説明

ボールバルブ

【課題】簡単な構造で、シール面の経時偏摩耗を防止でき、シール性が長期間に亘って確保できるボールバルブの提供。
【解決手段】 ガス流路21内に、球面の一部で構成された環状の凸シール面34を有する弁体3を回動自在に配し、球面の一部で構成されるとともに環状の凸シール面34に摺動する環状の凹シール面40を有する筒状シートリング4を、弁体3の弁軸31と直交する方向および周方向に弾性保持し、かつシートリング4の変位量を規制する規制部材5を設けたボールバルブ1において、弁体3の回転軸31は開弁方向への回転角の増大に伴い凸シール面34の球面中心がシートリング4の凹シール面40から遠ざかるように半径方向に偏心して設定するとともに、規制部材5により、偏心位置より外周位置で凸シール面34が凹シール40面から離脱するように設定し、さらにシートリング4を弁軸31の偏心方向に付勢する偏心方向付勢手段7を付設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体流路の開閉に使用されるボールバルブにかかわり、とくに内燃機関の排気ガスを吸気側に再循環させる再循環流量の制御に好適なボールバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
ハウジングの流体流路内に、球面の一部で構成された環状の凸シール面を有する弁体と、略同一球面の一部で構成されるとともに前記凸シール面と接合して円環状のシート面を形成する環状の凹シール面(弁座)を備えた筒状のシートリングとを配したボールバルブが公知である(特許文献1)。この筒状のシートリングは、流体流路に弾性保持(フローティング支持)され、弁体の回転軸とは直交的に配されている。
【0003】
このボールバルブでは、全閉(弁開度ゼロ)のときは、凸シール面と凹シール面とは全周で当接しているが、凸シール面と凹シール面との摺動位置(当接位置)は、弁体の開閉動作(揺動)に伴い、シート面の周辺側と中心側と間を往復する。このため、シートリングは、中心軸から偏った位置にスラストを受けるとともに摺動面で生じる接線方向の摩擦力により、シートリングが嵌め込まれた流体流路の内周壁との間でこじりが生じ、全閉機能が損なわれる原因となりやすい。
【0004】
特許文献1には、弁体の回転軸をシート面ないし流体流路の軸線から偏心させた排気ガス再循環バルブが開示されている。この排気ガス再循環バルブは、流路の断面積を増大させ、弁体の後方に乱急流が発生することを防止し、弁体と弁座とでチャタリングを起こすことを低減させるものであり、弾性保持されたシートリングと弁体との組み合わせの構成が存在しない。
【0005】
特許文献2には、シートリングが弁体側に軸方向移動(スライド)することを規制する規制部材を設け、こじりの発生を低減させたボールバルブが提案されている。しかしながら、凸シール面と凹シール面との摺動面積は、全閉(弁開度ゼロ)から全開(弁開度90度)までの間で漸減し、弁開度の大きい部分の摺動面が小面積となり面圧は高くなる。このため、経時的に偏摩耗してシール性が低下する問題があった。とくに、内燃機関の排気ガスを吸気側に再循環(EGR)させる再循環流量の制御では、EGRバルブとして使用されるボールバルブの開閉の頻度が高く、偏摩耗によるシール性の低下は、内燃機関の正常運転の耐久性を低下させる欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−172211号公報
【特許文献2】特開2005−344803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的は、簡単な構造で、シール面の経時偏摩耗を有効に防止でき、シール性が長期間に亘って確保できるボールバルブの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、ハウジングに設けた流体通路内に、球面の一部で構成された環状の凸シール面を有する弁体を回動自在に配し、球面の一部で構成されるとともに環状の凸シール面に摺動する環状の凹シール面を有する筒状シートリングを、弁体の回転軸と直交する方向および周方向に弾性保持(フローティング支持)し、かつ筒状シートリングの変位量を規制する規制部材を設けたボールバルブにおいて、弁体の回転軸は開弁方向への回転角の増大に伴い凸シール面の球面中心がシートリングの凹シール面から遠ざかるように半径方向に偏心して設定するとともに、規制部材により、偏心位置より外周側で凸シール面が凹シール面から離脱するように設定し、さらに筒状シートリングを回転軸の偏心方向に付勢する付勢手段を付設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明では、弁体の回転軸を、開弁方向への回転角の増大に伴い凸シール面の球面中心がシートリングの凹シール面から遠ざかるように偏心して設定している。このため、摺接面積の大きい開弁初期のみ凸シール面と凹シール面とが摺動するが、偏心量または規制部材で設定した回転位置で凸シール面と凹シール面とが分離する。この結果、摺動面積が小さく、面圧の大きい領域での凸シール面と凹シール面との摺動がなく、シール面の偏摩耗の低減が可能である。また、筒状シートリングを回転軸の偏心方向に付勢する付勢手段を付設しているので、シートリングは常に弁体回転軸の偏心方向の流体通路壁に近接して位置している。このため、シートリングは、弁体が閉弁駆動する際、流体通路壁と弁体とに挟まれて移動が妨げられる(こじれらる)ことが確実に防止でき、凹シール面は弁体の球面中心に正確に追従する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明のボールバルブの正面断面図である。
【図2】実施例1のボールバルブの要部の平面断面図である。
【図3】シートリングの正面断面図および右側面図である。
【図4】実施例1のボールバルブの作動説明図および要部拡大図である。
【図5】実施例2のボールバルブの要部の平面断面図である。
【図6】実施例3のボールバルブの要部の平面断面図である。
【図7】実施例4のボールバルブの要部の平面断面図である。
【図8】実施例5のボールバルブの要部の平面断面図およびOリングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明を実施するための形態を、図に示す実施例とともに説明する。
【実施例】
【0012】
(実施例1)
図1は、この発明にかかるボールバルブ1の正面図を示し、エンジンの排気路と吸気路とを連結して排気ガスの一部を吸気側に再循環(EGR)するための排気ガス再循環路10に介装されている。ボールバルブ1はハウジング2を備えており、ハウジング2には排気再循環路10の一部を構成する円筒状の流体流路であるガス流路21が設けられている。ガス流路21は、一端(図示右端)22がエンジンの吸気路に連通した排気ガスの下流側、他端(図示左端)23がエンジンの排気路に連通した上流側となっている。ボールバルブ1は、エンジンの運転条件に合わせて再循環させるガス流量を調整するEGRバルブとして使用されている。
【0013】
ハウジング2内には、ガス流路21を開閉するための弁体3と、シート面30を形成するための円筒状のシートリング4とが配設されている。ハウジング2の図示上端には、弁体3を駆動するためのアクチュエータ11が装着されている。弁体3は、ガス流路21を貫通してハウジング2に両端が軸支された弁軸31と、弁軸31から他端側に延長された腕部32と、腕部32の先端に設けられた円板状の弁板33とからなる。なお、弁板33が直接に弁軸31に固着されていてもよい。
【0014】
図2に示すボールバルブ1の平面断面図の如く、弁体3は、弁軸31がガス流路21の中心線Lと直交して配され、かつ弁軸31の軸心(バルブ回転中心C)が中心線Lから偏心量Aだけ図示下方に設定されている。弁体3は、中心が中心線L上にある図示の閉弁(弁開度ゼロ、回転角θ=0)の状態から右周りに回転(開弁)する。この実施例では、弁体3は、回転に伴い弁開度ゼロ(全閉、回転角θ=0)から回転角θ=90度(全開)まで変化する。
【0015】
弁軸31は、図1に示す上端部がアクチュエータ11に連結され、アクチュエータ11により図2に示す右回りに回動して開弁する。弁板33の外周は、弁軸31の上方に球面中心gを有する球面Gを、中心線Lと直交する2つの平行面で切断した環状の凸シール面34となっている。凸シール面34は、回転角θ=0のときガス流路21の中心線L上に中心軸を有する。
【0016】
ガス流路21の内周には、シートリング4の下流側には矩形断面を有する円環状の規制部材5が嵌め込まれ、上流側に軸方向付勢手段6が設けられている。シートリング4は、ガス流路21の内周に軸方向への変位ないし移動(スライド)可能に遊び嵌めされ、一端は規制部材5により変位が規制され、他端は付勢手段6により図示右側(下流側)に付勢されている。この実施例では、規制部材5は腕部32の外周に位置し、シートリング4の一端部は弁板33の外周に位置している。なお、規制部材5は、ガス流路21の内周壁を膨出させて形成されてもよい。
【0017】
シートリング4は、図3に示す如く円筒状を呈し、一端につば部41、中間に小外形部42、他端には径大部43が設けられている。径大部43の他端面には、バネ室を形成するための筒部44が形成されている。小外形部42とガス流路21の内周との間には、偏心方向付勢手段7が介装されている。この実施例1では、偏心方向付勢手段7は、図1に示す如く、断面が略横U字形を呈する樹脂性の弾性体シールリング71が使用されている。
【0018】
弾性体シールリング71は、図2に示す如く、図示左右方向に長いとともに図示上側72の板厚が大きく、弁体3の偏心方向である図示下側73の板厚が小さくなっている。この結果、シートリング4は、弾性体シールリング71により周方向(半径方向)に弾性支持されるとともに、図4に示す如く、付勢力F1(図4参照)で弁軸31の偏心方向(図示下方)に付勢されている。すなわち、シートリング4の図示下側はガス流路21の図示下壁21aに所定の付勢力F1で押しつけられている。この結果、シートリング4の中心Mは、小距離aだけ図示下方に偏心している。また、弾性体シートリング71は、左右方向に十分長いためシートリング4は、安定的に弾性支持されている。
【0019】
シートリング4は、一端の内周に凸シール面34に当接する弁座としての凹シール面40が周設され、円環状のシート面30を形成している。この実施例では、凹シール面40は、球面中心gを有する球面Gを、中心線Lと直交する2つの平行面で切断した環状のシート面30となっている。また、凹シール面40の球面方向幅は、凸シール面34の球面方向幅より大きく設定され、シート面30の幅は主に凸シール面34の幅により決定されている。なお、凹シール面40の球面Gの半径は、凸シール面34球面Gの半径より幾分大きく設定されてもよい。
【0020】
弁軸31(弁板33)は、回転中心C周りに回転角θだけ右回転すると、凸シール面34の球面中心Bは、球面中心Bの移動距離X=Asinθの変位量で図示右方(一端方向)に変位する。なお、軸心(バルブ回転中心C)の偏心位置は、弁体の回転軸を、開弁に伴い凸シール面34の球面中心が凹シール面40から遠ざかる位置であれば、球面中心gの下方でなくてもよい。
【0021】
軸方向付勢手段6は、ガス流路21の内周に嵌め込まれた支持部材61と、支持部材61とシートリング4の他端45との間に介装された弾性体としてのバネ62とからなる。シートリング4は、バネ62により付勢力F2で図示右方向に付勢された状態で弾性(フローティング)支持されている。図2に示す如く、回転角θ=0のとき、凸シール面34と凹シール面40とは、全周で接触しており、シートリング4の一端側の端面4Aと規制部材5の他端側の側面5Aとの間には、所定幅の隙間(初期クリアランス)Sが設定されている。バネ62は、この実施例ではウェイブスプリングであるが、コイルスプリング、皿バネなど他の構造のバネであっても良く、ゴムなどバネ以外の弾性体であってもよい。
【0022】
図2、図4とともに、ボールバルブ1の作動を説明する。図2は、回転角θ=0(全閉)の状態の弁体3およびシールリング4の位置関係を示す。この状態では、弁板33の凸シール面34は、シートリング4の凹シール面40と同一の中心を有し、全周が当接し、シートリング4の一端と規制部材5の他端との間には、設定した隙間Sが存在する。凸シール面34と凹シール面40との接触面積は最大となっており、バネ62(図2に示す)による当接面の面圧は最低値となっている。
【0023】
図4に示す如く、弁体3が図示右周りに回転すると、回転角θが0〜10度までの間は、球面中心Bは移動距離X=Asinθの関係で一方側(ガス流路21の軸方向)に変位する。弁板33は、回動しながら球面中心gの移動距離X=Asinθとの比例関係で、回転中心Cからの距離に応じて一方側(ガス流路21の軸方向)に変位する。すなわち、この実施例では、回転中心Cからの距離が最も大きい図示上端部の変位量が最大となる。
【0024】
シートリング4もバネ62による付勢力で一方側に球面中心gの移動距離X=Asinθと同等距離だけ軸方向移動(スライド)する。凸シール面34は、回動しながら凹シール面40と摺動し、図示上端の位置に隙間ができるまで閉弁が保たれ、流量がゼロの状態が維持される。この流量のゼロ範囲は、偏心量Aと、凸シール面34および凹シール面40の厚さによって設定される設計事項である。
【0025】
弁体3がさらに図示右周りに回転すると、この実施例では回転角θ=10度の位置で隙間S=球面中心gの移動距離X(図2に示す)となり、シートリング4の一端側の端面4Aと規制部材5の他端側の側面5Aとが当接し、図4に示す如くS=0となり、シートリング4のスライドが停止する。回転角θが10度を超えると、当初は凸シール面34は図示上端の位置から凹シール面40から離れ、開口ができて、ガスが流れ始める。さらに回転角θが増大すると、凸シール面34は全周が凹シール面40から離れて摺動部分はなくなり、ガスの流量も増大し、最大流量に至る。
【0026】
図4の(イ)に示す如く、偏心方向付勢手段7により、シートリング4は常に図示下方に付勢され、図示下端はガス流路21の図示下壁に所定の付勢力で圧接している。このため、弁体3の開弁時において、シートリング4が弁体3とガス流路21の図示下壁との間に挟まり、シートリング4の図示右側が中心から少し揺動して凹シール面40の中心がぶれ、適正な凸シール面34とのシール度合いが損なわれるという不具合が確実に阻止できる。
【0027】
さらに、シートリング4は、中心軸から偏った位置にスラストを受けるとともに摺動面で生じる接線方向の摩擦力により、シートリング4が嵌め込まれた流体流路21の内周壁との間でこじりが生じるという従来の問題が解消される。すなわち、シートリング4は、ガス流路21の内周壁と弁体3(弁板33)とに挟まれて移動が妨げられる(こじれらる)ことが確実に防止でき、凹シール面40は弁体3の球面中心に正確に追従できる。
【0028】
この発明のボールバルブ1では、接触面積が大きい低回転角θの範囲では、凸シール面34と凹シール面40とは摺動するが、面圧が小さく摩耗が少ない。このため、長期間に亘ってシール性が保持され耐久性が高い。また、偏心距離(偏心量)A=0の従来のボールバルブでは、高回転角θの範囲で凸シール面34と凹シール面40とが大角度で交差するため接触面積が小さく(面圧が大きく)、よって、摩耗も大きくなる。すなわち、ボールバルブ1は、偏心距離(偏心量)Aがあるため高回転角θの範囲で凸シール面34と凹シール面40とが分離しており、シール面の摩擦による摩耗は少ない。
【0029】
また、凸シール面34の中心が凹シール面40の中心より下位に位置する。このため、バルブの開弁状態から閉弁する作動に対して、凸シール面34が最初に凹シール面40へ接触する位置は、図4の(イ)および(ロ)に示す如く位置Pとなる。この位置Pは、図4の(ロ)に二点鎖線で示す回転角θ=0のときのシート面30より径大側(図示右側)である。この結果、シートリング(凹シール面40)には、最も小面積で面圧が高く、かつ衝撃も伴い易い、接触時のラジアル方向からの付勢力、およびシートリング4の位置矯正力をシート面30より径大側の凹シール面40の位置Pで受け、シート面30では受けない。よって、シート面30の摩擦による摩耗を有効に防止でき、長期間の耐久性が確保される。
【0030】
また、シートリング4は、ガス流路21の偏心方向の壁(図2に示す下壁21a)に所定の付勢力で圧接している。このため、シートリング4の中心線Mは、ガス流路21の中心線Lより距離aだけ下位となっている。この構成により、バルブの開弁状態から閉弁する作動に対して、凹シール面40の凸シール面34が最初に接触する位置に作用する付勢力で、シートリング4の凹シール面40側端部が押圧されて変位し、シートリング4がガス流路21の内周壁にこじれる不具合が確実に阻止できる。
【0031】
(実施例2)
図5は実施例2にかかるボールバルブ1を示し、偏心方向付勢手段7として、2つの略U字形の板バネ74、74を、小外形部42の弁軸31の偏心側と反対側に取り付け、ガス流路21の内周壁との間に介装している。板バネ74は2個より多くてもよく、コイルバネなど板バネ以外のバネであってもよい。
【0032】
(実施例3)
図6に示す実施例3の如く、略J字形の板バネ75の端部76を規制部材5に支持させて、小外形部42の弁軸偏心側と反対側に取り付け、ガス流路21の内周壁との間に介装させてもよい。これらの実施例においても、シールリング4は、弁軸31の偏心側と反対側のガス流路21の内周壁に圧接され、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0033】
(実施例4)
図7の実施例4にかかるボールバルブ1は、偏心方向付勢手段7として磁石77をガス流路21の偏心と反対側に配し、逆磁性の磁石78をシートリング4の小外形部42の外周に固着している。磁石77と磁石78との反発力でシートリング4はガス流路21の図示下方に付勢されている。
この実施例においても、シールリング4は、弁軸31の偏心側と反対側のガス流路21の内周壁に圧接され、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0034】
(実施例5)
図8の実施例5にかかるボールバルブ1は、偏心方向付勢手段7として周方向に断面積の異なるゴムリング79を用いている。ゴムリング79は、断面積が大きい方が小外形部42の弁軸偏心側と反対側に配される。
この実施例においても、シールリング4は、弁軸31の偏心側と反対側のガス流路21の内周壁に圧接され、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明のボールバルブ1は、偏心して配置した弁体の偏心量A、シートリングと規制部材との隙間(初期クリアランス)S、およびシート面30の球面方向幅(凸シール面34と凹シール面40との幅)を目的に合わせて設計することにより、耐久性に優れるとともに、回転角θが低開度での流量特性を適正に設定でき、実用性にすぐれる。
【符号の説明】
【0036】
1 ボールバルブ
2 ハウジング
21 ガス流路(流体流路)
3 弁体
30 シート面
31 弁軸
32 腕部
33 弁板
34 凸シール面
4 シートリング
40 凹シール面
5 規制部材
6 軸方向付勢手段
7 偏心方向付勢手段
A 偏心距離(偏心量)
S 初期クリアランス
X 球面中心の移動距離(シートリングのスライド量)
θ 弁体の回転角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの流体流路内に、球面の一部で構成された環状の凸シール面を有する弁体を回転自在に配し、球面の一部で構成されるとともに前記凸シール面に摺動する環状の凹シール面を有するシートリングを前記流体流路内に弾性保持するとともに、前記シートリングを前記弁体方向に付勢する軸方向付勢手段と、前記シートリングが弁体側に移動することを規制する規制部材とを設け、前記弁体の所定の回転角まで前記シートリングの軸方向移動を許容し、所定の回転角以上の前記シートリングの軸方向移動を阻止するボールバルブにおいて、前記弁体の回転軸を、開弁に伴い前記凸シール面の球面中心が前記凹シール面から遠ざかる位置に偏心して設定するとともに、前記シートリングを前記弁体の回転軸の偏心方向に付勢する偏心方向付勢手段を付設したことを特徴とするボールバルブ。
【請求項2】
排気ガス再循環バルブであることを特徴とする請求項1に記載のボールバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−179625(P2011−179625A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46052(P2010−46052)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】