ホールセンサ素子および磁界を測定する方法
本発明は、ホールセンサ素子に関する。当該基板は、主要表面を備えた基板と、前記主要表面から前記基板内まで延在している、導電性のアクティブ領域と、前記アクティブ領域と、第1の下方のコンタクト面で接触している、基板内の導電性の第1埋設層とを有している。別の観点では、本発明は、上記のホールセンサ素子を用いた磁界の測定方法を実現する。ここでは、電気的な測定電流は主要表面での第1の上方コンタクト電極と第1の下方コンタクト面との間で、アクティブ領域を通って導かれる。第1の下方コンタクト面と第1の上方コンタクト電極との間の接続線に対して傾斜して延在する区間に沿って、アクティブ領域でホール電圧が検出される。択一的に、測定電流が上記の区間に亘って、アクティブ領域を通って導かれ、ホール電圧が第1の上方コンタクト電極と第1の下方コンタクト面との間で検出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホールセンサ素子に関する。このホールセンサ素子は、主要表面を備えた基板を有している。さらに本発明は測定方法、殊に当該ホールセンサ素子による磁界の多次元測定方法に関する。
【0002】
ホール効果をベースにしたホールセンサ素子は、幅広い技術領域において、磁界の磁束密度を測定するため、流れを無接触に測定するために用いられており、これと並んで無接触信号発生器として、例えば波、調整素子等の位置を磨耗無く検出するために使用されている。ホールセンサ素子は一般的に、4つのコンタクト端子を備えた、小さい半導体基板プレートから構成される。これらのコンタクト端子は、外部の駆動制御回路との電気的な接続のためのものである。これらの4つのコンタクト端子のうちの2つのコンタクト端子は、センサ素子のアクティブな半導体領域を通って動作電流を供給するために設けられており、別の2つのコンタクト端子は、ホール電圧を検出するために用いられている。ホール電圧は、アクティブな半導体領域内で磁束および電流の方向に対して垂直に生じる。
【0003】
DE102006017910A1号は、いわゆる水平なホールセンサ素子を開示している。ここでは動作電流とホール電圧は水平に、半導体基板の主要表面内を通る。水平なホールセンサ素子は比較的容易に、半導体構造体を製造する従来のCMOSプロセッサによって製造可能であり、基板面に対して垂直な、磁束密度成分をセンシングする。次回の多次元測定は、例えばコンパスアプリケーションにおいて必要であり、水平はホールセンサ素子によって可能である。これは、その上にそれぞれホールセンサ素子が構成されている複数の別個の小さい半導体基板プレートが、種々異なる空間方向に対して垂直に配置されていることによって実現される。しかしこれには、高い製造コストと空間が必要である。
【0004】
同じように、DE102006017910A1号には、垂直ホールセンサ素子が開示されている。ここでは動作電流とホール電圧とが、基板表面に対して垂直な面内を通っている。従って、基板面に対して平行な磁束密度成分がセンシングされる。この垂直ホールセンサ素子は多数のコンタクト領域を、基板内に延在している半導体領域の主要表面に有している。ここで、隣接するコンタクト領域の間には非導電性のバリア領域が配置されている。これは、主要表面から出発して、半導体領域内へと延在している。これによって、2つのコンタクト領域の間で半導体領域内に供給される動作電流が、主要表面から離れて保持される。しかしこの場合には、電荷担体に対する導電性が、半導体材料(有利にはケイ素)の表面と比べて、アクティブな半導体領域の深い領域内で格段に低くなってしまい、このような垂直ホールセンサ素子の効果が低くなってしまう、という問題が生じる。
【0005】
1つの半導体基板小プレート上の複数の水平ホールセンサ素子と、半導体基板小プレートの表面に対して平行な磁界成分を局部的に垂直な磁界内に偏向する、付加的に構造化されたフェロ磁性層とを備えた構造体が、C.Schottらによって提案されている。しかしこれには高い製造コストが必要である。なぜなら、この構造体は、半導体構造体を製造する従来のプロセッサによっては製造されないからである(C.Schott等著"CMOS Single−Chip Electronic Compass with Microcontroller:H.Casier等著[Hrsg.]内,Analog Circuit Design:Sensors,Actuators and Power Drivers;Integrated Power Amplifiers from Wireline to RF;Very High Frequency Front Ends,第55〜69頁,Springer Science+Business Media B.V"2008年)。
【0006】
従って、半導体基板小プレートの面に対して水平に延在する磁界成分を、低コストに半導体基板小プレート上に製造可能な構造体によって効果的に測定することを可能にすることが望まれている。
【0007】
発明の内容
本願発明では、基板を備えたホールセンサ素子が設けられており、この基板は主要表面を有している。導電性のアクティブな領域が、この主要表面から基板内へと延在している。ホールセンサ素子は、導電性の第1の埋設された層を基板内に有している。この層は、アクティブ領域と、第1の下方のコンタクト領域で接触接続している。ここで、表現「基板内に埋設される」とは、この層が基板とは異なる性質を有しており、主要表面と間隔を空けて配置されている、という意味を含んでいる。換言すれば、第1の埋設層と主要表面との間にはこの層を覆っている基板領域が存在する。この埋設層の下方では例えば基板がさらなる基板領域内で続いている。この基板領域は、層を覆っている基板領域と同じように、または異なって形成される、または、第1の埋設層は例えば、主要表面に対向している背面からアクセスされる。
【0008】
埋設層の側面からのアクティブ領域の接触接続は次のことを可能にする。すなわち、ホールセンサ素子の少なくとも1つのコンタクト端子を下方コンタクト面の箇所に設けることを可能にする。すなわち、埋設層の基板内に埋設された場所に基づいて、主要表面と間隔が空けられている箇所に設けられる。このコンタクト端子によって、動作電流が印加され、ホール電圧が検出される。第1の下方コンタクト面が動作電流の印加のために接続されているのか否か、または/およびホール電圧を検出するために接続されているのか否かに応じて、このようにして、動作電流の流れ方向ないしはホール電圧の検出方向が方向成分とともに主要表面に対して垂直に、第1の下方コンタクト面と別のコンタクト端子との間に延在することが実現される。ここでこの別のコンタクト端子は例えば、半導体領域の容易にアクセス可能な主要表面に設けられている。動作電流の流れ方向および/またはホール電圧の検出方向の垂直な方向成分は結果として次のことを可能にする。すなわち、形成されている2つの測定面が、基板の主要表面に対して傾斜してまたは直角に延在し、ホールセンサ素子が主要表面に対して平行な磁界に対して感度を有することを可能にする。従って本願発明のホールセンサ素子は、主要表面の位置に依存しないで測定面を配向することを可能にする。従って、線形に依存しない標準ベクトルを備えた2つまたは3つの測定面を適切に設定すると、磁界の二次元ないしは三次元の測定のための使用が可能になる。
【0009】
進歩性を有するこのホールセンサ素子は、下方コンタクト面の、主要表面と間隔が空いている位置によって、下方コンタクト面から動作電流を基本的に直線状に印加すること、および/またはホール電圧を直線で検出することを可能にする。従ってこれは高い効率で動作する。殊に、アクティブ領域における動作電流の流れ方向、ホール電圧の検出方向または磁力線の方向を、効率を低くする湾曲経過にする必要がなくなる。
【0010】
進歩性を有するこのホールセンサ素子は完全に、半導体構造体を製造する従来のプロセッサによって製造可能であり、例えばいわゆるスマートパワー技術によって製造される。従って非常に低コストであり、殊に有利には、別のホールセンサ素子および/または別のパワー機能部、アナログ機能部およびデジタル機能部とともに、1つのチップに集積される。従来のプロセスとは異なり、製造コストを高くするステップ、例えばフェロ磁性層の形成は必要ない。
【0011】
有利な発展形態では基板は半導体基板であり、アクティブな領域は、第1の導電型の半導体領域である。これによって、高いホール電圧が形成され、ホールセンサ素子は効率的に、既存のマイクロエレクトロニクス製造方法に組み込まれ、さらなる半導体機能部とともに、半導体基板上に集積される。
【0012】
有利な発展形態ではホールセンサ素子は第1の上方のコンタクト電極を有している。これは、アクティブ領域と主要表面で接触している。主要表面では、コンタクト電極が特に容易に製造され、必要とする基板面積も少ない。
【0013】
有利な発展形態では、第1の上方コンタクト電極は基本的に垂直に、第1の下方コンタクト面上に配置されている。従って、主要表面の面内で必要とされる面積が特に少なくなる。これと同時に、主要表面に対して平行に延在する磁界に対する高い感度が実現される。択一的な有利な発展形態では、第1の上方コンタクト電極は、第1の下方コンタクト面に対して対角にずらして配置されている。これによって、主要表面に傾斜して入射する磁界に対する高い感度が実現される。
【0014】
有利な発展形態では、ホールセンサ素子は、第2および第3の上方コンタクト電極を有している。これらはそれぞれ、アクティブ領域と主要表面で接触している。従って全部で4つのコンタクト端子が、ホールセンサ素子の動作のために形成されている。主要表面ではコンタクト電極は特に容易にアクセスされ、ホールセンサ素子は容易に接続される。
【0015】
択一的な有利な発展形態では、ホールセンサ素子は第2の導電性埋設層を有している。これは、アクティブ領域と第2の下方コンタクト面で接触している。ホールセンサ素子はさらに第2の上方コンタクト電極を有している。これは、アクティブ領域と主要表面で接触している。下方コンタクト面と上方コンタクト電極はここで次のように配置されている。すなわち、第1の下方コンタクト面と第1の上方コンタクト電極との間の第1の接続線が、第2の下方コンタクト面と第2の上方コンタクト電極との間の第2の接続線に対して傾斜して延在するように配置されている。用語「接続線」とは本願では、アクティブ領域を通る幾何学形状的な経路が意図されている。この経路に沿って、電流がアクティブ領域を通って流れる、または電圧が検出される。接続線が相互に傾斜していることによって、動作電流の印加、およびホール電圧の検出のために、対称に、同じ番号を有する、それぞれ1つの下方コンタクト面および上方コンタクト電極を使用することが可能になる。接続は、対称性に基づいて、容易に、いわゆるスピニング電流方法の枠内で周期的に逆にされる。これによって測定精度が高まる。
【0016】
有利にはホールセンサ素子は第3および第4の導電性埋設層を有している。これらは、アクティブ領域と、それぞれ属している第3および第4の下方コンタクト面で接触している。ホールセンサ素子はさらに、第3および第4の上方コンタクト電極を有している。これらは、アクティブ領域と主要表面で接触している。下方コンタクト面および上方コンタクト電極はここで次のように配置されている。すなわち、第1の接続線および第2の接続線によって形成されている第1の面が、第3の接続線および第4の接続線によって形成されている第2の面に対して傾斜して延在するように配置されている。第3の接続線は、第3の下方コンタクト面を第3の上方コンタクト電極と接続させ、第4の接続線は、第4の下方コンタクト面を第4の上方コンタクト面と接続させる。これによって、ホールセンサ素子によって、必要であれば周期的に変化する接続に応じて、第1の面上に垂直に延在している磁界成分も、第2の面上に垂直に延在している磁界成分も測定される。これは殊に次の場合に可能である。すなわち、第2および第3の埋設層、第2および第3の下方コンタクト面、第2および第3の上方コンタクト電極、ひいては第2および第3の接続線が、それぞれ相互に同一に形成されている場合に可能である。個々の面内の測定精度を高めるために、さらに、スピニング電流方法が使用可能である。
【0017】
別の観点では、本願発明は、このようなホールセンサ素子を用いて磁界を測定する方法を実現している。ここでは電気的な測定電流が、主要表面での第1の上方コンタクト電極と第1の下方コンタクト面との間で、アクティブ領域を通って導かれる。ここで記載「主要表面で」とは、第1の下方コンタクト面から主要表面までの間隔と比較して、主要表面近傍の箇所のことである。アクティブ領域では、第1の下方コンタクト面と第1の上方コンタクト電極との間の接続線に対して傾斜して延在する区間に沿って、ホール電圧が検出される。例えばこの区間は、接続線路と交差する領域において、これに対して直角または傾斜した角度で延在する。択一的な本願発明の測定方法では、測定電流は、このような区間を介して、アクティブ領域を通って導かれ、第1の上方コンタクト電極と第1の下方コンタクト面との間でホール電圧が検出される。
【0018】
本願発明を以下で、有利な実施形態および添付した図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明の実施形態に即したホールセンサ素子の平面図
【図1B】直交する断面に沿った図1Aに示されたホールセンサ素子の断面図
【図1C】直交する断面に沿った図1Aに示されたホールセンサ素子の断面図
【図2A】別の実施形態に即したホールセンサ素子の平面図
【図2B】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図2C】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図3A】別の実施形態に即したホールセンサ素子の平面図
【図3B】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図3C】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図4A】別の実施形態に即したホールセンサ素子の概略的な平面図
【図4B】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図4C】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図5】1つの実施形態に即した測定方法用の回路を備えた、別の実施形態に即したホールセンサ素子の切り開かれた斜視図
【図6】別の実施形態に即した測定方法の斜視基本図
【図7】1つの実施形態に即した測定方法のフローチャート
【実施例】
【0020】
図面では、断り書きがない無い場合には、同じ参照符号は同じまたは機能が同じコンポーネントを示している。
【0021】
図1Aは、ホールセンサ素子100の平面図を示している。これは、半導体基板101(例えばケイ素)内に埋設されている。観察者の視方向は、基板101の主要表面102上に垂直に落下する。この主要表面は例えば、マイクロチップの表面の一部を構成する。このようなマイクロチップの製造時には、主要表面102上にさらに別の材料層が、被覆、梱包のために被着され得る。しかしこれらはここでは図示されていない。2つの一点鎖線I−I´およびII−II´は、相互に、かつ基板101の主要表面102に対して垂直に延在している断面を示している。この断面に相応する断面図が図1Bないしは図1Cに示されている。図1A内の破線は、主要表面102の下方に埋設されている部材111、121の輪郭を示している。これに対して図1B−Cの断面図では、各断面の後方に埋設されている部材を示すのが省かれている。
【0022】
図示されたホールセンサ素子100は導電性の、アクティブな半導体領域131を、ホール効果を記録するために有している。このアクティブな領域131は、主要表面102から基板101内へと延在し、第1の導電型pまたはnによってドーピングされている。主要表面102の面ないでは、このアクティブな領域131は、方向I−I´において長く延在している形状を有している。基板101は、反対の導電型によって弱くドーピングされており、アクティブな領域131よりも格段に低い導電性を有している。
【0023】
アクティブ領域131の下方境界の下方の面において、ホールセンサ素子は、第1の導電型の導電性の、埋設された層111を有している。すなわちこの層は、アクティブ領域131と同じ型でドーピングされている。このような埋設層は、従来の半導体製造方法、例えばスマートパワープロセスによって容易に製造される。埋設層111は、アクティブ領域と電気的に、下方のコンタクト面191で接触する。この下方コンタクト面は、大きい面積で、アクティブ領域131の下方の境界の中央部分に亘って延在している。電気的に絶縁性の、フレーム形状の分断構造体121は、埋設層111の上方境界のすぐ上に、下方コンタクト面191の所定の水平方向の境界を形成している。択一的な実施形態では、この分断構造体121は完全にまたは部分的に省かれる。埋設層111は、基板101を通って、アクティブ領域131と離れた場所まで延在する。ここでは、導電性のコンタクト栓181が、埋設層111の電気的な接続を、基板の主要表面102での露出している接続箇所まで提供する。
【0024】
コンタクト栓181とアクティブ領域との間隔は、用途に応じて異なった長さにすることができ、所期のコンタクト栓構造体181自体も、単なる例として、埋設層111に電気的端子を設ける可能な手段として示されている。択一的な実施形態では、例えば、埋設層は、主要表面102に対向する背面へ向かって、完全にまたは部分的に露出している。従って、背面から直接的に接触接続が可能である。または背面に形成された構造体と電気的に接続される。例えば、択一的な実施形態では、埋設層は後方のコンタクト栓によって接触接続される。これは、埋設層111からコンタクト面または背面の導電性構造体まで延在している。
【0025】
主要表面102の中央部分では、下方コンタクト面191の上方に位置しているアクティブ領域131の上方境界面に垂直に、同じように方向I−I´において長く延在して形成されている第1の上方コンタクト電極141が、第1の導電型による高いドーピング領域として形成されている。この第1の上方コンタクト電極141の両側で、アクティブ領域131が方向I−I´において、分断構造体121から突出している。ここでこのアクティブ領域は、第2のコンタクト電極142および第3のコンタクト電極143によって主要表面102に接触している。択一的な分断構造体121の正確な長さは、ホールセンサ素子100を製造するために使用されている半導体生産方法の構想規則に相応して、この実施形態と異なって選択されてもよい。この実施形態では分断構造体は、第2の上方コンタクト電極と第3の上方コンタクト電極との間の直線状の電気的な接続と、下方コンタクト面191との電気的な接続を阻止する。第2の上方コンタクト電極と第3の上方コンタクト電極は同じように、第1の導電型による高いドーピング領域として形成される。ここでこれらはそれぞれ、第1の導電型で高ドープされている面コンタクト領域172、173によって取り囲まれている。これは、方向II−II´において、下方コンタクト面191と同じ幅を有している。面コンタクト領域172、173は、下方コンタクト面191上で露出している、アクティブ領域131の上方境界面から、それぞれ、分断構造体121の上方に位置している絶縁バリヤ122によって次のように分離されている。すなわち、第2の上方コンタクト電極142と第3の上方コンタクト電極143の電気的な接続が、下方コンタクト面191上に位置しているアクティブ領域部分内で、分断構造体121とその上に位置しているバリヤ122との間にのみ生じるように分離されている。
【0026】
ホールセンサ素子100の動作時には、動作電流源は例えばコンタクト栓181および第1の上方コンタクト電極141に接続される。従って、動作電流は、主要表面102に対して垂直に、アクティブ領域131を通って延在している第1の接続線161に沿って、下方のコンタクト面191と第1の上方コンタクト電極との間に印加される。方向II−II´において主要表面102に対して平行に磁界が印加されると、ホール電圧が第1の接続線104に沿って、第2の上方コンタクト電極142および第3の上方コンタクト電極143に属している面コンタクト領域172、173の間に生じる。面コンタクト領域172、173が適切な大きさに設計されている場合には、ホールセンサ素子100は逆方向に動作可能である。これは、動作電流が、第2の上方コンタクト電極142および第3の上方コンタクト電極143を介して印加され、ホール電圧がコンタクト栓181および第1の上方コンタクト電極141で検出されることによって実現される。2つの動作様式の間は、精度を高めるために、スピニング電流方法の枠内で、周期的に切り替えられる。例えば共通の基板上に相互に角度を成して配置されているこのような2つのホールセンサ素子100によって、磁界が、主要表面に対して平行に延在している任意の方法において測定される。
【0027】
3つの関連した図面によって構成されている各フィンガーグループ図2A−C、図3A−Cおよび図4A−Cおいて、ホールセンサ素子100の別の例が、図1A−Cと同じ図示原則に従って説明されている。平面図および断面図の関連並びに一点鎖線および破線の意味に関しては、図1A−Cに関する同様の説明を参照されたい。
【0028】
図2A−Cは、ホールセンサ素子100を示している。ここでは、図1A−Cに示されているホールセンサ素子100と同じように、埋設層111がコンタクト栓181から、ここでも同じように択一的な下方の分断構造体121に沿って、アクティブ領域131の下方境界面まで延在している。しかし、ここではこれとは異なり、分断構造体121のすぐ後方で終了している。従って、埋設層111の下方コンタクト面191は、アクティブ領域131に対して、コンタクト栓の方向に位置している、アクティブ領域131の下方境界面の縁部領域に沿ってしか形成されていない。さらに、図1とは異なり、第1の上方コンタクト電極141は、アクティブ領域131の、コンタクト面191の下方で対角に対向して設けられている縁部で、主要表面102に配置されている。従って、下方のコンタクト面161と第1の上方コンタクト電極141との間の第1の接続線161は、対角線状に、主要表面102に対して有利には約45°だけ傾斜して延在している。対角線を用いることによって、図示のホールセンサ素子100は、主要表面102に対して傾斜して入射する磁界に対して高い感度を有する。その他の構造および動作は、図1A−Cのホールセンサ素子100に相応する。
【0029】
図3A−Cに示されたホールセンサ素子100の場合には、図2A−Cに示されたホールセンサ素子の構造を基にして、図2に存在する第3の上方のコンタクト電極が、第2の埋設層112によって置き換えられている。ここでこの第2の埋設層は、属する第2のコンタクト栓182と、アクティブ領域131に接している第2の下方コンタクト面192とを有している。第1の接続線161と同じように、第2の接続線162も、有利には45°だけ主要表面102に対して傾斜して、アクティブ領域131を通って延在している。その対称性によって、このホールセンサ素子100は、別の措置を取らずに、スピニング電流動作に適する。
【0030】
図4A−4Cに示されたホールセンサ素子100では、2つのホールセンサ構造が図3A−Cに示されているように相互に交差され、属する4つのコンタクト栓181−184を介して電気的に接続可能な4つの埋設層111−114が、アクティブ領域131に、4つの側から、相応する第1〜第4の下方コンタクト面191−194で接触接続する。ここで、属する面コンタクト領域171−174を備えた、属する第1〜第4のコンタクト電極141−144がそれぞれ、下方コンタクト面191−194に対角に対向する縁部に形成される。これによって、それぞれスピニング電流動作可能な2つのホールセンサ構造が得られる。これらは異なる方向の磁界に対して感度を有しており、共同で、1つの二次元測定空間を形成する。さらに、4つの上方コンタクト電極141−144は、水平ホールセンサ素子と同じように接続される。従って、主要表面102に対して垂直な磁界もセンシングされる。これによって、空間内で任意の位置を伴う磁界が、1つのホールセンサ素子100だけセンシングされる。
【0031】
図5は、ホールセンサ素子100の切り開かれた斜視図を示している。ここでは、基板102、500内で埋設層111、112がどのように、埋設層111、112の形成後に充填される基板領域500および付加的なカバー層502によって覆われているのかが明らかにされている。さらに、図4A−Cに示されているホールセンサ素子と同じ原理で構成されているホールセンサ素子100が、断面599に対して垂直、ひいては主要表面102に対して平行に延在する磁界を測定するために、どのように、動作電流Iを供給する動作電流源580およびホール電圧UHを測定する電圧測定器582と接続されるかが明らかにされている。
【0032】
図6は、図4A−Cに示されたホールセンサ素子と同じ幾何学的形状の構造体を備えたホールセンサ素子での測定方法の斜視基本図を示している。図示されている目下の接続時には、動作電流は、下方コンタクト面193と、対向する上方コンタクト電極143との間に対角に延在する接続線163に沿って印加される。また、ホール電圧は、別の接続線164に沿った区間に沿って検出される。ここでこれら2つの接続線は、アクティブ領域131の垂直な対称軸を中心として90°回転させることによって生じる。このようにして、目下、接続線163、164によって形成されている目下の測定面699に対して垂直に延在している磁界成分Bがセンシングされる。
【0033】
図7は、図4A−Cに示されたホールセンサ素子と同じ幾何学的形状の構造体を備えたホールセンサ素子での例示的な測定方法のフローチャートを示している。このホールセンサ素子は、図6および4A−Cに関連して説明されている。ステップ711では、第1の動作電流が印加される。これは、第1の接続線161に沿って、第1の下方コンタクト面191と第1の上方コンタクト電極141との間を流れる。ステップ712では、印加された第1の動作電流が流れている間、第1のホール電圧が、第2の接続線162に沿って、第2の下方コンタクト面192と第2の上方コンタクト面142との間で検出され、ここから、第1の接続線161および第2の接続線162によって形成されている第1の測定面に対して垂直なアクティブ領域131内の磁束密度の成分が特定される。
【0034】
ステップ721において、第1の動作電流が終了し、第2の動作電流が印加される。この第2の動作電流は、第2の接続線に沿って流れている。ステップ722では、第2の動作電流が流れている間、第2のホール電圧が第3の接続線163に沿って、第3の下方のコンタクト面193と第3の上方のコンタクト面143との間で検出され、ここから、第2の接続線162および第3の接続線163によって形成されている、別の測定面に対して垂直なアクティブ領域131内の磁束密度の成分が特定される。
【0035】
ステップ731では、第2の動作電流が終了し、第3の動作電流が印加される。この第3の動作電流は、第1の上方コンタクト電極141と第3の上方コンタクト電極143との間のさらなる接続線に沿って流れている。ステップ732では、第3の動作電流が流れている間、第3のホール電圧が、さらに別の接続線に沿って、第2の上方のコンタクト電極142と第4の上方のコンタクト電極144との間で検出され、ここから、基板の主要表面012に対して平行に延在している測定面に対して垂直なアクティブ領域131内の磁束密度の成分が特定される。
【0036】
ステップ740では、ステップ712、722および732において特定された磁束密度の3つの成分からベクトルが計算される。このベクトルは、アクティブ領域131内の磁束密度の強度および方向を、所望の、例えばデカルト座標系または極座標系において示す。さらに、測定方法がステップ711から繰り返される。上述した流れにおいても、繰り返しにおいても交互に、それぞれ、動作電流印加と測定面のホール電圧検出に用いられるコンタクトが、相互に、スピニング電流方法の様式で交換される、および/または磁束密度のベクトルが、2つまたはそれよりも多くの試みから生じたデータから求められる。
【0037】
上述の方法では、図4A−4Cに示された第4の埋設層114および属する部材144、174、184は必要ではない。従ってこの方法は、変更されたホールセンサ素子によっても実現可能である。ここではこれらの部材は省かれている。他方で図7に示された方法を次のように変更することができる。すなわち、図4A−Cおよび図6に示されたホールセンサ素子100に関して付加的にまたは択一的に、別の測定面において測定が実行されるように変更することができる。これは例えば、第3の接続線163および第4の接続線164ないしは第4の接続線164および第1の接続線161によって形成されている、主要表面102に対して傾斜された測定面での測定、さらには第1の接続線161および第3の接続線ないしは第2の接続線162および第4の接続線164によって形成されている、主要表面102に対して垂直な測定面での測定である。磁界を多次元で測定するために有利には、線形の、依存していない標準ベクトルを備えた3つの測定面が選択される。
【技術分野】
【0001】
本発明はホールセンサ素子に関する。このホールセンサ素子は、主要表面を備えた基板を有している。さらに本発明は測定方法、殊に当該ホールセンサ素子による磁界の多次元測定方法に関する。
【0002】
ホール効果をベースにしたホールセンサ素子は、幅広い技術領域において、磁界の磁束密度を測定するため、流れを無接触に測定するために用いられており、これと並んで無接触信号発生器として、例えば波、調整素子等の位置を磨耗無く検出するために使用されている。ホールセンサ素子は一般的に、4つのコンタクト端子を備えた、小さい半導体基板プレートから構成される。これらのコンタクト端子は、外部の駆動制御回路との電気的な接続のためのものである。これらの4つのコンタクト端子のうちの2つのコンタクト端子は、センサ素子のアクティブな半導体領域を通って動作電流を供給するために設けられており、別の2つのコンタクト端子は、ホール電圧を検出するために用いられている。ホール電圧は、アクティブな半導体領域内で磁束および電流の方向に対して垂直に生じる。
【0003】
DE102006017910A1号は、いわゆる水平なホールセンサ素子を開示している。ここでは動作電流とホール電圧は水平に、半導体基板の主要表面内を通る。水平なホールセンサ素子は比較的容易に、半導体構造体を製造する従来のCMOSプロセッサによって製造可能であり、基板面に対して垂直な、磁束密度成分をセンシングする。次回の多次元測定は、例えばコンパスアプリケーションにおいて必要であり、水平はホールセンサ素子によって可能である。これは、その上にそれぞれホールセンサ素子が構成されている複数の別個の小さい半導体基板プレートが、種々異なる空間方向に対して垂直に配置されていることによって実現される。しかしこれには、高い製造コストと空間が必要である。
【0004】
同じように、DE102006017910A1号には、垂直ホールセンサ素子が開示されている。ここでは動作電流とホール電圧とが、基板表面に対して垂直な面内を通っている。従って、基板面に対して平行な磁束密度成分がセンシングされる。この垂直ホールセンサ素子は多数のコンタクト領域を、基板内に延在している半導体領域の主要表面に有している。ここで、隣接するコンタクト領域の間には非導電性のバリア領域が配置されている。これは、主要表面から出発して、半導体領域内へと延在している。これによって、2つのコンタクト領域の間で半導体領域内に供給される動作電流が、主要表面から離れて保持される。しかしこの場合には、電荷担体に対する導電性が、半導体材料(有利にはケイ素)の表面と比べて、アクティブな半導体領域の深い領域内で格段に低くなってしまい、このような垂直ホールセンサ素子の効果が低くなってしまう、という問題が生じる。
【0005】
1つの半導体基板小プレート上の複数の水平ホールセンサ素子と、半導体基板小プレートの表面に対して平行な磁界成分を局部的に垂直な磁界内に偏向する、付加的に構造化されたフェロ磁性層とを備えた構造体が、C.Schottらによって提案されている。しかしこれには高い製造コストが必要である。なぜなら、この構造体は、半導体構造体を製造する従来のプロセッサによっては製造されないからである(C.Schott等著"CMOS Single−Chip Electronic Compass with Microcontroller:H.Casier等著[Hrsg.]内,Analog Circuit Design:Sensors,Actuators and Power Drivers;Integrated Power Amplifiers from Wireline to RF;Very High Frequency Front Ends,第55〜69頁,Springer Science+Business Media B.V"2008年)。
【0006】
従って、半導体基板小プレートの面に対して水平に延在する磁界成分を、低コストに半導体基板小プレート上に製造可能な構造体によって効果的に測定することを可能にすることが望まれている。
【0007】
発明の内容
本願発明では、基板を備えたホールセンサ素子が設けられており、この基板は主要表面を有している。導電性のアクティブな領域が、この主要表面から基板内へと延在している。ホールセンサ素子は、導電性の第1の埋設された層を基板内に有している。この層は、アクティブ領域と、第1の下方のコンタクト領域で接触接続している。ここで、表現「基板内に埋設される」とは、この層が基板とは異なる性質を有しており、主要表面と間隔を空けて配置されている、という意味を含んでいる。換言すれば、第1の埋設層と主要表面との間にはこの層を覆っている基板領域が存在する。この埋設層の下方では例えば基板がさらなる基板領域内で続いている。この基板領域は、層を覆っている基板領域と同じように、または異なって形成される、または、第1の埋設層は例えば、主要表面に対向している背面からアクセスされる。
【0008】
埋設層の側面からのアクティブ領域の接触接続は次のことを可能にする。すなわち、ホールセンサ素子の少なくとも1つのコンタクト端子を下方コンタクト面の箇所に設けることを可能にする。すなわち、埋設層の基板内に埋設された場所に基づいて、主要表面と間隔が空けられている箇所に設けられる。このコンタクト端子によって、動作電流が印加され、ホール電圧が検出される。第1の下方コンタクト面が動作電流の印加のために接続されているのか否か、または/およびホール電圧を検出するために接続されているのか否かに応じて、このようにして、動作電流の流れ方向ないしはホール電圧の検出方向が方向成分とともに主要表面に対して垂直に、第1の下方コンタクト面と別のコンタクト端子との間に延在することが実現される。ここでこの別のコンタクト端子は例えば、半導体領域の容易にアクセス可能な主要表面に設けられている。動作電流の流れ方向および/またはホール電圧の検出方向の垂直な方向成分は結果として次のことを可能にする。すなわち、形成されている2つの測定面が、基板の主要表面に対して傾斜してまたは直角に延在し、ホールセンサ素子が主要表面に対して平行な磁界に対して感度を有することを可能にする。従って本願発明のホールセンサ素子は、主要表面の位置に依存しないで測定面を配向することを可能にする。従って、線形に依存しない標準ベクトルを備えた2つまたは3つの測定面を適切に設定すると、磁界の二次元ないしは三次元の測定のための使用が可能になる。
【0009】
進歩性を有するこのホールセンサ素子は、下方コンタクト面の、主要表面と間隔が空いている位置によって、下方コンタクト面から動作電流を基本的に直線状に印加すること、および/またはホール電圧を直線で検出することを可能にする。従ってこれは高い効率で動作する。殊に、アクティブ領域における動作電流の流れ方向、ホール電圧の検出方向または磁力線の方向を、効率を低くする湾曲経過にする必要がなくなる。
【0010】
進歩性を有するこのホールセンサ素子は完全に、半導体構造体を製造する従来のプロセッサによって製造可能であり、例えばいわゆるスマートパワー技術によって製造される。従って非常に低コストであり、殊に有利には、別のホールセンサ素子および/または別のパワー機能部、アナログ機能部およびデジタル機能部とともに、1つのチップに集積される。従来のプロセスとは異なり、製造コストを高くするステップ、例えばフェロ磁性層の形成は必要ない。
【0011】
有利な発展形態では基板は半導体基板であり、アクティブな領域は、第1の導電型の半導体領域である。これによって、高いホール電圧が形成され、ホールセンサ素子は効率的に、既存のマイクロエレクトロニクス製造方法に組み込まれ、さらなる半導体機能部とともに、半導体基板上に集積される。
【0012】
有利な発展形態ではホールセンサ素子は第1の上方のコンタクト電極を有している。これは、アクティブ領域と主要表面で接触している。主要表面では、コンタクト電極が特に容易に製造され、必要とする基板面積も少ない。
【0013】
有利な発展形態では、第1の上方コンタクト電極は基本的に垂直に、第1の下方コンタクト面上に配置されている。従って、主要表面の面内で必要とされる面積が特に少なくなる。これと同時に、主要表面に対して平行に延在する磁界に対する高い感度が実現される。択一的な有利な発展形態では、第1の上方コンタクト電極は、第1の下方コンタクト面に対して対角にずらして配置されている。これによって、主要表面に傾斜して入射する磁界に対する高い感度が実現される。
【0014】
有利な発展形態では、ホールセンサ素子は、第2および第3の上方コンタクト電極を有している。これらはそれぞれ、アクティブ領域と主要表面で接触している。従って全部で4つのコンタクト端子が、ホールセンサ素子の動作のために形成されている。主要表面ではコンタクト電極は特に容易にアクセスされ、ホールセンサ素子は容易に接続される。
【0015】
択一的な有利な発展形態では、ホールセンサ素子は第2の導電性埋設層を有している。これは、アクティブ領域と第2の下方コンタクト面で接触している。ホールセンサ素子はさらに第2の上方コンタクト電極を有している。これは、アクティブ領域と主要表面で接触している。下方コンタクト面と上方コンタクト電極はここで次のように配置されている。すなわち、第1の下方コンタクト面と第1の上方コンタクト電極との間の第1の接続線が、第2の下方コンタクト面と第2の上方コンタクト電極との間の第2の接続線に対して傾斜して延在するように配置されている。用語「接続線」とは本願では、アクティブ領域を通る幾何学形状的な経路が意図されている。この経路に沿って、電流がアクティブ領域を通って流れる、または電圧が検出される。接続線が相互に傾斜していることによって、動作電流の印加、およびホール電圧の検出のために、対称に、同じ番号を有する、それぞれ1つの下方コンタクト面および上方コンタクト電極を使用することが可能になる。接続は、対称性に基づいて、容易に、いわゆるスピニング電流方法の枠内で周期的に逆にされる。これによって測定精度が高まる。
【0016】
有利にはホールセンサ素子は第3および第4の導電性埋設層を有している。これらは、アクティブ領域と、それぞれ属している第3および第4の下方コンタクト面で接触している。ホールセンサ素子はさらに、第3および第4の上方コンタクト電極を有している。これらは、アクティブ領域と主要表面で接触している。下方コンタクト面および上方コンタクト電極はここで次のように配置されている。すなわち、第1の接続線および第2の接続線によって形成されている第1の面が、第3の接続線および第4の接続線によって形成されている第2の面に対して傾斜して延在するように配置されている。第3の接続線は、第3の下方コンタクト面を第3の上方コンタクト電極と接続させ、第4の接続線は、第4の下方コンタクト面を第4の上方コンタクト面と接続させる。これによって、ホールセンサ素子によって、必要であれば周期的に変化する接続に応じて、第1の面上に垂直に延在している磁界成分も、第2の面上に垂直に延在している磁界成分も測定される。これは殊に次の場合に可能である。すなわち、第2および第3の埋設層、第2および第3の下方コンタクト面、第2および第3の上方コンタクト電極、ひいては第2および第3の接続線が、それぞれ相互に同一に形成されている場合に可能である。個々の面内の測定精度を高めるために、さらに、スピニング電流方法が使用可能である。
【0017】
別の観点では、本願発明は、このようなホールセンサ素子を用いて磁界を測定する方法を実現している。ここでは電気的な測定電流が、主要表面での第1の上方コンタクト電極と第1の下方コンタクト面との間で、アクティブ領域を通って導かれる。ここで記載「主要表面で」とは、第1の下方コンタクト面から主要表面までの間隔と比較して、主要表面近傍の箇所のことである。アクティブ領域では、第1の下方コンタクト面と第1の上方コンタクト電極との間の接続線に対して傾斜して延在する区間に沿って、ホール電圧が検出される。例えばこの区間は、接続線路と交差する領域において、これに対して直角または傾斜した角度で延在する。択一的な本願発明の測定方法では、測定電流は、このような区間を介して、アクティブ領域を通って導かれ、第1の上方コンタクト電極と第1の下方コンタクト面との間でホール電圧が検出される。
【0018】
本願発明を以下で、有利な実施形態および添付した図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明の実施形態に即したホールセンサ素子の平面図
【図1B】直交する断面に沿った図1Aに示されたホールセンサ素子の断面図
【図1C】直交する断面に沿った図1Aに示されたホールセンサ素子の断面図
【図2A】別の実施形態に即したホールセンサ素子の平面図
【図2B】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図2C】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図3A】別の実施形態に即したホールセンサ素子の平面図
【図3B】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図3C】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図4A】別の実施形態に即したホールセンサ素子の概略的な平面図
【図4B】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図4C】別の実施形態に即したホールセンサ素子の断面図
【図5】1つの実施形態に即した測定方法用の回路を備えた、別の実施形態に即したホールセンサ素子の切り開かれた斜視図
【図6】別の実施形態に即した測定方法の斜視基本図
【図7】1つの実施形態に即した測定方法のフローチャート
【実施例】
【0020】
図面では、断り書きがない無い場合には、同じ参照符号は同じまたは機能が同じコンポーネントを示している。
【0021】
図1Aは、ホールセンサ素子100の平面図を示している。これは、半導体基板101(例えばケイ素)内に埋設されている。観察者の視方向は、基板101の主要表面102上に垂直に落下する。この主要表面は例えば、マイクロチップの表面の一部を構成する。このようなマイクロチップの製造時には、主要表面102上にさらに別の材料層が、被覆、梱包のために被着され得る。しかしこれらはここでは図示されていない。2つの一点鎖線I−I´およびII−II´は、相互に、かつ基板101の主要表面102に対して垂直に延在している断面を示している。この断面に相応する断面図が図1Bないしは図1Cに示されている。図1A内の破線は、主要表面102の下方に埋設されている部材111、121の輪郭を示している。これに対して図1B−Cの断面図では、各断面の後方に埋設されている部材を示すのが省かれている。
【0022】
図示されたホールセンサ素子100は導電性の、アクティブな半導体領域131を、ホール効果を記録するために有している。このアクティブな領域131は、主要表面102から基板101内へと延在し、第1の導電型pまたはnによってドーピングされている。主要表面102の面ないでは、このアクティブな領域131は、方向I−I´において長く延在している形状を有している。基板101は、反対の導電型によって弱くドーピングされており、アクティブな領域131よりも格段に低い導電性を有している。
【0023】
アクティブ領域131の下方境界の下方の面において、ホールセンサ素子は、第1の導電型の導電性の、埋設された層111を有している。すなわちこの層は、アクティブ領域131と同じ型でドーピングされている。このような埋設層は、従来の半導体製造方法、例えばスマートパワープロセスによって容易に製造される。埋設層111は、アクティブ領域と電気的に、下方のコンタクト面191で接触する。この下方コンタクト面は、大きい面積で、アクティブ領域131の下方の境界の中央部分に亘って延在している。電気的に絶縁性の、フレーム形状の分断構造体121は、埋設層111の上方境界のすぐ上に、下方コンタクト面191の所定の水平方向の境界を形成している。択一的な実施形態では、この分断構造体121は完全にまたは部分的に省かれる。埋設層111は、基板101を通って、アクティブ領域131と離れた場所まで延在する。ここでは、導電性のコンタクト栓181が、埋設層111の電気的な接続を、基板の主要表面102での露出している接続箇所まで提供する。
【0024】
コンタクト栓181とアクティブ領域との間隔は、用途に応じて異なった長さにすることができ、所期のコンタクト栓構造体181自体も、単なる例として、埋設層111に電気的端子を設ける可能な手段として示されている。択一的な実施形態では、例えば、埋設層は、主要表面102に対向する背面へ向かって、完全にまたは部分的に露出している。従って、背面から直接的に接触接続が可能である。または背面に形成された構造体と電気的に接続される。例えば、択一的な実施形態では、埋設層は後方のコンタクト栓によって接触接続される。これは、埋設層111からコンタクト面または背面の導電性構造体まで延在している。
【0025】
主要表面102の中央部分では、下方コンタクト面191の上方に位置しているアクティブ領域131の上方境界面に垂直に、同じように方向I−I´において長く延在して形成されている第1の上方コンタクト電極141が、第1の導電型による高いドーピング領域として形成されている。この第1の上方コンタクト電極141の両側で、アクティブ領域131が方向I−I´において、分断構造体121から突出している。ここでこのアクティブ領域は、第2のコンタクト電極142および第3のコンタクト電極143によって主要表面102に接触している。択一的な分断構造体121の正確な長さは、ホールセンサ素子100を製造するために使用されている半導体生産方法の構想規則に相応して、この実施形態と異なって選択されてもよい。この実施形態では分断構造体は、第2の上方コンタクト電極と第3の上方コンタクト電極との間の直線状の電気的な接続と、下方コンタクト面191との電気的な接続を阻止する。第2の上方コンタクト電極と第3の上方コンタクト電極は同じように、第1の導電型による高いドーピング領域として形成される。ここでこれらはそれぞれ、第1の導電型で高ドープされている面コンタクト領域172、173によって取り囲まれている。これは、方向II−II´において、下方コンタクト面191と同じ幅を有している。面コンタクト領域172、173は、下方コンタクト面191上で露出している、アクティブ領域131の上方境界面から、それぞれ、分断構造体121の上方に位置している絶縁バリヤ122によって次のように分離されている。すなわち、第2の上方コンタクト電極142と第3の上方コンタクト電極143の電気的な接続が、下方コンタクト面191上に位置しているアクティブ領域部分内で、分断構造体121とその上に位置しているバリヤ122との間にのみ生じるように分離されている。
【0026】
ホールセンサ素子100の動作時には、動作電流源は例えばコンタクト栓181および第1の上方コンタクト電極141に接続される。従って、動作電流は、主要表面102に対して垂直に、アクティブ領域131を通って延在している第1の接続線161に沿って、下方のコンタクト面191と第1の上方コンタクト電極との間に印加される。方向II−II´において主要表面102に対して平行に磁界が印加されると、ホール電圧が第1の接続線104に沿って、第2の上方コンタクト電極142および第3の上方コンタクト電極143に属している面コンタクト領域172、173の間に生じる。面コンタクト領域172、173が適切な大きさに設計されている場合には、ホールセンサ素子100は逆方向に動作可能である。これは、動作電流が、第2の上方コンタクト電極142および第3の上方コンタクト電極143を介して印加され、ホール電圧がコンタクト栓181および第1の上方コンタクト電極141で検出されることによって実現される。2つの動作様式の間は、精度を高めるために、スピニング電流方法の枠内で、周期的に切り替えられる。例えば共通の基板上に相互に角度を成して配置されているこのような2つのホールセンサ素子100によって、磁界が、主要表面に対して平行に延在している任意の方法において測定される。
【0027】
3つの関連した図面によって構成されている各フィンガーグループ図2A−C、図3A−Cおよび図4A−Cおいて、ホールセンサ素子100の別の例が、図1A−Cと同じ図示原則に従って説明されている。平面図および断面図の関連並びに一点鎖線および破線の意味に関しては、図1A−Cに関する同様の説明を参照されたい。
【0028】
図2A−Cは、ホールセンサ素子100を示している。ここでは、図1A−Cに示されているホールセンサ素子100と同じように、埋設層111がコンタクト栓181から、ここでも同じように択一的な下方の分断構造体121に沿って、アクティブ領域131の下方境界面まで延在している。しかし、ここではこれとは異なり、分断構造体121のすぐ後方で終了している。従って、埋設層111の下方コンタクト面191は、アクティブ領域131に対して、コンタクト栓の方向に位置している、アクティブ領域131の下方境界面の縁部領域に沿ってしか形成されていない。さらに、図1とは異なり、第1の上方コンタクト電極141は、アクティブ領域131の、コンタクト面191の下方で対角に対向して設けられている縁部で、主要表面102に配置されている。従って、下方のコンタクト面161と第1の上方コンタクト電極141との間の第1の接続線161は、対角線状に、主要表面102に対して有利には約45°だけ傾斜して延在している。対角線を用いることによって、図示のホールセンサ素子100は、主要表面102に対して傾斜して入射する磁界に対して高い感度を有する。その他の構造および動作は、図1A−Cのホールセンサ素子100に相応する。
【0029】
図3A−Cに示されたホールセンサ素子100の場合には、図2A−Cに示されたホールセンサ素子の構造を基にして、図2に存在する第3の上方のコンタクト電極が、第2の埋設層112によって置き換えられている。ここでこの第2の埋設層は、属する第2のコンタクト栓182と、アクティブ領域131に接している第2の下方コンタクト面192とを有している。第1の接続線161と同じように、第2の接続線162も、有利には45°だけ主要表面102に対して傾斜して、アクティブ領域131を通って延在している。その対称性によって、このホールセンサ素子100は、別の措置を取らずに、スピニング電流動作に適する。
【0030】
図4A−4Cに示されたホールセンサ素子100では、2つのホールセンサ構造が図3A−Cに示されているように相互に交差され、属する4つのコンタクト栓181−184を介して電気的に接続可能な4つの埋設層111−114が、アクティブ領域131に、4つの側から、相応する第1〜第4の下方コンタクト面191−194で接触接続する。ここで、属する面コンタクト領域171−174を備えた、属する第1〜第4のコンタクト電極141−144がそれぞれ、下方コンタクト面191−194に対角に対向する縁部に形成される。これによって、それぞれスピニング電流動作可能な2つのホールセンサ構造が得られる。これらは異なる方向の磁界に対して感度を有しており、共同で、1つの二次元測定空間を形成する。さらに、4つの上方コンタクト電極141−144は、水平ホールセンサ素子と同じように接続される。従って、主要表面102に対して垂直な磁界もセンシングされる。これによって、空間内で任意の位置を伴う磁界が、1つのホールセンサ素子100だけセンシングされる。
【0031】
図5は、ホールセンサ素子100の切り開かれた斜視図を示している。ここでは、基板102、500内で埋設層111、112がどのように、埋設層111、112の形成後に充填される基板領域500および付加的なカバー層502によって覆われているのかが明らかにされている。さらに、図4A−Cに示されているホールセンサ素子と同じ原理で構成されているホールセンサ素子100が、断面599に対して垂直、ひいては主要表面102に対して平行に延在する磁界を測定するために、どのように、動作電流Iを供給する動作電流源580およびホール電圧UHを測定する電圧測定器582と接続されるかが明らかにされている。
【0032】
図6は、図4A−Cに示されたホールセンサ素子と同じ幾何学的形状の構造体を備えたホールセンサ素子での測定方法の斜視基本図を示している。図示されている目下の接続時には、動作電流は、下方コンタクト面193と、対向する上方コンタクト電極143との間に対角に延在する接続線163に沿って印加される。また、ホール電圧は、別の接続線164に沿った区間に沿って検出される。ここでこれら2つの接続線は、アクティブ領域131の垂直な対称軸を中心として90°回転させることによって生じる。このようにして、目下、接続線163、164によって形成されている目下の測定面699に対して垂直に延在している磁界成分Bがセンシングされる。
【0033】
図7は、図4A−Cに示されたホールセンサ素子と同じ幾何学的形状の構造体を備えたホールセンサ素子での例示的な測定方法のフローチャートを示している。このホールセンサ素子は、図6および4A−Cに関連して説明されている。ステップ711では、第1の動作電流が印加される。これは、第1の接続線161に沿って、第1の下方コンタクト面191と第1の上方コンタクト電極141との間を流れる。ステップ712では、印加された第1の動作電流が流れている間、第1のホール電圧が、第2の接続線162に沿って、第2の下方コンタクト面192と第2の上方コンタクト面142との間で検出され、ここから、第1の接続線161および第2の接続線162によって形成されている第1の測定面に対して垂直なアクティブ領域131内の磁束密度の成分が特定される。
【0034】
ステップ721において、第1の動作電流が終了し、第2の動作電流が印加される。この第2の動作電流は、第2の接続線に沿って流れている。ステップ722では、第2の動作電流が流れている間、第2のホール電圧が第3の接続線163に沿って、第3の下方のコンタクト面193と第3の上方のコンタクト面143との間で検出され、ここから、第2の接続線162および第3の接続線163によって形成されている、別の測定面に対して垂直なアクティブ領域131内の磁束密度の成分が特定される。
【0035】
ステップ731では、第2の動作電流が終了し、第3の動作電流が印加される。この第3の動作電流は、第1の上方コンタクト電極141と第3の上方コンタクト電極143との間のさらなる接続線に沿って流れている。ステップ732では、第3の動作電流が流れている間、第3のホール電圧が、さらに別の接続線に沿って、第2の上方のコンタクト電極142と第4の上方のコンタクト電極144との間で検出され、ここから、基板の主要表面012に対して平行に延在している測定面に対して垂直なアクティブ領域131内の磁束密度の成分が特定される。
【0036】
ステップ740では、ステップ712、722および732において特定された磁束密度の3つの成分からベクトルが計算される。このベクトルは、アクティブ領域131内の磁束密度の強度および方向を、所望の、例えばデカルト座標系または極座標系において示す。さらに、測定方法がステップ711から繰り返される。上述した流れにおいても、繰り返しにおいても交互に、それぞれ、動作電流印加と測定面のホール電圧検出に用いられるコンタクトが、相互に、スピニング電流方法の様式で交換される、および/または磁束密度のベクトルが、2つまたはそれよりも多くの試みから生じたデータから求められる。
【0037】
上述の方法では、図4A−4Cに示された第4の埋設層114および属する部材144、174、184は必要ではない。従ってこの方法は、変更されたホールセンサ素子によっても実現可能である。ここではこれらの部材は省かれている。他方で図7に示された方法を次のように変更することができる。すなわち、図4A−Cおよび図6に示されたホールセンサ素子100に関して付加的にまたは択一的に、別の測定面において測定が実行されるように変更することができる。これは例えば、第3の接続線163および第4の接続線164ないしは第4の接続線164および第1の接続線161によって形成されている、主要表面102に対して傾斜された測定面での測定、さらには第1の接続線161および第3の接続線ないしは第2の接続線162および第4の接続線164によって形成されている、主要表面102に対して垂直な測定面での測定である。磁界を多次元で測定するために有利には、線形の、依存していない標準ベクトルを備えた3つの測定面が選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホールセンサ素子(100)であって、
・主要表面(102)を備えた基板(101,500)と、
・前記主要表面(102)から前記基板(101)内まで延在している、導電性のアクティブ領域(131)と、
・前記アクティブ領域(131)と、第1の下方のコンタクト面(191)で接触している、基板(101,500)内の導電性の第1埋設層(111)とを有している、
ことを特徴とするホールセンサ素子(100)。
【請求項2】
前記基板(101,500)は半導体基板であり、前記アクティブ領域(131)は第1の導電型の半導体領域である、請求項1記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項3】
前記アクティブ領域(131)と前記主要表面(102)で接触している、第1の上方コンタクト電極(141)を有している、請求項1または2記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項4】
前記第1の上方コンタクト電極(141)は実質的に垂直に、前記第1の下方コンタクト面(191)上に配置されている、請求項3記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項5】
前記第1の上方コンタクト電極(141)は、第1の下方コンタクト面(191)に対して対角線状にずらして配置されている、請求項3記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項6】
前記アクティブ領域(131)と前記主要表面(102)で接触している、第2の上方コンタクト電極(142)と第3の上方コンタクト電極(143)とを有している、請求項3から5までのいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項7】
さらに、
・前記アクティブ領域(131)と第2の下方コンタクト面(192)で接触している第2の導電性埋設層(112)と;
・前記アクティブ領域(131)と前記主要表面(102)で接触している第2の上方コンタクト電極(142)と;を有しており、
前記第1の下方コンタクト面(191)と前記第1の上方コンタクト電極(141)との間の第1の接続線(161)は、前記第2の下方コンタクト面(142)と前記第2の上方コンタクト電極(192)の間の第2の接続線(162)に対して傾斜して延在している、請求項3から5までのいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項8】
さらに、
・前記アクティブ領域(131)と、それぞれ属する第3の下方コンタクト面(193)および第4の下方コンタクト面(194)で接触している第3の導電性埋設層(113)および第4の導電性埋設層(114)と;
・前記アクティブ領域(131)と前記主要表面(102)で接触している第3の上方コンタクト電極(143)および第4の上方コンタクト電極(144)と;を有しており、
前記第1の接続線(161)と第2の接続線(162)とによって形成されている第1の面(599)は第2の面(699)に対して傾斜して延在しており、当該第2の面(699)は、前記第3の下方コンタクト面(193)と前記第3の上方コンタクト電極(143)との間の第3の接続線(163)と、前記第4の下方コンタクト面(194)と前記第4の上方コンタクト面(144)との間の第4の接続線(164)とによって形成されている、請求項7記載のホールセンサ素子(7)。
【請求項9】
磁界(B)を多次元、殊に三次元で測定するための、請求項1から8のいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)の使用。
【請求項10】
・電気的な測定電流(I)を前記第1の上方コンタクト電極(141)と前記第1の下方コンタクト面(191)との間で、前記アクティブ領域を通って導くステップ(711)と;
・前記第1の下方コンタクト面(191)と前記第1の上方コンタクト電極(141)との間の接続線(161)に対して傾斜して延在する区間(104;162)に沿って、アクティブ領域でのホール電圧(UH)を検出するステップ(712)と;を有している、請求項3から8までのいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)を用いた磁界(B)の測定方法。
【請求項11】
・電気的な測定電流(I)を前記アクティブ領域(131)を通って、前記第1の下方コンタクト面(191)と前記第1の上方コンタクト電極(141)との間の接続線(161)に対して傾斜して延在する区間(104;162)に亘って導くステップ(711)と;
・前記第1の上方コンタクト電極(141)と前記第1の下方コンタクト面(191)との間でホール電圧(UH)を検出するステップ(712)と;を有している、請求項3から8までのいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)を用いた磁界(B)の測定方法。
【請求項1】
ホールセンサ素子(100)であって、
・主要表面(102)を備えた基板(101,500)と、
・前記主要表面(102)から前記基板(101)内まで延在している、導電性のアクティブ領域(131)と、
・前記アクティブ領域(131)と、第1の下方のコンタクト面(191)で接触している、基板(101,500)内の導電性の第1埋設層(111)とを有している、
ことを特徴とするホールセンサ素子(100)。
【請求項2】
前記基板(101,500)は半導体基板であり、前記アクティブ領域(131)は第1の導電型の半導体領域である、請求項1記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項3】
前記アクティブ領域(131)と前記主要表面(102)で接触している、第1の上方コンタクト電極(141)を有している、請求項1または2記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項4】
前記第1の上方コンタクト電極(141)は実質的に垂直に、前記第1の下方コンタクト面(191)上に配置されている、請求項3記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項5】
前記第1の上方コンタクト電極(141)は、第1の下方コンタクト面(191)に対して対角線状にずらして配置されている、請求項3記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項6】
前記アクティブ領域(131)と前記主要表面(102)で接触している、第2の上方コンタクト電極(142)と第3の上方コンタクト電極(143)とを有している、請求項3から5までのいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項7】
さらに、
・前記アクティブ領域(131)と第2の下方コンタクト面(192)で接触している第2の導電性埋設層(112)と;
・前記アクティブ領域(131)と前記主要表面(102)で接触している第2の上方コンタクト電極(142)と;を有しており、
前記第1の下方コンタクト面(191)と前記第1の上方コンタクト電極(141)との間の第1の接続線(161)は、前記第2の下方コンタクト面(142)と前記第2の上方コンタクト電極(192)の間の第2の接続線(162)に対して傾斜して延在している、請求項3から5までのいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)。
【請求項8】
さらに、
・前記アクティブ領域(131)と、それぞれ属する第3の下方コンタクト面(193)および第4の下方コンタクト面(194)で接触している第3の導電性埋設層(113)および第4の導電性埋設層(114)と;
・前記アクティブ領域(131)と前記主要表面(102)で接触している第3の上方コンタクト電極(143)および第4の上方コンタクト電極(144)と;を有しており、
前記第1の接続線(161)と第2の接続線(162)とによって形成されている第1の面(599)は第2の面(699)に対して傾斜して延在しており、当該第2の面(699)は、前記第3の下方コンタクト面(193)と前記第3の上方コンタクト電極(143)との間の第3の接続線(163)と、前記第4の下方コンタクト面(194)と前記第4の上方コンタクト面(144)との間の第4の接続線(164)とによって形成されている、請求項7記載のホールセンサ素子(7)。
【請求項9】
磁界(B)を多次元、殊に三次元で測定するための、請求項1から8のいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)の使用。
【請求項10】
・電気的な測定電流(I)を前記第1の上方コンタクト電極(141)と前記第1の下方コンタクト面(191)との間で、前記アクティブ領域を通って導くステップ(711)と;
・前記第1の下方コンタクト面(191)と前記第1の上方コンタクト電極(141)との間の接続線(161)に対して傾斜して延在する区間(104;162)に沿って、アクティブ領域でのホール電圧(UH)を検出するステップ(712)と;を有している、請求項3から8までのいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)を用いた磁界(B)の測定方法。
【請求項11】
・電気的な測定電流(I)を前記アクティブ領域(131)を通って、前記第1の下方コンタクト面(191)と前記第1の上方コンタクト電極(141)との間の接続線(161)に対して傾斜して延在する区間(104;162)に亘って導くステップ(711)と;
・前記第1の上方コンタクト電極(141)と前記第1の下方コンタクト面(191)との間でホール電圧(UH)を検出するステップ(712)と;を有している、請求項3から8までのいずれか1項記載のホールセンサ素子(100)を用いた磁界(B)の測定方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2012−531757(P2012−531757A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518052(P2012−518052)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055904
【国際公開番号】WO2011/000601
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055904
【国際公開番号】WO2011/000601
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】
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