説明

マスクおよび有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法

【課題】開口部間に梁部を配置した場合でも、マスク部材の開口パターンどおりに成膜を行うことのできるマスク部材、およびこのマスク部材を用いた有機EL装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】マスク蒸着に用いるマスク10、開口部12aが形成されたマスク部材12と、マスク部材12の下面側で開口部12aの間に配置された梁部15とを備えている。開口部12aは、成膜材料供給源側で開口面積が広く、被処理基板側で開口面積が狭くなっている。梁部15を長手方向で直交する方向に切断したときの断面は、マスク部材12側に底辺を向け、成膜材料供給源側に頂部を向けた略逆三角形状になっている。このような構成の梁部15は、棒状あるいはパイプ状のものにより構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクおよび有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種半導体装置や電気光学装置を製造するにあたって、基板上の所定位置に薄膜を形成する際には、薄板状のマスク部材を介して成膜を行うマスクスパッタ法あるいはマスク蒸着法が採用されることがある。例えば、電気光学装置として有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELという)装置を製造するにあたって、発光用の有機EL材料(有機機能層)を所定形状に形成する際にフォトリソグラフィ技術を利用すると、パターニング用のレジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に有機材料が水分や酸素に触れると劣化が起こる。このため、有機機能層を形成するには、レジストマスクを必要としないマスク蒸着法が適している。
【0003】
このようなマスク部材は、一般に、開口部が形成された薄板からなり、被処理基板の下面側に配置される。このため、複数の開口部が並列して長く延びたマスク部材では、マスク部材が自重により撓んでしまうおそれがある。そこで、図8(a)、(b)、(c)に示すように、マスク部材12の下面側(蒸着源側の面)に対して、開口部12aの間に沿って断面矩形や断面円形の梁部15を配置し、梁部15によってマスク部材12を下方から支持することが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−216289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図8(a)、(b)、(c)に示すような断面矩形や断面円形の梁部15を用いると、図8(a)、(b)、(c)に矢印Vで示すように、斜めに飛翔する蒸着材料が梁部15によって遮られてしまう、いわゆるシャドーイングが発生し、マスク部材12の開口パターンどおりに成膜することができないという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、開口部間に梁部を配置した場合でも、マスク部材の開口パターンどおりに成膜を行うことのできるマスク部材、およびこのマスク部材を用いた有機EL装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、被処理基板上に蒸着成膜あるいはスパッタ成膜するパターンに対応する複数の開口部が形成された薄板状のマスク部材と、該マスク部材において成膜材料供給源(蒸着法の場合には蒸着源、スパッタ法の場合にはターゲット)側に位置する面で前記開口部間に沿うように配置されて前記マスク部材を支持する梁部とを備えたマスクにおいて、前記梁部は、長手方向に直交する方向の断面における外周輪郭が前記マスク部材側に底辺を向け、成膜材料供給源側に頂部を向けた略逆三角形状を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るマスクでは、マスク部材の開口部間に梁部が形成されているので、開口部が延在する方向の剛性を高くすることができる。従って、自重によるマスク部材の撓みを防止でき、開口部の変形を防止することができる。また、梁部は、長手方向に直交する方向の断面における外周輪郭がマスク部材側に底辺を向け、成膜材料供給源側に頂部を向けた略逆三角形状を備えているので、蒸着材料やスパッタ粒子が梁部によって遮られることがない。それ故、マスク部材の開口パターンどおりに成膜することができる。
【0008】
本発明において、前記梁部は、例えば、長手方向に直交する方向の断面形状が略逆三角形状になっている。この場合、前記梁部は、棒状あるいはパイプにより構成することができる。前記梁部をパイプにより構成すれば、円形のパイプをプレスにより逆三角形に下降できるので、断面逆三角形状の梁部を効率よく製作することができる。
【0009】
本発明において、前記梁部は、長手方向に直交する断面形状が逆T字形状である構成を採用してもよい。
【0010】
本発明において、前記開口部は、成膜材料供給源側で開口面積が広く、被処理基板側で開口面積が狭くなっていることが好ましい。このように構成すると、蒸着材料やスパッタ粒子が開口部に進入しやすくなり、マスク部材によるシャドーイングの発生を抑えることができる。それ故、被処理基板上に所望の蒸着パターンをさらに精度良く形成することが可能となる。
【0011】
本発明に係るマスクは、例えば、有機EL装置を製造する際に使用される。この場合、有機EL装置の製造工程は、前記マスクを用いて前記被処理基板上に少なくとも有機EL素子の有機機能層を形成する成膜工程を含むことになる。このような有機EL装置の製造方法では、本発明を適用したマスクを使用することにより、精度良く有機機能層を形成することができるため、信頼性の高い有機EL装置を製造することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。また、以下の説明では、従来技術との対応が分かりやすいように、対応する部分には同一の符号を付して説明する。
【0013】
[実施の形態1]
(有機EL装置の構成例)
図1(a)、(b)は各々、本発明を適用した有機EL装置の一例であるラインヘッドの要部断面図、および平面図である。図2(a)、(b)、(c)は各々、図1に示す素子基板を製造する際に用いた大型基板の平面図、この大型基板の要部を拡大して示す平面図、および素子基板の平面図である。
【0014】
図1(a)、(b)に示す有機EL装置1は、電子写真方式を利用したプリンタに使用されるラインヘッドであり、複数の有機EL素子3を配列してなる発光素子列(発光部ライン)3Aを1列または複数列、例えば、3列備えている。このようなラインヘッドでは、発光素子列3Aに含まれる有機EL素子3のうち、所定の有機EL素子3を点灯させて感光ドラム上に照射することにより、感光ドラム上に電荷による像(潜像)を形成する。ここで、有機EL装置1は例えば200mmから300mmの細長い矩形形状を有しており、通常は、図2(a)、(b)に示すように、1枚の大型基板2A上に有機EL素子3などを形成した後、図2(c)に示すような単品サイズの複数枚の素子基板2に切り出され、ボトムエミッション方式の場合には、素子基板2に封止基板2Bが貼られる。
【0015】
再び図1(a)において、有機EL装置1が、発光層7で発光した光を画素電極4側から出射するボトムエミッション方式の場合には、素子基板2側から発光光を取り出す。このため、素子基板2としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。また、素子基板2上には、画素電極4に電気的に接続された駆動用トランジスタ5a(薄膜トランジスタ)などを含む回路部5が、発光素子列3Aに沿って形成されており、その上層側に有機EL素子3が形成されている。有機EL素子3は、陽極として機能する画素電極4と、この画素電極4からの正孔を注入/輸送する正孔輸送層6と、有機EL物質からなる発光層7(有機機能層)と、電子を注入/輸送する電子注入層8と、陰極9とがこの順に積層された構造になっている。素子基板2の回路部5には、図2(a)、(b)に示すように、外部接続端子5bが接続されており、各有機EL素子3を外部より制御可能となっている。
【0016】
(有機EL装置1の製造方法)
図3は、本発明を適用したマスクを用いたのマスク蒸着方法の説明図である。図1および図2を参照して説明した有機EL装置1を製造するには、素子基板2に対して成膜工程、レジストマスクを用いてのパターニング工程などといった半導体プロセスを利用して各層が形成されるが、有機EL物質からなる発光層7は、水分や酸素により劣化しやすい。このため、発光層7を形成する際、および発光層7を形成した後、電子注入層8および陰極9を形成する際、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行うと、レジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に発光層7が水分や酸素により劣化してしまう。
【0017】
そこで、本形態では、発光層7を形成する際、さらには電子注入層8および陰極9を形成する際には、図3に示すマスク蒸着法を利用して、素子基板2に所定形状の薄膜を形成し、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行わない。
【0018】
図3に示すマスク蒸着法では、例えば、真空蒸着室内に、大型基板2A(素子基板2/被処理基板)の所定位置にマスク部材12の開口部12aが位置するように、大型基板2Aの下面側(発光層7などを形成する側の面)にマスク10を積層し、この状態で蒸着を行う。その際、蒸着源やヒータなどを備えた成膜材料発生装置20については固定しておく一方、大型基板2Aを蒸着機回転ベース18に保持させ、矢印Lで示すように回転させることにより大型基板2Aの下面に対して蒸着を行う。発光層7を形成する場合には、成膜材料発生装置20において、低分子有機EL材料を加熱、蒸発させ、マスク部材12の開口部12aを介して素子基板2の下面に発光層7をストライプ状に形成する。電子注入層8や陰極9の形成も略同様に行う。
【0019】
(マスクの構造)
図4(a)、(b)は各々、本発明を適用したマスクの斜視図、およびその分解斜視図である。本形態において、図3に示すマスク10は、図4(a)、(b)に示すように、厚さが約0.25〜0.5mmの矩形薄板状のマスク部材12を矩形枠状の枠体13に取り付けた構成となっている。本形態では、マスク部材12および枠体13は各々、金属材料(例えばステンレス、インバー、42アロイ、ニッケル合金等)などからなる。なお、マスク部材12および枠体13を構成するにあたっては、金属材料の他、ガラス、セラミックス、シリコンなどを用いてもよい。また、マスク部材12および枠体13を構成するにあたっては、SUS430などの磁性の材質を用い、蒸着時に磁石により吸着されて固定されるようにしてもよい。
【0020】
本形態において、マスク部材12は、素子基板2に対する成膜パターンに対応する複数の開口部12aが、並行かつ一定間隔に形成されている。本形態において、開口部12aの幅寸法は例えば約1〜3mm、長さ寸法は200〜300mm、ピッチPは例えば約12mmとなっている。
【0021】
枠体13は、マスク部材12と略同等の大きさの開口部14aが形成された支持基板14と、マスク部材12の開口部12aの間に配置されて開口部12aの間を支持する梁部15と、梁部15に対して長手方向の張力を付与させて支持基板14に固定する固定部材16とを備えている。
【0022】
梁部15は、開口部12aの間のうち、開口部12aの長手方向に沿うように配置されており、開口部14aで挟まれた領域よりも狭い幅寸法を備えている。ここで、梁部15は、マスク部材12および枠体13と同様、金属材料(例えばステンレス、インバー、42アロイ、ニッケル合金等)などからなる。なお、梁部15は、マスク部材12および枠体13と同様、上記の金属材料の他、ガラス、セラミックス、シリコン、SUS430などの磁性で構成されている。
【0023】
枠体13には、マスク部材12がその開口部14aに位置するように着脱可能に取り付けられている。例えば、図4(a)に示すように、マスク部材12の4隅と、枠体13の支持基板14とがボルト10aなどにより締結されている。このような固定構造の他に、接着剤などを用いてマスク部材12と枠体13とを接合しても良い。いずれの場合も、マスク部材12を枠体13に取り付けた状態でマスク部材12には張力が作用しているが、マスク部材12に作用する張力は、梁部15の張力より小さくなるように接合されている。
【0024】
枠体13には、マスク部材12を枠体13に取り付ける際、およびマスク10を素子基板2に重ねて配置する際のマスク位置決めマーク17が形成されている。マスク位置決めマーク17は、枠体の4隅の少なくとも対角2箇所に、例えば、金属膜で形成されている。マスク位置決めマーク17の形成方法としては、フォトリソグラフィ法または結晶異方性エッチングなどで行われる。なお、マスク部材12にマスク位置決めマーク17を形成してもよい。
【0025】
(マスク部材の詳細な構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係るマスクの要部を梁部の長さ方向と直交する方向に切断したときの断面図である。図6(a)、(b)は各々、図5に示すマスクの梁部の具体的な構成例を拡大して示す断面図、およびその製造方法を示す説明図である。
【0026】
図5に示すように、本形態のマスク部材12において、開口部12aは、成膜材料供給源側(下面側)で開口面積が広く、被処理基板側(上面側)で開口面積が狭くなっている。このような構成の開口部12aを形成するにあたって、本形態では、マスク部材12の下面側では、開口部12aの下端縁を円弧状に切り欠いた形状になっている。
【0027】
また、本形態では、梁部15を長手方向で直交する方向に切断したときの断面は、マスク部材12側に底辺を向け、成膜材料供給源側に頂部を向けた略逆三角形状になっている。このような構成の梁部15は、棒状あるいはパイプ状のものにより構成することができる。
【0028】
本形態においては、図6(a)に示すように、梁部15は、1辺が3〜4mmの略逆三角形のパイプ状になっており、このようなパイプ状の梁部15は、例えば、図6(b)に示すように、断面逆三角形の溝が上面に形成された下型と、下面に台径の突部を備えた上型とを用いたプレス加工により製作することができる。すなわち、下型の溝が内に丸パイプを配置した後、丸パイプを上型でプレスすれば、断面が略逆三角形のパイプ状の梁部15を形成することができる。
【0029】
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態のマスク10では、マスク部材12の開口部12aの間に梁部15が形成されているので、開口部12aが延在する方向の剛性を高くすることができる。従って、マスク部材12において、開口部12aの長手方向の寸法が約200mm(A4サイズ)、さらには、約300mm(A3サイズ)であっても、自重によるマスク部材12の撓みを防止でき、開口部12aの変形や、マスク部材12の大型基板20Aからの浮きを防止することができる。それ故、マスク部材12の開口パターンどおりに成膜することができる。
【0030】
また、梁部15は、長手方向に直交する方向の断面における外周輪郭がマスク部材12側に底辺を向け、成膜材料供給源側に頂部を向けた略逆三角形状を備えているので、図5に矢印Vで示すように、斜めに飛翔する蒸着材料が梁部15によって遮られることがない。それ故、マスク部材12の開口パターンどおりに成膜することができ、成膜した薄膜70の膜厚精度、寸法精度および形状精度を向上することができる。
【0031】
さらに、本形態のマスク10において、マスク部材12の開口部12aは、成膜材料供給源側(下面側)で開口面積が広く、被処理基板側(上面側)で開口面積が狭くなっているので、蒸着材料がマスク部材12の開口部12aの縁で遮られることがない。それ故、マスク部材12の開口パターンどおりに成膜することができる。
【0032】
さらにまた、本形態のマスク10では、マスク部材12が枠体13から取り外し可能となっているため、マスク部材12および枠体13に付着した有機膜を酸素プラズマなどで除去する作業などにおいて、マスク部材12あるいは枠体13に破損、損傷が発生した場合でも、マスク部材12あるいは枠体13だけを新たなものに交換することができる。それ故、マスク10の補修を容易に行うことができ、マスク10にかかるコストの低減を図ることができる。
【0033】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係るマスクの要部を梁部の長さ方向と直交する方向に切断したときの断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分の説明は省略する。
【0034】
図7に示すように、本形態のマスク部材10においても、実施の形態1と同様、マスク部材12は、素子基板2に対する成膜パターンに対応する複数の開口部12aが、並行かつ一定間隔に形成されている。
【0035】
本形態でも、開口部12aは、成膜材料供給源側(下面側)で開口面積が広く、被処理基板18側(上面側)で開口面積が狭くなっている。このような構成の開口部12aを形成するにあたって、本形態では、マスク部材12の下面側では、開口部12aの下端縁を円弧状に切り欠いた形状になっている。
【0036】
また、本形態では、梁部15を長手方向で直交する方向に切断したときの断面は、マスク部材12の開口部12aの間に当接する水平板部151と、この水平板部151の幅方向の中央から下方に垂直に延びた垂直板部152とを備えた逆T字形状になっており、その外周輪郭は、マスク部材12側に底辺を向け、成膜材料供給源側に頂部を向けた略逆三角形状になっている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0037】
このように構成したマスク10でも、実施の形態1と同様、マスク部材12の開口部12a間に梁部15が形成されているので、開口部12aが延在する方向の剛性を高くすることができるので、自重によるマスク部材12の撓みを防止でき、開口部12aの変形や、マスク部材12の被処理基板からの浮きを防止することができる。また、梁部15は、長手方向に直交する方向の断面における外周輪郭がマスク部材12側に底辺を向け、成膜材料供給源側に頂部を向けた略逆三角形状を備えているので、図7に矢印Vで示すように、斜めに飛翔する蒸着材料が梁部15によって遮られることがない。それ故、マスク部材12の開口パターンどおりに成膜することができ、成膜した薄膜70の膜厚精度、寸法精度および形状精度を向上することができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0038】
[その他の実施の形態]
本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の実施の形態では、マスク10において、枠体14によってマスク部材12および梁部15の各々に張力を印加しているので、マスク部材12と梁部15を接合していない構成を採用したが、マスク部材12と梁部15を接合し、梁部15によってマスク部材12に張力を印加してもよい。この場合、梁部15によってマスク部材12を保持できるので、枠体14を省略してもよい。
【0039】
さらに、上記形態では、マスク蒸着用のマスクを例に説明したが、マスクスパッタ用のマスクに本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】(a)、(b)は各々、本発明を適用した有機EL装置の一例であるラインヘッドの要部断面図、および平面図である。
【図2】(a)、(b)、(c)は各々、図1に示す素子基板を製造する際に用いた大型基板の平面図、この大型基板の要部を拡大して示す平面図、および素子基板の平面図である。
【図3】本発明を適用したマスクを用いたのマスク蒸着方法の説明図である。
【図4】(a)、(b)は各々、本発明を適用したマスクの斜視図、およびその分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るマスクの要部を梁部の長さ方向と直交する方向に切断したときの断面図である。
【図6】(a)、(b)は各々、図5に示すマスクの梁部の具体的な構成例を拡大して示す断面図、およびその製造方法を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るマスクの要部を梁部の長さ方向と直交する方向に切断したときの断面図である。
【図8】(a)、(b)、(c)は各々、従来のマスクの要部を梁部の長さ方向と直交する方向に切断したときの断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1・・有機EL装置、2・・素子基板(被処理基板)、2A・・大型基板(被処理基板)、3・・有機EL素子、7・・発光層、9・・陰極、10・・マスク、12・・マスク部材、12a・・開口部、13・・枠体、15・・梁部、20・・成膜材料発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板上に蒸着成膜あるいはスパッタ成膜するパターンに対応する複数の開口部が形成された薄板状のマスク部材と、該マスク部材において成膜材料供給源側に位置する面で前記開口部間に沿うように配置された梁部とを備えたマスクにおいて、
前記梁部は、長手方向に直交する方向の断面における外周輪郭が前記マスク部材側に底辺を向け、成膜材料供給源側に頂部を向けた略逆三角形状を備えていることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記梁部は、長手方向に直交する方向の断面形状が略逆三角形状であることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記梁部は、パイプからなることを特徴とする請求項2に記載のマスク。
【請求項4】
前記梁部は、長手方向に直交する方向の断面形状が逆T字形状であることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項5】
前記開口部は、成膜材料供給源側で開口面積が広く、被処理基板側で開口面積が狭くなっていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のマスク。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のマスクを用いた有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
前記マスクを用いて前記被処理基板上に少なくとも有機エレクトロルミネッセンス素子の有機機能層を形成する成膜工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−91073(P2008−91073A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267864(P2006−267864)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】