説明

ミシン用操作装置及びミシン

【課題】ユーザの足の操作に応じてミシンを動作させるミシン用操作装置において、操作性の向上を図る。
【解決手段】ミシン本体に接続されて、ユーザの足元に置かれるミシン用操作装置40は、基台41上に、コントロールボックス42、ペダル装置43、スイッチ操作部44を備える。スイッチ操作部44は、右壁、後壁、左壁からなる手前側が開放した立上り壁48の内壁面に、返し縫いスイッチ49、押え上下スイッチ50、糸切りスイッチ51を設けて構成する。立上り壁48の内側の空間部に、ユーザの足が載置される載置台52を設ける。載置台52は、底部に設けられた4個のキャスター53により任意の方向に移動自在に支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシン本体に接続して、ユーザの足の操作に応じてミシンを動作させるミシン用操作装置及びこの操作装置を備えたミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のミシンにおいて、ユーザは、足踏みペダルをミシンに接続し、足踏みペダルを足で操作することで、ミシンの動作を指示する構成のものが周知である。これによれば、ユーザが、足踏みペダルを足で操作する(踏込む)ことにより、縫製動作の開始や停止の指示、及び縫製速度(ミシンモータの回転速度)の調整を、手を使わずに行うことができる。
【0003】
また、近年では、押え足を上げる動作を指示したり、糸切り動作を指示したりするために、足踏みペダルに加えて、ユーザが足で操作するスイッチを備えた操作装置が考えられている(例えば特許文献1、2参照)。この場合、前記スイッチは、足踏みペダルの横側に配置され、押しボタンやレバー等の操作部材を備えている。ユーザは、足の側面で操作部材を操作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭64−11182号公報
【特許文献2】特開平10−118380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1,2の構成では、スイッチの操作部材を操作するためには、ユーザは、足の爪先を足踏みペダルの上から少し浮かせながら、左右方向に回動(揺動)させる必要があり、ユーザにとって必ずしも行い易い操作ではなかった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザの足の操作に応じてミシンを動作させる装置であって、操作性の向上を図ることができるミシン用操作装置及びこの操作装置を備えたミシンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のミシン用操作装置は、ミシン本体に接続可能な接続手段と、ユーザの足の操作に応じた操作信号を出力する出力手段とを有するミシン用操作装置であって、ユーザの足が載置される載置台と、前記載置台を任意の方向に移動自在に支持する支持手段と、ユーザが前記載置台に足を載せたまま位置を移動させたとき、前記載置台の位置又は該載置台上の足の位置が、異なる複数の所定位置のいずれかに位置することを検出する検出手段とを備えるところに特徴を有する。
【0008】
上記構成によれば、ユーザが足を載置する載置台は、支持手段によって移動自在に支持されているので、ユーザは、足を載置台に載せたままの状態で、足を動かすことで載置台を容易に移動させることができる。そして、ユーザが、足と共に載置台を異なる複数の所定位置のいずれかの位置に移動させると、検出手段により、載置台又は足が、いずれかの所定位置に位置することが検出される。そして、出力手段により、検出手段の検出結果に応じた操作信号をミシン本体側に出力する。
【0009】
請求項2のミシン用操作装置は、請求項1の発明において、前記支持手段は、前記載置台の底部に回転自在に支持された回転体を備えるところに特徴を有する。
【0010】
請求項3のミシン用操作装置は、請求項1の発明において、前記支持手段は、前記載置台を所定方向に移動可能に支持するスライド支持機構を備えるところに特徴を有する。
【0011】
請求項4のミシン用操作装置は、請求項1から3のいずれかの発明において、前記検出手段は、前記載置台の側方周囲に少なくとも1つ以上が配置され、前記載置台又は足によって操作されるスイッチ、或いは、前記載置台又は足が所定位置にあることを検出するセンサを備えるところに特徴を有する。
【0012】
請求項5のミシン用操作装置は、請求項1から4のいずれかの発明において、前記載置台に対するユーザの足による操作力が解除された状態で、該載置台を、前記検出手段により検出されない中立位置に復帰させる復帰手段を備えるところに特徴を有する。
【0013】
請求項6のミシン用操作装置は、請求項1から5のいずれかの発明において、前記接続手段は、USB規格に準拠した通信を用いる接続手段であるところに特徴を有する。
【0014】
本発明の請求項7のミシンは、請求項1から6のいずれかに記載のミシン用操作装置を備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1のミシン用操作装置によれば、ミシン本体に接続可能な接続手段と、ユーザの足の操作に応じた操作信号を出力する出力手段とを有するものであって、ユーザの足が載置される載置台と、前記載置台を任意の方向に移動自在に支持する支持手段と、ユーザが前記載置台に足を載せたまま位置を移動させたとき、前記載置台の位置又は該載置台上の足の位置が、異なる複数の所定位置のいずれかに位置することを検出する検出手段とを備えるので、ユーザは、足を載置台に載せたままの状態で、足を容易に移動させることができ、以て、操作性の向上を図ることができるという優れた効果を得ることができる。
【0016】
請求項2のミシン用操作装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、前記支持手段は、前記載置台の底部に回転自在に支持された回転体を備えて構成されるので、簡単な構成にすることができ、載置台を軽い力でスムーズに移動させることができる。
【0017】
請求項3のミシン用操作装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、前記支持手段は、前記載置台を所定方向に移動可能に支持するスライド支持機構を備えて構成されるので、簡単な構成にすることができ、載置台を軽い力でスムーズに移動させることができる。
【0018】
請求項4のミシン用操作装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の発明の効果に加え、前記検出手段は、前記載置台の側方周囲に少なくとも1つ以上が配置され、前記載置台又は足によって操作されるスイッチ、或いは、前記載置台又は足が所定位置にあることを検出するセンサを備えているので、検出手段の構成を簡単で安価にすることができる。
【0019】
請求項5のミシン用操作装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の発明の効果に加え、前記載置台に対するユーザの足による操作力が解除された状態で、該載置台を、前記検出手段により検出されない中立位置に復帰させる復帰手段を備えるので、ユーザが載置台から足を離すと、載置台は中立位置に自動で復帰する.従って、ユーザが載置台を中立位置に戻す操作が不要となって、操作性を更に向上させることができる。
【0020】
請求項6のミシン用操作装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載の発明の効果に加え、前記接続手段は、USB規格に準拠した通信を用いる接続手段であるので、USBコネクタ(ポート)を備えているミシン全般に接続することが可能となり、汎用性が高いものとなる。また、ミシン用操作装置を一般的なパソコンに接続し、該パソコンを用いて各種の設定(設定データの書替え)を行うといった使い方も可能となる。データ転送速度が速いなどのUSB規格自体のメリットが得られることは勿論である。
【0021】
請求項7のミシンによれば、請求項1から6のいずれかに記載のミシン用操作装置を備えるので、請求項1から6のいずれかに記載の発明の効果と同様の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、ミシンの全体の外観構成を示す図
【図2】ミシンの電気的構成を概略的に示すブロック図
【図3】ミシン用操作装置の平面図(a)、正面図(b)、及び右側面図(c)
【図4】載置台の平面図(a)、正面図(b)、及び右側面図(c)
【図5】ミシン用操作装置の電気的構成を概略的に示すブロック図
【図6】ミシン本体の制御装置が実行するミシン用操作装置の操作に係る処理手順を示すフローチャート
【図7】図6のステップS13の詳細な処理手順を示すフローチャート
【図8】本発明の第2の実施形態を示す図3相当図
【図9】本発明の第3の実施形態を示す図3相当図
【図10】本発明の第4の実施形態を示す図3相当図
【図11】本発明の第5の実施形態を示すもので、図3相当図
【図12】スライド機構の構成を示す平面図(a)、正面図(b)、及び右側面図(c)
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(1)第1の実施形態
以下、本発明を例えば家庭用の電子ミシンに用いられるミシン用操作装置に適用した第1の実施形態について、図1から図7を参照しながら説明する。まず、図1は、家庭用ミシンのミシン本体1の外観構成を示しており、このミシン本体1の全体構成について簡単に述べる。
【0024】
このミシン本体1は、左右方向(X方向)に延びるミシンベッド2と、ミシンベッド2の右端部から上方に延びる脚柱部3と、脚柱部3の上端から図で左方に延びるアーム部4とを一体的に有して構成されている。アーム部4の先端部が、頭部5とされている。頭部5には、針棒6が上下動及び左右方向(X方向)に揺動可能に設けられている。針棒6の下端部には、縫針7が装着されている。また、頭部5には、針棒6(縫針7)の後ろ側に位置して押え棒8が設けられている。押え棒8の下端に押え足9が着脱(交換)可能に設けられている。また、頭部5内には、押え足9(押え棒8)を、上昇位置と下降位置とに亙って移動させる周知の押え駆動機構(図示せず)が設けられている。押え駆動機構は、押え駆動モータ10(図2参照)の駆動により駆動される。
【0025】
また、詳しく図示はしないが、前記アーム部4内には、ミシンモータ11(図2参照)により回転駆動される主軸と、主軸の回転角度を検出する主軸角度検出器13(図2参照)が設けられている。また、頭部5内には、いずれも図示はしないが、前記針棒6を上下動させる針棒駆動機構、針棒6の上下動に同期して天秤を上下動させる天秤駆動機構、針振りパルスモータ12(図2参照)を駆動源として針棒6を布送り方向と直交する方向(X方向)に揺動させる針棒揺動機構、上糸の張力を調整する糸調子装置等が設けられている。針棒駆動機構及び天秤駆動機構は、主軸の回転により駆動される。主軸角度検出器13により、主軸の角度が検出されることで、針棒6の上下位置が特定される。
【0026】
前記ミシンベッド2の上面には、針板(図示せず)が設けられている。また、いずれも図示はしないが、ミシンベッド2内には、針板の下側に位置して、前記針棒6の上下動と同期して送り歯を駆動させる送り歯駆動機構、下糸ボビンを収容し縫針7と協働して縫目を形成する回転釜、自動糸切り機構等が設けられている。自動糸切り機構は、周知の機構であって、糸切りモータ14(図2参照)を駆動源として、縫製動作が終了した後に、前記針板の下面側で上糸及び下糸を自動で切断する機構である。
【0027】
前記ミシンベッド2の左側部分には、刺繍機23が着脱可能に装着されている。刺繍機23は、加工布(図示せず)を保持した刺繍枠(図示せず)を装着して、ミシンベッド2上において、X方向(左右方向)及びそれとは直交するY方向(前後方向)に自在に移動させるものである。刺繍機23がミシンベッド2に装着された状態では、ミシンベッド2に設けられたコネクタ24(図2参照)を介して、後述するミシンの制御装置25(コントロールユニット)に電気的に接続される。但し、本実施形態においては、後述するミシン用操作装置40を使用するのは、刺繍機23を使用しない通常の縫製を行う場合であるとする。
【0028】
さらに、図1に示すように、アーム部4の前面側には、ミシンモータ11の起動又は停止を指示する起動・停止キー15、返し縫い動作を指示する返し縫いキー16、針棒6の停止位置を針上又は針下に切替える動作を指示する針上下キー17、糸切り動作を指示する糸切りキー18、押え足9を上昇又は下降させる動作を指示する押え上下キー19、縫製速度(ミシンモータ11の回転速度)を調整する速度調整つまみ20などの各種の操作キーが設けられている。ここで、後述するミシン用操作装置40をミシン本体1に接続しない状態では、ユーザは、上記の操作キーを適宜手指で操作する。前記脚柱部3の前面には、大型で縦長形状をなしフルカラー表示が可能な液晶ディスプレイ21が設けられている。この液晶ディスプレイ21の表面にはタッチパネル22が設けられている。ユーザは、タッチパネル22を押圧操作することによって、所望の実用模様や刺繍模様等を選択したり、縫製に関する各種の機能を実行させたりすることができる。
【0029】
図2は、ミシン本体1の電気的構成を概略的に示している。ここで、ミシン本体1の全体を制御する制御装置25は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、CPU26、ROM27、RAM28、EEPROM29、入力インターフェイス30、出力インターフェイス31、USBインターフェイス32をバス33により相互に接続して構成されている。前記ROM26には、縫製動作を制御するための制御プログラムや、縫製動作に必要な縫目データ等の各種のデータが記憶されている。
【0030】
前記入力インターフェイス30には、前記主軸角度検出器13、タッチパネル22、起動・停止キー15、返し縫いキー16、針上下キー17、糸切りキー18、押え上下キー19、速度調整つまみ20が接続されており、それらの操作信号が制御装置25に入力される。前記出力インターフェイス31には、駆動回路34を介して前記液晶ディスプレイ21が接続されていると共に、駆動回路35、36、37、38を夫々介してミシンモータ11、針振りパルスモータ12、押え駆動モータ10、糸切りモータ14が接続されている。制御装置25は、それらを制御して縫製動作を実行する。出力インターフェイス31には、前記コネクタ24も接続されている。
【0031】
そして、本実施形態では、前記制御装置25(CPU26)はUSBホスト機能を有し、前記USBインターフェイス32に接続されたUSBコネクタ(ポート)39を備えている。USBコネクタ(ポート)39は、図1に示すように、前記ミシン本体1の脚柱部3の右側壁部に設けられている。USBコネクタ(ポート)39には、本実施形態に係るミシン用操作装置40が着脱可能に接続される。ミシン用操作装置40は、ユーザの足の操作に応じた操作信号を出力するものであり、詳しくは後述する。
【0032】
また、以下についても詳しくは後述するが、制御装置25は、ミシン用操作装置40がミシン本体1に接続された状態で、ミシン用操作装置40の出力した操作信号を読込み、その操作信号に応じた処理を行う。具体的には、ミシンモータ11(縫製動作)の起動又は停止、縫製速度(ミシンモータ11の回転速度)の調整、針棒6の停止位置を針上又は針下に切替える動作、返し縫い動作、自動糸切り機構による糸切り動作、押え駆動機構による押え足9の上昇又は下降の動作の制御を行う。
【0033】
さて、本実施形態に係るミシン用操作装置40について、図3から図5も参照して述べる。図3は、ミシン用操作装置40の全体の外観を示している。ミシン用操作装置40は、基台41、コントロールボックス42、ペダル装置43、及びスイッチ操作部44を備えている。基台41は、横長な矩形板状をなす平板状の部材である。基台41の上面には、右方から順に、コントロールボックス42、ペダル装置43、及びスイッチ操作部44が設けられる。ここで、図示はしないが、ミシン本体1は作業用テーブル又は作業用机の上に置かれ、ミシン用操作装置40は床上、即ち、ユーザの足元に置かれる。ユーザは、図示しない椅子に座って、ミシン用操作装置40を足で操作する。
【0034】
詳しい説明は省略するが、前記ペダル装置43は、周知のように、ユーザの足(この場合右足)により踏込み操作される操作部43aと、操作部43aの踏込み量に応じて抵抗値が変動する可変抵抗器(図示せず)等を備えている。そして、当該操作部43aの踏込み量に応じた電圧信号(AD値)を出力する。前記コントロールボックス42は、薄型の矩形形状の箱部材であり、通信用のマイコン45やUSBインターフェイス46(図5にのみ図示)等を備えた回路基板を内部に収容する。また、前記コントロールボックス42の上面には、押しボタンスイッチからなる針上下スイッチ47が設けられている。針上下スイッチ47は、前記針棒6の停止位置を針上又は針下に切替える動作を指示するスイッチで、ユーザの右足の裏で押下げ操作される。
【0035】
前記スイッチ操作部44は、ユーザの左足で操作されるもので、以下の構成を備えている。即ち、基台41上には、右壁、後壁、左壁からなる手前側が開放した立上り壁48が設けられている。立上り壁48の内側の空間部は、ユーザの左足が十分に入る大きさになっている。立上り壁48の右壁、後壁、左壁の各内壁面には、返し縫い動作を指示する返し縫いスイッチ49、押え足9を上昇又は下降させる動作を指示する押え上下スイッチ50、糸切り動作を指示する糸切りスイッチ51が夫々設けられている。これら3個のスイッチ49〜51は、ユーザが、足の爪先、足の左側面,又は足の右側面で押圧操作する押しボタンスイッチからなり、後述する検出手段として機能する。
【0036】
そして、前記基台41上の前記立上り壁48の内側の空間部には、図4にも示すように、ユーザの足、この場合左足が載置される載置台52が配置されている。この載置台52は、前後方向にやや長い矩形形状の平板部材である。その大きさは、立上り壁48の内側の空間部よりも小さく、且つユーザの足の大きさよりも少し小さく設定されている。載置台52の底部(下面部)には、4つのコーナー部近傍に位置して、4個のキャスター53が設けられている。これらキャスター53は、いわゆるボールキャスターであり、図4(b)、(c)に示すように、回転体としての球状のボール53aを、キャスター本体部の下方に一部が突出するように全方向に回転自在に保持して構成されている。4個のキャスター53が、支持手段として機能する。
【0037】
キャスター53のボール53aが基台41の上面を自在に転動することにより、載置台52は、ユーザが足を載せたまま、立上り壁48の内側部において任意の方向に移動自在に支持される。また、図3(b)に示すように、前記各スイッチ49〜51は、ユーザが載置台52上に足を載せたまま、足の爪先や、足の左右の側面部分で押圧操作できる高さ位置に設けられている。これら各スイッチ49〜51は、載置台52上のユーザの足の位置が、異なる複数の所定位置、即ち、各スイッチ49〜51のいずれかを押圧する位置にあることを検出する検出手段として機能する。ここで、各スイッチ49〜51を足で押圧操作する代わりに、載置台52の側面部で各スイッチ49〜51を押圧操作してもよい。この場合には、載置台52の大きさを、足の大きさよりも少し大きく形成し、各スイッチ49〜51を、載置台52の側面部と対向する高さ位置に設ける。
【0038】
図5は、ミシン用操作装置40の電気的構成を概略的に示している。前記ペダル装置43の出力信号や針上下スイッチ47の信号、更に、スイッチ操作部44の返し縫いスイッチ49、押え上下スイッチ50、糸切りスイッチ51の信号は、前記通信用のマイコン45に入力される。そして、通信用マイコン45には、USBインターフェイス46が接続され、更にUSBインターフェイス46に接続されたケーブル54の先端には、USBコネクタ55が接続されている。尚、USBインターフェイス46及びUSBコネクタ55、並びにミシン本体1の制御装置25のUSBインターフェイス32及びUSBコネクタ39は、例えば、USB2.0規格以上のものとされ、十分に高いデータ通信速度を有している。
【0039】
これにて、ミシン用操作装置40は、図1に示すように、前記USBコネクタ55が前記ミシン本体1のUSBコネクタ(ポート)39に接続されることにより、ミシン本体1の制御装置25に接続される。このように、USB規格に準拠した通信(データ転送)を行う接続手段が構成されている。このとき、通信用マイコン45は、ペダル装置43、針上下スイッチ47、返し縫いスイッチ49、押え上下スイッチ50、糸切りスイッチ51の操作に応じた操作信号をミシン本体1側に出力する。通信用マイコン45が出力手段に相当する。尚、ミシン用操作装置40の電源は、USBコネクタ55を介してミシン本体1側から供給される。
【0040】
次に、上記構成の作用について、図6及び図7も参照して述べる。ミシン本体1により縫製作業を行うユーザは、まず、ミシン用操作装置40を足元に置く。そして、USBコネクタ55を、ミシン本体1のUSBコネクタ(ポート)39に接続する。そして、ユーザは、ミシン用操作装置40を足で操作することにより、被縫製物(加工布)を両手で保持しながら、縫製動作の種々の操作を行うことができる。
【0041】
即ち、ユーザは、右足をペダル装置43の操作部43aの上に載せて、操作部43aを下方に踏込むことで、ミシンモータ11を起動させることができる。また、右足を操作部43aの上から離すことで、ミシンモータ11を停止させることができる。また、操作部43aの踏込み量の調整により、縫製速度(ミシンモータ11の回転速度)の調整を行う事ができる。また、ユーザが右足で、針上下スイッチ47を押下げ操作することにより、前記針棒6の停止位置を針上又は針下位置へ切替えることができる。つまり、針棒6が針下位置で停止している状態で、針上下スイッチ47を押下げ操作すると、針棒6は針下位置から針上位置に移動する。逆に、針棒6が針上位置で停止している状態で、針上下スイッチ47を押下げ操作すると、針棒6は針上位置から針下位置に移動する。
【0042】
そして、ユーザは、左足を載置台52の上に載置し、その載置台52に左足を載せたままの状態で左足の位置を移動させ、スイッチ操作部44の各スイッチ49〜51を押圧操作することができる。このとき、載置台52の底部には、基台41の上面を自在に転動するボール53aを有した4個のキャスター53が設けられているので、軽い力でスムーズに載置台52を移動させることができる。よって、ユーザは、載置台52に載せた左足を、任意の方向(位置)に容易に移動させることができる。
【0043】
この場合、左足の位置を右方に移動させることにより、左足の右側面で返し縫いスイッチ49を押圧操作して返し縫い動作を指示することができる。また、左足の位置を後方に移動させることにより、左足の爪先で押え上下スイッチ50を押圧操作して、押え足9を上昇又は下降させる動作を指示することができる。つまり、押え足9が下降位置にある状態で、押え上下スイッチ50を押圧操作すると、押え足9は下降位置から上昇位置に移動する。逆に、押え足9が上昇位置にある状態で、押え上下スイッチ50を押圧操作すると、押え足9は上昇位置から下降位置に移動する。また、左足の位置を左方に移動させることにより、左足の左側面で糸切りスイッチ51を押圧操作して、糸切りの動作を指示することができる。
【0044】
このとき、ミシン本体1の制御装置25は、ミシン用操作装置40が接続されている状態では、ミシン用操作装置40から出力される操作信号を監視し、それら信号に応じた処理を実行する。図6に示すフローチャートは、ミシン本体1の制御装置25(CPU26)が実行する、ミシン用操作装置40の操作信号の読込み等の周期タイマ処理の処理手順を示している。また、図7に示すフローチャートは、図6に示すフローチャートにおけるステップS13のマトリクス処理の詳細な手順を示している。
【0045】
図6において、周期タイマ処理がスタートされると、まずステップS1では、スイッチ読込みタイミングかどうかが判断され、スイッチ読込みタイミングでない場合には(ステップS1にてNo)、そのままステップS10に進む。スイッチ読込みタイミングである場合には(ステップS1にてYes)、次のステップS2にて、返し縫いスイッチ49がオンかどうかが判断される。返し縫いスイッチ49がオンでない場合には(ステップS2にてNo)、そのままステップS4に進む。返し縫いスイッチ49がオンされた場合には(ステップS2にてYes)、ステップS3にて、返し縫いフラグがオンされた上で、ステップS4に進む。
【0046】
ステップS4では、針上下スイッチ47がオンされたかどうかが判断される。針上下スイッチ47がオンでない場合には(ステップS4にてNo)、そのままステップS6に進む。針上下スイッチ47がオンされた場合には(ステップS4にてYes)、ステップS5にて、針上下フラグがオンされた上で、ステップS6に進む。ステップS6では、糸切りスイッチ51がオンされたかどうかが判断される。糸切りスイッチ51がオンでない場合には(ステップS6にてNo)、そのままステップS8に進む。糸切りスイッチ51がオンされた場合には(ステップS6にてYes)、ステップS7にて、糸切りフラグがオンされた上で、ステップS8に進む。
【0047】
ステップS8では、押え上下スイッチ50がオンされたかどうかが判断される。押え上下スイッチ50がオンでない場合には(ステップS8にてNo)、そのままステップS10に進む。押え上下スイッチ50がオンされた場合には(ステップS8にてYes)、ステップS9にて、押え上下フラグがオンされた上で、ステップS10に進む。ステップS10では、ペダル装置43の出力信号(AD値)の読込みタイミングかどうかが判断される。AD値読込みタイミングでない場合には(ステップS10にてNo)、そのままステップS12に進む。AD値読込みタイミングである場合には(ステップS10にてYes)、次のステップS11にて、AD値が読込まれて変数JoyADにセットされた上で、ステップS12に進む。
【0048】
ステップS12では、マトリクス処理の実施タイミングかどうかが判断される。マトリクス処理実施タイミングでない場合には(ステップS12にてNo)、そのままステップS14に進む。マトリクス処理実施タイミングである場合には(ステップS12にてYes)、次のステップS13にて、後述のマトリクス処理が実行された上で、ステップS14に進む。ステップS14では、モータ速度変更タイミングかどうかが判断される。モータ速度変更タイミングでない場合には(ステップS14にてNo)、そのまま終了する。モータ速度変更タイミングである場合には(ステップS14にてYes)、ステップS15にて、変数JoyADの値に基づいてモータ速度指示が行われ、処理を終了する。
【0049】
次に、図7のフローチャートを参照して、前記ステップS13のマトリクス処理の詳細について述べる。ステップS21では、返し縫いフラグがオンであるかどうかが判断される。オンである場合には(ステップS21にてYes)、ステップS22にて、返し縫い動作が実行された後、終了(リターン)する。返し縫いフラグがオンでない場合には(ステップS21にてNo)、ステップS23に進み、針上下フラグがオンであるかどうかが判断される。針上下フラグがオンである場合には(ステップS23にてYes)、ステップS24にて、針棒6の停止位置を針上又は針下位置に切替える動作が実行された後、終了する。
【0050】
針上下フラグがオンでない場合には(ステップS23にてNo)、ステップS25に進み、糸切りフラグがオンであるかどうかが判断される。糸切りフラグがオンである場合には(ステップS25にてYes)、ステップS26にて、自動糸切り機構による糸切り動作が実行された後、終了する。糸切りフラグがオンでない場合には(ステップS25にてNo)、ステップS27に進み、押え上下フラグがオンであるかどうかが判断される。押え上下フラグがオンである場合には(ステップS27にてYes)、ステップS28にて、押え駆動機構による押え足9を上昇又は下降させる動作が実行された後、終了する。押え上下フラグがオンでない場合には(ステップS27にてNo)、そのまま終了する。
【0051】
尚、この図7の処理により、例えばスイッチ操作部44の複数のスイッチ49〜51が同時にオン操作されたような場合でも、優先順位のより高い(フローチャートのステップ番号が若い)もののみが有効となり、同時に2つの動作が行われることが未然に防止されている。
【0052】
このような本実施形態のミシン用操作装置40によれば、ユーザの足が載置される載置台52を、キャスター53によって任意の方向に移動自在に支持し、ユーザが足を載置台52に載せたまま位置を移動させることによって、スイッチ操作部44の返し縫いスイッチ49、押え上下スイッチ50、又は糸切りスイッチ51を押圧操作するように構成した。これにより、ユーザは、足を容易に移動させることができ、スイッチ操作部44の操作性の向上を図ることができるという優れた効果を奏する。
【0053】
このとき、特に本実施形態では、載置台52を移動自在に支持する支持手段として、ボール53aを有するキャスター53を採用したので、簡単な構成にすることができ、ユーザは載置台52を軽い力でスムーズに移動させることができる。また、本実施形態では、ユーザの足又は載置台52が所定位置のいずれかに位置することを検出する検出手段として押しボタン式のスイッチ49〜51を採用したので、検出手段の構成を簡単で安価にすることができる。
【0054】
更に、本実施形態では、ミシン用操作装置40とミシン本体1とを接続する手段として、USB規格に準拠した通信を用いる接続手段を採用したので、ミシン用操作装置40を、USBコネクタ(ポート)39を備えているミシンに接続することが可能となり、汎用性が高いものとなる。ミシン用操作装置40をパソコンに接続し、該パソコンを用いて各種の設定(設定データの書替え)を行うといった使い方も可能となる。データ転送速度が速いなどのUSB規格自体のメリットが得られることは勿論である。
【0055】
(2)第2〜第5の実施形態、その他の実施形態
以下、図8〜図12を参照しながら、本発明の第2〜第5の実施形態について述べる。これら第2〜第5の実施形態は、第1の実施形態と同様に、ミシン本体1に接続されるミシン用操作装置に関するものであり、上記第1の実施形態と同一部分については、同一符号を付して詳しい説明や新たな図示を省略する。以下、上記第1の実施形態と相違する点について説明する。
【0056】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るミシン用操作装置61を示している。ミシン用操作装置61が、上記第1の実施形態のミシン用操作装置40と異なる点は、基台41のうち左方に位置して設けられるスイッチ操作部62の構成にある。スイッチ操作部62は、立上り壁48の右壁、後壁、左壁の各内壁面に、検出手段として、押しボタンスイッチではなく光学センサを採用する。即ち。ユーザの足が所定位置にあることを検出する返し縫いセンサ63、押え上下センサ64、糸切りセンサ65が夫々設けられる。詳しくは、前記各センサ63〜65は、人体から発する赤外線を検出する赤外線センサからなる。そして、ユーザの足が、所定距離内に近接したことを検出(オン動作)するように構成されている。
【0057】
上記構成のミシン用操作装置61において、ユーザが、左足を載置台52に載せたままの状態で、左足の位置を右方に移動させて返し縫いセンサ63に近付けると、返し縫いセンサ63が左足を検出して、返し縫い動作が指示される。また、左足の位置を後方に移動させて押え上下センサ64に近付けると、押え上下センサ64が左足を検出して、押え足9を上昇又は下降させる動作が指示される。また、左足の位置を左方に移動させて糸切りセンサ65に近付けると、糸切りセンサ65が左足を検出して、糸切り動作が指示される。
【0058】
このように、ユーザが載置台52に足を載せたまま、足の位置を移動させることによって、光学センサからなる返し縫いセンサ63、押え上下センサ64、糸切りセンサ65が足の近接を検出するように構成した。従って、この第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、ユーザは、足を容易に移動させることができる。そして、各センサ63〜65に足を近接させるだけの簡単な操作でミシン本体1を動作させることができるので、スイッチ操作部62の操作性を更に向上させることができる。また、検出手段の構成を簡単で安価にすることができる等の優れた効果を奏する。
【0059】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るミシン用操作装置71を示している。第3の実施形態においては、第2の実施形態と同様に、スイッチ操作部72に、光学センサである返し縫いセンサ73、押え上下センサ74、糸切りセンサ75を夫々備えている。但し、これら各センサ73〜75は、詳しく図示はしないが、発光部と受光部とが並設された反射型光センサからなる。反射型光センサは、発光部から発した光が物体表面で反射し、その反射光を受光部で受光することにより、物体の近接を検出する周知の構成のセンサである。この場合、載置台52の側面部が、発光部から発した光を反射する反射面として機能する。また、検出精度を上げる為、専用の反射板を載置台52の側面に設けてもよい。
【0060】
上記構成のミシン用操作装置71において、ユーザが、左足を載せた載置台52を右方に移動させて、載置台52の右側面を返し縫いセンサ73に近付けると、返し縫いセンサ73が載置台52の近接を検出して、返し縫い動作が指示される。また、載置台52を後方に移動させて、載置台52の後側面を押え上下センサ74に近付けると、押え上下センサ74が載置台52の近接を検出して、押え足9を上昇又は下降させる動作が指示される。また、載置台52を左方に移動させて、載置台52の左側面を糸切りセンサ75に近付けると、糸切りセンサ75が載置台52の近接を検出して、糸切り動作が指示される。
【0061】
以上のように、第3の実施形態においても、上記第2の実施形態と同様に、ユーザは、足を容易に移動させることができる。そして、各センサ73〜75に載置台52を近接させるだけの簡単な操作でミシン本体1を動作させることができるので、スイッチ操作部72の操作性を更に向上させることができる。また、検出手段の構成を簡単で安価にすることができる等の優れた効果を奏する。
【0062】
図10は、本発明の第4の実施形態に係るミシン用操作装置81を示している。このミシン用操作装置81が、上記第1の実施形態のミシン用操作装置40と異なる点は、スイッチ操作部82において、ユーザの足による載置台52に対する操作力が解除された状態、即ち、ユーザが載置台52の上から足を離したとき、該載置台52を、検出手段(スイッチ49,50,51)により検出されない中立位置に復帰させる復帰手段を設けたところにある。
【0063】
具体的には、立上り壁48の右壁内面と載置台52の右側部との間、立上り壁48の左壁内面と載置台52の左側部との間、立上り壁48の後壁内面と載置台52の後側部との間に、夫々各2個合計6個のコイルばね83を掛渡すように配設(張架)している。これにより、ユーザが足を載せた載置台52を、図示の中立位置から例えば右方向に移動させると、立上り壁48の右壁内面と載置台52の右側部との間にある2個のコイルばね83は圧縮し、それ以外のコイルばね83は引張られて伸長する。その後、ユーザが足による操作力を解除すると、即ち、ユーザが載置台52の上から足を離すと、夫々の伸びたコイルばね83が弾性力により初期状態に戻るので、載置台52が中立位置に復帰する。
【0064】
このような第4の実施形態によれば、復帰手段としてのコイルばね83を設けたことにより、載置台52を自動で中立位置に復帰させることができる。従って、ユーザが載置台52を中立位置に戻す操作が不要となって、操作性を更に向上させることができる。
【0065】
図11及び図12は、本発明の第5の実施形態を示すものである。この第5の実施形態に係るミシン用操作装置91は、図11に示すように、押しボタンスイッチからなる返し縫いスイッチ49、押え上下スイッチ50、糸切りスイッチ51が設けられたスイッチ操作部93を備えている。
【0066】
そして、前記基台92上の前記立上り壁48の内側部には、ユーザの足が載置される載置台94が配置されている。この載置台94は、支持手段としてのスライド支持機構95により、所定方向にスライド移動可能に支持されている。本実施形態では、スライド支持機構95は、載置台94を、左右(X)方向及び前後(Y)方向に移動可能に支持する。
【0067】
図12に示すように、スライド支持機構95は、ほぼ正方形状をなし、左右の側辺部に壁部を有するベース板96を有している。このベース板96の上面(内底面)には、左右方向(X方向)に延びる2本のX方向レール97が設けられている。このX方向レール97には、中間スライド板98が、左右(X)方向にスライド移動自在に支持されている。中間スライド板98は、前後方向に細長い矩形板状をなす。中間スライド板98の下面にはスライダ98aが設けられている。スライダ98aがX方向レール97に対して摺動移動可能に係合することで、中間スライド板98が左右(X)方向にスライド移動自在に支持される。中間スライド板98の上面には、前後方向(Y)方向に延びる2本のY方向レール99が設けられている。このY方向レール99には、前記載置台94が前後(Y)方向にスライド移動自在に支持されている。載置台94の下面はスライダ94aが設けられている。スライダ94aがY方向レール99に対して摺動移動可能に係合することで、載置台94が前後(Y)方向にスライド移動自在に支持される。これにて、載置台94は、中間スライド板98上を前後方向に移動すると共に、中間スライド板98と共に左右方向に移動するように支持される。
【0068】
このように構成されたスライド支持機構95は、図11(b)に示すように、基台92の立上り壁48の内側に設けられた凹部92a内に、上方から嵌め込まれて取付けられている。そして、載置台94は、ユーザが左足を載せた状態で、各スイッチ49〜51を押圧操作するに適切な高さ位置に設定されている。ユーザは、載置台94に左足を載せた状態で、載置台94と共に前後方向及び左右方向に足を移動させながら、スイッチ49〜51の操作を行うことができる。尚、この構成においても、上記第4の実施形態と同様に、載置台94を中立位置に戻すためのコイルばねを設けても良い。
【0069】
このような第5の実施形態によれば、上記第1の実施形態等と同様に、スイッチ操作部82の操作性の向上を図ることができる等の効果を得ることができる。そして、これに加え、載置台94を移動自在に支持する支持手段として、載置台92をX方向及びY方向に移動可能に支持するスライド支持機構95を採用したので、載置台94を軽い力でスムーズに移動させることができる。
【0070】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した各実施形態に限定されるものではなく、様々な拡張、変更が可能である。
上記各実施形態では、ミシン用操作装置を、ペダル装置と、4個のスイッチ又はセンサを備える装置として構成したが、スイッチ又はセンサの数は、5個以上であったり、3個以下であったりしても良い。また、第3の実施形態においては、反射型光センサを用いたが、透過型光センサを用いた構成にしてもよい。この場合には、載置台の一部に突起を形成して、発光部と受光部の間を遮光可能なように構成する。また、光学センサの代わりに、近接センサや磁気センサを採用してもよい。また、基台上のレイアウトについても様々な変更が可能である。例えば、コントロールボックスとペダル装置を左方に配置し、スイッチ操作部を右方に配置して、載置台に右足を載せて操作を行う構成としても良い。また、例えば、スイッチ操作部において、左右2個のスイッチのみを設けた場合には、載置台を左右方向にのみ移動可能に支持するスライド支持機構を採用しても良い。
【0071】
また、載置台の下面に設けるキャスターは、例えば台車等に用いられているキャスターであっても良い。つまり、水平軸回りに回転可能な車輪を、垂直軸回りにも回転可能に支持するキャスターであっても良い。また、キャスターを用いる代わりに、載置台と基台の少なくとも何れか一方を、低摩擦係数を有する合成樹脂材料で形成するようにしても良い。また、載置台の下面と、載置台が移動する範囲の基台の上面の少なくとも何れか一方、即ち、載置台と基台の接触面に、低摩擦係数を有する合成樹脂製のシート(滑りシート)を設けるようにしても良い。
その他、ミシン本体の構成や、ミシン用操作装置とミシン本体とを接続する接続手段の構成としても様々な変更が可能である等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【符号の説明】
【0072】
1 ミシン本体
40、61、71、81、91 ミシン用操作装置
41、92 基台
44、62、72、82、93 スイッチ操作部
49、50、51 スイッチ(検出手段)
52、94 載置台
53 キャスター(支持手段)
53a ボール(回転体)
55 USBコネクタ
56 USBインターフェイス
63、64、65、73、74,75 センサ(検出手段)
83 コイルばね(復帰手段)
95 スライド支持機構(支持手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシン本体に接続可能な接続手段と、ユーザの足の操作に応じた操作信号を出力する出力手段とを有するミシン用操作装置であって、
ユーザの足が載置される載置台と、
前記載置台を任意の方向に移動自在に支持する支持手段と、
ユーザが前記載置台に足を載せたまま位置を移動させたとき、前記載置台の位置又は該載置台上の足の位置が、異なる複数の所定位置のいずれかに位置することを検出する検出手段と
を備えることを特徴とするミシン用操作装置。
【請求項2】
前記支持手段は、前記載置台の底部に回転自在に支持された回転体を備えることを特徴とする請求項1記載のミシン用操作装置。
【請求項3】
前記支持手段は、前記載置台を所定方向に移動可能に支持するスライド支持機構を備えることを特徴とする請求項1記載のミシン用操作装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記載置台の側方周囲に少なくとも1つ以上が配置され、前記載置台又は足によって操作されるスイッチ、或いは、前記載置台又は足が所定位置にあることを検出するセンサを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のミシン用操作装置。
【請求項5】
前記載置台に対するユーザの足による操作力が解除された状態で、該載置台を、前記検出手段により検出されない中立位置に復帰させる復帰手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のミシン用操作装置。
【請求項6】
前記接続手段は、USB規格に準拠した通信を用いる接続手段であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のミシン用操作装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のミシン用操作装置を備えることを特徴とするミシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−61042(P2012−61042A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205551(P2010−205551)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】