説明

ボトルの把手組付装置

【課題】 ブロー成形ボトルの把手取付用凹部に把手を確実かつ効率良く組み付け可能な把手組付装置を提案すること。
【解決手段】把手組付装置50は、二軸延伸ブロー成形機40から受け取ったボトル1を、位置決め部60に送り込み、各ボトル1の送りピッチおよび向きを揃える。送りピッチおよび向きが揃ったボトル1を、ボトル送り機構170によって、空気漏れ検査部80、把手挿入部100、把手固定部120、および不良ボトル排出部140を経由して、把手付きボトル取り出し部56に送り出す。把手10の取付不良の発生を抑制でき、効率良く把手組付動作を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製のボトルに形成されている把手取付用凹部に、合成樹脂製の把手を組み付けるために用いるボトルの把手組付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食用油などを入れる合成樹脂製の大型ボトル等は重いので、持ち運びを簡単に行うことができるように、その胴部外周面部分に把手が取り付けられている。把手の取付方法としては、把手取付用凹部を外周面に備えた形状のボトルを二軸延伸ブロー成形し、しかる後に当該把手取付用凹部に、別個に成形しておいた把手を取り付ける後付け方法が知られている。
【0003】
この方法により把手が取り付けられたボトルは、例えば、下記の特許文献1、2に開示されている。これらの特許文献に開示されている把手は、ボトル上下方向に長い握り部と、そのボトル上下方向の端から突出している腕部と、上側の腕部から下側の腕部に向けて延びている支持板とを備えた構造となっている。いずれの把手においても、ボトル側に形成されている把手取付用凹部に上下の腕部を強制的に嵌め込み、しかる後に支持板を強制的に押し込み、その先端部を下側の腕部の先端部に係合させるようになっている。支持板が下側の腕部に係合すると、下側の腕部が上側に撓むことが阻止され、上下の腕部の間隔が一定に保持されるので、把手が把手取付部に取り付けられた状態に保持される。
【特許文献1】特許第3508897号公報
【特許文献2】実用新案登録第2568990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、成形後のボトルの把手取付用凹部に把手を組み付ける作業を効率良く行うことのできるボトルの把手組付装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は、握り部の両端から同一方向に腕部が突出し、一方の腕部の先端からは支持板が他方の腕部まで延び、この支持板の先端を前記握り部の側から前記腕部の先端側に押し込むと、当該先端が前記腕部先端に係合可能となっている合成樹脂製の把手を、ブロー成形された合成樹脂製のボトルの把手取付用凹部に組付けるボトルの把手組付装置において、
正立姿勢で搬送されるボトルの送りピッチおよび向きを揃えるための位置決め部と、
ボトルの前記把手取付用凹部に前記把手を挿入するための把手挿入部と、
前記把手取付用凹部に挿入された前記把手の前記支持板の先端を前記腕部先端に係合させることにより、当該把手取付用凹部に前記把手を固定する把手固定部と、
前記把手挿入部に把手を供給するための供給部と、
前記位置決め部において設定された送りピッチおよび向きを保持したまま、前記把手挿入部および前記把手固定部を経由して、ボトルを搬送するボトル送り機構と、
前記把手挿入部に送り込まれたボトルを、当該把手挿入部における予め定めた把手挿入位置に保持すると共に、前記把手固定部に送り込まれたボトルを、当該把手固定部における予め定めた支持板押込位置に保持するボトル保持機構とを有していることを特徴としている。
【0006】
本発明の把手組付装置では、把手を組み付ける前に、搬送される各ボトルの送りピッチおよび向きを揃えるようにしている。したがって、把手挿入部の把手挿入位置に正確に各ボトルを送り込むことができる。また、当該把手挿入位置に送り込まれたボトルの把手取付用凹部の向きを、把手挿入方向に正確に合わせることができる。よって、把手挿入動作を確実に行うことができる。同様に、把手固定部においても、支持板押込位置に正確に各ボトルを送り込むことができ、また、当該支持板押込位置に送り込まれたボトルの把手取付用凹部および把手の向きを、支持板押込方向に正確に合わせることができる。よって、把手固定動作を確実に行うことができる。
【0007】
ここで、本発明の前記供給部は、前記把手をその握り部の背面が上を向いた横並び状態で収納し、当該把手を自重により滑落させて前記把手挿入部に供給するシュートを備えていることを特徴としている。縦に並べて把手が収納されている場合などとは異なり、把手が収納部内で滞留して、把手の供給動作が円滑に行われないなどの弊害を解消できる。また、把手の自重を利用して把手を把手挿入部に供給しているので、供給部を簡単な機構とすることができる。
【0008】
本発明の前記把手挿入部は:前記供給部から供給される前記把手を所定角度の前傾姿勢となるまで持ち上げるリフト機構と;持ち上げられた前傾姿勢状態の前記把手における握り部背面側部分を挟持し、前傾姿勢のまま、前記把手挿入位置で待機しているボトルの前記把手取付用凹部に向けて送り出し、当該把手の上端部分が前記把手取付用凹部に挿入された状態となるように位置決めする位置決め機構と;上端部分が前記把手取付用凹部に挿入された状態の前記把手の下端部分を当該把手取付用凹部に押し込む把手押込機構と;を備えた構成とすることができる。
【0009】
この場合、前記把手固定部は、前記支持板押込位置に待機しているボトルの前記把手取付用凹部に挿入されている前記把手の前記支持板の先端をボトル中心側に押し込み、当該先端を腕部先端に係合させる支持板押込機構を備えた構成とすることができる。
【0010】
本発明において、前記位置決め部は:ボトルの胴部を横方から保持可能な溝が一定のピッチで形成されているピッチ調整板を用いてピッチ調整を行うピッチ調整機構と;送りピッチが調整された各ボトルをその中心軸線周りに回転可能な状態で保持し、この状態で、一対の押し付けパッドを各ボトルの前記把手取付用凹部に押し付けて各ボトルを前記中心軸線周りに回転させて、各把手取付用凹部が同一方向に向くように揃える向き調整機構と;を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明において、前記把手固定部は、前記ボトル保持機構によって前記支持板押込位置に保持されているボトルの内圧を大気圧より高く保持した状態で、前記支持板の押込み動作を行うことを特徴としている。
【0012】
さらに、本発明では、前記位置決め部と前記把手挿入部の間に、各ボトルの空気漏れの有無を検査するための空気漏れ検査部を有していることを特徴としている。
【0013】
次に、本発明のボトル送り機構は、同時に多数個のボトルの把手組付動作を行うために、ボトルを複数本ずつ、前記位置決め部、前記把手挿入部、前記把手固定部に順次に送り込むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のボトルの把手組付装置では、把手を組み付ける前に、搬送される各ボトルの送りピッチと共に、ボトルの向きを揃えるようにしている。したがって、把手挿入部の把手挿入位置に正確に各ボトルを送り込むことができる。また、当該把手挿入位置に送り込まれたボトルの把手取付用凹部の向きを、把手挿入方向に正確に合わせることができる。よって、把手挿入動作を確実に行うことができる。同様に、把手固定部においても、支持板押込位置に正確に各ボトルを送り込むことができ、また、当該支持板押込位置に送り込まれたボトルの把手取付用凹部および把手の向きを、支持板押込方向に正確に合わせることができる。よって、把手固定動作を確実に行うことができる。
【0015】
この結果、本発明によれば、成形後のボトルの把手取付用凹部に把手を組み付ける作業を、組付け不良を発生させること無く、効率良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照して、本発明により把手を組付可能なボトルの例および、本発明を適用したボトルの把手組付装置の例を説明する。
【0017】
(把手付きボトルの例)
図1(a)は把手付きボトルを示す側面図であり、図1(b)は把手を示す側面図である。また、図2(a)は把手付きボトルの縦断面図であり、図2(b)は横断面図である。これらの図を参照して説明すると、本例の把手付きボトル1のボトル本体2は、小径の口部3と、その下側に連続している底付きの全体として円筒状の胴部4とを備えており、胴部外周面には面外剛性を高めるための凹凸状のリブが形成されている。胴部4における上側の外周面部分には、上下方向に所定幅の把手取付用凹部5が形成されている。この形状のボトル本体2は二軸延伸ブロー成形により成形されたものであり、成形後に、その把手取付用凹部5に、別個に成形しておいた合成樹脂製の把手10が固定されている。
【0018】
ボトル本体2に形成されている把手取付用凹部5は、凹部底面を規定しているほぼ平坦な胴部側面部分6と、この胴部側面部分6の上端縁と胴部外周面部分4aを結ぶ上側端面7と、胴部側面部分6の下端縁と胴部外周面部分4aを結ぶ下側端面8によって規定されている。胴部側面部分6の中央にはボトル上下方向に延びる一定幅の浅い凹溝6aが形成され、さらに、当該凹溝6aの中心にはボトル上下方向に延びるリブ溝6bが形成されている。
【0019】
上側端面7は、下側に凸の凸曲面形状をしており、そのボトル中心側の端は、上方に窪んでいる細幅の上側嵌め込み溝7aとなっている。当該上側端面7のボトル外周側の端(
開口縁部分)を形成している円弧面部分には、ボトル中心側に窪んでいる差込溝7bが形
成されている。下側端面8は、上側に凸の凸曲面形状をしており、そのボトル中心側の端は、下方に窪んでいる細幅の下側嵌め込み溝8aとなっている。
【0020】
この形状の把手取付用凹部5に固定されている合成樹脂製の把手10は、上側端面7の開口縁から下側端面8の開口縁まで延びている縦長の握り部11と、この握り部11の上下の端部からボトル中心側に突出している上側腕部12および下側腕部13と、下側腕部13の先端部からボトル上方に延びている撓み防止板14(支持板)とを備えている。上側腕部12は上下方向に撓み可能な可撓腕部であり、下側腕部13は上下方向には撓むことのない剛性腕部である。取付状態においては、撓み防止板14の先端14aは、上側腕部12の先端から外れないように、当該先端に形成した先端係合溝12bに係合しており、当該撓み防止板14によって上側腕部12の撓みが阻止されている。
【0021】
各部の形状を詳細に説明すると、握り部11は、一定幅および厚さの縦長の円弧状の外板部分11aと、これよりも幅の狭い一定厚さの直線状の内板部分11bとが、縦リブ11cによって連結された形状をしている。外板部分11aの上端は内側に鋭角に折れ曲がり、内板部分11bの上端は内側に円弧状に曲がり、これらが合流して、一定厚さの上側腕部12に連続している。
【0022】
外板部分11aの上端の内側表面部分には、ボトル側に形成されている差込溝7bに差し込まれている突起15が一体形成されている。また、上側腕部12の上側当接面12aは下側に僅かに湾曲した湾曲面であり、その先端側の部位には、上方に一定幅および一定厚さで突出した上側突起16が一体形成されている。この上側突起16がボトル側の上側端面7の上側嵌め込み溝7aに下側から嵌っている。
【0023】
上側腕部12の下側面は平坦な面であり、その先端側の部位には、先端側に向けて突出量の多くなるくさび状の爪部分17が形成されている。この爪部分17の端面17aと下側面の先端部分とによって、先端係合溝12bが形成されている。この先端係合溝12bに撓み防止板14の先端14aが嵌っている。
【0024】
次に、握り部11の外板部分11aの下端は90度よりも小さな角度で内側に折れ曲がって、下側腕部13の下板部分13aに連続している。内板部分11bの下端も内側に円弧状に曲がり、下側腕部13の上板部分13bに連続している。下側腕部13は、上板部分13bと下板部分13aがボトル中心側の先端において合流した山形形状をしており、これらの間が三角形の縦リブ13cによって連結されている。したがって、上下方向の剛性が高く、上下方向には撓まない剛性腕部となっている。
【0025】
下側腕部13の下側当接面13dは全体として上側に僅かに湾曲した湾曲面であり、その先端側の部位には下方に一定幅で突出した下側突起18が一体形成されており、これが、ボトル側の下側端面8の下側嵌め込み溝8aに上側から嵌っている。
【0026】
この構成の下側腕部13の先端は円弧状にほぼ直角に湾曲して、撓み防止板14に連続している。撓み防止板14は一定幅で一定厚さの縦長の矩形板であり、その内側の表面の中心には上下方向に延びる補強用リブ14bが形成されている。撓み防止板14は、ボトル側の凹溝に装着され、その補強用リブ14bも凹溝に形成したリブ溝6bに嵌った状態となっている。
【0027】
(把手の組付手順)
図3は把手10をボトル本体2に組み付ける手順を示してある。図3(a)に示すように、取付前の把手10は、撓み防止板14の先端14aが上側腕部12の爪部分17よりも握り部11の側に位置している。先端14aは内側が円弧面となっており、爪部分17に容易に乗り上げ可能となっている。
【0028】
まず、図3(a)に示すように、ボトル本体2に取り付けた状態に対して把手10を所定角度だけ前傾姿勢にして、その上側腕部12の上側当接面12aを、ボトル本体2の把手取付用凹部5の上側端面7に押し当て、突起15が差込溝7bに差し込まれ、上側突起16が上側嵌め込み溝7aに位置決めされた状態を形成する。
【0029】
この状態で、把手10の握り部11の下側部分を把手取付用凹部5に向けて強制的に押し込む。この結果、上側腕部12における撓み防止板14の先端14aが当っている部分の先端側が下方に撓み、また、ボトル本体側の下側端面8が撓むことにより、把手10の下側腕部13の下側突起18を下側嵌め込み溝8aに押し込むことができる。
【0030】
図3(b)の実線はこの状態を示してある。この後は、撓み防止板14をボトル中心側に強制的に押し込む。撓み防止板14の先端14aは、上側腕部12を強制的に上側に撓めながら、爪部分17を乗り越える。爪部分17を乗り越えると、先端14aは先端側の先端係合溝12bに嵌り、上側腕部12は再び下側に戻る。この結果、撓み防止板14は、図3(b)において想像線で示すように、上側腕部12に対して外れることのない状態で係合して、把手10の組付状態が形成される。
【0031】
下側腕部13は剛性腕部であり、可撓性の上側腕部12は撓み防止板14によって撓みが阻止される。よって、上側腕部12の上側突起16および下側腕部13の下側突起18がそれぞれ、上側嵌め込み溝7aおよび下側嵌め込み溝8aに嵌った状態に保持され、また、上側の突起15も差込溝7bに嵌った状態に保持されるので、把手10がボトル本体2に固定された状態になる。
【0032】
(把手組付装置)
(全体構成)
図4〜図6は本発明を適用した把手組付装置を示す図であり、図4は正面から見た場合の概略構成図であり、図5は上方から見た場合の概略構成図であり、図6は側面から見た場合の概略構成図である。また、図7は、本例の把手組付装置の把手組付け部分の機構および動作を示す概念図である。
【0033】
把手組付装置50は、横長のボックス状の装置ハウジング51を有しており、この装置ハウジング51を貫通して、水平な直線状のボトル搬送路52が形成されている。装置ハウジング51内において、ボトル搬送路52の上流側から下流側に向けて、ボトル位置決め部60、空気漏れ検査部80、把手挿入部100、把手固定部120、および、不良ボトル選別部140がこの順番に配置されている。
【0034】
ボトル搬送路52の上流側の部分は、装置ハウジング51のボトル供給側端面53から水平に突出したボトル受け取り部54となっている。このボトル受け取り部54には、例えば、二軸延伸ブロー成形機40によって成形されたボトル1が供給される。ボトル搬送路52の下流側の部分は、装置ハウジング51における反対側のボトル排出側端面55から水平に突出した把手付きボトル取り出し部56となっている。
【0035】
ボトル搬送路52のボトル受け取り部54に供給されたボトル1は、ボトル搬送機構150によってボトル搬送路52を搬送される。本例のボトル搬送機構150は、一定のピッチで配列されたボトル1を4本ずつ間欠的に、各部60、80、100、120、140を経由して搬送する。
【0036】
ボトル搬送機構150は、ボトル搬送路52におけるボトル受け取り部54およびボトル位置決め部60の搬送路部分を規定しているベルトコンベヤ160と、このベルトコンベヤ160から4本ずつボトル1を受け取り、空気漏れ検査部80、把手挿入部100、把手固定部120、不良ボトル選別部140および把手付きボトル取り出し部56に、順次に間欠的に送り出すためのボトル送り機構170を備えている。
【0037】
また、空気漏れ検査部80、把手挿入部100および把手固定部120には、これらの各部に送り込まれたボトル1が移動しないようにボトル搬送路52の搬送面に押し付けて固定するための第1、第2および第3ボトル固定機構190、200、210がそれぞれ配置されている。
【0038】
さらに、把手挿入部100には、ボトル1に挿入される把手10を供給するための把手供給部220が付設されている。本例の把手供給部220は、多数個の把手10を、その握り部11の背面を上に向けて横並び状態で収納している4連のシュート221を備えている。各シュート221はその後端から前端に向けて下方に傾斜しており、把手10はそれらの自重により前方に滑落して、把手挿入部100に供給されるようになっている。
【0039】
各部の構成を詳細に説明する前に、図7を主に参照して、把手挿入部100および把手固定部120の概略構成および概略動作を説明する。まず、ボトル送り機構170によって把手挿入部100に送り込まれた4本のボトル1は、それぞれ、第2ボトル固定機構200によって各把手挿入位置101〜104に固定される。
【0040】
シュート221の前側には、当該シュート221から送り出された把手10を横置き状態から所定角度だけ傾斜した前傾姿勢となるまで持ち上げるリフト機構230が配置されている。リフト機構230の側方位置には、リフト機構230から把手10を受け取って、4箇所の把手挿入位置101〜104に待機しているボトル1の把手取付用凹部5に把手10の上端側部分を挿入するための把手位置決め機構240が配置されている。把手位置決め機構240は、持ち上げられた前傾姿勢状態の把手10における握り部11の背面側部分を両側から挟持するグリッパ241を備えており、このグリッパ241が待機しているボトル1の側に旋回して、待機しているボトル1の把手取付用凹部5に向けて送り出され、グリッパ241に保持されている当該把手10の上端部分が把手取付用凹部5に位置決めされる。
【0041】
把手挿入位置101〜104におけるシュート221の近傍位置には、上端部分が把手取付用凹部5に挿入された状態の把手10の下端部分を当該把手取付用凹部5に押し込むための把手押込機構250が配置されている。把手10の全体がボトル1の把手取付用凹部5に差し込まれた後は、ボトル送り機構170によって当該ボトル1は、把手固定部120の4箇所の支持板押込位置121〜124に向けて送り出され、これらの各位置121〜124において第3ボトル固定機構210によって固定される。
【0042】
支持板押込位置121〜124の近傍には支持板押込機構260が配置されている。当該支持板押込機構260によって、ボトル1の把手取付用凹部5に押し込まれている把手10の支持板14の先端14aがボトル中心側に押し込まれて、当該先端14aが上側腕部12の先端係合溝12bに係合し、これによって、把手10の組み付け作業が終了する。支持板押込機構260は、ボトル1の側方から把手10の握り部11と支持板14の間に差し込まれる押込部材264を備えており、この押込部材264を引き上げながら支持板14をボトル中心側に押し込むことにより、支持板14の先端14aを上側の腕部12の先端係合溝12bに嵌め込むようになっている。
【0043】
(ボトル搬送機構)
まず、ボトル搬送機構150のベルトコンベヤ160は、無端ベルト161の両側が端板162、163によって封鎖されている。これらによって囲まれている内部空間には負圧が供給され、無端ベルト161にはその搬送方向に向けて一定間隔で吸引用スリット161aが形成されている。したがって、無端ベルト161の上流側の端に正立状態で供給されたボトル1は、吸引用スリット161aに吸引され、倒れることなく、また、位置ずれが生ずることなく、搬送可能である。
【0044】
次に、図8(a)〜(c)は、ボトル送り機構170を示す概略部分平面図、概略部分側面図および概略部分断面図である。また、図9(a)および(b)はボトル送り機構170の部分拡大平面図および部分拡大断面図である。ボトル送り機構170は、装置架台57に支持されている第1スライダ171と、この第1スライダ171によって支持されている第2スライダ172を有している。第1スライダ171は、ボトル搬送路52に沿ってスライドし、その前端位置が前側ストッパ173によって規定され、その後端位置が後側ストッパ174によって規定される。第2スライダ172は、第1スライダ171に搭載されている一対のエアーシリンダ175によって、ボトル搬送路52に直交する方向にスライドする。
【0045】
第2スライダ172には、搬送方向の下流側から第1〜第4送り板176(1)〜176(4)がこの順序に取り付けられている。第1〜第4送り板176(1)〜176(4)には、それぞれ、同一ピッチで4つの半円形の送り溝177(1)〜177(4)が形成されている。第2スライダ172をボトル搬送路52に対して直交する方向に退避位置まで後退させると、ボトル搬送路52上のボトル1から各送り溝177(1)〜177(4)が外れる。第2スライダ172をボトル搬送路52に対して直交する方向にボトル保持位置まで前進させると、ボトル搬送路52上のボトル1が各送り溝177(1)〜177(4)に横方から保持された状態になる。
【0046】
また、第1スライダ171が前側ストッパ173によって規定される送り出し位置まで送り出されると、第1〜第4送り板176(1)〜176(4)は、それぞれ、空気漏れ検査部80、把手挿入部100、把手固定部120、および、不良ボトル選別部140に位置決めされる。第1スライダ171が後側ストッパ174によって規定される戻り位置に戻ると、第1〜第4送り板176(1)〜176(4)は、それぞれ、手前のボトル位置決め部60、空気漏れ検査部80、把手挿入部100、および、把手固定部120に戻る。
【0047】
ここで、第1〜第4送り板176(1)〜176(4)(以下、これらを纏めて送り板176と呼ぶ場合もある。)は、図9(b)に示すように、同一形状をした上下一対の送り板からなる。上側の送り板176における各送り溝177(1)〜177(4)(以下、これらを纏めて送り溝177と呼ぶ場合もある。)の間の突出部分176aには、一対の開閉腕178が軸179を中心としてボトル搬送方向に沿って開閉可能な状態で取り付けられている。各開閉腕178の先端は、ボトル搬送路52の中心線52aよりも奥まで延びており、また、開閉腕178の先端部にも、中心線52aよりも奥側の位置で、回転自在の状態で一対のローラ180が垂直に取り付けられている。
【0048】
開閉腕178は、軸179を中心として、閉じる方向に付勢されており、それらの後端側の部分の間に後方から差し込まれている開閉用突起181によって所定の開き状態に保持されている。開閉用突起181は電磁ソレノイド182によって図9(a)において実線で示す後退位置から前方に突出可能となっている。開閉用突起181が突出すると、一対の開閉腕178が想像線で示すように開く。この結果、開閉腕178の先端に取り付けられているローラ180が開く。これにより、各送り溝177に保持されている各ボトル1が、搬送方向の前後からローラ180によって挟持された状態が形成される。開閉用突起181を引き込めると、開閉腕178が閉じて、ボトル1の挟持状態が解除される。
【0049】
ボトル搬送機構150によるボトル1の搬送動作を説明する。二軸延伸ブロー成形機40からベルトコンベヤ160は、ボトル受け取り位置54において、一定のピッチで、ボトル1が引き渡される。ベルトコンベヤ160に引き渡されたボトル1は、その無端ベルト161の吸引用スリット161aによって吸引された状態で搬送される。
【0050】
ベルトコンベヤ160によってボトル位置決め部60に送り込まれた4本のボトル1は、後述のように、それらのピッチが一定となるように調整され、また、それらの把手取付用凹部5が一定の方向を向くように姿勢が調整される。かかる位置決め動作における所定の時点で、ボトル送り機構170の第1〜第4送り板176(1)〜176(4)がボトル保持位置まで前進して、4本のボトル1がそれぞれ第4送り板176(4)の各送り溝177(1)〜177(4)に保持され、各開閉腕178のローラ180の間に挟持された状態が形成される。
【0051】
この状態が形成された後に、各送り板176(1)〜176(4)が送り出し位置まで送り出される。この結果、第4送り板176(4)の各送り溝177(1)〜177(4)に保持されているボトル1が次の空気漏れ検査部80に送り込まれた状態になる。空気漏れ検査後は、各送り板176(1)〜176(4)はボトル搬送路52から退避位置まで後退し、しかる後に、所定量だけ戻されて、後側ストッパ174によって規定される戻り位置まで戻る。かかる動作を繰り返すことにより、各送り板176(1)〜176(4)によって、4本ずつボトル1が、順次に、位置決め部60から、空気漏れ検査部80、把手挿入部100、把手固定部120、および、不良ボトル選別部140に搬送される。
【0052】
(ボトル位置決め部)
図10(a)、(b)および図11(a)、(b)は、それぞれ、ボトル位置決め部60を示す部分平面図および部分側面図である。図10に示すように、ボトル搬送路52を挟み、ボトル送り機構170とは反対側には、4本のボトル1の間隔を予め定められた一定のピッチとなるように調整するためのピッチ調整機構61が備わっている。ボトル搬送路52に対して直交する方向に前進後退可能なピッチ調整板62と、このピッチ調整板62を移動させるためのエアーシリンダ63とを備えている。ピッチ調整板62は、横方からボトル1を受け入れ可能な4つの半円形の溝63を備えている。各溝63の間および両端に形成されている突出板部分62aは、三角形状の尖った先端部を備えている。また、ピッチ調整機構61は、ボトル搬送路52を挟み、ピッチ調整板62とは反対側にボトル搬送方向に平行に延びる平坦な端面64aを備えた受け板64を備えている。
【0053】
ピッチ調整板62を前進させると、それらの突出板部分62aの端面にガイドされながら、各ボトル1のピッチが調整される。この調整時には、各ボトル1は、受け板64の端面64aに押し付けられているので、ボトル搬送路52に直交する方向に移動することはない。よって、ピッチ調整板62を押し出すことにより、4本のボトル1のピッチが一定のピッチとなるように調整される。
【0054】
次に、図11に示すように、ピッチ調整板62の上方位置には、各ボトル1の向きを揃えるための向き調整機構66が配置されている。向き調整機構66は、各ボトル1の向きを揃えるための向き調整板67を備え、この向き調整板67は、ボトル搬送路52に対して直交する方向の前進および後退可能であり、エアーシリンダ68によって移動させられるようになっている。向き調整板67は、ボトル搬送路52に平行に延びている端面67aを備えており、この端面67には、4組の押し付けパッド68が取り付けられている。向き調整板67をボトル搬送路52に向けて押し出すと、各組の押し付けパッド68が各ボトル1の把手取付用凹部5における胴部側面部分6に当接する。
【0055】
ここで、ボトル搬送路52の反対側には、ボトル送り機構170の第1送り板176が配置されており、押し付けパッド68によってボトル1を押し付ける際には、第1送り板176によって反対側から各ボトル1が保持された状態とされる。また、上側の第1送り板176には、ボトル保持状態において、各ボトル1の胴部外周面に当接可能な一対のローラ69が回転自在の状態で垂直に取り付けられている。
【0056】
この構成の位置決め部60の動作を説明する。まず、図10に示すように、位置決め部60に送り込まれた4本のボトル1に対して、その側方からピッチ調整板62が押し出され、それらのピッチが調整される。
【0057】
次に、上側の向き調整機構66の向き調整板67が押し出されると共に、反対側からボトル搬送機構170の送り板176が押し出される。この結果、図11に示すように、ボトル1は、一方の側から一対の押し付けパッド68によって押し付けられ、他方の側では、一対の回転自在なローラ69によって保持された状態になる。したがって、ボトル1はローラ69によってその中心軸線周りに回転可能な状態で保持されているので、押し付けパッド68をボトル1に押し付けると、その把手取付用凹部5が一定の向きとなるように、各ボトル1の向きが整えられる。この後は、前述のようにボトル搬送機構170の開閉腕178を押し広げて、各ボトル1をローラ180によって保持する。
【0058】
(ボトル固定機構)
図12(a)および(b)は第1〜第3ボトル固定機構190、200、210を示す側面図および立面図である。これら第1〜第3ボトル固定機構は同一構成であるので、把手挿入部100に配置されている第2ボトル固定機構200について説明する。
【0059】
第2ボトル固定機構200は、装置架台57に取り付けた水平支持板201から垂下している4本のエアーシリンダ202と、それらの各伸縮ロッド203の下端に取り付けた段付き差込コア204とを有している。各ボトル1が各把手挿入位置101〜104に到った後に、段付き差込コア204を降下させ、ボトル1の口部に差し込むと共に、その段面でボトル1を押し付けることにより、当該位置にボトル1が確実に保持された状態が形成される。したがって、ボトル送り機構170による保持が解除された後においても、ボトル1は、位置決め部60において規定されたピッチおよび向きのまま保持される。
【0060】
これに対して、空気漏れ検出部80に配置されている第1ボトル固定機構190は、第2、第3ボトル固定機構200、210の構成に加えて、段付き差込コア204によって口部が封鎖されたボトル1の内部に大気圧より高い圧力のエアーを加える加圧機構(図示せず)を備えている。ボトル内部が加圧状態に保持されない場合には、当該ボトルを、ピンホールなどの空気漏れが発生している不良ボトルと判断する。不良ボトルは、不良ボトル選別部140において不図示の不良ボトル回収部に回収され、それ以外のボトルのみが把手付きボトル排出部56に排出される。
【0061】
同様に、ボトル1を支持板押込位置121〜124に保持するための第3ボトル保持機構210も、加圧機構が備わっている。後述の把手固定動作時には、加圧機構によってボトル1の内圧を大気圧よりも僅かに高く保持し、把手10をボトル1の把手取付用凹部5に取り付ける際に加わる力によってボトル1の変形を防止し、把手10の固定不良状態が発生しないようにしている。
【0062】
(把手挿入部)
図13(a)および(b)は、把手挿入部100を示す概略平面図および概略立面図である。図14は把手挿入部の概略側面図である。
【0063】
まず、各把手挿入位置101〜104に対応して配置されている4組のシュート221は、上方が開口した溝形断面のものであり、その左右の側板223、224の間隔は、把手10を、その握り部背面側を上に向けて横置き状態で挿入可能な寸法とされている。シュート221を自重により滑落してきた把手10は、シュートの前端開口部からリフト機構230に引き渡される。本例では、把手10を背面を上にした横並び状態でシュート221に収納し、これを幅方向に把手の自重により押し出して供給するようになっている。したがって、縦並び状態で把手を送り出す場合などとは異なり、把手がシュート221内で詰まるなどの弊害が起きずに、円滑かつ確実に把手10を供給できる。
【0064】
リフト機構230は、シュート221から把手10を受け取る把手受入部231と、この把手受入部231を上下方向に旋回させる旋回部232とを備えている。把手受入部231の後側の端面231aは、シュート221の前端開口部と同一形状の開口部となっており、また、当該把手受入部231は1個の把手10のみを受入可能な幅とされ、その前側の端面が端板233によって封鎖されている。
【0065】
把手受入部231は旋回軸235を中心に上下に旋回可能である。旋回部232は、エアーシリンダ236を備え、その伸縮ロッド236aの先端が把手受入部231の底面に連結されている。伸縮ロッド236aを伸長すると、水平状態の把手受入部231が図14に示すように、旋回軸235を中心として持ち上がり、そこに保持されている把手10を所定角度の前傾姿勢にすることができる。
【0066】
ここで、把手受入部231のL形の端面231aは、旋回状態においては、常に、シュート221の前側開口部の一部を遮っている。したがって、旋回中に、シュート221の前側開口部から把手10が押し出されてしまうことがない。
【0067】
次に、把手位置決め機構100Aは、前傾姿勢で把手受入部231に保持されている把手10の握り部11の背面側の部分を両側からグリップするグリッパ241を備えている。グリッパ241は、グリッパ支持部242によって開閉可能な状態で支持されており、当該グリッパ支持部242に内蔵のエアーシリンダ(図示せず)によって開閉駆動される。グリッパ241は、開状態で、前傾姿勢となるように持ち上げられた把手10が位置する部位に待機しており、把手受入部231が持ち上げられ、そこに保持されている把手10がグリッパ241の間に位置すると、当該グリッパ241が閉じて、前傾姿勢の把手10をグリップした状態になる。
【0068】
グリッパ241の支持部242は垂直な旋回軸243に取り付けられている。この旋回軸243の上端部は回転自在の状態でスライダ244によって支持されている。スライダ244は、スライドレール245に沿って、ボトル搬送路520に直交する方向に直線往復移動可能である。スライダ244は、エアーシリンダ246からなる駆動機構によって駆動されるようになっている。
【0069】
ここで、旋回軸243の上端には旋回中心軸線から半径方向に延びる腕243aが形成されており、この腕243aの先端にはローラからなるカムフォロワ247が取り付けられている。カムフォロワ247は、スライダ244の移動方向に延びる直線状部分とその後端から円弧状に直角に折れ曲がっている湾曲部分とを備えたカム溝248にスライド可能な状態で嵌っている。
【0070】
スライダ244によってグリッパ241が前方に送り出されると、カムフォロワ247がカム溝248の後端の湾曲部分から直線状部分にスライドし、旋回軸243を90度回転させる。よって、旋回軸243の下端に取り付けられているグリッパ241は送り出しの初期の段階で90度旋回して、前向き状態になり、この状態のままで前方に送り出される。
【0071】
このように、本例では、前傾姿勢の把手10をグリップしたグリッパ241を、カム溝248およびカムフォロワ247からなるカム機構を利用して、前向き状態となるように90度旋回させ、その状態のままで前方に送り出すようにしている。すなわち、把手10をボトル1に位置決めする動作にカム機構を採用しているので、簡単な構成により、シュート221から受け取って前傾姿勢にした把手10を前方に90度旋回させて、送り出して待機しているボトル1の把手取付用凹部5に挿入する機構100Aを構築できる。
【0072】
次に、把手挿入機構250は、図13に示すように、シュート221とボトル搬送路52の間に配置されている。この把手挿入機構250は、水平な押込みバー251を備え、この押込みバー251の両端には直交方向に延びる旋回腕252、253が取り付けられており、旋回腕252、253の下端の間には、旋回軸254が水平に架け渡されており、この旋回軸254の外周には同軸状態でピニオン255が形成されている。ピニオン255の側方には、当該ピニオン255に噛み合っているラック256が垂直方向に移動可能な状態で配置され、ラック256の昇降は、エアーシリンダからなる駆動機構257によって行われる。押込みバー251は、図13の実線で示す待機位置から、上方に旋回可能であり、その旋回軌跡上に、ボトル1に上端部分が位置決めされた把手10の握り部11の背面下端部分が位置するように設定されている。
【0073】
グリッパ241を前方に送り出して、前傾姿勢の把手10の上端部分をボトル1の把手取付用凹部5の上端面7に位置決めした後に、把手挿入機構250を駆動して、押込みバー251を旋回させる。これと同期させて、グリッパ241による把手10のグリップを解除する。押込みバー251によって押されて、把手10の下端部分が押し込まれ、把手10が把手取付用凹部5に全体的に差し込まれた状態になる。
【0074】
(把手固定部)
次に、図15は支持板押込機構260を示す立面図であり、図16はその平面図である。支持板押込機構260は、装置架台57に支持されている支持台261によって、ボトル搬送路52に直交する方向にスライド可能に支持されている前後スライダ262と、この前後スライダ262を、ボトル搬送路52に平行な方向にスライド可能に支持している左右スライダ263と、前後スライダ262によって昇降可能な状態で支持されている支持板押込部材264とを備えている。
【0075】
ボトル1が支持板押込位置121〜124に到ると、前後スライダ262によって支持板押込部材264が前方に送り出され、支持板押込部材264は、ボトル1の下流側から、把手10の握り部11と支持板14の間に差込可能な位置に位置決めされる。次に、左右スライダ263によって搬送方向の上流側に送り出されて、支持板押込部材264は、握り部11と支持板14の間の下端部分に差し込まれた状態になる。次に、支持板押込部材264は、エアーシリンダからなる昇降機構265によって上方に引上げられ、支持板14をボトル中心側に押し込み、その先端14aを、上側腕部12の先端の先端係合溝12bに押し込む。
【0076】
ここで、支持板押込部材264は、旋回軸266の先端部に取り付けられており、旋回軸中心から一方の側に突出した外周面輪郭形状のものである。旋回軸266は垂直支持板267によって回転自在の状態で支持されている。また、旋回軸266の後端部には旋回軸中心から半径方向に延びる腕が取り付けられており、腕の先端にはローラからなるカムフォロワ268が取り付けられている。カムフォロワ268はカム溝269にスライド自在の状態で嵌っている。カム溝269は、垂直に延びる溝部分と、その上端から後方に円弧状に直角に折れ曲がった湾曲部分とを備えている。昇降機構265によって支持板押込部材264が下端から引上げられると、カムフォロワ268およびカム溝269からなるカム機構によって、旋回軸266が回転し、その先端に取り付けられている支持板押込部材264も回転して、その半径方向に突出している部分が支持板14の側に回転しながら、当該支持板14を押し込む。支持板押込部材264が上端に到ると、90度回転して、その突出部分がボトル中心側に90度回転した状態になる。
【0077】
このように、本例では、カム機構によって、支持板押込部材264の引き上げ動作を利用して、当該支持板押込部材264を90度回転させて、支持板14をボトル中心側に押し込むことができる。よって、簡単な構成により、確実に支持板14を押込み、その先端14aを上側腕部12の先端係合溝12bにはめ込むことができる。
【0078】
(不良ボトル選別部、把手付きボトル取り出し部)
なお、不良ボトル選別部140では、空気漏れ検査部80において不良であることが判明したボトルを、不図示の不良ボトル回収部に回収する。残りのボトルがボトル送り機構170によって把手付きボトル取り出し部56に送り出され、不図示の回収部に回収される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明を適用した把手付きボトルの側面図および把手の側面図である。
【図2】図1のボトルの縦断面図および横断面図である。
【図3】ボトルに把手を取り付ける手順を示す説明図である。
【図4】本発明を適用した把手組付装置の概略側面図である。
【図5】図4の把手組付装置の概略平面図である。
【図6】図4の把手組付装置の概略断面図である。
【図7】図4の把手組付装置の把手組付動作を示す概念図である。
【図8】(a)〜(c)は、ボトル送り機構を示す概略部分平面図、概略部分側面図および概略部分断面図である。
【図9】図9(a)および(b)はボトル送り機構の部分拡大平面図および部分拡大断面図である。
【図10】(a)および(b)は、ボトル位置決め部のピッチ調整機構を示す部分平面図および部分側面図である。
【図11】(a)、(b)は、ボトル位置決め部の向き調整機構を示す部分平面図および部分側面図である。
【図12】(a)および(b)は第1〜第3ボトル固定機構を示す側面図および立面図である。
【図13】(a)および(b)は、把手挿入部を示す概略平面図および概略立面図である。
【図14】把手挿入部の概略側面図である。
【図15】支持板押込機構を示す立面図である。
【図16】支持板押込機構の平面図である。
【符号の説明】
【0080】
(ボトルおよび把手)
1 把手付きボトル、2 ボトル本体、3 口部、4 胴部、5 把手取付用凹部、6 外周側面、7 上側端面、8 下側端面、7a 上側嵌め込み溝、8a 下側嵌め込み溝、7b 差込溝、11 握り部、12 上側腕部、12b 先端係合溝、13 下側腕部、14 支持板、14a 先端、15 突起、16上側突起、17 爪部分、18 下側突起
(把手組付装置)
50 把手組付装置、51 装置ハウジング、52 ボトル搬送路、54 ボトル受け取り部、56 ボトル取り出し部、57 装置架台、60 ボトル位置決め部、80 空気漏れ検査部、100 把手挿入部、101〜104 把手挿入位置、120 把手固定部、121〜124 把手固定位置、140 不良ボトル選別部、150 ボトル搬送機構、160 ベルトコンベヤ、170 ボトル送り機構、190,200,210 ボトル固定機構、220 把手供給部、230 リフト機構、240 把手位置決め機構、250 把手押込機構、260 支持板押込機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
握り部の両端から同一方向に腕部が突出し、一方の腕部の先端からは支持板が他方の腕部まで延び、この支持板の先端を前記握り部の側から前記腕部の先端側に押し込むと、当該先端が前記腕部先端に係合可能となっている合成樹脂製の把手を、ブロー成形された合成樹脂製のボトルの把手取付用凹部に組付けるボトルの把手組付装置において、
正立姿勢で搬送されるボトルの送りピッチおよび向きを揃えるための位置決め部と、
ボトルの前記把手取付用凹部に前記把手を挿入するための把手挿入部と、
前記把手取付用凹部に挿入された前記把手の前記支持板の先端を前記腕部先端に係合させることにより、当該把手取付用凹部に前記把手を固定する把手固定部と、
前記把手挿入部に把手を供給するための供給部と、
前記位置決め部において設定された送りピッチおよび向きを保持したまま、前記把手挿入部および前記把手固定部を経由して、ボトルを搬送するボトル送り機構と、
前記把手挿入部に送り込まれたボトルを、当該把手挿入部における予め定めた把手挿入位置に保持すると共に、前記把手固定部に送り込まれたボトルを、当該把手固定部における予め定めた支持板押込位置に保持するボトル保持機構とを有していることを特徴とするボトルの把手組付装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記供給部は、前記把手をその握り部の背面が上を向いた横並び状態で収納し、当該把手を自重により滑落させて前記把手挿入部に供給するシュートを備えていることを特徴とするボトルの把手組付装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記把手挿入部は、
前記供給部から供給される前記把手を所定角度の前傾姿勢となるまで持ち上げるリフト機構と、
持ち上げられた前傾姿勢状態の前記把手における握り部背面側部分を挟持し、前傾姿勢のまま、前記把手挿入位置で待機しているボトルの前記把手取付用凹部に向けて送り出し、当該把手の上端部分が前記把手取付用凹部に挿入された状態となるように位置決めする位置決め機構と、
上端部分が前記把手取付用凹部に挿入された状態の前記把手の下端部分を当該把手取付用凹部に押し込む把手押込機構とを備えていることを特徴とするボトルの把手組付装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記把手固定部は、前記支持板押込位置に待機しているボトルの前記把手取付用凹部に挿入されている前記把手の前記支持板の先端をボトル中心側に押し込み、当該先端を腕部先端に係合させる支持板押込機構を備えていることを特徴とするボトルの把手組付装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記位置決め部は、
ボトルの胴部を横方から保持可能な溝が一定のピッチで形成されているピッチ調整板を用いてピッチ調整を行うピッチ調整機構と、
送りピッチが調整された各ボトルをその中心軸線周りに回転可能な状態で保持し、この状態で、一対の押し付けパッドを各ボトルの前記把手取付用凹部に押し付けて各ボトルを前記中心軸線周りに回転させて、各把手取付用凹部が同一方向に向くように揃える向き調整機構とを備えていることを特徴とするボトルの把手組付装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記把手固定部は、前記ボトル保持機構によって前記支持板押込位置に保持されているボトルの内圧を大気圧より高く保持した状態で、前記支持板の押込み動作を行うことを特徴とするボトルの把手組付装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記位置決め部と前記把手挿入部の間に、各ボトルの空気漏れの有無を検査するための空気漏れ検査部を有していることを特徴とするボトルの把手組付装置。
【請求項8】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記ボトル送り機構は、ボトルを複数本ずつ、前記位置決め部、前記把手挿入部、前記把手固定部に順次に送り込むことを特徴とするボトルの把手組付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−284078(P2007−284078A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111131(P2006−111131)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(594082648)株式会社フロンティア (34)
【Fターム(参考)】