説明

ポリエステル樹脂の製造方法、ポリエステル樹脂、および成形体

【課題】チタニウム触媒の活性および反応性が改善されて熱安定性に優れる上、黄変せず、副産物の生成が減少して物性が向上した経済的なポリエステル樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】ジカルボン酸とジオール成分をエステル化反応またはエステル交換反応させて反応物を得る段階;ならびにチタニウム触媒の存在下で前記反応物を重縮合反応および固相重合反応させる段階を含むポリエステル樹脂の製造方法。下記化学式1で表されるリン化合物を、ポリエステル樹脂の理論獲得量を基準としてリン原子が0.1〜25ppmとなるように、前記エステル化反応もしくは前記エステル交換反応段階の初期もしくは末期、または前記重縮合反応の初期に添加する。


(化学式1中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素、または炭素数1〜10のアルキル基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル樹脂の製造方法および前記方法により得られるポリエステル樹脂に関する。より詳しくは、本発明は、チタニウム触媒を使用するポリエステル樹脂の製造の際に、特定のリン化合物の少量使用によりチタニウム触媒の活性と反応性に優れ、特に固相重縮合活性が十分改善され、熱安定性に優れる上、黄変せず、副産物の含量が減少して物性が向上したポリエステル樹脂を経済的に製造することができるポリエステル樹脂の製造方法および前記方法により得られるポリエステル樹脂に関する。更に、本発明は、前記ポリエステル樹脂を成形することにより得られる成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポリエステル樹脂は、コストが低い上、機械的、化学的物性およびガス遮断性に優れるため、各種容器、フィルム、繊維などの製造に幅広く使用されている。このようなポリエステル樹脂の重合には、様々な触媒が使用されている。ところが、ポリエステル樹脂の製造に広く用いられている触媒であるアンチモン触媒は、環境的に好ましくない重金属を含む上、適正反応性を得るためには樹脂に対して数百ppmで多量使用しなければならないという問題点がある。更に、アンチモン触媒を使用するとポリエステル樹脂にヘイズが発生し、放射または成形工程の際にアンチモンが析出されるので、設備の洗浄周期が短くなり、特に容器に成形される場合には高温の内容物によってアンチモンが抽出されるという問題点があった。
【0003】
ポリエステル樹脂の製造のためには、アンチモン触媒のほかに、ゲルマニウム触媒も使用されている。ゲルマニウム樹脂は、環境親和的であるが高価なので、商業的に有用ではないという問題点があった。
【0004】
一方、前記アンチモン触媒およびゲルマニウム触媒の問題点を改善することができる触媒であって、環境親和的でありながら低価格であり、しかも反応性に優れて数ppm未満の少量添加によっても適正な重合反応性を示すチタニウム触媒が従来から注目を浴びてきている。ところが、チタニウム触媒は、多量添加の場合には樹脂の黄変化程度が大きく、少量添加の場合には活性が低下するという欠点があった。チタニウム触媒は、特に固相重縮合の場合には、その活性が他の触媒に比べてさらに著しく低下するという問題点もあった。しかも、適切な安定剤を用いてチタニウムの活性を制御しなければ、アセトアルデヒドやオリゴマーなどの副産物が多く生成される。このような副産物を含むポリエステル樹脂は、各種食品容器には向いていない。
【0005】
特許文献1は、固相重縮合活性を改善させたリン(P)化合物を開示しているが、特許文献1に記載の方法では、このリン化合物を、数百ppmオーダーで添加しなければならないという欠点があった。
【特許文献1】米国特許第5,744,572号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる状況下、本発明の目的は、チタニウム触媒の活性および反応性が改善されて熱安定性に優れる上、黄変せず、副産物の生成が減少して物性が向上した経済的なポリエステル樹脂の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記の方法で製造されたポリエステル樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、チタニウム触媒を用いてポリエステル樹脂を製造する際、特定のリン化合物を少量添加することによりチタニウム触媒の活性を十分制御することができ、特に固相重縮合時の活性が改善されて黄変せずに副産物の生成量が減少し経済的にポリエステル樹脂を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1] ジカルボン酸とジオール成分をエステル化反応またはエステル交換反応させて反応物を得る段階;ならびに
チタニウム触媒の存在下で前記反応物を重縮合反応および固相重合反応させる段階
を含むポリエステル樹脂の製造方法であって、
下記化学式1で表されるリン化合物を、ポリエステル樹脂の理論獲得量を基準としてリン原子が0.1〜25ppmとなるように、前記エステル化反応もしくは前記エステル交換反応段階の初期もしくは末期、または前記重縮合反応の初期に添加することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
【0008】
【化1】

(化学式1中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素、または炭素数1〜10のアルキル基である。)
[2] 前記リン化合物は、前記化学式1において、R1、R2およびR3が全て水素で置換されたカルボキシエチレンホスホン酸(CEPA)であることを特徴とする、[1]に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
[3] [1]または[2]に記載の方法で製造されたポリエステル樹脂。
[4] [3]に記載のポリエステル樹脂を成形することにより得られる成形体。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポリエステル樹脂の製造方法によれば、リン化合物の少量添加によりチタニウム触媒の活性、特に固相重縮合時の活性が十分改善されて固相時間が短縮される上、アセトアルデヒドのような副産物の生成が少なく、黄変することなく色相に優れ、物性が向上したポリエステル樹脂を得ることができる。よって、様々な製品、特に食品容器の原料として適したポリエステル樹脂を経済的に製造することができるものと期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、
ジカルボン酸とジオール成分をエステル化反応またはエステル交換反応させて反応物を得る段階;ならびに
チタニウム触媒の存在下で前記反応物を重縮合反応および固相重合反応させる段階
を含むポリエステル樹脂の製造方法であって、
下記化学式1で表されるリン化合物を、ポリエステル樹脂の理論獲得量を基準としてリン原子が0.1〜25ppmとなるように、前記エステル化反応もしくは前記エステル交換反応段階の初期もしくは末期、または前記重縮合反応の初期に添加することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法である。
【0011】
【化2】

(化学式1中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素、または炭素数1〜10のアルキル基である。)
【0012】
まず、ジカルボン酸とジオールをエステル化反応またはエステル交換反応させて反応物(低重縮合物)を製造する段階を行う。本段階は、通常のポリエステル樹脂製造のためのエステル化反応またはエステル交換反応で行うことができる。
【0013】
前記ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸およびそのエステル形成誘導体、フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸(trimellitic acid)、ピロメリット酸(pyromellitic acid)、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成誘導体を使用することができ、前記化合物の1種または2種以上の共重合化合物を使用することもできる。
【0014】
前記ジオール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール(1,1-cyclohexane dimethylol)、1,4−シクロヘキサンジメチロールなどの脂環族ジオール、キシレングリコール(xylene glycol)、4,4−ジヒドロキシビフェニル(4,4-dihydroxy biphenyl)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(2,2-bis(4-hydroxyphenyl)propane)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(2,2-bis(4-hydroxyphenyl)sulfone)などの芳香族ジオールを使用することができ、これらジオールの1種または2種以上のエチレングリコールと共に共重合された化合物を使用することもできる。
【0015】
前記エステル化反応またはエステル交換反応におけるジカルボン酸とジオールの含量比は、ジカルボン酸成分1モルに対してジオール成分1.05〜2モルであることが好ましく、さらに好ましくはジオール成分が1.05〜1.4モルである。前記ジオール成分の含量が過度に多ければ、副反応が促進されてジエチレングリコールのような好ましくない副反応物が生成されるおそれがあり、ジオール成分の含量が過度に少なければ、エステル化反応が不十分となるか反応時間が遅延されるおそれがある。
【0016】
前記エステル化反応またはエステル交換反応は、通常のエステル反応またはエステル交換反応の工程条件で行うことができる。前記反応は、例えば230℃〜260℃の温度および0.5〜2kgf/cm2の圧力下で行うことができる。
【0017】
次に、チタニウム触媒の存在下で前記エステル化反応またはエステル交換反応の生成物である低重縮合物を重縮合反応および固相重合反応させる段階を行う。
前記チタニウム触媒としては、テトラ−n−プロピルチタネート(tetra-n-propyl titanate)、テトラ−I−プロピルチタネート(tetra-I-propyl titanate)、テトラ−n−ブチルチタネート(tetra-n-butyl titanate)、テトラ−t−ブチルチタネート(tetra-t-butyl titanate)、酢酸チタン、水酸チタン、複金属系のチタニウム触媒またはこれらの混合物を使用することができる。
【0018】
更に、前記重縮合反応には、呈色剤を添加することもできる。呈色剤としてはコバルト化合物、有機トナー、無機トナーまたはこれらの混合物を使用することができる。更に、前記重縮合反応では必要に応じて酸化防止剤を添加することもできる。酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール(hindered phenol)系化合物を使用することができる。
【0019】
前記重縮合反応は、通常のポリエステル樹脂製造方法の重縮合反応条件で行うことができ、例えば250〜300℃、好ましくは260〜300℃の温度および0.5torrの減圧下で行うことができ、好ましくは前記触媒と添加剤を投入した後には、250〜300℃の温度で順次減圧して行うことができる。
【0020】
前記重縮合反応は、得られるポリエステル重縮合反応物の固有粘度が要求される水準に到達する工程時間中に行うことができ、好ましくは固有粘度が0.3〜1.0dl/g、さらに好ましくは0.4〜0.8dl/gに到達するまで行うことができる。溶融重合の際に固有粘度が1.0dl/g超過では、アセトアルデヒドや環状3量体などの副産物が増加し、固有粘度が0.3dl/g未満では、得られるポリエステル樹脂の機械的強度が低く、下記の固相重合反応を行って固有粘度をさらに上昇させる場合、固相重合時間が長くなって経済的に不利であるという問題点がある。
【0021】
更に、本発明では、前記重縮合反応の生成物であるポリエステル重縮合物の固有粘度を増加させるために、前記ポリエステル重縮合物を固相重合反応させる段階をさらに含む。
【0022】
本発明では、前記エステル化反応もしくはエステル交換反応の初期もしくは末期、または前記重縮合反応の初期に、下記化学式1で表されるリン(P)化合物を添加する。
【0023】
【化3】

【0024】
前記リン(P)化合物は、米国特許第5,744,572号明細書に記載されている。必要に応じて通常の他のリン(P)化合物を少量ずつ混合して使用しても構わないが、その比率が10%を超えないことが有利である。併用するリン(P)化合物としては、亜リン酸(phosphorous acid)、リン酸(phosphoric acid)、リン酸トリフェニル(triphenyl phosphate)、リン酸トリメチル(trimethyl phosphate)、リン酸トリエチル(triethyl phosphate)、リン酸トリブチル(tributyl phosphate)、リン酸モノブチル(monobutyl phosphate)、リン酸ジブチル(dibutyl phosphate)、リン酸ジオクチル(dioctyl phosphate)、リン酸トリノニルフェニル(trinonylphenyl phosphate)、亜リン酸ベンジル、メチル亜リン酸メチルエステル、フェニル亜リン酸エチルエステルおよびこれらの混合物を例示することができる。
【0025】
化学式1中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素、または炭素数1〜10のアルキル基である。好ましくは、前記リン化合物は、前記化学式1においてR1、R2およびR3が全て水素であるカルボキシエチレンホスホン酸(以下「CEPA」という)である。前記化学式1で表されるリン化合物は、ポリエステル樹脂の理論獲得量を基準として0.1ppm〜25ppm添加する。前記リン化合物の添加量は、好ましくは、ポリエステル樹脂の理論獲得量を基準として0.1〜20ppmである。前記リン化合物の添加量が0.1ppm未満では、所望のチタニウム触媒活性の改善効果を得ることが困難となりり、前記リン化合物の添加量が25ppm超過では、過溶の問題がある。
【0026】
このように、本発明のポリエステル樹脂の製造方法により製造されたポリエステル樹脂は、射出ブロー成形、放射、キャスティングなどの通常の方法によって成形体に成形することができる。成形体としては、容器、フィルム、繊維などを挙げることができる。本発明によれば、アセトアルデヒドや環状3量体などの副産物が少ないポリエステル樹脂を得ることができるので、得られるポリエステル樹脂は、ボトル(bottle)など各種食品容器の製造に特に適する。
【実施例】
【0027】
以下、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、これらの実施例に本発明の範疇が限定されるものではない。

まず、実施例および比較例で製造されたポリエステルの物性測定法および後加工方法は次のとおりである。
1)固相重縮合:チップ状のポリエステル樹脂を100g定量し、チューブ管に満たしてチューブ栓を締め付けた後、油浴(oil bath)に浸漬し、2L/分の流量で窒素を流しながら210℃の温度で16時間滞留させた。前記チューブを油浴から取り出して窒素気流下で常温まで冷却させ、チューブ栓を開いて注意深く上部、下部の各10gを取り出した後、中間部分の80gを別途サンプリングして樹脂の固有粘度を測定した。
2)固有粘度(Intrinsic viscosity:以下「IV」という):樹脂試料を液体窒素を用いて凍結粉砕した後、試料0.36gを濃度が1.2g/dlとなるようにo−クロロフェノール溶媒に150℃の温度で15分間溶解させた後、ウベローデ粘度計を用いて35℃で原液との相対粘度(ηrel)を測定し、これから比粘度(specific viscosity)ηsp(=ηrel−1)を算出した後、ハギンス(Huggins)式を用いて樹脂の固有粘度値(IV)を換算した。
3)金属原子含有量:試料2gを混合酸で完全に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分光分析法によって金属原子含有量を求めた。
4)樹脂色調:樹脂試料を円柱状の測色用セルに一定量充填した後、Lab表色系においてハンター(hunter)の彩度式色座標bを反射法によって3回測定して平均値を求めた。
5)プレフォームおよびボトルの製造:樹脂を170℃で12時間真空乾燥させ、射出成形機(ASB150、日精マシーン)に投入して高さ145mm、外径28mm、厚さ4mm、重量48gのプレフォームを製造(シリンダ温度275℃、成形サイクル23秒)した。
6)アセトアルデヒド(AA)の含有量:プレフォームを凍結粉砕した後、粉砕物約1gを20mlの容器に仕込み、150℃で40分間加熱しながら得られるアセトアルデヒドの量をガスクロマトグラフィーを用いて測定し、純粋アセトアルデヒドの希釈液値と比較してその絶対値を求めた。
【0028】
[実施例1]
テレフタル酸ポリエチレン樹脂の製造
テレフタル酸9960重量部(約60モル)、エチレングリコール4650重量部(約75モル)のスラリー(slurry)反応液をエステル化反応器に仕込んだ後、反応器の温度を250℃に維持し、反応器の圧力を窒素投入によって1.0kgf/cm2に維持しながらエステル化反応を行った。反応中、エステル化反応物中の水と少量のエチレングリコールとの混合液を蒸留カラム(distillation column)を介して反応器の外部に流出させながら反応滞留時間が400分となるようにした。前記エステル化反応の完結後、CEPA(Carboxyethylene Phosphonic Acid)をポリエステル樹脂理論獲得量を基準としてリン(P)原子が10ppmとなるように投入し、重縮合触媒としてチタンアルコキシド(titan alkoxide)系列のテトラ−n−ブチル−チタネートをチタニウム原子が樹脂理論獲得量を基準として10ppmとなるように投入した後、エステル化反応の生成物である低重縮合物を重縮合反応器に移送した。次に、280℃、0.5torrの条件下で重縮合反応を固有粘度(IV)が61に到達するまで行った後、前記重縮合反応生成物を160℃で2時間放置して結晶化させた。その後、結晶化した反応物を固相重合反応器に移送し、移送した反応物に窒素を2L/分の流量で引き続き流しながら210℃で16時間滞留させた後、物性を測定した。
【0029】
[実施例2および比較例1〜4]
テレフタル酸ポリエチレン樹脂の製造
下記表1に示すように、リン化合物の種類と添加量を異にした以外は、実施例1と同様に行った。
下記表1は、実施例および比較例で製造された樹脂の物性結果を示す。
【0030】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジカルボン酸とジオール成分をエステル化反応またはエステル交換反応させて反応物を得る段階;ならびに
チタニウム触媒の存在下で前記反応物を重縮合反応および固相重合反応させる段階
を含むポリエステル樹脂の製造方法であって、
下記化学式1で表されるリン化合物を、ポリエステル樹脂の理論獲得量を基準としてリン原子が0.1〜25ppmとなるように、前記エステル化反応もしくは前記エステル交換反応段階の初期もしくは末期、または前記重縮合反応の初期に添加することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
【化1】

(化学式1中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素、または炭素数1〜10のアルキル基である。)
【請求項2】
前記リン化合物は、前記化学式1において、R1、R2およびR3が全て水素で置換されたカルボキシエチレンホスホン酸(CEPA)であることを特徴とする、請求項1に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法で製造されたポリエステル樹脂。
【請求項4】
請求項3に記載のポリエステル樹脂を成形することにより得られる成形体。

【公開番号】特開2006−188680(P2006−188680A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365868(P2005−365868)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(504035663)エスケイ ケミカルズ カンパニー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】