説明

ポリマーコーティング用バリア

【課題】ポリマーコーティングへのダメージ及び/又はその層間剥離を防止するバリアを提供する。
【解決手段】医療デバイス上にポリマー製の、生物活性剤含有コーティングの形態で与えられる第一表面と、第一表面に対して、並列に、好ましくは可動並列に位置する別の物質により与えられる第二表面の間に位置する様に適合するバリア。ブロックコポリマー又は光誘導体化ポリマーにより形成される、そのバリアは、デバイスの組み立て、保管、供給又は配置、及び/又は体内のデバイスの滞留の間に、そのポリマー組成物を機械的ダメージ及び/又は層間剥離から防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一つの形態に於いて、本発明は、インビボ(in vivo)のデバイス(device)表面から生物活性剤(類)を放出(release)する、一種以上の生物活性剤(類)を含む無傷の(intact)ポリマーコーティング組成物を備える表面を有する、移植可能な医療デバイスに関する。別の形態に於いて、本発明は、コーティングされた生物活性剤含有組成物を保護する方法並びに物質に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの手術(surgical intervention)は、体内に、カテーテル又はステントの様な、医療デバイスの配置を必要とする。種々の症状(medical condition)を治療する為に必要並びに有益であるが、体内に金属製又はポリマー製のデバイス類を配置する事により、種々の合併症が引き起こされ得る。これらの合併症の幾つかには、感染危険性の増加、結果として炎症並びに線維性被包をもたらす外来物質に対する体内応答の開始、及び、結果として過形成(hyperplasia)並びに再狭窄をもたらす傷治癒応答の開始が、ある。これらの、並びに他の合併症は、体内への金属製又はポリマー製のデバイスを導入前にあるいは導入時に、理想的には処理される。
【0003】
その様なデバイス類と関係する潜在的な合併症を低減する一つのアプローチ(approach)は、生体適合性が高い移植可能なデバイスを用いる事である。移植可能なデバイス類の生体適合性を改善する為に利用できる幾つかの方法があるが、際立った最近の成功を収めている一つの方法は、移植部(implant)の近傍に生物活性化合物を供給する能力を有するデバイスを用いる事である。その様にする事により、医療デバイス類の移植に付随する種々の潜在的な障害(drawback)は、減少し得る。従って、例えば、抗生物質は、感染の可能性を最小化する為にデバイスの表面から放出され得、そして、増殖抑制薬は、過形成を抑制する為に放出され得る。この様に生物活性剤を局在的に放出する能力は、全身的に、あるいは局在的なしかし潜在的な問題のあるレベル(level)で、薬を供給する必要性を軽減するあるいは回避する。
【0004】
医療デバイス類の表面から生物活性剤を放出する事による期待される大きな潜在的利益があるが、移植後に生物活性剤を予想通りに並びに効率よく放出し得るその様な医療デバイス類の開発は、遅い。この開発は、前記開発に着手する時克服されねばならない多くの課題により、妨げられている。これらの課題の幾つかは、1)コントロールされる及び/又は予測できる、そして場合によっては、生物活性剤の長い間の放出が要求される事;2)生体適合性、非炎症性デバイス表面が必要である事;3)有意な粘り強さ(tenacity)並びに耐久性、特に、体内に移植又は用いられる時屈曲(flexion)及び/又は伸展(expansion)するデバイス類上のコーティングが必要である事;4)その様なデバイス/生物活性剤の組み合わせを作り上げて、デバイスが経済的に可能であり並びに再現性のある方法で製造される事を可能にさせる能力の問題;5)デバイスが無菌の(sterile)方法で作り上げられる、あるいは完成したデバイスが通常の方法を用いて殺菌される(sterilize)事ができる事が要求される事;及び6)コーティング(例えば、生物活性剤を含むポリマーコーティング組成物により供給される様な)が手術(surgical procedure)の間に挿入の間及び挿入後で無傷の並びに損傷を受けていないままである必要がある事が要求される事、である。
【0005】
生物活性剤を供給する事ができる幾つかの移植可能な医療デバイス類は、記述されている。米国特許第4,916,193号明細書(Tang et al.)及び米国特許第4,994,071号明細書(MacGregor)を含む、幾つかの特許は、薬含有並びに放出するコーティングとして生体分解性又は生体吸収性(bioresorbable)ポリマーを使用するデバイス類を対象とする。米国特許第5,221,698号明細書(Amiden et al.)及び米国特許第5,304,121号明細書(Sahatjian)を含む、他の特許は、移植可能な医療デバイスの表面上に薬含有ヒドロゲルの形成を対象とする。更に他の特許は、分散された治療用物質を含むポリマー溶液をステント表面に適用し、続いて溶媒を蒸発させる事によって、コーティングされた血管内ステントを作成する方法を記述する。この方法は、米国特許第5,464,650号明細書(Berg et al.)に記述される。
【0006】
種々の他の参考資料は、移植可能な医療デバイス類に生物活性剤を備えるコーティングの使用に関している。例えば、米国特許出願公開第2002/0007213号明細書、並びに国際公開第2001/87372号パンフレット、同第2001/87373号、同第2001/87374号、同第2001/87375号、同第2001/87376号、同第2002/26139号、同第2002/26271号、同第2002/26281号、同第2001/87342号、及び同第2001/87263号を参照。
【0007】
これらの教えの範囲内に含まれるものは、米国特許出願公開第2002/0111590号明細書であり、それは、治療用の薬、薬剤、又は化合物を有するポリマーコーティングを備える、ステントの様な、移植可能な医療デバイス類を記述する。19〜20頁は、特に、抑制シース(sheath)の退縮(retraction)、又はステント内バルーンの膨張などにより、ステントの様なコーティングされたデバイスを供給する間に、薬、薬剤、又は化合物のコーティングが取り除かれる事に関する種々の問題を、言う。そのセクションは、明らかな支持実施例を伴わないが、この問題を解決する為に用いられるかもしれない「滑らかなコーティング」の標準的タイプを列挙し、特に、シリコーン、合成ワックス、天然物、フッ素化合物、合成ポリマー、及び無機物の使用を含む。合成ポリマーの範囲内に含まれるものは、「シリコーン(例えば、ポリジメチルシロキサン)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロエーテル、ポリアルキルグリコール(例えば、ポリエチレングリコールワックス)」、である。その明細書で記述される特別のステントデザインに関して、その出願は、そこで種々のステント部分の動きにより、膨張の間に、コーティングの更なる劣化が生じると言う「関連した」問題を記述し(段落0187で)、それに応じて、その出願は水溶性パウダーの使用を提案している。
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,916,193号
【特許文献2】米国特許第4,994,071号
【特許文献3】米国特許第5,221,698号
【特許文献4】米国特許第5,304,121号
【特許文献5】米国特許第5,464,650号
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0007213号
【特許文献7】国際公開第2001/87372号
【特許文献8】国際公開第2001/87373号
【特許文献9】国際公開第2001/87374号
【特許文献10】国際公開第2001/87375号
【特許文献11】国際公開第2001/87376号
【特許文献12】国際公開第2002/26139号
【特許文献13】国際公開第2002/26271号
【特許文献14】国際公開第2002/26281号
【特許文献15】国際公開第2001/87342号
【特許文献16】国際公開第2001/87263号
【特許文献17】米国特許出願公開第2002/0111590号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
出願人は、以前に彼等自身で、移植の際に屈曲及び/又は伸展し得る、そしてデバイスの表面から一つ又は複数の生物活性剤の治療上の有効な量を供給する事もできる、移植可能な医療デバイスを記述している。出願人の交付済米国特許第6,214,901号明細書及び国際公開第00/55396号パンフレットは、第一ポリマー成分として、少なくとも一種のポリアルキル(メタ)アクリレート、並びに第二ポリマー成分としてポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)(「pEVA」)を含む物を含む、その様なコーティング組成物を提供し、そして、任意のふさわしい方法用いて、例えば、ディッピング、スプレーイング及び類似の方法により、移植表面をコーティングするその様な組成物の使用を記述する。出願人により記述並びに請求される様なコーティングは、上記の米国特許出願公開第2002/0111590号出願に参照され、そして好ましいと記述される。
【0010】
米国特許出願公開第2002/0111590号出願の記述にもかかわらず、医療デバイス類上の生物活性剤含有コーティングへのダメージ又はその層間剥離(delamination)を最小化あるいは回避するだろう方法又は物質が、明らかに依然求められる。この事は、作成、配置及び使用の間に屈曲並びに曲がりくねった動きをする、ステントの様な、医療デバイス類にとりわけ当てはまる。それは、そこでは薬剤濃度が特に高く、コーティングされた組成物の全重量の、時々は30重量%以上、場合によっては40重量%以上である、生物活性剤含有コーティングにさらに当てはまる。より高い薬剤の装填(loading)が一般的には所望される一方、一般的には小さな表面を有する病変部に与えられ、そして、特定部位により多くの生物活性剤を供給する為に、その様な薬剤の量を増加させる事は、コーティングそれ自身の一体性(integrity)を弱める傾向があり得、ダメージ又は層間剥離の懸念を悪化させる。
【0011】
更に別のトピック(topic)に関して、種々の参考資料は、生物活性剤を含有しないにもかかわらず、コーティングされた又はされて無いデバイス類上のポリマーコーティングの使用を記述する。いろいろな目的ではあるが、例えば、米国特許第5,569,463号明細書(Helmus, et al.);同第5,674,241号(Bley, et al.);同第6,251,136号(Guruwaiya, et al.);同第6,287,285号(Michal, et al.);同第6,451,373号(Hossainy, et al.)、国際公開第99/38546号パンフレット(Michal, et al.)、並びに米国特許出願公開第2002/0054900号明細書(Kamath, et al.)、同第2002/0055721号(Palasis, et al.)及び同第2002/0138048号(Tuch)を参照。
【0012】
個々の主題(subject)に関して、ポロキサマー(poloxamer)として一般に知られている様なトリ−ブロックポリマーは、それら自身、薬の放出マトリックス(matrix)として用いられている。例えば、MR Kim, et al.,”Temperature-responsive and degradable hyaluronic acid/Pluronic composite hydrogels for controlled release of human growth hormone”,J. Control Release 2002 Apr 23; 80(1-3):69-77を参照。
【0013】
又、出願人自身の以前の特許並びに出願は、対応する種々の目的を達成する為に、ポリマー及び/又は他分子が種々の表面に付着する事が可能となる、光反応性基の様な、一種以上の付加潜在的反応性基を有する種々のポリマーを列挙する。更に別の主題に関して、本発明の譲受人(assignee)は、光化学、特に光反応性基の使用、例えば、支持表面にポリマー及び他の分子を付着させる、いろいろな出願を以前に記述している。例えば、米国特許第4,722,906号明細書、同第4,826,759号、同第4,973,493号、同第4,979,959号、同第5,002,582号、同第5,217,492号、同第5,258,041号、同第5,263,992号、同第5,414,075号、同第5,512,329号、同第5,563,056号、同第5,637,460号、同第5,714,360号、同第5,741,551号、同第5,744,515号、同第5,783,502号、同第5,858,653号、同第5,942,555号、同第5,981,298号、同第6,007,833号、同第6,077,698号、同第6,090,995号、同第6,121,027号、同第6,156,345号、並びに米国特許出願公開第82/06148号明細書、同第87/02675号、同第88/04487号、同第88/04491号、同第90/05028号、同第93/01248号、同第93/10523号、同第96/07695号、同第96/08797号、同第96/17645号、同第97/05344号、同第98/16605号、同第98/20140号、同第99/03862号、同第99/05244号、同第99/05245号、同第99/12533号、同第99/21247号、同第00/00535号、同第00/33643号及び同第01/40255号を参照。
【0014】
しかしながら、出願人の知っている限りでは、現在も、どんな参考資料も、他のコーティングされた又はされて無い表面を、特に、高濃度な生物活性剤を含みそして配置又は使用の間に屈曲するデバイス類上に位置するコーティングと、接触させる事によりポリマーコーティングへのダメージ及び/又はその層間剥離を防止する事を目的とするバリアの使用を、記述並びに可能にしていない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、医療デバイス上に、ポリマー製の、生物活性剤含有コーティングの形態で与えられる第一表面と、第一表面に並列に、好ましくは可動並列(moveable apposition)に位置する別の物質により与えられる第二表面の間に位置する様に適合する、バリア、例えば別個の(discrete)付着防止のフィルム又はコーティング組成物の形態でのバリアを、提供する。「可動並列」は、二つの表面が、製造又は使用の間に、例えば、お互いに関してすり減らされる、曲げられる、あるいは伸展させられる間に、動かさられる事を、意味する。
【0016】
特に好ましい実施態様に於いて、バリアは、ブロックコポリマー及び潜在的反応性基を有するポリマーから成るグループから選び抜かれたポリマーを含む。前者は、ポリマーコーティングされた表面とバルーンの様な異なる物質の間での様な典型的に極めて異なる表面特性である物に適合し得る、疎水性の様な、別の特性の領域を形成できる事から考えて、特に有用である。後者は、潜在的反応性基の活性化に際して、特別な物理化学特性を備える様に製造並びにデザインされ、次いで、所望通りに(例えば、第一及び/又は第二表面に、あるいはその間に)共有結合し得る事から考えて、特に有用である。
【0017】
本発明の好ましいブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、特に、商品名Pluronic、Lutrol及びTetronic(各々、ニュージャージー州Mt. OliveのBASF Corp.から入手できる)で界面活性剤として入手できる様な、ポロキサマーとして知られるそれらの水溶性の、ジブロック並びにトリブロックコポリマーである。その様なコポリマーは、非晶質並びに結晶化可能なブロックの最適な組み合わせを備え得る。
【0018】
本発明の特に好ましいポリマーは、PLURONIC(登録商標)F-127並びにF-108の様な入手できる物である。これらの粘度調整剤は、エチレンオキシド並びにプロピレンオキシドのブロックコポリマーである。エチレンオキシドの含有量並びに総分子量が増加すると共に、ブロックコポリマーの増粘(thickening)傾向は、増加する。熱応答性ブロックコポリマーは、言及によりその教示の全てがここに取り込まれるものである、製品カタログ、「BASF Performance Chemicals」と同様に、米国特許第4,474,751号明細書;同第4,474,752号;同第5,441,732号;及び同第5,252,318号に開示されている。これらのブロックコポリマーは、対人的な接触に関する適用に対し極めて低毒性並びに高度の穏やかさを呈す。
【0019】
本発明の光誘導体化(photoderivatized)ポリマーの生成に対して、好ましい潜在的反応性ポリマーは、一種以上の潜在的反応性基として、アリールケトン、より特には、ベンゾフェノンの様な光反応性基の機能を含む物である。ポリマーは、それら自身、天然の又は合成の性質であり得る。好ましい天然のポリマーには、ヒアルロン酸及びヘパリンの様なムコ多糖類(polysaccharide)を含む、多糖類、及びポリペプチド(タンパク質を含む)が、ある。
【0020】
好ましい合成のポリマーは、例えば、光誘導体化ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ジエン系ゴム、シクロ−オレフィン、及び1,2−ポリブタジエン)、ビニルクロライドポリマー、フッ素含有ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、スチレンポリマー並びにコポリマー、ビニル系熱可塑性樹脂、ポリアミド及びポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、p−フェニレン基を含む熱可塑性樹脂(例えば、ポリフェニレン、ポリサルフォン)、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、並びにシリコーンで、各々のコポリマー並びにブレンドを含む。
【0021】
特に好ましい物は、光誘導体化ポリアクリルアミドコポリマーの様な、光誘導体化アミド、及びフォトポリビニルピロリドン(photopolyvinylpyrrolidone)コポリマーの様な、光誘導体化ビニル系熱可塑性樹脂である。その様な光誘導体化ポリマーの生成は、光反応性基を含むモノマーとモノマーを重合する事による、あるいはその様な光基(photogroup)を有する形成されたポリマーを誘導体化する事による様な、類似の光試薬を用いる事による様な、任意のふさわしい方法で、成し遂げられ得る。光誘導体化ポリアクリルアミドの生成の実施例は、例えば、参考のために示す開示である、出願人の欧州特許出願公開第585436号明細書(European Application No.585436)の実施例2で、見つけられ得る。フォトポリビニルピロリドン(「photoPVP」)も、例えば、ミネソタ州Eden PrairieのSurmodics, Inc.から、製品名「PV05」で、市販されており、あるいは、同様に合成され得る。photoPVPの合成は、例えば、フォトモノマー(photomonomer)と1−ビニル−2−ピロリドンモノマーのフリーラジカル重合により行われ得る。典型的なフォトモノマーは、更に、参考のために示す開示である、米国特許第5,002,582号明細書に記述される。
【0022】
ヘパリン(「フォトヘパリン(photoheparin)」)の様な光誘導体化多糖類は、例えば、ジメチルスルホキシド/カーボネイト・バッファ中でベンゾイル−ベンゾイル−イプシロン−アミノカプロイル−N−オキシスクシンイミドとヘパリンを反応させる事により、フォトヘパリンの生成を記述する、米国特許第5,563,056号明細書(参考のために示す開示である)の実施例4で記述された方法で、同様に当業者により調合され得る。溶媒は、蒸発され、そして、フォトヘパリンは、水に対して透析され、凍結乾燥され、次いで、水に溶解された。
【0023】
本発明のバリアは、デバイスの組み立て、保管、供給又は配置の間に、及び/又は体内のデバイスの滞留の間に、第二表面が第一表面上のポリマーコーティングをダメージ及び/又は層間剥離させる事を防止する様に適合する。更なる好ましい実施態様に於いて、バリアは、ポリマー表面と第二表面の間で遭遇されるどんな接触又は相対運動の間でも、ポリマーコーティングへのダメージ及び/又はその層間剥離を防止する様に適合する。バリアは、スリップ剤の使用に類似した方法で用いられ得、通常は、種々の表面の間の摩擦又は付着を最小化する為に、他のフィルムの間にあるいはフィルムと製造装置の間に位置するポリマーフィルムとして供給され得る。
【0024】
更に、バリアは、直接的接触を防止あるいは軽減する十分な方法で、そして更にお互いの付着を防止するのに十分な方法で、第一と第二表面の間に連続あるいは不連続な物理的分離をもたらす。物理的分離に加えて、バリアは、好ましくは、第一及び/又は第二表面、それ自身、又はそれらの間に関して、第一並びに第二表面各々との物理化学的適合性、体内の生体適合性、生物活性放出速度論(kinetics)との無視できるあるいは管理できる(manageable)相互作用、及び所望の位置にとどまる能力の様な、特性の最適な組み合わせも提供する。
【0025】
バリアは、ポリマーコーティング上及び/又は第二表面上の恒久的、除去できる、あるいは一時的(例えば、犠牲的)なコーティングの形態で、及び/又はその二つの間に位置する別個の層の様な形態で、供給され得る。バリアは、それ自身、一層以上の層、例えば、同一の又は異なる物質の層から成り得、そして、第一及び/又は第二表面上に任意のふさわしい組み合わせで位置する、又はその二つの間に単独で(separately)供給され得る。
【0026】
バリアは、そこでは薬剤が、コーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20重量%、より好ましくは30重量%、最も好ましくは40重量%の濃度で存在する、生物活性剤含有ポリマーコーティングでの使用に対し特に好ましい。この様に、バリアを使用する事で、少なくともある程度の高薬剤の装填のせいで、ポリマーコーティングに課される構造的一体性又は弾力性の不足を阻止する事ができる。
【0027】
更なる実施態様に於いて、本発明は、その上に、ポリマーコーティングを置いている表面を備える移植可能な医療デバイス、バリア、及びバリアに対して、そして更に、ポリマーコーティングに並列に位置する別の物質の表面を含む組み合わせを、提供する。更なる別の実施態様に於いて、本発明は、コーティングされた医療デバイス表面及び/又は第二表面とバリアの組み合わせと同様に、バリアを作る方法並びに用いる方法を提供する。
【0028】
特に好ましい実施例に於いて、例えば、ポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、移植可能な医療デバイスの表面上に位置し、第二表面は、デバイスに並列に異なる物質(例えば、外側のデリバリーシース又は内側のバルーン)の表面により与えられ、そして、バリアは、お互いに対して、安定で、好ましくは分離可能な並列で、医療デバイス表面及び異なる物質(類)のポジショニングを容易にできる付着防止コーティングの形態で供給される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本明細書でポリマー製の、生物活性剤含有コーティングの形成に関して用いられる、用語「コーティング組成物」は、生物活性剤で該当表面を効果的にコーティングする様に用いられる、一種以上のビヒクル(vehicle)(例えば、溶液、混合物、エマルジョン、分散液、ブレンド等の系(system))を、言うだろう。コーティング組成物は、個別にあるいは任意のふさわしい組み合わせ(例えば、ブレンド)で、一種以上のポリマー成分を含み得る。同様に、用語「コーテッド組成物は」は、表面上に、一種以上のコーティングビヒクルの結果としてか、あるいは一層以上の層かで形成される、生物活性剤と一種以上のポリマー成分(例えば、第一ポリマー成分と第二ポリマー成分の組み合わせ)の効果的な組み合わせを、言うだろう。
【0030】
好ましいポリマーコーティングは、弾力性もあり並びに可塑性もある一方、疎水性の、非膨潤性の、安定な、生体適合性の、医療デバイスの表面に付着性の傾向があると言う点で、いろいろな共通な特徴を備えており、それにより、デバイスがそこに固定及び/又は被覆(clad)されているコーティングと一緒に屈曲され並びに動かされる事が可能となる。その様なポリマーコーティングで用いる好ましいバリアは、ポリマーコーティングにより(ブロックポリマーの一部の吸着(attraction)又は潜在的反応性基の活性化による様な)保持される能力、そして更に、第二物質の表面に関してスペーシング(spacing)及び潤滑性をもたらす能力を含む、相当する種々の特徴を備えている。
【0031】
一つの実施態様に於いて、生物活性剤(類)を含むポリマーコーテッド組成物は、第一ポリマー成分として、少なくとも一種のポリアルキル(メタ)アクリレート又はポリアリール(メタ)アクリレート、並びに第二ポリマー成分として、ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)(「pEVA」)を含み得る。本発明で用いる特に好ましいポリマー混合物には、ポリ(n−ブチルメタクリレート)(「pBMA」)とポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)コ−ポリマー(pEVA)の混合物が、ある。ポリマーのこの混合物は、約0.05〜約70%(コーティング組成物の重量で)の、絶対ポリマー濃度(absolute polymer concentration)(即ち、コーティング組成物中の両ポリマーの総複合濃度)で有用である事が分かっている。一つの好ましい実施態様に於いて、ポリマー混合物は、約100キロダルトン〜約1000キロダルトンの重量平均分子量を有するポリアルキル(メタ)アクリレート(ポリ(n−ブチルメタクリレート)の様な)及び約20〜約40重量%のビニルアセテート含有量を有するpEVAコポリマーを含む。
【0032】
別の実施態様に於いて、ポリマー混合物は、約200キロダルトン〜約500キロダルトンの分子量を有するポリアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ポリ(n−ブチルメタクリレート))及び約30〜約34重量%のビニルアセテート含有量を有するpEVAコポリマーを含む。コーティング混合物に溶解又は懸濁される一つ又は複数の生物活性剤の濃度は、最終のコーティング組成物の重量に基づいて、約0.01〜約90重量%の範囲にあり得る。2002年6月18日出願された出願人の係属中の米国特許出願番号10/174,635号明細書に記述される芳香族ポリ(メタ)アクリレートを、コーティング組成物は含む。
【0033】
ポリマー製の、生物活性剤含有コーティング組成物を調合する際に用いる、ふさわしいポリマー、及び生物活性剤は、通常の有機合成方法を用いて調合され得、及び/又は、例えば、Sigma Aldrich(例えば、ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート))、及びペンシルバニア州WarringtonのPolysciences, Inc.(例えば、ポリベンジルメタクリレート及びポリ(メチルメタクリレート−コ−n−ブチルメタクリレート))を含む、いろいろな供給業者で市販されている。任意に、そして好ましくは、その様なポリマー成分は、インビボでの使用にふさわしい形態で供給されるか、あるいは、当業者が利用できる通常の方法により(例えば、不純物を取り除く事により)、所望の範囲内でのその様な使用に対し、精製される。
【0034】
生物活性剤含有組成物に関して、コーティング組成物用のふさわしい第一ポリマーの例には、ポリアリール(メタ)アクリレート、ポリアラルキル(メタ)アクリレート、及びポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレート、特に、6〜16の炭素原子を有するアリール基並びに約50〜約900キロダルトンの重量平均分子量を有する物が、ある。ポリアリール(メタ)アクリレートの例には、ポリ−9−アントラセニルメタクリレート、ポリクロロフェニルアクリレート、ポリメタクリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ポリメタクリルオキシベンゾトリアゾール、ポリナフチルアクリレート、ポリナフチルメタクリレート、ポリ−4−ニトロフェニルアクリレート、ポリペンタクロロ(ブロモ、フルオロ)アクリレート並びにメタクリレート、ポリフェニルアクリレート並びにメタクリレートが、ある。ポリアラルキル(メタ)アクリレートの例には、ポリベンジルアクリレート並びにメタクリレート、ポリ−2−フェネチルアクリレート並びにメタクリレート、ポリ−1−ピレニルメチルメタクリレートが、ある。ポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートの例には、ポリフェノキシエチルアクリレート並びにメタクリレート、種々のポリエチレングリコールの分子量を有するポリエチレングリコールフェニルエーテルアクリレート並びにメタクリレートが、ある。
【0035】
生物活性剤含有組成物で用いる第二ポリマー成分は、特に第一ポリマー成分との混和剤(admixture)で用いられる時、類似な特性の最適な組み合わせをもたらす。ふさわしい第二ポリマーの例は、市販されており、そして、ビード(bead)、ペレット(pellet)、顆粒(granule)、その他の形態で、約8%〜約90%のビニルアセテート濃度を有するポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)がある。低%のビニルアセテートを有するpEVAコ−ポリマーは、次第に、典型的な溶媒に不溶となる。
【0036】
特に好ましいコーティング組成物には、ポリアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ポリブチル(メタ)アクリレート)又は芳香族のポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリベンジル(メタ)アクリレート)とポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)コ−ポリマー(pEVA)の混合物が、ある。ポリマーのこの混合物は、約0.05〜約70重量%、より好ましくは約0.25〜約10重量%の絶対ポリマー濃度(即ち、コーティング組成物での両ポリマーの総複合濃度)で有用である事が分かっている。一つの好ましい実施態様に於いて、ポリマー混合物は、約100キロダルトン〜約500キロダルトンの重量平均分子量を有する第一ポリマー成分、及び約8〜約90重量%、より好ましくは約20〜約40重量%のビニルアセテート含有量を有するpEVAコポリマーを、含む。特に好ましい実施態様に於いて、ポリマー混合物は、約200キロダルトン〜約400キロダルトンの分子量を有する第一ポリマー成分、及び約30〜約34重量%のビニルアセテート含有量を有するpEVAコポリマーを、含む。コーティング混合物に溶解又は懸濁された一つ又は複数の生物活性剤の濃度は、最終コーティング組成物の重量に基づいて、約0.01〜約90重量%の範囲にあり得る。
【0037】
本発明は、好ましくは付着防止のフィルム又はコーティング組成物の形態でのバリア、及び表面上にあるいは表面と並列に、その様なバリアを用いる関連する方法を、提供する。本明細書で用いる、「付着防止」は、バリアが、どちらの(交互の(one to the other)「付着」による以外の別タイプの)表面への過度な(undue)ダメージを伴わずコーティング組成物並びに他の物質が用いられる(例えば、分かれて)事が可能となる条件下で、コーティング組成物及び/又は他の物質と並列に位置し得る事を、意味する。バリアは、それ自身、どちらの表面上にも位置し(例えば、安定にコートされた)、あるいはどちらの表面にも付着せず、そして代わりにその二つの間で自由に動く事ができてよい。
【0038】
更に、コーテッドポリマー組成物を機械的ダメージ及び/又は層間剥離から保護する形で、バリアにより医療デバイスのコーティングされた表面がインビボに移植される事が可能となり、そして、バリアは、生物活性剤(類)が時間とともに予想通りに放出される事を可能にする。好ましいバリアは、コーティングからの生物活性剤の所望の放出に悪影響を及ぼさず、あるいは、所望又は予想通りに該当放出に影響を及ぼす様に、コーテッド組成物に適合する。
【0039】
更なる好ましい実施態様に於いて、バリアは、ブロックコポリマー及び潜在的反応性基を有するポリマーから成るグループから選び抜かれる付着防止のコーティング組成物の形態で供給され、そして、コーテッド生物活性剤含有組成物に適用され並びにその上に保持される様に適合する。
【0040】
ポリマーコーティングとバリア(例えば、付着防止のコーティング組成物)の双方は、任意のふさわしい形態、例えば、フィルム、真溶液、流動性又はペースト状エマルジョン、混合物、分散液又はブレンドの形態で供給され得る。更に、特にバリアがそれ自身コーティングされる所で、コーティングされたバリアは、通常は、溶媒又は他の揮発性成分を取り除く事及び/又は表面上のその位置でコーテッド組成物に影響を及ぼす他の物理化学的作用(action)(例えば、加熱する又は照らし出す)の結果として形成されるだろう。
【0041】
本発明のバリアは、バリアとポリマーコーティングされた表面の間、即ち、バリアと接触するデバイス表面の間での特性の最適な組み合わせ(生物活性放出速度論へのいかなる影響も含む)、生体適合性、物理的並びに化学的安定性を、示すだろう。生物活性剤放出速度論に関して、バリアは、所望の最終結果を達成する為に、好ましくはこの点に於いて不活性である、あるいは、予想されそしてポリマーコーティングそれ自身の生成に織り込まれ得る影響(impact)を与える。本発明の放出層は、好ましくは、例えば、移植される時、炎症又は刺激(irritation)の誘発(induction)を結果的にもたらさない様な、生体適合性がある。併せて、特に、層それ自身が複数種のポリマー成分により形成される場合には、組成物は、好ましくは、広範囲の絶対並びに相対ポリマー濃度の双方で有用である。この事は、粘り強さ、耐久性、柔軟性及び伸展性などの、層又はコーティングの物理的特徴が、通常は、広範囲のポリマー濃度に渡って適合するだろうと言う事を、意味する。バリアは、好ましくは、生物活性剤を伴わず形成されるが、任意に、下にあるコーティングされた表面それ自身と同一の又は異なる生物活性剤を含み得る、あるいは、種々の他の補助剤(adjuvant)を含み得る。重合触媒、薬剤、指示薬、染料、湿潤剤、緩衝剤、チキソトロープ剤及び類似の物などの、他の補助剤は、使用での[保護」性能並びに適合性の所望の達成度次第で、「バリア」中に含まれ得る。
【0042】
本発明で有用なデバイス類は、医療デバイス類、好ましくはインビボでの移植又は使用の間に屈曲及び/又は伸展する物を、含む。特に好ましい実施態様に於いて、本発明は、バリア(例えば、付着防止のコーティング組成物)、及び付着防止のコーティング組成物で移植する際に屈曲及び/又は伸展する移植可能な医療デバイスをコーティングする関連する方法に、関する。下にあるデバイスの構造並びに構成は、任意のふさわしい、即ち医学的に許容できる、デザインのものであり得、そして、コーティングそれ自身に適合する任意のふさわしい物質から作られ得る。医療デバイスの表面は、一種以上の生物活性剤を含むコーティングを備える。
【0043】
バリアは、種々の生体適合物質(biomaterial)からそれら自身作られる得るデバイス類上に位置する無傷のコーテッドポリマー組成物から生物活性剤を供給する事ができる。好ましい生体適合物質は、付加又は縮合のいずれかの重合により生じるオリゴマー、ホモポリマー、及びコポリマーを含む、合成ポリマーの形を呈するものを、含む。ふさわしい付加ポリマーの例には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、グリセリルアクリレート、グリセリルメタクリレート、メタクリルアミド、及びアクリルアミドから重合するものなどのアクリル系樹脂;エチレン、プロピレン、スチレン、ビニルクロライド、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、二フッ化ビニリデン、及びフッ素化オレフィン(ヘキサフルオロプロピレンの様な)から重合するものなどのビニル系樹脂が、あるが、これらに限定されない。縮合ポリマーの例には、ポリカプロラクタム、ポリラウリルラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、及びポリヘキサメチレンドデカンジアミドなどのナイロン、更に、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジメチルシロキサン、及びポリエーテルエーテルケトンも、あるが、これらに限定されない。
【0044】
骨、軟骨、皮膚及び歯などの人の組織;並びに、木、セルロース、圧縮炭素(compressed carbon)、及びゴムなどの他の有機物を含む、ある種の天然物質も、ふさわしい生体適合物質である。他のふさわしい生体適合物質には、金属及びセラミックが、ある。金属には、チタニウム、ステンレス鋼、及びコバルトクロムがあるが、これらに限定されない。第二種類(class)の金属には、金、銀、銅、及びプラチナなどの貴金属類が、ある。ニチノールの様な、金属の合金は、同様に生体適合物質にふさわしいかもしれない。セラミックには、ガラス、シリカ、及びサファイアと同様に、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジルコニア、及びアルミナがあるが、これらに限定されない。セラミックと金属の組み合わせは、別の種類の生体適合物質であろう。別の種類の生体適合物質は、繊維性(fibrous)又は多孔性(porous)の性質である。その様な生体適合物質の表面は、生体適合物質の表面特性を改変する為に、前処理され得る(例えば、Paryleneコーティング組成物で)。
【0045】
生体適合物質は、種々の移植可能なデバイス類を組み立てる為に用いられ得る。ふさわしい移植可能なデバイス類の一般的な種類には、グラフト(graft)、ステント、カテーテル、バルブ(valve)、人工心臓、及び他の心臓助デバイスなどの脈管(vascular)デバイス類;関節インプラント、骨折修復デバイス、及び人工腱などの整形外科用(orthopedic)デバイス類;歯科用インプラント及び歯の破折修復デバイスなどの歯科用デバイス類;薬物供給デバイス類;眼科用デバイス類及び緑内障ドレインシャント類(drain shunt);ペニス、括約筋、尿道口、膀胱、及び腎臓用のデバイスなどの泌尿器科(urological)用デバイス類;及び他のカテーテル類、ブレストプロテーゼ(breast prosthesis)及び人工臓器などの合成の人工器官(synthetic prosthesis)類が、あるが、これらに限定されない。他のふさわしい生物医学的デバイス類には、透析チュービング(tubing)並びに膜(membrane)、血液酸素付加装置のチュービング並びに膜、血液バッグ、縫合糸(suture)、皮膜、細胞培養デバイス、クロマトグラフのサポート物質、バイオセンサー、及び類似の物が、ある。
【0046】
ポリマーコーティングされた医療デバイスに接触する表面は、任意のふさわしい手段、例えば、同一のデバイスの別の表面の様な、取り囲んでいるシース又はカバーの様な、あるいはバルーンの様な内側の又は含有物質の様な手法により、供給され得る。バルーンは、更に、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリウレタン、ラテックス及びナイロン含む、種々の物質から作られ得る。
【0047】
それ故に、本発明は、デバイスの表面からの生物活性放出速度を確実にコントロールする及び/又は予測できる、手軽で(facile)容易に加工ができる方法を、提供する。ポリマーコーテッド組成物全体に適用される付着防止のコーティング組成物は、その組成物が無傷のまま、そしてデザイン通りに機能する事を確実にする手段を、備える。バリア、特に付着防止のコーティング組成物は、任意のふさわしい時に、例えば、第一又は第二表面を作る、あるいはお互いに並列に配置する、前、間又は後に、適用され得る。特に好ましい実施態様に於いて、生物活性剤(類)を含むあるいは生物活性剤(類)が適用されている、ポリマーコーティング組成物が、医療デバイスにより供給される第一表面上にコーティングされた後、付着防止コーティングは、適用される。
【0048】
本発明の好ましいバリアは、移植又は使用の際に屈曲及び/又は伸展する移植可能な医療デバイス上の、生物活性剤(類)をそれ自身含む組成物を含む、コーテッドポリマー組成物の表面に、直接的に又は間接的に適用される様に適合する付着防止のコーティング組成物として、供給される。付着防止のコーティング組成物は、医療デバイス表面上のポリマー組成物の表面上に、適切な柔軟性のある並びに保護用のコーティング組成物を形成する為に、任意に硬化(cure)(例えば、溶媒が蒸発される)されてよい。付着防止のコーティング組成物は、医療デバイスを挿入する間の機械的ダメージ及び/又は層間剥離から、ポリマー組成物を保護する。
【0049】
バリアとして使用する、付着防止のコーティング組成物は、任意のふさわしい方法で、デバイス上のコーテッドポリマー組成物に適用され得る(例えば、それは、別個のフィルムの形態で供給され得る、あるいは、それは、エアブラシ、噴霧スプレー、超音波スプレー、ディッピング、噴霧乾燥、真空デポジション(deposition)、静電デポジション、機械的デポジション、及び凍結乾燥を含む方法により、医療デバイス上のコーテッドポリマー組成物の表面に直接的に、コーティング組成物として、適用され得る。)。デバイスにコーティング組成物を適用する方法は、通常は、デバイスの幾何学的性質並びにその他のプロセス考慮事項により左右される。
【0050】
本発明で有用な生物活性剤は、移植部位への適用に対し望ましい治療特性を保有する任意の治療用物質を、実質的には含む。これらの薬剤には、以下があり、それらは、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤(fibrinolytic agent)、血液循環改善剤(vasospasm inhibitor)、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤(inhibitor of surface glycoprotein receptor)、抗血小板剤、抗有糸分裂剤(antimitotic)、微小管阻害剤(microtubule inhibitor)、分泌抑制剤(anti secretory agent)、アクチン抑制剤(actin inhibitor)、リモデリング抑制剤(remodeling inhibitor)、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤(antiproliferative)(抗脈管形成剤(antiangiogenesis)を含む)、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト(dopamine agonist)、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素(anti polymerase)、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤(photodynamic therapy agent)、及び遺伝子療法用治療剤(gene therapy agent)、である。
【0051】
本発明のバリアとして用いる付着防止のコーティング組成物は、種々のデバイス類の表面上にポリマー組成物をコーティングする為に用いられ得、そして、水系と接触すると思われるそれらのデバイス類に特に有用である。その様なデバイス類は、コーテッド組成物が、コントロールされる及び/又は予測通りに生物活性剤(類)を放出する様に適合し、一般には、放出が、デバイス表面とその水性の環境の間での初期接触から始まる様に、一種以上の生物活性剤を含むポリマーコーティング組成物でコーティングされる。
【0052】
本発明のコーティング組成物は、好ましくは、インビボで移植又は使用の間に屈曲又は伸展する移植可能な医療デバイス上にポリマーコーティング組成物をコーティングする為に用いられる。移植可能なデバイス類に関して本明細書で用いる単語「屈曲」及び「伸展」は、インビボでの配置の間に、又はその後の使用の間に、デバイス又はその部分が、曲がる事(例えば、少なくとも45°以上で)及び/又は伸びる事(例えば、そのイニシャル寸法の2倍を超えて)を、言うだろう。
【0053】
ふさわしいカテーテルの例には、表面コーティングへの抗菌剤(例えば、バンコマイシン又はノルフロキサシンの様な抗生物質)を取り込む事が有益であろう尿道カテーテル、及び抗菌剤及び/又は抗血栓剤(例えば、ヘパリン、ヒルジン、クマディン)が有益であろう静脈内カテーテルが、ある。その様なカテーテルは、典型的には、シリコーン、ゴム、ポリウレタン、ラテックス及びポリビニルクロライドなどの物質から作られる。
【0054】
生物活性剤(類)を含むポリマーコーティング組成物をオーバーコーティングするバリアコーティング組成物は、ステント(例えば、ニチノールから通常は作られる自己伸展するステント、又は、ステンレス鋼から通常は作られるバルーン式膨張可能(expandable)ステント)をコーティングする為に有用である。コバルトクロム合金の様な、他のステント物質は、同様にコーティング組成物によりコーティングされ得る。
【0055】
生物活性剤含有ポリマー層(複層)、他のポリマー層、及び/又はその表面上のバリア自身を含む、種々の層の相対的並びに総厚み又は重さは、所望の放出並びに適合性を全体としてもたらす限りは、通常は重要(critical)ではない。
【0056】
バリアは、医療デバイスの表面上の複合コーティングの重さ又は厚みをかなり増やす事を必要としない、見込みであり、それ故に、以前出願人により記述された値は、そのまま適用できる。更に、本発明の好ましい組み合わせられたバリア並びにポリマーコーテッド組成物の最終コーティング厚みは、通常は、約0.1マイクロメートル〜約100マイクロメートル、好ましくは約0.5マイクロメートル〜約25マイクロメートルの範囲にあるだろう。
【0057】
本発明のバリアを形成する潜在的反応性試薬は、任意に、ポリマー主鎖(backbone)に共有結合する一種以上のペンダント潜在的反応性(好ましくは光反応性)基を持つ(carry)。あるいは、その様な光反応性基は、支持表面それ自身により、又はふさわしい連結試薬により、供給され得る。光反応性基は、本明細書に於いて定義され、そして、好ましい基は、その様な特性を保持する条件下で保管される為に十分に安定である。例えば、米国特許第5,002,582号明細書を参照。電磁スペクトルの種々の部に反応する潜在的反応性基は、選ばれ得、紫外並びに可視スペクトル部に反応する物(本明細書に於いて「光反応性」と称される)が、特に好ましい。
【0058】
光反応性基は、特異的に加えられた外部刺激(stimuli)に反応し、例えば、同一の又は異なる分子により供給される隣接する化学構造への結果として起こる共有結合を有する活性種を生成する。光反応性基は、保管条件下で不変の共有結合を保持するが、外部エネルギー源により活性化される際他の分子と共有結合を形成する、分子中の原子団である。
【0059】
光反応性基は、電磁エネルギーを吸収すると、フリーラジカル及び特にナイトレン、カルベンなどの活性種、並びにケトンの励起状態を生み出す。光反応性基は、電磁スペクトルの種々の部に反応する様に選ばれてよく、そして、例えば、紫外並びに可視スペクトル部に反応する光反応性基は、好ましく、そして本明細書に於いて時々「光化学基(photochemical group)」又は「光基」と称される事がある。
【0060】
アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、アントロン、及びアントロン類似の複素環化合物(即ち、10位(10-position)にN、O、又はSを有する物の様なアントロンの複素環類似体)、あるいはそれらの置換(例えば、環置換)誘導体などの、光反応性アリールケトンは、好ましい。その様なケトンの官能基は、本明細書に於いて記述される活性化/不活性化/再活性化サイクルを受ける事が容易にできるので、好ましい。ベンゾフェノンは、特に好ましい光反応性部分(moiety)である。何故なら、それは、励起三重項状態に項間交差する励起一重項状態の初期形成を用いて光化学励起をする事ができる。励起三重項状態は、(例えば、支持表面からの)水素原子の引き抜き(abstraction)により炭素−水素結合中に挿入(insert)する事ができ、よって、ラジカル対を創り出す。ラジカル対の次の崩壊(collapse)により、新しい炭素−炭素結合が形成される。もし反応性結合(例えば、炭素−水素)が結合に利用され得ないならば、ベンゾフェノン基の紫外線で誘発された励起は、可逆的であり、そして、分子は、エネルギー源を取り除くと基底状態のエネルギーレベルに戻る。ベンゾフェノン及びアセトフェノンなどの光活性化可能なアリールケトンは、これらの基が水中で多重再活性化を被りそしてそれ故に更に高いコーティング効率を与えるので、特に重要なものである。それ故に、光反応性アリールケトンは、特に好ましい。
【0061】
アジ化物は、光反応性基の好ましい種類を構成し、そして、フェニルアジド及び特に4−フルオロ−3−ニトロフェニルアジドなどのアリールアジド(C)、ベンゾイルアジド及びp−メチルベンゾイルアジドなどのアシルアジド(−CO−N)、エチルアジドホルメート及びフェニルアジドホルメートなどのアジドホルメート(−O−CO−N)、ベンゼンスルフォニルアジドの様なスルフォニルアジド(−SO−N)、並びにジフェニルホスホリルアジド及びジエチルホスホリルアジドなどのホスホリルアジド((RO)PON)が、ある。ジアゾ化合物は、光反応性基の別の種類を構成し、そして、ジアゾメタン及びジフェニルジアゾメタンなどのジアゾアルカン(−CHN)、ジアゾアセトフェノン及び1−トリフルオロメチル−1−ジアゾ−2−ペンタノンなどのジアゾケトン(−CO−CHN)、t−ブチルジアゾアセテート及びフェニルジアゾアセテートなどのジアゾアセテート(−O−CO−CHN)、並びにt−ブチル−α−ジアゾアセトアセテートの様なβ−ケト−α−ジアゾアセテート(−CO−CN−CO−O−)が、ある。他の光反応性基には、3−トリフルオロメチル−3−フェニルジアジリンの様なジアジリン(−CHN)、並びにケテン及びジフェニルケテンなどのケテン(−CH=C=O)が、ある。
【0062】
光反応性基を活性化すると、試薬分子は、光反応性基の残基(residue)を介して共有結合により、お互いに及び/又は物質表面に共有結合する。典型的な光反応性基、及び活性化時のそれらの残基は、以下に示される。
【0063】
光反応性官能基 基 残基
アリールアジド アミン R−NH−R’
アシルアジド アミド R−CO−NH−R’
アジドホルメート カルバメート R−O−CO−NH−R’
スルフォニルアジド スルフォンアミド R−SO−NH−R’
ホスホリルアジド ホスホルアミド (RO)PO−NH−R’
ジアゾアルカン 新たなC−C結合
ジアゾケトン 新たなC−C結合及びケトン
ジアゾアセテート 新たなC−C結合及びエステル
β−ケト−α−ジアゾアセテート 新たなC−C結合及びβ−ケトエステル
脂肪族アゾ 新たなC−C結合
ジアジリン 新たなC−C結合
ケテン 新たなC−C結合
光活性化ケトン 新たなC−C結合及びアルコール
【0064】
一種以上の潜在的反応性基は、任意のふさわしい方法で、バリア−形成試薬に付着し得る。好ましくは、潜在的反応性基は、直接あるいは連結基かを通じて、それら自身、試薬に共有結合する。本発明のコーティング組成物は、任意のふさわしい手法により、例えば、組成物の調合前後で組み込まれる、一種以上の潜在的反応性基をバリア−形成分子に与える事により、調合され得る。例えば、完全体のバリア形成分子は、分子の反応性又は官能化末端、あるいは反応性又は官能化ペンダント位かで潜在的反応性基を共有結合させる事により、一種以上の潜在的反応性基で誘導体化され得る。バリア形成分子は、高い頻度で、分子のどちらか一方の末端にヒドロキシル基、又は他の反応性官能基を持っている。それ程頻繁ではないが、これら同様の官能基は、主のポリマー主鎖を分岐し、そして潜在的反応性基で誘導体化もされ得る。
【0065】
本発明は、以下の非限定の実施例を参照して、更に記述されるだろう。本発明の範囲から逸脱する事なく記述される実施態様に於いて多くの変更がなされ得る事は、当業者に対して明らかであろう。それ故に、本発明の範囲は、本出願に記述される実施態様には限定されず、請求項の言葉により記述される実施態様及びそれらの実施態様の同等のものによりのみに限定される。表示されていなければ、全ての百分率は、重量%である。
【実施例】
【0066】
実験が、本発明のバリアとしてエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー及びフォトポリビニルピロリドンコポリマーの使用を評価する為に行われた。
【0067】
ステントが、生物活性放出組成物でコーティングされ、そして、バリアが、その有効性を判断する為に、本明細書で記述される通りに形成された。コーティングする前に、18mm長で6セルデザインの、全てのステント(イリノイ州WaukeganのLaserAge Technology Corporation)が、50℃の超音波浴中で、3%のValtron SP2200アルカリ性洗浄剤(ペンシルバニア州PughtownのValtech Corporation)で10分間洗浄された。洗浄後、ステントが、5分間/ステージ、3段階脱イオン水カスケードリンス(cascade rinse)で濯がれた。濯ぎ後、ステントが、おおよそ1時間、110℃で乾燥された。
【0068】
ポリマーコーティング溶液が、各々のステントをコーティングする為に調合された。その溶液は、テトラヒドロフラン中に溶解した、90マイクログラムのpEVA(33重量%のビニルアセテート、Aldrich Chemical Company, Inc.から入手)と10マイクログラムのポリ(n−ブチルメタクリレート)(「pBMA」)(337,000平均分子量、Aldrich Chemical Company, Inc.から入手)の混合物から作られた。全てのステントが、4.5psi(0.32kg/cm)でスプレーする0.04インチ(1.02mm)オリフィスのSonicAir Sprayhead(バーモント州North SpringfieldのIVEK Corporation)を有するIVEK Digispence 2000 Systemから成るIVEK噴霧器を用いて、500〜800マイクログラムのポリマーコーティング溶液でコーティングされた。
【0069】
エタノール中市販のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー(「Lutrol F127」, BASF)の5mg/ml溶液が、4.5psi(0.32kg/cm)でIVEK噴霧器システムを用いて、ステントサンプル上のpEVA/pBMAのポリマーコーティング上全体に塗布された。
【0070】
脱イオン水中フォトポリビニルピロリドンコポリマー(「PV05」, ミネソタ州Eden PrairieのSurModics, Inc.)の15mg/ml溶液が、10psi(0.7kg/cm)でIVEKスプレーを用いて、pEVA/pBMAのポリマーコーティング上全体に塗布され、引き続いて30分間乾燥した。Oriel紫外線光(コネチカット州StratfordのThermo Oriel Instruments)が、おおよそ20分間PV05組成物を硬化する為に12cmの距離で置かれた。
【0071】
機械的テストの為、ステントは、ラジアル−クリンプ工具(アリゾナ州FlagstaffのMachine Solutions, Inc.)を用いて、対応する4mmバルーンカテーテル(Part No. 16901191, AngioDynamics, Inc., Enniscorthy, Ireland)上に各々クリンプ(crimp)された。新しいバルーンカテーテルが、ステントの各々のグループで用いられた。クリンプする前に、バルーンは、出来る限り最小のサイズに圧縮された。ステントがバルーン上にクリンプされた後、その組立体が、おおよそ10分間37℃の脱イオン水中に置かれた。バルーンは、16atm(16.5kg/cm)、又は4mmに膨張し、次いで収縮し、そして、ステントが取り外された。乾燥後、ステントのコーティングは、50倍の顕微鏡を用いて、欠点について検査された。層間剥離は、ステントの表面から引き離されるコーティングとして定義された。
【0072】
【表1】

【0073】
層間剥離は、ステント表面からポリマーコーティングの引き離し(pulling)、引裂き(tearing)、あるいは層間剥離が発生した時は(+)として、評価された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイス上にポリマー製の、生物活性剤含有コーティングの形態で与えられる第一表面と、第一表面に対して、並列に、好ましくは可動並列に位置する別の物質により与えられる第二表面の間に位置する様に適合するバリアであって、そのバリアは、ブロックコポリマー及び潜在的反応性基を有するポリマーから成るグループから選ばれ、そこでは、そのバリアは、そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングへのダメージ及び/又はその層間剥離を防止するものである、バリア。
【請求項2】
そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、複数種のポリマーを含む、請求項1に記載されたバリア。
【請求項3】
そのブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーから選ばれる、請求項1に記載されたバリア。
【請求項4】
その潜在的反応性基を有するポリマーは、光誘導体化多糖類並びにポリペプチドから選ばれる天然のポリマー、並びに光誘導体化ポリオレフィン、ビニルクロライドポリマー、フッ素含有ポリマー、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、スチレンポリマー並びにコポリマー、ビニル系熱可塑性樹脂、ポリアミド及びポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、p−フェニレン基を含む熱可塑性樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、並びにシリコーンから選ばれる合成のポリマーから選ばれる、請求項1に記載されたバリア。
【請求項5】
その光誘導体化ポリマーは、光誘導体化多糖類、光誘導体化ポリアミド、及び光誘導体化ビニル系熱可塑性樹脂から選ばれる、請求項4に記載されたバリア。
【請求項6】
その光誘導体化多糖類は、フォトヒアルロン酸及びフォトヘパリンから選ばれる、請求項5に記載されたバリア。
【請求項7】
その光誘導体化ポリアミドは、光誘導体化ポリアクリルアミドコポリマーを含み、そして、その光誘導体化ビニル系熱可塑性樹脂は、フォトポリビニルピロリドンを含む、請求項5に記載されたバリア。
【請求項8】
その医療デバイスは、脈管デバイス、整形外科用デバイス、歯科用デバイス、薬物供給デバイス、眼科用デバイス、泌尿器科用デバイス、及び合成の人工器官から成るグループから選ばれ、そして、第二表面は、同じデバイスの別の接触する部分により、又はそのデバイス内に含まれるあるいはそのデバイスを囲んでいる異なる物質として、与えられる、請求項7に記載されたバリア。
【請求項9】
その医療デバイスは、バルーン式膨張可能ステントを含み、そして、第二表面は、そのステント内に含まれる膨張可能バルーンにより与えられる、請求項8に記載されたバリア。
【請求項10】
そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20%の濃度で存在する、請求項1に記載されたバリア。
【請求項11】
そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも30%の濃度で存在する、請求項10に記載されたバリア。
【請求項12】
そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも40%の濃度で存在する、請求項11に記載されたバリア。
【請求項13】
その生物活性剤は、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤、血液循環改善剤、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤、抗血小板剤、抗有糸分裂剤、微小管阻害剤、分泌抑制剤、アクチン抑制剤、リモデリング抑制剤、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤、抗脈管形成剤、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤、及び遺伝子療法用治療剤、から成るグループから選ばれる、請求項1に記載されたバリア。
【請求項14】
その複数種のポリマーは、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアリール(メタ)アクリレート、ポリアラルキル(メタ)アクリレート、及びポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートから成るグループから選ばれる第一ポリマー、並びにポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)から成るグループから選ばれる第二ポリマーを含む、請求項2に記載されたバリア。
【請求項15】
そのポリアルキル(メタ)アクリレートは、ポリ(n−ブチルメタクリレート)を含み、そして、そのポリアリール(メタ)アクリレートは、ポリ−9−アントラセニルメタクリレート、ポリクロロフェニルアクリレート、ポリメタクリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ポリメタクリルオキシベンゾトリアゾール、ポリナフチルアクリレート、ポリナフチルメタクリレート、ポリ−4−ニトロフェニルアクリレート、ポリペンタクロロ(ブロモ、フルオロ)アクリレート並びにメタクリレート、ポリフェニルアクリレート並びにメタクリレートから選ばれ、そのポリアラルキル(メタ)アクリレートは、ポリベンジルアクリレート並びにメタクリレート、ポリ−2−フェネチルアクリレート並びにメタクリレート、ポリ−1−ピレニルメチルメタクリレートから選ばれ、そして、そのポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートは、ポリフェノキシエチルアクリレート並びにメタクリレート、種々のポリエチレングリコールの分子量を有するポリエチレングリコールフェニルエーテルアクリレート並びにメタクリレートから選ばれる、請求項14に記載されたバリア。
【請求項16】
a)そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、複数種のポリマーを含み、
b)そのブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーから選ばれ、
c)その潜在的反応性基を有するポリマーは、光誘導体化多糖類、並びに光誘導体化ポリオレフィン、ビニルクロライドポリマー、フッ素含有ポリマー、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、スチレンポリマー並びにコポリマー、ビニル系熱可塑性樹脂、ポリアミド及びポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、p−フェニレン基を含む熱可塑性樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、並びにシリコーンから選ばれ、
d)その医療デバイスは、移植可能な医療デバイスを含み、
e)そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20%の濃度で存在し、そして、
f)その生物活性剤は、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤、血液循環改善剤、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤、抗血小板剤、抗有糸分裂剤、微小管阻害剤、分泌抑制剤、アクチン抑制剤、リモデリング抑制剤、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤、抗脈管形成剤、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤、及び遺伝子療法用治療剤、から成るグループから選ばれる、請求項1に記載されたバリア。
【請求項17】
a)そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアリール(メタ)アクリレート、ポリアラルキル(メタ)アクリレート、及びポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートから成るグループから選ばれる第一ポリマー、並びにポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)から成るグループから選ばれる第二ポリマーを含む複数種のポリマーを含み、
b)そのブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーから選ばれ、
c)その潜在的反応性基を有するポリマーは、光誘導体化ヘパリン、光誘導体化ポリアミド及び光誘導体化ビニル系熱可塑性樹脂から選ばれ、
d)その医療デバイスは、脈管デバイス、整形外科用デバイス、歯科用デバイス、薬物供給デバイス、眼科用デバイス、泌尿器科用デバイス、及び合成の人工器官から成るグループから選ばれ、
e)そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20%の濃度で存在し、そして、
f)その生物活性剤は、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤、血液循環改善剤、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤、抗血小板剤、抗有糸分裂剤、微小管阻害剤、分泌抑制剤、アクチン抑制剤、リモデリング抑制剤、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤、抗脈管形成剤、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤、及び遺伝子療法用治療剤、から成るグループから選ばれる、請求項16に記載されたバリア。
【請求項18】
a)そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアリール(メタ)アクリレート、ポリアラルキル(メタ)アクリレート、及びポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートから成るグループから選ばれる第一ポリマー、並びにポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)から成るグループから選ばれる第二ポリマーを含む複数種のポリマーを含み、
b)そのブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーから選ばれ、
c)その潜在的反応性基を有するポリマーは、光誘導体化ヘパリン、ポリアクリルアミド、又はポリビニルピロリドンを含み、
d)その医療デバイスは、脈管デバイス、整形外科用デバイス、歯科用デバイス、薬物供給デバイス、眼科用デバイス、泌尿器科用デバイス、及び合成の人工器官から成るグループから選ばれる移植可能な医療デバイスを含み、そして、第二表面は、同じデバイスの別の接触する部分により、又はそのデバイス内に含まれるあるいはそのデバイスを囲んでいる異なる物質として、与えられ、
e)そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20%の濃度で存在し、そして
f)その生物活性剤は、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤、血液循環改善剤、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤、抗血小板剤、抗有糸分裂剤、微小管阻害剤、分泌抑制剤、アクチン抑制剤、リモデリング抑制剤、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤、抗脈管形成剤、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤、及び遺伝子療法用治療剤、から成るグループから選ばれる、請求項1に記載されたバリア。
【請求項19】
a)そのブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーから選ばれ、
b)その潜在的反応性基を有するポリマーは、光誘導体化多糖類、ポリオレフィン、ビニルクロライドポリマー、フッ素含有ポリマー、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、スチレンポリマー並びにコポリマー、ビニル系熱可塑性樹脂、ポリアミド及びポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、p−フェニレン基を含む熱可塑性樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、並びにシリコーンから選ばれ、
c)その医療デバイスは、バルーン式膨張可能ステントを含み、そして、第二表面は、そのステント内に含まれる膨張可能バルーンにより与えられ、
d)そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20%の濃度で存在し、
e)その生物活性剤は、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤、血液循環改善剤、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤、抗血小板剤、抗有糸分裂剤、微小管阻害剤、分泌抑制剤、アクチン抑制剤、リモデリング抑制剤、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤、抗脈管形成剤、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤、及び遺伝子療法用治療剤、から成るグループから選ばれ、そして
f)そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアリール(メタ)アクリレート、ポリアラルキル(メタ)アクリレート、及びポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートから成るグループから選ばれる第一ポリマー、並びにポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)から成るグループから選ばれる第二ポリマーを含む複数種のポリマーを含んでおり、そこでは、そのポリアルキル(メタ)アクリレートは、ポリ(n−ブチルメタクリレート)を含み、そして、そのポリアリール(メタ)アクリレートは、ポリ−9−アントラセニルメタクリレート、ポリクロロフェニルアクリレート、ポリメタクリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ポリメタクリルオキシベンゾトリアゾール、ポリナフチルアクリレート、ポリナフチルメタクリレート、ポリ−4−ニトロフェニルアクリレート、ポリペンタクロロ(ブロモ、フルオロ)アクリレート並びにメタクリレート、ポリフェニルアクリレート並びにメタクリレートから選ばれ、そのポリアラルキル(メタ)アクリレートは、ポリベンジルアクリレート並びにメタクリレート、ポリ−2−フェネチルアクリレート並びにメタクリレート、ポリ−1−ピレニルメチルメタクリレートから選ばれ、そして、そのポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートは、ポリフェノキシエチルアクリレート並びにメタクリレート、種々のポリエチレングリコールの分子量を有するポリエチレングリコールフェニルエーテルアクリレート並びにメタクリレートから選ばれるものである、請求項1に記載されたバリア。
【請求項20】
a)ポリマー製の、生物活性剤含有コーティングを有する第一表面を有する移植可能な医療デバイス、
b)その医療デバイスに並列に位置する別の物質により与えられる第二表面、及び
c)第一表面と第二表面の間に位置するバリアであって、そのバリアは、ブロックコポリマー及び潜在的反応性基を有するポリマーから成るグループから選ばれ、そこでは、そのバリアは、そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングへのダメージ及び/又はその層間剥離を防止するものである、バリアを含んでなる組み合わせ。
【請求項21】
そのバリアは、そのポリマーコーティング上のコーティング、第二表面上のコーティング、及び/又はその二つの間に位置する別個の層の形態で供給される、請求項20に記載された組み合わせ。
【請求項22】
そのバリアは、それ自身、同一の又は異なる物質の一層以上の層から成り、そして第一及び/又は第二表面上に任意のふさわしい組み合わせで位置する、又はその二つの間に単独で供給される、請求項20に記載された組み合わせ。
【請求項23】
そのバリアは、デバイスの組み立て、保管、供給又は配置、及び/又は体内のデバイスの滞留の間に適用される、請求項20に記載された組み合わせ。
【請求項24】
そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、移植可能な医療デバイスの表面上に位置し、第二表面は、そのデバイスに並列で異なる物質の表面により与えられ、そして、そのバリアは、お互いに対して安定並びに分離可能な並列で、その医療デバイス表面及びその異なる物質の配置を容易にできる付着防止コーティングの形態でのバリアを含む、請求項20に記載された組み合わせ。
【請求項25】
その医療デバイスは、バルーン式膨張可能ステントを含み、そして、その異なる物質は、そのステント内に膨張可能バルーンの形態であり、そして、そのバリアは、ブロックコポリマー及び潜在的反応性基を有するポリマーから成るグループから選ばれる、請求項24に記載された組み合わせ。
【請求項26】
a)そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、複数種のポリマーを含み、
b)そのブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーから選ばれ、
c)その潜在的反応性基を有するポリマーは、光誘導体化多糖類、並びに光誘導体化ポリオレフィン、ビニルクロライドポリマー、フッ素含有ポリマー、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、スチレンポリマー並びにコポリマー、ビニル系熱可塑性樹脂、ポリアミド及びポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、p−フェニレン基を含む熱可塑性樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、並びにシリコーンから選ばれ、
d)その医療デバイスは、移植可能な医療デバイスを含み、
e)そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20%の濃度で存在し、そして
f)その生物活性剤は、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤、血液循環改善剤、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤、抗血小板剤、抗有糸分裂剤、微小管阻害剤、分泌抑制剤、アクチン抑制剤、リモデリング抑制剤、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤、抗脈管形成剤、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤、及び遺伝子療法用治療剤、から成るグループから選ばれる、請求項20に記載された組み合わせ。
【請求項27】
a)そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアリール(メタ)アクリレート、ポリアラルキル(メタ)アクリレート、及びポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートから成るグループから選ばれる第一ポリマー、並びにポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)から成るグループから選ばれる第二ポリマーを含む複数種のポリマーを含み、
b)そのブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーから選ばれ、
c)その潜在的反応性基を有するポリマーは、光誘導体化ヘパリン、光誘導体化ポリアミド及び光誘導体化ビニル系熱可塑性樹脂から選ばれ、
d)その医療デバイスは、脈管デバイス、整形外科用デバイス、歯科用デバイス、薬物供給デバイス、眼科用デバイス、泌尿器科用デバイス、及び合成の人工器官から成るグループから選ばれ、
e)そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20%の濃度で存在し、そして
f)その生物活性剤は、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤、血液循環改善剤、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤、抗血小板剤、抗有糸分裂剤、微小管阻害剤、分泌抑制剤、アクチン抑制剤、リモデリング抑制剤、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤、抗脈管形成剤、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤、及び遺伝子療法用治療剤、から成るグループから選ばれる、請求項26に記載された組み合わせ。
【請求項28】
a)そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアリール(メタ)アクリレート、ポリアラルキル(メタ)アクリレート、及びポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートから成るグループから選ばれる第一ポリマー、並びにポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)から成るグループから選ばれる第二ポリマーを含む複数種のポリマーを含み、
b)そのブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーから選ばれ、
c)その潜在的反応性基を有するポリマーは、光誘導体化ヘパリン、ポリアクリルアミド、又はポリビニルピロリドンを含み、
d)その医療デバイスは、脈管デバイス、整形外科用デバイス、歯科用デバイス、薬物供給デバイス、眼科用デバイス、泌尿器科用デバイス、及び合成の人工器官から成るグループから選ばれる移植可能な医療デバイスを含み、そして、第二表面は、同じデバイスの別の接触する部分により、又はそのデバイス内に含まれるあるいはそのデバイスを囲んでいる異なる物質として、与えられ、
e)そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20%の濃度で存在し、そして
f)その生物活性剤は、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤、血液循環改善剤、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤、抗血小板剤、抗有糸分裂剤、微小管阻害剤、分泌抑制剤、アクチン抑制剤、リモデリング抑制剤、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤、抗脈管形成剤、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤、及び遺伝子療法用治療剤、から成るグループから選ばれる、請求項20に記載された組み合わせ。
【請求項29】
a)そのブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーから選ばれ、
b)その潜在的反応性基を有するポリマーは、光誘導体化多糖類、ポリオレフィン、ビニルクロライドポリマー、フッ素含有ポリマー、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、スチレンポリマー並びにコポリマー、ビニル系熱可塑性樹脂、ポリアミド及びポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、p−フェニレン基を含む熱可塑性樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、並びにシリコーンから選ばれ、
c)その医療デバイスは、バルーン式膨張可能ステントを含み、そして、第二表面は、そのステント内に含まれる膨張可能バルーンにより与えられ、
d)そのポリマーコーティング内の生物活性剤は、そのコーテッド組成物の重量に基づいて、少なくとも20%の濃度で存在し、
e)その生物活性剤は、トロンビン抑制剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、線維素溶解剤、血液循環改善剤、カルシウムチャンネル遮断剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗菌剤、抗生物質、表面糖タンパク質受容体の抑制剤、抗血小板剤、抗有糸分裂剤、微小管阻害剤、分泌抑制剤、アクチン抑制剤、リモデリング抑制剤、アンチセンスヌクレオチド、代謝拮抗剤、増殖抑制剤、抗脈管形成剤、抗癌化学療法剤、ステロイド系又は非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗剤、増殖因子、ドーパミンアゴニスト、放射線治療剤、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリックス成分、ACE阻外剤、フリーラジカル捕捉剤、キレート剤、酸化防止剤、抗重合酵素、抗ウイルス剤、光線力学療法用治療剤、及び遺伝子療法用治療剤、から成るグループから選ばれ、そして
f)そのポリマー製の、生物活性剤含有コーティングは、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアリール(メタ)アクリレート、ポリアラルキル(メタ)アクリレート、及びポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートから成るグループから選ばれる第一ポリマー、並びにポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)から成るグループから選ばれる第二ポリマーを含む複数種のポリマーを含んでおり、そこでは、そのポリアルキル(メタ)アクリレートは、ポリ(n−ブチルメタクリレート)を含み、そして、そのポリアリール(メタ)アクリレートは、ポリ−9−アントラセニルメタクリレート、ポリクロロフェニルアクリレート、ポリメタクリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ポリメタクリルオキシベンゾトリアゾール、ポリナフチルアクリレート、ポリナフチルメタクリレート、ポリ−4−ニトロフェニルアクリレート、ポリペンタクロロ(ブロモ、フルオロ)アクリレート並びにメタクリレート、ポリフェニルアクリレート並びにメタクリレートから選ばれ、そのポリアラルキル(メタ)アクリレートは、ポリベンジルアクリレート並びにメタクリレート、ポリ−2−フェネチルアクリレート並びにメタクリレート、ポリ−1−ピレニルメチルメタクリレートから選ばれ、そして、そのポリアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートは、ポリフェノキシエチルアクリレート並びにメタクリレート、種々のポリエチレングリコールの分子量を有するポリエチレングリコールフェニルエーテルアクリレート並びにメタクリレートから選ばれるものである、請求項20に記載された組み合わせ。
【請求項30】
医療デバイス表面上にポリマー製の、生物活性剤含有組成物を含む第一表面に対し、別の物質により与えられ並びに第一表面に並列に位置する第二表面により、生じるダメージを最小化する方法であって、その方法は、請求項1に記載されたバリアを供給する工程を含んでなるものである、方法。

【公開番号】特開2006−346492(P2006−346492A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254441(P2006−254441)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【分割の表示】特願2004−559356(P2004−559356)の分割
【原出願日】平成15年12月5日(2003.12.5)
【出願人】(500064890)サーモディックス,インコーポレイティド (15)
【Fターム(参考)】