説明

マイクロバブル発生装置

【課題】小型且つ廉価な構成のマイクロバブル発生装置を提供する。
【解決手段】マイクロバブル発生装置10は、エンジン30に設けられており、オイルを貯溜するオイルパン50dと、オイルを潤滑対象に供給する潤滑路134と、オイルパン50dからオイルを吸い出して潤滑路134に送給するオイルポンプ80と、オイルポンプ80の流入口にオイルを導く導入管路100と、一端が導入管路100に接続されて、他端が空気吸入口102aとして開放された空気管路102と、オイルポンプ80の出力側管路104に設けられたバブル生成オリフィス106とを有する。空気管路102における導入管路100との接続部には、空気量調整オリフィス108が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプを備えたマイクロバブル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体中に混在させる極めて小径のマイクロバブルには様々な作用があり、その利用について研究開発がなされており、例えば、特許文献1では車両におけるエンジンへのオイル供給系統に適用した例が開示されている。この特許文献1の例では、オイルパンからポンプによりオイルを吸い出して、空気を混合し、その混合物に超音波を照射させることによりマイクロバブルを発生させている。
【0003】
このようにしてオイルに対してマイクロバブルを発生させると、対象物の摩擦を一層低減させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2007−9900号公報(図4、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1におけるマイクロバブル発生装置では、超音波発生装置が必要である。超音波発生装置は大型であることが予想され、自動二輪車等のようにレイアウトスペースが限られている車両においては一層の工夫が望まれる。また、超音波発生装置はオイルポンプとは別に設ける必要があり、実質的にはエンジンとは別体構造となり、オイルや空気の接続管路を設けなければならないとともに、該接続管路には十分な漏れ対策が必要となる。さらに、超音波発生装置は高価である。特許文献1記載のマイクロバブル発生装置では、専用の別タンクが設けられており、複雑であることが予想される。
【0006】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、小型且つ廉価で、自動二輪車等に好適に適用することのできるマイクロバブル発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマイクロバブル発生装置は、以下の特徴を有する。
【0008】
第1の特徴;オイルを貯溜するオイル貯溜部と、オイルを潤滑対象に供給する潤滑路と、前記オイル貯溜部からオイルを吸い出して前記潤滑路に送給するポンプと、前記ポンプの流入口にオイルを導く導入管路と、一端が前記導入管路内又は前記ポンプの出力側管路内に接続されて、他端が空気吸入口として開放された空気管路と、前記導入管路又は前記出力側管路で、前記空気管路との接続部より下流側に設けられたマイクロバブル発生器とを有することを特徴とする。
【0009】
このように、ポンプの導入管路又は出力側管路に対して空気管路を接続するとともに該接続部より下流側にマイクロバブル発生器を設けることで小型且つ廉価なマイクロバブル発生装置が得られ、潤滑用のオイルにマイクロバブルを簡便に混入させることができる。ここで、導入管路及び出力側管路は、ポンプの内部の管路を含む。
【0010】
第2の特徴;前記空気管路における前記接続部には、空気量調整オリフィスが設けられていることを特徴とする。空気量調整オリフィスにより、マイクロバブルの発生量が規定される。
【0011】
第3の特徴;前記マイクロバブル発生器はオリフィスであると、マイクロバブルを発生させやすい。
【0012】
第4の特徴;前記潤滑対象は内燃機関であり、前記オイル貯溜部は、前記内燃機関に設けられたオイルパンであってもよい。これにより、内燃機関の所定箇所にマイクロバブルが混入されたオイルを簡便に供給することができる。
【0013】
第5の特徴;内燃機関におけるオイルを貯溜するオイルパンと、オイルを潤滑対象に供給する潤滑路と、前記オイルパンからオイルを吸い出して前記潤滑路に送給するポンプと、前記ポンプの流入口にオイルを導く導入管路と、前記内燃機関のクランクケース内に設けられ、一端が前記導入管路又は前記ポンプの出力側管路に接続されて、他端が空気吸入口として開放された空気管路と、前記導入管路又は前記出力側管路で、前記空気管路との接続部より下流側に設けられたマイクロバブル発生器とを有することを特徴とする。これにより、マイクロバブル発生装置はすべて内燃機関内に収納され、機器容積は増加することなく、レイアウト上好適である。空気管路はクランクケースに覆われるので、空気管路に対して異物の進入を防止できる。
【0014】
第6の特徴;前記空気管路は、前記クランクケース内で、前記オイルパンにおけるオイルの油面よりも上方で開口しているとよい。これにより、空気を確実に吸入することができ、マイクロバブルの発生量を多くすることができる。
【0015】
第7の特徴;前記空気吸入口は、下方に向けて開口していることを特徴とする。これにより、上方から滴下してくるオイルが空気管路に進入することを防止できる。
【0016】
第8の特徴;前記空気管路の少なくとも一部は、前記クランクケースに固定されていることを特徴とする。これにより、空気管路が安定し、車両等の振動のあるシステムに好適に適用可能である。
【0017】
第9の特徴;前記マイクロバブル発生器は、前記ポンプの内部に設けられていることを特徴とする。これにより、部品点数が増えることを防止できる。
【0018】
第10の特徴;上記のマイクロバブル発生装置は、小型且つ廉価であって、レイアウトスペースの限られている自動二輪車に好適に適用可能である。
【0019】
第11の特徴;液体を吸い出すポンプの導入管路又は出力側管路を主管路とするマイクロバブル発生装置であって、一端が前記主管路に接続されて、他端が空気吸入口として開放された空気管路と、前記主管路における前記空気管路との接続部より下流側に設けられたマイクロバブル発生器とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るマイクロバブル発生装置によれば、ポンプの導入管路に対して空気管路を接続するとともに該ポンプの出力側にマイクロバブル発生器を設けることで小型且つ廉価なマイクロバブル発生装置が得られ、潤滑用のオイルにマイクロバブルを簡便に混入させることができる。
【0021】
また、導入管路又は出力側管路を主管路とし、該主管路に空気管路を接続するとともに、主管路における空気管路との接続部より下流側にマイクロバブル発生器を設けることにより、小型且つ廉価なマイクロバブル発生装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係るマイクロバブル発生装置について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図8を参照しながら説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態に係るマイクロバブル発生装置10は、ロードスポーツ式の自動二輪車12に適用される。自動二輪車12は、ロードスポーツ式以外にも、例えばスクータ式であってもよい。先ず、自動二輪車12について説明する。
【0024】
自動二輪車12は、クレードル型の車体フレーム14と、この車体フレーム14のヘッドパイプ16に取付けたフロントフォーク18と、このフロントフォーク18に取付けた前輪20並びにフロントフェンダ22と、フロントフォーク18に連結したハンドル24と、車体フレーム14の前部上部に跨ぐように取付けた燃料タンク26とを有する。また、自動二輪車12は、車体フレーム14の後部上部に取付けたシート28(運転者席と同乗者席とを有するダブルシート)と、車体フレーム14の各パイプで囲まれたクレードルスペース内に配置したエンジン(内燃機関)30及び変速機30aと、クレードルスペースの後方に且つシート28の下方に配置したエアクリーナ32と、このエアクリーナ32、エンジン30の吸気口の間に接続した気化器34と、エンジン30の排気口に接続した排気管35、集合チャンバ36並びにサイレンサ38とを有する。さらに、自動二輪車12は、エンジン30の前方に配置したラジエータ40と、車体フレーム14の後部にピボットを介して取付けたスイングアーム42と、このスイングアーム42の後端部を車体フレーム14に懸架したリヤサスペンション44と、スイングアーム42に取付けた後輪46とを有する。
【0025】
図2に示すように、エンジン30の外郭は、上方から順にシリンダヘッド50a、シリンダ50b、クランクケース50c及びオイルパン(オイル貯溜部)50dによって形成されており、外部から異物が進入しないように構成されている。
【0026】
エンジン30は、吸気管52からスロットルバルブ54を介して空気を吸入し、燃料噴射弁56から燃料を噴出し、吸気バルブ58が開いているときに燃焼室60に混合気を送給する。シリンダ50b内では、ピストン62が往復運動をし、2往復で混合気の吸気動作、圧縮動作、燃焼動作、及び排気動作を行う。燃焼動作は図示しない点火プラグにより行われる。排気動作は、排気バルブ64が開いているときに行われ、排気管66に排出される。吸気バルブ58及び排気バルブ64は、それぞれ対応するカムシャフト67のカム67aによって開閉駆動される。
【0027】
ピストン62はコネクティングロッド70によってクランクシャフト72の偏心位置に接続されており、ピストン62が往復運動をすることによってクランクシャフト72が回転をする。始動時には、クランクシャフト72に接続されたフライホイール74をスタータモータ76により回転させる。
【0028】
クランクケース50c内には、クラッチ78、オイルポンプ80及び変速機30aが設けられている。変速機30aは、フライホイール74によって駆動され、クランクシャフト72の回転数を変速して後輪46に回転を伝達する。
【0029】
オイルパン50dには、エンジン30の各部の潤滑を行うためのオイルが貯溜されている。オイルは潤滑以外にも防錆、冷却、清浄等の作用も有することはもちろんである。
【0030】
図3に示すように、オイルポンプ80は、エンジン30の潤滑系統の一部であって、ドリブンスプロケット130に連動して回転する。ドリブンスプロケット130は、クランクシャフト72に設けられた図示しないドライブスプロケットに対してチェーンで接続されて回転する。
【0031】
オイルパン50dのオイルは、オイルポンプ80によって吸い出されて、出力側管路104からオイルフィルタ132及び潤滑路134を経由してエンジン30の各潤滑対象に供給される。出力側管路104には、過大な圧力がかかることを防止するリリーフ弁136が設けられている。潤滑路134は複数に分岐しており、各ピストン62、クランクシャフト72、カムシャフト67、カム67a、バランサ140に供給される。オイルは、メインシャフト142及びカウンタシャフト144から変速機30aにも供給される。潤滑路134の圧力は、オイルプレッシャスイッチ146により検出され、所定の圧力が印加されていることを確認できる。図3における複数の矢印はオイルの移動経路を示し、複数の黒点148は噴出するオイルを模式的に示している。エンジン30の潤滑対象に供給されたオイルは、やがて落下してオイルパン50dに回収される。潤滑系統には、オイルクーラが介在してもよい。
【0032】
図2及び図3に示すように、本実施の形態に係るマイクロバブル発生装置10は、オイルパン50d及びクランクケース50c内に設けられており、オイルパン50dからオイルを吸い出して潤滑路134(図3参照)に送給するオイルポンプ80と、オイルポンプ80の流入口にオイルを導く導入管路(主管路)100と、一端が導入管路100に接続されて、他端が空気吸入口102aとして開放された空気管路102と、オイルポンプ80の出力側管路(主管路)104に設けられたバブル生成オリフィス(マイクロバブル発生器)106と、空気管路102における導入管路100との接続部に設けられた空気量調整オリフィス108とを有する。オイルポンプ80とバブル生成オリフィス106は、極めて近接しており、この間には他の機器は介在していない。空気管路102は通常の管路であり、空気量調整オリフィス108以外の機器はない。バブル生成オリフィス106は、オイルポンプ80に直接設けられていてもよい。
【0033】
空気管路102は、一部が留め具110によってクランクケース50cに固定されて安定しており、耐振性の向上が期待できる。空気管路102は略全長にわたってクランクケース50cに固定してもよい。空気管路102の一部又は全部はクランクケース50cの壁部を用いて形成してもよい。
【0034】
空気管路102は、クランクケース50c内に設けられており、先端の空気吸入口102aは適度に高い箇所で、少なくともオイルパン50dのオイル油面120よりは高い位置に開口している。これにより、空気を確実に空気管路102に吸入することができ、マイクロバブルの発生量を多くすることができる。空気管路102は、空気吸入口102aを高い位置に配置するために、途中に上昇部102bを有し、該空気吸入口102aは、導入管路100に対する接続部よりも高い位置にある。
【0035】
空気管路102の先端は、クラッチ78等の回転体よりも下方に配置されて、略U字形状に屈曲しており、空気吸入口102aは下方に向けて開口している。これにより、上方から滴下し又は回転体の遠心力により飛散してくるオイルが空気管路102に進入することを防止できる。空気吸入口102aと、その近傍部におけるクランクケース50cの壁面との間には適度な隙間が確保されており、該壁面からオイルが伝わり、又は跳ね返って侵入することが防止できる。空気吸入口102aには、空気フィルタが設けられていてもよい。導入管路100の下端にはストレーナ112が設けられており、オイルパン50dのオイルに浸されている。
【0036】
なお、本実施の形態では、空気管路102の先端は略U字形状に屈曲されているが、空気管路102の上方にひさし部を備えた場合には、その先端は略U字形状に限定されない。
【0037】
空気管路102には、設計条件に応じて、開閉弁又は開度調整弁を設けて、温度等のパラメータに基づいて管路の開閉制御をしてもよい。
【0038】
図4に示すように、空気管路102は、導入管路100の側方に略90°で接続されており、導入管路100をオイルが流れることにより、流体の性質として、空気管路102の空気が空気量調整オリフィス108を介して吸い込まれ、オイル内に空気が混入することになる。この混入した気泡156は、この時点ではある程度大径であるが、オイルポンプ80を介してバブル生成オリフィス106を通過するときにマイクロバブルになる。
【0039】
空気量調整オリフィス108は、例えばねじ込み式であって、交換可能であり、オイル内に混入する空気量を調整できる。これにより、結果としてマイクロバブルの発生量を規定することができる。
【0040】
空気吸入口102aは、クランクケース50c内で開口しているので、空気管路102内に異物が侵入しにくい。
【0041】
図5に示すように、バブル生成オリフィス106は、入力側から出力側に向かって縮径する第1テーパ部150と、該第1テーパ部150によって小径になった絞り部152と、出力側で次第に拡径する第2テーパ部154とを有し、いわゆるベンチュリ形状となっている。第1テーパ部150は出力側に向かって比較的急に縮径しており、第2テーパ部154は出力側に向かって比較的緩やかに拡径している。このようなバブル生成オリフィス106では、第1テーパ部150でオイル及び気泡156が加圧及び増速することにより、絞り部152で気泡156が潰れてマイクロバブルが発生しやすい。図5中では多数のマイクロバブルを点で示している。第2テーパ部154は緩やかに拡径していることから、絞り部152で発生したマイクロバブルは急激な影響を受けることなく、消滅せずにそのまま下流側へ流れていくと考えられる。バブル生成オリフィス106は、簡便構成であって、小型、軽量且つ廉価であることはもちろんである。
【0042】
上述したように、本実施の形態に係るマイクロバブル発生装置10は、オイルポンプ80の導入管路100に対して空気管路として空気管路102を接続するとともに該オイルポンプ80の出力側にバブル生成オリフィス106を設けることで小型且つ廉価な装置が得られ、潤滑用のオイルにマイクロバブルを簡便に混入させることができる。マイクロバブル発生装置10では、オイルポンプ80とバブル生成オリフィス106が近接配置されていることにより、小型化が可能である。
【0043】
マイクロバブル発生装置10は、高価で且つ体積の大きい超音波発生装置が不要で、コンパクト且つ廉価である。
【0044】
マイクロバブル発生装置10は、超音波発生装置等の別機器がなく、エンジン30内に収納され、機器容積は増加することなく、レイアウト上好適である。また、別機器がないことからオイルや空気の接続管路も不要であり、オイル等の漏れ対策は特に必要ない。
【0045】
マイクロバブル発生装置10では、通常のエンジン30の基本構成に対して、大きく変更することなく適用可能であり、専用のオイルタンク、空気タンク又は駆動源等が不要である。
【0046】
オイルに混在するマイクロバブルは、見かけ上の粘度が下がることにより潤滑対象の摩擦を低下する作用があり、エンジン30の摩擦損失を低減することができる。したがって、例えば、低温時にも高温のオイルと同程度の動粘度が得られ、循環抵抗及び駆動抵抗が小さく、暖機効果を短時間で得られると考えられる。
【0047】
なお、バブル混入オイルは温度が上昇すると、見た目上消滅することが本願発明者により確認されている。したがって、マイクロバブル発生装置10を設けても高温時の見かけ上の粘度は変わらず、バブル混入オイルが循環しても、高温時にバブルがなくなるので、耐久タフネス性は維持される。つまり、高温時においてマイクロバブルが消滅することにより、泡噛みの影響を低減させることができるので、バッフルプレートやオイルパンの深さを浅くでき、レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0048】
マイクロバブル発生装置10の基本構成は、オイル以外の液体(例えば燃料)に対してマイクロバブルを発生させることに用いてもよい。空気管路102は、出力側管路104に接続し、バブル生成オリフィス106を出力側管路における空気管路102との接続部より下流側に設けてもよい。空気管路102自体が適度に細ければ、空気量調整オリフィス108は省略してもよい。
【0049】
図6に示すように、第1の変形例に係るマイクロバブル発生装置10aは、前記のバブル生成オリフィス106に相当するバブル生成オリフィス106aが、出力側管路104におけるオイルポンプ80の内部の部分に設けられている。
【0050】
図7に示すように、第2の変形例に係るマイクロバブル発生装置10bは、前記のバブル生成オリフィス106に相当するバブル生成オリフィス106bが、導入管路100におけるオイルポンプ80の内部の部分に設けられている。
【0051】
つまり、マイクロバブル発生装置10a及び10bによれば、バブル生成オリフィス106a又は106bとオイルポンプ80が一体構成となっており、マイクロバブル発生器を別体に設ける必要がなく、部品点数が増えることを防止できるとともに、他の機種との互換性を保つことができる。オイルポンプ80の入力側及び出力側のバブル生成オリフィス106a及び106bは、併存させてもよい。
【0052】
図8に示すように、第3の変形例に係るマイクロバブル発生装置10cは、バブル生成オリフィス106と空気量調整オリフィス108と空気管路102が一体となったユニットである。空気管路102は、主管路160の側面に接続されており、該主管路160における空気管路102との接続部より下流側にバブル生成オリフィス106が設けられている。主管路106は、オイルポンプ80の導入管路100又は出力側管路104に対して直列に挿入する。
【0053】
このようなユニット形式のマイクロバブル発生装置10cは、バブル生成オリフィス106と空気量調整オリフィス108と空気管路102が一体構造であることから、部品点数が増えることを防止できるとともに、既存のポンプシステムに対して簡便に取付が可能である。
【0054】
マイクロバブル発生装置10、10a、10b及び10cは、小型、軽量且つ廉価であって、レイアウトスペースの限られている自動二輪車12に好適に適用可能である。マイクロバブル発生装置10は、自動二輪車12又は他の車両において摩擦低減の目的以外の用途に用いてもよい。マイクロバブル発生装置10、10a、10b及び10cは、車両以外の用途に用いてもよい。
【0055】
本発明に係るマイクロバブル発生装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、ポンプを用いて流体を供給する装置であればよく、燃料供給経路中に備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施の形態に係るマイクロバブル発生装置が搭載される自動二輪車の側面図である。
【図2】本実施の形態に係るマイクロバブル発生装置が設けられたエンジンの断面側面図である。
【図3】エンジンの潤滑系統図である。
【図4】接続側空気管路における導入管路との接続部の断面側面図である。
【図5】バブル生成オリフィスの断面図である。
【図6】第1の変形例に係るマイクロバブル発生装置が設けられたエンジンの潤滑系統図である。
【図7】第2の変形例に係るマイクロバブル発生装置が設けられたエンジンの潤滑系統図である。
【図8】第3の変形例に係るマイクロバブル発生装置の断面側面図である。
【符号の説明】
【0057】
10、10a〜10c…マイクロバブル発生装置 12…自動二輪車
30…エンジン 30a…変速機
50c…クランクケース 50d…オイルパン
80…オイルポンプ 100…導入管路
102…空気管路 102a…空気吸入口
104…出力側管路
106、106a、106b…バブル生成オリフィス
108…空気量調整オリフィス 112…ストレーナ
120…オイル油面 134…潤滑路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルを貯溜するオイル貯溜部と、
オイルを潤滑対象に供給する潤滑路と、
前記オイル貯溜部からオイルを吸い出して前記潤滑路に送給するポンプと、
前記ポンプの流入口にオイルを導く導入管路と、
一端が前記導入管路内又は前記ポンプの出力側管路内に接続されて、他端が空気吸入口として開放された空気管路と、
前記導入管路又は前記出力側管路で、前記空気管路との接続部より下流側に設けられたマイクロバブル発生器と、
を有することを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項2】
請求項1記載のマイクロバブル発生装置において、
前記空気管路における前記接続部には、空気量調整オリフィスが設けられていることを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のマイクロバブル発生装置において、
前記マイクロバブル発生器はオリフィスであることを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロバブル発生装置において、
前記潤滑対象は内燃機関であり、
前記オイル貯溜部は、前記内燃機関に設けられたオイルパンであることを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項5】
内燃機関におけるオイルを貯溜するオイルパンと、
オイルを潤滑対象に供給する潤滑路と、
前記オイルパンからオイルを吸い出して前記潤滑路に送給するポンプと、
前記ポンプの流入口にオイルを導く導入管路と、
前記内燃機関のクランクケース内に設けられ、一端が前記導入管路又は前記ポンプの出力側管路に接続されて、他端が空気吸入口として開放された空気管路と、
前記導入管路又は前記出力側管路で、前記空気管路との接続部より下流側に設けられたマイクロバブル発生器と、
を有することを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項6】
請求項5記載のマイクロバブル発生装置において、
前記空気管路は、前記クランクケース内で、前記オイルパンにおけるオイルの油面よりも上方で開口していることを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項7】
請求項6記載のマイクロバブル発生装置において、
前記空気吸入口は、下方に向けて開口していることを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載のマイクロバブル発生装置において、
前記空気管路の少なくとも一部は、前記クランクケースに固定されていることを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロバブル発生装置において、
前記マイクロバブル発生器は、前記ポンプの内部に設けられていることを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項10】
請求項5〜9のいずれか1項に記載のマイクロバブル発生装置において、
自動二輪車に適用されていることを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項11】
液体を吸い出すポンプの導入管路又は出力側管路を主管路とするマイクロバブル発生装置であって、
一端が前記主管路に接続されて、他端が空気吸入口として開放された空気管路と、
前記主管路における前記空気管路との接続部より下流側に設けられたマイクロバブル発生器と、
を有することを特徴とするマイクロバブル発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−97431(P2009−97431A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269988(P2007−269988)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】