説明

マルチモードインタフェース

【課題】ユーザによる容易なモードの選択および切り換えが可能であり、自動モード切り換えを提供することも可能なインターフェースを提供すること。
【解決手段】インタフェースは、全てのモードと機能を通じて実質的に同一の機能を保持するコントロールと、起動中のモードまたは機能に基づき変化するコントロールの組み合わせを用いる。システムは、共通リスト変更子インタフェースと共通リストインタフェースを用い、インタフェースが動作モードに関らずユーザに直感的にわかるようにする。インタフェースは、ディスプレイを有する。モードコントロール、ソフトコントロール及びディスプレイの配置は、ユーザがシステムを容易に操作できるよう設計される。システムは、余分なコントロールを提供するが、これはユーザがそのユーザにとって最も便利で直感的なコントロールを選択できるようにするためである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、出願2002年6月13日、発明の名称「効率的ユーザ対話のためのテレマ
ティックスディスプレイ」の米国仮出願第60/388,214号、出願日2002年6
月13日、発明の名称「グラフィックとテキストの同時表示のためのデュアルディスプレ
イ」の米国仮出願第60/388,586号、出願日2002年6月13日、発明の名称
「車両用制御情報取得のための直接アクセス」の米国仮出願第60/388,588号、
出願日2002年6月13日、発明の名称「車両用地理的フェンシング」の米国仮出願第
60/388,217号、出願日2002年6月13日、発明の名称「モバイルメディア
プレイヤー用マルチメディア情報の提供」の米国仮出願第60/388,337号、出願
日2002年6月14日、発明の名称「自由度のあるGPSモニタリングおよびナビゲー
ションを提供するためのネストされたナビゲーションシステム」の米国仮出願第60/3
88,838号、出願日2002年6月14日、発明の名称「追跡装置用プリセットナビ
ゲーションポジション」の米国仮出願第60/389,023号、出願日2002年6月
14日、発明の名称「逆番号ロックアップに基づくナビゲーション情報」の米国仮出願第
60/388,824号、出願日2002年6月14日、発明の名称「GPSおよびテレ
マティックスを含む自動車用アプリケーション用エンターテインメントシステム」の米国
仮出願第60/388,698号、出願日2002年6月14日、発明の名称「テレマテ
ィックスシステム」の米国仮出願第60/389,048号の優先権を主張するものであ
り、これらを全て参照して本明細書に取り込む。本願は、本願と同一の出願日で、発明の
名称「マルチ機能システムのためのインタフェース」の米国出願第___号に関連し、こ
れを参照して本明細書に取り込む。
【0002】
技術分野
本発明はユーザインタフェースに関し、特にユーザのシステムとの対話効率を向上させ
るための多機能ユーザインタフェースおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
典型的に、ユーザは、表示画面でデータを見て、コマンドを選択するかコマンドをシス
テムに入力することにより、コンピュータシステムと対話する。表示画面は、典型的には
テキスト、グラフィック、あるいはテキストとグラフィックの組み合わせを表示する。シ
ステムの中には、テキストトゥスピーチ(「TTS」)エンジンを使って、ユーザに聴覚
情報を与えるものもある。
【0004】
コンピュータ業界の急速な成長は、コンピュータシステム、特にモバイルコンピューテ
ィングシステムに様々な機能を取り入れている。車両コンピュータシステムはますます複
雑になっている。ラジオチューナ、コンパクトディスク(CD)プレイヤー、カセットプ
レイヤーだけでなく、車両マルチメディアシステムはナビゲーションシステムや通信シス
テムも備えている。モバイルコンピューティングシステムにおける多機能な能力が増加は
、一般的に長時間のユーザ・システム対話を要する複雑なインタフェースを必要とする。
【0005】
多機能システムではしばしば、ユーザが面倒なメニュー構造をナビゲートして、複雑な
テキスト情報を読まなくてはならない。複雑なメニュー構造とテキストデータは、長時間
のドライバー・システム間での対話を引き起こし、これにより、ドライバーの注意力が車
両運転からモバイルコンピューティングシステムの操作へと逸れてしまう。車両運転から
注意力が逸れることにより、事故の可能性が増し、オペレータ、搭乗者、歩行者やその他
の車両ドライバーの生命を脅かすことになる。現在利用できるマルチメディアシステムは
、ドライバーに効率的または直観的なインタフェースを与えるものではない。
【0006】
多機能システムで利用可能な1つのインタフェースは、多数の機能、例えばラジオ、デ
ィスクプレイヤー、ナビゲーションシステム、温度調節などを制御する共通コントロール
(control:制御ボタン,コントロールボタン)を提供する。このインタフェース
の問題点は、コマンドがツリー構造メニューの奥深くに埋め込まれているという点である
。ユーザは、ツリーを検索して所望のコマンドを見つけなければならない。異なる機能に
関連するコマンドを入力するためには、ユーザは、ツリーについて同じ動作を繰り返して
機能を切り換えてから、ツリーを検索し、目的のコマンドを探し当てなければならない。
この処理はユーザにとって非常に面倒で、ユーザの注意力を道路からそらしてしまう。
【0007】
その他のインタフェースは機能ごとに異なるコントロールを提供する。これらのインタ
フェースは、全てのコントロールを収容するために多くのスペースを必要とする。モバイ
ルシステムで利用できるスペースは通常限られており、そのためサポートできる機能の数
が限られてくる。また、これらのインタフェースは、ユーザが所望のコマンドを見つける
ために多数のコントロールを検索しなければならないことから、ユーザに混乱を生じさせ
る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明は、多機能システム用の直観的インタフェースを提供することにより、上述の要
求にこたえるものである。インタフェースは、全てのモードと機能を通じて実質的に同一
の機能を保持するコントロールと、起動中のモードまたは機能に基づき変化するコントロ
ールの組み合わせを用いる。一連のモードコントロールは、ユーザがモードの切り換えを
容易に行えるように設けられる。複数のモードタイプ、例えば長時間持続モードと短時間
持続モードなどがサポートされる。長時間持続モードの例としては、ラジオなどの放送コ
ンテンツ、CDなどの保存コンテンツ、情報サービスなどの要求コンテンツが挙げられる
。短時間持続モードの例としては、通信、ナビゲーション、目的地マーキングが挙げられ
る。さらに、システムのモードの複数または全てを一時的に作動不能にする特別限定モー
ドもサポートされる。各モードは1つ以上の機能を有しうる。例えば、ラジオモードは、
AM、FM、および衛星ラジオような機能を有する。
【0009】
インタフェースはさらにディスプレイを有する。ディスプレイは、単一または複数の表
示領域を含む。ディスプレイが複数の表示領域を有する場合、表示領域の1つがテキスト
情報を与え、他方の表示領域がグラフィック情報を与えることができる。また、表示領域
の1つは、様々な機能を有するコントロールにラベルをつけることができる。2つの表示
領域は互いに隣接して配置してもよい。あるいは、2つの表示領域は離間して配置して、
一方の表示領域を機器パネル上に配置してもよい。
【0010】
インタフェースは、ディスプレイがソフトコントロールに対してラベルを与えられるよ
うにディスプレイの周囲に配置されるソフトコントロールを提供する。各ソフトコントロ
ールの機能は起動中のモードまたは機能に基づき変化する。全てのモードまたは機能にお
いて全てのソフトコントロールが起動するわけではない。ソフトコントロールの機能は起
動中のモードまたは機能に依存するものであっても、ソフトコントロールが様々なモード
や機能で用いられる方法には類似点がある。この類似点は、ユーザのインタフェースと対
話を容易にする。
【0011】
インタフェースはソフトコントロールと組み合わせてリストとリスト変更子を用いる。
利用可能なリストとリスト変更子は、起動中のモードまたは機能に依存する。しかし、同
様の複数のソフトコントロールを用いて、全てのモードにおいてリスト変更子を選択し、
同様の複数のソフトコントロールを用いて、全てのモードにおいてリストをスクロールす
る。
【0012】
インタフェースはいくつかの形式でユーザにフィードバックをする。ユーザがあるキー
を起動することでインタフェースと対話する場合、システムは、クリックなど、キーが起
動したことを示す可聴の手がかりを与えるようにしてもよい。また、システムはユーザの
入力を繰り返すことができるので、ユーザは入力を確定することができる。システムは、
ユーザの入力を表すテキストまたはグラフィックを表示、またはユーザの入力を可聴に繰
り返すためにテキストトゥスピーチ(「TTS」)エンジンを使用することができる。
【0013】
システムは、必要とされるユーザ対話量を最小限に抑える、ユーザに対する直観的なイ
ンタフェースを提供することを意図している。例えば、通信やナビゲーションなどの重要
なユーザ対話を必要とするモードまたは機能について、システムは電話を受ける側または
目的地を選択するのに用いることができるリストを提供する。したがって、ユーザは完全
な住所や電話番号を入力する必要がない。さらに、ユーザが完全な住所を入力しなければ
ならない場合、システムは車両の現在の位置に基づき街路、市、および州についてのデフ
ォルト値を与える。これらのデフォルト値を与えることで、ユーザから必要である情報量
を最小限に抑えられる。
【0014】
システムはXMLスクリプトを用いて遠隔のサーバとデータベースとのインタフェース
をとる。XMLスクリプトを用いることで、ユーザはニュースプロバイダなどの多数の既
存するサービスプロバイダとインタフェースをとることができる。また、XMLスクリプ
トを用いることで、システムの更新やカスタマイズを容易に行うことが可能となる。
【0015】
本発明の上述ならびにその他の態様、特徴、利点は、以下に開示する実施例の詳細な説
明を検討し、添付の図面と特許請求の範囲を参照することで、より明確に理解、認識され
よう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
詳細な説明
本発明は、要求されるユーザ対話量を最小限に抑える多機能システム用直観的インタフ
ェースを提供する。インタフェースは、全てのモードと機能にわたって同一の機能を実質
的に保持するコントロールと、起動中のモードまたは機能に基づき変化するコントロール
を組み合わせて使用する。一連のモードコントロールは、ユーザがモード間切り換えを容
易に行えるように設けられる。モード内の多数の機能ともに多くのタイプのモードをサポ
ートする。
【0017】
また、インタフェースはディスプレイを備える。ディスプレイの表示領域は、単一でも
複数でもよい。ディスプレイには、テキスト情報、グラフィック情報、あるいはテキスト
とグラフィック情報の組み合わせたものが表示される。インタフェースは、ディスプレイ
がソフトコントロール用ラベルを与えられるよう、ディスプレイの周辺に配置されるソフ
トコントロールを有する。ソフトコントロールの機能は、起動中のモードまたは機能に基
づき変化する。また、インタフェースにより、ソフトコントロールと組み合わせて用いら
れるリストとリスト変更子が与えられる。利用できるリストとリスト変更子は、起動中の
モードまたは機能によって変化する。
【0018】
モードコントロール、ソフトコントロール、およびディスプレイは、ユーザのシステム
との対話を容易にするように配置される。また、コントロールの選択とグループ化は、シ
ステムを使用しやすいように行われる。システムは、ユーザに最も好都合または直観的な
コントロールをユーザが選択できるようにいくつかの冗長コントロールを有する。
【0019】
ユーザインタフェース
図1はインタフェースの一例を示すものである。インタフェースは車両に搭載できる。
インタフェースは、ディスプレイと多数のコントロールを有する。1つの実施例によれば
、ディスプレイは第1の表示領域132と第2の表示領域138とを有する。第1の表示
領域にはテキスト情報が表示される。テキスト情報には、ソフトコントロール用ラベル、
リスト、リスト変更子、記述テキスト、プロンプトが含まれている。第1の表示領域では
、さまざまな色を用いて表示されるさまざまな種類のテキストを示す。多種多様なフォン
トとサイズも用いて、ユーザが種類の異なるテキスト情報を区別する助けとすることもで
きる。
【0020】
第2の表示領域にはグラフィック情報が表示される。グラフィック情報には、モードま
たは機能アイコン、情報ロゴ、ナビゲーションロゴが含まれる。グラフィック情報により
第1の表示領域においてテキストで与えられたのと同様な情報を与えることもある。他方
、グラフィック情報により追加情報が与えられることもある。システムによって、画像切
り換え時にフェーディングや消去などの単純な遷移を行うことができる。画像形式の例と
しては、ただしこれに限定されないが、GIF、TIFF、MPEG、JPEGなどがあ
る。
【0021】
多様なディスプレイ配置が可能である。1つの実施例においては、第1の表示領域が真
空蛍光表示管(「VFD」)などある種類のディスプレイに相当し、第2の表示領域は液
晶ディスプレイ(「LCD」)などの第2の種類のディスプレイに相当する。別の実施例
では、第1の表示領域と第2の表示領域を与える単一のディスプレイが用いられる。さら
に別の実施例では、第2の表示領域は機器パネル上に設けられる。実施例の中には、単一
の表示領域のみを用いるものもある。その場合、その単一の表示領域に表示される情報は
テキスト情報でも、テキストとグラフィック情報の組み合わせでもどちらでもよい。単一
の表示領域のみが用いられる場合、その表示領域は第1の表示領域や第2の表示領域に関
連してここで説明する情報、または2つの表示領域で表示される情報の組み合わせを表示
すればよい。
【0022】
コントロールは、図1に示すように戦略上、ディスプレイ近傍に配置される。コントロ
ールをディスプレイ近傍に配置することにより、ユーザがデータをスクロールするために
データディスプレイ近傍のコントロールを選択したり、特定のデータを選択したり、機能
を変更したりできるので、ユーザ・システム対話の効率が向上する。ユーザは、コントロ
ールがユーザの視野内にあるのでデータから注意が逸れることもない。よって、ユーザは
表示されたデータを理解し、ひと目で対応するデータを選択することができる。データ表
示に特化した時間が短縮されることによって、ユーザは車両の運転により時間を割くこと
ができ、これにより事故にあう可能性が低下する。
【0023】
ここでは、コントロール、ボタン、キーといった用語は、ダイヤル、ボタン、キー、ま
たは感圧性スクリーンを含む、ただしこれらに限定されることはない、任意の種類の入力
装置を取換え可能に表すものである。ソフトコントロール、ソフトボタン、ソフトキーは
、起動中のモードまたは機能に基づき変化する機能のコントロールを示すものである。典
型的には、ラベル、シンボル、アイコンまたはその他のインジケータがソフトコントロー
ルに対応する現在の機能を示す。図1は、第1の表示領域に近接配置された4個のソフト
コントロール140、142、144,146を示すものである。ソフトコントロールの
現在の機能はソフトコントロールに隣接するディスプレイ上に示されたラベル、シンボル
、またはアイコンで示される。ソフトコントロールがあるモードで機能しない場合、ソフ
トコントロール横のディスプレイが空白になる。図1は、ソフトコントロールラベル用の
第1の表示領域の一部を使用することを示したものである。図1では、ソフトコントロー
ルはスクロールに用いられ、スクロール方向をあらわす矢印がソフトコントロールの次に
表示される。その他の実施例では、異なる数のソフトコントロールやソフトコントロール
の別の配置、あるいはソフトコントロールの機能を実行する別の方法が示される。
【0024】
図1にはまた、複数のモードコントロール116,118、120,122、124、
126と、特別限定モードコントロール136、自己センタリングジョグダイヤル102
、確定コントロール104、回転エンコーダ108、110、複数のプリセットコントロ
ール114、BACKコントロール128、NEXTコントロール134、休止コントロ
ール106、排出コントロール112、再呼び出しコントロール130が示されている。
別の実施例では、コントロールを追加しても、その数を減らしてもよい。またコントロー
ルの配置が異なっていてもよい。コントロールは全てのモードまたは機能において一貫し
た機能を実行するか、起動中のモードや機能に基づき変化する機能を実行する。さらに、
コントロールは、そのコントロールがどう起動されるかによって異なる機能を実行するこ
ともできる。コントロールを押した状態を続けることで、単にコントロールを押してから
解放する場合とは異なる機能を実行することができる。同様に、コントロールを強く回す
か、コントロールを回した状態を続けることで、単にコントロールを押して解放する場合
とは異なる機能を実行することができる。
【0025】
図1に示すモードコントロールの一例は、放送コンテンツモード116、保存コンテン
ツモード118、要求コンテンツモード120、通信モード122、ナビゲーションモー
ド124、目的地マークモード126、ならびに限定モード136に対応する。放送コン
テンツモードでは、ラジオなどの放送コンテンツにアクセスする。保存コンテンツモード
では、メモリや音楽CDなどのディスクに記憶したコンテンツにアクセスする。要求コン
テンツモードでは、問い合わせによって得られるコンテンツ、例えばインターネットで利
用可能なコンテンツにアクセスする。通信モードでは、携帯電話サービスなどの通信サー
ビスを受けられる。ナビゲーションモードでは、ルートガイダンスやナビゲーションサー
ビスが受けられる。マークモードでは、マークした所在地をナビゲーションサービスによ
って使用できるようにユーザに所在地をマークさせる。限定モードでは、ユーザが車両に
制限を設けることで、車両がある所定のパラメータを超過するとそれをユーザに通知する
ようにする。例えば、車両が所定の地域を離れて、迷った場合や、所定の速度を超えた場
合に、ユーザに通知する。
【0026】
モード内には多数の機能がある。例えば、放送コンテンツモードは、AMラジオ、FM
ラジオ、衛星ラジオなどの多数の機能を有している。保存コンテンツモードは、CD、D
VD、MP3などの多くの形式をサポートする。通信モードは、名前による電話、番号に
よる電話、音声メールによる電話などの多くの機能を有する。ナビゲーションモードは、
住所によるナビゲーション、電話番号によるナビゲーション、名称によるナビゲーション
、場所によるナビゲーションなどの多くの機能を有する。
【0027】
モードに複数の機能が含まれる場合、機能全体のサイクルでモードコントロールを繰り
返し作動させる。モードコントロールを押して維持した状態を続けると、対応のモードに
ついてのセットアップオプションが開始する。セットアップオプションで、ユーザはいく
つかのシステム設定とともに、モードの設定が可能である。
【0028】
モードにはさまざまな種類がある。ある実施例では、モードのタイプとしては、長時間
持続モードと短時間持続モードがある。長時間持続モードは、ユーザが典型的に比較的長
い時間起動させるモードである。短時間持続モードは、ユーザが典型的に比較的短い時間
起動させるモードである。放送コンテンツ、保存コンテンツ、要求コンテンツモードは長
時間持続モードである。通信、ナビゲーション、マークモードは短時間持続モードである
。ある実施例によれば、ユーザが長時間持続モードから短時間持続モードに変化させると
、短時間持続モードに関連する行為が終了するとすぐにシステムが自動的に直前に選択し
た長時間持続モードに戻る。例えば、ユーザが保存コンテンツモードから通信モードに切
り換えて電話をかけ、呼び出しが終了するとすぐに、システムは自動的に保存コンテンツ
モードに戻って、通信モードが起動したときに再生していた地点から保存コンテンツの再
生を開始する。
【0029】
別の実施例によればモードと機能を追加してもその数を減らしてもよい。例えば図2は
、放送コンテンツ、保存コンテンツ、通信コンテンツモードのみが利用できる実施例を示
したものである。その他の実施例として、フロントシート機能とリアシート機能用モード
、あるいは車両制御機能用モードを有するものでもよい。
【0030】
1つの実施例によれば、コントロールは機能によって組織化される。図1に示すように
、ソフトコントロールは第1の表示領域近傍に配置され、モードコントロールは第2の表
示領域近傍に配置される。さらに、長時間持続モードコントロールは第2の表示領域の一
方の側部に配置され、短時間持続モードコントロールは第2の表示領域の他方の側部に配
置される。図1では、長時間持続モードが左側、短時間持続モードが右側に配置されてい
ることを示しているが、コントロールはどちら側でも配置可能である。また、制限モード
コントロールは、ユーザがこのコントロールを不意に起動させてしまうことがないように
、その他のモードコントロールからは離して配置されている。
【0031】
ジョグダイヤルすなわち選択コントロール102は、機能プロンプト内でナビゲーショ
ンするのに利用できる。選択コントロールを用いて街路名などのデータのリストをスクロ
ールでき、ラジオ局周波数を調節することができる。1つの実施例において、選択コント
ロールは、複数の接点場所を持つ(スプリング入りの)自己センタリングダイヤルである
。接点により、システムはダイヤルが起動されるときの速度と加速度を判定することがで
きる。これにより、ジョグダイヤルは回転量によって、しかもある持続時間中ダイヤルが
すぐに解放されたか回した状態を続けるかによってさまざまな機能を実行することができ
る。
【0032】
ある実施例において、選択コントロールは確定コントロール104を取り囲む。確定コ
ントロールは、ユーザの選択または入力を確認するのに用いることができる。確定コント
ロールに関連する機能は、起動中のモードと機能に応じて変化させることができる。いく
つかのモードまたは機能について、確定コントロールは別のコントロール、例えばNEX
Tコントロール134やソフトコントロール142などの機能を複製する。確定コントロ
ールを押してそれを押した状態を続けると、ユーザがシステムと対話する際に音声コマン
ドを利用できる会話認識機能を起動させる。
【0033】
NEXTコントロール134とBACKコントロール128は、モードまたは機能のプ
ロンプトをナビゲートするのに用いることができる。ユーザがプロンプト内でテキストを
キー入力する場合、BACKコントロールを押すことで最後に入力した文字が消される。
プロンプトにキー入力したテキストがない場合、BACKコントロールは最後のプロンプ
トに戻る。NEXTコントロールとBACKコントロールを保存コンテンツモードで用い
て、トラック、例えばCDのトラックなどを切り換え、放送コンテンツモードで用いてラ
ジオ局の切り換えをすることができる。
【0034】
プリセットコントロール114として、プリセット情報を保存し、それにアクセスする
とともに、英数字情報を入力するコントロールを有する。モードや機能に応じて、プリセ
ットコントロールはデフォルトで文字入力か番号入力になる。
【0035】
回転エンコーダ108は、音量、音声、およびパワー制御に用いられる。ある実施例に
よれば、回転エンコーダはストッパがない自由錐もみエンコーダで、シングルステップの
押しボタン110を有する。エンコーダを一方向に回すと、出力音量を上げるよう調節さ
れ、エンコーダを反対方向に回すと、音量を下げるよう調節される。システムは、汎用音
量設定で制御される複数の音声出力源とともに、独自に音量設定される複数の音量出力源
をサポートすることができる。例えば、放送コンテンツモードと保存コンテンツモードは
汎用音量設定を利用でき、テキストトゥスピーチ(「TTS」)機能、電話呼鈴装置、電
話音声、および可聴音機能は独自の音量設定をすることができる。
【0036】
ある実施例では、エンコーダを押してから解放すると、音声制御メニューが入力される
。音声制御モードに入ると、音声制御メニューオプションのサイクル中ずっとエンコーダ
を繰り返し押す。例示的なオプションとして、バランス、フェーディング、高音域、中音
域、低音域が挙げられる。音声制御モードに入ると、選択したオプションにエンコーダを
調整する。ディスプレイは現在の設定を視覚的に表示し、ユーザが調整する助けとなる。
システムはエンコーダを押すことでパワー入切ができる。
【0037】
任意の休止コントロール106を用いて、システムのある音声出力、例えば放送コンテ
ンツ、保存コンテンツ、または要求コンテンツモードの出力を休止させることができる。
コンテンツが保存されていると、システムは再生を終了させて終了位置をマークする。休
止コントロールが2回押されると、システムはマークした位置に戻って再生を再起動でき
る。放送コンテンツモードでは、システムは内部デジタル記憶媒体を用いて、休止コント
ロールが再び押されるまでデータをキャッシュメモリに入れることができる。
【0038】
複数のモードを同時に起動する場合もある。このような状況の場合、再呼び出しコント
ロール130を用いてモード切換を行う。例えば、ナビゲーションモードと保存コンテン
ツモードが両方起動されている場合、ユーザはモードコントロールではなく再呼び出しコ
ントロールを用いて2つのモード間での切換をすることができる。
【0039】
フィードバック音声は、ユーザがコントロールを起動させたかどうかを確認するもので
ある。例えば、ユーザがあるコントロールを起動して、それを解放するといつもある音声
を流し、一方ユーザがそのコントロールを起動して、その起動を続けるといつも別の音声
が流すことができる。音声は起動中のモードまたは機能に基づき変化させられる。
【0040】
インタフェースは複数の形式でユーザに情報を提供することができる。例えば、所在地
を記述したテキストを第1の表示領域に表示し、その所在地に関連するロゴを第2の表示
領域に表示し、所在地を説明する音声をTTS機能を用いて出力してもよい。
【0041】
ソフトオブジェクト
モードに特化したコントロールを与えるために多数のソフトオブジェクトが使われる。
本明細書で言う「ソフトオブジェクト」という用語は、モードと機能の両方またはいずれ
か一方に依存するソフトコントロールラベル、リスト、リスト変更子を含んでいる。ソフ
トコントロールラベルにより、ソフトコントロールの現在の機能を明らかにするラベル、
シンボル、あるいはアイコンが与えられる。典型的には、ソフトコントロールにより、ユ
ーザはスクロールしてリストからリスト変更子や項目を選択できる。
【0042】
典型的に、リスト変更子はディスプレイの一方の側に常に表示され、リストはディスプ
レイの他方の側に表示される。また同様のコントロールを用いて、スクロールしてリスト
からリスト変更子や項目を選択する。共通リスト変更子インタフェースと共通リストイン
タフェースを用いることで、ユーザに直観的なインタフェースが与えられる。本実施例で
は、リスト変更子はディスプレイの右側に現れ、リストはその左側に現れる。
【0043】
適応型インタフェース
システムはどの機能がサポートされているかを判定し、それに応じてユーザに与えるプ
ロンプトとオプションを調整する。よって、同様なシステムでも、上記のモードの1つ、
いくつかまたは全てを有する実施例をサポートすることが可能となる。例えば、ある車両
モデルには放送モードしか与えられていない場合、保存コンテンツモードと通信モード、
それから図2に示されているようなインタフェースパネルをインストールするようにして
もよい。システムはインストールされるインタフェースパネルの種類を検出して、それに
応じて適応する。さらに、別の購入者が別の機能を用いるよう選択してもよい。第1のユ
ーザが衛星ラジオの視聴契約をし、第2のユーザが視聴契約をしないようにしてもよい。
このような状況場合、システムは、どのモードがインタフェースパネルでサポートされて
おり、どの機能をユーザが起動したかを判定することによりサポートする機能とモードを
明らかにする。このように、同様なシステムを用いて、多種多様なインストールをサポー
トすることが可能となる。
【0044】
モードコントロール
上述のとおり、インタフェースは多数のモードコントロールを有する。これらのモード
コントロールをユーザは常に使用することができ、コントロールにより平面のメニュー構
造が得られる。平面メニュー構造によって、ユーザは、所望のモードコントロールを選択
することにより、モードが容易に選択できるかモードの切換ができる。
【0045】
ユーザがあるモードから別のモードに切り換えるとき、第1のモードは休止か作動停止
になる。1つの実施例によれば、ユーザが保存コンテンツモードなどの長時間持続モード
から通信モードなどの短時間持続モードに切り換えると、長時間持続モードは割り込み地
点で休止になり、短時間持続モードが起動する。ユーザが短時間持続モードを使用し終わ
ると、システムが自動的に長時間持続モードを割り込み地点から再起動する。例えば、割
り込み地点は、システムがその地点でCDの再生を停止するようにCDのある特定のトラ
ックの特定の地点に対応するものであってよい。いったん保存コンテンツモードが再起動
されると、ユーザがそのトラック全体を聞けるよう、システムは割り込み地点からCDの
再生を開始する。ユーザが放送コンテンツモードから短時間持続モードに切り換えると、
放送コンテンツモードがキャッシュメモリに記憶される実施例もある。しかし、他方、放
送コンテンツモードがキャッシュメモリに記憶されない実施例もある。
【0046】
ユーザが長時間持続モード間で切り換えをする場合、第2の長時間持続モードが選択さ
れるとすぐに第1の長時間持続モードの作動が停止される。次の段落では様々なモードに
ついてさらに詳細に説明する。
【0047】
放送コンテンツモード
放送コンテンツモードでは、ラジオなどの放送コンテンツが提供される。放送コンテン
ツモードはAMラジオ、FMラジオや衛星ラジオなどの多くの機能をサポートする。拡張
AM/FMラジオはAMとFMラジオ機能の選択可能な副機能である。
【0048】
別のモードから放送モードに入るために、ユーザは放送コンテンツコントロールを選択
する。ユーザが放送コンテンツモードを以前に使用したことがあると、以前選択された機
能が起動される。ユーザが放送コンテンツモードを以前に使用したことがない場合、デフ
ォルトの開始機能が起動される。ユーザは放送コンテンツコントロールを繰り返し起動す
ることにより、利用可能な機能を循環させることができる。
【0049】
図3Aと3Bは、放送コンテンツモード用ソフトウエコントロールのための表示画面と
機能の一例を示すものである。第1の表示領域には局周波数や番号、アーチストや曲名な
ど、放送についての情報が含まれ、第2の表示領域には適切なアイコンを表示することに
より起動中の機能または副機能が示される。
【0050】
(拡張AM/FMラジオを含めた)AMラジオとFMラジオの機能について、ソフトコ
ントロールの1つ、例えばソフトコントロール144により走査機能が実行される。ソフ
トコントロール140と142などの2つのソフトコントロールによって、ユーザは副機
能リストをスクロールして1つの副機能を選択することができる。図3Aに示す1つの実
施例では、副機能リストには、AMラジオまたはFMラジオについては「標準(stnd
)」が、拡張AM/FMラジオには「プラス(plus)」が含まれる。
【0051】
衛星ラジオについては、ソフトコントロール144と146などの2つのソフトコント
ロールにより、ユーザは分類基準に対応するリスト変更子をスクロールすることができる
。分類基準としてはジャンル、カテゴリとチャンネルがある。ソフトコントロール140
と142などの別の2つのソフトコントロールを用いるとユーザはリストをスクロールし
て、特定のジャンル、カテゴリまたはチャンネルを選択することができる。例えば、カテ
ゴリが選択されると、ユーザはブルース、クラシック、カントリーミュージック、ジャズ
やロックなどのカテゴリを含んだリストをスクロールできる。図3Bを参照されたい。
【0052】
放送コンテンツモードでは、選択コントロールにより、ユーザはダイヤルを回すか、ダ
イヤルを強く回すかダイヤルを回してそれを保持することによる検索機能を介して周波数
かチャンネルを選択する。検索方向はダイヤルの回転方向によって決定される。あるいは
、検索にBACKコントロールとNEXTコントロールを用いることもできる。
【0053】
プリセットコントロールによって、ユーザは選択した周波数かチャンネルを設定しアク
セスすることができる。プリセットコントロールを起動してから解放すると、対応の周波
数かチャンネルが選択される。プリセットコントロールを起動して、その起動した状態を
続けると、プリセットコントロールは現在選択されている周波数かチャンネルにセットさ
れる。
【0054】
保存コンテンツモード
保存コンテンツモードでは、音楽、ビデオやその他の情報といった保存したコンテンツ
が得られる。保存コンテンツモードは、CD、DVDやMP3などの多くのメディア形式
をサポートする。リアシートエンターテインメントは、独自のリアシートエンターテイン
メントシステムの制御を可能にする選択可能な機能である。
【0055】
別のモードから保存コンテンツモードに入ると、ユーザは保存コンテンツコントロール
を選択する。システムは自動的に保存したメディアの形式を検出して、保存コンテンツの
再生を開始する。ユーザがその保存コンテンツを以前に使用したことがあると、再生がス
トップした地点から再生が開始される。ユーザがその保存コンテンツモードを以前使用し
たことがない、もしくは新しいディスクが装着されると、デフォルトの開始地点か、開始
地点が定義されていれば以前定義した開始地点から再生が開始される。
【0056】
当業者には明らかなとおり、複数のメディアプレイヤーを本システムではサポートする
ことができる。そのばあい、異なる機能を各メディアプレイヤーに関連付けることができ
る。例えば、システムがディスクとSDメモリカードの両方をサポートする場合、ある機
能をディスクプレイヤーに関連付け、別の機能をSDメモリカードプレイヤーに関連付け
る。複数の機能がサポートされている場合、保存コンテンツモードが起動すると以前選択
された機能が起動する。ユーザが保存コンテンツモードを以前に使用したことがなければ
、デフォルトの機能が起動する。ユーザは、保存コンテンツモードコントロールを繰り返
し起動することにより、利用可能な機能を循環することができる。
【0057】
図4Aと4Bは、保存コンテンツモード用ソフトコントロールのための表示画面と機能
の一例を示すものである。図4AはCDを再生するためのディプレイの一例を示す。第1
の表示領域が現在のトラックのアーチストと曲名などのコンテンツについての情報を表示
する実施例もある。他方、第1の表示領域が空白の実施例もある。第2の表示領域は、保
存コンテンツのトラック番号と形式を示すアイコンを表示するか、時にはカバーアートワ
ークを表示する。システムが遠隔地のサーバにアクセスすると、アーチストと曲名などの
CDトラックについての情報が、カバーアートワークとともに、CDDB.comで利用
可能な音楽情報データベースから獲得することができる。
【0058】
図4BはMP3形式ディスクを再生するためのディスプレイの一例を示す。第1の表示
領域は現在のトラックのアーチストと曲名などの情報を表示し、第2の表示領域がトラッ
ク番号と保存コンテンツの形式などを表示する。表示される情報は、ディスク上のトラッ
クタグ情報から得られる。
【0059】
ソフトコントロール144と146などの2つのソフトコントロールによって、ユーザ
はリスト変更子をスクロールすることができる。ソフトコントロール140と142など
の別の2つのソフトコントロールによって、ユーザは選択されたリスト変更子に対応する
リストをスクロールすることができる。
【0060】
システムはディスクに記録されたリストを読み出して使用することができる。再生リス
トが存在すれば、再生リストによって分類モードが決定される。複数の再生リストがある
場合、再生リストがリストとしてユーザに与えられるよう、再生リストに対応するリスト
変更子を選択することによってユーザは再生リストを選択する。デフォルトでは、アルフ
ァベット順のリストの最初に表示される再生リストを再生する。ユーザはソフトコントロ
ール140と142などの2つのソフトコントロールまたは選択コントロールを用いて再
生リストをスクロールすることができる。以前記録された再生リストがなければ、リスト
変更子は「全て」にデフォルト設定され、トラックのアルファベット順のリストがユーザ
に与えられる。
【0061】
ユーザは、そのリストとリスト変更子を用いてカスタム再生リストを作成することがで
きる。典型的なリスト変更子としては、アルバム、アーチスト、ジャンル、再生リスト、
および「全て」がある。ユーザは変更子の1つを選択して、適切なリストから選択するこ
とによりカスタム再生リストを作成する。一例としては、「ジャンル」によってトラック
を組織化して、「ロック」ジャンルのトラックのみを再生する。ロック選択肢のみで再生
リストを作成するためには、ユーザは「ジャンル」についてのリスト変更子を選択し、そ
のリストから「ロック」を選択する。再生リストは全てのトラックタグの内容とディスク
上の再生リストに基づき作成される。しかし、変更子「全て」が選択されると、ユーザは
アルファベット順、アーチスト、アルバムおよびジャンルを含む分類リストから選択する
ことができる。アルファベット順が選択されると、ディスク上の全てのトラックがアルフ
ァベット順に再生される。アーチスト、アルバムまたはジャンルが選択されると、トラッ
クがまずアーチスト、アルバムまたはジャンルに応じて次にトラックに応じてアルファベ
ット順に配列される。ユーザが以前記録された再生リストを選択するかカスタム再生リス
トを作成すると、その再生リストがそのディスクにデフォルト設定される。
【0062】
選択コントロールにより、ユーザはトラックを選択するかトラック上を移動させること
ができる。選択コントロールを一方向に回すと、ユーザは前のトラックを選択できる。選
択コントロールを逆の方向に回すと、ユーザは次のトラックを選択できる。あるいは、B
ACKコントロールを用いて、以前のトラックを選択、もしくはNEXTコントロールを
用いて、次のトラックを選択することができる。選択コントロールを一方向に強く回すと
、ユーザは最初のトラックを選択することができる。選択コントロールを反対方向に強く
回すと、ユーザは最後のトラックを選択することができる。選択コントロールを回してそ
れを保持すると、ユーザはコントロールの回転方向に応じて現在のトラックを早送りか巻
き戻しすることができる。
【0063】
プリセットコントロールによって、ユーザは1つのトラックを選択することができる。
プリセットコントロールが起動されてから解放されると、コントロールに関連する番号に
対応するトラックが選択される。例えば、「1」に関連するコントロールを起動してから
解放すると、最初のトラックが選択される。プリセットコントロールを起動し、それが起
動し続けると、10+コントロールに関連する番号に対応するトラックが選択される。例
えば、「1」に関連するプリセットコントロールを起動し、それが起動し続けると、11
番目のトラックが選択される。
【0064】
要求コンテンツモード
要求コンテンツモードでは、システムはデータベース、インターネット、ウェブサーバ
、あるいはコンテンツを提供するその他のサーバなどの外部のソースからのコンテンツを
要求する。1つの実施例によれば、システムは無線通信装置を用いて外部ソースと通信す
る。要求されたコンテンツは典型的に2つの種類に系統立てられる。第1の種類のコンテ
ンツは、ニュース、交通、天気などの情報を与え、第2の種類のコンテンツは地方のエン
ターテインメントスケジュールとEメールなどの情報を与える。両方の種類のコンテンツ
を与える実施例もあれば、1種類のコンテンツのみを与える実施例もある。コンテンツは
TTSエンジンを用いてユーザが読み出す。TTSエンジンは当業者に公知であり、市販
されている。
【0065】
ユーザは要求コンテンツモードについて特徴と利用可能なコンテンツを定義する。典型
的には、ユーザは1つ以上の情報サービスと契約してコンテンツを得る。1つの実施例に
よれば、ユーザは要求コンテンツセットアップモードで、トピック、サブトピック、TT
Sエンジンと読み出しパラメータを定義する。別の実施例では、ユーザはウェブページを
介してトピック、サブトピック、TTSエンジンと読み出しパラメータを定義する。利用
可能なトピックとサブトピックは典型的には情報サービスにより定義される。ユーザはど
のトピックとサブトピックを入れるか、どのトピックを外すかを決定する。
【0066】
コンテンツは階層的に系統立てることができる。例えば、上記のコンテンツの2つの種
類だけでなく、トピックとサブトピックによってもコンテンツを系統立てることができる
。例えば、ニューストピックには、トップニュース、ワールドニュース、ローカルニュー
ス、経済ニュース、スポーツニュース、健康関連ニュースなどのサブトピックを含めるよ
うにしてもよい。Eメールトピックには、ユーザの様々なEメールアカウントについての
サブトピックを含めるようにしてもよい。
【0067】
ソフトコントロール144と146など、対のソフトコントロールにより、ユーザはリ
スト変更子をスクロールすることができる。1つの実施例によれば、リスト変更子は、ト
ピックとサブトピックを有する。選択コントロールにより、ユーザはリストから事柄を選
択することができる。選択コントロールを一方向に回すと、ユーザは以前の事柄を選択す
ることができる。選択コントロールを反対方向に回すと、ユーザは次の事柄を選択するこ
とができる。あるいは、BACKコントロールを用いて以前の事柄を選択するか、NEX
Tコントロールか確定コントロールを用いて次の事柄を選択することができる。
【0068】
TTS設定としては、ユーザにTTSエンジンについて特定の音声特性を持つ音声を選
択させる音声設定がある。読み出しパラメータによって、システムがトピックとサブトピ
ックに関連するコンテンツをユーザにどのように出力するかを判定する。1つの実施例に
よれば、読み出しパラメータは「サブトピックとトピックに応じて全ての事柄を読み出す
」にデフォルト設定されている。例えば、システムは起動中のトピック/サブトピックか
ら事柄を読み出す。その事柄が読み出されると、システムは休止し、その後次の事柄の読
み出しを開始する。サブトピックの全ての事柄が読み出されたら、システムは次のサブト
ピックに移り、サブトピックの見出しを読み出してからそのサブトピックの事柄の読み出
しを開始する。起動中のトピックの全てのサブトピックが読み出されたら、システムは次
のトピックに移り、その見出しを読み出し、第1のサブトピックの見出しを読み出し、そ
のサブトピックの最初の事柄を読み出す。しかし、システムが各トピックまたはサブトピ
ックの読み出し後は読み出しを停止するように、ユーザは読み出しパラメータを変更する
こともできる。いったん停止すると、システムは次の指令を待つか、以前のモードか機能
に戻ることができる。ユーザが交通または天気情報のみを受け取る場合、ユーザはシステ
ムにトピックかサブトピックを読み出した後、以前のモードか機能に戻るよう求めてもよ
い。このように、ユーザは保存コンテンツモードから切り換えて要求コンテンツモードを
起動して交通リポートを聞き、システムが自動的に保存コンテンツモードに戻るようにな
る。読み出しパラメータは、コンテンツの第1の種類(例えばニュース、交通、天気など
)とコンテンツの第2の種類(例えば地方のエンターテインメントスケジュール、Eメー
ルなど)によって設定を変えてもよい。
【0069】
1つの実施例によれば、要求されたコンテンツをヘッドラインやストーリ全体など様々
な形式で提供することができる。ヘッドライン形式では、ある事柄のヘッドラインといく
つかの段落、通常最初の段落か2つの段落が含まれる。ストーリ全体という形式では、典
型的にはヘッドラインと事柄全体が含まれる。ユーザは形式を継ぎ目なしで切り換えるこ
とができる。ある事柄を読み出し中、ユーザがある形式から別の形式に切り換えると、シ
ステムは現在の事柄か次の事柄で切り換えを行うかどうかを判定する。例えば、ユーザが
ヘッドライン形式からストーリ全体形式に切り換えると、システムは事柄全体を読み続け
る。ユーザがストーリ全体形式からヘッドライン形式に切り換えると、システムはヘッド
ライン形式について最終地点を通過したかどうかを判定する。通過したと判断すると、シ
ステムは現在の事柄についてのストーリ全体形式を維持して、次の事柄についてはヘッド
ライン形式に切り換える。通過していないと判断すると、システムは現在の事柄について
ヘッドライン形式に切り換える。
【0070】
ソフトコントロール140などのソフトコントロールの1つにより、ユーザは形式を切
り換えることができる。1つの実施例によれば、単一のコントロールは2つの形式を切り
換えるトグルスイッチとして作動することができる。別の実施例によれば、2つのソフト
コントロールにより、ユーザは形式リストをスクロールすることができる。図5は(「m
ore」のラベルがついた)ストーリ全体形式と(「less」のラベルがついた)ヘッ
ドライン形式間を切り換えるトグルスイッチとしてソフトコントロール140が用いられ
る実施例を示している。
【0071】
システムは、過去の使用または、現在のトピックとサブトピックが過去に使用されたこ
とがなければデフォルトに基づき、起動中の項目あるいはこのモードにおける開始地点を
判定する。モードがこれまでに使用されたことがない、もしくはユーザが別のトピックを
希望する場合、システムは起動中のトピックとサブトピックになりうる最初のトピックと
そのトピックのサブトピックを定義する。いったんモードが起動すると、起動中のトピッ
クとサブトピックが現在のトピックとサブトピックになる。ユーザがそのモードから離れ
、後にそのモードに戻る場合、起動中のサブトピックの事柄が後進されていなければシス
テムはユーザが離れた時点から開始する。更新されていれば、システムは起動中のサブト
ピックの最初の事柄から開始する。
【0072】
情報サービスにより、各トピックとサブトピックについてのコンテンツソースをあらわ
す、国内ニュースソース、ローカルニュースソース、天気ソース、および交通ソース用ア
イコンなどのグラフィックアイコンが得られる。これらのアイコンは第2の表示領域で表
示されてユーザがトピックとサブトピックをナビゲートする助けとなる。図5に示される
アイコンはニュースソースに対応する。また、グラフィックアイコンがコンテンツを伝達
することもできる。例えば、天気ソースがコンテンツを提供し、気温を読み出しながら曇
りなどの現在の状況を示すグラフィックを表示することができる。図5ではまた、ヘッド
ラインとともにトピックまたはサブトピックが第1の表示領域に表示されることが示され
ている。
【0073】
さらに、アイコンはコンテンツプロバイダ(提供者)の自己プロモーションや広告スペ
ースの機会を与える。広告主はコンテンツに沿って広告をを提供するためにコンテンツプ
ロバイダに支払う。広告は提供されるコンテンツの種類に応じて行うことができる。例え
ば、ユーザが野球の試合を視聴している場合、次の試合または野球帽の広告を提供するこ
とができる。広告収入を、ユーザへのコンテンツ提供コストと相殺するために使用するこ
ともありえる。
【0074】
通信モード
通信モードによって、ユーザは車両の外部と、典型的には携帯電話かその他の無線装置
を介して通信できる。無線装置は専門装置であっても着脱可能装置であってもよい。いず
れの場合でも、ユーザは装置のキーパッドにアクセスする必要がなくインタフェースと対
話できる。1つの実施例によれば、通信モードは、名前による電話、番号による電話、音
声メールによる電話などの多くの機能を有する。別の実施例では、別の種類の機能を有す
る。
【0075】
別のモードから通信モードに入る場合、ユーザは通信コントロールを選択する。ユーザ
が通信モードを以前使用したことがあれば、以前選択された機能が起動する。そのモード
を以前に使用したことがなければ、デフォルトの開始機能が起動する。ユーザは通信モー
ドコントロールを繰り返し起動することにより利用可能な機能を循環することができる。
【0076】
名前による電話機能で、ユーザは電話帳から名前を選ぶことにより電話を書けることが
できる。電話帳は付属の装置から入手可能である。名前による電話が起動すると、システ
ムは電話帳を表示する。1つの実施例において、名前は第1の表示領域にリスト形式で表
示される。最初に表示される名前は、アルファベット順で最後に呼び出される名前でも最
初に呼び出される名前であってもよい。典型的には、リストはアルファベット順に並べら
れる。しかし、その他の系統立てを利用することもできる。ユーザはソフトコントロール
140と142などの2つのソフトコントロールを用いて電話帳をスクロールすることが
できる。あるいは、選択コントロールを用いて電話帳をスクロールすることも可能である
。ユーザはソフトコントロール144などのソフトコントロールの1つを選択することで
入力を追加するか、ソフトコントロール146などの別のソフトコントロールを用いて入
力を編集することもできる。プリセットコントロールを用いて入力を追加または編集する
。図6Aを参照されたい。いったんユーザが所望の名前を探し当てれば、ユーザは確定コ
ントロールかNEXTコントロールを用いて電話帳から名前を選択して、システムが電話
を接続する。
【0077】
名前による電話機能によって、ユーザは電話番号を入力することで電話をかけることが
できる。ユーザはプリセットコントロールを用いて電話番号を入力することができる。ユ
ーザが番号を入力すると番号が表示される。また、番号が入力されるとTTSエンジンが
その番号を提示する。ユーザはBACKコントロールを用いて番号を消去することができ
る。
【0078】
名前による電話では電話を受けた側の名前、番号による電話では電話を受けた側の番号
が、電話がかけられている間第1の表示領域に表示される。さらに、持続時間タイマを表
示してもよい。図6Bを参照されたい。ユーザは、確定コントロールかソフトコントロー
ルの1つを選択することにより電話を終了させることができる。電話終了後、システムは
ユーザを以前の長時間持続モードに戻る。
【0079】
音声メール機能によって、ユーザは付属の携帯電話から音声メールを引き出すことが可
能となる。メッセージが利用できる場合、ユーザは図6Cに示すようなメッセージを介し
て通知される。また、アナウンスや可聴の手がかりを生成してもよい。ユーザは、ソフト
コントロール142などのソフトコントロールの1つか確定コントロールを選択すること
で音声メールにアクセスすることができる。新しいメッセージがあると、通信モードにお
いて音声メールメッセージは別のディスプレイ上に重ねて表示される。その表示は、ユー
ザが音声メールアクセスコントロールの1つ以外のコントロールを選択すると解除される

【0080】
通信割り込み
ユーザはインタフェースを用いて着信通信に出ることができる。ある着信を検出すると
、メッセージがユーザに示される。メッセージは現在のディスプレイ上に重なる。典型的
には、メッセージは起呼側の名前か電話番号を含む。また、メッセージか別の可聴プロン
プトをユーザに示してもよい。この情報は付属の装置から入手可能である。ユーザはソフ
トコントロール142と146などのソフトコントロールを用いて電話に出るか無視する
かを選択できる。図7Aを参照されたい。あるいは、確定コントロールを用いて電話に出
ることもできる。ユーザがメッセージに応答しないと、所定時間の満了後、システムは以
前のモードに戻る。
【0081】
付属装置が呼び出し待機をサポートする場合、呼び出し待機メッセージが待機中ユーザ
に示される。ユーザは現在の電話を終えるかソフトコントロール142と146などのソ
フトコントロールを用いて待機中の電話に出るかを選択できる。
【0082】
遠隔ユーザアクセス
携帯電話かその他の無線装置が車両にインストールされている場合、ユーザは遠隔地か
ら特定の機能にアクセスできる。ユーザは接続された装置に関連する番号をダイヤルし、
システムにアクセスするためにパスワードを入力する。いったん接続されると、ユーザは
ドライバーとの会話、車両のロックまたはロック解除、車両の所在地確認、アラーム設定
、アラームの状態確認など多くの機能を実行することができる。システムが車両システム
バスかその他の車両コントローラに接続していれば、さらに別の機能をユーザは利用する
ことができる。例えば、ユーザが車両が盗難にあったと判断すると、燃料系統を不能にす
るかそうでなければ車両の運転を停止させることができる。
【0083】
ナビゲーションモード
ナビゲーション情報を提供するために、システムはナビゲーションサービスと対話する
。ナビゲーションサービスは街路データベースと関心地点(「POI」)データベースを
含むデータベースを保持している。典型的には、システムはナビゲーションサービスから
受信する情報をキャッシュメモリに記憶する。キャッシュメモリに記憶される情報量とそ
の種類は、システムの容量だけでなく使用するナビゲーションサービスに応じて変化する
。いくつかの実施例によれば、キャッシュメモリに記憶される情報が車両が動くたびに更
新される。
【0084】
ナビゲーションモードは、住所によるナビゲーション、電話によるナビゲーション、名
称によるナビゲーション、場所によるナビゲーションなど多くの機能を有する。別のモー
ドからナビゲーションモードに入るために、ユーザはナビゲーションコントロールを選択
する。ユーザが以前ナビゲーションモードを使用していれば、以前選択された機能が起動
する。ユーザが以前にナビゲーションモードを使用していなければ、デフォルト設定の機
能が起動する。ナビゲーションモードコントロールを繰り返し起動することにより、ユー
ザは利用可能な機能を循環することができる。
【0085】
住所によるナビゲーションによって、ユーザは住所を用いて目的地を特定することがで
きる。ユーザはソフトコントロールを用いて住所を入力する。1つの実施例において、ソ
フトコントロールのそれぞれが街路番号、街路、市、または州などの1つの住所要素に関
連する。図8Aを参照されたい。住所によるナビゲーション機能が起動すると、システム
は現在の所在地を判定して、現在の所在地について街路、市、及び州住所要素に情報を配
置する。ユーザは、変更の必要な住所要素に対応するソフトコントロールを選択すること
により目的地の住所を入力する。システムは最大パラメータから最小パラメータまで、す
なわち、州から市まで、街路から街路番号までで機能する。したがって、ユーザがまず変
更の必要な最大住所要素を変更すればもっとも効率的である。ユーザはしばしばナビゲー
ションシステムを用いて同一市内の目的地に到着するので、このような系統化は多くの状
況において目的地を設定するのに必要なユーザの入力量を最小限に抑えることになる。
【0086】
図8Aにおいて、NEXTコントロール、確定コントロール、または「州」ソフトコン
トロールを起動させると、システムはユーザに州を入力するよう促す。ユーザが住所要素
を入力すると、システムは2番目に小さいパラメータについて促す。よって、ユーザが街
路名を入力すると、システムは街路番号についてユーザに促す。
【0087】
1つの実施例において、ユーザは選択コントロールかソフトコントロールを用いて州の
リスト、市のリスト、または街路のリストをスクロールすることができる。リストは典型
的にはアルファベット順に提示される。州リストについて、リストはアルファベット順の
リストの最初の州から開始される。市リストについては、現在いる州であると認められれ
ば、市リストは現在いる市から開始される。現在いる州ではないとされれば、州リストは
アルファベット順のリストの最初の街路から開始される。街路リストについては、現在い
る市であると認められれば、街路リストは現在いる街路から開始される。現在いる市では
ないとされれば、街路リストはアルファベット順のリストの最初の街路から開始される。
【0088】
あるいは、ユーザがプリセットコントロールを用いて住所要素の文字を入力することで
、州、市、または街路名を入力することも可能である。こうした状況下で、プリセットコ
ントロールは状況では文字入力にデフォルト設定されている。システムは、ユーザが入力
する文字に基づき市か州の名称を完成させるように自動完成機能を有する。ユーザが州、
市、または街路名を入力すると、ユーザはNEXTコントロールか確定コントロールを選
択して入力を認める。また、プリセットコントロールを用いて街路番号を入力する。こう
した状況下で、プリセットコントロールは番号入力にデフォルト設定されている。
【0089】
電話によるナビゲーション機能によって、ユーザは所在地に関連する電話番号を特定す
ることにより目的地を特定することができる。この機能では、遠隔逆ロックアップサービ
スを用いて、電話番号から住所を判定する。ユーザはプリセットコントロールを用いて電
話番号を入力する。この機能に関して、プリセットコントロールは番号入力にデフォルト
設定されている。電話番号入力は、通信モードに関連して上で説明した入力と同様である

【0090】
電話番号が入力されると、ユーザはNEXTコントロールか確定コントロールを起動さ
せてその番号を認める。番号が逆ロックアップサービスに伝達され、逆ロックアップサー
ビスがその住所と電話番号に関連すると思われる名称を返答する。ユーザが目的地である
と確認できるよう名称と住所が表示される。ユーザは、NEXTコントロールまたは確定
コントロールを起動させることにより目的地であると確認する。
【0091】
名称によるナビゲーション機能により、ユーザは所在地関連する名称を特定することに
より目的地を特定することができる。この機能では、付属の無線装置に関連する電話帳と
遠隔逆ロックアップサービスを用いて、名称から住所を判定する。ユーザは名前による電
話機能に関連して上で説明したのと同様にして電話帳をスクロールする。ユーザは、NE
XTコントロールまたは確定コントロールを起動させることにより電話帳から名称を選択
する。
【0092】
名称が選択されると、システムは名称と関連する電話番号を付属の無線装置を使って特
定する。番号が逆ロックアップサービスに伝達され、逆ロックアップサービスがその住所
と電話番号に関連すると思われる名称を返答する。ユーザが目的地であると確認できるよ
う名称と住所が表示される。ユーザは、NEXTコントロールまたは確定コントロールを
起動させることにより目的地であると確認する。
【0093】
場所によるナビゲーション機能により、ユーザは目的地または関心地点(「POI」)
リストから選択して目的地を特定することができる。そのリストについての情報はナビゲ
ーションサービスによって提供される。関心地点リストには、企業、ランドマーク、公共
サービスなどについての所在地が含まれている。リストは、名称、種類、または所在地に
よって系統立てることができる。リストが所在地によって系統立てられている場合、所定
の距離内にあるPOIが含まれる。例えば、所定の距離が半径10ブロックであるとすれ
ば、車両の現在の所在地から半径10ブロック以内の所在地が含まれる。
【0094】
場所によるナビゲーションにより、ユーザは所在地に関連する名称を特定することで目
的地を特定することができる。リストが名称によって系統立てられている場合、リストは
関連POIを全て含むアルファベット順のリストである。リストには、目的地からの車両
の現在の距離とともに、目的地に関連する名称が含まれている。
【0095】
リストが種類によって系統立てられている場合、リストの内容は現在のカテゴリと副カ
テゴリによって変わる。1つの実施例によれば、カテゴリと副カテゴリの階層を用いて関
連POIを種類によって系統立てている。カテゴリとしては、空港ATM、ガソリンスタ
ンド、食品雑貨店、宿舎、レストランが挙げられる。各カテゴリは、適用可能に1つ以上
の副カテゴリに分割される。例えば、レストランのカテゴリは、ファーストフードやカフ
ェテリアなど特定の種類のサービスを提供するレストラン、あるいは中華料理、メキシコ
料理、イタリア料理など特定の種類の料理に分割される。副カテゴリをさらに副副カテゴ
リに分割することもできる。例えば、ファーストフードには個々のファーストフードレス
トランが含まれる。ユーザに提示されるリストの内容は、ユーザに最も関連のある選択肢
を与えるよう車両の所在地が変化するにつれ変化させることができる。
【0096】
1つの実施例において、リスト変更子とリストコントロールとともにリストが第1の表
示領域に表示され、選択されたリスト項目を現すアイコンが第2の表示領域に表示される
。例えば、図8Bは、ユーザに提示される、カテゴリによって検索する場合のディスプレ
イの一例を示し、図8Cは、ユーザに提示される、名称によって検索する場合のディスプ
レイの一例を示している。
【0097】
場所によるナビゲーション機能を起動させると、システムは最近使用した検索系統か、
以前に検索していなければデフォルト設定の系統を用いてリストを表示する。ユーザはソ
フトコントロール140と142などのソフトコントロールを用いてリストをスクロール
することができる。あるいは、ユーザは選択コントロールを用いてリストをスクロールす
ることができる。ユーザは、ソフトコントロール144と146などのソフトコントロー
ルを用いて異なるリスト変更子を選択することによって、異なるリストを選択することが
できる。図8Bを参照されたい。ユーザが所望のPOIを探し当てると、確定コントロー
ルかNEXTコントロールを用いてPOIを選択する。
【0098】
ユーザが任意のナビゲーション機能を用いて目的地を選択すると、システムは目的地ま
でのルートを算出する。ルートは、TTSコマンドか可聴プロンプトと、テキスト情報と
、グラフィックを組み合わせてユーザに提示される。例えば、図8Dは、テキスト指令(
ピーチスツリートリートを左)が第1の表示領域に表示され、グラフィック指令(左に曲
がる矢印と曲がるまでの距離)が第2の表示領域に表示されることを示している。さらに
、TTSコマンドはユーザに「ピーチツリーストリートを550フィート行って左に曲が
る」よう指令を与える。
【0099】
グラフィック指令を提示する代わりに、第2の表示領域を用いて広告やその他のプロモ
ーションを表示することもできる。広告やプロモーションはナビゲーションサービスによ
り提供される。特に、広告やプロモーションは所在地ベースにすることができるので、近
くの会社についての広告が提供される。広告を提供して宣伝収入を集めることによって、
ナビゲーションサービスはユーザへナビゲーションサービスを提供する場合のコストを相
殺できる。その内容は広告やプロモーションに限定されない。あらゆる所在地ベースのサ
ービスが含まれる。
【0100】
ユーザが行動を起こすのに必要な時間量に応じて、システムはナビゲーションモードを
ユーザが以前に選択した長時間持続モードに切り換えてもよい。システムは、ユーザと再
度通信するのに必要になるまでに予想時間量が経過するかどうかを判定する。予想時間量
が所定の時間量を超過すると、システムは長時間持続モードに切り換える。システムがモ
ードを切り換えると、ユーザが好適な時期に要求された行動に移れるように、ユーザが行
動を起こす必要がでる前にシステムはナビゲーションモードに再び切り換える。例えば、
ルートが同じ道路で25マイルの範囲であるとき、ユーザが路上にいれば、システムは長
時間持続モードに再び切り換える。次の指令をユーザに出す前に、システムはナビゲーシ
ョンモードに戻る。このように、システムはナビゲーション指令を与え、ユーザが指令を
なんら必要としないときにコンテンツを聞くことができる。
【0101】
ユーザは、ナビゲーションモードコントロールを選択することにより、途中でルートを
キャンセルするか目的地をルートに追加することができる。目的地は次の目的地か最終目
的地として追加できる。ユーザは、ソフトコントロールを用いて追加された目的地の順番
を選択する。1つの実施例によれば、ソフトコントロール142は次の目的地に関連し、
ソフトコントロール146は最終目的地に関連している。図8Eを参照されたい。
【0102】
ユーザが目的地に到着すると、ナビゲーションモードを終了させるか目的地にマークを
つけることができる。ユーザが目的地にマークをつけるほうを選択すると、目的地をPO
Iリストに追加して適切な索引がその目的地につけられるように、ユーザは目的地につい
てのその他の情報とともに目的地の名称について促される。
【0103】
マークモード
マークモードは単一の機能を有し、この機能によってユーザはすぐに目的地を選択する
ことが可能となる。別のモードからマークモードに入るために、ユーザはマークコントロ
ールを選択する。ユーザは、1つ以上のプリセットコントロールかマークをつけた目的地
のリストを用いてマークをつけた目的地を選択する。ユーザがマークをつけた目的地を選
択すると、選択を確定するためにNEXTコントロールか確定コントロールを起動させ、
システムはそのマークをつけた目的地までのルートを判定する。
【0104】
1つの実施例によれば、1つのマークをつけた目的地は1つのプリセットコントロール
に関連する。ユーザはマークコントロール、適切なプリセットコントロール、ならびにN
EXTまたは確定コントロールを選択することにより、マークをつけた目的地までの指示
を得る。この実施例では、マークをつけた目的地の数をプリセットコントロールの数に限
定している。
【0105】
別の実施例によれば、1つのマークをつけた目的地は複数のプリセットコントロールに
関連する。この実施例では、マークをつけた目的地の数はプリセットコントロールの数に
限定されない。例えば、10個のプリセットコントロール(0−9)を用いて、各所在地
をプリセットコントロールを使って特定される2桁の数(00−99)を関連付けること
によって、100個のマークをつけた目的地を明らかにすることができる。両方の実施例
を同一のシステムで利用可能である。その場合、ユーザはマークモードセットアップ時に
1つの実施例を選択する。
【0106】
プリセットコントロールの代わりとして、ユーザは目的地リストを用いてマークをつけ
た目的地を選択することができる。マークモードは特定の目的地と一般的な目的地の2つ
の種類の目的地をサポートする。特定の目的地は、ユーザの家などの特定の所在地に関連
する。一般的な目的地はガソリンスタンドなどの複数の目的地に関連する。ユーザが特定
の目的地を選択すると、システムはその目的地までのルートを判定する。ユーザが一般的
な目的地を選択すると、システムはその一般的な目的地を満足する最も近い目的地を判定
する。例えば、ユーザがガソリンスタンドを選択すると、システムは最も近いガソリンス
タンドを探し当て、そのガソリンスタンドまでのルートを判定する。一般的な目的地は、
場所によるナビゲーション関連して上で説明したのと同様に階層状に配置される。
【0107】
ユーザは、リスト変更子を選択することによって目的地のリストを選択する。1つの実
施例によれば、リスト変更子には特定、一般、および最近のリスト変更子が含まれる。特
定のリスト変更子が選択されると、特定の目的地のリストが表示される。一般のリスト変
更子が選択されると、一般の目的地のリストが表示される。最近のリスト変更子が選択さ
れると、マークモードでアクセスしたもっとも最近の目的地のリストが表示される。図9
を参照されたい。
【0108】
ユーザは、プリセットコントロールの1つを選択してそれを保持することにより、新た
にマークをつけた所在地を入力することができる。ユーザは現在の所在地にマークをつけ
るか遠隔の所在地にマークをつけることができる。ユーザは、例えば「new」のラベル
のついた例えばソフトコントロール142などのソフトコントロール、または例えば「r
emote」のラベルのついた例えばソフトコントロール146などのソフトコントロー
ルを選択することによって、マークをつけた所在地が現在の所在地または遠隔の所在地に
対応するかどうかを示す。ユーザがその所在地は遠隔の所在地に対応すると示すと、ナビ
ゲーションモードに関連して上で説明したのと同様なインタフェースを用いて所在地を入
力するよう促される。ユーザはマークをつけた所在地に割り当てられる名前を定義するこ
とができる。
【0109】
限定モード
限定モードによって、ユーザはシステムの特定のモードまたは機能をロックすることが
できる。ユーザは、限定モードコントロールを起動してプリセットコントロールを用いて
パスワードを入力することによって、限定モードを起動する。限定モードは2つの種類の
ロック、バレット(valet)とペアレンタル(parental)をサポートする。
【0110】
バレットロックは、係員のいる駐車場で車両から離れるときに用いることができる。シ
ステムの(限定モードを除く)全てのモードと機能は、バレットロックが起動すると作動
不能になる。システムは定期的にTTSメッセージを介してバレットロックが起動中であ
ることを通知する。また、バレットロックが起動中であることを示すテキストメッセージ
とグラフィックアイコンの両方またはいずれか一方を表示してもよい。図10を参照され
たい。システムは、車両速度と所在地を監視して、ある所定のパラメータが超過した場合
には、ユーザに通知する。例えば、車両速度と所在地を監視して、駐車場係員が超過速度
で車両を運転しているかまたは狭い地理的領域で車両を運転しているかを判定する。
【0111】
ペアレンタルロックは、バレットロックに類似しているが、モードや機能のいくつかま
たは全てを作動可能にしておくことができる。ペアレンタルロック用パラメータは、典型
的にはバレットロック用パラメータとは異なる。また、システムは、車両の運転が開始さ
れるとペアレンタルロックが起動中であることを通知するだけである。
【0112】
パラメータが超過すると、ユーザは付属装置を介して連絡を受ける。例えば、付属装置
が携帯電話であれば、電話、ポケットベル、Eメール、その他ユーザが望む方法でユーザ
に連絡するために電話を使用することができる。
【0113】
バレットロックかペアレンタルロックを解除するためには、ユーザはプリセットコント
ロールを用いてパスワードを再入力する。
【0114】
外部インタフェース
上述のとおり、システムは遠隔サーバと通信して、情報サービス、逆ロックアップサー
ビス、ナビゲーションサービスなどのサービスプロバイダ(提供者)が提供する情報にア
クセスする。本明細書で言う「遠隔サーバ」という用語は、システムの外部のあらゆる装
置を含むものである。装置は車両内PDAなど、車両内に配置してもよいし、ISPに関
連するサーバなど、車両の外部に配置してもよい。
【0115】
1つの実施例において、システムでは1つ以上のXMLスクリプトを用いて遠隔サーバ
からの情報を要求したり、XMLパーサを用いて関連情報を抽出する。システムは、どの
ようにして情報をユーザに提供するかを判定する。例えば、システムは、情報が表示テキ
ストとして、表示グラフィックとして、またはTTSエンジンを介してユーザに提供され
るかを判定する。当業者には情報を取り出すのにXMLスクリプトを用いることは公知で
ある。XMLスクリプトを用いることによって、システムは、サービスに特定のインタフ
ェースをサポートするよう求めることなく、様々なサービスで動作可能となる。
【0116】
XMLスクリプトを変更するか、新たなXMLスクリプトを作成して、新たなサービス
またはインタフェースをサポートすることができる。既存のシステムを、変更XMLスク
リプトまたは新たなXMLスクリプトをインストールすることによって更新することがで
きる。さらに、XMLスクリプトを用いて、異なる型の車両にシステムを適合させること
もできる。
【0117】
様々なモードと機能についての上記説明は、システムによって直観的なインタフェース
が提供されることを示すものである。コントロールの中には全モードと機能を通して同一
の機能を提供するものもあれば、異なるモードまたは機能について異なる機能を提供する
コントロールもある。コントロールがモードや機能によって異なる場合であっても、異な
るモードで同様のタスクを同様の方法で実行することができる。例えば、電話によるナビ
ゲーション機能と番号による電話機能では同様のプロンプトが使用される。
【0118】
本発明が属する分野の当業者であれば、発明の要旨と範囲を逸脱しない別の実施例が自
明であろう。例えば、上記の説明ではユーザが一連のコントロールを用いてインタフェー
スと対話することを示してきたが、システムが音声認識をサポートするものであればユー
ザは音声を介してシステムと対話することもできる。ユーザは専用の音声コントロールか
音声コントロールと触感コントロールの組み合わせを用いることができる。さらに、ここ
で示す特定のディスプレイ、ソフトコントロール、リスト、リスト変更子は一例に過ぎず
、その他の実施例においてこれらは変更可能である。ディスプレイとコントロールの配置
もその他の実施例において変更可能である。例えば、選択コントロールと確定コントロー
ルの配置を右ハンドル車両用に変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、本発明の1つの実施例にかかるインタフェースパネルの使用の一例を示すものである。
【図2】図2は、本発明の別の実施例にかかるインタフェースパネルの使用の一例を示すものである。
【図3A】図3Aは、本発明の1つの実施例にかかる放送コンテンツモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図3B】図3Bは、本発明の1つの実施例にかかる放送コンテンツモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図4A】図4Aは、本発明の1つの実施例にかかる保存コンテンツモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図4B】図4Bは、本発明の1つの実施例にかかる保存コンテンツモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図5】図5は、本発明の1つの実施例にかかる要求コンテンツモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図6A】図6Aは、本発明の1つの実施例にかかる通信モード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図6B】図6Bは、本発明の1つの実施例にかかる通信モード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図6C】図6Cは、本発明の1つの実施例にかかる通信モード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図7A】図7Aは、本発明の1つの実施例にかかる通信割り込み用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図7B】図7Bは、本発明の1つの実施例にかかる通信割り込み用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図8A】図8Aは、本発明の1つの実施例にかかるナビゲーションモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図8B】図8Bは、本発明の1つの実施例にかかるナビゲーションモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図8C】図8Cは、本発明の1つの実施例にかかるナビゲーションモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図8D】図8Dは、本発明の1つの実施例にかかるナビゲーションモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図8E】図8Eは、本発明の1つの実施例にかかるナビゲーションモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図9】図9は、本発明の1つの実施例にかかる目的地マークモード用表示画面の一例とソフトコントロールの一例を示すものである。
【図10】図10は、本発明の1つの実施例にかかる制限モード用表示画面の一例を示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インタフェースを提供する方法であって、
第1モードのタイプに対応する第1モードコントロールの選択を受け取ることと、
前記第1モードを始動することと、
第2モードのタイプに対応する第2モードコントロールの選択を受け取ることと、
前記第2モードコントロールの選択を受け取ったことに応答して、前記第1モードを割り込み地点で中断し、前記第2モードを始動することと、
前記第1モードの選択と前記第2モードの選択とのうちの少なくとも1つを確定することであって、前記確定することは、ユーザが手動で確定コントロールを始動することを含む、ことと、
前記第2モードに関連するアクティビティが完了したことを決定することであって、前記第2モードの始動および前記第2モードに関連するアクティビティの完了のうちの少なくとも一方が前記確定コントロールを用いて実行される、ことと、
前記アクティビティが完了したという決定に応答して、前記第1モードを前記割り込み地点から再始動し、前記第2モードを停止することと
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−80134(P2009−80134A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319016(P2008−319016)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【分割の表示】特願2004−513914(P2004−513914)の分割
【原出願日】平成15年6月13日(2003.6.13)
【出願人】(504065062)パナソニック オートモーティブ システムズ カンパニー オブ アメリカ (1)
【氏名又は名称原語表記】PANASONIC AUTOMOTIVE SYSTEMS COMPANY OF AMERICA
【Fターム(参考)】