説明

マルチプル摩擦部材の同期クラッチ

部品キャリアを有する同期クラッチであって、部品キャリアは、スプライン軸を受容するとともに該スプライン軸と相互作用し、スプライン軸と部品キャリアとの間の回転を伝達することを可能とし、その一方、部品キャリアが関連する摩擦プレートに対してスプライン軸に沿って軸方向にスライドすることを可能にする。部品キャリアが関連する摩擦プレートに向かって押されたときに、摩擦部材の接触面における少なくとも一部が、最初に摩擦プレートの表面に接触する。部品キャリアが関連する摩擦プレートに向かって押され続けるにつれて、各摩擦部材は回転し、各摩擦部材の接触面の少なくとも一部が、摩擦プレートの表面に接触し続ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、米国特許出願第61/000,630号(出願日:2007年10月26日)の利益を主張する。この出願の開示内容の全ては、参照によって、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、同期クラッチに関する。具体的にいえば、本発明は、マルチプル(多重)摩擦部材の同期クラッチに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、クラッチの部品は、消極的に相互作用している。すなわち、回転プレートが相互作用しているときには、システムはそうするようには作動されていない。その初期の定位置では、それは、別の回転部品に接続されている。これらのシステムでは、部品が作動されているときには、これらは、相互作用をやめている。例えば、エンジンをドライブトレインにおける他の部分から切り離すための、自動車におけるクラッチペダルの作動をやめている。
【0004】
積極的に接続されるシステムでは、例えば、自動車のトランスミッションにおいて見られるように、上記の効果は、わずかに異なっている。初期位置においては、部品は切り離されている。これらが作動されると、これらの部品は、一斉に、トランスミッションの同期部品との相互作用を開始する。そして、このときに、シフタが、ニュートラル位置から、所望のギアのゲートを介して移動される。図1Aおよび図1Bは、上記の複数の既知のシステムの差異を示している。
【0005】
図1Aに示されているように、クラッチの設計における定位置は、使用されている動力機構によって決定される位置であるが、一般的には、回転部品に接続されているとともに、ユーザ(人間またはコンピュータの入力のいずれか)のアクチュエータとは切り離されている位置である。したがって、図1Bに示されているように、ユーザによるアクチュエータの接続に応じて、回転部品が解放される。これは、消極的な接続である。
【0006】
単純なクラッチでは、駆動用のフライホイールおよび駆動されるクラッチプレートは、別のスプリングおよび作動機構を介して、物理的な摩擦による相互作用をしている。作動システムはベアリング上に載置されており、このベアリングにより、回転しているときに、クラッチアセンブリが直線的に作動され得る。作動されるときには、クラッチプレートは、プレッシャープレートによって強制的にフライホイールに送り込まれる。このプレッシャープレートは、力を生成するスプリング機構(通常、ダイヤフラム・スプリング・システム、またはスプリング/ロッカー・アーム・システムのいずれか)を保持している。
【0007】
他のクラッチの変化形が使用している摩擦システムでは、1つの部品上に環状に取り付けられている回転する摩擦部材で構成されるパターンが、対抗している他の部品の摩擦面と相互作用している。強制的に導出される摩擦は、各摩擦部材の結合ポイントにおいて生成されたトルクにおける、漸進的な回転抵抗によって生成される。部品に取り付けられている摩擦部材が、他の部品の摩擦面に接触するように直線的に作動されるにつれて、マルチプル摩擦部材のクラッチシステムが、回転部材の間に摩擦力を導入する。これらの力は、プレートクラッチの場合のように、制御された接続の下に利用されるとともに、適切な機械システムに供給されているときには、静止している自動車または積み荷の慣性を克服することができる程度に、十分に大きい。
【0008】
同期されている直進用のトランスミッションでは、関心対象のギアと、特定の軸上のギアを選択するカラーとの間における摩擦インターフェイスが、トランスミッションの内部回転を制御するために存在している。ギアが選択されたときには、エンジンとトランスミッションとの間のクラッチ結合が、最初にオペレータによって遮断される。そして、オペレータは所望のレシオを選択する。自動車の静止位置からギアが選択された場合には、内部的なトランスミッションの回転は適合される必要はなく、最終的な接続が生じる。そして、オペレータが、クラッチ内において摩擦が生成され得るようにクラッチの接続を徐々に再導入することによって、トランスミッションを介してエンジンから回転が伝達されるとともに、自動車が動き始める。自動車が既に動いている間にギアが選択される場合には、同期装置の役割は、より効果的なものとなる。この場合にも、クラッチは初期には切り離されている。しかしながら、この動作が発生したときには、異なるギアレシオへの変更の結果として、トランスミッション内における入力軸の回転と出力軸の回転との間に、回転の不一致が存在している。この同期装置は、ギアを選択する部品と各ギアにおける駆動用の部品との間における少量の摩擦を利用して、これらの回転をよりよく適合させている。これにより、トランスミッションにおける他の部品の完全性を保つとともに、マニュアルシフトのトランスミッションを用いた駆動を、オペレータとってより容易にしている。
【0009】
摩擦部品は、空間的に高効率となるように設計されている。このため、摩擦部品は、作動距離を最小限に維持するために、小さな許容誤差を設定されているトランスミッションに適合することの可能なシステムを採用している。このようなシステムの1つは、摩擦による許容誤差を設定されている複数のリングおよび/または複数のスカッシュスプリングの使用を採用している。これらは、ニュートラルからギアの最終的な接続に至るまでシフタが移動されるように、同軸上に一緒に組み付けられている。これらのリング部品が、結合して相互作用しているために、これらの間の摩擦が、これらに対応する軸の回転を調整しており、これにより、より容易な、より制御された最終的な接続が可能となっている(インターフェイスタイプは、通常、噛み合い歯を使用している)。別の接続システムは、コーン型の構造物(通常、ギアを選択するカラーに対して同軸上に取り付けられている)と、対応するギア上の筐体との間に、ぴったりとはめ込まれている。シフタがニュートラル位置から移動するにつれて、同期装置のコーンは、その筐体内に向かってきつく押し込まれ、これが、軸の回転を調整する摩擦を生み出している。
【0010】
他の機械的なシステムは、直進用のトランスミッションを駆動するためのオペレータに要求される調整を減少するように開発されてきている。これらの第1のものは動力源つきの作動システムであり、このシステムは、オペレータの他の動作、および、オペレータがどのようにシステムを始動するのかに基づいて、オペレータのためにクラッチを制御する。この場合における1つの例では、ギアシフタが作動される前に、オペレータは、アクセルを弱めることによってエンジンの負荷を縮小する必要があり、これは、これが検知される場合、作動システムによってクラッチが切り離されているときである。ギアが選択されて、これによってこのギアがトランスミッション内に接続するように作動されたときには、オペレータがエンジン出力の再導入を開始し、クラッチが自動的に再接続される。
【0011】
フォルクスワーゲンは、このシステムにおける真空動力バージョンを使用していた。これは、さまざまなギアの選択に付随するエンジン状況の変化の関数として、エンジンの吸気圧から作動力を導出していた。シトロエンも、同様に、このシステムの変化形を有していた。これは、オペレータによるシーケンシャルギアの選択動作によって制御される、油圧作動式のクラッチを利用していた。このシステムにおける他の変化形は、シフトレバー上のボタンを利用している。オペレータは、このボタンを利用してクラッチの作動を制御する。
【0012】
これらのタイプのシステムは、また、現代的なセミオートマチックの連続的に配置されているトランスミッションシステムに深く関連して動作する。これらのシステムでは、コンピュータが、基本的なオペレータの入力に基づいて、さまざまな部品、クラッチ、ならびにギアの選択および作動の全てを制御する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
同期クラッチは、自動車のストレート軸動力トランスミッションシステムに見られる、同期/接続部品に関する、より有為な機械システムである。より強いクラッチタイプの部品を使用することにより、トランスミッション内のスピニングの入力部品と出力部品との間における、より制御されたより高い摩擦力を利用することが可能となる。これにより、異なるレシオが選択されている場合でも、トランスミッションの同期部品が、エンジンの摩擦および回転による負荷を引き受けることが可能となる。このレシオ選択アクチュエータは、ニュートラル位置から所望のギアの接続ポイントまで移動され、これにより、摩擦による結合を空間的に制御する。この部品がニュートラル位置から最終接続まで移動するにつれて、トランスミッション内の入力部品と出力部品との間における摩擦が、回転移動とともに増大する。これにより、オペレータは、自動車を動かしたままの状態で、エンジンのクラッチを接続したままにすることが可能となるか、または、ギア選択アクチュエータの位置の効力のみによってギアを選択することが可能となる。
【0014】
例えば図1Aおよび図1Bに示されているような従来技術のシステムとは異なって、図2Aおよび図3Bに示されている本発明の同期クラッチ1000(環状に取り付けられたマルチプル摩擦部材のクラッチを使用しているように示されている)では、(図2Aに示されているように)回転部品が切り離されているとともに、アクチュエータが切り離されている。このため、ユーザによるアクチュエータの接続に応じて、(図2Bに示されているように)回転部品が接続されて、これが積極的な結合となる。
【0015】
本発明の同期クラッチは、現在のコンセプトに対する改良形であり、このコンセプトでは、自動車における直進用のトランスミッションにおいて積極的に接続される摩擦が使用され、これにより、動力源とトランスミッションとの間をクラッチが接続することにより、トランスミッションを介して動力源からの回転が伝達される前に、トランスミッションのレイ軸または入力軸の回転が出力軸の回転に同期される。本発明は、クラッチタイプの接続アセンブリと動力トランスミッション同期装置とを併合するものであり、複数のシステムおよびそれらのコンセプトに対する修正形の双方の背景が説明されることになる。
【0016】
直進用のトランスミッションでは、上記の同期部品は、摩擦を利用して、既に動いている自動車のギアシフトの間に生じるトランスミッション内の異なる回転を調整している。これにより、その利用を、同期されていない直進用のトランスミッションに比べて軽減できる。現在の同期装置の問題点は、それらの設計がこれらの低回転負荷を調整するためにのみ存在しているという点にある。このため、効率的にギアを変更するために存在しているより大きな回転負荷を使用または完全に切断するためには、また、道路に進入するとき、駐車場での操縦時、または坂道発信のときなど、低速または部分的な接続操作を実行する際には、エンジンのクラッチを操作する必要が生じる。これは、エンジンからの余分な回転を、クラッチプレートにおける摩擦熱エネルギーおよび意図的なスリップ損失として伝達するために実行される。
【0017】
本発明の同期クラッチは、同期装置システムの全体、その運動、動作、および負担を、より有益なクラッチタイプの部品と交換することにより、エンジンクラッチからの潜在的な負荷を、部分的にではあるが支援する。これにより、トランスミッション内のシフティングシステムによってギアレシオを変更することが可能となるとともに、エンジンとトランスミッションとの間の摩擦による動力結合を制御することが可能となる。
【0018】
本発明の同期クラッチは、上述したトランスミッション同期装置の設計における摩擦による同期特性を、クラッチタイプのアセンブリにおける摩擦による駆動特性および耐荷重特性と組み合わせている。これにより、オペレータは、ギアシフトのアクチュエータの位置を用いることによって、エンジンクラッチの動作を要求することなく自動車を動かすことが可能となる。これにより、低速での操作時(例えば、道路に進入するとき、駐車場での操縦時、またはいずれかの路面における停止位置から自動車を発進させるとき)における、退屈でマルチリム的な調整された運動を排除することが可能となる。さらに、これにより、長期にわたって(または高度に)調整されたギアの変更に起因して失われるはずの時間も節約される。
【0019】
本発明の同期クラッチでは、使用されているクラッチ機構の実施形態によっては、摩擦ベースの最終接続タイプのもの、および干渉ベースの最終接続タイプのものの双方を利用することが可能である。干渉によって接続するタイプのものが使用されている場合には、この部品は、噛み合い歯(ドックティース)における早すぎる接続を防止するために、スライダーピースを用いて修正される必要がある。
【0020】
ベアリングおよび別体の結合ピースを、トランスミッションの壁面を通して、駆動プレートと実際のレシオ部品(ギアまたはスプロケット)との間に加えることにより、個別の磨耗設計された同期クラッチシステムを、同一の軸に載ったままの状態で、液体で満たされているトランスミッション・レシオ・システムの外に出し、コンパートメントまたはパーティション内に移動することが可能となる。トランスミッション・レシオ・システムと摩擦による選択システムとを分離することによって、摩擦システムから必ず発生する物質粒子をよりよく制御することが可能となるとともに、磨耗部品を交換すべき場合に、前記システムに対してよりよくアクセスすることが可能となる。
【0021】
本発明の同期クラッチ接続システムは、適切に機能するために、追加的な別の動力またはロジックシステムを必要とせず、トランスミッションにおいて現在必要とされている線形作動/接続/管理/選択器システムにおける、より高い互換性をもつ/有益な変化形だけを必要としている。これにより、機構の多用途性を増大することが可能となる。なぜならば、それを、別のシステムに対して、または別のシステムを介して、載せるおよび/または統合することも可能であるからである。1つの例では、これは、既存のブレーキラインまたは別の強制作動デバイスなどに見られる、油圧/空気圧システムを利用することになる。さらに、本発明を、オープンループ・システム、および、例えば、自動車の牽引制御のような他のシステムにおけるデータ処理と結合することも可能である。
【0022】
これにより、全ての自動車の移動に関するシフタの動きによって処理される回転接続とともに、クラッチペダルを、他の作動負担を引き受けさせるために使用することが可能となる。
【0023】
本発明の同期クラッチ接続システムは、同期されている直進用のトランスミッションにおける基本的な動作を遮断しない。エンジンのクラッチについては、そのまま自動車内に配置することが可能であり、これにより、オペレータはシフティング/接続方法を選択することが可能となる。これは、すなわち、同期クラッチの選択/接続における包括的な性質に対する、既存のクラッチにおける接続−シフト−再接続方法である。クラッチの切断−シフト−再接続の状況においては、同期クラッチシステムは、単に、より効率的な低負荷の同期装置として動作する。
【0024】
以上のように、本発明は、マルチプル摩擦部材の同期クラッチを提供する。
【0025】
本発明は、さらに、回転システムにおけるさまざまな回転部品の回転速度および回転力を、摩擦によって適合および結合するための方法を提供する。
【0026】
本発明は、さらに、1つの部品の周囲において環状にパターン化されている摩擦部材を有する、マルチプル摩擦部材の同期クラッチを提供する。
【0027】
本発明は、さらに、摩擦部材が作用するための摩擦表面を有する、マルチプル摩擦部材の同期クラッチを提供する。
【0028】
本発明は、さらに、回転部材を作動するための特別な部品システムを必要としないとともに、任意的に、任意の線形作動システムによって駆動することの可能な、マルチプル摩擦部材の同期クラッチを提供する。この線形作動システムは、回転負荷の状況に関して複数の部品を連結するために必要な力に打ち勝つほどに、十分に強いものである。
【0029】
本発明における、上記のおよび他の特徴点および有利な点は、以下に示す例示的な実施形態の詳細な説明に記載されているか、またはこの説明から明らかになる。
【0030】
本発明の例示的な実施形態を、以下に示す図面を参照しながら、詳細に説明する。これらの図では、複数の図面において、同様の参照番号が同様の部品を示している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1A】図1Aは、特定の従来技術のクラッチシステムにおける部品のブロック図である。この図では、クラッチが、接続されている回転部品、および、切り離されているユーザアクチュエータとともに示されている。
【図1B】図1Bは、特定の従来技術のクラッチシステムにおける部品のブロック図である。この図では、クラッチが、接続されているユーザアクチュエータ、および、切り離されている回転部品とともに示されている。
【図2A】図2Aは、本発明による同期クラッチにおける、第1の例示的な実施形態のブロック図である。この図では、クラッチが、切り離されている回転部品、および、切り離されているアクチュエータとともに示されている。
【図2B】図2Bは、本発明による同期クラッチにおける、第1の例示的な実施形態のブロック図である。この図では、クラッチが、接続されている回転部品、および、接続されているアクチュエータとともに示されている。
【図3A】図3Aは、本発明による同期クラッチにおける、第1の例示的な実施形態の正面図である。この図では、摩擦部材が、ニュートラル位置に示されている。
【図3B】図3Bは、本発明による同期クラッチにおける、第1の例示的な実施形態の正面図である。この図では、摩擦部材が、最終的な接続位置に示されている。
【図4A】図4Aは、本発明による同期クラッチにおける、第1の例示的な実施形態の側面図である。この図では、同期クラッチ部品キャリアが、ニュートラル位置に示されている。
【図4B】図4Bは、本発明による同期クラッチにおける、第1の例示的な実施形態の側面図である。この図では、同期クラッチ部品キャリアが、中間位置に示されている。
【図4C】図4Cは、本発明による同期クラッチにおける、第1の例示的な実施形態の側面図である。この図では、同期クラッチ部品キャリアが、最終的な接続位置に示されている。
【図5A】図5Aは、本発明による同期クラッチにおける、例示的な実施形態の側面図である。この図では、例示的な同期クラッチ部品キャリアが、ニュートラル位置に示されている。
【図5B】図5Bは、本発明による同期クラッチにおける、例示的な実施形態の側面図である。この図では、例示的な同期クラッチ部品キャリアが、第1の中間位置に示されている。
【図5C】図5Cは、本発明による同期クラッチにおける、例示的な実施形態の側面図である。この図では、例示的な同期クラッチ部品キャリアが、第2の中間位置に示されている。
【図5D】図5Dは、本発明による同期クラッチにおける、例示的な実施形態の側面図である。この図では、例示的な同期クラッチ部品キャリアが、最終的な接続位置に示されている。
【図6】図6は、本発明による同期クラッチにおける、例示的な実施形態の側面図である。この図では、例示的な同期クラッチ部品キャリアが、中間位置に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0032】
簡単及び明確にするため、本発明に係る同期クラッチの様々な典型的実施形態を参照して、本発明に係る同期クラッチの設計要素及び動作原理について説明する。同期クラッチの設計要素及び動作原理の基本的な説明は、本発明の同期クラッチの理解、設計、及び、動作のために適用できる。
【0033】
用語「クラッチ」及び「同期クラッチ」が本発明のシステム、方法、及び、装置の動作の基本的な説明及び理解のために使用されることを理解されたい。したがって、用語「クラッチ」及び「同期クラッチ」は、本発明のシステム、方法、及び、装置を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0034】
また、特定の想定し得るハードウェア及び一般的なアセンブリ要素、例えばボルト、ワッシャ、ナット、平衡部品、スペーサ、ベアリングなどの欠如が意図的であり、また、本発明と併用するそのような特定の構成要素の的確な使用が設計事業体又は製造事業体によって決定されるべき設計上の選択であることも理解されたい。
【0035】
直線駆動トランスミッション、同期クラッチ及びその種々の実施形態の動作、製造及び設計に対する考慮が二つの基本的形態に利用される。すなわち、力機構が作動カラーに配置されるカラー力同期クラッチと、力機構が静止ギア構成要素に配置されるギア力同期クラッチである。同期クラッチの力誘導構成要素の重点がギア選択カラーに置かれ、該カラーが直線的に作動されると、該カラー上における力がかかった摩擦材料が、関与するギア上の摩擦媒体を押圧し、最終係合連結構成要素が遭遇する前に、回転(適切な損失で)を起こさせ、全回転をエンジンからホイールへと伝達する。
【0036】
同期クラッチの重点が、関与するギアに置かれると、直線的静止の力がかかった摩擦構成要素が代わりに、ギア選択カラーに載せられた摩擦媒体を押圧し、最終駆動連結構成要素が出会う前に再度、回転(適切な損失で)を起こさせ、全回転をエンジンから、該トランスミッションを通じて、ホイールへと伝達する。
【0037】
各同期クラッチ、クラッチ型組立体、力誘導部品、及び摩擦発生構成要素の記述は、多くのクラッチ設計が利用可能であるため、変化する。使用される実際のクラッチ係合システム(ダイヤフラム・スプリング、スプリング及びロッカー・アーム、圧縮プレート、押し潰しスプリングプレート、環状装着摩擦部材クラッチ等)にかかわらず、トランスミッション内の直線作動制御摩擦の存在及び使用は、依然として本発明の普遍的な側面である。
【0038】
ここで図面を参照すると、図3A〜3Bは、本発明に係る同期クラッチ1000の第1の典型的な実施形態を示し、同期クラッチ1000の摩擦部材1002がニュートラル位置及び最終係合位置でそれぞれ示されている。図4A−4Cは、同期クラッチ1000の基本的な係合の進行を示し、同期クラッチ構成要素キャリア1010がニュートラル位置、中間位置、及び、最終係合位置でそれぞれ示されている。
【0039】
図3A〜4Cに示されるように、同期クラッチ1000は、少なくとも何らかの構成要素キャリア1010と、回転ピン1006を介して回動可能に結合され、構成要素キャリア1010の対応する壁凹部1017から径方向に延びる、複数の摩擦部材1002とを備える。
【0040】
構成要素キャリア1010は、それを貫通して形成される中心開口1110を含む。中心開口1110は、構成要素キャリア1010がスプライン軸1001を挿通して受け入れることができ且つスプライン軸1001と相互に作用できるように形成される。
【0041】
摩擦部材構成要素キャリア1010とスプライン軸1001との間の相互作用は、スプライン軸1001のスプライン/キー設計に忠実であり続ける。そのため、スプライン軸1001と摩擦部材構成要素キャリア1010との間の回転の伝達が可能であるとともに、構成要素キャリア1010及び1007が摩擦及び回転相互作用に至るにつれて構成要素キャリア1010がスプライン軸1001に沿って軸方向にスライドできる。
【0042】
同期クラッチの構成要素キャリア1010は、外縁の周りに複数の壁付き凹部1017(切り欠き、又は、摩擦部材が存在するための他のそのような構造)を含む。構成要素キャリア1010内には、回転軸/ピン1006を受けるために装着開口1018が各壁付き凹部1017を貫通して形成される。各回転ピン1006には、壁付き凹部1017内で構成要素キャリア1010から径方向に延びるように摩擦部材1002が装着される。
【0043】
各摩擦部材のそれらのそれぞれの回転ピン周りの回動を可能にするために、各摩擦部材1002の基部に隣接して、装着開口1008が、随意的な隙間嵌め公差を伴って或いは何らかの他の随意的な回転ベアリングを伴って設けられる(しかしながら、隙間嵌め或いはベアリングが随意的に装着開口1008と回転ピン1006との間にあってもよいことに留意されたい)。図4を参照して説明されるトルクは、摩擦部材1002の接触面1011を対向する摩擦プレート1007の摩擦面1015と相互作用させる。
【0044】
摩擦プレート1007の摩擦面1015は、例えば樹脂タイプの材料、硬化金属、又は、セラミック材料から形成される摩擦材料を伴って、随意的に補強されることができ或いは別個のプレートを含むことができる。
【0045】
図4Aは、摩擦部材1002と対向する摩擦プレート1007の摩擦面1015との間の摩擦相互作用の第1の事例前のニュートラル位置にある同期クラッチ装着構成要素キャリア1010を示している。
【0046】
動作中、場合によりベアリングを用いて溝1014に載置する作動フォーク/アーム(図示せず)が構成要素キャリア1010をスプライン軸1001に沿ってニュートラル位置(図4Aに示される)から対向する摩擦プレート1007及びその摩擦面1015へ向けて軸方向に移動させると、摩擦部材1002の接触面1011が摩擦面1015と接触し始める(図4Bに示される)。これは、構成要素キャリア1010と摩擦プレート1007とを一緒に回転させ始める摩擦把持力を起こさせる。
【0047】
図4Bは、対向する摩擦プレート1007との接触へ向けて軸方向に作動された後の構成要素キャリア1010をキャリア1010の移動の中間点で示している。接線係合面1004での摩擦部材1002と摩擦面1015との間の湾曲接触面1011の相互作用に留意されたい。回転ピン1006と係合面1004との間に形成されるレバーアームと併せて回転ピン1006周りに生成されるトルク(図4に関連して説明する)が係合摩擦を形成する。これは、構成要素キャリア1010と摩擦プレート1007との間の異なる回転を同期させる摩擦である。
【0048】
図4Bは、ドッグティース1003(クラッチ装着カラー1010によって隠れている)の最終係合前の軸方向移動の中間点における同期クラッチを例示する。該ドッグティース係合は随意的であることが認識されるべきであり、カラー1010とギア1107の摩擦面1015との間により高い摩擦結合を誘導する合成軸方向力も可能である。また、接点1004における摩擦部材1002の摩擦面1011とギア1107の摩擦プレート1015との間の相互作用にも留意すべきである。
【0049】
ドッグティース係合が随意的であることが認識されるべきである。カラー1010の摩擦プレート1007とギア1107の摩擦面1015との間のより高い摩擦結合を誘導する合成軸方向力も可能である。カラーが直線的に作動されるため、また、個々のクラッチ資料によって記述される特定の力機構のため、圧力クラッチ装着カラー1010は、摩擦面1015に押し入り(摩擦面1015を押し込み)、摩擦力を引き起こし、これが該二つの構成要素の回転を連係して働かせる。
【0050】
構成要素キャリア1010が摩擦プレート1007へ向けてスプライン軸1001に沿って軸方向に移動し続けると、摩擦部材1002が回転ピン1006を中心に外側に回転する。ニュートラル位置とシステムが完全に係合されるポイントとの間で、各摩擦部材1002は、回転ピン1006を中心に回転するとともに、作動機構によって達成される移動量、したがって、構成要素キャリア1010の移動量に基づいて、摩擦面1015上でそれらの摩擦係合面1004を調整する。システムが完全に係合される(図4Cに示される)と、摩擦部材1002が回転ポイントに達する。この回転ポイントでは、摩擦部材が作動部材(溝1014によって表わされる)及び最終係合構成要素(ドッグティース1003の係合又は摩擦媒体のロック)の両方から外れる。図4Cは、摩擦部材1002がそれらの最終位置へと回転された状態における、構成要素キャリア1010と対向する摩擦プレート1007との間のその最終係合での構成要素キャリア1010を示している。
【0051】
図4Cにおいて、カラー1010は完全に作動し、クラッチ装着カラー1010は、ギア1107の面1015と摩擦係合し、カラー1010、軸1001及びギア1107それぞれの回転を同期させる。カラー1010はまた、隠れたドッグティース1003をギア1107における対応する受容点1033と係合させるのに十分な程度を超えて作動する。この位置において、摩擦部材1002は十分に回転し、ギア選択フォーク(図示せず)のための溝1014を塞がず、またドッグティース1003の摩擦プレート1015との係合を妨げない。
【0052】
図5A〜5Dは、本発明に従う同期クラッチ5000の模範的な実施形態を例示する。同期クラッチ5000の構成要素は、同期クラッチ1000の対応する構成要素と同様に作動することが認識されるべきである。
【0053】
図5A〜5Dに例示されるように、摺動外側構成要素キャリア5020は、摩擦部材壁付き凹部5017、装着開口5018、回転ピン5006、及び、摩擦部材5002を含む(本明細書中で図5に参照して説明されるように)。外側構成要素キャリア5020は、この外側構成要素キャリア5020が内側カラー5010とは無関係にスライドできるが一緒に回転できるように、スプライン形態5021で内側カラー5010に接続する。外側構成要素キャリア5020は、初期位置では、圧縮スプリング5019によって予め荷重が加えられる。この場合、内側カラー5010のドッグティース5003(非表示)は、早期に係合しないように覆われている。図4A〜4Cを参照して説明したように摩擦部材5002が十分な回転を完了して摩擦が生み出された後、内側カラー5010が外側構成要素キャリア5020のもとで移動し、それにより、ドッグティース5003が露出されて、最終的にドッグティースがドッグティース係合装置5033を介して対向する摩擦プレート5007と係合できる。また、外側構成要素キャリア5020は、更なる摩擦媒体5023を配置できる平面も与え、それにより、カラーアセンブリ5010/5020と対向する摩擦プレート5007とのより完全な結合が可能となる。
【0054】
より具体的には、図5Aは、内側/外側カラーアセンブリ5010/5020を非係合位置で示している。摩擦プレート5007の摩擦面5015との係合前の摩擦部材5002の位置に留意されたい。
【0055】
図5Bに示されるように、アセンブリ5010/5020は、摩擦プレート5007へ向けて軸方向に推し進められている。摩擦部材5002はそれらの回転の中間位置にある。なお、任意のドッグティースは依然として覆われ、それにより、想定し得る相互作用が防止され、また、圧縮スプリング5019は依然として初期位置にある。
【0056】
図5Cは、完全に回転された後の摩擦部材を示している。この場合も同様に、スプリング位置と、ドッグティースが依然として構成要素キャリアによって覆われるという事実とに留意されたい。
【0057】
図5Dは、完全に回転された摩擦部材と、構成要素キャリア5020のもとで完全に移動されたカラー5010とを示している。圧縮スプリング5019が圧縮され、したがって、ドッグティース5003と受け部5033との間の接続が完了する。
【0058】
同期クラッチシステムがエンジンクラッチ等の摩耗部品を使用して作動するので、該同期クラッチのいくつかの構成要素は、定期的に修理又は交換されなければならない。しかしながら、本来、トランスミッションの構成要素は、厳しい精度を維持し、汚染物質の無い状態のままでなければならない。この問題を解決するため、トランスミッションにおける単独の構成部品が該同期クラッチのために随意的に作り出され得、これにより、周囲環境とトランスミッション内の他の構成部品との間の相互作用を、同期クラッチシステムの該他の構成部品が維持されつつ、低減する。この原理のより具体的な変形は、流体充満トランスミッション構成要素の外部のカラーベアリング同期クラッチアセンブリ走行及び摩擦係合を移動させることによってカラーアセンブリを冷却する空気である。
【0059】
図6は、摩擦面6015をトランスミッションケースの外部に拡張するセパレータ区域6025を用いてギア6007と相互作用する同期クラッチ6000の模範的な実施形態を例示する。同期クラッチ6000の構成要素は、同期クラッチ1000の対応する構成要素と同様に動作することが認識されるべきである。
【0060】
摩擦面6015及び摩擦部材6002は、これらが内側にある場合と同じ形態でトランスミッションの外部で相互作用する(図6A〜6C参照)。セパレータ区域6025は、トランスミッション外部の摩擦面6015をトランスミッションケース内部のスピニングギア6007に物理的に連結する。セパレータ区域は、軸6001の非スプライン部分の周りに自由に回転する。セパレータ区域は、単なる簡易なベアリング構造であり得、また、その軸線に沿う運動を制限する(すなわち、該セパレータ区域がトランスミッションケース内へと移動すること、又は、カラー6010に向かってスプライン軸6001に沿って移動することを防ぐ。)軸方向断面形態を有し得る。セパレータ区域は、トランスミッションケースの外側面における可動プレート6022によりアクセス可能である。既述した形態は、軸方向運動を依然として制限しつつ、セパレータ区域の取り外しを可能にする。
【0061】
先に概説した典型的な実施形態に関連して本発明を説明してきたが、多くの代替案、改良、及び、変形が当業者には明らかであることは言うまでもない。例えば、本発明は、随意的に、同期回転だけでなくその回転の停止に使用されてもよく、そのため、動作制御の分野の他の局面で用途をもたらす。任意の及び全てのそのような適合及び改良は、開示された典型的な実施形態と均等な意味及び範囲内に包含されるべきであり且つ包含されるように意図される。また、マルチプル摩擦部材同期クラッチが幾つかの重要な特徴を有し、それぞれの特徴が、回転/負荷状況と構成要素/材料/特定の形状の製造メーカの選択とに応じてそれら自体の一連のバリエーションを伴うことを理解されたい。
【0062】
本明細書中で使用される用語の表現が説明を目的としており限定を目的としていないことを理解されたい。したがって、前述した本発明の典型的な実施形態の先の説明は、例示的であって、限定しようとするものではない。様々な変更、改良、及び/又は、適合は、本発明の思想及び範囲から逸脱することなくなすことができる。
【符号の説明】
【0063】
1000 同期クラッチ
1001 スプライン軸
1002 摩擦部材
1006 回転ピン
1007 摩擦プレート
1010 同期クラッチ構成要素キャリア
1011 接触面
1015 摩擦面
1017 壁凹部
1110 中心開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品キャリアと、複数の摩擦部材と、前記部品キャリアに関連する少なくとも1つの最終接続部品とを備え、
前記部品キャリアは、該部品キャリアの外周から放射状に延びる、複数の壁で囲まれた凹部を備え、前記部品キャリアは、それを通過するように形成された中央開口部を有し、前記中央開口部は、それを通過するスプライン軸を受容するとともに、該スプライン軸と相互作用するように形成されており、さらに、前記部品キャリアと前記スプライン軸との間の相互作用が、前記スプライン軸のスプライン設計に忠実なままであり、これにより、前記スプライン軸と前記部品キャリアとの間の回転を伝達することが可能となるとともに、前記部品キャリアは、前記スプライン軸に沿って軸方向に、ノーマル位置と接続位置との間において、関連する摩擦プレートに対してスライドすることが可能となっており、
前記複数の摩擦部材における各摩擦部材は接触面を有し、各摩擦部材は、前記部品キャリアにおける壁で囲まれた凹部の内部において、回転ピンを介して旋回可能に連結されており、さらに、各摩擦部材は、ノーマル位置と接続位置との間で旋回可能であり、これにより、前記部品キャリアが関連する摩擦プレートに向かって押されたときに、前記摩擦部材の接触面における少なくとも一部が、最初に前記摩擦プレートの表面に接触し、前記部品キャリアが関連する摩擦プレートに向かって押され続けるにつれて、各摩擦部材は、その摩擦部材における関連する回転ピンの周囲を回転し、これにより、前記摩擦部材の接触面における少なくとも一部が、前記摩擦プレートの表面に接触し続けており、
前記部品キャリアにおける前記少なくとも1つの最終接続部品は、前記部品キャリアが前記接続位置にあるときには、摩擦プレートの最終接続部品と相互作用することが可能である一方、前記部品キャリアがノーマル位置にあるときには、前記摩擦プレートの最終接続部品から切り離されることが可能である、
同期クラッチ。
【請求項2】
前記部品キャリアに関連する前記少なくとも1つの最終接続部品は、噛み合い歯を備える、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項3】
前記部品キャリアに関連する前記少なくとも1つの最終接続部品は、摩擦媒体を備える、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項4】
作動フォークを受容するための、前記部品キャリアに関連する少なくとも1つのグルーブをさらに備え、これにより、部品キャリアを、前記ノーマル位置から前記接続位置に向けて、前記スプライン軸に沿って軸方向にスライドさせるように操作する、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項5】
前記複数の壁に囲まれた凹部が、前記部品キャリアの外周から内側に延びる切り欠きを備える、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項6】
各摩擦部材が前記ノーマル位置に向かって付勢されている、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項7】
各摩擦部材に関連するトーションスプリングが、関連する前記摩擦部材を前記ノーマル位置に向けて付勢している、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項8】
各摩擦部材に関連する圧縮スプリングが、関連する前記摩擦部材を前記ノーマル位置に向けて付勢している、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項9】
各摩擦部材に関連する線形スプリング連動システムが、関連する前記摩擦部材を前記ノーマル位置に向けて付勢している、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項10】
前記摩擦プレートの表面が補強されている、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項11】
前記摩擦プレートの表面が別体のプレートを備える、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項12】
前記摩擦部材は湾曲した接触面を有する、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項13】
前記摩擦部材は複数のレバーアームを備え、各レバーアームは、該レバーアームに対して回転可能に連結されている回転する摩擦ローラーを有する、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項14】
前記摩擦部材は複数のレバーアームを備え、各レバーアームは、該レバーアームに対して回転可能に連結されている、回転する複数の摩擦ローラーを有する、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項15】
前記摩擦部材は複数のレバーアームを備え、各レバーアームは、湾曲した接触面を有し、さらに、各レバーアームは、該レバーアームに対して回転可能に連結されている回転する複数の摩擦ローラーを有する、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項16】
前記摩擦部材は複数のレバーアームを備え、各レバーアームは、該レバーアームに対して回転可能に連結されているともに前記レバーアームから延びている摩擦プレートを有する、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項17】
前記摩擦部材は複数のレバーアームを備え、各レバーアームは、該レバーアームに対して回転可能に連結されているともに前記レバーアームから延びている摩擦プレートを有し、さらに、各摩擦プレートは、該摩擦プレートに対して回転可能に連結されている回転する複数の摩擦ローラーを有する、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項18】
前記摩擦プレートは湾曲した摩擦プレート表面を有し、該湾曲した摩擦プレート表面の曲率が前記摩擦部材における湾曲した接触面の曲率に対応している、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項19】
前記ギア同期システムは、自動車のトランスミッション出力部を有する自動車のトランスミッションに連結されており、これにより、前記部品キャリアが前記接続位置にある場合に、前記自動車のトランスミッション出力部を回転させるために、前記少なくとも1つの最終接続部品と前記摩擦プレートとの間で摩擦による十分な接続が達成されている、請求項1に記載の同期クラッチ。
【請求項20】
外側スプライン内部カラーと、外側の部品キャリアと、複数の摩擦部材と、前記内部カラーに関連する少なくとも1つの最終接続部品とを備え、
前記内部カラーはそれを通過するように形成された中央開口部を有し、前記中央開口部は、それを通過するスプライン軸を受容するとともに該スプライン軸と相互作用するように形成されており、さらに、前記内部カラーと前記スプライン軸との間の相互作用が、前記スプライン軸のスプライン設計に忠実なままであり、これにより、前記スプライン軸と前記内部カラーとの間の回転を伝達することが可能となるとともに、前記内部カラーは、前記スプライン軸に沿って軸方向に、ノーマル位置と接続位置との間において関連する摩擦プレートに対してスライドすることが可能となっており、
前記外側の部品キャリアは、該外側の部品キャリアの外周から放射状に延びる、複数の壁に囲まれた凹部を備え、前記外側の部品キャリアはそれを通過するように形成された中央開口部を有し、前記中央開口部は、それを通過する前記外側スプライン内部カラーを受容するとともに該スプライン内部カラーと相互作用するように形成されており、さらに、前記外側の部品キャリアと前記スプライン内部カラーとの間の相互作用が、前記スプライン内部カラーのスプライン設計に忠実なままであり、これにより、前記内部カラーと前記外側の部品キャリアとの間の回転を伝達することが可能となるとともに、前記外側の部品キャリアは、前記スプライン内部カラーに沿って軸方向に、ノーマル位置と接続位置との間において関連する摩擦プレートに対してスライドすることが可能となっており、
前記複数の摩擦部材における各摩擦部材は接触面を有し、各摩擦部材は、前記外側の部品キャリアにおける壁で囲まれた凹部の内部において、回転ピンを介して旋回可能に連結されており、さらに、各摩擦部材はノーマル位置と接続位置との間で旋回可能であり、これにより、前記外側の部品キャリアが関連する摩擦プレートに向かって押されたときに、前記摩擦部材の接触面における少なくとも一部が、最初に前記摩擦プレートの表面に接触し、前記外側の部品キャリアが関連する摩擦プレートに向かって押され続けるにつれて、各摩擦部材はその摩擦部材における関連する回転ピンの周囲を回転し、これにより、前記摩擦部材の接触面における少なくとも一部が前記摩擦プレートの表面に接触し続けており、
前記内部カラーにおける前記少なくとも1つの最終接続部品は、前記内部カラーが前記接続位置にあるときには、摩擦プレートの最終接続部品と相互作用することが可能である一方、前記内部カラーがノーマル位置にあるときには、前記摩擦プレートの最終接続部品から切り離されることが可能である、
同期クラッチ。
【請求項21】
前記内部カラーは、前記外側の部品キャリアと相対的に、前記ノーマル位置に向かって付勢されている、請求項1に記載の同期クラッチ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−501079(P2011−501079A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531060(P2010−531060)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/012155
【国際公開番号】WO2009/055057
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(510116576)
【氏名又は名称原語表記】JOHN R.OTTO
【住所又は居所原語表記】31 Dandelion Drive,Gansevoort,NY 12831 U.S.A.
【出願人】(510116587)
【氏名又は名称原語表記】GERALD T.SCANLON
【住所又は居所原語表記】2360 Hampshire Hollow Road,Poultney,VT 05764 U.S.A.
【出願人】(510116598)
【氏名又は名称原語表記】DAVID C.COVEY
【住所又は居所原語表記】13221 Coralberry Drive,Fairfax,VA 22033 U.S.A.
【出願人】(510116602)
【氏名又は名称原語表記】RUSSELL R.OTTO
【住所又は居所原語表記】31 Dandelion Drive,Gansevoort,NY 12831 U.S.A.
【出願人】(510116613)
【氏名又は名称原語表記】MICHAEL G.HOLLAND
【住所又は居所原語表記】25 Wedgewood Drive,Saratoga Springs,NY 12866 U.S.A.
【Fターム(参考)】