説明

マイクロ波処理装置およびその制御方法

【課題】複数のマイクロ波源と処理容器との間のインピーダンス整合の精度を向上させる。
【解決手段】マイクロ波処理装置1は、ウエハWを収容する処理容器2と、ウエハWを処理するためのマイクロ波を生成して処理容器2に導入するマイクロ波導入装置3と、マイクロ波導入装置3を制御する制御部8とを備えている。マイクロ波導入装置3は、マイクロ波を生成する複数のマグネトロン31と、複数のマグネトロン31において生成されたマイクロ波を処理容器2に伝送する複数の導波管32とを有し、複数のマイクロ波を同時に処理容器2に導入することが可能である。制御部8は、複数のマイクロ波を同時に処理容器2に導入する第1の状態が継続している間に、選択的且つ一時的に、複数のマグネトロン31のうちの1つにおいてマイクロ波を生成し、このマイクロ波のみを処理容器2に導入する第2の状態に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波を処理容器に導入して所定の処理を行うマイクロ波処理装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造過程では、被処理基板である半導体ウエハに対して、成膜処理、エッチング処理、酸化拡散処理、改質処理、アニール処理等の種々の熱処理が施される。このような熱処理は、一般的には、加熱用のランプやヒータを備えた基板処理装置を用いて、半導体ウエハを加熱することによって行われる。
【0003】
ところで、近年、半導体ウエハに対して熱処理を施す装置として、ランプやヒータの代りにマイクロ波を使用する装置が知られている。例えば、特許文献1には、マイクロ波エネルギーを使用して、硬化、焼きなまし(アニール)、膜形成を行う熱処理システムが記載されている。また、特許文献2には、表面に成膜材料層が形成された半導体ウエハに電磁波(マイクロ波)を照射することにより、成膜材料を加熱して薄膜を形成する熱処理装置が記載されている。このようなマイクロ波処理装置では、特に、不純物の拡散を抑制しながら浅い活性層を形成することや、格子欠損を修復することが可能であると言われている。
【0004】
特許文献1および2に記載されたようなマイクロ波処理装置ではないが、特許文献3には、複数のマグネトロン高周波発振部を備えたマイクロ波プラズマ放電処理装置が記載されている。また、特許文献3には、このマイクロ波プラズマ放電処理装置において、マグネトロン高周波発振部と処理試料が設置された低密度プラズマ領域との間に存在する高密度プラズマ領域によってインピーダンスを整合する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2009−516375号公報
【特許文献2】特開2010−129790号公報
【特許文献3】特開2005−259633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マイクロ波処理装置においてマイクロ波を生成するマイクロ波源としては、一般的にマグネトロンが用いられる。ここで、マグネトロン1個当たりの出力が、300mm径等の大型の半導体ウエハに対して不足する場合には、複数のマグネトロンが設けられて、複数のマイクロ波が同時に処理容器に導入される。
【0007】
ところで、マイクロ波処理装置において、半導体ウエハに対する処理が進行すると、例えば、半導体ウエハの表面状態が変化したり、半導体ウエハの温度が変化することによって、処理容器側のインピーダンスが変化する。そのため、半導体ウエハに対する処理が行われている間にも、マイクロ波源と処理容器との間のインピーダンス整合を行うことが望ましい。このようなインピーダンス整合は、例えば、処理容器側からマイクロ波源に向かう反射波の電力量が所定のしきい値を超えた場合に行われる。
【0008】
ここで、上記のように複数のマイクロ波を同時に処理容器に導入する場合には、マイクロ波源と処理容器との間に、他のマイクロ波源によって生成されたマイクロ波が進入してくるため、反射波を正確に検出することが難しい。そのため、この場合には、インピーダンス整合の精度が低下するおそれがある。
【0009】
特許文献1および2には、インピーダンスを整合する具体的な方法は記載されていない。引用文献3には、前述のように、プラズマ処理装置においてインピーダンスを整合する技術が記載されているが、プラズマ処理装置以外のマイクロ波処理装置においてインピーダンスを整合する方法は記載されていない。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数のマイクロ波源によって生成された複数のマイクロ波が同時に処理容器に導入されるマイクロ波処理装置であって、複数のマイクロ波源と処理容器との間のインピーダンス整合の精度を向上させることをできるようにしたマイクロ波処理装置およびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のマイクロ波処理装置は、
被処理体を収容する処理容器と、
被処理体を処理するためのマイクロ波を生成して処理容器に導入するマイクロ波導入装置と、
マイクロ波導入装置を制御する制御部とを備えている。
マイクロ波導入装置は、マイクロ波を生成する複数のマイクロ波源と、複数のマイクロ波源において生成されたマイクロ波を処理容器に伝送する複数の伝送路とを有し、複数のマイクロ波を同時に処理容器に導入することが可能である。
制御部は、複数のマイクロ波を同時に処理容器に導入する第1の状態が継続している間に、選択的且つ一時的に、複数のマイクロ波源のうちの1つにおいてマイクロ波を生成し、このマイクロ波のみを処理容器に導入する第2の状態に切り替える。
【0012】
本発明のマイクロ波処理装置の制御方法は、
被処理体を収容する処理容器と、
被処理体を処理するためのマイクロ波を生成して処理容器に導入するマイクロ波導入装置とを備えたマイクロ波処理装置を制御する方法である。
マイクロ波導入装置は、マイクロ波を生成する複数のマイクロ波源と、複数のマイクロ波源において生成されたマイクロ波を処理容器に伝送する複数の伝送路とを有し、複数のマイクロ波を同時に処理容器に導入することが可能である。
本発明の制御方法は、複数のマイクロ波を同時に処理容器に導入する第1の状態が継続している間に、選択的且つ一時的に、複数のマイクロ波源のうちの1つにおいてマイクロ波を生成し、このマイクロ波のみを処理容器に導入する第2の状態に切り替える。
【0013】
本発明のマイクロ波処理装置およびその制御方法において、マイクロ波導入装置は、更に、複数の伝送路における処理容器からの反射波を検出するための複数の検出器を有していてもよい。また、第1の状態は、被処理体を処理するための主要な状態であり、第2の状態は、前記伝送路における反射波を検出するための状態であってもよい。
【0014】
この場合、本発明における制御部は、第2の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、第2の状態においてマイクロ波を生成したマイクロ波源と、処理容器との間のインピーダンス整合を行ってもよい。また、本発明における制御部は、第1の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、第2の状態においてマイクロ波を生成するマイクロ波源を決定してもよい。同様に、本発明の制御方法は、第2の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、第2の状態においてマイクロ波を生成したマイクロ波源と、処理容器との間のインピーダンス整合を行ってもよい。また、本発明の制御方法は、第1の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、第2の状態においてマイクロ波を生成するマイクロ波源を決定してもよい。
【0015】
また、本発明のマイクロ波処理装置およびその制御方法において、複数のマイクロ波源は、第1の状態においてマイクロ波を生成する状態とマイクロ波を生成しない状態とを交互に複数回繰り返す複数の第1の種類のマイクロ波源と、複数の第1の種類のマイクロ波源と同時にマイクロ波を生成しないように、第1の状態においてマイクロ波を生成する状態とマイクロ波を生成しない状態とを交互に複数回繰り返す複数の第2の種類のマイクロ波源とを含んでいてもよい。この場合、第1の状態から第2の状態への切り替えは、第2の状態においてマイクロ波を生成するマイクロ波源が、第1の状態においてマイクロ波を生成しない状態からマイクロ波を生成する状態に切り替わるタイミングに行われてもよい。また、第2の状態が継続する時間は、第2の状態においてマイクロ波を生成するマイクロ波源が、第1の状態においてマイクロ波を生成する状態1回当たりの時間以下であってもよく、第2の状態から第1の状態に切り替わる前後において、第2の状態においてマイクロ波を生成するマイクロ波源が、マイクロ波を生成する状態を継続させる時間は、上記1回当たりの時間と等しくてもよい。
【0016】
また、本発明のマイクロ波処理装置およびその制御方法において、マイクロ波は、被処理体に照射されて被処理体を処理するためのものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のマイクロ波処理装置およびその制御方法では、第2の状態において、インピーダンス整合の対象となるマイクロ波源においてのみマイクロ波を生成させることができる。これにより、本発明によれば、インピーダンス整合の対象となるマイクロ波源と処理容器との間の伝送路における反射波を正確に検出することが可能になる。その結果、本発明によれば、複数のマイクロ波源と処理容器との間のインピーダンス整合の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係るマイクロ波処理装置の概略の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるマイクロ波導入装置の高電圧電源部の概略の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるマイクロ波導入装置の高電圧電源部の回路構成の一例を示す回路図である。
【図4】図1に示した処理容器の天井部の上面を示す平面図である。
【図5】図1に示した制御部の構成を示す説明図である。
【図6】マイクロ波を生成する状態とマイクロ波を生成しない状態とが複数回交互に繰り返されることを説明する説明図である。
【図7】マグネトロンと処理容器との間のインピーダンス整合の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[マイクロ波処理装置]
始めに、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係るマイクロ波処理装置の概略の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るマイクロ波処理装置の概略の構成を示す断面図である。本実施の形態に係るマイクロ波処理装置1は、連続する複数の動作を伴って、例えば半導体デバイス製造用の半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す。)Wに対して、マイクロ波を照射して、成膜処理、改質処理、アニール処理等の所定の処理を施す装置である。
【0020】
マイクロ波処理装置1は、被処理体であるウエハWを収容する処理容器2と、処理容器2内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置3と、処理容器2内においてウエハWを支持する支持装置4と、処理容器2内にガスを供給するガス供給装置5と、処理容器2内を減圧排気する排気装置6と、これらマイクロ波処理装置1の各構成部を制御する制御部8とを備えている。なお、処理容器2内にガスを供給する手段としては、ガス供給装置5の代りに、マイクロ波処理装置1の構成には含まれない外部のガス供給装置を使用してもよい。
【0021】
<処理容器>
処理容器2は、例えば略円筒形状をなしている。処理容器2は、金属材料によって形成されている。処理容器2を形成する材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等が用いられる。なお、処理容器2は、円筒形形状に限らず、例えば角筒形状をなしていてもよい。マイクロ波導入装置3は、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入するマイクロ波導入手段として機能する。マイクロ波導入装置3の構成については、後で詳しく説明する。
【0022】
処理容器2は、板状の天井部11および底部13と、天井部11と底部13とを連結する側壁部12と、天井部11を上下に貫通するように設けられた複数のマイクロ波導入ポート11aと、側壁部12に設けられた搬入出口12aと、底部13に設けられた排気口13aとを有している。搬入出口12aは、処理容器2に隣接する図示しない搬送室との間でウエハWの搬入出を行うためものである。処理容器2と図示しない搬送室との間には、ゲートバルブGが設けられている。ゲートバルブGは、搬入出口12aを開閉する機能を有し、閉状態で処理容器2を気密にシールすると共に、開状態で処理容器2と図示しない搬送室との間でウエハWの移送を可能にする。
【0023】
<支持装置>
支持装置4は、処理容器2内に配置された板状且つ中空のリフト板15と、リフト板15の上面から上方に延びる管状の複数の支持ピン14と、リフト板15の下面から底部13を貫通して処理容器2の外部まで延びる管状のシャフト16とを有している。シャフト16は、処理容器2の外部において図示しないアクチュエータに固定されている。
【0024】
複数の支持ピン14は、処理容器2内においてウエハWに当接してウエハWを支持するためのものである。複数の支持ピン14は、その上端部がウエハWの周方向に並ぶように配置されている。また、複数の支持ピン14、リフト板15およびシャフト16は、図示しないアクチュエータによってウエハWを上下に変位させることができるように構成されている。
【0025】
また、複数の支持ピン14、リフト板15およびシャフト16は、排気装置6によってウエハWを複数の支持ピン14に吸着させることができるように構成されている。具体的には、複数の支持ピン14およびシャフト16は、それぞれリフト板15の内部空間に連通する管状の形状を有している。また、複数の支持ピン14の上端部には、ウエハWの裏面を吸引するための吸着孔が形成されている。
【0026】
複数の支持ピン14およびリフト板15は、誘電体材料によって形成されている。複数の支持ピン14およびリフト板15を形成する材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。
【0027】
<排気機構>
マイクロ波処理装置1は、更に、排気口13aと排気装置6とを接続する排気管17と、シャフト16と排気管17とを接続する排気管18と、排気管17の途中に設けられた圧力調整バルブ19と、排気管18の途中に設けられた開閉バルブ20および圧力計21とを備えている。排気管18は、シャフト16の内部空間に連通するように、シャフト16に直接または間接的に接続されている。圧力調整バルブ19は、排気口13aと排気管17,18の接続点との間に設けられている。
【0028】
排気装置6は、ドライポンプ等の真空ポンプを有している。排気装置6の真空ポンプを作動させることにより、処理容器2の内部空間が減圧排気される。このとき、開閉バルブ20を開状態にすることにより、ウエハWの裏面を吸引して、ウエハWを複数の支持ピン14に吸着させて固定することができる。
【0029】
<ガス導入機構>
マイクロ波処理装置1は、更に、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の位置の下方に配置されたシャワーヘッド部22と、シャワーヘッド部22と側壁部12との間に配置された環状の整流板23と、シャワーヘッド部22とガス供給装置5とを接続する配管24と、ガス供給装置5に接続され、処理容器2内に処理ガスを導入する複数の配管25とを備えている。
【0030】
シャワーヘッド部22は、ウエハWに対して比較的低温の処理が施される場合に、冷却ガスによってウエハWを冷却するためのものである。シャワーヘッド部22は、配管24に連通するガス通路22aと、ガス通路22aに連通し、ウエハWに向かって冷却ガスを噴出する複数のガス噴出孔22bとを有している。図1に示した例では、複数のガス噴出孔22bは、シャワーヘッド部22の上面側に形成されている。シャワーヘッド部22は、誘電率の小さい誘電体材料によって形成されている。シャワーヘッド部22の材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。なお、シャワーヘッド部22は、マイクロ波処理装置1における必須の構成要素ではなく、設けられていなくてもよい。
【0031】
整流板23は、整流板23を上下に貫通するように設けられた複数の整流孔23aを有している。整流板23は、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の領域の雰囲気を整流しながら排気口13aに向かって流すためのものである。
【0032】
ガス供給装置5は、処理ガスまたは冷却ガスとして、例えば、N、Ar、He、Ne、O、H等のガスを供給できるように構成されている。なお、マイクロ波処理装置1において成膜処理が行われる場合には、ガス供給装置5は、成膜原料ガスを処理容器2内に供給する。
【0033】
図示しないが、マイクロ波処理装置1は、更に、配管24,25の途中に設けられたマスフローコントローラおよび開閉バルブを備えている。シャワーヘッド部22および処理容器2内に供給されるガスの種類や、これらのガスの流量等は、マスフローコントローラおよび開閉バルブによって制御される。
【0034】
<温度計測部>
マイクロ波処理装置1は、更に、ウエハWの表面温度を測定する複数の放射温度計26と、複数の放射温度計26に接続された温度計測部27とを備えている。なお、図1では、ウエハWの中央部の表面温度を測定する放射温度計26を除いて、複数の放射温度計26の図示を省略している。複数の放射温度計26は、その上端部がウエハWの裏面に接近するように、底部13からウエハWが配置される予定の位置に向かって延びている。
【0035】
<マイクロ波攪拌機構>
マイクロ波処理装置1は、更に、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の位置の上方に配置され、複数の羽根によって構成されたスターラファン91と、処理容器2の外部に設けられた回転モータ93と、天井部11を貫通してスターラファン91と回転モータ93とを接続する回転軸92とを備えている。スターラファン91は、回転することにより処理容器2内に導入されたマイクロ波を反射および撹拌するためのものである。スターラファン91の羽根の数は、例えば4つである。スターラファン91は、スターラファン91に衝突したマイクロ波が熱に変換されたり吸収されたりしないように、誘電正接(tanδ)の小さな誘電材料によって形成されている。スターラファン91を形成する材料としては、例えば金属やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等よりなる複合セラミックスや、クオーツ、サファイア等を用いることができる。なお、スターラファン91の配置は、図1に示した例に限られない。例えば、スターラファン91は、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の位置の下方に配置されていてもよい。
【0036】
<制御部>
マイクロ波処理装置1の各構成部は、それぞれ制御部8に接続されて、制御部8によって制御される。制御部8は、典型的にはコンピュータである。図5は、図1に示した制御部8の構成を示す説明図である。図5に示した例では、制御部8は、CPUを備えたプロセスコントローラ81と、このプロセスコントローラ81に接続されたユーザーインターフェース82および記憶部83とを備えている。
【0037】
プロセスコントローラ81は、マイクロ波処理装置1において、例えば温度、圧力、ガス流量、マイクロ波出力等のプロセス条件に関係する各構成部(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5、排気装置6、温度計測部27等)を統括して制御する制御手段である。
【0038】
ユーザーインターフェース82は、工程管理者がマイクロ波処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードやタッチパネル、マイクロ波処理装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。
【0039】
記憶部83には、マイクロ波処理装置1で実行される各種処理をプロセスコントローラ81の制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や、処理条件データ等が記録されたレシピ等が保存されている。プロセスコントローラ81は、ユーザーインターフェース82からの指示等、必要に応じて、任意の制御プログラムやレシピを記憶部83から呼び出して実行する。これにより、プロセスコントローラ81による制御下で、マイクロ波処理装置1の処理容器2内において所望の処理が行われる。
【0040】
上記の制御プログラムおよびレシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVD、ブルーレイディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納された状態のものを利用することができる。また、上記のレシピは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用することも可能である。
【0041】
<マイクロ波導入装置>
次に、図1ないし図4を参照して、マイクロ波導入装置3の構成について詳しく説明する。図2は、マイクロ波導入装置3の高電圧電源部の概略の構成を示す説明図である。図3は、マイクロ波導入装置3の高電圧電源部の回路構成の一例を示す回路図である。図4は、図1に示した処理容器2の天井部11の上面を示す平面図である。
【0042】
前述のように、マイクロ波導入装置3は、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入するマイクロ波導入手段として機能する。図1に示したように、マイクロ波導入装置3は、マイクロ波を処理容器2に導入する複数のマイクロ波ユニット30と、複数のマイクロ波ユニット30に接続された高電圧電源部40とを備えている。
【0043】
(マイクロ波ユニット)
本実施の形態では、複数のマイクロ波ユニット30の構成は全て同一である。各マイクロ波ユニット30は、ウエハWを処理するためのマイクロ波を生成するマグネトロン31と、マグネトロン31において生成されたマイクロ波を処理容器2に伝送する導波管32と、マイクロ波導入ポート11aを塞ぐように天井部11に固定された透過窓33とを有している。マグネトロン31は、本発明におけるマイクロ波源に対応し、導波管32は、本発明における伝送路に対応する。
【0044】
図4に示したように、本実施の形態では、処理容器2は、天井部11において周方向に等間隔に配置された4つのマイクロ波導入ポート11aを有している。また、本実施の形態では、マイクロ波ユニット30の数は4つである。以下、4つのマイクロ波ユニット30のそれぞれのマグネトロン31を互いに区別して表す場合には、符号31A,31B,31C,31Dを付して表す。図4における上側のマイクロ波導入ポート11aは、例えばマグネトロン31Aによって生成されたマイクロ波を処理容器2に導入する。図4における下側のマイクロ波導入ポート11aは、例えばマグネトロン31Bによって生成されたマイクロ波を処理容器2に導入する。図4における左側のマイクロ波導入ポート11aは、例えばマグネトロン31Cによって生成されたマイクロ波を処理容器2に導入する。図4における右側のマイクロ波導入ポート11aは、例えばマグネトロン31Dによって生成されたマイクロ波を処理容器2に導入する。
【0045】
マグネトロン31としては、種々の周波数のマイクロ波を発振することができるものを用いることができる。マグネトロン31によって生成されるマイクロ波は、被処理体であるウエハWの処理毎に最適な周波数を選択し、例えばアニール処理においては、2.45GHz、5.8GHz等の高い周波数のマイクロ波であることが好ましく、5.8GHzのマイクロ波であることが特に好ましい。
【0046】
導波管32は、断面が矩形且つ環状の角筒状の形状を有し、処理容器2の天井部11の上面から上方に延びている。マグネトロン31は、導波管32の上端部の近傍に接続されている。導波管32の下端部は、透過窓33の上面に接している。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32および透過窓33を介して処理容器2内に導入される。
【0047】
透過窓33は、誘電体材料によって形成されている。透過窓33の材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。
【0048】
マイクロ波ユニット30は、更に、導波管32の途中に設けられたサーキュレータ34、検出器35およびチューナ36と、サーキュレータ34に接続されたダミーロード37とを有している。サーキュレータ34、検出器35およびチューナ36は、導波管32の上端部側からこの順に設けられている。サーキュレータ34およびダミーロード37は、処理容器2からの反射波を分離するアイソレータを構成する。すなわち、サーキュレータ34は、処理容器2からの反射波をダミーロード37に導き、ダミーロード37は、サーキュレータ34によって導かれた反射波を熱に変換する。
【0049】
検出器35は、導波管32における処理容器2からの反射波を検出するためのものである。検出器35は、例えばインピーダンスモニタであり、具体的には、導波管32における定在波の電界を検出する定在波モニタによって構成されている。定在波モニタは、例えば、導波管32の内部空間に突出する3本のピンによって構成することができる。定在波モニタによって定在波の電界の場所、位相および強さを検出することにより、処理容器2からの反射波を検出することができる。また、検出器35は、進行波と反射波を検出することが可能な方向性結合器によって構成されていてもよい。
【0050】
チューナ36は、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを整合する機能を有している。チューナ36は、例えば、導波管32の内部空間に出し入れすることができるように設けられた導体板によって構成することができる。この場合、導体板の、導波管32の内部空間への突出量を制御することにより、反射波の電力量を調整して、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを調整することができる。なお、チューナ36を用いてマグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを整合する手順については、後で詳しく説明する。
【0051】
(高電圧電源部)
高電圧電源部40は、マグネトロン31に対してマイクロ波を生成するための高電圧を供給する。図2に示したように、高電圧電源部40は、商用電源に接続されたAC−DC変換回路41と、AC−DC変換回路41に接続されたスイッチング回路42と、スイッチング回路42の動作を制御するスイッチングコントローラ43と、スイッチング回路42に接続された昇圧トランス44と、昇圧トランス44に接続された整流回路45とを有している。マグネトロン31は、整流回路45を介して昇圧トランス44に接続されている。
【0052】
AC−DC変換回路41は、商用電源からの交流(例えば、三相200Vの交流)を整流して所定の波形の直流に変換する回路である。スイッチング回路42は、AC−DC変換回路41によって変換された直流のオン・オフを制御する回路である。スイッチング回路42では、スイッチングコントローラ43によってフェーズシフト型のPWM(Pulse Width Modulation)制御またはPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御が行われて、パルス状の電圧波形が生成される。昇圧トランス44は、スイッチング回路42から出力された電圧波形を所定の大きさに昇圧するものである。整流回路45は、昇圧トランス44によって昇圧された電圧を整流してマグネトロン31に供給する回路である。
【0053】
以下、図3を参照して、マイクロ波導入装置3が4つのマイクロ波ユニット30(マグネトロン31)を備えている場合の高電圧電源部40の構成の一例について説明する。この例では、高電圧電源部40は、1つのAC−DC変換回路41と、2つのスイッチング回路42A,42Bと、1つのスイッチングコントローラ43と、2つの昇圧トランス44A,44Bと、2つの整流回路45A,45Bとを有している。
【0054】
AC−DC変換回路41は、商用電源に接続された整流回路51と、整流回路51に接続された平滑回路52と、スイッチング回路42に接続された平滑回路54と、平滑回路52と平滑回路54との間に設けられた力率改善のためのパワーFET53とを有している。整流回路51は、2つの出力端を有している。平滑回路52は、整流回路51の2つの出力端に接続された2つの配線61,62の間に設けられたコンデンサによって構成されている。パワーFET53は、配線61の途中に設けられている。平滑回路54は、配線61の途中に設けられたコイルと、配線61,62の間に設けられたコンデンサによって構成されている。
【0055】
スイッチング回路42Aは、AC−DC変換回路41によって変換された直流のオン・オフを制御すると共に、パルス状の電圧波形を生成して昇圧トランス44Aに対して正方向の電流と負方向の電流を出力する回路である。スイッチング回路42Aは、フルブリッジ回路(Hブリッジとも言う。)を構成する4つのスイッチングトランジスタ55A,56A,57A,58Aを有している。スイッチングトランジスタ55A,56Aは、直列に接続されて、配線61に接続された配線63aと配線62に接続された配線64aとの間に設けられている。スイッチングトランジスタ57A,58Aは、直列に接続されて、配線63a,64aの間に設けられている。スイッチング回路42Aは、更に、スイッチングトランジスタ55A〜58Aに対してそれぞれ並列に接続された共振コンデンサを有している。
【0056】
同様に、スイッチング回路42Bは、AC−DC変換回路41によって変換された直流のオン・オフを制御すると共に、パルス状の電圧波形を生成して昇圧トランス44Bに対して正方向の電流と負方向の電流を出力する回路である。スイッチング回路42Bは、フルブリッジ回路を構成する4つのスイッチングトランジスタ55B,56B,57B,58Bを有している。スイッチングトランジスタ55B,56Bは、直列に接続されて、配線61に接続された配線63bと配線62に接続された配線64bとの間に設けられている。スイッチングトランジスタ57B,58Bは、直列に接続されて、配線63b,64bの間に設けられている。スイッチング回路42Bは、更に、スイッチングトランジスタ55B〜58Bに対してそれぞれ並列に接続された共振コンデンサを有している。
【0057】
スイッチングトランジスタ55A〜58A,55B〜58Bとしては、効率の観点から電界効果型トランジスタ(FET)を用いることができる。スイッチングトランジスタ55A〜58A,55B〜58Bに用いるFETとしては、MOSFETが好ましく、パワーMOSFETが特に好ましい。また、MOSFETの代りに、MOSFETに比べて高耐圧であり、高パワー用に適しているIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を用いてもよい。
【0058】
昇圧トランス44Aは、2つの入力端と2つの出力端とを有している。昇圧トランス44Aの2つの入力端の一方は、スイッチングトランジスタ55A,56Aの間に接続され、他方はスイッチングトランジスタ57A,58Aの間に接続されている。同様に、昇圧トランス44Bは、2つの入力端と2つの出力端とを有している。昇圧トランス44Bの2つの入力端の一方は、スイッチングトランジスタ55B,56Bの間に接続され、他方はスイッチングトランジスタ57B,58Bの間に接続されている。
【0059】
整流回路45Aは、昇圧トランス44Aの2つの出力端の一方に接続された2つのダイオードと、2つの出力端の他方に接続された2つのダイオードとによって構成されている。マグネトロン31Aは、昇圧トランス44Aの2つの出力端にそれぞれ接続された2つのダイオードを介して昇圧トランス44Aに接続されている。マグネトロン31Bは、昇圧トランス44Aの2つの出力端にそれぞれ接続された他の2つのダイオードを介して昇圧トランス44Aに接続されている。整流回路45Aの4つのダイオードは、昇圧トランス44Aからマグネトロン31Aに向かう電流の方向と昇圧トランス44Aからマグネトロン31Bに向かう電流の方向が逆方向になるように構成されている。
【0060】
同様に、整流回路45Bは、昇圧トランス44Bの2つの出力端の一方に接続された2つのダイオードと、2つの出力端の他方に接続された2つのダイオードとによって構成されている。マグネトロン31Cは、昇圧トランス44Bの2つの出力端にそれぞれ接続された2つのダイオードを介して昇圧トランス44Bに接続されている。マグネトロン31Dは、昇圧トランス44Bの2つの出力端にそれぞれ接続された他の2つのダイオードを介して昇圧トランス44Bに接続されている。整流回路45Bの4つのダイオードは、昇圧トランス44Bからマグネトロン31Cに向かう電流の方向と昇圧トランス44Bからマグネトロン31Dに向かう電流の方向が逆方向になるように構成されている。
【0061】
[処理手順]
次に、ウエハWに対してアニール処理を施す場合を例に挙げて、マイクロ波処理装置1における処理の手順について説明する。まず、例えばユーザーインターフェース82から、マイクロ波処理装置1においてアニール処理を行うように、プロセスコントローラ81に指令が入力される。次に、プロセスコントローラ81は、この指令を受けて、記憶部83またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存されたレシピを読み出す。次に、レシピに基づく条件によってアニール処理が実行されるように、プロセスコントローラ81からマイクロ波処理装置1の各エンドデバイス(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5、排気装置6等)に制御信号が送出される。
【0062】
次に、ゲートバルブGが開状態にされて、図示しない搬送装置によって、ウエハWが、ゲートバルブGおよび搬入出口12aを通って処理容器2内に搬入される。ウエハWは、支持ピン14の上に載置される。次に、ゲートバルブGが閉状態にされて、排気装置6によって、処理容器2内が減圧排気される。このとき、開閉バルブ20が開状態にされて、ウエハWの裏面が吸引されて、ウエハWが支持ピン14に吸着固定される。次に、ガス供給装置5によって、所定の流量の処理ガスおよび冷却ガスが導入される。処理容器2の内部空間は、排気量およびガス供給量を調整することによって、所定の圧力に調整される。
【0063】
次に、高電圧電源部40からマグネトロン31に対して電圧を印加してマイクロ波を生成する。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32を伝搬し、次に、透過窓33を透過して、処理容器2内におけるウエハWの上方の空間に導入される。本実施の形態では、複数のマグネトロン31において同時に複数のマイクロ波を生成し、複数のマイクロ波を同時に処理容器2内に導入する。なお、複数のマグネトロン31において同時に複数のマイクロ波を生成する方法については、後で詳しく説明する。
【0064】
処理容器2内に導入された複数のマイクロ波は、ウエハWの表面に照射されて、ジュール加熱、磁性加熱、誘導加熱等の電磁波加熱により、ウエハWが迅速に加熱される。その結果、ウエハWに対してアニール処理が施される。
【0065】
プロセスコントローラ81からマイクロ波処理装置1の各エンドデバイスにプラズマ処理を終了させる制御信号が送出されると、マイクロ波の生成が停止されると共に、処理ガスおよび冷却ガスの供給が停止されて、ウエハWに対するアニール処理が終了する。次に、ゲートバルブGが開状態にされて、図示しない搬送装置によって、ウエハWが搬出される。
【0066】
<マイクロ波の生成方法>
次に、図3を参照して、複数のマグネトロン31において同時に複数のマイクロ波を生成する方法について詳しく説明する。スイッチング回路42A,42Bでは、スイッチングコントローラ43によってフェーズシフト型のPWM制御またはPAM制御が行われて、パルス状の電圧波形が生成される。フェーズシフト型のPWM制御の場合、スイッチングトランジスタ55A〜58A,55B〜58Bには、スイッチングコントローラ43からそれぞれ位相(フェーズ)が制御されたゲートドライブ信号が入力される。スイッチング回路42A,42Bは、これらの信号を合成してパルス状の電圧波形を生成する。
【0067】
スイッチングトランジスタ55A,58Aにゲートドライブ信号を入力すると、昇圧トランス44Aから見たときに正方向(電圧が増加する方向)の電圧波形が生成されると共に、スイッチングトランジスタ55A、昇圧トランス44A、スイッチングトランジスタ58Aを順に経由する方向(正方向)に電流が流れる。これにより、昇圧トランス44Aの二次側(出力端側)では、マグネトロン31Aを経由する方向に電流が発生する。また、昇圧トランス44Aは、昇圧トランス44Aの二次側(出力端側)の電圧が所定の大きさになるように、昇圧する。このようにして、マグネトロン31Aに対してマイクロ波を生成するための高電圧が供給されて、マグネトロン31Aにおいてマイクロ波が生成される。
【0068】
スイッチングトランジスタ56A,57Aにゲートドライブ信号を入力すると、昇圧トランス44Aから見たときに負方向(電圧が減少する方向)の電圧波形が生成されると共に、スイッチングトランジスタ57A、昇圧トランス44A、スイッチングトランジスタ56Aを順に経由する方向(負方向)に電流が流れる。これにより、昇圧トランス44Aの二次側では、マグネトロン31Bを経由する方向に電流が発生する。また、昇圧トランス44Aは、昇圧トランス44Aの二次側の電圧が所定の大きさになるように、昇圧する。このようにして、マグネトロン31Bに対してマイクロ波を生成するための高電圧が供給されて、マグネトロン31Bにおいてマイクロ波が生成される。
【0069】
スイッチングトランジスタ55B,58Bにゲートドライブ信号を入力すると、昇圧トランス44Bから見たときに正方向の電圧波形が生成されると共に、スイッチングトランジスタ55B、昇圧トランス44B、スイッチングトランジスタ58Bを順に経由する方向(正方向)に電流が流れる。これにより、昇圧トランス44Bの二次側では、マグネトロン31Cを経由する方向に電流が発生する。また、昇圧トランス44Bは、昇圧トランス44Bの二次側の電圧が所定の大きさになるように、昇圧する。このようにして、マグネトロン31Cに対してマイクロ波を生成するための高電圧が供給されて、マグネトロン31Cにおいてマイクロ波が生成される。
【0070】
スイッチングトランジスタ56B,57Bにゲートドライブ信号を入力すると、昇圧トランス44Bから見たときに負方向の電圧波形が生成されると共に、スイッチングトランジスタ57B、昇圧トランス44B、スイッチングトランジスタ56Bを順に経由する方向(負方向)に電流が流れる。これにより、昇圧トランス44Bの二次側では、マグネトロン31Dを経由する方向に電流が発生する。また、昇圧トランス44Bは、昇圧トランス44Bの二次側の電圧が所定の大きさになるように、昇圧する。このようにして、マグネトロン31Dに対してマイクロ波を生成するための高電圧が供給されて、マグネトロン31Dにおいてマイクロ波が生成される。
【0071】
本実施の形態では、スイッチングコントローラ43は、マグネトロン31A〜31Dにおいてパルス状にマイクロ波が生成されるように、スイッチング回路42A,42Bを制御する。すなわち、スイッチングコントローラ43は、マグネトロン31A,31Cにおいてマイクロ波を生成する状態とマイクロ波を生成しない状態とを交互に複数回繰り返すように、スイッチング回路42A,42B(スイッチングトランジスタ55A,58A,55B,58B)を制御する。また、スイッチングコントローラ43は、マグネトロン31A,31Cと同時にマイクロ波を生成しないように、マグネトロン31B,31Dにおいてマイクロ波を生成する状態とマイクロ波を生成しない状態とを交互に複数回繰り返すように、スイッチング回路42A,42B(スイッチングトランジスタ56A,57A,56B,57B)を制御する。このようにして、マグネトロン31A〜31Dにおいて同時に2つマイクロ波が生成されて、2つのマイクロ波が同時に処理容器2に導入される。なお、スイッチングコントローラ43は、上位のコントローラである制御部8のプロセスコントローラ81によって制御される。また、上記の例では、マグネトロン31A,31Cは、本発明における第1の種類のマイクロ波源に対応し、マグネトロン31B,31Dは、本発明における第2の種類のマイクロ波源に対応する。
【0072】
<インピーダンス整合の手順>
次に、図6および図7を参照して、チューナ36を用いてマグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを整合する手順について説明する。以下の説明は、本発明のマイクロ波処理装置の制御方法の説明を含んでいる。図6は、マグネトロン31A〜31Dにおいてマイクロ波を生成する状態とマイクロ波を生成しない状態とが複数回交互に繰り返されることを説明する説明図である。なお、図6において、「ON」は、マグネトロン31がマイクロ波を生成している状態を表し、「OFF」は、マグネトロン31がマイクロ波を生成していない状態を表している。以下、マグネトロン31においてマイクロ波を生成する状態をオン状態と呼び、マグネトロン31においてマイクロ波を生成しない状態をオフ状態と呼ぶ。また、図6において、「第1の状態」は、2つのマイクロ波を同時に処理容器2に導入する状態を表し、「第2の状態」は、第1の状態が継続している間に、選択的且つ一時的に、4つのマグネトロン31A〜31Dの内1つ(図6ではマグネトロン31A)においてマイクロ波を生成し、このマイクロ波のみを処理容器2に導入する状態を表している。図7は、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンス整合の手順の一例を示すフローチャートである。
【0073】
図7に示したように、インピーダンス整合の手順は、第1のステップS1、第2のステップS2、第3のステップS3、第4のステップS4、第5のステップS5および第6のステップS6を含んでいる。第1のステップS1、第2のステップS2、第3のステップS3および第6のステップS6は、図6に示した「第1の状態」において実行されるステップである。
【0074】
第1のステップS1では、検出器35によって、導波管32における処理容器2からの反射波を検出する。反射波の検出は、4つのマグネトロン31A〜31Dが接続された4つの導波管32のそれぞれにおいて行われる。第1のステップS1では、その導波管32に接続されたマグネトロン31において生成されたマイクロ波に基づく反射波と、他のマグネトロン31において生成されたマイクロ波に基づく進入波との合成波が、処理容器2からの反射波として検出される。
【0075】
第2のステップS2では、検出器35によって検出された反射波の電力量が、所定のしきい値よりも大きいか否かを判定する。このしきい値は、各マグネトロン31から見たときの処理容器2側のインピーダンスの値が許容範囲外に変化したことを判断するための値である。このしきい値は、予め設定されたものであり、例えば制御部8の記憶部83にレシピの一部として保存しておくことができる。また、第2のステップS2は、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31であって、第2の状態においてマイクロ波を生成するマグネトロン31(以下、単に、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31と記す。)を決定するためのステップである。反射波の電力量が所定のしきい値以下の場合(No)は、第1のステップS1に戻る。反射波の電力量が所定のしきい値よりも大きい場合(Yes)は、第3のステップS3に移る。図6では、マグネトロン31AはステップS2で反射波の電力量が所定のしきい値よりも大きい(Yes)と判断されたものとする。なお、前述のように、第1のステップS1では、反射波と進入波との合成波が処理容器2からの反射波として検出される。しかし、合成波における反射波の割合は進入波に比べて大きいため、第2のステップにおける判断に支障はない。
【0076】
第3のステップS3では、マイクロ波を処理容器2に導入する状態を、2つのマイクロ波を同時に処理容器2に導入する第1の状態から、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31(図6ではマグネトロン31A)においてマイクロ波を生成し、このマイクロ波のみを処理容器2に導入する第2の状態に切り替える。
【0077】
なお、第1の状態から第2の状態への切り替えは、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31が、第1の状態においてオフ状態からオン状態に切り替わるタイミングに行われる。図6に示した例では、第1の状態から第2の状態への切り替えは、マグネトロン31Aが、第1の状態においてオフ状態からオン状態に切り替わるタイミングに行われる。第2の状態に切り替わると、マグネトロン31A以外のマグネトロン31B〜31Dでは、マイクロ波が生成されない。なお、上記のタイミングにおいて、マグネトロン31B,31Dは、オン状態からオフ状態に切り替わる。また、上記のタイミングにおいて、マグネトロン31Cは、本来、第1の状態が継続するならばオフ状態からオン状態に切り替わるが、第2の状態に切り替わるため、オフ状態が維持される。
【0078】
第4のステップS4では、検出器35によって、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31に接続された導波管32における処理容器2からの反射波を検出する。インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31以外のマグネトロン31ではマイクロ波が生成されていないため、進入波の影響を受けず、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31と処理容器2との間の導波管32における反射波を正確に検出することが可能になる。なお、マイクロ波を処理容器2に導入する状態が第1の状態であるか第2の状態であるか、すなわち第1のステップS1であるか第4のステップS4であるかは、例えば、各導波管32の進行波の電力量によって判断することができる。
【0079】
第5のステップS5では、ステップS4における反射波の検出結果に基づき、マイクロ波を処理容器2に導入する状態を、第2の状態から第1の状態に切り替える。なお、第2の状態が継続する時間は、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31が、第1の状態においてマイクロ波を生成する状態1回当たりの時間以下であることが好ましい。また、第2の状態から第1の状態に切り替わる前後において、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31がマイクロ波を生成する状態を継続させる時間は、上記1回当たりの時間と等しいことが好ましい。図6に示した例では、例えば、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31Aが、第1の状態においてマイクロ波を生成する状態1回当たりの時間は、20ミリ秒であり、第2の状態が継続する時間は10ミリ秒である。この場合、第2の状態から第1の状態に切り替わった直後に、マグネトロン31Cがマイクロ波を生成する状態を継続させる時間は10ミリ秒となる。
【0080】
第6のステップS6では、チューナ36を用いて、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンス整合を行う。チューナ36が前述の導体板によって構成されている場合には、導体板の、導波管32の内部空間への突出量を制御してインピーダンス整合を行う。
【0081】
第1のステップS1、第4のステップS4および第6のステップS6は、例えば、インピーダンス整合を行うように作成された制御プログラムによって実行される。また、第2のステップS2、第3のステップS3および第5のステップS5は、例えば、マグネトロン31の動作を制御するように作成された制御プログラムによって実行される。そして、第1ないし第6のステップS1〜S6の一連の手順は、制御部8のプロセスコントローラ81によって、これら2つの制御プログラムを協働させることによって実行させることができる。
【0082】
なお、第1の状態はウエハWを処理するための主要な状態であり、第1の状態から第2の状態に切り替わる頻度が多くなると、ウエハWに対する処理の効率が低下するおそれがある。そのため、例えば上記の制御プログラムによって、第2の状態に切り替わる間隔がある程度大きくなるように、第2のステップS2の実行を所定の時間だけ制限して、ウエハWに対する処理効率の低下を防止することが好ましい。
【0083】
次に、本実施の形態に係るマイクロ波処理装置1およびその制御方法の効果について説明する。本実施の形態では、複数のマイクロ波を同時に処理容器2に導入する第1の状態が継続している間に、選択的且つ一時的に、複数のマグネトロン31のうちの1つにおいてマイクロ波を生成し、このマイクロ波のみを処理容器2に導入する第2の状態に切り替える。
【0084】
本実施の形態では、第2の状態において、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31においてのみマイクロ波を生成させることができる。これにより、本実施の形態によれば、進入波の影響を受けることなく、インピーダンス整合の対象となるマグネトロン31と処理容器2との間の導波管32における反射波を正確に検出することが可能になる。特に、本実施の形態では、第2の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、第2の状態においてマイクロ波を生成したマグネトロン31と、処理容器2との間のインピーダンス整合を行う。これにより、本実施の形態によれば、複数のマグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンス整合の精度を向上させることができる。
【0085】
また、本実施の形態では、第1の状態は、ウエハWを処理するための主要な状態であり、第2の状態は、複数の導波管32のうち、第2の状態において生成されたマイクロ波を伝送する導波管32における反射波を検出するための状態である。前述のように、第2の状態には、第1の状態が継続している間に選択的且つ一時的に切り替わる。従って、本実施の形態によれば、ウエハWに対する処理が行われている間に、マイクロ波を伝送する導波管32における反射波を正確に検出することができると共に、複数のマグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを個別に整合することが可能になる。
【0086】
また、本実施の形態では、第1の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、第2の状態においてマイクロ波を生成するマグネトロン31を決定する。具体的には、第1の状態において検出された反射波の電力量が所定のしきい値よりも大きいか否かによって、第2の状態においてマイクロ波を生成するマグネトロン31が決定される。これにより、本実施の形態によれば、ウエハWに対する処理が行われている間に、処理容器2との間でインピーダンス整合が行われるマグネトロン31を決定することができる。なお、上記のしきい値は、1つに限らず、複数であってもよい。この場合、反射波の電力量の大きさに応じて、異なる種類のインピーダンス整合、例えば本実施の形態でありウエハWへの処理を優先したインピーダンス整合と、ウエハWの処理よりもインピーダンスの整合を優先させたインピーダンス整合とを行うことが可能になる。
【0087】
また、本実施の形態では、第1の状態から第2の状態への切り替えは、第2の状態においてマイクロ波を生成するマグネトロン31が、第1の状態においてオフ状態からオン状態に切り替わるタイミングに行われる。また、第2の状態が継続する時間は、第2の状態においてマイクロ波を生成するマグネトロン31が、第1の状態のオン状態1回当たりの時間以下である。また、第2の状態から第1の状態に切り替わる前後において、第2の状態においてマイクロ波を生成するマグネトロン31が、オン状態を継続させる時間は、上記1回当たりの時間と等しい。これらのことから、本実施の形態によれば、反射波を検出するための状態である第2の状態を継続させる時間を最小限にして、ウエハWに対する処理効率の低下を防止することができる。
【0088】
以下、本実施の形態におけるその他の効果について説明する。本実施の形態では、マイクロ波導入装置3は、複数のマグネトロン31と複数の導波管32とを有し、複数のマイクロ波を同時に処理容器2に導入することが可能である。本実施の形態によれば、各マグネトロン31の出力が、ウエハWに対して不足する場合であっても、複数のマイクロ波を同時に処理容器2に導入することにより、ウエハWに対して処理を行うことが可能になる。
【0089】
また、本実施の形態では、マイクロ波は、ウエハWに照射されてウエハWを処理するためのものである。これにより、本実施の形態によれば、プラズマ処理に比べて、ウエハWに対して低温の加熱処理を行うことが可能である。
【0090】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明のマイクロ波処理装置は、半導体ウエハを被処理体とする場合に限らず、例えば太陽電池パネルの基板やフラットパネルディスプレイ用基板を被処理体とするマイクロ波処理装置にも適用できる。
【0091】
また、上記実施の形態では、マグネトロン31A,31Bが昇圧トランス44Aに接続され、マグネトロン31C,31Dが昇圧トランス44Bに接続されている例について説明したが、マグネトロン31A〜31Dは、それぞれ別の昇圧トランスに接続されていてもよい。この場合、同時にマイクロ波を生成するマグネトロン31A〜31Dの組み合わせを任意に変更することが可能になる。
【0092】
また、マイクロ波ユニット30の数(マグネトロン31の数)や、処理容器2に同時に導入されるマイクロ波の数は、実施の形態で説明した数に限られない。
【符号の説明】
【0093】
1…マイクロ波処理装置、2…処理容器、3…マイクロ波導入装置、4…支持装置、5…ガス供給装置、6…排気装置、8…制御部、30…マイクロ波ユニット、31…マグネトロン、32…導波管、33…透過窓、34…サーキュレータ、35…検出器、36…チューナ、37…ダミーロード、40…高電圧電源部、41…AC−DC変換回路、42…スイッチング回路、43…スイッチングコントローラ、44…昇圧トランス、45…整流回路、81…プロセスコントローラ、82…ユーザーインターフェース、83…記憶部、W…半導体ウエハ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理体を収容する処理容器と、
前記被処理体を処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器に導入するマイクロ波導入装置と、
前記マイクロ波導入装置を制御する制御部とを備えたマイクロ波処理装置であって、
前記マイクロ波導入装置は、前記マイクロ波を生成する複数のマイクロ波源と、前記複数のマイクロ波源において生成された前記マイクロ波を前記処理容器に伝送する複数の伝送路とを有し、複数の前記マイクロ波を同時に前記処理容器に導入することが可能であり、
前記制御部は、複数の前記マイクロ波を同時に前記処理容器に導入する第1の状態が継続している間に、選択的且つ一時的に、前記複数のマイクロ波源のうちの1つにおいて前記マイクロ波を生成し、このマイクロ波のみを前記処理容器に導入する第2の状態に切り替えることを特徴とするマイクロ波処理装置。
【請求項2】
前記マイクロ波導入装置は、更に、前記複数の伝送路における前記処理容器からの反射波を検出するための複数の検出器を有し、
前記第1の状態は、前記被処理体を処理するための主要な状態であり、
前記第2の状態は、前記伝送路における反射波を検出するための状態であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成したマイクロ波源と、前記処理容器との間のインピーダンス整合を行うことを特徴とする請求項2に記載のマイクロ波処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成するマイクロ波源を決定することを特徴とする請求項2または3に記載のマイクロ波処理装置。
【請求項5】
前記複数のマイクロ波源は、前記第1の状態において前記マイクロ波を生成する状態と前記マイクロ波を生成しない状態とを交互に複数回繰り返す複数の第1の種類のマイクロ波源と、前記複数の第1の種類のマイクロ波源と同時に前記マイクロ波を生成しないように、前記第1の状態において前記マイクロ波を生成する状態と前記マイクロ波を生成しない状態とを交互に複数回繰り返す複数の第2の種類のマイクロ波源とを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置。
【請求項6】
前記第1の状態から前記第2の状態への切り替えは、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成するマイクロ波源が、前記第1の状態において前記マイクロ波を生成しない状態から前記マイクロ波を生成する状態に切り替わるタイミングに行われることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ波処理装置。
【請求項7】
前記第2の状態が継続する時間は、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成するマイクロ波源が、前記第1の状態において前記マイクロ波を生成する状態1回当たりの時間以下であり、
前記第2の状態から前記第1の状態に切り替わる前後において、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成するマイクロ波源が、前記マイクロ波を生成する状態を継続させる時間は、前記1回当たりの時間と等しいことを特徴とする請求項6に記載のマイクロ波処理装置。
【請求項8】
前記マイクロ波は、前記被処理体に照射されて前記被処理体を処理するためのものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置。
【請求項9】
被処理体を収容する処理容器と、
前記被処理体を処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器に導入するマイクロ波導入装置とを備えたマイクロ波処理装置を制御する方法であって、
前記マイクロ波導入装置は、前記マイクロ波を生成する複数のマイクロ波源と、前記複数のマイクロ波源において生成された前記マイクロ波を前記処理容器に伝送する複数の伝送路とを有し、複数の前記マイクロ波を同時に前記処理容器に導入することが可能であり、
複数の前記マイクロ波を同時に前記処理容器に導入する第1の状態が継続している間に、選択的且つ一時的に、前記複数のマイクロ波源のうちの1つにおいて前記マイクロ波を生成し、このマイクロ波のみを前記処理容器に導入する第2の状態に切り替えることを特徴とするマイクロ波処理装置の制御方法。
【請求項10】
前記マイクロ波導入装置は、更に、前記複数の伝送路における前記処理容器からの反射波を検出するための複数の検出器を有し、
前記第1の状態は、前記被処理体を処理するための主要な状態であり、
前記第2の状態は、前記複数の伝送路のうち、前記第2の状態において生成された前記マイクロ波を伝送する伝送路における反射波を検出するための状態であることを特徴とする請求項9に記載のマイクロ波処理装置の制御方法。
【請求項11】
前記第2の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成したマイクロ波源と、前記処理容器との間のインピーダンス整合を行うことを特徴とする請求項10に記載のマイクロ波処理装置の制御方法。
【請求項12】
前記第1の状態において検出された反射波の電力量に基づいて、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成するマイクロ波源を決定することを特徴とする請求項10または11に記載のマイクロ波処理装置の制御方法。
【請求項13】
前記複数のマイクロ波源は、前記第1の状態において前記マイクロ波を生成する状態と前記マイクロ波を生成しない状態とを交互に複数回繰り返す複数の第1の種類のマイクロ波源と、前記複数の第1の種類のマイクロ波源と同時に前記マイクロ波を生成しないように、前記第1の状態において前記マイクロ波を生成する状態と前記マイクロ波を生成しない状態とを交互に複数回繰り返す複数の第2の種類のマイクロ波源とを含むことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置の制御方法。
【請求項14】
前記第1の状態から前記第2の状態への切り替えは、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成するマイクロ波源が、前記第1の状態において前記マイクロ波を生成しない状態から前記マイクロ波を生成する状態に切り替わるタイミングに行われることを特徴とする請求項13に記載のマイクロ波処理装置の制御方法。
【請求項15】
前記第2の状態が継続する時間は、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成するマイクロ波源が、前記第1の状態において前記マイクロ波を生成する状態1回当たりの時間以下であり、
前記第2の状態から前記第1の状態に切り替わる前後において、前記第2の状態において前記マイクロ波を生成するマイクロ波源が、前記マイクロ波を生成する状態を継続させる時間は、前記1回当たりの時間と等しいことを特徴とする請求項14に記載のマイクロ波処理装置の制御方法。
【請求項16】
前記マイクロ波は、前記被処理体に照射されて前記被処理体を処理するためのものであることを特徴とする請求項9ないし15のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−58652(P2013−58652A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196658(P2011−196658)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】