ミラースタックを有する電子デバイス
一実施形態において、電子デバイス、およびその製造方法、ならびにそれを含むデバイスおよびサブアセンブリが提供される。例えば、かかる電子デバイスは、第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品と、第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品と、第1および第2の電子部品に隣接する第1のミラースタックと、第1および第2の電子部品に隣接する第2のミラースタックとを含み、第1のミラースタックは第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含み、そして第2のミラースタックは第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に電子デバイスおよび方法に関し、特にミラースタックを有する電子デバイス、ならびにそれを製造するための材料および方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、2004年12月30日出願の米国特許公報(特許文献1)および2005年6月28日出願の米国特許公報(特許文献2)に利益を要求する。さらに本願は、2005年12月21日出願の代理人整理番号DPUC−0142/UC0490 PCT NAを有する米国特許出願に関する。上記出願の全開示は、本明細書において全体として援用される。
【背景技術】
【0003】
有機電子デバイスは電気エネルギーを放射線に変換し、電子プロセスを通して信号を検出し、放射線を電気エネルギーに変換し、または1つまたは複数の有機半導体層を含む。有機電子デバイスは、ディスプレイ、センサーアレイ、光電池等において使用可能である。小分子有機発光ダイオード(「SMOLED」)およびポリマー発光ダイオード(「PLED」)は両方とも有機発光ダイオード(「OLED」)であり、有機電子ディスプレイの種類である。しかしながら、かかるディスプレイにおいて完全な色彩を実現させることは問題があった。例えば、ほとんどの有機材料は幅広い放射または透過性スペクトルを有するため、CIE基準に適合する色純度を有する有機材料を製造することは困難である。この欠点を克服するための従来の試みは、複雑な製造方法を含むか、または読みやすさが乏しい、もしくはコントラストの低いデバイスを製造する傾向がある。
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/640,783号明細書
【特許文献2】米国仮特許出願第60/694,874号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、上記欠点および障害を克服するための有機電子デバイスおよびその製造方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、電子デバイス、およびその製造方法、ならびにそれを含むデバイスおよびサブアセンブリが提供される。例えば、かかる電子デバイスは、第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品と、第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品と、第1および第2の電子部品に隣接する第1のミラースタックと、第1および第2の電子部品に隣接する第2のミラースタックとを含み、第1のミラースタックは第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含み、そして第2のミラースタックは第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含む。
【0007】
前記の一般的な記載および以下の詳細な記載は例示であり、あくまでも説明のためのものであり、添付の特許請求の範囲で定義されるように本発明を限定するものではない。
【0008】
実施形態は、本明細書において提示される概念の理解を向上するため、添付の図面に例示される。
【0009】
図面は例示として提供され、本発明を限定する意図はない。当業者は、図面中の物体が簡単におよび明瞭にするために例示されており、そして必ずしも一定の比率で描写されているわけではないことを認識する。例えば、実施形態の理解を向上するのを助けるために、図面中の物体のいくつかの寸法は他の物体に対して誇張されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
一実施形態において、電子デバイスが提供される。この電子デバイスは、第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品と、第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品と、第1および第2の電子部品に隣接する第1のミラースタックと、第1および第2の電子部品に隣接する第2のミラースタックとを含み、第1のミラースタックは第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含み、そして第2のミラースタックは第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含む。
【0011】
一実施形態において、この電子デバイスは、第3の波長を有する第3の放射線に対して光活性であるように設計された第3の電子部品と、第1、第2および第3の電子部品に隣接する第3のミラースタックとをさらに含み、第3のミラースタックは第3の放射線を反射するように設計された第3の層のペアを含む。
【0012】
一実施形態において、第1の電子部品は青色光を放出するように構成された第1の有機発光層を含み、第2の電子部品は緑色光を放出するように構成された第2の有機発光層を含み、そして第3の電子部品は赤色光を放出するように構成された第3の有機発光層を含む。
【0013】
一実施形態において、電子デバイスは反射体をさらに含み、そして第1および第2のミラースタックは、それぞれ第1および第2の電子部品と反射体との間に位置する。
【0014】
一実施形態において、第1および第2のミラースタックは、それぞれ2層より多い偶数の層を含む。
【0015】
一実施形態において、第1のミラースタックは第1の介在層をさらに含み、そして第2のミラースタックは第2の介在層をさらに含む。
【0016】
一実施形態において、第1の有機活性層は第1の電子部品内にあり、そして第2の有機活性層は第2の電子部品内にある。
【0017】
一実施形態において、電子デバイスの形成方法が提供される。この方法は、第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品を形成する工程と、第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品を形成する工程と、第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含む第1のミラースタックを形成する工程と、第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含む第2のミラースタックを形成する工程とを含む。
【0018】
一実施形態において、第1の計算厚さの10%以内である第1の実際厚さを有するように第1の層のペア内の各層を形成し、そして第2の計算厚さの10%以内である第2の実際厚さを有するように第2の層のペア内の各層を形成する。
【0019】
一実施形態において、この方法は、第3の波長を有する第3の放射線に対して光活性であるように設計された第3の電子部品を形成する工程と、第3の放射線を反射するように設計された第3の層のペアを含む第3のミラースタックを形成する工程とをさらに含む。
【0020】
一実施形態において、第3の層のペア内の各層は第3の計算厚さの10%以内である第3の実際厚さを有する。
【0021】
一実施形態において、第1の電子部品が青色光を放出するように構成された第1の有機発光層を含み、第2の電子部品が緑色光を放出するように構成された第2の有機発光層を含み、そして第3の電子部品が赤色光を放出するように構成された第3の有機発光層を含む。
【0022】
一実施形態において、第1および第2のミラースタックは第1の電子部品と電子デバイスのユーザーサーフェイスとの間に存在し、そして第1および第2のミラースタックは第2の電子部品と電子デバイスのユーザーサーフェイスとの間に存在する。
【0023】
一実施形態において、第1および第2のミラースタックを形成する工程は、それぞれ2層より多い偶数の層を形成する工程を含む。
【0024】
一実施形態において、この方法は、第1および第2の放射線を実質的に反射するための反射体を形成する工程をさらに含み、第1および第2のミラースタックは第1の電子部品と反射体との間に存在する。
【0025】
一実施形態において、この方法は、第1の層のペアの層の間で第1の介在層を形成する工程と、第2の層のペアの層の間で第2の介在層を形成する工程とをさらに含む。
【0026】
一実施形態において、第1の電子部品を形成する工程は第1の有機活性層を形成する工程を含み、そして第2の電子部品を形成する工程は第2の有機活性層を形成する工程を含む。
【0027】
一実施形態において、上記電子デバイスを含む構成物が提供される。
【0028】
一実施形態において、上記電子デバイスを含む活性層を有する有機電子デバイスが提供される。
【0029】
一実施形態において、上記電子デバイスを含む有機電子デバイスの製造において有用である物品が提供される。
【0030】
一実施形態において、上記化合物および少なくとも1種の溶媒、プロセス助剤、電荷輸送材または電荷ブロック材を含む組成物が提供される。これらの組成物は、限定されないが、溶媒、乳状液およびコロイド状懸濁液を含むいずれの形態でもあり得る。
【0031】
(定義)
「1つ(aまたはan)」の使用は、本発明の要素および部品を記載するために利用される。これは単に便宜上のため、そして本発明の一般的な意味を与えるためである。この記載は1つまたは少なくとも1つを含むように読解されなければならない。そして他に意味があることが明白でない限り、単数には複数も含まれる。
【0032】
層または材料を指す場合、用語「活性」は、電子または電子放射性特性を示す層または材料を意味するように意図される。放射線を受けた時に活性層材料は放射線を放出するか、または電子正孔対の濃度の変化を示し得る。従って、用語「活性材料」は、デバイスの操作を電子的に促進する材料を指す。活性材料の例としては、限定されないが、電荷を伝導、注入、輸送またはブロックする材料が挙げられ、ここでは電荷は電子または正孔であり得る。不活性材料の例としては、限定されないが、平坦化材料、絶縁材料および環境バリア材料が挙げられる。
【0033】
用語「実際厚さ」は、電子デバイスまたは他の物理的な物体内の1つまたは複数の層の厚さを意味するように意図される。
【0034】
用語「隣接」は、層、部材または構造がもう1つの層、部材または構造のすぐ次にあることを必ずしも意味するわけではない。互いに直接接触する層、部材または構造の組み合せも、なお互いに隣接する。
【0035】
用語「に隣接する」は、デバイス中の1つまたは複数の層、1つまたは複数の部材または1つまたは複数の構造のいずれかの組み合せを指す場合、1つの層、部材または構造がもう1つの層、部材または構造のすぐ次にあることを必ずしも意味するわけではない。互いに直接接触する層、部材または構造も、なお互いに隣接する。
【0036】
用語「アレイ」、「周辺回路」および「遠隔回路」は、電子デバイスの異なる領域または部品を意味するように意図される。例えば、アレイは、規則配列内でピクセル、セルまたは他の構造を含んでよい(通常、縦列および横列によって示される)。アレイ内のピクセル、セルまたは他の構造は、アレイ自体の外部にあるがアレイと同一基材上にある周辺回路によって調節される。遠隔回路は典型的に周辺回路から離れて存在し、そしてアレイへと信号を送るか、またはアレイから信号を受け取ることができる(典型的に周辺回路を介して)。遠隔回路はアレイに関連のない機能を実行してもよい。遠隔回路はアレイを有する基材上に存在しても、しなくてもよい。
【0037】
用語「青色発光有機層」は、約400〜500nmの範囲の波長において発光極大を有する放射線を放出することが可能な有機層を意味するように意図される。
【0038】
用語「計算厚さ」は、方程式によって決定される1つまたは複数の層の厚さを意味するように意図される。実際厚さおよび計算厚さは同一であっても、または互いに異なってもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「を含む(comprises)」「を含んでなっている(comprising)」「を含む(includes)」「を含んでいる(including)」「を有する(has)」「を有している(having)」またはそれらのいずれかの他の変形は、排他的でない包含に及ぶように意図される。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるわけではなく、明白に記載されない他の要素または固有のかかるプロセス、方法、物品または装置を含んでもよい。さらに、明白に逆であることが定義されなければ、「または」は包含的論理和を指し、そして排他論理和を指さない。例えば、条件AまたはBは次のいずれかによって満たされる:Aは真(または存在する)であり、そしてBは偽(または存在しない)である。Aは偽(または存在しない)であり、そしてBは真(または存在する)である。ならびにAおよびBは真(または存在する)である。
【0040】
用語「電子部品」は、電気または電子放射性(例えば電気光学的)機能を実行する回路の最低レベル単位を意味するように意図される。電子部品としては、トランジスター、ダイオード、レジスター、コンデンサー、誘導子、半導体レーザー、光学スイッチ等が挙げられる。電子部品は、寄生抵抗(例えば、ワイヤーの抵抗)または寄生容量(例えば、導体間のコンデンサーが意図的ではないか、または偶発的である異なる電子部品に電気的に連結された2つの導体間の容量結合)を含まない。
【0041】
用語「電子デバイス」は、適切に電気的に連結され、そして適切な電位を供給する場合、集合的に機能を実行する回路、電子部品またはそれらの組み合わせの集合を意味するように意図される。電子デバイスはシステムの一部を含んでもよく、またはシステムの一部であってもよい。電子デバイスの例としては、ディスプレイ、センサーアレイ、コンピュータシステム、航空電子工学システム、自動車、携帯電話、他の消費者もしくは産業の電子製品またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0042】
用語「緑色発光有機層」は、約500〜600nmの範囲の波長において発光極大を有する放射線を放出することが可能な有機層を意味するように意図される。
【0043】
用語「すぐ近くに隣接」は、2つ以上の物体が互いに近くにあり、そして他のいずれかの重要な物体がかかる2つ以上の物体の間に存在しないことを意味するように意図される。一実施形態において、2つ以上の物体は互いに接触する。もう1つの実施形態において、2つ以上の物体はわずかな隙間によって分離されてもよい(例えば、連続配列)。いずれの物体も、層、部材、構造またはそれらのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0044】
用語「層」は用語「フィルム」と交換可能に使用され、そして所望の領域を被覆するコーティングを指す。この領域は、全デバイスまたは実際の視覚ディスプレイのような特定の機能領域と同じぐらい大きくてもよく、または単一サブピクセルと同じぐらい小さくてもよい。蒸着および液体付着を含むいずれかの従来の付着技術によってフィルムを形成することができる。液体付着技術としては、限定されないが、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、スロット−ダイコーティング、スプレーコーティングおよび連続ノズルコーティングのような連続付着技術ならびにインクジェット印刷、グラビア印刷およびスクリーン印刷のような不連続付着技術が挙げられる。
【0045】
用語「ミラースタック」は、鏡のように機能する複数の層を意味するように意図される。一実施形態において、ミラースタックは1つまたは複数のブラッグ(Bragg)反射体を含み得る。
【0046】
用語「有機活性層」は、有機層の少なくとも1つが、それ自体で、または異なる材料と接触時に整流接合を形成することができる1つまたは複数の有機層を意味するように意図される。
【0047】
用語「有機電子デバイス」は、1つまたは複数の半導体層または材料を含むデバイスを意味するように意図される。有機電子デバイスとしては、限定されないが、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、ダイオードレーザーまたは照明パネル)、(2)電子プロセスによって信号を検出するデバイス(例えば、光検出器、光伝導セル、フォトレジスター、フォトスイッチ、フォトトランジスター、光電管、赤外線(「IR」)検出器またはバイオセンサー)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光電池デバイスまたは太陽光電池)、および(4)1つまたは複数の有機半導体層を含む1つまたは複数の電子部品を含むデバイス(例えば、トランジスタまたはダイオード)が挙げられる。デバイスという用語は、記憶デバイスのためのコーティング材料、帯電防止フィルム、バイオセンサー、エレクトロクロミックデバイス、固体電解質コンデンサー、エネルギー貯蔵デバイス、例えば充電式バッテリーおよび電磁ブロック適用も含む。
【0048】
用語「有機層」は、少なくとも1層が炭素および水素、酸素、窒素、フッ素等のような少なくとも1つの他の元素を含む材料を含む1つまたは複数の層を意味するように意図される。
【0049】
用語「層のペア」は偶数の層を意味するように意図され、そして2、4、6、8またはより多くの層を含み得る。
【0050】
「光活性」は、適用された電圧によって活性化された時に光を放出する(例えば、発光ダイオードまたは化学セル)か、または適用されたバイアス電圧の有無にかかわらず、エネルギーを放出し、信号を発生するように応答する(例えば、光検出器)材料を指す。
【0051】
用語「放射線放出部品」は、適切にバイアスされた時に標的波長または波長のスペクトルにおいて放射線を放出する電子部品を意味するように意図される。放射線は可視光スペクトルの範囲内であっても、または可視光スペクトル外であってもよい(UVまたはIR)。発光ダイオードは、放射線放出部品の例である。
【0052】
用語「放射線応答部品」は、適切にバイアスされた時に標的波長または波長のスペクトルにおいて放射線に応答することができる電子部品を意味するように意図される。放射線は可視光スペクトルの範囲内であっても、または可視光スペクトル外であってもよい(UVまたはIR)。IRセンサーおよび光電池は放射線感知部品の例である。
【0053】
用語「整流接合」は、半導体層内の接合または半導体層と異なる材料との間の境界面によって形成される接合を意味するように意図され、ここでは、1種の電荷キャリアが、反対方向と比較して接合を通して1方向においてより容易に流れる。pn接合はダイオードとして使用可能な整流接合の例である。
【0054】
用語「赤色発光有機層」は、約600〜700nmの範囲の波長において発光極大を有する放射線を放出することが可能な有機層を意味するように意図される。
【0055】
用語「基材」は、剛性または屈曲性のワークピースを意味するように意図され、1つまたは複数の材料の1つまたは複数の層を含んでよい。基材としては、限定されないが、ガラス、ポリマー、金属またはセラミックの材料またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
用語「ユーザーサーフェイス」は、電子デバイスの正常操作間に主に使用される電子デバイスの表面を意味するように意図される。ディスプレイの場合、ユーザーが見る電子デバイスの表面がユーザーサーフェイスである。センサーまたは光電池の場合、ユーザーサーフェイスは、感知されるかまたは電気エネルギーに変換される放射線を主に伝送する表面である。注目すべきは、電子デバイスが2つ以上のユーザーサーフェイスを有してもよいことである。
【0057】
特記されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験において使用することが可能であるが、適切な方法および材料を以下に記載する。本明細書において言及された全ての出版物、特許出願、特許および他の参照文献は、特定の一節が引用されない限り、全体として援用される。抵触する場合、本明細書は、定義を含め、調節される。加えて、材料、方法および実施例は単なる実例であり、限定するように意図されない。
【0058】
本明細書に記載されない範囲まで、特定の材料、プロセス実施および回路に関する多くの詳細は従来通りであり、そして有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光電池および半導体部材の分野における教本および他の情報源に見出され得る。
【0059】
(実施例)
本明細書に記載される概念は、以下の実施例にさらに記載される。これは特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない。
【0060】
電子デバイスに関連する光学共鳴器の使用については、2005年12月21日出願の代理人整理番号DPUC-0142/UC0490 PCT NAを有する共同譲渡の米国特許出願に検討されており、これは本明細書に全体として援用される。
【0061】
実施形態において、1つまたは複数のブラッグ反射体が、例えば、ミラースタックの一部として使用されてもよい。ブラッグ反射体は、異なる屈折率を有する2つの異なる材料の交互四分の一波長層を有する誘電層構造を有する。共振波長は次式に一致する。
【0062】
【数1】
【0063】
式中、n1、n2およびd1、d2は、それぞれ誘電層の屈折率および厚さである。
【0064】
特定の波長を反射するために、異なる屈折率を有する2つの異なる材料の少なくとも2つの四分の一波長層が存在しなければならない。ブラッグ反射体における1周期は、上記の方程式を満たす2つのサブ層(n1、d1)および(n2、d2)を有する。特定の波長を反射するブラッグ反射体は、1つまたは複数の周期を有し得る。周期の数は、反射スペクトルの形状およびピーク反射率を決定する。方程式(1)は、どの波長が反射されるかを決定する。
【0065】
2つの共振モード(反射する2つの波長λおよびλ’)を有するため、2つの異なる周期を有する2つのブラッグ反射体が積み重なる。第1のブラッグ反射体は次の方程式を満たすべきである。
【0066】
【数2】
【0067】
一方、第2のブラッグ反射体は次の方程式を満たすべきである。
【0068】
【数3】
【0069】
式中、n3、n4およびd3、d4は、それぞれ誘電層の屈折率および厚さである。
【0070】
フルカラーディスプレイにおいて3つの共振モードが必要とされる場合、上記で検討された2つの積み重なるブラッグ反射体の場合と同様に、3つの異なる周期を有する3つのブラッグ反射体が積み重なるべきである。異なる周期を有するいくつかのブラッグ反射体が積み重なる場合、または局所周期が位置の増加(または減少)関数である非周期的層化媒体が使用される場合、広域ブラッグ反射体を構成することができる。各ブラッグ反射体は各波長のための反射体として機能する。帯域幅が実質的な重複を有するために十分広い場合、全ブラッグ反射体は広域の光を反射することができる。
【0071】
実施形態に従って、完成した電子デバイスにおいて、ブラッグ反射体のミラースタックは、各発光素子を含む3種類の電子部品のための放射線経路に存在してよい。例えば、電子部品の第1の種類は青色発光素子であってよく、電子部品の第2の種類は緑色発光素子であってよく、そして電子部品の第3の種類は赤色発光素子であってよい。第1、第2および第3の各ミラースタックが、それぞれ青色、緑色および赤色の発光素子のための放射線経路内にあってもよい。もう1つの実施形態において、白色発光素子が使用されてもよい。実施形態において、ミラースタックを、例えば、それぞれ約50nmの帯域幅を有する435、535および635nmにおいて放射線を放射するように設計することができる。
【0072】
本明細書を読んだ後、当業者は、同一の種類の発光素子(例えば、白色発光素子)または異なる種類の発光素子(例えば、青色、緑色および赤色発光素子)を有するミラースタックを使用してよいことを認識するであろう。
【0073】
他の種類の放射体と関連する実施形態を使用してもよい。例えば、可視であってもなくても、なおもう1つの異なる波長または波長のスペクトルのための異なる種類の電子部品を有する電子デバイスが設計される。例えば、放射線センサー、光電池、もう1つの放射線放射もしくは放射線応答電子部品またはそれらのいずれかの組み合わせのような他の種類の電子部品と関連する実施形態を利用してもよい。放射線センサーで使用される場合、ミラースタックは、重要である特定の波長または波長のスペクトルにおける放射線と比較して重要ではない放射線の波長の強度減少を補助する。
【0074】
ミラースタックは、放射線経路のほぼいずれに位置してもよい。例えば、ミラースタックは電子部品と電子デバイスのユーザー側との間にあってよい(例えば、デバイスが放射体である場合は光を放射するデバイスの側、デバイスが検出器である場合は光を受けるデバイスの側、等)。
【0075】
一実施形態において、電子部品の第3の種類は青色発光素子であってよい。もう1つの実施形態において、赤外線、紫外線等のような可視光スペクトル外側の1つまたは複数の波長のために設計された電子部品の1つまたは複数の他の種類を使用することができる。異なる周期を有する複数の周期的層化媒体を積み重ねることによって、いくつかの波長を共振モードとして使用することができる。
【0076】
図1は基材12の一部の断面図の例示を含み、電子デバイスの形成の間、その上に電子部品172、174および176が作成される。基材12は1つまたは複数の層を含み得、例としてガラスもしくは他のセラミック材料のような絶縁材料、プラスチックまたはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。基材12は剛性でも屈曲性でもよく、そして放射線の伝送が可能であっても不可でもよい。一実施形態において、電子デバイスのユーザー側は反対側の基材12である。この実施形態において、基材12を通しての放射線の伝送は重要でない。もう1つの実施形態において、電子デバイスのユーザー側は、電子部品172、174および176側の反対側の基材12の側にある。この実施形態において、電子部品172、174および176によって放射または応答される放射線の少なくとも70%が基材12を通して伝送されてよい。図1〜6に例示される実施形態において、底部放射電子デバイス(すなわち、基材12が電子デバイス10のユーザー側にあるもの)が形成され、従って、基材12を通しての放射線の伝送は重要でない。
【0077】
第1の電極14が基材12上に形成されてもよい。一実施形態において、第1の電極14はディスプレイの共通アノードとして機能し得る。もう1つの実施形態において、第1の電極14を、基材12内の回路(図示せず)を調節するために連結されてよい複数の第1の電極と交換することができる。第1の電極14は、従来からOLED内のアノード用に使用される1つまたは複数の材料の1つまたは複数の層を含み得る。第1の電極14は、第1の電極14上で放射線入射の一部または実質的に全てを反射し得る。1つの特定の実施形態において、第1の電極14は第1の層および第2の層(図示せず)を含み得、ここでは第1の層は、第2の層と比較して基材12のより近くに位置する。第1の層は、第1の層に達する放射線の一部または実質的に全てを反射し得、そして例として、銀、アルミニウム、他の部分的または高度に反射性の導電性材料またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。第2の層は、第1の層と比較して比較的より透明な層を含み得、そして例として、インジウムスズオキシド(「ITO」)、インジウム亜鉛オキシド(「IZO」)、アルミニウム亜鉛オキシド(「AZO」)等が挙げられる。第1の電極14は導電性有機ポリマーを含み得、そして従来の付着技術を使用して形成され得る。
【0078】
有機層162、164および166を第1の電極14上に形成することができる。有機層162、164および166は実質的に同一または異なる組成を有し得、そして1つまたは複数の層を有し得る。例えば、有機層162、164および166は、同一または異なる有機活性層を有してよい。一実施形態において、有機層162は青色発光有機層を含んでよく、有機層164は緑色発光有機層を含んでよく、そして有機層166は赤色発光有機層を含んでよい。もう1つの実施形態において、各有機層162、164および166が白色発光有機層を含んでもよい。なおもう1つの実施形態において、1つまたは複数の他の有機層が有機活性層と一緒に使用されてもよい。かかる他の層としては、バッファー層、電荷ブロック層、電荷注入層、電荷輸送層またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。なおもう1つの実施形態において、有機層162、164および166のいずれかが単層を含んでもよく、単層の異なる部分が異なる目的のため機能する(例えば、一部は正孔輸送層として機能し、そしてもう一部はエレクトロルミネセンス層として機能する)。なおさらなる実施形態において、1つまたは複数の有機層162、164および166のいずれかは、例えばセンサーまたは光電池のように放射線に応答するように設計されてもよい。有機層162、164および166の組成および厚さは、例えば従来通りであり得る。
【0079】
一実施形態において、各有機層162、164および166内の各層は、小分子またはポリマー(コポリマーを含んでも含まなくてもよい)材料を含み得る。1つまたは複数の有機層162、164および166のいずれかを形成するために、従来の付着法を使用することができる。付着としては、化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等が挙げられる。各有機層162、164および168は付着される時にパターニングされてもよいが、付着の後にパターニングされてもよい。別の実施形態において、有機層162、164および166を形成する前に、1つまたは複数の基材構造(図示せず)が基材12上に形成されてもよい。基材構造の例としては、ウェル構造、カソードセパレーター等が挙げられる。
【0080】
第2の電極18が、有機層162、164および166上に形成されてもよい。第2の電極18は電子部品172、174および176のカソードとして機能し得る。一実施形態において、第2の電極18は第1の層および第2の層を含んでよく、ここでは第1の層は、第2の層と比較して有機層162、164および166により近く位置する。第1の層は、例えば、比較的低い仕事関数を有する材料を含み得る。かかる材料の例としては、例えば、第1族金属(例えば、Li、Cs等)、第2族(アルカリ土類)金属(例えば、Mg、Ca等)、アルカリ金属化合物(例えば、Li2O、LiBO2等)、ランタニドまたはアクチニドを含む希土類元素、いずれかのかかる金属の合金、またはいずれかのそれらの組み合わせが挙げられる。また第1の層は、フッ化アルカリまたはフッ化アルカリ土属、例えば、LiF、CsF、MgF2、CaF2等を含み得る。低い仕事関数を有する導電性ポリマーが使用されてもよい。
【0081】
第2の層は、電子デバイス10のプロセス間に第1の層の保護を補助する材料を含み得る。第2の層は、第1の層と比較して空中でより安定している。第2の層は、例えば、ITO、IZO、AZO、Ag、Alまたはいずれかのそれらの組み合わせも含み得る。第2の電極18は、有機層162、164および166から放射される放射線または有機層162、164および166が応答するように設計される放射線に対して透過的であるか、または部分的に透過的であり得る。1つの特定の実施形態において、第2の層は部分的に放射線を反射する。
【0082】
第2の電極18は付着される時にパターニングされてもよいが、1つまたは複数の従来技術を使用して、付着の後にパターニングされてもよい。例示されないが、完成した電子デバイスにおいて、第2の電極18は回路を調節するために連結されてよい。あるいは、別の第1の電極が使用される場合、共通の第2の電極が使用されてもよい。実施形態において、第2の電極18は1ミクロンまでの厚さを有する。
【0083】
図2に例示されるように、任意の平坦化層22が電子部品172、174および176の間に形成されてもよい。平坦化層22は、例えばミラースタックのようにその後に形成された層のトポロジー変化を減少させる補助となり得る。平坦化層22は、有機または無機の電気絶縁材料の1つまたは複数の層を含んでもよい。平坦化層22は付着される時にパターニングされてもよいが、付着後にパターニングされてもよい。平坦化層22の上部表面の高さは第2の電極18の上部表面とほぼ同じであり得る。もう1つの実施形態において、高さは著しく異なってもよい。
【0084】
なおもう1つの実施形態において、基材構造(図示せず)が電子部品172、174および176の間に存在してよい。実施形態において、基材構造および平坦化層22の上部表面がほぼ同一の高さになるように、平坦化層22が基材構造の開口内に形成されてもよい。もう1つの実施形態において、トップ表面は著しく異なってもよい。なおもう1つの実施形態において、平坦化層22、基材構造または両方が使用されない。
【0085】
第1のミラースタック30は、図3に例示されるように、電子部品172、174および176上に形成される。第1のミラースタック30は層のペア32および34を含み得る。第1のミラースタック30は、波長または波長のスペクトルのために設計されてもよい。一実施形態において、電子部品172、174および176は、それぞれ青色発光部品、緑色発光部品および赤色発光部品であり得る。第1のミラースタック30は、青色、緑色または赤色光用に設計されてもよい。1つの特定の実施形態において、第1のミラースタック30は青色光用に設計され得る。この実施形態において、青色光は400〜500nmに相当する波長のスペクトルを有する放射線と一致し得る。400〜500nmの範囲内のいずれの波長も使用可能であり、1つの特定の実施形態において435nmであってよい。もう1つの実施形態において、波長は電子部品172に関する発光極大と一致し得る。
【0086】
各層32および34の計算厚さをそれぞれ、方程式1、2または3によって決定することができる。厚さを計算するために、第1の標的化された波長および第1の屈折率を決定することができる。一実施形態において、第1の標的化された波長は435nmである。屈折率は、層32および34のために使用される1つまたは複数の材料に依存し得る。ほぼ無制限の数の材料をミラースタック内の層に使用することができる。第1のミラースタック30内の層32、34または全ての層の電気特性は、導電性から半導電、そして絶縁まで異なり得る。
【0087】
ミラースタック内の層の可能性のある材料は、1つまたは複数の無機材料を含み得る。無機材料の例としては、元素金属(例えば、W、Ta、Cr、In等)、金属合金(例えば、マグネシウム−Al、Li−Al等)、金属酸化物(例えば、CrxOy、FexOy、In2O3、SnO、ZnO等)、金属合金酸化物(例えば、InSnO、AlZnO、AlSnO等)、金属窒化物(例えば、AlN、WN、TaN、スズ等)、金属合金窒化物(例えば、TiSiN、TaSiN等)、金属酸窒化物(例えば、AlON、TaON等)、金属合金酸窒化物、第14族酸化物(例えば、SiO2、GeO2等)、第14族窒化物(例えば、Si3N4、ケイ素リッチのSi3N4等)、第14族酸窒化物(例えば、ケイ素酸窒化物、ケイ素リッチのケイ素酸窒化物等)、第14族材料(例えば、グラファイト、Si、Ge、SiC、SiGe等)、第13〜15族半導体材料(例えば、GaAs、InP、GaInAs等)、第12〜16族半導体材料(例えば、ZnS、ZnSe、CdS、ZnSSe等)またはいずれかのそれらの組み合わせが挙げられる。元素金属とは本質的に単一元素からなり、そしてもう1つの金属元素との均質な合金ではなく、またもう1つの元素との分子の化合物でもない層を指す。金属合金に関して、ケイ素は金属と考えられる。多くの実施形態において、金属は、元素金属としても、または分子の化合物(例えば、金属酸化物、金属窒化物)の一部としても、遷移金属(元素周期表の第3族〜第12族の元素)であってよく、例として、クロム、タンタル、金等が挙げられる。
【0088】
ミラースタック内の層の可能性のある材料は、1つまたは複数の有機材料を含み得る。有機材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ペルフッ素化または部分的にフッ素化されたポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンおよびポリスチレンのコポリマー等)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸樹脂、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルのホモポリマーまたはコポリマー、エポキシ樹脂、ノボラック(Novolac)樹脂、有機電荷移動化合物(例えば、テトラチアフルバレンテトラシアノキノジメタン(「TTF−TCNQ」)等)またはいずれかのそれらの組み合わせが挙げられる。
【0089】
なおもう1つの実施形態において、ミラースタック内の層は、1つまたは複数の無機材料および1つまたは複数の有機材料の組み合せを含み得る。
【0090】
材料の屈折率は、専門的なハンドブックを使用して決定され得る。あるいは、材料の屈折率は、従来の光学測定ツール(例えば、エリプソメーター)を使用することによって決定され得る。いくつかの例示的な屈折率としては、SiO2に関して1.5、Si3N4に関して2.0、そして多くのポリマー材料に関して1.6が挙げられる。
【0091】
一実施形態において、標的化された波長は635nmであり得、そして層32はSiO2を含み得る(1.5のη)。前記方程式のいずれかを使用することによって、層32の計算厚さは約73nmであり得る。いくつかのプロセスマージンを許容するため、実際厚さは、例えば計算厚さの+/−10%であり得る。1つの特定の実施形態において、層32の実際厚さは66〜80nmの範囲にあり得る。層32の屈折率が1.6である場合、計算厚さは約68nmであり、そして実際厚さの範囲は61〜75nmでありえる。
【0092】
層34は、ミラースタック内の層に関して前記された材料のいずれかを含み得る。層34は、層32と比較して異なる組成を有してもよい。もう1つの実施形態において、境界面が層の間に形成される場合、層32および34は実質的に同一の材料を含み得る。実施形態において、層34はSi3N4を含み得(2.0のη)、従って、計算厚さは約54nmであり、そして実際の厚さ(例えば、+/−10%)の範囲は49〜59nmであり得る。
【0093】
化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等のような従来の付着技術を使用して、第1のミラースタック30内の各層を形成することができる。
【0094】
もう1つの実施形態において(図示せず)、第1のミラースタック30は、1つまたは複数の追加的な層を含み得る。一実施形態において、第1のミラースタック30は、1つまたは複数の層のペアを含み得る。本明細書を読んだ後、当業者は、彼らのニーズまたは要望を達成するためにミラースタック内の層の組成および厚さを決定することができる。
【0095】
図4に例示されるように、電子部品172、174および176上に第2のミラースタック40が形成されてもよい。第2のミラースタック40は、層のペア42および44を含み得る。第2のミラースタック40は、第1のミラースタック30とは異なる波長または波長のスペクトルに対して設計されてもよい。第2のミラースタック40は、青色、緑色または赤色光用に設計されてもよい。1つの特定の実施形態において、第2のミラースタック40は、緑色光用に設計され得る。この実施形態において、緑色光は500〜600nmに相当する波長のスペクトルを有する放射線と一致し得る。500〜600nmの範囲内のいずれの波長も使用可能であり、1つの特定の実施形態において535nmであってよい。もう1つの実施形態において、波長は電子部品174に関する発光極大と一致し得る。
【0096】
各層42および44の計算厚さを方程式1、2または3のいずれかによって決定することができる。厚さを計算するために、第2の標的化された波長および第2の屈折率を決定することができる。一実施形態において、第2の標的化された波長は535nmである。屈折率は、層42および44のために使用される1つまたは複数の材料に依存し得る。第2のミラースタック40内の層42、44または全ての層の電気特性は、導電性から半導電、そして絶縁まで異なり得る。
【0097】
第1のミラースタック30内の層32および34に関して前記された1つまたは複数の材料のいずれも、第2のミラースタック40内の層42および44を含む層のために使用可能である。
【0098】
一実施形態において、標的化された波長は535nmであり得、そして層42はSiO2を含み得る(1.5のη)。前記方程式のいずれかを使用することによって、層42の計算厚さは約89nmであり得る。いくつかのプロセスマージンを許容するため、実際厚さは、例えば計算厚さの+/−10%であり得る。一実施形態において、従って、層42の実際厚さは80〜98nmの範囲にあり得る。層42の屈折率が1.6である場合、第1の計算厚さは約84nmであり、そして実際厚さの範囲は76〜92nmでありえる。
【0099】
層44は、ミラースタック内の層に関して前記された材料のいずれかを含み得る。層44は、層42と比較して異なる組成を有してもよい。もう1つの実施形態において、境界面が層の間に形成される場合、層42および44は実質的に同一の材料を含み得る。実施形態において、層44はSi3N4を含み得(2.0のη)、従って、計算厚さは約67nmであり、そして実際の厚さの範囲は60〜74nmであり得る。
【0100】
化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等のような従来の付着技術を使用して、第2のミラースタック40内の各層を形成することができる。
【0101】
もう1つの実施形態において(図示せず)、第2のミラースタック40は、1つまたは複数の追加的な層を含み得る。一実施形態において、第2のミラースタック40は、1つまたは複数の層のペアを含み得る。
【0102】
図5に例示されるように、電子部品172、174および176上に第3のミラースタック50が形成されてもよい。第3のミラースタック50は、層のペア52および54を含み得る。第3のミラースタック50は、第1のミラースタック30および第2のミラースタック40とは異なる波長または波長のスペクトルに対して設計されてもよい。第3のミラースタック50は、青色、緑色または赤色光用に設計されてもよい。1つの特定の実施形態において、第3のミラースタック50は、赤色光用に設計され得る。この実施形態において、赤色光は600〜700nmに相当する波長のスペクトルを有する放射線と一致し得る。600〜700nmの範囲内のいずれの波長も使用可能であり、1つの特定の実施形態において635nmであってよい。もう1つの実施形態において、波長は電子部品176に関する発光極大と一致し得る。
【0103】
各層52および54の計算厚さを方程式1、2または3のいずれかによって決定することができる。厚さを計算するために、第3の標的化された波長は635nmである。屈折率は、層52および54のために使用される1つまたは複数の材料に依存し得る。第3のミラースタック50内の層52、54または全ての層の電気特性は、導電性から半導電、そして絶縁まで異なり得る。
【0104】
第1のミラースタック30内の層32および34に関して前記された1つまたは複数の材料のいずれも、第3のミラースタック50内の層52および54を含む層のために使用可能である。
【0105】
一実施形態において、標的化された波長は635nmであり得、そして層52はSiO2を含み得る(1.5のη)。前記方程式のいずれかを使用することによって、層52の計算厚さは約106nmであり得る。いくつかのプロセスマージンを許容するため、実際厚さは、例えば計算厚さの+/−10%であり得る。1つの特定の実施形態において、層52の実際厚さは、例えば95〜117nmの範囲にあり得る。層52の屈折率が1.6である場合、計算厚さは約99nmであり、そして実際厚さの範囲は89〜109nmでありえる。
【0106】
層54は、ミラースタック内の層に関して前記された材料のいずれかを含み得る。層54は、層52と比較して異なる組成を有してもよい。もう1つの実施形態において、境界面が層の間に形成される場合、層52および54は実質的に同一の材料を含み得る。実施形態において、層54はSi3N4を含み得(2.0のη)、従って、計算厚さは約79nmであり、そして実際の厚さの範囲は71〜87nmであり得る。
【0107】
化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等のような従来の付着技術を使用して、第3のミラースタック50内の各層を形成することができる。
【0108】
もう1つの実施形態において(図示せず)、第3のミラースタック50は、1つまたは複数の追加的な層を含み得る。一実施形態において、第3のミラースタック50は、1つまたは複数の層のペアを含み得る。
【0109】
いずれかの数の前記または追加の層を使用して、図1〜5に例示されていない他の回路を形成してもよい。示されないが、アレイの外側にあってよい周辺領域における回路(図示せず)のために追加の絶縁層および相互接続レベルが形成されてもよい。かかる回路は、横列または縦列デコーダー、ストロボ(例えば、横列アレイストロボ、縦列アレイストロボ等)、センスアンプ等を含み得る。
【0110】
図6に例示されるように、任意の乾燥剤(図示せず)を有する蓋62をアレイ外側の位置(図示せず)で基材12に取り付け、実質的に完成される電子デバイス60を形成することができる。隙間64が層54と蓋62との間にあっても、なくてもよい。一実施形態において、放射線は蓋62を通して伝送される。可視光スペクトルの範囲内の放射線が電子デバイス60から放射されるか、またはそれによって受け取られる場合、蓋62上の放射線入射の少なくとも70%が蓋62を通して伝送される。一実施形態において、蓋62はガラスを含み得る。放射線線量が蓋62を通して電子部品172、174および176から放射されること、またはそれらによって受け取られることが必要とされない場合、蓋62が放射線を伝送することができても、またはできなくてもよい。かかる実施形態において、蓋62は、ガラス、金属等を含む多種多様な材料の1つまたは複数のいずれを含んでもよい。蓋62および取り付けプロセスのために使用される1つまたは複数の材料は従来通りでもよい。
【0111】
乾燥剤が使用される場合、乾燥剤の位置は、電子デバイス60から放射されるか、またはそれによって受け取られる十分な放射線を乾燥剤が許容できるかどうかということに依存し得る。可視光スペクトルの範囲内の放射線が電子デバイス60から放射されるか、またはそれによって受け取られる場合、乾燥剤上の放射線入射の少なくとも70%が乾燥剤を通して伝送される。乾燥剤が伝送される十分な放射線を許容しない場合、放射線の伝送を実質的に干渉しない1つまたは複数の位置に存在してよい。かかる位置としては、アレイ外側または電子デバイス60の上面から、電子部品172、174および176の間の位置が挙げられる。放射線線量が乾燥剤を通して電子部品172、174および176から放射されること、またはそれらによって受け取られることが必要とされない場合、乾燥剤は蓋62に沿ってほぼいずれの位置に位置し得る。隙間64が乾燥剤と第3のミラースタック50の上部表面との間にあってもよい。乾燥剤内の1つまたは複数の材料および蓋62へのその取り付けは従来通りである。
【0112】
別の実施形態において(図示せず)、蓋62の取り付けの時点また前に、カプセル化層を第3のミラースタック50上に形成することができる。蓋62と同様に、カプセル化層内の材料の選択は、放射線がカプセル化層を通して伝送されるかどうかということに依存しても、または依存しなくてもよい。本明細書を読んだ後、当業者は、放射線がカプセル化層を通して伝送されるか、または伝送されなくてもよいかということに依存して、カプセル化層の組成および厚さを決定することができる。カプセル化層のための1つまたは複数の材料およびカプセル化層の付着が使用されてもよい。
【0113】
完成した電子デバイス60において、各ミラースタック30、40および50は、各電子部品172、174および176に対する放射線経路にあり得る。ミラースタック30、40または50は、電子部品の1種と一致する特定の波長または波長のスペクトルに対して設計されてよいが(例えば、電子部品172は赤色発光有機層を含み、そしてミラースタック30は赤色光用に設計されてよい)、ミラースタック30、40および50は、他の特定の波長または波長のスペクトルの放射線に対して光活性である他の種類の電子部品に対する放射線経路にあってもよい(例えば、ミラースタック30は青色光用に設計され、そしてそれぞれ緑色および赤色発光有機相を含み得る電子部品174および176内にあってもよい)。
【0114】
実施形態において、電子デバイス60としてアクティブマトリックスまたはパッシブマトリックスディスプレイが挙げられる。他の電子部品(図示せず)を基材12内または上、あるいはもう1つの基材内または上に形成することができる。かかる他の電子部品は、アレイ内の電子部品172、174および176を含む電子部品に提供される信号を提供するか、または調節する。かかる他の電子部品およびそれらの製造、基材12への取り付けまたは両方とも当業者に既知である。
【0115】
電子デバイス60は、放射線放射部品に加えて、またはその代わり、放射線応答部品を含んでもよい。一実施形態において、放射線応答部品はセンサーアレイ内の放射線センサーであり得る。放射線センサーは、特定の波長または波長のスペクトルにおいて放射線に応答するように設計されてよい。1つの特定の実施形態において、アレイは放射線放射部品およびセンサーを含み得る。なおもう1つの実施形態において、放射線応答部品は、放射線をエネルギーへと変換可能な光電池または他の電子部品である。
【0116】
ディスプレイの操作間、有機層162、164または166の1つまたは複数から放射線が放射されるように、適切な電位が第1の電極14および1つまたは複数の第2の電極18のいずれかに配置される。より具体的には、光が放射される時、第1および第2の電極間の電位差のため、電子正孔対が相当する有機層内で組み合わさって、光または他放射線が電子デバイスから放射され得る。ディスプレイにおいて、横列および縦列には、人間が理解できる形式で観察者にディスプレイを提供するために適切なピクセル(電子デバイス)を活性化させる信号が与えられ得る。
【0117】
光検出器のような放射線検出器の操作の間、放射線が電子デバイスによって受け取られる時に著しい電流を検出するために、センスアンプがアレイの第1および第2の電極に連結されてよい。光電池のようなボルタ電池において、光または他の放射線を、外部エネルギー源なしで流れることが可能なエネルギーに変換することができる。本明細書を読んだ後、当業者は、熟練職人は、それらの特定のニーズまたは要望に最も適合する電子デバイス、周辺回路および潜在的遠隔回路を設計することができる。
【0118】
1つまたは複数の中間層が、1つまたは複数のミラースタック30、40または50のいずれかの間に形成されてよい。図7に例示されるように、第1の中間層72は第1のミラースタック30上に形成され得、そして第2の中間層74は第2のミラースタック40上に形成され得る。一実施形態において、中間層72または74の一方のみが使用されるか、あるいはもう1つの実施形態において、より多くの中間体層が使用されてもよい。実施形態において、1つまたは複数の中間層のそれぞれが電子部品172、174および176に対する放射線経路にある。従って、1つまたは複数の中間層のそれぞれは、かかる層上の放射線入射の少なくとも70%を伝送することができる。かかる放射線は、電子部品172、174および176から放射されるか、またはそれらによって受け取られる。
【0119】
一実施形態において、第1の中間層72、第2の中間層74または両方内の1つまたは複数の材料は、導電性から半導電性、絶縁性まで異なり得る。放射線伝送に関係のない他の考えるべきこと(例えば、いもう1つの電子部品または特徴に関する例示されな位置、例えば接触、相互接続等)は材料の選択に影響を及ぼし得る。本明細書を読んだ後、当業者は中間層内で使用されるべき材料を決定することができる。従来の付着技術を使用して、1つまたは複数の中間体層を形成することができる。
【0120】
もう1つの実施形態において、1つまたは複数の中間体層がミラースタック内にあってもよい。例えば、図8に例示されるように、ミラースタック80は第1のミラースタック30およびもう1つのミラースタック84を含み得る。ミラースタック80、第1のミラースタック30およびミラースタック84は、特定の波長(例えば、635nm)または波長のスペクトル(例えば、赤色光)における放射線に対して設計されてもよい。第1のミラースタック30の後、そして層86および88を含むミラースタック84の前に中間体層82を形成することができる。1つの特定の実施形態において、中間体層82はミラースタック80内で層34および86の間にある。
【0121】
中間体層82の材料および形成は、図7に記載される中間体層72および74に関して記載されるように、1つまたは複数の実施形態のいずれかを使用して形成可能である。
【0122】
第1のミラースタック30内の層32および34に関して前記される1つまたは複数の材料のいずれも、ミラースタック84内の層86および88を含む層のために使用することができる。各層86および88に関する計算厚さは、層32および34と実質的に同様に決定することができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等のような従来の付着技術を使用して、ミラースタック84内の各層を形成することができる。
【0123】
実施形態において、ミラースタックが基材12と電子部品との間で形成されてもよい。図9に例示されるように、ミラースタック30、40および50が基材12上に形成されてもよい。前記の1つまたは複数の実施形態のいずれかを使用して、ミラースタック30、40および50を形成することができる。第1の電極94が第3のミラースタック50上に形成されてもよい。一実施形態において、第1の電極94は電子部品972、974および976のアノードとして機能する。一実施形態において第1の電極94がパターニングされていることを除き、第1の電極94の組成および形成は第1の電極14に関して記載されるものと実質的に同一である。
【0124】
一実施形態において、基材構造960は、第1の電極94間の位置で基材12上に形成される。一実施形態において、基材構造960はウェル構造であり、そしてもう1つの実施形態においてカソードセパレーターである。基材構造960の実際の形状は図9で例示されるものと異なってもよい。ウェル構造、カソードセパレーターまたはそれらの組み合わせに使用される1つまたは複数の材料、付着技術、パターニング技術またはいずれかのそれらの組み合わせを使用して、基材構造960を形成可能である。前記載のように有機層162、164および166を形成することができる。
【0125】
第2の電極98が有機層162、164および166上に形成されてもよい。一実施形態において、第2の電極98は電子部品972、974および976の共通のカソードとして機能する。第2の電極98の組成および形成は、一実施形態において第2の電極98がアレイ内でパターニングされていないことを除き、第2の電極18に関して記載されるものと実質的に同様である。電子デバイス90は、他の実施形態において前記されたように、蓋62、乾燥剤、カプセル化層またはいずれかのそれらの組み合わせも含み得る。
【0126】
図9に例示される電子デバイス90において、電子部品972、974および976から放射されるか、またはそれらによって応答される放射線は蓋62を通して伝送される。従って、蓋62の材料の選択は、図7に記載されるような中間層に関して記載される考察と同様であってよい。
【0127】
別の実施形態(図視せず)において、図3の層32または図9の層54が導電性または半導電性である場合、絶縁層(図視せず)をかかる層とその相当する最も近い電極との間に形成することができる(例えば、第2の電極18と層32との間、または層54と第1の電極94との間)。
【0128】
もう1つの実施形態において、第1および第2の電極を逆にすることができる。例えば、カソードとして機能する第2の電極が、アノードとして機能する第1の電極と比較して、基材12のより近くに形成されてもよい。
【0129】
さらなる実施形態において、マイクロキャビティがミラースタック30、40および50の一部または全部と接続して使用され得るか、またはそれらを含むことができる。
【0130】
特定の波長または波長のスペクトルにおける放射線に対して光活性となる無機電子部品に、本明細書に記載の概念を適用することができる。かかる無機電子部品の例としては、ケイ素をベースとする発光ダイオードが挙げられる。
【0131】
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態によるミラースタックの適用によってOLEDデバイスの性能が非常に向上し得ることを実証する。以下の具体的な実施例は例示するためのものであり、そして本発明の範囲を限定する意図はない。
【0132】
(実施例)
(実施例1)
本実施例は、OLEDデバイスのカソード側でブラッグ反射体を含むミラースタックを作成することができることを実証する。ミラースタックは、第1の放射体の色座標のみならず、電子デバイスのコントラスト比も改善する。標準4インチ、フルカラーのアクティブマトリックスディスプレイパネルを使用することができる。適切に図6が参照される。基材12はガラスであり、そして第1の電極14はITOである。第1の電極14の上部に、約30nm〜500nmの幅広い範囲において変更される厚さを有するバッファー層として、透明ポリアニリン(「PANI」)またはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDOT」)層をスピンコーティングする(図3に示さず)。青色、緑色および赤色の放射体溶液をそれぞれの位置でバッファー層上へインクジェットする。バッファー層および放射体の組み合せは、図6において有機層162、164および166として例示される。第2の電極(BaおよびAl)18は真空下で蒸発されて、部分的な反射率を有する。ブラッグ反射体を含むミラースタック30、40および50は、交互誘電層をスパッタリングすることによって第2の電極18の上部に作成される。各層の厚さおよび屈折率、ならびに数の層は、図10に例示されるように、それぞれ共振モード102、104および106を有するミラースタック30、40および50を作成するように選択される。
【0133】
ミラースタックのない第1の色放射体の放射スペクトルは、図11において、それぞれ青色、緑色および赤色放射体に対して破線1122、1124および1126として例示される。赤色、緑色および青色放射体のCIE色座標は、それぞれ(0.157、0.249)、(0.423、0.559)および(0.667、0.331)である。ブラッグ反射体を含むミラースタック30、40および50が電子デバイス60に組み入れられた後、赤色、緑色および青色放射体のCIE色座標は、それぞれ(0.156、0.200)、(0.371、0.608)および(0.680、0.318)に改善される。カソード側でミラースタック30、40および50のある第1の色放射体の放射スペクトルは、図11において、それぞれ実線1102、1104および1106として例示される。円偏波器またはミラースタックのない標準4インチパネルのコントラスト比は、約15:1のコントラスト比を有する。ミラースタック30、40および50がある場合、コントラスト比率は円偏波器がなくて約40:1である。改善度は2より高く、3に近い。さらにコントラスト比を改善するため、反射防止フィルムの薄層を基材12の表面上にコーティングし、約100:1より高いコントラスト比率を達成することができる。
【0134】
(実施例2)
本実施例は、OLEDデバイスのアノード側でブラッグ反射体を含むミラースタックを作成することができることを実証する。ミラースタックは、第1の放射体の色座標のみならず、電子デバイスのコントラスト比も改善する。標準4インチ、フルカラーのアクティブマトリックスディスプレイパネルを使用することができる。適切に図9が参照される。基材12はガラスである。第1の電極94を形成する前に、ミラースタック30、40および50は、交互誘電層をスパッタリングすることによって基材12の上部に作成される。各層の厚さおよび屈折率、ならびに数の層は、図10に例示されるように、それぞれ共振モード102、104および106を有するミラースタック30、40および50を作成するように選択される。次いで、第1の電極94として機能するITO層をスパッタリングおよびパターニングする。第1の電極94の上部に、約30nm〜500nmの幅広い範囲において変更される厚さを有するバッファー層として、透明ポリアニリン(「PANI」)またはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDOT」)層をスピンコーティングする。次いで、赤色、緑色および青色の放射体溶液をそれぞれの位置でバッファー層上へインクジェットする。バッファー層および放射体の組み合せは、有機層162、164および166として例示される。第2の電極(BaおよびAl)98は真空下で蒸発されて、部分的な反射率を有する。
【0135】
上記電子デバイス90(図9中)の性能は、実施例1に記載される電子デバイス60と実質的に同一である。赤色、緑色および青色放射体のCIE色座標は、それぞれ(0.157、0.249)、(0.423、0.559)および(0.667、0.331)から(0.156、0.200)、(0.371、0.608)および(0.680、0.318)に改善される。改善度は2より高く、3に近い。反射防止フィルムを第2の電極98上に適用する場合、約100:1より高いコントラスト比率が達成される。
【0136】
一般的な記載または実施例において上記される活性の全てが必要とされるわけではないこと、具体的な活性の一部は必要とされなくてもよいこと、そして記載されたものに加えて1つまたは複数のさらなる活性があってもよいことは留意すべきである。なおさらに、活性が記載された順序は、必ずしもそれらが実行される順序でなくてもよい。本明細書を読んだ後、当業者は、彼らの具体的なニーズまたは要望のためにどのような活性を使用することができるのか決定することができる。
【0137】
前記明細書において、具体的な実施形態に関して概念が記載された。しかしながら、当業者は、請求の範囲で明かにされる本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを認識する。従って、明細書および図面は限定的な意味というよりも、実例として考えられ、そして全てのかかる修正は本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0138】
多くの態様および実施形態が上記されるが、あくまでも例示であって、限定するものではない。本明細書を読んだ後、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく他の態様および実施形態が可能であることを認識する。
【0139】
利益、他の利点および問題への解決策が、具体的な実施形態に関して上記されている。しかしながら、利益、利点、問題への解決策、ならびにいずれの利益、利点または解決策を生じさせるか、またはより明白にさせるいずれの特徴が、いずれかのまたは全ての特許請求の範囲の重大な、必要とされる、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0140】
特定の特徴は、明瞭さのため、本明細書で別々の実施形態の文脈において記載されるが、単一の実施形態において組み合せで提供されてもよいことは認識されるべきである。逆に、様々な特徴は、簡潔さのため、単一の実施形態の文脈において記載されるが、別々に、またはいずれかの部分的組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲に定められた値の言及は、範囲内の各全値を含む。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】有機電子デバイスの概略図である。
【図2】任意の平坦化層22が形成された有機電子デバイスの概略図である。
【図3】第1のミラースタック30が形成された有機電子デバイスの概略図である。
【図4】第2のミラースタック40が形成された有機電子デバイスの概略図である。
【図5】第3のミラースタック50が形成された有機電子デバイスの概略図である。
【図6】実質的に完成される有機電子デバイス60の概略図である。
【図7】電子デバイスの一実施形態を示す図である。
【図8】電子デバイスの一実施形態を示す図である。
【図9】電子デバイスの一実施形態を示す図である。
【図10】ミラースタックの共振モードを例示する図である。
【図11】第1の色放射体の放射スペクトルを例示する図である。
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に電子デバイスおよび方法に関し、特にミラースタックを有する電子デバイス、ならびにそれを製造するための材料および方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、2004年12月30日出願の米国特許公報(特許文献1)および2005年6月28日出願の米国特許公報(特許文献2)に利益を要求する。さらに本願は、2005年12月21日出願の代理人整理番号DPUC−0142/UC0490 PCT NAを有する米国特許出願に関する。上記出願の全開示は、本明細書において全体として援用される。
【背景技術】
【0003】
有機電子デバイスは電気エネルギーを放射線に変換し、電子プロセスを通して信号を検出し、放射線を電気エネルギーに変換し、または1つまたは複数の有機半導体層を含む。有機電子デバイスは、ディスプレイ、センサーアレイ、光電池等において使用可能である。小分子有機発光ダイオード(「SMOLED」)およびポリマー発光ダイオード(「PLED」)は両方とも有機発光ダイオード(「OLED」)であり、有機電子ディスプレイの種類である。しかしながら、かかるディスプレイにおいて完全な色彩を実現させることは問題があった。例えば、ほとんどの有機材料は幅広い放射または透過性スペクトルを有するため、CIE基準に適合する色純度を有する有機材料を製造することは困難である。この欠点を克服するための従来の試みは、複雑な製造方法を含むか、または読みやすさが乏しい、もしくはコントラストの低いデバイスを製造する傾向がある。
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/640,783号明細書
【特許文献2】米国仮特許出願第60/694,874号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、上記欠点および障害を克服するための有機電子デバイスおよびその製造方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、電子デバイス、およびその製造方法、ならびにそれを含むデバイスおよびサブアセンブリが提供される。例えば、かかる電子デバイスは、第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品と、第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品と、第1および第2の電子部品に隣接する第1のミラースタックと、第1および第2の電子部品に隣接する第2のミラースタックとを含み、第1のミラースタックは第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含み、そして第2のミラースタックは第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含む。
【0007】
前記の一般的な記載および以下の詳細な記載は例示であり、あくまでも説明のためのものであり、添付の特許請求の範囲で定義されるように本発明を限定するものではない。
【0008】
実施形態は、本明細書において提示される概念の理解を向上するため、添付の図面に例示される。
【0009】
図面は例示として提供され、本発明を限定する意図はない。当業者は、図面中の物体が簡単におよび明瞭にするために例示されており、そして必ずしも一定の比率で描写されているわけではないことを認識する。例えば、実施形態の理解を向上するのを助けるために、図面中の物体のいくつかの寸法は他の物体に対して誇張されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
一実施形態において、電子デバイスが提供される。この電子デバイスは、第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品と、第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品と、第1および第2の電子部品に隣接する第1のミラースタックと、第1および第2の電子部品に隣接する第2のミラースタックとを含み、第1のミラースタックは第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含み、そして第2のミラースタックは第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含む。
【0011】
一実施形態において、この電子デバイスは、第3の波長を有する第3の放射線に対して光活性であるように設計された第3の電子部品と、第1、第2および第3の電子部品に隣接する第3のミラースタックとをさらに含み、第3のミラースタックは第3の放射線を反射するように設計された第3の層のペアを含む。
【0012】
一実施形態において、第1の電子部品は青色光を放出するように構成された第1の有機発光層を含み、第2の電子部品は緑色光を放出するように構成された第2の有機発光層を含み、そして第3の電子部品は赤色光を放出するように構成された第3の有機発光層を含む。
【0013】
一実施形態において、電子デバイスは反射体をさらに含み、そして第1および第2のミラースタックは、それぞれ第1および第2の電子部品と反射体との間に位置する。
【0014】
一実施形態において、第1および第2のミラースタックは、それぞれ2層より多い偶数の層を含む。
【0015】
一実施形態において、第1のミラースタックは第1の介在層をさらに含み、そして第2のミラースタックは第2の介在層をさらに含む。
【0016】
一実施形態において、第1の有機活性層は第1の電子部品内にあり、そして第2の有機活性層は第2の電子部品内にある。
【0017】
一実施形態において、電子デバイスの形成方法が提供される。この方法は、第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品を形成する工程と、第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品を形成する工程と、第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含む第1のミラースタックを形成する工程と、第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含む第2のミラースタックを形成する工程とを含む。
【0018】
一実施形態において、第1の計算厚さの10%以内である第1の実際厚さを有するように第1の層のペア内の各層を形成し、そして第2の計算厚さの10%以内である第2の実際厚さを有するように第2の層のペア内の各層を形成する。
【0019】
一実施形態において、この方法は、第3の波長を有する第3の放射線に対して光活性であるように設計された第3の電子部品を形成する工程と、第3の放射線を反射するように設計された第3の層のペアを含む第3のミラースタックを形成する工程とをさらに含む。
【0020】
一実施形態において、第3の層のペア内の各層は第3の計算厚さの10%以内である第3の実際厚さを有する。
【0021】
一実施形態において、第1の電子部品が青色光を放出するように構成された第1の有機発光層を含み、第2の電子部品が緑色光を放出するように構成された第2の有機発光層を含み、そして第3の電子部品が赤色光を放出するように構成された第3の有機発光層を含む。
【0022】
一実施形態において、第1および第2のミラースタックは第1の電子部品と電子デバイスのユーザーサーフェイスとの間に存在し、そして第1および第2のミラースタックは第2の電子部品と電子デバイスのユーザーサーフェイスとの間に存在する。
【0023】
一実施形態において、第1および第2のミラースタックを形成する工程は、それぞれ2層より多い偶数の層を形成する工程を含む。
【0024】
一実施形態において、この方法は、第1および第2の放射線を実質的に反射するための反射体を形成する工程をさらに含み、第1および第2のミラースタックは第1の電子部品と反射体との間に存在する。
【0025】
一実施形態において、この方法は、第1の層のペアの層の間で第1の介在層を形成する工程と、第2の層のペアの層の間で第2の介在層を形成する工程とをさらに含む。
【0026】
一実施形態において、第1の電子部品を形成する工程は第1の有機活性層を形成する工程を含み、そして第2の電子部品を形成する工程は第2の有機活性層を形成する工程を含む。
【0027】
一実施形態において、上記電子デバイスを含む構成物が提供される。
【0028】
一実施形態において、上記電子デバイスを含む活性層を有する有機電子デバイスが提供される。
【0029】
一実施形態において、上記電子デバイスを含む有機電子デバイスの製造において有用である物品が提供される。
【0030】
一実施形態において、上記化合物および少なくとも1種の溶媒、プロセス助剤、電荷輸送材または電荷ブロック材を含む組成物が提供される。これらの組成物は、限定されないが、溶媒、乳状液およびコロイド状懸濁液を含むいずれの形態でもあり得る。
【0031】
(定義)
「1つ(aまたはan)」の使用は、本発明の要素および部品を記載するために利用される。これは単に便宜上のため、そして本発明の一般的な意味を与えるためである。この記載は1つまたは少なくとも1つを含むように読解されなければならない。そして他に意味があることが明白でない限り、単数には複数も含まれる。
【0032】
層または材料を指す場合、用語「活性」は、電子または電子放射性特性を示す層または材料を意味するように意図される。放射線を受けた時に活性層材料は放射線を放出するか、または電子正孔対の濃度の変化を示し得る。従って、用語「活性材料」は、デバイスの操作を電子的に促進する材料を指す。活性材料の例としては、限定されないが、電荷を伝導、注入、輸送またはブロックする材料が挙げられ、ここでは電荷は電子または正孔であり得る。不活性材料の例としては、限定されないが、平坦化材料、絶縁材料および環境バリア材料が挙げられる。
【0033】
用語「実際厚さ」は、電子デバイスまたは他の物理的な物体内の1つまたは複数の層の厚さを意味するように意図される。
【0034】
用語「隣接」は、層、部材または構造がもう1つの層、部材または構造のすぐ次にあることを必ずしも意味するわけではない。互いに直接接触する層、部材または構造の組み合せも、なお互いに隣接する。
【0035】
用語「に隣接する」は、デバイス中の1つまたは複数の層、1つまたは複数の部材または1つまたは複数の構造のいずれかの組み合せを指す場合、1つの層、部材または構造がもう1つの層、部材または構造のすぐ次にあることを必ずしも意味するわけではない。互いに直接接触する層、部材または構造も、なお互いに隣接する。
【0036】
用語「アレイ」、「周辺回路」および「遠隔回路」は、電子デバイスの異なる領域または部品を意味するように意図される。例えば、アレイは、規則配列内でピクセル、セルまたは他の構造を含んでよい(通常、縦列および横列によって示される)。アレイ内のピクセル、セルまたは他の構造は、アレイ自体の外部にあるがアレイと同一基材上にある周辺回路によって調節される。遠隔回路は典型的に周辺回路から離れて存在し、そしてアレイへと信号を送るか、またはアレイから信号を受け取ることができる(典型的に周辺回路を介して)。遠隔回路はアレイに関連のない機能を実行してもよい。遠隔回路はアレイを有する基材上に存在しても、しなくてもよい。
【0037】
用語「青色発光有機層」は、約400〜500nmの範囲の波長において発光極大を有する放射線を放出することが可能な有機層を意味するように意図される。
【0038】
用語「計算厚さ」は、方程式によって決定される1つまたは複数の層の厚さを意味するように意図される。実際厚さおよび計算厚さは同一であっても、または互いに異なってもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「を含む(comprises)」「を含んでなっている(comprising)」「を含む(includes)」「を含んでいる(including)」「を有する(has)」「を有している(having)」またはそれらのいずれかの他の変形は、排他的でない包含に及ぶように意図される。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるわけではなく、明白に記載されない他の要素または固有のかかるプロセス、方法、物品または装置を含んでもよい。さらに、明白に逆であることが定義されなければ、「または」は包含的論理和を指し、そして排他論理和を指さない。例えば、条件AまたはBは次のいずれかによって満たされる:Aは真(または存在する)であり、そしてBは偽(または存在しない)である。Aは偽(または存在しない)であり、そしてBは真(または存在する)である。ならびにAおよびBは真(または存在する)である。
【0040】
用語「電子部品」は、電気または電子放射性(例えば電気光学的)機能を実行する回路の最低レベル単位を意味するように意図される。電子部品としては、トランジスター、ダイオード、レジスター、コンデンサー、誘導子、半導体レーザー、光学スイッチ等が挙げられる。電子部品は、寄生抵抗(例えば、ワイヤーの抵抗)または寄生容量(例えば、導体間のコンデンサーが意図的ではないか、または偶発的である異なる電子部品に電気的に連結された2つの導体間の容量結合)を含まない。
【0041】
用語「電子デバイス」は、適切に電気的に連結され、そして適切な電位を供給する場合、集合的に機能を実行する回路、電子部品またはそれらの組み合わせの集合を意味するように意図される。電子デバイスはシステムの一部を含んでもよく、またはシステムの一部であってもよい。電子デバイスの例としては、ディスプレイ、センサーアレイ、コンピュータシステム、航空電子工学システム、自動車、携帯電話、他の消費者もしくは産業の電子製品またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0042】
用語「緑色発光有機層」は、約500〜600nmの範囲の波長において発光極大を有する放射線を放出することが可能な有機層を意味するように意図される。
【0043】
用語「すぐ近くに隣接」は、2つ以上の物体が互いに近くにあり、そして他のいずれかの重要な物体がかかる2つ以上の物体の間に存在しないことを意味するように意図される。一実施形態において、2つ以上の物体は互いに接触する。もう1つの実施形態において、2つ以上の物体はわずかな隙間によって分離されてもよい(例えば、連続配列)。いずれの物体も、層、部材、構造またはそれらのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0044】
用語「層」は用語「フィルム」と交換可能に使用され、そして所望の領域を被覆するコーティングを指す。この領域は、全デバイスまたは実際の視覚ディスプレイのような特定の機能領域と同じぐらい大きくてもよく、または単一サブピクセルと同じぐらい小さくてもよい。蒸着および液体付着を含むいずれかの従来の付着技術によってフィルムを形成することができる。液体付着技術としては、限定されないが、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、スロット−ダイコーティング、スプレーコーティングおよび連続ノズルコーティングのような連続付着技術ならびにインクジェット印刷、グラビア印刷およびスクリーン印刷のような不連続付着技術が挙げられる。
【0045】
用語「ミラースタック」は、鏡のように機能する複数の層を意味するように意図される。一実施形態において、ミラースタックは1つまたは複数のブラッグ(Bragg)反射体を含み得る。
【0046】
用語「有機活性層」は、有機層の少なくとも1つが、それ自体で、または異なる材料と接触時に整流接合を形成することができる1つまたは複数の有機層を意味するように意図される。
【0047】
用語「有機電子デバイス」は、1つまたは複数の半導体層または材料を含むデバイスを意味するように意図される。有機電子デバイスとしては、限定されないが、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、ダイオードレーザーまたは照明パネル)、(2)電子プロセスによって信号を検出するデバイス(例えば、光検出器、光伝導セル、フォトレジスター、フォトスイッチ、フォトトランジスター、光電管、赤外線(「IR」)検出器またはバイオセンサー)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光電池デバイスまたは太陽光電池)、および(4)1つまたは複数の有機半導体層を含む1つまたは複数の電子部品を含むデバイス(例えば、トランジスタまたはダイオード)が挙げられる。デバイスという用語は、記憶デバイスのためのコーティング材料、帯電防止フィルム、バイオセンサー、エレクトロクロミックデバイス、固体電解質コンデンサー、エネルギー貯蔵デバイス、例えば充電式バッテリーおよび電磁ブロック適用も含む。
【0048】
用語「有機層」は、少なくとも1層が炭素および水素、酸素、窒素、フッ素等のような少なくとも1つの他の元素を含む材料を含む1つまたは複数の層を意味するように意図される。
【0049】
用語「層のペア」は偶数の層を意味するように意図され、そして2、4、6、8またはより多くの層を含み得る。
【0050】
「光活性」は、適用された電圧によって活性化された時に光を放出する(例えば、発光ダイオードまたは化学セル)か、または適用されたバイアス電圧の有無にかかわらず、エネルギーを放出し、信号を発生するように応答する(例えば、光検出器)材料を指す。
【0051】
用語「放射線放出部品」は、適切にバイアスされた時に標的波長または波長のスペクトルにおいて放射線を放出する電子部品を意味するように意図される。放射線は可視光スペクトルの範囲内であっても、または可視光スペクトル外であってもよい(UVまたはIR)。発光ダイオードは、放射線放出部品の例である。
【0052】
用語「放射線応答部品」は、適切にバイアスされた時に標的波長または波長のスペクトルにおいて放射線に応答することができる電子部品を意味するように意図される。放射線は可視光スペクトルの範囲内であっても、または可視光スペクトル外であってもよい(UVまたはIR)。IRセンサーおよび光電池は放射線感知部品の例である。
【0053】
用語「整流接合」は、半導体層内の接合または半導体層と異なる材料との間の境界面によって形成される接合を意味するように意図され、ここでは、1種の電荷キャリアが、反対方向と比較して接合を通して1方向においてより容易に流れる。pn接合はダイオードとして使用可能な整流接合の例である。
【0054】
用語「赤色発光有機層」は、約600〜700nmの範囲の波長において発光極大を有する放射線を放出することが可能な有機層を意味するように意図される。
【0055】
用語「基材」は、剛性または屈曲性のワークピースを意味するように意図され、1つまたは複数の材料の1つまたは複数の層を含んでよい。基材としては、限定されないが、ガラス、ポリマー、金属またはセラミックの材料またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
用語「ユーザーサーフェイス」は、電子デバイスの正常操作間に主に使用される電子デバイスの表面を意味するように意図される。ディスプレイの場合、ユーザーが見る電子デバイスの表面がユーザーサーフェイスである。センサーまたは光電池の場合、ユーザーサーフェイスは、感知されるかまたは電気エネルギーに変換される放射線を主に伝送する表面である。注目すべきは、電子デバイスが2つ以上のユーザーサーフェイスを有してもよいことである。
【0057】
特記されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験において使用することが可能であるが、適切な方法および材料を以下に記載する。本明細書において言及された全ての出版物、特許出願、特許および他の参照文献は、特定の一節が引用されない限り、全体として援用される。抵触する場合、本明細書は、定義を含め、調節される。加えて、材料、方法および実施例は単なる実例であり、限定するように意図されない。
【0058】
本明細書に記載されない範囲まで、特定の材料、プロセス実施および回路に関する多くの詳細は従来通りであり、そして有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光電池および半導体部材の分野における教本および他の情報源に見出され得る。
【0059】
(実施例)
本明細書に記載される概念は、以下の実施例にさらに記載される。これは特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない。
【0060】
電子デバイスに関連する光学共鳴器の使用については、2005年12月21日出願の代理人整理番号DPUC-0142/UC0490 PCT NAを有する共同譲渡の米国特許出願に検討されており、これは本明細書に全体として援用される。
【0061】
実施形態において、1つまたは複数のブラッグ反射体が、例えば、ミラースタックの一部として使用されてもよい。ブラッグ反射体は、異なる屈折率を有する2つの異なる材料の交互四分の一波長層を有する誘電層構造を有する。共振波長は次式に一致する。
【0062】
【数1】
【0063】
式中、n1、n2およびd1、d2は、それぞれ誘電層の屈折率および厚さである。
【0064】
特定の波長を反射するために、異なる屈折率を有する2つの異なる材料の少なくとも2つの四分の一波長層が存在しなければならない。ブラッグ反射体における1周期は、上記の方程式を満たす2つのサブ層(n1、d1)および(n2、d2)を有する。特定の波長を反射するブラッグ反射体は、1つまたは複数の周期を有し得る。周期の数は、反射スペクトルの形状およびピーク反射率を決定する。方程式(1)は、どの波長が反射されるかを決定する。
【0065】
2つの共振モード(反射する2つの波長λおよびλ’)を有するため、2つの異なる周期を有する2つのブラッグ反射体が積み重なる。第1のブラッグ反射体は次の方程式を満たすべきである。
【0066】
【数2】
【0067】
一方、第2のブラッグ反射体は次の方程式を満たすべきである。
【0068】
【数3】
【0069】
式中、n3、n4およびd3、d4は、それぞれ誘電層の屈折率および厚さである。
【0070】
フルカラーディスプレイにおいて3つの共振モードが必要とされる場合、上記で検討された2つの積み重なるブラッグ反射体の場合と同様に、3つの異なる周期を有する3つのブラッグ反射体が積み重なるべきである。異なる周期を有するいくつかのブラッグ反射体が積み重なる場合、または局所周期が位置の増加(または減少)関数である非周期的層化媒体が使用される場合、広域ブラッグ反射体を構成することができる。各ブラッグ反射体は各波長のための反射体として機能する。帯域幅が実質的な重複を有するために十分広い場合、全ブラッグ反射体は広域の光を反射することができる。
【0071】
実施形態に従って、完成した電子デバイスにおいて、ブラッグ反射体のミラースタックは、各発光素子を含む3種類の電子部品のための放射線経路に存在してよい。例えば、電子部品の第1の種類は青色発光素子であってよく、電子部品の第2の種類は緑色発光素子であってよく、そして電子部品の第3の種類は赤色発光素子であってよい。第1、第2および第3の各ミラースタックが、それぞれ青色、緑色および赤色の発光素子のための放射線経路内にあってもよい。もう1つの実施形態において、白色発光素子が使用されてもよい。実施形態において、ミラースタックを、例えば、それぞれ約50nmの帯域幅を有する435、535および635nmにおいて放射線を放射するように設計することができる。
【0072】
本明細書を読んだ後、当業者は、同一の種類の発光素子(例えば、白色発光素子)または異なる種類の発光素子(例えば、青色、緑色および赤色発光素子)を有するミラースタックを使用してよいことを認識するであろう。
【0073】
他の種類の放射体と関連する実施形態を使用してもよい。例えば、可視であってもなくても、なおもう1つの異なる波長または波長のスペクトルのための異なる種類の電子部品を有する電子デバイスが設計される。例えば、放射線センサー、光電池、もう1つの放射線放射もしくは放射線応答電子部品またはそれらのいずれかの組み合わせのような他の種類の電子部品と関連する実施形態を利用してもよい。放射線センサーで使用される場合、ミラースタックは、重要である特定の波長または波長のスペクトルにおける放射線と比較して重要ではない放射線の波長の強度減少を補助する。
【0074】
ミラースタックは、放射線経路のほぼいずれに位置してもよい。例えば、ミラースタックは電子部品と電子デバイスのユーザー側との間にあってよい(例えば、デバイスが放射体である場合は光を放射するデバイスの側、デバイスが検出器である場合は光を受けるデバイスの側、等)。
【0075】
一実施形態において、電子部品の第3の種類は青色発光素子であってよい。もう1つの実施形態において、赤外線、紫外線等のような可視光スペクトル外側の1つまたは複数の波長のために設計された電子部品の1つまたは複数の他の種類を使用することができる。異なる周期を有する複数の周期的層化媒体を積み重ねることによって、いくつかの波長を共振モードとして使用することができる。
【0076】
図1は基材12の一部の断面図の例示を含み、電子デバイスの形成の間、その上に電子部品172、174および176が作成される。基材12は1つまたは複数の層を含み得、例としてガラスもしくは他のセラミック材料のような絶縁材料、プラスチックまたはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。基材12は剛性でも屈曲性でもよく、そして放射線の伝送が可能であっても不可でもよい。一実施形態において、電子デバイスのユーザー側は反対側の基材12である。この実施形態において、基材12を通しての放射線の伝送は重要でない。もう1つの実施形態において、電子デバイスのユーザー側は、電子部品172、174および176側の反対側の基材12の側にある。この実施形態において、電子部品172、174および176によって放射または応答される放射線の少なくとも70%が基材12を通して伝送されてよい。図1〜6に例示される実施形態において、底部放射電子デバイス(すなわち、基材12が電子デバイス10のユーザー側にあるもの)が形成され、従って、基材12を通しての放射線の伝送は重要でない。
【0077】
第1の電極14が基材12上に形成されてもよい。一実施形態において、第1の電極14はディスプレイの共通アノードとして機能し得る。もう1つの実施形態において、第1の電極14を、基材12内の回路(図示せず)を調節するために連結されてよい複数の第1の電極と交換することができる。第1の電極14は、従来からOLED内のアノード用に使用される1つまたは複数の材料の1つまたは複数の層を含み得る。第1の電極14は、第1の電極14上で放射線入射の一部または実質的に全てを反射し得る。1つの特定の実施形態において、第1の電極14は第1の層および第2の層(図示せず)を含み得、ここでは第1の層は、第2の層と比較して基材12のより近くに位置する。第1の層は、第1の層に達する放射線の一部または実質的に全てを反射し得、そして例として、銀、アルミニウム、他の部分的または高度に反射性の導電性材料またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。第2の層は、第1の層と比較して比較的より透明な層を含み得、そして例として、インジウムスズオキシド(「ITO」)、インジウム亜鉛オキシド(「IZO」)、アルミニウム亜鉛オキシド(「AZO」)等が挙げられる。第1の電極14は導電性有機ポリマーを含み得、そして従来の付着技術を使用して形成され得る。
【0078】
有機層162、164および166を第1の電極14上に形成することができる。有機層162、164および166は実質的に同一または異なる組成を有し得、そして1つまたは複数の層を有し得る。例えば、有機層162、164および166は、同一または異なる有機活性層を有してよい。一実施形態において、有機層162は青色発光有機層を含んでよく、有機層164は緑色発光有機層を含んでよく、そして有機層166は赤色発光有機層を含んでよい。もう1つの実施形態において、各有機層162、164および166が白色発光有機層を含んでもよい。なおもう1つの実施形態において、1つまたは複数の他の有機層が有機活性層と一緒に使用されてもよい。かかる他の層としては、バッファー層、電荷ブロック層、電荷注入層、電荷輸送層またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。なおもう1つの実施形態において、有機層162、164および166のいずれかが単層を含んでもよく、単層の異なる部分が異なる目的のため機能する(例えば、一部は正孔輸送層として機能し、そしてもう一部はエレクトロルミネセンス層として機能する)。なおさらなる実施形態において、1つまたは複数の有機層162、164および166のいずれかは、例えばセンサーまたは光電池のように放射線に応答するように設計されてもよい。有機層162、164および166の組成および厚さは、例えば従来通りであり得る。
【0079】
一実施形態において、各有機層162、164および166内の各層は、小分子またはポリマー(コポリマーを含んでも含まなくてもよい)材料を含み得る。1つまたは複数の有機層162、164および166のいずれかを形成するために、従来の付着法を使用することができる。付着としては、化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等が挙げられる。各有機層162、164および168は付着される時にパターニングされてもよいが、付着の後にパターニングされてもよい。別の実施形態において、有機層162、164および166を形成する前に、1つまたは複数の基材構造(図示せず)が基材12上に形成されてもよい。基材構造の例としては、ウェル構造、カソードセパレーター等が挙げられる。
【0080】
第2の電極18が、有機層162、164および166上に形成されてもよい。第2の電極18は電子部品172、174および176のカソードとして機能し得る。一実施形態において、第2の電極18は第1の層および第2の層を含んでよく、ここでは第1の層は、第2の層と比較して有機層162、164および166により近く位置する。第1の層は、例えば、比較的低い仕事関数を有する材料を含み得る。かかる材料の例としては、例えば、第1族金属(例えば、Li、Cs等)、第2族(アルカリ土類)金属(例えば、Mg、Ca等)、アルカリ金属化合物(例えば、Li2O、LiBO2等)、ランタニドまたはアクチニドを含む希土類元素、いずれかのかかる金属の合金、またはいずれかのそれらの組み合わせが挙げられる。また第1の層は、フッ化アルカリまたはフッ化アルカリ土属、例えば、LiF、CsF、MgF2、CaF2等を含み得る。低い仕事関数を有する導電性ポリマーが使用されてもよい。
【0081】
第2の層は、電子デバイス10のプロセス間に第1の層の保護を補助する材料を含み得る。第2の層は、第1の層と比較して空中でより安定している。第2の層は、例えば、ITO、IZO、AZO、Ag、Alまたはいずれかのそれらの組み合わせも含み得る。第2の電極18は、有機層162、164および166から放射される放射線または有機層162、164および166が応答するように設計される放射線に対して透過的であるか、または部分的に透過的であり得る。1つの特定の実施形態において、第2の層は部分的に放射線を反射する。
【0082】
第2の電極18は付着される時にパターニングされてもよいが、1つまたは複数の従来技術を使用して、付着の後にパターニングされてもよい。例示されないが、完成した電子デバイスにおいて、第2の電極18は回路を調節するために連結されてよい。あるいは、別の第1の電極が使用される場合、共通の第2の電極が使用されてもよい。実施形態において、第2の電極18は1ミクロンまでの厚さを有する。
【0083】
図2に例示されるように、任意の平坦化層22が電子部品172、174および176の間に形成されてもよい。平坦化層22は、例えばミラースタックのようにその後に形成された層のトポロジー変化を減少させる補助となり得る。平坦化層22は、有機または無機の電気絶縁材料の1つまたは複数の層を含んでもよい。平坦化層22は付着される時にパターニングされてもよいが、付着後にパターニングされてもよい。平坦化層22の上部表面の高さは第2の電極18の上部表面とほぼ同じであり得る。もう1つの実施形態において、高さは著しく異なってもよい。
【0084】
なおもう1つの実施形態において、基材構造(図示せず)が電子部品172、174および176の間に存在してよい。実施形態において、基材構造および平坦化層22の上部表面がほぼ同一の高さになるように、平坦化層22が基材構造の開口内に形成されてもよい。もう1つの実施形態において、トップ表面は著しく異なってもよい。なおもう1つの実施形態において、平坦化層22、基材構造または両方が使用されない。
【0085】
第1のミラースタック30は、図3に例示されるように、電子部品172、174および176上に形成される。第1のミラースタック30は層のペア32および34を含み得る。第1のミラースタック30は、波長または波長のスペクトルのために設計されてもよい。一実施形態において、電子部品172、174および176は、それぞれ青色発光部品、緑色発光部品および赤色発光部品であり得る。第1のミラースタック30は、青色、緑色または赤色光用に設計されてもよい。1つの特定の実施形態において、第1のミラースタック30は青色光用に設計され得る。この実施形態において、青色光は400〜500nmに相当する波長のスペクトルを有する放射線と一致し得る。400〜500nmの範囲内のいずれの波長も使用可能であり、1つの特定の実施形態において435nmであってよい。もう1つの実施形態において、波長は電子部品172に関する発光極大と一致し得る。
【0086】
各層32および34の計算厚さをそれぞれ、方程式1、2または3によって決定することができる。厚さを計算するために、第1の標的化された波長および第1の屈折率を決定することができる。一実施形態において、第1の標的化された波長は435nmである。屈折率は、層32および34のために使用される1つまたは複数の材料に依存し得る。ほぼ無制限の数の材料をミラースタック内の層に使用することができる。第1のミラースタック30内の層32、34または全ての層の電気特性は、導電性から半導電、そして絶縁まで異なり得る。
【0087】
ミラースタック内の層の可能性のある材料は、1つまたは複数の無機材料を含み得る。無機材料の例としては、元素金属(例えば、W、Ta、Cr、In等)、金属合金(例えば、マグネシウム−Al、Li−Al等)、金属酸化物(例えば、CrxOy、FexOy、In2O3、SnO、ZnO等)、金属合金酸化物(例えば、InSnO、AlZnO、AlSnO等)、金属窒化物(例えば、AlN、WN、TaN、スズ等)、金属合金窒化物(例えば、TiSiN、TaSiN等)、金属酸窒化物(例えば、AlON、TaON等)、金属合金酸窒化物、第14族酸化物(例えば、SiO2、GeO2等)、第14族窒化物(例えば、Si3N4、ケイ素リッチのSi3N4等)、第14族酸窒化物(例えば、ケイ素酸窒化物、ケイ素リッチのケイ素酸窒化物等)、第14族材料(例えば、グラファイト、Si、Ge、SiC、SiGe等)、第13〜15族半導体材料(例えば、GaAs、InP、GaInAs等)、第12〜16族半導体材料(例えば、ZnS、ZnSe、CdS、ZnSSe等)またはいずれかのそれらの組み合わせが挙げられる。元素金属とは本質的に単一元素からなり、そしてもう1つの金属元素との均質な合金ではなく、またもう1つの元素との分子の化合物でもない層を指す。金属合金に関して、ケイ素は金属と考えられる。多くの実施形態において、金属は、元素金属としても、または分子の化合物(例えば、金属酸化物、金属窒化物)の一部としても、遷移金属(元素周期表の第3族〜第12族の元素)であってよく、例として、クロム、タンタル、金等が挙げられる。
【0088】
ミラースタック内の層の可能性のある材料は、1つまたは複数の有機材料を含み得る。有機材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ペルフッ素化または部分的にフッ素化されたポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンおよびポリスチレンのコポリマー等)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸樹脂、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルのホモポリマーまたはコポリマー、エポキシ樹脂、ノボラック(Novolac)樹脂、有機電荷移動化合物(例えば、テトラチアフルバレンテトラシアノキノジメタン(「TTF−TCNQ」)等)またはいずれかのそれらの組み合わせが挙げられる。
【0089】
なおもう1つの実施形態において、ミラースタック内の層は、1つまたは複数の無機材料および1つまたは複数の有機材料の組み合せを含み得る。
【0090】
材料の屈折率は、専門的なハンドブックを使用して決定され得る。あるいは、材料の屈折率は、従来の光学測定ツール(例えば、エリプソメーター)を使用することによって決定され得る。いくつかの例示的な屈折率としては、SiO2に関して1.5、Si3N4に関して2.0、そして多くのポリマー材料に関して1.6が挙げられる。
【0091】
一実施形態において、標的化された波長は635nmであり得、そして層32はSiO2を含み得る(1.5のη)。前記方程式のいずれかを使用することによって、層32の計算厚さは約73nmであり得る。いくつかのプロセスマージンを許容するため、実際厚さは、例えば計算厚さの+/−10%であり得る。1つの特定の実施形態において、層32の実際厚さは66〜80nmの範囲にあり得る。層32の屈折率が1.6である場合、計算厚さは約68nmであり、そして実際厚さの範囲は61〜75nmでありえる。
【0092】
層34は、ミラースタック内の層に関して前記された材料のいずれかを含み得る。層34は、層32と比較して異なる組成を有してもよい。もう1つの実施形態において、境界面が層の間に形成される場合、層32および34は実質的に同一の材料を含み得る。実施形態において、層34はSi3N4を含み得(2.0のη)、従って、計算厚さは約54nmであり、そして実際の厚さ(例えば、+/−10%)の範囲は49〜59nmであり得る。
【0093】
化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等のような従来の付着技術を使用して、第1のミラースタック30内の各層を形成することができる。
【0094】
もう1つの実施形態において(図示せず)、第1のミラースタック30は、1つまたは複数の追加的な層を含み得る。一実施形態において、第1のミラースタック30は、1つまたは複数の層のペアを含み得る。本明細書を読んだ後、当業者は、彼らのニーズまたは要望を達成するためにミラースタック内の層の組成および厚さを決定することができる。
【0095】
図4に例示されるように、電子部品172、174および176上に第2のミラースタック40が形成されてもよい。第2のミラースタック40は、層のペア42および44を含み得る。第2のミラースタック40は、第1のミラースタック30とは異なる波長または波長のスペクトルに対して設計されてもよい。第2のミラースタック40は、青色、緑色または赤色光用に設計されてもよい。1つの特定の実施形態において、第2のミラースタック40は、緑色光用に設計され得る。この実施形態において、緑色光は500〜600nmに相当する波長のスペクトルを有する放射線と一致し得る。500〜600nmの範囲内のいずれの波長も使用可能であり、1つの特定の実施形態において535nmであってよい。もう1つの実施形態において、波長は電子部品174に関する発光極大と一致し得る。
【0096】
各層42および44の計算厚さを方程式1、2または3のいずれかによって決定することができる。厚さを計算するために、第2の標的化された波長および第2の屈折率を決定することができる。一実施形態において、第2の標的化された波長は535nmである。屈折率は、層42および44のために使用される1つまたは複数の材料に依存し得る。第2のミラースタック40内の層42、44または全ての層の電気特性は、導電性から半導電、そして絶縁まで異なり得る。
【0097】
第1のミラースタック30内の層32および34に関して前記された1つまたは複数の材料のいずれも、第2のミラースタック40内の層42および44を含む層のために使用可能である。
【0098】
一実施形態において、標的化された波長は535nmであり得、そして層42はSiO2を含み得る(1.5のη)。前記方程式のいずれかを使用することによって、層42の計算厚さは約89nmであり得る。いくつかのプロセスマージンを許容するため、実際厚さは、例えば計算厚さの+/−10%であり得る。一実施形態において、従って、層42の実際厚さは80〜98nmの範囲にあり得る。層42の屈折率が1.6である場合、第1の計算厚さは約84nmであり、そして実際厚さの範囲は76〜92nmでありえる。
【0099】
層44は、ミラースタック内の層に関して前記された材料のいずれかを含み得る。層44は、層42と比較して異なる組成を有してもよい。もう1つの実施形態において、境界面が層の間に形成される場合、層42および44は実質的に同一の材料を含み得る。実施形態において、層44はSi3N4を含み得(2.0のη)、従って、計算厚さは約67nmであり、そして実際の厚さの範囲は60〜74nmであり得る。
【0100】
化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等のような従来の付着技術を使用して、第2のミラースタック40内の各層を形成することができる。
【0101】
もう1つの実施形態において(図示せず)、第2のミラースタック40は、1つまたは複数の追加的な層を含み得る。一実施形態において、第2のミラースタック40は、1つまたは複数の層のペアを含み得る。
【0102】
図5に例示されるように、電子部品172、174および176上に第3のミラースタック50が形成されてもよい。第3のミラースタック50は、層のペア52および54を含み得る。第3のミラースタック50は、第1のミラースタック30および第2のミラースタック40とは異なる波長または波長のスペクトルに対して設計されてもよい。第3のミラースタック50は、青色、緑色または赤色光用に設計されてもよい。1つの特定の実施形態において、第3のミラースタック50は、赤色光用に設計され得る。この実施形態において、赤色光は600〜700nmに相当する波長のスペクトルを有する放射線と一致し得る。600〜700nmの範囲内のいずれの波長も使用可能であり、1つの特定の実施形態において635nmであってよい。もう1つの実施形態において、波長は電子部品176に関する発光極大と一致し得る。
【0103】
各層52および54の計算厚さを方程式1、2または3のいずれかによって決定することができる。厚さを計算するために、第3の標的化された波長は635nmである。屈折率は、層52および54のために使用される1つまたは複数の材料に依存し得る。第3のミラースタック50内の層52、54または全ての層の電気特性は、導電性から半導電、そして絶縁まで異なり得る。
【0104】
第1のミラースタック30内の層32および34に関して前記された1つまたは複数の材料のいずれも、第3のミラースタック50内の層52および54を含む層のために使用可能である。
【0105】
一実施形態において、標的化された波長は635nmであり得、そして層52はSiO2を含み得る(1.5のη)。前記方程式のいずれかを使用することによって、層52の計算厚さは約106nmであり得る。いくつかのプロセスマージンを許容するため、実際厚さは、例えば計算厚さの+/−10%であり得る。1つの特定の実施形態において、層52の実際厚さは、例えば95〜117nmの範囲にあり得る。層52の屈折率が1.6である場合、計算厚さは約99nmであり、そして実際厚さの範囲は89〜109nmでありえる。
【0106】
層54は、ミラースタック内の層に関して前記された材料のいずれかを含み得る。層54は、層52と比較して異なる組成を有してもよい。もう1つの実施形態において、境界面が層の間に形成される場合、層52および54は実質的に同一の材料を含み得る。実施形態において、層54はSi3N4を含み得(2.0のη)、従って、計算厚さは約79nmであり、そして実際の厚さの範囲は71〜87nmであり得る。
【0107】
化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等のような従来の付着技術を使用して、第3のミラースタック50内の各層を形成することができる。
【0108】
もう1つの実施形態において(図示せず)、第3のミラースタック50は、1つまたは複数の追加的な層を含み得る。一実施形態において、第3のミラースタック50は、1つまたは複数の層のペアを含み得る。
【0109】
いずれかの数の前記または追加の層を使用して、図1〜5に例示されていない他の回路を形成してもよい。示されないが、アレイの外側にあってよい周辺領域における回路(図示せず)のために追加の絶縁層および相互接続レベルが形成されてもよい。かかる回路は、横列または縦列デコーダー、ストロボ(例えば、横列アレイストロボ、縦列アレイストロボ等)、センスアンプ等を含み得る。
【0110】
図6に例示されるように、任意の乾燥剤(図示せず)を有する蓋62をアレイ外側の位置(図示せず)で基材12に取り付け、実質的に完成される電子デバイス60を形成することができる。隙間64が層54と蓋62との間にあっても、なくてもよい。一実施形態において、放射線は蓋62を通して伝送される。可視光スペクトルの範囲内の放射線が電子デバイス60から放射されるか、またはそれによって受け取られる場合、蓋62上の放射線入射の少なくとも70%が蓋62を通して伝送される。一実施形態において、蓋62はガラスを含み得る。放射線線量が蓋62を通して電子部品172、174および176から放射されること、またはそれらによって受け取られることが必要とされない場合、蓋62が放射線を伝送することができても、またはできなくてもよい。かかる実施形態において、蓋62は、ガラス、金属等を含む多種多様な材料の1つまたは複数のいずれを含んでもよい。蓋62および取り付けプロセスのために使用される1つまたは複数の材料は従来通りでもよい。
【0111】
乾燥剤が使用される場合、乾燥剤の位置は、電子デバイス60から放射されるか、またはそれによって受け取られる十分な放射線を乾燥剤が許容できるかどうかということに依存し得る。可視光スペクトルの範囲内の放射線が電子デバイス60から放射されるか、またはそれによって受け取られる場合、乾燥剤上の放射線入射の少なくとも70%が乾燥剤を通して伝送される。乾燥剤が伝送される十分な放射線を許容しない場合、放射線の伝送を実質的に干渉しない1つまたは複数の位置に存在してよい。かかる位置としては、アレイ外側または電子デバイス60の上面から、電子部品172、174および176の間の位置が挙げられる。放射線線量が乾燥剤を通して電子部品172、174および176から放射されること、またはそれらによって受け取られることが必要とされない場合、乾燥剤は蓋62に沿ってほぼいずれの位置に位置し得る。隙間64が乾燥剤と第3のミラースタック50の上部表面との間にあってもよい。乾燥剤内の1つまたは複数の材料および蓋62へのその取り付けは従来通りである。
【0112】
別の実施形態において(図示せず)、蓋62の取り付けの時点また前に、カプセル化層を第3のミラースタック50上に形成することができる。蓋62と同様に、カプセル化層内の材料の選択は、放射線がカプセル化層を通して伝送されるかどうかということに依存しても、または依存しなくてもよい。本明細書を読んだ後、当業者は、放射線がカプセル化層を通して伝送されるか、または伝送されなくてもよいかということに依存して、カプセル化層の組成および厚さを決定することができる。カプセル化層のための1つまたは複数の材料およびカプセル化層の付着が使用されてもよい。
【0113】
完成した電子デバイス60において、各ミラースタック30、40および50は、各電子部品172、174および176に対する放射線経路にあり得る。ミラースタック30、40または50は、電子部品の1種と一致する特定の波長または波長のスペクトルに対して設計されてよいが(例えば、電子部品172は赤色発光有機層を含み、そしてミラースタック30は赤色光用に設計されてよい)、ミラースタック30、40および50は、他の特定の波長または波長のスペクトルの放射線に対して光活性である他の種類の電子部品に対する放射線経路にあってもよい(例えば、ミラースタック30は青色光用に設計され、そしてそれぞれ緑色および赤色発光有機相を含み得る電子部品174および176内にあってもよい)。
【0114】
実施形態において、電子デバイス60としてアクティブマトリックスまたはパッシブマトリックスディスプレイが挙げられる。他の電子部品(図示せず)を基材12内または上、あるいはもう1つの基材内または上に形成することができる。かかる他の電子部品は、アレイ内の電子部品172、174および176を含む電子部品に提供される信号を提供するか、または調節する。かかる他の電子部品およびそれらの製造、基材12への取り付けまたは両方とも当業者に既知である。
【0115】
電子デバイス60は、放射線放射部品に加えて、またはその代わり、放射線応答部品を含んでもよい。一実施形態において、放射線応答部品はセンサーアレイ内の放射線センサーであり得る。放射線センサーは、特定の波長または波長のスペクトルにおいて放射線に応答するように設計されてよい。1つの特定の実施形態において、アレイは放射線放射部品およびセンサーを含み得る。なおもう1つの実施形態において、放射線応答部品は、放射線をエネルギーへと変換可能な光電池または他の電子部品である。
【0116】
ディスプレイの操作間、有機層162、164または166の1つまたは複数から放射線が放射されるように、適切な電位が第1の電極14および1つまたは複数の第2の電極18のいずれかに配置される。より具体的には、光が放射される時、第1および第2の電極間の電位差のため、電子正孔対が相当する有機層内で組み合わさって、光または他放射線が電子デバイスから放射され得る。ディスプレイにおいて、横列および縦列には、人間が理解できる形式で観察者にディスプレイを提供するために適切なピクセル(電子デバイス)を活性化させる信号が与えられ得る。
【0117】
光検出器のような放射線検出器の操作の間、放射線が電子デバイスによって受け取られる時に著しい電流を検出するために、センスアンプがアレイの第1および第2の電極に連結されてよい。光電池のようなボルタ電池において、光または他の放射線を、外部エネルギー源なしで流れることが可能なエネルギーに変換することができる。本明細書を読んだ後、当業者は、熟練職人は、それらの特定のニーズまたは要望に最も適合する電子デバイス、周辺回路および潜在的遠隔回路を設計することができる。
【0118】
1つまたは複数の中間層が、1つまたは複数のミラースタック30、40または50のいずれかの間に形成されてよい。図7に例示されるように、第1の中間層72は第1のミラースタック30上に形成され得、そして第2の中間層74は第2のミラースタック40上に形成され得る。一実施形態において、中間層72または74の一方のみが使用されるか、あるいはもう1つの実施形態において、より多くの中間体層が使用されてもよい。実施形態において、1つまたは複数の中間層のそれぞれが電子部品172、174および176に対する放射線経路にある。従って、1つまたは複数の中間層のそれぞれは、かかる層上の放射線入射の少なくとも70%を伝送することができる。かかる放射線は、電子部品172、174および176から放射されるか、またはそれらによって受け取られる。
【0119】
一実施形態において、第1の中間層72、第2の中間層74または両方内の1つまたは複数の材料は、導電性から半導電性、絶縁性まで異なり得る。放射線伝送に関係のない他の考えるべきこと(例えば、いもう1つの電子部品または特徴に関する例示されな位置、例えば接触、相互接続等)は材料の選択に影響を及ぼし得る。本明細書を読んだ後、当業者は中間層内で使用されるべき材料を決定することができる。従来の付着技術を使用して、1つまたは複数の中間体層を形成することができる。
【0120】
もう1つの実施形態において、1つまたは複数の中間体層がミラースタック内にあってもよい。例えば、図8に例示されるように、ミラースタック80は第1のミラースタック30およびもう1つのミラースタック84を含み得る。ミラースタック80、第1のミラースタック30およびミラースタック84は、特定の波長(例えば、635nm)または波長のスペクトル(例えば、赤色光)における放射線に対して設計されてもよい。第1のミラースタック30の後、そして層86および88を含むミラースタック84の前に中間体層82を形成することができる。1つの特定の実施形態において、中間体層82はミラースタック80内で層34および86の間にある。
【0121】
中間体層82の材料および形成は、図7に記載される中間体層72および74に関して記載されるように、1つまたは複数の実施形態のいずれかを使用して形成可能である。
【0122】
第1のミラースタック30内の層32および34に関して前記される1つまたは複数の材料のいずれも、ミラースタック84内の層86および88を含む層のために使用することができる。各層86および88に関する計算厚さは、層32および34と実質的に同様に決定することができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(例えば、蒸発、スパッタリング等)、キャスティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、連続印刷等のような従来の付着技術を使用して、ミラースタック84内の各層を形成することができる。
【0123】
実施形態において、ミラースタックが基材12と電子部品との間で形成されてもよい。図9に例示されるように、ミラースタック30、40および50が基材12上に形成されてもよい。前記の1つまたは複数の実施形態のいずれかを使用して、ミラースタック30、40および50を形成することができる。第1の電極94が第3のミラースタック50上に形成されてもよい。一実施形態において、第1の電極94は電子部品972、974および976のアノードとして機能する。一実施形態において第1の電極94がパターニングされていることを除き、第1の電極94の組成および形成は第1の電極14に関して記載されるものと実質的に同一である。
【0124】
一実施形態において、基材構造960は、第1の電極94間の位置で基材12上に形成される。一実施形態において、基材構造960はウェル構造であり、そしてもう1つの実施形態においてカソードセパレーターである。基材構造960の実際の形状は図9で例示されるものと異なってもよい。ウェル構造、カソードセパレーターまたはそれらの組み合わせに使用される1つまたは複数の材料、付着技術、パターニング技術またはいずれかのそれらの組み合わせを使用して、基材構造960を形成可能である。前記載のように有機層162、164および166を形成することができる。
【0125】
第2の電極98が有機層162、164および166上に形成されてもよい。一実施形態において、第2の電極98は電子部品972、974および976の共通のカソードとして機能する。第2の電極98の組成および形成は、一実施形態において第2の電極98がアレイ内でパターニングされていないことを除き、第2の電極18に関して記載されるものと実質的に同様である。電子デバイス90は、他の実施形態において前記されたように、蓋62、乾燥剤、カプセル化層またはいずれかのそれらの組み合わせも含み得る。
【0126】
図9に例示される電子デバイス90において、電子部品972、974および976から放射されるか、またはそれらによって応答される放射線は蓋62を通して伝送される。従って、蓋62の材料の選択は、図7に記載されるような中間層に関して記載される考察と同様であってよい。
【0127】
別の実施形態(図視せず)において、図3の層32または図9の層54が導電性または半導電性である場合、絶縁層(図視せず)をかかる層とその相当する最も近い電極との間に形成することができる(例えば、第2の電極18と層32との間、または層54と第1の電極94との間)。
【0128】
もう1つの実施形態において、第1および第2の電極を逆にすることができる。例えば、カソードとして機能する第2の電極が、アノードとして機能する第1の電極と比較して、基材12のより近くに形成されてもよい。
【0129】
さらなる実施形態において、マイクロキャビティがミラースタック30、40および50の一部または全部と接続して使用され得るか、またはそれらを含むことができる。
【0130】
特定の波長または波長のスペクトルにおける放射線に対して光活性となる無機電子部品に、本明細書に記載の概念を適用することができる。かかる無機電子部品の例としては、ケイ素をベースとする発光ダイオードが挙げられる。
【0131】
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態によるミラースタックの適用によってOLEDデバイスの性能が非常に向上し得ることを実証する。以下の具体的な実施例は例示するためのものであり、そして本発明の範囲を限定する意図はない。
【0132】
(実施例)
(実施例1)
本実施例は、OLEDデバイスのカソード側でブラッグ反射体を含むミラースタックを作成することができることを実証する。ミラースタックは、第1の放射体の色座標のみならず、電子デバイスのコントラスト比も改善する。標準4インチ、フルカラーのアクティブマトリックスディスプレイパネルを使用することができる。適切に図6が参照される。基材12はガラスであり、そして第1の電極14はITOである。第1の電極14の上部に、約30nm〜500nmの幅広い範囲において変更される厚さを有するバッファー層として、透明ポリアニリン(「PANI」)またはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDOT」)層をスピンコーティングする(図3に示さず)。青色、緑色および赤色の放射体溶液をそれぞれの位置でバッファー層上へインクジェットする。バッファー層および放射体の組み合せは、図6において有機層162、164および166として例示される。第2の電極(BaおよびAl)18は真空下で蒸発されて、部分的な反射率を有する。ブラッグ反射体を含むミラースタック30、40および50は、交互誘電層をスパッタリングすることによって第2の電極18の上部に作成される。各層の厚さおよび屈折率、ならびに数の層は、図10に例示されるように、それぞれ共振モード102、104および106を有するミラースタック30、40および50を作成するように選択される。
【0133】
ミラースタックのない第1の色放射体の放射スペクトルは、図11において、それぞれ青色、緑色および赤色放射体に対して破線1122、1124および1126として例示される。赤色、緑色および青色放射体のCIE色座標は、それぞれ(0.157、0.249)、(0.423、0.559)および(0.667、0.331)である。ブラッグ反射体を含むミラースタック30、40および50が電子デバイス60に組み入れられた後、赤色、緑色および青色放射体のCIE色座標は、それぞれ(0.156、0.200)、(0.371、0.608)および(0.680、0.318)に改善される。カソード側でミラースタック30、40および50のある第1の色放射体の放射スペクトルは、図11において、それぞれ実線1102、1104および1106として例示される。円偏波器またはミラースタックのない標準4インチパネルのコントラスト比は、約15:1のコントラスト比を有する。ミラースタック30、40および50がある場合、コントラスト比率は円偏波器がなくて約40:1である。改善度は2より高く、3に近い。さらにコントラスト比を改善するため、反射防止フィルムの薄層を基材12の表面上にコーティングし、約100:1より高いコントラスト比率を達成することができる。
【0134】
(実施例2)
本実施例は、OLEDデバイスのアノード側でブラッグ反射体を含むミラースタックを作成することができることを実証する。ミラースタックは、第1の放射体の色座標のみならず、電子デバイスのコントラスト比も改善する。標準4インチ、フルカラーのアクティブマトリックスディスプレイパネルを使用することができる。適切に図9が参照される。基材12はガラスである。第1の電極94を形成する前に、ミラースタック30、40および50は、交互誘電層をスパッタリングすることによって基材12の上部に作成される。各層の厚さおよび屈折率、ならびに数の層は、図10に例示されるように、それぞれ共振モード102、104および106を有するミラースタック30、40および50を作成するように選択される。次いで、第1の電極94として機能するITO層をスパッタリングおよびパターニングする。第1の電極94の上部に、約30nm〜500nmの幅広い範囲において変更される厚さを有するバッファー層として、透明ポリアニリン(「PANI」)またはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDOT」)層をスピンコーティングする。次いで、赤色、緑色および青色の放射体溶液をそれぞれの位置でバッファー層上へインクジェットする。バッファー層および放射体の組み合せは、有機層162、164および166として例示される。第2の電極(BaおよびAl)98は真空下で蒸発されて、部分的な反射率を有する。
【0135】
上記電子デバイス90(図9中)の性能は、実施例1に記載される電子デバイス60と実質的に同一である。赤色、緑色および青色放射体のCIE色座標は、それぞれ(0.157、0.249)、(0.423、0.559)および(0.667、0.331)から(0.156、0.200)、(0.371、0.608)および(0.680、0.318)に改善される。改善度は2より高く、3に近い。反射防止フィルムを第2の電極98上に適用する場合、約100:1より高いコントラスト比率が達成される。
【0136】
一般的な記載または実施例において上記される活性の全てが必要とされるわけではないこと、具体的な活性の一部は必要とされなくてもよいこと、そして記載されたものに加えて1つまたは複数のさらなる活性があってもよいことは留意すべきである。なおさらに、活性が記載された順序は、必ずしもそれらが実行される順序でなくてもよい。本明細書を読んだ後、当業者は、彼らの具体的なニーズまたは要望のためにどのような活性を使用することができるのか決定することができる。
【0137】
前記明細書において、具体的な実施形態に関して概念が記載された。しかしながら、当業者は、請求の範囲で明かにされる本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを認識する。従って、明細書および図面は限定的な意味というよりも、実例として考えられ、そして全てのかかる修正は本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0138】
多くの態様および実施形態が上記されるが、あくまでも例示であって、限定するものではない。本明細書を読んだ後、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく他の態様および実施形態が可能であることを認識する。
【0139】
利益、他の利点および問題への解決策が、具体的な実施形態に関して上記されている。しかしながら、利益、利点、問題への解決策、ならびにいずれの利益、利点または解決策を生じさせるか、またはより明白にさせるいずれの特徴が、いずれかのまたは全ての特許請求の範囲の重大な、必要とされる、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0140】
特定の特徴は、明瞭さのため、本明細書で別々の実施形態の文脈において記載されるが、単一の実施形態において組み合せで提供されてもよいことは認識されるべきである。逆に、様々な特徴は、簡潔さのため、単一の実施形態の文脈において記載されるが、別々に、またはいずれかの部分的組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲に定められた値の言及は、範囲内の各全値を含む。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】有機電子デバイスの概略図である。
【図2】任意の平坦化層22が形成された有機電子デバイスの概略図である。
【図3】第1のミラースタック30が形成された有機電子デバイスの概略図である。
【図4】第2のミラースタック40が形成された有機電子デバイスの概略図である。
【図5】第3のミラースタック50が形成された有機電子デバイスの概略図である。
【図6】実質的に完成される有機電子デバイス60の概略図である。
【図7】電子デバイスの一実施形態を示す図である。
【図8】電子デバイスの一実施形態を示す図である。
【図9】電子デバイスの一実施形態を示す図である。
【図10】ミラースタックの共振モードを例示する図である。
【図11】第1の色放射体の放射スペクトルを例示する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品と、
第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品と、
第1および第2の電子部品に隣接する第1および第2のミラースタックと
を含み、第1のミラースタックは第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含み、そして第2のミラースタックは第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
第3の波長を有する第3の放射線に対して光活性であるように設計された第3の電子部品と、
第1、第2および第3の電子部品に隣接する第3のミラースタックと
をさらに含み、第3のミラースタックは第3の放射線を反射するように設計された第3の層のペアを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
第1の層のペア内の各層が第1の計算厚さの10%以内である第1の実際厚さを有し、ここで第1の計算厚さは、
n1t1=1/4λ1
(式中、
n1は第1の層のペア内の特定の層の第1の屈折率であり、
t1は第1の計算厚さであり、そして
λ1は第1の波長である)によって決定され、そして
第2の層のペア内の各層が第2の計算厚さの10%以内である第2の実際厚さを有し、ここで第2の計算厚さは、
n2t2=1/4λ2
(式中、
n2は第2の層のペア内の特定の層の第2の屈折率であり、
t2は第2の計算厚さであり、そして
λ2は第2の波長である)によって決定されることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
第3の層のペア内の各層が第3の計算厚さの10%以内である第3の実際厚さを有し、ここで第3の計算厚さは、
n3t3=1/4λ3
(式中、
n3は第3の層のペア内の特定の層の第3の屈折率であり、
t3は第3の計算厚さであり、そして
λ3は第3の波長である)によって決定されることを特徴とする請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
第1の電子部品が青色光を放出するように構成された第1の有機発光層を含み、
第2の電子部品が緑色光を放出するように構成された第2の有機発光層を含み、そして
第3の電子部品が赤色光を放出するように構成された第3の有機発光層を含むことを特徴とする請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項6】
第1のミラースタックが第1の介在層をさらに含み、そして第2のミラースタックが第2の介在層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
第1の電子部品内の第1の有機活性層と、
第2の電子部品内の第2の有機活性層と
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品を形成する工程と、
第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品を形成する工程と、
第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含む第1のミラースタックを形成する工程と、
第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含む第2のミラースタックを形成する工程と
を含むことを特徴とする電子デバイスの形成方法。
【請求項9】
第1の層のペア内の各層が第1の計算厚さの10%以内である第1の実際厚さを有するように形成され、ここで第1の計算厚さは、
n1t1=1/4λ1
(式中、
n1は第1の層のペア内の特定の層の第1の屈折率であり、
t1は第1の計算厚さであり、そして
λ1は第1の波長である)によって決定され、そして
第2の層のペア内の各層が第2の計算厚さの10%以内である第2の実際厚さを有するように形成され、ここで第2の計算厚さは、
n2t2=1/4λ2
(式中、
n2は第2の層のペア内の特定の層の第2の屈折率であり、
t2は第2の計算厚さであり、そして
λ2は第2の波長である)によって決定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第3の波長を有する第3の放射線に対して光活性であるように設計された第3の電子部品を形成する工程と、
第3の放射線を反射するように設計された第3の層のペアを含む第3のミラースタックを形成する工程と
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第3の層のペア内の各層が第3の計算厚さの10%以内である第3の実際厚さを有するように形成され、ここで第3の計算厚さは、
n3t3=1/4λ3
(式中、
n3は第3の層のペア内の特定の層の第3の屈折率であり、
t3は第3の計算厚さであり、そして
λ3は第3の波長である)によって決定されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1の電子部品が青色光を放出するように構成された第1の有機発光層を含み、
第2の電子部品が緑色光を放出するように構成された第2の有機発光層を含み、そして
第3の電子部品が赤色光を放出するように構成された第3の有機発光層を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
第1および第2のミラースタックが第1の電子部品と電子デバイスのユーザーサーフェイスとの間に存在し、そして
第1および第2のミラースタックが第2の電子部品と電子デバイスのユーザーサーフェイスとの間に存在することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
第1および第2のミラースタックを形成する工程が、それぞれ2より多い偶数の層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
第1および第2の放射線を実質的に反射するための反射体を形成する工程をさらに含み、第1および第2のミラースタックが第1の電子部品と反射体との間に存在することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項16】
第1の層のペアの層の間に第1の介在層を形成する工程と、第2の層のペアの層の間に第2の介在層を形成する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項17】
第1の電子部品を形成する工程が第1の有機活性層を形成する工程を含み、そして
第2の電子部品を形成する工程が第2の有機活性層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項18】
請求項1に記載の電子デバイスを含むことを特徴とする構成物。
【請求項19】
請求項1に記載の電子デバイスを含む活性層を有することを特徴とする有機電子デバイス。
【請求項20】
請求項1に記載の電子デバイスを含むことを特徴とする有機電子デバイスの製造において有用である物品。
【請求項1】
第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品と、
第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品と、
第1および第2の電子部品に隣接する第1および第2のミラースタックと
を含み、第1のミラースタックは第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含み、そして第2のミラースタックは第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
第3の波長を有する第3の放射線に対して光活性であるように設計された第3の電子部品と、
第1、第2および第3の電子部品に隣接する第3のミラースタックと
をさらに含み、第3のミラースタックは第3の放射線を反射するように設計された第3の層のペアを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
第1の層のペア内の各層が第1の計算厚さの10%以内である第1の実際厚さを有し、ここで第1の計算厚さは、
n1t1=1/4λ1
(式中、
n1は第1の層のペア内の特定の層の第1の屈折率であり、
t1は第1の計算厚さであり、そして
λ1は第1の波長である)によって決定され、そして
第2の層のペア内の各層が第2の計算厚さの10%以内である第2の実際厚さを有し、ここで第2の計算厚さは、
n2t2=1/4λ2
(式中、
n2は第2の層のペア内の特定の層の第2の屈折率であり、
t2は第2の計算厚さであり、そして
λ2は第2の波長である)によって決定されることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
第3の層のペア内の各層が第3の計算厚さの10%以内である第3の実際厚さを有し、ここで第3の計算厚さは、
n3t3=1/4λ3
(式中、
n3は第3の層のペア内の特定の層の第3の屈折率であり、
t3は第3の計算厚さであり、そして
λ3は第3の波長である)によって決定されることを特徴とする請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
第1の電子部品が青色光を放出するように構成された第1の有機発光層を含み、
第2の電子部品が緑色光を放出するように構成された第2の有機発光層を含み、そして
第3の電子部品が赤色光を放出するように構成された第3の有機発光層を含むことを特徴とする請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項6】
第1のミラースタックが第1の介在層をさらに含み、そして第2のミラースタックが第2の介在層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
第1の電子部品内の第1の有機活性層と、
第2の電子部品内の第2の有機活性層と
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
第1の波長を有する第1の放射線に対して光活性であるように設計された第1の電子部品を形成する工程と、
第2の波長を有する第2の放射線に対して光活性であるように設計された第2の電子部品を形成する工程と、
第1の放射線を反射するように設計された第1の層のペアを含む第1のミラースタックを形成する工程と、
第2の放射線を反射するように設計された第2の層のペアを含む第2のミラースタックを形成する工程と
を含むことを特徴とする電子デバイスの形成方法。
【請求項9】
第1の層のペア内の各層が第1の計算厚さの10%以内である第1の実際厚さを有するように形成され、ここで第1の計算厚さは、
n1t1=1/4λ1
(式中、
n1は第1の層のペア内の特定の層の第1の屈折率であり、
t1は第1の計算厚さであり、そして
λ1は第1の波長である)によって決定され、そして
第2の層のペア内の各層が第2の計算厚さの10%以内である第2の実際厚さを有するように形成され、ここで第2の計算厚さは、
n2t2=1/4λ2
(式中、
n2は第2の層のペア内の特定の層の第2の屈折率であり、
t2は第2の計算厚さであり、そして
λ2は第2の波長である)によって決定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第3の波長を有する第3の放射線に対して光活性であるように設計された第3の電子部品を形成する工程と、
第3の放射線を反射するように設計された第3の層のペアを含む第3のミラースタックを形成する工程と
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第3の層のペア内の各層が第3の計算厚さの10%以内である第3の実際厚さを有するように形成され、ここで第3の計算厚さは、
n3t3=1/4λ3
(式中、
n3は第3の層のペア内の特定の層の第3の屈折率であり、
t3は第3の計算厚さであり、そして
λ3は第3の波長である)によって決定されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1の電子部品が青色光を放出するように構成された第1の有機発光層を含み、
第2の電子部品が緑色光を放出するように構成された第2の有機発光層を含み、そして
第3の電子部品が赤色光を放出するように構成された第3の有機発光層を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
第1および第2のミラースタックが第1の電子部品と電子デバイスのユーザーサーフェイスとの間に存在し、そして
第1および第2のミラースタックが第2の電子部品と電子デバイスのユーザーサーフェイスとの間に存在することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
第1および第2のミラースタックを形成する工程が、それぞれ2より多い偶数の層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
第1および第2の放射線を実質的に反射するための反射体を形成する工程をさらに含み、第1および第2のミラースタックが第1の電子部品と反射体との間に存在することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項16】
第1の層のペアの層の間に第1の介在層を形成する工程と、第2の層のペアの層の間に第2の介在層を形成する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項17】
第1の電子部品を形成する工程が第1の有機活性層を形成する工程を含み、そして
第2の電子部品を形成する工程が第2の有機活性層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項18】
請求項1に記載の電子デバイスを含むことを特徴とする構成物。
【請求項19】
請求項1に記載の電子デバイスを含む活性層を有することを特徴とする有機電子デバイス。
【請求項20】
請求項1に記載の電子デバイスを含むことを特徴とする有機電子デバイスの製造において有用である物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−527631(P2008−527631A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549524(P2007−549524)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/046911
【国際公開番号】WO2006/073908
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/046911
【国際公開番号】WO2006/073908
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
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