説明

マルチホップリレー携帯電話網におけるルーティング装置及び方法

【課題】マルチホップリレー携帯電話網においてメッセージ負荷量を最小化しながら最適の経路を選択することができるルーティング方法を提供する。
【解決手段】移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網におけるルーティング方法であって、上記移動端末とその周辺の少なくとも一つ以上の中継器が基地局とのリンク品質を測定してリンク品質情報を生成し、該リンク品質情報を上記移動端末に転送する過程と、上記移動端末が、上記中継器のリンク品質情報を受信して最適の経路を選択し、該選択された最適の経路情報を上記基地局に転送する過程と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチホップリレー(multi―hop relay)携帯電話網に係り、特に、マルチホップリレー携帯電話網においてメッセージ負荷量を最小化しながら最適の経路を選択することができるルーティング装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ノート型コンピューターや携帯電話、PDA及びMP3プレーヤーなどの数多くのデジタルポータブル電子機器を持ち歩く人が多くなってきた。以下、説明の便宜のために上記デジタルポータブル電子機器を「移動端末(MS;Mobile Station)」と称することにする。この種の移動端末の大半は、上記移動端末同士に連動することなく独立して作動する。よって、中央制御システムに助けられることなく、上記各移動端末自らが無線ネットワークを構成することができたら、上記各移動端末同士は、各種の情報を手軽く共有することができるであろう。また、このような機能を使うことにより新規で多様な情報通信サービスを提供することができるであろう。
【0003】
上記の如く中央制御システムに助けられることなく、常時にどこでも各移動端末同士の通信を可能にする無線ネットワークをアドホック(Ad hoc)ネットワークまたはユビキタス(ubiquitous)ネットワークと呼んでいる。上記アドホックネットワークは、各端末が空間上において独立して存在しながら、自分と通信可能な半径内に存在するすべての他の端末をすべて接続してネットワーク化する方式である。ここで、上記各移動端末は、相互間においてサーバーまたはハブになったり、またはクライアントとして存在したりすることができる。
【0004】
一方、近年の移動通信システムでは、有・無線チャンネルを介して高速のデータ転送に有用な方式としての第4世代移動通信システムに関する研究が盛んに進められている。上記第4世代移動通信システムにおいて最も重要な要求条件の一つが自律適応型(Self―adaptable)無線ネットワークの構成である。上記自律適応型無線ネットワークとは、中央制御システムからの制御を受けることなく無線ネットワークに自律的に適応し且つ分散的に制御できるように構成して、移動通信サービスを提供することができる無線ネットワークのことをいう。
【0005】
一般に、上記第4世代移動通信システムでは、高速通信を可能にし、また大量の通話量を収容するために半径が非常に小さいセルが設置される必要がある。しかしながら、現在の無線網設計方式、即ち中央集中方式ではその設計が不可能である。従って、上記の如き無線ネットワークは、分散的に制御され構築されつつも、新規な基地局(以下、「BS」と略称する)の設置などにより環境の変化に能動的に対処しなければならない。かかる理由から、上記第4世代移動通信システムでは自律適応型無線ネットワークの構成が要求される。
【0006】
上記第4世代移動通信システムにおいて要求される上記自律適応型無線ネットワークを現実的に実現するためには、前述したようなアドホックネットワークで適用された技術を移動通信システムに取り入れなければならない。これに関する代表的な例が、マルチホップリレー(Multi―hop realy)携帯電話網である。上記マルチホップリレー携帯電話網は、固定BSから構成された携帯電話網にアドホックネットワークで適用された技術のマルチホップリレー方式を取り入れたものである。上記携帯電話網では、BSと移動端末(以下、「MS」と称する)との間に一本の直接リンクにより通信が行われるため、上記MSと上記BSとの間に信頼度の高い無線通信リンクを容易に構成することができる。
【0007】
しかしながら、上記の如く、携帯電話網では上記BSの位置が固定されていた。従って、無線網構成の柔軟性に欠けていてトラフィック分布や通話要求量の変化が激しい無線環境では効率よいサービスを提供しにくいという短所を抱えている。このような短所を克服するために周辺の多くのMSまたは固定中継器(Relay Station、以下「RS」と称する)を利用してマルチホップの形態としてデータを転送する中継技法を適用する。この種の方式では、周辺環境の変化に対していち早くネットワークを再構成することができ、全無線網をより効率よく運用することができるようになる。ゆえに、第4世代移動通信システムで要求される自律適応型無線網は、上記マルチホップリレー携帯電話網をモデルにして現実的に実現することができる。
【0008】
上記マルチホップリレー技術が上記携帯電話網に導入されるようになった別の動機付けは、上記マルチホップリレー技術がセルサービス領域を広げ、システム容量を増大させることができるという長所を持っているということである。即ち、BSからのチャンネル状態が悪いMSにRSを介してのマルチホップリレー経路を構成することによって、より優れたチャンネル状態を有する無線チャンネルを提供することができる。よって、建物などによる遮蔽現象がひどいかげ地域においてマルチホップリレー技法を使えば、より効率よく通信サービスを提供することができる。またBSからのチャンネル状態が悪いセル境界地域においてマルチホップリレー技法を適用すれば、より高速のデータチャンネルを提供することができ、セルサービス領域を拡張することができる。
【0009】
一方、上記マルチホップリレー携帯電話網において最も重要な技術の一つは、ルーティング技術である。上記ルーティング技術は、BSからMSまでの多数のマルチホップ経路のうち最適の経路を選択する技術の総称である。一般に、マルチホップリレー携帯電話網では、BSが最適の経路を決める。これは、セル内のほぼすべての制御を上記BSが司るためである。反面、上記RSまたはMSのようなすべてのノードが自律的にネットワークを構成するアドホックネットワークでは、各ノードが周辺のノードに助けられて経路を自ら決めることができる。
【0010】
従って、マルチホップリレー携帯電話網では、最適の経路を選択する主体が上記アドホックネットワークの場合とは異なるため、上記アドホックネットワークを対象に提案され、または研究された多くのルーティング技術を上記マルチホップリレー携帯電話網にそのまま使うことは不可能である。
【0011】
上記マルチホップリレー携帯電話網におけるルーティング技術は、大きく三段階に分けられる。即ち、MSが周辺のRSを認知する第一の段階、認知されたRS―MS間のリンク品質をBSへ報告する第二の段階、報告された品質値を基に上記BSが最適のBS―RS―MS間経路を決める第三の段階とに分けられる。
【0012】
上記第一の段階において、上記MSが周辺のRSを認知するために、即ち、上記MSに周辺のRSを認知させるために、上記MS周辺の多数のRSからは、所定の制御信号、例えば、パイロット・シーケンスまたはプリアンブル・シーケンスなどのような制御信号を上記MSに転送することができる。このとき、上記MSは、上記周辺のRSから転送される制御信号の受信信号強度指示子(RSSI;Received Signal Strength Indicator)または信号対干渉/ノイズ比(SINR;Signal to Interference and Noise Ratio)を測定してRS―MSリンクの品質を予測することができる。
【0013】
上記の如く、マルチホップリレー携帯電話網においてルーティング技術がシステム性能に及ぼす影響は非常に大きい。即ち、BSとMS間の最適の経路を正しく選択しなければ、マルチホップリレー携帯電話網の性能を最大化することができない。
【0014】
しかしながら、上記BSが各MSに対する最適の経路を選択するためには、上記MSとその周辺のすべてのRS間のリンク品質を知る必要がある。もし上記各MSの周辺に多数のRSが位置する場合、上記各MSでは上記すべてのRSに対する情報を上記BSに報告しなければならない。このような場合、上記各MSから上記BSに報告しなければならない情報の量が非常に大きくなることがある。さらに、移動するMSの場合は、リンク品質が時間が経つにつれて変わることがあるため、所定の周期で周辺のRS情報をBSに報告しなければならない。また移動可能な移動中継器(MRS;Mobile Relay Station)を使うシステムでは、一層激しいリンク品質の変化を示すことがある。よって、上記の場合は、上記BSへの報告周期をより短くしなければならない。結局として、上記MSから上記BSへの周辺RSの情報報告のためのMS―BSのアップリンクの負荷量は相当に大きくならざるを得ない。
【0015】
現在までマルチホップリレー携帯電話網においてメッセージ負荷量を最小化しながら最適の経路を選択することができるルーティング技術は提案されたことがない。即ち、アドホックネットワークを対象にしたルーティングアルゴリズムは、多く研究されてきたが、前述したようにアドホックネットワークのルーティング技術をマルチホップリレー携帯電話網にそのまま適用することは不可能である。
【0016】
従って、ルーティング技術がマルチホップリレー携帯電話網に及ぼす影響が相当に大きいという点に鑑みて、二つの主な要求条件を満足することができる、即ち、メッセージ負荷量を最小化しながら最適の経路を選択することができる、ルーティング技術が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本発明の目的は、マルチホップリレー携帯電話網においてメッセージ負荷量を最小化しながら、同時に最適の経路を選択することができるルーティング装置及び方法を提供するところにある。
【0018】
本発明の他の目的は、マルチホップリレー携帯電話網において移動端末が基地局に報告する周辺の中継器に関する情報量を最小化しながら、同時に最適の経路を選択できるようにするルーティング装置及び方法を提供するところにある。
【0019】
本発明のまた他の目的は、マルチホップリレー携帯電話網においてデータ転送率を最大化するルーティング装置及び方法を提供するところにある。
【0020】
本発明のさらなる目的は、マルチホップリレー携帯電話網において端末または中継器の負荷を低減するルーティング装置及び方法を提供するところにある。
【0021】
本発明のまた他の目的は、マルチホップリレー携帯電話網において端末または中継器の電力消耗を最小化するルーティング装置及び方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記したような目的を達成するための本発明の実施の形態による方法は、移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網におけるルーティング方法であって、上記移動端末とその周辺の少なくとも一つ以上の中継器が基地局とのリンク品質を測定してリンク品質情報を生成し、該リンク品質情報を上記移動端末に転送する過程と、上記移動端末が、上記中継器のリンク品質情報を受信して最適の経路を選択し、該選択された最適の経路情報を上記基地局に転送する過程とを含むことを特徴とする。
【0023】
上記したような目的を達成するための本発明の実施の形態による他の方法は、移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網における上記中継器のルーティング方法であって、上記基地局のプリアンブルを検出し、該基地局のプリアンブル信号対干渉ノイズ比(SINR)から基地局―中継器間リンクのデータ転送率を決める過程と、周辺の中継器のプリアンブルを検出し、該周辺の中継器のプリアンブル信号対干渉ノイズ比(SINR)から各中継器同士の中継器―中継器間リンクのデータ転送率を決める過程と、上記周辺の中継器のプリアンブルに含まれた情報データから上記各中継器から上記基地局までの各経路に関する最適経路有効データ転送率を計算する過程と、該最適経路有効データ転送率結果に基づいて上記各中継器から基地局までの各経路のうち最適の経路を選択し、該選択された最適経路情報を上記基地局に報告する過程と、上記基地局への報告後、中継器自分のプリアンブルを特定のシーケンスに生成し転送する過程とを含むことを特徴とする。
【0024】
上記したような目的を達成するための本発明の実施の形態によるまた他の方法は、移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網における上記移動端末のルーティング方法であって、上記基地局のプリアンブルを検出し、該基地局のプリアンブル信号対干渉ノイズ比(SINR)から基地局―中継器間リンクのデータ転送率を決める過程と、上記中継器のプリアンブルを検出し、該中継器のプリアンブル信号対干渉ノイズ比(SINR)から各中継器との中継器―移動端末間リンクのデータ転送率を決める過程と、上記中継器のプリアンブルに含まれた情報データから上記各中継器から上記基地局までの各経路に関する最適経路有効データ転送率を計算する過程と、該最適経路有効データ転送率結果に基づいて上記各中継器から基地局までの各経路のうち最適の経路を選択し、該選択された最適経路情報を上記基地局に報告する過程とを含むことを特徴とする。
【0025】
上記したような目的を達成するための本発明の実施の形態による装置は、移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網におけるルーティング装置であって、上記基地局とのリンク品質を測定してリンク品質情報を生成し、該リンク品質情報を上記移動端末に転送する少なくとも一つの中継器を含むことを特徴とする。
【0026】
上記したような目的を達成するための本発明の実施の形態による他の装置は、移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網におけるルーティング装置であって、上記中継器から基地局とのリンク品質の測定により生成されたリンク品質情報を受信し、該リンク品質情報を用いて上記基地局との最適の経路を選択し、該選択された最適の経路情報を上記基地局に転送する移動端末を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
以上で説明した本発明によれば、中継器(RS)が該中継器から基地局(BS)までのリンク性能情報をプリアンブル信号またはパイロット信号に含ませて移動端末(MS)に転送することにより、上記中継器が上記移動端末に上記RS―BS間のリンク性能情報を知らせることができ、これにより上記移動端末自らが最適の経路を選択することができる。また上記移動端末は、自分が選択した最適の中継器情報のみを上記基地局に報告することにより、相当なアップリンク負荷量が要求されるという問題と、最適経路の選択が困難であるという問題点を同時に解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明による好適な実施の形態を詳しく説明する。下記の説明では、本発明による動作を理解するうえで必要な部分だけを説明し、それ以外の部分の説明は本発明の要旨を曖昧にしないという意味合いから省略したことに留意しなければならない。
【0029】
提案する本発明は、マルチホップリレー携帯電話網においてメッセージ負荷量を最小化しながら、同時に最適の経路を選択することができるルーティング方法に関する。
【0030】
提案する本発明において、中継器は、周辺の多数の移動端末に自分の存在を認識させるために所定の制御信号、例えば、プリアンブル信号またはパイロット信号を転送する。また上記RSは、上記転送する制御信号、例えば、RS自分のプリアンブル内に基地局までの最適経路状態を示す情報を一緒に含ませて上記MSに転送する。そうすると、上記RSプリアンブルを受信したMSは、該プリアンブルから上記RSを認知することができ、また上記RSから上記BSに接続される経路のチャンネル状態値も分かるようになる。
【0031】
従って、上記MSは、上記RSプリアンブルの検出により上記MSから上記RSを経て上記BSに接続されるマルチホップ経路のチャンネル状態値を予測することができる。また、このような方法により上記MSは、周辺の多数のRSのうちチャンネル状態値が良い、例えば、検出されたRSのチャンネル状態値がシステム設定による所定の閾値以上のRSのみを選択することにより、最適のRSを決めることができる。上記MSは、上記決められた最適のRSの情報のみを上記BSに転送することにより、上記MSのメッセージ報告量を最小化しながら同時に最適の経路を決めることができる。このとき、上記MSは、上記周辺の多数のRSのうちチャンネル状態値が最も良い一つのRSのみを選択し、最適のRSを決めて転送することもできることは言うまでもない。
【0032】
以下では、添付図面を参照して、まず、従来技術に係る問題点について説明し、次いで上記従来技術において生じていた問題点を解決するための本発明の好適な実施の形態について説明することにする。
【0033】
前述した従来技術の問題点、即ちMSがその周辺のすべてのRSのリンク品質情報をBSに転送するに際し、その報告量が相当に大きくなるという問題を解決することができる最も簡単な方法としては、上記MSが、受信信号状態の良い所定個数のRSのみを上記BSに報告する方法が挙げられる。しかしながら、このような方法を用いても解決できない問題点がある。例えば、上記MSがBS―RS間のリンク品質は分からないという点である。上記問題点を、下記の図1と図2の例を挙げて説明する。
【0034】
図1a及び図1bは、一般的なマルチホップリレー携帯電話網における、RS受信信号基盤の報告方式による問題点を説明するために概略的に示す図である。
【0035】
上記図1aを参照すれば、同図は、MS110がBS140に報告するメッセージ負荷量を最小化するために上記MS110が多数のRS、例えば、RS1120、RS2130のうち受信信号状態が最も良いRSのみを報告する場合、最適の経路を見つけ出せなくなる例を示している。
【0036】
上記図1aにおいて、上記MS110は、最も優れたプリアンブルのSINRを有するRSのみを選択して上記BS140に報告する。上記図1aに示すように、上記MS110の周辺にはRS1120とRS2130が位置する。このとき、BS140―MS110間リンクとBS140―RS2130間リンクは、任意の建物150によって発生する建物遮蔽のためにSINRが相当に低く、反面、BS140―RS1120間リンクのSINRは高いと仮定する。また、上記RS2130は、上記MS110寄りに位置するため、上記RS2130の受信信号強度、例えば、SINRが上記RS1120より良いと仮定する。
【0037】
しかしながら、上記BS140―RS2130間リンクのSINRが相当に低いため、全経路のSINR性能は、BS140―RS1120―MS110経路はBS140―RS2130―MS110経路より優れている。このとき、上記MS110が全経路のSINR性能について分からなく、上記RS2130の受信信号強度のみに基づいて上記RS2130を最適のRSに報告してしまうことがある。よって、上記BS140は、上記BS140―RS1120―MS110経路が最適であるにもかかわらず、上記MS110が報告する上記BS140―RS2130―MS110経路を最適の経路と決める。
【0038】
上記図1bを参照すれば、同図は、上記MS110がBS140―RS160間のリンク品質が把握できていないことにより生じ得るまた他の問題点の例を示している。
【0039】
上記図1bにおいて、距離上では上記MS110が、上記RS160と上記BS140のうち上記BS140寄りになっている。また上記BS140―RS160リンク途中の建物150による遮蔽のため、BS140―RS160―MS110経路の全SINR性能は、BS140―MS110の直接経路より悪い。よって、上記MS110は、上記RS160を上記BS140に報告しても、基本的に上記MS110は上記BS140―MS110の経路状態を上記BS140に転送すると仮定する。ここで、最適の経路は、BS140―MS110間の直接経路であるため、上記MS110が上記BS140に報告する上記RS160に関する情報は、さほど意味のないものとなる。
【0040】
このような場合、上記MS110が上記BS140―RS160間のリンク品質が把握できていたら、上記MS110は、上記BS140―RS160―MS110経路の全SINR性能が上記BS140―MS110の直接経路より悪いということを知り、その結果、上記MS110は、上記RS160に関する情報を上記BS140に報告しなくても済むことでメッセージ負荷量を減らすことができた。
【0041】
以下、本発明では、前述したような従来技術の問題点、即ち過度に大きなメッセージ負荷量が要求されるという問題と、上記従来技術が抱えている最適経路選択の難しさを同時に解決することができるルーティング技術を提案する。また本発明では、データ転送率を最大化して効率よいデータ転送を可能にし、MSまたはRSでのメッセージ転送による電力消耗を最小化するルーティング技術を提案する。
【0042】
本発明によるルーティング技術において、所定のMS周辺の多数のRSは、BSまでのリンク性能情報を所定の制御信号、例えば、パイロット信号またはプリアンブル信号に含ませて上記MSに転送することにより、上記MSに上記RS―BS間のリンク性能情報を知らせる。以下、本発明の実施の形態による上記RSが転送するRSのプリアンブル構造とその転送方法について説明することにする。
【0043】
このとき、後述する本発明は、時分割二重化(Time Division Duplex、以下、「TDD」と称する)方式及び直交周波数多重接続(Orthogonal Frequency Division multiple Access、以下、「OFDMA」と称する)方式を用いるワイヤレス通信システムを例に挙げて説明する。しかし、本発明がこれに限定されるものではないため、本発明の内容は、上記TDD方式を用いるシステム及びOFDMA方式を用いるシステムだけでなく、他の多重接続方式を用いるすべてのシステムにも適用可能であることは言うまでもない。そして、本発明の内容は、マルチホップリレー携帯電話網を例に挙げて説明したが、固定性または移動性を有するノード、即ち、中継器または端末間の通信を支援するすべてのシステムに適用できることは言うまでもない。
【0044】
図2は、本発明の実施の形態によるマルチホップリレー方式を支援するOFDMA/TDDシステムにおけるフレーム構造の例を示す図である。
【0045】
上記図2を参照すれば、横軸即ち時間軸は、OFDMAシンボル番号を示し、縦軸即ち周波数軸はサブチャンネル論理的番号を示す。また上記図2のフレームは、アップリンク・サブフレームとダウンリンク・サブフレームとに分けられる。各サブフレームには、BS―MS間リンクのためのデータバーストが割り当てられる。また、特定の周波数―時間領域をRS―MS間リンクのために割り当てることができる。このとき、図2に示すように、RSからMSに転送するデータバーストは、上記ダウンリンク・サブフレーム内において割り当てられ、MSからRSに転送されるデータバーストは、上記アップリンクサブフレーム内において割り当てられる。
【0046】
上記ダウンリンク・サブフレームの特定の周波数―時間領域をRSのプリアンブルの転送のために割り当てることができる。このとき、上記RSのプリアンブル転送領域は、各RS毎に該プリアンブル転送領域が異なるように指定することもでき、各RSのプリアンブルが特定のシーケンスに分けられる場合は、多数のRSが同じ周波数―時間領域でそれぞれの固有プリアンブルを転送することができる。このとき、上記の如く、各RSのプリアンブルが特定のシーケンスに分けられる場合は、上記多数のRSが同じセル領域に位置する場合を仮定する。
【0047】
上記図2は、RSのプリアンブルの転送のために一つのダウンリンクOFDMAシンボル区間において副搬送波の全領域を3つのプリアンブル・サブチャンネルに分けて割り当てた場合であり、各RSは、指定されたプリアンブル・サブチャンネル領域で固有のプリアンブルシーケンスを転送するようになる。
【0048】
一方、本発明では、上記図2に示すようなプリアンブルを転送するに際し、各RSのプリアンブル内にそれぞれのRSを識別するためのRSの識別字(以下、「ID))))と称する)のみならず、BS―RS間リンクの品質情報を含ませて転送する。上記したような方式を用いて、上記プリアンブルを成功的に受信したMSでは、当該BS―RS間のリンク品質情報が分かるようになる。
【0049】
以下では、上記RSが、上記の如きRSのプリアンブルを通じてBS―RS間リンクの品質情報を転送する方法に関する実施の形態について説明することにする。
【0050】
まず、上記RSが転送するプリアンブルを特定のシーケンスから構成し、上記プリアンブルを受信するMSが上記プリアンブルを転送する当該RSを認識するようにする。上記プリアンブルシーケンスとしては、例えば、擬似ノイズ(Pseudo Noise、以下、「PN」と称する)コード、直交コード、及び上記PNコードと上記直交コードとの組み合わせを用いることができる。即ち、プリアンブルとして用いられる各副搬送波には、当該PNコード値または直交コード値、或いは上記PNコード値と当該直交コード値との積が乗せられるようになる。
【0051】
一方、一般のOFDMA移動通信システムにおいて、ダウンリンク・サブフレームの先頭部分はBS固有のシーケンスから構成されたプリアンブル信号が占める。上記BSのプリアンブルの主な目的は、MSの初期同期を早めるためである。このとき、上記プリアンブルシーケンスとしては、PNコードを用いることができ、このとき、各BS毎に用いられるPNコードが異なるように適用される。そして、上記BSのプリアンブルのPNコードは、RSのプリアンブルのPNコードとして用いることができる。また、RSのプリアンブルの大きさが、BSのプリアンブルの大きさより小さい場合、上記RSのプリアンブルのPNコードは、上記BSのプリアンブルのPNコードの一部のみをとって用いることができる。
【0052】
上記の如く、上記RSのプリアンブルのPNコードを上記BSのプリアンブルのPNコードと関連付けて設計する理由は、MSが上記RSのプリアンブルを受信し検出した時、上記RSに接続されたBSを区分するためである。即ち、同じセルに位置する多数のRSは同じRSのプリアンブルのPNコードを用いるようになる。このとき、同じセルに位置する各RSは、直交コードを用いて区分される。なお、上記直交コードの一部は、各RSのIDに相当し、上記直交コードの残り部分はBS―RS間リンクの品質情報を転送するために用いられる。
【0053】
一方、上記の如きRSのプリアンブルシーケンスの構成は、本発明の範囲外であるため、上記RSのプリアンブルシーケンスの構成方法についての詳細な説明は省くことにする。即ち、前述したRSのプリアンブルの構成方法は、本発明の実施の形態によって構成することができる一つの実施の形態であって、提案する本発明の特徴は、RSのプリアンブル内にRSのIDのみならず、BS―RS間リンクの品質情報を含ませて転送するという点にあることに留意しなければならない。
【0054】
次いで、以下では、上記RSがBS―RS間リンクの品質情報値を決める方法と、MSが上記BS―RS間リンクの品質情報値を受信し、最適の経路を選択する方法について具体的に説明することにする。以下の説明では、説明の便宜性のために、2ホップリレーの場合を先に説明し、続いて3ホップ以上の一般化されたリレーの場合を説明する。
【0055】
まず、2ホップリレーの場合における、RSのプリアンブルに含まれるBS―RS間リンクの品質情報値の決定方法を説明する。
【0056】
即ち、RSはBSから受信される信号強度、例えば、BSのプリアンブルまたはBSのパイロット・トーン信号を用いて受信信号強度を測定し、該測定された受信信号強度を用いてチャンネル状態値を予測する。ここで、上記チャンネル状態値は、上記受信信号強度の測定によって予測することができるSINR値またはRSSI値を含む。次いで、上記RSは、上記予測されたチャンネル状態値をアップリンク・チャンネルを通じて上記BSに報告する。また、上記RSは、例えば、自分のRSのプリアンブルから転送すべきBS―RS間のリンク品質情報値を決める。例えば、上記RSは、上記BS―RS間のリンク品質情報値を決めるために、上記BSの受信SINRに対応するMCS(Modulation and Coding Scheme)レベル値を決め、該決められたMCSレベル値に対応するBS―RS間のリンク品質情報値のインデックスを選択する。上記MCSレベル、上記MCSレベル値に対応するBS―RS間のリンク品質情報値のインデックス及び受信SINR値は、下記の表1の通りに表すことができる。
【0057】
【表1】

【0058】
上記表1では、上記BS―RS間のリンク品質情報値のインデックス(情報データインデックス)とMCSレベル(Modulation、FEC rate、Data Rate)、そして対応する受信SINR値に相応するマッピングテーブルの一つの実施の形態を表している。同表を参照すれば、上記BS―RS間のリンク品質を16段階に分けて、それぞれのインデックス(0から15)を付与している。上記インデックス「0」は、BSからの受信SINRが低すぎてリレー機能を果たし得ない場合を指示する。上記RSは、上記表1のようなマッピングテーブル内容を上記BSから予め転送され保存していると仮定するが、本発明がこれに限定されるものではない。また上記マッピングテーブルは、上記MSでも予め保存していてもよい。
【0059】
次いで、以下では、上記RSのプリアンブルを受信したMSが最適の経路を選択する方法について説明することにする。
【0060】
まず、上記MSは、上記RSからRSのプリアンブルを受信し、該受信したRSのプリアンブルを検出する。即ち、上記MSは、該受信した上記RSのプリアンブルの検出により上記RSが用いた副チャンネルインデックスと直交コードインデックスが分かる。上記MSは、上記のような検出結果を用いて、例えば、上記RSのプリアンブル副チャンネルインデックスと直交コードインデックスとの組み合わせにより、各RS信号を区分する。
【0061】
詳述すれば、上記MSは、上記RSから受信したプリアンブルのSINRを測定し、また、上記表1に表すようなマッピングテーブルを用いてRS―MS間リンクの品質、即ちデータ転送率Rが分かる。次いで、上記MSは、上記RSのプリアンブルから転送されるBS―RS間のリンク品質情報値インデックスを取り出し、該取り出したBS―RS間のリンク品質情報値インデックスを、上記表1に表すようなマッピングテーブルと比べる。上記比較により上記MSはBS―RS間リンクのデータ転送率Rが分かる。以後、上記MSは、上記データ転送率Rと上記データ転送率R値を用いて有効転送率Eを算出する。上記有効転送率Eは、次式1のように定義することができる。
【0062】
【数1】

【0063】
上記式1のように、上記データ転送率R1と上記データ転送率R値を上記式1に代入すると、BSから上記RSを経て上記MSに接続される経路の有効転送率Eを算出することができる。次いで、上記MSは、上記有効転送率E値のうち最も大きい値を有するRSを最適のRSと選択する。
【0064】
次いで、上記MSは、上記有効転送率Eの算出により選択されたRSのIDを上記BSに報告する。即ち、上記MSは、上記選択されたRSのIDに相当するRSのプリアンブル副チャンネルインデックスと直交コードインデックス、及び上記RSの受信SINR値を上記BSに報告する。すると、上記BSは、上記MSの報告値に基づいて最終的に最適の経路を選択する。
【0065】
提案する本発明では、最適経路選択の信頼度を高めるために、上記MSは、上記有効転送率E値が最大であるRSのみならず、上記有効転送率E値に基づいて上位少数のRSをBSに報告することもできる。このとき、上記BSに報告するRSの個数は、上記BSによって予め決められ得る。また最終的に決められる上記MSの最適経路も上記BSが決める。
【0066】
前述したように、本発明で提案する経路選択方法によれば、メッセージ負荷量を最小化しながら最適経路を選択することができるようになる。
【0067】
次いで、以下では、3ホップ以上の一般化されたリレーの場合における、RSがBS―RS間リンクの品質情報値を決める方法とMSが受信したBS―RS間リンクの品質情報値を用いて最適の経路を選択する方法について説明することにする。
【0068】
まず、3ホップ以上の場合でも前述した2ホップの場合と同様に、上記方法を適用することができる。即ち、各RSまたはMSは、周辺のRSから受信したプリアンブルの受信SINRと情報データ値から有効転送率Eを、上記2ホップの場合と同様に上記式1にて計算することができる。以下では、説明の便宜のために上記周辺のRSからの受信をRSで行うと仮定する。次いで、上記RSは、BSの直接経路を含むBSまでの最適経路を、上記式1から計算された有効転送率Eに基づいて選択する。ここで、上記段階における、上記BSの直接経路の有効転送率Eは、上記BSからの受信SINRに対応するデータ転送率と同じである。
【0069】
次いで、上記RSは、上記有効転送率Eに基づいて最適の経路を選択した後、該選択された最適の経路情報を上記BSに報告する。以後、上記RSは、上記BSから最終的に決められた最適経路情報を指示されるようになる。ここで、上記したようなBSの最終確認手続は、システムの設計によって省略することもできる。この場合、即ち、BSの最終確認手続が省略される場合、最適経路の選択は上記RSが司るようになる。
【0070】
次いで、上記RSは、上記選択された最適経路の有効データ転送率Eに基づいて上記表1に表すようなマッピングテーブルを参照して、上記RSから上記BSまでの経路のリンク品質を示す情報値インデックスを選択する。次いで、上記RSは、該選択された情報値インデックスに対応するリンク品質情報値を決めた後、RSのプリアンブルに含ませて経路上のRSまたはMSに転送する。すると、上記RSのプリアンブルを受信した別のRSまたはMSは、上述した動作方式を繰り返す。これにより、ホップ数が増大しても上述したような経路選択方法を用いて、それぞれのRSまたはMSは、BSまでの最適経路を選択することができる。
【0071】
一方、最適の経路を計算するそれぞれのRSまたはMSは、以前のホップRSの最適経路が幾つのホップから構成されたかは分からない。しかし、すべてのRSとMSは、自分が選択した最適経路の情報をBSに報告するため、上記BSは、上記すべてのRSとMSの最適経路情報を有することができる。
【0072】
上記3ホップ経路での有効転送率Eは、次式2のように定義することができる。
【0073】
【数2】

【0074】
上記式2は、例えば、RS1、RS2、そしてMSから構成された、即ち3ホップ経路における、上記MSが有効転送率Eを計算する方法を例示した式である。このとき、上記RS2からBSまでの最適の経路は、BS―RS1―RS2であると仮定する。上記式2中Rは、BS―RS1間リンクのデータ転送率を示し、Rは、RS1―RS2間リンクのデータ転送率を示し、Rは、RS2―MS間リンクのデータ転送率を示す。また、Eは、RS2における最適経路、例えば、BS―RS1―RS2経路の有効転送率を示し、Eは、MSにおける最適経路、例えば、BS―RS1―RS2―MS経路の有効転送率を示す。
【0075】
上記式2は、上記MSで計算されたBS―RS1―RS2―MS経路の有効転送率Eに関する表現式である。上記MSは、受信されたRS2のプリアンブルのSINR値から上記データ転送率R、そして受信RS2のプリアンブルに含まれた情報データ値から上記RS2における有効転送率Eが分かる。上記有効転送率Eは、1(1/R+1/R)で与えられ、上記有効転送率E値は、上記RS2が自分のRSのプリアンブルに含ませて転送した値である。上記のような方法で上記MSは、3ホップから構成されたマルチホップ経路の有効転送率を計算することができ、従って、3ホップ経路を含む最適のマルチホップ経路を選択することができる。
【0076】
前述したように、本発明の実施の形態によるマルチホップ経路による有効転送率をまとめてみると、次式3のように定義することができる。即ち、次式3は、Nホップから構成されたマルチホップ経路の有効転送率を一般化したものである。
【0077】
【数3】

【0078】
上記式3中、Rは、RS(n−1)とRS(n)間リンクのデータ転送率を示す。なお、Rは、BSとRS1間リンクのデータ転送率を示す。
【0079】
次いで、添付した図3と図4を参照して、前述したような本発明の機能を行うためのRSとMSの動作について説明することにする。
【0080】
図3は、本発明の実施の形態による機能を行うためのRSの動作過程を概略的に示す図である。
【0081】
上記図3を参照すれば、まず、上記RSの動作は大きくBSのプリアンブル処理過程(S301ステップ、S303ステップ)、他のRSのプリアンブル処理過程(S305ステップ乃至S309ステップ)、最適経路選択過程(S311ステップ、S313ステップ)、BS報告過程(S315ステップ)、BS確認過程(S317ステップ)、RS自分のRSのプリアンブル送信過程(S319ステップ、S321ステップ)とに分けることができる。
【0082】
上記図3に示すように、上記S301ステップにおいて、上記RSはBSのプリアンブルを検出した後、S303ステップに進む。上記S303ステップにおいて、上記RSは上記検出したBSのプリアンブルから上記BSのプリアンブル受信SINRを測定し、上記BSのプリアンブル受信SINRからBS―RS間リンクのデータ転送率を決め、S305ステップに進む。上記S305ステップにおいて、上記RSは周辺の他のRSのプリアンブルを検出した後、S307ステップに進む。上記S307ステップにおいて、上記RSは上記検出した他のRSのプリアンブルから上記他のRSのプリアンブル受信SINRを測定し、上記他のRSのプリアンブル受信SINRからRS―RS間リンクのデータ転送率を決めた後、S309ステップに進む。次に、上記S309ステップにおいて、上記RSは上記他のRSのプリアンブルに含まれた情報データ値から上記他のRSから上記BSまでの最適経路に関する有効データ転送率を取り込んだ後、S311ステップに進む。
【0083】
上記S311ステップにおいて、上記RSは各経路の有効転送率を上記式1または式2を用いて計算した後、S313ステップに進む。上記S313ステップにおいて、上記RSは上記S311ステップで得られた上記計算値に基づいて最適の経路を選択する。次いで、S315ステップにおいて、上記RSはBSに上記選択した最適経路の情報、例えば、RSの副チャンネルインデックス、直交コードインデックス、受信SINRなどを報告した後、S317ステップに進む。上記S317ステップにおいて、上記RSは上記BSから最終的に決められた最適経路を指示される。このとき、前述したように、上記S317ステップは、システムの設計によって省略することもできる。
【0084】
次いで、S319ステップにおいて、上記RSは上記選択した最適経路の有効転送率に対応するRSのプリアンブルの情報データインデックスを決めた後、S321ステップに進む。上記S321ステップにおいて、上記RSは上記決められたRSのプリアンブルの情報データインデックスに相応するRSのプリアンブルを生成した後、ブロードキャスティング形態で転送する。
【0085】
図4は、本発明の実施の形態による機能を行うためのMSの動作過程を概略的に示す図である。
【0086】
上記図4を参照すれば、まず、上記MSの動作は大きくBSのプリアンブル処理過程(S401ステップ、S403ステップ)、RSのプリアンブル処理過程(S405ステップ乃至S409ステップ)、最適経路選択過程(S411ステップ、S413ステップ)、BS報告過程(S415ステップ)、BS確認過程(S417ステップ)とに分けることができる。
【0087】
このとき、上記MSは、上記図3に示した上記RSと同じリレー機能を行わない。ゆえに、上記図4に示したように、上記MSの全動作過程は、上記RSにおける動作のうち、RSのプリアンブルを生成し転送するステップを除いては、上記図3に示したRSの動作と類似していることが分かる。即ち、上記図3と同様に、上記S401ステップと上記S403ステップでは、BSのプリアンブルを処理し、上記S405ステップから上記S409ステップまでの間RSのプリアンブルを処理する。次いで、上記S411ステップとS413ステップにおいて最適の経路を選択し、該選択された経路情報を上記S415ステップにおいてBSに報告する。最後に、上記S417ステップにおいて、上記MSは上記BSから最終的に決められた最適経路を指示される。ここで、上記S417ステップは、システムの設計によって省略することもできる。
【0088】
詳述すれば、上記図4に示すように、上記S401ステップにおいて、MSはBSのプリアンブルを検出した後、S403ステップに進む。上記S403ステップにおいて、上記MSは上記検出したBSのプリアンブルから上記BSのプリアンブル受信SINRを測定し、該BSのプリアンブル受信SINRからBS―MS間リンクのデータ転送率を決めた後、S405ステップに進む。上記S405ステップにおいて、上記MSは自分周辺のRSのプリアンブルを検出した後、S407ステップに進む。上記S407ステップにおいて、上記MSは上記検出したRSのプリアンブルからRSのプリアンブル受信SINRを測定し、該RSのプリアンブル受信SINRからRS―MS間リンクのデータ転送率を決めた後、S409ステップに進む。次いで、上記S409ステップにおいて、上記MSは上記RSのプリアンブルに含まれた情報データ値から上記RSから上記BSまでの最適経路に関する有効データ転送率を取り込んだ後、S411ステップに進む。
【0089】
上記S411ステップにおいて、上記MSは各経路の有効転送率を上記式1または式2を用いて計算した後、S413ステップに進む。上記S413ステップにおいて、上記MSは上記S411ステップにおいて上記計算された計算値に基づいて最適の経路を選択する。次いで、S415ステップにおいて、上記MSはBSに上記選択した最適経路の情報、例えば、RSの副チャンネルインデックス、直交コードインデックス、受信SINRなどを報告した後、S417ステップに進む。上記S417ステップにおいて、上記MSは上記BSから最終的に決められた最適経路を指示される。このとき、前述したように、上記S417ステップは、システムの設計によって省略することもできる。
【0090】
前述したように、本発明では、マルチホップリレー携帯電話網においてメッセージ負荷量を最小化しながら最適の経路を選択することができるルーティング方法を提案する。即ち、RSは、周辺のMSに自分の存在を認識させるためにプリアンブルを転送し、また上記RSのプリアンブル中にBSまでの最適経路状態を示す情報を一緒に含ませて転送する。そうすると、上記RSのプリアンブルを受信したMSでは、上記RSを認知するのみならず、上記RSから上記BSに接続される経路のチャンネル状態値も分かるようになる。
【0091】
従って、上記MSは上記RSのプリアンブル検出により上記MSから上記RSを経て上記BSに接続されるマルチホップ経路のチャンネル状態値を予測することができ、このような方法により上記MSは最適のRSを決めることができる。上記MSは、上記決められた最適のRS情報のみを上記BSに転送することにより、上記MSのメッセージ報告量を最小化しながら同時に最適の経路を見つけ出すことができるようになる。
【0092】
以上、本発明の詳細な説明では、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内で各種の変形が可能であることは言うまでもない。ゆえに、本発明の範囲は、説明された実施の形態に限られてはいけなく、特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものなどによって決められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1A】一般的なRS受信信号基盤の報告方式による問題点を説明するために概略的に示す図である。
【図1B】一般的なRS受信信号基盤の報告方式による問題点を説明するために概略的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態によるマルチホップリレー方式を支援するOFDMA/TDDシステムにおけるフレーム構造を概略的に示す図である。
【図3】本発明の実施の形態による機能を行うためのRSの動作過程を概略的に示す図である。
【図4】本発明の実施の形態による機能を行うためのMSの動作過程を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0094】
110:MS
120:RS1
130:RS2
140:BS
160:RS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網におけるルーティング方法であって、
前記移動端末とその周辺の少なくとも一つ以上の中継器が基地局とのリンク品質を測定してリンク品質情報を生成し、該リンク品質情報を前記移動端末に転送する過程と、
前記移動端末が、前記中継器のリンク品質情報を受信して最適の経路を選択し、該選択された最適の経路情報を前記基地局に転送する過程と、を含むことを特徴とするルーティング方法。
【請求項2】
前記基地局が、前記移動端末が送信した最適の経路情報を受信すれば、該受信に応じて基地局―中継器―移動端末間の最適の経路を決め、該最適の経路を前記移動端末に転送する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項3】
前記最適の経路情報は、該最適の経路に基づいて予め決められた最適の経路を有する少なくとも一つの中継器情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項4】
前記中継器のリンク品質情報生成は、基地局または周辺の少なくとも一つ以上の中継器のプリアンブル信号を用いて受信信号強度を測定し、該受信信号強度の測定を通じてチャンネル品質値を予測してリンク品質情報を生成する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項5】
前記中継器のリンク品質情報生成は、基地局または周辺の中継器のパイロット信号を用いて受信信号強度を測定し、該受信信号強度の測定を通じてチャンネル状態値を予測してリンク品質情報を生成する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項6】
前記リンク品質情報は、前記中継器から前記基地局までの最適の経路情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項7】
前記各中継器が、前記リンク品質情報をプリアンブル信号を通じて前記移動端末に転送する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項8】
前記プリアンブル信号は、当該中継器の識別字情報をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のルーティング方法。
【請求項9】
前記各中継器が、前記リンク品質情報をパイロット信号を通じて前記移動端末に転送する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項10】
前記移動端末が、前記リンク品質情報受信による信号対干渉ノイズ比を測定し、前記移動端末と前記各中継器との間のリンク品質を予測する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項11】
前記移動端末が、前記リンク品質情報受信による受信信号強度指示子を測定し、前記移動端末と前記各中継器との間のリンク品質を予測する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項12】
前記移動端末が、前記リンク品質情報受信を通じて当該移動端末自分から接続される前記各中継器及び前記基地局とのマルチホップ経路のチャンネル状態値を獲得することを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項13】
前記中継器が、受信信号強度に応じたMCSレベル値を決め、該決められたMCSレベル値に応じて基地局―中継器間のリンク品質情報値のインデックスを選択し、該選択されたリンク品質情報値のインデックスに応じて前記基地局―中継器間のリンク品質情報値を決めることを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項14】
前記MCSレベル、前記基地局―中継器間のリンク品質情報値のインデックス、及び前記受信信号対干渉ノイズ比が、予め決定されたマッピングテーブルから構成されることを特徴とする請求項13に記載のルーティング方法。
【請求項15】
前記移動端末の最適の経路選択は、
前記リンク品質情報受信による移動端末から前記基地局までの各経路に関する最適経路有効データ転送率を計算する過程と、
前記最適経路有効データ転送率結果に基づいて前記各中継器から基地局までの各経路のうち、最適の経路を選択する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のルーティング方法。
【請求項16】
前記有効データ転送率は、次式1のように計算することを特徴とする請求項15に記載のルーティング方法。
【数1】

(前記式中、Rは、基地局―中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、中継器―移動端末間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局から前記第1中継器を経て移動端末に接続される経路の有効転送率を示す。)
【請求項17】
前記有効データ転送率は、次式2のように計算することを特徴とする請求項15に記載のルーティング方法。
【数2】

(前記式中、Rは、基地局―第1中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、第1中継器―第2中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、第2中継器―移動端末間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局―第1中継器―第2中継器―移動端末の順に接続される経路の有効転送率を示し、Eは、第2中継器における有効転送率を示す。)
【請求項18】
前記有効データ転送率は、次式3のように計算することを特徴とする請求項15に記載のルーティング方法。
【数3】

(前記式中、Rは、第(n―1)中継器―第n中継器間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局―第(n―1)中継器−第n中継器―移動端末の順に接続される経路の有効転送率を示す。)
【請求項19】
移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網における前記中継器のルーティング方法であって、
前記基地局のプリアンブルを検出し、該基地局のプリアンブルの信号対干渉ノイズ比(SINR)から基地局―中継器間リンクのデータ転送率を決める過程と、
周辺の中継器のプリアンブルを検出し、該周辺の中継器のプリアンブル信号対干渉ノイズ比(SINR)から各中継器同士の中継器―中継器間リンクのデータ転送率を決める過程と、
前記周辺の中継器のプリアンブルに含まれた情報データから前記各中継器から前記基地局までの各経路に関する最適経路有効データ転送率を計算する過程と、
前記最適経路有効データ転送率結果に基づいて前記各中継器から基地局までの各経路のうち最適の経路を選択し、該選択された最適経路情報を前記基地局に報告する過程と、
前記基地局への報告後、中継器自分のプリアンブルを特定のシーケンスに生成し転送する過程と、を含むことを特徴とするルーティング方法。
【請求項20】
前記基地局への最適経路情報の報告後、前記基地局から最終的な最適経路情報を指示される過程をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載のルーティング方法。
【請求項21】
前記プリアンブルを生成し転送する過程では、前記最適経路の有効データ転送率に応じた中継器プリアンブルの情報データインデックスを決め、該決められた情報データインデックスに応じて中継器プリアンブルを生成し転送することを特徴とする請求項19に記載のルーティング方法。
【請求項22】
前記プリアンブルシーケンスは、擬似ノイズコードと直交コードの少なくとも一つを含み、
前記プリアンブルとして用いられる各サブ搬送波は、当該擬似ノイズコード値または直交コード値を含むか、或いは前記擬似ノイズコード値と当該直交コード値との積を含むことを特徴とする請求項19に記載のルーティング方法。
【請求項23】
前記中継器のプリアンブルに含まれる基地局―中継器間リンクの品質情報値決定方法において、
前記基地局のプリアンブルを用いて前記基地局から受信される信号強度を測定する過程と、
前記測定された信号強度を用いて前記基地局とのチャンネル状態値を取り込み、該取り込んだチャンネル状態値を前記基地局に報告する過程と、
システム設定によるマッピングテーブルを用いて前記基地局の受信信号対干渉ノイズ比に応じたMCSレベル値を決め、該決められたMCSレベル値に対応する基地局―中継器間のリンク品質情報値のインデックスを選択する過程と、
前記MCSレベル値及び前記リンク品質情報値のインデックスを用いて中継器自分のプリアンブルを通じて転送する基地局―中継器間のリンク品質情報値を決める過程と、を含むことを特徴とする請求項19に記載のルーティング方法。
【請求項24】
前記中継器は、前記基地局から前記マッピングテーブルを予め転送されることを特徴とする請求項19に記載のルーティング方法。
【請求項25】
前記有効データ転送率は、次式4のように計算することを特徴とする請求項19に記載のルーティング方法。
【数4】

(前記式中、Rは、基地局―第1中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、第1中継器―第2中継器間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局から前記第1中継器を経て第2中継器に接続される経路の有効転送率を示す。)
【請求項26】
前記有効データ転送率は、次式5のように計算することを特徴とする請求項19に記載のルーティング方法。
【数5】

(前記式中、Rは、基地局―第1中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、第1中継器―第2中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、第2中継器―第3中継器間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局―第1中継器―第2中継器―第3中継器の順に接続される経路の有効転送率を示し、Eは、第2中継器における有効転送率を示す。)
【請求項27】
前記有効データ転送率は、次式6のように計算することを特徴とする請求項19に記載のルーティング方法。
【数6】

(前記式中、Rは、第(n―1)中継器―第n中継器間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局―第(n―1)中継器―第n中継器の順に接続される経路の有効転送率を示す。)
【請求項28】
前記中継器が、前記有効転送率の計算により選択される周辺の中継器の識別子及び前記中継器識別子に相当する中継器プリアンブルサブチャンネルインデックス、直交コードインデックス、及び中継器の受信信号対干渉ノイズ比を前記基地局に報告することを特徴とする請求項17に記載のルーティング方法。
【請求項29】
前記中継器が、前記有効データ転送率値に基づいて上位有効データ転送率値を有する予め決められた少なくとも一つの周辺の中継器情報を前記基地局に報告することを特徴とする請求項17に記載のルーティング方法。
【請求項30】
前記基地局に報告される周辺の中継器の個数は、前記基地局によって予め決められることを特徴とする請求項17に記載のルーティング方法。
【請求項31】
移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網における前記移動端末のルーティング方法であって、
前記基地局のプリアンブルを検出し、該基地局のプリアンブル信号対干渉ノイズ比(SINR)から基地局―中継器間リンクのデータ転送率を決める過程と、
前記中継器のプリアンブルを検出し、該中継器のプリアンブル信号対干渉ノイズ比(SINR)から各中継器との中継器―移動端末間リンクのデータ転送率を決める過程と、
前記中継器のプリアンブルに含まれた情報データから前記各中継器から前記基地局までの各経路に関する最適経路有効データ転送率を計算する過程と、
前記最適経路有効データ転送率結果に基づいて前記各中継器から基地局までの各経路のうち最適の経路を選択し、該選択された最適経路情報を前記基地局に報告する過程と、を含むことを特徴とするルーティング方法。
【請求項32】
前記基地局への最適経路情報の報告後、前記基地局から最終的な最適経路情報を指示される過程をさらに含むことを特徴とする請求項31に記載のルーティング方法。
【請求項33】
前記移動端末が、前記有効データ転送率値に基づいて上位有効データ転送率値を有する予め決められた少なくとも一つの中継器情報を前記基地局に報告することを特徴とする請求項31に記載のルーティング方法。
【請求項34】
前記移動端末が報告する中継器の個数は、前記基地局において予め決めることを特徴とする請求項31に記載のルーティング方法。
【請求項35】
前記有効データ転送率は、次式7のように計算することを特徴とする請求項31に記載のルーティング方法。
【数7】

(前記式中、Rは、基地局―中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、中継器―移動端末間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局から前記第1中継器を経て移動端末に接続される経路の有効転送率を示す。)
【請求項36】
前記有効データ転送率は、次式8のように計算することを特徴とする請求項31に記載のルーティング方法。
【数8】

(前記式中、Rは、基地局―第1中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、第1中継器―第2中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、第2中継器―移動端末間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局―第1中継器―第2中継器―移動端末の順に接続される経路の有効転送率を示し、Eは、第2中継器における有効転送率を示す。)
【請求項37】
前記有効データ転送率は、次式9のように計算することを特徴とする請求項31に記載のルーティング方法。
【数9】

(前記式中、Rは、第(n―1)中継器―第n中継器間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局―第(n―1)中継器―第n中継器−移動端末の順に接続される経路の有効転送率を示す。)
【請求項38】
移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網におけるルーティング装置であって、
前記基地局とのリンク品質を測定してリンク品質情報を生成し、該リンク品質情報を前記移動端末に転送する少なくとも一つの中継器を含むことを特徴とするルーティング装置。
【請求項39】
前記中継器が、基地局または周辺の中継器のプリアンブル信号を用いて受信信号強度を測定し、前記受信信号強度の測定を通じてチャンネル状態値を予測してリンク品質情報を生成することを特徴とする請求項38に記載のルーティング装置。
【請求項40】
前記中継器が、基地局または周辺の中継器のパイロット信号を用いて受信信号強度を測定し、該受信信号強度の測定を通じてチャンネル状態値を予測してリンク品質情報を生成することを特徴とする請求項39に記載のルーティング装置。
【請求項41】
前記リンク品質情報が、前記基地局までの最適の経路情報を含むことを特徴とする請求項39に記載のルーティング装置。
【請求項42】
前記中継器が、前記リンク品質情報をプリアンブル信号またはパイロット信号の少なくとも一つを用いて前記移動端末に転送することを特徴とする請求項39に記載のルーティング装置。
【請求項43】
前記中継器が、受信信号強度に応じたMCSレベル値を決め、該決められたMCSレベル値に応じて基地局―中継器間リンクの品質情報値のインデックスを選択し、該選択されたリンク品質情報値のインデックスに応じて前記基地局―中継器間リンクの品質情報値を決めることを特徴とする請求項39に記載のルーティング装置。
【請求項44】
前記MCSレベル、前記基地局―中継器間リンクの品質情報値のインデックス、及び前記受信信号対干渉ノイズ比が、予め決定されたマッピングテーブルから構成されることを特徴とする請求項43に記載のルーティング装置。
【請求項45】
移動端末と、基地局と、少なくとも一つ以上の中継器とを含むマルチホップリレー携帯電話網におけるルーティング装置であって、
前記中継器から基地局とのリンク品質の測定により生成されたリンク品質情報を受信し、該リンク品質情報を用いて前記基地局との最適の経路を選択し、該選択された最適の経路情報を前記基地局に転送する移動端末を含むことを特徴とするルーティング装置。
【請求項46】
前記移動端末が、前記リンク品質情報受信による信号対干渉ノイズ比または受信信号強度指示子のうち一つを測定し、前記移動端末と前記各中継器間のリンク品質を予測することを特徴とする請求項45に記載のルーティング装置。
【請求項47】
前記移動端末が、前記リンク品質情報受信を通じて前記移動端末自分から接続される前記中継器及び前記基地局とのマルチホップ経路のチャンネル状態値を獲得することを特徴とする請求項45に記載のルーティング装置。
【請求項48】
前記移動端末が、前記リンク品質情報受信による移動端末から前記基地局までの各経路に関する最適経路有効データ転送率を計算し、前記最適経路有効データ転送率結果に基づいて前記各中継器から基地局までの各経路のうち最適の経路を選択することを特徴とする請求項45に記載のルーティング装置。
【請求項49】
前記有効データ転送率は、次式10のように計算することを特徴とする請求項48に記載のルーティング装置。
【数10】

(前記式中、Rは、基地局―中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、中継器―移動端末間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局から前記第1中継器を経て移動端末に接続される経路の有効転送率を示す。)
【請求項50】
前記有効データ転送率は、次式11のように計算することを特徴とする請求項48に記載のルーティング装置。
【数11】

(前記式中、Rは、基地局―第1中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、第1中継器―第2中継器間リンクのデータ転送率を示し、Rは、第2中継器―移動端末間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局―第1中継器―第2中継器―移動端末の順に接続される経路の有効転送率を示し、Eは、第2中継器における有効転送率を示す。)
【請求項51】
前記有効データ転送率は、次式12のように計算することを特徴とする請求項48に記載のルーティング装置。
【数12】

(前記式中、Rは、第(n―1)中継器―第n中継器間リンクのデータ転送率を示し、Eは、基地局―第(n―1)−第n中継器−中継器―移動端末の順に接続される経路の有効転送率を示す。)

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−352894(P2006−352894A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169042(P2006−169042)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】