説明

ミシン

【課題】布送り機構を動作するモータを他の用途にも使用することが可能なミシンを提供する。
【解決手段】モータ35は駆動軸36を備えている。駆動軸36は溝カム65とカム68を備えている。動力伝達機構60は溝カム65と送り台33に連結する。溝カム65は駆動軸36が第一角度の範囲で一方向及び逆方向に回動することで、動力伝達機構60を動作する。動力伝達機構60は送り台33に水平方向の動作を付与する。カム68の後側には、移動機構91が設けてある。移動機構91の左側には、第一連結部材93が設けてある。第一連結部材93はカム962が作用するコロ955を有し、移動刃972に連結する。カム68は駆動軸36が第一角度の範囲とは異なる第二角度に回動することで、移動機構91を動作する。移動機構91はコロ955をカム962に近接する近接位置に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主軸と布送り機構とを別のモータで駆動するミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主軸と布送り機構とを別のモータで駆動するミシンがある。該ミシンは布送り量を自由に制御できる為、種々の模様を容易に縫製できる。例えば、特許文献1に記載のミシンの布送り制御装置は、リンク機構を介して、布送りモータの駆動を送り歯に配置した送り台に伝達する。布送りモータの駆動軸が所定角度の範囲で往復移動すると、送り台はリンク機構によってミシンの布送り方向において往復移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−92444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のミシンでは、主軸を駆動するモータとは別に布送り機構を駆動するモータを追加している。追加するモータはベッド部内に配置する。ミシンはベッド部内に布送り機構以外の機構を駆動するアクチュエータ等を配置している。故に、ミシンはモータをベッド部内に配置する為のスペースの確保が必要となる。しかし、追加したモータによって得られる機能は、布送り機構を動作することのみなので、効率が悪いという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、布送り機構を動作するモータを他の用途にも使用することが可能なミシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るミシンは、駆動軸を回動させる第一モータと、送り歯を略水平に支持する送り台と、前記第一モータの駆動によって動作し、前記送り台に水平方向の動作を付与する第一動力機構と、前記第一モータの駆動によって動作し、前記送り台とは異なる他部材を動作させる第二動力機構と、前記駆動軸に設け、前記第一モータの駆動によって前記第一動力機構及び前記第二動力機構を動作させる動作部材とを備え、前記動作部材は、前記駆動軸が第一角度の範囲で一方向及び逆方向に回動することで前記第一動力機構を動作させ、前記駆動軸が前記第一角度の範囲以外の第二角度に回動することで、前記第二動力機構を動作させる。
【0007】
動作部材は、駆動軸が第一角度の範囲で一方向及び逆方向に回動することで、第一動力機構により送り台に水平方向の動作を付与する。ミシンは、第一モータを駆動することで布送りをすることができる。動作部材は、駆動軸が第二角度に回動することで、第二動力機構により送り台とは異なる他部材を駆動する。故に、ミシンは、布送りに使用する第一モータを他の用途にも使用することができる。
【0008】
前記ミシンにおいて、前記動作部材は、前記駆動軸が前記第一角度の範囲で回動する場合に前記第一動力機構に作用する第一カムと、前記駆動軸が前記第二角度に回動する場合に前記第二動力機構に作用する第二カムを備えてもよい。この場合、動作部材は、第一カムによって第一動力機構を動作し、送り台に水平方向の動作を付与する。動作部材は、第二カムによって第二動力機構を動作し、送り台とは異なる他部材を駆動する。故に、ミシンは、布送りに使用する第一モータを他の用途にも使用することができる。
【0009】
前記ミシンは、回転可能な軸部に設けた第三カムと、固定刃と前記固定刃に対して移動する移動刃とを有し、前記固定刃と前記移動刃との間で糸を切断する切断部材と、前記第三カムが作用する部位である被作用部を有し、前記移動刃に連結する第一連結部材と、前記第一連結部材の前記被作用部を、前記第三カムから離間した離間位置から前記第三カムに近接して前記第三カムにより作用される近接位置に移動させる移動機構とを備え、前記他部材は、前記第一連結部材を含み、前記第二動力機構は、前記移動機構を含み、前記第一連結部材は、前記第三カムが前記被作用部に作用することによって前記移動刃を移動させ、前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記移動機構を動作させ、前記第一連結部材の前記被作用部を前記離間位置から前記近接位置に移動させてもよい。
【0010】
第一モータは、移動機構を動作することで、第一連結部材の被作用部が離間位置から近接位置に移動する。被作用部が近接位置に移動すると、第二モータの駆動に伴って回転する第三カムが被作用部に作用する。第三カムが被作用部に作用することで、第一連結部材は移動刃を移動して糸を切断する。故に、ミシンは、布送りに使用する第一モータを、第一連結部材の被作用部を移動する為の動力に使用することができる。ミシンは、例えば、第一連結部材の被作用部を移動する為のソレノイド等を別途設ける場合に比べて、コストを低減することができる。
【0011】
前記ミシンにおいて、前記他部材は、固定刃と前記固定刃に対して移動する移動刃とを有し、前記固定刃と前記移動刃との間で糸を切断する切断部材を含み、前記第二動力機構は、前記移動刃に連結し、前記第一モータの駆動によって前記移動刃を移動させる第二連結部材を含み、前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記第二連結部材を動作させ、前記移動刃を移動させてもよい。この場合、ミシンは、布送りに使用する第一モータを、糸を切断する為に第二連結部材を動作する動力に使用することができる。
【0012】
前記ミシンにおいて、前記他部材は、上糸に付与する張力を緩める糸緩め装置を含み、前記第二動力機構は、前記糸緩め装置に連結し、前記第一モータの駆動によって前記糸緩め装置を動作させる第三連結部材を含み、前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記第三連結部材を動作させ、前記糸緩め装置を動作させてもよい。この場合、ミシンは、布送りに使用する第一モータを、糸緩め装置を動作する為に第三連結部材を動作する動力に使用することができる。故に、ミシンは、例えば糸緩め装置を動作する為のソレノイド等を別途設ける場合と比較して、コストを低減することができる。
【0013】
前記ミシンにおいて、前記他部材は、前記送り歯の上方に位置する縫針と前記送り歯との間に位置する上糸を払う糸払い装置を含み、前記第二動力機構は、前記糸払い装置に連結し、前記第一モータの駆動によって前記糸はらい装置を動作させる第四連結部材を含み、前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記第四連結部材を動作させ、前記糸払い装置を動作させてもよい。この場合、ミシンは、布送りに使用する第一モータを、糸払い装置を動作する為に第四連結部材を動作する動力に使用することができる。
【0014】
前記ミシンにおいて、前記他部材は、前記送り歯と対向するように設け、前記送り歯との間で布を挟む押え位置と、前記送り歯から離れる解放位置との間で移動可能な押え足を含み、前記第二動力機構は、前記押え足に連結し、前記第一モータの駆動によって前記押え足を前記押え位置と前記解放位置との間で移動させる第五連結部材を含み、前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記第五連結部材を動作させ、前記押え足を前記押え位置と前記解放位置との間で移動させてもよい。この場合、ミシンは、布送りに使用する第一モータを、押え足を移動する為に第五連結部材を動作する動力に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ミシン1の斜視図。
【図2】布送り機構70の第一の状態を示す斜視図。
【図3】布送り機構70の第二の状態を示す斜視図。
【図4】布送り機構70の第三の状態を示す斜視図。
【図5】駆動軸36が第一角度の範囲内、且つ第一連結部材93のコロ955が離間位置である布送り機構70及び糸切断機構90を底面側から見た斜視図。
【図6】駆動軸36が第一角度の範囲内、且つ第一連結部材93のコロ955が離間位置である布送り機構70及び糸切断機構90の底面図。
【図7】駆動軸36が第一角度の範囲内、且つ第一連結部材93のコロ955が離間位置である布送り機構70及び糸切断機構90を底面側から見た斜視図。
【図8】駆動軸36が第二角度、且つ第一連結部材93のコロ955が近接位置である布送り機構70及び糸切断機構90を底面側から見た斜視図。
【図9】駆動軸36が第二角度、且つ第一連結部材93のコロ955が近接位置である布送り機構70及び糸切断機構90の底面図。
【図10】駆動軸36が第二角度、且つ第一連結部材93のコロ955が近接位置である布送り機構70及び糸切断機構90を底面側から見た斜視図。
【図11】糸調子機構63及び押え上下動機構64の正面図。
【図12】糸調子機構63及び押え上下動機構64の正面図。
【図13】糸払い棒78が待機位置にある場合の糸払い装置76の背面図。
【図14】糸払い棒78の先端が下方に移動した場合の糸払い装置76の背面図。
【図15】第二実施形態のミシン1の駆動軸36が第一角度の範囲にある状態を示す図。
【図16】第二実施形態のミシン1の駆動軸36が第二角度にある状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第一実施形態のミシン1について図面を参照して説明する。図1〜図10を参照しミシン1の構成について説明する。図1の紙面上側、下側、右側、左側、表側、背面側は夫々ミシン1の上側、下側、右側、左側、前側、後側である。
【0017】
図1に示すように、ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部2はミシン1の土台である。ベッド部2はテーブル20の上面の凹部(図示略)に上方から装着する。脚柱部3はベッド部2の右端から鉛直上方に延びる。アーム部4は脚柱部3の上端から左方に延びる。アーム部4はベッド部2の上面に対向する。アーム部4は左端部下方に押え足17を装着する。押え足17は送り歯34(図2参照)に対向する。アーム部4は内部に針棒7を保持する。針棒7は下端に縫針8を装着する。針棒7と縫針8はメインモータ13の駆動に従って上下に往復移動する。アーム部4は左端部前方に天秤9を備える。天秤9は針棒7に連動して上下動する。アーム部4は上部に操作部10を備える。操作部10は前面に液晶パネル11を備える。作業者は液晶パネル11を見ながら操作部10を操作し各種指示をミシン1に入力する。
【0018】
ミシン1はテーブル20の下面に制御装置25を備える。制御装置25はロッド21を介して踏み込み式のペダル22に接続する。作業者はペダル22をつま先側又は踵側に操作する。制御装置25はペダル22の操作方向及び操作量に応じてミシン1の動作を制御する。ミシン1はテーブル20の下方に膝操作レバー(図示略)を備える。作業者は前記膝操作レバーを操作して押え足17を上下動する。
【0019】
脚柱部3は右側面上部にメインモータ13を備える。アーム部4は内部に主軸14を備える。主軸14は回転可能な状態でアーム部4内部を左右方向に延びる。主軸14の右端はメインモータ13に接続する。主軸14の左端は針棒上下動機構(図示略)に接続する。メインモータ13は主軸14を駆動して針棒7と天秤9を上下動する。
【0020】
ベッド部2は上面左端に針板15を備える。針板15は略中央部に針穴18を有する(図2参照)。縫針8の下端は下降時に針穴18を通過する。針板15は針穴18の左方、後方、右方の夫々に送り歯穴19を備える(図2参照)。送り歯穴19は前後方向に長い長方形状である。ベッド部2は針板15の下方に釜機構(図示略)、布送り機構70(図2〜図4参照)、糸切断機構90(図5〜図10参照)を備える。布送り機構70は縫製の対象となる布を送る機構である。糸切断機構90は針穴18の下方で上糸と下糸を切断する機構である。
【0021】
図2を参照し布送り機構70の構成について説明する。図2の紙面上側、下側、右側、左側、左上側、右下側は夫々ミシン1の上側、下側、前側、後側、右側、左側である。図3では、糸切断機構90(図5参照)の図示は省略する。図2に示すように、布送り機構70は送り台33、送り歯34、モータ35、溝カム65、動力伝達機構60、上下動力機構47等を備える。
【0022】
送り台33は針板15の下方に位置し且つ針板15に対して略平行である。送り台33は上面の中心近傍に3つの送り歯34を略水平に支持する。送り歯34の夫々は送り歯穴19の位置に対応する。送り歯34の夫々は前後方向に長い。送り歯34の前後方向の長さは送り歯穴19の長さより小さい。送り歯34は押え足17との間で布を挟む為の凹凸を上部に備える。
【0023】
モータ35は送り台33の右方に配置してある。モータ35はステッピングモータである。モータ35は送り台33を前後方向に移動する。モータ35は左方に延びる駆動軸36を備えている。モータ35は駆動軸36を回動する。溝カム65は駆動軸36の先端に固定する。駆動軸36は溝カム65の右側にカム68(図6参照)を固定する。カム68については後述する。
【0024】
溝カム65はカム板61、底板66、側板67を備える。カム板61は略円盤状である。カム板61は駆動軸36の回転角度に対応する曲面を有する。カム板61は曲面に突出部62を有する。突出部62は動力伝達機構60の接触部56(後述)に接触する。底板66はカム板61の右側面に固定する。底板66はカム板61の右側面と同形状且つカム板61よりも大きく形成する。底板66は周端部に側板67を設けている。溝カム65はカム板61、底板66、側板67により溝状の溝部69を形成する。溝部69は突出部62の形状に対応するように駆動軸36の径方向外側に突出する溝突出部691を有する。
【0025】
送り台33と溝カム65の間には、動力伝達機構60が設けてある。動力伝達機構60はモータ35の駆動によって送り台33に水平方向の動作を付与する。図2に示すように、動力伝達機構60は接触部56、中間作用腕55、水平送り軸28、リンク部材50を備える。
【0026】
接触部56はカム板61と側板67の間に形成した溝部69に挿入する。接触部56は中間作用腕55の後方側の先端に設けてある。接触部56は中間作用腕55の長手方向に直交し且つ右方に突出している。中間作用腕55は前方側に延びる。中間作用腕55は水平送り軸28の長手方向に直交する。水平送り軸28は中間作用腕55の前端部に連結する。水平送り軸28は左方に延びる。水平送り軸28は回転可能である。リンク部材50は水平送り軸28の左端に連結する。リンク部材50は上方に延びる。リンク部材50の上端は送り台33の前端部に回動可能に連結する。
【0027】
本実施形態では、駆動軸36の回転角度の内、突出部62が接触部56に作用する範囲が第一角度の範囲である。駆動軸36が第一角度の範囲で一方向及び逆方向に回動することで、溝カム65は往復回動する。接触部56は溝カム65の往復回動に伴い、突出部62に沿って上下方向に移動する。接触部56の移動によって中間作用腕55は水平送り軸28を中心に回動する。中間作用腕55の回動と連動して水平送り軸28は回動する。水平送り軸28の回動によって送り台33は前後方向に移動する。
【0028】
送り台33の後端には上下動力機構47が設けてある。上下動力機構47は上下送り軸27、プーリ24、偏心部39、リンク部材51を備える。上下送り軸27は回転可能な状態で左右方向に延びる。上下送り軸27は水平送り軸28に対して平行に位置する。上下送り軸27は右端部にプーリ24を固定する。プーリ24はタイミングベルト(図示略)を介して主軸14に連結する。上下送り軸27はメインモータ13の駆動により主軸14と同期を保持した状態で回転する。偏心部39は上下送り軸27の左端に設けてある。偏心部39は上下送り軸27の軸心に対して偏心している。リンク部材51は送り台33の後端に回転可能に設けてある。リンク部材51は偏心部39を回転可能に保持する。偏心部39は上下送り軸27の回転によりリンク部材51を介して送り台33を上下動させる。
【0029】
図2〜図4を参照し布送り機構70の送り台33への前後方向の動作の付与について説明する。布送り機構70は駆動軸36が第一角度の範囲で一方向及び逆方向に回動することで下記の第一〜第三の状態を繰り返し、送り台33を前後方向に移動する。
【0030】
図2に示す第一の状態では、カム板61の突出部62の先端部が接触部56に接触する。接触部56は溝突出部691の先端部に位置する。接触部56は最上部に位置している。送り台33は最前方に位置する。以下の説明では、カム板61の突出部62の先端部が中間作用腕55の接触部56に接触したときの突出部62の位置を中間位置とする。
【0031】
第一の状態からモータ35が駆動すると、駆動軸36は左側面視時計回りに回動する。カム板61の突出部62は駆動軸36の回動に伴って時計回りに回動する。突出部62は中間位置から前方位置に移動する。中間作用腕55の接触部56はカム板61の曲面沿って下方に移動する。中間作用腕55は水平送り軸28を中心に左側面視反時計回りに回動する。水平送り軸28は中間作用腕55の回動に連動して反時計回りに回動する。リンク部材50は水平送り軸28に連動して左側面視反時計回りに回動する。送り台33は後方に移動する。図3に示すように、駆動軸36が第一角度の範囲の一端部まで回動すると、布送り機構70は第二の状態となる。接触部56は溝突出部691の後端部に位置する。
【0032】
モータ35は駆動軸36の回動方向を反転する。駆動軸36は左側面視反時計回りに回動する。カム板61は駆動軸36の回動に伴って左側面視反時計回りに回動する。突出部62は前方位置(図3参照)から中間位置(図2参照)に移動する。突出部62は中間作用腕55の接触部56を押し上げる。中間作用腕55は水平送り軸28を中心に時計回りに回動する。水平送り軸28は中間作用腕55の回動に連動して時計回りに回動する。リンク部材50は水平送り軸28に連動して時計回りに回動する。送り台33は前方に移動する。布送り機構70は第一の状態(図2参照)に戻る。
【0033】
駆動軸36は第一の状態から左側面視反時計回りに回動を続ける。カム板61は駆動軸36の回動に伴って反時計回りに回動を続ける。図4に示すように、突出部62は中間位置から後方位置に移動する。中間作用腕55の接触部56はカム板61の曲面に沿って下方に移動する。中間作用腕55は水平送り軸28を中心に左側面視反時計回りに回動する。水平送り軸28は中間作用腕55の回動に連動して左側面視反時計回りに回動する。リンク部材50は水平送り軸28に連動して左側面視反時計回りに回動する。送り台33は移動方向が切り替わる。送り台33は後方に移動する。図4に示すように、駆動軸36が第一角度の範囲の他端部まで回動すると、布送り機構70は第三の状態となる。中間作用腕55の接触部56は、溝突出部691の前端部に位置する。
【0034】
モータ35は駆動軸36の回動方向を反転する。駆動軸36は時計回りに回動する。カム板61は駆動軸36の回動に伴って時計回りに回動する。突出部62は後方位置から中間位置に移動する。中間作用腕55は水平送り軸28を中心に時計回りに回動する。水平送り軸28は中間作用腕55の回動に連動して時計回りに回動する。リンク部材50は水平送り軸28に連動して時計回りに回動する。送り台33は最前方に移動する。布送り機構70は第一の状態に戻る。布送り機構70は第一〜第三の状態を繰り返し、送り台33を前後方向に移動する。
【0035】
布送り機構70が布を後方に向けて送る動作について説明する。布送り機構70はモータ35の駆動による第一〜第三の状態の繰り返しと上述のメインモータ13の駆動による送り台33の上下動によって布を送る。布送り機構70が第一の状態の時(図2参照)、送り台33は偏心部39とリンク部材51により送り歯34が針板15上面と略一致する位置にある。
【0036】
メインモータ13が駆動すると、送り台33は偏心部39とリンク部材51により上方に移動して送り歯34が針板15上面から上方に突出する。モータ35は駆動軸36を左側面視時計回りに回動する。送り台33は動力伝達機構60により後方に移動する。故に、布送り機構70は布を後方に向けて送る。
【0037】
メインモータ13が駆動を続けると、送り台33は偏心部39とリンク部材51により送り歯34が針板15上面と略一致する位置に戻る。布送り機構70はモータ35の駆動軸36が第一角度の範囲の一端部まで時計回りに回動して第二の状態(図3参照)になる。布送り機構70は布を送るのを止める。
【0038】
第二の状態の後、送り台33は偏心部39とリンク部材51により下方に移動して送り歯34が針板15上面から下方に下がる。モータ35は駆動軸36の回動方向を反転して左側面視反時計回りに回動する。送り台33は動力伝達機構60により前方に移動する。送り歯34が針板15上面から下方に下がるので、布送り機構70は布を送らない。
【0039】
メインモータ13が駆動を続けると、送り台33は偏心部39とリンク部材51により送り歯34が針板15上面と略一致する位置に戻る。モータ35が駆動軸36を左側面視反時計回りに回動するので、布送り機構70は第一の状態に戻る(図2参照)。
【0040】
第一の状態の後、送り台33は偏心部39とリンク部材51により再度上方に移動して送り歯34が針板15上面から上方に突出する。モータ35は駆動軸36が反時計回りの回動を続ける。送り台33は動力伝達機構60により移動方向が前方から後方に切り替わる。布送り機構70は再度布を後方に向けて送る。
【0041】
メインモータ13が駆動を続けると、送り台33は偏心部39とリンク部材51により送り歯34が針板15上面と略一致する位置に戻る。布送り機構70はモータ35の駆動軸36が回動範囲の他端部まで反時計回りに回動して第三の状態(図4参照)になる。布送り機構70は布を送るのを止める。
【0042】
第三の状態の後、送り台33は偏心部39とリンク部材51により下方に移動して送り歯34が針板15上面から下方に下がる。モータ35は駆動軸36の回動方向を反転して時計回りに回動する。送り台33は動力伝達機構60により前方に移動する。送り歯34が針板15上面から下方に下がるので、布送り機構70は布を送らない。
【0043】
メインモータ13が駆動を続けると、送り台33は偏心部39とリンク部材51により送り歯34が針板15上面と略一致する位置に戻る。モータ35が駆動軸36を時計回りに回動するので、布送り機構70は第一の状態に戻る。布送り機構70は上述の動作を繰り返し、布を後方に向けて送る。
【0044】
図5〜図7を参照し糸切断機構90について説明する。図6の紙面上側、下側、右側、左側、背面側、表側は夫々ミシン1の前側、後側、右側、左側、上側、下側である。糸切断機構90はモータ35、駆動軸36、カム68、移動機構91、第一連結部材93、切断動力機構96、切断部材97を備える。
【0045】
図5〜図7に示すように、カム68はモータ35の駆動軸に取り付けてある。カム68は溝カム65のカム板61右側面に一体的に形成する。カム68は駆動軸36の回転角度に対応する曲面を有する。カム68は曲面に突出部681を有する。突出部681は駆動軸36が第二角度に回動する時、移動機構91に作用する(図7及び図10参照)。突出部681は、駆動軸36が第二角度にある時、移動機構91の当接部911(後述)に当接する。
【0046】
移動機構91は第一板部材910、第二板部材920を備えている。移動機構91はカム68の後側に設けてある。第一板部材910は一枚の板状の部材を折り曲げて形成する。第一板部材910は当接部911、第一腕部912、第二腕部913、第三腕部914、ワイヤ保持部915を備えている。第一腕部912はカム68の後側で前後方向に延びる。第一腕部912の板面は左右方向を向いている。当接部911は第一腕部912の前端部(カム68側の端部)に設けてある。当接部911は第一腕部912の前端部を左方に向かって円弧状に折り曲げて形成する。当接部911はカム68に当接する。
【0047】
第二腕部913は第一腕部912の上後端部から左方に延びる。第二腕部913の板面は上下方向を向いている。第二腕部913は左部に穴部(図示略)を設ける。該穴部はピン916(図6参照)を挿入する。ピン916はベッド部2の内部に固定する。第一板部材910はピン916を中心に回動可能である。
【0048】
第三腕部914は第二腕部913の左端部から後方に延びる。第三腕部914の板面は上下方向を向いている。第三腕部914は左後端部にワイヤ保持部915を設ける。ワイヤ保持部915は穴部(図示略)を有する。該穴部はワイヤ57を挿通する。ワイヤ保持部915はワイヤ57を保持する。ワイヤ57とその動作については後述する。
【0049】
第三腕部914は下面の前後方向中央部に円柱部918を設ける。円柱部918は下方に延びる。円柱部918は第二板部材920の穴部921(後述)に挿通する。
【0050】
第二板部材920は第一板部材910の第三腕部914の下側に設けてある。第二板部材920は前後方向に長い板状部材である。第二板部材920の後端部は右側に突出している。第二板部材920は右側に突出した部分に穴部(図示略)を設ける。該穴部はピン925を挿入する。ピン925はベッド部2の内部に固定する。第二板部材920はピン925を中心に回動可能である。
【0051】
第二板部材920は前後方向中央部に穴部921を設ける。穴部921は前後方向に長い。前述のように、穴部921は第一板部材910の円柱部918を挿通する。故に、第一板部材910と第二板部材920は係合している。第二板部材920の前端部922は左斜め前方向にやや屈曲した円弧状に形成する。前端部922は第一連結部材93の軸部933(後述)に当接している。
【0052】
第一連結部材93について説明する。第一連結部材93は後述する切断動力機構96のカム962がコロ955に作用することによって移動刃972を移動する。第一連結部材93は移動部932、軸部950、リンク部材952、糸切りホルダ953等を備える。移動部932は左右方向に移動可能である。移動部932は軸部933、円筒部材934、板部935、板部936、コロ955、円柱部937、角コロ938等を備える。
【0053】
軸部933は第二板部材920の前端部922の左方に回転可能に設けてある。軸部933は左右方向に延びる。軸部933の右端は第二板部材920の前端部922に当接している。軸部933の左端は円筒状の軸受931により支持する。軸受931はベッド部2の内部に固定する。軸受931は軸部933を左右方向に移動可能に支持する。
【0054】
円筒部材934は軸部933の左右方向中央部に設けてある。円筒部材934は左右方向に延びる。円筒部材934は軸部933を挿通する。円筒部材934は右側に板部935を設ける。板部935の板面は左右方向を向いている。板部935は軸部933を挿通する。板部935は後側に斜め上方に突出する突出部939を有する。突出部939は先端に穴部940(図7参照)を設ける。穴部940は円柱状の軸部941を挿通する。軸部941は突出部939の左方に円柱状のコロ955を設ける。コロ955は軸部941に回転可能である。
【0055】
円筒部材934は左側に板部936を設ける。板部936は軸部933を挿通する。板部936は後側に斜め下方に突出する突出部942を有する。突出部942は穴部943を備える(図5参照)。穴部943は軸部944を挿入する(図5参照)。軸部944は右方に延びる。軸部944は右端部に円柱部937を設ける。円柱部937は軸部944に固定する。
【0056】
板部936は前側に斜め下方に突出する突出部945を有する。突出部945は先端部に穴部946を設ける(図7参照)。穴部946は軸部947を挿入する。軸部947は左方に延びる。軸部947は突出部945の左方に四角柱状の角コロ938を設ける(図7参照)。角コロ938は軸部947に回転可能である。板部936は軸受931との間にバネ968を設ける。バネ968は軸部933を挿通する。バネ968は移動部932を右方に弾性付勢する。
【0057】
円形板状の板部948は板部936の突出部945の左方に設けてある。板部948の板面は左右方向を向いている。板部948は前斜め上側に矩形状に切り欠いた切欠部949を設ける(図7参照)。切欠部949は角コロ938の位置、大きさと対応する。角コロ938は切欠部949に挿通可能である。移動部932が左右方向に移動すると、角コロ938は切欠部949に沿って左右方向に摺動する。
【0058】
板部948は左側面の前斜め下部に左方に延びる軸部950を設ける。軸部950は左方に軸受951を設ける。軸受951はベッド部2に固定する。軸受951は軸部950を回動可能に支持する。軸部950は軸受951左方にリンク部材952を連結する。リンク部材952は前後方向に延びる。リンク部材952は円環状の糸切りホルダ953に連結する。糸切りホルダ953は軸受967(後述)の左端部に設けてある。糸切りホルダ953は軸受967の周囲を回動可能である。
【0059】
糸切りホルダ953は上端部に切断部材97の移動刃972を固定する。切断部材97は移動刃972と固定刃971を含む。切断部材97は針穴18(図2参照)の下側に位置する。固定刃971はベッド部2の内側に固定する。移動刃972は糸切りホルダ953の回動に伴って、固定刃971に向けて移動する。固定刃971は移動刃972の移動範囲に対応する位置に設けてある。切断部材97は移動刃972と固定刃971の間で上糸と下糸を挟んで切断する。
【0060】
切断動力機構96について説明する。切断動力機構96は第一連結部材93が移動刃972を移動して上糸と下糸を切断する為の動力を付与する。切断動力機構96は軸部961、カム962(図6、図7参照)、カム965、軸受967等を備える。
【0061】
軸部961は移動機構91の上側を左右方向に延びる。軸部961は右端部に図示略のプーリを設ける。該プーリは図示略の歯車を介して上下送り軸27に連結する。軸部961は主軸14の回転に伴って回転可能である。図6及び図7に示すように、カム962は軸部961に固定する。カム962は第一連結部材93のコロ955がカム962から右方向に離間した離間位置にある時、コロ955の左側に位置している。カム962は外周の一部が外側に突出した突出部963を有する。カム962は左側に角部材964を設ける。角部材964は左側にカム965を設ける。カム965は外周の一部が外側に突出した突出部966を有する。カム965は左方に軸部961を挿入可能な軸受967を設ける。軸受967はベッド部2の内部に固定する。軸受967は軸部961を回転可能に支持する。軸受967は左端部に前述の糸切りホルダ953を設ける。
【0062】
糸を切断する一連の動作について説明する。糸を切断する時、モータ35は駆動軸36を第二角度に回動する。駆動軸36が第一角度の範囲外に回動する為、溝カム65は溝突出部691とカム板61の突出部62が接触部56から離間する(図8参照)。故に、布送り機構70は動作しない。図10に示すように、駆動軸36が第二角度に回動すると、カム68の突出部681は当接部911に当接する。カム68の突出部681は、当接部911を後方に押す。第一板部材910はピン916を中心に底面視時計回りに回動する。
【0063】
第一板部材910が底面視時計回りに回動すると、円柱部918はピン916を中心に底面視時計回りに回動する。円柱部918は第二板部材920の穴部921を摺動しつつ、穴部921の側面を左方に押す。第二板部材920はピン925を中心に底面視反時計回りに回動する。第二板部材920の前端部922はバネ968の付勢力に抗して、移動部932の軸部933を左方に押す。軸部933は軸受931の内周面に沿って左方に移動する。角コロ938は板部948の切欠部949(図8参照)に沿って左方に移動する。故に、移動部932は左方に移動する。移動部932が左方に移動すると、コロ955は左方に移動し、カム962に近接する近接位置に位置する。従って、第一連結部材93のコロ955は離間位置(図5〜図7参照)から近接位置(図8〜図10参照)に移動する。
【0064】
図10に示すように、軸部961は左側面視反時計回りに回転している。故に、カム962は左側面視で反時計回りに回転する。カム962は突出部963が近接位置に移動したコロ955を上方に押す。コロ955は軸部933を中心に左側面視時計回り方向に回動する。
【0065】
コロ955の回動に伴って、軸部933は左側面視時計回りに回転する。軸部933の回転に伴って、板部936の突出部945と角コロ938は軸部933を中心に左側面視時計回り方向に移動する。角コロ938の移動に伴って、板部948、軸部950は左側面視反時計回りに回動する。軸部950の回動に伴って、糸切りホルダ953はリンク部材952を介して軸受967の周りを左側面視時計回りに回動する。糸切りホルダ953の回動に伴って、移動刃972は左側面視時計回り方向に移動する。故に、移動刃972と固定刃971は、上糸と下糸を挟んで切断する。
【0066】
糸を切断すると、モータ35は駆動軸36を第二角度とは異なる角度に移動する。当接部911とカム68の突出部681は離間する。カム68は移動機構91に作用しない状態となる。バネ968は移動部932を右方に押す。移動部932は右方に移動する。移動部932の右方への移動に伴って、コロ955はカム962から離間する。従って、第一連結部材93のコロ955は近接位置(図8〜図10参照)から離間位置(図5〜図7参照)に移動する。移動部932が右方に移動する時、移動部932の軸部933は第二板部材920の前端部922を右方に押す。前端部922が右方に移動すると、第一板部材910は底面視反時計回りに移動する。
【0067】
リンク部材952は図示外のバネの弾性力によって左側面視時計回りに回動する。糸切りホルダ953はリンク部材952を介して軸受967の周りを左側面視反時計回りに回動する。糸切りホルダ953の回動に伴って、移動刃972は左側面視反時計回り方向に移動する。故に、移動刃972は固定刃971から離間する(図6、図7参照)。コロ955は左側面視反時計回りに移動する。尚、リンク部材952が図示略のバネの付勢力に抗して移動せず、コロ955が移動しない場合、カム965の突出部966が円柱部937を押す。従って、コロ955が左側面視反時計回りに移動して移動刃972は固定刃971から離間する。
【0068】
図11、図12を参照し押え上下動機構64と糸調子機構63について説明する。図11の紙面上側、下側、右側、左側、表側、背面側は夫々押え上下動機構64と糸調子機構63の上側、下側、右側、左側、前側、後側である。押え上下動機構64と糸調子機構63はアーム部4左端部の内側に収納する。図11、図12に示すように、糸調子機構63は糸調子板75を備えている。糸調子板75は上下方向に延びる板状の部材である。糸調子板75は下端を軸として回動可能である。糸調子板75は図示外の糸調子器に接続している。糸調子板75は反時計回り方向(図11において)に回動した時、糸調子器を駆動して上糸に張力を加えることができる。糸調子板75は時計回り方向(図12において)に回動した時、糸調子器を駆動して上糸に加えた張力を緩めることができる。
【0069】
糸調子板75の上端はワイヤ57の左端と接続する。ワイヤ57は糸調子板75の上端から右方に延びる。ワイヤ57は管571の内側を挿通する。アーム部4は内部の右端部に支持部材(図示外)を設ける。支持部材は管571を支持する。故に、ワイヤ57は糸調子板75と支持部材の間を左右方向に延びる。ワイヤ57は脚柱部3、ベッド部2を通って、移動機構91の第一板部材910のワイヤ保持部915(図5参照)に固定する。第一板部材910はワイヤ57を引っ張ったり緩めたりする。
【0070】
糸調子機構63の駆動原理について説明する。糸調子機構63は上糸と下糸の切断動作と同期して動作する。前述したように、上糸と下糸を切断する時、モータ35は駆動軸36を第二角度に回転する。カム68の突出部681は第一板部材910の当接部911に当接する(図8〜図10参照)。第一板部材910はピン925を中心に回動する。ワイヤ保持部915は第一板部材910の回動に伴って左方に移動し、ワイヤ57を引っ張る。図12に示すように、ワイヤ保持部915がワイヤ57を引っ張ると、ワイヤ57は右方に移動する。ワイヤ57の左端に設けた糸調子板75は正面視時計回り方向に回動する。糸調子板75は糸調子器を駆動して上糸を緩める。
【0071】
上糸と下糸の切断が終了すると、モータ35は駆動軸36を第二角度から離れる方向に回動する。カム68の突出部681は当接部911から離れる。第一板部材910のワイヤ保持部915は右方に移動し、ワイヤ57を緩める。図11に示すように、ワイヤ57は左方に移動する。ワイヤ57の左端に設けた糸調子板75は正面視反時計回り方向に回動する。糸調子板75は糸調子器を駆動して上糸に張力を加える。
【0072】
押え上下動機構64について説明する。図11に示すように、押え上下動機構64はクランク部材71、軸72、係止部材73、押え上げレバー74を備える。押え棒44は上下方向略中央部分に係止部材73を設ける。係止部材73は棒状であり、前後方向に延びる。係止部材73の前側は押え棒44に螺子で固定する。クランク部材71は係止部材73の下側と右側に設けてある。クランク部材71は曲折した板材である。クランク部材71は係止部材73の下方から右方に延び、上方に直角に曲折して上方に延びる。軸72はクランク部材71の曲折部分を回動可能に支持する。クランク部材71は後側に押え上げレバー74を設ける。押え上げレバー74は作業者が直接手動で押え足17を上下動するものである。
【0073】
クランク部材71の上端はワイヤ58の左端と接続する。ワイヤ58はクランク部材71から右方に延びる。ワイヤ58は管581を挿通する。前記支持部材は管581を支持する。ワイヤ58はクランク部材71と支持部材の間を左右方向に延びる。ワイヤ58は脚柱部3を通って下方に延びる。ワイヤ58の下端は作業者が操作可能な前記膝操作レバー(図示略)と接続する。作業者は前記膝操作レバーを操作する。作業者による前記膝操作レバーの操作に伴って、ワイヤ58と押え上下動機構64は押え足17を押え位置(図11参照)と開放位置(図12参照)の間で移動する。押え位置は押え足17と送り歯34(図2参照)の間で布を挟む位置である。開放位置は押え足17が送り歯34から上方に離れた位置である。
【0074】
図11、図12を参照して、押え上下動機構64の駆動について説明する。縫製作業を行う時、作業者は押え足17を移動する。押え足17を開放位置(図12参照)から押え位置(図11参照)に移動する時、作業者の膝操作レバーの操作によって、膝操作レバーはワイヤ58を緩める。膝操作レバーがワイヤ58を緩めると、ワイヤ58は左方に移動する。ワイヤ58の移動によって、押え上下動機構64のクランク部材71は軸72を中心として反時計回り方向(図11において)に回動する。クランク部材71は回動によって左方に延びる部分が下方に移動する。バネ45の付勢力によって、係止部材73及び押え棒44は下方に移動する。故に、押え棒44に接続した押え足17は下方に移動し、押え位置となる。
【0075】
一方、押え足17を押え位置(図11参照)から解放位置(図12参照)に移動する時、作業者の膝操作レバーの操作によって、膝操作レバーはワイヤ58を下方に引っ張る。膝操作レバーがワイヤ58を下方に引っ張ると、ワイヤ58は右方に移動する。ワイヤ58の移動によって、押え上下動機構64のクランク部材71は軸72を中心として時計回り方向(図12において)に回動する。クランク部材71は回動によって左方に延びる部分が上方に移動し、係止部材73及び係止部材73に接続する押え棒44を上方に押し上げる。故に、押え棒44に接続した押え足17は上方に移動し、開放位置となる。
【0076】
以上のように、本実施形態では、溝カム65は駆動軸36が第一角度の範囲で一方向及び逆方向に回動することで、動力伝達機構60を動作して送り台33に水平方向の動作を付与する。ミシン1はモータ35を駆動することで布送りをすることができる。カム68は駆動軸36が第二角度に回動することで、移動機構91を動作して第一連結部材93のコロ955を離間位置(図5〜図7参照)から近接位置(図8〜図10)に移動する。コロ955が近接位置に移動することで、ミシン1は軸部961の回転をコロ955を介して移動刃972に伝達する。移動刃972と固定刃971は、上糸と下糸を挟んで切断する。故に、ミシン1は布送りに使用するモータ35を、糸を切断する為に第一連結部材93のコロ955を動作する動力にも使用することができる。ミシン1は、例えば第一連結部材93を動作するソレノイド等を別途設ける場合に比べて、コストを低減することができる。
【0077】
本実施形態では、上糸と下糸の切断動作と同期して、糸調子機構63によって上糸に付与する張力を緩めたり、強くしたりする。カム68は駆動軸36が第二角度に回動することで、第一板部材910とワイヤ57を介して糸調子機構63を動作する。糸調子機構63は上糸に付与する張力を緩める。モータ35は駆動軸36を第二角度から離れる方向に回動することで、第一板部材910とワイヤ57を介して糸調子機構63を動作する。糸調子機構63は上糸に付与する張力を強める。ミシン1は布送りに使用するモータ35を、第一板部材910とワイヤ57を介して糸調子機構63を動作する動力に使用することができる。故に、ミシン1は、例えば糸調子機構63を動作するソレノイド等を別途設ける場合と比較して、コストを低減することができる。
【0078】
上記実施形態において、モータ35は本発明の「第一モータ」に相当する。動力伝達機構60は本発明の「第一動力機構」に相当する。溝カム65とカム68は本発明の「動作部材」に相当する。溝カム65は本発明の「第一カム」に相当する。カム68は本発明の「第二カム」に相当する。軸部961は本発明の「軸部」に相当する。カム962は本発明の「第三カム」に相当する。コロ955は本発明の「被作用部」に相当する。糸調子機構63は本発明の「糸緩め装置」に相当する。第一板部材910とワイヤ57は本発明の「第三連結部材」に相当する。
【0079】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、溝カム65とカム68の形状は限定されない。例えば、溝カム65は平面、板状、円筒形状のカムに変更してもよい。
【0080】
駆動軸36は溝カム65とカム68の二つのカムを備えているが、これに限定されない。例えば、二つのカムを一つの溝カムとして形成してもよい。この場合は、一つの溝カムに二つの突出部を設ける。第一角度の範囲で駆動軸36が回動することで、一方の突出部が動力伝達機構60に作用する。第二角度に駆動軸36が回動することで、他方の突出部が移動機構91に作用する。当該一つの溝カムは二つの突出部ではなく、一つの突出部を備えてもよい。この場合、当該1つの突出部は第一角度の範囲で駆動軸36が回動した時に動力伝達機構60に作用する。当該一つの突出部は第二角度に駆動軸36が回動した時に移動機構91に作用する。
【0081】
駆動軸36は、溝カム65とカム68の二つのカムを備えているが、カムの数は限定されない。例えば、カムは溝カム65の他に、三つのカムを備えていてもよい。この場合、当該三つのカムは、夫々送り台以外の部材(例えば、糸払い装置を駆動する部材、押え足を駆動する部材等)に作用するように構成してもよい。当該三つのカムは夫々対応する部材に作用するように駆動軸36が回動する三つの第二角度が存在してもよい。
【0082】
モータ35が駆動軸36を第二角度に移動した場合に、糸調子機構63の動作と第一連結部材93の動作を行うが、これに限定されない。例えば、モータ35が駆動軸36を第二角度に移動した場合に、押え足17が動作するようにしてもよい。この場合、第一板部材910のワイヤ保持部915(図5参照)は押え足17の押え上下動機構64に連結してあるワイヤ58(図11参照)を連結する。そして、押え足17が押え位置(図11参照)から開放位置(図12参照)に移動する場合に、モータ35は駆動軸36を第二角度に回転する。ワイヤ保持部915は底面視時計回りに回動し、ワイヤ58を引っ張る。押え足17は開放位置に移動する。モータ35が駆動軸36を第二角度から離れる方向に移動すると、ワイヤ保持部915は底面視反時計回りに回動し、ワイヤ58を緩める。押え足17は押え位置に移動する。故に、ミシン1は布送りに使用するモータ35を、押え足17を移動する為に第一板部材910とワイヤ58を動作する動力に使用することができる。尚、第一板部材910、ワイヤ57、押え上下動機構64は本発明の「第五連結部材」に相当する。
【0083】
モータ35が駆動軸36を第二角度に移動した時、糸払い装置76が動作するように構成してもよい。図13、図14を参照し本変形例について説明する。図13の紙面上側、下側、右側、左側、表側、背面側は夫々ミシン1の上側、下側、左側、右側、後側、前側である。図13に示すように、糸払い装置76はアーム部4の左端部の後側に設けてある。糸払い装置76はクランク部材77、回転軸79、糸払い棒78、巻バネ80を備えている。
【0084】
クランク部材77は第一部材771、第二部材772、第三部材773を備えている。第一部材771は略L字状の板状部材である。第一部材771は右上端部にワイヤ81の他端を固定する。ワイヤ81は一端が第一板部材910のワイヤ保持部915(図5参照)に固定する。第一部材771は略L字状の下側の屈曲部にピン774を設けている。ピン774は第一部材771を回転可能に取り付ける。第二部材772は第一部材771の左端部に連結する。第二部材772は下方に延びる。第二部材772は第一部材771の回転により上下に移動する。第三部材773は第二部材772の下端に連結する。第三部材773は右端部に回転軸79を設ける。第三部材773は第二部材772の上下動によって回転軸79を回転する。回転軸79は前方に延びる。糸払い棒78は回転軸79の前端に設けてある。糸払い棒78は右側下方に延びる。糸払い棒78の先端は前方に折り曲げてある。糸払い棒78は回転軸79の回転に伴って回転する。巻バネ80は回転軸79の先端部に巻回している。巻バネ80は糸払い棒78を図13に示す待機位置に向けて弾性付勢する。
【0085】
糸払い装置76の動作について説明する。糸払い装置76を動作して糸払いを行う時、モータ35は駆動軸36を第二角度に回転する。ワイヤ保持部915は底面視時計回りに回動し、ワイヤ81を引っ張る。ワイヤ81はクランク部材77の第一部材771を引っ張る。第一部材771はピン774を中心に背面視反時計回りに回動する。第二部材772は上方に移動する。第三部材773は背面視反時計回りに回動する。回転軸79は背面視反時計回りに回動する。糸払い棒78は待機位置から背面視反時計回りに回動し、先端が縫針8の下方に位置する糸払い位置(図14参照)に移動する。糸払い位置で、糸払い棒78は縫針8の下方を横切り、縫針8から下方に延びる上糸を引っ掛ける。
【0086】
上糸を引っ掛けると、モータ35は駆動軸36を第二角度から離れる方向に移動する。ワイヤ保持部915は底面視反時計回りに回動し、ワイヤ81を緩める。巻バネ80の付勢力によって、糸払い棒78が回動して待機位置に移動する。故に、糸払い棒78は上糸を払う。
【0087】
以上のように、ミシン1は布送りに使用するモータ35を糸払い装置76を動作する為にワイヤ81を動作する動力に使用することができる。尚、第一板部材910とワイヤ81は本発明の「第四連結部材」に相当する。
【0088】
布送りを行う構成及び糸を切断する構成は、上記実施形態に限定されない。以下、図15、図16を参照し第一実施形態の変形例である第二実施形態のミシン1について説明する。以下の説明では、前述の第一実施形態と同様の部材は同じ符号で示し、詳細の説明は省略する。図15、図16はミシン1のベッド部2(図1参照)の内部の機構の一部を表している。図15、図16の紙面上側、下側、左上側、右下側、左下側、右上側は夫々ミシン1の上側、下側、左側、右側、前側、後側である。
【0089】
送り台33に水平方向の動作を付与する機構について説明する。尚、図15、図16では、送り台33に設けた送り歯34(図2参照)の図示は省略している。図15、図16に示すように、モータ35は駆動軸36の先端にカム981を固定する。カム981は突出部982を備えている。連結部983はカム981の左斜め前側に位置する。連結部983は上下方向に延びる。連結部983は下端に前後方向に連結部983を貫通する軸部984を設ける。連結部983は軸部984に固定する。図示略の支持部材は軸部984を回動可能に支持する。連結部983は図示略のバネによって後方に弾性付勢する。連結部983は右側面に右側に突出する円柱部985が設けてある。円柱部985はカム981の外周面に接触している。連結部983の上端は前述の送り台33の前端部に連結する。連結部983はモータ35の駆動によって動作し、送り台33に水平方向の動作を付与する。
【0090】
送り台33への水平方向の動作の付与について説明する。モータ35は駆動軸36を第一角度の範囲で一方向及び逆方向に回動する。連結部983が前記バネによって後方に弾性付勢するので、円柱部985は駆動軸36に固定したカム981の突出部982の形状に沿って移動する。円柱部985の移動によって連結部983は軸部984を中心に回動する。連結部983は送り台33に水平方向の動作を付与する。尚、送り台33への上下方向の動作の付与は、第一実施形態と同様なので説明を省略する。
【0091】
上糸と下糸を切断する機構について説明する。駆動軸36はカム981の右側にカム987を備える。カム987はカム981より径が小さい。カム987は駆動軸36が第一角度の範囲とは異なる第二角度に回動する時、第二連結部材99(後述)に作用する突出部988を備える。本実施形態では、カム987の突出部988は、カム981の突出部982と略同一方向に突出する。
【0092】
第二連結部材99はカム981の下方に設けてある。第二連結部材99はモータ35の駆動によって移動刃972を移動する。第二連結部材99はリンク部材990、リンク部材991、糸切りホルダ992を備える。リンク部材990はカム987の右斜め下側に位置している。リンク部材990は下端部にピン993を挿入している。ピン993はベッド部2の内部に固定する。リンク部材990はピン993が挿入してある下端部から後斜め上方に延びる。リンク部材990はピン993を中心に回動可能である。
【0093】
リンク部材990はピン993のやや上側に円柱部994を設けている。円柱部994は左方に突出する。円柱部994はカム987の外周面に接触する。リンク部材990は、図示外のバネによって円柱部994がカム987に向かう方向に弾性付勢する。リンク部材990は上端部の右側にリンク部材991を設ける。リンク部材990とリンク部材991は、図示外のピンによって互いに回動可能に連結する。リンク部材991は後斜め下方に延びる。リンク部材991は下端部の右側に糸切りホルダ992の腕部995を設ける。リンク部材991と腕部995は、図示外のピンによって互いに回動可能に連結する。糸切りホルダ992は円筒状の支持部材996の周囲を回動可能である。糸切りホルダ992は腕部995と反対側の端部の左側に、切断部材97の移動刃972を設ける。糸切りホルダが回動することで移動刃972は固定刃971との間で上糸と下糸を切断する。
【0094】
上糸と下糸の切断について説明する。上糸と下糸を切断する時、モータ35は駆動軸36を第二角度に回動する。図16に示すように、カム987の突出部988は円柱部994を下方に押す。リンク部材990はピン993を中心に右側面視時計回りに回動する。リンク部材990の回動によってリンク部材991の上端は下方に移動する。リンク部材991の下端は糸切りホルダ992の腕部995を後方に押す。糸切りホルダ992は右側面視反時計回りに回動する。移動刃972は移動し、固定刃971との間で上糸と下糸を切断する。
【0095】
糸を切断後、モータ35は駆動軸36を第二角度から離れるように回動する。図示外のバネの付勢力によって、リンク部材990はピン993を中心に右側面視反時計回りに回動する。リンク部材990の回動によってリンク部材990、リンク部材991、糸切りホルダ992を介して移動刃972は固定刃971から離れるように移動する。
【0096】
以上のように、第二実施形態では、カム981は駆動軸36が第一角度の範囲で一方向及び逆方向に回動することで、連結部983を回動して送り台33に水平方向の動作を付与する。ミシン1は、モータ35を動作することで布送りをすることができる。カム987は駆動軸36が第二角度に回動することで、第二連結部材99を動作して移動刃972を移動することができる。移動刃972は移動によって固定刃971との間で上糸と下糸を切断する。故に、ミシン1は布送りに使用するモータ35を、糸を切断する為に第二連結部材99を動作する動力にも使用することができる。
【0097】
連結部983は本発明の「第一動力機構」に相当する。カム981とカム987は本発明の「動作部材」に相当する。カム981は本発明の「第一カム」に相当する。カム987は本発明の「第二カム」に相当する。
【符号の説明】
【0098】
1 ミシン
17 押え足
33 送り台
34 送り歯34
35 モータ
36 駆動軸
57、58、81 ワイヤ
60 動力機構
63 糸調子機構
64 押え上下動機構
65 溝カム
68、962、981、987 カム
76 糸払い装置
78 糸払い棒
91 移動機構
93 第一連結部材
97 切断部材
99 第二連結部材
910 第一板部材
920 第二板部材
955 コロ
961 軸部
971 固定刃
972 移動刃
983 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸を回動させる第一モータと、
送り歯を略水平に支持する送り台と、
前記第一モータの駆動によって動作し、前記送り台に水平方向の動作を付与する第一動力機構と、
前記第一モータの駆動によって動作し、前記送り台とは異なる他部材を動作させる第二動力機構と、
前記駆動軸に設け、前記第一モータの駆動によって前記第一動力機構及び前記第二動力機構を動作させる動作部材と
を備え、
前記動作部材は、
前記駆動軸が第一角度の範囲で一方向及び逆方向に回動することで前記第一動力機構を動作させ、
前記駆動軸が前記第一角度の範囲以外の第二角度に回動することで、前記第二動力機構を動作させることを特徴とするミシン。
【請求項2】
前記動作部材は、
前記駆動軸が前記第一角度の範囲で回動する場合に前記第一動力機構に作用する第一カムと、
前記駆動軸が前記第二角度に回動する場合に前記第二動力機構に作用する第二カムを備えたことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
【請求項3】
回転可能な軸部に設けた第三カムと、
固定刃と前記固定刃に対して移動する移動刃とを有し、前記固定刃と前記移動刃との間で糸を切断する切断部材と、
前記第三カムが作用する部位である被作用部を有し、前記移動刃に連結する第一連結部材と、
前記第一連結部材の前記被作用部を、前記第三カムから離間した離間位置から前記第三カムに近接して前記第三カムにより作用される近接位置に移動させる移動機構と
を備え、
前記他部材は、前記第一連結部材を含み、
前記第二動力機構は、前記移動機構を含み、
前記第一連結部材は、前記第三カムが前記被作用部に作用することによって前記移動刃を移動させ、
前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記移動機構を動作させ、前記第一連結部材の前記被作用部を前記離間位置から前記近接位置に移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
【請求項4】
前記他部材は、固定刃と前記固定刃に対して移動する移動刃とを有し、前記固定刃と前記移動刃との間で糸を切断する切断部材を含み、
前記第二動力機構は、前記移動刃に連結し、前記第一モータの駆動によって前記移動刃を移動させる第二連結部材を含み、
前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記第二連結部材を動作させ、前記移動刃を移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
【請求項5】
前記他部材は、上糸に付与する張力を緩める糸緩め装置を含み、
前記第二動力機構は、前記糸緩め装置に連結し、前記第一モータの駆動によって前記糸緩め装置を動作させる第三連結部材を含み、
前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記第三連結部材を動作させ、前記糸緩め装置を動作させることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のミシン。
【請求項6】
前記他部材は、前記送り歯の上方に位置する縫針と前記送り歯との間に位置する上糸を払う糸払い装置を含み、
前記第二動力機構は、前記糸払い装置に連結し、前記第一モータの駆動によって前記糸はらい装置を動作させる第四連結部材を含み、
前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記第四連結部材を動作させ、前記糸払い装置を動作させることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のミシン。
【請求項7】
前記他部材は、前記送り歯と対向するように設け、前記送り歯との間で布を挟む押え位置と、前記送り歯から離れる解放位置との間で移動可能な押え足を含み、
前記第二動力機構は、前記押え足に連結し、前記第一モータの駆動によって前記押え足を前記押え位置と前記解放位置との間で移動させる第五連結部材を含み、
前記動作部材は、前記駆動軸が前記第二角度に回動することで、前記第五連結部材を動作させ、前記押え足を前記押え位置と前記解放位置との間で移動させることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のミシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−70915(P2013−70915A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213907(P2011−213907)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】