ポジションセンサ
【課題】 回転体を用いることによって簡単な構成、且つ安価に、対象物が基準から一方向にあるのか他方向にあるのかを検出するポジションセンサを提供すること。
【解決手段】 ケーシングKと、回転体6と、該回転体6に保持された磁石15と、所定の磁界強度で出力の切換をする磁電変換部16とを備え、電磁変換部16は磁石15に対向する面に感磁面を有するMR素子を有し、磁石15は回転体6の周方向に着磁されて配置し、回転体6は磁石15の磁力が磁電変換部16に及ぶ範囲内の所定角度で回転可能となし、回転体6の時計方向、或いは反時計方向の回転によって磁電変換部16の出力の切換が一回のみ行われる構成とした。
【解決手段】 ケーシングKと、回転体6と、該回転体6に保持された磁石15と、所定の磁界強度で出力の切換をする磁電変換部16とを備え、電磁変換部16は磁石15に対向する面に感磁面を有するMR素子を有し、磁石15は回転体6の周方向に着磁されて配置し、回転体6は磁石15の磁力が磁電変換部16に及ぶ範囲内の所定角度で回転可能となし、回転体6の時計方向、或いは反時計方向の回転によって磁電変換部16の出力の切換が一回のみ行われる構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のシートの位置検出に用いられ、エアバックの膨脹等を制御するのに用いられるポジションセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のポジションセンサの図面を説明すると、図13は従来のポジションセンサが取り付けられた状態を示す斜視図、図14は従来のポジションセンサが取り付けられた状態を示す拡大斜視図、図15は従来のポジションセンサが取り付けられた状態を示す要部断面図、図16は従来のポジションセンサの要部断面図である。
【0003】
従来のポジションセンサを図13〜図16に基づいて説明すると、第1のレール51は、金属板を略U字状に折り曲げられたものから構成され、シート60の下面の両側に一対固定されている。遮蔽板54は、金属板をL字状に折り曲げられたものから構成され、細長い平板状の基部54aと、該基部54aの端部から下方に折り曲げられて形成された側壁部54bとを有し、基部54aが第1のレール51に固定されて、この遮蔽板54は第1のレール51と共にスライド移動可能となっている。
【0004】
第2のレール52は、金属板を略U字状に折り曲げられたものから構成され、図15に示すように第1のレール51と逆凸状を形成するように組み合わされている。この第2のレール52は、L字状に折り曲げられた保持脚53によって車両の室内の床面に固定されている。
【0005】
ポジションセンサ55は、合成樹脂の成型品からなり、U字状に形成された基体55aと、該基体55aの第1の側壁部55bに埋設された矩形状の磁石56と、第1の側壁部55bに対向して形成された第2の側壁部55cに埋設されると共に、磁石56と対向する矩形状のホールIC57とを有している。磁石56は、例えばサマリウム,コバルト等の数100mT(ミリテスラ)の強力なものが用いられている。そして、このポジションセンサ55は、ステー58によって第2のレール52に取り付けられている。
【0006】
ポジションセンサ55が取り付けられると、第1、第2の側壁部55b、55cの間隙55dに遮蔽板54の側壁部54bが出入り可能となり、遮蔽板54が間隙55d内に位置すると、磁石56によって形成された磁界が該遮蔽板54によって遮られ、ホールIC57が受ける磁束密度が低下して、ホールIC57の出力の切換が行われるようになっている。
【0007】
従来のポジションセンサ55は、上記のような構成、取付状態となり、次にその動作について説明すると、シート60が移動すると、遮蔽板54がポジションセンサ55の間隙55dに進入し、ホールIC57の出力の切換が行われてOFFになり、該信号の切換によって例えばエアバック(図示せず)の膨脹時の気体の流出量を変更し、エアバックの調節が行われる。そして、このままシート60が最大範囲まで移動しても遮蔽板54は間隙55dに位置しており、ホールIC57はOFF状態を維持したままである。次に、シート60が反対方向に移動すると、遮蔽板54が間隙55dから退出し、磁束密度が上昇してホールIC57がONになり、エアバックの調節が行われる。そして、このままシート60が移動しても磁束密度は変化しないので、ホールIC57はON状態を維持している。即ち、ホールIC57切換地点を基準として、シート60が前方側にあるのか後方側にあるのかを検出しているのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のポジションセンサ55は、上記のような構成、取付状態、動作をなすが、遮蔽板54を間隙55dに出入りする構成をとっているので、構造が複雑になり、組み込み状態によっては精度が落ちることがあるので、部品に大きな性能的余裕を持たせる必要があり部品が高価になってしまうという問題がある。さらに、磁石56が非常に強いので、金属屑等が磁石56に付着して、磁界の変化が起こり、適切な位置でホールIC57の切換が行われずに、性能が悪化し、信頼性に欠けるという問題がある。また、磁石56とホールIC57間の間隙55dがあるため、両者間に必然的に距離ができてしまうので、磁石56の素材を非常に強いものにしなければならず、高価になってしまうという問題がある。
【0009】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、回転体を用いることによって簡単な構成、且つ安価に、対象物が基準から一方向にあるのか他方向にあるのかを検出するポジションセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明のポジションセンサは、ケーシングと、前記ケーシングに回転可能に保持された回転体と、該回転体に保持された磁石と、前記ケーシングに保持されると共に、前記磁石に対向して設けられ、所定の磁界強度で出力の切り換えをする電磁変換部とを備え、前記回転体に弓状の突出部を設け、前記磁石を前記弓状の突出部の外周面に沿って湾曲した略扇状に配置すると共に、前記電磁変換部は前記磁石に対向する面に感磁面を有するMR素子を有し、前記磁石は少なくとも前記回転体の周方向に着磁されて配置し、前記回転体は前記磁石の磁力が前記磁電変換部に及ぶ範囲内の所定角度で回転可能となし、前記回転体の時計方向、或いは反時計方向の回転によって前記磁電変換部の出力の切り換えが一回のみ行われる構成とした。
【0011】
また、第2の解決手段として、本発明のポジションセンサの前記磁電変換部はOFFからONになる第1の切換値と、ONからOFFになる切換値で前記第1の切換値とは異なる第2の切換値とを有し、前記ケーシングには前記回転体を回転付勢する付勢部材が設けられ、前記ケーシングは前記回転体が当接する当接部を有し、前記回転体は初期状態において前記付勢部材によって前記当接部に付勢され、この初期状態で、前記磁電変換部が検知する磁界強度が前記第1、第2の切換値の範囲外になっている構成とした。
【0012】
また、第3の解決手段として、本発明のポジションセンサの前記ケーシングはシートに取り付けられる第1のレールに保持され、前記シートは前記第1のレールが第2のレールに組み合わされることで移動可能に保持されており、前記回転体は前記磁石から回転中心を挟んだ反対側に係合部を有し、前記シートの移動に伴って前記ケーシングが移動し、前記回転体の前記係合部が前記第2のレールに押圧されて前記回転体が回転する構成とした。
【0013】
また、第4の解決手段として、本発明のポジションセンサの前記第2のレールは前記ケーシングの移動方向に平坦部を有し、前記回転体の前記係合部が前記平坦部上を摺動することで、前記回転体の回転角度が制限される構成とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明のポジションセンサは、ケーシングと、ケーシングに回転可能に保持された回転体と、回転体に保持された磁石と、ケーシングに保持されると共に、磁石に対向して設けられ、所定の磁界強度で出力の切り換えをする電磁変換部とを備え、回転体に弓状の突出部を設け、磁石を弓状の突出部の外周面に沿って湾曲した略扇状に配置すると共に、電磁変換部は磁石に対向する面に感磁面を有するMR素子を有し、磁石は少なくとも回転体の周方向に着磁されて配置し、回転体は磁石の磁力が磁電変換部に及ぶ範囲内の所定角度で回転可能となし、回転体の時計方向、或いは反時計方向の回転によって磁電変換部の出力の切り換えが一回のみ行われる構成としたため、回転体を用いるという簡単な構成で磁電変換部の出力の切り換えが一回だけ行われるポジションセンサを提供できる。また、回転体を組み込むだけなので、構造が簡単であり、精度を確保できる。また、磁力線の水平成分を検知するようにしたため、磁電変換部に磁力線の素子の水平成分を集中させることができ、磁束密度の傾きを大きくすることができるので、この磁電変換部のMR素子が有するヒステリシスの影響を小さくすることができる。
【0015】
また、本発明のポジションセンサの磁電変換部は第1の切換値と、第1の切換値とは異なる第2の切換値とを有し、ケーシングには回転体を回転付勢する付勢部材が設けられ、ケーシングは回転体が当接する当接部を有し、回転体は初期状態において付勢部材によって当接部に付勢され、この初期状態で、磁電変換部が検知する磁界強度が第1、第2の切換値の範囲外になっている構成としたため、回転体の付勢部材に抗する回転で出力が切り替わり、付勢部材の復帰力による回転体の回転で出力が切換る構成を、簡単に実現できる。
【0016】
また、本発明のポジションセンサのケーシングはシートに取り付けられる第1のレールに保持され、シートは移動可能に保持されており、回転体は磁石から回転中心を挟んだ反対側に係合部を有し、シートの移動に伴ってケーシングが移動し、回転体の係合部が第2のレールに押圧されて回転体が回転する構成としたため、本発明のポジションセンサをシートポジションセンサとして、簡単な構成で用いることができる。
【0017】
また、本発明のポジションセンサの第2のレールはケーシングの移動方向に平坦部を有し、回転体の係合部が平坦部上を摺動することで、回転体の回転角度が制限される構成としため、ストッパなしで回転体の回転角度の規制ができ、簡単で、小型化を図る構成で、一方向の移動で磁電変換部の出力の切換が1回のみ行われるポジションセンサをシートポジションセンサに適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のポジションセンサの図面について説明すると、図1は本発明のポジションセンサの正面図、図2は本発明のポジションセンサの斜視図、図3は本発明のポジションセンサの要部断面図、図4は図1の4−4線における断面図、図5は本発明のポジションセンサの参考例の要部拡大図、図6は本発明のポジションセンサの参考例の磁石の磁界を示す図、図7Aは本発明のポジションセンサの磁電変換部と磁束密度との関係を示すグラフ、図7Bは本発明のポジションセンサの磁電変換部に用いられる磁電変換素子と磁束密度との関係を示すグラフ、図8は本発明のポジションセンサの取付状態を示す斜視図、図9、図10は本発明のポジションセンサの動作を説明するための説明図、図11は本発明のポジションセンサの実施例を示す要部拡大図、図12は本発明のポジションセンサの実施例の磁石の磁界を示す図である。
【0019】
本発明のポジションセンサの実施例及び参考例を図1〜図12に基づいて説明すると、筐体1は矩形状の合成樹脂の成型品からなり、矩形状の基体1aと、この基体1a側面において、長手方向に延びて形成された凹部1bと、この凹部1bに近傍に設けられると共に、凹部1bより長手方向に短い凹部からなる収納部1cとを有している。また、この収納部1cと凹部1bとの間には壁部1dが形成されており、該壁部1dは窪み部1kを有し、その部分の板厚が薄くなっている。また、収納部1cは下方に開放する開口部1eを有し、この開口部1eは基体1aの外縁において、長手方向に延びる当接部1fによって一部が塞がれている。なお、凹部1bの内壁面には凹条からなる係止部1gが形成されている共に、収納部1cの偏心位置には外方に向かって突出する軸部1hが形成されている。
【0020】
基板2は矩形状の絶縁基板からなり、凹部1bの係止部1gに嵌合された状態で固定されている。磁電変換部たるホールIC3は、ホール素子及びアンプ、コンパレータ等の各種の電気部品が実装されてICとして構成され、略矩形状を呈し、L字状の端子3aが取り付けられている。このホールIC3は、基板2の下面に配置され、端子3aが該基板2に半田付けされている。なお、ホール素子の感磁面は、図5において下方を向いている。
【0021】
ヨーク4は、軟鉄からなる矩形状を呈し、凹部1bを形成する基体1aに形成された凹部にはめられると共に、接着剤等の固定手段で筐体1に固定されている。
【0022】
引き出し部5は、引き出し線5aと、該引き出し線5aが貫通する通孔を有するゴムブッシュ5bとを有し、引き出し線5aの一端の芯線部分が基板2に接続され、ゴムブッシュ5bが筐体1の基体1aにはめ込まれて、引き出し線5aが外方に延出するようになっている。
【0023】
回転体6は、合成樹脂の成型品からなり、略長方形状を呈する基部6aと、基部6aの中央部付近に形成された第1の凹部6bと、この第1の凹部6bに近接して形成された第2の凹部6cとを有する。また、第1の凹部6bの中心からずれた偏心位置から側方に向かって円筒状の筒部6dが形成され、該筒部6dは基部6aを左右方向に貫通する貫通孔6eを有している。また、第1の凹部6bの縁部近傍には弓状の突出部6kが形成され、該突出部6kは弓状の凹部からなるはめ込み部6fを有し、このはめ込み部6fの両端には一対のスナップ爪6gが突出するように形成され、スナップ爪6gの近傍にはL字状の係止部6hが設けられている。
【0024】
図5における参考例では、磁石7は、周方向に並んで配置される第1の磁石7aと第2の磁石7bとで構成され、第1の磁石7aは、フェライト等の数10mT(ミリテスラ)の汎用磁石からなると共に、湾曲して略扇状をなしており、径方向に着磁され、径方向にN極、S極が形成されている。第2の磁石7bも、フェライト等の数10mT(ミリテスラ)の汎用磁石からなると共に、湾曲して略扇状をなしており、径方向に着磁され、径方向にN極、S極が形成されている。なお、この第1の磁石7aと第2の磁石7bは周方向で離れて配置されていても良い。
【0025】
この第1、第2の磁石7a、7bは、図5に示すように、回転体6のはめ込み部6f内に埋め込まれ、回転体6の外周面側の磁極が異なるように互いに近接した状態で配置され、スナップ爪6gによって固定されている。このように第1、第2の磁石7a、7bは径方向に着磁されているので、図6に示すように、回転体6の径方向である垂直方向の成分が強い磁界が発生する。
【0026】
このような構成をした回転体6は、筒部6dの貫通孔6e内に筐体1の軸部1hが挿通されて、筐体1に回転可能に保持されている。さらに、抜け止め用のピン8が軸部1hに挿通されると共に、ピン8の先端がカシメられて回転体6の固定が確実なものとなっている。そして、回転体6が回転すると、ホール素子が検知する磁束密度が変化して、ホールIC3が所与の磁束密度に達した時に切換わるようになっている。また、磁石7に対向して、ヨーク4が配置されているので、磁界がヨーク4側に引き寄せられて磁力線の垂直成分が、更に強くなるようになっており、ホール素子が検知する磁束密度の回転角度に対する変化の割合が大きくなり、ホールIC3の出力切換が所定の位置で行われるようになっている。
【0027】
具体的に説明すると、ホールIC3に設けられたホール素子は、図7Bに示すように、検知する磁束密度が+αの時に電圧値がHiになり、検知する磁束密度が−αの時に電圧値がLoになるようなヒステリシスを有している。そして、この電圧値をコンパレータにかけて、電圧値がHiのときは出力がONになり、電圧値がLoのときは出力がOFFになるようになっている。すなわち、ホールIC3は、図7Aに示すように、OFFからONになるときの磁束密度(+α)とONからOFFになるときの磁束密度(−α)とが異なっており、一定のヒステリシスを有するようになっている。
【0028】
そして、磁石の磁束密度の変化が、任意の傾きを有するM1の時、出力の切換の回転角度のズレが、W1と大きくなって、回転体6をOFFからONになる回転角度と、ONからOFFになる回転角度の違いが大きくなって、ヒステリシスの影響が大きくなり、所定の位置で出力切換を行うことが困難となる。一方、図5における参考例のように磁石7の配置等を工夫して、磁束密度の変化の傾きをMと大きくすると、出力の切換の回転角度のズレが、Wと小さくなって、ヒステリシスの影響を小さくすることができ、ホールIC3の出力の切換を狭い回転角度で行うことが可能になり、切換位置の精度を高めることができる。
【0029】
また、壁部1dにおける磁石7とホールIC3との間の部分には窪み部1kが形成されており、磁石7とホールIC3との距離が近接したものとなっている。また、磁石7を収納する収納部1cと、ホールIC3を収納する凹部1bとを異なる空間とすることができるので、開口部1eから異物が侵入したとしても、ホールIC3や回路部分に付着することはなく、ショートの危険がない。
【0030】
付勢部材たるねじりバネ9は、巻回部9aと該巻回部9aの両端部から延びた第1のアーム部9bと、第2のアーム部9cとを有している。このねじりバネ9は回転体6を、図3の左回りの回転方向に付勢した状態で保持され、巻回部9aが回転体6の筒部6dの外周に挿通されると共に、第1のアーム部9bが回転体6の係止部6hと突出部6kの間にで係止され、第2のアーム部9cが筐体1の当接部1fに形成された細長の凹部内に収納されて、組み込む状態において常時、第1、第2のアーム部9b、9cが近接する方向に撓められて、係止された状態になっている。
【0031】
このように組み込まれたねじりバネ9によって、回転体6は回転方向に付勢され、初期状態において位置が決まっている。即ち、第1のアーム部9bによって突出部6kが付勢され、回転体6に回転方向の荷重が加わり、巻回部9aの近傍に位置する回転体6の縁部が当接部1fの端部1mに当接し、それ以上の回転が規制されている状態になっている。そして、この初期状態においては、磁石7から回転中心たる筒部6dを挟んだ反対側に位置する係合部6mが、開口部1eから外方に向かって突出した状態となっている。そして、回転体6が押圧されると、ねじりバネ9の付勢力に抗して回転体6が収納部1cに収まる方向に回転し、押圧力が解除されると、ねじりバネ9の付勢力によって、当接部1fの端部1mに当接するまで回転体6が戻されて初期状態に復帰するようになっている。このようにねじりバネ9が設けられているので、回転体6に常時テンションがかかっているので、回転体6は回転方向に常時ガタがない状態になっている。
【0032】
また、回転体6の初期状態においては、ホールIC3の検知する磁束密度は、図7の−αから+αの範囲外になっており、本実施の形態の参考例では−αより小さい値となっている。そして、回転体6が回転すると、磁束密度が急激に大きくなってその値は+αより大きくなり、ホールIC3がONとなる。また、回転体6が初期状態に戻ると、磁束密度が急激に小さくなってホールIC3がOFFとなる。
【0033】
カバー部材10は、板厚の薄い金属板を折り曲げたものから構成され、平板を凹状に折り曲げて形成された基部10aと、該基部10aの端部から互いに離れる方向に延びると共に、通孔10cを有する一対の取付片10bとを有する。このカバー部材10は、筐体1を基部10aが囲むようにして筐体1に取り付けられ、筐体1に形成されたスナップ爪1nに基部10aがスナップ結合されて、筐体1に確実に固定される。そして、このカバー部材10と筐体1とでケーシングKが構成されている。
【0034】
尚、上述したポジションセンサの説明では、図5に示すように、磁石7は、周方向に並んで配置される第1の磁石7aと第2の磁石7bとで構成され、電磁変換部は、ホールIC3で構成されたもので説明したが、この代わりに、磁電変換部としてGMR(Giant Magneto Resistence )素子等のMR素子を実装したICを使用したものであってもよい、このときMR素子の感磁面は、磁石7と対向する面と直交する面、即ち、カバー部材10の基部10aと対向する面とするのが良い。このようにすることで、GMR素子の感磁面と平行な面におけるGMR素子に対する磁力線の向きを急激に変えることができるので、この磁電変換部のGMR素子が有するヒステリシスの影響を小さくすることができる。
【0035】
次に、本発明のポジションセンサの実施例について、図11、図12に基づいて説明する。なお、上述したポジションセンサの構成で説明した同一構成の部品については、同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施例において、図5、図6に示したポジションセンサの参考例の構成と相違する点は、磁石は単一の磁石で構成され、且つ、磁電変換部はMR素子で構成されている点である。
【0036】
図11、図12において、磁石15は、周方向に着磁されており、回転体6のはめ込み部6f内に埋め込まれ、スナップ爪6gによって固定されている。そして、図12に示すように、磁力線の水平成分が強くなるようになっている。また、磁電変換部16にはGMR(Giant Magneto Resistence )素子等のMR素子を実装したICを使用しており、この磁電変換部16は、感磁面が磁石15と対向する面となっており、磁力線の水平成分を検知するようになっている。
【0037】
このようにすることで、磁電変換部16に磁力線の素子の水平成分を集中させることができ、磁束密度の傾きを大きくすることができるので、この磁電変換部16のMR素子が有するヒステリシスの影響を小さくすることができる。
尚、その他のポジションセンサの構成については、上述したポジションセンサの構成と同一のためその説明を省略する。
【0038】
本発明のポジションセンサSは上記のような構成を有し、シート位置検出用のポジションセンサとして使用され、次にその取付状態、及び動作について図8〜図10に基づいて説明すると、シート11は座板11aと、背もたれ11bとを有する汎用のシートからなり、自動車の室内に設置されるものである。第1のレール12は、L字状の細長の金属材が2つ重ねられたものから構成され、上下方向に延びる基部12aと、該基部12aの下端部からコ字状に折り曲げられて形成された一対の折曲部12bとを有し、この第1のレール12は、座板11aの下面に一対取り付けられている。このシート11と第1のレール12とで可動部材が構成されている。そして、一方の第1のレール12の基部12aの側壁には、本発明のポジションセンサSのカバー部材10の通孔10cにボルト(図示せず)が挿通されてナット(図示せず)で締結されて、ポジションセンサSが固定されている。このようにポジションセンサSが取り付けられると、シート11の下方に回転体6の係合部6mが突出した状態になる。
【0039】
第2のレール13は、U字状の細長の金属材から構成され、平板状の基部13aと、該基部13aの両端から上方に折り曲げられて形成された折曲部13bとを有し、この第2のレール13は、自動車の室内の床面に一対所望の固定手段で固定され、固定部材を構成している。
【0040】
このような構成の第2のレール13には、第1のレール12が移動可能に組み込まれ、この組み込みは折曲部12bと折曲部13bとが組み合わされることによってなされる。そして、シート11が第2のレール13上でスライド移動可能に保持される。
【0041】
そして、シート11がスライド移動すると、該移動に伴って、シートポジションセンサSが移動し、図9に示すように、床面側に突出した係合部6mが、第2のレール13の先端部13cに当接して、押圧されると共に、図10に示すように、折曲片13bの平坦部からなる頂面13dに乗り上がることで、回転体6が回転し、磁石7、15の位置が移動する。磁石7、15の位置が移動すると、ホールIC3、MR素子16の出力の切換が行われて、引き出し部5からの信号が切換わり、エアバック(図示せず)の膨脹時の気体の流出量を変更し、エアバックの調節が行われる。この時、ねじりバネ9は、第1、第2のアーム部9b、9cが互いに近づくように縮められる。なお、係合部6mが一旦頂面13dに乗り上がると、シート11が移動しても、係合部6mは頂面13d上を摺動するのみなので、これ以上の回転体6の回転はなされない。なお、第2のレール13が回転体6と当接しない初期状態においては、回転体6の係合部6mが第2のレール13と反対側(図10中左方)に傾斜しているので、先端部13cが図10中右方から当接した際に、スムーズに回転する。
【0042】
次に、シート11が反対方向にスライド移動し、係合部6mが第2のレール13の先端部13cに位置すると、ねじりバネ9の付勢力によって回転体6が回転し、初期状態に復帰する。そして、磁石7が位置が移動することで、ホールIC3、MR素子の出力の切換が行われて、引き出し部5からの信号が切換わり、エアバック(図示せず)の膨脹時の気体の流出量を変更し、エアバックの調節が行われる。
【0043】
ここで、ホールIC3、MR素子16の切換について更に説明すると、係合部6mが第2のレール13の先端部13cに押圧されて、頂面13dに乗り上がると、上述の様に、回転体6が所定の角度のみ回転して、その回転の間にホールIC3、MR素子16が切換ってONとなる。このとき、磁束密度が大きくなるように変化するが、回転体6の回転が止まると磁束密度の変化が止まり、ホールIC3、MR素子16がONのままとなり、シート11を末端までスライド移動させてもこの値で安定する。また、回転体6が初期状態に復帰すると、磁束密度が小さくなって、回転体6の回転が止まると、ホールIC3、MR素子16がOFFとなってこのまま安定し、この方向にシート11を末端までスライド移動させてもこの値で安定する。即ち、回転体6の時計回り、反時計回りの回転で、ホールIC3、MR素子16の切換が一回のみ行われるようになっている。このようにすることで、シート11が一定の地点より、前方側か後方側に位置するかで、ホールIC3、MR素子16の状態を異ならせることができ、エアバックの調節が適切に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のポジションセンサの正面図
【図2】本発明のポジションセンサの斜視図
【図3】本発明のポジションセンサの要部断面図
【図4】図1の4−4線における断面図
【図5】本発明のポジションセンサの参考例の要部拡大図
【図6】本発明のポジションセンサの参考例の磁石の磁界を示す図
【図7】A:本発明のポジションセンサの磁電変換部と磁束密度との関係を示すグラフ B:本発明のポジションセンサの磁電変換部に用いられる磁電変換素子と磁束密度との関係を示すグラフ
【図8】本発明のポジションセンサの取付状態を示す斜視図
【図9】本発明のポジションセンサの動作を説明するための説明図
【図10】本発明のポジションセンサの動作を説明するための説明図
【図11】本発明のポジションセンサの実施例を示す要部拡大図
【図12】本発明のポジションセンサの実施例の磁石の磁界を示す図
【図13】従来のシートポジションセンサが取り付けられた状態を示す斜視図
【図14】従来のシートポジションセンサが取り付けられた状態を示す拡大斜視図
【図15】従来のシートポジションセンサが取り付けられた状態を示す要部断面図
【図16】従来のシートポジションセンサの要部断面図
【符号の説明】
【0045】
1:筐体
1a:基体
1b:凹部
1c:収納部
1d:壁部
1e:開口部
1f:当接部
1g:係止部
1h:軸部
1k:窪み部
1m:端部
1n:スナップ爪
2:基板
3:磁電変換部(ホールIC)
4:ヨーク
5:引き出し部
6:回転体
6a:基部
6b:第1の凹部
6c:第2の凹部
6d:筒部
6e:貫通孔
6f:はめ込み部
6g:スナップ爪
6h:係止部
6k:突出部
6m:係合部
7:磁石
8:ピン
9:ねじりバネ
9a:巻回部
9b:第1のアーム部
9c:第2のアーム部
10:カバー部材
11:シート(可動部材)
12:第1のレール(可動部材)
13:第2のレール(固定部材)
15:磁石
16:磁電変換部
K:ケーシング
S:シートポジションセンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のシートの位置検出に用いられ、エアバックの膨脹等を制御するのに用いられるポジションセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のポジションセンサの図面を説明すると、図13は従来のポジションセンサが取り付けられた状態を示す斜視図、図14は従来のポジションセンサが取り付けられた状態を示す拡大斜視図、図15は従来のポジションセンサが取り付けられた状態を示す要部断面図、図16は従来のポジションセンサの要部断面図である。
【0003】
従来のポジションセンサを図13〜図16に基づいて説明すると、第1のレール51は、金属板を略U字状に折り曲げられたものから構成され、シート60の下面の両側に一対固定されている。遮蔽板54は、金属板をL字状に折り曲げられたものから構成され、細長い平板状の基部54aと、該基部54aの端部から下方に折り曲げられて形成された側壁部54bとを有し、基部54aが第1のレール51に固定されて、この遮蔽板54は第1のレール51と共にスライド移動可能となっている。
【0004】
第2のレール52は、金属板を略U字状に折り曲げられたものから構成され、図15に示すように第1のレール51と逆凸状を形成するように組み合わされている。この第2のレール52は、L字状に折り曲げられた保持脚53によって車両の室内の床面に固定されている。
【0005】
ポジションセンサ55は、合成樹脂の成型品からなり、U字状に形成された基体55aと、該基体55aの第1の側壁部55bに埋設された矩形状の磁石56と、第1の側壁部55bに対向して形成された第2の側壁部55cに埋設されると共に、磁石56と対向する矩形状のホールIC57とを有している。磁石56は、例えばサマリウム,コバルト等の数100mT(ミリテスラ)の強力なものが用いられている。そして、このポジションセンサ55は、ステー58によって第2のレール52に取り付けられている。
【0006】
ポジションセンサ55が取り付けられると、第1、第2の側壁部55b、55cの間隙55dに遮蔽板54の側壁部54bが出入り可能となり、遮蔽板54が間隙55d内に位置すると、磁石56によって形成された磁界が該遮蔽板54によって遮られ、ホールIC57が受ける磁束密度が低下して、ホールIC57の出力の切換が行われるようになっている。
【0007】
従来のポジションセンサ55は、上記のような構成、取付状態となり、次にその動作について説明すると、シート60が移動すると、遮蔽板54がポジションセンサ55の間隙55dに進入し、ホールIC57の出力の切換が行われてOFFになり、該信号の切換によって例えばエアバック(図示せず)の膨脹時の気体の流出量を変更し、エアバックの調節が行われる。そして、このままシート60が最大範囲まで移動しても遮蔽板54は間隙55dに位置しており、ホールIC57はOFF状態を維持したままである。次に、シート60が反対方向に移動すると、遮蔽板54が間隙55dから退出し、磁束密度が上昇してホールIC57がONになり、エアバックの調節が行われる。そして、このままシート60が移動しても磁束密度は変化しないので、ホールIC57はON状態を維持している。即ち、ホールIC57切換地点を基準として、シート60が前方側にあるのか後方側にあるのかを検出しているのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のポジションセンサ55は、上記のような構成、取付状態、動作をなすが、遮蔽板54を間隙55dに出入りする構成をとっているので、構造が複雑になり、組み込み状態によっては精度が落ちることがあるので、部品に大きな性能的余裕を持たせる必要があり部品が高価になってしまうという問題がある。さらに、磁石56が非常に強いので、金属屑等が磁石56に付着して、磁界の変化が起こり、適切な位置でホールIC57の切換が行われずに、性能が悪化し、信頼性に欠けるという問題がある。また、磁石56とホールIC57間の間隙55dがあるため、両者間に必然的に距離ができてしまうので、磁石56の素材を非常に強いものにしなければならず、高価になってしまうという問題がある。
【0009】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、回転体を用いることによって簡単な構成、且つ安価に、対象物が基準から一方向にあるのか他方向にあるのかを検出するポジションセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明のポジションセンサは、ケーシングと、前記ケーシングに回転可能に保持された回転体と、該回転体に保持された磁石と、前記ケーシングに保持されると共に、前記磁石に対向して設けられ、所定の磁界強度で出力の切り換えをする電磁変換部とを備え、前記回転体に弓状の突出部を設け、前記磁石を前記弓状の突出部の外周面に沿って湾曲した略扇状に配置すると共に、前記電磁変換部は前記磁石に対向する面に感磁面を有するMR素子を有し、前記磁石は少なくとも前記回転体の周方向に着磁されて配置し、前記回転体は前記磁石の磁力が前記磁電変換部に及ぶ範囲内の所定角度で回転可能となし、前記回転体の時計方向、或いは反時計方向の回転によって前記磁電変換部の出力の切り換えが一回のみ行われる構成とした。
【0011】
また、第2の解決手段として、本発明のポジションセンサの前記磁電変換部はOFFからONになる第1の切換値と、ONからOFFになる切換値で前記第1の切換値とは異なる第2の切換値とを有し、前記ケーシングには前記回転体を回転付勢する付勢部材が設けられ、前記ケーシングは前記回転体が当接する当接部を有し、前記回転体は初期状態において前記付勢部材によって前記当接部に付勢され、この初期状態で、前記磁電変換部が検知する磁界強度が前記第1、第2の切換値の範囲外になっている構成とした。
【0012】
また、第3の解決手段として、本発明のポジションセンサの前記ケーシングはシートに取り付けられる第1のレールに保持され、前記シートは前記第1のレールが第2のレールに組み合わされることで移動可能に保持されており、前記回転体は前記磁石から回転中心を挟んだ反対側に係合部を有し、前記シートの移動に伴って前記ケーシングが移動し、前記回転体の前記係合部が前記第2のレールに押圧されて前記回転体が回転する構成とした。
【0013】
また、第4の解決手段として、本発明のポジションセンサの前記第2のレールは前記ケーシングの移動方向に平坦部を有し、前記回転体の前記係合部が前記平坦部上を摺動することで、前記回転体の回転角度が制限される構成とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明のポジションセンサは、ケーシングと、ケーシングに回転可能に保持された回転体と、回転体に保持された磁石と、ケーシングに保持されると共に、磁石に対向して設けられ、所定の磁界強度で出力の切り換えをする電磁変換部とを備え、回転体に弓状の突出部を設け、磁石を弓状の突出部の外周面に沿って湾曲した略扇状に配置すると共に、電磁変換部は磁石に対向する面に感磁面を有するMR素子を有し、磁石は少なくとも回転体の周方向に着磁されて配置し、回転体は磁石の磁力が磁電変換部に及ぶ範囲内の所定角度で回転可能となし、回転体の時計方向、或いは反時計方向の回転によって磁電変換部の出力の切り換えが一回のみ行われる構成としたため、回転体を用いるという簡単な構成で磁電変換部の出力の切り換えが一回だけ行われるポジションセンサを提供できる。また、回転体を組み込むだけなので、構造が簡単であり、精度を確保できる。また、磁力線の水平成分を検知するようにしたため、磁電変換部に磁力線の素子の水平成分を集中させることができ、磁束密度の傾きを大きくすることができるので、この磁電変換部のMR素子が有するヒステリシスの影響を小さくすることができる。
【0015】
また、本発明のポジションセンサの磁電変換部は第1の切換値と、第1の切換値とは異なる第2の切換値とを有し、ケーシングには回転体を回転付勢する付勢部材が設けられ、ケーシングは回転体が当接する当接部を有し、回転体は初期状態において付勢部材によって当接部に付勢され、この初期状態で、磁電変換部が検知する磁界強度が第1、第2の切換値の範囲外になっている構成としたため、回転体の付勢部材に抗する回転で出力が切り替わり、付勢部材の復帰力による回転体の回転で出力が切換る構成を、簡単に実現できる。
【0016】
また、本発明のポジションセンサのケーシングはシートに取り付けられる第1のレールに保持され、シートは移動可能に保持されており、回転体は磁石から回転中心を挟んだ反対側に係合部を有し、シートの移動に伴ってケーシングが移動し、回転体の係合部が第2のレールに押圧されて回転体が回転する構成としたため、本発明のポジションセンサをシートポジションセンサとして、簡単な構成で用いることができる。
【0017】
また、本発明のポジションセンサの第2のレールはケーシングの移動方向に平坦部を有し、回転体の係合部が平坦部上を摺動することで、回転体の回転角度が制限される構成としため、ストッパなしで回転体の回転角度の規制ができ、簡単で、小型化を図る構成で、一方向の移動で磁電変換部の出力の切換が1回のみ行われるポジションセンサをシートポジションセンサに適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のポジションセンサの図面について説明すると、図1は本発明のポジションセンサの正面図、図2は本発明のポジションセンサの斜視図、図3は本発明のポジションセンサの要部断面図、図4は図1の4−4線における断面図、図5は本発明のポジションセンサの参考例の要部拡大図、図6は本発明のポジションセンサの参考例の磁石の磁界を示す図、図7Aは本発明のポジションセンサの磁電変換部と磁束密度との関係を示すグラフ、図7Bは本発明のポジションセンサの磁電変換部に用いられる磁電変換素子と磁束密度との関係を示すグラフ、図8は本発明のポジションセンサの取付状態を示す斜視図、図9、図10は本発明のポジションセンサの動作を説明するための説明図、図11は本発明のポジションセンサの実施例を示す要部拡大図、図12は本発明のポジションセンサの実施例の磁石の磁界を示す図である。
【0019】
本発明のポジションセンサの実施例及び参考例を図1〜図12に基づいて説明すると、筐体1は矩形状の合成樹脂の成型品からなり、矩形状の基体1aと、この基体1a側面において、長手方向に延びて形成された凹部1bと、この凹部1bに近傍に設けられると共に、凹部1bより長手方向に短い凹部からなる収納部1cとを有している。また、この収納部1cと凹部1bとの間には壁部1dが形成されており、該壁部1dは窪み部1kを有し、その部分の板厚が薄くなっている。また、収納部1cは下方に開放する開口部1eを有し、この開口部1eは基体1aの外縁において、長手方向に延びる当接部1fによって一部が塞がれている。なお、凹部1bの内壁面には凹条からなる係止部1gが形成されている共に、収納部1cの偏心位置には外方に向かって突出する軸部1hが形成されている。
【0020】
基板2は矩形状の絶縁基板からなり、凹部1bの係止部1gに嵌合された状態で固定されている。磁電変換部たるホールIC3は、ホール素子及びアンプ、コンパレータ等の各種の電気部品が実装されてICとして構成され、略矩形状を呈し、L字状の端子3aが取り付けられている。このホールIC3は、基板2の下面に配置され、端子3aが該基板2に半田付けされている。なお、ホール素子の感磁面は、図5において下方を向いている。
【0021】
ヨーク4は、軟鉄からなる矩形状を呈し、凹部1bを形成する基体1aに形成された凹部にはめられると共に、接着剤等の固定手段で筐体1に固定されている。
【0022】
引き出し部5は、引き出し線5aと、該引き出し線5aが貫通する通孔を有するゴムブッシュ5bとを有し、引き出し線5aの一端の芯線部分が基板2に接続され、ゴムブッシュ5bが筐体1の基体1aにはめ込まれて、引き出し線5aが外方に延出するようになっている。
【0023】
回転体6は、合成樹脂の成型品からなり、略長方形状を呈する基部6aと、基部6aの中央部付近に形成された第1の凹部6bと、この第1の凹部6bに近接して形成された第2の凹部6cとを有する。また、第1の凹部6bの中心からずれた偏心位置から側方に向かって円筒状の筒部6dが形成され、該筒部6dは基部6aを左右方向に貫通する貫通孔6eを有している。また、第1の凹部6bの縁部近傍には弓状の突出部6kが形成され、該突出部6kは弓状の凹部からなるはめ込み部6fを有し、このはめ込み部6fの両端には一対のスナップ爪6gが突出するように形成され、スナップ爪6gの近傍にはL字状の係止部6hが設けられている。
【0024】
図5における参考例では、磁石7は、周方向に並んで配置される第1の磁石7aと第2の磁石7bとで構成され、第1の磁石7aは、フェライト等の数10mT(ミリテスラ)の汎用磁石からなると共に、湾曲して略扇状をなしており、径方向に着磁され、径方向にN極、S極が形成されている。第2の磁石7bも、フェライト等の数10mT(ミリテスラ)の汎用磁石からなると共に、湾曲して略扇状をなしており、径方向に着磁され、径方向にN極、S極が形成されている。なお、この第1の磁石7aと第2の磁石7bは周方向で離れて配置されていても良い。
【0025】
この第1、第2の磁石7a、7bは、図5に示すように、回転体6のはめ込み部6f内に埋め込まれ、回転体6の外周面側の磁極が異なるように互いに近接した状態で配置され、スナップ爪6gによって固定されている。このように第1、第2の磁石7a、7bは径方向に着磁されているので、図6に示すように、回転体6の径方向である垂直方向の成分が強い磁界が発生する。
【0026】
このような構成をした回転体6は、筒部6dの貫通孔6e内に筐体1の軸部1hが挿通されて、筐体1に回転可能に保持されている。さらに、抜け止め用のピン8が軸部1hに挿通されると共に、ピン8の先端がカシメられて回転体6の固定が確実なものとなっている。そして、回転体6が回転すると、ホール素子が検知する磁束密度が変化して、ホールIC3が所与の磁束密度に達した時に切換わるようになっている。また、磁石7に対向して、ヨーク4が配置されているので、磁界がヨーク4側に引き寄せられて磁力線の垂直成分が、更に強くなるようになっており、ホール素子が検知する磁束密度の回転角度に対する変化の割合が大きくなり、ホールIC3の出力切換が所定の位置で行われるようになっている。
【0027】
具体的に説明すると、ホールIC3に設けられたホール素子は、図7Bに示すように、検知する磁束密度が+αの時に電圧値がHiになり、検知する磁束密度が−αの時に電圧値がLoになるようなヒステリシスを有している。そして、この電圧値をコンパレータにかけて、電圧値がHiのときは出力がONになり、電圧値がLoのときは出力がOFFになるようになっている。すなわち、ホールIC3は、図7Aに示すように、OFFからONになるときの磁束密度(+α)とONからOFFになるときの磁束密度(−α)とが異なっており、一定のヒステリシスを有するようになっている。
【0028】
そして、磁石の磁束密度の変化が、任意の傾きを有するM1の時、出力の切換の回転角度のズレが、W1と大きくなって、回転体6をOFFからONになる回転角度と、ONからOFFになる回転角度の違いが大きくなって、ヒステリシスの影響が大きくなり、所定の位置で出力切換を行うことが困難となる。一方、図5における参考例のように磁石7の配置等を工夫して、磁束密度の変化の傾きをMと大きくすると、出力の切換の回転角度のズレが、Wと小さくなって、ヒステリシスの影響を小さくすることができ、ホールIC3の出力の切換を狭い回転角度で行うことが可能になり、切換位置の精度を高めることができる。
【0029】
また、壁部1dにおける磁石7とホールIC3との間の部分には窪み部1kが形成されており、磁石7とホールIC3との距離が近接したものとなっている。また、磁石7を収納する収納部1cと、ホールIC3を収納する凹部1bとを異なる空間とすることができるので、開口部1eから異物が侵入したとしても、ホールIC3や回路部分に付着することはなく、ショートの危険がない。
【0030】
付勢部材たるねじりバネ9は、巻回部9aと該巻回部9aの両端部から延びた第1のアーム部9bと、第2のアーム部9cとを有している。このねじりバネ9は回転体6を、図3の左回りの回転方向に付勢した状態で保持され、巻回部9aが回転体6の筒部6dの外周に挿通されると共に、第1のアーム部9bが回転体6の係止部6hと突出部6kの間にで係止され、第2のアーム部9cが筐体1の当接部1fに形成された細長の凹部内に収納されて、組み込む状態において常時、第1、第2のアーム部9b、9cが近接する方向に撓められて、係止された状態になっている。
【0031】
このように組み込まれたねじりバネ9によって、回転体6は回転方向に付勢され、初期状態において位置が決まっている。即ち、第1のアーム部9bによって突出部6kが付勢され、回転体6に回転方向の荷重が加わり、巻回部9aの近傍に位置する回転体6の縁部が当接部1fの端部1mに当接し、それ以上の回転が規制されている状態になっている。そして、この初期状態においては、磁石7から回転中心たる筒部6dを挟んだ反対側に位置する係合部6mが、開口部1eから外方に向かって突出した状態となっている。そして、回転体6が押圧されると、ねじりバネ9の付勢力に抗して回転体6が収納部1cに収まる方向に回転し、押圧力が解除されると、ねじりバネ9の付勢力によって、当接部1fの端部1mに当接するまで回転体6が戻されて初期状態に復帰するようになっている。このようにねじりバネ9が設けられているので、回転体6に常時テンションがかかっているので、回転体6は回転方向に常時ガタがない状態になっている。
【0032】
また、回転体6の初期状態においては、ホールIC3の検知する磁束密度は、図7の−αから+αの範囲外になっており、本実施の形態の参考例では−αより小さい値となっている。そして、回転体6が回転すると、磁束密度が急激に大きくなってその値は+αより大きくなり、ホールIC3がONとなる。また、回転体6が初期状態に戻ると、磁束密度が急激に小さくなってホールIC3がOFFとなる。
【0033】
カバー部材10は、板厚の薄い金属板を折り曲げたものから構成され、平板を凹状に折り曲げて形成された基部10aと、該基部10aの端部から互いに離れる方向に延びると共に、通孔10cを有する一対の取付片10bとを有する。このカバー部材10は、筐体1を基部10aが囲むようにして筐体1に取り付けられ、筐体1に形成されたスナップ爪1nに基部10aがスナップ結合されて、筐体1に確実に固定される。そして、このカバー部材10と筐体1とでケーシングKが構成されている。
【0034】
尚、上述したポジションセンサの説明では、図5に示すように、磁石7は、周方向に並んで配置される第1の磁石7aと第2の磁石7bとで構成され、電磁変換部は、ホールIC3で構成されたもので説明したが、この代わりに、磁電変換部としてGMR(Giant Magneto Resistence )素子等のMR素子を実装したICを使用したものであってもよい、このときMR素子の感磁面は、磁石7と対向する面と直交する面、即ち、カバー部材10の基部10aと対向する面とするのが良い。このようにすることで、GMR素子の感磁面と平行な面におけるGMR素子に対する磁力線の向きを急激に変えることができるので、この磁電変換部のGMR素子が有するヒステリシスの影響を小さくすることができる。
【0035】
次に、本発明のポジションセンサの実施例について、図11、図12に基づいて説明する。なお、上述したポジションセンサの構成で説明した同一構成の部品については、同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施例において、図5、図6に示したポジションセンサの参考例の構成と相違する点は、磁石は単一の磁石で構成され、且つ、磁電変換部はMR素子で構成されている点である。
【0036】
図11、図12において、磁石15は、周方向に着磁されており、回転体6のはめ込み部6f内に埋め込まれ、スナップ爪6gによって固定されている。そして、図12に示すように、磁力線の水平成分が強くなるようになっている。また、磁電変換部16にはGMR(Giant Magneto Resistence )素子等のMR素子を実装したICを使用しており、この磁電変換部16は、感磁面が磁石15と対向する面となっており、磁力線の水平成分を検知するようになっている。
【0037】
このようにすることで、磁電変換部16に磁力線の素子の水平成分を集中させることができ、磁束密度の傾きを大きくすることができるので、この磁電変換部16のMR素子が有するヒステリシスの影響を小さくすることができる。
尚、その他のポジションセンサの構成については、上述したポジションセンサの構成と同一のためその説明を省略する。
【0038】
本発明のポジションセンサSは上記のような構成を有し、シート位置検出用のポジションセンサとして使用され、次にその取付状態、及び動作について図8〜図10に基づいて説明すると、シート11は座板11aと、背もたれ11bとを有する汎用のシートからなり、自動車の室内に設置されるものである。第1のレール12は、L字状の細長の金属材が2つ重ねられたものから構成され、上下方向に延びる基部12aと、該基部12aの下端部からコ字状に折り曲げられて形成された一対の折曲部12bとを有し、この第1のレール12は、座板11aの下面に一対取り付けられている。このシート11と第1のレール12とで可動部材が構成されている。そして、一方の第1のレール12の基部12aの側壁には、本発明のポジションセンサSのカバー部材10の通孔10cにボルト(図示せず)が挿通されてナット(図示せず)で締結されて、ポジションセンサSが固定されている。このようにポジションセンサSが取り付けられると、シート11の下方に回転体6の係合部6mが突出した状態になる。
【0039】
第2のレール13は、U字状の細長の金属材から構成され、平板状の基部13aと、該基部13aの両端から上方に折り曲げられて形成された折曲部13bとを有し、この第2のレール13は、自動車の室内の床面に一対所望の固定手段で固定され、固定部材を構成している。
【0040】
このような構成の第2のレール13には、第1のレール12が移動可能に組み込まれ、この組み込みは折曲部12bと折曲部13bとが組み合わされることによってなされる。そして、シート11が第2のレール13上でスライド移動可能に保持される。
【0041】
そして、シート11がスライド移動すると、該移動に伴って、シートポジションセンサSが移動し、図9に示すように、床面側に突出した係合部6mが、第2のレール13の先端部13cに当接して、押圧されると共に、図10に示すように、折曲片13bの平坦部からなる頂面13dに乗り上がることで、回転体6が回転し、磁石7、15の位置が移動する。磁石7、15の位置が移動すると、ホールIC3、MR素子16の出力の切換が行われて、引き出し部5からの信号が切換わり、エアバック(図示せず)の膨脹時の気体の流出量を変更し、エアバックの調節が行われる。この時、ねじりバネ9は、第1、第2のアーム部9b、9cが互いに近づくように縮められる。なお、係合部6mが一旦頂面13dに乗り上がると、シート11が移動しても、係合部6mは頂面13d上を摺動するのみなので、これ以上の回転体6の回転はなされない。なお、第2のレール13が回転体6と当接しない初期状態においては、回転体6の係合部6mが第2のレール13と反対側(図10中左方)に傾斜しているので、先端部13cが図10中右方から当接した際に、スムーズに回転する。
【0042】
次に、シート11が反対方向にスライド移動し、係合部6mが第2のレール13の先端部13cに位置すると、ねじりバネ9の付勢力によって回転体6が回転し、初期状態に復帰する。そして、磁石7が位置が移動することで、ホールIC3、MR素子の出力の切換が行われて、引き出し部5からの信号が切換わり、エアバック(図示せず)の膨脹時の気体の流出量を変更し、エアバックの調節が行われる。
【0043】
ここで、ホールIC3、MR素子16の切換について更に説明すると、係合部6mが第2のレール13の先端部13cに押圧されて、頂面13dに乗り上がると、上述の様に、回転体6が所定の角度のみ回転して、その回転の間にホールIC3、MR素子16が切換ってONとなる。このとき、磁束密度が大きくなるように変化するが、回転体6の回転が止まると磁束密度の変化が止まり、ホールIC3、MR素子16がONのままとなり、シート11を末端までスライド移動させてもこの値で安定する。また、回転体6が初期状態に復帰すると、磁束密度が小さくなって、回転体6の回転が止まると、ホールIC3、MR素子16がOFFとなってこのまま安定し、この方向にシート11を末端までスライド移動させてもこの値で安定する。即ち、回転体6の時計回り、反時計回りの回転で、ホールIC3、MR素子16の切換が一回のみ行われるようになっている。このようにすることで、シート11が一定の地点より、前方側か後方側に位置するかで、ホールIC3、MR素子16の状態を異ならせることができ、エアバックの調節が適切に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のポジションセンサの正面図
【図2】本発明のポジションセンサの斜視図
【図3】本発明のポジションセンサの要部断面図
【図4】図1の4−4線における断面図
【図5】本発明のポジションセンサの参考例の要部拡大図
【図6】本発明のポジションセンサの参考例の磁石の磁界を示す図
【図7】A:本発明のポジションセンサの磁電変換部と磁束密度との関係を示すグラフ B:本発明のポジションセンサの磁電変換部に用いられる磁電変換素子と磁束密度との関係を示すグラフ
【図8】本発明のポジションセンサの取付状態を示す斜視図
【図9】本発明のポジションセンサの動作を説明するための説明図
【図10】本発明のポジションセンサの動作を説明するための説明図
【図11】本発明のポジションセンサの実施例を示す要部拡大図
【図12】本発明のポジションセンサの実施例の磁石の磁界を示す図
【図13】従来のシートポジションセンサが取り付けられた状態を示す斜視図
【図14】従来のシートポジションセンサが取り付けられた状態を示す拡大斜視図
【図15】従来のシートポジションセンサが取り付けられた状態を示す要部断面図
【図16】従来のシートポジションセンサの要部断面図
【符号の説明】
【0045】
1:筐体
1a:基体
1b:凹部
1c:収納部
1d:壁部
1e:開口部
1f:当接部
1g:係止部
1h:軸部
1k:窪み部
1m:端部
1n:スナップ爪
2:基板
3:磁電変換部(ホールIC)
4:ヨーク
5:引き出し部
6:回転体
6a:基部
6b:第1の凹部
6c:第2の凹部
6d:筒部
6e:貫通孔
6f:はめ込み部
6g:スナップ爪
6h:係止部
6k:突出部
6m:係合部
7:磁石
8:ピン
9:ねじりバネ
9a:巻回部
9b:第1のアーム部
9c:第2のアーム部
10:カバー部材
11:シート(可動部材)
12:第1のレール(可動部材)
13:第2のレール(固定部材)
15:磁石
16:磁電変換部
K:ケーシング
S:シートポジションセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、前記ケーシングに回転可能に保持された回転体と、該回転体に保持された磁石と、前記ケーシングに保持されると共に、前記磁石に対向して設けられ、所定の磁界強度で出力の切り換えをする電磁変換部とを備え、前記回転体に弓状の突出部を設け、前記磁石を前記弓状の突出部の外周面に沿って湾曲した略扇状に配置すると共に、前記電磁変換部は前記磁石に対向する面に感磁面を有するMR素子を有し、前記磁石は少なくとも前記回転体の周方向に着磁されて配置し、前記回転体は前記磁石の磁力が前記磁電変換部に及ぶ範囲内の所定角度で回転可能となし、前記回転体の時計方向、或いは反時計方向の回転によって前記磁電変換部の出力の切り換えが一回のみ行われることを特徴とするポジションセンサ。
【請求項2】
前記磁電変換部はOFFからONになる第1の切換値と、ONからOFFになる切換値で前記第1の切換値とは異なる第2の切換値とを有し、前記ケーシングには前記回転体を回転付勢する付勢部材が設けられ、前記ケーシングは前記回転体が当接する当接部を有し、前記回転体は初期状態において前記付勢部材によって前記当接部に付勢され、この初期状態で、前記磁電変換部が検知する磁界強度が前記第1、第2の切換値の範囲外になっていることを特徴とする請求項1に記載のポジションセンサ。
【請求項3】
前記ケーシングはシートに取り付けられる第1のレールに保持され、前記シートは前記第1のレールが第2のレールに組み合わされることで移動可能に保持されており、前記回転体は前記磁石から回転中心を挟んだ反対側に係合部を有し、前記シートの移動に伴って前記ケーシングが移動し、前記回転体の前記係合部が前記第2のレールに押圧されて前記回転体が回転することを特徴とする請求項1、又は2に記載のポジションセンサ。
【請求項4】
前記第2のレールは前記ケーシングの移動方向に平坦部を有し、前記回転体の前記係合部が前記平坦部上を摺動することで、前記回転体の回転角度が制限されることを特徴とする請求項3に記載のポジションセンサ。
【請求項1】
ケーシングと、前記ケーシングに回転可能に保持された回転体と、該回転体に保持された磁石と、前記ケーシングに保持されると共に、前記磁石に対向して設けられ、所定の磁界強度で出力の切り換えをする電磁変換部とを備え、前記回転体に弓状の突出部を設け、前記磁石を前記弓状の突出部の外周面に沿って湾曲した略扇状に配置すると共に、前記電磁変換部は前記磁石に対向する面に感磁面を有するMR素子を有し、前記磁石は少なくとも前記回転体の周方向に着磁されて配置し、前記回転体は前記磁石の磁力が前記磁電変換部に及ぶ範囲内の所定角度で回転可能となし、前記回転体の時計方向、或いは反時計方向の回転によって前記磁電変換部の出力の切り換えが一回のみ行われることを特徴とするポジションセンサ。
【請求項2】
前記磁電変換部はOFFからONになる第1の切換値と、ONからOFFになる切換値で前記第1の切換値とは異なる第2の切換値とを有し、前記ケーシングには前記回転体を回転付勢する付勢部材が設けられ、前記ケーシングは前記回転体が当接する当接部を有し、前記回転体は初期状態において前記付勢部材によって前記当接部に付勢され、この初期状態で、前記磁電変換部が検知する磁界強度が前記第1、第2の切換値の範囲外になっていることを特徴とする請求項1に記載のポジションセンサ。
【請求項3】
前記ケーシングはシートに取り付けられる第1のレールに保持され、前記シートは前記第1のレールが第2のレールに組み合わされることで移動可能に保持されており、前記回転体は前記磁石から回転中心を挟んだ反対側に係合部を有し、前記シートの移動に伴って前記ケーシングが移動し、前記回転体の前記係合部が前記第2のレールに押圧されて前記回転体が回転することを特徴とする請求項1、又は2に記載のポジションセンサ。
【請求項4】
前記第2のレールは前記ケーシングの移動方向に平坦部を有し、前記回転体の前記係合部が前記平坦部上を摺動することで、前記回転体の回転角度が制限されることを特徴とする請求項3に記載のポジションセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−53103(P2007−53103A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−225648(P2006−225648)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【分割の表示】特願2001−180738(P2001−180738)の分割
【原出願日】平成13年6月14日(2001.6.14)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【分割の表示】特願2001−180738(P2001−180738)の分割
【原出願日】平成13年6月14日(2001.6.14)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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