説明

マイクロビームフォーマのための送信アポダイゼイション制御

マイクロビームフォーマ用のアポダイゼイション制御技術は、トランスデューサ(26)と、トランスデューサ(26)を駆動するためのマイクロビームフォーマ送信器(24)と、トランスデューサ(26)からの信号を受信するためのマイクロビームフォーマ受信器(28)と、通常、受信したトランスデューサ信号を遅延させるための遅延素子(30A)とを夫々が有する複数のマイクロビームフォーマ・チャネル(22)を有する。トランスデューサによって波形の発生を改善するために、マイクロビームフォーマ送信器(24)へ供給される電圧は調整され、且つ/あるいは、マイクロビームフォーマ送信器(24)によって供給される電流は調整される。マイクロビームフォーマ・チャネル(22)は、また、パッチ(20)及び/又は集合体(38A,38B)に共にグループ化されえ、パッチ(20)及び集合(38A,38B)は、共通の電圧源又は電流を供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概して、本発明は、医療用画像のための超音波トランスデューサ、より具体的には、超音波トランスデューサにおけるアポダイゼイション制御、即ち、特に、サブアレイ・ビーム形成に関連する超音波トランスデューサの送信ビームの形状を制御するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
サブアレイ・ビーム形成又はマイクロビーム形成は、サブアレイにグループ化された超音波トランスデューサの送信及び/又は受信アレイの使用を有する。本願明細書に援用される米国特許番号5,997,479(特許文献1)は、複数のトランスデューサ素子が幾つかの送信サブアレイにグループ化され、且つ、受信アレイは幾つかの受信サブアレイにグループ化された複数のトランスデューサ素子を有する、マイクロビーム形成の一つの用途を記述する。特許文献1の図2は、また、送信サブアレイへ接続され、且つ、興味のある領域に向けて送信音響ビームを発する幾つかのグループ内の送信処理装置と、夫々のサブアレイへ接続された幾つかのグループ内の受信処理装置とを示す。夫々のグループ内の受信処理装置は、接続されているサブアレイのトランスデューサ素子から、送信音響ビームからのエコーに応じてトランスデューサ信号を受信するよう配置される。夫々のグループ内の受信処理装置は、受信したトランスデューサ信号を遅延させ、合計する遅延及び加算素子を有する。受信ビームフォーマは、グループ内の受信処理装置に接続された幾つかの処理チャネルを有し、夫々の処理チャネルは、グループ内の受信処理装置から受信された信号を遅延させることによってエコーからの受信ビームを合成するビームフォーマ遅延と、処理チャネルからの信号を受信して合計するビームフォーマ加算器とを有する。
【0003】
更に、本願明細書に援用される米国特許番号6,013,032(特許文献2)は、トランスデューサ・アレイの夫々のサブアレイがサブアレイ・ビームフォーマへ接続されている他のマイクロビームフォーマについて記述する(特許文献2の図2及び記述を参照。)。サブアレイ・ビームフォーマの夫々は、サブアレイ処理装置と、サブアレイ処理装置の出力部へ接続された位相シフトネットワークとを有する。第1のビームフォーマは、サブアレイ・ビームフォーマの出力が供給されるビームフォーマ・チャネルの出力を合計する加算ユニットを有し、それによって、所望の走査ラインに沿って受信した超音波エネルギーを表すビームフォーマ信号を供給する。
【0004】
以後広く使用される用語マイクロビームフォーマは、2次元アレイに配置されている非常に多数の圧電センサ素子への接続を容易にするために、トランスデューサのハンドル範囲内で組み込まれるサブアレイ・ビームフォーマについて記述する。このような構成は、メインフレーム・ビームフォーマとバックエンド・ディスプレイ・サブシステムとを組み合わせて用いる場合に、実時間の容積測定画像を可能にする。トランスデューサのハンドル範囲内でサブアレイ・ビームフォーマの電子を一体化する代わりに、それらは、メインフレーム内に配置されても良い。用語マイクロビーム形成は、また、1次元アレイに適用され得る。
【0005】
マイクロビーム形成において、送信ビームの形状の制御は、マルチライン画像化トランスデューサの成功実現にとって、特に、高次のマルチライン画像化が十分な容量取得率を達成するために必要とされる実時間容量取得にとって、重要な特徴である。電流超音波トランスデューサにおいて、トランスデューサ・アレイ内の夫々の素子が、夫々の素子が個々に制御可能であるように、一般に制御電子機器へ接続されているので、送信ビームの形状の制御が可能である。
【0006】
また、マイクロビーム形成及びトランスデューサ・アレイを有する他のビーム形成アプリケーションにおいて、トランスデューサ内の全ての素子のうちの一部は、如何なる時でも動作可能であって良い。これは、トランスデューサ・アレイの開口部制御と呼ばれる。トランスデューサ・アレイの開口部は、如何なる瞬間にも作動するトランスデューサ素子の構造に関する。トランスデューサ内の夫々の素子の電子制御は、送信及び受信信号が、実行されている画像の形式に適した信号を供給するよう整形され、且つ、遅延されることを可能にする。
【0007】
図8を参照すると、マイクロビームフォーマは、しばしば、複数のマイクロビームフォーマ・パッチ100により構成され、マイクロビームフォーマ・パッチ100の夫々は、少なくとも一つ、ほとんどの場合で複数の、マイクロビームフォーマ・チャネル102を有する。夫々のマイクロビームフォーマ・チャネル102は、トランスデューサ106へ接続されており、トランスデューサ106を駆動するためのマイクロビームフォーマ送信器104と、トランスデューサからの信号を受信するためのマイクロビームフォーマ受信器108とを有する。望ましくは、遅延110は、また、受信したトランスデューサ信号を遅延させるよう設けられ、制御回路122は、送信器104を励起するよう設けられている。マイクロビームフォーマ・チャネルが動作する方法に関する更なる詳細は、上述した特許文献の中で見つけられる。従って、マイクロビームフォーマは、ビームのステアリング及びフォーカス制御を提供するよう、夫々のマイクロビームフォーマ・チャネル102に対して個々の送信器を有する。更なる送信器が、一般に、メインフレーム112に設けられる一方で、このようなメインフレーム送信器は、トランスデューサ106を駆動するためには使用されない。むしろ、同軸ケーブル114は、同軸ケーブル114が受信経路に対してのみ用いられ、送信経路に対しては用いられないように、メインフレーム112上の受信器116とマイクロビームフォーマ・チャネル102との間に接続されている。単一電源118は、同軸ケーブル120を介してマイクロビームフォーマ・パッチ100の全てに結合されている。
【0008】
図8に示すようなマイクロビームフォーマでは、マイクロビームフォーマ・チャネルの幾つか又は全てへ供給されるタイミング及び送信エネルギーを制御すること(一般に、「送信ビーム形成」と呼ばれる。)によって、検査される対象に送られる超音波問い合わせ(interrogation)パルスは、例えば、様々な深さで高分解能を提供するよう整形されうる。同様に、受信重み付け(the receive weights)及び遅延を電子的に変更すること(「受信ビーム形成」と呼ばれる。)によって、受信したエネルギーは、様々な深さで高品質な画像を形成するよう使用されうる。
【0009】
トランスデューサ素子を制御するための一つの方法は、アポダイゼイションとして知られる。超音波トランスデューサ開口部のアポダイゼイションは、ビーム・サイドローベ・レベルにおける結果として起こる減少を伴う、開口部の中央から開口部の端までの送信振幅及び/又は受信ゲインの段階的な低減である。
【0010】
実際には、様々なアポダイゼイション手法が適用される。例えば、アクティブ開口部両端で変化する電源電圧と共に方形波パルサーを使用することが知られ、波形整形送信器を用いてチャネル毎のアポダイゼイションを適用することも知られる。この機能は、電力管理要素又は個々の送信器のいずれか一方において、更なる複雑性によって得られる。
【0011】
実時間3次元用マイクロビームフォーマを設計する場合には、マイクロビームフォーマ集積回路(IC)がトランスデューサのハンドルに適合しなければならないので、空間は入手しにくい。更に、電力浪費は、マイクロビームフォーマ電子機器に対して冷却を供給することの困難さのために制限されなければならない。そのようなものとして、マイクロビームフォーマ内の送信器は、可能な限り簡単で基本的な構造を有すべきであり、アポダイゼイションを提供するための送信器の複雑な変形は回避されるべきである。
【0012】
一つの従来技術によるシステムにおけるマイクロビームフォーマICは、要素基準毎のアポダイゼイションの2つのレベル、即ち、オン又はオフを供給する単極性パルサーを使用する。非常に顕著にこのシステムには欠点が存在する。アポダイゼイションは、制限され、しばしば、適切なビーム・サイドローベ制御に備えない。従って、トランスデューサのハンドル範囲内になければならない回路を著しく複雑化することなく、適切なビーム・サイドローベ制御を実現しうるマイクロビームフォーマからの送信のための新しいアポダイゼイション制御技術を提供することが有利となる。
【0013】
トランスデューサにより発せられた音響信号を制御するために、幾つかの従来技術による超音波画像システムは、持続期間及びデューティーサイクルを変化させる単純な方形波(ボックスカー)型の電圧励起信号によりトランスデューサ内のアレイ素子を駆動する。一定又は可変なメインフレーム電源を与えられるこれらの電圧励起信号の作り方は、当該技術分野で知られている。しばしば、電圧又はパルス幅は、音響信号の振幅を変更しようと試みるよう変えられる。駆動電圧の変更は、トランスデューサを駆動するために供給されうる総電力を変え、一方で、駆動電圧のパルス幅の変更は、トランスデューサが共振する方法を変え、様々な音響信号振幅が可能となる。アレイ全体に亘るアポダイゼイションの目的で、全てのトランスデューサで異なる駆動電圧を有することが上手く機能する。しかし、低い電圧を出力するよう命令されるそれらの駆動部に対して、駆動回路自体は、出力電圧及びシステムの高電圧バスが著しく異なっても良いので、多くのエネルギーを浪費する。マイクロビームフォーマに対して、この効率の悪さは、許容不可能である(関連するプローブ加熱による。)ので、異なる出力電圧パルスを許容する効率的な駆動技術を提供することが有利になる。
【0014】
トランスデューサに対して方形波電圧パルスを発生するために、送信器は、トランスデューサに結合されたキャパシタンスを充電するために、十分な電流量を供給又は減衰する必要がある。残念ながら、プルアップ及びプルダウンMOSFETデバイスを流れる電流は、それらの幅に直接的に比例するので、非常に大きなデバイスは、大きな電流を供給又は減衰する必要がある。空間はマイクロビームフォーマでは入手しにくいので、より小さなデバイスが使用され得るように、大きな駆動電流を必要としないパルス技術を発展させることが有利となる。
【0015】
トランスデューサへ供給される電流は、そのトランスデューサの正面、従って、内部へ送信される途中で現れる圧力(音響振幅)の速度に比例することが、トランスデューサ設計の技術分野で知られている。アレイ全体に亘るアポダイゼイションを変更するために、マイクロビームフォーマの比較的小さなサイズを維持する一方で、トランスデューサ駆動電流の感度を有効に使用することが有用となる。
【特許文献1】米国特許番号5,997,479
【特許文献2】米国特許番号6,013,032
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、マイクロビームフォーマによって駆動される超音波トランスデューサ・アレイのアポダイゼイション制御用の新しいシステムを提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、複数のパルサー電源電圧と共に、プルアップ/プルダウン・デバイスを用いるマイクロビームフォーマによって駆動される超音波トランスデューサ・アレイのアポダイゼイション制御用の新しいシステムを提供することである。
【0018】
本発明の更なる他の目的は、超音波トランスデューサを駆動するよう、複数の切り換え可能な電流源を用いるアポダイゼイション制御を提供することである。
【0019】
本発明の更なる他の目的は、時間を変化させるために超音波トランスデューサを駆動する一つ又はそれ以上の切り換え可能な電流源を用いるアポダイゼイション制御を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的及び他の事柄を達成するために、本発明に従うマイクロビームフォーマのアポダイゼイション制御用のシステムは、複数のマイクロビームフォーマ・パッチにグループ化又は割り当てを為された複数のマイクロビームフォーマ・チャネルを有し、夫々のマイクロビームフォーマ・チャネルは、トランスデューサと、該トランスデューサを励起するためのマイクロビームフォーマ送信器制御及び駆動回路と、トランスデューサ信号を受信するためのマイクロビームフォーマ受信器と、通常、前記受信したトランスデューサ信号を遅延させるための遅延素子とを有する。夫々のパッチにおけるマイクロビームフォーマ送信器は、共通ノードへ接続されているが、個々のタイミング制御回路を有する。メインフレーム・ビームフォーマは、パルス状の電源電圧を送るためのメインフレーム送信器及びメインフレーム受信器を夫々が有する複数のメインフレーム・チャネルを有する。夫々のマイクロビームフォーマ・パッチは、メインフレーム受信器がマイクロビームフォーマ受信器のデータ経路のパッチから信号を入力するように、例えば、パッチの共通ノードへ接続されたケーブルによって、夫々のメインフレーム・チャネルへ接続されている。
【0021】
本発明の目的を達成するための幾つかの様々な方法があり、それらは、マイクロビームフォーマ・パッチへの独自の電源電圧接続を提供すること、又は、夫々の関連するトランスデューサへ/から駆動される電流を制御するよう独自の駆動電子機器を提供することを有する。第1の技術は、パッチ内の個々のトランスデューサを様々な電圧に駆動するために使用される異なる高電圧電源を有する夫々のパッチを供給するよう、メインフレーム送信器駆動部を使用する。第2の技術は、マイクロビームフォーマ・パッチのうちの一つ又はそれ以上へ接続されている(メインフレーム送信器駆動部とは別に付け加えられた)メインフレームにおいて多数の可変な高電圧電源を割り当てる。第3の技術は、全てのマイクロビームフォーマ・パッチに対して単一の一定高電圧電源を使用するが、送信される音響波形の振幅を制御するよう、パッチ毎又はトランスデューサ毎に異なる電流駆動出力を供給する。最後に、第4の技術は、全てのマイクロビームフォーマ・パッチに対する単一の一定高電圧電源と、単一の電流駆動出力とを使用するが、電流がトランスデューサへ入力される時間の長さは、変化する電力量をトランスデューサへ正確に置き、従って、異なる音響振幅を励起するように、可変である。これらの技術は、様々な駆動能力を有する多種多様なマイクロビームフォーマ送信器の構成を達成するよう、個々に又は様々な組み合わせで使用され、実施されうる。夫々の技術は、本発明の目的を達成し、超音波トランスデューサのアポダイゼイション制御を提供する。以下、これらを要約する。
【0022】
マイクロビーム形成アレイにアポダイゼイションを適用する第1の技術は、個々のトランスデューサを駆動するために使用される異なる高電圧電源を有する夫々のパッチを供給するよう、メインフレーム・ビームフォーマにおいてメインフレーム送信器駆動部を使用する。夫々のマイクロビームフォーマ・チャネル内のタイミング制御回路は、パッチ内の関連するマイクロビームフォーマ送信器がトランスデューサを励起する時を決定する。メインフレーム送信器チャネル電圧及びそれに伴うパッチ電源電圧は、メインフレーム送信器が広範囲の出力電圧を供給するよう設計されるので、この構造で任意に変更されうる。夫々のメインフレーム・チャネル内の送信器は、マイクロビームフォーマ送信器によって駆動されるパルスがメインフレーム・チャネルからの単極性パルスに等しい振幅を有するように、マイクロビームフォーマ送信器によって連続して為される夫々の送信の持続期間に単極性パルスを送信するよう配置されても良い。このようにして、メインフレーム送信器は、マイクロビームフォーマ内の送信器のパッチに対して可変な電源となる。
【0023】
この第1の技術の複雑な詳細は、本質的に高電圧である送信イベントと、本質的に定電圧である受信イベントとの分離を有する。具体的には、送信ノイズが受信データ経路の品質を落とすことを防ぐために、ダイオードがマイクロビームフォーマ送信器とケーブルとの間及びケーブルとメインフレーム送信器との間に設けられる。また、送信器の作動時に受信器を保護するために、例えばスイッチのような保護デバイスが、マイクロビームフォーマ受信器からの出力経路及びメインフレーム受信器の入力経路の両方に設けられても良い。
【0024】
メインフレーム送信器を介して夫々のパッチへ独立した電源電圧を供給することによって、夫々のパッチは、異なる振幅の波形を送信し、それによって、送信ビームのより一層の整形に備えることができる。
【0025】
本発明の他の実施例において、パッチは、複数の集合体にグループ化され、夫々の集合体は、望ましくは複数のパッチを有する。マイクロビームフォーマ送信器は、その場合、複数の個々に調整可能な電源(又はメインフレーム送信器)によってメインフレームから電源を供給され、夫々の集合体は、例えばケーブルによって、夫々の電源へ接続される。夫々の集合体に印加された電源電圧は、例えば、夫々のパルスの繰り返し間隔に対して、異なる電圧へ、独立に調整可能又は設定可能である。
【0026】
夫々のマイクロビームフォーマ・パッチ内の送信器は、上記実施例のように、専用の電源によって電源を供給されないが、マイクロビームフォーマ・パッチの集合体は、共通の電源によって、及び集合体へのマイクロビームフォーマ・パッチの適切な割り当てによって、電源を供給され、送信ビームの形状は、効果的に、且つ、有利に制御され得る。ダイオード及びスイッチを削除することは、様々なパッチ送信器に電源を供給するために必要とされるケーブルの数を劇的に増大させることのない本実施例の主たる利点である。
【0027】
高電圧電源レールを供給されている少数のメインフレームから選択的に選ぶことができるマイクロビームフォーマ送信器において、高電圧スイッチ(又は他の切り替え手段)を有することは、本実施例の容易な拡張である。即ち、共通の高電圧電源を共有するよう共に集積されたパッチ又はマイクロビームフォーマ・チャネルを有するのではなく、夫々のマイクロビームフォーマ・チャネルは、少数の電源レールから選択するよう、一つ又はそれ以上の高電圧スイッチを有することができる。使用されるべき電源レール及びそれによって印加される駆動電圧の選択は、チャネルベースでなされ、夫々のパルス繰り返し間隔で異なっても良い。
【0028】
本発明の第3の実施例において、マイクロビームフォーマ送信器駆動部は、特に、電圧源としてではなく、可変な電流源を有する特定のトランスデューサを駆動するよう設計されうる。多種多様な形式のトランスデューサを駆動することができなければならないメインフレーム送信器とは異なり、マイクロビームフォーマ送信器は、特定のトランスデューサを最適に、且つ、効率的に駆動するよう設計されうる。そのようなものとして、従って、トランスデューサを駆動するよう夫々のマイクロビームフォーマ送信器において複数の切り換え可能な電流源及びシンクを使用することが可能であり、その場合、トランスデューサからは、電流が高いほどより大きな音響振幅を発生し、電流が小さいほどより小さな音響振幅を発生する。これらのアポダイゼイション技術は、全てのマイクロビームフォーマ・チャネルに共通な単一の高電圧電源を用いて達成されうる。更に、特定の電源及びシンク電流を選択することによるアポダイゼイションの制御は、パッチ又はパッチの集合体にグループ化されるよりもむしろ、夫々のマイクロビームフォーマ・チャネルにおいて容易に達成されうる。
【0029】
本発明の本実施例は、夫々が直列スイッチ及びプルアップ・デバイスを有する複数の切り換え可能な電流源と、夫々が直列スイッチ及びプルダウン・デバイスを有する複数の切り換え可能な電流シンクとを有する。切り換え可能な電流源及びシンクのこのような構造は、電流モードデジタル−アナログ変換器(DAC)として当業者に知られている。上述したプルアップ・デバイスは、高電圧電源からトランスデューサへ定電流を供給するようバイアスをかけられているPMOSFET(PMOSとしても知られる。)デバイスでありうる。PMOSFETデバイスは、また、スイッチとして動作するように、オフにバイアスをかけられても良い。あるいは、別のPMOSFETデバイスが、スイッチ機能を実現するよう、直列に配置されても良い。同様に、プルダウン・デバイスは、トランスデューサから接地(又は負電源)へ定電流を供給するようバイアスをかけられているNMOSFET(NMOSとしても知られる。)デバイスでありうる。NMOSFETデバイスは、また、スイッチとして動作するように、オフにバイアスをかけられても良い。あるいは、別のNMOSFETデバイスが、スイッチ機能を実現するよう、直列に配置されても良い。
【0030】
PMOS及びNMOSデバイスの電流搬送能力は、それらの幅に比例し、また、印加されたゲートバイアスの関数であることは、当業者に知られている。従って、本実施例では、望ましくは、マイクロビームフォーマ送信器は、夫々のトランスデューサへ及びから様々な駆動電流を供給するよう(それらのゲートバイアスによって)選択的に使用可能にされうる少数のPMOS及びNMOSデバイスを有しうる。最大効率のために、プルアップ及びプルダウン・デバイスは、同時に導通しなくても良いが、動作の異なる、低効率なモードが起こりえる。
【0031】
本発明の好ましい実施例の通常動作中に、PMOSデバイスのうちの選択された一部は、トランスデューサを駆動するよう使用可能にされうる。使用可能なデバイスの数及びそれにより得られる駆動電流は、夫々のマイクロビームフォーマ・チャネルにおいて個々に制御可能である。望ましくは、PMOSデバイスは、励起されるべき音響信号の波長のおよそ4分の1の期間に使用可能とされうる。その後、NMOSデバイスのうちの選択された一部は、励起されるべき音響信号の波長のおよそ4分の1に等しい期間に、トランスデューサを放電するよう使用可能にされうる。しかし、留意すべきは、プルアップ及びプルダウン電流が等しくない場合に、プルアップ及びプルダウン・イベントの持続期間は等しくないことがあることである。トランスデューサに現れる電圧は、印加された駆動電流及びトランスデューサのキャパシタンスの関数であるが、一般に、立ち下がりが後に続くある電圧への立ち上がりでありうる。このようなランプの傾斜は、駆動電流及びトランスデューサ・キャパシタンスによって決定される。
【0032】
プルアップ及びプルダウン・イベントの間は駆動電流がプログラム可能であるが、これらのイベントの持続期間は(特定の所望の音響周波数に対して)一定であることは、本発明の本実施例の重要な要素である。即ち、配列全体に亘って異なるアポダイゼイションレベルを実現するために、マイクロビームフォーマ・チャネルの夫々は、全てのチャネルの間で共通である特定のプルアップ及びプルダウン持続期間に異なる電流を駆動しても良い。チャネルがトランスデューサを駆動する時期は、所望の遅延に依存し、トランスデューサへ駆動される選択された電流は、所望のアポダイゼイションに依存する。
【0033】
一つのプルアップ・デバイス及び一つのプルダウン・デバイスがアレイ全体に亘る所望のアポダイゼイションに従って変化する時間期間にトランスデューサを駆動するよう、全てのマイクロビームフォーマ・チャネルに配置される本発明の更に他の実施例を提供することは、上記実施例の容易な拡張である。このパルス幅変調のアプローチは、プルアップ及びプルダウン・デバイスが使用可能とされて、トランスデューサへ供給される総電力を制御する時間を変化させる。結果として生ずる音響波形の振幅は、印加された電流パルスの幅にほぼ比例する。
【0034】
本実施例と先の複数の電流の実施例との間の重要な違いは、マイクロビームフォーマ送信器が制御される方法にある。複数の電流の実施例では、アポダイゼイション機能は、電流設定を特定するが、パルスの立ち上がり及び立ち下がりの連続は、(この連続の開始時間はチャネルによって異なるが)全てのチャネルで同じである。本実施例では、アポダイゼイション機能は、立ち上がり及び立ち下がりのイベントのパルス幅を特定するが、プルアップ及びプルダウン電流は、全てのチャネルで同じである(先と同じく、連続の開始時間はチャネルにより異なる。)。明らかに、これらの実施例の間にはタイミング制御の複雑性において矛盾が存在し、これは、高電圧電流源の複雑性(サイズ)の違いに対して相反する。
【0035】
これらの実施例の夫々が、多種多様な構造で一体化されうる新規の電源接続の実施例と、高電圧駆動部回路設計と、駆動タイミング制御技術とを構成することは、当業者に明白であるべきである。用途及び実施の制約に依存して、これらの様々な実施例又はそれらの組み合わせのうちの一つは、最適又は望ましくあっても良い。本発明は、記述した個々の実施例及びそれらの任意の組み合わせを網羅するよう理解されるべきである。
【0036】
本発明は、本発明に関する更なる目的及び利点と共に、添付の図面と共に以下の記述を参照して最も良く理解されうる。図面において、同じ参照番号は、同じ要素を特定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、超音波トランスデューサのマイクロビームフォーマのアポダイゼイション制御のための幾つかの技術について説明する。これらの技術は、マイクロビームフォーマ・パッチ内の夫々のトランスデューサ又は複数のトランスデューサへ供給される駆動電圧又は駆動電流を調整することにより送信ビームを形成する能力を改善する、という共通の目的を共有する。当該技術は、独立して、又は、可能な範囲内で互いに組み合わせて使用されうる。
【0038】
図1に示したマイクロビームフォーマのアポダイゼイション制御用のシステムの第1の実施例において、夫々のマイクロビームフォーマ・パッチへ供給される電圧は、調整可能である。超音波画像システムのメインフレーム・ビームフォーマ10は、複数のメインフレーム・チャネル12を有する。夫々のメインフレーム・チャネル12は、メインフレーム送信器14及びメインフレーム受信器16を有する。同軸ケーブル18は、夫々のメインフレーム・チャネル12を、本明細書中でマイクロビームフォーマ・パッチ20とも呼ばれる夫々のサブアレイ・ビームフォーマへ接続する。夫々のパッチ20は、複数のマイクロビームフォーマ・チャネル22を有する。マイクロビームフォーマ・チャネル22の夫々は、マイクロビームフォーマ送信器24と、送信器タイミング制御回路24Aと、マイクロビームフォーマ送信器24からの信号により駆動されるトランスデューサ26と、トランスデューサ26から信号を受信するマイクロビームフォーマ受信器28と、遅延素子30Aとを有する。同軸ケーブル18の代わりに、当該技術分野において知られている他のケーブル及び電気接続部品を使用することができる。遅延素子30Bは、通常はマイクロビームフォーマ送信器24にしばしば設けられる。
【0039】
夫々のメインフレーム送信器14は、ケーブル18を介して夫々のパッチ20へ電源電圧を供給する。従って、メインフレーム送信器14及びメインフレーム受信器の両方が、ノード32を介してケーブル18へ接続されている。メインフレーム送信器14の夫々を夫々のパッチ20へ結合することにより、個々に調整可能な電圧は、夫々のパッチ20のマイクロビームフォーマ・チャネル22内のマイクロビームフォーマ送信器24へ供給されえ、その結果、夫々のパッチ20内のマイクロビームフォーマ・チャネル22の制御を可能とし、夫々のパッチ20内のトランスデューサ26によって発せられた送信ビームの如何なる所望の整形をも提供する。
【0040】
動作中に、単極性パルスが、少なくとも夫々の送信バーストの持続期間に、メインフレーム送信器14によってマイクロビームフォーマ・パッチ20へ、更に具体的には、夫々のマイクロビームフォーマ・パッチ20内のマイクロビームフォーマ送信器24へ送信される。単極性パルスの電圧は、夫々のマイクロビームフォーマ・パッチ20内のトランスデューサ26への単極性パルスを作るよう、夫々のマイクロビームフォーマ・パッチ20内のマイクロビームフォーマ送信器24によって断続的に印加される。マイクロビームフォーマ送信器24がトランスデューサ26をハイ(high)又はロー(low)に駆動し、多数のこのようなパルスが生ずる時間は、マイクロビームフォーマ・チャネル22の夫々において、一意的に、且つ、単独に制御される。しかし、パルスの振幅は、一つのパッチ内のマイクロビームフォーマ送信器24の全てに対して同じであって、メインフレーム送信器14によって印加される電圧によって設定される。従って、メインフレーム送信器14及びマイクロビームフォーマ送信器24は、トランスデューサ26に対する駆動信号に寄与する。
【0041】
ダイオード34は、受信モードの間はメインフレーム送信器14及びマイクロビームフォーマ送信器24を信号経路から分離するよう、メインフレーム・チャネル12及びマイクロビームフォーマ・パッチ20の両方において、送信器電源ブランチに直列に加えられる。図1に示すように、一組のダイオード34は、受信モードの間はマイクロビームフォーマ・パッチ20内のマイクロビームフォーマ送信器24の全てを信号経路から分離するように夫々のマイクロビームフォーマ・パッチ20内に配置されているが、代替的に、数組のダイオードが使用されても良い。ダイオード34の第2の組は、メインフレーム・チャネル12において、メインフレーム送信器14とノード32との間にも配置されている。ダイオード34の代わりに、他の分離装置が、当業者に知られているように、使用されうる。
【0042】
スイッチ36は、メインフレーム受信器16の入力及びマイクロビームフォーマ受信器28の出力が送信イベントに耐えることができるように、メインフレーム・チャネル12及びパッチ20の両方において、メインフレーム受信器16の入力部及びマイクロビームフォーマ受信器28の出力部に高電圧保護を加えるよう受信ブランチ内に設けられている。図1に示すように、一つのスイッチ36は、夫々のパッチ20内の夫々のマイクロビームフォーマ・チャネル22において配置されているが、スイッチの代替配置が、高電圧保護がマイクロビームフォーマ受信器28の出力部に加えられている限り、パッチ20において使用されても良い
本発明に従うアポダイゼイション制御用のシステムの他の実施例は、例えばスイッチのような、付加的なダイオード及び受信入力部/出力部保護を必要としない点で、図1に示した実施例よりも簡単な構造を有する。ダイオード及び受信出力保護材の配置が従来技術のアポダイゼイション制御技術を超える利点を提供するが、それは、付加的な部品及び制御複雑性を加える。
【0043】
ここで図2を参照すると、本実施例は、夫々のパッチ20のための個々のアポダイゼイションを規定するのではなく、むしろ、パッチ20の複数の個別グループ又は集合体38A、38B(そのうちの2つのみが図2には示されている。)のための独立したアポダイゼイションを規定する。本実施例において、パッチ20は、複数の集合体38A、38Bにグループ化される。集合体38A、38Bのうちの少なくとも一つ、可能ならば全ては、複数のパッチ20を有する。夫々の集合体38A、38Bは、集合体38A内のパッチ20の送信電圧が他の集合体38B内のパッチ20の送信電圧から独立していることを可能にする電源電圧40A、40Bを有する。図2では、簡単にするために、一つのマイクロビームフォーマ・チャネル22しか夫々のパッチ内に示されていないが、夫々のパッチ20は、複数のマイクロビームフォーマ・チャネル22を有すると理解される(例えば、図1参照。)。
【0044】
同軸ケーブル42は、夫々の電源電圧40A、40Bを、夫々の集合体38A、38Bのノード44へ接続する。夫々の電源電圧40A、40Bは、その集合体内の夫々のパッチ20のマイクロビームフォーマ送信器24へ配線接続されている。同軸ケーブル42の代わりに、他のケーブル又は電機接続部品が使用されても良い。
【0045】
本実施例は、金型(die)に複数の別々の電源(夫々のパッチに対して一つのみ。)を設け、且つ、有用なアポダイゼイションを提供するように配置された別々の電源を有するよう、設計されるべきである点で、マイクロビームフォーマICアーキテクチャに影響を与える。例えば、図3は、集積回路46、48を形成するために16個の金型が使用される(二重線は、16個のICの間の境界を表す。)集合体38へパッチ20を割り当てるためのポテンシャル配置を表す。128個のパッチ20は、(機械的に)8個の集合体38にグループ化される。中央の2行にある4個のIC46は、全部で8個の電源を使用し、一方、他のIC48はより僅かしか使用しない。しかし、IC46、48は、夫々のパッチ20の電源電圧が入力ピン/パッドとして利用可能である場合には、依然として同一であることができる。その場合、夫々のパッチ20への電源電圧の割り当ては、IC46、48と、より容易にカスタマイズされるケーブル布線との間の相互接続の度合いで起こりうる。従って、本実施例では、多数の専用電源が、少なくとも一つ、望ましくは複数のパッチを夫々有する集合体38に配線接続される。
【0046】
メインフレーム内に設けられる電源電圧40A、40Bは、調整可能な電力をマイクロビームフォーマ送信器24へ供給するための如何なる既知の構造であっても良い。
【0047】
本発明に従うアポダイゼイション制御用のシステムの他の実施例は、全てのマイクロビームフォーマ送信器へ供給される少数(例えば、2つ)の高電圧レールを有する。その場合、送信器は、結合されたトランスデューサを駆動する場合に、これらの電源のどちらかを選ぶよう命令されうる。図4Aに示すように、2つの高電圧レール88、90は、単一のPMOSプルアップ・デバイス又はトランジスタ92Aへ接続される。高電圧レール88(HV1)は、高電圧レール90(HV2)よりも高い電圧を有する。高電圧スイッチ94は、高電圧レール88とプルアップ・デバイス92Aとの間に挿入され、一方、ダイオード96は、高電圧レール90とプルアップ・デバイス92Aとの間に挿入されている。プルアップ・デバイス92Aは、ノード98でトランスデューサ26へ接続されている。プルダウン・デバイス又はトランジスタ92Bは、トランスデューサ26を放電するために、ノード98へ接続される。
【0048】
HV1を下回る電圧にHV2を設定することにより、どちらかの電源は、いずれかの電圧電源が選ばれることで設定される振幅を有する単極性パルスを作るよう、一要素(又は一パッチ)ベースで、単一のスイッチ94の作動によって選ばれうる。一つの可能な動作実施例では、送信開口部の周辺に近いトランスデューサ26は、選択された、より低いHV2電源を有しうる。ダイオード96は、また、スイッチ94に類似するスイッチであっても良いが、デバイスをオンとするための付加的な回路を必要とする。二以上の高電圧電源は、スイッチ94に並列に、付加的なスイッチ及び関連した電源を有することにより支持されうる。
【0049】
単一のプルアップ・デバイスへ2つの高電圧レール、即ち、図4に示すようなスイッチを介する一の高電圧レール及びダイオードを介する他の高電圧レールを接続する代わりに、図4Bに示すように、夫々の高電圧レール88、90に対して別々のプルアップ・デバイス92Aを使用することが可能である。プルアップ・デバイス92Aは、本実施例においてスイッチとして働くので、別のスイッチ(図4A中の素子94)は必要とされない。
【0050】
複数の電圧源を設け、且つ、図4Aに開示されるプルアップ・デバイスを使用して電圧源の間を切り換える技術は、電圧がマイクロビームフォーマ送信器24へ供給される全ての状況で適用されても良い。従って、この技術は、図1〜3を参照して上述した電源集合技術と共に使用されても良い。例えば、2つ又はそれ以上の高電圧レール電源は、そのパッチへの電圧が高電圧電源の間で切り換えられることを可能にするよう、夫々のパッチに対して設けられうる。このようにして、電源電圧のうちの幾つは、パッチベースでパッチ上の特定の送信開口部に対して使用されうる。更に、複数の高電圧レール電源は、電源電圧の幾つかが、トランスデューサ26ベースで、トランスデューサ26上の特定の送信開口部に使用されうるように、単一のパッチ20内の夫々のマイクロビームフォーマ送信器24に設けられうる。
【0051】
本発明の幾つかの実施例では、トランスデューサ26への駆動信号を調整するために、マイクロビームフォーマ送信器24へ電圧の変動範囲を設けることに加え、又は、そうする代わりに、マイクロビームフォーマ送信器24によって供給される駆動電流を調整することが可能である。従来のマイクロビームフォーマでは、マイクロビームフォーマ送信器24によって供給される電圧のみが調整される。しかし、駆動電流モデルを用いることにより、電流に対するトランスデューサ26の感度は、有効に使用される。即ち、(無制限の電流を有する)電圧励起のみでトランスデューサ26を駆動するのではなく、トランスデューサ26は、生じた電圧がトランスデューサ26によって許容されうる範囲で、電流により駆動される。このようにして、非常に小さな駆動回路が形成され、トランスデューサ26の非常に近くに配置されたICに組み込まれることが可能である。このような集積度の高いマイクロビームフォーマでは、駆動回路と、充電又は放電をなされるべきトランスデューサ26との間に介在している大きなケーブルが不要である。それによって、本発明に従うマイクロビームフォーマの効率が更に改善される。
【0052】
一般に、本発明で使用される駆動電流回路は、切り換え可能な電流源と、トランスデューサ26へ供給される電流の変化を可能にするシンクとを有する。トランスデューサ26への電流及びトランスデューサ26からの電流は、おおよそ音速に対応するので、様々な音声信号が駆動電流を変化させることにより同期化されても良い。
【0053】
電流制御される超音波マイクロビームフォーマ送信器24の第1の実施例は、図5に示され、一方の端部で入力電圧へ接続されたプルアップ・デバイス52と、プルアップ・デバイス52の他方の端部へ接続された夫々のスイッチ54とを夫々有する複数の切り換え可能な電流源を有するデジタル−アナログ変換器(DAC)セル50を有する。スイッチ54は、出力ノード56を介してトランスデューサ26へ接続されている。トランスデューサ26は、主として容量性であり、従ってキャパシタ58により表される。スイッチ54は、電流出力がプルアップ・デバイス52を流れる場合に、8の異なる電流が出力ノード56で供給される8つまでの異なる電流出力を供給するよう、2進形式で制御される。
【0054】
トランスデューサ26のキャパシタンスを考慮して、負荷の両端に現れた電圧は、プルアップ・デバイス52の幾つかが使用可能である場合に、増大し続ける。キャパシタ58を放電するよう、複数の切り換え可能な電流シンクが設けられる。夫々の電流シンクは、プルダウン・デバイス60と、夫々のスイッチ62とを有する。電流シンクは、8までの異なる放電電流を供給するよう制御される。最適な効率のために、プルアップ・デバイス52及びプルダウン・デバイス60の両方が同時に使用可能であることを許容することは有用ではない。出力ノード56での電圧は、キャパシタ58のプレートの上及び離れたところで、蓄積された電荷の移動の作用であり、従って、電流52及び60と、それらのデバイスがノード56を駆動するよう使用可能である持続期間との作用である。
【0055】
プルアップ・デバイス52及びプルダウン・デバイス60は、飽和状態で動作する高電圧MOSFETデバイスであっても良い。オン状態のMOSFETを流れる電流は、その幅に比例する。そのようなものとして、DACセル50を使用するには、望ましくは、例えば幅1x、2x及び4xといった異なる幅を有する3つの高電圧PMOSFETプルアップ・デバイス52が必要とされ、3つのNMOSFETプルダウン・デバイス60は対応する幅(1x、2x及び4x)を有する。代替的には、共通ゲート接続を有する並列な複数のプルアップ・デバイス又はプルダウン・デバイスが、これらの異なる駆動電流を供給するよう使用されても良い。MOSFETデバイス52、60のゲートが制御される方法及び類似するプルアップ及びプルダウン電流が得られうる方法は、容易に当業者に確かめられるであろう。電流源/シンクとしてのMOSFETデバイス52、60自体のゲートがノード56へ/からの電流フローを無効にするよう駆動される場合には、直列スイッチ54及び62が削除されることも、当業者に容易に理解されるべきである。当業者に知られる他のプルアップ及びプルダウン・デバイス(例えば、バイポーラ・トランジスタ。)も、DACセル50において使用されうる。
【0056】
駆動電流制御回路に適用するDACセル50の前記構造は、DACセル50が(大きな電源/シンク電流を必要とする)比較され得る電圧制御回路よりも小さなサイズを占め、より良く適した電力制限を有するので、特に、超音波トランスデューサ、具体的には、マイクロビームフォーマ・トランスデューサを制御するには有利である。他の利点は、駆動部と(標準のケーブル状トランスデューサ内にあるような)マイクロビームフォーマ・トランスデューサとの間にチューニング・ネットワーク又はケーブルのキャパシタンスがないので、音響応答がより一層予測可能であることである。
【0057】
駆動電流制御回路の更なる変形例は、トランスデューサ26へ供給され、それに伴って人体内に送信された総電力は、駆動電流だけではなく、時間の関数でもあるという認識に基づく。従って、異なる送信波形を発生するようパルス幅変調制御と共に、図5を参照して上述したDACセル50のような高電圧DACセルを使用することが可能である。パルス幅変調の概念は、また、それら電流が有効な状態とされる時期が出力される音の振幅を制御することができる単一の電流源/シンクの組と共に使用されうる。
【0058】
パルス幅変調を適用するDACセル70を図62示す。DACセル70は、定電流を供給され、異なる時間の間に使用可能とされる単一のプルアップ・デバイス72及び単一のプルダウン・デバイス74を有する。このことは、異なる波形振幅又は形状を合成することができる異なる電流パルスを有する出力ノード76へ接続されたトランスデューサを提供する。
【0059】
制御コンピュータ又は処理装置78は、制御変化のためのイベント並びに画像処理の夫々のライン及びフレームのためのイベントを指定するよう設けられており、また、随意的にこのようなイベントを発生させても良い。制御コンピュータ78は、タイミング発生器80と、随意的にメインフレーム送信器とへ、必要とされるイベント命令を出す。メインフレーム送信器は、上述した構造のいずれかと同様に、電力供給レールを介してDACセル70へ全電力波形を供給することができる。超音波画像システムは、また、当該技術分野で知られる所望の送信波形を供給するためにイベント命令を発生させるよう、他の構成要素を有することもできる。
【0060】
タイミング発生器80は、夫々のバースト状態でのパルスの数、パルス列周波数、パルス幅及び(集束のために使用される)遅延を決定し、DACセル70に、タイミング信号を受けると電源から所望の波形を発生させる適切なタイミング信号を発する。
【0061】
更に具体的には、タイミング発生器80は、スイッチ82又は84に対して、タイミング信号又はパルス幅変調信号を発する。スイッチ82がオン又はオフである範囲、即ち、スイッチ82がオンである時間は、プルアップ・デバイス72からの電流パルスの幅を決定する。スイッチ84がオン又はオフである範囲、即ち、スイッチ84がオンである時間は、プルダウン・デバイス74を介して接地への電流パルスの幅を決定する。
【0062】
DACセル70は、単一のプルアップ・デバイス72及び単一のプルダウン・デバイス74と共に示されている。図7に示すように、複数の異なる電流を供給する複数のプルアップ及びプルダウン・デバイスを有するDACセル86を構成することも可能である。従って、MOSFETデバイスがプルアップ・デバイス72及びプルダウン・デバイス74として使用される場合には、MOSFETデバイスの幅は、例えば図のようにx、2xと、異なっている。このようにして、異なる電流は、スイッチ82、84の開成及び閉成の様々な組み合わせによって供給される。
【0063】
プルアップ・デバイス72及びプルダウン・デバイス74がトランスデューサを駆動するときのこれらデバイス72、74のタイミングの制御は、複雑であるが、当業者により確かめられることができる。容量負荷は、一致した音響出力が得られるように、一のチャネルから次のチャネルへ適切に制御されるべきである。
【0064】
図4〜6を参照して上述した電流モード調整/アポダイゼイション技術は、マイクロビームフォーマ送信器24の出力に現れた電圧が高電圧供給レール(HVレール)に達しない場合に適する。出力電圧がHVレールの電圧に達する場合には、PMOSFETプルアップ・デバイス72は、飽和から脱し、HVレールがトランスデューサ26上の電圧に等しい場合には、最終的に導通電流を停止する。従って、電流変調及びパルス幅変量技術は、トランスデューサの電圧がHVレールまでずっと変化する場合には無効であることが欠点である。しかし、音響出力を最大にするために、可能な限りHVレールに近い変化が望まれる。駆動電流及び実際の要素負荷の両方で本質的に幾つかの不確実性が存在するので、最大出力音響出力を得、伝達波形に亘って良好な制御を有することは、非常に困難である。
【0065】
図5〜7を参照して上述した電流モード技術は、要素負荷と、動作上の欠点の結果として生ずる駆動ばらつきとに対して敏感に反応し、従って、全てのアプリケーションに対して適切ではない。このような欠点を解決するために、図1〜4で先に表した電力(電圧)供給制御技術が、また、上述した電流モード技術と共に使用されうる。例えば、図4Aの二段HVレールにおけるプルアップ・デバイス92A及びプルダウン・デバイス92Bは、図7の電流源72及び74を提供する。図4でアップ(UP)及びダウン(DOWN)を表すラベルを付されたプルアップ・デバイス92A及びプルダウン・デバイス92Bのゲートは、特定の時間期間の間に、トランスデューサ26へ停電源及びシンク電流を供給するように、適切なパルス幅変調信号で駆動され得る。パルスの持続期間が、出力ノード98が選択されたHVレール(88又は90のいずれか一方。)へ駆動されるのに十分に長くない場合に、パルス幅変調技術が使用されても良い。他方で、パルスの持続期間が、選択されたHVレールへ出力ノード98を完全に変化させるのに十分に長い場合には、電圧供給技術(集積化など。)が使用されても良い。
【0066】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して本明細書中で説明してきたが、本発明は、これらの明確な実施例に限定されるものではなく、多種多様な変更及び変形が、本発明の主旨を損なわない範囲で当業者により為されても良いことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に従うアポダイゼイション制御を使用する超音波トランスデューサのマイクロビームフォーマ部の第1の実施例の図である。
【図2】本発明に従うアポダイゼイション制御を使用する超音波トランスデューサのマイクロビームフォーマ部の第2の実施例の図である。
【図3】本発明の第2の実施例に従うクラスタへのマイクロビームフォーマ・パッチの可能なグループ化を示すダイアグラムである。
【図4A】本発明に従う駆動電圧制御回路の第1の実施例の図である。
【図4B】本発明に従う駆動電圧制御回路の第2の実施例の図である。
【図5】本発明に従う第1の駆動電流制御回路の図である。
【図6】本発明に従う第2の駆動電流制御回路の図である。
【図7】本発明に従う第3の駆動電流制御回路の図である。
【図8】従来技術の超音波トランスデューサのマイクロビームフォーマ部の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス状の電源電圧を送るためのメインフレーム送信器及びメインフレーム受信器を夫々が有する複数のメインフレーム・チャネルを有するメインフレーム・ビームフォーマ;
トランスデューサと、該トランスデューサを駆動するためのマイクロビームフォーマ送信器及び制御回路と、前記トランスデューサからの信号を受信するためのマイクロビームフォーマ受信器と、前記受信したトランスデューサ信号を遅延させるための遅延素子とを夫々が有する複数のマイクロビームフォーマ・チャネルを夫々が有し、当該複数のマイクロビームフォーマ・パッチの夫々における前記マイクロビームフォーマ送信器が共通ノードへ接続されている複数のマイクロビームフォーマ・パッチ;
前記夫々のメインフレーム・チャネル内の前記メインフレーム送信器が当該コネクタを介して前記マイクロビームフォーマ・パッチ内の前記マイクロビームフォーマ送信器の全てに前記パルス状の電源電圧を供給するように、該マイクロビームフォーマ・パッチの夫々一つにおける前記共通ノードを前記メインフレーム・チャネルの夫々一つへ夫々が接続する複数の個別電気コネクタ;
前記マイクロビームフォーマ受信器及び前記メインフレーム受信器が作動する場合に、前記マイクロビームフォーマ送信器及び前記メインフレーム送信器を分離するための分離手段;及び
前記マイクロビームフォーマ送信器及び前記メインフレーム送信器が作動する場合に、前記マイクロビームフォーマ受信器及び前記メインフレーム受信器を保護するための保護手段;
を有するマイクロビームフォーマのアポダイゼイション制御用のシステム。
【請求項2】
前記分離手段は、前記コネクタの夫々と前記メインフレーム・チャネルの夫々一つにおける前記メインフレーム送信器との間及び前記コネクタの夫々と前記マイクロビームフォーマ・パッチの夫々一つの前記共通ノードとの間に配置されている、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記分離手段は、ダイオードである、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記保護手段は、前記コネクタの夫々と前記メインフレーム・チャネルの夫々一つにおける前記メインフレーム受信器との間及び前記コネクタの夫々と前記マイクロビームフォーマ・パッチの夫々における前記マイクロビームフォーマ受信器との間に配置されている、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記保護手段は、スイッチである、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記コネクタは、ケーブルである、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記メインフレーム・チャネルの夫々における前記メインフレーム送信器は、前記マイクロビームフォーマ・パッチの夫々一つにおける前記マイクロビームフォーマ送信器によって連続して為される夫々の送信の持続期間に単極性パルスを送信するよう配置されている、ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記メインフレーム送信器は、前記マイクロビームフォーマ・パッチの夫々一つにおける前記マイクロビームフォーマ送信器の夫々に前記電源電圧を供給し、このようにして前記マイクロビームフォーマ・パッチの夫々一つにおける前記トランスデューサの夫々に適用されるパルス振幅を決定する、ことを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記メインフレーム送信器は、前記送られた電圧を変化させるよう配置されている、ことを特徴とする請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記マイクロビームフォーマ・チャネルの少なくとも一つにおける前記マイクロビームフォーマ送信器は:
前記パルス状の電源電圧を受けるよう配置されたプルアップ・デバイスと、該プルアップ・デバイスと前記マイクロビームフォーマ・チャネルの前記トランスデューサとの間に挿入されたスイッチと、を夫々が有する複数の切り換え可能な電流源;及び
プルダウン・デバイスと、該プルダイン・デバイスと接地との間に挿入されたスイッチと、を夫々が有し、前記プルダウン・デバイスが前記スイッチを介して前記トランスデューサを放電するよう配置されている、複数の切り換え可能な電流シンク;
を有することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記プルアップ・デバイスは、飽和状態で動作するPMOSFETデバイスであり、
該PMOSFETデバイスは、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給する、
ことを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記プルダウン・デバイスは、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給するNMOSFETである、ことを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項13】
前記マイクロビームフォーマ・チャネルの少なくとも一つにおける前記マイクロビームフォーマ送信器は:
前記パルス状の電源電圧を受けるよう配置されたプルアップ・デバイスと、該プルアップ・デバイスと前記マイクロビームフォーマ・チャネルの前記トランスデューサとの間に挿入されたスイッチと、を夫々が有する少なくとも一つの切り換え可能な電流源;
プルダウン・デバイスと、該プルダイン・デバイスと接地との間に挿入されたスイッチと、を夫々が有し、前記プルダウン・デバイスが前記スイッチを介して前記トランスデューサを放電するよう配置されている、少なくとも一つの切り換え可能な電流シンク;及び
前記少なくとも一つの電流源及び前記少なくとも一つの電流シンクの夫々における前記スイッチを、前記マイクロビームフォーマ送信器によって発生する送信波形をパルス幅変調するよう制御するための制御手段;
を有することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項14】
前記制御手段は、前記少なくとも一つの電流源及び前記少なくとも一つの電流シンクの夫々における前記スイッチを制御するよう信号を発生させるためのタイミング発生器と、該タイミング発生器を制御するための制御コンピュータとを有する、ことを特徴とする請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも一つの電流源は、複数の電流源であって、
該複数の電流源内の前記プルアップ・デバイスは、飽和状態で動作するPMOSFETデバイスであり、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給する、ことを特徴とする請求項13記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも一つの電流シンクは、複数の電流シンクであって、
該複数の電流シンク内の前記プルダウン・デバイスは、飽和状態で動作するNMOSFETデバイスであり、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給する、
ことを特徴とする請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記制御手段は、前記複数の電流源及び前記複数の電流シンクの夫々における前記スイッチを制御するよう信号を発生させるためのタイミング発生器と、該タイミング発生器を制御するための制御コンピュータとを有する、ことを特徴とする請求項16記載のシステム。
【請求項18】
トランスデューサと、該トランスデューサを駆動するためのマイクロビームフォーマ送信器及び制御回路と、前記トランスデューサからの信号を受信するためのマイクロビームフォーマ受信器と、前記受信したトランスデューサ信号を遅延させるための遅延素子とを夫々が有する複数のマイクロビームフォーマ・チャネルを夫々が有し、複数の集合体にグループ化され、該集合体の夫々が当該複数のマイクロビームフォーマ・パッチを有し、前記集合体の夫々における前記マイクロビームフォーマ送信器が共通ノードへ接続されている、複数のマイクロビームフォーマ・パッチ;
複数の個々に調節可能な電源と、メインフレーム受信器を夫々が有する複数のメインフレーム・チャネルとを有するメインフレーム・ビームフォーマ;
前記マイクロビームフォーマ・パッチの夫々における前記マイクロビームフォーマ受信器を、前記メインフレーム・チャネルの夫々一つへ接続するための第1の接続手段;及び
前記集合体の夫々を前記電源の夫々一つへ接続するための第2の接続手段;
を有するマイクロビームフォーマのアポダイゼイション制御用のシステム。
【請求項19】
前記第1及び第2の接続手段は、ケーブルである、ことを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記集合体の夫々に印加された電源電圧は、独立して調整可能である、ことを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項21】
前記集合体の夫々に印加された電源電圧は、夫々のパルスの繰り返し間隔に対して、異なる電圧へ調整可能である、ことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記マイクロビームフォーマ・チャネルの少なくとも一つにおける前記マイクロビームフォーマ送信器は:
前記パルス状の電源電圧を受けるよう配置されたプルアップ・デバイスと、該プルアップ・デバイスと前記マイクロビームフォーマ・チャネルの前記トランスデューサとの間に挿入されたスイッチと、を夫々が有する複数の切り換え可能な電流源;及び
プルダウン・デバイスと、該プルダイン・デバイスと接地との間に挿入されたスイッチと、を夫々が有し、前記プルダウン・デバイスが前記スイッチを介して前記トランスデューサを放電するよう配置されている、複数の切り換え可能な電流シンク;
を有することを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項23】
前記プルアップ・デバイスは、飽和状態で動作するPMOSFETデバイスであり、
該PMOSFETデバイスは、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給する、
ことを特徴とする請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記プルダウン・デバイスは、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給するNMOSFETである、ことを特徴とする請求項22記載のシステム。
【請求項25】
トランスデューサ;
該トランスデューサを駆動するための電源電圧を供給されるマイクロビームフォーマ送信器;
該マイクロビームフォーマ送信器を駆動する制御回路;
前記トランスデューサからの信号を受信するためのマイクロビームフォーマ受信器;及び
前記受信したトランスデューサ信号を遅延させるための遅延素子;
を有し、
前記マイクロビームフォーマ送信器は:
前記パルス状の電源電圧を受けるよう配置されたプルアップ・デバイスと、該プルアップ・デバイスと当該マイクロビームフォーマ・チャネルの前記トランスデューサとの間に挿入されたスイッチと、を夫々が有する複数の切り換え可能な電流源;及び
プルダウン・デバイスと、該プルダイン・デバイスと接地との間に挿入されたスイッチと、を夫々が有し、前記プルダウン・デバイスが前記スイッチを介して前記トランスデューサを放電するよう配置されている、複数の切り換え可能な電流シンク;
を有するマイクロビームフォーマ・チャネル。
【請求項26】
前記プルアップ・デバイスは、飽和状態で動作するPMOSFETデバイスであり、
該PMOSFETデバイスは、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給する、
ことを特徴とする請求項25記載のマイクロビームフォーマ・チャネル。
【請求項27】
前記プルダウン・デバイスは、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給するNMOSFETである、ことを特徴とする請求項25記載のマイクロビームフォーマ・チャネル。
【請求項28】
トランスデューサ;
該トランスデューサを駆動するための電源電圧を供給されるマイクロビームフォーマ送信器;
該マイクロビームフォーマ送信器を駆動する制御回路;
前記トランスデューサからの信号を受信するためのマイクロビームフォーマ受信器;及び
前記受信したトランスデューサ信号を遅延させるための遅延素子;
を有し、
前記マイクロビームフォーマ送信器は:
前記パルス状の電源電圧を受けるよう配置されたプルアップ・デバイスと、該プルアップ・デバイスと当該マイクロビームフォーマ・チャネルの前記トランスデューサとの間に挿入されたスイッチと、を夫々が有する少なくとも一つの切り換え可能な電流源;
プルダウン・デバイスと、該プルダイン・デバイスと接地との間に挿入されたスイッチと、を夫々が有し、前記プルダウン・デバイスが前記スイッチを介して前記トランスデューサを放電するよう配置されている、少なくとも一つの切り換え可能な電流シンク;及び
前記少なくとも一つの電流源及び前記少なくとも一つの電流シンクの夫々における前記スイッチを、前記マイクロビームフォーマ送信器によって発生する送信波形をパルス幅変調するよう制御するための制御手段;
を有するマイクロビームフォーマ・チャネル。
【請求項29】
前記制御手段は、前記少なくとも一つの電流源及び前記少なくとも一つの電流シンクの夫々における前記スイッチを制御するよう信号を発生させるためのタイミング発生器と、該タイミング発生器を制御するための制御コンピュータとを有する、ことを特徴とする請求項28記載のマイクロビームフォーマ・チャネル。
【請求項30】
前記少なくとも一つの電流源は、複数の電流源を有し、
該複数の電流源内の前記プルアップ・デバイスは、飽和状態で動作するPMOSFETデバイスであり、
該PMOSFETデバイスは、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給する
ことを特徴とする請求項28記載のシステム。
【請求項31】
前記少なくとも一つの電流シンクは、複数の電流シンクを有し、
該複数の電流シンク内の前記プルダウン・デバイスは、飽和状態で動作するNMOSFETデバイスであり、
該NMOSFETデバイスは、様々な幅を有し、該幅に比例する電流を供給する、
ことを特徴とする請求項30記載のシステム。
【請求項32】
前記制御手段は、前記複数の電流源及び前記複数の電流シンクの夫々における前記スイッチを制御するよう信号を発生させるためのタイミング発生器と、該タイミング発生器を制御するための制御コンピュータとを有する、ことを特徴とする請求項31記載のシステム。
【請求項33】
メインフレーム受信器を夫々が有する複数のメインフレーム・チャネルを有するメインフレーム・ビームフォーマ;
トランスデューサと、該トランスデューサを駆動するためのマイクロビームフォーマ送信器と、前記トランスデューサからの信号を受信するためのマイクロビームフォーマ受信器と、前記受信したトランスデューサ信号を遅延させるための遅延素子とを夫々が有する複数のマイクロビームフォーマ・チャネル;及び
複数の異なる電圧の一つを前記マイクロビームフォーマ送信器へ選択的に供給するための供給手段;
を有するマイクロビームフォーマのアポダイゼイション制御用のシステム。
【請求項34】
前記供給手段は:
当該レールの第1のレールが当該レールの第2のレールよりも高い電圧を供給する複数の高電圧レール;
前記レールと前記トランスデューサとの間に挿入されたプルアップ・デバイス;
前記第1のレールと前記プルアップ・デバイスとの間に挿入され、オン位置にある場合には、前記プルアップ・デバイスへ供給される電圧が前記第1のレールの電圧であって、且つ、オフ位置にある場合には、前記プルアップ・デバイスへ供給される電圧が前記第2のレールの電圧であるように制御されるスイッチ;及び
前記第2のレールと前記プルアップ・デバイスとの間に挿入されたダイオード;
を有することを特徴とする請求項33記載のシステム。
【請求項35】
前記トランスデューサを放電するための少なくとも一つの電流シンクを更に有し、
該少なくとも一つの電流シンクは、接地へ接続可能なプルダウン・デバイスを有する、
ことを特徴とする請求項34記載のシステム。
【請求項36】
前記マイクロビームフォーマ・チャネルは、複数の前記マイクロビームフォーマ・チャネルを夫々が有する複数のマイクロビームフォーマ・パッチにグループ化され、
該マイクロビームフォーマ・パッチの夫々における前記マイクロビームフォーマ送信器は、同じ電圧が前記供給手段によって前記マイクロビームフォーマ・パッチ内の前記マイクロビームフォーマ送信器の全てに供給されるように、前記レールの夫々を用いて夫々の共通ノードへ接続される、
ことを特徴とする請求項34記載のシステム。
【請求項37】
前記マイクロビームフォーマ・チャネルは、複数の前記マイクロビームフォーマ・チャネルを夫々が有する複数のマイクロビームフォーマ・パッチにグループ化され、
該マイクロビームフォーマ・パッチは、複数の前記マイクロビームフォーマ・パッチを夫々が有する複数の集合体にグループ化され、
前記集合体の夫々における前記マイクロビームフォーマ送信器は、同じ電圧が、前記供給手段によって前記集合体内の前記マイクロビームフォーマ送信器の全てに供給されるように、前記レールを用いて夫々の供給ノードへ接続される、
ことを特徴とする請求項34記載のシステム。
【請求項38】
前記レールは、前記マイクロビームフォーマ送信器の夫々に接続され、
前記プルアップ・デバイス、前記スイッチ及び前記ダイオードは、前記マイクロビームフォーマ送信器の夫々に配置される、
ことを特徴とする請求項34記載のシステム。
【請求項39】
前記供給手段は:
様々な電圧を供給する複数の高電圧レール;及び
該レールの夫々一つと前記トランスデューサとの間に夫々挿入されている複数のプルアップ・デバイス;
を有することを特徴とする請求項33記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−503242(P2007−503242A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524493(P2006−524493)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051486
【国際公開番号】WO2005/019856
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】