説明

ポリマー物品の改良造形プロセス

複数の異なった微粒子化された成分(11)をドライブレンド(8)して、均一な粒子ブレンドを形成する工程、インサート(39、60)を含む排出ユニット(19)内の質量流を実質的に規定することによってこの粒子ブレンドを再ブレンドする工程及びこの粒子ブレンドをパーツ造形機(15)内で造形して、造形物品(17)を形成する工程を含む造形物品(17)の製造プロセス(2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本件特許出願は、米国仮特許出願第61/036,692号(Walia等によって2008年3月14日に出願された、発明の名称「ポリマー物品の造形プロセス」)(その内容を、その全部を参照して本明細書に含める)の出願日の利益を請求する。
【0002】
本発明は、造形熱可塑性物品及びその製造プロセスに関し、一つの特別の面に於いて、造形の前にプレスで配合された、成形ポリオレフィン物品に関する。
【背景技術】
【0003】
プラスチックブレンドの分野に於いて、プラスチック材料を配合するための改良されたプロセスについてのニーズが存在し続けている。例えば加工パーツ(fabricated part)を製造するための加工工程の数を減少するためのニーズがある。熱可塑性ポリオレフィンの分野に於いて、例えばプレファブリケイティング(pre-fabricating)配合工程への依存性、特に、出発材料を熱履歴に付すこと、加工のためのエネルギー消費を必要とすること又は両方を減少する有効な材料システムを有することが、依然として魅力的である。特に、しばしばプレファブリケイティング配合工程に頼る現在のプロセスと同様の調和及び品質を有する加工パーツを提供することが、改良プロセスのために魅力的であろう。このような改良プロセスは、ブレンド材料の組成を迅速に変更する能力、少なくとも1個の配合工程を除くことによってプラスチックの熱劣化を減少する能力、廃棄物を減少する能力又は全体の加工コストを減少する能力の1個又はそれ以上を含む利点を有することができる。「アット−プレス(at-press)」配合への一つの特に魅力的なアプローチは、特許文献1及び特許文献2(これらは、共に、全ての目的のために参照して、本明細書中に明示的に含める)中に開示されている。このような「アット−プレス」配合に於いて、個々のポリマー成分を、上昇した温度で一緒に予備配合する工程を回避すること、特に、1種又はそれ以上のポリオレフィンを、互いに又はエラストマー性材料、例えば熱可塑性ポリオレフィンと予備配合する工程を避けることが可能である。
【0004】
アット−プレス配合するための努力に於いて遭遇する一つの可能性のある困難さは、粒子サイズ、密度、弾性、電導度又は他の特性に於ける差異に起因する、幾つかの材料についての偏析する傾向の結果である。1種又はそれ以上の材料は、アグロメレーションを形成することもできる。困難さの別の可能性のある源は、1種又はそれ以上の材料が、例えばその材料のホッパー又はミキサーの中への供給を制御するバルブと干渉することによって、計量メカニズムと干渉する場合に、結果的に生じ得る。当該技術分野に於いて最近見られる進歩にもかかわらず、これらの考慮事項の1個又はそれ以上を回避するための、追加の改良プロセスについてのニーズが存在し続けている。
【0005】
この技術分野に於けるプロセスに取り組んでいる文献からの例には、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3(全部、全ての目的のために参照して本明細書中に含める)が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第11/736,342号明細書
【特許文献2】米国特許出願第11/821,706号明細書
【特許文献3】公開米国特許出願第3,797,707号明細書
【特許文献4】公開米国特許出願第4,286,883号明細書
【特許文献5】公開米国特許出願第6,111,306号明細書
【特許文献6】公開米国特許出願第5,559,099号明細書
【特許文献7】公開米国特許出願第6,951,900号明細書
【特許文献8】公開米国特許出願第6,403,691号明細書
【特許文献9】欧州特許第958118B1号明細書
【特許文献10】国際特許出願公開第WO1997021528A1号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Troxel,T.G.、”Modeling and scale-up of tumble blenders for highly segregating materials”、AIChE Spring National Meeting, Conference Proceedings、米国フロリダ州Orlando、2006年4月23〜27日
【非特許文献2】McGlinchey,D.等、”Particle segregation in pneumatic conveying lines.”、IMechE Conference Transactions、2000
【非特許文献3】Tang,P.等、”Methods for Minimizing Segregation: A Review”、Particulate Science and Technology、第22巻、第4号、2004年、第321〜337頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの面に於いて、本発明は、複数の異なった微粒子化された(particulated)成分(例えば第一のポリオレフィンを含有する第一の材料、微粒子化された充填剤及び第二のポリオレフィンの混合物(admixture)を含有する第二の材料、エラストマーを含有する第三の材料又はその他のもの)をドライブレンドして、実質的に均一な粒子ブレンドを形成する工程、この粒子ブレンドを、インサートを有する排出ユニットに通して流すことによって、粒子ブレンドを再ブレンドし、粒子ブレンドの偏析を実質的に防止する工程(ここで、このインサートの内側の流れは、質量流(mass flow)によって特徴付けられ、このインサートの外側の流れは、質量流によって特徴付けられる)、この再ブレンドした粒子ブレンドを、パーツ(part)造形機械のスクリュー及びバレルアセンブリの中に導入する工程、この微粒子化された成分を、スクリュー及びバレルアセンブリ内で溶融ブレンドして、溶融ブレンドを形成する工程並びにこの溶融ブレンドをパーツ造形機械内で造形して、造形物品を形成する工程からなる、造形物品の製造プロセスに関する。このプロセスは、ドライブレンド工程と、再ブレンドした粒子ブレンドをパーツ造形機械のスクリュー及びバレルアセンブリの中に導入する工程との間に、複数の異なった微粒子化された成分を溶融ブレンドする工程を有利に含まない。この造形物品は、典型的には、約1gよりも大きい質量を有する。
【0009】
このプロセスは、下記の構成、即ち複数の異なった微粒子化された成分が、第一のポリオレフィンを含有する材料(例えば第一の材料)を含有する;複数の異なった微粒子化された成分が、微粒子化された充填剤及び第二のポリオレフィンの混合物を含有する材料(例えば第二の材料)を含有する;複数の異なった微粒子化された成分が、エラストマーを含有する材料(例えば第三の材料)を含有する;このエラストマーが、約40℃よりも高い溶融温度若しくはガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂である;この材料の少なくとも1種(例えば第一の材料、第二の材料若しくは第三の材料の少なくとも1種)が、i)実質的に類似の粒子の凝集を減少させるための添加剤、ii)ブレンダーの壁に沿った材料の蓄積を減少させる、粒子の固有の偏析を減少させる若しくは両方のための帯電防止剤化合物若しくはiii)i)及びii)の両方を更に含有する;この材料の少なくとも1種(例えば第一の材料、第二の材料若しくは第三の材料の少なくとも1種)が、吸湿性である帯電防止剤化合物を含有する;この材料の少なくとも1種(例えば第一の材料、第二の材料若しくは第三の材料の少なくとも1種)が、モノグリセリド、エトキシル化脂肪酸アミン及びジエタノールアミドからなる群から選択された帯電防止剤化合物を含有する;この帯電防止剤化合物の濃度が、帯電防止剤含有材料の合計重量基準で約5%よりも低い;このプロセスが、ドライブレンド工程の前の、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の最大2種を予備配合する工程を更に含んでなる;排出ユニット(例えばブレンダー排出ユニット若しくはパーツ造形機ホッパー)が、鉛直との第一の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面を有する外側構造体を含み、インサートが、外側構造体内に支持され、第一の角度よりも小さい、鉛直との第二の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面を有する内側構造体を含む;外側構造体の内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面は、粒子ブレンド(例えば偏析された類似の粒子を含有する粒子ブレンド)の第一の部分を排出するための、外側構造体の底に一般的に配置されている第一の開口まで伸びており、内側構造体の内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面は、粒子ブレンド(例えば偏析された類似の粒子を含有する粒子ブレンド)の第二の部分を排出する、内側構造体の底に一般的に配置されている第二の開口まで伸びている;排出ユニットを通る水平面で、第一の平均鉛直質量流束、F1が、外側構造体の内部表面と内側構造体の外部表面との間に形成され、第二の平均鉛直質量流束、F2が、内側構造体の内部表面の間に形成され、ここで、F1とF2との比は、約0.1〜約10である;外側構造体の環状で内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面と水平面との間の第一の角度は、約60度よりも大きい;このインサートは、異なった質量流速を有するインサート内の少なくとも2個の領域を含む、第二の質量流を規定するための内側構造体の内側表面に取り付けられた複数のフィンを含む(ここで、質量流束は、同じ水平面上で測定される);このインサートは、それを通過する中央質量流量を許容するように形作られた中央構造体を更に含み、この中央構造体はインサート内を下方に縦方向に伸びており、全体的に一定の横断面を有する;排出ユニット(例えばブレンダー排出ユニット)の内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面、インサートの内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面又は両方は、フラストコニカル(栽頭円錐形(frustoconical))に閉じた環状構造体を有する円錐、収束壁を有する多面体又は両方の組合せである;このプロセスは、1種又はそれ以上の材料(例えば第一の材料、第二の材料及び第三の材料の1種又はそれ以上)が、ブレンダーへの供給工程の前に、スライド−ゲート内に蓄積するようになることを防止するためのバルブインサートを有する、スライド−ゲートを制御するための工程から更になる;バルブインサートが、楔形状若しくは湾曲形状である;このプロセスが、この均一な粒子ブレンドを、ブレンダーからパーツ造形機まで運搬する工程を更に含む;このブレンダーが重力ミキサーであり、このパーツ造形機が射出成形機である;このプロセスが、この均一な粒子ブレンドをスタティックミキサーに通過させる工程を更に含む;この均一な粒子ブレンドが、第一の熱可塑性樹脂を含有する第一の材料並びに微粒子化された充填剤及び第二の熱可塑性樹脂の混合物を含有する第二の材料を含む;この第一の熱可塑性樹脂が、エラストマー、ポリオレフィン若しくは両方を含有する;この第二の熱可塑性樹脂が、エラストマー、ポリオレフィン若しくは両方を含有する;この第一の材料が、この均一な粒子ブレンドの合計重量基準で約30〜約90重量部の濃度で存在する;この第二の材料が、この均一な粒子ブレンドの合計重量基準で約10〜約50重量部の濃度で存在する;この均一な粒子ブレンドが、この均一な粒子ブレンドの合計重量基準で約3重量%よりも高い合計エラストマー濃度を含有する;この均一な粒子ブレンドが、この均一な粒子ブレンドの合計重量基準で約30重量%よりも高い合計ポリオレフィン(例えばポリプロピレン)濃度を含有する;このプロセスが、i)約30〜約90重量部の、第一のポリオレフィンを含有する第一の材料、ii)約50重量部以下の、微粒子化された充填剤、第二のポリオレフィン及びグリセロールモノステアレート、エトキシル化脂肪酸アミン、ジエタノールアミド若しくはこれらの任意の組合せを有する帯電防止剤の混合物を含有する第二の材料並びにiii)約3〜約40重量部の、エラストマーを含有する第三の材料を、それぞれ少なくとも1個の供給源からブレンダーに、個々に供給する工程を更に含む;このインサートが、外側構造体によって同軸的に支持されている;このブレンダーが、集中化ブレンダーであり、このプロセスが、均一な粒子ブレンドを、複数のパーツ造形機に運搬する工程を含む;この運搬工程が、この均一な粒子ブレンドを、排出ユニットの受け入れ領域で出口開口を有する全体的に密閉のチューブに通して運搬することを含む(ここで、この出口開口での粒子ブレンドの平均流れ方向と、下向きの鉛直方向との間の角度は、約30°よりも小さい)又はこの運搬工程は、この均一な粒子ブレンドを、排出ユニットの受け入れ領域でディストリビューターに通過させることを含む(ここで、このディストリビューターは、均一な粒子ブレンドの平均速度、速度の標準偏差を変える)の1個又は任意の組合せを有することができることが意図される。
【0010】
別の面に於いて、本発明は、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の分離した源泉と連通状態にあるブレンダー;このブレンダーと連通状態にある排出ユニット(例えばブレンダー排出ユニット又はパーツ造形機ホッパー)(ここで、排出ユニットは、鉛直との第一の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面を有する外側構造体を含み、そして排出ユニットは、外側構造体内に支持され、第一の角度よりも小さい、鉛直との第二の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している内側構造体を有するインサートを含む)並びに排出ユニットと連通状態にあるパーツ造形機を含む、造形物品の形成システムであって、このブレンダーが、第一の材料、第二の材料及び第三の材料をブレンドして、全体的に均一な粒子ブレンドを形成するために形作られており、このインサートが、排出ユニット内の質量流を実質的に規定することによって、均一な粒子ブレンドからの偏析された類似の粒子を再組合せ(例えば再ブレンド)するために形作られているシステムに関する。
【0011】
このシステムは、下記の特徴、即ちi)第一のポリオレフィンを含有する第一の材料、ii)微粒子化された充填剤、第二のポリオレフィン及びグリセロールモノステアレート、エトキシル化脂肪酸アミン、ジエタノールアミド又はこれらの任意の組合せを有する帯電防止剤の混合物を含有する第二の材料並びにiii)エラストマーを含有する第三の材料の別個の源泉;ブレンダーによって受け入れられる第一の材料、第二の材料及び第三の材料の1種又はそれ以上を計量するために形作られた少なくとも1個のスライド−ゲートアセンブリ、ここで、少なくとも1個のスライド−ゲートアセンブリは、スライド−ゲートアセンブリを通って流れる第一の材料、第二の材料及び第三の材料の少なくとも1種の遮断を実質的に防止するように形作られているバルブインサートを有するバルブを含む;このブレンダーは、鉛直との第一の角度を形成するフラストコニカルに閉じた環状で内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面を有する外側円錐を含む;このブレンダーは、全体的に均一な粒子ブレンドを形成する第一の材料、第二の材料及び第三の材料をブレンドするために形作られている;このインサートは、排出ユニット内の質量流を実質的に規定することによって、均一な粒子ブレンドからの偏析された類似の粒子を再組合せするために形作られている;又はインサートは、水平面で、外側構造体の内部表面と内側構造体の外部表面との間で第一の鉛直質量流束及びフィンと内側構造体の内部表面との間で複数の異なった第二の鉛直質量流束を作るように、内側構造体の内側に取り付けられた複数のフィンを更に含むの、1つ又は任意の組合せを有することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】図1Aは本発明の一面のプロセス工程の例示的流れ図を示す。
【0013】
【図1B】図1Bは本発明の一面のシステムの例示的流れ図を示す。
【0014】
【図2A】図2Aは閉鎖位置にある例示的スライドゲートアセンブリの透視図を示す。
【図2B】図2Bは開放位置にある例示的スライドゲートアセンブリの透視図を示す。
【0015】
【図3】図3は先行技術態様の例示的断面図を示す。
【0016】
【図4】図4は本発明の別の面の例示的断面図を示す。
【0017】
【図5】図5は本発明の別の面の例示的断面図を示す。
【0018】
【図6A】図6Aは本発明の別の面の断面図を示す。
【図6B】図6Bは本発明の別の面の断面図を示す。
【図6C】図6Cは本発明の別の面の断面図を示す。
【0019】
【図7】図7は例示的ディストリビューターを示す。
【0020】
【図8】図8はホッパー内に複数の微粒子化された成分を含有する例示的ホッパーを示す。
【0021】
【図9】図9はホッパー内に複数の微粒子化された成分を含有する例示的ホッパーを示す。
【0022】
【図10】図10は静電荷を有する粒子を含有する例示的ホッパーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1A及び1Bに示されるような特別の態様に関して、本発明は、造形物品、特に、ポリマー化合物から製造された物品の製造プロセスを提供する。プロセス2は、個々に供給工程4を含むことができる。供給工程4は、典型的には、ポリマー化合物の成分を、それらのそれぞれの供給源、それぞれ11、11’、11”から、ブレンダー20又はブレンダーホッパーに供給することを含む。本明細書中に使用されるとき、「成分」は、1種又はそれ以上の成分又は材料を暗示する。本発明に於いて使用される参照成分の例には、これらに限定されないが、第一の材料、第二の材料及び第三の材料が含まれるが、追加の又はより僅かな材料の使用が意図される。従って、第一、第二又は第三の使用は、材料の間を区別する目的のためであり、本発明の範囲を限定するとして意図されない。
【0024】
一般的に、本発明に於けるプロセスは、ポリマー化合物が、少なくとも2個の供給源、例えばポリマー成分の源泉及び第二のポリマー成分の源泉又は充填剤若しくは強化剤の源泉からの成分を含有することを予見している。一つの特に好ましいアプローチは、少なくとも3個の供給源、例えば第一のポリマー(例えば第二の熱可塑性樹脂)の源泉、第二のポリマー(例えば第二の熱可塑性樹脂)の源泉及び充填剤又は強化剤(例えばタルクマスターバッチ)の源泉を使用することである。特に好ましい態様に於いて、この成分は、3個の源泉、即ち第一のポリオレフィンを含有する第一の材料、微粒子化充填剤、熱可塑性樹脂(例えば第二のポリオレフィン)及び任意的に帯電防止剤(例えばグリセロールモノステアレート、エトキシル化脂肪酸アミン、ジエタノールアミド又はこれらの任意の組合せ)の混合物を含有する第二の材料並びにエラストマー(例えば熱可塑性ポリオレフィン)を含有する第三の材料の、それぞれについて1個から供給される。
【0025】
このプロセスは、図1Aに示されるように、少なくとも1個のスライド−ゲートアセンブリーを制御する工程6を含んでよい。図2A及び2Bは、それぞれ、閉鎖位置及び開放位置にある例示的スライドゲートアセンブリ28を示す。一つの面に於いて、スライドゲートアセンブリー28は、少なくとも1種の成分(例えば第一の材料、第二の材料及び第三の材料の少なくとも1種)を計量供給するための少なくとも1個のブレンダーフィーダーの下に配置されていてよい。スライド−ゲートアセンブリー28は、スライドゲート22及びバルブインサート24を含んでいてよい。バルブインサート24は、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の1種又はそれ以上が、ブレンダーによって受け入れられる前に、(例えばスライドゲート28が、閉鎖位置(図2A)と開放位置(図2B)との間で移動するとき)スライド−ゲートアセンブリー28内に蓄積する(例えば収集する、押し込む、詰め込む又はその他)ことを防止するために形作られた、楔形、湾曲形又は他の形状であってよい。
【0026】
図1A及び1Bを参照して、このプロセスは、その間に、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の個々の粒子(例えばペレット)がブレンダー20内で混合されて、好ましくは材料を溶融することなく(例えば最高ドライブレンド温度は、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の少なくとも1種、好ましくは全ての、ピーク溶融温度又はガラス転移温度よりも低い)、実質的に均一な粒子ブレンドを形成するドライブレンド工程8を含むことが意図される。ドライブレンド工程8に続いて、このプロセスは、この均一な粒子ドライブレンド(即ち均一な粒子ブレンド)を、例えばブレンダー排出ユニット19に通して排出する工程10を更に含んでいてよい。好ましくは、この均一な粒子ブレンドは、それが、パーツ造形機15のスクリュー及びバレル内で加熱されるまで、溶融ブレンドされない(例えばアット−プレスブレンド)。一つの態様に於いて、この粒子ブレンドは、3種の材料の2種のみを含有してよい、即ち1種の材料は、ポリマーを含有してよく、他方の材料は、充填剤又は強化剤(例えばタルクマスターバッチ、ガラス繊維コンセントレート又は両方)を含有してよいことが認められる。別の態様に於いて、このブレンドは、1種又はそれ以上の追加の成分、例えば本明細書中に記載されたような、着色剤、造形製品の粉砕から利用可能な再粉砕再成物、その他を含有してよいことが認められる。このブレンド工程は、回分プロセス、連続プロセス又はその他又はこれらの任意の組合せであってよいことが更に認められる。同様に、供給(例えば計量供給)工程は、回分プロセス、連続プロセス又はその他又はこれらの任意の組合せであってよい。
【0027】
例えば図3に示されるように、インサートを有しない排出ユニット32(例えばブレンダー排出ユニット19、造形機ホッパー5又はその他)を有する典型的なブレンダー30が使用されている。理論によって結び付けられることなく、同様のサイズ、形状、密度、弾性又はその他又はこれらの任意の組合せを有していてよい又は有しなくてよい、図3の装置及び種々の材料(例えば粗い、粗くない又はその他)を利用する典型的なブレンド(例えば重力混合、機械式混合又はその他又はこれらの任意の組合せ)は、複数の内側流量又は流束になるであろうと考えられる。ブレンダーからの材料ブレンドの排出の際に、これらの内側流量又は流束は、材料ブレンド中の種々の材料の幾らかの偏析を起こし得る。一例として、排出ユニット32は、水平断面での粒子の流量又は鉛直質量流束(即ち単位面積当たりの局部流量)が、排出ユニットの内部表面34からの距離と共に変化するような、「漏斗」型流れとして特徴付けられる質量流を有する。「漏斗」型流は、種々の材料の再組合せを防止する傾向があり、種々の材料の偏析を起こす傾向があり又は両方の傾向がある。従って、漏斗型流は、第一の粒子(例えば粗い粒子)を、外側部分31によって示されるように、内部表面34の方に集めて、第一の流量を規定する傾向があり、第二の粒子(例えば微細な粒子)は、中心部分33の方に集まって、第二の流量を規定する傾向があり、第一の流量は、一般的に、第二の流量よりも小さい。水平平面50に沿って、粒子ブレンドは、外側部分31付近で第一の鉛直質量流束36で流れ、中心部分33の方に向かって第二の鉛直質量流束38で流れ、第一の鉛直質量流束36は、一般的に、第二の鉛直質量流束38よりも小さい。部分31の集められた第一の粒子は、「死」流又は非流領域を含むことができ、これは、類似の粒子又はその他の偏析を更に促進するであろうことが意図される。得られる漏斗流は、典型的には、ブレンド工程からの全体的に均一な(例えば均質な)粒子ブレンドから同様の粒子を分離し始め、それによって、非均一な(例えば不均一な)粒子ブレンドを形成する。例えば漏斗流を有する一つの態様に於いて、一つの材料(例えば微細な材料)は、一般的により速く又は最初に排出され、最初に排出される材料は、微細な材料の比較的高い濃度を有することが認められる。後で、排出物は、比較的低濃度の一方の材料(例えば微細な材料)及び比較的高濃度の他方の材料(例えば粗い材料)を有する混合物である。従って、漏斗型流は、典型的には、変化する組成を有する粒子ブレンド及び/又は変化する組成を有する製品になることを認めることができる。
【0028】
好ましくは、このプロセスは、均一な粒子ブレンド(例えばドライブレンド)からの偏析された(例えば分離された)類似の粒子を再組合せする(例えば再ブレンドする)工程を更に含む。この再組合せ工程は、排出ユニット44(例えばブレンダー排出、造形機ホッパー又はその他)内にインサート39を設けることによって達成される。一つの面に於いて、インサート39は、望ましくは、排出ユニット44を通過する少なくとも1個の質量流を規定することによって、種々の異なった粒子の半径方向偏析(radial segregation)(例えば側面から側面へ(side to side))を実質的に減少させるために形作られている。「質量」型流に於いて、典型的には、「死」流又は非流領域は存在しない。このようなものとして、このインサートを、排出ユニットを通過する均一な粒子ブレンドを実質的に維持する(即ち偏析12を防止又は実質的に減少する)ように、排出ユニット内に質量流を課すことによって類似の粒子の潜在的な偏析の効果的な再組合せ(例えば再ブレンド)を許容するように又は両方のように、形作ることができることが認められる。
【0029】
図4〜5に示されるように、インサート39、例えば特許文献3(Jenike等、1974年3月19日発行)及び特許文献4(Johanson、1981年9月1日発行)(これらは、全ての目的のために参照して、本明細書中に含める)中で検討されているインサートを有する排出ユニット44(例えばブレンダー排出ユニット、造形機ホッパー又はその他)が使用される。理論によって拘束されることなく、インサート44の内部表面48及び外部表面47は、インサートを有しない同様の排出ユニット内での排出工程(例えばブレンダー排出工程又はパーツ造形機ホッパーからパーツ造形機のスクリュー及びバレルアセンブリへ排出する工程)によって起こされる「漏斗」流を、実質的に減少又は排除すると考えられる。更に、このインサートは、粒子の偏析(例えば微細粒子からの粗い粒子の偏析)を実質的に減少又は排除すると考えられる。このインサートは、「質量」型流として特徴付けられる均一なペレットブレンドの流れになり得る。例えばインサートの内側及びインサートの外側の流れは、質量流によって特徴付けることができる。
【0030】
図4〜5に示されるような特別の態様に関して、排出ユニット44は、鉛直との第一の角度46を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面43を有する、閉じた周囲(例えば環状又はその他)を有する外側構造体41を含んでよいことが、更に意図される。インサート39は、外側構造体41内に支持され(例えば同軸的に支持され)、鉛直との第二の角度45を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面48及び外部表面47を有する、閉じた周囲(例えば環状又はその他)を有する内側構造体49を含んでよい。好ましくは、内側構造体の第二の角度は、第一の角度よりも小さい。例えば一つの態様に於いて、外側構造体の環状で内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面と鉛直との間の第一の角度は、約30度よりも小さくてよい(即ちこの外部表面と水平面との間の角度は、約60度よりも大きくてよい)。外側構造体、内側構造体又は両方の傾斜している表面は、一般的に、円錐(例えばフラストコニカル円錐(栽頭円錐))、収束多面体(例えば正四面体、角錐又はその他)又はその他の形状を形成することが認められる。
【0031】
更に詳細に於いて、一つの特定の実施例に見られるように、図4は、インサート39の第二の開口37と全体的に平面状である第一の開口35を有する排出ユニット44(例えばブレンダー20に取り付けられている)を示す。この実施例に於いて、外側鉛直質量流束40は、図4に示されるように、水平面50に沿って、一般的に、内側鉛直質量流束42と同様である(例えば外側質量流量は、一般的に、内側質量流量と同様である)。排出ユニット内の流れ(例えばインサートの内側及び外側の両方)は、「質量」型流によって特徴付けられる。別の特定の実施例に於いて、図5は、第二の開口37が、第一の開口35の平面よりも下に配置されるように、第一の開口35と全体的に非平面状である第二の開口37を有する排出ユニット44’を示す。従って、第二の開口37は、第一の開口35を通って伸びていることが認められる。この実施例に於いて、開口のサイズ(例えば半径)及びインサートと排出ユニットとの角度(即ち第一の角度及び第二の角度)は、図4に於けると同じである。第一の開口35に対する第二の開口37の配置は、図5に示されるように、水平面50に沿って、内側鉛直質量流束42よりも一般的に小さい外側鉛直質量流束40を作る(例えば外側質量流量は、一般的に、内側質量流量よりも小さい)。
【0032】
上記の実施例に於いて示されるように、所定の水平面で、インサートの外側(即ち外側構造体の内部表面と内側構造体の外部表面との間)の平均鉛直質量流束流量、F1は、インサートの内側(即ち内側構造体の内部表面の間)の平均鉛直質量流束流量、F2と同じであってよく又は異なっていてよい。典型的には、F1/F2の比は、約0.1〜約10、更に典型的には約0.2〜約5、最も典型的には約0.25〜約4(例えば約0.4〜約2.5)である。しかしながら、より高い又はより低い流束の比を使用することができる。上に示したように、F1/F2の比は、約1(例えば約0.8〜約1.25)であってよい。
【0033】
第一の開口の断面積、A1は、第一の開口35での、内側構造体の外側表面47と外側構造体の内側表面43との間の面積である。第二の開口の断面積、A2は、第二の開口37での、内側構造体の内側表面48によって境界を定められた面積である。第一の開口を通過するものと第二の開口を通過するものとの相対流量は、面積A1及びA2と共に変化することが認められるであろう。例えば第一の開口を通過する流量の第二の開口を通過する流量に対する比は、比A1/A2が増加するにつれ増加するであろう。典型的には、A1/A2の比は、約0.1〜約10、更に典型的には約0.2〜約5、最も典型的には約0.4〜約2.5である。しかしながら、より高い又はより低いA1/A2の比を使用することができる。比A1/A2は、約1(例えば約0.8〜約1.25)であってよい。
【0034】
図6A、6B及び6Cに関して、修正インサート60を有する排出ユニット44”(例えばブレンダー排出、造形機ホッパー又はその他)を設けることによって、本発明の別の態様が示される。前記のインサートと同様に、修正インサート60は、内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面63及び外部表面65を有する、閉じた周囲を含むことができる。修正インサート60は、排出ユニット44”の内側表面64に支持され(例えば同軸的に支持され)、取り付けられる又はその他によってよいことが認められる。図6Aは、ブレンダー20’又はホッパーの一部である排出ユニット44”を示す。修正インサートは、1個又はそれ以上のフィン66、中央構造体67又は両方の組合せを更に含むことができる。フィン46は、修正インサート60の内部表面63に、(含まれるとき)中央構造体67に取り付けることができ又は両方の組合せが可能である。中央構造体67は、一般的に、縦に(例えば鉛直に)伸びた構造体であってよい。一つの面に於いて、中央構造体67は、必要ではないが、一定のプロフィールを含むことができる。別の面に於いて、中央構造体67は、必要ではないが、(例えば図6Bに示されるような一つの特定の態様に於いて、鉛直質量流束52により)粒子流の通過を許容するための中空構造体であってよい。図6Bに示されるような一つの特定の態様に於いて、中央構造体67は、それに取り付けられたフィン46を有する中空構造体である。
【0035】
フィン66は、必要ではないが、好ましくは平滑な表面を含むことができる。フィン66は、全体的に平らな表面、全体的に湾曲した表面、捻れたもの又はその他又はこれらの任意の組合せを含むことができる。フィン66は、同じように間隔を空けて離れていてよく、そうでなくてよい。フィンは、同様の長さ、幅、半径その他を有することができ又はこれらは異なっていてよい。そのようなものとして、フィン66は、種々の鉛直質量流束又は局部質量流量を(例えば図6Bに示されるような一つの特別の態様に於いて、異なっている、質量流量又は鉛直質量流束53、54、55及び56により)作るように設計することができる。外側鉛直質量流量又は鉛直質量流束(例えば図6Bに示されるような一つの特別の態様に於いて、質量流量又は鉛直質量流束51による)が、外側構造体60の内部表面64と修正インサート60の外部表面65との間に形成され得ることが認められる。図6Bに示される鉛直質量流束(例えば鉛直質量流束51、52、53、54、55及び56)は、図6Cに更に示されることが更に認められ、図6Cは、修正インサート60を有する排出ユニット44”の断面を示す。図6Cは、材料が、外側構造体の内部表面64と修正インサート60の外部表面65との間、修正インサート60の内部表面63と中央構造体67の外部表面69との間及び中央構造体67の内部表面68の間を移動するとき、ブレンド材料の種々の質量流束61を示す。
【0036】
一つの面に於いて、修正インサート60は、本明細書中で検討されたような、排出ユニット44”(例えばブレンダー排出、造形機ホッパー又はその他)を通過する少なくとも1個の質量型流を規定することによって、種々の異なった粒子の半径方向偏析(例えば側面から側面へ)を実質的に減少させるために形作ることができる。別の面に於いて、修正インサートは、排出ユニット44”を通過する鉛直の1個若しくはそれ以上の質量流束、1個若しくはそれ以上の質量流量又は両方を規定することによって、種々の異なった粒子の軸方向偏析(例えば頂部から底部へ)を実質的に減少させるために形作ることができることが認められる。例えばブレンド偏析になる(例えば漏斗型流、静電気、渦巻き型流又はその他によって起こされ得る)プロセスに於いて、組成に於ける一時的な変動を減少させるために、複数の流束を有することが望ましいであろう。これは、成分の濃度に於ける変動が、1個又はそれ以上の特性に於ける変動になるとき、特に魅力的であろう。このようなものとして、図6B及び6Cに示されるように複数の鉛直質量流束を与えることによって、粒子の再組合せ(例えば再ブレンド)が達成され、それによって、異なった時間で製造された造形製品の特性及び/又は軸的に類似の微粒子化された成分の特性に於ける変動を減少させることができる。
【0037】
図1A及び1Bに示されるように、このプロセスは、均一な粒子ブレンドを排出ユニット、例えばホッパー5(好ましくは、インサート又は修正インサートを含む)に、そしてパーツ造形機15の中に供給する(例えば粒子ブレンドを、パーツ造形機のスクリュー及びバレルアセンブリの中に導入することによる)供給工程14、造形機内で粒子ブレンドを造形して、造形物品17を形成する(例えば造形工具、例えば金型、ダイ又はその他による)造形工程16又は両方の組合せを更に含む。
【0038】
ブレンダーから排出する工程及びパーツ造形機工程に供給する工程は、本明細書中に記載されたように、同じ装置若しくは工程(例えばブレンダー排出及びパーツ造形機のホッパーは、一緒に一体化されるか又は同じコンポーネントである)により又は異なった装置若しくは工程(例えばブレンダー排出及びパーツ造形機ホッパーは、一体化されていないか又は異なったコンポーネントである)により達成できる。このプロセスは、第一の材料、第二の材料、第三の材料又はこれらの任意の組合せの少なくとも1種を、本明細書中に記載した1個又はそれ以上の工程の間で(例えば少なくとも1個の材料供給源からブレンダーへ、ブレンダー排出からホッパー又はその他へ)運搬することを含む運搬工程18を含んでよい。
【0039】
本発明は、異なった材料を含有する固体ポリマー粒子のブレンドを受け入れるために形作ることができるパーツ造形機15を更に含む。このパーツ造形機の1個又はそれ以上の構成の例は、これらに限定されないが、ポリマーを溶融するために、熱エネルギー、機械的エネルギー若しくは両方を使用すること;異なった材料を混合する(例えば均質化する)ために剪断エネルギー又はその他を与えること;溶融ポリマーを造形物品に造形すること又はその他又はこれらの任意の組合せを含む。パーツ造形機の例は、これらに限定されないが、射出成形機、ブロー成形機、シート又はフィルム押出機、異形材押出機又はその他を含んでよい。更に、パーツ造形機は、複数の材料を使用してパーツを製造するために、別のパーツ造形機と結合させることができる(例えば共射出成形機、共押出機又はその他又はこれらの任意の組合せ)。
【0040】
典型的に、スクリュー及びバレルアセンブリを含んでよいパーツ造形機は、プラスチックパーツを製造する際に使用することができる。このスクリュー及びバレルアセンブリは、下記の構成、即ち約15:1よりも大きい長さ対直径比を有すること、スクリュー及びバレルアセンブリ内で、第一の材料、第二の材料及び第三の材料に適用することができる、少なくとも約100psiの背圧を有すること、スクリュー及びバレルアセンブリ内で使用することができる約25〜約250rpmのスクリュー速度を有すること、約180〜約270℃の温度を有すること又はこれらの任意の組合せの1個又はそれ以上を含むことができる。好ましいプロセスは、均一なペレットブレンド中のポリマー材料(例えば第一の材料、第二の材料及び第三の材料)の少なくとも1種、更に好ましくは全てが、溶融状態にある、スクリュー及びバレルアセンブリ内の温度を使用する。
【0041】
特許文献1(Jones等、2007年4月17日出願)及び特許文献2(Wevers等、2007年6月25日出願)(これらは、共に、参照して、本明細書中に明示的に含める)中で検討されているように、スクリュー及びバレルアセンブリのスクリューは、分散的及び分布的混合を与えるように適合させることができる。これは、例えば複数の流入チャンネル及び流出チャンネルの両方、分散的混合を与えるための少なくとも1個のアンダーカットを含む混合ねじ山、分布的混合を与えるための少なくとも1個のバイパスチャンネル又は分散的混合及び分布的混合のための他の公知の手段を含んでよい。このスクリューは、分散的混合及び分布的混合を与えるための上記の手段の組合せと適合できることも期待される。
【0042】
このパーツ造形機によって製造された造形パーツは、任意のサイズ又は形状のものであってもよい。好ましくは、この造形パーツは、1gよりも大きい、好ましくは3gよりも大きい、最も好ましくは10gよりも大きい質量を有する。この造形パーツは、好ましくは、ペレット又は追加のスクリュー及びバレルアセンブリ内で溶融加工することを意図する他のパーツではない。
【0043】
存在するとき、この粒子ブレンドを、材料供給源からブレンダーへ、ブレンダーからパーツ造形機又はその他へ、運搬する工程13は、適切な運搬距離に亘って生じるであろう。更に、この運搬距離は、典型的には約100メートル以下、もっと長いかもしれないが、更に典型的には約50メートル以下、最も典型的には約10メートル以下であろう。本発明の一つの態様に於いて、この運搬距離は、好ましくは、8メートル未満、更に好ましくは5メートル未満、最も好ましくは3メートル未満にすべきである。
【0044】
この粒子ブレンドを、ブレンダーからパーツ造形機へ運搬する工程13は、粒子ブレンドを、複数のパーツ造形機に配布する(例えば供給する)工程を含むことができる。即ち単一のシステムは、ドライブレンドした成分を、複数のパーツ造形機に供給する。
【0045】
この運搬工程は、粒子コンベヤー13を使用して、均一な粒子ブレンドを運搬することを含んでよい。例えばこの運搬工程は、粒子ブレンド(即ち均一な粒子ブレンド)を、出口開口を有する運搬管に通して、ブレンダー又はホッパー(例えばインサート又は修正インサートを有する排出ユニットを含むブレンダー又はホッパー)の中に、粒子ブレンドが、ブレンダー又はホッパーの受け入れ領域の中に流れるように、運搬する工程を含んでよい。粒子ブレンドがこの管から出るとき(即ち管の出口開口で)、粒子ブレンドの平均流れ方向は、好ましくは、全体的に下向き方向である。例えば平均流れ方向と下向き鉛直方向との間の角度は、約30°よりも小さい、好ましくは約10°よりも小さい、更に好ましくは約5°よりも小さい、最も好ましくは約2°よりも小さいであろう。運搬管から出る粒子ブレンドの流れは、本質的に渦巻きが作られないように、正接流れを実質的に含まないであろう。この運搬管は、例えばホッパーの蓋(例えば蓋の頂部で)に、好ましくは蓋の中心又は中心付近で連結されていてよい。
【0046】
この運搬は、これらに限定されないが、重力流、空気運搬又はこれらの組合せを含む任意の適当な手段によってできる。好ましくは、運搬条件は、ホッパー内の材料の上部層が、実質的に跳躍を含まないようなものである。この運搬条件は、例えば比較的低い流量、比較的低い真空又は両方を含んでよい。
【0047】
ブレンダー又はホッパーの受け入れ領域に入る際に、このペレットブレンドは、粒子の流れを一層均一に全体的に分布させるために、ディストリビューター又は他の装置に通して又はこれらの上を通過させることができる。ディストリビューターは、均一な粒子ブレンドの平均速度、速度の標準偏差又は両方をもたらすことができる。例えばディストリビューターは、平均速度(例えば速度の下向き成分)を減少させる及び/又は速度の外向き半径方向を増加させることができる。ディストリビューターは、全体的に水平である(例えば20°よりも小さい、好ましくは約12°よりも小さい、更に好ましくは約8°よりも小さい、最も好ましくは約4°よりも小さい角度を有する)ホッパー内のペレットブレンドの頂表面になり得る。ディストリビューターは、ホッパーに、ホッパーの蓋に又は運搬管に取り付けることができる。一般的に、ディストリビューターは、運搬管内で、運搬管の端部に又は運搬管の出口開口の下に配置されるであろう。適切なディストリビューターは、固体表面、例えば平らで全体的に水平なプレート若しくはディスク又は全体的に上向きで内側向きに傾斜した表面、例えば上向きに尖った円錐若しくは角錐等を有する他のものを有するディストリビューターを含む。他の適切なディストリビューターは、粒子の35%未満(好ましくは28%未満、更に好ましくは15%未満)が、任意の単一開口を通過するように、複数の開口を有するもの(例えばメッシュ)を含む。図7を参照して、ディストリビューター74は、ホッパー蓋70に取り付けることができる。例えばディストリビューターは、ホッパー蓋72の底部上のもののように、ホッパーの中央入口76に連結することができる。図7に示されるディストリビューターは、4個の開口78を有する。しかしながら、より多くの又はより僅かな開口を使用することができる(前記検討したように、ディストリビューターは、入口の下に配置された平らな水平プレート又はディスクのように、開口を有しなくてよい)。開口を有するディストリビューターは、好ましくは、少なくとも3個の開口、更に好ましくは少なくとも4個の開口を含む。ディストリビューター開口78は、図7に示されるように、サイズ及び形状に於いて一般的に同様であってよく又はこれらはサイズ及び形状に於いて変わり得る。
【0048】
この運搬管は、任意の適切な材料から作ることができる。好ましくは、運搬管は、導電性材料(例えば導電性金属)から作ることができ又は電気を伝導する手段を含む(例えば好ましくは運搬管の内部に、金属線又はメッシュを使用する)。
【0049】
本発明の一つの面に於いて、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の計量の低い変動性を有することが望ましいであろう。計量に於ける変動性の一つの尺度は、変動係数であり、これは、計量量の標準偏差を計量量の平均によって割ることによって得られる商として定義され、ここで、標準偏差及び平均は、計量量をサンプリングすることによって得られる。一つの具体例に於いて、ブレンダーの中への1種又はそれ以上の材料の計量量の変動係数は、5%未満、好ましくは3%未満でなくてはならない。
【0050】
本発明の一つの態様に於いて、粒子ブレンドは、ブレンダーからパーツ造形機の中に直接的に供給することができると更に考えられる。好ましくは、粒子ブレンドをパーツ造形機の中に直接的に供給するこの工程は、運搬工程を使用することなく達成することができる。
【0051】
本発明に於ける好ましいプロセスは、粒子ブレンドを、パーツ造形機の受け入れ点(例えばホッパーの受け入れ点)の中に供給する前に、複数の成分(例えば第一の材料、第二の材料及び第三の材料)を一緒に予備配合(即ち溶融ブレンド)するための工程が存在しないとして特徴付けることができる。しかしながら、このプロセスは、全部ではないにしても幾つかの成分(例えば第一の材料、第二の材料及び第三の材料の最大2種)を予備配合する工程を含むことができることが更に認められる。
【0052】
本発明は、パーツ造形機15の中に1種又はそれ以上の添加剤を導入することを更に含むことができると考えられる。これらの添加剤は、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の少なくとも1種の中に含まれてよく又は1種又はそれ以上の追加の材料として含まれてよい。限定無しに、この添加剤は、複数の異なった微粒子化された成分の少なくとも1種の、アグロメレーション、偏析又は両方を減少又は実質的に排除すらすることができる。
【0053】
例えば本発明の一つの好ましい態様に於いて、この材料の1種、好ましくは第二の材料、即ち微粒子充填剤及び第二のポリオレフィンの混合物は、追加的に、少なくとも1種の帯電防止化学薬品を含有することができる。帯電防止成分は、好ましくは、内部帯電防止剤であり、イオン性(例えばカチオン性若しくはアニオン性)帯電防止化学薬品、非イオン性帯電防止化学薬品又はイオン性帯電防止化学薬品と非イオン性帯電防止化学薬品との混合物であってよい。一つの好ましい態様に於いて、帯電防止化学薬品は非イオン性である。一つの好ましい態様に於いて、有効な非イオン性帯電防止化学薬品は、吸湿性、それらが表面に移動できるほど十分に小さい又は両方の組合せであってよい。表面に移動した後、帯電防止化学薬品の親水性部分は大気水分に水素結合し、それによって、おそらく表面上に水の薄いコーティングを形成することができる。この水のコーティングは、典型的には、帯電防止特性を与えると考えられる。
【0054】
ポリオレフィン中に一般に使用される非イオン性帯電防止化学薬品の例には、これらに限定されないが、モノグリセリド、エトキシル化脂肪酸アミン、ジエタノールアミド又はその他又はこれらの任意の組合せが含まれる。モノグリセリドは、典型的には、グリセロールと脂肪酸との反応によって形成することができるモノエステルである。
【0055】
例示的モノグリセリドのための一般式は、
【0056】
【化1】

【0057】
(式中、Rは、アルキル基又はアリール基である)
である。典型的には、Rは、少なくとも約10個の炭素原子を含有し、好ましくはRは、約12〜約22個の炭素原子を含有する。一つの具体例に於いて、モノグリセリドは、グリセロールモノステアレート(式中のRは、主としてCH3(CH216である)である。代表的なジエタノールアミドは、ジエタノールラウラミドである。
【0058】
1種の例示的エトキシル化脂肪酸アミンの構造は、
【0059】
【化2】

【0060】
(式中、Rは、アルキル基又はアリール基である)
によって与えられる。典型的には、Rは、少なくとも約10個の炭素原子を含有し、好ましくはRは、約12〜約22個の炭素原子を含有する。
【0061】
1種の例示的ジエタノールアミドの構造は、
【0062】
【化3】

【0063】
(式中、Rは、アルキル基又はアリール基である)
によって与えられる。典型的には、Rは、少なくとも約10個の炭素原子を含有し、好ましくはRは、約12〜約22個の炭素原子を含有する。
【0064】
帯電防止剤の使用は、ポリマーの分野に於いて公知であるが、これらは、主として、完成製品中に特定の帯電防止構成を与えるために使用される。本発明の場合には、帯電防止剤は、製品を加工、例えば射出成形する前に、粒子の偏析を減少させるために使用される。
【0065】
第二の材料中に使用される場合、帯電防止化学薬品の濃度は、第二の材料の合計重量基準で、約5重量%よりも少なくてよい。例えば帯電防止化学薬品の濃度は、成分(例えば第一の材料、第二の材料又は第三の材料)の合計重量基準で、約0.1%〜約2.5%、好ましくは約0.5%〜約2.0%の範囲であってよい。
【0066】
本発明の別の面は、配合される熱可塑性ポリオレフィン(TPO)に等価であってよい、混合、コンシステンシー又は両方のレベルを達成する能力に関する。例えばTPOは、典型的には、a)第一のポリオレフィン(例えばポリプロピレン又はその他)及びb)第二のポリオレフィン(例えばエラストマー又はその他)のブレンドである。TPOは、添加剤、例えば充填剤(例えばタルク又はその他)、離型剤、酸化防止剤、UV安定剤、熱安定剤、加工助剤又はその他又はこれらの任意の組合せを更に含有することができる。これらの成分の全ては、パーツ造形機内に受け入れられる前に、ドライ混合(即ち固体状態で混合)することができる。先行技術に於いては、第一の材料、第二の材料及び第三の材料は、パーツ造形機の中に添加する前に、全て溶融状態で配合されるか又はその代わりに、これらは、不均質になり得る粒子の混合物としてパーツ造形機の中に添加される。
【0067】
第一のポリオレフィンは、ポリプロピレン又はその他を含むことができる。第二のポリオレフィンは、第一のポリオレフィン、1種若しくはそれ以上の他のポリオレフィン又は両方の組合せを含むことができる。一つの好ましい態様に於いて、第二の材料はポリプロピレン(例えば第一の材料のポリプロピレン)、エラストマー(例えば第三の材料のエラストマー)又はこれらの組合せを含む。
【0068】
代表的TPO組成物は、特許文献1、特許文献2及び米国特許第5,576,374号明細書(全て、参照して本明細書中に含める)中に開示されている。
【0069】
この第一のポリオレフィンは、典型的には、比較的堅い。そのようなものとして、第一のポリオレフィンは、約200MPaよりも大きい、好ましくは約400MPaよりも大きい、更に好ましくは約600MPaよりも大きい、最も好ましくは約700MPaよりも大きい、(ASTM D−790に従って試験した2%割線モジュラスによって測定したときの)曲げ弾性率を有する熱可塑性樹脂を含有してよく又はこれから本質的になっていてよい(例えば第一のポリオレフィンの合計重量基準で、少なくとも70重量%、更に好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%からなる)。第一のポリオレフィンは、約1800MPaよりも小さい、好ましくは約1400MPaよりも小さい曲げ弾性率を有する熱可塑性樹脂を含有してよく又はこれから本質的になっていてよい。第一のポリオレフィンは、ポリプロピレンホモポリマー(例えばアイソタクチックポリプロピレン)、ポリプロピレンコポリマー(例えばランダムポリプロピレンコポリマー、ポリプロピレンインパクトコポリマー)又は任意の組合せを含有することができる。第一の材料は、典型的には、全ブレンド重量の、20重量%よりも大、更に具体的に40重量%よりも大、更に具体的に約45〜約90重量%(なお更に具体的に約45〜約80重量%)を表すであろう。
【0070】
次に第二の材料に転じて、これは、典型的には、微粒子化された充填剤及び第二の熱可塑性ポリマー(例えば第二のポリオレフィン)の混合物を含有するであろう。多数の技術で開示された充填剤(例えば雲母、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、二酸化チタン、木材)の何れかを使用することができるが、好ましい充填剤はタルク(例えば3MgO・4SiO2・H2Oから本質的になるもの)である。この充填剤は、任意の適切な中央粒子サイズ、例えば約0.01〜10ミクロンを有していてよい。この充填剤は、典型的に、第二の材料の合計重量の85重量%未満、更に具体的に約75重量%未満を表すであろう。更に、この充填剤は、典型的には、全ブレンド重量の約2〜約30重量%、更に具体的に約5〜約20重量%を表すであろう。
【0071】
第三の材料のエラストマーは、ポリプロピレンに改良された耐衝撃性を与えるための、当該技術分野で公知の多数のエラストマーの何れか1種又はそれ以上を含むことができる。エラストマーの例には、これらに限定されないが、エチレン−プロピレンゴム、EPDMゴム、エチレン−α−オレフィンコポリマー(例えばENGAGE(登録商標)ポリオレフィンエラストマー)、線状エチレンコポリマー又は共重合体(「LEP」としても知られている)及び実質的に線状のエチレンコポリマー又は共重合体(「SLEP」としても知られている)を含む。第三の材料のエラストマーは、好ましくは、(溶融物から約10℃/分の速度で冷却する熱履歴の後、約10℃/分の速度の加熱速度で、示差走査熱量測定によって測定したとき)約40℃よりも高い、好ましくは約50℃よりも高い溶融温度又はガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂である。第三の材料のメルトインデックスは、ASTM D1238に従って、190℃で2.16kgの荷重で試験したとき、約0.5〜約500dg/分であってよく、第三の材料のエラストマーは、典型的には、第一のポリオレフィンの曲げ弾性率よりも小さい、(ASTM D790、2%割線モジュラスに従って試験した)曲げ弾性率を有するであろう。好ましくは、第三の材料のエラストマーは、約150MPaよりも小さい、更に好ましくは約100MPaよりも小さい、なお更に好ましくは約60MPaよりも小さい、最も好ましくは約30MPaよりも小さい曲げ弾性率を有する。第三の材料のエラストマーは、約1MPaよりも大きい、好ましくは約2MPaよりも大きい、更に好ましくは約4MPaよりも大きい、最も好ましくは約8MPaよりも大きい曲げ弾性率を有することができる。
【0072】
このエラストマーは、典型的には、あるいはそれより多いかもしれないが全粒子ブレンド重量の約80重量%よりも少量を表す。更に具体的に、このエラストマーは、典型的には、全ブレンド重量の約50重量%よりも少なく、最も具体的に約40重量%よりも少なく表すであろう。例えばこのエラストマーは、全ブレンド重量の約10〜約30重量%の範囲内で存在するであろう。粒子ブレンド中のポリオレフィン及びエラストマーの合計濃度は、粒子ブレンドの合計重量基準で、約55重量%よりも大きく、好ましくは65重量%よりも大きく、更に好ましくは約70重量%よりも大きく、最も好ましくは約80重量%よりも大きく(例えば約90重量%よりも大きく)てよい。
【0073】
1種又はそれ以上の追加の材料を、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の1種又はそれ以上とブレンドすることもできることが更に認められる。追加の材料の例は、これらに限定されないが、追加のポリオレフィン、追加のエラストマー、着色剤、粉砕再生材料、添加剤、添加剤マスターバッチ又はその他又はこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0074】
再び図1Bを参照して、本発明は、造形物品を製造するための種々のシステム9を更に提供することができる。一つのシステムは、第一のポリオレフィンを含有する第一の材料、微粒子化された充填剤及び第二のポリオレフィンの混合物を含有する第二の材料並びにエラストマーを含有する第三の材料の、別個の源泉11、11’、11”を含む。システムは、鉛直との第一の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面を含む、閉じた周囲を有する外側構造体(例えば円錐、例えばフラストコニカル円錐、収束多面体、例えば角錐、正四面体又はその他)及びブレンダー排出を使用するブレンダー20を更に含むことが意図される。このブレンダーは、典型的には、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の複数の粒子をブレンドして、全体的に均一なブレンドを形成するために、当業者によって知られているブレンド手段、例えばパドル、フィン又は他の手段を含む。このシステムは、ブレンダー排出ユニット19内に、造形機へのフィーダー(例えばホッパー5)に又は両方の組み合わせ内に配置されたインサートを更に含んでよい。このインサートは、外側構造体内に同軸的に支持され、鉛直との第二の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面を含む、閉じた周囲を有する内側構造体を含む。外側構造体の第一の角度は、必要ではないけれども、内側構造体の第二の角度よりも大きくてよいことが認められる。インサートは、ブレンド工程(例えば排出ユニットにより)の後で均一な粒子ブレンドを実質的に維持するように形作ることができることが認められる。任意的に又は代替として、インサートは、排出ユニット内に質量流を課すことによって類似の粒子の潜在的な偏析の有効な再組合せ(例えば再ブレンド)を許容するように形作ることができる。好ましくは、均一な粒子ブレンドを実質的に維持する工程、再組合せ工程又は両方は、排出ユニットを通過する類似の粒子の半径方向偏析、軸方向偏析又は両方を減少又は実質的に排除するように、1個又はそれ以上の質量流量の手段によって達成できる。このシステムは、均一な粒子ブレンドを造形物品17に造形するために設定されたパーツ造形機15を含むこともでき、パーツ造形機は、ブレンダー排出ユニット19、造形機のホッパー又は両方の組合せによって、ブレンダーと連通状態になっていてよい。このシステムは、個々の材料、ブレンドされた材料又は両方の組合せを、システムのそれぞれのコンポーネントに及びそれから運搬するための手段13を更に含んでよいことが意図される。
【0075】
本発明の一つの面に於いて、第二の材料は、微粒子化された充填剤、第二のポリオレフィン及びグリセロールモノステアレート、エトキシル化脂肪酸アミン、ジエタノールアミド又はこれらの任意の組合せを有する帯電防止剤の混合物を含有することができる。
【0076】
このシステムは、1種又はそれ以上の異なった微粒子化された成分を計量するための、少なくとも1個のスライド−ゲートアセンブリーを含むことができることが更に意図される。一つの面に於いて、この材料は、ブレンダーに供給されている際に計量される。スライド−ゲートアセンブリーは、含まれる場合、1種又はそれ以上の粒子の凝集を実質的に防止するように形作られたバルブインサート(例えば楔形、湾曲形又はその他)を有するバルブを含むことができる。粒子の凝集は、スライド−ゲートが開放位置に支持され、それによって、スライド−ゲートアセンブリーを通過する第一の材料、第二の材料及び第三の材料の1種又はそれ以上の誤供給を起こすような、スライド−ゲートのジャミング(jamming)を誘発する可能性がある。
【0077】
本発明は、集中化ブレンド環境中で使用することもできることがなお更に意図される。この環境は、インサート付き排出ユニットを有する1個又はそれ以上のブレンダー(例えば大規模ブレンダー又はその他)に供給される2個又はそれ以上の供給源(例えば成分)を含むことができる。本明細書中で検討されたように、インサートは、排出ユニット、好ましくはブレンダーの排出ユニット内の質量流を実質的に規定することにより、(ブレンダーの手段により)、均一な粒子ブレンドからの偏析された類似の粒子を再組合せするために形作ることができる。典型的には、より小さい規模のブレンダーを、本明細書中で検討されたような造形機のフィーダー(例えばホッパー)で使用することができる。数個のパーツ造形機を使用する用途に於いて、それぞれのパーツ造形機と共に、より小さい規模のブレンダーを導入することは、特に、多数のパーツ造形機を、同様の成分を含有する組成物を使用して物品を造形する際に使用するとき、費用効果的ではないであろうことが考えられる。集中化ブレンドプロセスを使用することによって、幾つかの用途に共通であり得る成分のマスターバッチを、インサートを有する排出ユニットを含むより大規模なブレンダーを使用してブレンドすることができる。このようにする際に、集中化ブレンドは、長い運搬距離に亘って均一な粒子混合物の偏析を減少させることができる。任意的に、本明細書中に記載された良好な受け入れシステム(例えばフィーダー又はホッパー)及びインサート技術によって、受け入れ点での再混合を利用できることが認められる。
【0078】
TPOの重要な性能特徴の幾つかには、引張弾性率、衝撃強度、熱変形温度、密度及び収縮が含まれる。引張弾性率測定はASTM D638により、ノッチ付きアイゾット衝撃 強度測定はISO 180/5Aにより、インスツルメンテッド落槍衝撃(instrumented dart impact)(IDI)エネルギー測定はASTM D3763−86により、熱変形温度測定はASTM D648により、密度測定はASTM D792により及び収縮測定はASTM D955による。プロセスの一貫性における改良は、上記の特性の何れかの標準偏差に於ける減少によって示すことができる。
【0079】
完成パーツに於けるブレンドの一貫性を評価するための追加の試験方法は、灰分レベル決定及びパーツ重量測定を含む。灰分レベルは、完成パーツから取り出した2〜4グラムのサンプルを加熱し、650℃まで加熱し、それによって有機化合物を燃焼させ、無機残渣を残すことによって測定する。この灰分レベルは、残留する物質の重量パーセントとして定義される。パーツ重量は、秤の上でパーツの質量を単純に測定することによって得られる。プロセスの一貫性に於ける改良は、灰分レベルの標準偏差に於ける減少及び/又はパーツ重量の標準偏差に於ける減少によって示すこともできる。
【実施例】
【0080】
ポリプロピレンの粒子、ENGAGE(登録商標)DA10ポリオレフィンエラストマー(0.87の密度を有するエチレン−オクテンコポリマー)、タルクマスターバッチ及び着色剤を、重力ブレンダー内でブレンドする。タルクマスターバッチには、60.0%のタルク、5%未満の添加物及び残りのポリプロピレンが含有されている。粒子ブレンド中のENGAGE(登録商標)DA10の濃度は16%であり、着色剤の濃度は2%である。試行を、67%〜71%の間の種々の点で固定したポリプロピレン濃度及び11%〜15%の間の種々の点で固定されたタルクマスターバッチで行う。粒子ブレンドを、射出成形機のホッパーに移し、次いでバンパーファシア(bumper fascia)に造形する。
【0081】
実施例1
第一の実施例に於いて、粒子ブレンドプロセスは、タルクマスターバッチに1.5重量%のグリセロールモノステアレートを添加することによって改良される。射出成形したバンパーファシアの灰分レベルの標準偏差は、0.50%から0.37%まで減少される。
【0082】
実施例2
第二の実施例に於いて、射出成形機のホッパー内のブレンド偏析は、射出成形機の受け入れ点でのBINSERT(登録商標)の添加によって減少される。実施例1からの改良も使用される。灰分レベルの標準偏差は、0.37%から0.19%まで更に減少される。
【0083】
実施例3
第三の実施例に於いて、ブレンダーと射出成形機のホッパーとの間の距離を、約3.7mに減少する。この材料を固体状態でパイプ又はチューブに通して移動させるために流動気体(一般には、空気)を使用する、空気(pneumatic)運搬によって、ブレンダーから射出成形機まで運搬する。プラント配置に基づいて、長い運搬距離が必要な場合(例えば1台のブレンダーが、複数の射出成形機に材料を供給する場合)、複数の質量流量を与え、材料を有効に再混合する射出成形機ホッパー内に、ホッパーインサート(hopper insert)(例えばフィンによって改造されたCOMBIFLOW(登録商標)又はBINSERT(登録商標))を使用することが有利であろう。このようなインサートは、計量変動(dosing variation)に起因するパーツに於ける変動(例えば灰分レベル、パーツ重量及び衝撃強度の変動係数)を減少させることもできる。
【0084】
実施例4
第四の実施例に於いて、エラストマー(Engage DA10)を計量するためにバルブ内に使用されるスライド−ゲートは、エラストマーが、バルブの移動ゲートと静止壁との間で楔形にはまりこむようになるとき、完全に開くことができない。スライド−ゲートが開くとき、エラストマー粒子(例えばペレット)が楔形にはまりこむようになるのを防止するために、楔形インサートをバルブの壁の上に置く。このインサートは、ブレンド中のエラストマー濃度の変動係数を大きく減少させることができる。
【0085】
実施例5
実施例1の粒子ブレンドを、粒子ブレンドが接線方向で入るように、ホッパー蓋の側面に連結したコンベヤー管を使用して、透明なホッパーに運搬する。このコンベヤー管は、熱可塑性エラストマーから形成されており、静電気を制御するための銅線を有する。粒子ブレンドを運搬するために、比較的高い真空(約5600フィート/分の空気流速を作る)を使用する。ホッパー内に渦が形成される。ホッパーが約75%充填されたとき、真空を切る。ホッパー5の受け入れ領域80内の粒子ブレンドを、図8に示す。ホッパー内の粒子の上層84は、約30°の(水平面との)角度であり、粒子の偏析が目視で観察され、第一の領域86は、マスターバッチ粒子(暗色粒子)の比較的低い濃度を有し、第二の領域88は、マスターバッチ粒子の比較的高い濃度を有するようになっている。例えば静電荷による、ホッパーの内側鉛直壁82に付着した粒子は、実質的に存在しない。
【0086】
実施例6
実施例1の粒子ブレンドを、粒子ブレンドが下向き鉛直方向で入るように、ホッパー蓋の頂部中心に連結したコンベヤー管を使用して、透明なホッパーに運搬する。このコンベヤー管は、熱可塑性エラストマーから形成されており、静電気を制御するための銅線を有する。ディストリビューターを、コンベヤー管の出口開口の下に置く。粒子ブレンドを運搬するために、比較的低い真空(約4500フィート/分の空気流速を作る)を使用する。粒子ブレンドを運搬するとき、渦は形成されない。ホッパーが約75%充填されたとき、真空を切る。ホッパー5の受け入れ領域80内の粒子ブレンドを、図9に示す。ホッパー内の粒子の上層84’は、ほぼ平ら(即ち水平)である。粒子の偏析は目視で観察されず、マスターバッチ粒子の濃度は、種々の領域(例えば領域90、90’)に於いて本質的に一定である。例えば静電荷による、ホッパーの内側鉛直壁82に付着した粒子は、実質的に存在しない。
【0087】
実施例7
電気絶縁性熱可塑性樹脂から作られ、銅線又は電気伝導のための他の手段を含まない運搬管を使用して、実施例6の条件を繰り返す。帯電防止剤を含有していないポリプロピレン粒子のみを運搬し、ホッパーの中に供給する。図10に示されるように、ポリプロピレン粒子は、ホッパー5の内側壁82に付着する。ポリプロピレンの高さは、内側壁94付近で、中心領域92付近よりも高い。
【0088】
実施例8
帯電防止剤を含有する第一の材料及び帯電防止剤を含有しない第二の材料のブレンドを使用する以外は、実施例7の条件を繰り返す。第二の材料の濃度は、ホッパーの壁82付近で比較的高く、中心領域90付近で比較的低いと予想される。
【0089】
本明細書中に記載した任意の数値は、任意の低い値と任意の高い値との間に、少なくとも2単位の分離が存在するという条件で、1単位の増分で低い値から高い値までの全ての値を含む。一例として成分の量又はプロセス変数、例えば温度、圧力、時間等が、例えば1〜90、好ましくは20〜80、更に好ましくは30〜70であることを述べる場合、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32等のような値が、本明細書中で明示的に列挙されることが意図される。1よりも小さい値について、1単位は、必要に応じて、0.0001、0.001、0.01又は0.1であると考えられる。これらは特に意図される例に過ぎず、列挙される最低値と最高値との間の数値の全ての可能性のある組合せは、同様の方法で本明細書中に明示的に記載されるべきと考えられるべきである。判るように、本明細書中に「重量部」として表された量の教示は、重量パーセントに関して表された同じ範囲も意図している。従って、発明を実施するための形態中の「得られるポリマーブレンド組成物のx’重量部」に関しての範囲の表現は、「得られるポリマーブレンド組成物の重量パーセントでのx”」の同じく列挙した量の範囲の教示も意図している。
【0090】
他の方法で記載されていない限り、全ての範囲は、終点及び終点の間の全ての数値の両方を含む。範囲に関連する「約」又は「ほぼ」の使用は、範囲の両端に適用される。従って、「約20〜30」は、少なくとも特定の終点を包含し、「約20〜約30」をカバーすることを意図する。
【0091】
特許出願及び刊行物を含む全ての論文及び参照文献の開示は、全ての目的のために参照して含められる。組合せを記載するための用語「から本質的になる」は、同定された元素、成分、コンポーネント又は工程及び組合せの基本的で新規な特徴に著しく影響を与えない、このような他の元素、成分、コンポーネント又は工程を含むものとする。本明細書に於いて元素、成分、コンポーネント又は工程の組合せを記載するための、用語「を含んでなる(comprising)」又は「を含む」の使用は、この元素、成分、コンポーネント又は工程から本質的になる態様も意図する。
【0092】
複数の元素、成分、コンポーネント又は工程は、単一の統合した元素、成分、コンポーネント又は工程によって与えることができる。その代わりに、単一の統合した元素、成分、コンポーネント又は工程は、分離した複数の元素、成分、コンポーネント又は工程に分割することができる。元素、成分、コンポーネント又は工程を記載するための単数形(“a”又は“one”)の開示は、追加の元素、成分、コンポーネント又は工程を排除することを意図しない。一定の族に属する元素又は金属に対する本明細書に於ける全ての参照は、CRC Press,Inc.によって1989年に刊行され、著作権を有する、元素周期表を参照する。族又は族群に対する任意の参照は、族に番号を付けるためのIUPACシステムを使用してこの元素周期表に反映されるような族又は族群に対するものとする。
【0093】
本明細書中に使用されるとき、用語「ポリマー」及び「重合」は、総括的なものであって、それぞれ、「ホモ−及びコポリマー」並びに「単独−及び共重合」の更に特定の場合の何れか又は両方を含むことができる。
【0094】
前記の説明は、例示であり、限定ではないことを意図することが理解される。記載された実施例の他の多数の態様及び多数の用途は、前記の説明を読んだ当業者に明らかであろう。従って、本発明の範囲は、前記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、付属する特許請求の範囲を参照し、このような特許請求の範囲が与える均等の全範囲と共に決定されるべきである。特許出願及び刊行物を含む全ての論文及び参照文献の開示は、全ての目的のために参照して含められる。本明細書中に開示された主題の任意の面の下記の特許請求の範囲中の脱落したものは、このような主題の放棄ではなく、本発明者らが、このような主題が、開示された発明主題の一部であると考えなかったと見なされるべきでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)複数の異なった微粒子化された成分をドライブレンドして、均一な粒子ブレンドを形成する工程、
b)前記ブレンドを、インサートを有する排出ユニットに通して流すことによって、粒子ブレンドを再ブレンドし、粒子ブレンドの偏析を実質的に防止する工程(ここで、前記インサートの内側の流れは質量流によって特徴付けられ、前記インサートの外側の流れは質量流によって特徴付けられる)、
c)前記再ブレンドした粒子ブレンドを、パーツ造形機械のスクリュー及びバレルアセンブリの中に導入する工程、
d)前記微粒子化された成分を、スクリュー及びバレルアセンブリ内で溶融ブレンドして、溶融ブレンドを形成する工程並びに
e)前記溶融ブレンドをパーツ造形機械内で造形して、造形物品を形成する工程
からなる、造形物品の製造プロセスであって、
このプロセスが、ドライブレンド工程と、再ブレンドした粒子ブレンドを前記スクリュー及びバレルアセンブリの中に導入する工程との間に、複数の異なった微粒子化された成分を溶融ブレンドする工程を含まず、そして前記造形物品が、約1gよりも大きい質量を有する製造プロセス。
【請求項2】
複数の異なった微粒子化された成分が、
第一のポリオレフィンを含有する第一の材料
微粒子化された充填剤及び第二のポリオレフィンの混合物を含有する第二の材料並びに
エラストマーを含有する第三の材料
を含有し、前記エラストマーが、約40℃よりも高い溶融温度又はガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂である請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
第一の材料、第二の材料又は第三の材料の少なくとも1種が、
i)実質的に類似の粒子の凝集を減少させるための添加剤、
ii)排出ユニットの壁に沿った材料の蓄積を減少させる、粒子の固有の偏析を減少させる若しくは両方のための帯電防止剤化合物又は
iii)i)及びii)の両方
を更に含有する請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
第一の材料、第二の材料又は第三の材料の少なくとも1種が、吸湿性である帯電防止剤化合物を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
第一の材料、第二の材料又は第三の材料の少なくとも1種が、モノグリセリド、エトキシル化脂肪酸アミン及びジエタノールアミドからなる群から選択された帯電防止剤化合物を含有し、この帯電防止剤化合物の濃度が、帯電防止剤含有材料の合計重量基準で約5%よりも低い請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
ドライブレンド工程の前に、前記プロセスが、更に、第一の材料、第二の材料及び第三の材料の最大2種を予備配合する工程からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記排出ユニットが、鉛直との第一の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面を有する外側構造体を含み、このインサートが、外側構造体内に支持され、前記第一の角度よりも小さい、鉛直との第二の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面を有する内側構造体を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記外側構造体の内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面が、一般的に、前記粒子ブレンドの第一の部分を排出するための、外側構造体の底に配置されている第一の開口まで伸びており、前記内側構造体の内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面が、一般的に、粒子ブレンドの第二の部分を排出する、内側構造体の底に配置されている第二の開口まで伸びている請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記排出ユニットを通る水平面で、第一の平均鉛直質量流束、F1が、前記外側構造体の内部表面と前記内側構造体の外部表面との間に形成され、第二の平均鉛直質量流束、F2が、この内側構造体の内部表面の間に形成される(ここで、F1とF2との比は、約0.1〜約10である)請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記外側構造体の環状の内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面と水平面との間の第一の角度が、約60度よりも大きい、請求項7〜9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記インサートが、異なった質量流速を有する前記インサート内の少なくとも2個の領域を含む、第二の質量流を規定するための内側構造体の内側表面に取り付けられた複数のフィンを含み、ここで、前記2個の領域が、同じ水平面上に存在する、請求項7〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記インサートが、中央質量流量の通過を許容するように形作られた中央構造体を更に含み、前記中央構造体がインサート内を下方に縦方向に伸びており、全体的に一定の横断面を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記排出ユニットの内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面、このインサートの内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面又は両方が、フラストコニカルに閉じた環状構造体を有する円錐、収束壁を有する多面体又は両方の組合せである請求項7〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
第一の材料、第二の材料及び第三の材料の1種又はそれ以上が、ブレンダーへの供給工程の前に、スライド−ゲート内に蓄積するようになることを防止するためのバルブインサートを有する、スライド−ゲートを制御する工程を更に含んでなり、(ここで、バルブインサートは楔形状又は湾曲形状である)請求項1〜13のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記均一な粒子ブレンドを、ブレンダーからパーツ造形機まで運搬する工程を更に含んでなる、請求項1〜14のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ブレンダーが重力ミキサーであり、前記パーツ造形機が射出成形機である又は両方である請求項1〜15のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記造形機に供給する工程が、前記均一な粒子ブレンドをスタティックミキサーに通過させる工程を含む請求項1〜16のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記均一な粒子ブレンドが、第一の熱可塑性樹脂を含有する第一の材料、微粒子化された充填剤及び第二の熱可塑性樹脂の混合物を含有する第二の材料を含んでなり、
前記第一の熱可塑性樹脂が、エラストマー、ポリオレフィン又は両方を含有し、前記第二の熱可塑性樹脂が、エラストマー、ポリオレフィン又は両方を含有し、
前記均一な粒子ブレンドの合計重量基準で、前記第一の材料が約30〜約90重量部の濃度で存在し、前記第二の材料が約10〜約50重量部の濃度で存在し、そして
前記均一な粒子ブレンドが、前記均一な粒子ブレンドの合計重量基準で、約3重量%よりも高い合計エラストマー濃度及び約30重量%よりも高い合計ポリオレフィン濃度を含有する請求項1〜17のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記プロセスが、
a)i)約30〜約90重量部の、第一のポリオレフィンを含有する第一の材料、
ii)約50重量部以下の、微粒子化充填剤、第二のポリオレフィン及びグリセロールモノステアレート、エトキシル化脂肪酸アミン、ジエタノールアミド又はこれらの任意の組合せを有する帯電防止剤の混合物を含有する第二の材料並びに
iii)約3〜約40重量部の、エラストマーを含有する第三の材料を、
それぞれ、少なくとも1個の供給源からブレンダーに、個々に供給する工程、
b)第一の材料、第二の材料及び第三の材料の1種又はそれ以上が、ブレンダーによって受け入れられる前に、少なくとも1個のスライド−ゲート内に蓄積するのを防止するために形作られた楔形のバルブインサートを有する、少なくとも1個のスライド−ゲートを制御する工程並びに
c)均一な粒子ブレンドを、ブレンダーからパーツ造形機に運搬する工程
を更に含み、
ブレンド工程が、ブレンダー内で、複数の第一の材料、第二の材料及び第三の材料の粒子をブレンドして、均一な粒子ブレンドを形成することを含み、
排出ユニットが、鉛直との第一の角度を形成するフラストコニカルに閉じた環状の内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面を有する外側円錐を含み、インサートが、外側円錐内に同軸的に支持され、第一の角度よりも小さい、鉛直との第二の角度を形成する、閉じた環状の内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面を有する内側円錐を含み、そして
外側円錐の内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面が、一般的に、第一の材料、第二の材料及び第三の材料を排出するための、外側円錐の底に配置されている第一の開口まで伸びており、内側円錐の内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面が、一般的に、第一の材料、第二の材料及び第三の材料を排出する、内側円錐の底に配置されている第二の開口まで伸びており、第一の開口及び第二の開口が、互いに対して、実質的に共通又は非共通の位置にある請求項1に記載のプロセス。
【請求項20】
前記ブレンダーが集中化ブレンダーであり、前記プロセスが、均一な粒子ブレンドを複数のパーツ造形機に運搬する工程を含む請求項1〜19のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記運搬工程が、
i)前記均一な粒子ブレンドを、排出ユニットの受け入れ領域で出口開口を有する全体的に密閉のチューブに通して運搬すること、ここで、前記出口開口での粒子ブレンドの平均流れ方向と、下向きの鉛直方向との間の角度は、約30°よりも小さい、
ii)前記均一な粒子ブレンドを、排出ユニットの受け入れ領域でディストリビューターに通過させること(ここで、前記ディストリビューターは、均一な粒子ブレンドの平均速度、速度の標準偏差若しくは両方を変える)又は
iii)(i)及び(ii)の両方
を含む請求項15〜20のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項22】
a)第一の材料、第二の材料及び第三の材料の分離した源泉と連通状態にあるブレンダー;
b)前記ブレンダーと連通状態にある排出ユニット、ここで、前記排出ユニットは、鉛直との第一の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面を有する外側構造体を含み、そして前記排出ユニットは、外側構造体内に支持された内側構造体を有するインサートを含み、前記内側構造体は、第一の角度よりも小さい、鉛直との第二の角度を形成する、内側方向に且つ下側方向に傾斜している外部表面を有する、
c)排出ユニットと連通状態にあるパーツ造形機
を含んでなり、前記ブレンダーが、第一の材料、第二の材料及び第三の材料をブレンドして、全体的に均一な粒子ブレンドを形成するために形作られており、前記インサートが、排出ユニット内の質量流を実質的に規定することによって、均一な粒子ブレンドからの偏析された類似の粒子を再組合せするために形作られている請求項1〜21のいずれか1項に記載の造形物品の形成システム。
【請求項23】
前記システムが、
a)i)第一のポリオレフィンを含有する第一の材料、
ii)微粒子化された充填剤、第二のポリオレフィン及びグリセロールモノステアレート、エトキシル化脂肪酸アミン、ジエタノールアミド又はこれらの任意の組合せを有する帯電防止剤の混合物を含有する第二の材料並びに
iii)エラストマーを含有する第三の材料
の別個の源泉並びに
b)ブレンダーによって受け入れられる第一の材料、第二の材料及び第三の材料の1種又はそれ以上を計量するために形作られた少なくとも1個のスライド−ゲートアセンブリ(ここで、少なくとも1個のスライド−ゲートアセンブリは、スライド−ゲートアセンブリを通って流れる第一の材料、第二の材料及び第三の材料の少なくとも1種の遮断を実質的に防止するように形作られている)バルブインサートを有するバルブを含む、
を更に含んでなり、
排出ユニットが、鉛直との第一の角度を形成するフラストコニカルに閉じた環状の内側方向に且つ下側方向に傾斜している内部表面を有する外側円錐を含み、
ブレンダーが、第一の材料、第二の材料及び第三の材料をブレンドして、全体的に均一な粒子ブレンドを形成するために形作られており、
インサートが、更に、水平面で、外側構造体の内部表面と内側構造体の外部表面との間で第一の鉛直質量流束及びフィンと内側構造体の内部表面との間で複数の異なった第二の鉛直質量流束を作るように、内側構造体の内側に取り付けられた複数のフィンを含む請求項22に記載のシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−518682(P2011−518682A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550886(P2010−550886)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/037078
【国際公開番号】WO2009/114761
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】