としては、例えば、(1)チエニル、フリル、ピロリル、ピロリニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、トリアジニル、トリアゾリジニル、1H-または2H-テトラゾリル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5員複素環基;(2)ピリジル、ピリミジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、トリアジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラニル、チオピラニル、1,4-オキサジニル、1,4-チアジニル、1,3-チアジニル、ピペラジニル、トリアジニル、オキソトリアジニル、ピリダジニル、ピラジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む6員複素環基;(3)ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、テトラゾロ〔1,5-b〕ピリダジニル、トリアゾロ〔4,5-b〕ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、インドリル、キノリジニル、1,8-ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、クロマニル、ベンゾオキサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む2環性または3環性縮合複素環基等があげられる。
【0070】
該複素環基に置換していてもよい置換基の例としては、例えば(1)C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、(2)C2-6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、ブタジエニル、2-メチルアリル、ヘキサトリエニル等)、(3)C2-6アルキニル(例えば、エチニル、2-プロピニル、ブチニル、3-ヘキシニル等)、(4)C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、(5)C5-7シクロアルケニル(例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等)、(6)C7-11アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチルなどのC6-10アリール-C1-5アルキル、好ましくは、ベンジル)、(7)C6-14アリール(例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチル、アントラセニル等、好ましくは、フェニル)、(8)C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、(9)C6-14アリールオキシ(例えば、フェノキシ等)、(10)C1-6アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等)、(11)C6-14アリール-カルボニル(例えば、ベンゾイル等)、(12)C1-6アルカノイルオキシ(例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等)、(13)C6-14アリール-カルボニルオキシ(例えば、ベンゾイルオキシ等)、(14)カルボキシル、(15)C1-6アルコキシ-カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、(16)カルバモイル、(17)N-モノ-C1-4アルキルカルバモイル(例えば、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-イソプロピルカルバモイル、N-ブチルカルバモイル等)、(18)N,N-ジ-C1-4アルキルカルバモイル(例えば、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N,N-ジプロピルカルバモイル、N,N-ジブチルカルバモイル等)、(19)3ないし6員環状アミノカルボニル(例えば、1-アジリジニルカルボニル、1-アゼチジニルカルボニル、1-ピロリジニルカルボニル、1-ピペリジニルカルボニル、N-メチルピペラジニルカルボニル、モルホリノカルボニル等)、(20)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(21)モノ-,ジ-またはトリ-ハロゲノ-C1-4アルキル(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル等)、(22)オキソ、(23)アミジノ、(24)イミノ、(25)アミノ、(26)モノ-またはジ-C1-4アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ等)、(27)炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ基(例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、ジヒドロピリジル、N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル等)、(28)C1-6アルカノイルアミノ(例えば、ホルムアミド、アセタミド、トリフルオロアセタミド、プロピオニルアミド、ブチリルアミド、イソブチリルアミド等)、(29)ベンズアミド、(30)カルバモイルアミノ、(31)N-C1-4アルキルカルバモイルアミノ(例えば、N-メチルカルバモイルアミノ、N-エチルカルバモイルアミノ、N-プロピルカルバモイルアミノ、N-イソプロピルカルバモイルアミノ、N-ブチルカルバモイルアミノ等)、(32)N,N-ジ-C1-4アルキルカルバモイルアミノ(例えば、N,N-ジメチルカルバモイルアミノ、N,N-ジエチルカルバモイルアミノ、N,N-ジプロピルカルバモイルアミノ、N,N-ジブチルカルバモイルアミノ等)、(33)C1-3アルキレンジオキシ(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等)、(34)-B(OH)2、(35)ヒドロキシ、(36)エポキシ(-O-)、(37)ニトロ、(38)シアノ、(39)メルカプト、(40)スルホ、(41)スルフィノ、(42)ホスホノ、(43)スルファモイル、(44)C1-6アルキルスルファモイル(例えば、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロピルスルファモイル、N-ブチルスルファモイル等)、(45)ジC1-6アルキルスルファモイル(例えば、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチルスルファモイル等)、(46)C1-6アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等)、(47)フェニルチオ、(48)C1-6アルキルスルフィニル(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等)、(49)フェニルスルフィニル、(50)C1-6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等)および(51)フェニルスルホニルなどがあげられる。
該複素環基に置換していてもよい置換基の数は1ないし6個、好ましくは1ないし3個、さらに好ましくは1または2個である。
【0071】
該置換基を有していてもよい炭素原子に結合手を有する複素環基における複素環基としては、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環基、それらの複素環基同志が同一または異なって2個または3個縮合して形成される2環性または3環性縮合複素環基、およびその複素環基とベンゼン環が1個または2個縮合して形成される2環性または3環性縮合複素環基等であって、該複素環を構成する炭素原子に結合手を有する複素環基があげられる。
該炭素原子に結合手を有する複素環基の具体例としては、例えば、(1)チエニル(例えば、2-または3-チエニル)、フリル(例えば、2-または3-フリル)、ピロリル(例えば、2-または3−ピロリル)、オキサゾリル(例えば、2-,4-または5-オキサゾリル)、チアゾリル(例えば、2-,4-または5-チアゾリル)、ピラゾリル(例えば、3-,4-または5-ピラゾリル)、ピロリジニル(例えば、2-または3-ピロリジニル)、イミダゾリル(例えば、2-,4-または5-イミダゾリル)、イミダゾリニル(例えば、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリジニル)、イソオキサゾリル(例えば、3-,4-または5-イソオキサゾリル)、イソチアゾリル(例えば、3-,4-または5-イソチアゾリル)、オキサジアゾリル〔例えば、3-または5-(1,2,4-オキサジアゾリル)、2-,5-または6-(1,3,4-オキサジアゾリル)〕、チアジアゾリル〔例えば、3-または5-(1,2,4-チアジアゾリル)、2-または5-(1,3,4-チアジアゾリル)、4-または5-(1,2,3-チアジアゾリル)、3-または4-(1,2,5-チアジアゾリル)〕、トリアゾリル〔例えば、2-または5-(1,2,3-トリアゾリル)、3-または5-(1,2,4-トリアゾリル)〕、テトラゾリル〔例えば、5-(1H-または2H-テトラゾリル)〕等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5員複素環基;(2)ピリジル(例えば、2-,3-または4-ピリジル),ピリミジニル(例えば、2-,4-または5-ピリミジニル)、チオモルホリニル(例えば、2-または3-チオモルホリニル)、モルホリニル(例えば、2-または3-モルホリニル)、トリアジニル(例えば、3-または6-トリアジニル)、ピペリジニル(例えば、2-,3-または4-ピペリジニル)、ピラニル(例えば、2-または3-ピラニル)、チオピラニル(例えば、2-または3-チオピラニル)、オキサジニル〔例えば、2-または3-(1,4-オキサジニル)〕、チアジニル〔例えば、2-または3-(1,4-チアジニル)、1-または4-(1,3-チアジニル)〕、ピペラジニル(例えば、2-または3-ピペラジニル)、トリアジニル(例えば、3-または6-トリアジニル)、ピリダジニル(例えば、3-または4-ピリダジニル)、ピラジニル(例えば、2-または3-ピラジニル)、ピリダジニル(例えば、3-または4-ピリダジニル)等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む6員複素環基;(3)ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、テトラゾロ〔1,5-b〕ピリダジニル、トリアゾロ〔4,5-b〕ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリジニル、インドリル、キノリジニル、1,8-ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、クロマニル、ベンゾオキサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む2環性または3環性縮合複素環基の炭素原子に結合手を有する基等があげられる。
炭素原子に結合手を有する複素環基に置換していてもよい基としては、前記の置換基を有していてもよい複素環基において例示した置換基と同様のものがあげられる。
【0072】
前記、環状アミノ基および置換基を有していてもよい環状アミノ基における環状アミノ基としては、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれた原子をさらに1個有していてもよい5ないし7員の含窒素環状基があげられる。その例としては、例えば、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1,2,3-トリアジニル、1,2,3-トリアゾリジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,3,4-テトラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、ヘキサメチレンイミノ、オキサゾリジノ、モルホリノ、チアゾリジノまたはチオモルホリノがあげられる。なかでも、5または6員のものが好ましく、例えば、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノが好ましい。
該環状アミノ基は、置換可能な任意の位置に1ないし3個の置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、(1)C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、(2)C6-14アリール(例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチル等)、(3)C7-10アラルキル(フェニル-C1-4アルキル(例えば、ベンジル、フェネチル等))、(4)ベンツヒドリル、(5)C1-6アルキル-カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル等)、(6)C6-14アリール-カルボニル(例えば、ベンゾイル等)および(7)C1-6アルコキシ-カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等)などがあげられる。好ましい置換基としては、C1-6アルキルが挙げられ、なかでもC1-3アルキルがさらに好ましい。
【0073】
置換基を有していてもよい同素環基における同素環基としては、例えばC6-10アリール基(例えば、フェニル、ナフチルなど)、C3-7シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等)、 C3-7シクロアルケニル(例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等)等の縮合していてもよい3ないし7員炭素環状基等が用いられる。
該同素環基は、置換可能な任意の位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個、さらに好ましくは1または2個の置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば(1)1ないし3個、好ましくは1または2個のハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-15アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等)(好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル)、(2)C3-10シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等)、(3)C2-10アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、ブタジエニル、2-メチルアリル、ヘキサトリエニル、3-オクテニル等)、(4)C2-10アルキニル(例えば、エチニル、2-プロピニル、ブチニル、3-ヘキシニル等)、(5)C3-10シクロアルケニル(例えば、シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等)、(6)C6-10アリール(例えば、フェニル、ナフチル等)、(7)C7-20アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチル等)、(8)ニトロ、(9)ヒドロキシ、(10)メルカプト、(11)オキソ、(12)チオキソ、(13)シアノ、(14)カルバモイル、(15)カルボキシル、(16)C1-6アルコキシ-カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、(17)スルホ、(18)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(19)C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、(20)C6-10アリールオキシ(例えば、フェノキシ等)、(21)C1-6アシルオキシ(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ等のC1-6アルカノイルオキシ等)、(22)C1-6アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、tert-ブチルチオ等)、(23)C6-10アリールチオ(例えば、フェニルチオ等)、(24)C1-6アルキルスルフィニル(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等)、(25)C6-10アリールスルフィニル(例えば、フェニルスルフィニル等)、(26)C1-6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、(27)C6-10アリールスルホニル(例えば、フェニルスルホニル等)、(28)アミノ、(29)C1-6アシルアミノ(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ等のC1-6アルカノイルアミノ等)、(30)モノ-またはジ-C1-4アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(31)C3-8シクロアルキルアミノ(例えば、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ等)、(32)C6-10アリールアミノ(例えば、アニリノ等)、(33)C1-6アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、ヘキサノイル等)、(34)C6-10アリール-カルボニル(例えば、ベンゾイル等)、および(35)炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等から選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5または6員複素環基〔例えば、チエニル(例えば、2-または3-チエニル)、フリル(例えば、2-または3-フリル)、ピラゾリル(例えば、3-,4-または5-ピラゾリル)、チアゾリル(例えば、2-,4-または5-チアゾリル)、イソチアゾリル(例えば、3-,4-または5-イソチアゾリル)、オキサゾリル(例えば、2-,4-または5-オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例えば、3-,4-または5-イソオキサゾリル)、イミダゾリル(例えば、2-,4-または5-イミダゾリル)、トリアゾリル(例えば、1,2,3-または1,2,4-トリアゾリル)、テトラゾリル(例えば、1Hまたは2H-テトラゾリル)、ピリジル(例えば、2-,3-または4-ピリジル)、ピリミジニル(例えば、2-,4-または5-ピリミジニル)、ピリダジニル(例えば、3-または4-ピリダジニル)、キノリル、イソキノリル、インドリル等〕などがあげられる。
R38またはR40で示される、置換基を有していてもよいヒドロキシとしては、前記の式 -OR43〔式中、R43は前記と同意義を示す〕で表される基があげられる。
【0074】
前記式中、R31、R32およびR33としては、それぞれ同一または異なって(i)水素または(ii)前述の炭素原子、窒素原子または酸素原子を介して結合する基が好ましい。なかでも好ましくは、R31が、それぞれ置換基を有していてもよいC1-15アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、C7-20アラルキル基もしくはC1-20アシル基、ニトロ基、式-NR40R41〔式中、R40およびR41は前記と同意義を示す〕で表される基、または式-OR43〔式中、R43は水素原子または、それぞれ置換基を有していてもよいC1-10炭化水素基、C1-20アシル基、C1-20アルキルスルホニル基、C6-14アリールスルホニル基もしくは5ないし8員複素環基(前述の「炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員複素環基」と同様のもの)を示す〕で表される基であり、R32またはR33の少なくとも一方が水素で他方は前述の炭素原子、窒素原子または酸素原子を介して結合する基(好ましくはR32およびR33が共に水素)である。
R31として好ましくは、1ないし3個、好ましくは1個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-10アルキル基(好ましくは、C1-6アルキル基)、ニトロ基、アミノ基、式-NR40R41(ただし、R40は水素、R41は1ないし3個、好ましくは1個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル、1ないし3個、好ましくは1個のC1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)で置換されていてもよいC1-6アルキルアミノ-カルボニル、C6-14アリールアミノ-カルボニルを示す)、または式-OR43(ただし、R43は水素、1ないし3個、好ましくは1個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-10アルキル、C3-10シクロアルキルもしくは1ないし3個、好ましくは1個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル、C1-6アルキルスルホニル基、C6-10アリールスルホニル基)である。
【0075】
前記式中、R34としては、(1)置換基を有していてもよいC1-10炭化水素基、(2)置換基を有していてもよいC1-20アシル基、(3) 置換基を有していてもよい炭素原子に結合手を有する複素環基、(4)エステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル基または(5)シアノ基が好ましい。中でも好ましくは、R34は、それぞれ置換基を有していてもよいC1-15アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基またはC7-20アラルキル基である。さらに好ましくは置換基を有していてもよいC1-6アルキル基(例えば、置換基を有していてもよいアミノアルキル基など)である。R34として好ましい例としては、式 -(CH2)u-NR40R41 〔式中、uは1ないし3の整数を、R40は水素、置換基を有していてもよいC1-10炭化水素基、置換基を有していてもよいC1-20アシル基、置換基を有していてもよいヒドロキシ(前述の式 -OR43で表される基)、置換基を有していてもよい複素環基または式 -S(O)tR42(式中、tは0ないし2の整数を、R42は水素原子または置換基を有していてもよいC1-10炭化水素基を示す)で表される基を、R41は水素またはC1-10炭化水素基を示すか、R40とR41とが隣接する窒素原子とともに置換基を有していてもよい環状アミノ基を形成していてもよい〕があげられる。R34は、より好ましくは、ハロゲン原子、C1-20アシル基で置換されていてもよいヒドロキシ、またはC1-10アルキルおよび/またはC6-14アリール-C1-10アルキルで置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいC1-3アルキル基である。特に好ましくは、N-C1-6アルキル-N-ベンジルアミノメチルである。
【0076】
前記式中、R35で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。
R35として好ましくは、水素、置換基を有していてもよいC1-15アルキル基、置換基を有していてもよいC3-10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC2-10アルケニル基、置換基を有していてもよいC2-10アルキニル基、置換基を有していてもよいC3-10シクロアルケニル基、置換基を有していてもよいC6-14アリール基、置換基を有していてもよいC7-20アラルキル基、置換基を有していてもよいC1-20アシル基、エステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル基、または式-OR43 (式中、R43は水素原子または、それぞれ置換基を有していてもよいC1-15アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、C7-20アラルキル基、C1-20アシル基、C1-20アルキルスルホニル基、C6-14アリールスルホニル基もしくは複素環基を示す)があげられる。中でもR35として好ましくは、水素、または、1ないし3個、好ましくは1個のC6-14アリールもしくはC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいC1-15アルキル基、1ないし3個、好ましくは1個のヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル、C1-6アルコキシ-カルボニル(例えば、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,tert-ブトキシカルボニル等)、C6-14アリール-カルボニル(例えば、ベンゾイル等)、C6-14アリールオキシ-カルボニル(例えば、フェノキシカルボニル等)、C7-15アラルキル-カルボニル(例えば、ベンジルカルボニル等)、C7-19アラルキルオキシ-カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル等)、N-C1-10アルキル-N-(C1-10アルコキシ)アミノ-カルボニル(例えば、N-メチル-N-メトキシアミノ-カルボニル等)、C1-15アルキルオキシおよびC1-20アリールスルホニル基などがあげられる。さらに好ましくは、R35は、(1)C1-6アルコキシ−カルボニル基、(2)ハロゲン原子またはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC6-14アリール基または(3)フェニル-C1-3アルキル基である。
前記式中、R36としては、水素、または、それぞれ置換基を有していてもよいC1-15アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基もしくはC7-20アラルキル基が好ましい。中でもR36として好ましくは、水素またはC1-10アルキル基、さらに好ましくは水素またはC1-6アルキル基があげられる。
【0077】
前記式中、R37としては、それぞれ置換基を有していてもよい同素環基または複素環基、好ましくは置換基を有していてもよいC6-14アリール基があげられる。R37としてさらに好ましくは、1ないし3個、好ましくは1または2個のハロゲン原子またはC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基があげられる。特に好ましくは1または2個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である。
化合物(II)において、mは0ないし3の整数、好ましくは、mは0ないし2の整数、さらに好ましくは、mは0または1である。
前記の式において、uは1ないし3の整数、好ましくは、uは1または2、さらに好ましくは、uは1である。
【0078】
化合物(II)において、WまたはYはいずれか一方が窒素原子で他方が炭素原子または両方が窒素原子を、Xは窒素原子または炭素原子を示す。従って、化合物(II)としては、例えば、式
【化19】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕
で表される化合物があげられる(好ましくは、式(IIa), (IIb), (IIc), (IId), (IIe)または(IIg)で表される化合物)。中でも好ましくは、化合物(II)においてXが窒素原子である化合物、とりわけ式(IIc)または(IIe)で表される化合物、最も好ましくは式(IIe)で表される化合物があげられる。
化合物(II)中、一般式
【化20】

〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物が好ましい。
中でも、R31が(1)(i)C1-6アルキルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいカルバモイルまたは(ii)C1-6アルキル-カルボニルで置換されていてもよいアミノ基または(2)C3-6シクロアルキルで置換されていてもよいC1-6アルコキシ基;
R34がN-C1-6アルキル-N-ベンジルアミノメチル基;
R35が(1)C1-6アルコキシ-カルボニル基、(2)ハロゲン原子またはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC6-14アリール基または(3)フェニル-C1-3アルキル基;および
R36が水素原子である化合物がさらに好ましい。
また、R31が(1)ニトロ基、(2)(i)ヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル、(ii)ヒドロキシ、ハロゲン原子またはチエニルで置換されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル、(iii)C1-6アルキル、C1-6アルコキシまたはハロゲン原子で置換されていてもよいC6-10アリール-カルボニル、(iv)C3-6シクロアルキル-カルボニル、(v)C2-4アルケニル−カルボニル、(vi)C1-6アルコキシ-カルボニル、(vii)C1-6アルキルアミノ-カルボニル、(viii)C1-6アルコキシアミノ-カルボニル、(ix)フェニルアミノカルボニル、(x)C1-6アルキル、ニトロおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1または2個それぞれ有していてもよいイソオキサゾリルカルボニル、チエニルカルボニル、チアゾリルカルボニル、ピラゾリルカルボニルまたはフリルカルボニル、(xi)ピリジルカルボニル、(xii)C1-6アルキルスルホニル、(xiii)チエニルスルホニルおよび(xiv)C1-6アルキルで置換されていてもよいフェニルスルホニルから選ばれる置換基を1または2個有していてもよいアミノ基、(3)ピロリル基または(4)C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル-C1-3アルキルまたはC1-6アルキル-カルボニルで置換されていてもよいヒドロキシ基;R34が、(1)ハロゲン原子、(2)ヒドロキシおよび(3)C1-6アルキル、フェニル-C1-3アルキルおよびジ-C1-6アルキルアミノ-C1-3アルキルから選ばれる置換基を1または2個有していてもよいアミノから選ばれる置換基を1または2個有していてもよいC1-6アルキル基;R35が、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン原子またはC1-6アルキルで置換されていてもよいフェニル基、または(3)(i)C1-6アルキル、(ii)C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシで置換されたアミノまたは(iii)C1-6アルコキシで置換されたカルボニル基;およびR36が水素原子またはC1-3アルキル基である場合も好ましい。
化合物(II)の具体例としては、8-(2,6-ジフルオロベンジル)-5,8-ジヒドロ-2-[4-(エチルアミノカルボニルアミノ)フェニル]-3-(N-メチル-N-ベンジルアミノメチル)-5-オキソイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-カルボン酸エチルエステル、8-(2,6-ジフルオロベンジル)-5,8-ジヒドロ-2-[4-(メトキシアミノカルボニルアミノ)フェニル)]-3-(N-メチル-N-ベンジルアミノメチル)-5-オキソイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-カルボン酸イソプロピルエステル、8-(2,6-ジフルオロベンジル)-5,8-ジヒドロ-2-[4-(エチルアミノカルボニルアミノ)フェニル]-3-(N-メチル-N-ベンジルアミノメチル)-5-オキソイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-カルボン酸イソプロピルエステルなどがあげられる。
【0079】
化合物(II)の塩としては、前記の化合物(I)の塩と同様のものがあげられる。
【0080】
化合物(II)は、公知の方法、例えばWO99/33831号公報、特開平11-315079号公報などに記載の方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【0081】
また、性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物の例として、WO97/14682号公報、特開平9-169735号公報記載のキノリン誘導体、WO01/29044号公報記載のイミダゾピリミジン誘導体、ピロロピリミジン誘導体およびトリアゾロピリミジン誘導体、WO00/69859号公報記載のイミダゾピリミジン誘導体およびピロロピリミジン誘導体、WO01/55119号公報記載の化合物、WO97/44037号公報記載の化合物、WO97/44041号公報記載の化合物、WO97/44321号公報記載の化合物、WO97/44339号公報記載の化合物、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 12 (2002) 3467-3470記載の3,5,5,8,8-ペンタメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフタレン誘導体、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 12 (2002) 3635-3639記載の3,5,5,8,8-ペンタメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフタレン誘導体および5-[(3,5,5,8,8-ペンタメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフタレニル)メチル]-N-(2,4,6-トリメトキシフェニル)-2-フラミド等もあげられる。
【0082】
GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物の毒性は低い。
GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物を公知の方法に従って、医薬組成物とし、種々の剤形で、ホットフラッシュに罹患した哺乳動物(例えば、ヒト、サル等)に経口的または非経口的に投与しうる。
また、GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物は、女性化乳房の発生を抑制するために用いることもできる。
投与方法として、具体的には、GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物を、薬学的に許容される担体と混合し、通常、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの固形製剤として経口投与するか、静脈内、皮下、筋肉内などに注射剤、坐薬若しくは舌下錠などとして非経口投与する。また、舌下錠、マイクロカプセル等の徐放製剤として、舌下、皮下および筋肉内などに投与してもよい。
【0083】
前記薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
前記賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などがあげられる。前記滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどがあげられる。前記結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどがあげられる。前記崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどがあげられる。前記溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などがあげられる。前記溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどがあげられる。前記懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などがあげられる。前記等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどがあげられる。前記緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などがあげられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどがあげられる。前記防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などがあげられる。前記抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などがあげられる。
【0084】
一日の投与量は、症状の程度;投与対象の年齢、性別、体重;投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類;有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、ホットフラッシュの治療に経口的に用いる場合は、通常、成人に対して一日につき、0.1ないし300mg、好ましくは約1ないし300mgであり、更に好ましくは約10ないし200mgである。通常1日1ないし4回に分けて投与する。
GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物の、本発明の剤の含有量は、剤全体の約0.01ないし100重量%である。
GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物は、例えば性ホルモンを低下させる薬剤〔例えば、GnRHアゴニスト、性ホルモン合成阻害薬(例えばアナストロゾールやレトロゾールなどのアロマターゼ阻害薬など)など〕、性ホルモン作用阻害薬(例えばタモキシフェンなどのエストロゲン受容体アンタゴニスト、ビカルタミドなどのアンドロゲン受容体アンタゴニストなど)、性ホルモン製剤(プレマリン、ラロキシフェンなどのエストロゲン製剤、酢酸メドロキシプロゲステロンなどの黄体ホルモンを含む製剤、エナント酸テストステロンなどのアンドロゲン製剤、およびそれらの合剤など)、骨粗鬆症治療薬(例えばビスフォスフォン酸系薬剤など)、中枢性薬剤〔例えば、抗不安薬、睡眠導入剤、精神分裂病治療剤、パーキンソン氏病治療剤、抗痴呆剤(例えば、脳循環改善剤、脳代謝賦活剤など)など〕、降圧剤、糖尿病治療剤、抗高脂血症剤、栄養剤(例えば、ビタミン剤など)、鎮痛剤、消化吸収促進剤、胃腸薬などと併用してもよい。
また、GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物は、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例えば、tacrine, donepezil, rivastigmine, galantamine, physostigmine-DDS, ipidacrine等)、ムスカリン性アセチルコリン受容体アゴニスト、ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト、Ca拮抗剤(例えば、nimodipine等)、COX-2阻害薬(例えば、rofecoxib, celecoxib等)、AMPA受容体アゴニスト、モノアミン酸化酵素阻害薬(例えば、selegiline-DDS)、アミロイドβ蛋白分泌・凝集阻害薬、nifiracetam、Memantineなどのアルツハイマー型痴呆症治療薬と併用してもよい。
GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物と併用薬物の投与形態は、特に限定されず、投与時に、GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、GnRH拮抗作用を有する非ペプチド性化合物→併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
【0085】
以下に参考例、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
1H-NMRスペクトルは内部基準としてテトラメチルシランを用いてバリアンGEMINI 200(200 MHz)型スペクトルメーター、日本電子(JEOL)LAMBDA300(300 MHz)型スペクトルメーターあるいはブルッカ AM 500(500 MHz)型スペクトルメーターで測定し、全δ値をppmで示す。「%」は特記しない限り重量パーセントを示す。ただし、収率は mol/mol%を示す。その他の、本明細書中で記号は以下の意味を示す。
s :シングレット
d :ダブレット
t :トリプレット
dt :ダブルトリプレット
m :マルチプレット
br :幅広い
室温とは、約15ないし25℃の範囲を示すが、特に厳密に限定されるものではない。また、実施例で用いる乳糖、トウモロコシデンプンおよびステアリン酸マグネシウムとしては、第十四改正日本薬局方適合品を用いた。
【実施例】
【0086】
参考例1
2-アミノ-4-メチル-5-(4-ニトロフェニル)チオフェン-3-カルボン酸エチルエステル
4-ニトロフェニルアセトン(35.0 g, 195 mmol)、シアノ酢酸エチル(23.8 g, 195 mmol)、酢酸アンモニウム(3.1 g, 40 mmol)および酢酸(9.1 ml, 159 mmol)の混合物を、ディーンスターク装置で生成する水を除きながら、24時間加熱還流した。冷後、反応液を減圧下濃縮し、残渣をジクロロメタンと重曹水で分配した。有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状物をエタノールに溶解させ、硫黄(5.0 g, 160 mmol)およびジエチルアミン(16.0 ml, 160 mmol)を加え60-70℃で2時間攪拌した。冷後、反応液を減圧下濃縮し、残渣をジクロロメタンと重曹水で分配した。有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エーテル-へキサンから結晶化させて赤色板状晶の標題化合物(22.2 g, 52%)を得た。
mp:168-170℃ (エーテル-へキサンより再結晶).
元素分析値 C14H14N2O4Sとして
C(%) H(%) N(%)
計算値: 54.89; 4.61; 9.14
実測値: 54.83; 4.90; 9.09
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ: 1.39 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.40 (3H, s), 4.34 (2H, q, J = 7.1 Hz), 6.27 (2H, br), 7.48 (2H, d, J = 8.7 Hz), 8.23 (2H, d, J = 8.7 Hz).
IR (KBr): 3446, 3324, 1667, 1580, 1545, 1506, 1491, 1475, 1410, 1332 cm-1.
【0087】
参考例2
5-メチル-6-(4-ニトロフェニル)-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
参考例1で得られた化合物(5.00 g, 16.32 mmol)のピリジン(30 ml)溶液に、フェニルイソシアネート(2.66 ml, 24.48 mmol)を加え、45℃で6時間攪拌後、反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をエタノール(6 ml)溶液とした。この溶液に28%ナトリウムメトキシド(7.86 g, 40.80 mmol)を加え、反応液を室温で2時間攪拌した後、2N塩酸(25 ml, 50 mmol)を加えエタノール溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をろ過して水-エタノールで洗浄し、減圧下に乾燥後エタノールから再結晶して、黄色粉末の標題化合物(6.09 g, 98%)を得た。
mp:>300℃.
元素分析値 C19H13N3O4S・0.3H2Oとして
C(%) H(%) N(%)
計算値: 59.30; 3.56; 10.92
実測値: 59.56; 3.52; 10.93
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ: 2.50 (3H, s), 7.31-7.46 (5H, m), 7.78 (2H, d, J = 8.8 Hz), 8.32 (2H, d, J = 8.8 Hz), 12.50 (1H, s).
IR (KBr): 1715, 1657, 1593, 1510 cm-1.
【0088】
参考例3
1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-メチル-6-(4-ニトロフェニル)-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
参考例2で得られた化合物(52.54 g, 0.131 mol)のジメチルホルムアミド(1.0 l)溶液に、炭酸カリウム(19.00 g, 0.138 mol)、ヨウ化カリウム(22.90 g, 0.138 mol)、2,6-ジフルオロベンジルクロリド(22.40 g, 0.138 mol)を加え室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮して得られた残渣をクロロホルムと食塩水で分配した。水層をクロロホルムで抽出し、抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色結晶の標題化合物(61.50 g, 93%)を得た。
mp:280-282℃.
元素分析値 C26H17N3O4SF2として
C(%) H(%) N(%)
計算値: 61.78; 3.39; 8.31
実測値: 61.67; 3.46; 8.21
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.57 (3H, s), 5.38 (2H, s), 6.94 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.42-7.58 (8H, m), 8.29 (2H, d, J = 8.8 Hz).
IR (KBr): 1719, 1669, 1524, 1473 cm-1.
【0089】
参考例4
5-ブロモメチル-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-6-(4-ニトロフェニル)-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
参考例3で得られた化合物(30.34 g, 0.060 mol)、N-ブロモこはく酸イミド(12.81 g, 0.072 mol)、α,α'-アゾビスイソブチロニトリル(1.15 g, 0.007 mol)およびクロロベンゼン(450 ml)の混合物を85℃で3時間攪拌した。冷後反応液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を酢酸エチルから再結晶して黄色針状晶の標題化合物(80.21 g, 100%)を得た。
mp:228-229℃.
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 4.77 (2H, s), 5.38 (2H, s), 6.96 (2H, t, J = 8.1 Hz), 7.29-7.58 (6H, m), 7.79 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.35 (2H, d, J = 8.5 Hz).
IR (KBr): 1721, 1680, 1524, 1473, 1348 cm-1.
FAB-Mass m/z 584 (MH)+
【0090】
参考例5
5-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-6-(4-ニトロフェニル)-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
参考例4で得られた化合物(80.00 g, 0.119 mol)のジメチルホルムアミド(600 ml)溶液に、氷冷下、エチルジイソプロピルアミン(27.00 ml, 0.155 mol)およびベンジルメチルアミン(18.45 ml, 0.143 mol)を加えた。室温で2時間攪拌した後、反応液を濃縮して得られる残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層をあわせて乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色油状物(74.90 g, 100%)を得、酢酸エチルから再結晶して黄色針状晶の標題化合物を得た。
mp:173-174℃.
元素分析値 C34H26N4O4SF2・0.5H2Oとして
C(%) H(%) N(%)
計算値: 64.45; 4.29; 8.84
実測値: 64.50; 4.24; 8.82
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) [フリーアミン] δ: 1.31 (3H, s), 3.60 (2H, s), 3.96 (2H, s), 5.39 (2H,s), 6.95 (2H, t, J = 8.2 Hz), 7.18-7.55 (11H, m), 8.02 (2H, d, J = 9.0 Hz), 8.26 (2H, d, J = 9.0 Hz).
IR (KBr) [塩酸塩]: 1719, 1678, 1597, 1520 cm-1.
【0091】
参考例6
6-(4-アミノフェニル)-5-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
参考例5で得られた化合物(3.00 g, 4.80 mmol)のギ酸(30 ml)溶液に、氷冷下、1M塩化水素-エーテル(14.4 ml, 14.4 mmol)および10%パラジウム炭素粉末(300 mg)を加え、常温常圧で2時間にわたり攪拌し水素添加した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をジクロロメタンおよび飽和重曹水で分配した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層をあわせて乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色結晶の標題化合物(2.41 g, 84%)を得た。
mp:205-207℃.
元素分析値 C34H28N4O2SF2・0.1AcOEt・1.2H2Oとして
C(%) H(%) N(%)
計算値: 66.09; 5.03; 8.96
実測値: 66.93; 4.94; 8.67
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.05 (3H, s), 3.56 (2H, s), 3.83 (2H, br), 3.88 (2H, s), 5.36 (2H, s), 6.70 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.88-6.94 (2H, m), 7.21-7.31 (8H, m), 7.41-7.53 (5H, m).
IR (KBr): 1715, 1657, 1628, 1537 cm-1.
【0092】
参考例7
5-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-6-[4-(3-メトキシウレイド)フェニル]-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
参考例6で得られた化合物(5.0 g, 8.41 mmol)のジクロロメタン(120 ml)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン(2.34 ml, 16.82 mmol)を加え攪拌した。この反応液に、氷冷下、N,N'-カルボニルジイミダゾール(2.73 g, 16.82 mmol)を加え、氷冷下から室温に戻して42時間攪拌した。再度氷冷下に戻し、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(7.02 g, 84.08 mmol)およびトリエチルアミン(11.7 ml, 84.08 mmol)を加えた。反応液は氷冷下から室温に戻して3時間攪拌した。反応液をクロロホルムと飽和重曹水で分配した。水層をクロロホルムで抽出し、抽出液をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色固体を得、クロロホルム-エーテルから再結晶して白色結晶(4.52 g, 80%)の標題化合物を得た。
mp:204-205℃.
元素分析値 C36H31N5O4SF2として
C(%) H(%) N(%)
計算値: 64.75; 4.68; 10.49
実測値: 64.61; 4.67; 10.31
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.05 (3H, s), 3.57 (2H, s), 3.82 (3H, s), 3.90 (2H, s), 5.37 (2H, s), 6.92 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.16-7.31 (9H, m), 7.42-7.57 (5H, m), 7.63 (1H, s), 7.73 (2H, d, J = 8.8 Hz).
IR (KBr): 3338, 3064, 1717, 1669, 1628, 1591, 1531, 1470 cm-1.
【0093】
参考例8
5-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-6-[4-(3-メトキシウレイド)フェニル]-3-フェニルチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン 塩酸塩
参考例7で得られた白色結晶 (38.34 g, 57.42 mmol)のジクロロメタン (800 ml)溶液に、氷冷下、1Mエーテル性塩化水素(100 ml)を加え、同温で10分間攪拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残渣をメタノール-エーテルから再結晶させて、白色粉末状晶 (40.0 g, 99%)の標題化合物を得た。
mp:182-185℃.
元素分析値 C36H31N5O4SF2・HCl・0.5H2Oとして
C(%) H(%) N(%)
計算値: 60.63; 4.66; 9.82
実測値: 60.45; 4.68; 9.62
IR(KBr):3440, 3042, 1713, 1665, 1628, 1593, 1539, 1473 cm-1.
FAB-Mass m/z 668 (MH)+
【0094】
実施例1
参考例7で製造した化合物(100 mg)、ラクトース(165 mg)、コーンスターチ(25 mg)、ポリビニールアルコール(4 mg)およびステアリン酸マグネシウム(1 mg)を用いて、常法により錠剤を製造する。
【0095】
実験例1
(1)125I-リュープロレリンの調製
3×10-4M リュープロレリン水溶液10μl、および0.01 mg/mlラクトパーオキシダーゼ10μlをチューブにとり、Na125I溶液を10μl (37 MBq)加え、撹拌後、0.001% H2O2 10μlを加えて、室温で20分間反応させた。0.05%TFA溶液を700μl加えて反応を停止し、逆相HPLCにより精製した。HPLCの条件を以下に示す。125I-リュープロレリンは保持時間26〜27分で溶出された。
カラム:TSKgel ODS-80TM(TMは登録商標であることを示す。以下同様。)
CTR(4.6mm × 10cm)溶離液:
溶媒A(0.05% TFA)
溶媒B(40% CH3CN-0.05% TFA)
0分(100% 溶媒A)−3分(100%溶媒A)−7分(50%溶媒A+50%溶媒B)−40分(100%溶媒B)
溶出温度:室温
溶出速度:1 ml/min
【0096】
(2)ラットGnRHレセプターを含有する下垂体前葉膜画分の調製
ウイスターラット(8週令、雄性)40匹から下垂体前葉を摘出し、氷冷したホモジネートバッファー({25 mM Tris〔トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン〕−HCl}、0.3M サッカロース、1mM EGTA(グリコールエーテルジアミン四酢酸)、0.25mM PMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)、10 U/ml アプロチニン、1 μg/ml ペプスタチン、20 μg/ml ロイペプチン、100 μg/ml フォスフォラミドン、0.03% アジ化ナトリウム、pH7.5)で洗浄した。ホモジネートバッファー2 mlに下垂体を浮遊させ、ポリトロンホモジナイザーを用いてホモジネートした。700×gで15分遠心し、上清を超遠心管に採取し100,000×gで1時間遠心し、膜画分の沈澱物を得た。この沈澱物に2 mlのアッセイバッファー(25mM Tris-HCl、1mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、0.1% BSA(ウシ血清アルブミン)、0.25 mM PMSF、1 μg/ml ペプスタチン、20μ g/ml ロイペプチン、100 μg/ml フォスフォラミドン、0.03% アジ化ナトリウム、pH7.5)を加えて懸濁し、100,000×gで1時間遠心した。沈澱物として回収された膜画分を再び10 mlのアッセイバッファーに懸濁し、分注して、-80℃で保存し、使用の都度解凍して用いた。
【0097】
(3)ヒトGnRHレセプターを含有するCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞膜画分の調製
ヒトGnRHレセプター発現CHO細胞(109個)を5mM EDTAを添加したリン酸緩衝生理食塩水(PBS-EDTA)に浮遊させ、100×gで5分間遠心した。細胞のペレットに細胞用ホモジネートバッファー(10mM NaHCO3、5mM EDTA、pH7.5)を10 ml加え、ポリトロンホモジナイザーを用いてホモジネートした。400×gで15分遠心し、上清を超遠心管に取り100,000×gで1時間遠心し、膜画分の沈澱物を得た。この沈澱物を2 mlのアッセイバッファーに懸濁し、100,000×gで1時間遠心した。沈澱物として回収された膜画分を再び20 mlのアッセイバッファーに懸濁し、分注して、-80℃で保存し、使用の都度解凍して用いた。
【0098】
(4)125I-リュープロレリン結合阻害率の測定
上記(2)および(3)で調製したラットおよびヒトの膜画分をアッセイバッファーで希釈して、200 μg/mlとし、チューブに188 μlずつ分注した。ラット下垂体前葉膜画分を使用した場合には、60%のDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解した0.1mMの化合物2 μlと、38nMの125I-リュープロレリン10μlとを同時に添加した。ヒトGnRHレセプター発現CHO細胞膜画分を使用した場合には、60%のDMSOに溶解した2mMの化合物2μlと、38nMの125I-リュープロレリン10μlとを同時に添加した。最大結合量を測定するために、60%のDMSO2μlと、38nMの125I-リュープロレリン10μlとを添加した反応液を調製した。また、非特異的結合量を測定するために、60%のDMSOに溶解した100μMのリュープロレリン2 μlと、38nMの125I-リュープロレリン10 μlとを添加した反応液も同時に調製した。
ラット下垂体前葉膜画分を使用した場合には4℃で90分反応させ、ヒトGnRHレセプター発現CHO細胞膜画分を使用した場合には25℃で60分反応させた。反応後、ポリエチレンイミン処理したワットマングラスフィルター(GF-F)を用いて反応液を吸引ろ過した。ろ過後、γ-カウンターを用いてろ紙上に残った125I-リュープロレリンの放射活性を測定した。
(TB-SB)/(TB-NSB)×100(SB:化合物を加えたときの放射活性、TB:最大結合放射活性、NSB:非特異結合放射活性)を計算して、各被検物質の結合阻害率(%)を求めた。また、被検物質の濃度を変化させて阻害率を求め、50%結合を阻害する被検物質の濃度(IC50値)をHillプロットより算出した。結果を以下に示す。
【表1】

【0099】
実験例2
20歳以上45歳以下の閉経前健康女性32人に参考例7の化合物を1-25mg/日で14日間投与したところ、血清中エストラジオール濃度は低下したものの、ホットフラッシュは認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物を含有してなるホットフラッシュ予防・治療剤。
【請求項2】
化合物が脳内移行性化合物である請求項1記載の剤。
【請求項3】
化合物が縮合複素環系化合物である請求項1記載の剤。
【請求項4】
化合物が、式
【化1】

〔式中、R1は(1)水素原子、(2)炭素原子を介する基、(3)窒素原子を介する基、(4)酸素原子を介する基または(5)硫黄原子を介する基、
R2は(1)水素原子、(2)炭素原子を介する基、(3)窒素原子を介する基、(4)酸素原子を介する基または(5)硫黄原子を介する基、
R3は(1)水素原子、(2)アルキルまたは(3)-(CH2)pQ(pは0ないし3の整数、Qは置換基を有していてもよい同素環基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)、
【化2】

(R4は(1)水素原子、(2)アルコキシを有していてもよいアルキル、(3)置換基を有していてもよいアリール、(4)置換基を有していてもよいアラルキルまたは(5)置換基を有していてもよいシクロアルキルを、R5は(1)水素原子、(2)ホルミル、(3)シアノ、(4)(i)硫黄原子を介する基または(ii)酸素原子を介する基を有していてもよいC1-6アルキル、(5)置換基を有していてもよい複素環基、(6)窒素原子を介する基、(7)酸素原子を介する基、(8)硫黄原子を介する基、(9)エステル化、チオエステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシルまたは(10)-C(O)R7(R7は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)、R6は(1)水素原子または(2)炭素原子を介する基を示す)を示す〕で表される化合物またはその塩もしくはそのプロドラッグである請求項1記載の剤。
【請求項5】
R1が置換基を有していてもよいC6-14アリール、R2が(1)窒素原子を介する基を有するC1-3アルキルまたは(2)窒素原子を介する基、R3が-(CH2)pQ(pは0ないし3の整数、Qは置換基を有していてもよい同素環基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)、
【化3】

R4が(1)C1-6アルコキシを有していてもよいC1-6アルキルまたは(2)置換基を有していてもよいC6-14アリールである請求項4記載の剤。
【請求項6】
化合物が、式
【化4】

〔式中、R21およびR22は、それぞれ(1)水素原子、(2)ヒドロキシ、(3)C1-4アルコキシ、(4)C1-4アルコキシ-カルボニルまたは(5)置換基を有していてもよいC1-4アルキル、
R23は(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)ヒドロキシまたは(4)置換基を有していてもよいC1-4アルコキシを示すか、または
隣接する2つのR23が連結してC1-4アルキレンジオキシを形成してもよく、
R24は(1)水素原子または(2)C1-4アルキル、
R26は(1)置換基を有していてもよいC1-4アルキルまたは(2)式
【化5】

(式中、R25は水素原子を示すか、またはR24と連結して複素環を形成してもよい)で表される基、nは0ないし5の整数を示す〕で表される化合物またはその塩である請求項1記載の剤。
【請求項7】
性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とするホットフラッシュ予防・治療方法。
【請求項8】
ホットフラッシュ予防・治療剤を製造するための性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非ペプチド性化合物の使用。

【公開番号】特開2008−195728(P2008−195728A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103379(P2008−103379)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【分割の表示】特願2003−106475(P2003−106475)の分割
【原出願日】平成15年4月10日(2003.4.10)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】