説明

マルチメディアサーバ

【課題】マルチメディアファイルを効率よくカテゴリー分けすることが可能なマルチメディアサーバを提供する。
【解決手段】マルチメディアサーバは、デジタルテレビに接続可能なマルチメディアサーバであって、外部デバイスからマルチメディアファイルをインポートするファイルインポート手段と、インポートされたマルチメディアファイルを蓄積するストレージ手段と、ストレージ手段に蓄積されたマルチメディアファイルを再生するファイル再生手段と、ストレージ手段に蓄積されたマルチメディアファイルをフォルダ別に管理するファイルデータベースと、インポートされたマルチメディアファイルの作成年月日データを取得し、当該作成年月日の月に関連づけられた定型フォルダ名のリストを表示し、当該リストの中から選択された一の定型フォルダ名をインポートされたマルチメディアファイルの保存先フォルダ名として設定するフォルダ設定手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチメディアサーバに関し、特に、動画、静止画、並びに、音楽の再生及び管理に特化した小型で操作性の高いマルチメディアサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルコンテンツの普及により、個人が大量のデジタルコンテンツを保有し管理する時代となっている。通常、これらのデジタルコンテンツの管理はパソコンで行われるが、パソコンは汎用性が極めて高い反面、デジタルコンテンツの管理を簡単に行うことはできない。
【0003】
パソコンを用いたデジタルコンテンツの管理に関しては、例えば特許文献1に記載のように、ストレージを共有することにより、同一コンテンツにアクセスが集中した場合でも最小限のコピーでサービス可能なストレージ共有型分散マルチメディアサーバシステムが提案されている。また、特許文献2には、複数のディスクドライブを備え、これら各ディスクドライブ(に装着されている記憶媒体)にデータを分散して格納することで、並列アクセスを可能としてアクセスの高速化を図ったマルチメディアサーバ用ディスクアレイ装置が開発されている。
【特許文献1】特開平10−134485号公報
【特許文献2】特開平10−133828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、動画、静止画等のマルチメディアファイルには、そのファイルが作られたときのデータとして、年月日や時刻のデータが付与される。例えば、デジタルカメラ等で撮影された静止画ファイルには、その静止画が撮影された日時として「2008/02/11 11:37」といったデータが付与される。また、ファイル名がそのような日時データを含んでいることも多い。しかしながら、このファイルをそのままマルチメディアサーバに取り込んだとしても、手がかりが日付や時刻しかないため、後日、見たいファイルを検索しようとしても検索に手間がかかり、見たいコンテンツになかなかたどり着くことができないという問題がある。このような問題は、蓄積ファイル数が膨大になってくるとより顕著になる。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、マルチメディアファイルを効率よくカテゴリー分けすることが可能なマルチメディアサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明によるマルチメディアサーバは、デジタルテレビに接続可能なマルチメディアサーバであって、外部デバイスからマルチメディアファイルをインポートするファイルインポート手段と、インポートされたマルチメディアファイルを蓄積するストレージ手段と、ストレージ手段に蓄積されたマルチメディアファイルを再生するファイル再生手段と、ストレージ手段に蓄積されたマルチメディアファイルをフォルダ別に管理するデータベースと、インポートされたマルチメディアファイルの作成年月日データを取得し、当該作成年月日の少なくとも月に関連づけられた定型フォルダ名のリストを表示し、当該リストの中から選択された一の定型フォルダ名をインポートされたマルチメディアファイルの保存先フォルダ名として設定するフォルダ設定手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、マルチメディアファイルとは、動画ファイル、静止画ファイル、音楽ファイル又はこれらの複合ファイルであって、ファイルフォーマットは特に限定されないが、動画であればmpgファイル、aviファイル等を挙げることができ、静止画であればbmpファイル、jpgファイル、gifファイル等を挙げることができ、音楽ファイルであればwavファイル、mp3ファイル、aacファイル、oggファイル、midファイルを挙げることができる。
【0008】
本発明によれば、マルチメディアファイルが作成された時期から見て適切であろうと思われるいくつかの定型フォルダ名の候補の中から最もふさわしいフォルダ名を選択することができ、インポートファイルのフォルダ名を容易に設定することができる。したがって、デジタルコンテンツの管理が容易となり、再生したいマルチメディアファイルを容易に見つけることができる。
【0009】
本発明において、フォルダ設定手段は、定型フォルダ名と共に、定型フォルダ名に関連づけられたアイコンイメージをインポートされたマルチメディアファイルの保存先フォルダのアイコンイメージとして設定することが好ましい。この場合において、フォルダ設定手段は、定型フォルダ名と共に、前記定型フォルダ名に関連づけられた複数のアイコンイメージを表示し、当該複数のアイコンイメージの中から選択された一のアイコンイメージを前記インポートされたマルチメディアファイルの前記保存先フォルダのアイコンイメージとして設定することが特に好ましい。これによれば、マルチメディアファイルの作成年月日から見て適切であろうと思われるいくつかのアイコンイメージの候補の中から最もふさわしいアイコンイメージをフォルダ名と一緒に設定することができる。したがって、デジタルコンテンツの管理がさらに容易となり、再生したいマルチメディアファイルを容易に見つけることができる。
【0010】
本発明によるマルチメディアサーバは、データベースに登録されているフォルダのフォルダ名及びアイコンイメージを含む再生リストを表示する再生リスト表示手段をさらに備え、再生手段は、再生リスト表示手段による再生リストの中から選択されたフォルダに保存されているマルチメディアファイルを再生することが好ましい。これによれば、フォルダ名及びアイコンイメージを手がかりにして、再生したいファイルを容易に見つけることができる。
【0011】
本発明において、フォルダ設定手段は、作成年月日の少なくとも月に関連づけられた定型フォルダ名のリストと共に、登録されているすべての定型フォルダ名のリストをさらに表示することが好ましい。これによれば、月別フォルダリスト中に適切なフォルダ名がない場合であっても、全フォルダリストの中から適切なフォルダ名を選択することができるので、より利便性の高いシステムを提供することができる。
【0012】
本発明において、インポート手段は、外部デバイス内のマルチメディアファイルを自動的にインポートする自動インポート手段と、外部デバイス内のマルチメディアファイルのうちユーザが選択したものをインポートする手動インポート手段を含むことが好ましい。ここで「自動的にインポートする」とは、外部デバイスが接続されたことに応答して所定のマルチメディアファイルの検索を開始し、検索されたマルチメディアファイルをインポートすることを意味する。これによれば、インポート方法の選択肢を広げることができ、より利便性の高いシステムを実現することができる。
【0013】
本発明によるマルチメディアサーバは、文字入力手段をさらに備えることが好ましく、フォルダ設定手段は、文字入力手段から直接入力された文字列をマルチメディアファイルの保存先フォルダ名として設定することが好ましい。月別フォルダリストや全フォルダリストの中に適切なフォルダ名がない場合であっても、文字入力手段からフォルダ名を直接入力することで、インポートするマルチメディアファイルにふさわしい名前を付与することができる。したがって、デジタルコンテンツの管理がさらに容易となり、再生したいマルチメディアファイルを容易に見つけることができる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明によれば、外部デバイスからマルチメディアファイルをインポートする際、当該マルチメディアファイルの保存先フォルダのフォルダ名及びそのアイコンイメージを月別に分類された定型フォルダ名リストの中から選択し、設定することができるので、デジタルコンテンツの管理が容易となり、再生したいマルチメディアファイルを容易に見つけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるマルチメディアサーバシステムの構成を示す略ブロック図である。
【0017】
図1に示すように、このマルチメディアサーバシステム10は、マルチメディアファイルの再生及び管理を行うマルチメディアサーバ11と、家庭内LAN13を介してマルチメディアサーバ11に接続されたタンクサーバ14とを備えている。マルチメディアサーバ11はデジタルハイビジョンテレビ12に接続できる機能を備えている。その機能は、例えば、HDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルを接続できる端子であってもよく、無線LANであってもよい。無線LANの場合、IEEE802.11a/b/g又はIEEE802.11nであってもよく、また非圧縮でデータを送ることができるWHDI(Wireless High-Definition Interface)であってもよい。家庭内LAN13はブロードバンドルータ15等のホームゲートウェイを介してインターネット16に接続されている。インターネット16上には、マルチメディアサーバ11内のファームウェアやアプリケーションプログラムを提供するサポートセンタ17、デジタルコンテンツ自身或いはデジタルコンテンツのタグ情報を提供するコンテンツプロバイダ18等が存在している。通常、家庭内LAN13にはパソコン19が接続されているが、このパソコン19からマルチメディアサーバ11やタンクサーバ14にアクセスすることも可能である。なお、この家庭内LANはケーブル接続でもよいが、IEEE802.11a/b/g、IEEE802.11n等の無線LANで構成することもできる。
【0018】
図2は、本発明の好ましい実施形態によるマルチメディアサーバ11の外観構造を示す図であって、(a)はフロントパネル側の斜視図、(b)はバックパネル側の斜視図である。
【0019】
図2(a)及び(b)に示すように、マルチメディアサーバ11は、横置きボックス型の小型でシンプルな構造となっている。したがって、大型なデジタルハイビジョンテレビ12の周囲の手狭なスペースにも設置が可能である。
【0020】
図2(a)に示すように、マルチメディアサーバ11の筐体のフロントパネルには電源スイッチボタン21、赤外線受光パネル23、メモリカードスロット24、USB(Universal Serial Bus)端子25aが設けられている。電源スイッチボタン21はLED表示部を構成しており、このLEDの点減状態によって電源の投入状態や動作状態の確認が可能である。マルチメディアサーバ11には赤外線リモコン26が付属しており、赤外線受光パネル23はリモコン26からのコマンド信号を受信することができる。メモリカードスロット24は、SDカード(登録商標)等の各種メモリカードのための専用スロットである。USB端子25aはUSBケーブルを介してデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のUSBデバイス(外部デバイス)を接続可能である。
【0021】
図2(b)に示すように、マルチメディアサーバ11の筐体のバックパネルには主電源スイッチ22、LANポート27、HDMI端子28、コンポジットビデオ端子29a、ステレオオーディオ端子29b、S-Video端子29c、SPDIF端子29d、USB端子25b等の各種端子が設けられている。マルチメディアサーバ11はLANポート27を介してLAN13に接続可能である。また、マルチメディアサーバ11はHDMI端子28に接続されたHDMIケーブル28a(図1参照)を介してデジタルハイビジョンテレビ(ディスクプレイ)12に接続可能である。
【0022】
図3は、マルチメディアサーバ11の内部構成を示す略ブロック図である。
【0023】
図3に示すように、マルチメディアサーバ11は、CPU31、メモリ32、グラフィックプロセッサ33、オーディオプロセッサ34、ハードディスクドライブ35、ネットワークインターフェース36、無線ネットワークインターフェース37、USBインターフェース38、メモリカードスロット39を備えている。マルチメディアサーバ11では専用OSが使用されるのでCPU31の負荷が少なく、よってパソコンよりも低スペックのCPUを使用することができる。
【0024】
ハードディスクドライブ35にはマルチメディアファイルが格納されるほか、マルチメディアファイルを管理するためのデータベースも記録されている。さらに、ハードディスクドライブ35にはマルチメディアサーバ11の動作に必要なOS等のファームウェアも記録されており、これらは電源投入時にロードされる。ハードディスクドライブ35はできるだけ大容量であることが好ましく、例えば300〜500GB程度の記録容量を有している。本実施形態のマルチメディアサーバ11は有線によるネットワークインターフェース36のみならず無線ネットワークインターフェース37を有しているため、有線LANを介したネットワーク接続の他、無線LAN接続も可能である。特に、デジタルカメラやデジタルビデオカメラが無線LANに対応している場合には、無線LAN経由でのデータの受け渡しも可能である。
【0025】
図4は、マルチメディアサーバ11の機能ブロック図である。
【0026】
図4に示すように、マルチメディアサーバ11は、図3に示したハードウェアとソフトウェアとの協働によって、外部デバイスからマルチメディアファイルをインポートするファイルインポート手段41と、インポートされたマルチメディアファイルを蓄積するストレージ手段42と、ストレージ手段42に蓄積されたマルチメディアファイルを再生するファイル再生手段43と、ストレージ手段42に蓄積されたマルチメディアファイルを管理するデータベース44と、インポートされたマルチメディアファイルの保存先フォルダのフォルダ名及びアイコンイメージを設定するフォルダ設定手段45と、フォルダ名及びアイコンイメージを含む再生リストを表示する再生リスト表示手段46を構成している。
【0027】
ファイルインポート手段41は、外部デバイス内のマルチメディアファイルを自動的にインポートする自動インポート機能と、外部デバイス内のマルチメディアファイルのうちユーザが選択したものをインポートする手動インポート機能を有している。ファイル再生手段43は、再生リスト表示手段46上で選択された任意のフォルダ内のマルチメディアファイルを順次再生することができる。
【0028】
フォルダ設定手段45は、インポートされたマルチメディアファイルの作成年月日データを取得し、当該作成年月日の「月」に関連づけられた定型フォルダ名のリスト(「月別フォルダリスト」という)を表示する機能と、登録されているすべての定型フォルダ名のリスト(「全フォルダリスト」という)を表示する機能を有しており、ユーザは複数の定型フォルダ名の中から適切なフォルダ名を選択することができる。定型フォルダ名の選択は、赤外線リモコン26の操作により行うことができる。
【0029】
さらに、フォルダ設定手段45は、定型フォルダ名に関連づけられたアイコンイメージを表示する機能を有している。ユーザは複数のアイコンイメージの中から選択された一のアイコンイメージを選択することができ、フォルダ設定手段45はこのアイコンイメージをインポートファイルの保存先フォルダのアイコンイメージとして設定する。
【0030】
マルチメディアサーバ11は、ソフトウェアキーボード等の文字入力手段47を備えており、フォルダ設定手段45は、文字入力手段47から直接入力された文字列をインポートファイルの保存先フォルダ名として設定する機能を有している。よって、ユーザは、保存先フォルダ名に任意の文字列を設定することができる。
【0031】
本実施形態のマルチメディアサーバシステム10が取り扱うマルチメディアファイルは主として動画、静止画(写真)、及び音楽の3種類である。これらのファイルサイズは通常でも非常に大きいが、高品質になるほどさらに大きくなるという性質を有している。マルチメディアサーバ11は、これらのマルチメディアファイルを管理するためのデータベース44を有している。データベース44で管理されるマルチメディアファイルの情報は、コンテンツのインポート時に当該コンテンツから抽出されるか、或いはインターネット16上のコンテンツプロバイダ18にアクセスして取得されるか、或いは、ユーザの直接入力により取得されるものである。
【0032】
図5は、データベースで管理されるマルチメディアファイルの情報を示す表である。
【0033】
図5に示すように、マルチメディアファイルの情報は、大きく4種類に大別することができる。「インポート情報」51、「コンテンツ情報」52、「再生情報」53、及び「付加情報」54である。このうち、「インポート情報」51は、マルチメディアファイルのインポート時に得られる情報であり、実際のファイル名を示す「ファイル名」51a、マルチメディアサーバ11内(或いはタンクサーバ14内)のマルチメディアファイルの格納位置を示す「格納場所」51b、実際のファイルサイズを示す「サイズ」51c、及びマルチメディアファイルをインポートした年月日及び時刻を示す「インポート日時」51dである。
【0034】
「コンテンツ情報」52としては、「コンテンツタイプ」52a、「プロファイル」52b、「解像度」52c、「長さ」52d、「ビットレート」52e、「タイトル名」52f、「アーティスト名」52g、「アルバム名」52h、「ジャンル」52i、「作成年月日」52jを挙げることができる。「コンテンツタイプ」52aは、動画、静止画、又は音楽のいずれかを示す情報であり、「プロファイル」52bはファイルのフォーマット情報(MP3、WMA、WMV等)を示す情報である。また、「解像度」52cは、動画、静止画における品質情報であり、「長さ」52dは、動画、音楽における時間情報であり、「ビットレート」52eは、動画、音楽における品質情報である。また、「タイトル名」52f、「アーティスト名」52g、「アルバム名」52h、「ジャンル」52i、「作成年月日」52jは、いわゆるマルチメディアファイルのタグ情報である。
【0035】
「再生情報」53としては、「再生回数」53aと「再生開始位置」53bを挙げることができる。「再生回数」53aはユーザがコンテンツを再生した回数を示すものであり、「再生開始位置」53bは前回再生の途中で再生が中断された場合時間軸の再生位置情報である。つまり、レジューム機能で使用される再生再開時間位置情報であり、主として動画で使用されるものである。
【0036】
また、「付加情報」54としては、「お気に入りランキング」54aを挙げることができる。「お気に入りランキング」54aは、ユーザによるコンテンツの評価を例えば5段階で示したものであり、ユーザが任意に設定できる項目である。
【0037】
これらの情報はマルチメディアファイルごとに管理されるべき情報であり、データベース44に記録され、適時更新されるものである。
【0038】
マルチメディアファイルは所定の格納場所51bに格納されており、フォルダ単位で管理されている。フォルダ名はユーザが自由に設定することができ、またフォルダのアイコンイメージも設定することができる。フォルダ名の定型文やアイコンイメージのひな型は、データベースに登録されており、ユーザはデータベース44から好きなものを選択して設定することができる。
【0039】
図6は、定型フォルダ名及びアイコンイメージを管理するためのデータベースの一例を示す表である。
【0040】
図6に示すように、データベースには、「ID」61、「定型フォルダ名」62、「アイコンイメージ1」63、「アイコンイメージ2」64、「関連月」65等が登録されている。ID61は定型フォルダ名62を一意に特定するためのコードであり、定型フォルダ名62、アイコンイメージ63,64及び関連月65はID61に関連づけされている。ID61と定型フォルダ名62が一対一の関係であるのに対し、ID61とアイコンイメージとは一対多の関係にあり、一つのIDに対して複数のアイコンイメージ63,64が関連している場合がある。例えば、図6において、定型フォルダ名「お正月」には2つのアイコンイメージが登録されている。定型フォルダ名62は1〜12月の各月(季節)と関連づけされている。例えば、定型フォルダ名「お正月」や「成人式」は1月に関連しており、「バレンタインデー」は2月に関連しており、「スキー」は1〜3月に関連している。季節と関係があるこれらの定型フォルダ名は、「月別フォルダリスト」から選択することができる。
【0041】
図7は、月別フォルダリストの一例である。
【0042】
図7に示すように、月別フォルダリストには1〜12月の各月に関連する定型フォルダ名が登録されている。例えば、1月には「お正月」、「成人式」、「スキー」といったフォルダ名が登録されており、2月には「バレンタインデー」、「節分」「スキー」といったフォルダ名が登録されている。「スキー」は1〜3月のすべてに関連があることから、1月、2月及び3月に登録されている。
【0043】
定型フォルダ名の中には月別フォルダリストに属さないものも存在する。例えば、「法事」、「孫」、「息子」、「娘」、「パーティー」等のキーワードは、季節とは無関係であるので、月別フォルダリストには登録されていない。季節と無関係なこれらの定型フォルダ名は、月別フォルダリストではなく「全フォルダリスト」から選択することができる。
【0044】
次に、図8のフローチャートを参照しながら、マルチメディアサーバ11の動作について詳細に説明する。
【0045】
まず、ビデオカメラ等の外部デバイスがマルチメディアサーバ11接続されると(ステップS11Y)、マルチメディアサーバ11はアクティブになり、ディスプレイ12に「インポート方法選択画面」が表示される(ステップS12)。
【0046】
インポート方法選択画面では、「自動インポート」か「手動インポート」を選択することができる(ステップS13)。「自動インポート」が選択された場合には(ステップS13Y)、ファイルインポート手段41は、外部デバイス内のファイルとマルチメディアサーバ11内に蓄積されているファイルとを比較し、未だインポートされていないマルチメディアファイルが自動的に選択される(ステップS14)。一方、「手動インポート」が選択された場合には(ステップS13N)、ファイルインポート手段41は、外部デバイス内のマルチメディアファイルの一覧が表示されるので(ステップS15)、ユーザは、インポートしたいファイルを自由に選択することができる(ステップS16)。
【0047】
このようにしてインポート対象のファイルが選択されると、次に再生インポート選択画面が表示される。インポートモード選択画面では、コンテンツを再生しながらインポートする「再生インポートモード」にするか、或いはコンテンツを再生せずインポートのみを行う「通常インポートモード」にするかを選択することができる(ステップS17〜S19)。その後、マルチメディアファイルのインポートが開始される。再生インポートモードでは、マルチメディアファイルを再生しながらインポートを行う(ステップS18)。また、通常インポートモードではファイルは再生されず、インポートのみが行われ(ステップS19)、ディスプレイにはインポートの進捗状況を示すプログレスバーが表示される。
【0048】
マルチメディアファイルのインポートが完了すると、次に新規フォルダが作成され(ステップS20)、当該フォルダに関する設定を行うための「フォルダ設定画面」が表示される(ステップS21)。ユーザは、フォルダ設定画面上で「フォルダ名」及び「アイコンイメージ」を選択することができる(ステップS22〜S25)。
【0049】
図9は、フォルダ設定画面の一例を示す模式図である。
【0050】
図9に示すように、フォルダ設定画面90には、「もとの名前」91、「月別フォルダリスト」92、「全フォルダリスト」93、「アイコンイメージ」94が表示される。「もとの名前」91はデフォルトのフォルダ名であり、デフォルトのフォルダ名にはマルチメディアファイルのファイル名の全部又は一部が採用され、マルチメディアファイルが複数ある場合には先頭のファイル名が採用される。通常、外部デバイスがマルチメディアファイルを作成した時点(撮影時)には、ファイル名としてその作成年月日を含む所定のコードがつけられることが多く、このようなコードがそのままデフォルトのフォルダ名として設定される。図9においては、インポートファイルの作成年月日が2008年7月29日であることが分かる。
【0051】
より直感的で分かりやすいフォルダ名に変更したい場合には、「月別フォルダリスト」92又は「全フォルダリスト」93の中からフォルダ名を選択するか(ステップS23)、又は「文字入力」ボタン96をクリックしてソフトウェアキーボードを呼び出し、ソフトウェアキーボードからフォルダ名を直接入力することができる(ステップS24)。以下、フォルダ名の変更について詳細に説明する。
【0052】
フォルダ名は、「月別フォルダリスト」92から選択されることができる。月別フォルダ名リスト92は、図7に示したデータベースに基づいて提供される。月別フォルダリスト92には、インポートファイルの作成年月日のうちの「月」に関連する定型フォルダ名が表示される。同図においては、インポートファイルの作成年月日は"2008.07.29"であるため、7月に関連する行事や事柄である「夏休み」、「海」、「プール」、「山」が表示されており、ユーザはこの中から定型フォルダ名を選択することができる。図9ではカーソル95が「夏休み」に一致した状態となっているが、リモコン26を操作してカーソル95を移動させることにより、任意の定型フォルダ名の選択することができる。
【0053】
フォルダ名はまた、「全フォルダリスト」93から選択することができる。全フォルダリスト93は、図6に示したデータベースに基づいて提供される。全フォルダリスト93には、インポートファイルの作成年月日に関わらず、データベースに登録されているすべての定型フォルダ名が例えばあいうえお順に表示される。同図においては、7月以外の季節に属するイベント(「運動会」、「お正月」)等や、季節とは無関係なイベント(「田舎」、「温泉」等)が表示されており、ユーザはこの中から定型フォルダ名を選択することができる。月別フォルダリスト92及び全フォルダリスト93を一画面に納めることは困難であるため、スクロールバー97を用意し、これを動かすことで適宜表示させている。
【0054】
フォルダ設定画面90には、現在選択されている定型フォルダ名のアイコンイメージ94が表示されている。アイコンイメージ94は、図6に示したデータベースに基づいて提供される。図9においては「夏休み」が選択されているので、夏休みを想起させるアイコンイメージ(麦わら帽子と虫取り網)が表示されている。ここで、リモコンを操作して定型フォルダ名を変更した場合には、アイコンイメージも一緒に変更される。
【0055】
既に説明したように、定型フォルダ名とアイコンイメージとの関係は必ずしも一対一ではなく、一つの定型フォルダ名に対して複数のアイコンイメージが関連づけられていることもある。この場合、アイコンイメージをクリックすることでアイコンイメージが順次入れ替わり、他のアイコンイメージを選択することができる。
【0056】
フォルダ名は上述の「月別フォルダリスト」92や「全フォルダリスト」93から選択できるだけでなく、ユーザ自身がソフトウェアキーボードから入力することができる。例えば、定型フォルダ名として「夏休み」を選択し、そのアイコンイメージが表示された状態で「文字入力」ボタン96をクリックすると、ソフトウェアキーボードが表示される。ユーザが任意のフォルダ名を入力すると、これがインポートファイルの保存先フォルダのフォルダ名となり、アイコンイメージは「夏休み」と同じアイコンイメージ(麦わら帽子と虫取り網)が設定される(ステップS25)。
【0057】
以上のようにして「フォルダ名」及び「アイコンイメージ」の設定が完了すると、複数のマルチメディアファイルはグループ化される。インポートファイルの保存先フォルダには、「フォルダ名」と「アイコンイメージ」が関連づけられるので、後日にそのマルチメディアファイルを再生したい場合には、これらの情報を手がかりにして目的のファイルを速やかに見つけ出すことができる。
【0058】
図10は、再生時に表示される再生リストの画面レイアウトの一例を示す模式図である。
【0059】
図10に示すように、再生リスト100には、再生対象となるマルチメディアファイルがフォルダ別に表示されている。各フォルダ101のフォルダ名103及びアイコンイメージ102はインポート時に設定したものである。具体的には、「お正月」、「ひな祭り」、「誕生日」といったフォルダ名である。図10に示す再生リスト100は、ビデオグループの再生リストであるが、写真グループや音楽グループの再生リストも用意されている。
【0060】
再生リスト100には、「すべてのビデオ」と名付けられたフォルダ101Aも用意されており、全てのマルチメディアファイルの選択は、「すべてのビデオ」フォルダ101Aのアイコンイメージ102をクリックすることで行うことができる。図10ではカーソルが「すべてのビデオ」フォルダ101に一致した状態となっているが、リモコン26を操作してカーソルを移動させることにより、任意のフォルダの選択することができる。各フォルダ101における括弧内の数字104は、フォルダ内に保存されているマルチメディアファイルのファイル数である。ユーザは、これらのフォルダ名103及びアイコンイメージ102からコンテンツ内容を直感的に把握することができるので、再生したいファイルを速やかに見つけ出すことができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、外部デバイス内のマルチメディアファイルをインポートする際、当該マルチメディアファイルの保存先フォルダのフォルダ名及びそのアイコンイメージを月別に分類された定型フォルダ名リストの中から選択的に設定することができるので、デジタルコンテンツの管理が容易となり、再生したいマルチメディアファイルを容易に見つけることができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、月別フォルダリストと共に全フォルダリストを表示し、全フォルダリストからも定型フォルダ名及びアイコンイメージを選択できるようにしたので、月別フォルダリストに適切な定型フォルダ名がないような場合でも、簡単な操作で定型フォルダ名及びアイコンイメージを容易に選択することができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、月別フォルダリストや全フォルダリストによる選択入力のみならず、ソフトウェアキーボードによる直接入力も可能としたので、インポートファイルの内容に適したフォルダ名を自由に設定することができる。
【0064】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えても良いことは言うまでもない。
【0065】
例えば、上記実施形態においては、フォルダ名とアイコンイメージの両方を変更する場合について説明しているが、アイコンイメージのみを変更することも可能である。また、図10においては、各フォルダについてフォルダ名、アイコンイメージ、及びファイル数を表示しているが、さらにフォルダの作成年月日を表示しても良い。
【0066】
また、上記実施形態においては、月別フォルダリストにおいて定型フォルダ名を「月」と関連づけているが、「月」のみならず、年、曜日、日、時刻等と関連づけてもよい。
【0067】
また、上記実施形態においては、デジタルカメラ等の外部デバイスと接続するための外部インターフェースとしてUSBを例に挙げたが、本発明はUSBに限定されるものではなく、種々のインターフェースを利用することができる。
【0068】
また、上記実施形態においては、図3に示したように、ストレージ手段としてハードディスクドライブ35を挙げたが、フラッシュメモリ等の半導体メモリを使用してもよく、DVD、ブルーレイディスク等の光ディスク装置を使用してもよく、これらのストレージ手段を組み合わせて使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるマルチメディアサーバシステムの構成を示す略ブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるマルチメディアサーバ11の外観構造を示す図であって、(a)はフロントパネル側の斜視図、(b)はバックパネル側の斜視図である。
【図3】マルチメディアサーバ11の内部構成を示す略ブロック図である。
【図4】マルチメディアサーバ11の機能ブロック図である。
【図5】データベースで管理されるマルチメディアファイルの情報を示す表である。
【図6】定型フォルダ名及びアイコンイメージを管理するためのデータベースの一例を示す表である。
【図7】定型フォルダ名の月別フォルダリストの一例である。
【図8】マルチメディアサーバ11の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】フォルダ設定画面の一例を示す模式図である。
【図10】再生リストの画面レイアウトの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0070】
10 マルチメディアサーバシステム
11 マルチメディアサーバ
12 デジタルハイビジョンテレビ(ディスプレイ)
13 LAN
14 タンクサーバ
15 ブロードバンドルータ
16 インターネット
17 サポートセンタ
18 コンテンツプロバイダ
19 パソコン
21 電源スイッチボタン
22 主電源スイッチ
23 赤外線受光パネル
24 メモリカードスロット
25a,25b USB端子
26 赤外線リモコン
27 LANポート
28 HDMI端子
28a HDMIケーブル
29a コンポジットビデオ端子
29b ステレオオーディオ端子
29c S-Video端子
29d SPDIF端子
32 メモリ
33 グラフィックプロセッサ
34 オーディオプロセッサ
35 ハードディスクドライブ
36 ネットワークインターフェース
37 無線ネットワークインターフェース
38 インターフェース
39 メモリカードスロット
41 ファイルインポート手段
42 ストレージ手段
43 ファイル再生手段
44 データベース
45 フォルダ設定手段
46 再生リスト表示手段
47 文字入力手段
51 インポート情報
52 コンテンツ情報
53 再生情報
54 付加情報
62 定型フォルダ名
63 アイコンイメージ1
63 アイコンイメージ2
65 月データ
90 フォルダ設定画面
92 フォルダ名
93 全フォルダリスト
94 アイコンイメージ
95 カーソル
96 文字入力ボタン
97 スクロールバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルテレビに接続可能なマルチメディアサーバであって、
外部デバイスからマルチメディアファイルをインポートするファイルインポート手段と、
前記インポートされたマルチメディアファイルを蓄積するストレージ手段と、
前記ストレージ手段に蓄積されたマルチメディアファイルを再生するファイル再生手段と、
前記ストレージ手段に蓄積されたマルチメディアファイルをフォルダ別に管理するデータベースと、
前記インポートされたマルチメディアファイルの作成年月日データを取得し、当該作成年月日の少なくとも月に関連づけられた定型フォルダ名のリストを表示し、当該リストの中から選択された一の定型フォルダ名を前記インポートされたマルチメディアファイルの保存先フォルダ名として設定するフォルダ設定手段とを備えることを特徴とするマルチメディアサーバ。
【請求項2】
前記フォルダ設定手段は、前記定型フォルダ名と共に、前記定型フォルダ名に関連づけられたアイコンイメージを前記インポートされたマルチメディアファイルの前記保存先フォルダのアイコンイメージとして設定することを特徴とする請求項1に記載のマルチメディアサーバ。
【請求項3】
前記フォルダ設定手段は、前記定型フォルダ名と共に、前記定型フォルダ名に関連づけられた複数のアイコンイメージを表示し、当該複数のアイコンイメージの中から選択された一のアイコンイメージを前記インポートされたマルチメディアファイルの前記保存先フォルダのアイコンイメージとして設定することを特徴とする請求項1に記載のマルチメディアサーバ。
【請求項4】
前記データベースに登録されている前記フォルダのフォルダ名及びアイコンイメージを含む再生リストを表示する再生リスト表示手段をさらに備え、
前記ファイル再生手段は、前記再生リスト表示手段による前記再生リストの中から選択されたフォルダに保存されているマルチメディアファイルを再生することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマルチメディアサーバ。
【請求項5】
前記フォルダ設定手段は、前記作成年月日の少なくとも月に関連づけられた定型フォルダ名の前記リストと共に、登録されているすべての定型フォルダ名のリストをさらに表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマルチメディアサーバ。
【請求項6】
前記ファイルインポート手段は、前記外部デバイス内のマルチメディアファイルを自動的にインポートする自動インポート手段と、前記外部デバイス内のマルチメディアファイルのうちユーザが選択したものをインポートする手動インポート手段を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマルチメディアサーバ。
【請求項7】
文字入力手段をさらに備え、前記フォルダ設定手段は、前記文字入力手段から直接入力された文字列を前記マルチメディアファイルの保存先フォルダ名として設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマルチメディアサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−303073(P2009−303073A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157158(P2008−157158)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】