説明

ムスカリン受容体の調節剤

本発明は、ムスカリン受容体の調節剤に関する。本発明はまた、そのような調節剤を含む組成物、およびそれを用いてムスカリン受容体仲介疾患を処置する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本特許出願は、2006年8月15日出願の米国仮特許出願第60/837,786号の利益を主張し、それは参照により本明細書に包含させる。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、ムスカリン受容体の調節剤に関する。本発明はまた、そのような調節剤を含む組成物、およびそれを用いるムスカリン受容体仲介疾患の処置のための方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
神経伝達物質アセチルコリンは、2タイプのコリン作動性受容体:ニコチン受容体のイオンチャネル型ファミリーおよびムスカリン受容体の代謝型ファミリーに結合する。ムスカリン受容体は、細胞膜結合Gタンパク質共役受容体(GPCR)の大きなスーパーファミリーに属する。今日までに、ムスカリン受容体の5個のサブタイプ(M−M)が多くの種からクローン化され、配列決定されており、種および受容体サブタイプを超えて顕著に高い相同性を示す。これらのM−Mムスカリン受容体は、中枢および末梢組織に興奮性および抑制性制御を及ぼし、心拍、覚醒、認知、感覚プロセシング、および運動制御を含む多くの生理的機能に関与する副交感神経系に優勢に発現される。
【0004】
ムスカリンおよびピロカルピンのようなムスカリンアゴニスト、ならびにアトロピンのようなアンタゴニストは、一世紀以上公知であるが、受容体サブタイプ選択的化合物の発見についてはほとんど進歩しておらず、故に、個々の受容体への特定の機能の割り当てが困難となっている。例えば、その開示内容を参照により本明細書に包含させる、DeLapp, N. et al., “Therapeutic Opportunities for Muscarinic Receptors in the Central Nervous System,” J. Med. Chem., 43(23), pp. 4333−4353 (2000); Hulme, E. C. et al., “Muscarinic Receptor Subtypes,” Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol., 30, pp. 633−673 (1990); Caulfield, M. P. et al., “Muscarinic Receptors −Characterization, Coupling, and Function,” Pharmacol. Ther., 58, pp. 319−379 (1993); Caulfield, M. P. et al., “International Union of Pharmacology. XVII. Classification of Muscarinic Acetylcholine Receptors,” Pharmacol. Rev., 50, pp. 279−290 (1998)を参照のこと。
【0005】
受容体のムスカリンファミリーは、COPD、喘息、尿失禁、緑内障、アルツハイマー病(AchE阻害剤)のための主導的薬剤(leading drug)を含む、多くの疾患に使用される多数の薬剤の標的である。このファミリーの大きな治療的価値にもかかわらず、コリン作動性薬剤は、副交感自律系の顕著な活性化および有害作用の高い発生率と共にこれらの薬剤の選択性の欠如により、制限されている。ムスカリン受容体の分子クローニングおよびノックアウトマウスを使用する特定のイソ型の生理学的役割の同定が、最近、選択的ムスカリンリガンドの新しい可能性を提示し、効果の増強および副作用の減少に必要な選択性プロファイルの確立を促進している。
【0006】
ムスカリン受容体M−Mの調節剤が必要とされている。また、ムスカリン受容体仲介疾患の処置法が必要とされている。
【0007】
また、サブタイプM−Mに関して選択的なムスカリン受容体の調節剤が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
本発明は、式I:
【化1】


[式中、R、R、R、Xおよびnは、下記に記載の通りである。]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を用いて、ムスカリン受容体(例えば、M、M、M、M、M、またはそれらの組合せ)の活性を調節する方法を提供する。
【0009】
本発明はまた、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を含む組成物、および式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を用いてムスカリン受容体仲介疾患を処置する方法を提供する。
【0010】
本発明の詳細な説明
I.定義
本発明の目的に関して、化学元素は元素周期表、CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Edに従って同定する。さらに、有機化学の一般的原理は、“Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999および“March's Advanced Organic Chemistry”, 5th Ed., Ed.: Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York: 2001に記載されており、それらの全内容を参照により本明細書に包含させる。
【0011】
受容体サブタイプを特定する接頭辞がない用語“ムスカリン受容体”は、5種の受容体サブタイプM−Mの1種以上を意味する。
【0012】
本明細書で用いる用語“調節”は、例えば活性の、測定可能な量による増加または減少を意味する。ムスカリン受容体の活性を増加させることによりムスカリン活性を調節する化合物はアゴニストと称される。ムスカリン受容体の活性を減少させることによりムスカリン活性を調節する化合物は、アンタゴニストと称される。アゴニストは、ムスカリン受容体と相互作用して、該受容体が内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する能力を増加させる。アンタゴニストは、ムスカリン受容体と相互作用し、該受容体上の結合部位(複数可)を内因性リガンド(複数可)または基質(複数可)と競合して、該受容体が内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する能力を低下させる。
【0013】
“ムスカリン受容体仲介疾患を処置するか、または重篤度を低下させる”という記載は、ムスカリン活性により直接的に引き起こされる疾患を処置すること、およびムスカリン活性により直接的には引き起こされない疾患の症状を軽減することの両方を意味する。症状がムスカリン活性により影響され得る疾患の例は、認知障害、注意欠損過活動障害(ADHD)、肥満、アルツハイマー病、血管性認知症のような種々の認知症、統合失調症、躁病、双極性障害を含む精神病、急性および慢性症候群を含む疼痛状態、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ失調症、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、ダウン症候群、ピック病、臨床的鬱病、パーキンソン病を含むCNS由来病状、緑内障における眼内圧の低下のような末梢障害およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよびドライマウスの治療、徐脈、胃酸分泌、喘息、GI不調、および創傷治癒を含むが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書で記載の通り、本発明の化合物は、一般的に上記の説明または例示のように、本発明の特定のクラス、サブクラスおよび化学種により、所望により1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0015】
本明細書で用いる用語“脂肪族”は、用語アルキル、アルケニル、アルキニルを含み、それらはそれぞれ、下記の通り所望により置換されていてよい。
【0016】
本明細書で用いる“アルキル”基は、1−8個(例えば、1−6個または1−4個)の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は直鎖でも分枝鎖でもよい。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、または2−エチルヘキシルを含むが、これらに限定されない。アルキル基は、ハロ、シクロ脂肪族[例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル]、ヘテロシクロ脂肪族[例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(シクロ脂肪族)カルボニルまたは(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、またはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、シクロ脂肪族アミノ、またはヘテロシクロ脂肪族アミノ]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、シクロ脂肪族オキシ、ヘテロシクロ脂肪族オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、または、ヒドロキシのような1個以上の置換基で置換されていてよい(すなわち、所望により置換されていてよい。)。置換アルキルのいくつかの例は、カルボキシアルキル(例えば、HOOC−アルキル、アルコキシカルボニルアルキル、およびアルキルカルボニルオキシアルキル)、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルアルキル、アラルキル、(アルコキシアリール)アルキル、(スルホニルアミノ)アルキル(例えば、(アルキル−SO−アミノ)アルキル)、アミノアルキル、アミドアルキル、(シクロ脂肪族)アルキル、またはハロアルキルを含むが、これらに限定されない。
【0017】
本明細書で用いる“アルケニル”基は、2−8個(例えば、2−6個または2−4個)の炭素原子および少なくとも1個の二重結合を含む脂肪族炭素基を意味する。アルキル基同様、アルケニル基は直鎖でも分枝鎖でもよい。アルケニル基の例は、アリル、イソプレニル、2−ブテニル、および2−ヘキセニルを含むが、これらに限定されない。アルケニル基は、所望によりハロ、シクロ脂肪族[例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル]、ヘテロシクロ脂肪族[例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(シクロ脂肪族)カルボニル、または(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、またはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、シクロ脂肪族アミノ、ヘテロシクロ脂肪族アミノ、または脂肪族スルホニルアミノ]、スルホニル[例えば、アルキル−SO−、シクロ脂肪族−SO−、またはアリール−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、シクロ脂肪族オキシ、ヘテロシクロ脂肪族オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、またはヒドロキシのような1個以上の置換基で置換されていてよい。置換アルケニルのいくつかの例は、シアノアルケニル、アルコキシアルケニル、アシルアルケニル、ヒドロキシアルケニル、アラルケニル、(アルコキシアリール)アルケニル、(スルホニルアミノ)アルケニル(例えば、(アルキル−SO−アミノ)アルケニル)、アミノアルケニル、アミドアルケニル、(シクロ脂肪族)アルケニル、またはハロアルケニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0018】
本明細書で用いる“アルキニル”基は、2−8個(例えば、2−6個または2−4個)の炭素原子および少なくとも1個の三重結合を含む脂肪族炭素基を意味する。アルキニル基は直鎖でも分枝鎖でもよい。アルキニル基の例は、プロパルギルおよびブチニルを含むが、これに限定されない。アルキニル基は、所望によりアロイル、ヘテロアロイル、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、スルホ、メルカプト、スルファニル[例えば、脂肪族スルファニルまたはシクロ脂肪族スルファニル]、スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニルまたはシクロ脂肪族スルフィニル]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−、脂肪族アミノ−SO−、またはシクロ脂肪族−SO−]、アミド[例えば、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、シクロアルキルカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノまたはヘテロアリールアミノカルボニル]、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アシル[例えば、(シクロ脂肪族)カルボニルまたは(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ]、スルホキシ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、(シクロ脂肪族)オキシ、(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ、または(ヘテロアリール)アルコキシのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0019】
本明細書で用いる“アミド”は、“アミノカルボニル”および“カルボニルアミノ”の両方を包含する。単独でまたは他の基と関連して用いるとき、これらの用語は、末端に用いるとき−N(R)−C(O)−Rまたは−C(O)−N(R、ならびに内部に用いるとき−C(O)−N(R)−または−N(R)−C(O)−{ここで、RおよびRは、下記に定義の通りである。}のようなアミド基を意味する。アミド基の例は、アルキルアミド(例えば、アルキルカルボニルアミノまたはアルキルアミノカルボニル)、(ヘテロシクロ脂肪族)アミド、(ヘテロアラルキル)アミド、(ヘテロアリール)アミド、(ヘテロシクロアルキル)アルキルアミド、アリールアミド、アラルキルアミド、(シクロアルキル)アルキルアミド、またはシクロアルキルアミドを含む。
【0020】
本明細書で用いる“アミノ”基は、−NR(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、脂肪族、シクロ脂肪族、(シクロ脂肪族)脂肪族、アリール、芳香脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族、ヘテロアリール、カルボキシ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、(脂肪族)カルボニル、(シクロ脂肪族)カルボニル、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、アリールカルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、(ヘテロアリール)カルボニル、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニルであり、その各々が本明細書で定義の通りであり、そして所望により置換されていてよい。)を意味する。アミノ基の例は、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはアリールアミノを含む。用語“アミノ”が末端基ではないとき(例えば、アルキルカルボニルアミノ)、それは−NR−(ここで、Rは、上記の定義と同じ意味を有する。)により表される。
【0021】
本明細書で用いる、単独でまたは“アラルキル”、“アラルコキシ”もしくは“アリールオキシアルキル”のような大きな部分の一部として使用される“アリール”基は、単環式(例えば、フェニル);二環式(例えば、インデニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロインデニル);および、三環式(例えば、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、またはテトラヒドロアントラセニル、アントラセニル)環系{ここで、単環式環系が芳香族性であるか、または二環式もしくは三環式環系の少なくとも1個の環が芳香族性である。}を意味する。該二環式および三環式基は、ベンゾ縮合2−3員の炭素環式環を含む。例えば、ベンゾ縮合基は、2個以上のC4−8炭素環式部分と縮合したフェニルを含む。アリールは、所望により脂肪族[例えば、アルキル、アルケニルまたはアルキニル];シクロ脂肪族;(シクロ脂肪族)脂肪族;ヘテロシクロ脂肪族;(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(シクロ脂肪族)オキシ;(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香脂肪族)オキシ;(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(ベンゾ縮合二環式または三環式アリールの非芳香族性炭素環式環上の);ニトロ;カルボキシ;アミド;アシル[例えば、脂肪族カルボニル、(シクロ脂肪族)カルボニル、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル];スルホニル[例えば、脂肪族−SO−またはアミノ−SO−];スルフィニル[例えば、脂肪族−S(O)−またはシクロ脂肪族−S(O)−];スルファニル[例えば、脂肪族−S−];シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;ウレア;チオウレア;スルファモイル;スルファミド;または、カルバモイルを含む1個以上の置換基で置換されていてよい。あるいは、アリールは、非置換でもよい。
【0022】
置換アリールの限定しない例は、ハロアリール[例えば、モノ−、ジ(例えば、p,m−ジハロアリール)、および(トリハロ)アリール];(カルボキシ)アリール[例えば、(アルコキシカルボニル)アリール、((アラルキル)カルボニルオキシ)アリール、および(アルコキシカルボニル)アリール];(アミド)アリール[例えば、(アミノカルボニル)アリール、(((アルキルアミノ)アルキル)アミノカルボニル)アリール、(アルキルカルボニル)アミノアリール、(アリールアミノカルボニル)アリール、および(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)アリール];アミノアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)アリールまたは((ジアルキル)アミノ)アリール];(シアノアルキル)アリール;(アルコキシ)アリール;(スルファモイル)アリール[例えば、(アミノスルホニル)アリール];(アルキルスルホニル)アリール;(シアノ)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;((アルコキシ)アルキル)アリール;(ヒドロキシ)アリール;((カルボキシ)アルキル)アリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル)アリール;(ニトロアルキル)アリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)アリール;((ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル)アリール;((アルキルスルホニル)アルキル)アリール;(シアノアルキル)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;(アルキルカルボニル)アリール;アルキルアリール;(トリハロアルキル)アリール;p−アミノ−m−アルコキシカルボニルアリール;p−アミノ−m−シアノアリール;p−ハロ−m−アミノアリール;または、(m−(ヘテロシクロ脂肪族)−o−(アルキル))アリールを含む。
【0023】
本明細書で用いる“アラルキル”基のような“芳香脂肪族”基は、アリール基で置換される脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“脂肪族”、“アルキル”および“アリール”は、本明細書中に定義される。アラルキル基のような芳香脂肪族の例はベンジルである。
【0024】
本明細書で用いる“アラルキル”基は、アリール基で置換されるアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“アルキル”および“アリール”の両方とも上記で定義されている。アラルキル基の例はベンジルである。アラルキルは、所望により脂肪族[例えば、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキルまたはトリフルオロメチルのようなハロアルキルを含むアルキル、アルケニルまたはアルキニル]、シクロ脂肪族[例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル]、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミド[例えば、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノまたはヘテロアラルキルカルボニルアミノ]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、または、カルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0025】
本明細書で用いる“二環式環系”は、2環を形成する8−12(例えば、9、10または11)員構造を含み、ここで、該2環は、少なくとも1個の原子を共通して含む(例えば、2個の原子が共通である)。二環式環構造は、ビシクロ脂肪族(例えば、ビシクロアルキルまたはビシクロアルケニル)、ビシクロヘテロ脂肪族、二環式アリール、および二環式ヘテロアリールを含む。
【0026】
本明細書で用いる“シクロ脂肪族”基は、“シクロアルキル”基および“シクロアルケニル”基(それぞれ、下記の通りに所望により置換されていてよい。)を含む。
【0027】
本明細書で用いる“シクロアルキル”基は、3−10個(例えば、5−10個)の炭素原子の飽和炭素環式単環式または二環式(縮合または架橋)環を意味する。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボロニル、クビル、オクタヒドロ−インデニル、デカヒドロ−ナフチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2.]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、アザシクロアルキル、または((アミノカルボニル)シクロアルキル)シクロアルキルを含む。本明細書で用いる“シクロアルケニル”基は、1個以上の二重結合を有する3−10個(例えば、4−8個)の炭素原子の、非芳香族性炭素環式環を意味する。シクロアルケニル基の例は、シクロペンテニル、1,4−シクロヘキサ−ジ−エニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ヘキサヒドロ−インデニル、オクタヒドロ−ナフチル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニルまたはビシクロ[3.3.1]ノネニルを含む。シクロアルキルまたはシクロアルケニル基は、所望により脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル]、シクロ脂肪族、(シクロ脂肪族)脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(シクロ脂肪族)オキシ、(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香脂肪族)オキシ、(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(シクロ脂肪族)カルボニルアミノ、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニルアミノ、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(シクロ脂肪族)カルボニル、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキル−SO−およびアリール−SO−]、スルフィニル[例えば、アルキル−S(O)−]、スルファニル[例えば、アルキル−S−]、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0028】
本明細書で用いる“環状基”は、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、またはヘテロアリール(それらはそれぞれ、上記で定義されている。)を含む。
【0029】
本明細書で用いる用語“ヘテロシクロ脂肪族”は、ヘテロシクロアルキル基およびヘテロシクロアルケニル基(それぞれ、下記の通りに所望により置換されていてよい。)を含む。
【0030】
本明細書で用いる“ヘテロシクロアルキル”基は、1個以上の環原子がヘテロ原子(例えば、N、O、S、またはそれらの組合せ)である、3−10員の単環式または二環式(縮合または架橋)(例えば、5員ないし10員の単環式または二環式)飽和環構造を意味する。ヘテロシクロアルキル基の例は、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、1,4−ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、1,3−ジオキソラニル、オキサゾリジル、イソキサゾリジル、モルホリニル、チオモルホリル、オクタヒドロベンゾフリル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロチオクロメニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロピリンジニル(octahydropyrindinyl)、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロベンゾ[b]チオフェニル(thiopheneyl)、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルを含む。単環式ヘテロシクロアルキル基は、テトラヒドロイソキノリンのようなフェニル部分と縮合し得る。本明細書で用いる“ヘテロシクロアルケニル”基は、1個以上の二重結合を有し、そして1個以上の環原子がヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)である、単環式または二環式(例えば、5員ないし10員の単環式または二環式)非芳香環構造を意味する。単環式およびビシクロヘテロ脂肪族は、標準化学命名法に従い番号付けされる。
【0031】
ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基は、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル]、シクロ脂肪族、(シクロ脂肪族)脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(シクロ脂肪族)オキシ、(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香脂肪族)オキシ、(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(シクロ脂肪族)カルボニルアミノ、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニルアミノ、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(シクロ脂肪族)カルボニル、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキルスルホニルまたはアリールスルホニル]、スルフィニル[例えば、アルキルスルフィニル]、スルファニル[例えば、アルキルスルファニル]、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0032】
本明細書で用いる“ヘテロアリール”基は、4ないし15個の環原子を有し、1個以上の環原子がヘテロ原子(例えば、N、O、S、またはそれらの組合せ)であり、そして単環式環系が芳香族性であるか、または二環式もしくは三環式環系の少なくとも1個の環が芳香族性である、単環式、二環式、または三環式環系を意味する。ヘテロアリール基は、2〜3環を有するベンゾ縮合環系を含む。例えば、ベンゾ縮合基は、1個または2個の4員ないし8員のヘテロシクロ脂肪族部分と縮合したベンゾ(例えば、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、またはイソキノリニル)を含む。ヘテロアリールのいくつかの例は、アゼチジニル、ピリジル、1H−インダゾリル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフリル、イソキノリニル、ベンズチアゾリル、キサンテン、チオキサンテン、フェノチアジン、ジヒドロインドール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリル、シンノリニル、キノリニル、シンノリニル、フタラジル、キナゾリニル、キノキサリニル、イソキノリニル、4H−キノリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾリル、または1,8−ナフチリジルである。
【0033】
限定しないが、単環式ヘテロアリールは、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、または1,3,5−トリアジルを含む。単環式ヘテロアリールは、標準化学命名法に従い番号付けされる。
【0034】
限定しないが、二環式ヘテロアリールは、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリジル、イソインドリル、インドリル、ベンゾ[b]フリル、ベクソ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダジル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H−キノリジル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジル、キナゾリル(quinazolyl)、キノキサリニル、1,8−ナフチリジル、またはプテリジルを含む。二環式ヘテロアリールは、標準化学命名法に従い番号付けされる。
【0035】
ヘテロアリールは、所望により脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル];シクロ脂肪族;(シクロ脂肪族)脂肪族;ヘテロシクロ脂肪族;(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(シクロ脂肪族)オキシ;(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香脂肪族)オキシ;(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(二環式または三環式ヘテロアリールの非芳香族性炭素環式またはヘテロ環式環上の);カルボキシ;アミド;アシル[例えば、脂肪族カルボニル;(シクロ脂肪族)カルボニル;((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル;(芳香脂肪族)カルボニル;(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル;((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル;または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル];スルホニル[例えば、脂肪族スルホニルまたはアミノスルホニル];スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニル];スルファニル[例えば、脂肪族スルファニル];ニトロ;シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;ウレア;チオウレア;スルファモイル;スルファミド;またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。あるいは、ヘテロアリールは非置換でもよい。
【0036】
置換ヘテロアリールの非限定例は、(ハロ)ヘテロアリール[例えば、モノ−およびジ−(ハロ)ヘテロアリール];(カルボキシ)ヘテロアリール[例えば、(アルコキシカルボニル)ヘテロアリール];シアノヘテロアリール;アミノヘテロアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)ヘテロアリールおよび((ジアルキル)アミノ)ヘテロアリール];(アミド)ヘテロアリール[例えば、アミノカルボニルヘテロアリール、((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール、((((アルキル)アミノ)アルキル)アミノカルボニル)ヘテロアリール、(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)ヘテロアリール、((ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル)ヘテロアリール、および((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール];(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシ)ヘテロアリール;(スルファモイル)ヘテロアリール[例えば、(アミノスルホニル)ヘテロアリール];(スルホニル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルスルホニル)ヘテロアリール];(ヒドロキシアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシアルキル)ヘテロアリール;(ヒドロキシ)ヘテロアリール;((カルボキシ)アルキル)ヘテロアリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル)ヘテロアリール;(ヘテロシクロ脂肪族)ヘテロアリール;(シクロ脂肪族)ヘテロアリール;(ニトロアルキル)ヘテロアリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)ヘテロアリール;((アルキルスルホニル)アルキル)ヘテロアリール;(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アシル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルカルボニル)ヘテロアリール];(アルキル)ヘテロアリール、および(ハロアルキル)ヘテロアリール[例えば、トリハロアルキルヘテロアリール]を含む。
【0037】
本明細書で用いる“ヘテロ芳香脂肪族”基(例えば、ヘテロアラルキル基)は、ヘテロアリール基で置換されている脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“脂肪族”、“アルキル”および“ヘテロアリール”は、上記で定義されている。
【0038】
本明細書で用いる“ヘテロアラルキル”基は、ヘテロアリール基で置換されているアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“アルキル”および“ヘテロアリール”の両方とも上記で定義されている。ヘテロアラルキルは、所望によりアルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルのようなハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0039】
本明細書で用いる“アシル”基は、ホルミル基またはR−C(O)−(例えば、−アルキル−C(O)−、“アルキルカルボニル”とも称する)を意味し、ここで、Rおよび“アルキル”は、上記に定義の通りである。アセチルおよびピバロイルは、アシル基の例である。
【0040】
本明細書で用いる“アロイル”または“ヘテロアロイル”は、アリール−C(O)−またはヘテロアリール−C(O)−を意味する。アロイルまたはヘテロアロイルのアリールおよびヘテロアリール部分は、上記の通り所望により置換されていてよい。
【0041】
本明細書で用いる“アルコキシ”基は、アルキル−O−基(“アルキル”は上記で定義の通りである。)を意味する。
【0042】
本明細書で用いる“カルバモイル”基は、構造−O−CO−NRまたは−NR−CO−O−R(式中、RおよびRは上記で定義の通りであり、そしてRは脂肪族、アリール、芳香脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、ヘテロアリール、またはヘテロ芳香脂肪族であり得る。)を有する基を意味する。
【0043】
本明細書で用いる“カルボキシ”基は、末端基として用いるとき、−COOH、−COOR、−OC(O)H、−OC(O)Rを意味し;内部基として用いるとき、−OC(O)−または−C(O)O−を意味する。
【0044】
本明細書で用いる“ハロ脂肪族“基は、1−3個のハロゲンで置換された脂肪族基を意味する。例えば、用語ハロアルキルは基−CFを含む。
【0045】
本明細書で用いる“メルカプト”基は、−SHを意味する。
【0046】
本明細書で用いる“スルホ”基は、末端に用いるとき−SOHまたは−SOを意味し、内部に用いるとき−S(O)−を意味する。
【0047】
本明細書で用いる“スルファミド”基は、末端に用いるとき構造−NR−S(O)−NRを意味し、内部に用いるとき−NR−S(O)−NR−を意味する(式中、R、RおよびRは、上記で定義の意味を有する。)。
【0048】
本明細書で用いる“スルホンアミド”基は、末端に用いるとき構造−S(O)−NRまたは−NR−S(O)−Rを意味し;内部に用いるとき−S(O)−NR−もしくは−NR−S(O)−を意味する(式中、R、R、およびRは、上記で定義されている。)。
【0049】
本明細書で用いる“スルファニル”基は、末端に用いるとき−S−Rを意味し、内部に用いるとき−S−を意味する(式中、Rは上記で定義されている。)。スルファニルの例は、脂肪族−S−、シクロ脂肪族−S−、アリール−S−などを含む。
【0050】
本明細書で用いる“スルフィニル”基は、末端に用いるとき−S(O)−Rを意味し、内部に用いるとき−S(O)−を意味する(式中、Rは上記で定義されている。)。スルフィニル基の例は、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(シクロ脂肪族(脂肪族))−S(O)−、シクロアルキル−S(O)−、ヘテロシクロ脂肪族−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−などを含む。
【0051】
本明細書で用いる“スルホニル”基は、末端に用いるとき−S(O)−Rを意味し、内部に用いるとき−S(O)−を意味する(式中、Rは上記で定義されている。)。スルホニル基の例は、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(シクロ脂肪族(脂肪族))−S(O)−、シクロ脂肪族−S(O)−、ヘテロシクロ脂肪族−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−、(シクロ脂肪族(アミド(脂肪族)))−S(O)−などを含む。
【0052】
本明細書で用いる“スルホキシ”基は、末端で用いるとき−O−SO−Rまたは−SO−O−Rを意味し、内部に用いるとき−O−S(O)−または−S(O)−O−を意味する(式中、Rは上記で定義されている。)。
【0053】
本明細書で用いる“ハロゲン”または“ハロ”基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0054】
本明細書で用いる、単独でまたは他の基と関連して用いられる、用語カルボキシを包含する“アルコキシカルボニル”は、アルキル−O−C(O)−のような基を意味する。
【0055】
本明細書で用いる“アルコキシアルキル”は、アルキル−O−アルキル−(ここで、アルキルは、上記で定義されている。)のようなアルキル基を意味する。
【0056】
本明細書で用いる“カルボニル”は−C(O)−を意味する。
【0057】
本明細書で用いる“オキソ”は=Oを意味する。
【0058】
本明細書で用いる“アミノアルキル”は構造(RN−アルキル−を意味する。
【0059】
本明細書で用いる“シアノアルキル”は構造(NC)−アルキル−を意味する。
【0060】
本明細書で用いる“ウレア”基は、構造−NR−CO−NRを意味し、“チオウレア”基は、末端に用いるとき構造−NR−CS−NRを意味し、内部に用いるとき構造−NR−CO−NR−または−NR−CS−NR−を意味し、ここでR、R、およびRは、上記で定義されている。
【0061】
本明細書で用いる“グアニジン”基は、構造−N=C(N(R))N(R)または−NR−C(=NR)NR{ここで、RおよびRは、上記で定義されている。}を意味する。
【0062】
本明細書で用いる用語“アミジノ”基は、構造−C=(NR)N(R){ここで、RおよびRは、上記で定義されている。}を意味する。
【0063】
一般に、用語“ビシナル”は、複数の置換基が隣接炭素原子に結合している、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置を意味する。
【0064】
一般に、用語“ジェミナル”は、複数の置換基が同じ炭素原子に結合している、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置を意味する。
【0065】
用語“末端に”および“内部に”は、置換基内の基の位置を意味する。基は、該基が、他の化学構造にさらに結合しない置換基の末端に存在するとき末端である。カルボキシアルキル、すなわちRO(O)C−アルキルは、末端で用いるカルボキシ基の例である。基は、該基が、置換基内部に、または他の化学構造に結合する置換基の末端に存在するとき内部である。アルキルカルボキシ(例えば、アルキル−C(O)O−またはアルキル−OC(O)−)およびアルキルカルボキシアリール(例えば、アルキル−C(O)O−アリール−またはアルキル−O(CO)−アリール−)は、内部で用いられるカルボキシ基の例である。
【0066】
本明細書で用いる“環状基”は、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、またはヘテロアリール(それらはそれぞれ、上記で定義されている。)を含む、単環式、二環式および三環式環系を含む。
【0067】
本明細書で用いる“架橋二環式環系”は、二環式ヘテロ環式脂肪族環系または二環式シクロ脂肪族環系を意味し、該環系は、架橋されている。架橋二環式環系の例は、アダマンタニル、ノルボロニル(norbornanyl)、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.3]ノニル、2−オキサビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルを含むが、これらに限定されない。架橋二環式環系は、所望によりアルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキルおよびトリフルオロメチルようなハロアルキル)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0068】
本明細書で用いる“脂肪族鎖”は、分枝鎖または直鎖脂肪族基(例えば、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基)を意味する。直鎖脂肪族鎖は、構造−[CH]−(ここで、vは1−6である。)を有する。分枝鎖脂肪族鎖は、1個以上の脂肪族基で置換されている直鎖脂肪族鎖である。分枝鎖脂肪族鎖は、構造−[CHQ]−または−[CQQ]−(ここで、Qは水素または脂肪族基である;しかしながら、Qは、少なくとも1例において、脂肪族基でなければならない。)を有する。用語脂肪族鎖は、アルキル鎖、アルケニル鎖、およびアルキニル鎖を含み、ここでアルキル、アルケニル、およびアルキニルは上記で定義されている。
【0069】
“所望により置換されていてよい”という記載は、“置換または非置換”という記載と互換的に用いられる。本明細書に記載の通り、本発明の化合物は、一般的に上記の説明または例示のように、本発明の特定のクラス、サブクラスおよび化学種により、所望により1個以上の置換基で置換されていてよい。本明細書に記載の通り、本明細書中に包含される式(I、IaおよびIb)の可変基、例えばR、RおよびR、ならびに他の可変基は、アルキルおよびアリールのような特定の基を含む。他に特記されない限り、本明細書中に包含される可変基R、RおよびR、ならびに他の可変基についての特定の基はそれぞれ、所望により本明細書に記載の1個以上の置換基で置換されていてよい。特定の基の置換基はそれぞれ、所望によりさらに1ないし3個のハロ、シアノ、オキソアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、ハロアルキル、およびアルキルで置換されていてよい。例えば、アルキル基は、アルキルスルファニルで置換されていてよく、該アルキルスルファニルは、所望により1ないし3個のハロ、シアノ、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、ハロアルキル、およびアルキルで置換されていてよい。さらなる例として、(シクロアルキル)カルボニルアミノのシクロアルキル部分は、所望により1ないし3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロアルキルおよびアルキルで置換されていてよい。2個のアルコキシ基が同じ原子または隣接原子に結合するとき、2個のアルコキシ基は、それらが結合する原子(複数可)と一体となって環を形成し得る。
【0070】
一般に、用語“置換”は、用語“所望により”が前にあってもなくても、ある構造の水素ラジカルの、特定の置換基のラジカルでの置換を意味する。特定の置換基は、定義において前記であり、かつ化合物の記載およびその実施例において後記である。他に特記しない限り、所望により置換されていてよい基は、該基の各置換可能な位置に置換基を有してよく、そして、ある構造において2個以上の位置を、特定の基から選択された2個以上の置換基で置換されていてよいとき、該置換基は、全ての位置で同一であっても異なっていてもよい。ヘテロシクロアルキルのような環置換基は、シクロアルキルのような他の環と結合して、スピロ二環式環系を形成でき、例えば、両方の環が1個の共通原子を共有する。当業者には認識され得る通り、本発明により計画される置換基の組合せは、安定なまたは化学的に実行可能な化合物の形成をもたらす組合せである。
【0071】
本明細書で用いる“安定なまたは化学的に実行可能な”という記載は、それらの製造、検出、および好ましくはそれらの回収、精製、および本明細書に開示の1つ以上の目的のための使用を慣用にする条件に付されたときに、実質的に変化しない化合物を意味する。ある態様において、安定な化合物または化学的に実行可能な化合物は、40℃以下の温度で、湿気または他の化学反応条件の非存在下に維持したとき、少なくとも1週間実質的に変化しないものである。
【0072】
本明細書で用いる“有効量”は、処置する患者に対して治療的効果を与えるのに必要な量として定義され、典型的に患者の年齢、体表面積、体重、および状態に基づき決定される。動物およびヒトの投与量の相互関係(体表面積の平方メートルあたりのミリグラムに基づく)は、Freireich et al., Cancer Chemother. Rep., 50:219(1966)に記載されている。体表面積は、患者の身長および体重からおおよそ決定できる。例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardsley, New York, 537(1970)を参照のこと。本明細書で用いる“患者”は、ヒトを含む哺乳動物を意味する。
【0073】
他に特記しない限り、本明細書に記載の構造は、該構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座))形態;例えば、各不斉中心に対するRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、(Z)および(E)配座異性体、ならびに互変異性体を含むことも意図する。故に、本化合物の単一の立体化学的異性体ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座)混合物は、本発明の範囲内である。他に特記しない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体形態は本発明の範囲内である。加えて、他に特記しない限り、本明細書に記載の構造はまた、1個以上の同位体富化原子の存在によってのみ異なる化合物を含むことも意図する。例えば、水素の重水素またはトリチウムによる置換、または炭素の13Cまたは14C富化炭素による置換以外の本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして有用である。
【0074】
II.化合物
式Iの化合物は、ムスカリン受容体活性の有用な調節剤である。
【0075】
A.一般的化合物
本発明の化合物には、以下のもの:
【化2】


または、その薬学的に許容される塩が含まれる。
【0076】
Xは、−NR50−または−O−(ここで、R50は、独立して、水素または所望により置換されていてよいC1−6脂肪族である。)である。
【0077】
は、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。
【0078】
は、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして、Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−4脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。
【0079】
は、独立して、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよい(脂肪族)オキシ、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0080】
nは0−4である。
【0081】
B.特定の化合物
1.置換基R
は、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。
【0082】
ある態様において、Rは、独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−12脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして、Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。しかしながら、Zが結合であり、RがRであるとき、Rが、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。
【0083】
いくつかの態様において、Rは、独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして、Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である。しかしながら、Zが結合であり、RがRであるとき、Rが、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。
【0084】
いくつかの別の態様において、Rは、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族である。例えば、Rは、単環式、二環式、または三環式シクロ脂肪族である(その各々が、所望により置換されていてよい。)。
【0085】
いくつかの例において、Rは、所望により1−3個のハロ、オキソ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、または所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいオキシム(例えば、(脂肪族(オキシ))イミノ)、所望により置換されていてよい(脂肪族)オキシ、所望により置換されていてよいカルボキシ(例えば、(脂肪族(オキシ))カルボニル)、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい、所望により置換されていてよい3−8員の単環式シクロ脂肪族である。例えば、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、オキシム(例えば、脂肪族(オキシ))イミノまたは(アラルキル(オキシ))イミノ)、(脂肪族)カルボニル、(脂肪族)オキシ、カルボキシ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。
【0086】
いくつかのさらなる例において、Rは、架橋二環式シクロ脂肪族、縮合二環式シクロ脂肪族、またはスピロ二環式シクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。例えば、Rは、所望により置換されていてよい6−9員の架橋二環式シクロ脂肪族である。いくつかの例において、Rは、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、またはビシクロ[3.3.1]ノナニル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、アルコキシカルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。別の例において、Rは、所望により置換されていてよい6−10員の縮合二環式シクロ脂肪族である。しかしながら、いくつかの例において、Rは、オクタヒドロペンタレニル、オクタヒドロ−1H−インデニル、またはデカヒドロナフタレニル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、アルコキシカルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。
【0087】
他の例において、Rは、所望により置換されていてよい9−12員のスピロ二環式シクロ脂肪族である。例えば、Rは、スピロ[5.5]ウンデカニル、スピロ[4.5]デカニル、またはスピロ[5.6]ドデカニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。
【0088】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよいアダマンチルである。
【0089】
別の態様において、Rは、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。いくつかの態様において、Rは、N、OおよびSから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい単環式または二環式ヘテロシクロ脂肪族である。
【0090】
いくつかの例において、Rは、N、OおよびSから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい4−8員の単環式ヘテロシクロ脂肪族である。他の例において、Rは、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、1,3−ジオキソラニル、イミダゾリジニル、2−イミダゾリニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、モルホリニル、1,4−ジチアン、チオモルホリン、またはピペラジニル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、カルボキシ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、オキシム、ヘテロアリール、(脂肪族)ヘテロアリール、(脂肪族)ヘテロシクロ脂肪族、(脂肪族)カルボニル、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。
【0091】
いくつかの例において、Rは、架橋二環式ヘテロシクロ脂肪族、縮合二環式ヘテロシクロ脂肪族、またはスピロ二環式ヘテロシクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。
【0092】
いくつかのさらなる例において、Rは、所望により置換されていてよい6−9員の架橋二環式ヘテロシクロ脂肪族である。例えば、Rは、5−アザビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、または8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、アルコキシカルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。
【0093】
いくつかの別の例において、Rは、所望により置換されていてよい9−12員のスピロ二環式ヘテロシクロ脂肪族である。例えば、Rは、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカニル;1,4−ジオキサスピロ[4.4]ノナニル;1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカニル;または、6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。
【0094】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよい脂肪族である。例えば、Rは、所望により置換されていてよい直鎖もしくは分枝鎖C1−8脂肪族である。いくつかの他の例において、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、またはネオヘキシル(その各々が、所望により1−3個のハロ、オキソ、オキシム、または所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアミノ、所望により置換されていてよい脂肪族スルホニル、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。さらなる例において、Rは、所望により1−2個のシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、またはそれらの組合せで置換されていてよいメチルである。
【0095】
いくつかの態様において、Rは、水素;テトラヒドロフラン−3−イル−メチル;4−(ヒドロキシ)シクロヘキシル;4−(エトキシ(イミノ)シクロヘキシル;シクロヘキシル;シクロヘプタニル;N−(メチル(カルボニル))ピペリジル;(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル;3−(メチル)シクロヘキシル;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル;イソプロピル;テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル;N−(ブト−3−イニル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;N−(エトキシ(カルボニル(ピペリジン−4−イル)メチル;4−プロピルシクロヘキシル;2−メトキシシクロヘキシル;4−(フェニル(メチル(オキシ(イミノ))))シクロヘキシル;シクロヘプチル;N−(イソプロピル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;4−(シクロヘキサン−イル)シクロヘキシル;(シクロプロパン−イル)メチル;シクロオクチル;4−(メトキシ(イミノ))シクロヘキシル;N−(プロポキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;N−(ペント−2−イニル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;4−(tert−ブチル(オキシ(イミノ)))シクロヘキシル;(シクロヘキシル)メチル;4−(エチル)シクロヘキシル;2,6,6−(トリメチル(シクロヘキサ−1,3−ジエン−イル))メチル;N−(メトキシ(エトキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;デカヒドロナフタレン−2−イル;1,1−ジメチルプロピル;プロピル;4−(エトキシ(カルボニル))シクロヘキシル;テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル;3−(メチル)シクロペンチル;4−(メチル)シクロヘキシル;2−(エチル)ブチル;4,4−(ジメチル)シクロヘキシ−2−エン−イル;エチル;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル;2−(メチル)シクロヘキシル;1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル;N−(プロプ−2−イン−イル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;ピペリジン−4−イル;ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル;メチル;(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル;
【0096】
4−(イソプロポキシ(イミノ))シクロヘキシル;N−(フェニル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;フェニルメチル;N−(メトキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;シクロペンチル;4−(tert−ブチル)シクロヘキシル;3,3−ジメチルブチル;2,4−(ジメチル(シクロヘキシ−3−エン−イル))メチル;4−オキソシクロヘキシル;3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル;4−(エトキシ(イミノ))シクロヘキシル;ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル;ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−イル;6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−イル;エチルプロピル;N−(ピラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル;4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル;3−メチルブチル;4−(フェニル(オキシ(イミノ)))シクロヘキシル;(シクロヘキシ−1−エン−イル)メチル;4−(シアノ−4−(フェニル))シクロヘキシル;4−(プロプ−2−エン−イル(オキシ(イミノ)))シクロヘキシル;テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル;シクロペンチルメチル;シクロノニル;シクロブチル;アダマンチル;8−エトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル;3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル;ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル;N−(シクロプロピル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;4−イソプロピル;スピロ[5.5]ウンデカン−2−イル;4−(フェニル)シクロヘキシル;(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル;(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル;4−(3−エチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)シクロヘキシル;N−(3−エチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル;シクロヘキシルメチル;および、4−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)シクロヘキシルから選択される1個である。
【0097】
2.置換基R
は、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−4脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。
【0098】
いくつかの態様、Rは、水素または所望により置換されていてよい直鎖もしくは分枝鎖C1−6脂肪族である。例えば、Rは、所望により置換されていてよい直鎖もしくは分枝鎖C1−6アルキルである。別の例において、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、またはネオヘキシル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの例において、Rは、メチル、エチル、またはプロピル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、または所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、または所望により置換されていてよいアルコキシで置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、所望により置換されていてよいC2−6アルケニル、または所望により置換されていてよいC2−6アルキニルである。例えば、Rは、プロプ−2−エン−イル、ブト−2−エン−イル、ブト−3−エン−イル、ブト−2−イン−イル、またはブト−3−イン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、または所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、または所望により置換されていてよいアルコキシで置換されていてよい。)である。
【0099】
いくつかの態様において、Rは、水素、ブト−2−イン−イル;イソプロピル、プロピル、2−(オキソ)プロピル、エチル、(メトキシ)エチル、2−(メチル)プロピル、メチル、(フェニル)メチル、プロプ−2−エン−イル、および2−(フェニル−2−(オキソ))エチルから選択される1個である。
【0100】
3.置換基R
は、それぞれ独立して、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよい(脂肪族)オキシ、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0101】
いくつかの態様において、Rは、独立して、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよい(脂肪族)オキシ、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。
【0102】
いくつかの態様において、Rは、独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−で置換されていてよく;Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして、Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0103】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよいアルキル、所望により置換されていてよいアルケニル、または所望により置換されていてよいアルキニルのような、所望により置換されていてよい脂肪族である。一例において、Rは、直鎖もしくは分枝鎖所望により置換されていてよいC1−6アルキル(例えば、C1−3アルキル)である。例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、またはネオヘキシル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、またはアルコキシ、アシル、アミノ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。いくつかの態様において、Rはシアノである。
【0104】
別の例において、Rは、直鎖もしくは分枝鎖の、所望により置換されていてよいC2−6アルケニルであり;別の例において、Rは、直鎖もしくは分枝鎖の、所望により置換されていてよいC2−6アルキニルである。例えば、Rは、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、またはアルコキシ、アシル、アミノ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい、直鎖もしくは分枝鎖C2−6アルケニルである。他の例において、Rは、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、またはアルコキシ、アシル、アミノ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい、直鎖もしくは分枝鎖C2−6アルキニルである。
【0105】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよい(脂肪族)オキシである。例えば、Rは、所望により置換されていてよいC1−3アルコキシである。さらに他の例において、Rは、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシ(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。
【0106】
いくつかの態様において、Rは、−Z〔ここで、Zは結合であり、Rは水素である。〕である。
【0107】
4.群数n
nは0−4である。例えば、nは、0、1、2、3、または4である。
【0108】
5.基X
Xは、−NR50−または−O−(ここで、R50は、独立して、水素または所望により置換されていてよいC1−6脂肪族である。)である。
【0109】
いくつかの態様において、Xは−O−である。
【0110】
C.下位化合物
本発明の別の局面は、ムスカリン受容体(複数可)の活性および/または複数の活性を調節するのに有用な式Ia:
【化3】


[式中、X、R、Rおよびnは、上記の式Iに定義の通りである。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0111】
1aは、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。しかしながら、R1aが、置換された脂肪族であるとき、R1aが、1−3個のハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−NH、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族で置換される。しかしながら、R1aが、単環式ヘテロシクロ脂肪族で置換される脂肪族であるとき、該単環式ヘテロシクロ脂肪族が、アリールで置換されない;そして、R1aが、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族であるとき、R1aが、置換された単環式ヘテロ脂環式で置換されない。
【0112】
本発明の別の局面は、ムスカリン受容体(複数可)の活性および/または複数の活性を調節するのに有用な式Ib:
【化4】


[式中、X、R、Rおよびnは、上記の式Iに定義の通りである。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0113】
1bは、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。しかしながら、R1bが、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族であるとき、R1bが、置換された単環式ヘテロ脂環式で置換されない。
【0114】
いくつかの態様において、R1bが、独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−8脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよい。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である。しかしながら、R1bが、所望により置換されていてよい脂肪族であるとき、R1bが、置換された単環式ヘテロ脂環式で置換されない。
【0115】
本発明の別の局面は、ムスカリン受容体(複数可)の活性および/または複数の活性を調節するのに有用な式Ic:
【化5】


[式中、R、R、R50およびnは、上記の式Iに定義の通りである。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0116】
は、R1aまたはR1bのどちらかであり、ここでR1aまたはR1bはそれぞれ、上記の式IaおよびIbに記載される。
【0117】
いくつかの態様において、RがR1aであって、R1aが、所望により置換されていてよい脂肪族であるとき、R1aは、アリール、ヘテロアリール、またはアリール(オキシ)で置換されない;そして、R1aが、単環式ヘテロシクロ脂肪族で置換される脂肪族であるとき、該単環式ヘテロシクロ脂肪族が、アリールで置換されない;そして、R1aが、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族であるとき、R1aが、置換された単環式ヘテロ脂環式で置換されない。
【0118】
いくつかの態様において、RがR1bであって、R1bが、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族であるとき、R1bが、置換された単環式ヘテロ脂環式で置換されない。
【0119】
本発明の別の局面は、ムスカリン受容体(複数可)の活性および/または複数の活性を調節するのに有用な式d:
【化6】


[式中、Rは、上記の式Icに定義の通りであり、R、Rおよびnは、上記の式Iに記載される。]
で示される化合物を提供する。
【0120】
D.態様の組合せ
本発明の別の態様は、R、R1a、R1b、R、R、Xおよびnの何らかの組合せを包含する。
【0121】
E.例示的化合物
式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の特定の例示的化合物を、下記の表1に示す。
【表1】


【表2】


【表3】

【0122】
【表4】


【表5】


【表6】


【表7】

【0123】
【表8】


【表9】


【表10】

【0124】
III.合成スキーム
式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を、当技術分野で公知の方法を用いて市販の出発物質から合成できる。一つの方法において、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物(ここで、Rは、5−10員の環系N、OまたはSから選択される0−3個のヘテロ原子を含む、所望により置換されていてよい飽和、部分的不飽和、または完全不飽和である。)を、以下のスキーム1−2に従い製造する。
【化7】


PGは保護基であり、Xは、上記の式Iに定義の通りである。
【0125】
スキーム1に関して、Berkhout, Theo A. et al., “CCR2: Characterization of the Antagonist Binding Site from a Combined Receptor Modeling/Mutagenesis Approach,” J. Med Chem., 46(19), pp. 4070−4086 (2003);Clark, Robin D. et al., “Synthesis and antihypertensive activity of 4’−substituted spiro[4H−3,1−benzoxazine−4,4’−piperidin]−2(1H)−ones,” J. Med Chem., 26(5), pp. 657−61 (1983);および、WO2005/065779A1 “Calcitonin Gene Related Peptide Receptor Antagonists”に記載の通りに、出発物質(1a){式中、Zは−NHである。}を、ポリリン酸のような酸の存在下で、N−保護したピペリジン−4−オン(1b)と反応させ、加熱して、1’H−スピロ[ピペリジン−4,4’−キナゾリン]−2’(3’H)−オン(1c)を得る。あるいは、Zが−OC(CHのとき、出発物質(1a)を、tert−ブチルリチウムのような強塩基の存在下で、N−保護したピペリジン−4−オン(1b)と反応させて、スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(1c)を得る。
【0126】
保護基を除去して(例えば、中間体(1c)を、室温または加熱して、ギ酸アンモニウム、MeOH、Pd/Cで処理するか;中間体(1c)を、Pd/C、MeOHおよびHで処理するか;または、中間体(1c)を、0℃ないし室温にて、TFA、CHClで処理することにより)、遊離アミン(1d)を得る。該アミン(1d)の還元的アミノ化により、本発明の化合物(I)を得る。アミン(1d)を、典型的にはDCE/AcOH/TEA中、NaBH(OAc)を用いて、室温にて、適当なアルデヒドまたはケトンと還元的アミノ化条件下で反応させて(工程c)、式Iの所望の化合物を得ることができる。より低い反応性のケトンについて、より強力な条件が用いられ得る。例えば、アミン(1d)を、Ti(OiPr)の原液中ケトンと処理し、次いでMeOH中NaBHと処理して、式Iの所望の化合物を得ることができる。Abdel−Magid, A.F. et al., “Reductive Amination of Aldehydes and Ketones with Sodium Triacetoxyborohydride. “Studies on Direct and Indirect Reductive Amination Procedures,” J. Org. Chem., 61, pp. 3849−3862 (1996)および、そこに引用される文献を参照。
【0127】
式Iaの化合物を、適当な塩基の存在下でハロゲン化アルキルと反応させて(工程d)、さらなる式Iの化合物を得ることができる。典型的には、二級アミンを、室温にて、加熱しながら、またはマイクロ波条件下で、適当な塩基の存在下で、ヨウ化、臭化、または塩化アルキルと反応させる。塩基は、トリエチルアミンのような有機塩基、またはNaCOもしくはCsCOのような無機塩基であり得る。典型的な反応溶媒は、DMF、アセトンおよびアセトニトリルであるが、これらに限定されない。
【0128】
スキーム2は、式Iの化合物(ここで、Rは、保持、脱保護および保持、または脱保護され、さらに変化してさらなる式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を製造し得る、保護された官能基を含むか、またはそれで置換される、単環式または二環式環系である。)の合成のための別の条件を例示する。
【化8】

【0129】
スキーム2に関して、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を製造する別の方法は、適当な還元剤(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなど)および適当な溶媒(例えば、ジクロロエタンなど)の存在下、室温にて、R−、R−置換したベンゾオキサジノン中間体(2a)とケトンまたはアルデヒドを反応させて、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を得ることを含む。実施例2を参照して、R’またはR”が水素であるとき、水素ではないR’またはR”は、ヘテロシクロ脂肪族またはシクロ脂肪族で置換したアルキルを含む。
【0130】
IV.製剤、投与、および使用
本発明は、その範囲内に本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグを含む。“薬学的に許容されるプロドラッグ”は、レシピエントへの投与により、本発明の化合物またはその活性代謝物もしくは残基を(直接的または間接的に)提供できる、全ての薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、または本発明の化合物の他の誘導体を意味する。好ましいプロドラッグは、そのような化合物を哺乳動物に投与したときに本発明の化合物のバイオアベイラビリティを高めるか、または親化合物と比較して、親化合物の生物学的区画への送達を高めるものである。
【0131】
用語“薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビークル”は、それらと共に製剤される本化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性担体、アジュバント、またはビークルを意味する。本発明の組成物において使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビークルは、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含むが、これらに限定されない。
【0132】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無機および有機酸および塩基由来のものを含む。適当な酸塩の例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩を含む。他の酸、例えばシュウ酸は、それ自体薬学的に許容されないが、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の製造に使用され得る。
【0133】
適当な塩基由来の塩は、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびN(C1−4アルキル)塩を含む。本発明はまた、本明細書に記載の化合物の塩基性窒素含有基の4級化も構想する。水溶性もしくは油可溶性または分散性生成物を、そのような4級化により得ることができる。
【0134】
本発明の組成物は、経口的に、非経腸的に、吸入スプレーにより、局所的に、直腸に、鼻腔内に、口腔内に、膣内にまたはインプラントした貯蔵部を介して投与できる。本明細書で用いる用語“非経腸”は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、気管内、肝臓内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。好ましくは、本組成物を経口的に、腹腔内にまたは静脈内に投与する。本発明の組成物の滅菌注射可能形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、当分野で公知の技術に従い製剤できる。滅菌注射可能製剤はまた、例えば1,3−ブタンジオール溶液のような、非毒性の非経腸的に許容される希釈剤または溶媒の滅菌注射可能溶液または懸濁液であり得る。用い得る許容されるビークルおよび溶媒は、とりわけ水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌、固定油は、溶媒または懸濁媒体として慣用的に用いられる。
【0135】
この目的のために、合成モノ−またはジ−グリセリドを含む任意の非刺激性(bland)固定油を用い得る。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、天然の薬学的に許容される油、例えばオリーブ油またはヒマシ油、とりわけそれらのポリオキシエチル化形態と同様に、注射剤の製造に有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、例えばカルボキシメチルセルロースまたはエマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的に許容される投与形態の製剤に一般的に使用される類似の分散剤も含み得る。他の一般的に使用される界面活性剤、例えばTweens、Spansおよび薬学的に許容される固体、液体、または他の投与形態の製造において一般的に使用される他の乳化剤またはバイオアベイラビリティ増強剤もまた、製剤目的で使用できる。
【0136】
本発明の薬学的に許容される組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液または溶液を含むが、これらに限定されない何れかの経口に許容される投与形態で経口投与できる。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用される担体には、ラクトースおよびコーンデンプンが含まれる。滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムもまた典型的に添加される。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥コーンデンプンを含む。水性懸濁液が経口使用のために必要であるとき、活性成分を乳化剤および懸濁化剤と混合する。所望のとき、任意の甘味剤、香味剤または着色剤も添加し得る。
【0137】
あるいは、本発明の薬学的に許容される組成物を、直腸投与用坐薬の形で投与できる。これらは、本薬剤と、室温では固体であるが、直腸温度では液体であり、それ故に直腸内で溶けて薬剤を放出する適当な非刺激性賦形剤との混合により製造できる。かかる物質はカカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールを含む。
【0138】
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、とりわけ、処置の標的が、眼、皮膚、または下部腸管の疾患を含む、局所投与により容易に到達可能な領域または臓器を含むとき、局所的にも投与できる。適する局所用製剤は、これらの領域または臓器のそれぞれのために容易に製造される。
【0139】
下部腸管への局所投与は、直腸坐薬製剤(上記参照)または適する浣腸製剤により行い得る。局所的経皮パッチも使用できる。
【0140】
局所投与のために、薬学的に許容される組成物は、1種以上の担体に懸濁または溶解した活性成分を含む適当な軟膏に製剤できる。本発明の化合物の局所投与用担体は、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水を含むが、これらに限定されない。あるいは、薬学的に許容される組成物を、1種以上の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解した活性成分を含む、適当なローションまたはクリームに製剤できる。適当な担体は、鉱油、ソルビタンモノオレエート、ポリソルベート60、セチルエステル蝋、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水を含むが、これらに限定されない。
【0141】
眼内使用のために、薬学的に許容される組成物を、塩化ベンザルコニウムのような防腐剤を添加し、または添加しない、等張性の、pH調節した滅菌食塩水の微粉化(micronized)懸濁液として、または、好ましくは、等張性の、pH調節した滅菌食塩水の溶液として製剤できる。あるいは、眼科的使用のために、薬学的に許容される組成物を、軟膏、例えばワセリン中に製剤できる。
【0142】
本発明の薬学的に許容される組成物を、経鼻エアロゾルまたは吸入によっても投与できる。このような組成物は、医薬製剤の分野で既知の技術に従い製造し、食塩水の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適当な防腐剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の慣用の可溶化剤もしくは分散剤を使用して製造できる。
【0143】
最も好ましくは、本発明の薬学的に許容される組成物は経口投与用に製剤される。
【0144】
単一投与形態の組成物を製造するために担体物質と組み合わされ得る本発明の化合物の量は、処置される宿主、特定の投与方法に依存して変化してよい。好ましくは、本組成物は、0.01−100mg/kg体重/日の調節剤の投与量を、これらの組成物を受容する患者に投与できるように製剤すべきである。
【0145】
ある特定の患者のための具体的投与量および処置レジメンは、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、医薬組合せ、および処置医の判断および処置する特定の疾患の重症度を含む種々の因子に依存し得ることも理解されるべきである。組成物中の本発明の化合物の量はまた、組成物中の特定の化合物にも依存し得る。
【0146】
処置または予防すべき特定の状態または疾患によって、その状態を処置または予防するために通常投与される付加的な治療剤もまた、本発明の組成物中に存在し得る。本明細書で用いる、特定の疾患または状態の処置または予防のために通常投与される付加的治療剤は、“処置する疾患または状態のために適当である”ことが知られている。
【0147】
好ましい態様によって、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物はM、MおよびMの選択的調節剤である。より好ましくは、式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物は、Mおよび/またはMの選択的調節剤である。さらにより好ましくは、ある式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物は、Mの選択的調節剤である。または、好ましくは、ある式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物は、Mの選択的調節剤である。
【0148】
本発明者らは、本発明の化合物がムスカリン受容体の活性を調節する能力は、これらの化合物のムスカリン受容体への親和性に由来すると考えている。本発明者らは、かかる親和性は、ムスカリン受容体を活性化するか(すなわち、アゴニスト)、またはムスカリン受容体の活性を阻害すると考える。
【0149】
本明細書で用いる用語“選択的”は、他のムスカリン受容体サブタイプと比較したとき、あるムスカリン受容体サブタイプを調節する測定可能な顕著な能力を意味する。例えば、用語“選択的Mアゴニスト”は、他のムスカリン受容体サブタイプ(複数可)での化合物のアゴニスト活性と比較したとき、Mアゴニストとして作用する測定可能な顕著な能力を有する化合物を意味する。
【0150】
別の態様によって、本発明は哺乳動物、例えばヒトにおけるムスカリン受容体仲介疾患の処置方法であって、本明細書に記載の通りに、該哺乳動物に式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を含む組成物、またはその態様の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0151】
他の態様によって、本発明は、ムスカリン受容体により仲介される疾患の処置方法であって、本明細書に記載の通りに、該哺乳動物に式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物を含む組成物またはその他の態様を投与する工程を含む、方法を提供する。好ましくは、該疾患はMによって仲介されるか、または該疾患はMによって仲介される。
【0152】
さらに他の態様によって、本発明は患者における疾患を処置するか、または重篤度を低下させる方法であって、該疾患が認知障害、注意欠損過活動障害(ADHD)、肥満、アルツハイマー病、血管性認知症のような種々の認知症、統合失調症、躁病、双極性障害を含む精神病、急性および慢性症候群を含む疼痛状態、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ失調症、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、ダウン症候群、ピック病、臨床的鬱病、乳幼児突然死症候群、パーキンソン病を含むCNS由来病状、緑内障における眼内圧の低下のような末梢障害およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよびドライマウスの治療であって、該方法が、該患者と本発明の化合物を接触させることを含む、方法を提供する。
【0153】
別の態様によって、本発明は患者における疾患を処置するか、または重篤度を低下させる方法であって、該疾患が、疼痛、精神病(統合失調症、幻覚、および妄想を含む)、アルツハイマー病、パーキンソン病、緑内障、徐脈、胃酸分泌、喘息、またはGI不調から選択される、方法を提供する。
【0154】
好ましい態様によって、本発明は、精神病、アルツハイマー病、疼痛、またはパーキンソン病の処置または重篤度の低下に有用である。
【0155】
本明細書に引用されるすべての文献は、参照により本明細書に包含される。
【実施例】
【0156】
V.製造例および実施例
本明細書に記載の本発明をより完全に理解可能なように、以下の実施例を記載する。これらの実施例は説明のみを目的とし、如何なる方法によっても本発明を限定するものと解釈すべきではないことが理解されるべきである。
【0157】
製造法A:スピロ[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オンの合成
【化9】

【0158】
N−Boc−アニリン(16.12g、83.4mmol)(A1)を、無水テトラヒドロフラン(120mL)中に溶解し、−70℃まで冷却した。この溶液に、窒素下で、−70℃にて、ペンタン中1.7Mのtert−ブチルリチウム溶液(110mL、187mmol)を滴下した。−70℃で30分後、溶液を−20℃まで温め、その温度で2時間維持した。該溶液を再び−70℃まで冷却し、無水テトラヒドロフラン(50mL)中、N−Boc−4−ピペリドン(15.98g、80.2mmol)の溶液(A2)を滴下処理した。溶液をゆっくり室温まで温め、tert−ブトキシカリウム(25mg)で処理し、室温にて窒素下で、一晩撹拌した。溶液をジエチルエーテル(300mL)で希釈し、氷水浴中で冷却し、1.0N HCl(水溶液)でpH7に合わせた。層を分離させ、水層をジエチルエーテル(100mL)で1回抽出した。集めた有機層を水および飽和塩水で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を粘性の淡黄色油状物として得た。粗生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25−50%酢酸エチル)により精製して、tert−ブチル 2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(A3)を淡黄色固体として得た。LC/MS m/z 319.0 [M+H]、保持時間2.72分(RP−C18、10−99% CH3CN/0.05% TFA);1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.06 (br s, 1H), 7.28 (m, 1H), 7.12 (m, 2H), 6.91 (d, J=8.5 Hz, 1H), 4.12 (br d, J=9.9 Hz, 2H), 3.36 (br t, J=12.4 Hz, 2H), 2.13 (br d, J=13.1 Hz, 2H), 1.98 (m, 2H), 1.51 (s, 9H)。
【0159】
tert−ブチル 2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(6.71g、21.1mmol)(A3)を、ジクロロメタン(50mL)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(20mL)で処理し、室温で45分間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、再びアセトニトリル中に溶解し、減圧下で再び濃縮した。粗TFA塩を氷水浴中で冷却し、氷冷飽和塩水(20mL)およびHO(50mL)中に溶解し、氷冷35%NaOH(水溶液)で塩基性にした。少量の生成物(50mLの酢酸エチルを用いて抽出により得られた)を水層に添加し、結晶化を開始させた。得られた懸濁液を氷HO浴中で冷却し、濾過し、氷冷HOで濯ぎ、乾燥させて、スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(A4)遊離塩基を白色結晶固体として得た。さらなる遊離塩基を、酢酸エチル(10×50mL)を用いて母液の抽出により得て、次いでアセトニトリルを用いて該粗遊離塩基を粉末化した(全収率=84%)。LC/MS m/z 219.2[M+H]、保持時間0.58分(RP−C18、10−99% CHCN/0.05% TFA);1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 10.17 (br s, 1H), 7.23 (m, 2H), 7.02 (m, 1H), 6.87 (dd, J=8.2, 1.2 Hz, 1H), 2.89 (m, 2H), 2.82 (m, 2H), 1.84 (m, 4H)。
【0160】
製造法B:エチル 4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレートの合成
【化10】

【0161】
4−ピペリジンメタノール(10.00g、86.8mmol)(B1)を、ジクロロメタン(350mL)中に溶解し、氷水浴中で冷却し、ジクロロメタン(50mL)中クロロギ酸エチル(9.89g、91.1mmol)の溶液を滴下し、ついで、ジクロロメタン(50mL)中、トリエチルアミン(8.78g)の溶液を滴下した。反応物を0℃で15分間撹拌し、次いで室温で10分間撹拌した。反応物をジクロロメタン(250mL)で希釈し、水(2×150mL)、0.1N HCl(2×150mL)、飽和塩水(2×150mL)で連続して洗浄し、その後NaSOで乾燥させて、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、エチル 4−(ヒドロキシメチル)−ピペリジン−1−カルボキシレート(B2)を粘性の淡青色がかった緑色油状物として得た(15.60g、96%収率)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ4.15 (br m, 2H), 4.09 (q,J=7.1 Hz, 2H), 3.46 (d, J=6.4 Hz, 2H), 2.72 (br t, J=12.4 Hz, 2H), 2.07 (s, 1H), 1.70 (m, 2H), 1.63 (m, 1H), 1.23 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.12 (m, 2H);LC/MS m/z 188.0[M+H]+、保持時間1.56分(RP−C18、10−99% CHCN/0.05% TFA)。
【0162】
ジクロロメタン(150mL)中、塩化オキサリル(12.69g、0.10mol)の溶液を、約−78℃まで冷却し、窒素下で、ジクロロメタン(50mL)中、無水ジメチルスルホキシド(15.63g、0.20mol)の溶液を滴下した。15分後に添加を完了し、ジクロロメタン(50mL)中、エチル 4−(ヒドロキシメチル)−ピペリジン−1−カルボキシレート(15.60g、83.3mmol)(B2)の溶液を滴下した。30分後、添加を完了し、ジクロロメタン(50mL)中、トリエチルアミン(25.30g、0.25mol)の溶液を滴下し、反応物を室温まで温めた。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム(500mL)でクエンチした。層を分離させ、水層をジクロロメタン(200mL)で1回抽出した。集めた有機層を水(3×100mL)、飽和重炭酸ナトリウム(1×100mL)および飽和塩水(1×100mL)で洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、エチル 4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート(B3)を粘性の琥珀油状物として得た。1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.64 (s, 1H), 4.10 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.00 (br m, 2H), 2.97 (m, 2H), 2.40 (m, 1H), 1.87 (br m, 2H), 1.54 (m, 2H), 1.23 (t, J=7.0 Hz, 3H)。
【0163】
製造法C:5−クロロ−3−メチル−1,2,4−チアジアゾールの合成
【化11】

【0164】
乾燥塩素ガスを、5℃で48時間、CS(C1)(1000mL、約1.0gのヨウ素を添加)を撹拌しながらバブリングした。過剰量のCS(C1)を蒸発させ、残渣を断片的に蒸留して、トリクロロメチル・ハイポクロロチオネイト(hypochlorothioite)(C2)(bp 144−145℃/1atm、300g、10%)を得た。13C-NMR(300 MHz, CDCl3) δ 96.69 (1 C)。
【0165】
ジクロロメタン(200mL)中、トリクロロメチル・ハイポクロロチオネイト(C2)(60g、323mmol)および塩酸アセトアミジン(30.6g、323mmol)の懸濁液に、NaOH(水(200mL)中64.8g)の溶液を−5℃にて滴下した。得られた混合物を−5℃で30分間撹拌し、次いで、室温まで温めた。有機層を分離させ、水層をジクロロメタンで抽出した(30mL×3)。合わせた有機層を水(50mL×2)および塩水(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を除去した。残渣を減圧下で蒸留して、5−クロロ−3−メチル−1,2,4−チアジアゾール(C3)(bp 70℃/0.85 Mpa、18g)を得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.59 (s, 3 H)。
【0166】
製造例D:1−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−オンの合成
【化12】

【0167】
EtOH(50mL)中、ピペリジン−4−オン HCl塩(C3)(4.08g、30mmol)およびEtN(20mL、78.6mmol)の混合物に、5−クロロ−3−メチル−1,2,4−チアジアゾール(4.05g、30mmol)を添加した。混合物を1.5時間加熱還流し、次いで、濃縮乾固した。残渣をEtOAc中に溶解した。溶液を水(30mL×3)および塩水(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、そして濃縮乾固した。残渣をエーテルから再結晶して、1−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−オン(D1)(510mg)を得た。1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.86 (t, J=6.3 Hz, 4 H), 2.62 (t, J=6.3, Hz, 4 H), 2.44 (s, 3 H)。
【0168】
実施例1:エチル−4−((2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号13)の合成
【化13】

【0169】
シンチレーションバイアルを、スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(A4)(22mg、0.10mmol)、エチル−4−ホルミルピペリジン−1−カルボキシレート1b(ia)(19mg)および無水1,2−ジクロロエタン(1.0mL)で充填し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(30mg)で処理した。反応物を室温で2時間撹拌し、次いでメタノール(1.0mL)でクエンチし、30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をDMSO:メタノール(1.5mL、1:1v/v)中に溶解し、濾過し(Whatman 0.2μm PTFE)、逆相HPLC精製[13分の0.1%TFA(水溶液)中2−99%CH3CN勾配、35mL/分、1.0mL注入]を行い、エチル−4−((2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号13)をTFA塩として得た。LC/MS m/z 388.2 [M+H]+、保持時間1.73分(RP−C18、10−99% CHCN/0.05% TFA)。
【0170】
実施例2:1’−(ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号67)の合成
【化14】

【0171】
シンチレーションバイアルを、ビシクロ−[3.2.1]オクタン−3−オン(iia)(31mg、0.25mmol)、スピロ[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(A4)(44mg、0.20mmol)、および無水ジメトキシエタン:ジクロロメタン(1.0mL、1:1v/v)で充填した。混合物をチタンテトライソプロポキシド(171mg、0.60mmol)で処理した。バイアルを窒素でフラッシュし、室温で60時間撹拌した。その後、反応物を氷水浴中で冷却し、メタノール(1.0mL)でクエンチし、水素化ホウ素ナトリウム(15mg、0.40mmol)で処理した。反応混合物をゆっくり室温まで温め、1時間撹拌し、1.0N NaOH(1.0mL)で処理し、メタノール(2.0mL)で希釈し、そして室温で15分間撹拌した。得られた懸濁液を遠心し(3K rpm、10分)、上清を濾過した(Whatman 0.2μm PTFE)。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をDMSO:メタノール(1.5mL、1:1v/v)中に溶解し、濾過し、逆相HPLC精製[13分の、0.1%TFA(水溶液)中2−99%CHCN勾配、35mL/分、1.0mL注入]を行い、1’−(ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号67)をTFA塩として得た。LC/MS m/z 327.2[M+H]+、保持時間1.80分(RP−C18、10−99% CH3CN/0.05% TFA)。
【0172】
実施例3:1’−シクロヘプチルスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号5)の合成
【化15】

【0173】
スピロ[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(A4)(353mg、1.62mmol)を、無水1,2−ジクロロエタン(10mL)中に溶解し、シクロヘプタノン(iiia)(273mg、2.43mmol)で処理し、次いで氷酢酸(195mg、3.24mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(687mg、3.24mmol)で処理した。反応物を室温にて窒素下で、90時間撹拌した。反応物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、1.0N NaOH(20mL)でクエンチし、室温にて30分間激しく撹拌した。相を分離させ、水層をジクロロメタンで抽出した(2×20mL)。合わせた有機層を水および飽和塩水(各20mL)で洗浄し;NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗1’−シクロヘプチルスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オンをオフホワイト色固体として得た。
【0174】
上記からの粗生成物を、無水ジクロロメタン(5mL)中に溶解し、氷水浴中で冷却し、イソシアネート樹脂で処理した(345mg、充填=1.1mmol/g、0.38mmol)。次いで、懸濁液をトリエチルアミンで処理し(38mg、0.38mmol)、室温まで温め、一晩撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(25mL)で希釈し、その後、それを濾過し、ジクロロメタンで濯いだ(3×10mL)。濾液を、水、飽和NaHCOおよび飽和塩水(各10mL)で連続して洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗遊離塩基を白色固体として得た。該粗遊離塩基を無水ジエチルエーテル(20mL)および無水エタノール(4mL)中に溶解し、ジエチルエーテル中1.0N HCl(1.7mL、1.7mmol)を滴下した。得られた懸濁液をエーテル(10mL)で希釈し、室温で10分間激しく撹拌した。懸濁液をヘキサン(10mL)でさらに希釈し、氷水浴中で10分間冷却し、次いで濾過し、エーテル(2×10mL)およびヘキサン(2×10mL)で濯いだ。固体を減圧下で乾燥させて、塩酸1’−シクロヘプチルスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号5)を白色粉末として得た。LC/MS m/z 315.0 [M+H]+、保持時間1.68分(RP−C18、10−99% CHCN/0.05% TFA); 1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 10.95 (br s, 1H), 10.41 (br s, 1H), 7.30 (m, 1H), 7.19 (d, J=7.0 Hz, 1H), 7.09 (m, 1H), 6.93 (d, J=8.0 Hz, 1H), 3.42 (m, 2H), 3.23 (m, 2H), 2.72 (m, 2H), 2.18 (m, 4H), 1.70 (m, 4H), 1.50 (m, 6H)。
【0175】
実施例4:1’−シクロヘプチル−1−メチルスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号65)の合成
【化16】

【0176】
塩酸1’−シクロヘプチルスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号5)(188mg、0.54mmol)を、無水ジメチルホルムアミド(4.0mL)中に懸濁し、水素化ナトリウム(48mg、鉱油中60%分散、1.2mmol)で処理し、室温で10分間、窒素下で撹拌した。次いで、反応混合物を無水ジメチルホルムアミド(1.0mL)中ヨウ化メチル(92mg、0.65mmol)の溶液で処理し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、生成物をジクロロメタン(2×50mL)中に抽出した。集めた抽出物を水(2×10mL)、飽和NaHCO(2×10mL)および飽和塩水(2×10mL)で洗浄し;次いで、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗1’−シクロヘプチル−1−メチルスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号65)遊離塩基を無色油状物として得た。
【0177】
粗遊離塩基(801mg)を、無水ジエチルエーテル(5mL)および無水エタノール(0.5mL)中に溶解し、ジエチルエーテル中1.0N HCl(600μL、0.60mmol)を滴下した。得られた懸濁液をエーテル(5mL)で希釈し、室温で10分間激しく撹拌した。懸濁液をさらにヘキサン(5mL)で希釈し、氷水浴中で10分間冷却し、濾過し、エーテル(5mL)およびヘキサン(5mL)で濯いだ。固体を減圧下で乾燥させて、塩酸1’−シクロヘプチル−1−メチルスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号65)を白色固体として得た。LC/MS m/z 329.4[M+H]+、保持時間1.88分(RP−C18、10−99% CHCN/0.05%TFA);1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 10.86 (br s, 1H), 7.43 (m, 1H), 7.20 (m, 3H), 3.39 (m, 3H), 3.31 (s, 3H), 3.23 (m, 2H), 2.71 (m, 2H), 2.23 (br d, J=14.4 Hz, 2H), 2.13 (m, 2H), 1.69 (m, 4H), 1.51 (m, 6H)。
【0178】
実施例5:1’−イソペンチルスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号76)の合成
【化17】

【0179】
スピロ[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(A4)(22mg、0.10mmol)を、シンチレーションバイアル中、無水1,2−ジクロロエタン(750μL)中に溶解し、3−メチルブタナール(va)(9mg、0.10mmol)で処理し、次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(30mg、0.14mmol)で処理した。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで、メタノール(500μL)でクエンチし、室温でさらに30分間撹拌した。反応物を濾過し(Whatman 0.45μm PTFE)、逆相HPLC精製[13分の、0.1%TFA(水溶液)中、2−99%CH3CN勾配、35mL/分、1.0mL注入]を行い、1’−イソペンチルスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号76)を得た。LC/MS m/z 289.0[M+H]+、保持時間1.55分(RP−C18、10−99% CHCN/0.05% TFA)。
【0180】
実施例6:1’−(ピペリジン−4−イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号49)の合成
【化18】

【0181】
スピロ[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(A4)(410mg、1.88mmol)を、無水1,2−ジクロロエタン(10mL)中に溶解し、tert−ブチル 4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(via)(562mg、2.82mmol)、氷酢酸(226mg、3.76mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(797mg、3.76mmol)で処理した。反応物を、窒素下で、室温にて72時間撹拌した。反応物を、減圧下で濃縮し、残渣を1.0N HCl(50mL)とエチルエーテル(25mL)の間に分配させた。水層を分離させ、ジエチルエーテル(2×25mL)で洗浄し、1.0N NaOH(水溶液)で塩基性にし、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。集めた抽出物を飽和塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、tert−ブチル 4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(vib)を白色結晶固体として得た。LC/MS m/z 402.2 [M+H]+、保持時間1.84分(RP−C18、10−99% CH3CN/0.05% TFA)。
【0182】
tert−ブチル 4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(vib)(432mg、1.08mmol)を、3.0N メタノール性HCl(10mL)中に溶解し、室温で18時間撹拌した。さらに3.0N メタノール性HCl(10mL)を添加し、反応物を60℃で2時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、アセトニトリル(約25mL)で処理し、再び濃縮して、1’−(ピペリジン−4−イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号49)ビス−ヒドロクロライドを白色結晶固体として得た。LC/MS m/z 302.0 [M+H]+、保持時間0.34分(RP−C18、10−99% CHCN/0.05% TFA)。
【0183】
実施例7:1’−(1−(ピラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号74)の合成
【化19】

【0184】
Pd(dba)3−CHCl(5mg、0.5mol%)、2’−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル−2−アミン(8mg、2mol%)およびtert−ブトキシナトリウム(13mg、0.14mmol)を、空気中で計量してフラスコ中に入れ、次いでジオキサン(750μL)、1’−(ピペリジン−4−イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン ビス−ヒドロクロライド(化合物番号49)(37mg、0.10mmol)およびヨードピラジン(viia)(20.6mg、0.10mmol)を入れる。該フラスコを窒素でフラッシュし、80℃で16時間撹拌した。反応混合物をメタノール(500μL)で希釈し、濾過し(Whatman 0.45μm PTFE)、逆相HPLC精製(10分間の2−25%CH3CN勾配[w/0.1%TFA(水溶液)]、1.0mL注入、35mL/分)を行い、1’−(1−(ピラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号74)を得た。LC/MS m/z 380.2[M+H]+、保持時間1.35分(RP−C18、10−99%CHCN/0.05%TFA)。
【0185】
実施例8:1’−(4−オキソシクロヘキシル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号64)、および1’−(4−(エトキシイミノ)シクロヘキシル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号3)の合成
【化20】

【0186】
スピロ[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(A4)(400mg、1.83mmol)を、無水1,2−ジクロロエタン(8.0mL)中に懸濁し、1,4−シクロヘキサンジオン モノ−エチレンケタール(viia)(429mg、2.75mmol)、氷酢酸(220mg、3.66mmol)、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(776mg、3.66mmol)で処理した。反応フラスコを窒素でフラッシュし、60時間、室温で撹拌した。反応物をジクロロメタン(25mL)で希釈し、1.0N NaOH(10mL)でクエンチし、室温で30分間激しく撹拌した。層を分離させ、水層をジクロロメタン(10mL)で1回抽出した。集めた有機層を水(1×25mL)および飽和塩水(1×25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、粗1’−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(viiib)を白色固体として得た。LC/MS m/z 359.2[M+H]+、保持時間1.61分(RP−C18、10−99%CH3CN/0.05%TFA)。
【0187】
該粗1’−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(viiib)(712mg)を、80%氷酢酸(水溶液)(25mL)中に溶解し、〜110℃で5時間加熱した。室温まで冷却後、反応物を水(25mL)で希釈し、氷水浴中で冷却し、氷冷6.0N NaOH(水溶液)(〜pH10−11に合わせた)でゆっくりと中和して、白色沈殿を得た。生成物をジクロロメタンで抽出した(2×50mL)。集めた抽出物を水(1×25mL)および飽和塩水(1×25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、1’−(4−オキソシクロヘキシル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号64)を光沢のある白色針状結晶として得た。LC/MS m/z 315.0[M+H]+、保持時間0.76分(RP−C18、10−99% CHCN/0.05%TFA)。1H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ10.19 (s, 1H), 7.30 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.24 (dt, J=10.6, 3.9 Hz, 1H), 7.02 (dt, J=10.4, 3.8 Hz, 1H), 6.89 (dd, J=7.9, 0.9 Hz, 1H), 2.82−2.79 (m, 3H), 2.60 (dt, J=16.3, 5.5 Hz, 2H), 2.42−2.26 (m, 4H), 2.06−1.93 (m, 6H), 1.85−1.75 (m, 2H)。
【0188】
1’−(4−オキソシクロヘキシル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号64)(31mg、0.10mmol)を、無水ピリジン(500μL)中に溶解し、塩酸O−エチルヒドロキシルアミン(7mg、0.12mmol)で処理し、60℃で30分間撹拌した。反応物を室温まで冷却し、メタノール(500μL)で希釈し、逆相HPLC精製(10分の、2−30%CHCN勾配[w/0.1%TFA(水溶液)]、1.0mL注入、35mL/分)を行い、1’−(4−(エトキシイミノ)シクロヘキシル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(化合物番号3)を得た。LC/MS m/z 358.0[M+H]+、保持時間1.64分(RP−C18、10−99%CHCN/0.05%TFA)。
【0189】
公知の合成方法、スキームおよび実施例を用いて、下記の表2の化合物を含む本発明の化合物を合成することができる。
表2:式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の例示的化合物の物理的データ
【表11】

【0190】
【表12】

【0191】
VI.アッセイ
式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物のムスカリン調節活性は、以下の実施例に記載の方法により評価され得る。
【0192】
ムスカリン受容体活性を決定するための細胞内カルシウムの機能的動員:
ムスカリン受容体(MないしM)を発現するCHO細胞を、単層として組織培養フラスコ中、37℃にて5%CO含有加湿雰囲気下で培養し、3−5日毎に継代する。増殖培地は25mM Hepesを含み、ウシ胎仔血清(Hyclone, cat# SH30071.03)、0.1mMのMEM非必須アミノ酸(GIBCO, Cat# 11140−050)、1mM MEMピルビン酸ナトリウム(GIBCO Cat# 11360−070)、ならびに100単位/mlのペニシリンGおよび100μg/mlのストレプトマイシン(GIBCO Cat# 15140−122)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM, Gibco Cat# 12430−054))である。組み換えムスカリン受容体細胞株を、25μg/mlゼオシンおよび500μg/ml G418(M−CHO)、4μg/ml ピューロマイシン、50μg/mlゼオシンおよび2.5μg/mlブラスチシジン(MおよびM−CHO)、または50μg/mlゼオシンおよび4μg/mlピューロマイシン(MおよびM−CHO)を含む培地で抗生物質圧下に増殖させる。
【0193】
細胞を、Versene(GIBCO Cat# 15040−066)を使用して80−90%コンフルエンスで回収し、遠心により集め、播種して18−24後に黒色壁、透明底384ウェルプレート(BD Biocoat、ポリ−D−リシン、Cat# 356663)中5,000−10,000細胞/ウェルの密度でカルシウムアッセイを行う。実験の日に、細胞をプレート洗浄機(Bioteck Instruments, ELX 405)で、1mMプロベネシド含有浴1緩衝液(140mM NaCl、4.5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM Hepes−Na、10mM グルコース、NaOHでpH7.4)を使用して洗浄する。次に、カルシウム色素Fluo−3(25μl/ウェルのFluo−3 AM、4μM、Molecular Probes F−1241、1mM プロベネシド含有浴1緩衝液中)を、プレート洗浄後に各ウェルに残っている25μlの浴1に添加し、色素を37℃にて、組織培養インキュベーター中60から90分間負荷する。蛍光色素を、1mMプロベネシド含有浴1でのプレート洗浄により除去し、洗浄後にこの溶液を25μl/ウェル残す。あるいは、細胞をMolecular Devices(Calcium 3 Assay Reagents, Cat# R7181)からのカルシウムインディケーターで、1mMプロベネシド含有浴1中の5μlの5×溶液色素(20×溶液を製造するために、10ml/色素フラスコcat# R7182)を20μlの同じ緩衝液へ添加することにより、負荷し得る。60分間の負荷後、実験を色素を除去することなく行い得る。
【0194】
化合物を、1mMプロベネシド含有浴1中で予めスポットした化合物を再構成することにより、96ウェルプレート(丸底、Costar Corning cat# 3656)中に2倍濃度で製造する。最終DMSO濃度は0.5%であり、DMSOの量をアッセイプレートを通して標準化する。ムスカリン受容体に対する化合物のアゴニスト作用を決定するために、再構成した化合物を、FLIPR 3装置(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)の多チャネル自動システムを使用して、細胞アッセイプレート(25μl/ウェル含有)に添加する(25μl化合物/ウェル)。ムスカリン受容体に対する化合物の機能的阻害作用を決定するために、再構成した化合物をアッセイプレートに添加し(25μl化合物/ウェル)、15分間プレインキュベートし、その後25μlのカルバコールを各ムスカリンサブタイプに対する3×EC80で添加する。あるいは、化合物をアゴニストと同時に添加してよい。両方のアッセイモードにおいて、蛍光を60秒(励起波長488nMおよび放出波長540nm)、FLIPR 3 instrumentを用いて記録する。
【0195】
ムスカリン化合物の効力、効果および選択性を、全ファミリー(MからM細胞)にわたり化合物活性をスクリーニングすることにより評価した。化合物を、M受容体に対する選択性を決定するために、他のタンパク質、例えば他のGPCRおよびイオンチャネルに対する活性についてもスクリーニングした。
【0196】
本発明の化合物は、他の受容体タイプよりもMおよび/またはMムスカリン受容体を選択的に調節することが明らかとなった。
【0197】
およびM受容体調節に対する式(I、Ia、Ib、IcおよびId)のムスカリン化合物の活性および効果の例を、下記の表3に示す。MおよびMに対する化合物活性を、活性が2.0μM未満で測定されたとき“+++”、活性が2.0μMないし5.0μMで測定されたとき“++”、活性が5.0μM以上で測定されたとき“+”、およびデータが得られないとき“−”として記載する。MおよびM調節に対する効果を、効果が100%以上であると計算されたとき“+++”、効果が100%ないし25%と計算されたとき“++”、効果が25%未満であると計算されたとき“+”、およびデータが得られないとき“−”として記載する。100%効果は、カルバコール対照で得られる最大応答であることに注意すべきである。
【0198】
表3:式(I、Ia、Ib、IcおよびId)の化合物の活性および効果
【表13】


【表14】


【表15】

【0199】
他の態様
本発明はその詳細な記載と関連して記載されているが、上記の記載は説明を意図するものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、それは添付の特許請求の範囲により定義されるものであることは理解されるべきである。他の局面、利点、および修飾は特許請求の範囲の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムスカリン受容体の活性を調節する方法であって、該受容体と、式I:
【化1】


[式中、
Xは、
−NR50−または−O−〔ここで、R50は、独立して、水素または所望により置換されていてよいC1−6脂肪族である。〕であり;
は、
所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族であり;
は、
−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−4脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕であり;
は、
それぞれ独立して、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよい(脂肪族)オキシ、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;そして
nは、0−4である。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を接触させる工程を含む、方法。
【請求項2】
が、独立して、−Z〔ここで、Zが、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−12脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位が、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
が、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして
が、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。ただし、Zが結合であり、RがRであるとき、Rが、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
が、−Z〔ここで、Zが、独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位が、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
が、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして
が、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。ただし、Zが結合であり、RがRであるとき、Rが、所望により置換されていてよいC1−6脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
が、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族である、請求項1−3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
が、単環式、二環式、または三環式シクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
が、所望により1−3個のハロ、オキソ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、または所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいオキシム、所望により置換されていてよい(脂肪族)オキシ、所望により置換されていてよいカルボキシ、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい、所望により置換されていてよい3−8員の単環式シクロ脂肪族である、請求項1−5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
が、シクロプロパン−イル、シクロブタン−イル、シクロペンタン−イル、シクロヘキサン−イル、シクロヘプタン−イル、またはシクロオクタン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、所望により置換されていてよいオキシム、(脂肪族)カルボニル、(脂肪族)オキシ、(アラルキル(オキシ))イミノ、(脂肪族(オキシ))カルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項1−6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
が、所望により置換されていてよい二環式シクロ脂肪族である、請求項1−7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
が、架橋二環式シクロ脂肪族、縮合二環式シクロ脂肪族、またはスピロ二環式シクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
が、所望により置換されていてよい6−9員の架橋二環式シクロ脂肪族である、請求項1−9のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
が、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−イル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−イル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−イル、ビシクロ[3.2.1]オクタン−イル、またはビシクロ[3.3.1]ノナン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、アルコキシカルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項1−10のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
が、所望により置換されていてよい6−10員の縮合二環式シクロ脂肪族である、請求項1−11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
が、オクタヒドロペンタレン−イル、オクタヒドロ−1H−インデン−イル、またはデカヒドロナフタレン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、アルコキシカルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項1−12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
が、所望により置換されていてよい9−12員のスピロ二環式シクロ脂肪族である、請求項1−13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
が、スピロ[5.5]ウンデカン−イル、スピロ[4.5]デカン−イル、またはスピロ[5.6]ドデカン−イル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
が、所望により置換されていてよいアダマンチルである、請求項1−15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
が、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である、請求項1−16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
が、N、OおよびSから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい単環式または所望により置換されていてよい二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項1−17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
が、N、OおよびSから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する、望により置換されていてよい4−8員の単環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項1−18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
が、テトラヒドロフラン−イル、ピロリン−イル、ピロリジン−イル、1,3−ジオキソラン−イル、イミダゾリジン−イル、2−イミダゾリン−イル、ピラゾリン−イル、ピラゾリジン−イル、テトラヒドロピラニル、ピペリジン−イル、1,4−ジオキサン−イル、モルホリン−イル、1,4−ジチアン、チオモルホリン、またはピペラジン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、カルボキシ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、(脂肪族)ヘテロアリール、(脂肪族)ヘテロシクロ脂肪族、(脂肪族)カルボニル、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項1−19のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
が、所望により置換されていてよい6−10員の架橋二環式ヘテロシクロ脂肪族、縮合二環式ヘテロシクロ脂肪族、またはスピロ二環式ヘテロシクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−20のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
が、所望により置換されていてよい6−9員の架橋二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項1−21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
が、5−アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン−イル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル、または8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、カルボキシ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項1−22のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
が、所望により置換されていてよいスピロ二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項1−23のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
が、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−イル;1,4−ジオキサスピロ[4.4]ノナン−イル;1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン−イル;または、6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−イル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−24のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
が、所望により置換されていてよい脂肪族である、請求項1−25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
が、所望により置換されていてよい直鎖もしくは分枝鎖C1−8脂肪族である、請求項1−26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、またはネオヘキシル(その各々が、所望により1−3個のハロ、オキソ、または所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアミノ、所望により置換されていてよい脂肪族スルホニル、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項1−27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
が、水素;テトラヒドロフラン−3−イル−メチル;4−(ヒドロキシ)シクロヘキシル;4−(エトキシ(イミノ)シクロヘキシル;シクロヘキシル;シクロヘプタニル;N−(メチル(カルボニル))ピペリジル;(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル;3−(メチル)シクロヘキシル;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル;イソプロピル;テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル;N−(ブト−3−イニル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;N−(エトキシ(カルボニル(ピペリジン−4−イル)メチル;4−プロピルシクロヘキシル;2−メトキシシクロヘキシル;4−(フェニル(メチル(オキシ(イミノ))))シクロヘキシル;シクロヘプチル;N−(イソプロピル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;4−(シクロヘキサン−イル)シクロヘキシル;(シクロプロパン−イル)メチル;シクロオクチル;4−(メトキシ(イミノ))シクロヘキシル;N−(プロポキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;N−(ペント−2−イニル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;4−(tert−ブチル(オキシ(イミノ)))シクロヘキシル;(シクロヘキシル)メチル;4−(エチル)シクロヘキシル;2,6,6−(トリメチル(シクロヘキサ−1,3−ジエン−イル))メチル;N−(メトキシ(エトキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;デカヒドロナフタレン−2−イル;1,1−ジメチルプロピル;プロピル;4−(エトキシ(カルボニル))シクロヘキシル;テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル;3−(メチル)シクロペンチル;4−(メチル)シクロヘキシル;2−(エチル)ブチル;
4,4−(ジメチル)シクロヘキシ−2−エン−イル;エチル;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル;2−(メチル)シクロヘキシル;1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル;N−(プロプ−2−イン−イル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;ピペリジン−4−イル;ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル;メチル;(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル;4−(イソプロポキシ(イミノ))シクロヘキシル;N−(フェニル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;フェニルメチル;N−(メトキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;シクロペンチル;4−(tert−ブチル)シクロヘキシル;3,3−ジメチルブチル;2,4−(ジメチル(シクロヘキシ−3−エン−イル))メチル;4−オキソシクロヘキシル;3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル;4−(エトキシ(イミノ))シクロヘキシル;ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル;ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−イル;6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−イル;エチルプロピル;N−(ピラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル;4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル;3−メチルブチル;4−(フェニル(オキシ(イミノ)))シクロヘキシル;(シクロヘキシ−1−エン−イル)メチル;4−(シアノ−4−(フェニル))シクロヘキシル;4−(プロプ−2−エン−イル(オキシ(イミノ)))シクロヘキシル;テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル;シクロペンチルメチル;シクロノニル;シクロブチル;アダマンチル;8−エトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル;3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル;ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル;N−(シクロプロピル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;4−イソプロピル;スピロ[5.5]ウンデカン−2−イル;4−(フェニル)シクロヘキシル;(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル;(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル;4−(3−エチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)シクロヘキシル;N−(3−エチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル;シクロヘキシルメチル;および、4−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)シクロヘキシルから選択される1個である、請求項1−28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
が、水素または所望により置換されていてよい直鎖もしくは分枝鎖C1−6脂肪族である、請求項1−29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
が、所望により置換されていてよい直鎖もしくは分枝鎖C1−6アルキルである、請求項1−30のいずれか一項記載の方法。
【請求項32】
が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、またはネオヘキシル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
が、メチル、エチル、またはプロピル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、または所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、または所望により置換されていてよいアルコキシで置換されていてよい。)である、請求項1−32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
が、所望により置換されていてよいC2−6アルケニルまたは所望により置換されていてよいC2−6アルキニルである、請求項1−33のいずれか一項記載の方法。
【請求項35】
が、プロプ−2−エン−イル、ブト−2−エン−イル、ブト−3−エン−イル、ブト−2−イン−イル、またはブト−3−イン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、または所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、または所望により置換されていてよいアルコキシで置換されていてよい。)である、請求項1−34のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
が、水素、ブト−2−イン−イル;イソプロピル、プロピル、2−(オキソ)プロピル、エチル、(メトキシ)エチル、2−(メチル)プロピル、メチル、(フェニル)メチル、プロプ−2−エン−イル、および2−(フェニル−2−(オキソ))エチルから選択される1個である、請求項1−35のいずれか一項記載の方法。
【請求項37】
が、独立して、−Z〔ここで、Zが、独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位が、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして、Rが、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である、請求項1−36のいずれか一項記載の方法。
【請求項38】
が、−Z〔ここで、Zが結合であり、Rが水素である。〕である、請求項1−37のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
Xが−O−である、請求項1−38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
ムスカリン受容体の活性を調節する方法であって、該受容体と、以下のもの:
【表1】


【表2】


【表3】


【表4】


【表5】


【表6】


【表7】


【表8】


【表9】


【表10】


から選択される化合物を接触させる工程を含む、方法。
【請求項41】
式Ia:
【化2】


[式中、
Xは、
−NR50−または−O−であり、
50は、独立して、水素または所望により置換されていてよいC1−6脂肪族であり;
1aは、
所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族であり;
は、
−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−4脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕であり;
は、
それぞれ独立して、水素、ハロ、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよい(脂肪族)オキシ、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールであり;そして
nは、0−4である。
ただし、R1aが、置換された脂肪族であるとき、R1aが、1−3個のハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−NH、所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族で置換され;
1aが、単環式ヘテロシクロ脂肪族で置換された脂肪族であるとき、該単環式ヘテロシクロ脂肪族がアリールで置換されておらず;そして
1aが、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族であるとき、R1aが、置換された単環式ヘテロ脂環式基で置換されていない。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項42】
1aが所望により置換されていてよいシクロ脂肪族である、請求項41記載の化合物。
【請求項43】
1aが、単環式、二環式、または三環式シクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項41または42に記載の化合物。
【請求項44】
が、所望により1−3個のハロ、オキソ、オキシム、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、または所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよい(脂肪族)オキシ、所望により置換されていてよい(脂肪族(オキシ))カルボニル、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、非置換単環式ヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよい二環式ヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい、所望により置換されていてよい3−8員の単環式シクロ脂肪族である、請求項41−43のいずれか一項記載の化合物。
【請求項45】
1aが、シクロプロパン−イル、シクロブタン−イル、シクロペンタン−イル、シクロヘキサン−イル、シクロヘプタン−イル、またはシクロオクタン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、オキシム、(脂肪族)カルボニル、(脂肪族)オキシ、カルボキシ、シクロ脂肪族、非置換単環式ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項41−44のいずれか一項記載の化合物。
【請求項46】
1aが、架橋二環式シクロ脂肪族、縮合二環式シクロ脂肪族、またはスピロ二環式シクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項41−45のいずれか一項記載の化合物。
【請求項47】
1aが、所望により置換されていてよい6−9員の架橋二環式シクロ脂肪族である、請求項41−46のいずれか一項記載の化合物。
【請求項48】
1aが、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−イル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−イル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−イル、ビシクロ[3.2.1]オクタン−イル、またはビシクロ[3.3.1]ノナン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、アルコキシカルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項41−47のいずれか一項記載の化合物。
【請求項49】
1aが、所望により置換されていてよい6−10員の縮合二環式シクロ脂肪族である、請求項41−48のいずれか一項記載の化合物。
【請求項50】
1aが、オクタヒドロペンタレン−イル、オクタヒドロ−1H−インデン−イル、またはデカヒドロナフタレン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、アルコキシカルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項41−49のいずれか一項記載の化合物。
【請求項51】
1aが、所望により置換されていてよい9−12員のスピロ二環式シクロ脂肪族である、請求項41−50のいずれか一項記載の化合物。
【請求項52】
1aが、スピロ[5.5]ウンデカン−イル、スピロ[4.5]デカン−イル、またはスピロ[5.6]ドデカン−イル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項41−51のいずれか一項記載の化合物。
【請求項53】
1aが、所望により置換されていてよいアダマンチルである、請求項41−52のいずれか一項記載の化合物。
【請求項54】
1aが、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である、請求項41−53のいずれか一項記載の化合物。
【請求項55】
1aが、N、OおよびSから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい単環式または二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項41−54のいずれか一項記載の化合物。
【請求項56】
1aが、N、OおよびSから独立して選択される1−3個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい4−8員の単環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項41−55のいずれか一項記載の化合物。
【請求項57】
1aが、テトラヒドロフラン−イル、ピロリン−イル、ピロリジン−イル、1,3−ジオキソラン−イル、イミダゾリジン−イル、2−イミダゾリン−イル、ピラゾリン−イル、ピラゾリジン−イル、テトラヒドロピラニル、ピペリジン−イル、1,4−ジオキサン−イル、モルホリン−イル、1,4−ジチアン、チオモルホリン、またはピペラジン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、(脂肪族(オキシ))カルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、ヘテロアリール、(脂肪族)ヘテロアリール、(脂肪族)ヘテロシクロ脂肪族、(脂肪族)カルボニル、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項41−56のいずれか一項記載の化合物。
【請求項58】
1aが、所望により置換されていてよい6−9員の架橋二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項41−57のいずれか一項記載の化合物。
【請求項59】
1aが、5−アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン−イル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル、または8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、脂肪族、アルコキシカルボニル、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項41−58のいずれか一項記載の化合物。
【請求項60】
1aが、所望により置換されていてよい9−12員のスピロ二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項41−59のいずれか一項記載の化合物。
【請求項61】
1aが、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−イル;1,4−ジオキサスピロ[4.4]ノナン−イル;1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン−イル;または、6,10−ジオキサスピロ[4.5]デカン−イル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項41−60のいずれか一項記載の化合物。
【請求項62】
1aが、所望により置換されていてよい脂肪族である、請求項41−61のいずれか一項記載の化合物。
【請求項63】
1aが、所望により置換されていてよい直鎖もしくは分枝鎖C1−8脂肪族である、請求項41−62のいずれか一項記載の化合物。
【請求項64】
1aが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、またはネオヘキシル(その各々が、所望により1−3個のハロ、オキソ、または所望により置換されていてよいアルコキシ、所望により置換されていてよいアミノ、所望により置換されていてよい脂肪族スルホニル、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項41−63のいずれか一項記載の化合物。
【請求項65】
が、水素;テトラヒドロフラン−3−イル−メチル;4−(ヒドロキシ)シクロヘキシル;4−(エトキシ(イミノ)シクロヘキシル;シクロヘキシル;シクロヘプタニル;N−(メチル(カルボニル))ピペリジル;(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル;3−(メチル)シクロヘキシル;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル;イソプロピル;テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル;N−(ブト−3−イニル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;N−(エトキシ(カルボニル(ピペリジン−4−イル)メチル;4−プロピルシクロヘキシル;2−メトキシシクロヘキシル;4−(フェニル(メチル(オキシ(イミノ))))シクロヘキシル;シクロヘプチル;N−(イソプロピル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;4−(シクロヘキサン−イル)シクロヘキシル;(シクロプロパン−イル)メチル;シクロオクチル;4−(メトキシ(イミノ))シクロヘキシル;N−(プロポキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;N−(ペント−2−イニル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;4−(tert−ブチル(オキシ(イミノ)))シクロヘキシル;(シクロヘキシル)メチル;4−(エチル)シクロヘキシル;2,6,6−(トリメチル(シクロヘキサ−1,3−ジエン−イル))メチル;N−(メトキシ(エトキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;デカヒドロナフタレン−2−イル;1,1−ジメチルプロピル;プロピル;4−(エトキシ(カルボニル))シクロヘキシル;テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル;3−(メチル)シクロペンチル;4−(メチル)シクロヘキシル;2−(エチル)ブチル;
4,4−(ジメチル)シクロヘキシ−2−エン−イル;エチル;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル;2−(メチル)シクロヘキシル;1,4−ジオキサスピロ[4.5]デク−8−イル;N−(プロプ−2−イン−イル(オキシ(カルボニル)))ピペリジン−4−イル;ピペリジン−4−イル;ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル;メチル;(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル;4−(イソプロポキシ(イミノ))シクロヘキシル;N−(フェニル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;フェニルメチル;N−(メトキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;シクロペンチル;4−(tert−ブチル)シクロヘキシル;3,3−ジメチルブチル;2,4−(ジメチル(シクロヘキシ−3−エン−イル))メチル;4−オキソシクロヘキシル;3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル;4−(エトキシ(イミノ))シクロヘキシル;ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル;ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−イル;6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−イル;エチルプロピル;N−(ピラジン−2−イル)ピペリジン−4−イル;4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル;3−メチルブチル;4−(フェニル(オキシ(イミノ)))シクロヘキシル;(シクロヘキシ−1−エン−イル)メチル;4−(シアノ−4−(フェニル))シクロヘキシル;4−(プロプ−2−エン−イル(オキシ(イミノ)))シクロヘキシル;テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル;シクロペンチルメチル;シクロノニル;シクロブチル;アダマンチル;8−エトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル;3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル;ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル;N−(シクロプロピル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;4−イソプロピル;スピロ[5.5]ウンデカン−2−イル;4−(フェニル)シクロヘキシル;(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル;(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル;4−(3−エチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)シクロヘキシル;N−(3−エチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピペリジン−4−イル;シクロヘキシルメチル;および、4−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)シクロヘキシルから選択される1個である、請求項41−64のいずれか一項記載の化合物。
【請求項66】
が、水素または所望により置換されていてよい直鎖もしくは分枝鎖C1−6脂肪族である、請求項41−65のいずれか一項記載の化合物。
【請求項67】
が、所望により置換されていてよい直鎖もしくは分枝鎖C1−6アルキルである、請求項41−66のいずれか一項記載の化合物。
【請求項68】
が、所望により置換されていてよいメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、またはネオヘキシルである、請求項41−67のいずれか一項記載の化合物。
【請求項69】
が、メチル、エチル、またはプロピル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、または所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、または所望により置換されていてよいアルコキシで置換されていてよい。)である、請求項41−68のいずれか一項記載の化合物。
【請求項70】
が、所望により置換されていてよいC2−6アルケニルまたは所望により置換されていてよいC2−6アルキニルである、請求項41−69のいずれか一項記載の化合物。
【請求項71】
が、プロプ−2−エン−イル、ブト−2−エン−イル、ブト−3−エン−イル、ブト−2−イン−イル、またはブト−3−イン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、または所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリール、または所望により置換されていてよいアルコキシで置換されていてよい。)である、請求項41−70のいずれか一項記載の化合物。
【請求項72】
が、水素、ブト−2−イン−イル;イソプロピル、プロピル、2−(オキソ)プロピル、エチル、(メトキシ)エチル、2−(メチル)プロピル、メチル、(フェニル)メチル、プロプ−2−エン−イル、および2−(フェニル−2−(オキソ))エチルから選択される1個である、請求項41−71のいずれか一項記載の化合物。
【請求項73】
が、独立して、−Z〔ここで、Zが、それぞれ独立して、結合または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−CO−、−CS−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;Rが、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして、Rが、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である、請求項41−72のいずれか一項記載の化合物。
【請求項74】
が、−Z〔ここで、Zが結合であり、Rが水素である。〕である、請求項41−73のいずれか一項記載の化合物。
【請求項75】
Xが−O−である、請求項41−74のいずれか一項記載の化合物。
【請求項76】
以下のもの:
【表11】


【表12】


【表13】


【表14】


【表15】


【表16】


【表17】


【表18】


【表19】


【表20】


から選択される化合物。
【請求項77】
哺乳動物におけるムスカリン受容体仲介疾患を処置するか、または重篤度を低下させる方法であって、該哺乳動物に請求項41−76のいずれか一項記載の化合物を投与する工程を含む、方法。
【請求項78】
該ムスカリン受容体がMである、請求項77記載の方法。
【請求項79】
該ムスカリン受容体がMである、請求項77記載の方法。
【請求項80】
患者における疾患を処置するか、または重篤度を低下させる方法であって、該疾患が、認知障害、注意欠損過活動障害(ADHD)、肥満、アルツハイマー病、血管性認知症のような種々の認知症、統合失調症、躁病、双極性障害を含むCNS障害と関連する精神病、急性および慢性症候群を含む疼痛状態、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ失調症、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、ダウン症候群、ピック病、臨床的鬱病、パーキンソン病を含むCNS由来病状、緑内障における眼内圧の低下のような末梢障害およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよびドライマウスの治療、徐脈、胃酸分泌、喘息、GI不調、および創傷治癒から選択され、該方法が、該患者と、請求項41−76のいずれか一項記載の化合物を接触させる工程を含む、方法。
【請求項81】
請求項41−76のいずれか一項記載の化合物および医薬担体を含む、医薬組成物。

【公表番号】特表2010−500412(P2010−500412A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524667(P2009−524667)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/018012
【国際公開番号】WO2008/021375
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】