説明

ポリオールエーテルおよびペースト状物質を含む化粧品組成物

【課題】ケラチン物質において、心地よく、厚く、色濃く、光沢のある堆積を提供するという利点を有する、スティックまたはペースト形態であることのできる化粧品組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1種のポリオールエーテルおよび少なくとも1種のペースト状化合物を含む脂肪相を含む組成物に関する。ポリオールエーテルは、特にペンタエリトリトールエーテルであることができる。この組成物は、ケラチン物質、特に皮膚、唇、および/または身体表面成長部のケアおよび/またはメイクアップ製品として用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の特定のポリオールエーテルを含む脂肪相を含む化粧品組成物に関する。この組成物はさらに、少なくとも1種の他のペースト状化合物を含むことができる。この組成物は、皮膚、唇、および身体表面成長部などのケラチン物質のためのメイクアップおよび/またはケア組成物として用いることができる。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願第1306074号は、ポリオールエーテル、油および逆極性を有するロウを含む固体組成物を記載している。この文献は、この組み合わせによっていかにして、37℃以下の温度で溶解しないが、皮膚上で容易に広がり、良好に堆積する固体組成物を得ることができるかを記載している。この組成物は、1%のビタミンEを含むリップスティック組成物であることができる。
【特許文献1】欧州特許出願第1306074号
【特許文献2】WO-A-92/06778
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、スティックまたはペースト形態であることのできる化粧品組成物を提供することである。この組成物は、ケラチン物質において、心地よく、厚く、色濃く、光沢のある堆積を提供するという利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明の主題は、ポリアルキレングリコールペンタエリトリトールエーテルから選択された少なくとも1種のポリオールエーテルを含む少なくとも1つの脂肪相を含む化粧品組成物である。この組成物は、上記ポリオールエーテル以外の少なくとも1種のペースト状化合物を、生理的に許容される媒質に含むことができる。
【0005】
この組成物は、ポリオールエーテルを含まない従来技術の組成物に比べてより光沢を有することができる。さらに、この組成物は、高い比率で着色剤、特に顔料を含みながら、均質で心地よい混合物を得ることを可能にすることができる。
【0006】
本発明の主題はさらに、少なくとも1種のポリオールエーテル、および少なくとも1種のペースト状化合物を含む少なくとも1つの脂肪相を、生理的に許容される媒質に含む無水組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の組成物は、好ましくは単一の脂肪相を含み、この脂肪相は、好ましくは連続相である。
【0008】
本発明の組成物は、無水組成物であることができ、そのとき組成物の総重量に対して、10重量%までの親水性相、好ましくは組成物の総重量に対して、1から5重量%の親水性相、より好ましくは1から2%の親水性相を含むことができ、この親水性相は、水のみから、あるいは水とポリオール、ゲル化剤、および/または活性剤などの親水性および水溶性の添加剤とからなる。この親水性相が存在する場合、好ましくは、連続相を形成する脂肪相に分散される。
【0009】
本発明の特定の実施形態によれば、組成物は、無水、すなわち脂肪相のみを含むか、または実質的に無水、すなわち5重量%未満の水および/または親水性もしくは水溶性添加剤を含む。
【0010】
[ポリオールエーテル]
本発明による組成物において、ポリオールエーテルは、特にポリアルキレングリコールペンタエリトリトールエーテル、糖脂肪アルコールエーテル、およびそれらの混合物から選択することができる。
【0011】
ポリアルキレングリコールペンタエリトリトールエーテルは、特に、1から450個のオキシアルキレン化単位、好ましくは1から200個のオキシアルキレン化単位、より好ましくは1から100個のオキシアルキレン化単位、さらに好ましくは1から50個のオキシアルキレン化単位を含むことができる。ポリアルキレングリコールペンタエリトリトールエーテルは、特に、1から450個のオキシエチレン化単位、好ましくは1から200個のオキシエチレン化単位、より好ましくは1から100個のオキシエチレン化単位、さらに好ましくは1から50個のオキシエチレン化単位を含むポリエチレングリコールペンタエリトリトールエーテル、1から450個のオキシプロピレン化単位、好ましくは1から200個のオキシプロピレン化単位、より好ましくは1から100個のオキシプロピレン化単位、さらに好ましくは1から50個のオキシプロピレン化単位を含むポリプロピレングリコールペンタエリトリトールエーテル、およびそれらの混合物から選択することができる。本発明の好ましい実施形態によれば、5個のオキシエチレン化単位(5EO)を含むポリエチレングリコールペンタエリトリチルエーテル(CTFA名:PEG-5ペンタエリトリチルエーテル)、5個のオキシプロピレン化単位(5PO)を含むポリプロピレングリコールペンタエリトリトールエーテル(CTFA名:PPG-5ペンタエリトリチルエーテル)、およびそれらの混合物、特にVevy社から「Lanolide」の名称で販売されている、PEG-5ペンタエリトリチルエーテル、PPG-5ペンタエリトリチルエーテルおよびダイズ油の混合物であって、それらの成分の重量比が46/46/8である混合物、46%のPEG-5ペンタエリトリチルエーテル、46%のPPG-5ペンタエリトリチルエーテルおよび8%のダイズ油の混合物が用いられる。
【0012】
糖脂肪アルコールエーテルは、グルコース、マルトース、スクロースまたはフルクトースのC8〜C22脂肪アルコールエーテルあるいはそれらのC8〜C22脂肪アルコールエーテルの混合物;メチルグルコースのC14〜C22脂肪アルコールエーテルまたはそれらのC14〜C22脂肪アルコールエーテルの混合物、およびそれらの混合物を含む群から選択することができる。
【0013】
糖エーテルの脂肪単位を形成するC8〜C22またはC14〜C22脂肪アルコールには、それぞれ8から22個、または14から22個の炭素原子を含む、飽和または不飽和直鎖アルキル鎖が含まれる。脂肪アルコールから得られるエーテルの脂肪単位は、特に、デシル、セチル、ベヘニル、アラキジル、ステアリル、パルミチル、ミリスチル、ラウリル、カプリル、およびヘキサデカニル単位、ならびにセテアリル(セチルとステアリルの混合物)などのそれらの混合物から選択することができる。
【0014】
糖脂肪アルコールエーテルの例としては、特に、たとえばHenkel社からそれぞれPlantaren2000およびPlantaren1200の名称で販売されているデシルグルコシドおよびラウリルグルコシドなどのアルキルポリグルコシド(APG)、場合によってセトステアリルアルコールとの混合物であるセテアリルグルコシドを挙げることができ、この混合物は、たとえばSeppic社からMontanov68の名称で販売されている(成分比12/46/42、12%のセテアリルグルコース、46%のセチルアルコールおよび42%のステアリルアルコールの混合物)。セテアリルグルコシドとして、Goldschmidt社からTegocare CG90の名称で販売されている製品およびHenkel社からEmulgade KE3302の名称で販売されている製品も挙げることができる。APGとして、アラキジルグルコシド、たとえばSeppic社からMontanov202の名称で販売されている、アラキジルおよびベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態であるアラキジルグルコシドも挙げることができる。さらに、たとえばSeppic社からMontanov WO13の名称で販売されている、場合によってイソステアリルアルコールとの混合物であるイソステアリルグルコシド、およびSeppic社から販売されている、場合によってオレイルアルコールとの混合物であるオレイルグルコシドなどの、分枝鎖または不飽和鎖のアルキルポリグルコシドも挙げることができる。これらのアルキルポリグルコシドの混合物を用いることもできる。本発明の特定の実施形態によれば、上述したアルキルポリグルコシドと、対応する脂肪アルコールとの混合物は、たとえば文献WO-A-92/06778に記載されている、自己乳化組成物の形態であることができる。
【0015】
ポリオールエーテルの量は大きく異なることができ、たとえば組成物の総重量に対して、0.5から40重量%、好ましくは1から30重量%、より好ましくは5から25重量%の範囲であることができる。
【0016】
[ペースト状物質]
本発明による組成物はさらに、上述した化合物とは異なる、少なくとも1種の他のペースト状化合物を含むことができる。
【0017】
本発明の目的のために、「ペースト状」という表現は、固体状態では異方性結晶組織を有し、23℃の温度では液体画分および固体画分を有する、状態が固体/液体に可逆的に変化する脂肪親和性脂肪化合物を意味するものとして理解される。「ペースト状」という表現は、ラウリン酸ポリビニルを意味するものとしても理解される。
【0018】
本発明の目的のために、ペースト状化合物は、20℃で、0.001から0.5MPa、好ましくは0.002から0.4MPaの硬度を有することができる。
【0019】
硬度は、特に直径2mmのステンレス鋼製スピンドルを備えたテクスチャ分析装置(たとえばRheo社のTA-XT2i)を用いて、化合物の試料にプローブを穿通させる方法によって測定する。硬度の測定は、20℃で、5個の試料の中心で行う。スピンドルを各試料に導入するが、事前速度1mm/秒、次いで測定速度0.1mm/秒であり、穿通深度は0.3mmである。測定される硬度値は、最大ピーク値である。
【0020】
このペースト状化合物は、23℃の温度で、液体画分および固体画分の形態であることができる。換言すると、ペースト状化合物の融解開始温度は、23℃未満であることができる。23℃で測定されるペースト状化合物の液体画分は、化合物の9から97重量%であることができる。23℃で、この液体画分は、好ましくは15から85重量%、より好ましくは40から85重量%である。
【0021】
23℃のペースト状化合物の重量による液体画分は、ペースト状化合物の融解熱に対する23℃で消費される融解熱の比に等しい。
【0022】
ペースト状化合物の融解熱は、固体状態から液体状態に変化するために、化合物によって消費される熱である。ペースト状化合物は、その質量全体が固体結晶形態であるとき、固体状態にあると言われる。ペースト状化合物は、その質量全体が液体形態であるとき、液体状態にあると言われる。
【0023】
ペースト状化合物の融解熱は、TA instrument社からMDSC 2920の名称で販売されている熱量計などの示差走査熱量計(D.S.C.)を用いて、ISO11357-3:1999標準に従って、1分当たり5℃または10℃の温度上昇で得られたサーモグラム曲線下の面積に等しい。ペースト状化合物の融解熱は、化合物を固体状態から液体状態に変化させるのに要するエネルギーの量である。これはJ/gで表される。
【0024】
23℃で消費される融解熱は、23℃で有する液体画分および固体画分からなる状態に、固体状態から変化するために、試料によって吸収されるエネルギーの量である。
【0025】
32℃で測定されるペースト状化合物の液体画分は、好ましくは化合物の30から100重量%、好ましくは化合物の80から100重量%、より好ましくは90から100重量%である。32℃で測定されるペースト状化合物の液体画分が100%に等しいとき、ペースト状化合物の融解範囲の終点温度は32℃以下である。
【0026】
32℃で測定されるペースト状化合物の液体画分は、ペースト状化合物の融解熱に対する32℃で消費される融解熱の比に等しい。32℃で消費される融解熱は、23℃で消費される融解熱と同じ方法で算出される。
【0027】
ペースト状化合物は、好ましくは、合成化合物、および植物由来の化合物から選択される。植物由来の出発原料から合成して、ペースト状化合物を得ることができる。
【0028】
ペースト状化合物は、有利には、
-ラノリンおよびその誘導体、
-ポリマーまたは非ポリマーシリコーン化合物、
-ポリマーまたは非ポリマーフッ素化化合物、
-ビニルポリマー、特に
・オレフィンのホモポリマー、
・オレフィンのコポリマー、
・水素添加ジエンのホモポリマーおよびコポリマー、
・好ましくはC8〜C30アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルの直鎖または分枝鎖オリゴマー、あるいはホモポリマーまたはコポリマー、
・C8〜C30アルキル基を有するビニルエステルのオリゴマー、ホモポリマー、およびコポリマー、
・C8〜C30アルキル基を有するビニルエーテルのオリゴマー、ホモポリマー、およびコポリマー、
-1個または複数のC2〜C100、好ましくはC2〜C50ジオール間のポリエーテル化によって生じる脂溶性ポリエーテル、
-エステル、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0029】
ペースト状化合物は、好ましくはポリマー、特に炭化水素をベースとする化合物である。
【0030】
好ましいシリコーンおよびフッ素化ペースト状化合物は、SHIN ETSUからX22-1088の名称で製造されている、ポリメチルトリフルオロプロピルメチルアルキルジメチルシロキサンである。
【0031】
ペースト状化合物がシリコーンおよび/またはフッ素化ポリマーであるとき、この組成物は、有利には、相溶化剤、たとえばネオペンタン酸イソデシルなどの短鎖エステルを含む。
【0032】
脂溶性ポリエーテルのなかで、特にエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、C6〜C30長鎖アルキレンオキシドとのコポリマーが好ましく、コポリマー中のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、アルキレンオキシドとの重量比が、5:95から70:30であるコポリマーがより好ましい。この種では、特に長鎖アルキレンオキシドが、平均分子量1000から10000を有するブロックに配置されているコポリマー、たとえばAkzo NobelからELFACOS ST9の商標で販売されているドデカンジオール(22mol)とポリエチレングリコール(45EO)のエーテルなどのポリオキシエチレン/ポリドデシルグリコールブロックコポリマーを挙げることができる。
【0033】
エステルのなかで、特に
-グリセロールオリゴマーのエステル、特にジグリセロールエステル、特にアジピン酸とグリセロールの縮合物であって、グリセロールのヒドロキシル基の一部が、ステアリン酸、カプリン酸、ステアリン酸およびイソステアリン酸、および12-ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸の混合物と反応しているもの、たとえば特にSasol社からSoftisan649の商標で販売されているものなど、
-AlzoからWaxenol 801の商標で販売されているプロピオン酸アラキジル、
-植物ステロールエステル、
-脂肪酸のトリグリセリドおよびそれらの誘導体、
-ペンタエリトリトールエステル、
-ジカルボン酸あるいは直鎖または分枝鎖C4〜C50ポリカルボン酸とジオールまたはC2〜C50ポリオールとの重縮合によって生じる非架橋ポリエステル、
-脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルと脂肪族カルボン酸とのエステル化によって生じるエステルの脂肪族エステルが好ましい。
【0034】
脂肪族カルボン酸は、4から30個、好ましくは8から30個の炭素原子を含む。脂肪族カルボン酸は、好ましくはヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、イソアラキジン酸、オクチルドデカン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、およびそれらの混合物から選択される。
【0035】
脂肪族カルボン酸は、好ましくは分岐している。
【0036】
脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルは、有利には、2から40個の炭素原子、好ましくは10から34個の炭素原子、より好ましくは12から28個の炭素原子、および1から20個のヒドロキシル基、好ましくは1から10個のヒドロキシル基、より好ましくは1から6個のヒドロキシル基を含むヒドロキシル化脂肪族カルボン酸から得られる。脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルは、
a)飽和直鎖モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分または完全エステル、
b)不飽和モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分または完全エステル、
c)飽和モノヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分または完全エステル、
d)飽和ポリヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分または完全エステル、
e)モノまたはポリヒドロキシル化脂肪族モノまたはポリカルボン酸と反応させたC2からC10脂肪族ポリオールの部分または完全エステル、およびそれらの混合物から選択される。
【0037】
エステルの脂肪族エステルは、有利には
-水素添加ヒマシ油とイソステアリン酸とを1対1(1/1)の比率でエステル化反応させることによって生じるエステル、または水素添加ヒマシ油のモノイソステアリン酸エステル、
-水素添加ヒマシ油とイソステアリン酸とを1対2(1/2)の比率でエステル化反応させることによって生じるエステル、または水素添加ヒマシ油のジイソステアリン酸エステル、
-水素添加ヒマシ油とイソステアリン酸とを1対3(1/3)の比率でエステル化反応させることによって生じるエステル、または水素添加ヒマシ油のトリイソステアリン酸エステル、および
-それらの混合物から選択される。
【0038】
ペースト状化合物は、好ましくは、組成物の1から99重量%、より好ましくは1から60重量%、さらに好ましくは2から30重量%、さらに好ましくは5から15重量%である。
【0039】
本発明の一態様によれば、本発明の主題は、生理的に許容される媒質に、ポリアルキレングリコールペンタエリトリトールエーテルから選択された少なくとも1種のポリオールエーテル、および少なくとも1種のビニルピロリドンのコポリマーを含む少なくとも1つの脂肪相を含む化粧品組成物である。
【0040】
この組成物は、ビニルピロリドン(VP)のコポリマー、特にビニルピロリドンとC2からC40、より好ましくはC3からC20アルケンのコポリマーから選択されたポリアルキレンを含むこともできる。本発明に用いることのできるVPのコポリマーの例として、VP/酢酸ビニル、VP/メタクリル酸エチル、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/メタクリル酸エチル/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン、VP/アクリル酸/メタクリル酸ラウリルのコポリマー、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0041】
ビニルピロリドンコポリマーは、30から40℃の融点を有することができる。ビニルピロリドンコポリマーは、組成物の0.1から10重量%、たとえば組成物の0.5から5重量%であることができる。
【0042】
[油]
本発明による組成物の脂肪相は、少なくとも1種の油を含む。「油」という表現は、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)で液体である、生理的に許容される任意の非水性媒質を意味するものであると理解される。
【0043】
油の量は、組成物の総重量に対して、たとえば20から80重量%、好ましくは30から70重量%の範囲であることができる。
【0044】
これらの油は、炭化水素および/またはシリコーンおよび/またはフッ素化油であることができる。これらは、動物、植物、無機物、または合成由来の油であることができる。「炭化水素油」という表現は、主として炭素原子および水素原子を含み、場合によってエステル、エーテル、フッ素化、カルボン酸、および/またはアルコール基を含む任意の油を意味するものとして理解される。さらに、用いられる油は、揮発性および/または非揮発性であることができる。「揮発性油」という表現は、それが適用された基体から室温で蒸発することのできる油、換言すると、25℃および1気圧で測定される蒸気圧が、たとえば0Paを超える油、特に10-3から300mmHg(0.13Paから40000Pa)の範囲である油を意味するものと理解される。揮発性油として、特に環状または直鎖状揮発性シリコーンなどの揮発性シリコーン油を挙げることができる。イソパラフィンなどの揮発性炭化水素油、およびフッ素化揮発性油も挙げることができる。
【0045】
本発明の組成物に用いることのできる油のうち、一部は極性であり、他は無極性(すなわち非極性)である。
【0046】
極性油は、その化学構造に、少なくとも1個の非イオン極性基、好ましくは少なくとも2個の非イオンまたはイオン極性基を含み、たとえば以下の基である。
-COOH;
-一置換または二置換(第一級または第二級)OH、
-PO4
-NHF;NR1R2[式中、R1およびR2は、場合によって環を形成し、直鎖または分枝鎖C1からC20アルキルまたはアルコキシ基を表し、あるいは下記の式:
【0047】
【化1】

【0048】
(式中、R1'およびR2'は、水素、あるいは直鎖または分枝鎖C1からC20アルキルまたはアルコキシ鎖を表すことができる)である]
【0049】
極性は、ハンセン溶解性パラメータδaによって記述することができる。このパラメータは、所与の成分に関して、この成分の分子間に存在する極性相互作用(δp)および水素結合型相互作用(δh)に対応するエネルギーを特徴づける。
【0050】
【数1】

【0051】
無極性油は、0に等しいδa値を有する。特に、本発明による無極性油は、特に
-シリコーン油、たとえば室温で液体である直鎖状または環状の揮発性または非揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS);フェニル化シリコーン、たとえばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート;
-合成または無機由来の直鎖または分枝鎖炭化水素、たとえば揮発性または非揮発性パラフィン油およびそれらの誘導体;液状パラフィン;液状ラノリン;ポリデセン;Parleam(登録商標)油などの水素添加ポリイソブテン;スクアラン;水素添加イソパラフィン;イソヘキサデカン;イソドデカン、ならびに
-それらの混合物から選択することができる。
【0052】
極性油は、0ではない、すなわち0を超えるδa値を有する。特に、本発明の組成物に用いられる極性油は、
-植物由来の油、グリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリドを高含量で含む炭化水素油であって、その脂肪酸は、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和とすることのできるC4からC20の様々な鎖長を有することができる。植物由来の油として、特に、ホホバ、コムギ胚芽、トウモロコシ、ヒマワリ、シアバター、ヒマシ、スイートアーモンド、マカダミア、アプリコット、ダイズ、綿実、アルファルファ、ケシ、パンプキンシード、ゴマ、ヒョウタン(gourd)、ナタネ、アボカド、ヘーゼルナッツ、グレープシード、クロフサスグリの種、マツヨイグサ、キビ、オオムギ、キノア、オリーブ、ライムギ、サフラワー、ククイノキ、トケイソウ、ローズムスク、およびコリアンダー油;あるいはStearineries Dubois社から販売されているもの、またはDynamit Nobel社からMiglyol 810、812、および818の名称で販売されているものなどのカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリドを挙げることができる;
-合成油または式R5COOR6の合成エステル(式中、R5は、1から40個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖脂肪酸の残基を表し、R6は、1から40個の炭素原子を含む炭化水素鎖、特に分枝鎖炭化水素鎖を表し、ただしR5+R6≧10である)、たとえばパーセリン(Purcellin)油(オクタン酸セトステアリル)、イソノナン酸イソノニル、安息香酸C12からC15アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、オクタン酸、デカン酸、またはリシノール酸アルコールまたはポリアルコール;水酸化エステル、たとえば乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルなど;安息香酸C12からC15アルキル;およびペンタエリトリトールエステル;
-10から40個の炭素原子を有する合成エーテル;
-オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、およびオクチルドデカノールなどのC8からC26脂肪アルコール;
-それらの混合物から選択することができる。
【0053】
[ロウ]
本発明による組成物の脂肪相は、少なくとも1種のロウを含む。本発明の目的のためのロウは、状態が固体/液体に可逆的に変化し、40℃より高く、200℃程度に高くてもよい融点を有し、固体状態で異方性結晶組織を有する、室温(25℃)で固体である脂肪親和性脂肪化合物である。
【0054】
任意の型のロウを用いることができる。ロウは、天然由来、特に植物または動物由来のロウ、無機物由来のロウ、合成由来のロウ、およびそれらの混合物から選択することができる。本発明の組成物に用いることのできるロウとして、たとえばミツロウ、モンタンロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、イボタロウ、アマニロウ、パインロウ、綿ロウ、オウリカリーロウ、亜炭ロウ、米ぬかロウ、サトウキビロウ、和ロウ、コルク繊維ロウ、パラフィンロウ、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンロウ、オゾケライト、水素添加ホホバ油などの(約)40℃を超える融点を有する水素添加油、エチレンの重合によって誘導されるポリエチレンロウ、フィッシャートロプシュ合成によって得られたロウ、40℃で固まっている(すなわち固体である)脂肪酸エステルとグリセリド、40℃で固体であるポリ(ジ)メチルシロキサンのアルキル、アルコキシおよび/またはエステルなどのシリコーンロウ、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0055】
上述のとおり、組成物が極性油を含むとき、少なくとも1種の無極性ロウを含むべきである。組成物が無極性油を含むとき、少なくとも1種の極性ロウを含むべきである。組成物が極性油と無極性油を含むとき、少なくとも1種の無極性ロウを含むべきである。
【0056】
油に関して上述したとおり、極性は、上に示した式に従って、ハンセン溶解性パラメータδaによって記述することができる。
【0057】
いわゆる無極性ロウは、0に等しいδa値を有する。それらは特に、主として炭素原子および水素原子を含む炭化水素ロウ、またはシリコーンロウである。炭化水素ロウとしては、特にマイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、パラフィンロウ、(未変性)ポリエチレンロウを挙げることができる。
【0058】
いわゆる極性ロウは、油に関して上に示した極性基を含有するロウであり、0を超えるδa値を有する。それらは特に、動物由来のロウ、植物由来のロウ、極性基を含む合成由来のロウおよび極性基を含むシリコーンロウである。たとえばモンタンロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、イボタロウ、アマニロウ、パインロウ、綿ロウ、オウリカリーロウ、亜炭ロウ、米ぬかロウ、サトウキビロウ、和ロウ、コルク繊維ロウ、ポリグリセロール化ミツロウ、水素添加油、40℃で固まっている脂肪酸エステルとグリセリド、1個または複数のエステル基を含むシリコーンロウを挙げることができる。
【0059】
ロウ(極性および/または無極性)の総量は、組成物の総重量に対して、たとえば5から40重量%、好ましくは10から30重量%の範囲であることができる。
【0060】
[親水性相]
上述のとおり、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して、0から10重量%の親水性相、より好ましくは1から5重量%の親水性相を含むことができ、親水性相は、水および/または親水性もしくは水溶性添加剤(たとえば活性剤および/またはゲル化剤)を含むことができる。親水性相は、特にグリセリンなどの保湿剤を含むことができる。場合によって存在する親水性成分は、好ましくは、油およびロウからなる脂肪相に分散される。
【0061】
[粒子相]
本発明による組成物は、さらに粒子相を含むことができる。粒子相の量は、組成物の総重量に対して、たとえば0から30重量%、好ましくは0から20重量%の範囲であることができる。粒子相が存在するとき、その量は一般に、組成物の総重量に対して少なくとも0.05重量%である。粒子相の量は、組成物の総重量に対して、たとえば0.05から30重量%、好ましくは1から20重量%の範囲であることができる。この粒子相は、顔料、真珠光沢剤、充填剤、およびそれらの混合物から選択された粒子を含むことができる。これらの顔料、真珠光沢剤および充填剤は、化粧品組成物に通常用いられるものから選択される。「顔料」という表現は、組成物を着色し、かつ/または不透明にするための、白色または有色の無機または有機粒子を意味するものであると理解されるべきである。「充填剤」という表現は、組成物に粘性(body)または堅性を付与し、かつ/またはメイクアップに滑らかさ、つや消し、および均一性を付与するための、無色または白色、無機または合成のラメラまたは非ラメラ粒子を意味するものであると理解されるべきである。「真珠光沢剤」という表現は、光を反射する虹色の粒子を意味するものであると理解されるべきである。
【0062】
顔料は、マイクロメートルまたはナノメートルの大きさの、白色または有色、無機および/または有機の顔料であることができる。無機顔料のなかで、たとえば二酸化チタン、二酸化ジルコニウムまたは二酸化セリウム、および酸化亜鉛、酸化鉄または酸化クロム、およびフェリックブルー(ferric blue)を挙げることができる。有機顔料のなかで、カーボンブラック、ならびにバリウムラッカー、ストロンチウムラッカー、カルシウムラッカーおよびアルミニウムラッカーを挙げることができる。
【0063】
本発明の組成物に用いることのできる真珠光沢剤のなかで、たとえば酸化チタン、酸化鉄、天然顔料またはオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、および着色マイカ-チタンを挙げることができる。
【0064】
充填剤は、無機または合成のラメラまたは非ラメラであることができる。本発明の組成物に用いることのできる充填剤として、たとえばタルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、テフロン(登録商標)、変性または未変性デンプン、マイカ-チタン、天然真珠、窒化ホウ素、ミクロスフェア、たとえばExpancel(Nobel Industrie)、Polytrap(Dow Corning)、ラウロイルリシン、およびシリコーン樹脂のマイクロビーズ(たとえばToshibaのTospearl)を挙げることができる。
【0065】
有利には、本発明による組成物は、化粧品または皮膚用組成物に通常用いられる脂肪親和性着色剤または親水性着色剤、ならびに上記顔料および真珠光沢剤、ならびにそれらの混合物から選択することのできる少なくとも1種の着色材料を含む。この着色材料は、一般に組成物の総重量に対して、0.01から40重量%、好ましくは5から25重量%の量で存在する。
【0066】
[添加剤]
本発明による組成物は、考慮される分野、特に化粧品分野で通常用いられる任意の添加剤をさらに含むことができ、たとえば抗酸化剤;香料;精油;保存剤;化粧品活性剤;ビタミン、たとえばビタミンE(トコフェロール)およびその誘導体(たとえば酢酸エステル)、ビタミンA(レチノール)およびその誘導体(たとえばパルミチン酸レチニル)、ビタミンC(アスコルビン酸)およびその誘導体(たとえばパルミチン酸アスコルビル)などであり、これらのビタミンの誘導体は、特にパルミチン酸エステルおよび酢酸エステルを含むエステルであり;必須脂肪酸;スフィンゴ脂質およびセラミド;DHA(ジヒドロキシアセトン)などのセルフタンニング組成物;サンスクリーン剤、たとえば桂皮酸オクチルメトキシ(Parsol MCX)、3-ベンゾフェノン(Uvinul M40)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)など;界面活性剤;ポリマー;およびそれらの混合物などである。これらの添加剤は、組成物の総重量に対して、0から20重量%の量で組成物に存在することができる。
【0067】
当然ながら、当業者は、本発明による組成物の有利な特性が、想定される添加によって損なわれないように、または実質的に損なわれないように、1種または複数のこれらの任意の追加化合物、および/またはそれらの量を慎重に選択するであろう。
【0068】
本発明による組成物を製造する方法は、化粧品分野で通常用いられており、当業者に完全に知られている方法と少しも異ならない。
【0069】
本発明による組成物は、特に、ケラチン物質、特に皮膚、唇、ならびに爪、睫毛、眉毛、および髪などの身体表面成長部のケア製品および/またはメイクアップ製品を構成することができる。メイクアップ製品は、ほとんどの場合着色されており、一般に顔料を含む。メイクアップ製品の形態において、本発明の組成物は、有利には、ファンデーション、リップスティック、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、またはアイライナーを構成する。
【0070】
この製品は、キャストパウダーの形態、皿に入った製品(ファンデーション、頬紅、アイシャドウ)、またはスティック形態の製品(リップスティック、リップケアスティック)であることができる。本発明の好ましい実施形態によれば、この製品はスティックの形態であり、より詳細には、リップスティックなどの唇をケアする、または唇をメイクアップするためのスティックの形態である。
【0071】
したがって、本発明の主題はまた、皮膚、唇、および/または身体表面成長部をケアおよび/またはトリートメントするための、特に唇に潤いを与えるための、上記化粧品組成物の化粧的使用である。
【0072】
本発明の主題はまた、皮膚、唇、および/または身体表面成長部をメイクアップするための、上記化粧品組成物の化粧的使用である。
【0073】
本発明の主題はまた、上記化粧品組成物を唇に適用することである、荒れた唇および/または乾いた唇をトリートメントするための化粧的方法である。
【0074】
本発明を以下の実施例においてより詳細に例示するが、ここでパーセントは他に指定のない限り重量で示される。
【0075】
(実施例1)
[リップスティック]
Lanolide(登録商標)(Vevy社) 15%
リンゴ酸ジイソステアリル 10%
ポリジメチルシロキサン(5cSt) 5%
テトライソステアリン酸ペンタエリトリチル 10%
トリメリト酸トリデシル 10%
2-デシルテトラデカン酸トリグリセリド 3%
イソノナン酸イソノニル 10%
植物イソステアリン酸およびアジピン酸脂肪酸エステル(Softisan100) 6%
ポリブテン 5%
ポリエチレンロウ 6.3%
マイクロクリスタリンワックス 4%
顔料および着色剤 11%
ビニルピロリドン/エイコセンコポリマー 2%
DL-ビサボロール 0.3%
N-ラウロイルリシン 2.4%
保存剤 適量
【0076】
(実施例2)
[リップスティック]
Lanolide(登録商標)(Vevy社) 18.6%
ネオペンタン酸イソステアリル 13.3
ポリアジピン酸ビスグリセリル(Softisan100) 3.35
フェニルトリメチコーン 7.6
フェニルトリメチコーン 20cSt 3.6
ベントン 1.44
イソステアリン酸イソプロピル 22.56
オゾケライト(鉱ロウ) 1.75
ポリエチレンロウ 6.5
ポリエチレンロウ 3.2
二酸化チタン 0.73
赤色7号 3.4
黄色6号レーキ 6.12
カオリン 5
N-ラウロイルリシン 2.5
DL-ビサボロール 0.3
BHT 適量
【0077】
[手順]
油相およびゲル相を用いて3本ロールミルで顔料を摩砕する。ベントンの膨張および均一化が得られるまで、タービンを用いてゲルを得た。油を循環しながら、ジャケット付きソースパンにロウを秤量し、その後、攪拌しながら(タービン)加熱する。溶解が完了した後、摩砕材料、フェニルトリメチコーン、および活性剤を添加する。混合物を均一化した後、その液を100℃で、42℃のシリコーン処理したアル鋳型(alu mould)に注入する。-4℃で少なくとも30分間スティックを再結晶させた後、そのグレープ(grape)を「AC」に導入し、任意の評価を行う前に、20℃で24時間安定させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)組成物の0.5から40重量%の範囲の量である、ポリアルキレングリコールペンタエリトリトールエーテルから選択された少なくとも1種のポリオールエーテル、および(ii)組成物の2から30重量%の量である、前記ポリオールエーテル以外の少なくとも1種のペースト状化合物を含む少なくとも1つの脂肪相を、生理的に許容される媒質に含む化粧品組成物。
【請求項2】
前記ポリオールエーテルが、1から450個のオキシエチレン化単位を含むポリエチレングリコールペンタエリトリトールエーテル、1から450個のオキシプロピレン化単位を含むポリプロピレングリコールペンタエリトリトールエーテル、およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリオールエーテルが、5個のオキシエチレン化単位を含むポリエチレングリコールペンタエリトリトールエーテル、5個のオキシプロピレン化単位を含むポリプロピレングリコールペンタエリトリトールエーテル、およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリオールエーテルが、5個のオキシエチレン化単位を含むポリエチレングリコールペンタエリトリトールエーテル/5個のオキシプロピレン化単位を含むポリプロピレングリコールペンタエリトリトールエーテル/ダイズ油混合物の形態であることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリオールエーテルの量が、組成物の総重量に対して、1から30重量%の範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ペースト状化合物が、20℃で0.001から0.5MPa、好ましくは0.002から0.4MPaの硬度を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ペースト状化合物が、23℃で9から97重量%、好ましくは15から85重量%、より好ましくは40から85重量%の液体画分を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ペースト状化合物が、32℃で30から100重量%、好ましくは80から100重量%、より好ましくは90から100重量%の液体画分を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ペースト状化合物が、
−ポリマーまたは非ポリマーシリコーン化合物、
−ポリマーまたは非ポリマーフッ素化化合物、
−ビニルポリマー、特に
・オレフィンのホモポリマー、
・オレフィンのコポリマー、
・水素添加ジエンのホモポリマーおよびコポリマー、
・好ましくはC8〜C30アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルの直鎖または分枝鎖オリゴマー、あるいはホモポリマーまたはコポリマー、
・C8〜C30アルキル基を有するビニルエステルのオリゴマー、ホモポリマー、およびコポリマー、
・C8〜C30アルキル基を有するビニルエーテルのオリゴマー、ホモポリマー、およびコポリマー、
−1個または複数のC2〜C100、好ましくはC2〜C50ジオール間のポリエーテル化によって生じる脂溶性ポリエーテル、
−エステル
およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ペースト状化合物が、炭化水素をベースとすることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記ペースト状化合物が、ポリメチルトリフルオロプロピルメチルアルキルジメチルシロキサンであることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記脂溶性ポリエーテルが、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、C6〜C30長鎖アルキレンオキシドとのコポリマー、より好ましくはコポリマー中のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、アルキレンオキシドとの重量比が、5:95から70:30であるコポリマーから選択されることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記脂溶性ポリエーテルが、ポリオキシエチレン/ポリドデシルグリコールブロックコポリマーであることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
前記エステルが、
−グリセロールオリゴマーのエステル、特にジグリセロールエステル、特にアジピン酸とグリセロールの縮合物であって、グリセロールのヒドロキシル基の一部が、ステアリン酸、カプリン酸、ステアリン酸とイソステアリン酸、および12-ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸の混合物と反応しているもの、
−プロピオン酸アラキジル、
−植物ステロールエステル、
−脂肪酸のトリグリセリドおよびそれらの誘導体、
−ペンタエリトリトールエステル、
−ジカルボン酸あるいは直鎖または分枝鎖C4〜C50ポリカルボン酸とジオールまたはC2〜C50ポリオールとの重縮合によって生じる非架橋ポリエステル、
−脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルと脂肪族カルボン酸とのエステル化によって生じるエステルの脂肪族エステル、および
−これらの混合物
から選択されることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
ポリアルキレングリコールペンタエリトリトールエーテルから選択された少なくとも1種のポリオールエーテルと、ビニルピロリドン(VP)のコポリマーである少なくとも1種のペースト状化合物を含む少なくとも1つの脂肪相を、生理的に許容される媒質に含む化粧品組成物。
【請求項16】
前記ビニルピロリドンコポリマーが、ビニルピロリドンとC2からC40、より好ましくはC3からC20アルケンのコポリマーから選択されることを特徴とする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記ビニルピロリドンコポリマーが、VP/酢酸ビニル、VP/メタクリル酸エチル、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/メタクリル酸エチル/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン、VP/アクリル酸/メタクリル酸ラウリルのコポリマー、およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
組成物の総重量に対して、20から80重量%、好ましくは30から70重量%の範囲である量の油を含むことを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
植物由来の油;合成油または式R5COOR6の合成エステル(式中、R5は、1から40個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖脂肪酸の残基を表し、R6は、1から40個の炭素原子を含む炭化水素鎖、特に分枝鎖炭化水素鎖を表し、ただしR5+R6≧10である);合成エーテル;C8からC26脂肪アルコール;およびこれらの混合物から選択される極性油を含むことを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
天然由来のロウ;無機物由来のロウ;合成由来のロウ;およびこれらの混合物から選択されるロウを含むことを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記ロウが、ミツロウ、モンタンロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、イボタロウ、アマニロウ、パインロウ、綿ロウ、オウリカリーロウ、亜炭ロウ、米ぬかロウ、サトウキビロウ、和ロウ、コルク繊維ロウ、パラフィンロウ、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンロウ、オゾケライト、40℃を超える融点を有する水素添加油、ポリエチレンロウ、フィッシャートロプシュ合成によって得られたロウ、40℃で固まっている脂肪酸エステルとグリセリド、シリコーンロウ、およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
組成物の総重量に対して、5から40重量%、好ましくは10から30重量%の範囲である量のロウを含むことを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
粒子相を含むことを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記粒子相が、顔料、真珠光沢剤、充填剤、およびこれらの混合物から選択される粒子を含むことを特徴とする請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
キャストまたは圧縮形態であることを特徴とする請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
リップスティックの形態であることを特徴とする請求項1から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
皮膚、唇、および/または身体表面成長部をケアおよび/またはメイクアップするための、特に皮膚、唇、および/または身体表面成長部に潤いを与えるための、請求項1から26のいずれか一項に記載の化粧品組成物の美容的使用。
【請求項28】
皮膚、唇、および/または身体表面成長部をメイクアップまたはケアするための、請求項1から26のいずれか一項に記載の化粧品組成物の美容的使用。
【請求項29】
請求項1から26のいずれか一項に記載の化粧品組成物を唇に適用することからなる、荒れた唇および/または乾いた唇をケアするための美容的方法。

【公開番号】特開2006−143722(P2006−143722A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−330615(P2005−330615)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】