説明

マイルドなリーブオン・スキンケア組成物

【課題】皮膚にマイルドな組成物を提供する。
【解決手段】皮膚にマイルドな組成物は、化粧品として許容可能な油と、水と、約1〜約25のHLBを有する化粧品として許容可能な乳化剤と、安息香酸、p−アニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含む防腐剤と、を含み、その組成物は、5未満のpH及び約0.001〜約0.039の緩衝能を有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
皮膚に適用してそのままにするように設計された化粧品は、通常、皮膚にマイルドに作られた防腐剤システムを含む成分を有する。そのようなマイルドさを達成するために、そのような製品は、通常、生理学的pH範囲(約5.5〜約6.5)で防腐(微生物及び真菌)活性を呈する防腐剤を含有する。pH及びマイルドさを維持するために、組成物はまた、一般に、緩衝システムも含有する。化粧品は、通常、長い貯蔵寿命を有するため、緩衝システムは、防腐剤の効力及びマイルドさのバランスにおいて重要な役割を果たす場合がある。
【0002】
正常で健全な人の皮膚のpHは、通常、約4.5〜約6である。しかし、このpHは年齢とともに変化し得る。通常、新生児の皮膚のpHはより中性(pH7)に近いが、若い子供の皮膚を保護するために、時とともにすぐに酸性に転じる。
【0003】
リーブオン組成物の、目へのマイルドさは、皮膚に適用することが意図された製品を配合するときの重要な考慮点である。しかしながら、目は、外来組成物が目に接したときにpHの調整を可能にする「防衛機構」を有する。溶液が目に加えられると、加えられた溶液のpHを涙がすばやく調整し、長引く刺激を防ぐ。しかし、皮膚には、リーブオン組成物に反応するそのような貯留器がない。その結果、皮膚の炎症及び発赤となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、貯蔵安定性があり、しかも皮膚のpHにすばやく順応するように設計された、化粧用又はパーソナルケア用のリーブオン処方を見出すことが望まれる。この組成物は、皮膚との適合性を有するように低い緩衝能及び低いpHを有し、相当な期間の貯蔵安定性のあるものになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の、緩衝化されたリーブオン組成物は、油と、水と、乳化剤と、防腐剤とからなり、本質的にそれらからなり、防腐剤は、安息香酸、pアニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸であり、組成物は、5未満のpH及び0.001〜0.039の緩衝能を有する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
緩衝化された組成物とは、酸又は塩基のいずれかが添加されたときにほぼ一定のpHを保持できる組成物である。pHの変化に対するこの抵抗力の定量的尺度は、「緩衝能」と呼ばれる。本明細書で用いられるとき、用語「緩衝能」とは、組成物のpHが有意な程度の変化をし始める前に緩衝剤が中和できる酸又は塩基の量である。皮膚に適用された組成物は、皮膚のpHに反応し、場合によっては、pHの変化を起こす。したがって、本発明の組成物の特性、特にそれらのマイルドさ、を維持するように、皮膚pHの影響を「緩衝」する能力を本発明の組成物が有することが望ましい。本発明の組成物のpHは、好ましくは、5未満である。より好ましくは、本発明の組成物のpHは、約4.8未満である。
【0007】
本発明の組成物の好ましい一実施形態では、組成物の緩衝能は、実施例で定めた手順によって判定された際に約0.01〜約0.39である。
【0008】
本明細書で使用されるとき、用語「有機酸」は、酸性特性(プロトンドナー)を有する炭素含有化合物を意味する。最も一般的な有機酸は、その酸性がそれらのカルボキシル基(−COOH)と関連付けられるカルボン酸である。
【0009】
化粧品組成物に使用するのに好適な有機酸の例としては、安息香酸、pアニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸などが挙げられる。
【0010】
好ましい実施形態では、組成物は有機酸(ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸)で防腐処理及び緩衝化される。
【0011】
本発明の組成物は、好ましくは、5未満のpHを有する。組成物が有機酸で防腐処理されるので、有機酸が完全に塩に変換することを酸性pHが防ぐ。より好ましくは、本発明の組成物のpHは4.8未満であるべきである。例えば、組成物が最初にpH4.8の安息香酸で防腐処理されるならば、pHを5より上に上げることで、安息香酸は安息香酸ナトリウムに転換される。
【0012】
本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも2相組成物の形態である。より好ましくは、それらは、水中油型エマルションの形態である。
【0013】
本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも2相組成物の形態である。より好ましくは、それらは、水中油型エマルションの形態である。
【0014】
本発明の組成物に有用な局所適用組成物は、好ましくは、エマルションとして配合される。キャリアがエマルションである場合、キャリアの約1%〜約10%(より好ましくは、約2%〜約5%)は、1つ以上の乳化剤である。乳化剤は、非イオン性、アニオン性又はカチオン性であってよい。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号、同第4,421,769号、「McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,pp.317〜324(1986)、及びICI Handbook,pp.1673〜1686に開示されている。
【0015】
水中油型及び油中水型の、ローションのような単相エマルションのスキンケア製剤は、化粧品技術分野で周知であり、本発明の組成物に有用である。米国特許第4,254,105号及び同第4,960,764号に開示されているような水中油中水型のような多相エマルション組成物もまた、本発明に有用である。一般に、そのような単相又は多相のエマルションは、必須成分として水、皮膚軟化剤、及び乳化剤を含有する。
【0016】
最も好ましくは、本発明の組成物はローションの形態である。
【0017】
ローションは、通常、約1%〜約20%(より好ましくは、約5%〜約10%)の皮膚軟化剤と、約50%〜約90%(より好ましくは、約60%〜約80%)の水とを含有する。
【0018】
本発明の組成物及び方法に使用するには、化粧品として許容可能で、かつ適切な親水性−親油性バランス(「HLB」)を有する乳化剤が好ましい。界面活性剤又は乳化剤の親水性−親油性バランスは、その親水性又は親油性の程度の尺度であり、分子の異なる領域の値を計算することにより測定される。好ましくは、本発明の組成物に有用な乳化剤のHLBは、約1〜約25である。より好ましくは、HLBは、約2〜約16であるべきである。最も好ましくは、HLBは、約4〜約13であるべきである。本発明の組成物に使用するために好ましい皮膚軟化剤としては、次のものが含まれる。セチルリン酸カリウム、水素添加パームグリセリド、グリセリルラウレート、キャンデリラ/ホホバ/コメヌカポリグリセリル−3エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、セテアレス−6、ポリソルベート61、グリセリルステアレート、ポリソルベート20。より好ましくは、本発明の組成物に使用するために好ましい乳化剤としては、セチルリン酸カリウム、水素添加パームグリセリド、グリセリルラウレート、キャンデリラ/ホホバ/コメヌカポリグリセリル−3エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、セテアレス−6、ポリソルベート61、グリセリルステアレート、ポリソルベート20が挙げられる。最も好ましくは、本発明の組成物として含まれるべきであるのは、グリセリルラウレート、キャンデリラ/ホホバ/コメヌカポリグリセリル−3エステル、ステアロイル乳酸ナトリウムである。
【0019】
本発明の組成物の油相はまた、少なくとも1つの化粧品として許容可能な油も含有すべきである。本明細書で用いられるとき、用語「油」は、ミセル凝集体の形成又はそれらのサイズの制限のために分子間力の均衡を助けることができる疎水性材料である。油はまた、製品の塗布性、肌触り、及び例えばビタミンD、E、K、A、及び日焼け止め剤フィルタが挙げられるがこれらに限定されない疎水性有効成分の送達にとって、有益な皮膚軟化剤成分としての役割も果たす。
【0020】
本発明の組成物に有用な油としては、組成物の総重量に基づき約20%〜50%の範囲の多様な炭化水素系の油、シリコーン、脂肪酸誘導体、グリセリド、植物油、植物油誘導体、アルキルエステル、ワックスエステル、蜜蝋誘導体、ステロール、リン脂質及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0021】
本発明の組成物及び方法に好ましく使用される好ましい炭化水素油としては、ペトロラタム、鉱物油、マイクロクリスタリンワックス、スクアレン及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明のための疎水性材料として使用するのに好適なシリコーン油の例としては、ジメチコン、ジメチコノール、フェニルジメチコン及び環式ポリシロキサン並びにこれらの組み合わせが挙げられる。25℃で約0.5〜約0.1m/s(100,000センチストーク)の粘度を有するシリコーン油もまた、本組成物に有用である場合がある。
【0022】
本発明の組成物に有用なグリセリドとしては、ひまし油、ヒマワリ種子油、ココナッツ油及び誘導体、植物油及び誘導体、パーム油、ホホバ油、シアバター、ラノリン並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0023】
アルキルエステル油としては、脂肪酸のイソプロピルエステル及び長鎖脂肪酸のエステルもまた、本発明の組成物に使用するのに好適である場合があるが、これらに限定されない。より好ましくは、本発明に有用であり得るアルキルエステルとしては、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソヘキシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0024】
本発明の組成物はまた、水も含有すべきである。水はまた、カルボマーのような、あるいは他の、例えば、キサンタンガム、カラギーナンガム又は同類物といった増粘ポリマーのような構造剤も含有する場合がある。
【0025】
組成物は、ローション、スプレー、拭取り用品、及びファウンデーションのようなメークアップを含む広範な製品タイプに作製することができるが、これらに限定されない。これらの製品タイプは、化粧品として許容可能ないくつかのタイプの局所キャリアを含む場合がある。組成物には、有益剤を含む付加的な成分が含まれる場合がある。
【0026】
好適な有益剤の例としては、脱色剤、リフレクタント、被膜形成ポリマー、保湿剤、アミノ酸及びそれらの誘導体、抗菌剤、抗アレルギー剤、抗ニキビ剤、老化防止剤、しわ予防剤、防腐剤、鎮痛剤、鎮咳剤、かゆみ止め、局所麻酔剤、脱毛予防剤、育毛剤、発毛抑制剤、抗ヒスタミン剤(マンドラゴラベルナリス、タナセタムパルテニウムなど)、抗感染薬(アカシアカテキュ、アロエバルバデンシス、コンバラリアマジャリス、エキナシア、ユ−カリ油、メンタピペリタ、ローザカニナ、ササフラスアルビダムなど)、炎症阻害剤、嘔吐抑制剤、抗コリン剤、血管収縮剤、血管拡張剤、創傷治癒剤、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質、防臭剤及び制汗剤、薬剤、皮膚軟化剤及び皮膚加湿剤、皮膚引き締め剤、ビタミン、なめし剤、美白剤、抗真菌剤(センタウレアサイアナス、カルミアラチフォリア、及び足用製剤としての抗真菌剤など)、脱毛剤、外用鎮痛剤、香料、反対刺激剤、痔治療製剤、殺虫剤、ツタウルシ用製品、毒カシ用製品、火傷用製品、抗オムツかぶれ剤、あせも剤、メークアップ製剤、ビタミン、アミノ酸及びそれらの誘導体、薬草抽出物、レチノイド、フラベノイド、センセート、抗酸化剤、スキンコンディショナー、毛髪脱色剤、キレート剤、細胞回転エンハンサー、染料、顔料、日焼け止め剤、米国特許第6,063,397号に開示されている有効成分(参照により本明細書に組み込まれる)、抗浮腫剤、コラーゲンエンハンサー、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
好適な抗浮腫剤の例としては、天然ビサボロール、合成ビサボロール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
好適な血管収縮剤の例としては、トチノキ抽出物、アメリカサンショウ、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
好適な抗炎症剤の例としては、ベノキサプロフェン、センテラアジアティカ、ビサボロール、ナツシロギク(全体)、ナツシロギク(パルテノライドを含まず)、緑茶抽出物、緑茶濃縮物、過酸化水素、リコピン(LycoRed Natural Products Industries,Ltd.の「Lyc−o−Pen」を含む)、オート麦油、カモミール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
コラーゲンエンハンサーの例としては、ビタミンA、ビタミンC、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
好適な皮膚引き締め剤としては、ジメチルアミノエタノール(「DMAE」)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
好適なかゆみ止め及び皮膚保護剤の例としては、オートミール、ベータグルカン、ナツシロギク、大豆及びその誘導体、重炭酸ソーダ、コロイド状オートミール、界面活性剤系コロイド状オートミールクレンザー、アナガリスアベンシス、オエノテラビエニス、バーベナオフィシナリス、及び同類物が挙げられるが、これらに限定されない。これらのかゆみ止めは、クレンジング組成物の総重量に基づいて、約0.01%〜約40%、好ましくは約1%〜約5%の量で使用することができる。
【0033】
本明細書で用いられるとき、コロイド状オートミールとは、第1及び第2オート麦としての米国基準を満たす全オート麦を粉砕及び更に加工して得られる粉末を意味する。コロイド状オートミールの粒径分布は、粒径150マイクロメートルを超えるものが全粒子の3%以下であり、粒径75マイクロメートルを超えるものが全粒子の20%以下である。好適なコロイド状オートミールの例としては、Beacon Corporationから入手可能な「Tech−O」及びQuakerから入手可能なコロイド状オートミールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
好適なリフレクタントの例としては、雲母、アルミナ、ケイ酸カルシウム、グリコールジオレエート、グリコールジステアレート、シリカ、ナトリウムマグネシウムフルオロシリケート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
好適な被膜形成ポリマーとしては、乾燥の際に、実質的に連続したコーティング又は被膜を、毛髪、皮膚、又は爪にもたらすものが含まれる。好適な被膜形成ポリマーとしては、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体、コーンスターチ/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体、ポリクアテルニウム−10、ポリクアテルニウム−47、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
加湿及びコンディショニング特性をもたらす能力を有する市販の保湿剤が、本発明に使用するには好適である。保湿剤は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは、約0%〜約10%の量、より好ましくは約0.5%〜約5%、最も好ましくは約0.5%〜約3%の量で存在する。保湿剤の1例はグリセリンである。
【0037】
好適なアミノ酸剤としては、多様なタンパク質の加水分解から誘導されるアミノ酸、並びにそれらの塩、エステル、及びアシル誘導体が挙げられる。そのようなアミノ酸剤の例としては、両性アミノ酸(アルキルアミドアルキルアミン、すなわちステアリルアセチルグルタメート、カプリロイルシルクアミノ酸、カプリロイルコラーゲンアミノ酸、カプリロイルケラチンアミノ酸、カプリロイルピーアミノ酸、ココジモニウムヒドロキシプロピルシルクアミノ酸、とうもろこしグルテンアミノ酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、毛髪ケラチンアミノ酸、例えばアスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、シスチン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、システイン酸、リシン、ヒスチジン、アルギニン、システイン、トリプトファン、シトルリンのようなアミノ酸、リシン、シルクアミノ酸、小麦アミノ酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
好適なタンパク質としては、長鎖(すなわち少なくとも約10個の炭素原子)と高分子量(すなわち少なくとも約1000)とを有する、アミノ酸の自己縮合によって形成されるポリマーが挙げられる。そのようなタンパク質の例としては、コラーゲン、デオキシリボヌクレアーゼ、ヨウ化とうもろこしタンパク質、乳タンパク質、プロテアーゼ、血清タンパク質、シルク、スイートアーモンドタンパク質、小麦胚タンパク質、小麦タンパク質、ケラチンタンパク質のアルファ及びベータへリックス、毛髪タンパク質(中間線条体タンパク質、高硫黄タンパク質、超高硫黄タンパク質、中間線条体付随タンパク質、高チロシンタンパク質、高グリシンチロシンタンパク質、トリコヒアリン)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
好適なビタミンの例としては、チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、コリン、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンB12、ピリドキシン、イノシトール、カルニチンを含むビタミンB複合体、ビタミンA、C、D、E、K及びビタミンAパルミテートなどの誘導体及びプロビタミン、例えば(すなわちパンテノール(プロビタミンB5)及びパンテノールトリアセテート)及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
好適な抗菌剤の例としては、バシトラシン、エリスロマイシン、ネオマイシン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、塩化ベンゼトニウム、フェノール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
好適な、化粧品として許容可能な皮膚軟化剤及び皮膚加湿剤としては、鉱物油、ラノリン、植物性油(ココグリセリド、ココナッツ油、パーム核油、ババス油、ヒマワリ種子油、和ろう、パーム油、杏仁油、タロー、アルガン油、バオバブ油、カカオバター、アンジローバ種子油、マンゴバター、アボカド油、綿実油、米糠油、シアバター、マルラ油、パパイヤ種子油、かぼちゃ種子油、小麦粉芽油、イリッペ脂、とうもろこし油、オリーブ油、ケシ油、ぶどう種子油、ごま油、ヤング種子油、スイートアーモンド油、ヘーゼルナッツ油、大豆油、アカイ油、サフラワー油、ハイブリッドサフラワー油、くるみ油、カノーラ油、黒スグリ種子油、ヘーゼル種子油、ピーナッツ油、クランベリー種子油、トールオイル、コクムバター、マンケッティナッツ油、モリンガ油、ラズベリー種子油、クプアクバター、アマニ油、キリ油、ホホバ油、ボラージシード油、イブニングプリムローズ油、ベロニカ油、オンゴケア油、植物油、イソステアリン酸イソステアリル、グリセリルラウレート、メチルグルセス−10、メチルグルセス−20キトサン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
日焼け止め剤としては、ベンゾフェノン、ボルネロン、ブチル安息香酸、シンナミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、安息香酸、メトキシケイ皮酸カリウム、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸オクチル、オキシベンゾン、オクトクリレン、サリチル酸オクチル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、アミノ安息香酸エチルヒドロキシプロピル、アントラニル酸メンチル、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、アミノ安息香酸グリセリル、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、パディメートO、レッドペトロラタム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
好適ななめし剤の例としては、ジヒドロキシアセトンが挙げられるが、これに限定されない。
【0044】
美白剤の例としては、ヒドロキノン、カテコール及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
好適な殺虫剤(防虫剤、抗疥癬剤及び抗シラミ治療剤を含む)の例としては、ペルメスリン、ピレスリン、ピペロニルブトキシド、イミダクロプリド、N,N−ジエチルトルアミド(主にメタ異性体、すなわち、DEETとしても知られているN,N−ジエチル−m−トルアミドを含有する物質、並びに他の物質を指す)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
足用製剤としての抗真菌剤の例としては、トルナフテートが挙げられるが、これに限定されない。
【0047】
好適な脱毛剤の例としては、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸マグネシウム、チオグリコール酸カリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
好適な外用鎮痛剤及び局所麻酔剤の例としては、ベンゾカイン、ジブカイン、ベンジルアルコール、しょうのう、カプサイシン、カプシクム、カプシクムオレオレジン、ジュニパータール、メントール、ニコチン酸メチル、サリチル酸メチル、フェノール、レゾルシノール、テレピン油、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
好適な制汗剤及び防臭剤の例としては、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムクロロヒドレート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
好適な反対刺激剤の例としては、しょうのう、メントール、サリチル酸メチル、ペパーミント及び丁子油、イチタンモル、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
好適な炎症阻害剤の例としては、ヒドロコルチゾン、フラガリアベスカ、カモミール、及びサルビアオフィシナリスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
好適な痔治療用製品としては、ベンゾカイン、プラモキシン塩酸塩、及びこれらの混合物のような麻酔剤、塩化ベンゼトニウムのような防腐剤、酸化亜鉛、ビスマスサブガレート、バルサムペルー、及びこれらの混合物のような収れん剤、タラ肝油、植物油、及びこれらの混合物のような皮膚保護剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
最も好ましい有益剤としては、DMAE、大豆及びその誘導体、コロイド状オートミール、スルホン酸化シェール油、オリーブの葉、エルビオール、6−(1−ピペリジニル)−2,4−ピリミジンジアミン−3−オキシド、フィナステリド、ケトコナゾール、ジンクピリチオン、コールタール、過酸化ベンゾイル、硫化セレン、ヒドロコルチゾン、硫黄、メントール、プラモキシン塩酸塩、塩化トリセチルモニウム、ポリクアテルニウム10、パンテノール、パンテノールトリアセテート、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体、ケラチン、リシン、アルギニン、加水分解された小麦タンパク質、加水分解されたシルクタンパク質、メトキシ桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、ミノキシジル、二酸化チタン、二酸化亜鉛、レチノール、エリスロマイシン、トレチノイン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
1つの好ましいタイプの有益剤としては、脂漏性皮膚炎、乾癬並びにそれらに伴う症状の治療に有効な治療成分が挙げられる。そのような好適な有益剤の例としては、ジンクピリチオン、アンスラリン、シェール油及び例えばスルホン酸化されたシェール油のようなその誘導体、硫化セレン、硫黄、サリチル酸、コールタール、ポビドンヨード、イミダゾール(ケトコナゾール、ジクロロフェニルイミダゾロジオキサラン(Janssen Pharmaceutica,N.V.より「Elubiol」の商品名で市販されている)、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、クリンバゾール、チオコナゾール、スルコナゾール、ブトコナゾール、フルコナゾール、硝酸ミコナゾール及びこれらの任意の可能な立体異性体及び誘導体など)、ピロクトンオラミン(オクトピロックス)、硫化セレン、シクロピロックスオラミン、抗乾癬剤(ビタミンD類似体(例えば、カルシポトリオール、カルシトリオール、及びタカレイトロールなど))、ビタミンAのエステルのようなビタミンA類似体(例えば、ビタミンAパルミテート、レチノイド、レチノール、及びレチノイン酸)、コルチコステロイド(ヒドロコルチゾン、クロベタゾン、ブチレート、クロベタゾールプロピオネートなど)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
本発明の組成物又は乳化剤と組み合わせる有益剤の量は、例えば、有益剤が皮膚、毛髪、又は爪に浸透する能力、選択される特定の有益剤、望まれる具体的な便益、有益剤に対する使用者の感度、健康状態、年齢、及び使用者の皮膚、毛髪並びに/又は爪の状態などに依存して変化する場合がある。要約すると、有益剤は、「安全かつ有効な量」で使用され、これは、皮膚、毛髪又は爪に所望の効果を達成するのに十分多量であるか、処置されるある容態を調整するには十分多量であるが、適切な医学的判断の範囲内での合理的な危険率対効果比で、重大な副作用を回避するには十分少量である。
【0056】
好適な老化防止剤の例としては、二酸化チタン及び酸化亜鉛のような無機の日焼け止め、オクチル−メトキシ桂皮酸塩及びそれらの誘導体のような有機の日焼け止め、レチノイド、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB、及びそれらの誘導体(ビタミンEアセテート、ビタミンCパルミテートなど)のようなビタミン、ベータ−ヒドロキシブチル酸、ベータ−フェニル−乳酸、ベータ−フェニルピルビン酸のようなベータヒドロキシ酸、緑茶、大豆、オオアザミ、藻、アロエ、アンゼリカ、橙皮、コーヒー、黄蓮、グレープフルーツ、ホエレン、セイヨウスイカズラ、ジョブズティアーズ、リンソパーマム(ムラサキ)、桑の実、シャクヤク、プエラルア、ニース、サフラワーのような植物性抽出物、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
好ましい老化防止剤としては、レチノイド、抗酸化剤、アルファ−ヒドロキシ酸及びベータ−ヒドロキシ酸が挙げられ、最も好ましいのはレチノール及びトレチノインである。
【0058】
好適な抗ニキビ剤の例は、これらの組成物技術の当業者に既知のものが挙げられる。
【0059】
好ましい抗ニキビ剤としては、過酸化ベンゾイル、レチノール、エルビオール、抗生物質、及びサリチル酸が挙げられ、最も好ましいのはレチノール及びトレチノインである。
【0060】
脂漏性皮膚炎及び/又は乾癬の症状及び/又は病気の治療に好適な有益剤の例としては、それぞれ、上述したものが挙げられるが、特に好ましいのは、シェール油及びその誘導体、エルビオール、ケトコナゾール、コールタール、ジンクピリチオン、硫化セレン、ヒドロコルチゾン、硫黄、メントール、プラモキシン塩酸塩、及びこれらの混合物であるが、これらに限定されない。
【0061】
本発明の組成物は、皮膚に適用することを目的としてよく、又は拭き取り用品、スポンジ、ブラシなどのような他の送達用具に適用してもよい。これらの組成物は、皮膚につけたままにする、皮膚から拭き取る、又は皮膚からすすぎ落とすように設計される製品に使用することができる。
【0062】
本発明の組成物の、皮膚へのマイルドさは、EpiDerm−ET50試験を用いて測定することが可能である。この試験は、可能な場合、そのままの液体試験品(及び/又は適宜、用量化された溶液)のpHの測定、及びET50(MTT減少を50%低減するまでの曝露時間)を測定するための決定的アッセイからなる。試験品の毒性は、曝露時間に対する相対的組織生存率に基づいて評価される。生存率は、対照及び試験品処理培養物における、MTTのNAD(P)H依存性ミクロソーム酵素の減少(より少ない程度では、MTTのコハク酸デヒドロゲナーゼの減少)によって測定される(Berridge,et al,1996)。データは、相対的生存率(相対的MTT転換)対曝露時間の形で提示される。好ましくは、本発明の組成物及び方法の、皮膚へのマイルドさスコアは、約10時間を上回り、より好ましくは約15時間を上回り、最も好ましくは約20時間を上回る。
【0063】
本発明の組成物の、目へのマイルドさは、EpiOcular−ET50試験を用いて測定することが可能である。この試験は、可能な場合、直接的MTT減少潜在能力及びそのままの液体試験品(及び/又は適宜、用量化された溶液)のpHの測定及び単一の決定的アッセイからなる。試験品の毒性は、組織生存率を対照の50%に減らすために要する曝露時間(ET50)によって評価されることになる。生存率は、対照及び試験品処理培養物における、MTTの、NAD(P)H依存性ミクロソーム酵素の減少(より少ない程度では、MTTのコハク酸デヒドロゲナーゼの減少)によって測定される(Berridge,et al,1996)。データは、試験品の相対的生存率(相対的MTT転換)対曝露時間の形で提示される。好ましくは、本発明の組成物及び方法の、目へのマイルドさスコアは、約10時間を上回り、より好ましくは約14時間を上回り、最も好ましくは約15時間を上回る。
【0064】
本明細書に例示的に開示されている本発明の方法及び組成物は、本明細書に具体的に開示されていない任意の構成要素、成分、又は工程が欠如していても好適に実用可能である。本発明の本質及びその実施方法を更に説明するために幾つかの実施例を以下に示す。しかし、本発明がこれらの詳細に限定されると見なすべきではない。
【実施例】
【0065】
(実施例1)
本発明の組成物による1つの組成物は、次の成分及び量で調製された。
【表1】

【0066】
ビヒクルを主ビーカーに加えた。水に増粘剤を加え、完全に溶解するまで混合した。次いで、追加の増粘剤を加え、完全に分散させた。引き続き混合しながら、溶液を70〜75℃に加熱した。保湿剤を加え、均質になるまで混合した。
【表2】

【0067】
別のビーカーに、乳化剤、皮膚軟化剤、及び増粘剤を加えた。組成物を70〜75℃に熱しながら、混合を開始した。油相が60〜65℃に達したとき、安息香酸を加えた。成分が完全に溶解し、温度が70〜75℃に達するまで、組成物を混合した。
【0068】
後相
後相両方の相が70〜約75℃であるときに、油相を水に加えて混合した。得られた溶液を、室温に冷却させた。
【0069】
実施例2−加工実施例
【表3】

【0070】
ビーカーに水を加え、混合を開始した。ビーカーに増粘剤を加え、完全に分散するまで成分を混合した。75〜80℃への加熱を開始した。保湿剤を加え、混合を続けた。水相が75〜80℃に達したとき、温度を保持しながら、混合を続けた。別に、油相を生成した。乳化剤、皮膚軟化剤及び防腐剤を別のビーカーに加え、油相を加熱しながら混合を開始した。油相の温度が75〜80℃に達したとき、油相を水相に加えた。次いで、このバッチを冷却し、混合速度を下げた。
【0071】
(実施例3)
【表4】

【0072】
別のビーカーにペトロラタムとジメチコンと安息香酸を加えることによって皮膚軟化剤のプレミックスを作製し、プレミックスを75〜77℃に加熱した。全ての薬品が融解するまでプレミックスを混合し、主バッチの他の成分に加えるために保持した。水相は、主タンクに水を加えることによって作製し、混合を開始した。オートミールと塩化ナトリウムを加え、完全に分散するまで混合した。75〜77℃への加熱を開始した。加熱プロセス中に、乳化剤と増粘剤を加えた。バッチが75〜77℃の温度に達したとき、皮膚軟化剤プレミックスを主タンクに加えた。プレミックス容器をpイソプロピルパルミテートですすいだ。主タンクの温度を維持しながら、3〜4分間混合した。主バッチを25〜27℃に冷却し、グリセリンを加えた。
【0073】
(実施例4)
【表5】

【0074】
水相:ビヒクルを主タンクに加え、混合を開始した。ビヒクルに増粘剤を加え、完全に分散するまで混合した。次いで、pH調整剤で水相を中和した。
【0075】
油相:別のタンクに、乳化剤と防腐剤と皮膚軟化剤を加えた。80〜85℃までの加熱を開始した。両方の相の温度が80〜85℃に達したとき、油相を水相に加え、均質になるまで混合した。混合物を約30℃に冷却し、その時点でトウモロコシ澱粉を加え、混合物が均質になるまで混合を続けた。
【0076】
実施例5−緩衝能
次の方法を用いて、実施例1の組成物及び特定の比較組成物の緩衝能を測定した。
【0077】
3グラムの試験ローションを150mLのエルレンマイヤーフラスコに加えた。25mLの脱イオン水を加え、得られた組成物を、均質になるまで混合した。組成物に色指標溶液(フェノールフタレイン)を3滴加え、混合した。次いで、色の変化が観察されるまで、組成物に0.1N水酸化ナトリウムで滴定した。使用した水酸化ナトリウムの量を記録し、単位で表される緩衝能を、次の等式により計算した。
【数1】

式中:
buf=緩衝剤濃度
=水イオン化定数
=酸解離定数
β=緩衝能
【0078】
pHの測定
pHの測定は、1週間かけて、Corning 3 in 1 Combo RJ電極を伴うCorning Pinnacle model 530のpH電極を用いて行った。pH計は毎日較正した。
【表6】

【0079】
比較実施例1−Baby Magic Baby Lotion(塩化ベンズアルコニウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、ジアゾリジニル尿素含有、Naterra International,Inc.(テキサス州フラワーマウンド(Flower Mound))から入手可能)。
【0080】
比較実施例2−Jason Earth’s Best Everyday Lotion(ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム含有、JASON NATURAL PRODUCTS(カリフォルニア州カルバーシティ(Culver City))より入手可能)。
【0081】
比較実施例3−California Baby Super Sensitive Lotion(ポリアミノプロピルビグアニド含有、Honky tots,Inc.dba California Baby(登録商標)(カリフォルニア州ビバリーヒルズ(Beverly Hills))より入手可能)。
【0082】
比較実施例4−Method Baby Body Lotion(デヒドロ酢酸、ベンジルアルコール含有、Method products inc.(カリフォルニア州サンフランシスコ(San Francisco))より入手可能)。
【0083】
比較実施例5−Burt’s Bees Buttermilk Lotion(グルコースオキシダーゼ及びラクトペルオキシダーゼ含有、Burt’s Bees,Inc.(ノースカロライナ州ダーハム(Durham))より入手可能)。
【0084】
比較実施例6−Seba Med Baby Lotion(アルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム含有、Physician Laboratories(アリゾナ州スコッツデール(Scottedale))より入手可能)。
【0085】
実施例6−マイルドさ
次に定める組成物の、皮膚へのマイルドさは、EpiDerm−ET50試験により測定した。下表Iに定める組成物の、目へのマイルドさは、EpiOcular−ET50試験により測定した。皮膚へのマイルドさ及び目へのマイルドさの結果を表Iにまとめる。
【0086】
試験組成物1(TC−1)
【表7】

【0087】
ビヒクルを主ビーカーに加えた。水に増粘剤を加え、完全に溶解するまで混合した。次いで、追加の増粘剤を加え、完全に分散させた。引き続き混合しながら、溶液を70〜75℃に加熱した。保湿剤を加え、均質になるまで混合した。
【表8】

【0088】
別のビーカーに、乳化剤、皮膚軟化剤、及び増粘剤を加えた。組成物を70〜75℃に熱しながら、混合を開始した。油相が60〜65℃に達したとき、安息香酸を加えた。成分が完全に溶解し、温度が70〜75℃に達するまで、組成物を混合した。
【0089】
試験組成物2(TC−2)
【表9】

【0090】
ビヒクルを主ビーカーに加えた。次いで、緩衝剤を水相に加え、完全に分散するまで混合した。水に増粘剤を加え、完全に溶解するまで混合した。次いで、追加の増粘剤を加え、完全に分散させた。引き続き混合しながら、溶液を70〜75℃に加熱した。保湿剤を加え、均質になるまで混合した。
【表10】

【0091】
別のビーカーに、乳化剤、皮膚軟化剤、及び増粘剤を加えた。組成物を70〜75℃に熱しながら、混合を開始した。油相が60〜65℃に達したとき、安息香酸を加えた。成分が完全に溶解し、温度が70〜75℃に達するまで、組成物を混合した。
【0092】
後相
次いで、10%水酸化ナトリウム溶液でpHを6.9に調整した。
【0093】
試験組成物3(TC−3)
【表11】

【0094】
ビヒクルを主ビーカーに加えた。次いで、緩衝剤を水相に加え、完全に分散するまで混合した。水に増粘剤を加え、完全に溶解するまで混合した。次いで、追加の増粘剤を加え、完全に分散させた。引き続き混合しながら、溶液を70〜75℃に加熱した。保湿剤を加え、均質になるまで混合した。
【表12】

【0095】
別のビーカーに、乳化剤、皮膚軟化剤、及び増粘剤を加えた。組成物を70〜75℃に熱しながら、混合を開始した。油相が60〜65℃に達したとき、安息香酸を加えた。成分が完全に溶解し、温度が70〜75℃に達するまで、組成物を混合した。
【0096】
試験組成物4(TC−4)
【表13】

【0097】
ビヒクルを主ビーカーに加えた。水に増粘剤を加え、完全に溶解するまで混合した。次いで、追加の増粘剤を加え、完全に分散させた。引き続き混合しながら、溶液を70〜75℃に加熱した。保湿剤を加え、均質になるまで混合した。防腐剤を加え、完全に分散するまで混合した。
【表14】

【0098】
別のビーカーに、乳化剤、皮膚軟化剤、及び増粘剤を加えた。組成物を70〜75℃に熱しながら、混合を開始した。成分が完全に溶解し、温度が70〜75℃に達するまで組成物を混合した。
【0099】
後相
次いで、20%クエン酸溶液を用いてpHを4.8に調整した。
【0100】
試験組成物5(TC−5:
【表15】

【0101】
ビヒクルを主ビーカーに加えた。水に増粘剤を加え、完全に溶解するまで混合した。次いで、追加の増粘剤を加え、完全に分散させた。引き続き混合しながら、溶液を70〜75℃に加熱した。保湿剤を加え、均質になるまで混合した。防腐剤を加え、完全に分散するまで混合した。
【表16】

【0102】
別のビーカーに、乳化剤、皮膚軟化剤、及び増粘剤を加えた。組成物を70〜75℃に熱しながら、混合を開始した。成分が完全に溶解し、温度が70〜75℃に達するまで、組成物を混合した。
【0103】
後相
次いで、20%クエン酸溶液を用いてpHを5.0に調整した。
【表17】

【0104】
したがって、本発明の組成物が皮膚及び目にマイルドであることがわかる。緩衝能が低いほど、組成物が目及び皮膚に対してマイルドであると理論づけることができる。安息香酸を含有するが緩衝剤を含有しないTC−1は、安息香酸とクエン酸ナトリウム緩衝剤とを両方含有し、より高いpH(6.9)を有するTC−2に比べ、緩衝能が低く、EpiOcularスコアが高い。安息香酸ナトリウムとクエン酸緩衝剤とを含有するTC−5は、表Iの製剤の中で最も高い緩衝能を有し、EpiDermスコアは最も低かった。このことは、TC−5が、皮膚へのマイルドさが最も低くなるであろうことを示している。TC−2は、pH並びにEpiOcular及びEpiDermスコアもともに高く、そのマイルドさが高いことを示している。しかし、TC−2に含まれる安息香酸防腐剤は、安息香酸ナトリウムとして存在しており、そのpHでその形態の防腐剤としては効果がないであろう。
【0105】
〔実施の態様〕
(1) 緩衝化された、リーブオン・スキンケア組成物であって、化粧品として許容可能な油と、水と、約1〜約25のHLBを有する、化粧品として許容可能な乳化剤と、安息香酸、p−アニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含む防腐剤と、を含み、前記組成物が、5未満のpH及び約0.001〜約0.039の緩衝能を有する、組成物。
(2) 前記有機酸が、安息香酸である、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記pHが、約4.8未満である、実施態様1に記載の組成物。
(4) 前記緩衝能が、0.001〜約0.031である、実施態様1に記載の組成物。
(5) 前記緩衝能が、約0.001〜約0.023である、実施態様4に記載の組成物。
(6) 前記組成物の、皮膚へのマイルドさスコアが、約10を超える、実施態様1に記載の組成物。
(7) 前記組成物の、目へのマイルドさスコアが、約10を超える、実施態様1に記載の組成物。
(8) リーブオン・スキンケア組成物を保存する方法であって、化粧品として許容可能な油と、安息香酸、p−アニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含む防腐剤と、約1〜約25のHLBを有する化粧品として許容可能な乳化剤と、を組み合わせることを含み、前記組成物が、5未満のpH及び約0.001〜約0.039の緩衝能を有する、方法。
(9) 前記有機酸が、安息香酸である、実施態様1に記載の組成物。
(10) 前記pHが、約4.8未満である、実施態様1に記載の組成物。
【0106】
(11) 不織基材とリーブオン・スキンケア組成物とを備える、化粧品として許容可能な拭き取り用品であって、前記スキンケア組成物が、化粧品として許容可能な油と、水と、安息香酸、p−アニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含む防腐剤と、約1〜約25のHLBを有する、化粧品として許容可能な乳化剤と、を含み、前記組成物が、5未満のpH及び約0.001〜約0.039の緩衝能を有する、拭き取り用品。
(12) 哺乳類の皮膚に水分をもたらす方法であって、前記皮膚に、リーブオン・スキンケア組成物を適用することを含み、前記組成物が、化粧品として許容可能な油と、水と、安息香酸、p−アニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含む防腐剤と、約1〜約25のHLBを有する、化粧品として許容可能な乳化剤と、を含み、前記組成物が、5未満のpH及び約0.001〜約0.039の緩衝能を有する、方法。
(13) 前記有機酸が、安息香酸である、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記pHが、約4.8未満である、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記緩衝能が、0.001〜約0.0031である、実施態様12に記載の方法。
(16) 前記緩衝能が、約0.001〜約0.023である、実施態様1に記載の組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝化された、リーブオン・スキンケア組成物であって、化粧品として許容可能な油と、水と、約1〜約25のHLBを有する、化粧品として許容可能な乳化剤と、安息香酸、p−アニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含む防腐剤と、を含み、前記組成物が、5未満のpH及び約0.001〜約0.039の緩衝能を有する、組成物。
【請求項2】
前記有機酸が、安息香酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記pHが、約4.8未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記緩衝能が、0.001〜約0.031である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記緩衝能が、約0.001〜約0.023である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の、皮膚へのマイルドさスコアが、約10を超える、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物の、目へのマイルドさスコアが、約10を超える、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
リーブオン・スキンケア組成物を保存する方法であって、化粧品として許容可能な油と、安息香酸、p−アニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含む防腐剤と、約1〜約25のHLBを有する化粧品として許容可能な乳化剤と、を組み合わせることを含み、前記組成物が、5未満のpH及び約0.001〜約0.039の緩衝能を有する、方法。
【請求項9】
前記有機酸が、安息香酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記pHが、約4.8未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
不織基材とリーブオン・スキンケア組成物とを備える、化粧品として許容可能な拭き取り用品であって、前記スキンケア組成物が、化粧品として許容可能な油と、水と、安息香酸、p−アニス酸、ソルビン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含む防腐剤と、約1〜約25のHLBを有する、化粧品として許容可能な乳化剤と、を含み、前記組成物が、5未満のpH及び約0.001〜約0.039の緩衝能を有する、拭き取り用品。
【請求項12】
前記緩衝能が、約0.001〜約0.023である、請求項1に記載の組成物。

【公開番号】特開2011−126879(P2011−126879A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−280182(P2010−280182)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(502112382)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON & JOHNSON,CONSUMER,COMPANIES,INC.
【住所又は居所原語表記】199 Grandview Road,Skillman,NJ 08558,US
【Fターム(参考)】