説明

ホームネットワークまたは他の公衆ネットワークへのアクセスを促進する装置および関連方法

ワイヤレスデバイスによるホームネットワークアクセス又は他の公衆ネットワークアクセスを促進する装置および関連方法に関する。そのアクセスは、別のネットワークを介して公衆ネットワークに接続する場合、ワイヤレスデバイスによって公衆ネットワークサービスにアクセスするために行われる。802.1x対応WLAN(もしあれば)を介したアクセス利用可能性が決定される。接続がそのネットワークを介して行われ得るネットワークのリスティングが行われる。又、オペレータポリシーが許容する場合、公衆ネットワークアクセス試行器は、802.1x非対応WLAN(もしあれば)を介して通信接続を行うことを試行する。ネットワークアクセス利用可能性の識別が行われ、そのような識別されたネットワークアクセスは表示され、公衆ネットワークに何の手法で接続するかを選択する機会をワイヤレスデバイスのユーザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、ネットワーク(例えば、ワイヤレスデバイスのHPLMN(ホーム公衆陸上モバイルネットワーク(Home Public Land Mobile Network)))へのワイヤレスデバイスのアクセスを促進するための手法に関する。より詳細には、本開示は、装置および関連方法であって、その装置および関連方法において、利用可能な場合に第1の認証型接続を介してか、または利用可能な場合に第2の認証型接続を介して、ワイヤレスデバイスがネットワークにアクセスする、装置および関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信サービスおよび他のワイヤレス通信サービスを提供する様々なセルラー式のシステムおよびセルラー式の特徴を持つシステムが、開発され、かつ、採用されている。ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)は、そのようなセルラー式の特徴を持つ通信システムの例示である。WLANは通常、例えば、Wi−max、802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、GERAN(汎用無線アクセスネットワーク(Generic Radio Access Network))、UTRAN(汎用地上無線アクセスネットワーク(Universal Terrestrial Radio Access Network))、LTE(ロングタームエボリューション(Long Term Evolution))、または任意の様々な他のネットワーク技術方式に準拠してインプリメントされたIP(インターネットプロトコル)対応のネットワークである。WLANシステムは一般に、セルラー式のもの(即ち、PLMN(公衆陸上モバイルネットワーク(Public Land Mobile Network)))が通常採用されるエリアよりも相対的に小さなエリアにわたって採用されるが、他のWLAN技術(例えば(限定されることなく)、Wi−max)は現在、PLMNの有効範囲に匹敵する有効範囲を提供している。WLANは、例えば、ビジネスまたは他のエンタープライズを包含するために採用される。WLANは、PLMNもまた動作させるオペレータによって動作させられることがある。
【0003】
WLANシステムとPLMNシステムとの間の相互動作は、それらのネットワークシステムの両方において動作可能な移動局を用いてシームレスの通信動作に備える。WLANシステムを介した通信が一般にPLMNシステムを介した通信よりも費用がかからないため、WLANシステムを介した通信が利用可能な場合に、WLANシステムを介した通信は、一般に好ましい。
【0004】
PLMNシステムにおいて動作する移動局は、ホームネットワーク(即ち、HPLMN(ホーム公衆陸上モバイルネットワーク))に関連付けられる。特定のサービス(本明細書内ではHPLMNサービスと呼ばれる)に対する契約は通常、移動局がそのサービス契約に準拠することを許容されるように行われる。移動局がHPLMNにおける直接通信接続能力の内にあるように位置する場合に、そのようなサービスは、HPLMNにおける移動局の認証に基づいて移動局に利用可能にされる。しかし、移動局がHPLMNの有効範囲のエリアを越えてローミングする(roam)場合、または、そうでなければ移動局がHPLMNと直接的に通信しない場合、移動局は、別のネットワーク(例えば、WLAN)を介してHPLMNにアクセスする。他のネットワークを介して実行される認証メカニズムであって、移動局によるHPLMNサービスへのアクセスのための認証メカニズムが必要とされることがある。
【0005】
最近の注目は、そのようなメカニズムに向けられている。例えば、一連の技術規格の文書TS24.234は、ワイヤレスデバイス(UE(ユーザ装置))がHPLMNサービスにアクセスすることを許容するための2つのメカニズムを定義する。1つのメカニズムは、IEEE802.1x認証の使用に関係がある。また、第2のメカニズムは、802.1x認証非対応のWLANを介する。第2のメカニズムにおいて、ワイヤレスデバイスは、HPLMNネットワークノード(例えば、PDG(パケットデータゲートウェイ)など)に直接的にトンネルする(tunnel)。ネットワークであって、ワイヤレスデバイスがそのネットワークを介してHPLMNサービスへのアクセスを試行することができる、ネットワークの利用可能性は、ワイヤレスデバイスが位置する場所に依存する。
【0006】
上記の技術標準規格が、2つのメカニズムであって、ワイヤレスデバイスがそれらのメカニズムによってHPLMNシステムにアクセスし得る、2つのメカニズムを定義するが、既存の技術標準規格は現在まで、メカニズムの様々な局面を定義していない。例えば、技術標準規格は、それらのメカニズムが相互に組合せられた場合のそれらのメカニズムのはたらきを全く定義していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、従って、ワイヤレスデバイスのホームネットワーク(例えば、ホーム公衆陸上モバイルネットワーク(HPLMN))への、ワイヤレスデバイスのアクセスを促進するための装置および関連方法を有利に提供する。
【0008】
本開示の一実施形態の動作を通じて、利用可能な場合に第1の認証型接続を介してか、または利用可能な場合に第2の認証型接続を選択可能に介して、ホームネットワークサービスへのワイヤレスデバイスのアクセスを促進するための手法が提供される。
【0009】
本開示の1つの局面において、ワイヤレスデバイスは、ネットワークブロードキャストのネットワーク識別および他の情報についてモニターする。ブロードキャストの検出を通じて、ワイヤレスデバイスは、通信するための関連したネットワークを介して、その関連したネットワークの潜在的な利用可能性を認識させられる。ネットワークは、例えば、SSID(サービスセット識別子)値によって識別される。
【0010】
本開示の別の局面において、SSIDリストは、ワイヤレスデバイスにおいて維持され、ワイヤレスデバイスは、ネットワークに関連したSSID値を識別し、そのネットワークは、例えば、ワイヤレスデバイスがHPLMNを越えてローミングする場合に、ワイヤレスデバイスによって用いられることが好ましい。1つのインプリメンテーションにおいて、複数のSSIDリストが維持され、リストのうちの異なるリスト上のSSID値の入力は異なるレベルの使用の選択に関連する。また、1つのインプリメンテーションにおいて、禁止SSIDリスト(prohibited−SSID list)がさらに維持され、ワイヤレスデバイスが通信することを禁止されるネットワークに関連したSSID値をリストする。また、1つのインプリメンテーションにおいて、SSIDリストは、上記のTS24.234の技術規格の中に規定されるリストに対応する。
【0011】
本開示の別の局面において、ワイヤレスデバイスによるネットワークスキャンの間に検出されたSSID値は、1つ以上のSSIDリストに格納された値と比較される。ワイヤレスデバイスによって検出されることと、ワイヤレスデバイスの許容されたネットワークのSSIDリスト上にリストされることとの両方が行われるそれらのSSID値によって、その比較の結果がネットワークを識別する。
【0012】
本開示の別の局面において、その比較の結果として識別されたネットワークは、802.1x対応であるか、または802.1x非対応であるかをさらに識別される。802.1x対応のネットワークに対する接続および認証のメカニズムは、例えば、技術規格TS24.234において定義される。また、関連付けられたSSID値によって識別された802.1x対応のネットワークの各々に対して、802.1x対応のネットワークを介したHPLMNへのアクセスの利用可能性が決定される。即ち、1つ以上のネットワークが、潜在的に利用可能であると識別され、かつ、SSIDリスト上にある場合に、接続および認証のメカニズムは、さらなるネットワークを介して繰り返される。即ち、その比較の結果として識別された各ネットワークに対して、ネットワークノード(例えば、パケットデータゲートウェイまたはワイヤレスデバイスのホームネットワークの他のエンティティ)とのアクセスの利用可能性の決定が行われる。アクセス可能な場合に、ワイヤレスデバイスは、成功したアクセスの記録を作る。それにより、802.1x対応の各ネットワークのリストが生成され、そのネットワークを介したアクセスは、ワイヤレスデバイスのホームネットワークにアクセスするように行われることが可能である。
【0013】
本開示の別の局面において、リストに格納されたSSIDを用いる利用可能なネットワークの比較はまた、識別された複数のネットワークのうちの任意のものが802.1x非対応のネットワークであるかどうかを識別する。そのような802.1x非対応の各ネットワークに対して、ネットワークノード(例えば、ワイヤレスデバイスに関連したHPLMNのパケットデータゲートウェイなど)へのトンネル(tunnel)をセットアップするための試行が選択可能に行われる。トンネリング(tunneling)が成功した場合、かつ、SSID識別されたネットワークを介してワイヤレスデバイスがホームネットワークとの接続を行うことができる場合に、ワイヤレスデバイスは、接続試行の成功の記録を行い、そのトンネルは取り外される。2つ以上の802.1x非対応のネットワークが識別された場合に、そのメカニズムは、さらなる識別されたネットワークの各々に対して繰り返される。接続が成功のうちに形成された場合に、ワイヤレスデバイスは、成功した接続の記録を行い、そのトンネルを取り外す。
【0014】
それにより、802.1x対応および非802.1xのネットワークの各々のリスティングが提供され、それらのネットワークは、ワイヤレスデバイスのホームネットワークへの接続に備え、それによりHPLMNサービスへのアクセスに備える。
【0015】
本開示の別の局面において、オペレータポリシーがワイヤレスデバイスにおいて提供され、格納される。そのポリシーは、メモリ要素に格納され、そのメモリ要素は、ワイヤレスデバイスの内部にあるか、またはワイヤレスデバイスに着脱可能に接続できる着脱可能なメモリを形成するかのいずれかである。オペレータポリシーは、ワイヤレスデバイスが802.1x非対応のネットワークを介してホームネットワークに接続することを試行すべきかどうかを識別する。ポリシーの他のインプリメンテーションは、オペレータポリシーに依存して、802.1xのネットワークを最初に試用するか、または非802.1xのネットワークを最初に試用するかするためのものであり得、802.1x非対応のネットワークを介した接続を試行するという選択がなされる。
【0016】
従って、これらの局面および他の局面において、ワイヤレスデバイスによるネットワークアクセスを促進する装置および関連方法が提供される。利用可能な場合に第1の認証型接続を介したネットワークへのアクセスの利用可能性が決定される。また、利用可能な場合に第2の認証型接続を介して、ネットワークアクセスは、選択可能に試行される。ホームネットワークアクセスの試行に応答するネットワークアクセスの利用可能性が識別される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本開示の一実施形態が動作可能である一例示的通信システムの機能ブロック図を示す。
【図2】図2は、本開示の一実施形態の動作に準拠して生成される一例示的スクリーン表示を示す。
【図3】図3は、本開示の一実施形態の動作のシーケンスを表すシーケンス図を示す。
【図4】図4は、本開示の一実施形態の動作の方法を表す方法フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
従って、最初に図1に目を向けると、10において、移動局(例えば、通信システムのネットワーク部分と通信するように動作可能である移動局12)を有するワイヤレス通信システムを形成する配置が一般的に示される。単一の移動局12のみがその図において示される一方で、通常の配置において、多数の移動局が、通信サービスのパフォーマンスに準拠して通信するように同時に動作可能である。移動局は、ワイヤレスデバイスであり、UE(ユーザ装置)とも呼ばれることがある。ワイヤレスデバイス、移動局およびUEという用語は、区別なく本明細書内に用いられる。
【0019】
通信システムの例示的ネットワーク部分は、公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)16とワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)との両方を含む。ここで、公衆陸上モバイルネットワークのうちの1つは、ホームネットワーク(ここでは、HPLMN(ホーム公衆陸上モバイルネットワーク)16−1)を形成する。他の移動局も、同様にホームネットワーク(必ずしもHPLMN16である必要はない)に関連付けられる。即ち、移動局は、そのホームネットワークとして、特定のPLMN16に関連付けられる。図1に示される配置が単に例示であることは留意されたい。また、ネットワーク16がPLMN(換言すると、様々なVPLMN(訪れられた公衆陸上モバイルネットワーク(Visited Public Land Mobile Network))およびHPLMN(ホーム公衆陸上モバイルネットワーク))であるように示される一方で、これらのネットワークは、他の配置において、必要に応じて、適切なネットワークの再構成を用いた他のネットワークタイプとしてインプリメントされる。
【0020】
ここで、移動局12は、マルチモードの移動局であり、マルチモードの移動局は、HPLMN16−1との移動局の通信を可能にする通信プロトコルに従うだけでなく、PLMN16の他のネットワークとも移動局の通信を可能にする通信プロトコルに従った移動局の通信を可能にする。ここで、ネットワーク16は、SS7または他の適切なエンティティ22によって相互接続されるように示される。そして、HPLMN16−1はまた、ネットワークノード(ここでは、例示的な目的のためにパケットデータゲートウェイ(PDG)24と呼ばれる)を含むが、ホームネットワークへのアクセスを提供する別のネットワークノードでもあり得る。パケットデータゲートウェイまたは他のノードは、移動局に知られているIPアドレスによって識別される。ネットワーク16も、パケットデータゲートウェイ(単独には示されていない)を含む。移動局がHPLMNの有効範囲のエリア内に位置する場合に、移動局は、サービス契約または他の認証に準拠してHPLMNと通信することが可能である。また、PLMN16のオペレータとのローミングまたは他の取決めが整っている場合に、移動局はまた、同じ通信プロトコルを用いて、PLMN16を介して移動局のHPLMN16−1と通信することができる。パケットデータゲートウェイまたは他のノードは、例えば、検出器、認証器(authenticator)およびアクセス許諾器(access grantor)の機能を含む。
【0021】
ここで、移動局のマルチモード能力はまた、WLAN26との移動局の通信を可能にする。ここで、複数のWLANは、移動局が位置する場所を含む、重複する有効範囲のエリアとともに示される。WLANによって用いられる通信プロトコルは、例えば、Wi−max、802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、GERAN、UTRAN、LTE、または任意の他の様々なIPもしくは他のネットワークタイプを含む任意の様々な方式である。図1に示される配置において、移動局12は、WLAN26の各々によって包含される有効範囲のエリア内に位置する。また、移動局は、任意のWLAN26と通信し、かつ、任意のWLAN26を介して通信することが潜在的に可能である。移動局が1つ以上のWLAN26と通信することが潜在的に可能である一方で、ホームネットワークサービスは、移動局のホームネットワークを介してアクセス可能である。WLANを介して通信が実行される一方で、HPLMNサービスにアクセスするために、アクセスは、HPLMNに対して行われなければならない。図1に示される配置において、移動局は、HPLMNの有効範囲のエリアを越えて存在する。また、他のシナリオにおいて、たとえHPLMNの有効範囲のエリア内であっても、移動局との通信がWLANを介して実行されることが好ましい理由が存在することがある。
【0022】
WLANは、網間接続装置(IWU)32を介するか、またはPLMN16を介して、HPLMNとの通信接続可能性において配置可能であるように様々に示される。網間接続装置は、WLANとPLMNとの間の相互動作を提供する。シグナリングおよびユーザデータはIWUによって変換され、それにより、ネットワーク間で通信される場合に異なるタイプのネットワーク間で通信される場合、シグナリングおよびユーザデータの使用を可能にする。
【0023】
前に記載された通り、一連の文書である技術規格TS24.234は、ワイヤレスデバイスがHPLMNサービスにアクセスすることを可能にするための2つのメカニズムを定義する。第1のものは、IEEE802.1x認証メカニズムを利用する。また、第2のものは、802.1x認証非対応のWLANを用いる。さらに前に記載された通り、技術標準規格は、それらの2つのメカニズムが相互に組合せられた場合にどのようにはたらくのかを特定していない。
【0024】
従って、本開示の一実施形態に準拠して、移動局は、移動局によるホームネットワークアクセスを促進する装置42を含む。その装置は機能的に表され、例えば、処理回路網によって実行可能なアルゴリズムを部分的に含む任意の所望の手法において、インプリメント可能である。その装置は、ここでは受信部43および送信部44で形成される送受信器回路網に接続されるように、ここでは示される。送受信器回路網から別個であるように示される一方で、1つのインプリメンテーションにおいて、装置42の一部は、送受信器回路網の一部とともに具現される。その装置は、第1のホームネットワークアクセス利用可能性決定器52、第2のホームネットワークアクセス試行器54および識別器56を含む。また、前に記載された通り、ネットワーク16が例示的配置においてPLMNを含み、かつ、その装置が例示的配置においてHPLMN16−1へのアクセスを促進するように述べられる一方で、より一般的には、その装置は、任意の選択された公衆ネットワークまたは他のネットワークへのアクセスを促進する。
【0025】
また、メモリ要素62が示される。メモリ要素は、例えば、PCカード(例えば、PCMCIA)、コンパクトフラッシュ(登録商標)I(CF−I)、コンパクトフラッシュ(登録商標)II(CF−II)、スマートメディアカード(SM/SMC)、メモリスティック、メモリスティックデュオ(MSD)、メモリスティックプロデュオ(MSPD)、メモリスティックプロ−HGデュオ(MSPDX)、メモリスティックマイクロm2(M2)、マルチメディアカード(MMC)、マルチメディアカード(RS−MMC)、MMCマイクロカード(MMC micro)、セキュアデジタルカード(SD)、SxS(SxS)、汎用フラッシュストレージ(universal flash storage)(UFS)、ミニSDカード(mini SD)、マイクロSDカード(micro SD)、XDピクチャーカード(xD)、インテリジェンススティック(I Stick)、シリアルフラッシュモジュール(SFM)、マイクロカード(micro card)またはNTカード(NT NT+)USIM、ISIM、R−URIM、UICCなどで形成される任意の様々な構成である。メモリ要素はまた、例えば、ワイヤレスデバイスの固定記憶装置の場所(fixed storage location)を含む。
【0026】
1つのインプリメンテーションにおいて、SSIDのリスト項目64(サービスセット識別子)が、メモリ要素62において維持される。そのリストは、例えば、技術規格TS24.234に従っている。あるいは、代替的に、SSIDリストは、他の手法において(例えば、別個のリスト上で、例えば最も好ましいネットワークおよび最も好ましくないネットワークを含む、異なる選択レベルのネットワークのSSID値を含むことによって)構成される。
【0027】
また、インタフェース(UI)72がさらに示される。インタフェース72は、情報の入力および情報の表示を可能にするための、それぞれ入力およびディスプレイを含む。その入力は、例えば、電話のキーパッドおよびQWERTYキーボードを含む。また、ディスプレイは、例えば、英数字の情報を少なくとも表示する能力がある液晶ディスプレイを含む。
【0028】
動作中に、ワイヤレスデバイスは、ブロードキャストするWLANの有効範囲のエリア内にワイヤレスデバイスが存在するかどうかを決定するために、複数のWLANのうちの複数の異なるWLANによる情報のブロードキャストに対してスキャンを行う。ブロードキャスト情報の中の検出されたSSID値は、格納された(メモリ要素62に格納された)SSID値と比較される。そのブロードキャストは、検出されたWLANの802.1x対応を示す。あるいは、そうでなければ、ワイヤレスデバイスは、例えば、ワイヤレスデバイスに予め格納された情報によって、WLANの能力について認識させられる。また、ワイヤレスデバイスは、検出された情報を格納された(メモリ要素62に格納された)情報と比較する。その比較は、ワイヤレスデバイスによって検出された信号をどのネットワークが有するのかを示し、通信するために、ワイヤレスデバイスによってどのネットワークが用いられ、どのネットワークを介することを許容されるのかを示す。
【0029】
アクセス利用可能性決定器52は、いずれかのWLANが識別された場合に、802.1x互換のWLAN26を介してHPLMN16へのアクセスの通信の利用可能性を決定するように動作する。複数のWLANが802.1x互換であるとして識別された場合に、決定器は、識別された複数のWLANの各々に対する手続きを繰り返し行う。802.1x互換のWLANの各々を介したアクセス利用可能性の決定は、上記の技術規格TS24.234の中に規定されるメカニズムに従って実行される。その試行の結果は識別器56に学習され、複数の指示が識別器56に提供され、識別器56は次いで、ユーザインタフェースのディスプレイにその結果が表示されることをもたらす。
【0030】
アクセス試行器54は、オペレータポリシーがそのような接続試行を許容する場合に、HPLMN16との接続を形成することを試行するように動作する。オペレータポリシーは、ワイヤレスデバイスに提供され、ここではメモリ場所78に格納されるように示され、試行器54によってアクセス可能である。メモリ要素62とは別個であるように機能的に表されている一方で、メモリ場所は、一例示的インプリメンテーションにおいて、メモリ要素62に物理的に配置される。
【0031】
例示的動作において、アクセス試行器54は、802.1x非対応の各WLAN(もしあれば)に対して試行し、オペレータポリシーによって認証された場合に、識別されたWLANを介してネットワークノード(例えば、HPLMNのパケットデータゲートウェイ24)へのトンネルをセットアップすることを試行することを試みる。そのトンネルは、そのようなトンネルがパケットデータゲートウェイ24との接続である場合に、WLANおよびIWU32を介して存在する。あるいは、そのトンネルは、そのようなトンネルがHPLMNへの連絡である場合に、PLMN16を介して形成される。終点(例えば、PDG24)のIPアドレスはまた、ワイヤレスデバイスに知られている。例えば、DNS(ドメインネームシステム)ルックアップに応答するIPアドレスの知識が得られる。成功した接続が形成される場合に、ワイヤレスデバイスは次いで、トンネルを取り外し、さらなる非802.1xの各WLAN(もしあれば)に対して、同じ手順を繰り返して行う。接続試行の結果は、識別器56に学習され、提供される。識別器は、ユーザインタフェース上のディスプレイに成功した通信パスの接続の表示をもたらす。
【0032】
ある形態の必要とされる認証の802.1x非対応のWLANが含み、ワイヤレスデバイスがあて先IPアドレスに到達できないかまたはFQDN(登録ドメイン名(Fully Qualified Domain Name))を解決できない場合において、1つのインプリメンテーションにおいて、ワイヤレスデバイスは、ブラウザを開き、かつ、好結果の接続試行を行うための情報を得ることを試行するようにさらに動作可能である。
【0033】
図2は、インタフェース72(図1に示されている)のユーザディスプレイ上で表示可能な一例示的スクリーン表示84を示す。例示的インプリメンテーションにおいて、識別器56(図1に示されている)は、ディスプレイ84の表示に接続試行の完了をもたらす。即ち、802.1x対応のネットワークおよび802.1x非対応のネットワークの両方が検出され、かつ、オペレータポリシーが第2の試行器54の動作を許容する場合に、そのディスプレイは、試行器52および54の両方の完了に基づく情報を表示する。特定の接続および認証型のWLANが利用可能でない場合に、その表示は、それに応じてそのような接続のいずれの表示も含まない。ここで、例示的ディスプレイ84は、3つの列(第1の列86、第2の列88および第3の列92)を示す。第1の列は、PLMNの識別を示し、第2の列88は、WLANの識別を示し、第3の列92は、利用可能な接続の各々に対するアクセスの方法を示す。
【0034】
図3は、本開示動作の一実施形態に準拠する、102において示される一例示的プロセスを示す。そのプロセスは単に例示である。他のインプリメンテーションにおいて、プロセスステップは、任意の様々な順序において行われる。
【0035】
例示的プロセスにおいて、ワイヤレスデバイス12は、複数のWLAN26のうちの複数の異なるWLANによる情報のブロードキャスト104を検出するためにチャネルをスキャンする。スキャンに準拠して、少なくとも802.1x性能の観点において、潜在的に利用可能なWLANおよびそれらの認証型についての、ブロック104によって示される検出が行われる。検出されたSSID値と格納された(ワイヤレスデバイスに格納された)SSID値とについての、ブロック112によって示される比較が行われる。
【0036】
また、次いで、ブロック114によって示される通り、ホームネットワークへのアクセスの利用可能性が、利用可能であり、かつ、メモリ要素にリストされている802.1x対応のWLAN(もしあれば)の各々を介して決定される。技術規格TS24.234の中に規定されるそれらに対応するメカニズムが用いられ、セグメント118によって示される。
【0037】
次いで、ブロック122によって示される通り、ワイヤレスデバイスは、オペレータポリシーを調べ、ワイヤレスデバイスが802.1x非対応のネットワークを介した接続試行を行うことが許容されているかどうかを決定する。そうである場合に、ブロック124によって示される試行が行われ、ここではセグメント128によって示されるトンネリング接続が実行される。
【0038】
成功した接続試行の、ブロック132によって示される識別が行われる。また、識別された成功した接続の、ブロック134によって示される表示が行われる。ワイヤレスデバイスのユーザは、ディスプレイを見ることによって、通信サービスを行うための通信動作に準拠した特定のWLANの使用の選択を行う機会を提供される。下記は、プロセス(例えば、プロセス102に含まれるプロセス)を実行するための様々な実施形態の擬似コード(psuedo−code)のインプリメンテーションである。
【実施例】
【0039】
(実施形態1)
【0040】
【化1】

【0041】
【化2】

(実施形態2)
【0042】
【化3】

【0043】
【化4】

(実施形態3)
【0044】
【化5】

【0045】
【化6】

(実施形態4)
【0046】
【化7】

【0047】
【化8】

(実施形態5)
【0048】
【化9】

【0049】
【化10】

図4は、本開示の一実施形態の動作の方法を表す、154において一般的に示される方法フロー図を示す。その方法は、ワイヤレスデバイスによるホームネットワークアクセスを促進する。
【0050】
また、最初に、ブロック156によって示される通り、利用可能な場合に第1の認証型接続を介して公衆ネットワークアクセスの利用可能性が決定される。また、次いで、ブロック162によって示される通り、利用可能な場合に第2の認証型接続を介して公衆ネットワークアクセスが選択可能に試行される。また、次いで、ブロック164によって示される通り、公衆ネットワークアクセス試行に応答して、ネットワークアクセス利用可能性が識別される。公衆ネットワークアクセスは、例えば、移動局のホームネットワーク(例えば、移動局のHPLMN)についてのホームネットワークアクセスを含む。
【0051】
それにより、802.1x対応であるWLANおよび802.1x非対応であるワイヤレスローカルエリアネットワークの両方を介してワイヤレスデバイスをローミングすることによってホームネットワークアクセスを促進するための手法が提供される。
【0052】
今、本開示の好ましい実施形態が特定の度合いで述べられた。その詳述は、本開示をインプリメントするための好ましい実施例についてのものであり、好ましい実施例の詳述が本開示の範囲を限定することは必ずしも意図されていない。本開示の範囲は、次に続く特許請求の範囲によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスデバイスによる公衆ネットワークアクセスを促進するアクセスネットワーク方法であって、
該方法は、
第1の認証型接続を介して公衆ネットワークアクセス利用可能性を決定することと、
利用可能な場合に第2の認証型接続を介して公衆ネットワークアクセスを選択可能に試行することと、
該決定することの間、および該第2の認証型接続を介して該公衆ネットワークアクセスを選択可能に試行することの間に、決定された公衆ネットワークアクセス利用可能性に応答するネットワークアクセス利用可能性を識別することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の認証型を介して前記公衆ネットワークアクセス利用可能性を決定することは、802.1xアクセス手順を介して該公衆ネットワークアクセス利用可能性を決定することを含む、請求項1に記載のアクセス方法。
【請求項3】
前記第2の認証型を介して前記公衆ネットワークアクセスを選択可能に試行することは、非802.1xの直接接続手順を介して該公衆ネットワークアクセスを試行することを含む、請求項1に記載のアクセス方法。
【請求項4】
前記直接接続手順はトンネル手順を含む、請求項3に記載のアクセス方法。
【請求項5】
前記第1の認証型接続の利用可能性の情報を得ることをさらに含む、請求項1に記載のアクセス方法。
【請求項6】
前記得ることは、前記第1の認証型接続の利用可能性の情報のブロードキャストを検出するためにネットワークスキャンを行うことを含む、請求項1に記載のアクセス方法。
【請求項7】
前記第2の認証型接続の利用可能性の情報を得ることをさらに含む、請求項1に記載のアクセス方法。
【請求項8】
前記得ることは、前記第2の認証型接続の利用可能性の情報のブロードキャストを検出するためにネットワークスキャンを行うことを含む、請求項1に記載のアクセス方法。
【請求項9】
前記第2の認証型接続を介して前記公衆ネットワークアクセスを試行するかどうかを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記公衆ネットワークアクセスを試行するかどうかを決定することは、ワイヤレスデバイスに格納された許容表示にアクセスすることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ワイヤレスデバイスに格納された許容表示にアクセスすることは、着脱可能なメモリ要素であって、該ワイヤレスデバイスと連結可能なメモリ要素においてワイヤレスデバイスに格納された許容情報にアクセスすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ワイヤレスデバイスに格納された許容表示にアクセスすることは、ワイヤレスデバイスの内部メモリ要素においてワイヤレスデバイスに格納された許容情報にアクセスすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ワイヤレスデバイスの内部メモリにおいてワイヤレスデバイスに格納された許容情報は、OMA DMフォーマットされた情報を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記選択可能に試行することは、オープンアクセス認証接続を介して公衆ネットワークアクセスを選択可能に試行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
スプラッシュスクリーン認証接続を介して公衆ネットワークアクセスを選択可能に試行する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記決定することが、ホームネットワークアクセス利用可能性を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ワイヤレスデバイスによる公衆ネットワークアクセスを促進する装置であって、
該装置は、
第1の認証型接続を介して公衆ネットワークアクセス利用可能性を決定するように構成される公衆ネットワークアクセス利用可能性決定器と、
利用可能な場合に第2の認証型接続を介して公衆ネットワークアクセスを選択可能に試行するように構成される公衆ネットワークアクセス試行器と、
該公衆ネットワークアクセス利用可能性決定器によって決定される公衆ネットワークアクセス利用可能性と、該公衆ネットワークアクセス試行器による試行とに応答するネットワーク利用可能性を識別するように構成される識別器と
を含む、装置。
【請求項18】
前記公衆ネットワークアクセス利用可能性決定器が、802.1xアクセス手順を介して公衆ネットワークアクセス利用可能性を決定するように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記公衆ネットワークアクセス試行器が、非802.1xの直接接続手順を介して公衆ネットワークアクセスを試行するように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記直接接続手順はトンネル手順を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
許容表示を格納するように構成されるメモリ要素をさらに含み、前記公衆ネットワークアクセス試行器は、該許容表示に応答する第2の認証型接続がある場合に、該第2の認証型接続を介して該公衆ネットワークアクセスを試行するかどうかを選択するように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
前記公衆ネットワークアクセス利用可能性決定器が、ホームネットワークアクセス利用可能性を決定するように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
公衆ネットワークへのワイヤレスデバイスのアクセスを促進する装置であって、
該装置は、
該公衆ネットワークに位置するアクセス許諾器であって、該アクセス許諾器は、第1の認証型接続を介して受信された第1のアクセス要求に応答し、かつ、第2の認証型接続を介して受信された第2のアクセス要求に応答するワイヤレスデバイスのアクセスを選択可能に許諾するように構成される、アクセス許諾器と、
該第1のアクセス要求および該第2のアクセス要求のうちの任意のものを認証するように構成される認証器であって、該アクセス許諾器によるアクセスの許諾は、該認証器による認証に応答して行われる、認証器と
を含む、装置。
【請求項24】
公衆ネットワークへのワイヤレスデバイスのアクセスを促進する方法であって、
該方法は、
第1の認証型接続を介して受信された第1のアクセス要求、および第2の認証型接続を介して受信された第2のアクセス要求のうちの任意のものを検出することと、
該第1のアクセス要求および該第2のアクセス要求のうちの任意のものを認証することと、
該認証することの間に認証された場合に該公衆ネットワークへのワイヤレスデバイスのアクセスを許諾することと
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−523250(P2011−523250A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506416(P2011−506416)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/041396
【国際公開番号】WO2009/132095
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】