説明

ホルモン不均衡を診断、モニターおよび治療するため組成物、試薬およびキットおよびその方法

本発明は、ホルモン不均衡関連遺伝子の別スプライシングによる10種の新規変異体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年11月3日に出願された米国暫定特許出願第60/733,090号の優先権を主張するものであり、参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ホルモン不均衡マーカー転写物および翻訳産物を検出できる試薬、ホルモン不均衡マーカー転写物および翻訳産物を検出するキットおよび方法、個人におけるホルモン不均衡をスクリーニングおよび診断ならびにホルモン不均衡と診断される患者における治療への反応、疾患進行および疾患再発をモニタリングする方法およびキット、ホルモン不均衡マーカー転写物の翻訳産物へ特に結合する化合物、1つのホルモン不均衡マーカーまたはホルモン不均衡マーカーの複数の組成物または治療薬としてのその翻訳産物を使用してホルモン不均衡を治療すること、ホルモン不均衡を治療するための組成物および方法へのホルモン不均衡マーカーに関する。
【0003】
(背景技術)
全ての細胞は大量の調節分子(ホルモン)を生成することができる。古典的な内分泌腺およびそのホルモンの生成物は生物レベル全体を調節する役目に特化しているが、多くの場合においてその他の面または組織レベルのみでも使用され得る。一定のホルモンの生成率は、最も一般的にはホメオスタティック・コントロール・システムによって制御され、一般的には否定的なフィードバックによって制御される。ホルモンの恒常性制御は、生成は別として、代謝およびホルモンの排出に依存する。ホルモンの分泌は、他のホルモン(刺激ホルモンまたは放出ホルモン)、イオンまたは栄養素の血漿濃度、さらに結合タンパク質、ニューロン活性および精神活動によって刺激および抑制される。
【0004】
ペプチドホルモンは血流に分泌されるペプチドの種類であり、生きている動物において内分泌機能を有する。ペプチドホルモン前駆体(プレプロホルモン)は、数段階で処理され、通常小胞体では、N末端シグナル配列の取り外しおよび時には糖鎖付加の取り外しが行われ、プロホルモンへと繋がる。
【0005】
これらのプロホルモンは、活性構造へのホルモン分子の直接的な折り畳みが必要な過剰なアミノ酸残基を大抵含有するが、しかしホルモンが折り畳むと機能を有さない。細胞内の特異的エンドペブチダーゼは血流へ放出される直前にプロホルモンを切断することによって分子の成熟したホルモン型を生成する。
成熟したペプチドホルモンは、その後血液を介して体の細胞のすべてに核酸し、それらの標的細胞の表面上で特異的受容体と相互作用する。
【0006】
ペプチドホルモンは、糖尿病、肥満、癌および循環器疾患などの主な生死にかかわる病気の多くにおいて中心的な役割を担う。
【0007】
(発明の開示)
(発明が解決しようとする技術的課題)
ホルモン不均衡特異的マーカーに対する必要性が残る。患者からの試料におけるホルモン不均衡マーカーの存在を検出するために使用し得る試薬およびキットに対する必要性が残る。患者からの試料におけるホルモン不均衡を明らかにする今後の傾向を検出するために使用し得る試薬およびキットに対する必要性が残る。
【0008】
ホルモン不均衡を有する個人をスクリーニングおよび診断する方法ならびにホルモン不均衡と診断される患者における治療への反応、疾患進行および疾患再発をモニタリングする方法に対する必要性が残る。
【0009】
個人が有するホルモン不均衡のタイプを決定する試薬、キットおよび方法に対する必要性が残る。ホルモン不均衡関連細胞を特に標的とし得る、組成物に対する必要性が残る。ホルモン不均衡を患っている疑いのある個人を治療する、改良法に対する必要性が残る。
【0010】
(発明を実施するための最良の形態)
(用語の説明)
以下の説明および特許請求の範囲において、様々な用語が時折用いられ、そのような用語の意味は、本発明に従って解釈されるべきであり、以下の通りである。
【0011】
「ホルモン不均衡核酸配列」−SEQ ID NO:1からSEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:20からSEQ ID NO:21のいずれか1つに示される配列、前記配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性(下記参照)を有する配列、および長さ最小15b.p.の上記配列のフラグメント(下記参照)。これらの配列は、自然発生的な未変性の選択的スプライス変異体のための配列コーディングでありグルカゴンとして知られ、受入番号NM_002054に基づいて遺伝子ID:2641としてNCBI遺伝子データベースに叙述されており、グルカゴン、GLP−1、GLP−2、オキシントモジュリンおよびグリセンチンの5つの異なる成熟したペプチドへ切断される180アミノ酸のヒト21kDaプレタンパク質のための配列コーディングである。そのうちの1つであるグルカゴンは、グルコース代謝において重要な役割を担い、グルコネオゲネシスを増加させ、解糖を減少させることによって血糖を制御する。グルカゴンはインスリンの対抗制御的なホルモンであり、インスリン誘発低血糖に応じて血糖値レベルを上昇させ、糖尿病における高血糖状態を起こすおよび維持するために重要な役割を担う。GLP−1はグルコース依存性インスリン放出の強力な促進剤であり、胃運動性および血中グルカゴンレベルの抑制に重要な役割を担う。GLP−1は抹消組織における糖処理の飽和および刺激の抑制に関与してよく、インスリン活性と非依存的に、腸上皮への成長促進活性を有する。GLP−1はまた、LH、TSH、CRH、オキシトシンおよびバソプレシン分泌に対する効果を通じて視床下部下垂体を抑制してよい。GLP−1は島新生および肝臓ベータ細胞増殖を介して島質量を増加させ、ベータ細胞のアポトーシスを抑制する。GLP−2は、増加した腺窩細胞増殖および減少した腸細胞アポトーシスに伴って小腸絨毛の高さを成長および上昇させる。胃から結腸までの胃腸管は、GLP−2作用の主要な標的である。GLP−2は栄養素恒常性において重要な役割を担い、向上された胃腸管の機能を通じて栄養素を同化させ、また栄養素の処理を増加させる。GLP−2は腸のグルコース輸送を刺激し、粘膜透過性を減少させる。オキシントモジュリンは食糧摂取量を著しく減少させ、ヒトの胃内容排出を抑制する。オキシントモジュリンはまた、胃拡張の増加に繋がり得る胃内容排出も抑制、つまり、満腹感を起こすことで満腹をもたらし得る。
【0012】
最後に、5番目のペプチドであるグリセンチンは、胃酸分泌および胃幽門十二指腸活性を調節してよい。グリセンチンはまた、若年期における腸管粘膜の増殖に対して重要な役割を担ってよい。本発明の新規変異体は、グルカゴンの選択的スプライシングに起因する自然発生的配列であり、単に遺伝子の不完全、突然変異または分裂型ではないことを強調すべきである。
【0013】
−SEQ ID NO:3からSEQ ID NO:5およびSEQ ID NO:22からSEQ ID NO:24のいずれか1つに示される配列、前記配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性(下記参照)を有する配列、および長さ最小15b.p.の上記配列のフラグメント(下記参照、表2)。これらの配列は自然発生的な未変性の選択的スプライス変異体のための配列コーディングでありニューロテンシンとして知られ、受入番号NM_006183に基づいて遺伝子ID:4922としてNCBI遺伝子データベースに叙述されており、ニューロメジンNおよびニューロテンシンの2つのペプチドのための170アミノ酸共通前駆体のヒト20kDaのための配列コーディングである。ニューロテンシンは分泌されたトリデカペプチドであり、中枢神経系にわたって広く分布されており、神経伝達物質または神経修飾物質として機能してよい。胃腸管構造の維持および脂質代謝の制御のおけるドパミン随伴性の病態生理学的現象に関与し得る。組織特異的なプロセシングは、より大きな構造のニューロメジンNおよびニューロテンシンのいくつかの組織における形成をもたらしてよい。より大きな構造は、生物学的に活性でもあるより安定したペプチドを意味してよい。本発明の新規変異体は、ニューロテンシンの選択的スプライシングに起因する自然発生的配列であり、単に遺伝子の不完全、突然変異または分裂型ではないことを強調すべきである。
【0014】
−SEQ ID NO:6からSEQ ID NO:NO7およびSEQ ID NO:25からSEQ ID NO:26のいずれか1つに示される配列、前記配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性(下記参照)を有する配列、および長さ最小15b.p.の上記配列のフラグメント(下記参照)。これらの配列は自然発生的な未変性の選択的スプライス変異体のための配列コーディングであり膵臓ポリペプチド(PPY)として知られ、受入番号NM_002722に基づいて遺伝子ID:5539としてNCBI遺伝子データベースに叙述されており、95アミノ酸のヒト10kDaタンパク質前駆体のための配列コーディングである。膵臓のホルモンは膵臓ランゲルハンス島で合成され、膵臓および胃腸機能の制御因子として機能する。36アミノ酸のこのホルモンは、膵外分泌線分泌および胆道運動性の制御に関わる。PPYは食糧摂取量の制御に関わる。本発明の新規変異体は、PPYの選択的スプライシングに起因する自然発生的配列であり、単に遺伝子の不完全、突然変異または分裂型ではないことを強調すべきである。
【0015】
−SEQ ID NO:8からSEQ ID NO:9およびSEQ ID NO:27からSEQ ID NO:28のいずれか1つに示される配列、前記配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性(下記参照)を有する配列、および長さ最小15b.p.の上記配列のフラグメント(下記参照)。これらの配列は自然発生的な未変性の選択的スプライス変異体のための配列コーディングでありCART(コカイン・アンフェタミン制御転写物)として知られ、受入番号NM_004291に基づいて遺伝子ID:9607としてNCBI遺伝子データベースに叙述されており、116アミノ酸のヒト13kDaプレタンパク質のための配列コーディングである。CARTはレプチンおよび神経ペプチドの作用と密接に関連する満腹因子である。この食欲抑制ペプチドは、通常および飢餓誘発の栄養補給を抑制し、視床下部において神経ペプチドによって誘発およびレプチンによって制御される接触反応を完全に遮断する。生体外における神経発達および生存を促進する。本発明の新規変異体は、CARTの選択的スプライシングに起因する自然発生的配列であり、単に遺伝子の不完全、突然変異または分裂型ではないことを強調すべきである。
【0016】
−SEQ ID NO:10からSEQ ID NO:11およびSEQ ID NO:29からSEQ ID NO:30のいずれか1つに示される配列、前記配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性(下記参照)を有する配列、および長さ最小15b.p.の上記配列のフラグメント(下記参照)。これらの配列は自然発生的な未変性の選択的スプライス変異体のための配列コーディングでありウロコルチン(UCN)として知られ、受入番号NM_003353に基づいて遺伝子ID:7349としてNCBI遺伝子データベースに叙述されており、124アミノ酸のヒト13.5kDaプレタンパク質のための配列コーディングである。ウロコルチンは副腎皮質刺激ホルモンACTHの分泌を刺激するように生体外で機能し、食欲のストレスの影響に関与し得る。ウロコルチンは高親和性でCRG受容体タイプ1、2αおよび2βと結合する。本発明の新規変異体は、ウロコルチンの選択的スプライシングに起因する自然発生的配列であり、単に遺伝子の不完全、突然変異または分裂型ではないことを強調すべきである。
【0017】
−SEQ ID NO:12からSEQ ID NO:13およびSEQ ID NO:31からSEQ ID NO:32のいずれか1つに示される配列、前記配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性(下記参照)を有する配列、および長さ最小15b.p.の上記配列のフラグメント(下記参照)。これらの配列は自然発生的な未変性の選択的スプライス変異体のための配列コーディングでありプロエンケファリン(PENK)として知られ、受入番号NM_006211に基づき遺伝子ID:5179としてNCBI遺伝子データベースに叙述されており、267アミノ酸のヒト31kDaプレタンパク質のための配列コーディングである。プロエンケファリンは、アヘン剤の効果に対抗および効果を模倣する。疼痛知覚およびストレス反応を含む多くの生理的反応における役割を担う。本発明の新規変異体は、プロエンケファリンの選択的スプライシングに起因する自然発生的配列であり、単に遺伝子の不完全、突然変異または分裂型ではないことを強調すべきである。
【0018】
−SEQ ID NO:14からSEQ ID NO:15およびSEQ ID NO:33からSEQ ID NO:34のいずれか1つに示される配列、前記配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性(下記参照)を有する配列、および長さ最小15b.p.の上記配列のフラグメント(下記参照)。これらの配列は自然発生的な未変性の選択的スプライス変異体のための配列コーディングでありスタニオカルシン2(STC2)として知られ、受入番号NM_003714に基づき遺伝子ID:8614としてNCBI遺伝子データベースに叙述されており、302アミノ酸のヒト33kDaプレタンパク質のための配列コーディングである。スタニオカルシン2はカルシウムおよびリン酸塩の恒常性に対する抗低カルシウム血症作用を有する。本発明の新規変異体は、スタニオカルシン2の選択的スプライシングに起因する自然発生的配列であり、単に遺伝子の不完全、突然変異または分裂型ではないことを強調すべきである。
【0019】
−SEQ ID NO:16からSEQ ID NO:17およびSEQ ID NO:35からSEQ ID NO:36のいずれか1つに示される配列、前記配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性(下記参照)を有する配列、および長さ最小15b.p.の上記配列のフラグメント(下記参照)。これらの配列は自然発生的な未変性の選択的スプライス変異体のための配列コーディングでありナトリウム利尿ペプチド前駆体B(NPPB)として知られ、受入番号NM_002521に基づき遺伝子ID:4879としてNCBI遺伝子データベースに叙述されており、134アミノ酸のヒト15kDaプレタンパク質のための配列コーディングである。NPPBは、ナトリウム利尿、利尿、血管緊張低下ならびにレニンおよびアルドステロン分泌の抑制を含む様々な生物学的作用とともに心臓ホルモンとして機能する。心臓血管の恒常性において重要な役割を担うと考えられ、また体の塩分および水分平衡の回復に役立つ。NPPBはまた心臓機能も向上させる。本発明の新規変異体は、NPPBの選択的スプライシングに起因する自然発生的配列であり、単に遺伝子の不完全、突然変異または分裂型ではないことを強調すべきである。
【0020】
−SEQ ID NO:18からSEQ ID NO:19およびSEQ ID NO:37からSEQ ID NO:38のいずれか1つに示される配列、前記配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性(下記参照)を有する配列、および長さ最小15b.p.の上記配列のフラグメント(下記参照)。これらの配列は自然発生的な未変性の選択的スプライス変異体のための配列コーディングでありニューロメジンU(NMU)として知られ、受入番号NM_006681に基づき遺伝子ID:10874としてNCBI遺伝子データベースに叙述されており、174アミノ酸のヒト20kDaプレタンパク質のための配列コーディングである。NMUは胃腸管の特定領域における筋肉収縮を刺激する。ヒトにおいて、NMUは回腸および膀胱の収縮を刺激する。本発明の新規変異体は、NMUの選択的スプライシングに起因する自然発生的配列であり、単に遺伝子の不完全、突然変異または分裂型ではないことを強調すべきである。
【0021】
ホルモン不均衡関連遺伝子変異体および本来の配列とのそれらの相違に関する説明は、以下のとおり表1に要約される。
【表1−1】

【表2−2】

【表3−3】

【0022】
「ホルモン不均衡変異体タンパク質」または「ホルモン不均衡変異体ポリペプチド」とも時折言われる「ホルモン不均衡変異体産物」は、選択的スパイシンブの結果として得られる自然発生的なmRNA配列であるホルモン不均衡変異核酸配列によってコードされる、アミノ酸配列である。アミノ酸配列はペプチド、タンパク質、あるいは糖ペプチドまたは糖タンパク質などの化学的に修正されたアミノ酸(下記参照)を有するペプチドまたはタンパク質であってよい。ホルモン不均衡変異体産物は、SEQ ID NO: 21、23、24、26、28、30、32、34、36および38のいずれかに示される。本用語はまた、1つ以上のアミノ酸が追加、削除、置換(下記参照)または科学的に修正された(下記参照)前記配列の相同体および少なくとも10のアミノ酸を有するこの配列のフラグメント(下記参照)を含む。
【0023】
「ホルモン不均衡関連変異核酸配列のフラグメント」−SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:19のいずれか1つの部分的配列であり、変異体と本来の配列との差異を含有する領域を含む。これらの領域(アミノ酸レベルにおける)は、上記表1のとおりである。従って、例えば、15b.p.のSEQ ID NO:2のフラグメントは、SEQ ID NO:2のヌクレオチド402−416、403−417、404−418、405−419、406−420、407−421、408−422、409−423、410−424、411−425、412−426、413−427、414−428または415−429を含み得る。本来の配列SEQ ID NO:1に比べてこれらの配列はSEQ ID NO:2スプライス変異体に見られる削除を全て取り込むため、本来の配列から生成されたであろうフラグメントとこれらのフラグメントのいずれかを区別する。より大きなフラグメントは同様に構成される。その本来の配列に比べて挿入を有するスプライス変異体に関しては、例えば、SEQ ID NO:7の15b.p.フラグメントはその挿入から少なくとも1つのヌクレオチドを含有する。従って、例えば、SEQ ID NO:7の15b.p.フラグメントは、ヌクレオチド191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205または206で始まるフラグメントを含み得、SEQ ID NO:7挿入領域内全体で15b.p.のフラグメントとなる。SEQ ID NO:7の15b.p.フラグメントはまた、ヌクレオチド178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188または189で始まるフラグメントも含み得、SEQ ID NO:7の挿入領域からの少なくとも1つのヌクレオチドを包含する15b.p.のフラグメントとなる(176または177で始まるフラグメントは前者を包含するが、後者177の場合、SEQ ID NO:7挿入のヌクレオチドは、ヌクレオチド176−190および177−191それぞれから本来の配列SEQ ID NO:6によって生成されるものと同一の15b.p.フラグメントを生成することを留意されたい)。SEQ ID NO:7の15b.p.フラグメントはまた、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219または220で始まるフレグメントも含み得、SEQ ID NO:7の挿入領域からの少なくとも1つのヌクレオチドを包含する15b.p.のフラグメントとなる。全ての場合において、より大きなフラグメントは同様に構成される。本来の配列と比べて異なるヌクレオチドの領域を有するスプライス変異体に関して、例えばSEQ ID NO:13の15b.p.フラグメントは、差異領域からの少なくとも1つのヌクレオチドを含有する。従って、例えば、SEQ ID NO:13の15b.p.フラグメントは、ヌクレオチド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44または45で始まるフラグメントを含み得、SEQ ID NO:13差異領域内全体で15b.p.のフラグメントとなる。あるいは、SEQ ID NO:13の15b.p.フラグメントはまた、ヌクレオチド46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58または59で始まるフラグメントも含み得、SEQ ID NO:13の差異領域からの少なくとも1つのヌクレオチドを包含する15b.p.のフラグメントとなる。全ての場合において、より大きいフラグメントは同様に構成される。
【0024】
「ホルモン不均衡関連変異体産物のフラグメント」−表1に示されるように変異体が本来の配列と異なる領域を含有する上記の核酸フラグメントによってコードされるアミノ酸配列。従って、例えば、10アミノ酸のSEQ ID NO:24のフラグメントは、SEQ ID NO:24のアミノ酸37−46、38−47、39−48、40−49、41−50、42−51、43−52、44−53または45−54を含み得る。本来の配列SEQ ID NO:22に比べてこれらの配列はSEQ ID NO:24スプライス変異体に見られる削除を全て取り込むため、本来の配列から生成されたであろうフラグメントとこれらのフラグメントのいずれかを区別する。より大きなフラグメントは同様に構成される。その本来の配列に比べて挿入を有するスプライス変異体に関しては、例えば、SEQ ID NO:26の10アミノ酸フラグメントはその挿入から少なくとも1つのアミノ酸を含有する。従って、例えば、SEQ ID NO:26の10アミノ酸フラグメントは、ヌクレオチド63で始まるフラグメントを含み得、SEQ ID NO:26挿入領域内全体で10アミノ酸のフラグメントとなる。10アミノ酸フラグメントはまた、アミノ酸54、55、56、57、58、59、60、61または62で始まるフラグメントも含み得、SEQ ID NO:26の挿入領域からの少なくとも1つのアミノ酸を包含する10アミノ酸のフラグメントとなる。SEQ ID NO:26の10アミノ酸フラグメントはまた、64、65、66、67、68、69、70、71 または72で始まるフレグメントも含み得、SEQ ID NO:26の挿入領域からの少なくとも1つのアミノ酸を包含する10アミノ酸のフラグメントとなる。全ての場合において、より大きなフラグメントは同様に構成される。その本来の配列と比べて異なるアミノ酸の領域を有するスプライス変異体に関して、例えばSEQ ID NO:21の10アミノ酸フラグメントは、差異領域から少なくとも1つのアミノ酸を含有する。従って、例えば、SEQ ID NO:21の10アミノ酸フラグメントは、アミノ酸106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119または120で始まるフラグメントを含み得、SEQ ID NO:21差異領域内全体で10アミノ酸のフラグメントとなる。あるいは、SEQ ID NO:21の10アミノ酸フラグメントはまた、アミノ酸97、98、99、100、101、102、103、104または105で始まるフラグメントも含み得、SEQ ID NO:21の差異領域からの少なくとも1つのアミノ酸を包含する10アミノ酸のフラグメントとなる。全ての場合において、より大きいフラグメントは同様に構成される。
【0025】
「核酸配列」−DNAヌクレオチド、RNAヌクレオチドまたは両タイプの組み合わせからなる配列であり、自然発生的な化学的に修正されたヌクレオチドおよび合成ヌクレオチドを含んでよい。
【0026】
「アミノ酸配列」−化学的に修正(下記参照)されたまたは合成アミノ酸からなる20の自然に出現するアミノ酸のいずれか1つからなる配列。
【0027】
「変異体/産物の相同体」−1つ異常のアミノ酸が追加、削除または置換された変異体のアミノ酸配列。変化したアミノ酸は、例えば表1の説明によれば、変異体が本来の配列は異なる領域に存在するものとする。
【0028】
「同類置換」−は、同一分類のアミノ酸によって置換されるある分類内のアミノ酸を意味し、分類は物理化学的なアミノ酸側鎖の特性および相同タンパク質に事実上見られる、例えば標準的なDayoff頻度交換マトリックスまたはBLOSUMマトリックスによって決定されるような高い置換頻度によって決定される。アミノ酸側鎖は一般的に6つに分類されており、分類I(Cys)、分類II(Ser、Thr、Pro、Ala、Gly)、分類III(Asn、Asp、Gln、Glu)、分類IV(His、Arg、Lys)、分類V(lle、Leu、Val、Met)および分類VI(Phe、Tyr、Trp)を含む。例えば、Asn、GlnまたはGluなどの別の分類III残基のAspによる置換は、同類置換である。
【0029】
「非同類置換」−は、ある分類のアミノ酸を別の分類からのアミノ酸で置換することを意味する。例えば、Asp、Asn、GluまたはGlnなどの分類III残基による分類II残基Alaの置換である。
【0030】
「化学的に修飾された」−本発明の産物を指す場合、そのアミノ酸残基の少なくとも1つが、プロセシングもしくは他の翻訳後の修飾などの自然過程と、または当技術分野において既知の化学的な修飾法との一方によって修飾された産物(タンパク質/ペプチド)をいう。一般的な非常に知られている修飾のうち独占的でないものの例には、アセチル化、アシル化(例えば、オクタノイル化)、アミド化、ADPリボシル化、糖鎖付加、GPI錨細胞形成、脂質または資質誘導体の共有結合、メチル化、ミリスチル化、ペグ化、プレニル化、リン酸化反応、ユビキチン化または同様の工程が含まれる。
【0031】
「生物学的活性」−は、例えば、ホルモン不均衡産物受容体関連遺伝子と結合可能な、または既知の本来のホルモン不均衡関連遺伝子のその他アゴニストと結合可能なある種の生物学的活性を有する変異体産物をいう。
【0032】
「免疫学的活性」−は、該当する動物または細胞において特異的な免疫反応を誘発するための、または特定の抗体で結合するための自然的、組み替えまたは合成の変異体産物の能力あるいはその任意のフラグメントを定義する。従って、例えば、変異体産物の免疫学的活性フラグメントは、変異体産物の免疫学的特性のいくらかまたは全てを保持するフラグメントを意味し、例えば、特定の抗変異体産物の抗体を結合することができるか、またはそのような抗体を発生、あるいは変異体を生成する特定の免疫細胞の増殖を起こす免疫反応を誘発することができる。
【0033】
「最適なアライメント」−は、同一性の最高点を提供するアライメントとして定義される。そのようなアライメントは、ktup値1、デフォルトパラメータおよびデフォルトPAMを使用する局所配列プログラムLALIGNなどの市販の様々な配列分析プログラムを使用して実行される。好適なアライメントは、10.0のオープンギャップペナルティ、0.1の拡張ギャップペナルティおよびBLOSUM類似マトリックスで動作するMacVectorTMのCLUSTAL−Wプログラムを使用して実行されるものである。ギャップに第1の配列を挿入して、それを第2の配列と最適に整列させる必要がある場合、百分率同一性は、対応するアミノ酸残基と対の残基のみを使用して計算される(つまり、第1の配列の「ギャップ」に存在する第2の配列の残基は計算において考慮されない)。既知の遺伝子配列と新規異変体とのアライメントの場合、最適アライメントは常に、両方の配列の同一部分を一緒に配列し、その後お互いに異なる配列の切片を離し非整列にすることを含んだ。
【0034】
「少なくとも90%同一性を有する」、「少なくとも91%同一性を有する」、「少なくとも92%同一性を有する」等は、2つのアミノ酸または核酸配列の配列に関し、配列が最適に整列されている場合に、2つの配列において同一である残基の割合をいう。従って、90%アミノ酸配列の同一性は、2つ以上の最適に整列されたポリペプチド配列のおけるアミノ酸が同一であることを意味する。91%同一性、92%同一性などについても同じことが言える。
【0035】
「変異核酸配列を有する単離核酸分子」−は、ホルモン不均衡関連変異核酸コー配列を含む核酸分子である。前記単離核酸分子は、非依存的な挿入としてホルモン不均衡関連変異核酸配列を含んでよい。追加のコード配列と融合するホルモン不均衡関連変異核酸配列を含んでよく、変異体コード配列が優性遺伝子コード配列である融合タンパク質を一緒にコードする(例えば、追加のコード配列はシグナルペプチドをコードする)。ホルモン不均衡関連変異核酸配列は、例えば、適切な宿主におけるコード配列の発現に効果的なプロモーターおよびターミネーター要素などのイントロンまたは制御要素あるいは5’および/3’翻訳領域などの非コード配列と組み合わせてよい。または、ホルモン不均衡関連変異タンパク質コード配列が異種であるベクターであってよい。
【0036】
「発現ベクター」−は、異質細胞において異種DNAフラグメントを取り込むおよび発現させる能力を有するベクターをいう。原核および真核発現ベクターは既知および/または市販されている。適切な発現ベクターの選択は当業者には既知である。
【0037】
「削除」−は、1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基がそれぞれ存在しないヌクレオチドまたはアミノ酸配列のどちらか一方の変更である。
【0038】
「挿入」または「追加」−は、自然発生的な配列と比べて、1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の追加をもたらすヌクレオチドまたはアミノ酸配列それぞれの変更である。
【0039】
「置換」−は、異なるヌクレオチドまたはアミノ酸よる1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸それぞれの置換である。アミノ酸配列に関しては、置換は同類または非同類であってよい。
【0040】
「抗体」−は、IgM、IgD、IgAおよびIgG抗体をいう。定義は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含む。本用語は全抗体、または、例えば、基本的に変異体、抗体の抗原結合ドメイン等のみからなるFc部分、単鎖抗体、フラグメントを含まない抗体である抗変異体産物抗体の抗原結合ドメインを含む抗体のフラグメントをいう。
【0041】
「疾患の治療」−重症度を緩和するため、疾患を治癒するため、または疾患の発生を予防するために疾患に関連する症状を改善するのに効果的な治療剤を投与することをいう。「検出」は、疾患、障害、病態および正常状態の検出方法をいう。本用語は、疾患になる傾向の検出および疾患の重症度を決定することによって患者の予後を確立するための検出を指してよい。
【0042】
「プローブ」−ホルモン不均衡変異核酸配列またはそれに伴う配列相補であり、試料内のその他同様の配列またはこの配列とある程度の相補性を有する配列の存在を検出するために使用される場合である。検出は、プローブとアッセイされた配列間のハイブリダイゼーション複合体を同定することによって実行される。プローブは固定支持または検出可能なラベルに取り付けられてよい。
【0043】
「本来のホルモン不均衡関連遺伝子」−本発明のホルモン不均衡関連変異体が選択的スパイシングの結果として変化したアミノ酸または核酸配列。本来の核の配列は、グルカゴンへのSEQ ID NO:1によって示されるヒトホルモン不均衡関連遺伝子の配列および本来のアミノ酸配列それによってコードされる配列;ニューロテンシンへのSEQ ID N0:3および本来のアミノ酸配列はそれによってコードされる配列;膵臓ポリペプチドへのSEQ ID NO:6および本来のアミノ酸配列はそれによってコードされる配列;CARTへのSEQ ID NO:8および本来のアミノ酸配列はそれによってコードされる配列;ウロコルチンへのSEQ ID NO:10および本来のアミノ酸配列はそれによってコードされる配列;プロエンケファリンへのSEQ ID NO:12および本来のアミノ酸配列はそれによってコードされる配列;スタニオカルシンへのSEQ ID NO:14および本来のアミノ酸配列はそれによってコードされる配列;ナトリウム利尿ペプチド前駆体BへのSEQ ID NO:16および本来のアミノ酸配列はそれによってコードされる配列;ニューロメジンUへのSEQ ID NO:18および本来のアミノ酸配列はそれによってコードされる配列である。
【0044】
(発明の開示)
本発明は、SEQ ID NO:2、4、5、7、9、11、13、15、17、19からなる群から選択される配列を有する単離核酸分子、その相補物、および少なくとも15のヌクレオチドを含むそのフラグメントに関する。本発明は、SEQ ID NO:2、4、5、7、9、11、13、15、17または19を含む単離核酸分子、その相補物、および少なくとも15のヌクレオチドを含むSEQ ID NO:2、4、5、7、9、11、13、15、17または19のフラグメントを含む単離核酸分子に関する。
【0045】
本発明は、鋳型としてSEQ ID NO:2、4、5、7、9、11、13、15、17または19の配列を使用して産物を増幅させるPCRプライマーに関する。
【0046】
本発明は、ホルモン不均衡のために個人をスクリーニング、診断およびモニターする方法に関する。方法は、試料においてSEQ ID NO:2、4、5、7、9、11、13、15、17および19からなる群から選択される配列を含む翻訳産物の存在、非存在、または量を検出するステップを含む。前記翻訳産物の存在または量は、ホルモン不均衡を示す。本発明は、(a)SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38からなる群から選択される単離アミノ酸配列、およびその少なくとも10の隣接するアミノ酸セグメントと、(b)担体と、を含む治療上有効な量の医薬組成物を、治療を必要としている哺乳類に投与するステップを含むホルモン不均衡を治療する方法に関する。
【0047】
本発明は、ホルモン不均衡に対して個人をスクリーニング、診断およびモニターするためのキットに関する。
【0048】
本発明は、SEQ ID NO:21、23、24、26、28、30、32、34、36および38からなる群から選択される単離アミノ酸配列、およびその抗原性フラグメントに関する。
【0049】
本発明は、SEQ ID NO:21、23、24、26、28、30、32、34、36および38からなる群から選択されるアミノ酸配列上のエピトープに特に結合する抗体に関する。
【0050】
本発明は、検出可能なラベルまたは活性薬剤と連結するSEQ ID NO:21、23、24、26、28、30、32、34、36および38からなる群から選択されるアミノ酸配列上のエピトープに特に結合する抗体に関する。
【0051】
本発明は、活性薬剤と連結するSEQ ID NO:21、23、24、26、28、30、32、34、36および38からなる群から選択されるアミノ酸配列上のエピトープに特に結合する抗体を含む医薬組成物に関する。
【0052】
本発明は、活性薬剤と連結するSEQ ID NO:21、23、24、26、28、30、32、34、36および38からなる群から選択されるアミノ酸配列に由来する生物活性ペプチドを含む医薬組成物に関する。
【0053】
本発明は、ホルモン不均衡を患っている疑いのある個人を治療する方法に関する。方法は、活性薬剤と連結するSEQ ID NO:21、23、24、26、28、30、32、34、36および38からなる群から選択されるアミノ酸配列上のエピトープに特に結合する抗体を、個人へ投与するステップを含む。
【0054】
本発明は、タンパク質の受容体とのホルモン不均衡関連タンパク質の結合親和性に影響を与え得る化合物の同定方法であって、(a)SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO.30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36およびSEQ ID NO:38からなる群から選択されるアミノ酸配列を提供するステップと、(b)ホルモン不均衡関連遺伝子の少なくとも1つの受容体が存在する場合に、候補化合物を前記アミノ酸配列と接触させるステップと、(c)前記少なくとも1つの受容体との前記アミノ酸配列の結合への前記候補化合物の影響を決定するステップと、(d)前記タンパク質の受容体とのホルモン不均衡関連タンパク質の結合親和性に影響を与え得る化合物を選択するステップと、を含む、方法に関する。本発明は、第1の生体試料におけるホルモン不均衡関連遺伝子の核酸配列のレベルと、第2の生体試料における選択的スプライシングによって生成された変異体との割合を決定する方法であって、(a)第1の生体試料におけるホルモン不均衡関連遺伝子の第1の核酸配列のレベルを決定するステップと、(b)第2の生体試料における前記変異体の選択的スプライシング型の第2の核酸配列のレベルを決定するステップと、(c)割合を与えるためにステップ(a)およびステップ(b)で得られたレベルを比較するステップと、を含む方法、に関する。
【0055】
出願人は特に、すべての引用文献の全内容を本願明細書に組み込む。さらに、総量、濃度、またはその他の値またはパラメータは、範囲、好適な範囲、または上位の好適な値および下位の好適な値のリストとして与えられる場合、範囲が個別に開示されているかどうかに関わらず、任意の上限範囲または好適な値、および任意の下限範囲または好適な値の任意の対から形成される全ての範囲を特に開示するものと理解される。数値の範囲が本明細書に引用されている場合、特に明記しない限り、範囲は、そのエンドポイント、範囲内の全ての整数および分数を含むよう意図されている。本発明の範囲は、範囲を定義する引用される際に特定の値に制限されるものではないことを目的とする。
【0056】
ホルモン不均衡変異核酸配列
本発明の核酸配列は、ホルモン不均衡変異体産物およびそのフラグメントおよびその類似体を含む。核酸配列は、その代替として、上記のコード配列に相補的な配列、または前記コード配列の領域に相補的な配列であってよい。相補的な配列の長さは、コード配列の発現を回避するのに十分な長さである。核酸配列は、RNA型またはDNA型であってよく、メッセンジャーRNA、合成RNAおよびDNA、cDNAおよびゲノムDNAを含む。DNAは、二本鎖または一本鎖であってよく、また一本鎖は有意鎖または非有意(アニチセンス、相補)鎖であってよい。核酸配列はまた、dNTP、rNTPおよび非自然発生的な配列の両方も含んでよい。配列はまた、アミノ酸配列および核酸配列間のハイブリッドの一部であってよい。
【0057】
一般的な実施形態において、核酸配列は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:19と同定される配列のいずれか1つと、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性を有する
【0058】
核酸配列はそれ自体のコード配列を含んでよい。あるいは、コード領域は、融合タンパク質およびシグナルペプチドなどのさらなるコード配列との組み合わせ、イントロンおよび制御要素、プロモーターおよびターミネーター要素または適切な宿主における、および/または変異核酸配列が異種配列として導入されるベクターまたは宿主環境におけるコード配列の発現に効果的な5’および/または3’非翻訳領域などの非コード配列との組み合わせであってよい。
【0059】
本発明の核酸配列はまた、変異体生成物の精製を可能にするマーカー配列とインフレーム融合した、ホルモン不均衡変異体生成物コード配列も有してよい。マーカー配列は、例えば、細菌の宿主の場合、マーカーと融合した成熟ポリペプチドの精製を提供するヘキサヒスチジン・タグであってよく、また哺乳類宿主、例えばCOS−7細胞が使用される場合、ヘマグルチニン(HA)タグであってよい。HAタグは、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質に由来するエピトープに対応する(Wilson,Iら、Cell 37:767(1984))。
【0060】
また、本発明の範囲は、上で定義されるような、また本明細書においてコード配列核酸配列の領域に対応する少なくとも17塩基、好ましくは17−30塩基を一般的に有するヌクレオチドとして称されるフラグメントを含む。フラグメントは、プローブ、プライマーとして、および相補の場合には、既知の方法に従ってアンチセンス薬剤などとして使用されてよい。
【0061】
上記のように、核酸配列は、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5またはSEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:13またはSEQ ID NO:15またはSEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:19で叙述されるようであってよく、またはそのフラグメント、または上述した配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一性を有する配列であってよい。あるいは、遺伝子コードの変性性のために、配列は、SEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:23またはSEQ ID NO:24またはSEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:38のアミノ酸配列のいずれか1つまたはアミノ酸配列のフラグメントもしくは類似体に対する配列コードであってよい。
【0062】
A.核酸配列の調製
核酸配列は、上に開示したホルモンの不均等変異体産物をコードする核酸配列とハイブリダイズできるまたはPCR増幅できるオリゴヌクレオチドプローブを使用し、cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって取得されてよい。様々な組織から調製されたcDNAライブラリーは市販されており、またcDNAクローンのスクリーニングおよび単離手順は当業者には既知である。そのような技術は、例えば、Sambrookら、(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版)、Cold Spring Harbor Press、Plainview,N.Y.およびAusubel FMら(1989)Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley&Sons、New York N.Yに記述されている。
【0063】
核酸配列は、プロモーター、制御要素、ならびに5’および3’非翻訳領域(UTR)などの上流および下流配列を得るために伸張されてよい。利用可能な転写配列の伸張は、PCRまたはプライマー伸張(Sambrookら、supra)などの当業者には既知の多数の方法によって、あるいは、例えばMarathon RACEキット(Clontech、Cat.#K1802−1)を使用したRACE方法によって行われてよい。
【0064】
あるいは、既知の遺伝子座に隣接した隣接配列を検索するための一般的なプライマーを使用する「制限部位」PCR(Gobindaら、PCR Methods Appl.2:318−22(1993))の技術が採用されてよい。まず、リンカー配列へのプライマーおよび既知の領域に特異的であるプライマーが存在する場合にゲノムDNAが増幅される。増幅された配列は、同じリンカープライマーおよび1回目内部の別の特定プライマーでPCR2回目を受ける。PCR各回の産物は、適切なPNAポリメラーゼおよびで転および逆転写酵素を使用して配列される。
【0065】
逆PCRは、既知の領域に基づいた異なるプライマーを使用して配列を増幅または伸張するために使用することができる(Triglia,T.ら、Nucleic Acids Res.16:8186(1988))。プライマーは、OLIGO(登録商標)4.06 Primer Analysis Software(1992;National Biosciences Inc、Plymouth、Minn.)または別の適切なプラグラムを使用して、長さ22〜30ヌクレオチドとなるように、50%のGC含有を有するように、および約68〜72°Cの温度で標的配列をアニースするように設計されてよい。方法は、遺伝子の既知の領域における適切なフラグメントを生成するために幾つかの制限酵素を用いる。フラグメントはその後、分子内連結によって環状化され、PCR鋳型として使用される。
【0066】
ライゲーション
捕獲PCR(Lagerstrom,M.ら、PCR Methods Appl.1:111−19(1991))は、ヒトおよび酵母人工染色体DNAにおける既知の配列と隣接するDNAフラグメントのPCR増幅方法である。捕獲PCRはまた、操作された二本鎖配列をPCR前にDNA分子の隣接部へ配置するために複数の制限酵素消化および連結を必要とする。
【0067】
隣接配列を検索するために使用されてよい別の方法は、Parker,J.D.ら、Nucleic Acids Res.19:3055−60(1991)の方法である。
【0068】
さらに、PCR、ネステッドPCRおよび「ウォークイン」ゲノムDNAへのPromoterFinderTMライブラリー(PromoterFinderTM、Clontech、Palo Alto、CA)が使用できる。この工程は、ライブラリーをスクリーニングする必要を無くし、またイントロン/エクソン結合部を発見するのに有益である。完全長cDNAをスクリーニングするための好適なライブラリーは、より大きなcDNAを含めるようにサイズ選択されているものである。また、ランダムプライムドライブラリーは、遺伝子の5’および上流領域を含有するさらなる配列を含有するために好適である。
【0069】
ランダムプライムドライブラリーは、オリゴd(T)ライブラリーが完全長cDNAを得ない場合に特に有益である。ゲノムライブラリーは、5’非翻訳制限領域への伸張に有益である。
【0070】
本発明の核酸配列およびオリゴヌクレオチドはまた、既知の合成法によれば、固相法によって調製することもできる。一般的に、最大約100塩基のフラグメントは、個別に合成され、その後最大数百の塩基の隣接する配列を形成するように結合される。
【0071】
B.ホルモン不均衡変異体産物のためのホルモン不均衡変異核酸配列の使用
本発明に従って、上記の核酸配列は、ホルモン不均衡変異体産物の発現を方向付ける組み替えDNA分子として使用してよい。
【0072】
当業者には明らかなように、ヒトゲノムにおいて自然に発生するものであるSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5またはSEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:9またはSEQ ID NO.11またはSEQ ID NO:13またはSEQ ID NO:15またはSEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:19に出現するもの以外に、ホルモン不均衡変異体産物をコードするヌクレオチド配列所有コドンを生成する利点があり得る。例えば、変異体産物発現の割合を増加させるため、または自然発生的な配列から生成された転写物よりも長い半減期など所望の特性を有する組み替えRNA転写物を生成するために、特定の原核または真核宿主に好まれるコドン(Murray,E.ら、Nucleic Acids Res.17:477−508(1989))を選択することができる。
【0073】
本発明の核酸配列は、産物のクローニング、プロセシングおよび/または発現を変更させる変化を含むがそれらに制限されない様々な理由によって、ホルモン不均衡変異体産物コード配列を変化させるように操作できる。例えば、変化は、当業者には既知である技術、例えば、部位特異的な変異原性、新しい制限部位の挿入、糖鎖付加パターンの変更、コドン選好性などの技術を使用して導入されてよい。
【0074】
本発明はまた、上で広範に説明したような1つ以上の配列を含む組み合わせ構築物も含む。構築物は、本発明の核酸配列が前方または逆方向で挿入されたプラスミドまたはウイルスベクターなどのベクターを含む。この実施形態の好適な側面において、構築物は、例えば配列に動作可能に連結されたプロモーターを含む制御配列をさらに含む。多数の適切なベクターおよびプロモーターが当業者には既知であり、市販されている。原核および真核宿主とともに使用するために適切なクローニングおよび発現ベクターもまたSambrookら(supra)に記載されている。
【0075】
本発明はまた、本発明のベクターおよび組み替え技術による本発明の産物のベクターを用いて遺伝的操作された宿主細胞に関する。宿主細胞は、例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであってよい本発明のベクターを用いて遺伝的に操作される(つまり、形質導入、形質転換または形質移入される)。ベクターは、例えばプラスミド、ウイルスベクター、ファージ等の形であってよい。操作された宿主細胞は、プロモーターを活性化するように適切に修正された従来の栄養素媒体で培養することができるため、形質転換体を選択または核酸配列の発現を増幅させることができる。温度、pH等の培養条件は、発現のために選択された宿主細胞を用いて前に使用された条件であり、当業者には明らかである。
【0076】
本発明の核酸配列は、産物を発現させる様々な発現ベクターのいずれか1つに含まれてよい。そのようなベクターは、染色体、非染色体および合成DNAを含み、例えばSV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組み合わせに由来するベクター、ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルスおよび仮性狂犬病などのウイルスベクターなどである。しかし、任意の他のベクターも宿主内で複製可能および生存可能である限り使用してよい。適切なDNA配列は、様々な手順によってベクターに挿入されてよい。概して、DNA配列は、当業者には既知の手順によって適切な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。そのような手順および関連するサブクローニング手順は当業者の要旨を逸脱しないものとする。
【0077】
発現ベクターにおけるDNA配列は、適切な転写調節配列(プロモーター)と動作可能に連結され、mRNA合成を方向付ける。そのようなプロモーターの例には、LTRまたはSV40プロモーター、大腸菌lacまたはtrpプロモーター、ファージラムダPLプロモーター、および原核または真核細胞における遺伝子の発現、あるいはそれらのウイルスを調節することで知られているその他のプロモーターが含まれる。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネーターも含有する。ベクターはまた、発現を増幅させるための適切な配列も含む。さらに、発現ベクターは、好ましくは1つ以上の選択可能なマーカー遺伝子を含有し、真核細胞培養のためのジビドロ葉酸還元酵素またはネオマイシン耐性など、または大腸菌内のテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性など、形質転換された宿主細胞を選択するための表現型形質を提供する。
【0078】
上述したような適切なDNA配列を含有するベクターおよび適切なプロモーターまたは調節配列は、宿主がタンパク質を発現するように適切な宿主を形質転換するために採用されてよい。適切な発現宿主の例には、大腸菌、ストレプトミセス、ネズミチフス菌などの細菌細胞、酵母などの真菌細胞、ショウジョウバエ、スポドプテラSf9などの昆虫細胞、CHO、COS、HEK293またはボウズメラノーマなどの動物細胞、アデノウイルス、植物細胞などが含まれる。適切な宿主の選択は、本明細書における教示から当業者の要旨が逸脱しないものとする。
【0079】
細菌系において、数多くの発現ベクターは、ホルモン不均衡変異体生成物の使用目的に応じて選択されてよい。例えば、抗体の誘導に多量なホルモン不均衡変異体生成物が必要な場合、容易に精製される融合タンパク質の多量発現を方向付けるベクターが所望される。そのようなベクターは、ハイブリッドタンパク質が生成されるようにホルモン不均衡変異体ペプチドコード配列がアミノ末端Metおよびその後のβガラクトシダーゼの7残基の配列とインフレームになるベクターに連結されてよいBluescript(登録商標)(Stratagene)などの多機能性大腸菌クローニングおよび発現ベクター、plNベクター(Van Heeke&Schuster J.Biol.Chem.264:5503−5509(1989))、pETベクター(Novagen、Madison Wl)等を含むがそれらに限定されない。
【0080】
酵母サッカロマイセスセレヴィシエにおいて、α係数、アルコールオキシダーゼおよびPHGなどの恒常的または誘導性プロモーターを含有する多数のベクターが使用されてよい。検討には、Ausubelら(supra)およびGrantら(Methods in Enzymology153:516−544(1987))を参照。
【0081】
植物発現ベクターが使用される場合、配列コード変異体産物の発現は任意の数のプロモーターによって促進されてよい。例えば、CaMVの35Sおよび19Sプロモーターなどのウイルスプロモーター(Brissonら、Nature 310:511−514(1984))は、単独またはTMVのオメガリーダー配列(Takamatsuら、EMBO J.6:307−311(1987))との組み合わせで使用されてよい。あるいは、RUBISCOの小サブユニット(Coruzziら、EMBO J.3:1671−1680(1984))または熱ショックプロモーター(Winter JおよびSinibaldi R.M.、Results Probl.Cell Differ.17:85−105(1991))などの植物プロモーターが使用されてよい。これらの構築物は、直接的なDNA形質転換または病原体媒介の形質移入によって植物細胞に導入できる。そのような技術の検討には、McGraw Hill Yearbook of Science and TechnologyのHobbs S.またはMurry L.E.(1992)、McGraw Hill、New York、N.Y.,pp191−196またはWeissbach and Weissbach(1988)Methods for Plant Molecular Biology、Academic Press、New York,N.Y.,pp421−463を参照。
【0082】
ホルモン不均衡変異体産物は昆虫系においても発現してよい。そのような一系において、オートグラファ・カリフォルニカ核多角体病ウイルス(AcNPV)は、スポドプテラ・フルギペルダ細胞またトリコプラシア幼生において外来遺伝子を発現させるベクターとして使用される。ホルモン不均衡変異体生成物コード配列は、ポリヘドリン遺伝子などのウイルスの不必要領域内へクローン化され、ポリヘドリンプロモーターの調節下で配置されてよい。ホルモン不均衡コード配列の良好な挿入は、ポリヘドリン遺伝子を不活性状態にし、組み換えウイルス欠乏外皮タンパク質膜を生成する。組み換えウイルスはその後、変異タンパク質が発現するS.フルギペルダ細胞またはトリコプラシア幼生を感染させるために使用される。(Smithら、J.Virol.46:584(1983);Engelhard,E.K.ら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 91:3224−7(1994))。
【0083】
哺乳類の宿主細胞において、多数のウイルスベースの発現系が活用されてよい。アデノウイルスが発現ベクターとして使用される場合、ホルモン不均衡変異体産物コード配列は、後期プロモーターおよび三者間リーダー配列からなるアデノウイルス転写/翻訳複合体へ連結されてよい。ウイルスゲノムの不必要なE1またはE3領域における挿入は、感染した宿主細胞に変異タンパク質を発現させ得る生存可能なウイルスをもたらす(Logan and Shenk、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3655−59(1984))。さらに、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーなどの転写エンハンサーは、哺乳類の宿主細胞における発現を増加させるために使用されてよい。
【0084】
特定の開始シグナルもまた、変異体産物コード配列の効果的な翻訳のために必要である。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接配列を含む。ホルモン不均衡変異体産物コード配列の場合、その開始コドンおよび上流配列は、適切な発現ベクターに挿入され、追加の翻訳調節シグナルは必要なくなり得る。しかし、コード配列またはその部分のみが挿入される場合、ATG開始コドンを含む外因性の転写制御シグナルが提供されなければならない。さらに、開始コドンは、挿入全体の転写を確実にするために正確な読み枠内にある必要がある。外因性の転写要素および開始コドンは、天然および合成の様々な起源であり得る。発現の有効性は、使用する細胞系に適切なエンハンサーを包含することによって向上し得る(Scharf,D.ら、Results Probl.Cell Differ.20:125−62(1994);Bittnerら、Meth.Enzymol.153:516−544(1987))。
【0085】
さらなる実施形態において、本発明は、上述の構造物を含有する宿主細胞に関する。宿主細胞は、哺乳類細胞などのより高い真核細胞、または酵母細胞などのより低い真核細胞、または細菌細胞などの原核細胞であり得る。構造物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウム形質移入、DEAE−デキストラン媒介の形質移入、または電気穿孔(Davis、L.、Dibner,M.およびBattey,I.(1986)Basic Methods in Molecular Biology)によって達成することができる。無細胞系もまた、本発明のDNA構造物に由来するRNAを使用してポリペプチドを生成するために採用できる。
【0086】
宿主細胞は、挿入された配列の発現を調節する能力または発現したタンパク質を所望の方法でプロセシングする能力で選ばれてよい。タンパク質のそのような調節は、アセチル化、カルボキシル化、糖鎖付加、リン酸化反応、脂質化およびアシル化を含むがそれらに限定されない。タンパク質の「前後」型を切断する翻訳後プロセシングは、正確な挿入、フォールディングおよび/または機能のためにも重要であり得る。CHO、HeLa、MDCK、293、WI38等の異なる宿主細胞は、そのような翻訳後活性に対する特異的な細胞機構および特徴を有し、導入された外来タンパク質の修正およびプロセシングを確実にするように選ばれてよい。
【0087】
組み替えタンパク質の長期間、高収率生成には安定した発現が好適である。例えば、変異体産物を安定して発現させる株化細胞は、複製または内在性発現要素のウイルス起源および選択可能なマーカー遺伝子を含有する発現ベクターを使用して形質転換されてよい。ベクターの導入後、細胞は、それらが選択培地に切り替わる前に濃縮培地で1〜2日間増殖可能であってよい。選択可能なマーカーの目的は選択への対抗性を提供することであり、その存在は、導入された配列を良好に発現させる細胞の増殖および回復を可能にする。安定して形成転換された細胞の対抗性凝集塊は、細胞型に適切な細胞培養技術を使用して増殖することができる。
【0088】
多数の選択系が形質転換された株化細胞を回復させるために使用されてよい。これらは、tk−細胞またはaprt−細胞にそれぞれ採用できる、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler M.ら、Cell 11:223−32(1977))およびアデニンホスホリホジル転移酵素(Lowy I.ら、Cell 22:817−23(1980))遺伝子を含むがそれらに限定されない。また、代謝拮抗薬、抗生物質または除草剤抵抗性は選択基準として使用することができ、例えば、メトトレキサート抵抗性を与えるdhfr(Wigler M.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:3567−70、(1980))、アミノグリコシドネオマイシンおよびG−418抵抗性を与えるnpt(Colbere−Garapin,F.ら、J.MoI.Biol.150:1−14(1981))、およびそれぞれクロルスルフロン抵抗性とホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ抵抗性を与えるaisまたはpat(Murry、supra)である。さらなる選択可能な遺伝子が記載されており、例えば、細胞がトリプトファンの代わりにインドールを活用できるようにするtrpB、または細胞がヒスチジンの代わりにヒスチノールを活用できるようにするhisD(Hartman S. C.およびR.C.Mulligan、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:8047−51、(1988))である。可視マーカーの使用は、アントシアニン、βグルクロニダーゼとその基質、GUS、およびルシフェラーゼとその基質、ルシフェリンとATPで人気を集めており、形質転換体を同定するためだけでなく、特異的ベクター系に起因する一過性または安定したタンパク質発現の量を定量化するために広く使用されている(Rhodes,CAら、Methods MoI.Biol.55:121−131(1995))。
【0089】
ヌクレオチド配列コード化ホルモン不均衡変異体産物で形質転換された宿主細胞は、細胞培養からのコードされたタンパク質の発現および回復に適切な条件下で培養されてよい。組み替え細胞によって生成された産物は、使用する配列および/またはベクターに応じて細胞内に分泌または含有されてよい。当業者には明らかなように、核酸配列コード化ホルモン不均衡変異体産物を含有する発現ベクターは、原核または真核細胞を介してホルモン不均衡変異体の分泌を方向付けるシグナル配列を考慮して設計されている。
【0090】
ホルモン不均衡変異体産物はまた、タンパク質精製を促進するように追加された1つ以上の追加のポリペプチド領域を有する組み換えタンパク質として発現してもよい。そのような精製促進領域は、固定化金属上の精製を可能にするヒスチジントリプトファンモジュールなどの金属キレート化ペプチド、固定化免疫グロブリン上の精製を可能にするタンパク質A領域、およびFLAGS伸張/親和性精製系に利用される領域を含むがそれらに限定されない(Immunex Corp.,Seattle、Wash.)。精製領域とホルモン不均衡変異体産物間に、プロテアーゼ切断能を有するポリペプチドリンカー配列を含有することは、精製を促進するために有益である。そのような発現ベクターの1つは、エントロキナーゼ切断部位によって切断されたポリヒスチジン領域と融合する変異ポリペプチドを含む融合タンパク質の発現を提供する。ヒスチジン残基はIMIAC(固定化金属イオン親和性クロマトグラフィー、Porathら、Protein Expr.Purif.3:263−281(1992)に記載)上での精製を促進し、一方でエントロキナーゼ切断部位は融合タンパク質から変異ポリペプチドを単離するための手段を提供する。pGEXベクター(Promega、Madison、Wis.)もまた、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)を有する融合タンパク質として、外来ポリペプチドを発現させるために使用されてよい。概して、そのような融合タンパク質は可溶性であり、リガンドアゴロースビース(例えば、GST融合の場合のグルタチオンアゴロース)への吸着によって溶解細胞から容易に精製でき、その後遊離リガンドが存在する場合に溶出が行われる。
【0091】
適切な宿主株の形質転換および適した細胞密度までの宿主株の成長後、選択されたプロモーターが適した手段(例えば、温度変化または化学作用による誘発)によって誘導され、また細胞が付加期間の間培養される。細胞は一般的に、遠心分離によって採取および物理的または化学的手段によって破壊され、結果としてさらなる精製のために保持される粗抽出物となる。タンパク質の発現において用いられる微生物細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破砕、または細胞溶解薬剤の使用等を含む、当業者には既知である任意の便利な方法によって破壊され得る。
【0092】
ホルモン不均衡変異体産物は、硫酸アンモニウムやエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む、当技術分野において知られている数多くの方法のいずれかによって組み替え細胞培養から回復および精製され得る。タンパク質のリフォールディングステップは、成熟したタンパク質の構成を完了させる際に、必要に応じて使用できる。最後に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、最終精製ステップに用いることができる。
【0093】
C.核酸配列を利用する診断適用
本発明の核酸配列は、様々な診断目的のために使用することができる。核酸配列は、ホルモン不均衡変異体生成物をコードして、mRNAの存在を検出することにより、患者の細胞内、例えば生検された組織内にあるホルモン不均衡変異体の発現を、検出および定量化することに使用することができる。あるいは、アッセイは、血清または血液内の可溶性変異体を検出するのに使用することができる。このアッセイは、典型的には組織または血清から全mRNAを得ること、およびRNAを核酸プローブと接触させることに関与する。プローブは、少なくとも20個のヌクレオチド、好ましくは20〜30個のヌクレオチドの核酸分子であり、特にハイブリダイズ状態下でホルモン不均衡変異体生成物をコードする、核酸分子の配列内に含まれる配列とハイブリダイズし、プローブにハイブリダイズされたmRNAの存在を検出し、それによって変異体の発現を検出することができる。このアッセイは、ホルモン不均衡変異体生成物の非存在、存在、および過剰発現の間を区別し、治療介入の間、ホルモン不均衡変異体の発現のレベルをモニターするのにしようすることができる。加えて、アッセイは、本発明のホルモン不均衡変異体のレベルを、変異体の原型であるホルモン不均衡配列のレベル、またはお互いのレベルと比較するのに使用することができ、比較はある電気生理学的意味を有することもある。
【0094】
本発明は、核酸配列の使用を、遺伝性欠損変異体配列によって生じる疾患、またはホルモン不均衡変異体が、最初のホルモン不均衡配列から、本発明の新規ホルモン不均衡変異体まで異なり、最初のホルモン不均衡配列の量が変化する疾患のための診断としても熟慮する。これらの配列は、欠損(すなわち、突然変異体)ホルモン不均衡変異体コード領域の配列を正常なコード領域の配列と比較することで、検出することができる。突然変異体ホルモン不均衡変異体生成物を、異常な変異体生成物の活性とコーディングする配列の関連は、検証してもよい。加えて、突然変異体ホルモン不均衡変異体生成物をコーディンする配列を、発現に適した機能アッセイシステム(例えば、比色アッセイ、HEK293細胞の変異体タンパク質欠損株での補完実験)内のベクターに、突然変異を検証または特定するさらに別の方法として挿入することができる。一度突然変異体遺伝子が特定されると、それから遺伝子により、突然変異体遺伝子の担体に対する興味の集団をスクリーニングすることができる。
【0095】
本発明の核酸配列に突然変異を持つ固体を、様々な技術によりDNAレベルで検出してもよい。診断用の核酸は血液、尿、唾液、胎盤、組織生検および剖検材料からなどを含むが、それらに限定されない患者の細胞から得てもよい。ゲノムDNAを検出用に直接使用してもよく、または分析に先立ちPCRを使用すること(Saikiら、Nature 324:163−166(1986))により、酵素的に増幅してもよい。RNAまたはcDNAも、同じ目的のために使用してもよい。例として、本発明の核酸に相補的なPCRプライマー、本発明の遺伝子内にある突然変異を特定または分析するために使用することもできる。削除および挿入は、増幅した生成物の大きさを正常な遺伝子型と比較して変化させることにより、検出することができる。
【0096】
点突然変異は、増幅DNAを本発明の放射性RNA、または、代わりに本発明の放射性アンチセンスDNA配列とハイブリダイズすることにより特定することができる。特定の場所での配列変更もリボヌクレアーゼ、およびS1保護または化学解開裂法(例えば、Cottonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:4397−4401(1985))などのヌクレアーゼ保護アッセイにより、または融解温度の違いにより明らかになる。「分子指標」(Kostrikis L.G.ら、Science 279:1288−1229(1998))、ヘアピン形、本発明の核酸に相補的なプローブ配列を包含する一本鎖合成オリゴヌクレオチドを、変異体生成物の発現レベルをモニターするためだけでなく、点突然変異またはその他の配列変更を検出するために使用してもよい。かかる診断は出生前検査に特に有益であろう。突然変異を検出するための別の方法には、近接する塩基とともに、既知のまたは疑わしい突然変異の領域が、近接する塩基にまたはその近辺にある塩基標的の隣接領域にハイブリダイズするよう設計されている2つのDNAプローブを使用する。プローブ接合部の領域内で正しく対となった塩基である場合のみ、2つのプローブを、例えば、リガーゼ酵素の存在する近接する塩基で接合してもよい。それから、結合プローブの存在または非存在により、突然変異の存在または非存在が検出可能となる。
【0097】
また、配列をコーディングするホルモン不均衡変異体生成物内で突然変異を検出するのに適するのは、例えば、米国特許第5,547,839などに記述される、ハイブリダイゼーション(SBH)による配列決定に基づくオリゴヌクレオチドアレイ方法である。典型的な方法では、DNA標的分析物をマイクロチップ上に形成されたオリゴヌクレオチドのアレイとハイブリダイズする。それから、標的の配列を、アレイに結合する標的のパターンから「解読」ことができる。
【0098】
D.核酸配列の治療適用
本発明の核酸配列は、治療目的にも使用してもよい。本発明の第2の側面(すなわち、ホルモン不均衡変異体の発現の抑制)に関しては、ホルモン不均衡変異体生成物の発現を、相補的な核酸配列(すなわち、アンチセンスDNAまたはRNA)を、5’または変異体生成物をコードする遺伝子の調節領域という調節へハイブリダイゼーションするによって、遺伝子発現を調節するアンチセンス技術を用いて調節してもよい。例えば、本発明の生成物をコードする核酸配列の5’コーディング部分を、長さで10から40までの塩基対のアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計するため使用する。例えば、開始点から−10および+10の間の位置の転写開始点に由来するオリゴヌクレオチドが好ましい。アンチセンスDNAオリゴヌクレオチドは転写(Leeら、Nucl.Acids.Res.6:3073(1979)、Cooneyら、Science 241:456(1988)、およびDervanら、Science 251:1360(1991))に関与する核酸配列の領域に相補的に設計され、変異体生成物の転写および生成を阻止する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、生体内でmRNAにハイブリダイズされ、およびmRNA分子の変異体生成への翻訳を遮断する(Okano、J.Neurochem.56:560(1991))。アンチセンス構成は、アンチセンスRNAまたはDNAを生体内で発現することができる当業者に知られるかかる手順により、細胞に配達されることができる。アンチセンスは、かかるアンチセンスmRNAをコードすることができるアンチセンスmRNAまたはDNA配列であってもよい。そのコードするアンチセンスmRNAまたはDNAは、ホルモン不均衡変異体タンパク質をコードする核酸配列の完全な配列、またはタンパク質生成物の生成を抑制するのに十分なかかる配列のフラグメントに相補的であることができる。アンチセンス技術も、他と比較し一変異体の発現を抑制する、または本来の配列と比較して変異体の発現を抑制するために使用することができる。
【0099】
次に、本発明の第1の側面を見てみると、すなわち、ホルモン不均衡変異の発現、ホルモン不均衡変異体生成物の発現は、前記ホルモン不均衡変異体生成物をコードするためのコード配列を提供することにより、望ましい宿主内で発現を終了する要素を調節するのに適した調節下で、増加させてもよい。
【0100】
本発明の核酸配列は、適した医薬担体と併用して用いてもよい。かかる組成物には、化合物の治療上効果的な量および化合物、ならびに薬剤的に許容可能な担体または賦形剤を含む。かかる担体には、生理食塩水、緩衝生理食塩水、ブドウ糖、水、グリセリン、エタノール、およびその組み合わせを含むが、それに限定されない。処方は、投与の様式に適するべきである。
【0101】
本発明の生成物も、生体内でのかかるポリペプチドの発現によって、本発明に従い採用されてもよく、しばしば「遺伝子療法」と言われる。患者からの細胞を生体外でポリペプチドをコードする核酸配列(DNAまたはRNA)と共に操作してもよく、操作される細胞をそれから患者に与え、ポリペプチドで処理する。かかる方法は当業者には公知である。例えば、細胞を、本発明のポリペプチドをコードするRNAを包含するレトロウィルス性粒子を使用する、当該分野では周知の手順により、操作してもよい。
【0102】
同様に、細胞を当該分野で周知の手順により、生体内でのポリペプチドの発現のため、生体内で操作してもよい。当該分野で知られるように、本発明のポリペプチドをコードするRNAを包含するレトロウィルス性粒子を生成する生成細胞を、生体内の細胞の操作および生体内のポリペプチドの発現のため、患者に投与してもよい。本発明の生成物を投与するためのこれらのおよびその他の方法は、本発明の教示から当業者には明らかであるはずである。例えば、細胞を操作するための発現媒体は、例えば、適した送達媒体との組み合わた後、生体内で細胞を操作するために使用することがあるアデノウイルスなどの、レトロウィルス以外であってもよい。
【0103】
上記のレトロウィルス性プラスミドベクターが由来するレトロウィルスにはモロニーマウス白血病ウイルス、脾壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳癌ウイルスなどのレトロウィルスを含むが、それらに限定されない。
【0104】
レトロウィルス性プラスミドベクターは、生成株化細胞を形成する株化細胞をまとめて形質導入するために採用される。導入されてもよい細胞をパッケージングする例にはPE501、PA317、psi−2、psi−AM、PA12、T19−14X、VT−19−17−H2、psi−CRE、psi−CRIP、GP+E−86、GP+envAm12、およびMiller(ヒト遺伝子療法、Vol.1、pg5−14、(1990))で述べるような、DAN株化細胞を含むが、それらに限定されない。ベクターにより、当該分野で周知のいずれの手段によってっでも、パッケージング細胞を形質導入してもよい。かかる手段には、電気穿孔、リポソームの使用、およびCaPO4沈殿を含むが、それらに限定されない。一代替方法では、レトロウィルス性プラスミドベクターをリポソームに被包、または脂質に共役し、それから宿主に投与してもよい。
【0105】
生成株化細胞は、ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、感染性のレトロウィルス性ベクター粒子を産生する。それからかかるレトロウィルス性ベクター粒子を採用し、試験管内または生体内のいずれかで、真核細胞を形質導入してもよい。形質導入された真核細胞は、ポリペプチをコードする核酸配列を発現する。形質導入されてもよい真核細胞には、胚性幹細胞、胚性癌細胞に加え、造血性幹細胞、肝細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、角化細胞、内皮細胞、および気管支上皮細胞も含むが、それらに限定されない。
【0106】
細胞に導入される遺伝子を、放射線誘導性のEgr―1プロモーター(Marceri,HJ.ら、Cancer Res.56(19):4311(1966))などの、誘導性プロモーターの調節下に配置し、例えば、腫瘍を処置するための放射線療法など、放射線に反応し変異体生成またはアンチセンス抑制を刺激してもよい。
【0107】
ホルモン不均衡変異体生成物
実質的に純化される本発明のホルモン不均衡変異体生成物を、本発明の核酸配列からコードされる生成物として上に定義した。好ましくは、アミノ酸配列はSEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:23から、SEQ ID NO:24またはSEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:38へとして特定される配列と、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列である。タンパク質またはポリペプチドは、成熟および/または変化型内にあってもよく、また、上で定義したように、例えば、リーダー配列の開裂により変化させてもよい。また、熟慮されるのは、少なくとも10個の隣接するアミノ酸残基、好ましくは少なくとも10〜20個の残基を有し、上で説明したホモログだけでなくホルモン不均衡変異体生成物に由来するタンパク質フラグメントである。
【0108】
配列の差異は、好ましくは、上で定義するような保存置換とみなされるものである。したがって、例えば、SEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:23から、SEQ ID NO:24またはSEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:38として特定される配列と、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を持ち、好ましくは上で定義するような保存置換を利用することによるタンパク質もまた、本発明の一部であり、本来から異なり(典型的には、置換は例えば表1のように、変異体が本来の配列とは異なる領域である)、本来のぺプチドとは同一でないことを提供する。より特定の実施形態では、タンパク質は、SEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:23から、SEQ ID NO:24またはSEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:38として特定される配列を有するか、または包含する。ホルモン不均衡変異体生成物は、(i)上記一覧の配列内の1つ以上のアミノ酸残基が、保存または保存アミノ酸残基(好ましくは、保存アミノ酸残基)と置換される生成物、(ii)1つ以上のアミノ酸残基が置換基を含む生成物、(iii)タンパク質の半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール(PEG))などの別の化合物と、ホルモン不均衡変異体生成物が融合する生成物、あるいはタンパク質をその標的組織または標的細胞集団(抗体など)に向ける標的手段として役立つ成分、ないしは(iv)さらなるアミノ酸がホルモン不均衡変異体生成物と融合する生成物であってもよい。かかるフラグメント、変異体、および誘導体は、本明細書の教示から、当業者の知るところの範囲内であるとみなす。
【0109】
A.ホルモン不均衡変異体生成物の精製
ホルモン不均衡変異体生成物およびタンパクのフラグメントを、精製および単離する組換え型方法を、上に記載する。
【0110】
組換え型生成に加え、フラグメントおよび一部の変異体生成物を、固相技術を使用する直接的なペプチド合成により、生成するしてもよい(Stewartら、(1969)Solid‐Phase Peptide Synthesis、WH Freeman Co、San Francisco、Merrifield J.、J.Am. Chem.Soc.85:2149−2154(1963)参照)。試験管内ペプチド合成を、手作業による技術または自動化を使用して実行してもよい。自動化合成を、例えば、Applied Biosystemsの431Aペプチド合成機(Perkin Elmer、Foster City、Calif.)を製造業者により提供された説明書に従って使用し、達成してもよい。ホルモン不均衡変異体のフラグメントを、化学的に分離して合成してもよく、または完全な長さの分子を精製する化学的方法を使用し組み合わせてもよい。
【0111】
B.ホルモン不均衡変異体生成物を利用する治療上の使用および組成物
本発明のホルモン不均衡変異体生成物は、概してホルモン不均衡を治療するのに有益である。
【0112】
ホルモン不均衡変異体生成物またはフラグメントは、標的器官または組織で、一貫したおよび予想可能な濃縮を提供するよう設計する、多くの経路および方法のいずれによって投与してもよい。生成物を包含する組成物を、単体または安定化化合物などのその他の薬と併用して、および/または薬剤またはホルモンなどのその他の医薬品との併用して投与してもよい。
【0113】
ホルモン不均衡変異体生成物を包含する組成物は、経口、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、皮下、外用、舌化、ま直腸手段も、鼻の適用もを含むが、それらに限定されない多くの経路により投与されてもよい。ホルモン不均衡変異体生成物を包含する組成物も、リポソームを介し投与されてもよい。かかる投与経路および適切な処方は、概して当業者に周知である。
【0114】
ホルモン不均衡変異体生成物は、静脈内または腹腔内注射を介し、与えることができる。同様に、生成物を体のその他局在的領域に注射してもよい。生成物も、鼻のガス注入を介し投与してもよい。腸内投与もまた可能である。かかる投与に対し、生成物をカプセルまたは経口投与用エリキシル剤に、または直腸投与用坐薬に適切に処方されるべきである。前述の例示的投与様式では、例えば、軟膏、ゲル、または坐薬を含む、生成物を適切な担体へ処方することがおそらく必要とされる。適切な処方は、当業者には公知である。
【0115】
生成物の投与量は、選択される特定のポリペプチドの作用強度および治療指標によって異なるだろう。
【0116】
治療法で使用するための治療組成物には、無菌の注射用溶液内の生成物、経口送達媒体内のポリペプチド、鼻の投与に適したエアロゾル内の生成物、または噴霧型内の生成物を含むことができ、全ては公知の方法に従い生成することができる。かかる組成物には、化合物の治療上効果的な量、および薬剤的に許容可能な担体または賦形剤を含む。かかる担体には、生理食塩水、緩衝生理食塩水、ブドウ糖、水、グリセリン、エタノール、およびその組み合わせを含むが、それらに限定されない。本発明の生成物もまた、例えば、細胞培養内などの細胞培養内生体外または試験管内のいずれかでアポトーシスを調節するためだけでなく、内皮分化および増殖を調節するために使用してもよい。
【0117】
抗変異体抗体
A.合成
本発明の別の側面では、純化された変異体生成物を、ホルモン不均衡変異体生成物の活性、分布、および発現に関連する診断および治療上の使用を有する抗変異体抗体を生成するために使用する。
【0118】
ホルモン不均衡変異体に対する抗体を、当該分野で公知の方法により産出してもよい。かかる抗体には、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、ヒト化、単鎖、Fabフラグメント、および例えば、治療上の使用に特に好ましい二量体形成を抑制する、Fab発現ライブラリー抗体により生成されるフラグメントを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0119】
抗体誘導に対するホルモン不均衡変異体生成物のフラグメントでは、生物活性に注目する必要はないが、免疫活性に注目しなくてはならないが、タンパク質フラグメントまたはオリゴペプチドは抗原性でなくてはならない。特定の抗体を誘導するのに使用されるペプチドは、SEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:23から、SEQ ID NO:24またはSEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:38に特定される配列の少なくとも5つのアミノ酸、好ましくは少なくとも10個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有していてもよい。好ましくは、一部の自然のタンパク質のアミノ酸配列を模倣するすべきであり、小型の自然発生する分子の全アミノ酸配列を包含していてもよい。ホルモン不均衡変異体タンパク質アミノ酸の短い伸展を、キーホールリンペットヘモシアニン、およびキメラ分子に対して生成される抗体などの、別のタンパク質のアミノ酸と融合してもよい。当該分野で周知の手順を、ホルモン不均衡変異体生成物の生成に使用することもできる。
【0120】
抗体の生成に対し、ヤギ、ウサギ、ネズミ、マウスなどを含む様々な宿主を、ホルモン不均衡変異体生成物、またはフラグメント、または免疫原性特性を保持するオリゴペプチドの部分のいずれででも、注入により免疫してもよい。宿主の種によって、様々なアジュバントを免疫反応を増加させるために使用してもよい。かかるアジュバントには、フロイント、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲル、ならびにリゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン、およびジニトロフェノールなどの界面活性物質を含むが、それらに限定されない。BCG(カルメットゲラン桿菌)、およびコリネバクテリウムパルバムは、潜在的に有益なヒトアジュバントである。
【0121】
ホルモン不均衡変異体タンパク質に対するモノクローナル抗体は、培養液内の連続的株化細胞により、抗体分子の生成を提供するどんな技術を使用して調製されてもよい。これらには、最初にKoehlerおよびMilstein(Nature 256:495‐497(1975))により記載された雑種細胞腫技術、ヒトB‐細胞雑種細胞腫技術(Kosborら、Immunol.Today4:72(1983)、Coteら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:2026‐2030(1983))およびEBV‐雑種細胞腫技術(Coleら、MOl.Cell Biol.62:109‐120(1984))を含むが、それらに限定されない。
【0122】
適切な抗原特異性および生物活性を持つ分子を得るための、ヒト抗体遺伝子に対するマウス抗体遺伝子のスプライシングである、「キメラ抗体」の生成のため開発された技術も、使用することができる(Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851‐6855(1984)、Neubergerら、Nature 312:604‐608(1984)、Takedaら、Nature 314:452‐454(1985))。あるいは、単鎖抗体の生成のために記載された技術(米国特許第4,946,778号)を、変異体タンパク質に特異的である単鎖抗体を生成するために適用することもできる。
【0123】
Orland(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:3833‐3837(1989))ら、ならびにWinter GおよびMilstein C.(Nature 349:293‐299(1991))で開示されるように、抗体もリンパ球集団で生成を生体内で導入、あるいは組換え型免疫グロブリンライブラリー、またはかなり特異的に結合する試薬のパネルをスクリーニングすることにより、生成してもよい。
【0124】
ホルモン不均衡変異体タンパク質に対し特定の結合部位を包含する抗体フラグメントを、産出してもよい。例えば、かかるフラグメントには、抗体分子のペプシン消化により生成できるF(ab’)フラグメント、およびF(ab’)フラグメントのジスルフィド架橋を減少させることにより産出できるFabフラグメントを含むが、それらに限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリーを、望ましい特異性を持つモノクローナルFabフラグメントを迅速および簡単に同定できるよう構成してもよい(Huse W.D.ら、Science 256:1275‐1281(1989))。
【0125】
B.抗体の診断適用
競合的結合のための種々のプロトコル、あるいは確立された特異性を持つポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれかを使用する疫放射線測定法は、当該分野では公知である。かかる免疫測定法は、典型的にはホルモン不均衡変異体生成物間の複合体の形成、ならびにその特定の抗体および複合体形成の測定に関与する。特定の変異体生成物上で2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を使用する、モノクローナルベースの2つの場所の免疫測定法が好ましいが、競合的に結合するアッセイを採用してもよい。これらのアッセイは、Maddox D.E.ら(J.Exp. Med.158:1211(1983))に記載されている。
【0126】
ホルモン不均衡変異体生成物を特に結合する抗体は、本発明のホルモン不均衡変異体の量、および本来から異なったホルモン不均衡配列の間の比率が変化する中での疾患の検出のみならず、ホルモン不均衡変異体の発現の最中または発現過剰または不足による、本発明のホルモン不均衡変異体の発現(正常に発言しない場合)によって特徴付けられる状態または疾患の診断に有益である。あるいは、かかる抗体を、ホルモン不均衡変異体生成物で治療されている患者をモニターするため、アッセイで使用してもよい。変異体タンパク質のための診断アッセイには、抗体を利用する方法、および細胞または組織の人間の体液または抽出物内で、変異体生成物を検出するラベルを含む。本発明の生成物および抗体を変形して、または変形せずに使用してもよい。頻繁に、タンパク質および抗体を、共有結合的または非共有結合的のいずれかで、レポーター分子でそれらを接合することによりラベルするであろう。広範なレポーター分子は、当該分野では周知である。
【0127】
タンパク質それぞれに特異的であるポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれかを使用し、ホルモン不均衡変異体生成物を測定するための種々のプロトコルは、当該分野では周知である。例には、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、および蛍光標示式細胞選別機(FACS)を含む。上で述べたように、ホルモン不均衡変異体生成物上で2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を利用する、2つの場所のモノクローナルベースの免疫測定法が好ましいが、競合的に結合するアッセイを採用してもよい。これらのアッセイは、その他の場所の中でもMaddoxら(supra)に記載されている。かかるプロトコルによって、ホルモン不均衡変異体生成物発現の変化したまたは異常なレベルを診断する基礎を提供する。ホルモン不均衡変異体生成物発現に対する正常または標準値は、当該分野で公知の複合体形成に適する状態下でホルモン不均衡変異体生成物に対する抗体で、正常な対象、好ましくは人間から取った体液または細胞抽出物を組み合わせることにより証明される。標準複合体形成の量を、様々な方法、好ましくは測光方法により、数量化してもよい。それから、正常な試料から得た標準値を、疾患により潜在的に影響を受けている対象の試料から得た値と比較してもよい。標準および対象間の値の偏差により、疾患状態の存在を証明する。
【0128】
抗体アッセイは、そもそも発現しているのか、または組織内で過剰発現または低発現しているのかを決定するために、あるいは様々な生成物のホルモン不均衡変異体レベルがどのように薬剤治療に反応しているのかの徴候として、体液試料内のホルモン不均衡変異体生成物の存在のレベルを決定するのに有益である。
【0129】
C.抗体の治療上の使用
診断上での使用に加え、抗体は、かかる減少により有利な効果が達成できる病的状態で、ホルモン不均衡変異体生成物の活性を遮断または減少させる際に、治療の有用性を有する。
【0130】
採用される抗体は、好ましくはヒト化モノクローナル抗体、または周知のグロブリン遺伝子ライブラリー法により生成されるヒトMabである。
【0131】
その他の経口経路も適するが、抗体は典型的には無菌の溶液としてIV注射により投与される。典型的には、抗体は、対象の体重に対し約1〜15mg/kgの間の量で投与される。例えば、治療上の改善が見られるまで、1〜7日全て投薬し、治療は継続される。
【0132】
本発明は特定の方法および実施形態を参照して記述されているが、本発明から逸脱することなく様々な変形および変更が行われると理解される。
【0133】
実施例1−分離
Sf‐9細胞は、2のMOIでSEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:23からSEQ ID NO:24またはSEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:38のアミノ酸配列を含むホルモン不均衡変異体発現バキュロウイルス(AC‐ホルモン不均衡変異体)に感染する。細胞を連続的に振盪しながら(90rpm)、28度で成長させる。感染後60時間で(hpi)、培地を収集し、5000rpmで5分間、遠心分離を行い細胞を培地から分離する。SP‐セファロースカラム付きの陽イオン交換クロマトグラフィーを使用し、10mlの培地を分離する。カラムをPBS pH6.5と平衡にし、カラム上に試料を添加した後、カラムをPBSで洗浄し、非結合タンパク質を溶出する(流水式の流れ)。2mL/minの流量、(5%NaCl/min)で、NaClの濃度を増加させ、溶出する。
【0134】
異なる分画をSDS‐PAGE電気泳動、および抗ホルモン不均衡変異体抗体を使用するウエスタンブロット法に供する。
【0135】
実施例2−分泌
Sf‐9細胞は、2のMOIで、ホルモン不均衡変異体発現バキュロウイルス(Ac‐ホルモン不均衡変異体)に感染する。連続的に振盪しながら(90rpm)、28度で成長させ、1mLの試料を感染後24、48、および60時間で収集する(hpi)。遠心分離の後、細胞ペレットを30分間、4度の溶解緩衝液(50mMトリスpH7.5、1%トリトンX100、およびプロテアーゼ抑制剤混合物)で溶解し、30秒間超音波処理する。試料を10分間、14000rpmで遠心分離し、上澄みをペレットと命名する。40μLのペレット精製および培地(培地と命名)を試料緩衝液に追加し、15%のSDS−PAGEで電気泳動する。電気泳動の後、ゲルをニトロセルロース膜への半乾燥性タンパク質導入に供する。膜を抗ホルモン不均衡変異体抗体と共に2時間、抗ウサギ抗体と共にさらに1時間保温する。
【0136】
市販のウエスタンブロット検出キットを使用し、シグナルの検出を行う。
【0137】
実施例3−競合結合するアッセイ
放射性リガンドの5〜8%の結合を目標とし、穴1つ当たり1x10の密度で形質移入した後1日で、導入されたCOS‐7細胞を培養皿に移動する。形質移入後2日で、25pMの[125l]ホルモン不均衡変異体を使用し、3時間、4度で競合結合実験を実施する。pH7.4で1mMのCaCl、5mMnのMgCl、ならびに0.1%(w/v)のウシ血清アルブミンおよび40μg/mlのバシトラシンに追加して、0.5mlで50mMのヘペス緩衝液内で、アッセイの結合を実施する。マイクロモルのラベルされないホルモン不均衡スプライス変異体の存在下で結合するとして、非特異的結合が決定される。0.5mlの氷冷緩衝液内で細胞を2度洗浄し、0.5〜1mlの溶解緩衝液(8Mの尿素、3M酢酸の2%のNP40)を加え、結合された放射活性を数える。定量は重複して行う。
【0138】
実施例4‐ホルモン不均衡スプライス変異体様化合物の合成生成
アミノ酸誘導体および合成試薬は、市販の供給源から得ることができる。ペプチド鎖伸長は、Perkin Elmerによって製作されたApplied Biosystemの433A合成を使用し実施することができ、ペプチド誘導体樹脂は、BocまたはFmoc方法により構成することができる。Boc方法により得られた保護ペプチド樹脂を、p‐クレゾールの存在下で無水フッ化水素(HF)と共に脱保護し、それによりペプチドを放出し、それからペプチドを純化する。Fmoc方法により得られた保護ペプチド樹脂を、トリフルオロ酢酸(TFA)または様々な捕捉剤を含有する薄いTFAと共に脱保護し、放出されたペプチドを純化する。C4またはC18カラム上の逆相のHPLC内で、純化を実施する。純化された生成物の純度は、逆相HPLCにより確認することができ、その構造はアミノ酸組成分析および質量分析により確認することができる。
【0139】
本明細書で開示されるペプチドは、従来のペプチド合成方法により生成することができる。特に、アシル化またはアルキル化したペプチドの合成を、以下に例証する。
【0140】
略語:「HMP樹脂」は4−ヒドロキシメチル−フェノキシメチル樹脂を意味する。「Fmocアミド樹脂」は4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)フェノキシアセトアミド−エチル樹脂を意味する。「PAM樹脂」はフェニルアセトアミドメチル樹脂を意味する。「HBTU」2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェートを意味する。「TBTU」は2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートを意味する。「HOBt」は1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを意味する。「DCC」はジシクロヘキシルカルボジイミドを意味する。「DIPCI」はジイソプロピルカルボジイミドを意味する。「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味する。「DIPEA」はジイソプロピルエチルアミンを意味する。「TIPS」はトリイソプロピルシランを意味する。「Fmoc」はフルオレニルメトキシカルボニルを意味する。「Boc」はt−ブチルオキシカルボニルを意味する。「Trt」はトリチルを意味する。「Bu」はt−ブチルを意味する。「Pmc」2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニルを意味する。「Prl」はプロピオニルを意味する。「PhPrl」はフェニルプロピオニルを意味する。「Bzl」はベンジルを意味する。「Bom」はベンジルオキシメチルを意味する。「Tos」はトルエンスルホニルを意味する。「Cl−Z」は2−クロロ−ベンジルオキシカルボニルを意味する。「Pis」は2−フェニルイソプロピルを意味する。「Mtt」は4−メチルトリチルを意味する。「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを意味する。「NMP」はN−メチルピロリドンを意味する。「DMAP」は4−ジメチルアミノピリジンを意味する。「HOSu」はN−ヒドロキシサクシニミドを意味する。「Adod」は2−アミノドデカン酸を意味する。「Aib」は2−アミノイソ酪酸を意味する。「Ape」は5−アミノペンタン酸を意味する。「Cha」はシクロヘキシルアラニンを意味する。「Dap」は2,3−ジアミノプロピオン酸を意味する。「Nal」はナフチルアラニンを意味する。「Nie」はノルロイシンを意味する。
【0141】
合成Fmoc方法で使用することができる保護アミノ酸:Boc−Gly、Fmoc−Gly、Fmoc−Ser(Bu)、Fmoc−Ser(Trt)、Fmoc−Glu(OBu)、Fmoc−His(Boc)、Fmoc−Gln(Trt)、Fmoc−Arg(Pmc)、Fmoc−Lys(Boc)、Fmoc−Pro、Fmoc−Leu、Fmoc−Ala、Fmoc−Val、Fmoc−Phe、Fmoc−Phe、Fmoc−Ser(n−C17)、Fmoc−Ser(n−C17)、Fmoc−Cys(n−C17)、Fmoc−Asp(OPis)、Fmoc−Ser(Bzl)、Fmoc−Cys(Trt)、Fmoc−Dap(オクタノイル)、Fmoc−2−Nal、Fmoc−2−Nal、Fmoc−Nle、Fmoc−Lys(Mtt)、Fmoc−Aib−OH、Fmoc−Asp(O−C15)。Boc方法:Boc−Gly、Boc−Ser(Bzl)、Boc−Ser(Ac)、Boc−Ser(Prl)、Boc−Glu(OBzl)、Boc−His(Bom)、Boc−Gln、Boc−Arg(Tos)、Boc−Lys(Cl−Z)、Boc−Pro、Boc−Leu、Boc−Ala、Boc−Val、Boc−Phe、Boc−Cys(n−C17)、Boc−Ape、Boc−Ser(n−C17)。
使用ユニット:
【0142】
(a)分析用HPLCシステムユニット:島津のLC−10Aシステム、カラム:YMCのPROTEIN−RP(4.6mm x 150mm)、カラム温度:40度、溶出剤:0.1%のトリフルオロ酢酸内で20分間、0%から50%アセトニトリルの直線勾配、流速:1mL/min、検出:UV(210nm)、注入容積:10から100mu l。
【0143】
(b)調製用HPLCシステムユニット:Watersの600Multisolvent Delivery System、カラム:YMC−Pack−ODS−A(5mu m、20mmx250mm)YMC−Pack−PROTEIN−RP(5mu m、C4、10mm x 250mm)YMC−Pack−PROTEIN−RP(5mu m、C4、20mm x 250mm)YMC PROTEIN−RP(4.6mm x 150mm)、溶出剤:0.1%のトリフルオロ酢酸内で適した直線勾配のアセトニトリル濃度、流速:10mL/min(カラム内部の直径20mmに対し)、3mL/min(カラム内部の直径10mmに対し)、1mL/min(カラム内部の直径4.6mmに対し)、検出:210nm、260nm、注入:10から2000mu l(2000mu l以上はポンプを介し注入)
【0144】
(c)質量分析計ユニット:Finnigan MATのTSQ700、鉄供給源:ESI、検出鉄モード:ポジティブスプレー、電位:4.5kV、キャピラリー温度:250度、移動相:0.2%の酢酸およびメタノール(1:1)の混合物、流速:0.2mL/min、走査範囲:m/Z300から1,500
【0145】
(d)アミノ酸配列分析ユニット:Perkin Elmer社製Applied Biosystem477A、492モデル配列決定装置
【0146】
(e)アミノ酸組成物分析ユニット:日立株式会社製L−8500モデルアミノ酸分析器、試料:特に規定がない限り、試料は封をした管の中で、24時間110度で6MのHCIと共に加水分解される。
【0147】
その他の化合物は、本開示に従い、同様に生成することができる。
【0148】
実施例5−健康な対象における3つの異なる単一用量での、静脈内で投与されるホルモン不均衡スプライス変異体、および皮下で投与されるホルモン不均衡スプライス変異体の絶対的バイオアベイラビリティを研究する、単一施設での無作為化4期交差試験
目的:
第1次:単一の静脈内および皮下の用量として投与する、3つの異なる用量のホルモン不均衡スプライス変異体の絶対的バイオアベイラビリティを研究するため。
【0149】
第2次:
1)上行性用量である用量の直線性(用量の釣り合い)を研究する。
2)治療間の薬力学的特性を研究および比較する
3)安全性および局所的耐用性を評価する
【0150】
試験計画:健康な対象における3つの異なる単一用量での、静脈内に投与されるホルモン不均衡スプライス変異体、および皮下に投与されるホルモン不均衡スプライス変異体の間の絶対的バイオアベイラビリティを研究するための、単一施設での、無作為化した不均衡なブロック計画の4期交差試験。3つの用量は投与の各方法、低、中、および高に使用される。各個人に対し投薬の回数を減少させ、それゆえに試験の長さを減少させるため、各対象は6つの用量全てのうち4つの用量のみ、すなわち、静脈内および皮下それぞれとして投与される2つの用量レベルを受け取る。全ての対象が全ての用量レベルを受け取るわけではないが、不均衡なブロック計画によって、3つの用量レベル全てをこのように網羅することが保証される。十分な休薬期間を各投薬期間の間に配置する。
【0151】
エンドポイント:
ホルモン不均衡スプライス変異体の薬物動態:AUCo−t、AUC、Cmax、tmax、t、Cl/f、Vz/f、Cl、Vz、t1/z
MRT薬力学:GH:AUC、Cmaxおよびtmax心拍出量、空腹感の評価、食物/エネルギー摂取、食物摂取関連の満足度、体重、エネルギー消費、DEXA。
【0152】
安全性:臨床評価(理学的検査およびバイタルサイン)、心電図検査、および臨床検査による研究を通じ、安全性および局所的耐用性を評価する。
【0153】
試験集団および検出力計算:健康な男性対象、体重指標(BMI)19〜26kg/m(両方の値含む)の年齢18〜45歳。
【0154】
本研究の一次目的は、静脈内および皮下として投与されるホルモン不均衡スプライス変異体の絶対的バイオアベイラビリティを研究することである。不均衡なブロック計画を、試験期間の時間を減少、および1人の対象当たりの投薬数を減少させるため適用する。用量間の用量の直線性の分析だけでなく、1用量レベル当たりの絶対的バイオアベイラビリティの統計学的分析を実施するため必要な対象数を、既存の文献データに基づき計算する。
【0155】
試験生成物:静脈内および皮下投与のための、ホルモン不均衡スプライス変異体
【0156】
実施例6−ホルモン不均衡スプライス変異体受容体に関する機能検査
形質移入および組織培養−COS−7細胞を、10%のウシ胎仔血清を追加したダルベッコ変法イーグル培地1885内で育成する。前に記載したように、クロロキン追加したリン酸カルシウム沈殿法を使用し、2mMのグルタミンおよび0.01mg/mLのゲンタマイシン細胞を導入する(Holst B.ら、Mol.Pharmacol.53:166−175(1998))。遺伝子用量実験のため、様々な量のDNAを使用する。結果として最大シグナル伝達をもたらすcDNAの量(20μg/75cm)を用量反応曲線に使用する。HEK−293細胞を、2mMグルタミン、および0.01mg/mLのゲンタマイシンを追加した高いグルコースと共に、D−MEM、ダルベッコ変法イーグル培地31966内で育成する。LipofectamineTM(Invitrogen Corp.、Carlsbad,Cal.)を細胞に導入する。
【0157】
ホスファチジルイノシトール代謝回転:形質移入後1日で、COS−7細胞を24時間、5μCiの[3H]−ミオ−イノシトール(GE Healthcare、Piscataway、NJ)と共に、穴ごとに10%のウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、および0.01mg/mLのゲンタマイシンを追加した1mlの培地に保温する。細胞を2度、140mMのNaCl、5mMのKCl、1mMのMgSO、1mMのCaCl、10mMのグルコース、0.05%(w/v)ウシ血清を追加した、pH7.4の20mMのヘペスの緩衝液内で洗浄し、10mMのLiClを追加した0.5mLの緩衝液内で、37度で30分間保温する。様々な濃度のペプチドで、45分間37度で刺激した後、細胞を10%の氷冷過塩素酸で抽出し、続いて30分間氷の上で保温する。その結果生じる上清みを、ヘペス緩衝液内でKOHと共に中和し、製造業者の各説明書通りにBio−Rad AG1−X8陰イオン−交換樹脂(Bio−Rad Laboratories、Hercules、Cal.)上で、産出された[3H]−リン酸イノシトールを純化する。定量は重複して行う。
【0158】
CRE、SRE、およびNF−K−Bレポーターアッセイ:96穴の皿に植えつけたHEK293細胞(30,000細胞/穴)を過渡的に導入する。CREレポーターアッセイの場合、pFA2−CREBおよびpFR−Lucレポータープラスミド(PathDetect CREBトランス−Reporting System、Stratagene、La Jolla、Cal.)またはSRE−Luc(PathDetect SRE Cis−Reporting System、Stratagene、La Jolla、Cal.)および支持された量の受容体DNAの混合物と共に、細胞を導入する。形質移入に続いて、細胞を実験中、低血清(2.5%)内で保持し、細胞内シグナル伝達経路の抑制剤それぞれで処理する。形質移入後1日で、細胞を5時間、アッセイ容積が100μlの培地内でそれぞれのリガンドで処理する。細胞を2度PBSで洗浄し、100μlのLuciferase(登録商標)アッセイ試薬(LucLite(登録商標)、PerkinElmer,Inc.、Wellesley、Mass.)を追加し、アッセイを終結する。発光を5秒間、TopCounter(Top Count NETT、Packard Instrument Co.、Meriden、Conn.)で測定する。相対発光量(RLU)として発光値を得る。
【0159】
MAPキナーゼアッセイ:COS7細胞(植えつけ密度150,000細胞/穴)をアッセイ皿に導入する。形質移入後2日で、指示濃度のリガンドを、血清なしでアッセイ培地に加え、10分間37度で保温する。培地を取り除き、氷冷のPBSで2段階洗浄し、反応を止める。Laemmli U.K.、Nature 227:680−85(1970)に従い、細胞を試料緩衝液内で溶解し、10%のSDS−PAGE上で分離する。タンパク質をニトロセルロース上へ移動し、5000希釈度のマウスモノクローナル抗リン−ERK1/2抗体(Santa Cruz Biotechnology, Inc.、Santa Cruz、Cal.)を使用し、ウエスタンブロット分析を実行する。1:10000の希釈度の抗ERK抗体(Santa Cruz Biotechnology, Inc.、Santa Cruz、Cal.)を使用し、全ERKタンパク質を決定する。抗マウス西洋わさびペルオキシダーゼ−抱合型二次抗体でブロットを探索し、強化型化学発光試薬(GE Healthcare、Piscataway、NJ)を使用し可視化し、濃度測定分析により数量化する。データを全ERK1/2を超えるホスホERK1/2の比率として発現することによるタンパク質の添加に従い、ERK1/2リン酸化を正常化する。結果は、無刺激の偽導入細胞内で得られた、百分率の値として発現される。
【0160】
実施例7−体重増加、食物消費、ホルモン、血液学的、および生化学的パラメータに関する、ホルモン不均衡スプライス変異体の皮下投与の有効性
ホルモン不均衡変異体(1mg/kg)または媒体(1.6%のマンニトール)を、n=10のスプレーグ−ドーリーラットを含む集団に対し、1日1回、14日連続で、皮下(SC)経路を介し投与する。安楽死させる直前に、動物全てをCO麻酔下で末期出血に供する。集団ごとではなく、動物数ごとに、末期血液の収集を連続的に実施する。
【0161】
血液学:血液試料(少なくとも500μl)をプレラベルしたEDTAでコーティングされた管に収集する。管をプレラベルし、以下の情報を包含する。研究番号、集団番号、動物番号、日付。試料を送達および分析まで、2〜8度に維持する。Sysmex Kx21を使用し試験される血液学パラメータは、WBC、RBC、HGB、HCT、MCV、MCH、MCHC、血小板である。白血球百分率は手動で実行する。
【0162】
生化学:生化学分析用の血液を、コーティングされていないプレラベルした管に収集する。管をプレラベルし、以下の情報を包含する。研究番号、集団番号、動物番号、日付。凝固に続き、各動物からの血液を遠心分離し、血清を2つのプレラベルされた管に収集し、以下を分析用に提出する。分析まで2〜8度に維持された250μlの血清。日立917システムを使用し、試料を以下の一覧化された試験に供する。クレアチニン、総ビリルビン、グルコース、トリグリセリド、コレステロール、HDL、LDL、総タンパク質、グロブリン、アルブミン、尿素、カリウム、リン、カルシウム、ナトリウム、塩化物、sGOT、sGPT、ALP、インスリン、IGF。
【0163】
検尿:安楽死前および/または後に、全動物から尿を、プレラベルされた管(上記のような)に収集する(可能な場合)。生き残った動物全てに対し、集団ごとではなく、動物番号ごとに尿の収集を連続的に実施する。尿試料に適用する市販の試験棒(Bayer、Multistix(登録商標) 10SG)を使用して、検尿を実施し、以下のパラメータを評価する。グルコース、ケトン、pH値、白血球、血液、密度、亜硝酸塩、ビリルビン、ウロビリノーゲン、およびタンパク質。
【0164】
剖検手順および肉眼検査:前動物を完全に詳細な剖検に供する。生き残った動物全てに対し、予定された末期出血に引き続きすぐに、集団ごとではなく、動物番号ごとに剖検を連続的に実施する。剖検では、完全な検査を行い、組織および/または器官内の異常または全体の病的変化のいずれをも観察し、記録する。
【0165】
器官/組織収集:一覧の器官および組織(脳、肝臓、腎臓、胃、膵臓、肺、脾臓、心臓、精巣上体WAT、後腹膜WAT、肩甲骨間BAT)を切除し、付着した脂肪およびその他結合性した組織の切除および除去の後、可能な限り速やかに湿気の重さを量る。1つの動物からの全器官を1つの容器に収集し、以下の情報をプレラベルする。研究番号、集団番号、動物番号、日付。
【0166】
確認されるべき投与の経路、用量、特定の系統、試験された動物の種、一連のパラメータは、各ホルモン不均衡スプライス変異体に利用可能な関連文献によって、異なることがありうる。
【0167】
実施例8−ホルモン不均衡スプライス変異体のハプテン免疫複合体合成
ホルモン不均衡スプライス変異体ペプチドを、担体タンパク質KLHに合成および共役し、免疫複合体であるホルモン不均衡スプライス変異体−KLHを得る。ペプチド合成のため、CS Bio 136自動ペプチド合成機上のFmoc_tBu SPPS用に特注されたDIC−HOBtプロトコルを使用し、C−末端アミドのように、ハプテンおよび基質すべてを、1.0〜mmolの尺度で精製する。実験の詳細は、実施例4を参照。
【0168】
対象。成熟した雄のウィスター系ラット(n=15)(Charles River、Hollister、CA)を個々に、12時間:12時間点灯(0600時間明かりをつける)、湿度調節(60%)、および気温調節(22度)の生態動物園内に、固形飼料および水を継続的に到達できるように収容する。ペレット状の固形飼料の食餌(LM−485 Diet 7012、Harlan Teklad、Madison、WI)はトウモロコシを基とした、65%の炭水化物、13%の脂肪、21%のタンパク質、および3.41kcal/gの代謝可能なエネルギーで構成される搾り出し穀類である。
【0169】
能動免疫。年齢および体重が合致した成熟したラットを、12週間以上、5つの免疫に関与するプロトコルを使用することで免疫する。年齢および体重が合致したラットは、0、21、35、56、および84日の実験日の暗サイクルの前に、90分間免疫を受ける(腹腔内0.4ml)。最初の3つの免疫は、pH7.4の100mMのPBSのホルモン不均衡スプライス変異体−KLHまたはKLH250μmを包含する、Ribi MPL−TDM乳濁液アジュバント(Ribi Immunochemical Reseach Inc.)から成る。免疫後1週間で尾の血液を収集し、遠心分離し、血漿を抗体価およびホルモン不均衡スプライス変異体の結合親和性を分析する。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】図1は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のアライメント(SEQ ID NO:20からSEQ ID NO:21まで叙述)を示す。
【図2】図2は、対向するヒト由来の3つのアミノ酸配列のアライメント(SEQ ID NO:22からSEQ ID NO:24まで叙述)を示す。
【図3】図3は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のアライメント(SEQ ID NO:25からSEQ ID NO:26まで叙述)を示す。
【図4】図4は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のアライメント(SEQ ID NO:27からSEQ ID NO:28まで叙述)を示す。
【図5】図5は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のアライメント(SEQ ID NO:29からSEQ ID NO:30まで叙述)を示す。
【図6】図6は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のアライメント(SEQ ID NO:31からSEQ ID NO:32まで叙述)を示す。
【図7】図7は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のアライメント(SEQ ID NO:33からSEQ ID NO:34まで叙述)を示す。
【図8】図8は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のアライメント(SEQ ID NO:35toSEQ ID NO:36まで叙述)を示す。
【図9】図9は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のアライメント(SEQ ID NO:37からSEQ ID NO:38まで叙述)を示す。
【図10】図10は、対向するヒト由来の2つの核酸配列のアライメント(SEQ ID NO:1toSEQ ID NO:2まで叙述)を示す。
【図11】図11は、対向するヒト由来の3つの核酸配列のアライメント(SEQ ID NO:3からSEQ ID NO:5まで叙述)を示す。
【図12】図12は、対向するヒト由来の2つの核酸配列のアライメント(SEQ ID NO:6からSEQ ID NO:7まで叙述)を示す。
【図13】図13は、対向するヒト由来の2つの核酸配列のアライメント(SEQ ID NO:8からSEQ ID NO:9まで叙述)を示す。
【図14】図14は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のマルチプルアライメント(SEQ ID NO:10からSEQ ID NO:11まで叙述)を示す。
【図15】図15は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のマルチプルアライメント(SEQ ID NO:12からSEQ ID NO:13まで叙述)を示す。
【図16】図16は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のマルチプルアライメント(SEQ ID NO:14からSEQIDNO.15まで叙述)を示す。
【図17】図17は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のマルチプルアライメント(SEQ ID NO:16からSEQ ID NO:17まで叙述)を示す。
【図18】図18は、対向するヒト由来の2つのアミノ酸配列のマルチプルアライメント(SEQ ID NO:18からSEQ ID NO:19まで叙述)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19からなる群から選択される単離核酸配列、およびその相補物。
【請求項2】
請求項1の前記単離核酸配列と90%同一性を有する単離核酸配列。
【請求項3】
請求項1の前記単離核酸配列の少なくとも15の隣接する塩基対セグメントを含む、単離核酸フラグメント。
【請求項4】
請求項1の前記単離核酸配列の15〜30の隣接する塩基対セグメントを含む、請求項3の単離核酸フラグメント。
【請求項5】
請求項3の前記単離核酸フラグメントを含む、プライマー。
【請求項6】
請求項3の前記単離核酸フラグメントを含む、プローブ。
【請求項7】
少なくとも1つの好適なコドンが前記配列の少なくとも1つのコドンを置換するものである、請求項1の単離核酸配列。
【請求項8】
請求項1の前記単離核酸配列を含む発現ベクターであって、前記配列が、宿主細胞における前記配列の発現のための要素を調節するように動作可能に結合されている、発現ベクター。
【請求項9】
請求項8の前記発現ベクターが導入された宿主細胞。
【請求項10】
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、およびSEQ ID NO:19からなる群から選択される核酸配列の逆相補物の10〜40の隣接する塩基対セグメントを含む、アンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、およびSEQ ID NO:38からなる群から選択される、単離アミノ酸配列。
【請求項12】
請求項11の前記単離アミノ酸配列と90%の同一性を有する単離アミノ酸配列。
【請求項13】
SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36およびSEQ ID NO:38からなる群から選択されるアミノ酸配列上のエピトープと特に結合する単離抗体。
【請求項14】
SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36およびSEQ ID NO:38からなる群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも10の隣接するアミノ酸セグメントを含む、単離ペプチド。
【請求項15】
SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36およびSEQ ID NO:38からなる群から選択される前記アミノ酸配列の10〜20の隣接するアミノ酸セグメントを含む、請求項14の単離ペプチド。
【請求項16】
生体試料におけるホルモン不均衡関連遺伝子の少なくとも1つの変異核酸配列の存在を検出する方法であって、
(a)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19からなる群から選択される単離核酸配列およびその相補物を前記生体試料の核酸材料とハイブリダイズさせるステップと、
(b)ステップ(a)によって生成されたハイブリダイゼーション複合体を検出するステップであって、前記ハイブリダイゼーション複合体の存在は前記生体試料における少なくとも1つの変異核酸配列と相関する、ステップと、
を含む方法。
【請求項17】
生体試料における変異核酸配列のレベルを決定する方法であって、
(a)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19からなる群から選択される単離核酸配列およびその相補物を前記生体試料の核酸材料とハイブリダイズさせるステップと
(b)ステップ(a)によって生成されたハイブリダイゼーション複合体の量を決定するステップと、
(c)前記生体試料における変異核酸配列のレベルを提供するためにハイブリダイゼーション複合体の量を正規化するステップと、
を含む方法。
【請求項18】
第1の生体試料におけるホルモン不均衡関連遺伝子の核酸配列のレベルと第2の生体試料における選択的スプライシングによって生成された変異体との割合を決定する方法であって、
(a)第1の生体試料におけるホルモン不均衡関連遺伝子の第1の核酸配列のレベルを決定するステップと、
(b)第2の生体試料における前記変異体の選択的スプライシング型の第2の核酸配列のレベルを決定するステップと、
(c)割合を与えるためにステップ(a)およびステップ(b)で得られたレベルを比較するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
前記第1の生体試料および前記第2の生体試料が同一試料である、請求項18の方法。
【請求項20】
前記第1の核酸配列および前記第2の核酸配列がmRNA転写物である、請求項18の方法。
【請求項21】
前記第1の核酸配列および前記第2の核酸配列が核酸チップ上で取り外される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
タンパク質の受容体とのホルモン不均衡関連タンパク質の結合親和性に影響を与え得る化合物の同定方法であって、
(a)SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO.30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36およびSEQ ID NO:38からなる群から選択されるアミノ酸配列を提供するステップと、
(b)ホルモン不均衡関連遺伝子の少なくとも1つの受容体が存在する場合に、候補化合物を前記アミノ酸配列と接触させるステップと、
(c)前記少なくとも1つの受容体との前記アミノ酸配列の結合への前記候補化合物の影響を決定するステップと、
(d)前記タンパク質の受容体とのホルモン不均衡関連タンパク質の結合親和性に影響を与え得る化合物を選択するステップと、
を含む方法。
【請求項23】
第1の生体試料におけるホルモン不均衡関連タンパク質変異体のレベルと第2の生体試料における選択的スプライシングによって生成された変異体との割合を決定する方法であって、
(a)第1の生体試料におけるホルモン不均衡関連遺伝子変異体の第1のアミノ酸配列のレベルを決定するステップと、
(b)第2の生体試料における前記変異体の選択的スプライシング型の第2のアミノ酸配列のレベルを決定するステップと、
(c)割合を与えるためにステップ(a)およびステップ(b)で得られたレベルを比較するステップと、
を含む方法。
【請求項24】
ポリメラーゼ連鎖反応によって特異的ホルモン不均衡関連核酸配列を検出する方法であって、
(a)プライマー対で特異的ホルモン不均衡関連核酸配列を増幅させるステップであって、少なくとも1つの前記プライマーはSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19からなる群から選択される核酸配列の少なくとも15の隣接する塩基対セグメントおよびその相補物を含む、ステップと、
(b)ステップ(a)の前記核酸生成物を検出するステップと、
を、含む方法。
【請求項25】
ホルモン不均衡を治療する方法であって、
(a)SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO.32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38からなる群から選択される単離アミノ酸配列およびその少なくとも10の隣接するアミノ酸セグメントを含むペプチドと、
(b)担体と、
を含む、治療上有効な量の医薬組成物を治療を必要としている哺乳類に投与するステップを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図16−3】
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【図16−4】
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【図16−5】
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【図16−6】
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【図16−7】
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【図16−8】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図18−1】
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【図18−2】
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【公表番号】特表2009−514548(P2009−514548A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540058(P2008−540058)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/042606
【国際公開番号】WO2007/055996
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(506083350)
【氏名又は名称原語表記】Liat MINTZ
【Fターム(参考)】