説明

ポリ(アリーレンエーテル)組成物

ポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物を含んでなる組成物であって、当該組成物が6未満のカラーシフト(dE)を有する、組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリ(アリーレンエーテル)組成物に関する。詳しくは、本発明は良好な色安定性を有するポリ(アリーレンエーテル)/ポリ(アルケニル芳香族)ブレンドに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ(アリーレンエーテル)/ポリ(アルケニル芳香族)組成物は広範囲の望ましい性質を有し、各種の用途で使用されている。組成物が難燃剤を含む場合、用途の範囲を広げることができる。しかし、場合によっては、ポリ(アリーレンエーテル)/ポリ(アルケニル芳香族)組成物は時間の経過と共に変色することがある。
【0003】
時間の経過と共にほとんど又は全く変色を示さない難燃性のポリ(アリーレンエーテル)/ポリ(アルケニル芳香族)組成物に対するニーズが今なお存在している。
【特許文献1】米国特許第4493915号明細書
【特許文献2】米国特許第4636408号明細書
【特許文献3】米国特許第4668739号明細書
【特許文献4】米国特許第4835201号明細書
【特許文献5】米国特許第4843116号明細書
【特許文献6】米国特許第5026751号明細書
【特許文献7】米国特許第5045578号明細書
【特許文献8】米国特許第5478878号明細書
【特許文献9】米国特許第5672644号明細書
【特許文献10】米国特許第6576700号明細書
【特許文献11】米国特許第4785076号明細書
【特許文献12】米国特許第6677451号明細書
【特許文献13】米国特許第4683255号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2003/0023006号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2003/0176543号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2004/0063824号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2003/0207969号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2003/0220422号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2003/0100677号明細書
【特許文献20】国際公開第02/18485号パンフレット
【特許文献21】欧州特許第1129133号明細書
【特許文献22】英国特許第2043083号明細書
【非特許文献1】ASTM D4459−99 pages 1−4
【非特許文献2】ASTM D2244−02 pages 1−10
【非特許文献3】UL94 Tests for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances.December 12,2003
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物を含んでなる組成物であって、当該組成物がASTM D4459に準拠した300時間の耐候試験後にASTM D2244で測定して6未満のカラーシフト(dE)及びUL94法で厚さ3ミリメートルで測定したときにV1又はそれよりも優れた難燃性を有する組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
ポリ(アリーレンエーテル)組成物の色安定性はずっと以前から探求されてきた。長い年月にわたり、各種の光安定剤及び色安定剤が使用されてきたが、難燃性ポリ(アリーレンエーテル)組成物の色安定性の問題は未解決のままであった。意外にも、難燃剤の選択を色安定剤及び光安定剤の選択と組み合わせれば、難燃性ポリ(アリーレンエーテル)/ポリ(アルケニル芳香族)組成物の色安定性に対する顕著な効果が得られることが見出された。意外にも、(下記に記載するような)ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェートを含む組成物は、レゾルシノールジホスフェートのような他のホスフェート系難燃剤を含む組成物よりも格段に高い色安定性を示す。
【0006】
一実施形態では、組成物はポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物を含んでなり、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物はポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準にして2.5〜5重量%の合計量で存在しており、本組成物は6未満のカラーシフト及びUL94法で厚さ3ミリメートルで測定したときにV1又はそれよりも優れた難燃性を有している。カラーシフトは、組成物の試料をASTM D4459に従った耐候試験プロトコルに付した後に測定される。カラーシフト(dE)は、ASTM D2244に記載されているように分光光度計を反射モードで用いて測定されるL、a及びbに基づいて求められる。カラーシフトは、式dE=(dL*2+da*2+db*2)0.5に従って計算される。UL94は、「プラスチック材料の可燃性に関する試験、UL94」と称されるUnderwriter’s Laboratory Bulletin 94の方法の略語である。本組成物はさらに、光退色性染料、酸化防止剤、エポキシ化合物、顔料、染料、又は上述の添加剤の2種以上の組合せを含み得る。
【0007】
別の実施形態では、組成物はポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤、紫外線吸収化合物及びエポキシ化合物を含んでなる。本組成物は、5以下のカラーシフト(dE)及びUL94に準拠してV1又はそれよりも優れた難燃性を達成し得る。
【0008】
別の実施形態では、組成物はポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤、光退色性染料、紫外線吸収化合物、酸化防止剤及びエポキシ化合物を含んでなる。
【0009】
本明細書中で使用する「ポリ(アリーレンエーテル)」は、次の式(I)の構造単位を複数含んでいる。
【0010】
【化1】

式中、各構造単位について、各Qは独立に水素、ハロゲン、第一若しくは第二低級アルキル(例えば、炭素原子数1〜7のアルキル)、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルケニルアルキル、アルキニルアルキル、炭化水素オキシ、アリール、又はハロゲン原子と酸素原子とを2以上の炭素原子が隔てているハロ炭化水素オキシであり、各Qは独立に水素、ハロゲン、第一若しくは第二低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルケニルアルキル、アルキニルアルキル、炭化水素オキシ、又はハロゲン原子と酸素原子とを2以上の炭素原子が隔てているハロ炭化水素オキシである。若干の実施形態では、各Qは独立にアルキル又はフェニル(例えば、C1−4アルキル)であり、各Qは独立に水素又はメチルである。ポリ(アリーレンエーテル)は、通例はヒドロキシ基に対してオルト位に位置するアミノアルキル含有末端基を有する分子を含み得る。また、通例は副生物のジフェノキノンが存在する反応混合物から得られる4−ヒドロキシビフェニル末端基が存在することも多い。
【0011】
ポリ(アリーレンエーテル)は、ホモポリマー、コポリマー、グラフトコポリマー、イオノマー、ブロックコポリマー(例えば、アリーレンエーテル単位とアルケニル芳香族化合物から導かれるブロックとを含むもの)、並びにこれらの1種以上を含む組合せの形態を有し得る。ポリ(アリーレンエーテル)には、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を任意には2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と共に含むポリフェニレンエーテルがある。
【0012】
ポリ(アリーレンエーテル)は、2,6−キシレノール及び/又は2,3,6−トリメチルフェノールのようなモノヒドロキシ芳香族化合物の酸化カップリングで製造される。かかるカップリングには一般に触媒系を使用する。触媒系は、銅、マンガン又はコバルトの化合物のような重金属化合物を、通常は他の各種物質(第二アミン、第三アミン、ハロゲン化物、又はこれらの2種以上の組合せ)と共に含み得る。
【0013】
ポリ(アリーレンエーテル)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して約3000〜約40000原子質量単位(amu)の数平均分子量及び約5000〜約80000amuの重量平均分子量を有し得る。ポリ(アリーレンエーテル)は、25℃のクロロホルム中で測定して約0.10〜約0.60デシリットル/グラム(dl/g)、さらに詳しくは約0.29〜約0.48dl/gの固有粘度(IV)を有し得る。高い固有粘度のポリ(アリーレンエーテル)と低い固有粘度のポリ(アリーレンエーテル)との組合せを使用することも可能である。2通りの固有粘度を用いる場合、正確な比率の決定は使用するポリ(アリーレンエーテル)の正確な固有粘度及び所望の最終的な物理的性質に多少依存する。
【0014】
さらに、ポリ(アリーレンエーテル)の全部又は一部は、ポリ(アリーレンエーテル)と官能化剤との反応の生成物からなり得る。官能化剤は多官能性化合物からなる。官能化剤として使用できる多官能性化合物には3つのタイプがある。第一のタイプの多官能性化合物は、(1)炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と、(2)1以上のカルボン酸基、無水物基、アミド基、エステル基、イミド基、アミノ基、エポキシ基、オルトエステル基又はヒドロキシ基との両方を分子中に有するものである。かかる多官能性化合物の例には、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、グリシジルアクリレート、イタコン酸、アコニット酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、ジアミンと無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などとから得られる反応生成物、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、不飽和ジカルボン酸(例えば、アクリル酸、ブテン酸、メタクリル酸、t−エチルアクリル酸、ペンテン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、リノール酸など)、上述の不飽和カルボン酸のエステルやアミドや無水物、不飽和アルコール(例えば、アルキルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3−ブテン−1,4−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、並びに式C2n−5OH、C2n−7OH及びC2n−9OH(式中、nは30以下の正の整数である。)のアルコール)、上記の不飽和アルコールのOH基をNH基で置換して得られる不飽和アミン、官能化ジエンポリマー及びコポリマー、並びにこれらの1種以上を含む組合せがある。一実施形態では、官能化剤は無水マレイン酸及び/又はフマル酸からなる。
【0015】
第二のタイプの多官能性官能化剤は、(a)式(OR)(式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、アシル基又はカルボニルジオキシ基である。)で表される基と、(b)各々がカルボン酸基、酸ハロゲン化物基、無水物基、酸ハロゲン化物無水物基、エステル基、オルトエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基及びこれらの各種塩から選択される同一の又は相異なる基であり得る2以上の基との両方を有することで特徴づけられる。このタイプの官能化剤の典型例は、次式で表される脂肪族ポリカルボン酸、酸エステル及び酸アミドである。
【0016】
(RO)R(COORII(CONRIIIIV
式中、Rは炭素原子数2〜約20、さらに詳しくは炭素原子数2〜約10の線状又は枝分れ飽和脂肪族炭化水素基であり、Rは水素或いは炭素原子数1〜約10、さらに詳しくは炭素原子数1〜約6、さらに一段と詳しくは炭素原子数1〜約4のアルキル基、アリール基、アシル基又はカルボニルジオキシ基であり、各RIIは独立に水素或いは炭素原子数1〜約20、さらに詳しくは炭素原子数1〜約10のアルキル基又はアリール基であり、各RIII及びRIVは独立に水素或いは炭素原子数1〜約10、さらに詳しくは炭素原子数1〜約6、さらに一段と詳しくは炭素原子数1〜約4のアルキル基又はアリール基であり、mは1に等しく、(n+s)は2以上であり、さらに詳しくは2又は3に等しく、n及びsの各々は0以上であり、(OR)はカルボニル基に対してα又はβであり、2以上のカルボニル基は2〜約6の炭素原子で隔てられている。自明のことながら、それぞれの置換基が6未満の炭素原子を有する場合、R、RII、RIII及びRIVはアリールであり得ない。
【0017】
好適なポリカルボン酸には、例えば、クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸(これらの各種市販形態(例えば、無水酸及び水和酸)を含む)、並びにこれらの1種以上を含む組合せがある。一実施形態では、相溶化剤はクエン酸からなる。本発明で有用なエステルの例には、例えば、クエン酸アセチル、クエン酸モノ−及び/又はジステアリル、などがある。本発明で有用な好適なアミドには、例えば、N,N’−ジエチルクエン酸アミド、N−フェニルクエン酸アミド、N−ドデシルクエン酸アミド、N,N’−ジドデシルクエン酸アミド及びN−ドデシルリンゴ酸がある。誘導体には、アミンとの塩並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩をはじめとする塩がある。好適な塩の例には、リンゴ酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カリウム及びクエン酸カリウムがある。
【0018】
第三のタイプの多官能性官能化剤は、(a)酸ハロゲン化物基と、(b)1以上のカルボン酸基、無水物基、エステル基、エポキシ基、オルトエステル基又はアミド基(好ましくはカルボン酸基又は無水物基)との両方を分子中に有することで特徴づけられる。その例には、無水トリメリト酸塩化物、クロロホルミルコハク酸無水物、クロロホルミルコハク酸、クロロホルミルグルタル酸無水物、クロロアセチルコハク酸無水物、クロロアセチルコハク酸、トリメリト酸塩化物及びクロロアセチルグルタル酸がある。一実施形態では、官能化剤は無水トリメリト酸塩化物からなる。
【0019】
本組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)を20〜80重量%の量で含んでいる。この範囲内では、ポリ(アリーレンエーテル)は22重量%以上、さらに詳しくは25重量%以上、さらに一段と詳しくは27重量%以上の量で存在し得る。やはりこの範囲内では、ポリ(アリーレンエーテル)は77重量%以下、さらに詳しくは75重量%以下、さらに一段と詳しくは73重量%以下の量で存在し得る。重量%はポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準とする。
【0020】
本組成物は、さらにポリ(アルケニル芳香族)樹脂を含んでいる。本明細書中で使用する「ポリ(アルケニル芳香族)樹脂」という用語は、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合をはじめとする当技術分野で公知の方法で製造され、次式のアルケニル芳香族モノマーから導かれる構造単位を25重量%以上含むポリマーを包含する。
【0021】
【化2】

式中、Rは水素、C〜Cアルキル又はハロゲンであり、Zはビニル、ハロゲン又はC〜Cアルキルであり、pは0〜5である。例示的なアルケニル芳香族モノマーには、スチレン、クロロスチレン及びビニルトルエンがある。ポリ(アルケニル芳香族)樹脂には、アルケニル芳香族モノマーのホモポリマー、スチレンのようなアルケニル芳香族モノマーと、アクリロニトリル、ブタジエン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン及び無水マレイン酸のような1種以上の異なるモノマーとのランダムコポリマー、並びにゴム改質剤とアルケニル芳香族モノマー(上記参照)のホモポリマーとのブレンド及び/又はグラフトからなるゴム改質ポリ(アルケニル芳香族)樹脂がある。この場合、ゴム改質剤はブタジエン又はイソプレンのような1種以上のC〜C10非芳香族ジエンモノマーの重合生成物であってよく、ゴム改質ポリ(アルケニル芳香族)樹脂はアルケニル芳香族モノマーのホモポリマー約98〜約70重量%とゴム改質剤約2〜約30重量%とからなり、さらに詳しくはアルケニル芳香族モノマーのホモポリマー約88〜約94重量%とゴム改質剤約6〜約12重量%とからなる。ゴム改質ポリスチレンは耐衝撃性ポリスチレン又はHIPSとしても知られている。
【0022】
本組成物は、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂を20〜80重量%の量で含んでいる。この範囲内では、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂は22重量%以上、さらに詳しくは25重量%以上、さらに一段と詳しくは27重量%以上の量で存在し得る。やはりこの範囲内では、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂は77重量%以下、さらに詳しくは75重量%以下、さらに一段と詳しくは73重量%以下の量で存在し得る。重量%はポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準とする。
【0023】
ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェートは、次式のジホスフェートである。
【0024】
【化3】

式中、Rは炭素原子数1〜5のアルキルであり、Rは各々独立に炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数6〜12のアリール基であり、Rは各々独立に炭素原子数1〜12のアルキル、アリール、アルコキシ又はアリールオキシであり、X及びXは独立にハロゲン又はメチルであり、h及びrは0又は1〜4の整数であり、qは1〜10である。
【0025】
一実施形態では、Rはイソプロピルであり、Rはフェノキシであり、Rはフェニルであり、h及びrは0である。Rがイソプロピル基である場合、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェートはビスフェノールAジホスフェート(BPADP)ということがある。例示的なBPADPでは、Rはフェノキシであり、Rはフェニルであり、h及びrは0である。
【0026】
本組成物は、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェートを5〜30重量%の量で含んでいる。この範囲内では、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェートは6重量%以上、さらに詳しくは7重量%以上、さらに一段と詳しくは8重量%以上の量で存在し得る。やはりこの範囲内では、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェートは29重量%以下、さらに詳しくは28重量%以下、さらに一段と詳しくは27重量%以下の量で存在し得る。重量%はポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準とする。
【0027】
機能的に同等な化合物群としては、ヒンダードアミン光安定剤(一般にHALSという)がポリマー技術分野の当業者に識別可能な部類として認められている。ピペリジン環の2位及び6位にポリ置換基及び/又は立体的にバルキーな基が存在することが、これらの化合物の構造特性である。したがって、ヒンダードアミン光安定剤は下記の構造の部分を1以上含んでいる。
【0028】
【化4】

式中、Rは各々独立に炭素原子数1〜8のアルキル基であり、Eは各々独立にオキシル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールアルコキシ、アリールオキシ、−O−CO−OZ、−O−Si(Z、−O−PO(OZS)又は−O−CH−OZ(式中、Z、Z、Z及びZは水素、炭素原子数1〜8の脂肪族炭化水素、及び炭素原子数1〜8の芳香族炭化水素からなる群から選択される。)である。Eはまた、−O−T−(OH)(式中、Tは炭素原子数1〜8の直鎖若しくは枝分れアルキル、炭素原子数5〜18のシクロアルキル、又は炭素原子数7〜14のアルキルアリールであり、bはT中の炭素原子数を超えてはならないことを条件にして1、2又は3であり、各ヒドロキシルはTの異なる炭素原子に結合している。)であってもよい。ヒンダードアミン光安定剤は、モノマー、オリゴマー又はポリマーであり得る。
【0029】
一実施形態では、ヒンダードアミン光安定剤は次式で特徴づけることができる。
【0030】
【化5】

式中、Aは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸などのアルカン二酸から導かれる炭素原子数2〜10のアルカンジイル(即ち、メチレン基の連鎖)である。Rは上記に定義した通りであり、各Zは同一の又は相異なる炭素原子数1〜8の低級アルキル基或いは水素であり得る。若干の実施形態では、2つのRは一緒になってペンタメチレンをなす。
【0031】
例示的なヒンダードアミン光安定剤には、特に限定されないが、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシルベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン及び4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合生成物(CAS登録番号[136504−96−6])、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−a−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、ジメチルスクシネートと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのポリマー(Ciba Geigy社のTINUVIN(登録商標)622)、及びCiba Geigy社からCHIMASSORB(登録商標)944の名称で入手できるポリマーヒンダードアミンがある。
【0032】
本組成物は、ヒンダードアミン光安定剤を0.5〜3.0重量%の量で含み得る。この範囲内では、ヒンダードアミン光安定剤は0.6重量%以上、さらに詳しくは0.7重量%以上、さらに一段と詳しくは0.8重量%以上の量で存在し得る。やはりこの範囲内では、ヒンダードアミン光安定剤は2.9重量%以下、さらに詳しくは2.8重量%以下、さらに一段と詳しくは2.7重量%以下の量で存在し得る。重量%はポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準とする。
【0033】
紫外線吸収化合物はベンゾトリアゾール化合物及びベンゾフェノン化合物を包含する。ベンゾトリアゾール類及びベンゾフェノン類は、独立に又は組み合わせて使用できる。有用なベンゾトリアゾール化合物は2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類を含み得る。例示的なベンゾトリアゾール化合物には、特に限定されないが、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−シクロヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−アルキルフェノール]、2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換反応生成物、[R−CHCH−COO−CHCH(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−3’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールがある。
【0034】
ベンゾフェノン化合物は、1以上の芳香環上に置換された1以上のヒドロキシル基を含み得る。一実施形態では、ベンゾフェノン化合物は、同じ環上の別の位置(特に4位又はパラ位)にあるヒドロキシ基、アルコキシ基又はアルキルエーテル基と共に、オルト位(2位)にヒドロキシ基を含んでいる(β−ヒドロキシ置換としても知られている)。通例、かかる化合物は次式のものである。
【0035】
【化6】

式中、Rは水素或いはヒドロキシル基で置換されているか又は置換されていない炭素原子数1〜25の直鎖若しくは枝分れアルカンの一価又は二価基であり、R10はそれが常に一価基であることを除けばRと同じ定義を有し、R及びR10は同一化合物中で同一のもの又は相異なるものであり、R及びRは独立にヒドロキシ基、炭素原子数1〜約10の直鎖若しくは枝分れアルキル基、又は炭素原子数1〜約10のアルコキシ基であり、fは0又は1であるが、Rが水素原子を表す場合には常に0であり、tは0又は1〜5の整数であり、wは0又は1〜3の整数である。
【0036】
例示的なベンゾフェノン化合物には、特に限定されないが、2−ヒドロキシベンゾフェノン類(例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体)がある。例示的なベンゾフェノン化合物にはまた、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−エトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−エトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−エトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,3’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’,5’−トリメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’,6’−トリブトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ブトキシ−4’,5’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−2’,4’−ジブチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−4’,6’−ジクロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−4’,6’−ジブロモベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−プロポキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ブトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−エチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロピルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−tert−ブチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−3−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−2’−エチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’,5’−トリメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−4’−エチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−4’−プロピルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−4’−ブチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’−ジエトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−4’−クロロベンゾフェノン及び2−ヒドロキシ−4−エトキシ−4’−ブロモベンゾフェノンがある。
【0037】
本組成物は、紫外線吸収化合物を0.5〜5重量%の量で含み得る。この範囲内では、紫外線吸収化合物は0.6重量%以上、さらに詳しくは0.7重量%以上、さらに一段と詳しくは0.8重量%以上の量で存在し得る。やはりこの範囲内では、紫外線吸収化合物は4.9重量%以下、さらに詳しくは4.8重量%以下、さらに一段と詳しくは4.7重量%以下の量で存在し得る。重量%はポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準とする。
【0038】
光退色性染料は、露光で漂白される有機染料又は顔料として定義される。一実施形態では、光退色性染料は下記の骨格構造を有する紫色アントラピリドン染料及び/又は黄色キノフタロン染料からなる。
【0039】
【化7】

骨格構造の3’位にヒドロキシル置換基を黄色キノフタロン染料及び/又は紫色アントラピリドン染料を除けば、かかる染料は置換基を有し得る。キノフタロン染料はそれ自体公知であり、好適なキノフタロン染料のリストはHelvetia Chimica Acta,vol.52,fasc.5(1969)p.1259−1273に見出すことができる。そこに列挙された若干のキノフタロン染料のうち、3’位にヒドロキシル置換基をもたない黄色のものが光退色性染料として使用できる。
【0040】
光退色性染料の例には、カラーインデックス(以後はC.I.と表す)ソルベントイエロー4、C.I.ソルベントイエロー16,C.I.ソルベントイエロー17、C.I.ソルベントイエロー28、C.I.ソルベントイエロー30、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.ソルベントイエロー34、C.I.ソルベントイエロー44、C.I.ソルベントイエロー58、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントオレンジ1、C.I.ソルベントオレンジ13、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントオレンジ45、C.I.ソルベントグリーン5、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントオレンジ4がある。C.I.ソルベントイエロー33は、American Color & Chemical Co.のAmaplast Yellow Yとして商業的に入手でき、キノフタロン骨格上にいかなる置換基ももたないキノフタロン染料である。C.I.ピグメントイエロー138は、BASF社からPaliotol Yellow K0961 HDとして商業的に入手できる。C.I.ソルベントレッド52は、Messrs.Bayer AgからMacrolex Red 5Bとして商業的に入手でき、ハロゲン原子及び1以上の芳香族基で置換されているが3’位にヒドロキシル基はもたないキノフタロン染料であると考えられる。
【0041】
本組成物は、0.01〜1.0重量%の量で光退色性染料を含み得る。この範囲内では、光退色性染料は0.02重量%以上、さらに詳しくは0.03重量%以上の量で存在し得る。やはりこの範囲内では、光退色性染料は0.9重量%以下、さらに詳しくは0.8重量%以下、さらに一段と詳しくは0.7重量%以下の量で存在し得る。重量%はポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準とする。
【0042】
酸化防止剤は亜リン酸エステル及び亜ホスホン酸エステルを包含する。例示的な亜リン酸エステルには、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット及びトリス(ノニルフェニル)ホスフィットがある。
【0043】
本組成物は、0.05〜1.5重量%の量で酸化防止剤を含み得る。重量%はポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準とする。
【0044】
エポキシ化合物はエポキシ基を含む化合物である。好適なエポキシ化合物は、例えば、次式の化合物である。
【0045】
【化8】

式中、R11、R12、R13及びR14は有機基を表す。例示的なエポキシ化合物には、3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル−3,4−エポキシヘキサヒドロベンゾエート及びトリグリシジルイソシアヌレートがある。
【0046】
一実施形態では、エポキシ化合物は環状脂肪族エポキシ化合物(又は脂環式エポキシ化合物ということもある)からなる。その例には、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジシクロペンタジエンジオキシド、1,2−エポキシ−6−(2,3−エポキシプロポキシ)ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、ビス−3,4−エポキシ−2,5−エンドメチレンシクロヘキシルスクシネート及びビスエポキシジシクロペンチルスクシネートがある。追加の例は、次式3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである。
【0047】
【化9】

この構造を有する市販物質は、Ciba−Geigy CorporationがARALDITE CY179の商品名で製造している。
【0048】
本組成物は、0.5〜5重量%の量でエポキシ化合物を含み得る。この範囲内では、エポキシ化合物は0.6重量%以上、さらに詳しくは0.7重量%以上、さらに一段と詳しくは0.8重量%以上の量で存在し得る。やはりこの範囲内では、エポキシ化合物は4.9重量%以下、さらに詳しくは4.8重量%以下、さらに一段と詳しくは4.7重量%以下の量で存在し得る。重量%はポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準とする。
【0049】
さらに、本組成物はまた、充填材及び補強材(例えば、ケイ酸塩、TiO、繊維、ガラス繊維(連続繊維及び細断繊維を含む)、カーボンブラック、グラファイト、炭酸カルシウム、タルク、雲母)並びに他の添加剤(例えば、とりわけ、離型剤、潤滑剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤、発泡剤及び耐衝撃性改良剤)のような各種添加剤も任意に含み得る。
【0050】
一実施形態では、本組成物はポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、有機ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物を含んでなる。本組成物は、光退色性染料、酸化防止剤、エポキシ化合物、又は上述の添加剤の2種以上の組合せを任意に含み得る。本組成物は、3ミリメートルの厚さでV1又はそれより良好なUL94等級、さらに詳しくはV0の等級を有し得る。本組成物は、上述のようにして測定した場合に6未満、さらに詳しくは5未満、さらに一段と詳しくは4.5未満のカラーシフトを有する。
【0051】
一実施形態では、マスターバッチは樹脂、ビスフェノールAジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物を含んでなる。樹脂は、ポリ(アリーレンエーテル)組成物中で使用するのに適したポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂又はその他の樹脂であり得る。マスターバッチは、有機ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物を最終組成物中で見られる量より多い量で含んでいる。マスターバッチ中での各成分の正確な量は、最終組成物中で所望される量及び利用可能なブレンディング装置に依存する。マスターバッチはさらに、酸化防止剤、光退色性染料、エポキシ化合物、又はこれらの2種以上の組合せを含み得る。組成物製造時におけるマスターバッチの使用は、成分の分散を容易にすることができる。
【0052】
本組成物は、ブレンドを形成するのに十分なエネルギーを用いてポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、有機ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤、紫外線吸収化合物及び他の所望成分をブレンドすることで製造できる。ブレンディングは、押出機、ロールミル、ドウミキサーなどで行うことができる。ポリマー樹脂は、最初は粉末、ストランド又はペレットの形態のものであってよく、組成物の他の成分と予備配合又はドライブレンドすることができる。
【実施例】
【0053】
本組成物は、以下の非限定的な実施例でさらに例証される。
【0054】
以下の実施例では、表1に示す材料を使用した。
【0055】
【表1】


例1〜17
PPE I、HIPS I、添加剤及びRDP又はBPADPの合計重量を基準にして31.3wt%のPPE I、45.4wt%のHIPS I及び19wt%のRDP又はBPADPを含む組成物をメルトブレンディングで製造した。組成物はさらに、PPE I、HIPS I、添加剤及びRDP又はBPADPの合計重量を基準にして合計4.3wt%の添加剤(即ち、顔料、光退色性染料及び離型剤)を含んでいた。UV吸収化合物、TiO及びエポキシ化合物は表2に示すように変化させたが、これらの量はPPE I、HIPS I、添加剤及びRDP又はBPADPの合計重量を基準にした重量%で表されている。PPE I及び添加剤をドライブレンドし、UV I又はUV II、HALS、TiO、エポキシ化合物及びHIPSと共に押出機の供給スロートに添加した。RDP又はBPADPは下流で添加した。組成物からプラーク(2インチ×3インチ)を射出成形し、ASTM D4459に準拠した300時間の耐候試験に付した。ASTM 2244に従い、Gretag MacBeth分光光度計を用いて測定したL、a及びb値からカラーシフト(dE)を求めた。較正した分光光度計は、反射モードを用いて色を測定する。結果を表2に示す。
【0056】
【表2】


上述の例からわかる通り、組成物がビスフェノールAジホスフェートを含む場合には、レゾルシノールジホスフェートを含む組成物と違ってdE値は意外に低い。また、UV吸収化合物の量がPPE I、HIPS I、添加剤及びRDP又はBPADPの総重量を基準にして1重量%を超えると共に、エポキシ化合物が存在する場合には、意外な向上が見られるように思われる。
【0057】
例18〜21
PPE I、HIPS I、添加剤及びRDP又はBPADPの合計重量を基準にして31.3wt%のPPE I、45.4wt%のHIPS I及び19wt%のRDP又はBPADPを含む組成物をメルトブレンディングで製造した。組成物はさらに、PPE I、HIPS I及びRDP又はBPADPの合計重量を基準にして合計4.6wt%の添加剤(即ち、顔料、光退色性染料、酸化防止剤及び離型剤)を含んでいた。UV吸収化合物、TiO及びヒンダードアミン光安定剤は表3に示すように変化させたが、これらの量はPPE I、HIPS I、添加剤及びRDP又はBPADPの合計重量を基準にした重量%で表されている。PPE及び添加剤をドライブレンドし、UV吸収化合物、HALS、TiO及びHIPSと共に押出機の供給スロートに添加した。RDP又はBPADPは下流で添加した。組成物からプラーク(2インチ×3インチ)を射出成形し、ASTM D4459に準拠した300時間の耐候試験に付した。上述のようにしてカラーシフト(dE)を求めた。較正した分光光度計は、反射モードを用いて色を測定する。結果を表3に示す。
【0058】
【表3】


例18〜21は、ビスフェノールAジホスフェートを含む組成物がレゾルシノールジホスフェートを含む同等な組成物のdEよりも格段に低いdEを有することを示している。これは、ビスフェノールAジホスフェート及びレゾルシノールジホスフェートが共に芳香族ジホスフェートであるという事実から見て意外である。
【0059】
例22〜25
PPE I、HIPS II、添加剤及びRDP又はBPADPの合計重量を基準にして28wt%のPPE I、49〜51wt%のHIPS II及び18.7wt%のRDP又はBPADPを含む組成物をメルトブレンディングで製造した。組成物はさらに、PPE I、HIPS II及びRDP又はBPADPの合計重量を基準にして合計6.8〜8.8wt%の添加剤(即ち、顔料、酸化防止剤及び離型剤)を含んでいた。PPE並びに顔及び添加剤(存在する場合にはUV吸収化合物及びHALSを含む)をドライブレンドし、HIPSと共に押出機の供給スロートに添加した。RDP又はBPADPは下流で添加した。組成物からディスク(直径10cmで厚さ3.2mm)を射出成形し、ASTM D4459に準拠した300時間の耐候試験に付した。上述のようにしてカラーシフト(dE)を求めた。結果を表4に示す。
【0060】
【表4】


例22〜25は、ビスフェノールAジホスフェートを含む組成物がレゾルシノールジホスフェートを含む同等な組成物のdEよりも格段に低いdEを有することを示している。これは、ビスフェノールAジホスフェート及びレゾルシノールジホスフェートが共に芳香族ジホスフェートであるという事実から見て意外である。
【0061】
本明細書中で使用する「第一」、「第二」などの用語はいかなる順序、数量又は重要度も意味せず、むしろある構成要素を別のものから区別するために使用されている。また、本明細書中に単数形で記載したものは数量の制限を意味するわけではなく、むしろ記載されたものの1以上が存在することを意味している。
【0062】
以上、例示的な実施形態に関して本発明を説明してきたが、当業者であれば、本発明の技術的範囲から逸脱せずに様々な変更及び同等物による構成要素の置換を行い得ることが理解されよう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本発明はこの発明を実施するために想定される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に含まれるすべての実施形態を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物を含んでなる組成物であって、当該組成物がASTM D4459に準拠した300時間の耐候試験後にASTM D2244で測定して6未満のカラーシフト(dE)及びUL94法で厚さ3ミリメートルで測定したときにV1又はそれよりも優れた難燃性を有する、組成物。
【請求項2】
ポリ(アリーレンエーテル)がポリ(アリーレンエーテル)と官能化剤との反応の生成物からなる、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記官能化剤が無水マレイン酸からなる、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
ポリ(アリーレンエーテル)がポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準にして20〜80重量%の量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
ポリ(アルケニル芳香族)樹脂がゴム改質ポリ(アルケニル芳香族)樹脂からなる、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
ポリ(アルケニル芳香族)樹脂がポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準にして20〜80重量%の量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェートが次式のものである、請求項1記載の組成物。
【化1】

式中、Rは炭素原子数1〜5のアルキルであり、Rは各々独立に炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数6〜12のアリール基であり、Rは各々独立に炭素原子数1〜12のアルキル、アリール、アルコキシ又はアリールオキシであり、X及びXは独立にハロゲン又はメチルであり、h及びrは0又は1〜4の整数であり、qは1〜10である。
【請求項8】
ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェートがビスフェノールAジホスフェートからなる、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェートがポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準にして5〜30重量%の量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
ヒンダードアミン光安定剤がポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準にして0.5〜3.0重量%の量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
紫外線吸収化合物がベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン又はこれらの組合せからなる、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
紫外線吸収化合物がポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準にして0.5〜5重量%の量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
さらに光退色性染料を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
光退色性染料がポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準にして0.01〜1.0重量%の量で存在する、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
さらに酸化防止剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項16】
さらにエポキシ化合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項17】
エポキシ化合物がポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準にして0.5〜5重量%の量で存在する、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
当該組成物がさらに、充填材、補強材、カーボンブラック、グラファイト、炭酸カルシウム、タルク、雲母、離型剤、潤滑剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤、発泡剤、又はこれらの2種以上の組合せを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項19】
ポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物を含んでなる組成物であって、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物がポリ(アリーレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)樹脂の総重量を基準にして2.5〜5重量%の合計量で存在し、当該組成物がASTM D4459に準拠した300時間の耐候試験後にASTM D2244で測定して6未満のカラーシフト及びUL94法で厚さ3ミリメートルで測定したときにV1又はそれよりも優れた難燃性を有する、組成物。
【請求項20】
ポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤、紫外線吸収化合物及びエポキシ化合物を含んでなる組成物。
【請求項21】
当該組成物がASTM D4459に準拠した300時間の耐候試験後にASTM D2244で測定して5以下のカラーシフト(dE)を有する、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
当該組成物がUL94に準拠してV1又はそれよりも優れた難燃性を有する、請求項20記載の組成物。
【請求項23】
ポリ(アリーレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)樹脂、ビス(ヒドロキシベンゼン)ジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤、光退色性染料、紫外線吸収化合物、酸化防止剤及びエポキシ化合物を含んでなる組成物。
【請求項24】
当該組成物がASTM D4459に準拠した300時間の耐候試験後にASTM D2244で測定して5以下のカラーシフト(dE)を有する、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
当該組成物がUL94に準拠してV1又はそれよりも優れた難燃性を有する、請求項23記載の組成物。
【請求項26】
樹脂、ビスフェノールAジホスフェート、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収化合物を含んでなるマスターバッチ。

【公表番号】特表2008−514795(P2008−514795A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534781(P2007−534781)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/035092
【国際公開番号】WO2006/039440
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【復代理人】
【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫
【復代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
【復代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
【復代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
【復代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
【復代理人】
【識別番号】100075236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 忠彦
【復代理人】
【識別番号】100094008
【弁理士】
【氏名又は名称】沖本 一暁
【復代理人】
【識別番号】100147577
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏志
【復代理人】
【識別番号】100153187
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 由美子
【Fターム(参考)】