ホログラフィックMEMS動作式光学投影器
方法は、ミラーの再構成可能な配列で画像を形成する。この方法は、基準面から配列のミラーまでの距離が均一でない空間分布を有するようにミラーの一部を平行移動させることによって、配列を構成するステップを含む。この方法は、コヒーレント光ビームの一部が配列に反射されて平面閲覧スクリーンに投影されるように、構成された配列を当該光ビームで照らすステップを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型閲覧スクリーンに光像を投影する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、本発明のより良い理解を促進するのに役に立ちうる態様について述べる。したがって、本節の記述は、この観点から読まれるべきである。本節の記述は、何が従来技術の範囲に入るのか、または何が従来技術の範囲に入らないのかについて認めるものとして理解されるべきではない。
【0003】
画像投影器の1つのタイプは、傾斜を調整できるミラーの二次元(2D)配列に基づく。この2D配列は、インコヒーレント光源によって照らされる。この配列では、各ミラーが、ミラーの向きに応じて照明光の一部を反射する。各ミラーの向きは、対応する微小電子機械システム(MEMS)アクチュエータによって制御される。MEMSアクチュエータは、照明光を閲覧スクリーンの方へまたは閲覧スクリーンから離れる方へ反射するように、対応するミラーを傾斜させる。すなわち、各MEMSアクチュエータは、対応するミラーをON/OFFの形で動作させる。ミラーは、光点を閲覧スクリーンへ鏡面反射するように傾斜させるときはONになり、光点を閲覧スクリーンから離れる方へ鏡面反射するように傾斜させるときはOFFになる。そのような傾斜ミラー型の画像投影器は、様々な鏡面反射点の像を生成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第11/681,376号
【特許文献2】米国特許出願第11/713,207号
【特許文献3】米国特許出願第11/713,483号
【特許文献4】米国特許出願第11/009,447号
【特許文献5】米国特許出願第10/813,951号
【特許文献6】米国特許出願第11/140,313号
【特許文献7】米国特許出願第11\448,390号
【特許文献8】米国特許第6,211,848号
【特許文献9】米国特許第4,834,476号
【特許文献10】米国特許第4,986,619号
【特許文献11】米国特許第5,172,251号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Optics Letters、Vol.21、No.12(1996年6月15日)842〜844頁
【非特許文献2】Optics Letters、Vol.3、No.1(1978年7月)27〜29頁
【非特許文献3】Applied Optics、Vol.21、No.15(1982年8月1日)2758〜2769頁
【非特許文献4】「Diffraction−Specific Fringe Computation for Electro−Holography」、Massachusetts Institute of Technology、Department of Electrical Engineering and Computer Science、Mark Lucenteの博士論文、1994年9月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な実施形態では、コヒーレント光源に基づく画像投影器を提供する。相互にインコヒーレントの光点からなる画像ではなく、新しい画像投影器は、コヒーレント光波面を実質上構築することによって、画像を形成することができる。
【0007】
一実施形態では、装置は、光源と、ミラーおよびMEMSアクチュエータの再構成可能な配列とを含む。光源は、複数のコヒーレント源を含む。各コヒーレント源は、残りのコヒーレント源とは異なる色の光を発するように構成される。各ミラーは、MEMSアクチュエータのうち、この制御されるミラーを平行移動させることが可能な対応するMEMSアクチュエータによって制御される。光源は、これらのミラーを時分割色多重光ビームで照らすように構成される。
【0008】
いくつかの特定の実施形態では、装置は、光源が、20ヘルツを超える周波数で光ビームを、第1の色を有するときと第2の色を有するときとの間で変動させるように構成されるような装置である。この装置は、光ビームが第1の色を有するときは配列のミラーが第1の平行移動の空間分布を有し、また光ビームが第2の色を有するときは配列のミラーが異なる第2の平行移動の空間分布を有するように、MEMSアクチュエータを動作させるように構成された処理装置を含むことができる。
【0009】
いくつかの特定の実施形態では、装置は、平面閲覧スクリーンを含み、時間的に一定でありかつコヒーレント源の色の重ね合わせを有することが人には閲覧されるはずの画像を閲覧スクリーンに形成するように構成される。この閲覧スクリーンは、閲覧スクリーンに入射する光を非鏡面的に反射することができる。
【0010】
いくつかの特定の実施形態では、装置は、光ビームの向きを光源から再構成可能な配列の方へ変えるように配置されたビーム・スプリッタと、ビーム・スプリッタと再構成可能な配列の間に配置された波長板とを含む。
【0011】
この装置のいくつかの特定の実施形態では、ミラーの直径は、光源によって生成される光の波長の20倍より小さく、またこの装置は、配列が閲覧スクリーンに第1の色の第1の画像を形成し、かつこの閲覧スクリーンに第2の色の第2の画像を形成し、その結果第1および第2の画像が同じ寸法を有するように、MEMSアクチュエータを動作させるように構成された処理装置を含む。
【0012】
別の実施形態では、方法は、ミラーの再構成可能な配列で画像を形成する。この方法は、基準面から配列のミラーまでの距離が均一でない空間分布を有するようにミラーの一部を平行移動させることによって、配列を構成するステップを含む。この方法は、コヒーレント光ビームの一部が配列に反射されて平面閲覧スクリーンに投影されるように、構成された配列を当該光ビームで照らすステップを含む。この照らすステップにより、閲覧スクリーンは、閲覧スクリーンに投影される光の一部を非鏡面的に反射することができる。
【0013】
いくつかの特定の実施形態では、方法は、次いで、基準面から配列のミラーまでの距離が新しい均一でない空間分布を有するようにミラーの一部を平行移動させることによって、配列を再構成するステップと、異なる色のコヒーレント光ビームの一部が平面閲覧スクリーンに投影されるように、再構成された配列を異なる色の当該光ビームで再び照らすステップとを含む。この方法は、一連の連続する時間枠のそれぞれの間、構成し、照らし、再構成し、かつ再び照らす動作を繰り返すステップをさらに含むことができる。これらの枠はそれぞれ、長さ1/20秒未満とすることができる。
【0014】
この方法のいくつかの実施形態では、ミラーの最大直径は、光ビームの光の波長の20倍より小さい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】閲覧スクリーンに二次元(2D)画像を再構築する方法の概略図である。
【図2】例えば図1の方法に従って、コヒーレント光ビームを反射して閲覧スクリーンに画像を投影する装置のブロック図である。
【図3】例えば図1の方法に従って、コヒーレント光ビームを反射して投影画像を生成する装置のブロック図である。
【図4A】例えば図2および3の装置で使用できる例示的な微小電子機械システム(MEMS)作動式マイクロミラーの斜視図である。
【図4B】例えば図2および3の装置で使用できる代替MEMS作動式マイクロミラーの斜視図である。
【図5】例えば図2または3の装置を用いて、コヒーレント光の投影画像を閲覧スクリーン上に形成する方法を示す流れ図である。
【図6】図2および3の装置のいくつかの実施形態で使用できる多色光源を示すブロック図である。
【図7】単一構成のミラー配列を使用して多色投影画像を形成することに伴う問題を示す図である。
【図8】例えば図2または3の装置の実施形態を使用してコヒーレント光の多色投影画像を形成する方法を示す流れ図である。
【図9】例えば図2または3の装置を用いて、ビームが閲覧スクリーンに所望の画像を投影するように入射光ビームを位相変調するのに適しているはずの再構成可能なミラー配列に対する構成を見出す第1の反復方法を示す流れ図である。
【図10】例えば図2または3の装置を用いて、ビームが閲覧スクリーンに所望の画像を投影するように入射光ビームを位相変調するのに適しているはずの再構成可能なミラー配列に対する構成を見出す第2の反復方法を示す流れ図である。
【図11A】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図11B】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図11C】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図11D】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図11E】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図12A】図11A〜11Eに示す画像投影装置内の第1のレンズ系のフーリエ面で実行できる例示的なタイプの空間フィルタリングを示す図である。
【図12B】図11A〜11Eに示す画像投影装置内の第1のレンズ系のフーリエ面で実行できる例示的なタイプの空間フィルタリングを示す図である。
【図13】例えば図11A〜11Eの装置にあるように、再構成可能な空間光変調器配列の画素と投影すべき画像の画素の間の1対1の対応関係に基づく画像投影方法の流れ図である。
【図14A】図13の画像投影方法で再構成可能な空間光変調器を動作させる代替方法を示す図である。
【図14B】図13の画像投影方法で再構成可能な空間光変調器を動作させる代替方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図および本文では、同じ参照番号が、類似のまたは同じ機能および/または構造を有する要素を示す。
【0017】
図では、図中の1つまたは複数の構造または要素をよりはっきりと示すために、いくつかの特徴の相対寸法を誇張することがある。
【0018】
様々な実施形態では、図示のレンズおよびレンズ系は、例えば無彩色複レンズとすることができる。
【0019】
本明細書では、様々な実施形態について、図および例示的な実施形態の詳細な説明によってさらに詳しく説明する。それにもかかわらず、本発明は、様々な形で実施することができ、図および例示的な実施形態の詳細な説明に記載の実施形態に限定されるものではない。
【0020】
傾斜ミラーの配列に基づく画像投影器は多種多様な光点像を生成することができるが、そのような画像投影器は、照明光では効率的でない可能性がある。特に、照明光の一部は通常、ミラーによって閲覧スクリーンから離れる方へ反射され、したがって失われる光である。光を遠くへ反射するのではなく、本明細書に記載の画像投影器のいくつかの実施形態では、光を閲覧スクリーンに再分布する。
【0021】
Vladimir A.Aksyuk、Randy C.Giles、Omar D.Lopez、およびRoland Ryfによる2007年3月3日出願の「SPECKLE REDUCTION IN LASER−PROJECTOR IMAGES」という名称の米国特許出願第11/681,376号、Randy C.Giles、Omar D.Lopez、およびRoland Ryfによる2007年3月3日出願の「DIRECT OPTICAL IMAGE PROJECTORS」という名称の米国特許出願第11/713,207号、ならびにGang Chen、Ronen Rapaport、およびMichael Schabelによる2007年3月3日出願の「COLOR MIXING LIGHT SOURCE AND COLOR CONTROL DATA SYSTEM」という名称の米国特許出願第11/713,483号はすべて、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0022】
A)2D画像の再構築による形成
図1は、所望の情景の二次元(2D)コヒーレント光画像を形成する方法を概略的に示す。
【0023】
情景の実際の2D画像を形成するためには、照明光としてコヒーレント光源を使用することができ、したがって情景は、照明光の一部を散乱させまたは伝送し、それによって出射光ビームを生成する。出射光ビームの一部は、選択された光学的開口を通過し、次いで平面閲覧スクリーンに2D画像を投影する。選択された光学的開口上では、出射コヒーレント光ビームは、平面閲覧スクリーンに投影する2D画像を決定する相対位相および振幅のパターンを形成する。
【0024】
選択された光学的開口上では、出射コヒーレント光ビームの電界または磁界の相対強度および位相についてのマップを、画素ごとに形成することができる。選択された光学的開口上でそのような画素ごとのマップを利用できることは、投影2D画像を再構築する基礎となる。
【0025】
特に、2D画像を再構築するために、光源は、マイクロミラーの再構成可能な配列をコヒーレント光で照らすことができる。再構成可能な配列のマイクロミラーは、同じ選択された光学的開口上でほぼ同じ画素ごとのマップを有する出射コヒーレント光ビームを生成する形で照明光を反射するように位置決めされる。すなわち、再構成可能な配列は、選択された光学的開口、例えば出射光学ビームの横断面上で、相対位相と振幅の両方についてのほぼ同じ画素ごとのマップを有する出射コヒーレント光ビームを生成するように構成される。再構築された光ビームが、所望の情景によって実際に散乱されかつ/または伝送されたコヒーレント光ビームと同じ選択された光学的開口の画素ごとのマップを有する場合、再構築された光ビームは、平面閲覧スクリーンに同じ画像を投影する。
【0026】
本明細書では、再構成可能なミラー配列は実質上、その表面上の入射光ビームの位相のみを調整する。それにもかかわらず、生成される位相の空間分布は、出射光ビームの横断面上の位相と振幅の両方の空間分布を、十分に近似させて修正することができる。この横断面は、再構成可能なミラー配列に近いが、配列内の個々のマイクロミラーからは遠い。したがって、再構成可能なミラー配列は、そのような横断面、すなわち選択された光学的開口上で前述の画像を、十分に近似させて再構築することが可能である。画素ごとのマップは、個々のマイクロミラーを画素に対応させることができ、またはマイクロミラーの局所的な独立グループを画素に対応させることができる。後者の場合、グループのマイクロミラーの位置は、選択された光学的開口の対応する画素上の光の平均相対振幅および位相を規定する。
【0027】
B)画像投影のためのホログラフィック装置
図2および3は、図1によって示す方法に従って平面閲覧スクリーン12に画像を投影する例示的な装置10、10’を示す。装置10は、コヒーレント光源14と、再構成可能なミラー配列16と、デジタル・データ処理装置18と、デジタル・データ記憶装置20とを含む。
【0028】
平面閲覧スクリーン12は、例えば、入射光を非鏡面的に反射しまたは後方散乱させる実質上平坦な表面、例えば従来の投影スクリーンまたは白壁とすることができる。閲覧スクリーンは入射光を非鏡面的に反射しまたは後方散乱させることができるので、閲覧者Vは、広い範囲の閲覧方向から閲覧スクリーン12に投影された画像を見ることが可能である。
【0029】
コヒーレント光源14は、例えば、光源22とビーム拡大光学系24と含む。光源22は、1つまたは複数の従来の可視光半導体レーザを含む。光源22は、コヒーレント光ビーム28を生成する。コヒーレント光ビーム28は、例えば、直線偏光させることができる。ビーム拡大光学系24は、光源22によって出力される光ビーム28から、幅広く横方向にコヒーレントな光ビーム26、例えば平行光ビームを生成する。ビーム拡大光学系24の例には、屈折レンズ、屈折レンズ系、および非平面反射光学系が含まれる。
【0030】
両装置10、10’において、コヒーレント光ビーム26の一部またはすべては、再構成可能なミラー配列16の前部反射面全体を照らすように向けられる。装置10では、ビーム拡大光学系24は、幅広い光ビーム26を直接再構成可能なミラー配列16の方へ、すなわち斜めの角度に向ける。装置10’では、ビーム拡大光学系24は、コヒーレント光ビーム26を光学ビーム・リダイレクタ30へ向け、光学ビーム・リダイレクタ30は、再構成可能なミラー配列16に対して実質上垂直に入射するように、コヒーレント光ビーム26の向きを変える。光学ビーム・リダイレクタ30は、例えば、光学ビーム26の偏光に対して、その中の光の大部分またはすべての向きを再構成可能なミラー配列16の反射面の方へ変えるような向きにした偏光ビーム・スプリッタとすることができる。そのような実施形態では、装置10’はまた、図3に示すような4分の1波長板32を含むことができる。波長板32は、波長板32を通って垂直に伝送される光学ビームの2つの直交する直線偏光成分間に波長の約1/4の遅延をもたらす複屈折板である。波長板32は、そのような偏光ビーム・スプリッタ30と再構成可能なミラー配列16の間に配置される。波長板32は、再構成可能なミラー配列16によって反射された光が、偏光ビーム・スプリッタ30の中を通って伝わるのにほぼ適切な直線偏光で、偏光ビーム・スプリッタ30に到達するのに適した厚さを有する。すなわち、この光は、入射コヒーレント光ビーム26に沿って後方反射されない。
【0031】
再構成可能なミラー配列16は、MEMS作動式マイクロミラー34の規則的なまたは不規則な2D配列を含み、すなわちマイクロミラー34は、再構成可能なミラー配列16の1つの表面に沿って実質上均一な空間分布を有する。マイクロミラー34は、実質上同一のものとすることができ、円形、方形、三角形、もしくは正方形の形状を有することができ、または非対称形の形状を有することができる。各マイクロミラー34は、対応するMEMSアクチュエータに物理的に接続され、かつそのMEMSアクチュエータによって制御され、すなわちその結果、再構成可能なミラー配列16は、マイクロミラー34の2D空間配列と、対応するMEMSアクチュエータの2D空間配列とを含む。MEMSアクチュエータは、平面基板35、すなわちシリコン基板上に製作される。MEMSアクチュエータは、基準面36に対して垂直に、例えば平面基板35の表面に対して垂直に、または再構成可能なミラー配列16の平均反射面に対して垂直に、各マイクロミラー34を平行移動できるように、マイクロミラー34を独立に制御することが可能である。
【0032】
図4Aは、図2〜3のMEMS作動式マイクロミラー34に対する例示的な一実施形態34Aを示す。マイクロミラー34Aは、制御コンデンサ(CC)と、復元ばね(RS)と、反射面を形成する上部平面鏡面(MS)、例えばシリコンまたは金属の平らな表面とを含む。制御コンデンサCCは、可動導電板(MCP)と、平面基板(PS)、例えば図2および3の平面基板35に直接固定された固定導電板(FCP)とを含む。復元ばねRSは、支柱Pを介して可動導電板MCPに堅固に固定され、制御コンデンサCCが放電すると鏡面MSをその最初の位置へ戻す平行移動の復元力をもたらす。可動導電板MCPは、ピストン状の運動で鏡面MSを平行移動させる。このピストン状の運動は例えば、平面基板PSの表面に実質上垂直な運動とすることができ、したがってそのような運動中に、鏡面MSの向きが変化しないようにする。鏡面MSのピストン状に平行移動する動きおよびその最終の静止位置は、制御コンデンサCCの導電板MCP、FCP間に印加される電圧によって制御される。
【0033】
図4Bは、図2〜3のMEMS作動式マイクロミラー34に対する別の実施形態34Bを示す。マイクロミラー34Bは、制御コンデンサ(CC’)と、復元ばね(RS)と、上部平面鏡面(MS)、例えばシリコンまたは金属の平らな表面とを含む。制御コンデンサCC’は、可動導電板MCP’と、固定導電板FCP’、すなわち平面基板PS、例えば図2および3の平面基板35に固定された導電板とを含む。復元ばねRSは、支柱Pを介して鏡面MSの平坦な構造に堅固に固定され、かつ別の支柱Pを介して下部の可動導電板MCP’に固定される。したがって、復元ばねRSは、その存在およびその位置が板MCP’およびFCP’間に静電気力を実質上生じさせないように、制御コンデンサCC’の外側に配置される。制御コンデンサCC’の電気制御との干渉を避けるために、マイクロミラーの各復元ばねRSを対板MCP’およびFCP’の外側に配置することが望ましい場合がある。復元ばねRSは、制御コンデンサCC’が放電すると鏡面MSをその最初の位置へ戻す平行移動の復元力をもたらす。可動導電板MCP’は、平面基板PSの表面に実質上垂直なピストン運動で鏡面MSを平行移動させ、したがってそのような運動中に、鏡面MSの向きが変化しないようにする。鏡面MSのピストン状に平行移動する動きおよびその最終の静止位置は、制御コンデンサCC’の導電板MCP’、FCP’間に印加される電圧によって制御される。
【0034】
他の例示的なMEMS作動式マイクロミラーおよび/またはそれらの2D配列は、例えば、Vladimir A.Aksyukらによる2004年12月10日出願の米国特許出願第11/009,447号、Vladimir A.Aksyukらによる2004年3月31日出願の米国特許出願第10/813,951号、およびVladimir A.Aksyukらによる2005年5月27日出願の米国特許出願第11/140,313号のうちの1つまたは複数に記載されていることがある。これらの米国特許出願の全体を、参照により本明細書に組み込む。図2および3の再構成可能なミラー配列16は、配列内の個々のマイクロミラーが、マイクロミラーの角度方向を変えずにピストン状の平行移動を受けることが可能であるという条件で、上記で組み込まれた米国特許出願のうちの1つまたは複数に記載のように製作されまたは記載の特徴を有するマイクロミラーおよびそれらの配列を含むことができる。
【0035】
デジタル・データ処理装置18は、再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34を制御するMEMSアクチュエータを動作させるための制御信号セットを生成する。すなわち、各MEMSアクチュエータは、デジタル・データ処理装置18からの制御信号セットに応答して、基準面36から対応するマイクロミラー34までの垂直距離を制御する。デジタル・データ処理装置18は、選択された光学的開口上の出射コヒーレント光ビーム44に対する電界または磁界の位相および場合によっては振幅についての受け取った画素ごとのマップそれぞれに対して、1つの制御信号セットを生成する。選択された光学的開口は、再構成可能なミラー配列16のすぐ前の平坦な表面とすることができ、または出射コヒーレント・ビーム44のうち、再構成可能なミラー配列16に近いが、個々のマイクロミラー34の最大直径と比較すると大きく距離を空けて配置された横断面(CS)とすることができる。通常、それぞれの異なる制御信号セットにより、MEMSアクチュエータは、異なる均一でない空間分布を有するように基準面36からマイクロミラー34までの距離を設定する。デジタル・データ処理装置18は通常、各単一色画像を閲覧スクリーン12に投影するようにマイクロミラー34を位置決めするための1つの制御信号セットを出力する。第1の色の画像に対するマイクロミラー位置の制御信号セットおよび対応する空間分布と、第2の色の画像に対するマイクロミラー位置の制御信号セットおよび対応する空間分布とは、2つの画像が閲覧スクリーンに同じ形状を投影するときでも、以下に説明する回折のために、異なることが多い。
【0036】
デジタル・データ記憶装置20は、デジタル・データ処理装置18が制御信号セットを決定するために使用する画像データ・セットを記憶することができる。画像データ・セットは、例えば、選択された開口上の相対位相についての画素ごとのマップ、または選択された開口上の相対振幅と相対位相の両方についての画素ごとのマップを含むことができる。データ・セットはまた、コヒーレント光ビーム26から選択された光学的開口上にそのような画素ごとのマップで出射光ビーム44を生成するようにマイクロミラー34を空間的に位置決めするための制御電圧を含むことができる。したがって、再構成可能なミラー配列16は、再構成可能なミラー配列16の前に配置され横方向に束縛された平滑な表面上に出射光ビームの所望の空間位相分布を再構築するホログラムのように機能する。データ・セットは、通信回線またはバス38を介してデジタル・データ処理装置18に伝達される。
【0037】
装置10、10’はまた、再構成可能なミラー配列16に反射された出射コヒーレント光ビーム44を処理するための任意選択の光学素子40、42を含むことができる。光学素子40は、出射コヒーレント光ビーム44の発散を調整でき、すなわち拡大をもたらす屈折レンズ系である。素子42は、例えば、再構成可能なミラー配列16によってより高い回折次数に回折させた光をフィルタリングして除去する光学的開口絞りである。
【0038】
C)投影2D画像の拡大
図2および3の装置10、10’では、マイクロミラー34は、光源14から出力される波長λの入射光を実質上回折させるのに十分に小さな横方向の有効直線寸法を有することができる。例えば、個々のマイクロミラー34の有効最大直径は通常、λより大きく、かつ40λ、20λ、10λ、および5λのうちの1つより小さい。本明細書では、マイクロミラーの最大直径は、マイクロミラーの反射面が収まる最小の円の直径である。本明細書では、有効直線寸法、例えば有効最大直径は、実際の横方向の直線寸法に、装置10、10’の出力光学系を通して閲覧したとき、例えば図3のレンズ系40を通して閲覧したときに横方向の直線寸法が有するはずの任意の倍率を掛けた値である。
【0039】
個々のマイクロミラー34による回折の結果、再構成可能なミラー配列16によって向きを変えられた光は、閲覧スクリーン12上で混合しかつ干渉する。閲覧スクリーン12上の画像の横方向の寸法は、個々のマイクロミラー34によってもたらされる回折によって決定される。特に、そのような回折により、望ましくは小さな再構成可能なミラー配列16は、閲覧スクリーン12上に適切な大きさの投影画像を生成することができる。
【0040】
D)閲覧スクリーンに画像を投影する方法
図5は、平面または平坦な閲覧スクリーンに2D画像を投影する方法50を示す。画像は例えば、図2および3のホログラフィック装置10、10’で非鏡面的に反射する閲覧スクリーン12に投影される。
【0041】
方法50は、閲覧スクリーン、例えば図2および3の閲覧スクリーン12に所望の画像を投影できるはずのコヒーレント光ビームの波面をほぼ再構築するステップを含む。例えば、再構築すべき波面を有するコヒーレント光ビームは、所望の情景によってコヒーレント光ビームを散乱させることによって形成されるビーム、および/または所望の情景を通してコヒーレント光ビームを伝送することによって形成されるビームとすることができる。方法50では、波面は、コヒーレント光ビームが閲覧スクリーンへ進行する際に通過したはずの選択された光学的開口上に再構築される。選択された光学的開口は、有限の平面領域であり、その形状は、異なる実施形態では変わることがある。選択された光学的開口は、図2もしくは3の再構成可能なミラー配列16の平均表面によって形成される平面領域とすることができ、または再構成可能なミラー配列16に近接する図2もしくは3の出射光ビーム44の横断面(CS)とすることができる。
【0042】
方法50は、閲覧スクリーンに所望の画像を投影できる実際のコヒーレント光ビームに対する選択された光学的開口上の光場について記述する画素ごとのマップを提供するステップ(ステップ52)を含む。画素ごとのマップは、選択された光学的開口を覆う1組の画素上のコヒーレント光ビームの電界または磁界の相対位相を提供することができ、例えばこれらの画素は、図2および3の再構成可能なミラー配列16の個々のマイクロミラー34に対応することができる。任意選択で、画素ごとのマップは、同じ組の画素上の波面の電界または磁界の相対振幅を提供することもできる。その場合、各画素は、マイクロミラー34の独立した局所的なグループに対応することができ、このグループは、画素上の平均相対位相および相対振幅を近似的に設定することが可能である。
【0043】
画素ごとのマップは、その項目が選択された開口を覆う画素組の個々の画素と対応関係にあるリストである。このリストでは、各項目は、平均相対位相を与え、かつ任意選択で、対応する画素の反射された光ビームの電界または磁界の平均相対振幅を提供する。第1の例として、画素ごとのマップは、コヒーレント光学ビーム26のうち、図2および3の再構成可能なミラー配列16の各マイクロミラー34によって反射される部分の相対位相を提供することができる。第2の例として、画素ごとのマップは、コヒーレント光学ビーム26のうち、図2および3の再構成可能なミラー配列16内のマイクロミラー34のそれぞれの局所的な独立グループによって反射される部分の相対位相および相対振幅を提供することができる。画素ごとのマップ全体は、デジタル・データ記憶装置、例えば図2および3のデジタル・データ記憶装置20内に記憶することができ、または、例えばデジタル・データ処理装置18によって、それ自体同じデジタル・データ記憶装置20内に記憶される2D画像に対するデータから評価することができる。
【0044】
方法50は、基準面から再構成可能なミラー配列のミラーまでの距離が均一でない空間分布を有するように、配列内のミラーの一部を平行移動させることによって、再構成可能なミラー配列を構成するステップ(ステップ54)を含む。構成するステップは、選択された開口上にステップ52で提供された画素ごとのマップとほぼ同じものを有する反射光ビームを生成する形で入射コヒーレント光ビームを反射するように、再構成可能なミラー配列のマイクロミラーを位置決めするステップを含む。入射コヒーレント光ビームは、例えば、図2および3の光源14によって生成される光ビーム26とすることができる。次いで、構成するステップ54は、例えば、図2および3の再構成可能なミラー配列16の表面と平行である基準面36からマイクロミラー34の一部までの距離を変動させる。
【0045】
次いで、方法50は、コヒーレント光ビームの一部が配列に反射されて閲覧スクリーン、例えば図2および3の閲覧スクリーン12に所望の画像を投影するように、ステップ54で構成された再構成可能なミラー配列を当該光ビームで照らすステップ(ステップ56)を含む。コヒーレント光ビームを照らすステップは通常、再構成可能なミラー配列の高さおよび幅にわたって空間的にコヒーレントとすることができる。ステップ54でマイクロミラーを位置決めすることにより、照明コヒーレント光ビームの反射された部分は、選択された開口の各画素で、ステップ52で提供される画素ごとのマップのものとほぼ同じ位相を有する。再構成可能なミラー配列16の例では、コヒーレント光ビーム26は、反射されて出射コヒーレント光ビーム44を生成するはずである。次いで、選択された光学的開口の各画素では、出射コヒーレント光ビーム44の電界または磁界の平均相対位相は、ステップ52で提供される画素ごとのマップのものとほぼ同じになるはずである。各画素では、出射コヒーレント光ビームの位相および場合によっては振幅は、閲覧スクリーン12に所望の画像を投影できる実際のコヒーレント光ビームのものとほぼ同じになるはずである。この例では、選択された光学的開口は、再構成可能なミラー配列16の平均表面、または出射コヒーレント光ビーム44の横断面CSとすることができる。この横断面は、再構成可能なミラー配列16に近いが、配列内のマイクロミラー34の寸法と比較すると配列からはるかに遠い。所望の画像に対して、閲覧スクリーン12に実質上同じ所望の画像を投影するはずのそのような出射光ビーム44を近似的に再構築できる再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34の複数の構成が可能である。
【0046】
図2および3の装置10、10’のいくつかの実施形態では、方法50のステップ56の実行は、30ヘルツを超える周波数で再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34をわずかに振動させるステップを含む。わずかな振動により、閲覧スクリーン12上の局所的なコヒーレント光の強度にわずかな変動が生じ、このわずかな振動を制御して、投影画像内で干渉によって生じる光のスペックルを時間的に除去する。振動は、図2および3の基板35全体を振動させることによって、または照明ステップ56の実行中にMEMSアクチュエータを通じて個々のマイクロミラー34を振動させることによって発生させることができる。投影画像内のスペックルは、例えば、Vladimir A.Aksyuk、Randy C.Giles、Omar D.Lopez、およびRoland Ryfによる「SPECKLE REDUCTION IN LASER−PROJECTION IMAGES」という名称の上記で組み込まれた米国特許出願に記載の方法(複数可)および/またはシステム(複数可)を使用することによって、低減させることができる。
【0047】
方法50は、制御信号が閲覧スクリーンに別の所望の画像を投影するべきであることを示すのに応答してステップ52、54、および56を繰り返すために、例えば図2および3の閲覧スクリーン12に時間的に連続する2D画像を生成するために、折り返すステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、折り返すステップでは、少なくとも毎秒20フレームの速度で、好ましくは毎秒30フレーム以上の速度で、新しい2D画像を再構築することができる。すなわち、フレームを繰り返す速度は、実際に平滑な映像であると閲覧者に知覚させるのに十分に高い速度とすることができる。
【0048】
E)多色画像の投影
図2および3の装置10、10’のいくつかの実施形態では、閲覧者Vが多色画像であると知覚するはずの画像を閲覧スクリーン12に投影することができる。光源14の適切な多色実施形態14’の一例を、図6に示す。
【0049】
図6を参照すると、多色光源14’は、例えば、3つのコヒーレント色光源22R、22G、22Bと、光波長合波器62とを含む。3つのコヒーレント光源22R、22G、22Bはそれぞれ、異なる色、例えば赤色、緑色、および青色の光を出力するように構成された半導体レーザLR、LG、LBを含む。いくつかの実施形態(図示せず)では、例えば閲覧スクリーン12上のスペックルを低減させるために、単色半導体レーザLR、LG、LBのうちの1つまたは複数を、同じ色の複数のレーザと交換することができる。コヒーレント光源22R、22G、22Bはそれぞれ、対応する半導体レーザLR、LG、LBのONおよびOFFを個別に切り換えることができる光スイッチOSも含む。光波長合波器62は、3つのコヒーレント光源22R、22G、22Bからの光の向きを拡大光学系24の方へ変える。光波長合波器62は、例えば、図示の適切な向きの光学格子64、または別の光波長ルーティング装置(図示せず)を含む。
【0050】
図2および3に示す光源14はまた、Gang Chen、Ronen Rapaport、およびMichael Schabelによる「COLOR MIXING LIGHT SOURCE AND COLOR CONTROL DATA SYSTEM」という名称の上記で組み込まれた米国特許出願に記載の1つもしくは複数の半導体レーザおよび/または多色レーザ光源を含むことができる。
【0051】
多色光源14’が多色画像を投影することが可能であるにもかかわらず、各画像が再構成可能なミラー配列16を介して生成された光ビーム26の変調を必要とすることで、複雑な問題が生じる。特に、この画像形成方法では、異なる光の色に対する光ビーム26を変調するために、同じ再構成可能なミラー配列16を使用する。そのような構成では、画像が例えば、図7に示すコヒーレント光源22R、22G、22Bのうちの異なる光源によって生成される個々の色の混合である色をもつオブジェクトであるとき、維持するのが複雑になる可能性がある。
【0052】
図7は、正方形が図6の2つの半導体レーザLR、LGの色の混合である色を有するとき、この正方形の画像を、単一構成の再構成可能なミラー配列16で図2または3の閲覧スクリーン12に投影しようとする試みを概略的に示す。再構成可能なミラー配列16は通常、出射コヒーレント光ビーム44内に何らかの回折をもたらすので、単一構成の再構成可能なミラー配列16は通常、半導体レーザLRからの光で第1の画像I1を投影し、他の半導体レーザLGからの光で異なる第2の画像I2を投影する。すなわち、異なる色の光に異なる量の回折がもたらされるので、第1および第2の画像I1、I2は、閲覧スクリーン12上で完全には一致しない。こうした一致しない問題は、閲覧スクリーン12に投影されるレーザ光の色に応じて再構成可能なミラー配列16の空間構成を使用することと、時分割色多重化とを組み合わせることによって解決することができる。
【0053】
図8は、閲覧スクリーン、例えば図2または3の閲覧スクリーン12に、多色光投影、すなわち画像を生成する方法70を示す。この方法では、図2または3の装置10、10’を、図6の多色光源22’とともに使用することができる。多色光投影は、単一色光源、例えば図6の単一色光源22R、22G、22Bの色の1つまたは複数の画像の重ね合わせである。
【0054】
方法70は、所望の多色光投影を形成するそのような画像の重ね合わせにおいて単一色画像を選択するステップ(ステップ72)を含む。
【0055】
方法70は、選択された単一色画像を、対応する単一色光源からの光で閲覧スクリーンに投影するために、方法50のステップ52、54、および56を実行するステップ(74)を含む。ステップ52を実行するステップは、選択された光学的開口上の選択された単一色の光に対する光場の位相についての画素ごとのマップを提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、画素ごとのマップを提供するステップはまた、選択された光学的開口上の選択された単一色の光に対する光場の振幅も提供する。
【0056】
方法70は、所望の多色投影を与える重ね合わせ内の残りの単一色画像ごとにステップ72および74を繰り返すために、すなわち時分割色多重化(TDCM)を実行するために、折り返すステップ(76)を含む。ステップ72および74の各繰返しでは、ステップ74のサブステップ52で提供される画素ごとのマップは、その繰返しで投影すべき単一色画像に基づく。特に、繰返しは通常、重ね合わせの異なる単一色画像で、それぞれに対する新しい画素ごとのマップを提供するステップを含むはずである。そのような繰返しは通常、基準面からミラーまでの距離が新しい画素ごとのマップに対応する新しい均一でない空間分布を有するように配列内のミラーの一部を平行移動させることによって、再構成可能なミラー配列を再構成するステップも含むはずである。最後に、異なる単一色画像での繰返しは通常、異なる色のコヒーレント光ビームの一部が平面閲覧スクリーンに投影されるように、再構成された配列を異なる色のコヒーレント光ビームで照らすステップを含むはずである。
【0057】
方法70は、人が平滑な映像を知覚するのに必要な周波数を超える周波数で、ステップ72、74、および76を繰り返すステップ(ステップ78)を含む。ステップ72、74、および76の繰返しは、単一色画像の時分割多重化に基づいて、多色と知覚される投影を生成するために必要である。特に、多色投影に対する重ね合わせの各単一色画像は通常、人が平滑な動きを知覚するための周波数の逆数より短い時間だけ投影されるはずである。したがって、閲覧者は、一続きの単一色画像ではなく、単一色画像を平均した単一の多色画像を知覚するはずである。
【0058】
そのような多色と「知覚される」投影を生成するために、光源14’は、閲覧者Vが一定の多色画像を知覚するのに十分に高い速度で時分割色多重化を実行するように制御されるはずである。特に、そのような知覚を閲覧者に与えるには、方法70の折返しまたは繰返し周波数は、少なくとも20ヘルツであるはずであり、好ましくは30ヘルツ以上であるはずである。
【0059】
いくつかの実施形態では、時分割色多重化は、異なる色の単一色画像が異なる長さの時間にわたって閲覧スクリーンに投影されるように実行することができる。色ごとの投影時間にそのように不均等に重み付けすると、最終の重ね合わせにおける様々な単一色の知覚される強度が変わるはずである。閲覧時間のうちのより長い部分にわたって単一色画像を投影すると、閲覧者は、普通の場合より強くその色を知覚するはずである。
【0060】
F)ホログラフィック画像投影器内でマイクロミラーを位置決めする方法
図2および3を参照すると、再構成可能なミラー配列16が入射コヒーレント光ビーム26から、選択された光学的開口上に所望の画素ごとのマップで出射コヒーレント光ビーム44を生成するように、マイクロミラー34の位置を調整する様々な方法がある。いくつかの実施形態では、再構成可能なミラー配列16によって反射される光が選択された光学的開口上でマップを満たすように、すべてのマイクロミラー34の位置をともに直接調整することができる。他の実施形態では、再構成可能なミラー配列16内の別々の独立した局所的な動作ユニットによって反射される光の相対振幅および相対位相を別々に決定することができる。それぞれの局所的な動作ユニットは、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の隣接するマイクロミラー34を含む。局所的な動作ユニットでは、基準面36からマイクロミラー34までの平均距離は、局所的な動作ユニットによって反射される光の平均相対位相が、対応する画素で提供されるマップを満たすように調整され、また、基準面36から配列内のマイクロミラー34までの距離の差は、局所的な動作ユニットによって同じ画素へ反射される光の平均振幅が、提供されるマップを満たすように調整される。マイクロミラーのグループの構成を設定するためのこの後者の手法は、例えば、Girsh Blumbergによる2006年6月6日出願の米国特許出願第11\448,390号(本明細書では出願‘390と呼ぶ)に記載されている。本米国特許出願の全体を、参照により本明細書に組み込む。上記の各手法では、再構成可能なミラー配列16を構成するステップは、基準面36から各マイクロミラー34までの距離を設定するステップを含む。
【0061】
G)開口上の波面の画素ごとのマップの評価
図5および8の方法50および70では、閲覧スクリーンに所望の画像を投影するはずの形で入射コヒーレント光ビームを変調するように再構成可能なミラー配列のマイクロミラーを構成できる画素ごとのマップを生成するための、いくつかの方法が利用可能である。図2または3の処理装置18は、例えばこれらの方法のうちの1つを実行して、再構成可能なミラー配列16が閲覧スクリーン12に所望の画像を投影できるようにするはずのマイクロミラー34に対する位置を決定することができる。
【0062】
第1および第2の方法では、再構成可能なミラー配列のすぐ前の光波面g(m1,m2)は、閲覧スクリーンでの画像の光波面f(n1,n2)の逆離散フーリエ変換(IFT)である。上式で、2Dベクトル(m1,m2)は、再構成可能なマイクロミラー配列のマイクロミラー(画素)を指し、2Dベクトル(n1,n2)は、閲覧スクリーン上の画素を指す。これらの方法では、画像は、再構成可能なミラー配列に対する遠視野領域内にあるものとして扱われる。
【0063】
第1および第2の方法では、図2および3の処理装置18は、反復アルゴリズムを実行して、再構成可能なミラー配列の各ミラーに反射される入射コヒーレント光の相対位相についての適切な画素ごとの空間マップを生成する。生成される画素ごとのマップは、再構成可能なミラー配列に入射する光波面の純粋な位相変調である。そのようなマップは、いくつかの種類のGerchberg−Saxtonアルゴリズムによって生成することができる。Gerchberg−Saxtonアルゴリズムのいくつかの種類は、例えば、Optics Letters、Vol.21、No.12(1996年6月15日)842〜844頁、Optics Letters、Vol.3、No.1(1978年7月)27〜29頁、Applied Optics、Vol.21、No.15(1982年8月1日)2758〜2769頁に発表された記事のうちの1つまたは複数に記載されている。これらの3つの記事の全体を、参照により本明細書に組み込む。
【0064】
図9は、再構成可能なミラー配列での適切な画素ごとのマップ、例えば適切なg(m1,m2)を決定する第1の反復方法80を示す。第1の反復方法80は、閲覧スクリーン上の単色画像光強度、すなわちf・f*(n1,n2)の空間分布に基づく。
【0065】
第1の反復方法80は、閲覧スクリーン上の所望の画像に基づいて、閲覧スクリーンでの光の絶対振幅の空間分布を決定するステップ、すなわち|f(n1,n2)|を決定するステップ(ステップ82)を含む。これらの絶対振幅は、閲覧スクリーンの個々の画素、すなわち(n1,n2)での画像の光波面の振幅の絶対値である。
【0066】
次に、第1の反復方法80は、光の絶対振幅のそれぞれに位相を掛けることによって、その画像に対する光の複素振幅の新しい空間分布、すなわちh(n1,n2)を形成するステップ(ステップ84)を含む。画素(n1,n2)での乗数である位相がeiφ(n1,n2)によって与えられる場合、光の複素振幅の新しい空間分布は、
h(n1,n2)=eiφ(n1,n2)・|f(n1,n2)|
によって規定される。あらゆる画像で、知覚される画像の形状は、閲覧スクリーンでの光振幅の大きさに依存し、閲覧スクリーンでの光振幅の位相には依存しないので、位相は、様々な方法で選択することができる。例えば、位相は、任意の疑似乱数選択処理によって選択することができる。
【0067】
次に、第1の反復方法80は、N回の反復後に、再構成可能なミラー配列で入射コヒーレント光ビームの純粋な位相変調を実行することによって生成できる新しい離散IFT関数gN(m1,m2)を生成するために、反復処理を実行するステップ(ステップ86)を含む。例えば、図3の装置10’は、再構成可能なミラー配列のマイクロミラー上で実質上一定の大きさで離散IFT関数gN(m1,m2)を生成することができる。新しいgN(m1,m2)は、閲覧スクリーン上に所望の画像を与える離散FThN+1(n1,n2)を有する。
【0068】
k回目の周期で、反復処理は、いくつかのサブステップを実行するステップを含む。第1に、反復処理は、複素画像光振幅の最後の空間分布、すなわちhk(n1,n2)の離散IFT、すなわちgk(m1,m2)を得るステップ(サブステップA)を含む。第1の反復では、空間分布hl(n1,n2)は、上記のステップ84で得られた空間分布h(n1,n2)である。次に、反復処理は、離散IFTgk(m1,m2)を純粋な位相の新しい空間分布、すなわちgk’(m1,m2)と交換するステップ(サブステップB)を含む。分布gk’(m1,m2)は、
gk’(m1,m2)=gk(m1,m2)/|gk(m1,m2)|
によって与えられる。次に、反復処理は、純粋な位相の空間分布gk’(m1,m2)の離散FTを利用して閲覧スクリーンで新しい空間画像分布fk(n1,n2)を得るステップ(サブステップC)を含む。次に、反復処理は、gk’(m1,m2)が閲覧スクリーンに適切な画像を投影するのに十分に収束したかどうかを判断するステップ(サブステップD)を含む。いくつかの実施形態では、予め選択された数の反復、すなわちサブステップA、B、C、D、およびFによって形成されるループの反復の実行に応答して、十分な収束が生じたことを判断することができる。例えば、予め選択された数は、低品質の画像では反復5回、中程度の品質の画像では反復10回、高品質の画像では反復100回とすることができる。もちろん、予め選択された反復の数は、異なる実施形態では変わることがある。代替実施形態では、誤差Eを評価するステップを含むことができ、次いでその値を使用して、十分な収束が生じる反復の数を決定する。そのような一実施形態では、誤差Eは、閲覧スクリーンの画素、すなわち(n1,n2)全体の合計であり、
E=Σimage pixels(n1,n2)[|f(n1,n2)|2−|FT{gk/|gk|}(n1,n2)|2]2
によって規定される。そのような実施形態では、反復処理は、再構成可能なミラー配列上の位相パターンの離散FTが所望の画像に十分に近い画像を提供するとき、十分に収束される。別の実施形態では、誤差Eに対する上記の等式は、等式の右側のgk/|gk|をgkと交換することによって修正される。そのような修正は、gk(m1,m2)が通常、十分な数の反復後、純粋な位相の分布に収束するので、利用可能である。別法として、誤差Eは、再構成可能なミラー配列の画素またはマイクロミラー全体の合計とすることができる。そのような誤差Eの1つは、
E=Σ(m1,m2)pixels of array[[gk(m1,m2)]2−[gk’(m1,m2)]2]2
によって与えられる。そのような実施形態では、収束は、関数gk(m1,m2)が再構成可能なミラー配列上の純粋な位相の空間分布によって十分な正確さで表わされるとき、十分になる。サブステップDで反復処理が十分に収束したと判断された場合、反復処理は、再構成可能なミラー配列に入射する光ビームにgk’(m1,m2)の位相変調をもたらす形で、再構成可能なミラー配列の個々のマイクロミラーを垂直に位置決めするステップ(ステップE)を含む。すなわち、横方向で(m1,m2)のマイクロミラーは、コヒーレント光ビームのうちのそのマイクロミラーに入射する部分からの局所的な位相がgk’(m1,m2)/|gk’(m1,m2)|である波面を生成するように位置決めされる。反復処理がまだ十分に収束していない場合、反復処理は、閲覧スクリーンでの複素画像光振幅の次の空間分布、すなわちhk+1(n1,n2)を評価するステップ(サブステップF)を含む。次の空間分布hk+1(n1,n2)は、以下のように規定される。
hk+1(n1,n2)=|f(n1,n2)|[fk(n1,n2)/|fk(n1,n2)|]
上式で、fk(n1,n2)は、再構成可能なミラー配列上の空間分布gk’(m1,m2)の閲覧スクリーンでの離散FTである。したがって、次の画像の光波面hk+1(n1,n2)の位相および大きさは、それぞれgk’(m1,m2)の離散FTおよび所望の画像によって規定される。サブステップF後、反復処理は、(k+1)回目の反復に対してサブステップA〜DおよびEまたはFを繰り返すステップを含む。
【0069】
図10は、閲覧スクリーン12に所望の画像を投影させるはずの再構成可能なミラー配列16での適切な画素ごとのマップ、例えばg(m1,m2)を見出す第2の反復方法80’を示す。第2の反復方法80’もまた、閲覧スクリーン上の単色画像光強度、すなわちf・f*(n1,n2)の空間分布に基づく。
【0070】
第2の反復方法80’は、図9の方法80に関連して記載のステップ82、84、および86を繰り返すステップを含むが、第2の反復方法80’では、ステップ86のいくつかのサブステップが、すなわち新しい反復処理のために修正される。
【0071】
k回目の周期で、新しい反復処理は、ステップ86に対して記載の前述のサブステップA〜Fを実行するステップを含むが、以下の修正を伴う。サブステップBで、反復処理は、離散IFTgk(m1,m2)を新しい空間分布gk’(m1,m2)と交換するステップを含む。新しい空間分布gk’(m1,m2)は、
gk’(m1,m2)=gk(m1,m2)+λ[gk(m1,m2)/|gk(m1,m2)|−gk(m1,m2)]
によって与えられる。したがって、新しい空間分布は、離散IFT内の値の大きさを記憶する。サブステップFでは、新しい反復処理は、以下のように、閲覧スクリーン上の光の複素振幅の次の分布を規定するステップを含む。
hk+1(n1,n2)=hk(n1,n2)+λ[|f(n1,n2)|fk(n1,n2)/|fk(n1,n2)|−hk(n1,n2)]
したがって、新しい反復処理は、離散FT内の値の大きさを記憶する。新しい反復処理では、実際の正のパラメータλは、例えば、小さい正の値λ≒1.5を有する。λの選択は、反復処理の収束の速さに影響を及ぼすことができる。
【0072】
第3の方法では、2つの測定を介して、閲覧スクリーンに所望の画像を投影できる光ビームに対して、相対振幅と相対位相の両方についての画素ごとのマップが得られる。第1の測定では、画像化すべき情景は、コヒーレント光ビームを散乱または伝送し、散乱または伝送される光の強度が、選択された開口上で測定される。第2の測定では、コヒーレント光ビームが、この場合も画像化すべき情景によって伝送または散乱され、次いで、既知のコヒーレント基準ビームによって干渉される。次いで、この干渉されたビームの強度が、選択された開口上で測定されて、選択された開口上の伝送または散乱された光ビームの位相についての画素ごとのマップを得る。選択された光学的開口上の振幅と位相の両方の情報についての画素ごとのマップを得るこの方法は、例えば前述の出願‘390に記載されている。
【0073】
閲覧スクリーンに所望の画像を投影するはずの光ビームに対する選択された光学的開口上の相対位相および/または振幅についての画素ごとのマップを見出す他の技法は、「Diffraction−Specific Fringe Computation for Electro−Holography」、Massachusetts Institute of Technology、Department of Electrical Engineering and Computer Science、Mark Lucenteの博士論文、1994年9月、米国特許第6,211,848号、米国特許第4,834,476号、米国特許第4,986,619号、および米国特許第5,172,251号のうちの1つまたは複数に記載されていることがある。上に挙げた論文、米国特許、および米国特許出願の全体を、参照により本明細書に組み込む。
【0074】
H)再構成可能なミラー配列による直接画像投影
図11A〜11Eは、閲覧スクリーン12に、画像、すなわち単色または多色として知覚される画像を投影する他の装置10A、10B、10C、10D、10Eを示す。装置10A〜10Eは、2Dの再構成可能な空間光変調器16、16’と、コヒーレント光源14と、デジタル・データ処理装置18と、デジタル・データ・バス38と、デジタル・データ記憶装置20とを含む。装置1A〜10Eのこれらの素子はそれぞれ、図2〜3の装置10、10’の同じ番号の素子、すなわち以下に区別するものを除く素子と実質上類似してまたは同一に機能させ、相互に配置し、かつ/または構築することができる。
【0075】
本明細書では、再構成可能な空間光変調器とは、2Dの再構成可能なミラー配列、例えば図11A〜11Dに示すマイクロミラー34の配列16、または2Dの再構成可能な液晶配列、例えば図11Eに示す液晶セル34’の配列16’のいずれかを指す。再構成可能な空間光変調器は、空間的に均一でなくかつ再構成可能な形で、入射コヒーレント光波面の位相および/または振幅を変調することが可能である。
【0076】
図11A〜11Dでは、2Dの再構成可能なミラー配列16は、図2〜3の装置10、10’に関連して前述の任意の構造を有することができる。すなわち、装置10A〜10Dの再構成可能なミラー配列16は、MEMSアクチュエータの制御下で、ピストン状の運動、例えば仮想平面36に垂直な運動を実行する少なくともいくつかのマイクロミラー16を有する。MEMSアクチュエータは、平面基板35内/上に配置される。
【0077】
図11Eでは、2Dの再構成可能な液晶配列16’は、実質上同一の液晶セル34’の規則的な2D配列89と、規則的な2D配列89の両側に配置された直線偏光器90、90’とを含む。各液晶セル34’は、複屈折液晶を保持し、この複屈折液晶の片面または両面に隣接する電極を有する。これらの電極は、同じ液晶セル34’の液晶の光軸を交替させる電圧を印加するように構成される。電極は、異なる液晶セル34’に独立に対処できるように制御される。すなわち、液晶セル34’のうちの異なるセルの光軸は、デジタル・データ処理装置18の制御下で独立して交替させることができる。直線偏光器90、90’は、様々な相対的な向き、例えば平行または垂直な向きの偏光方向を有するように構成することができる。液晶セル34’と偏光器90、90’をサンドイッチ状に挟むことで、入射コヒーレント光波面に、位相変調または位相と振幅の変調の組合せをもたらすことができる。したがって、再構成可能な液晶配列16’は、入射光波面を制御可能に空間的に均一でなく変調することができる。装置10Eは、2Dの再構成可能な液晶配列16’を通って伝送される入射照明光ビーム26を変調する。他の実施形態(図示せず)では、再構成可能な液晶配列から反射される入射光ビームを変調する2Dの再構成可能な液晶配列を含むことができる。実際には、他の実施形態の画像投影装置は、再構成可能なミラー配列16が再構成可能な反射液晶配列と交換されることを除いて、図11A〜11Dの装置10A〜10Dに類似の設定を有することができる。
【0078】
図2〜3の装置10、10’とは対照的に、図11A〜11Eの装置10A〜10Eは、再構成可能な空間光変調器16、16’の画素と所望の画像の画素との間で直接的な1対1の対応関係を使用する。この1対1の対応関係から、図10A〜10E内の再構成可能な空間光変調器16、16’の各画素は、所望の画像の単一の対応する画素の所望の光強度に基づいて構成することができる。したがって、再構成可能な空間光変調器16、16’の領域は、閲覧スクリーン12に投影すべき画像の対応する領域に直接マッピングされる。そのため、装置10A〜10Eの多くの実施形態のデジタル・データ処理装置18は、どのようにして個々のマイクロミラー34を位置決めするのか、またはどのようにして再構成可能な空間光変調器16、16’が所望の画像を投影するように個々の液晶セル34’を構成するのかを決定するために、再構成可能なミラー配列16全体にわたって複雑な反復処理を実行することはない。例えば、デジタル・データ処理装置18は、装置10A〜10Eに閲覧スクリーン12に所望の画像を投影させるために、所望の画像の逆フーリエ変換を評価しない。上記の理由のため、装置10A〜10Eのいくつかの実施形態のデジタル・データ処理装置18は、図2〜3の装置10、10’のいくつかの実施形態より速く、特定の画像に対するマイクロミラー16の位置または液晶セル16’の構成を決定することができる。
【0079】
装置10A〜10Eは、図2〜3の装置10、10’の実施形態には存在しない可能性のある追加の機能素子を含む。追加の素子には、第1の集束光学レンズ系92、第2の集束光学系94、および光学伝送フィルタ96が含まれる。
【0080】
第1の集束レンズ系92は、光学経路のうち、再構成可能な空間光変調器16、16’の後、すなわち装置10A〜10Bおよび10E内の位置、再構成可能な空間光変調器16、16’の前、すなわち装置10C内の位置、または装置10D内のように再構成可能な空間光変調器16、16’の前後両方のいずれかの部分に配置される。様々な適用分野では、空間/幾何形状上の制約、例えば画像投影装置10A〜10Eのうちの1つを小さな携帯電話内に組み込む上での制約を満たすために、第1の集束レンズ系92を、上に挙げた位置のうちの異なる位置に配置することができる。
【0081】
伝送フィルタ96は、第1の集束フィルタ92が再構成可能な空間光変調器16、16’に入射する照明光ビーム26の画像を形成する平面98にまたはその付近に配置される。例えば、照明光ビーム26が、例えば図11A〜11Bおよび11Eに示すように実質上平行である場合、平面98は、第1の集束レンズ系92の焦点面にまたはその付近にある。対照的に、照明光ビーム26が、例えば図11Cおよび11Dに示すように収束している場合、平面98は、焦点距離より第1の集束レンズ系92の近くに配置される。平面98では、第1の集束レンズ系92は、例えば、再構成可能な空間光変調器16、16’から出射する位相変調された波面のフーリエ変換を形成する。
【0082】
平面98では、第1の集束レンズ系92により、出射光ビーム44が、例えば図12A〜12Bに示すような光パターンを形成する。この光パターンは、輝点110、112、114を有し、これらの点は、例えば、再構成可能な空間光変調器16、16’内のマイクロミラー34または液晶セル34’の横方向の分布の近似的な2D周期性のため、異なる回折次数に分類される。伝送フィルタ96は、輝点110、112、114のうちの実質上1つだけからの光、または輝点110、112、114のパターン内の1つの回折次数からの光を、画像投影装置10A〜10Eの残りの部分へ伝送する。伝送フィルタ96は、平面98上でまたはその付近で、光パターンの他の輝点110、112、114からの光を実質上阻止する。単一の阻止されていない輝点110、112、114または阻止されていない回折次数からの光が、残りのレンズ系(複数可)94、100を通過して、閲覧スクリーン12に画像を形成する。
【0083】
伝送フィルタ96は、平面98上で横方向の位置とともに変動する減衰をもたらす。この減衰は、平面98上の位置Rとともに平滑に変動することができる。例えば、減衰は、A・exp[−([R−R0]/w)2/2]のように、位置Rに依存することができる。上式で、R0および2wは、それぞれ伝送フィルタ96の中心および幅である。|R−R0|=2wの位置では、伝送フィルタ96は、フィルタ96の中心で入射光強度を減衰させるよりe−2大きく入射光強度を減衰させる。
【0084】
図12Aおよび12Bは、どのようにして前述の例示的な伝送フィルタ96のR−R0|=2wの境界を平面98内に配置できるかを示す。これらの境界を、図12A〜12Bに破線の円116、118によって示す。図12Aの例では、伝送フィルタ96の中心は、輝点110、すなわちゼロ回折次数の輝点の中心にある。この実施形態では、伝送フィルタ96は、他の回折次数の他の輝点112、114からの光を実質上阻止する。図12Bの例では、伝送フィルタ96の中心は、第1の回折次数の輝点112のうちの1つの中心にある。この実施形態では、伝送フィルタ96は、他の回折次数からの光および第1の回折次数の他の輝点112からの光を実質上阻止する。伝送フィルタ96はまた、第1の回折次数の輝点112のすべてを実質上伝送するように構成することもできる。
【0085】
第2の集束レンズ系94は、光学経路のうち、伝送フィルタ96の後ろの部分に配置される。特に、伝送フィルタ96は、第2の集束レンズ系94の焦点面、すなわち図11A〜11Bおよび11Eに示す位置に配置することができ、または図11C〜11Dに示すように、焦点距離f’よりも第2の集束系94からはるかに近くに配置することができる。第2の集束レンズ系94は、後ろの平面、例えば閲覧平面12で、伝送フィルタ96によって伝送された光波面のフーリエ変換または逆フーリエ変換を生成する。
【0086】
集束レンズ系92、94によって実行されるフーリエ変換を、伝送フィルタ96によって実行される空間フィルタリングと直列に交互配置することによって、再構成可能な空間光変調器16、16’の個々の画素を、閲覧スクリーンの個々の画素へ直接画像化することが、実質上可能になると思われる。また、画像化処理を組み合わせることで、再構成可能な空間光変調器16、16’で位相変調された波面を、閲覧スクリーン12上で可視波面に変換することが可能になる。
【0087】
装置10A〜10Eのいくつかの実施形態では、例えば図11A〜11Bおよび11Eに示すレンズ系100を含むことができる。レンズ系100は、閲覧スクリーン12の拡散反射面に投影される画像内の横方向の寸法を拡大する。
【0088】
装置10A〜10Eのいくつかの実施形態では、多色であると知覚される画像を投影する。そのような実施形態では、コヒーレント光源14は、図6の時間インターリーブ型の多色レーザ光源14’とすることができる。そのような実施形態では、再構成可能な空間光変調器16、16’は、インターリーブされる色ごとに異なる画像を投影するようなカラー・インターリーブ率で再構成することができる。
【0089】
装置10A〜10Eのマイクロミラー34および液晶セル34’は、個別に動作させることができ、または局所的な動作グループ(LOG)で動作させることができる。後者の場合、適宜2つ、3つ、またはそれ以上の隣接するマイクロミラー34または液晶セル34’からなる独立した組が、それぞれの局所的な動作グループを形成する。各動作グループは、再構成可能な空間光変調器16、16’の単一の画素として機能する。いくつかのそのような実施形態では、それぞれの局所的な動作グループのマイクロミラー34または液晶セル34’からなる適切なサブセットは固定され、対応するMEMSアクチュエータまたは電圧制御装置をもたない。
【0090】
図11Aの装置10Aはまた、再構成可能なミラー配列16への照明光ビーム26の入射角を増大させるように構成されたガラスくさび102を含むことができる。いくつかの多色の実施形態では、コヒーレント光源14は、閲覧スクリーン12の横方向の同じ部分に異なる色の画像が投影されるように、ガラスくさび102および/または再構成可能なミラー配列16への照明光ビーム26の異なる色を、幾分異なる入射角に向けることができる。特に、そのような色に依存する入射角の変動は通常、伝送フィルタ96によってゼロ以外の回折次数が選択的に伝送されるときに必要である。図2の装置10もまた、図11Aのガラスくさび102に類似しかつそれと同様に構成されたガラスくさび(図示せず)を含むことができる。
【0091】
装置10A〜10Eの様々な実施形態では、デジタル・データ処理装置18、データ・バス38、およびデジタル・データ記憶域20は、平面基板35内もしくはその上に配置されたMEMSアクチュエータを制御し、または液晶セル34’上の電極を制御する。MEMSアクチュエータは、図2〜3の装置10、10’に関連して記載のマイクロミラー34の一部またはすべての位置を制御しかつ調整する。それにもかかわらず、同じ所望の画像を投影するために、装置10A〜10Dのデジタル・データ処理装置18、データ・バス38、およびデジタル・データ記憶域20は、普通なら図2〜3の装置10、10’向けに設定されるはずのマイクロミラー34に対して異なる空間構成を設定することができる。
【0092】
図13は、例えば図11A〜11Eに示す装置10A〜10Eで、閲覧スクリーン上に位相変調された波面を直接画像化する一方法120を示す。
【0093】
方法120は、空間的に位相変調された波面を有する出射光ビーム、例えば出射光ビーム44を生成するように、入射コヒーレント照明光ビームの波面を位相または振幅変調するステップ(ステップ122)を含む。変調するステップ122は、出射光ビーム44を生成するために、入射照明光ビーム26の波面に空間依存反射係数A・exp[iΦ(m1,m2)]または空間依存伝送係数A(m1,m2)・exp[iΦ(m1,m2)]を実効的に掛けるステップを含むことができる。上式で、AおよびA(m1,m2)は振幅であり、Φ(m1,m2)は位相角度である。また、整数成分ベクトル(m1,m2)は、波面に沿った画素の空間位置を指す。ベクトル(m1,m2)の第1および第2の成分は、単一のマイクロミラー34もしくは液晶セル34’、または隣接するマイクロミラー34もしくは液晶セル34’からなる局所的な動作グループのいずれかの行および列の位置に対応する。そのような変調は、図11A〜11Dの再構成可能なミラー配列16または図11Eの再構成可能な液晶配列16’などの空間光変調器によって実行することができる。(m1,m2)のマイクロミラー34または液晶セル34’では、対応する位相Φ(m1,m2)および/または振幅、すなわちAもしくはA(m1,m2)は、閲覧スクリーン12にそれに対応して配置される画像画素(m1,m2)での所望の光強度に基づいて評価することができる。
【0094】
方法120は、出射光ビームが、変調するステップ122で生成される変調された波面のフーリエ変換に近似する回折光パターンを、遠く離れた平面、例えば空間光変調器から遠く離れた平面に形成できるように、光ビームを集束させるステップ(ステップ124)を含む。この遠く離れた平面は、例えば図11A〜11Eに示すように、例えば集束をもたらすレンズ系の焦点面とすることができる。集束させるステップ124は、空間光変調器、例えば図11C〜11Dの装置10C〜10D内の再構成可能なミラー配列16に入射する収束する光ビーム26を生成するために、コヒーレント照明光ビームで実行することができる。第1の集束レンズ系92による集束で、出射光ビーム44は、図11C〜11Dの遠く離れた平面98内に回折光パターンを生成する。別法として、集束させるステップ124は、例えば図11A〜11Bの再構成可能なミラー配列16および図11Eの再構成可能な液晶配列16’でのように、空間光変調器から出射する光ビーム44で実行することができる。また、集束させるステップ124のこの後者の実施形態でも、出射光ビーム44は、遠く離れた平面98にそのような回折光パターンを生成する。
【0095】
方法120は、パターン内の輝点の1つだけが光学画像投影システムの残りの部分へ光を実質上伝送するように、回折光パターンからの光を空間的にフィルタリングするステップ(ステップ126)を含む。特に、フィルタリングされていない光パターンは、再構成可能な空間光変調器16、16’内のマイクロミラー34または液晶セル34’の構成の近似的な2D周期性のため、異なる輝点を有する。空間フィルタリングは、例えば、平面98上の光パターンのうち、単一のそのような回折次数を除くすべてを、閲覧スクリーン12に投影すべき画像に寄与することから阻止するために、図11A〜11Eの伝送フィルタ96を用いてフィルタリングするステップを含むことができる。特に、空間フィルタリングは、回折光パターン内の次数がゼロまたはより高い輝点を伝送するように構成することができる。空間フィルタリングがより高い次数からの光を伝送する場合、前記の次数がより高い輝点のうちの1つまたは2つ以上からの光を伝送することもできる。実際には、同じ次数の2つ以上の輝点からの光を伝送することで、閲覧スクリーン12に投影される画像の輝度を高めることができる。
【0096】
方法120は、閲覧スクリーンに単一色画像を投影するために、空間的にフィルタリングされた光、すなわち回折光パターンの阻止されていない輝点(複数可)からの光を、別の集束レンズ系を通じて送るステップ(ステップ128)を含む。画像は通常、空間フィルタリング・ステップ126によって伝送される光パターンのフーリエ変換または逆フーリエ変換である。伝送するステップ128は、空間的にフィルタリングされた光ビームを、図11A〜11Eの装置10A〜10E内の集束レンズ系(複数可)94、100を通過させるステップを含む。
【0097】
方法120のいくつかの実施形態では、異なる色、例えば赤色、緑色、および青色のコヒーレント照明光ビームに対して、ステップ122、124、126、および128を繰り返すステップを含む。実際には、ビームの色は、ステップ122、124、126、および128の連続する実行でカラー・インターリーブを生成するように、ラウンド・ロビン方式で交替させることができる。そのようなカラー・インターリーブは、閲覧スクリーン、例えば図11A〜11Eの閲覧スクリーン12に多色画像が投影されているという知覚をもたらすのに十分に高い周波数で実行することができる。
【0098】
方法120の様々な実施形態では、変調するステップ122を異なる形で実施することができる。変調するステップ122の2つの例示的な実施形態を、図14Aおよび14Bに示す。そのような各実施形態では、伝送フィルタ96は、図12Aに示すように、平面98上の光パターンのゼロ回折次数だけを実質上伝送するように構成することができる。
【0099】
以下、再構成可能なミラー配列16の行m1および列m2にあるマイクロミラー34(液晶セル34’)を、合計(m1+m2)が偶数である場合は偶数マイクロミラー(偶数液晶セル)と呼び、合計(m1+m2)が奇数である場合は奇数マイクロミラー(奇数液晶セル)と呼ぶ。偶数および奇数マイクロミラー34(液晶セル)を、図14Aでは、それぞれ白色の正方形および網掛けをした正方形として示す。
【0100】
図14Aは、変調するステップ122が、閲覧スクリーン12に投影すべき画像の対応する画素の所望の輝度に基づいて、各マイクロミラー34または液晶セル34’を別々に位置決めするステップを含む、一実施形態を示す。そのような一実施形態では、投影すべき画像が閲覧スクリーン12上で均一のゼロ以外の輝度を有する場合、再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34は、変調するステップ122中に単一の平面に沿って位置合わせされるはずである。この実施形態では、投影すべき画像が閲覧スクリーン12上で均一のゼロの輝度を有する場合、再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34は、前記同じ単一の平面から最も遠く離れているはずである。後者の場合、前記単一の平面に対するマイクロミラー34の分布は、図14Aに示すようなチェッカボード・パターンを形成するはずである。このチェッカボード・パターンでは、奇数マイクロミラー34は、単一の平面の片側に位置決めされ、偶数マイクロミラーは、同じ単一の平面の反対側に位置決めされる。輝度が投影すべき画像上で画素ごとに変わる他の状況では、変調するステップ122は、各マイクロミラー34を、投影すべき画像の対応する画素の輝度に応じて、同じ単一の平面から距離を空けて位置決めするステップを含むはずである。特に、画像の画素での所望の光強度IがIである場合、再構成可能なミラー配列16の対応するマイクロミラー34は、再構成可能なミラー配列16のその部分から出射する波面に相対位相Φをもたらすように位置決めされるはずである。ここでΦは、以下のように規定されるはずである。
Φ=±arccos([I/Imax]1/2)
上記の等式では、±符号は同じ平面の側面を示し、Imaxは、投影すべき画像の任意の画素の最大輝度である。変調するステップ122では、均一のゼロ以外の輝度の画像の場合に配置されるはずの単一の平面の両側に、そのような偶数および奇数マイクロミラー34を位置決めするはずであることから、この符号は、偶数マイクロミラー34では正であり、奇数マイクロミラー34では負である。
【0101】
図14Bは、変調するステップ122が、マイクロミラー34または液晶セル34’の独立して隣接する対、すなわち局所的な動作グループ(LOG)を別々に位置決めするステップを含む、一実施形態を示す。図14Bでは、局所的な動作グループLOG間の境界を二重線で示し、そのような一実施形態のマイクロミラー34間の境界を単線で示す。そのようなそれぞれの局所的な動作グループLOGでは、一方のマイクロミラー34を白色の正方形で示し、他方のマイクロミラー34を網掛けをした正方形で示す。白色の正方形および網掛けをした正方形で示すマイクロミラー34は、変調ステップ122中に異なる形で動かされる。
【0102】
いくつかのそのような実施形態では、網掛けをした正方形で示すマイクロミラー34は固定され、すなわちMEMS作動式ではなく、白色の正方形で示すマイクロミラー34は、MEMSアクチュエータによって動かすことができる。変調するステップ122中、白色の正方形に対応する各マイクロミラー34は、投影すべき画像の対応する画素の輝度に基づいて、そのMEMSアクチュエータによって位置決めされる。特に、そのような各マイクロミラー34は、相対位相変化Φをもたらすように位置決めされる。ここで、マイクロミラー34に入射する波面上で、Φ=2・arcos([I/Imax]1/2)である。すなわち、局所的な動作グループの可動式マイクロミラー34は、同じ画素輝度を実現するために、再構成可能なミラー配列16の各画素が単一のマイクロミラー34を有する実施形態の場合より2倍遠くへ動かされる。
【0103】
他のそのような実施形態では、動作グループの両方のマイクロミラー34をMEMS作動式および可動式とすることができる。次いで、各動作グループでは、2つのマイクロミラー34は、例えばこれらの2つのマイクロミラー34間で、(2・arcos([I/Imax]1/2)という相対位相変化Φをもたらすように位置決めすることができる。いくつかのそのような実施形態では、局所的な動作グループのマイクロミラー34の中心位置はまた、投影すべき画像内の局所的な動作グループに対応する画素に隣接する画素内で回折によってもたらされる光の汚染を低減するように、実験的に調整することができる。例えば、そのような調整は、できる限りチェッカボード/交互パターンを形成するように、局所的な動作グループを垂直および/または水平方向に位置決めし直すステップを含むことができる。
【0104】
再び図11A〜11Dを参照すると、装置10A〜10Dのいくつかの実施形態では、平面98内の回折光パターンの選択されたゼロ以外の次数の光を伝送するように構成された伝送フィルタ96を含む。そのような実施形態では、例えば照明光のうち、伝送フィルタ96によって光が選択的に伝送される輝点に向けられる光の百分率を増大させるために、再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34に目印を付けることができる。そのように目印を付けるステップは、入射光ビーム26に対して垂直でない入射角で前記マイクロミラー34の反射面に傾斜させるステップを含むことができ、かつ/または前記マイクロミラーもしくは動作グループ34の反射面に階段を作って目印をまねるように、ミラーのグループをエッチングしもしくは動かすステップを含むことができる。
【0105】
図11Eの装置10Eの様々な実施形態では、個々の液晶セル34’またはそれらの局所的な動作グループはまた、入射光波面で前述の相対位相をもたらすように構成することができる。特に、相対位相Φは、同じ式、例えばΦ=arcos([I/Imax]1/2)に従って、所望の画像の対応する画素の光強度に依存することができる。
【0106】
開示、図面、および特許請求の範囲から、本発明の他の実施形態が、当業者には明らかになるであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型閲覧スクリーンに光像を投影する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、本発明のより良い理解を促進するのに役に立ちうる態様について述べる。したがって、本節の記述は、この観点から読まれるべきである。本節の記述は、何が従来技術の範囲に入るのか、または何が従来技術の範囲に入らないのかについて認めるものとして理解されるべきではない。
【0003】
画像投影器の1つのタイプは、傾斜を調整できるミラーの二次元(2D)配列に基づく。この2D配列は、インコヒーレント光源によって照らされる。この配列では、各ミラーが、ミラーの向きに応じて照明光の一部を反射する。各ミラーの向きは、対応する微小電子機械システム(MEMS)アクチュエータによって制御される。MEMSアクチュエータは、照明光を閲覧スクリーンの方へまたは閲覧スクリーンから離れる方へ反射するように、対応するミラーを傾斜させる。すなわち、各MEMSアクチュエータは、対応するミラーをON/OFFの形で動作させる。ミラーは、光点を閲覧スクリーンへ鏡面反射するように傾斜させるときはONになり、光点を閲覧スクリーンから離れる方へ鏡面反射するように傾斜させるときはOFFになる。そのような傾斜ミラー型の画像投影器は、様々な鏡面反射点の像を生成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第11/681,376号
【特許文献2】米国特許出願第11/713,207号
【特許文献3】米国特許出願第11/713,483号
【特許文献4】米国特許出願第11/009,447号
【特許文献5】米国特許出願第10/813,951号
【特許文献6】米国特許出願第11/140,313号
【特許文献7】米国特許出願第11\448,390号
【特許文献8】米国特許第6,211,848号
【特許文献9】米国特許第4,834,476号
【特許文献10】米国特許第4,986,619号
【特許文献11】米国特許第5,172,251号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Optics Letters、Vol.21、No.12(1996年6月15日)842〜844頁
【非特許文献2】Optics Letters、Vol.3、No.1(1978年7月)27〜29頁
【非特許文献3】Applied Optics、Vol.21、No.15(1982年8月1日)2758〜2769頁
【非特許文献4】「Diffraction−Specific Fringe Computation for Electro−Holography」、Massachusetts Institute of Technology、Department of Electrical Engineering and Computer Science、Mark Lucenteの博士論文、1994年9月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な実施形態では、コヒーレント光源に基づく画像投影器を提供する。相互にインコヒーレントの光点からなる画像ではなく、新しい画像投影器は、コヒーレント光波面を実質上構築することによって、画像を形成することができる。
【0007】
一実施形態では、装置は、光源と、ミラーおよびMEMSアクチュエータの再構成可能な配列とを含む。光源は、複数のコヒーレント源を含む。各コヒーレント源は、残りのコヒーレント源とは異なる色の光を発するように構成される。各ミラーは、MEMSアクチュエータのうち、この制御されるミラーを平行移動させることが可能な対応するMEMSアクチュエータによって制御される。光源は、これらのミラーを時分割色多重光ビームで照らすように構成される。
【0008】
いくつかの特定の実施形態では、装置は、光源が、20ヘルツを超える周波数で光ビームを、第1の色を有するときと第2の色を有するときとの間で変動させるように構成されるような装置である。この装置は、光ビームが第1の色を有するときは配列のミラーが第1の平行移動の空間分布を有し、また光ビームが第2の色を有するときは配列のミラーが異なる第2の平行移動の空間分布を有するように、MEMSアクチュエータを動作させるように構成された処理装置を含むことができる。
【0009】
いくつかの特定の実施形態では、装置は、平面閲覧スクリーンを含み、時間的に一定でありかつコヒーレント源の色の重ね合わせを有することが人には閲覧されるはずの画像を閲覧スクリーンに形成するように構成される。この閲覧スクリーンは、閲覧スクリーンに入射する光を非鏡面的に反射することができる。
【0010】
いくつかの特定の実施形態では、装置は、光ビームの向きを光源から再構成可能な配列の方へ変えるように配置されたビーム・スプリッタと、ビーム・スプリッタと再構成可能な配列の間に配置された波長板とを含む。
【0011】
この装置のいくつかの特定の実施形態では、ミラーの直径は、光源によって生成される光の波長の20倍より小さく、またこの装置は、配列が閲覧スクリーンに第1の色の第1の画像を形成し、かつこの閲覧スクリーンに第2の色の第2の画像を形成し、その結果第1および第2の画像が同じ寸法を有するように、MEMSアクチュエータを動作させるように構成された処理装置を含む。
【0012】
別の実施形態では、方法は、ミラーの再構成可能な配列で画像を形成する。この方法は、基準面から配列のミラーまでの距離が均一でない空間分布を有するようにミラーの一部を平行移動させることによって、配列を構成するステップを含む。この方法は、コヒーレント光ビームの一部が配列に反射されて平面閲覧スクリーンに投影されるように、構成された配列を当該光ビームで照らすステップを含む。この照らすステップにより、閲覧スクリーンは、閲覧スクリーンに投影される光の一部を非鏡面的に反射することができる。
【0013】
いくつかの特定の実施形態では、方法は、次いで、基準面から配列のミラーまでの距離が新しい均一でない空間分布を有するようにミラーの一部を平行移動させることによって、配列を再構成するステップと、異なる色のコヒーレント光ビームの一部が平面閲覧スクリーンに投影されるように、再構成された配列を異なる色の当該光ビームで再び照らすステップとを含む。この方法は、一連の連続する時間枠のそれぞれの間、構成し、照らし、再構成し、かつ再び照らす動作を繰り返すステップをさらに含むことができる。これらの枠はそれぞれ、長さ1/20秒未満とすることができる。
【0014】
この方法のいくつかの実施形態では、ミラーの最大直径は、光ビームの光の波長の20倍より小さい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】閲覧スクリーンに二次元(2D)画像を再構築する方法の概略図である。
【図2】例えば図1の方法に従って、コヒーレント光ビームを反射して閲覧スクリーンに画像を投影する装置のブロック図である。
【図3】例えば図1の方法に従って、コヒーレント光ビームを反射して投影画像を生成する装置のブロック図である。
【図4A】例えば図2および3の装置で使用できる例示的な微小電子機械システム(MEMS)作動式マイクロミラーの斜視図である。
【図4B】例えば図2および3の装置で使用できる代替MEMS作動式マイクロミラーの斜視図である。
【図5】例えば図2または3の装置を用いて、コヒーレント光の投影画像を閲覧スクリーン上に形成する方法を示す流れ図である。
【図6】図2および3の装置のいくつかの実施形態で使用できる多色光源を示すブロック図である。
【図7】単一構成のミラー配列を使用して多色投影画像を形成することに伴う問題を示す図である。
【図8】例えば図2または3の装置の実施形態を使用してコヒーレント光の多色投影画像を形成する方法を示す流れ図である。
【図9】例えば図2または3の装置を用いて、ビームが閲覧スクリーンに所望の画像を投影するように入射光ビームを位相変調するのに適しているはずの再構成可能なミラー配列に対する構成を見出す第1の反復方法を示す流れ図である。
【図10】例えば図2または3の装置を用いて、ビームが閲覧スクリーンに所望の画像を投影するように入射光ビームを位相変調するのに適しているはずの再構成可能なミラー配列に対する構成を見出す第2の反復方法を示す流れ図である。
【図11A】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図11B】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図11C】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図11D】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図11E】コヒーレント光ビームを変調して閲覧スクリーンに画像を投影する様々な代替装置のブロック図である。
【図12A】図11A〜11Eに示す画像投影装置内の第1のレンズ系のフーリエ面で実行できる例示的なタイプの空間フィルタリングを示す図である。
【図12B】図11A〜11Eに示す画像投影装置内の第1のレンズ系のフーリエ面で実行できる例示的なタイプの空間フィルタリングを示す図である。
【図13】例えば図11A〜11Eの装置にあるように、再構成可能な空間光変調器配列の画素と投影すべき画像の画素の間の1対1の対応関係に基づく画像投影方法の流れ図である。
【図14A】図13の画像投影方法で再構成可能な空間光変調器を動作させる代替方法を示す図である。
【図14B】図13の画像投影方法で再構成可能な空間光変調器を動作させる代替方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図および本文では、同じ参照番号が、類似のまたは同じ機能および/または構造を有する要素を示す。
【0017】
図では、図中の1つまたは複数の構造または要素をよりはっきりと示すために、いくつかの特徴の相対寸法を誇張することがある。
【0018】
様々な実施形態では、図示のレンズおよびレンズ系は、例えば無彩色複レンズとすることができる。
【0019】
本明細書では、様々な実施形態について、図および例示的な実施形態の詳細な説明によってさらに詳しく説明する。それにもかかわらず、本発明は、様々な形で実施することができ、図および例示的な実施形態の詳細な説明に記載の実施形態に限定されるものではない。
【0020】
傾斜ミラーの配列に基づく画像投影器は多種多様な光点像を生成することができるが、そのような画像投影器は、照明光では効率的でない可能性がある。特に、照明光の一部は通常、ミラーによって閲覧スクリーンから離れる方へ反射され、したがって失われる光である。光を遠くへ反射するのではなく、本明細書に記載の画像投影器のいくつかの実施形態では、光を閲覧スクリーンに再分布する。
【0021】
Vladimir A.Aksyuk、Randy C.Giles、Omar D.Lopez、およびRoland Ryfによる2007年3月3日出願の「SPECKLE REDUCTION IN LASER−PROJECTOR IMAGES」という名称の米国特許出願第11/681,376号、Randy C.Giles、Omar D.Lopez、およびRoland Ryfによる2007年3月3日出願の「DIRECT OPTICAL IMAGE PROJECTORS」という名称の米国特許出願第11/713,207号、ならびにGang Chen、Ronen Rapaport、およびMichael Schabelによる2007年3月3日出願の「COLOR MIXING LIGHT SOURCE AND COLOR CONTROL DATA SYSTEM」という名称の米国特許出願第11/713,483号はすべて、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0022】
A)2D画像の再構築による形成
図1は、所望の情景の二次元(2D)コヒーレント光画像を形成する方法を概略的に示す。
【0023】
情景の実際の2D画像を形成するためには、照明光としてコヒーレント光源を使用することができ、したがって情景は、照明光の一部を散乱させまたは伝送し、それによって出射光ビームを生成する。出射光ビームの一部は、選択された光学的開口を通過し、次いで平面閲覧スクリーンに2D画像を投影する。選択された光学的開口上では、出射コヒーレント光ビームは、平面閲覧スクリーンに投影する2D画像を決定する相対位相および振幅のパターンを形成する。
【0024】
選択された光学的開口上では、出射コヒーレント光ビームの電界または磁界の相対強度および位相についてのマップを、画素ごとに形成することができる。選択された光学的開口上でそのような画素ごとのマップを利用できることは、投影2D画像を再構築する基礎となる。
【0025】
特に、2D画像を再構築するために、光源は、マイクロミラーの再構成可能な配列をコヒーレント光で照らすことができる。再構成可能な配列のマイクロミラーは、同じ選択された光学的開口上でほぼ同じ画素ごとのマップを有する出射コヒーレント光ビームを生成する形で照明光を反射するように位置決めされる。すなわち、再構成可能な配列は、選択された光学的開口、例えば出射光学ビームの横断面上で、相対位相と振幅の両方についてのほぼ同じ画素ごとのマップを有する出射コヒーレント光ビームを生成するように構成される。再構築された光ビームが、所望の情景によって実際に散乱されかつ/または伝送されたコヒーレント光ビームと同じ選択された光学的開口の画素ごとのマップを有する場合、再構築された光ビームは、平面閲覧スクリーンに同じ画像を投影する。
【0026】
本明細書では、再構成可能なミラー配列は実質上、その表面上の入射光ビームの位相のみを調整する。それにもかかわらず、生成される位相の空間分布は、出射光ビームの横断面上の位相と振幅の両方の空間分布を、十分に近似させて修正することができる。この横断面は、再構成可能なミラー配列に近いが、配列内の個々のマイクロミラーからは遠い。したがって、再構成可能なミラー配列は、そのような横断面、すなわち選択された光学的開口上で前述の画像を、十分に近似させて再構築することが可能である。画素ごとのマップは、個々のマイクロミラーを画素に対応させることができ、またはマイクロミラーの局所的な独立グループを画素に対応させることができる。後者の場合、グループのマイクロミラーの位置は、選択された光学的開口の対応する画素上の光の平均相対振幅および位相を規定する。
【0027】
B)画像投影のためのホログラフィック装置
図2および3は、図1によって示す方法に従って平面閲覧スクリーン12に画像を投影する例示的な装置10、10’を示す。装置10は、コヒーレント光源14と、再構成可能なミラー配列16と、デジタル・データ処理装置18と、デジタル・データ記憶装置20とを含む。
【0028】
平面閲覧スクリーン12は、例えば、入射光を非鏡面的に反射しまたは後方散乱させる実質上平坦な表面、例えば従来の投影スクリーンまたは白壁とすることができる。閲覧スクリーンは入射光を非鏡面的に反射しまたは後方散乱させることができるので、閲覧者Vは、広い範囲の閲覧方向から閲覧スクリーン12に投影された画像を見ることが可能である。
【0029】
コヒーレント光源14は、例えば、光源22とビーム拡大光学系24と含む。光源22は、1つまたは複数の従来の可視光半導体レーザを含む。光源22は、コヒーレント光ビーム28を生成する。コヒーレント光ビーム28は、例えば、直線偏光させることができる。ビーム拡大光学系24は、光源22によって出力される光ビーム28から、幅広く横方向にコヒーレントな光ビーム26、例えば平行光ビームを生成する。ビーム拡大光学系24の例には、屈折レンズ、屈折レンズ系、および非平面反射光学系が含まれる。
【0030】
両装置10、10’において、コヒーレント光ビーム26の一部またはすべては、再構成可能なミラー配列16の前部反射面全体を照らすように向けられる。装置10では、ビーム拡大光学系24は、幅広い光ビーム26を直接再構成可能なミラー配列16の方へ、すなわち斜めの角度に向ける。装置10’では、ビーム拡大光学系24は、コヒーレント光ビーム26を光学ビーム・リダイレクタ30へ向け、光学ビーム・リダイレクタ30は、再構成可能なミラー配列16に対して実質上垂直に入射するように、コヒーレント光ビーム26の向きを変える。光学ビーム・リダイレクタ30は、例えば、光学ビーム26の偏光に対して、その中の光の大部分またはすべての向きを再構成可能なミラー配列16の反射面の方へ変えるような向きにした偏光ビーム・スプリッタとすることができる。そのような実施形態では、装置10’はまた、図3に示すような4分の1波長板32を含むことができる。波長板32は、波長板32を通って垂直に伝送される光学ビームの2つの直交する直線偏光成分間に波長の約1/4の遅延をもたらす複屈折板である。波長板32は、そのような偏光ビーム・スプリッタ30と再構成可能なミラー配列16の間に配置される。波長板32は、再構成可能なミラー配列16によって反射された光が、偏光ビーム・スプリッタ30の中を通って伝わるのにほぼ適切な直線偏光で、偏光ビーム・スプリッタ30に到達するのに適した厚さを有する。すなわち、この光は、入射コヒーレント光ビーム26に沿って後方反射されない。
【0031】
再構成可能なミラー配列16は、MEMS作動式マイクロミラー34の規則的なまたは不規則な2D配列を含み、すなわちマイクロミラー34は、再構成可能なミラー配列16の1つの表面に沿って実質上均一な空間分布を有する。マイクロミラー34は、実質上同一のものとすることができ、円形、方形、三角形、もしくは正方形の形状を有することができ、または非対称形の形状を有することができる。各マイクロミラー34は、対応するMEMSアクチュエータに物理的に接続され、かつそのMEMSアクチュエータによって制御され、すなわちその結果、再構成可能なミラー配列16は、マイクロミラー34の2D空間配列と、対応するMEMSアクチュエータの2D空間配列とを含む。MEMSアクチュエータは、平面基板35、すなわちシリコン基板上に製作される。MEMSアクチュエータは、基準面36に対して垂直に、例えば平面基板35の表面に対して垂直に、または再構成可能なミラー配列16の平均反射面に対して垂直に、各マイクロミラー34を平行移動できるように、マイクロミラー34を独立に制御することが可能である。
【0032】
図4Aは、図2〜3のMEMS作動式マイクロミラー34に対する例示的な一実施形態34Aを示す。マイクロミラー34Aは、制御コンデンサ(CC)と、復元ばね(RS)と、反射面を形成する上部平面鏡面(MS)、例えばシリコンまたは金属の平らな表面とを含む。制御コンデンサCCは、可動導電板(MCP)と、平面基板(PS)、例えば図2および3の平面基板35に直接固定された固定導電板(FCP)とを含む。復元ばねRSは、支柱Pを介して可動導電板MCPに堅固に固定され、制御コンデンサCCが放電すると鏡面MSをその最初の位置へ戻す平行移動の復元力をもたらす。可動導電板MCPは、ピストン状の運動で鏡面MSを平行移動させる。このピストン状の運動は例えば、平面基板PSの表面に実質上垂直な運動とすることができ、したがってそのような運動中に、鏡面MSの向きが変化しないようにする。鏡面MSのピストン状に平行移動する動きおよびその最終の静止位置は、制御コンデンサCCの導電板MCP、FCP間に印加される電圧によって制御される。
【0033】
図4Bは、図2〜3のMEMS作動式マイクロミラー34に対する別の実施形態34Bを示す。マイクロミラー34Bは、制御コンデンサ(CC’)と、復元ばね(RS)と、上部平面鏡面(MS)、例えばシリコンまたは金属の平らな表面とを含む。制御コンデンサCC’は、可動導電板MCP’と、固定導電板FCP’、すなわち平面基板PS、例えば図2および3の平面基板35に固定された導電板とを含む。復元ばねRSは、支柱Pを介して鏡面MSの平坦な構造に堅固に固定され、かつ別の支柱Pを介して下部の可動導電板MCP’に固定される。したがって、復元ばねRSは、その存在およびその位置が板MCP’およびFCP’間に静電気力を実質上生じさせないように、制御コンデンサCC’の外側に配置される。制御コンデンサCC’の電気制御との干渉を避けるために、マイクロミラーの各復元ばねRSを対板MCP’およびFCP’の外側に配置することが望ましい場合がある。復元ばねRSは、制御コンデンサCC’が放電すると鏡面MSをその最初の位置へ戻す平行移動の復元力をもたらす。可動導電板MCP’は、平面基板PSの表面に実質上垂直なピストン運動で鏡面MSを平行移動させ、したがってそのような運動中に、鏡面MSの向きが変化しないようにする。鏡面MSのピストン状に平行移動する動きおよびその最終の静止位置は、制御コンデンサCC’の導電板MCP’、FCP’間に印加される電圧によって制御される。
【0034】
他の例示的なMEMS作動式マイクロミラーおよび/またはそれらの2D配列は、例えば、Vladimir A.Aksyukらによる2004年12月10日出願の米国特許出願第11/009,447号、Vladimir A.Aksyukらによる2004年3月31日出願の米国特許出願第10/813,951号、およびVladimir A.Aksyukらによる2005年5月27日出願の米国特許出願第11/140,313号のうちの1つまたは複数に記載されていることがある。これらの米国特許出願の全体を、参照により本明細書に組み込む。図2および3の再構成可能なミラー配列16は、配列内の個々のマイクロミラーが、マイクロミラーの角度方向を変えずにピストン状の平行移動を受けることが可能であるという条件で、上記で組み込まれた米国特許出願のうちの1つまたは複数に記載のように製作されまたは記載の特徴を有するマイクロミラーおよびそれらの配列を含むことができる。
【0035】
デジタル・データ処理装置18は、再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34を制御するMEMSアクチュエータを動作させるための制御信号セットを生成する。すなわち、各MEMSアクチュエータは、デジタル・データ処理装置18からの制御信号セットに応答して、基準面36から対応するマイクロミラー34までの垂直距離を制御する。デジタル・データ処理装置18は、選択された光学的開口上の出射コヒーレント光ビーム44に対する電界または磁界の位相および場合によっては振幅についての受け取った画素ごとのマップそれぞれに対して、1つの制御信号セットを生成する。選択された光学的開口は、再構成可能なミラー配列16のすぐ前の平坦な表面とすることができ、または出射コヒーレント・ビーム44のうち、再構成可能なミラー配列16に近いが、個々のマイクロミラー34の最大直径と比較すると大きく距離を空けて配置された横断面(CS)とすることができる。通常、それぞれの異なる制御信号セットにより、MEMSアクチュエータは、異なる均一でない空間分布を有するように基準面36からマイクロミラー34までの距離を設定する。デジタル・データ処理装置18は通常、各単一色画像を閲覧スクリーン12に投影するようにマイクロミラー34を位置決めするための1つの制御信号セットを出力する。第1の色の画像に対するマイクロミラー位置の制御信号セットおよび対応する空間分布と、第2の色の画像に対するマイクロミラー位置の制御信号セットおよび対応する空間分布とは、2つの画像が閲覧スクリーンに同じ形状を投影するときでも、以下に説明する回折のために、異なることが多い。
【0036】
デジタル・データ記憶装置20は、デジタル・データ処理装置18が制御信号セットを決定するために使用する画像データ・セットを記憶することができる。画像データ・セットは、例えば、選択された開口上の相対位相についての画素ごとのマップ、または選択された開口上の相対振幅と相対位相の両方についての画素ごとのマップを含むことができる。データ・セットはまた、コヒーレント光ビーム26から選択された光学的開口上にそのような画素ごとのマップで出射光ビーム44を生成するようにマイクロミラー34を空間的に位置決めするための制御電圧を含むことができる。したがって、再構成可能なミラー配列16は、再構成可能なミラー配列16の前に配置され横方向に束縛された平滑な表面上に出射光ビームの所望の空間位相分布を再構築するホログラムのように機能する。データ・セットは、通信回線またはバス38を介してデジタル・データ処理装置18に伝達される。
【0037】
装置10、10’はまた、再構成可能なミラー配列16に反射された出射コヒーレント光ビーム44を処理するための任意選択の光学素子40、42を含むことができる。光学素子40は、出射コヒーレント光ビーム44の発散を調整でき、すなわち拡大をもたらす屈折レンズ系である。素子42は、例えば、再構成可能なミラー配列16によってより高い回折次数に回折させた光をフィルタリングして除去する光学的開口絞りである。
【0038】
C)投影2D画像の拡大
図2および3の装置10、10’では、マイクロミラー34は、光源14から出力される波長λの入射光を実質上回折させるのに十分に小さな横方向の有効直線寸法を有することができる。例えば、個々のマイクロミラー34の有効最大直径は通常、λより大きく、かつ40λ、20λ、10λ、および5λのうちの1つより小さい。本明細書では、マイクロミラーの最大直径は、マイクロミラーの反射面が収まる最小の円の直径である。本明細書では、有効直線寸法、例えば有効最大直径は、実際の横方向の直線寸法に、装置10、10’の出力光学系を通して閲覧したとき、例えば図3のレンズ系40を通して閲覧したときに横方向の直線寸法が有するはずの任意の倍率を掛けた値である。
【0039】
個々のマイクロミラー34による回折の結果、再構成可能なミラー配列16によって向きを変えられた光は、閲覧スクリーン12上で混合しかつ干渉する。閲覧スクリーン12上の画像の横方向の寸法は、個々のマイクロミラー34によってもたらされる回折によって決定される。特に、そのような回折により、望ましくは小さな再構成可能なミラー配列16は、閲覧スクリーン12上に適切な大きさの投影画像を生成することができる。
【0040】
D)閲覧スクリーンに画像を投影する方法
図5は、平面または平坦な閲覧スクリーンに2D画像を投影する方法50を示す。画像は例えば、図2および3のホログラフィック装置10、10’で非鏡面的に反射する閲覧スクリーン12に投影される。
【0041】
方法50は、閲覧スクリーン、例えば図2および3の閲覧スクリーン12に所望の画像を投影できるはずのコヒーレント光ビームの波面をほぼ再構築するステップを含む。例えば、再構築すべき波面を有するコヒーレント光ビームは、所望の情景によってコヒーレント光ビームを散乱させることによって形成されるビーム、および/または所望の情景を通してコヒーレント光ビームを伝送することによって形成されるビームとすることができる。方法50では、波面は、コヒーレント光ビームが閲覧スクリーンへ進行する際に通過したはずの選択された光学的開口上に再構築される。選択された光学的開口は、有限の平面領域であり、その形状は、異なる実施形態では変わることがある。選択された光学的開口は、図2もしくは3の再構成可能なミラー配列16の平均表面によって形成される平面領域とすることができ、または再構成可能なミラー配列16に近接する図2もしくは3の出射光ビーム44の横断面(CS)とすることができる。
【0042】
方法50は、閲覧スクリーンに所望の画像を投影できる実際のコヒーレント光ビームに対する選択された光学的開口上の光場について記述する画素ごとのマップを提供するステップ(ステップ52)を含む。画素ごとのマップは、選択された光学的開口を覆う1組の画素上のコヒーレント光ビームの電界または磁界の相対位相を提供することができ、例えばこれらの画素は、図2および3の再構成可能なミラー配列16の個々のマイクロミラー34に対応することができる。任意選択で、画素ごとのマップは、同じ組の画素上の波面の電界または磁界の相対振幅を提供することもできる。その場合、各画素は、マイクロミラー34の独立した局所的なグループに対応することができ、このグループは、画素上の平均相対位相および相対振幅を近似的に設定することが可能である。
【0043】
画素ごとのマップは、その項目が選択された開口を覆う画素組の個々の画素と対応関係にあるリストである。このリストでは、各項目は、平均相対位相を与え、かつ任意選択で、対応する画素の反射された光ビームの電界または磁界の平均相対振幅を提供する。第1の例として、画素ごとのマップは、コヒーレント光学ビーム26のうち、図2および3の再構成可能なミラー配列16の各マイクロミラー34によって反射される部分の相対位相を提供することができる。第2の例として、画素ごとのマップは、コヒーレント光学ビーム26のうち、図2および3の再構成可能なミラー配列16内のマイクロミラー34のそれぞれの局所的な独立グループによって反射される部分の相対位相および相対振幅を提供することができる。画素ごとのマップ全体は、デジタル・データ記憶装置、例えば図2および3のデジタル・データ記憶装置20内に記憶することができ、または、例えばデジタル・データ処理装置18によって、それ自体同じデジタル・データ記憶装置20内に記憶される2D画像に対するデータから評価することができる。
【0044】
方法50は、基準面から再構成可能なミラー配列のミラーまでの距離が均一でない空間分布を有するように、配列内のミラーの一部を平行移動させることによって、再構成可能なミラー配列を構成するステップ(ステップ54)を含む。構成するステップは、選択された開口上にステップ52で提供された画素ごとのマップとほぼ同じものを有する反射光ビームを生成する形で入射コヒーレント光ビームを反射するように、再構成可能なミラー配列のマイクロミラーを位置決めするステップを含む。入射コヒーレント光ビームは、例えば、図2および3の光源14によって生成される光ビーム26とすることができる。次いで、構成するステップ54は、例えば、図2および3の再構成可能なミラー配列16の表面と平行である基準面36からマイクロミラー34の一部までの距離を変動させる。
【0045】
次いで、方法50は、コヒーレント光ビームの一部が配列に反射されて閲覧スクリーン、例えば図2および3の閲覧スクリーン12に所望の画像を投影するように、ステップ54で構成された再構成可能なミラー配列を当該光ビームで照らすステップ(ステップ56)を含む。コヒーレント光ビームを照らすステップは通常、再構成可能なミラー配列の高さおよび幅にわたって空間的にコヒーレントとすることができる。ステップ54でマイクロミラーを位置決めすることにより、照明コヒーレント光ビームの反射された部分は、選択された開口の各画素で、ステップ52で提供される画素ごとのマップのものとほぼ同じ位相を有する。再構成可能なミラー配列16の例では、コヒーレント光ビーム26は、反射されて出射コヒーレント光ビーム44を生成するはずである。次いで、選択された光学的開口の各画素では、出射コヒーレント光ビーム44の電界または磁界の平均相対位相は、ステップ52で提供される画素ごとのマップのものとほぼ同じになるはずである。各画素では、出射コヒーレント光ビームの位相および場合によっては振幅は、閲覧スクリーン12に所望の画像を投影できる実際のコヒーレント光ビームのものとほぼ同じになるはずである。この例では、選択された光学的開口は、再構成可能なミラー配列16の平均表面、または出射コヒーレント光ビーム44の横断面CSとすることができる。この横断面は、再構成可能なミラー配列16に近いが、配列内のマイクロミラー34の寸法と比較すると配列からはるかに遠い。所望の画像に対して、閲覧スクリーン12に実質上同じ所望の画像を投影するはずのそのような出射光ビーム44を近似的に再構築できる再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34の複数の構成が可能である。
【0046】
図2および3の装置10、10’のいくつかの実施形態では、方法50のステップ56の実行は、30ヘルツを超える周波数で再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34をわずかに振動させるステップを含む。わずかな振動により、閲覧スクリーン12上の局所的なコヒーレント光の強度にわずかな変動が生じ、このわずかな振動を制御して、投影画像内で干渉によって生じる光のスペックルを時間的に除去する。振動は、図2および3の基板35全体を振動させることによって、または照明ステップ56の実行中にMEMSアクチュエータを通じて個々のマイクロミラー34を振動させることによって発生させることができる。投影画像内のスペックルは、例えば、Vladimir A.Aksyuk、Randy C.Giles、Omar D.Lopez、およびRoland Ryfによる「SPECKLE REDUCTION IN LASER−PROJECTION IMAGES」という名称の上記で組み込まれた米国特許出願に記載の方法(複数可)および/またはシステム(複数可)を使用することによって、低減させることができる。
【0047】
方法50は、制御信号が閲覧スクリーンに別の所望の画像を投影するべきであることを示すのに応答してステップ52、54、および56を繰り返すために、例えば図2および3の閲覧スクリーン12に時間的に連続する2D画像を生成するために、折り返すステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、折り返すステップでは、少なくとも毎秒20フレームの速度で、好ましくは毎秒30フレーム以上の速度で、新しい2D画像を再構築することができる。すなわち、フレームを繰り返す速度は、実際に平滑な映像であると閲覧者に知覚させるのに十分に高い速度とすることができる。
【0048】
E)多色画像の投影
図2および3の装置10、10’のいくつかの実施形態では、閲覧者Vが多色画像であると知覚するはずの画像を閲覧スクリーン12に投影することができる。光源14の適切な多色実施形態14’の一例を、図6に示す。
【0049】
図6を参照すると、多色光源14’は、例えば、3つのコヒーレント色光源22R、22G、22Bと、光波長合波器62とを含む。3つのコヒーレント光源22R、22G、22Bはそれぞれ、異なる色、例えば赤色、緑色、および青色の光を出力するように構成された半導体レーザLR、LG、LBを含む。いくつかの実施形態(図示せず)では、例えば閲覧スクリーン12上のスペックルを低減させるために、単色半導体レーザLR、LG、LBのうちの1つまたは複数を、同じ色の複数のレーザと交換することができる。コヒーレント光源22R、22G、22Bはそれぞれ、対応する半導体レーザLR、LG、LBのONおよびOFFを個別に切り換えることができる光スイッチOSも含む。光波長合波器62は、3つのコヒーレント光源22R、22G、22Bからの光の向きを拡大光学系24の方へ変える。光波長合波器62は、例えば、図示の適切な向きの光学格子64、または別の光波長ルーティング装置(図示せず)を含む。
【0050】
図2および3に示す光源14はまた、Gang Chen、Ronen Rapaport、およびMichael Schabelによる「COLOR MIXING LIGHT SOURCE AND COLOR CONTROL DATA SYSTEM」という名称の上記で組み込まれた米国特許出願に記載の1つもしくは複数の半導体レーザおよび/または多色レーザ光源を含むことができる。
【0051】
多色光源14’が多色画像を投影することが可能であるにもかかわらず、各画像が再構成可能なミラー配列16を介して生成された光ビーム26の変調を必要とすることで、複雑な問題が生じる。特に、この画像形成方法では、異なる光の色に対する光ビーム26を変調するために、同じ再構成可能なミラー配列16を使用する。そのような構成では、画像が例えば、図7に示すコヒーレント光源22R、22G、22Bのうちの異なる光源によって生成される個々の色の混合である色をもつオブジェクトであるとき、維持するのが複雑になる可能性がある。
【0052】
図7は、正方形が図6の2つの半導体レーザLR、LGの色の混合である色を有するとき、この正方形の画像を、単一構成の再構成可能なミラー配列16で図2または3の閲覧スクリーン12に投影しようとする試みを概略的に示す。再構成可能なミラー配列16は通常、出射コヒーレント光ビーム44内に何らかの回折をもたらすので、単一構成の再構成可能なミラー配列16は通常、半導体レーザLRからの光で第1の画像I1を投影し、他の半導体レーザLGからの光で異なる第2の画像I2を投影する。すなわち、異なる色の光に異なる量の回折がもたらされるので、第1および第2の画像I1、I2は、閲覧スクリーン12上で完全には一致しない。こうした一致しない問題は、閲覧スクリーン12に投影されるレーザ光の色に応じて再構成可能なミラー配列16の空間構成を使用することと、時分割色多重化とを組み合わせることによって解決することができる。
【0053】
図8は、閲覧スクリーン、例えば図2または3の閲覧スクリーン12に、多色光投影、すなわち画像を生成する方法70を示す。この方法では、図2または3の装置10、10’を、図6の多色光源22’とともに使用することができる。多色光投影は、単一色光源、例えば図6の単一色光源22R、22G、22Bの色の1つまたは複数の画像の重ね合わせである。
【0054】
方法70は、所望の多色光投影を形成するそのような画像の重ね合わせにおいて単一色画像を選択するステップ(ステップ72)を含む。
【0055】
方法70は、選択された単一色画像を、対応する単一色光源からの光で閲覧スクリーンに投影するために、方法50のステップ52、54、および56を実行するステップ(74)を含む。ステップ52を実行するステップは、選択された光学的開口上の選択された単一色の光に対する光場の位相についての画素ごとのマップを提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、画素ごとのマップを提供するステップはまた、選択された光学的開口上の選択された単一色の光に対する光場の振幅も提供する。
【0056】
方法70は、所望の多色投影を与える重ね合わせ内の残りの単一色画像ごとにステップ72および74を繰り返すために、すなわち時分割色多重化(TDCM)を実行するために、折り返すステップ(76)を含む。ステップ72および74の各繰返しでは、ステップ74のサブステップ52で提供される画素ごとのマップは、その繰返しで投影すべき単一色画像に基づく。特に、繰返しは通常、重ね合わせの異なる単一色画像で、それぞれに対する新しい画素ごとのマップを提供するステップを含むはずである。そのような繰返しは通常、基準面からミラーまでの距離が新しい画素ごとのマップに対応する新しい均一でない空間分布を有するように配列内のミラーの一部を平行移動させることによって、再構成可能なミラー配列を再構成するステップも含むはずである。最後に、異なる単一色画像での繰返しは通常、異なる色のコヒーレント光ビームの一部が平面閲覧スクリーンに投影されるように、再構成された配列を異なる色のコヒーレント光ビームで照らすステップを含むはずである。
【0057】
方法70は、人が平滑な映像を知覚するのに必要な周波数を超える周波数で、ステップ72、74、および76を繰り返すステップ(ステップ78)を含む。ステップ72、74、および76の繰返しは、単一色画像の時分割多重化に基づいて、多色と知覚される投影を生成するために必要である。特に、多色投影に対する重ね合わせの各単一色画像は通常、人が平滑な動きを知覚するための周波数の逆数より短い時間だけ投影されるはずである。したがって、閲覧者は、一続きの単一色画像ではなく、単一色画像を平均した単一の多色画像を知覚するはずである。
【0058】
そのような多色と「知覚される」投影を生成するために、光源14’は、閲覧者Vが一定の多色画像を知覚するのに十分に高い速度で時分割色多重化を実行するように制御されるはずである。特に、そのような知覚を閲覧者に与えるには、方法70の折返しまたは繰返し周波数は、少なくとも20ヘルツであるはずであり、好ましくは30ヘルツ以上であるはずである。
【0059】
いくつかの実施形態では、時分割色多重化は、異なる色の単一色画像が異なる長さの時間にわたって閲覧スクリーンに投影されるように実行することができる。色ごとの投影時間にそのように不均等に重み付けすると、最終の重ね合わせにおける様々な単一色の知覚される強度が変わるはずである。閲覧時間のうちのより長い部分にわたって単一色画像を投影すると、閲覧者は、普通の場合より強くその色を知覚するはずである。
【0060】
F)ホログラフィック画像投影器内でマイクロミラーを位置決めする方法
図2および3を参照すると、再構成可能なミラー配列16が入射コヒーレント光ビーム26から、選択された光学的開口上に所望の画素ごとのマップで出射コヒーレント光ビーム44を生成するように、マイクロミラー34の位置を調整する様々な方法がある。いくつかの実施形態では、再構成可能なミラー配列16によって反射される光が選択された光学的開口上でマップを満たすように、すべてのマイクロミラー34の位置をともに直接調整することができる。他の実施形態では、再構成可能なミラー配列16内の別々の独立した局所的な動作ユニットによって反射される光の相対振幅および相対位相を別々に決定することができる。それぞれの局所的な動作ユニットは、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の隣接するマイクロミラー34を含む。局所的な動作ユニットでは、基準面36からマイクロミラー34までの平均距離は、局所的な動作ユニットによって反射される光の平均相対位相が、対応する画素で提供されるマップを満たすように調整され、また、基準面36から配列内のマイクロミラー34までの距離の差は、局所的な動作ユニットによって同じ画素へ反射される光の平均振幅が、提供されるマップを満たすように調整される。マイクロミラーのグループの構成を設定するためのこの後者の手法は、例えば、Girsh Blumbergによる2006年6月6日出願の米国特許出願第11\448,390号(本明細書では出願‘390と呼ぶ)に記載されている。本米国特許出願の全体を、参照により本明細書に組み込む。上記の各手法では、再構成可能なミラー配列16を構成するステップは、基準面36から各マイクロミラー34までの距離を設定するステップを含む。
【0061】
G)開口上の波面の画素ごとのマップの評価
図5および8の方法50および70では、閲覧スクリーンに所望の画像を投影するはずの形で入射コヒーレント光ビームを変調するように再構成可能なミラー配列のマイクロミラーを構成できる画素ごとのマップを生成するための、いくつかの方法が利用可能である。図2または3の処理装置18は、例えばこれらの方法のうちの1つを実行して、再構成可能なミラー配列16が閲覧スクリーン12に所望の画像を投影できるようにするはずのマイクロミラー34に対する位置を決定することができる。
【0062】
第1および第2の方法では、再構成可能なミラー配列のすぐ前の光波面g(m1,m2)は、閲覧スクリーンでの画像の光波面f(n1,n2)の逆離散フーリエ変換(IFT)である。上式で、2Dベクトル(m1,m2)は、再構成可能なマイクロミラー配列のマイクロミラー(画素)を指し、2Dベクトル(n1,n2)は、閲覧スクリーン上の画素を指す。これらの方法では、画像は、再構成可能なミラー配列に対する遠視野領域内にあるものとして扱われる。
【0063】
第1および第2の方法では、図2および3の処理装置18は、反復アルゴリズムを実行して、再構成可能なミラー配列の各ミラーに反射される入射コヒーレント光の相対位相についての適切な画素ごとの空間マップを生成する。生成される画素ごとのマップは、再構成可能なミラー配列に入射する光波面の純粋な位相変調である。そのようなマップは、いくつかの種類のGerchberg−Saxtonアルゴリズムによって生成することができる。Gerchberg−Saxtonアルゴリズムのいくつかの種類は、例えば、Optics Letters、Vol.21、No.12(1996年6月15日)842〜844頁、Optics Letters、Vol.3、No.1(1978年7月)27〜29頁、Applied Optics、Vol.21、No.15(1982年8月1日)2758〜2769頁に発表された記事のうちの1つまたは複数に記載されている。これらの3つの記事の全体を、参照により本明細書に組み込む。
【0064】
図9は、再構成可能なミラー配列での適切な画素ごとのマップ、例えば適切なg(m1,m2)を決定する第1の反復方法80を示す。第1の反復方法80は、閲覧スクリーン上の単色画像光強度、すなわちf・f*(n1,n2)の空間分布に基づく。
【0065】
第1の反復方法80は、閲覧スクリーン上の所望の画像に基づいて、閲覧スクリーンでの光の絶対振幅の空間分布を決定するステップ、すなわち|f(n1,n2)|を決定するステップ(ステップ82)を含む。これらの絶対振幅は、閲覧スクリーンの個々の画素、すなわち(n1,n2)での画像の光波面の振幅の絶対値である。
【0066】
次に、第1の反復方法80は、光の絶対振幅のそれぞれに位相を掛けることによって、その画像に対する光の複素振幅の新しい空間分布、すなわちh(n1,n2)を形成するステップ(ステップ84)を含む。画素(n1,n2)での乗数である位相がeiφ(n1,n2)によって与えられる場合、光の複素振幅の新しい空間分布は、
h(n1,n2)=eiφ(n1,n2)・|f(n1,n2)|
によって規定される。あらゆる画像で、知覚される画像の形状は、閲覧スクリーンでの光振幅の大きさに依存し、閲覧スクリーンでの光振幅の位相には依存しないので、位相は、様々な方法で選択することができる。例えば、位相は、任意の疑似乱数選択処理によって選択することができる。
【0067】
次に、第1の反復方法80は、N回の反復後に、再構成可能なミラー配列で入射コヒーレント光ビームの純粋な位相変調を実行することによって生成できる新しい離散IFT関数gN(m1,m2)を生成するために、反復処理を実行するステップ(ステップ86)を含む。例えば、図3の装置10’は、再構成可能なミラー配列のマイクロミラー上で実質上一定の大きさで離散IFT関数gN(m1,m2)を生成することができる。新しいgN(m1,m2)は、閲覧スクリーン上に所望の画像を与える離散FThN+1(n1,n2)を有する。
【0068】
k回目の周期で、反復処理は、いくつかのサブステップを実行するステップを含む。第1に、反復処理は、複素画像光振幅の最後の空間分布、すなわちhk(n1,n2)の離散IFT、すなわちgk(m1,m2)を得るステップ(サブステップA)を含む。第1の反復では、空間分布hl(n1,n2)は、上記のステップ84で得られた空間分布h(n1,n2)である。次に、反復処理は、離散IFTgk(m1,m2)を純粋な位相の新しい空間分布、すなわちgk’(m1,m2)と交換するステップ(サブステップB)を含む。分布gk’(m1,m2)は、
gk’(m1,m2)=gk(m1,m2)/|gk(m1,m2)|
によって与えられる。次に、反復処理は、純粋な位相の空間分布gk’(m1,m2)の離散FTを利用して閲覧スクリーンで新しい空間画像分布fk(n1,n2)を得るステップ(サブステップC)を含む。次に、反復処理は、gk’(m1,m2)が閲覧スクリーンに適切な画像を投影するのに十分に収束したかどうかを判断するステップ(サブステップD)を含む。いくつかの実施形態では、予め選択された数の反復、すなわちサブステップA、B、C、D、およびFによって形成されるループの反復の実行に応答して、十分な収束が生じたことを判断することができる。例えば、予め選択された数は、低品質の画像では反復5回、中程度の品質の画像では反復10回、高品質の画像では反復100回とすることができる。もちろん、予め選択された反復の数は、異なる実施形態では変わることがある。代替実施形態では、誤差Eを評価するステップを含むことができ、次いでその値を使用して、十分な収束が生じる反復の数を決定する。そのような一実施形態では、誤差Eは、閲覧スクリーンの画素、すなわち(n1,n2)全体の合計であり、
E=Σimage pixels(n1,n2)[|f(n1,n2)|2−|FT{gk/|gk|}(n1,n2)|2]2
によって規定される。そのような実施形態では、反復処理は、再構成可能なミラー配列上の位相パターンの離散FTが所望の画像に十分に近い画像を提供するとき、十分に収束される。別の実施形態では、誤差Eに対する上記の等式は、等式の右側のgk/|gk|をgkと交換することによって修正される。そのような修正は、gk(m1,m2)が通常、十分な数の反復後、純粋な位相の分布に収束するので、利用可能である。別法として、誤差Eは、再構成可能なミラー配列の画素またはマイクロミラー全体の合計とすることができる。そのような誤差Eの1つは、
E=Σ(m1,m2)pixels of array[[gk(m1,m2)]2−[gk’(m1,m2)]2]2
によって与えられる。そのような実施形態では、収束は、関数gk(m1,m2)が再構成可能なミラー配列上の純粋な位相の空間分布によって十分な正確さで表わされるとき、十分になる。サブステップDで反復処理が十分に収束したと判断された場合、反復処理は、再構成可能なミラー配列に入射する光ビームにgk’(m1,m2)の位相変調をもたらす形で、再構成可能なミラー配列の個々のマイクロミラーを垂直に位置決めするステップ(ステップE)を含む。すなわち、横方向で(m1,m2)のマイクロミラーは、コヒーレント光ビームのうちのそのマイクロミラーに入射する部分からの局所的な位相がgk’(m1,m2)/|gk’(m1,m2)|である波面を生成するように位置決めされる。反復処理がまだ十分に収束していない場合、反復処理は、閲覧スクリーンでの複素画像光振幅の次の空間分布、すなわちhk+1(n1,n2)を評価するステップ(サブステップF)を含む。次の空間分布hk+1(n1,n2)は、以下のように規定される。
hk+1(n1,n2)=|f(n1,n2)|[fk(n1,n2)/|fk(n1,n2)|]
上式で、fk(n1,n2)は、再構成可能なミラー配列上の空間分布gk’(m1,m2)の閲覧スクリーンでの離散FTである。したがって、次の画像の光波面hk+1(n1,n2)の位相および大きさは、それぞれgk’(m1,m2)の離散FTおよび所望の画像によって規定される。サブステップF後、反復処理は、(k+1)回目の反復に対してサブステップA〜DおよびEまたはFを繰り返すステップを含む。
【0069】
図10は、閲覧スクリーン12に所望の画像を投影させるはずの再構成可能なミラー配列16での適切な画素ごとのマップ、例えばg(m1,m2)を見出す第2の反復方法80’を示す。第2の反復方法80’もまた、閲覧スクリーン上の単色画像光強度、すなわちf・f*(n1,n2)の空間分布に基づく。
【0070】
第2の反復方法80’は、図9の方法80に関連して記載のステップ82、84、および86を繰り返すステップを含むが、第2の反復方法80’では、ステップ86のいくつかのサブステップが、すなわち新しい反復処理のために修正される。
【0071】
k回目の周期で、新しい反復処理は、ステップ86に対して記載の前述のサブステップA〜Fを実行するステップを含むが、以下の修正を伴う。サブステップBで、反復処理は、離散IFTgk(m1,m2)を新しい空間分布gk’(m1,m2)と交換するステップを含む。新しい空間分布gk’(m1,m2)は、
gk’(m1,m2)=gk(m1,m2)+λ[gk(m1,m2)/|gk(m1,m2)|−gk(m1,m2)]
によって与えられる。したがって、新しい空間分布は、離散IFT内の値の大きさを記憶する。サブステップFでは、新しい反復処理は、以下のように、閲覧スクリーン上の光の複素振幅の次の分布を規定するステップを含む。
hk+1(n1,n2)=hk(n1,n2)+λ[|f(n1,n2)|fk(n1,n2)/|fk(n1,n2)|−hk(n1,n2)]
したがって、新しい反復処理は、離散FT内の値の大きさを記憶する。新しい反復処理では、実際の正のパラメータλは、例えば、小さい正の値λ≒1.5を有する。λの選択は、反復処理の収束の速さに影響を及ぼすことができる。
【0072】
第3の方法では、2つの測定を介して、閲覧スクリーンに所望の画像を投影できる光ビームに対して、相対振幅と相対位相の両方についての画素ごとのマップが得られる。第1の測定では、画像化すべき情景は、コヒーレント光ビームを散乱または伝送し、散乱または伝送される光の強度が、選択された開口上で測定される。第2の測定では、コヒーレント光ビームが、この場合も画像化すべき情景によって伝送または散乱され、次いで、既知のコヒーレント基準ビームによって干渉される。次いで、この干渉されたビームの強度が、選択された開口上で測定されて、選択された開口上の伝送または散乱された光ビームの位相についての画素ごとのマップを得る。選択された光学的開口上の振幅と位相の両方の情報についての画素ごとのマップを得るこの方法は、例えば前述の出願‘390に記載されている。
【0073】
閲覧スクリーンに所望の画像を投影するはずの光ビームに対する選択された光学的開口上の相対位相および/または振幅についての画素ごとのマップを見出す他の技法は、「Diffraction−Specific Fringe Computation for Electro−Holography」、Massachusetts Institute of Technology、Department of Electrical Engineering and Computer Science、Mark Lucenteの博士論文、1994年9月、米国特許第6,211,848号、米国特許第4,834,476号、米国特許第4,986,619号、および米国特許第5,172,251号のうちの1つまたは複数に記載されていることがある。上に挙げた論文、米国特許、および米国特許出願の全体を、参照により本明細書に組み込む。
【0074】
H)再構成可能なミラー配列による直接画像投影
図11A〜11Eは、閲覧スクリーン12に、画像、すなわち単色または多色として知覚される画像を投影する他の装置10A、10B、10C、10D、10Eを示す。装置10A〜10Eは、2Dの再構成可能な空間光変調器16、16’と、コヒーレント光源14と、デジタル・データ処理装置18と、デジタル・データ・バス38と、デジタル・データ記憶装置20とを含む。装置1A〜10Eのこれらの素子はそれぞれ、図2〜3の装置10、10’の同じ番号の素子、すなわち以下に区別するものを除く素子と実質上類似してまたは同一に機能させ、相互に配置し、かつ/または構築することができる。
【0075】
本明細書では、再構成可能な空間光変調器とは、2Dの再構成可能なミラー配列、例えば図11A〜11Dに示すマイクロミラー34の配列16、または2Dの再構成可能な液晶配列、例えば図11Eに示す液晶セル34’の配列16’のいずれかを指す。再構成可能な空間光変調器は、空間的に均一でなくかつ再構成可能な形で、入射コヒーレント光波面の位相および/または振幅を変調することが可能である。
【0076】
図11A〜11Dでは、2Dの再構成可能なミラー配列16は、図2〜3の装置10、10’に関連して前述の任意の構造を有することができる。すなわち、装置10A〜10Dの再構成可能なミラー配列16は、MEMSアクチュエータの制御下で、ピストン状の運動、例えば仮想平面36に垂直な運動を実行する少なくともいくつかのマイクロミラー16を有する。MEMSアクチュエータは、平面基板35内/上に配置される。
【0077】
図11Eでは、2Dの再構成可能な液晶配列16’は、実質上同一の液晶セル34’の規則的な2D配列89と、規則的な2D配列89の両側に配置された直線偏光器90、90’とを含む。各液晶セル34’は、複屈折液晶を保持し、この複屈折液晶の片面または両面に隣接する電極を有する。これらの電極は、同じ液晶セル34’の液晶の光軸を交替させる電圧を印加するように構成される。電極は、異なる液晶セル34’に独立に対処できるように制御される。すなわち、液晶セル34’のうちの異なるセルの光軸は、デジタル・データ処理装置18の制御下で独立して交替させることができる。直線偏光器90、90’は、様々な相対的な向き、例えば平行または垂直な向きの偏光方向を有するように構成することができる。液晶セル34’と偏光器90、90’をサンドイッチ状に挟むことで、入射コヒーレント光波面に、位相変調または位相と振幅の変調の組合せをもたらすことができる。したがって、再構成可能な液晶配列16’は、入射光波面を制御可能に空間的に均一でなく変調することができる。装置10Eは、2Dの再構成可能な液晶配列16’を通って伝送される入射照明光ビーム26を変調する。他の実施形態(図示せず)では、再構成可能な液晶配列から反射される入射光ビームを変調する2Dの再構成可能な液晶配列を含むことができる。実際には、他の実施形態の画像投影装置は、再構成可能なミラー配列16が再構成可能な反射液晶配列と交換されることを除いて、図11A〜11Dの装置10A〜10Dに類似の設定を有することができる。
【0078】
図2〜3の装置10、10’とは対照的に、図11A〜11Eの装置10A〜10Eは、再構成可能な空間光変調器16、16’の画素と所望の画像の画素との間で直接的な1対1の対応関係を使用する。この1対1の対応関係から、図10A〜10E内の再構成可能な空間光変調器16、16’の各画素は、所望の画像の単一の対応する画素の所望の光強度に基づいて構成することができる。したがって、再構成可能な空間光変調器16、16’の領域は、閲覧スクリーン12に投影すべき画像の対応する領域に直接マッピングされる。そのため、装置10A〜10Eの多くの実施形態のデジタル・データ処理装置18は、どのようにして個々のマイクロミラー34を位置決めするのか、またはどのようにして再構成可能な空間光変調器16、16’が所望の画像を投影するように個々の液晶セル34’を構成するのかを決定するために、再構成可能なミラー配列16全体にわたって複雑な反復処理を実行することはない。例えば、デジタル・データ処理装置18は、装置10A〜10Eに閲覧スクリーン12に所望の画像を投影させるために、所望の画像の逆フーリエ変換を評価しない。上記の理由のため、装置10A〜10Eのいくつかの実施形態のデジタル・データ処理装置18は、図2〜3の装置10、10’のいくつかの実施形態より速く、特定の画像に対するマイクロミラー16の位置または液晶セル16’の構成を決定することができる。
【0079】
装置10A〜10Eは、図2〜3の装置10、10’の実施形態には存在しない可能性のある追加の機能素子を含む。追加の素子には、第1の集束光学レンズ系92、第2の集束光学系94、および光学伝送フィルタ96が含まれる。
【0080】
第1の集束レンズ系92は、光学経路のうち、再構成可能な空間光変調器16、16’の後、すなわち装置10A〜10Bおよび10E内の位置、再構成可能な空間光変調器16、16’の前、すなわち装置10C内の位置、または装置10D内のように再構成可能な空間光変調器16、16’の前後両方のいずれかの部分に配置される。様々な適用分野では、空間/幾何形状上の制約、例えば画像投影装置10A〜10Eのうちの1つを小さな携帯電話内に組み込む上での制約を満たすために、第1の集束レンズ系92を、上に挙げた位置のうちの異なる位置に配置することができる。
【0081】
伝送フィルタ96は、第1の集束フィルタ92が再構成可能な空間光変調器16、16’に入射する照明光ビーム26の画像を形成する平面98にまたはその付近に配置される。例えば、照明光ビーム26が、例えば図11A〜11Bおよび11Eに示すように実質上平行である場合、平面98は、第1の集束レンズ系92の焦点面にまたはその付近にある。対照的に、照明光ビーム26が、例えば図11Cおよび11Dに示すように収束している場合、平面98は、焦点距離より第1の集束レンズ系92の近くに配置される。平面98では、第1の集束レンズ系92は、例えば、再構成可能な空間光変調器16、16’から出射する位相変調された波面のフーリエ変換を形成する。
【0082】
平面98では、第1の集束レンズ系92により、出射光ビーム44が、例えば図12A〜12Bに示すような光パターンを形成する。この光パターンは、輝点110、112、114を有し、これらの点は、例えば、再構成可能な空間光変調器16、16’内のマイクロミラー34または液晶セル34’の横方向の分布の近似的な2D周期性のため、異なる回折次数に分類される。伝送フィルタ96は、輝点110、112、114のうちの実質上1つだけからの光、または輝点110、112、114のパターン内の1つの回折次数からの光を、画像投影装置10A〜10Eの残りの部分へ伝送する。伝送フィルタ96は、平面98上でまたはその付近で、光パターンの他の輝点110、112、114からの光を実質上阻止する。単一の阻止されていない輝点110、112、114または阻止されていない回折次数からの光が、残りのレンズ系(複数可)94、100を通過して、閲覧スクリーン12に画像を形成する。
【0083】
伝送フィルタ96は、平面98上で横方向の位置とともに変動する減衰をもたらす。この減衰は、平面98上の位置Rとともに平滑に変動することができる。例えば、減衰は、A・exp[−([R−R0]/w)2/2]のように、位置Rに依存することができる。上式で、R0および2wは、それぞれ伝送フィルタ96の中心および幅である。|R−R0|=2wの位置では、伝送フィルタ96は、フィルタ96の中心で入射光強度を減衰させるよりe−2大きく入射光強度を減衰させる。
【0084】
図12Aおよび12Bは、どのようにして前述の例示的な伝送フィルタ96のR−R0|=2wの境界を平面98内に配置できるかを示す。これらの境界を、図12A〜12Bに破線の円116、118によって示す。図12Aの例では、伝送フィルタ96の中心は、輝点110、すなわちゼロ回折次数の輝点の中心にある。この実施形態では、伝送フィルタ96は、他の回折次数の他の輝点112、114からの光を実質上阻止する。図12Bの例では、伝送フィルタ96の中心は、第1の回折次数の輝点112のうちの1つの中心にある。この実施形態では、伝送フィルタ96は、他の回折次数からの光および第1の回折次数の他の輝点112からの光を実質上阻止する。伝送フィルタ96はまた、第1の回折次数の輝点112のすべてを実質上伝送するように構成することもできる。
【0085】
第2の集束レンズ系94は、光学経路のうち、伝送フィルタ96の後ろの部分に配置される。特に、伝送フィルタ96は、第2の集束レンズ系94の焦点面、すなわち図11A〜11Bおよび11Eに示す位置に配置することができ、または図11C〜11Dに示すように、焦点距離f’よりも第2の集束系94からはるかに近くに配置することができる。第2の集束レンズ系94は、後ろの平面、例えば閲覧平面12で、伝送フィルタ96によって伝送された光波面のフーリエ変換または逆フーリエ変換を生成する。
【0086】
集束レンズ系92、94によって実行されるフーリエ変換を、伝送フィルタ96によって実行される空間フィルタリングと直列に交互配置することによって、再構成可能な空間光変調器16、16’の個々の画素を、閲覧スクリーンの個々の画素へ直接画像化することが、実質上可能になると思われる。また、画像化処理を組み合わせることで、再構成可能な空間光変調器16、16’で位相変調された波面を、閲覧スクリーン12上で可視波面に変換することが可能になる。
【0087】
装置10A〜10Eのいくつかの実施形態では、例えば図11A〜11Bおよび11Eに示すレンズ系100を含むことができる。レンズ系100は、閲覧スクリーン12の拡散反射面に投影される画像内の横方向の寸法を拡大する。
【0088】
装置10A〜10Eのいくつかの実施形態では、多色であると知覚される画像を投影する。そのような実施形態では、コヒーレント光源14は、図6の時間インターリーブ型の多色レーザ光源14’とすることができる。そのような実施形態では、再構成可能な空間光変調器16、16’は、インターリーブされる色ごとに異なる画像を投影するようなカラー・インターリーブ率で再構成することができる。
【0089】
装置10A〜10Eのマイクロミラー34および液晶セル34’は、個別に動作させることができ、または局所的な動作グループ(LOG)で動作させることができる。後者の場合、適宜2つ、3つ、またはそれ以上の隣接するマイクロミラー34または液晶セル34’からなる独立した組が、それぞれの局所的な動作グループを形成する。各動作グループは、再構成可能な空間光変調器16、16’の単一の画素として機能する。いくつかのそのような実施形態では、それぞれの局所的な動作グループのマイクロミラー34または液晶セル34’からなる適切なサブセットは固定され、対応するMEMSアクチュエータまたは電圧制御装置をもたない。
【0090】
図11Aの装置10Aはまた、再構成可能なミラー配列16への照明光ビーム26の入射角を増大させるように構成されたガラスくさび102を含むことができる。いくつかの多色の実施形態では、コヒーレント光源14は、閲覧スクリーン12の横方向の同じ部分に異なる色の画像が投影されるように、ガラスくさび102および/または再構成可能なミラー配列16への照明光ビーム26の異なる色を、幾分異なる入射角に向けることができる。特に、そのような色に依存する入射角の変動は通常、伝送フィルタ96によってゼロ以外の回折次数が選択的に伝送されるときに必要である。図2の装置10もまた、図11Aのガラスくさび102に類似しかつそれと同様に構成されたガラスくさび(図示せず)を含むことができる。
【0091】
装置10A〜10Eの様々な実施形態では、デジタル・データ処理装置18、データ・バス38、およびデジタル・データ記憶域20は、平面基板35内もしくはその上に配置されたMEMSアクチュエータを制御し、または液晶セル34’上の電極を制御する。MEMSアクチュエータは、図2〜3の装置10、10’に関連して記載のマイクロミラー34の一部またはすべての位置を制御しかつ調整する。それにもかかわらず、同じ所望の画像を投影するために、装置10A〜10Dのデジタル・データ処理装置18、データ・バス38、およびデジタル・データ記憶域20は、普通なら図2〜3の装置10、10’向けに設定されるはずのマイクロミラー34に対して異なる空間構成を設定することができる。
【0092】
図13は、例えば図11A〜11Eに示す装置10A〜10Eで、閲覧スクリーン上に位相変調された波面を直接画像化する一方法120を示す。
【0093】
方法120は、空間的に位相変調された波面を有する出射光ビーム、例えば出射光ビーム44を生成するように、入射コヒーレント照明光ビームの波面を位相または振幅変調するステップ(ステップ122)を含む。変調するステップ122は、出射光ビーム44を生成するために、入射照明光ビーム26の波面に空間依存反射係数A・exp[iΦ(m1,m2)]または空間依存伝送係数A(m1,m2)・exp[iΦ(m1,m2)]を実効的に掛けるステップを含むことができる。上式で、AおよびA(m1,m2)は振幅であり、Φ(m1,m2)は位相角度である。また、整数成分ベクトル(m1,m2)は、波面に沿った画素の空間位置を指す。ベクトル(m1,m2)の第1および第2の成分は、単一のマイクロミラー34もしくは液晶セル34’、または隣接するマイクロミラー34もしくは液晶セル34’からなる局所的な動作グループのいずれかの行および列の位置に対応する。そのような変調は、図11A〜11Dの再構成可能なミラー配列16または図11Eの再構成可能な液晶配列16’などの空間光変調器によって実行することができる。(m1,m2)のマイクロミラー34または液晶セル34’では、対応する位相Φ(m1,m2)および/または振幅、すなわちAもしくはA(m1,m2)は、閲覧スクリーン12にそれに対応して配置される画像画素(m1,m2)での所望の光強度に基づいて評価することができる。
【0094】
方法120は、出射光ビームが、変調するステップ122で生成される変調された波面のフーリエ変換に近似する回折光パターンを、遠く離れた平面、例えば空間光変調器から遠く離れた平面に形成できるように、光ビームを集束させるステップ(ステップ124)を含む。この遠く離れた平面は、例えば図11A〜11Eに示すように、例えば集束をもたらすレンズ系の焦点面とすることができる。集束させるステップ124は、空間光変調器、例えば図11C〜11Dの装置10C〜10D内の再構成可能なミラー配列16に入射する収束する光ビーム26を生成するために、コヒーレント照明光ビームで実行することができる。第1の集束レンズ系92による集束で、出射光ビーム44は、図11C〜11Dの遠く離れた平面98内に回折光パターンを生成する。別法として、集束させるステップ124は、例えば図11A〜11Bの再構成可能なミラー配列16および図11Eの再構成可能な液晶配列16’でのように、空間光変調器から出射する光ビーム44で実行することができる。また、集束させるステップ124のこの後者の実施形態でも、出射光ビーム44は、遠く離れた平面98にそのような回折光パターンを生成する。
【0095】
方法120は、パターン内の輝点の1つだけが光学画像投影システムの残りの部分へ光を実質上伝送するように、回折光パターンからの光を空間的にフィルタリングするステップ(ステップ126)を含む。特に、フィルタリングされていない光パターンは、再構成可能な空間光変調器16、16’内のマイクロミラー34または液晶セル34’の構成の近似的な2D周期性のため、異なる輝点を有する。空間フィルタリングは、例えば、平面98上の光パターンのうち、単一のそのような回折次数を除くすべてを、閲覧スクリーン12に投影すべき画像に寄与することから阻止するために、図11A〜11Eの伝送フィルタ96を用いてフィルタリングするステップを含むことができる。特に、空間フィルタリングは、回折光パターン内の次数がゼロまたはより高い輝点を伝送するように構成することができる。空間フィルタリングがより高い次数からの光を伝送する場合、前記の次数がより高い輝点のうちの1つまたは2つ以上からの光を伝送することもできる。実際には、同じ次数の2つ以上の輝点からの光を伝送することで、閲覧スクリーン12に投影される画像の輝度を高めることができる。
【0096】
方法120は、閲覧スクリーンに単一色画像を投影するために、空間的にフィルタリングされた光、すなわち回折光パターンの阻止されていない輝点(複数可)からの光を、別の集束レンズ系を通じて送るステップ(ステップ128)を含む。画像は通常、空間フィルタリング・ステップ126によって伝送される光パターンのフーリエ変換または逆フーリエ変換である。伝送するステップ128は、空間的にフィルタリングされた光ビームを、図11A〜11Eの装置10A〜10E内の集束レンズ系(複数可)94、100を通過させるステップを含む。
【0097】
方法120のいくつかの実施形態では、異なる色、例えば赤色、緑色、および青色のコヒーレント照明光ビームに対して、ステップ122、124、126、および128を繰り返すステップを含む。実際には、ビームの色は、ステップ122、124、126、および128の連続する実行でカラー・インターリーブを生成するように、ラウンド・ロビン方式で交替させることができる。そのようなカラー・インターリーブは、閲覧スクリーン、例えば図11A〜11Eの閲覧スクリーン12に多色画像が投影されているという知覚をもたらすのに十分に高い周波数で実行することができる。
【0098】
方法120の様々な実施形態では、変調するステップ122を異なる形で実施することができる。変調するステップ122の2つの例示的な実施形態を、図14Aおよび14Bに示す。そのような各実施形態では、伝送フィルタ96は、図12Aに示すように、平面98上の光パターンのゼロ回折次数だけを実質上伝送するように構成することができる。
【0099】
以下、再構成可能なミラー配列16の行m1および列m2にあるマイクロミラー34(液晶セル34’)を、合計(m1+m2)が偶数である場合は偶数マイクロミラー(偶数液晶セル)と呼び、合計(m1+m2)が奇数である場合は奇数マイクロミラー(奇数液晶セル)と呼ぶ。偶数および奇数マイクロミラー34(液晶セル)を、図14Aでは、それぞれ白色の正方形および網掛けをした正方形として示す。
【0100】
図14Aは、変調するステップ122が、閲覧スクリーン12に投影すべき画像の対応する画素の所望の輝度に基づいて、各マイクロミラー34または液晶セル34’を別々に位置決めするステップを含む、一実施形態を示す。そのような一実施形態では、投影すべき画像が閲覧スクリーン12上で均一のゼロ以外の輝度を有する場合、再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34は、変調するステップ122中に単一の平面に沿って位置合わせされるはずである。この実施形態では、投影すべき画像が閲覧スクリーン12上で均一のゼロの輝度を有する場合、再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34は、前記同じ単一の平面から最も遠く離れているはずである。後者の場合、前記単一の平面に対するマイクロミラー34の分布は、図14Aに示すようなチェッカボード・パターンを形成するはずである。このチェッカボード・パターンでは、奇数マイクロミラー34は、単一の平面の片側に位置決めされ、偶数マイクロミラーは、同じ単一の平面の反対側に位置決めされる。輝度が投影すべき画像上で画素ごとに変わる他の状況では、変調するステップ122は、各マイクロミラー34を、投影すべき画像の対応する画素の輝度に応じて、同じ単一の平面から距離を空けて位置決めするステップを含むはずである。特に、画像の画素での所望の光強度IがIである場合、再構成可能なミラー配列16の対応するマイクロミラー34は、再構成可能なミラー配列16のその部分から出射する波面に相対位相Φをもたらすように位置決めされるはずである。ここでΦは、以下のように規定されるはずである。
Φ=±arccos([I/Imax]1/2)
上記の等式では、±符号は同じ平面の側面を示し、Imaxは、投影すべき画像の任意の画素の最大輝度である。変調するステップ122では、均一のゼロ以外の輝度の画像の場合に配置されるはずの単一の平面の両側に、そのような偶数および奇数マイクロミラー34を位置決めするはずであることから、この符号は、偶数マイクロミラー34では正であり、奇数マイクロミラー34では負である。
【0101】
図14Bは、変調するステップ122が、マイクロミラー34または液晶セル34’の独立して隣接する対、すなわち局所的な動作グループ(LOG)を別々に位置決めするステップを含む、一実施形態を示す。図14Bでは、局所的な動作グループLOG間の境界を二重線で示し、そのような一実施形態のマイクロミラー34間の境界を単線で示す。そのようなそれぞれの局所的な動作グループLOGでは、一方のマイクロミラー34を白色の正方形で示し、他方のマイクロミラー34を網掛けをした正方形で示す。白色の正方形および網掛けをした正方形で示すマイクロミラー34は、変調ステップ122中に異なる形で動かされる。
【0102】
いくつかのそのような実施形態では、網掛けをした正方形で示すマイクロミラー34は固定され、すなわちMEMS作動式ではなく、白色の正方形で示すマイクロミラー34は、MEMSアクチュエータによって動かすことができる。変調するステップ122中、白色の正方形に対応する各マイクロミラー34は、投影すべき画像の対応する画素の輝度に基づいて、そのMEMSアクチュエータによって位置決めされる。特に、そのような各マイクロミラー34は、相対位相変化Φをもたらすように位置決めされる。ここで、マイクロミラー34に入射する波面上で、Φ=2・arcos([I/Imax]1/2)である。すなわち、局所的な動作グループの可動式マイクロミラー34は、同じ画素輝度を実現するために、再構成可能なミラー配列16の各画素が単一のマイクロミラー34を有する実施形態の場合より2倍遠くへ動かされる。
【0103】
他のそのような実施形態では、動作グループの両方のマイクロミラー34をMEMS作動式および可動式とすることができる。次いで、各動作グループでは、2つのマイクロミラー34は、例えばこれらの2つのマイクロミラー34間で、(2・arcos([I/Imax]1/2)という相対位相変化Φをもたらすように位置決めすることができる。いくつかのそのような実施形態では、局所的な動作グループのマイクロミラー34の中心位置はまた、投影すべき画像内の局所的な動作グループに対応する画素に隣接する画素内で回折によってもたらされる光の汚染を低減するように、実験的に調整することができる。例えば、そのような調整は、できる限りチェッカボード/交互パターンを形成するように、局所的な動作グループを垂直および/または水平方向に位置決めし直すステップを含むことができる。
【0104】
再び図11A〜11Dを参照すると、装置10A〜10Dのいくつかの実施形態では、平面98内の回折光パターンの選択されたゼロ以外の次数の光を伝送するように構成された伝送フィルタ96を含む。そのような実施形態では、例えば照明光のうち、伝送フィルタ96によって光が選択的に伝送される輝点に向けられる光の百分率を増大させるために、再構成可能なミラー配列16のマイクロミラー34に目印を付けることができる。そのように目印を付けるステップは、入射光ビーム26に対して垂直でない入射角で前記マイクロミラー34の反射面に傾斜させるステップを含むことができ、かつ/または前記マイクロミラーもしくは動作グループ34の反射面に階段を作って目印をまねるように、ミラーのグループをエッチングしもしくは動かすステップを含むことができる。
【0105】
図11Eの装置10Eの様々な実施形態では、個々の液晶セル34’またはそれらの局所的な動作グループはまた、入射光波面で前述の相対位相をもたらすように構成することができる。特に、相対位相Φは、同じ式、例えばΦ=arcos([I/Imax]1/2)に従って、所望の画像の対応する画素の光強度に依存することができる。
【0106】
開示、図面、および特許請求の範囲から、本発明の他の実施形態が、当業者には明らかになるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコヒーレント源を備える光源であって、各コヒーレント源が、残りのコヒーレント源とは異なる色の光を発するように構成される、光源と、
ミラーおよびMEMSアクチュエータの再構成可能な配列であって、各ミラーが、MEMSアクチュエータのうち、制御されるミラーを平行移動させることが可能な対応するMEMSアクチュエータによって制御される、再構成可能な配列とを備え、
前記光源が、前記ミラーを時分割色多重光ビームで照らすように構成される、装置。
【請求項2】
処理装置を備え、
前記光源が、20ヘルツを超える周波数で前記光ビームを、第1の色を有するときと第2の色を有するときとの間で変動させるように構成され、
前記処理装置が、前記光ビームが前記第1の色を有するときは前記配列の前記ミラーが第1の平行移動の空間分布を有し、また前記光ビームが前記第2の色を有するときは前記配列の前記ミラーが異なる第2の平行移動の空間分布を有するように、前記MEMSアクチュエータを動作させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置が、閲覧スクリーンに画像を形成するように構成され、その結果前記画像が、時間的に一定でありかつ前記コヒーレント源の前記色の重ね合わせを有することが人には閲覧されるはずである、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
光ビームの向きを前記光源から前記再構成可能な配列の方へ変えるように配置されたビーム・スプリッタと、
前記ビーム・スプリッタと前記再構成可能な配列の間に配置された波長板と
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
処理装置をさらに備え、
前記ミラーの直径が、前記光源によって生成される光の中心波長の20倍より小さく、
前記処理装置が、前記配列が閲覧スクリーンに第1の色の第1の画像を形成し、かつ前記閲覧スクリーンに第2の色の第2の画像を形成し、その結果前記第1および第2の画像が同じ寸法を有するように、前記MEMSアクチュエータを動作させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ミラーの再構成可能な配列で画像を形成する方法であって、
基準面から前記配列の前記ミラーまでの距離が均一でない空間分布を有するように前記ミラーの一部を平行移動させることによって、前記配列を構成するステップと、
コヒーレント光ビームの一部が前記配列に反射されて平面閲覧スクリーンに投影されるように、前記構成された配列を前記光ビームで照らすステップとを含む、方法。
【請求項7】
次いで、前記基準面から前記配列の前記ミラーまでの距離が新しい均一でない空間分布を有するように前記ミラーの一部を平行移動させることによって、前記配列を再構成するステップと、
異なる色のコヒーレント光ビームの一部が前記平面閲覧スクリーンに投影されるように、前記再構成された配列を異なる色の前記光ビームで再び照らすステップと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
一連の連続する時間枠のそれぞれの間、構成し、照らし、再構成し、かつ再び照らす動作を繰り返すステップをさらに含み、
前記枠がそれぞれ、長さ1/20秒未満である、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ミラーの最大直径が、前記光ビームの光の波長の20倍より小さい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ミラーの最大直径が、前記光ビームの光の前記波長の20倍より小さい、請求項6に記載の方法。
【請求項1】
複数のコヒーレント源を備える光源であって、各コヒーレント源が、残りのコヒーレント源とは異なる色の光を発するように構成される、光源と、
ミラーおよびMEMSアクチュエータの再構成可能な配列であって、各ミラーが、MEMSアクチュエータのうち、制御されるミラーを平行移動させることが可能な対応するMEMSアクチュエータによって制御される、再構成可能な配列とを備え、
前記光源が、前記ミラーを時分割色多重光ビームで照らすように構成される、装置。
【請求項2】
処理装置を備え、
前記光源が、20ヘルツを超える周波数で前記光ビームを、第1の色を有するときと第2の色を有するときとの間で変動させるように構成され、
前記処理装置が、前記光ビームが前記第1の色を有するときは前記配列の前記ミラーが第1の平行移動の空間分布を有し、また前記光ビームが前記第2の色を有するときは前記配列の前記ミラーが異なる第2の平行移動の空間分布を有するように、前記MEMSアクチュエータを動作させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置が、閲覧スクリーンに画像を形成するように構成され、その結果前記画像が、時間的に一定でありかつ前記コヒーレント源の前記色の重ね合わせを有することが人には閲覧されるはずである、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
光ビームの向きを前記光源から前記再構成可能な配列の方へ変えるように配置されたビーム・スプリッタと、
前記ビーム・スプリッタと前記再構成可能な配列の間に配置された波長板と
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
処理装置をさらに備え、
前記ミラーの直径が、前記光源によって生成される光の中心波長の20倍より小さく、
前記処理装置が、前記配列が閲覧スクリーンに第1の色の第1の画像を形成し、かつ前記閲覧スクリーンに第2の色の第2の画像を形成し、その結果前記第1および第2の画像が同じ寸法を有するように、前記MEMSアクチュエータを動作させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ミラーの再構成可能な配列で画像を形成する方法であって、
基準面から前記配列の前記ミラーまでの距離が均一でない空間分布を有するように前記ミラーの一部を平行移動させることによって、前記配列を構成するステップと、
コヒーレント光ビームの一部が前記配列に反射されて平面閲覧スクリーンに投影されるように、前記構成された配列を前記光ビームで照らすステップとを含む、方法。
【請求項7】
次いで、前記基準面から前記配列の前記ミラーまでの距離が新しい均一でない空間分布を有するように前記ミラーの一部を平行移動させることによって、前記配列を再構成するステップと、
異なる色のコヒーレント光ビームの一部が前記平面閲覧スクリーンに投影されるように、前記再構成された配列を異なる色の前記光ビームで再び照らすステップと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
一連の連続する時間枠のそれぞれの間、構成し、照らし、再構成し、かつ再び照らす動作を繰り返すステップをさらに含み、
前記枠がそれぞれ、長さ1/20秒未満である、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ミラーの最大直径が、前記光ビームの光の波長の20倍より小さい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ミラーの最大直径が、前記光ビームの光の前記波長の20倍より小さい、請求項6に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【公表番号】特表2010−520515(P2010−520515A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552680(P2009−552680)
【出願日】平成20年2月11日(2008.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/001803
【国際公開番号】WO2008/108915
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月11日(2008.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/001803
【国際公開番号】WO2008/108915
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】
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