説明

メラノコルチン−4受容体作用薬としてのアシル化ピペリジン誘導体

ある種の新規なN−アシル化ピペリジン誘導体は、ヒトメラノコルチン受容体(群)の作用薬であり、及び特にヒトメラノコルチン−4受容体(MC−4R)の選択的作用薬である。従って、これらは、MC−4Rの活性化に応答性である疾患及び異常症、例えば、肥満症、糖尿病、勃起機能不全及び女性性機能不全を含む性機能不全の、治療、制御又は予防のために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アシル化ピペリジン誘導体、これらの合成及びメラノコルチン(melanocortin)受容体(MC−R)モジュレーターとしてのこれらの使用に関する。更に特に、本発明の化合物は、メラノコルチン−4受容体(MC−4R)の選択的作用薬であり、これによって、MC−4Rの活性化に応答性である異常症、例えば、肥満症、糖尿病、男性性機能不全及び女性性機能不全の治療のために有用である。
【背景技術】
【0002】
肥満症は、西洋社会に於ける主要な健康問題である。米国に於いて約9700万人の成人が、太りすぎ又は肥満であると推定されている。重篤で、致命的であり得る、肥満に付随する医学問題には、高血圧症、2型真性糖尿病、上昇した血漿インスリン濃度、インスリン抵抗性、異常脂質血症、高脂質血症、子宮内膜、乳癌、前立腺癌及び結腸癌、骨関節症、呼吸合併症、例えば閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、動脈硬化症、心臓疾患、異常心臓リズム及び心臓不整脈が含まれる(Kopelman,P.G.、Nature、第404巻、第635−643頁(2000年))。肥満症は、更に、早発死を付随し、及び発作、心筋梗塞、鬱血性心不全、冠状動脈性心疾患及び突然死からの死亡率及び罹患率に於ける顕著な増加を付随する。肥満は、また、独立して及び他の疾患に付随して、多数の健康問題を悪化させる。
【0003】
プロオピオメラノコルチン(POMC)誘導ペプチドは、食物摂取に影響を与えることが知られている。従って、5種の別個のMC−Rが以前に同定され、及びこれらは異なった組織内で発現する。MC−1Rは、主として、メラニン細胞内で発現され、及びチロシナーゼの制御により、ユーメラニン転化へのフェオメラニンを制御することによって、コートカラー(coat color)に影響を与えることが見出された。MC−2Rは、副腎内で発現され、及びACTH受容体を表す。MC−3Rは、脳、腸及び胎盤内で発現され、及び食物摂取及び熱発生の制御に含まれ得る。MC−4Rは、脳内で独特に発現され、及びこの不活性化は、肥満症を起こすことが示された(A.Kaskら、「メラノコルチン−4受容体のための選択的拮抗薬(HS014)は、自由給餌ラットに於ける食物摂取を増加させる(Selective antagonist for the melanocortin−4 receptor(HS014) increases food intake in free−feeding rats)」、Biochem.BioPhys.Res.Commun.、第245巻、第90−93頁(1998年))。MC−5Rは、白脂肪(white fat)、胎盤及び外分泌腺を含む多くの組織内並びに脳内で発現される。MC−5Rノックアウトマウスは、減少した脂腺脂質産生を現す(Chenら、Cell、第91巻、第789−798頁(1997年))。肥満症の制御のために標的にされ得る特異的単一MC−Rは、未だ同定されていないが、MC−4Rシグナリングが、給食挙動を媒介する際に重要であるという証拠が示されている(S.Q.Giraudoら、「メラノコルチン−4受容体リガンドの視床下部注入の給食影響(Feeding effects of hypothalamic injection of melanocortin−4 receptor ligands)」、Brain Research、第80巻、第302−306頁(1998年))。
【0004】
肥満症を治療するために現在使用されている体重低下薬物は、限定された効能を有する。体重低下薬物、オルリスタット(orlistat)(Davidson,M.H.ら、(1999年)JAMA、第281巻、第235−42頁)、デクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)(Guy Grand,B.ら、(1989年)Lancet、第2巻、第1142−5頁)、シブトラミン(sibutramine)(Bray,G.A.ら、(1999年)Obes.Res.&:第189−98頁)及びフェンテルミン(Douglas,A.ら、(1983年)Int.J.Obes.、第7巻、第591−5頁)の研究は、プラシーボに比較した薬物について、体重の約5%から10%の限定された体重低下を示した。これらの抗肥満薬の副作用は、これらの使用を更に限定する。デクスフェンフルラミンは、疑わしい心臓弁形成のために市場から取り下げられた。オルリスタットは、胃腸副作用によって限定され、トピラマート(topiramate)の使用は中枢神経系作用によって限定され、及びシブトラミンの使用は死の報告に至ったこの心臓血管副作用によって限定され、及びイタリーに於いて市場から取り下げられた。
【0005】
増強された効能及びより僅かな望ましくない副作用を有する、体重低下治療についての要求が存在する。本発明は、肥満症及び糖尿病を含む肥満関連異常症の治療及び予防に於いて有用である、メラノコルチン受容体(MC−R)作用薬、特にメラノコルチン−4受容体(MC−4R)の選択的作用薬を提供することにより、この問題点に取り組む。
【0006】
男性及び女性性機能不全に於けるメラノコルチン受容体影響も報告された。世界中で約1億4000万人の男性が、不能症又は勃起機能不全を患っている。勃起機能不全又は「不能症」は、成功する性交のために十分な陰茎勃起を達成することができないことの医学状態を意味する。勃起機能不全は、器官原因又は心因性原因から生じ、このような場合の約20%は、根源が純粋に心因性である。勃起機能不全は、40歳で40%から75歳で67%まで増加し、50歳以上の男性中で75%以上起こる。
【0007】
合成メラノコルチン受容体作用薬(メラニン親和性ペプチド)は、心因性勃起機能不全に罹っている男性に於いて勃起を開始することが見出された[H.Wessellsら、「合成メラニン親和性ペプチドは、心因性勃起機能不全に罹っている男性において勃起を開始する:ダブルブラインド、プラシーボ制御交差研究(Synthetic Melanotropic Peptide Initiates Erections in Men With Psychogenic Erectile Dysfunction: Double−Blind, Placebo Controlled Crossover Study)」、J.Urol.、第160巻、第389−393頁(1998年);第15回米国ペプチドシンポジウム(Fifteenth American Peptide Symposium)、1997年6月14−19日(テネシー州ナッシュビル(Nashville)参照)。脳のメラノコルチン受容体の活性化は、性覚醒の正常な刺激を起こすと思われる。上記の研究において、中枢的に作用するα−メラニン細胞刺激ホルモンアナローグである、メラノタン−II(melanotan−II)(MT−II)は、心因性勃起機能不全に罹っている男性に、筋肉内に又は皮下に注射したとき、75%応答比率を示した。MT−II(PT−14;エレクチド(Erectide)(登録商標)としても参照される)は、合成環式ヘプタペプチド、Ac−Nle−c[Asp−His−DPhe−Arg−Trp−Lys]−NHであり、これは非選択的MC−1R、−3R、−4R及び−5R作用薬である(Dorrら、Life Science、第58巻、第1777−1784頁、1996年)。勃起機能不全を治療するための薬物は、末梢的に又は中枢的に作用し、及びまた、これらが、刺激の前に、性応答を「開始する」か又は性応答を「促進する」か、に従って分類される[検討のために、「勃起機能不全のための治療の治療的分類学:進化の事実(A Therapeutic Taxonomy of Treatments for Erectile Dysfunction: An Evolutionary Imperative)」、Int.J.Impotence Res.、第9巻、第115−121頁(1997年)参照]。MT−IIは、性応答の「開始剤」であると考えられる。この薬物による勃起の開始のための時間は比較的短く(10から20分間)、作用の期間は約2.5時間である。MT−IIによって観察された逆反応は、吐き気、火照り、食欲の減退、ストレッチング及びあくびを含み、MC−1R、MC−2R、MC−3R及び/又はMC−5Rの作用の結果であろう。MT−IIは、非経口的に、例えば、皮下、静脈内又は筋肉内経路により投与しなければならない。これが、経口経路によって投与されたとき、全身循環の中に吸収されないからである。
【0008】
MT−II勃起原特性は、種々の器官危険因子を有する男性が、この化合物の皮下注射の際に陰茎勃起を起こしたという点で、明らかに心因性勃起機能不全の場合に限定されず、更に、性的欲望のレベルは、プラシーボの後よりもMT−II投与の後で著しく高かった[H.Wessells、「器官勃起機能不全に罹っている男性に於ける陰茎勃起及び性的欲望への、α−メラニン細胞刺激ホルモンアナローグの影響(Effect of an Alpha−Melanocyte Stimulating Hormone Analog on Penile Erection and Sexual Desire in Men with Organic Erectile Dysfunction)」、Urology、第56巻、第641−646頁(2000年)参照]。
【0009】
メラニン親和性ペプチドの組成物及び心因性勃起機能不全の治療方法は、コンペティティブ・テクノロジーズ社(Competitive Technologies)に譲渡された、米国特許第5,576,290号明細書に開示されている。メラニン親和性ペプチドを使用する女性に於ける性応答の刺激方法は、米国特許第6,051,555号明細書に開示された。
【0010】
スピロピペリジン、ピペリジン及びピペラジン誘導体は、米国特許第6,294,534号明細書、米国特許第6,350,760号、米国特許第6,376,509号、米国特許第6,410,548号、米国特許第6,458,790号、米国特許第6,472,398;米国特許出願公報第2002/0004512号、米国特許第2002/0019523号、米国特許第2002/0137664号、米国特許第2003/0092732号、米国特許第2003/0236262号、米国特許第2003/0225060;及び国際特許公報第WO99/64002号、WO00/74679号、WO01/058891号、WO01/70708号、WO01/70337号、WO01/91752号、WO02/015909号、WO02/067869号、WO02/068387号、WO02/068388号、WO02/079146号、WO03/007949号、WO03/009847号、WO03/057671号、WO03/068738号、WO03/092690号、及びWO04/024720号中に、メラノコルチン受容体(群)の作用薬として、特にMC−4R受容体の選択的作用薬として開示されており、これによって、肥満症、糖尿病並びに勃起機能不全及び女性性機能不全を含む性機能不全のような、疾患及び異常症の治療のために有用である。
【0011】
勃起機能不全の治療のための他の薬物学的アプローチが記載された[例えば、「勃起機能不全の診断及び治療に於ける最近の発見(Latest Findings on the Diagnosis and Treatment of Erectile Dysfunction)」、Drug News & Perspectives、第9巻、第572−575頁(1996年);「勃起機能不全に於ける経口薬理療法(Oral Pharmacotherapy in Erectile Dysfunction)」、Current Opinion in Urology、第7巻、第349−353頁(1997年)参照]。
【0012】
前記の種々の薬物の解決されない欠陥のために、心因性及び/又は器官性性機能不全を患っている個体を治療するための、改良された方法及び組成物のための、医学分野に於ける継続する要求が存在している。このような方法は、現在利用可能な薬物と比較したとき、より広い適用可能性、増強された便宜性及び追従(compliance)の容易性、作用の短い開始、妥当に長い作用の期間並びに僅かな禁忌で最小の副作用を有していなくてはならない。本発明は、男性勃起機能不全及び女性性機能不全を含む、性機能不全の治療及び予防に於いて有用である、メラノコルチン受容体(MC−R)作用薬、特にメラノコルチン−4受容体(MC−4R)の選択的作用薬を提供することにより、この問題点に取り組む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明目的は、メラノコルチン受容体作用薬であり、及びこれによって、肥満症、糖尿病、男性性機能不全及び女性性機能不全を治療するために有用である、アシル化ピペリジン誘導体を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、メラノコルチン−4(MC−4R)受容体の選択的作用薬である、アシル化ピペリジン誘導体を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、医薬適合性の担体と共に、本発明のメラノコルチン受容体作用薬を含む医薬組成物を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによる、必要である哺乳動物に於ける、メラノコルチン−4受容体の活性化に対して応答性である、異常症、疾患又は状態の治療又は予防方法を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、必要である哺乳動物に、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによる、肥満症、真正糖尿病、男性性機能不全及び女性性機能不全の治療又は予防方法を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、必要である哺乳動物に、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによる、勃起機能不全の治療方法を提供することである。
【0019】
これらの及び他の目的は、下記の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、構造式I:
【0021】
【化7】

の新規な4−フェニル置換ピペリジンに関する。
【0022】
これらのピペリジン誘導体は、メラノコルチン受容体作用薬として有効であり、及び選択的メラノコルチン−4受容体(MC−4R)作用薬として特に有効である。従って、これらは、MC−4Rの活性に応答する異常症、例えば、肥満症、糖尿病並びに男性及び女性性機能不全、特に男性勃起機能不全の治療及び/又は予防のために有用である。
【0023】
本発明は、更に、本発明の化合物及び医薬適合性の担体を含有する医薬組成物に関する。
【0024】
本発明は、また、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによる、必要である哺乳動物に於ける、メラノコルチン−4受容体活性に応答する異常症、疾患又は状態の治療又は予防方法に関する。
【0025】
本発明は、また、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによる、肥満症、真性糖尿病、男性性機能不全及び女性性機能不全の治療又は予防方法に関する。
【0026】
本発明は、また、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによる、勃起機能不全の治療方法に関する。
【0027】
本発明は、また、治療的に有効量の、勃起機能不全の状態を治療するために有用であることが知られている他の薬物と組み合わせて、本発明の化合物を投与することによる、勃起機能不全の治療方法に関する。
【0028】
本発明は、また、治療的に有効量の、肥満症の状態を予防又は治療するために有用であることが知られている他の薬物と組み合わせて、本発明の化合物を投与することによる、肥満症の治療又は予防方法に関する。
【0029】
本発明は、また、治療的に有効量の、糖尿病の状態を予防又は治療するために有用であることが知られている他の薬物と組み合わせて、本発明の化合物を投与することによる、糖尿病の治療又は予防方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、メラノコルチン受容体作用薬として、特に選択的MC−4R作用薬として有用である、4−置換N−アシル化ピペリジン誘導体に関する。本発明の化合物は、構造式I:
【0031】
【化8】

【0032】
[式中、R及びRは、
(1)ハロゲン、
(2)CF
(3)CH、及び
(4)OCH
からなる群から選択され、
及びRは、独立して、
(1)−C1−4アルキル、
(2)−CF
(3)ハロゲン、
(4)−OC1−4アルキル、
(5)−OCF
(6)−OCHF
(7)−S(O)1−4アルキル、及び
(8)−CN
(但し、アルキルは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され又はR及びR置換基は、これらが結合している炭素と一緒になって、場合により、O、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されたヘテロ原子を含有する、4から6員環を形成し、
は、
(1)−C1−8アルキル、
(2)−(CH−ヘテロアリール、
(3)−(CHヘテロシクロアルキル、
(4)ハロゲン、
(5)−OR
(6)−(CHC(O)R
(7)−(CHOC(O)R
(8)−(CHC(O)OR
(9)−(CHC≡N、
(10)−(CHN(R
(11)−(CHC(O)N(R
(12)−(CHNRC(O)R
(13)−(CHNRC(O)OR
(14)−(CHNRC(O)−ヘテロアリール、
(15)−(CHNRC(O)N(R
(16)−(CHNR−ヘテロアリール、
(17)−(CHC(O)NRN(R
(18)−(CHC(O)NRNRC(O)R
(19)−(CHNRS(O)
(20)−(CHS(O)N(R
(21)−(CHS(O)
(22)−O(CHC(O)N(R
(23)−(CHCF、及び
(24)−O(CHCF
(但し、ヘテロアリールは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され、及びR中のあらゆるアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子は、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から2個の置換基によって置換されており又は同じR炭素原子上の2個の置換基は、この炭素原子と一緒になって、3から6員環を形成し、
それぞれのRは、独立して、
(1)水素、
(2)C1−8アルキル、
(3)フェニル、
(4)ヘテロアリール、
(5)−(CHヘテロシクロアルキル及び
(6)C3−6シクロアルキル
(但し、アルキル、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキルは、置換されていない又はハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシ及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され又は2個のR置換基は、これらが結合している原子と一緒になって、場合により、O、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択された追加のヘテロ原子を含有する、4から8員の単−又は二環式環系を形成し、
rは1又は2であり、
sは0、1又は2であり、
nは0、1、2、3又は4であり、及び
pは0、1又は2である]
又はこの医薬適合性の塩によって記載される。
【0033】
本発明の化合物の更に別の実施態様に於いて、ジフルオロフェニル及びピペリジンカルボニル置換基のトランス配向を有する、記載された相対的立体化学立体配置の構造式IIa又はIIb:
【0034】
【化9】

【0035】
[式中、R及びRは、
(1)クロロ、
(2)フルオロ、
(3)ブロモ、
(4)CF
(5)CH、及び
(6)OCH
からなる群から選択され、
及びRは、独立して、
(1)−C1−4アルキル、
(2)−CF
(3)ハロゲン、
(4)−OC1−4アルキル、
(5)−OCF
(6)−OCHF
(7)−S(O)1−4アルキル、及び
(8)−CN
(但し、アルキルは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され又はR及びR置換基は、これらが結合している炭素と一緒になって、場合により、O、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されたヘテロ原子を含有する、4から6員環を形成し、
は、
(1)−C1−8アルキル、
(2)−(CH−ヘテロアリール、
(3)−(CHヘテロシクロアルキル、
(4)ハロゲン、
(5)−OR
(6)−(CHC(O)R
(7)−(CHOC(O)R
(8)−(CHC(O)OR
(9)−(CHC≡N、
(10)−(CHN(R
(11)−(CHC(O)N(R
(12)−(CHNRC(O)R
(13)−(CHNRC(O)OR
(14)−(CHNRC(O)−ヘテロアリール、
(15)−(CHNRC(O)N(R
(16)−(CHNR−ヘテロアリール、
(17)−(CHC(O)NRN(R
(18)−(CHC(O)NRNRC(O)R
(19)−(CHNRS(O)
(20)−(CHS(O)N(R
(21)−(CHS(O)
(22)−O(CHC(O)N(R
(23)−(CHCF、及び
(24)−O(CHCF
(但し、ヘテロアリールは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され、及びR中のあらゆるアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子は、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から2個の置換基によって置換されており又は同じR炭素原子上の2個の置換基は、この炭素原子と一緒になって、3から6員環を形成し、
それぞれのRは、独立して、
(1)水素、
(2)C1−8アルキル、
(3)フェニル、
(4)ヘテロアリール、
(5)−(CHヘテロシクロアルキル及び
(6)C3−6シクロアルキル
(但し、アルキル、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキルは、置換されていない又はハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシ及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され又は2個のR置換基は、これらが結合している原子と一緒になって、場合により、O、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択された追加のヘテロ原子を含有する、4から8員の単−又は二環式環系を形成し、
rは1又は2であり、
nは0、1、2、3又は4であり、及び
pは0、1又は2である]
の化合物又はこの医薬適合性の塩が提供される。
【0036】
本発明の化合物の更に別の実施態様に於いて、構造式IIIa又はIIIb:
【0037】
【化10】

【0038】
(式中、Rは、クロロ及びフルオロから選択され、及びR、R及びRは、前記定義された通りである)
の化合物又はこの医薬適合性の塩が提供される。
【0039】
本発明の化合物の更に別の実施態様に於いて、構造式IVa又はIVb:
【0040】
【化11】

【0041】
(式中、Rは、クロロ及びフルオロから選択され、及びR、R及びRは、前記定義された通りである)
の化合物又はこの医薬適合性の塩が提供される。
【0042】
本発明の実施態様の一クラスに於いて、Rは、メチル、クロロ及びフルオロからなる群から選択される。このクラスのサブクラスに於いて、Rはフルオロである。
【0043】
本発明の実施態様の別のクラスに於いて、Rは、フルオロ及びクロロからなる群から選択される。このクラスのサブクラスに於いて、Rはフルオロである。このクラスの別のサブクラスに於いて、Rはクロロである。
【0044】
本発明の実施態様の別のクラスに於いて、R及びRは、独立して、−C1−4アルキル、−CF、ハロゲン、−OC1−4アルキル、−OCF、−OCHF、−S(O)1−4アルキル、及び−CN(但し、アルキルは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され又はR及びR置換基は、これらが結合している炭素と一緒になって、場合により、O、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されたヘテロ原子を含有する、4から6員環を形成する。このクラスのサブクラスに於いて、R及びRは、独立して、−C1−4アルキル及びハロゲン(但し、アルキルは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され又はR及びR置換基は、これらが結合している炭素と一緒になって、4から6員環を形成する。このクラスの別のサブクラスに於いて、R及びRは、独立して、メチル、クロロ及びフルオロからなる群から選択される。このクラスの別のサブクラスに於いて、R及びRの少なくとも一方はメチルである。このクラスの別のサブクラスに於いて、Rはクロロであり、及びRはメチルである。このクラスの別のサブクラスに於いて、Rはメチルであり、及びRはクロロである。このクラスの別のサブクラスに於いて、Rはフルオロであり、及びRはメチルである。このクラスの別のサブクラスに於いて、Rはメチルであり、及びRはフルオロである。このクラスの更に別のサブクラスに於いて、R及びRの両方はメチルであり、及びR及びR置換基は、これらが結合している炭素と一緒になって、4から6員環を形成する。
【0045】
本発明の実施態様の別のクラスに於いて、Rは、−C1−8アルキル、−(CH−ヘテロアリール、−(CHヘテロシクロアルキル、ハロゲン、−OR、−(CHC(O)R、−(CHOC(O)R、−(CHC(O)OR、−(CHC≡N、−(CHN(R)、−(CHC(O)N(R、−(CHNRC(O)R、−(CHNRC(O)OR−(CHNRC(O)−ヘテロアリール、−(CHNRC(O)N(R、−(CHNR−ヘテロアリール、−(CHC(O)NRN(R、−(CHC(O)NRNRC(O)R、−(CHNRS(O)、−(CHS(O)N(R、−(CHS(O)、−O(CHC(O)N(R、−CF、−CHCF、−OCF、及びOCHCF(但し、ヘテロアリールは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され、及びR中のあらゆるアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子は、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から2個の置換基によって置換されいる。このクラスのサブクラスに於いて、Rは、−(CH−ヘテロアリール、及び(CHNRC(O)R、(但し、ヘテロアリールは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され、及びR中のあらゆるメチレン(CH)炭素原子は、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から2個の置換基によって置換されており又は同じR炭素原子上の2個の置換基は、この炭素原子と一緒になって、3から6員環を形成する。この実施態様のクラスに於いて、Rは、−(CH−ヘテロアリール、及び(CHNRC(O)R(但し、ヘテロアリールは、置換されていない又はメチル及びエチルから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され、及びR中のあらゆるメチレン(CH)炭素原子は、メチル及びエチルから独立して選択された1から2個の置換基によって置換されている。Rのこれらのクラスの別のサブクラスに於いて、R中のあらゆるメチレン(CH)炭素原子は、メチル及びエチルから独立して選択された1から2個の置換基によって置換されている。Rのこれらのクラスの別のサブクラスに於いて、ヘテロアリールは、トリアゾール及びテトラゾールからなる群から選択される。
【0046】
本発明の実施態様の別のクラスに於いて、rは1である。このクラスのサブクラスに於いて、rは1であり、及びsは1である。
【0047】
本発明の実施態様の別のクラスに於いて、rは2である。このクラスのサブクラスに於いて、rは2であり、及びsは1である。
【0048】
メラノコルチン−4受容体作用薬として有用である、本発明の化合物の、追加の例示であるが、限定ではない実施例は、下記のもの:
【0049】
【化12】



及びこれらの医薬適合性の塩である。
【0050】
メラノコルチン−4受容体作用薬として有用である、本発明の化合物の、追加の例示であるが、限定ではない実施例は、下記のもの:
【0051】
【化13】


及びこれらの医薬適合性の塩である。
【0052】
構造式Iの化合物は、メラノコルチン受容体リガンドとして有効であり、及びMC−4Rの選択的作用薬として特に有効である。従って、これらは、MC−4Rの活性化に対して応答性である異常症、例えば、肥満、糖尿病並びに男性及び/又は女性性機能不全、特に、勃起機能不全、更に特に、男性勃起機能不全の治療及び/又は予防のために有用である。
【0053】
本発明の一つの側面は、哺乳動物に、治療的に又は予防的に有効量の構造式Iの化合物を投与することを含む、必要である哺乳動物に於ける、メラノコルチン−4受容体の活性化に対して応答性である、異常症、疾患又は状態の治療又は予防方法を提供する。
【0054】
本発明の別の側面は、哺乳動物に、治療的に又は予防的に有効量の構造式Iの化合物を投与することを含む、必要である哺乳動物に於ける肥満の治療又は予防方法を提供する。本発明の別の側面は、哺乳動物に、治療的に又は予防的に有効量の構造式Iの化合物を投与することを含む、必要である哺乳動物に於ける糖尿病の治療又は予防方法を提供する。
【0055】
本発明の更に別の側面は、肥満の治療又は予防が必要である哺乳動物に、治療的に又は予防的に有効量の構造式Iの化合物を、治療的に有効量の、この状態の治療のために有用であることが知られている他の薬物と組み合わせて、投与することを含む、肥満の治療又は予防方法を提供する。本発明の別の側面は、哺乳動物に、治療的に有効量の構造式Iの化合物を、インスリン増感剤、疑似インスリン(insulin mimetic)、スルホニルウレア、α−グルコシダーゼ阻害薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、セロトニン作動性薬、β3−アドレナリン受容体作用薬、神経ペプチドY1拮抗薬、神経ペプチドY5拮抗薬、膵リパーゼ阻害薬、カンナビノイドCB1受容体拮抗薬若しくは反作用薬、メラニン濃縮ホルモン受容体拮抗薬、ボンベシン受容体サブタイプ3作用薬、グレリン(ghrelin)受容体拮抗薬又はジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬と組み合わせて、投与することを含む、必要である哺乳動物に於ける糖尿病又は肥満症の治療又は予防方法を提供する。本発明の別の側面は、哺乳動物に、治療的に又は予防的に有効量の構造式Iの化合物を投与することを含む、必要である哺乳動物に於ける、食べ過ぎ、馬鹿食い及び過食症、高血圧、糖尿病、上昇した血漿インスリン濃度、インスリン抵抗性、異常脂質血症、高脂質血症、子宮内膜、乳癌、前立腺及び結腸癌、骨関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心臓疾患、異常心臓リズム及び不整脈、心筋梗塞、鬱血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、発作、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プレーダー・ウィリィ症候群、フレーリッヒ症候群、GH−欠落被検者、正常変異短身長(normal variant short stature)、ターナー症候群、メタボリック症候群、インスリン抵抗性症候群、性及び生殖機能不全、不妊症、性機能低下症、多毛症、肥満関連胃食道逆流、ピクウィック症候群、心臓血管異常症、炎症、脈管系の全身性炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸症(hyperuricaemia)、より低いバックペイン(lower back pain)、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌、心臓肥大並びに左心室肥大からなる群から選択された肥満関連異常症の治療又は予防方法を提供する。
【0056】
本発明の更に別の側面は、インスリン増感剤、疑似インスリン、スルホニルウレア、α−グルコシダーゼ阻害薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、セロトニン作動性薬、β3−アドレナリン受容体作用薬、神経ペプチドY1拮抗薬、神経ペプチドY5拮抗薬、膵リパーゼ阻害薬、カンナビノイドCB1受容体拮抗薬又は反作用薬、メラニン濃縮ホルモン受容体拮抗薬、ボンベシン受容体サブタイプ3作用薬、グレリン受容体拮抗薬及びジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬からなる群から選択された第二活性成分を更に含有する、構造式Iの化合物の医薬組成物を提供する。
【0057】
本発明の別の側面は、哺乳動物に、治療的に又は予防的に有効量の構造式Iの化合物を投与することを含む、必要である哺乳動物に於ける男性又は女性性機能不全の治療又は予防方法を提供する。本発明の別の側面は、哺乳動物に、治療的に又は予防的に有効量の構造式Iの化合物を投与することを含む、必要である哺乳動物に於ける勃起機能不全の治療又は予防方法を提供する。
【0058】
本発明の別の側面は、勃起機能不全を含む男性又は女性性機能不全の治療又は予防が必要である哺乳動物に、治療的に又は予防的に有効量の構造式Iの化合物を、治療的に有効量の、これらの状態の治療のために有用であることが知られている他の薬物と組み合わせて、投与することを含む、勃起機能不全を含む男性又は女性性機能不全の治療又は予防方法を提供する。本発明の別の側面は、哺乳動物に、治療的に有効量の構造式Iの化合物を、V型環式GMP−選択的ホスホジエステラーゼ阻害薬、α2−アドレナリン作動性受容体拮抗薬又はドパミン作動性薬と組み合わせて、投与することを含む、必要である哺乳動物に於ける勃起機能不全の治療方法を提供する。本発明の更に別の側面は、V型環式GMP−選択的ホスホジエステラーゼ阻害薬、α2−アドレナリン作動性受容体拮抗薬及びドパミン作動性薬からなる群から選択された第二活性成分を更に含有する、構造式Iの化合物の医薬組成物を提供する。
【0059】
本発明の更に別の側面は、構造式Iの化合物及び医薬適合性の担体を含有する医薬組成物を提供する。
【0060】
本発明の更に別の側面は、必要である哺乳動物に於ける、メラノコルチン−4受容体により媒介される疾患の治療若しくは予防又は抑制のために有用な薬物の製造のための、式Iの化合物の使用に関する。本発明の更に別の側面は、必要である哺乳動物に於ける、肥満の治療若しくは予防又は抑制のために有用な薬物の製造のための、式Iの化合物の使用に関する。本発明の別の側面は、食べ過ぎ、馬鹿食い及び過食症、高血圧、糖尿病、上昇した血漿インスリン濃度、インスリン抵抗性、異常脂質血症、高脂質血症、子宮内膜、乳癌、前立腺及び結腸癌、骨関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心臓疾患、異常心臓リズム及び不整脈、心筋梗塞、鬱血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、発作、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プレーダー・ウィリィ症候群、フレーリッヒ症候群、GH−欠落被検者、正常変異短身長、ターナー症候群、メタボリック症候群、インスリン抵抗性症候群、性及び生殖機能不全、不妊症、性機能低下症、多毛症、肥満関連胃食道逆流、ピクウィック症候群、心臓血管異常症、炎症、脈管系の全身性炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸症、より低いバックペイン、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌、心臓肥大並びに左心室肥大からなる群から選択された肥満関連異常症の治療又は予防のために有用な薬物の製造のための、式Iの化合物の使用に関する。本発明の更に別の側面は、必要である哺乳動物に於ける、糖尿病の治療若しくは予防又は抑制のために有用な薬物の製造のための、式Iの化合物の使用に関する。本発明の更に別の側面は、必要である哺乳動物に於ける、男性性機能不全及び女性性機能不全の治療若しくは予防又は抑制のために有用な薬物の製造のための、式Iの化合物の使用に関する。本発明の更に別の側面は、必要である哺乳動物に於ける、男性勃起機能不全の治療若しくは予防又は抑制のために有用な薬物の製造のための、式Iの化合物の使用に関する。
【0061】
メラノコルチン受容体作用薬化合物は、キットで提供することができる。このようなキットには、典型的に、投与のための剤形での活性化合物が含まれている。剤形には、1日又は2日以上の経過の間に、1日1から6回のような規則的間隔の間に被検者に投与されるとき、有利な効果を得ることができるような十分な量の活性化合物が含有されている。好ましくは、キットには、(例えば、肥満症又は太りすぎを治療するために)体重低下又は性機能不全のための剤形の使用及び特定の期間に亘って取るべき剤形の量を示す指示書が含まれている。
【0062】
本件特許出願を通して、下記の用語は、示した意味を有する。
【0063】
用語「アルキル」及びアルコキシ、アルカノイルのような接頭辞「アルク」を有する他の基は、直鎖又は分枝鎖形状又はこれらの組合せであってよい指定された長さの炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、4−エチルペンチル、1−プロピルブチル、2−プロピルブチル、3−プロピルブチル、1,1−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、3,4−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1−メチル−1−エチルブチル、1−メチル−2−エチルブチル、2−メチル−2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルブチル、1−エチル−3−メチルブチル、1,1−ジエチルプロピル、n−オクチル、n−ノニルなどが含まれる。
【0064】
用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、及び直鎖若しくは分枝鎖又はこれらの組合せであってよい炭素鎖を意味する。アルケニルの例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどが含まれる。
【0065】
用語「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、及び直鎖若しくは分枝鎖又はこれらの組合せであってよい炭素鎖を意味する。アルキニルの例には、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−へプチニルなどが含まれる。
【0066】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
【0067】
用語「C1−4アルキルイミノイル」は、C1−3C(=NH)−を意味する。
【0068】
用語「アリール」には、炭素原子のみを含有する、単環式又は二環式芳香族環が含まれる。アリールの例には、フェニル及びナフチルが含まれる。
【0069】
用語「ヘテロアリール」には、1から4個の、窒素、酸素及び硫黄から選択されたヘテロ原子を含有する、単環式及び二環式芳香族環が含まれる。これらの例には、これらに限定されないが、ピリジニル、フリル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンズチアゾリル、ベンゾオキサゾリルなどが含まれる。本発明の一つの実施態様に於いて、ヘテロアリールは、ピリジニル、フリル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンズチアゾリル及びベンゾオキサゾリルからなる群から選択される。二環式ヘテロ芳香族環には、これらに限定されないが、ベンゾチアゾジアゾール、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズイソキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、イソキノリン、イソインドリン、プリン、フロピリジン、チエノピリジン、ベンズイソジアゾール、トリアゾロピリミジン及び5,6,7,8−テトラヒドロキノリンが含まれる。
【0070】
用語「シクロアルキル」には、炭素原子のみを含有する、単環式又は二環式非芳香族環が含まれる。シクロアルキルの例には、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが含まれる。
【0071】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、1から4個の、窒素、酸素及び硫黄から選択されたヘテロ原子を含有する、3から10員の単環式及び二環式非芳香族複素環を含むように意図される。ヘテロシクロアルキルの例には、これらに限定されないが、アゼチジン、ピペリジン、モルホリン、チアモルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、テトラヒドロフラン、ピペラジン、1−チア−4−アザ−シクロヘキサン、1−アザ−4−チア−シクロヘキサン及び1,3−オキサゾリジンが含まれる。
【0072】
上記定義した項目の或るものは、前記の式中に2回以上起こり得、このようなことが起こったとき、それぞれの項目は、他のものから独立して定義されることができ、従って、例えば、NRは、NH、NHCH、N(CH)CHCHなどを表すことができる。
【0073】
用語「被検者」は哺乳動物を表す。用語「被検者」の一つの実施態様は、「ヒト」であり、該ヒトは、男性又は女性であってよい。従って、用語「哺乳動物」には、これらに限定されないが、親しい動物、例えば、ネコ及びイヌ並びにウマが含まれる。
【0074】
用語「治療又は予防が必要である哺乳動物」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって決定されたとき、治療又は予防が必要である哺乳動物を指す。
【0075】
医薬組成物に於けるような用語「組成物」は、活性成分(群)及び担体を作る不活性成分(群)を含有する製品並びにあらゆる2種又はそれ以上の成分の組合せ、錯化若しくは凝集から又は1種又はそれ以上の成分の解離から又は1種又はそれ以上の成分の他の型の反応若しくは相互作用から、直接的に又は間接的に得られるあらゆる製品を包含するように意図される。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬適合性の担体とを混合することによって製造されるあらゆる組成物を包含する。
【0076】
メラノコルチン受容体「作用薬」とは、メラノコルチン受容体と相互作用し、及びメラノコルチン受容体の薬理学的応答特徴を開始する、内因性又は薬物の物質又は化合物を意味する。メラノコルチン受容体「拮抗薬」によって、通常、別の生物活性薬によって誘導されるメラノコルチン受容体付随応答に対抗する、薬物又は化合物が意味される。本発明の化合物の「作用薬的」特性は、下記の機能アッセイで測定した。この機能アッセイは、メラノコルチン受容体作用薬を、メラノコルチン受容体拮抗薬から識別する。
【0077】
「結合アフィニティ」とは、化合物/薬物の、この生物学的標的に結合するための能力、本発明の場合に、構造式Iの化合物の、メラノコルチン受容体に結合するための能力を意味する。本発明の化合物についての結合アフィニティは、下記の結合アッセイで測定され、及びIC50として表される。
【0078】
「効能」は、作用薬が同じ数の受容体を占め、同じアフィニティを有するときでも、これらが作る応答に於いて作用薬が変化する相対的強度を記載する。効能は、薬物が、応答を作ることができる特性である。化合物/薬物の特性は、二つのグループ、即ち、これらを受容体と会合させるもの(結合アフィニティ)及び刺激を作るもの(効能)に分類することができる。用語「効能」は、作用薬によって誘導される最大応答のレベルを特徴付けるために使用される。受容体の全ての作用薬は、同一レベルの最大応答を誘導することはできない。最大応答は、受容体カップリングの、即ち、薬物の受容体への結合から、所望の生物学的効果に至る、事象のカスケードからの効率に依存する。
【0079】
EC50として表される機能的活性及び特定の濃度での本発明の化合物についての「作用薬効能」は、下記の機能アッセイで測定した。
【0080】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
構造式Iの化合物には、1個又はそれ以上の不斉中心が含まれ、従って、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得る。本発明は、構造式Iの化合物の全てのこのような異性体形を含むように意味される。例えば、化合物V:
【0081】
【化14】

は、ジアステレオマーVa及びVb:
【0082】
【化15】

に対応する。
【0083】
構造式Iの化合物は、例えば、適切な溶媒、例えばメタノール若しくは酢酸エチル又はこれらの混合物からの分別結晶化により又は光学的に活性の固定相を使用するキラルクロマトグラフィーにより、これらの個々のジアステレオ異性体に分離することができる。絶対立体化学は、公知の絶対立体配置の不斉中心を含有する試薬による、結晶性生成物又は必要な場合誘導される結晶性中間体のX線結晶学によって決定することができる。代わりに、一般式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va及びVbの化合物のあらゆる立体異性体又はジアステレオマーは、公知の絶対立体配置の光学的に純粋な出発物質又は試薬を使用する立体特異的合成によって得ることができる。
【0084】
本明細書に記載した化合物の幾つかは、互変異性体、例えばケト−エノール互変異性体として存在し得る。個々の互変異性体及びこれらの混合物は、構造式Iの化合物の範囲内に包含される。本明細書に記載した化合物の幾つかは、オレフィン性二重結合を含有しており、及び他の方法で特定されない限り、E及びZ幾何異性体の両方を含むように意味される。
【0085】

用語「医薬適合性の塩」は、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、医薬適合性の非毒性の塩基又は酸から製造された塩を指す。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛塩などが含まれる。アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。医薬適合性の有機非毒性塩基から誘導される塩には、第一級、第二級及び第三級アミン類、天然に存在する置換アミン類を含む置換アミン類、環式アミン類並びに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が含まれる。
【0086】
本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は、無機及び有機酸を含む医薬適合性の非毒性の酸から製造することができる。このような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、マロン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などが含まれる。クエン酸、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0087】
本明細書で使用されるとき、式Iの化合物に対する参照は、また、医薬適合性の塩、例えば塩酸塩を含むように意味されることが理解されるであろう。
【0088】
有用性
式Iの化合物は、メラノコルチン受容体作用薬であり、従って、これらに限定されないが、MC−1、MC−2、MC−3、MC−4又はMC−5を含む、メラノコルチン受容体の1種又はそれ以上の活性化に応答性である疾患、異常症又は状態の、治療、制御又は予防に於いて有用である。このような疾患、異常症又は状態には、これらに限定されないが、肥満症、真性糖尿病、高血圧、高脂質血症、骨関節症、癌、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、鬱病、不安、強迫、ノイローゼ、不眠症/睡眠障害、物質乱用、疼痛、男性及び女性性機能不全、熱病、炎症、免疫変調、関節リウマチ、皮膚黒ずみ、ニキビ及び他の皮膚異常症、アルツハイマー病の治療を含む神経保護並びに認識及び記憶増強が含まれる。式Iによって包含される幾つかの化合物は、MC−1R、MC−2R、MC−3R又はMC−5Rに比較して、メラノコルチン−4受容体(MC−4R)について高度に選択的なアフィニティを示し、これは、これらの化合物を、肥満症並びに勃起機能不全を含む男性及び女性性機能不全の予防及び治療に於いて、特に有用にする。
【0089】
本発明の組成物は、肥満症及び肥満関連異常症のような、過剰の食物摂取に付随する異常症の治療又は予防のために有用である。本明細書に於いて肥満症は、遺伝子的又は環境的のあらゆる原因に起因するであろう。
【0090】
本明細書に於いて、肥満関連異常症は、肥満症に付随する、肥満症によって起こされる又は肥満症からの結果である。肥満関連異常症の例には、食べ過ぎ及び過食症、高血圧、糖尿病、上昇した血漿インスリン濃度、インスリン抵抗性、異常脂質血症、高脂質血症、子宮内膜、乳癌、前立腺及び結腸癌、骨関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心臓疾患、異常心臓リズム及び不整脈、心筋梗塞、鬱血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、発作、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プレーダー・ウィリィ症候群、フレーリッヒ症候群、GH−欠落被検者、正常変異短身長、ターナー症候群並びに全無脂肪質量のパーセンテージとしての減少した代謝活性又は休息時エネルギー消費に於ける減少を示す他の病的状態、例えば、急性リンパ芽球性白血病にかかっている子供が含まれる。肥満関連異常症の更なる例は、症候群Xとしても知られているメタボリック症候群、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常性、性及び生殖機能不全、例えば、悪化した受胎力、不妊症、男性に於ける性機能低下症及び女性に於ける多毛症、母性肥満症に付随する胎児脱落(defect)、胃腸運動異常症、例えば、肥満関連胃食道逆流、呼吸異常症、例えば、肥満−過換気症候群(ピクウィック症候群)、息切れ、心臓血管異常症、炎症、例えば、脈管系の全身性炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸症、より低いバックペイン、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌並びに増加した麻痺危険である。本発明の組成物は、また、肥満症の二次結果の危険を減少させるために、例えば、左心室肥大の危険を減少させるために有用である。本発明の組成物は、また、アルツハイマー病を治療するために有用である。
【0091】
症候群Xとしても知られている、用語「メタボリック症候群」は、「成人に於ける高血液コレステロールの検出、評価及び治療での、国家コレステロール教育プログラム専門家委員会の第三次報告(ATP−III)(the Third Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection, Evaluation and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults (ATP−III))」、E.S.Fordら、JAMA、第287(3)巻、2002年1月16日、第356−359頁に定義されている。簡潔に言うと、ヒトが、下記の症状、即ち、腹部肥満、高トリグリセリド血、低HDLコレステロール、高血圧及び高空腹時血漿グルコースの3個またはそれ以上を有する場合、ヒトは、メタボリック症候群を有するとして定義される。これらについての基準はATP−IIIに定義される。
【0092】
本明細書で使用されるとき、用語「糖尿病」には、インスリン依存性真性糖尿病(即ち、IDDM、I型糖尿病としても知られている)及び非インスリン依存性真性糖尿病(即ち、NIDDM、II型糖尿病としても知られている)の両方が含まれる。I型糖尿病又はインスリン依存性糖尿病は、グルコース利用を調節するホルモンであるインスリンの絶対的欠乏の結果である。II型糖尿病又はインスリン独立性糖尿病(即ち、非インスリン依存性真性糖尿病)は、しばしば、インスリンの正常レベルな又は上昇したレベルの側面で起こり、及びインスリンに対して適切に応答するための組織の無力の結果であると思われる。II型糖尿病患者の大部分は、また肥満である。本発明の組成物は、I型糖尿病及びII型糖尿病の両方を治療するために有用である。この組成物は、II型糖尿病を治療するために特に有効である。本発明の化合物又は組成物は、また、妊娠性真性糖尿病を治療及び/又は予防するためにも有用である。
【0093】
真性糖尿病の治療は、糖尿病を治療するための本発明の化合物又は組合せの投与を指す。治療の一つの結果は、上昇したグルコースレベルを有する被検者に於いて、グルコースレベルを下げることであろう。治療の別の結果は、血糖調節を改善することであろう。治療の別の結果は、上昇したインスリンレベルを有する被検者に於いて、インスリンレベルを下げることであろう。治療の別の結果は、上昇した血漿トリグリセリドを有する被検者に於いて、血漿トリグリセリドを下げることであろう。治療の別の結果は、高いLDLコレステロールレベルを有する被検者に於いて、LDLコレステロールを下げることであろう。治療の別の結果は、低いHDLコレステロールレベルを有する被検者に於いて、HDLコレステロールを増加することであろう。別の結果は、必要である被検者に於いて、LDL/HDL比を低下させることであろう。治療の別の結果は、インスリン感度を上昇させることであろう。治療の別の結果は、グルコース不耐性を有する被検者に於いて、グルコース耐性を増強することであろう。治療の別の結果は、増加したインスリン抵抗性又はインスリンの上昇したレベルを有する被検者に於いて、インスリン抵抗性を下げることであろう。別の結果は、上昇したトリグリセリドを有する被検者に於いて、トリグリセリドを減少させることであろう。更に別の結果は、LDLコレステロール、非HDLコレステロール、トリグリセリド、HDLコレステロール又は他の脂質分析物プロフィールを改善することであろう。
【0094】
真性糖尿病の予防は、この危険性がある哺乳動物に於ける糖尿病の開始を防止するための、本発明の化合物又は組合せの投与を指す。
【0095】
「肥満症」は、過剰の体脂肪が存在する状態である。肥満の使用できる定義は、ボディ・マス指数(BMI)に基づいており、BMIは、体重/二乗したメートルでの身長(kg/m)として計算される。「肥満症」は、他の点では健康な被検者が、30kg/m以上のボディ・マス指数(BMI)を有する状態又は少なくとも1種の共罹患状態(co−morbidity)を有する被検者が、27kg/m以上のBMIを有する状態を指す。「肥満の被検者」は、30kg/m以上のボディ・マス指数(BMI)を有する他の点では健康な被検者又は27kg/m以上のBMIを有する少なくとも1種の共罹患状態を有する被検者である。「肥満の危険がある被検者」は、25kg/mから30kg/m未満のBMIを有する他の点では健康な被検者又は25kg/mから27kg/m未満のBMIを有する少なくとも1種の共罹患状態を有する被検者である。
【0096】
肥満に付随する増加する危険は、アジアに於いてはより低いボディ・マス指数(BMI)で起こる。日本を含むアジアの国では、「肥満症」は、体重減少を必要とする又は体重減少によって改善される、少なくとも1種の糖尿病誘導又は糖尿病関連共罹患状態を有する被検者が、25kg/m以上のBMIを有する状態を指す。日本を含むアジアの国では、「肥満の被検者」は、25kg/m以上のBMIを有する、体重減少を必要とする又は体重減少によって改善される、少なくとも1種の肥満症誘導又は肥満症関連共罹患状態を有する被検者を指す。アジア−太平洋に於いては、「肥満の危険がある被検者」は、23kg/mよりも大きいから25kg/m未満のBMIを有する被検者である。
【0097】
本明細書で使用されるとき、用語「肥満症」は、肥満症の上記の定義の全てを包含するように意味される。
【0098】
肥満症誘導又は肥満症関連共罹患状態には、これらに限定されないが、糖尿病、非インスリン依存性真正糖尿病−II(2)型、悪化したグルコース耐性、悪化した空腹時グルコース、インスリン抵抗性症候群、異常脂質血症、高血圧、高尿酸症、痛風、冠状動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、睡眠時無呼吸症候群、ピクウィック症候群、脂肪肝、脳梗塞、脳血栓症、一過性虚血発作、整形外科異常症、変形性関節炎、腰痛、月経異常及び不妊症が含まれる。特に、共罹患状態には、高血圧、高脂質血症、異常脂質血症、グルコース不耐性、心臓血管疾患、睡眠時無呼吸、真性糖尿病及び他の肥満関連状態が含まれる。
【0099】
肥満症及び肥満関連異常症の治療は、肥満した被検者の体重を減少又は維持するための、本発明の化合物又は組合せの投与を指す。治療の一つの結果は、本発明の化合物又は組合せの投与の直前の、被検者の体重に比較して、この肥満した被検者の体重を減少させることであろう。治療の別の結果は、食餌療法、運動又は薬理療法の結果として前に失われた体重の体重復帰を防止することであろう。治療の別の結果は、肥満関連疾患の発生及び/又は酷度を減少させることであろう。この治療は、適切に、全食物摂取に於ける減少又は炭水化物若しくは脂肪のような食餌の特定の成分の摂取の減少及び/又は栄養吸収の阻害及び/又は代謝速度の減少の阻害を含む、被検者による食物又はカロリー摂取に於ける減少並びに必要である被検者に於ける体重減少になるであろう。この治療は、また、代謝速度の変更、例えば、代謝速度の減少の阻害ではなくて若しくはこれに加えて代謝速度の増加及び/又は通常、体重低下の結果である代謝抵抗性の最小化になるであろう。
【0100】
肥満及び肥満関連異常症の予防は、肥満の危険がある被検者の体重を減少又は維持するための、本発明の化合物又は薬物組合せの投与を指す。予防の一つの結果は、本発明の化合物又は組合せの投与の直前の、被検者の体重に比較して、この肥満の危険がある被検者の体重を減少させることであろう。予防の別の結果は、食餌療法、運動又は薬理療法の結果として前に失われた体重の体重復帰を防止することであろう。肥満の危険がある被検者に於いて肥満の開始の前に治療が施された場合、肥満症が発生するのを予防することであろう。予防の別の結果は、肥満の危険がある被検者に於いて肥満の開始の前に治療が施された場合、肥満関連異常症の発生及び/又は酷度を減少させることであろう。更に、既に肥満した被検者に於いて治療が開始された場合、このような治療は、肥満関連異常症、例えば、これに限定されないが、動脈硬化症、II型糖尿病、多嚢胞性卵巣疾患、心臓血管疾患、骨関節症、皮膚異常症、高血圧、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び胆石症の発生、進行又は酷度を防止するであろう。
【0101】
「男性性機能不全」には、不能症、リビドーの喪失及び勃起機能不全が含まれる。
【0102】
「勃起機能不全」は、男性哺乳動物が、勃起、射精又は両方を達成することができないことを含む異常症である。勃起機能不全の症状には、勃起を達成若しくは維持することができないこと、射精不全、早漏又はオルガスムを達成できないことが含まれる。勃起機能不全及び性機能不全に於ける増加は、これらに限定されないが、(1)老化、(b)根本的物理的機能不全、例えば、外傷、手術及び末梢血管疾患並びに(3)薬物治療、鬱病及び他のCNS異常症からもたらされる副作用を含む、多数の根本的原因を有し得る。
【0103】
男性性機能不全の治療は、必要である男性哺乳動物に於ける、不能症及び/又はリビドーの喪失及び/又は勃起機能不全を治療するための、本発明の化合物又は組合せの投与を指す。治療の一つの結果は、不能症に於ける減少であろう。治療の別の結果は、リビドーに於ける増加であろう。治療の更に別の結果は、勃起機能不全の大きさ及び頻度に於ける減少であろう。
【0104】
男性性機能不全の治療は、必要である男性哺乳動物に於ける、男性性機能不全の症状の1種又はそれ以上を治療するための、本発明の化合物又は組合せの投与を指す。治療の一つの結果は、勃起を達成するための能力を増加させることであろう。治療の別の結果は、勃起を維持するための能力を増加させることであろう。治療の別の結果は、射出不全を減少させることであろう。治療の別の結果は、早漏を減少させることであろう。治療の更に別の結果は、オルガスムを達成する能力を増加させることであろう。
【0105】
男性性機能不全及び男性勃起機能不全の予防は、この危険がある男性哺乳動物に於ける、性機能不全及び勃起機能不全の症状を予防するための、本発明の化合物又は組合せの投与を指す。
【0106】
「女性性機能不全」は、隠核、膣、尿道周囲亀頭及び他の性的機能の引き金点に於ける障害に関係する、欲望、性的覚醒、性的受容性及びオルガスムに於ける機能不全を含む、複数の成分からもたらされるとして見ることができる。特に、このような引き金点の解剖学的及び機能的変容は、乳癌及び婦人科癌患者に於けるオルガスムの潜在能力を減少するであろう。MC−4受容体作用薬による女性性機能不全の治療は、改善された血流、改善された潤滑、改善された感覚、オルガスムに到達することの容易性、オルガスムの間の無反応期間の減少並びに覚醒及び欲望に於ける改善になり得る。広い意味で、「女性性機能不全」には、また、性的疼痛、早期分娩及び月経困難症が含まれる。
【0107】
用語、化合物「の投与」及び/又は「を投与すること」は、本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを、治療が必要である被検者に与えることを意味するように理解すべきである。
【0108】
本発明の治療方法を実施するための、本発明の化合物の投与は、このような治療又は予防が必要である被検者に、治療的に有効量の化合物を投与することによって実施される。本発明の方法に従った予防的投与についての必要性は、公知の危険因子の使用によって決定される。
【0109】
本明細書で使用されるとき、用語「治療的に有効量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって求められている、組織、システム、被検者、哺乳動物又はヒト内で、生物学的又は医学的応答を引き出す、活性化合物又は薬物の量を意味し、これには、治療される異常症の症状の軽減が含まれる。本発明の新規な治療方法は、当業者に公知である異常症のためである。
【0110】
本明細書で使用されるとき、用語「予防的に有効量」は、肥満症又は異常症の危険として被検者に於ける異常症の開始を予防するために、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって求められている、組織、システム、被検者、哺乳動物又はヒト内で、生物学的又は医学的応答を引き出す、活性化合物又は薬物の量を意味する。
【0111】
個々の化合物の、治療的に又は予防的に有効な量又は用量は、最終分析に於いて、症状に応じて医師により決定されるが、治療すべき正確な疾患、被検者が罹っているこの疾患及び他の疾患又は状態の酷度、投与の選択された経路、被検者が付随的に必要とする他の薬物及び治療並びに医師の判断による他の要因のような要因に依存する。
【0112】
投与及び用量範囲
哺乳動物、特にヒトに、有効量又は用量の本発明の化合物を与えるために、あらゆる適切な投与の経路を使用することができる。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼、肺、鼻などを使用することができる。剤形には、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、水剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏、エーロゾルなどが含まれる。好ましくは、式Iの化合物は、経口で又は局所に投与される。
【0113】
糖尿病及び/若しくは高血糖症と関連させて又は単独で、肥満を治療するとき、一般的に、満足できる結果は、本発明の化合物が、好ましくは、1回用量で若しくは1日2から6回の分割された用量で又は持効性剤形で与えられる、約0.001ミリグラムから約100ミリグラム/体重キログラムの1日用量で投与されるときに得られる。70kgの成人の場合に、全1日用量は、一般的に、約0.07ミリグラムから約3500ミリグラムであろう。この用量処方は、最適治療応答を与えるように調節することができる。或る場合には、これらの限界外の用量を使用することが必要であり得る。
【0114】
真正糖尿病及び/又は高血糖症並びに式Iの化合物が有用である他の疾患又は異常症、例えば肥満関連異常症を治療するとき、一般的に、満足できる結果は、本発明の化合物が、好ましくは、1回用量で若しくは1日2から6回の分割された用量で又は持効性剤形で与えられる、約0.001ミリグラムから約100ミリグラム/体重キログラムの1日用量で投与されるときに得られる。70kgの成人の場合に、全1日用量は、一般的に、約0.07ミリグラムから約350ミリグラムであろう。この用量処方は、最適治療応答を与えるように調節することができる。或る場合には、これらの限界外の用量を使用することが必要であり得る。
【0115】
性機能不全の治療のために、本発明の化合物は、好ましくは1回用量として、経口的に又は鼻スプレーとして、0.001ミリグラムから約100ミリグラム/体重キログラムの用量範囲で与えられる。
【0116】
経口組成物が使用される場合に、適切な用量範囲は、例えば、1日当たり式Iの化合物約0.01mgから約1500mg、好ましくは1日当たり約0.1mgから約10mgである。経口投与のために、組成物は、治療すべき被検者への、用量の症状にあった調節のために、0.01から1,000mg、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1、2.5、5、10、15、20、25、30、40、50、100、250、500、750、1000、1250又は1500ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。
【0117】
静脈内投与のための組成物が使用される使用のために、適切な用量範囲は、体重1kg当たり1日当たり、式Iの化合物約0.001mgから約100mg(好ましくは0.01mgから約50mg、更に好ましくは0.1mgから10mg)である。この用量処方は、最適治療応答を与えるように調節することができる。或る場合には、これらの限界外の用量を使用することが必要であり得る。
【0118】
本発明の化合物の予防的又は治療的用量の大きさは、勿論、使用する特定の化合物、投与の方式、治療される状態及び治療される状態の酷度に依存して変わるであろう。これは、また、個々の被検者の年齢、体重及び応答に従って変わるであろう。このような用量は、当業者によって容易に確認することができる。
【0119】
組合せ治療
構造式Iの化合物は、構造式Iの化合物が有用である疾患又は状態の、治療/予防/抑制又は改善で使用される他の薬物と組み合わせて使用することができる。このような他の薬物は、これらのために一般的に使用される経路により及び量で、構造式Iの化合物と同時に又は逐次的に投与することができる。構造式Iの化合物を1種又はそれ以上の他の薬物と同時に使用するとき、構造式Iの化合物の化合物に加えてこのような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。本発明の組成物を1種又はそれ以上の他の薬物と同時に使用するとき、このような他の薬物及び本発明の組成物を含有する単位剤形での医薬組成物が好ましい。しかしながら、組合せ治療には、また、本発明の組成物と1種又はそれ以上の他の薬物とを、異なったオーバーラップスケジュールで投与する治療が含まれる。1種又はそれ以上の他の活性成分と組み合わせて使用するとき、本発明の組成物と他の活性成分とを、それぞれを単独で使用するときよりも低い用量で使用できることも意図される。従って、本発明の医薬組成物には、構造式Iの化合物に加えて、1種又はそれ以上の他の活性成分も含有するものが含まれる。
【0120】
別々に又は同じ医薬組成物内で投与される、肥満症及び/又は糖尿病の治療又は予防のための、構造式Iの化合物と組み合わせることができる他の活性成分の例には、これらに限定されないが、下記のものが含まれる。
【0121】
(a)(i)PPAPγ作用薬、例えば、グリタゾーン(glitazones)(例えば、シグリタゾーン(ciglitazone)、ダルグリタゾーン(darglitazone)、トログリタゾーン(troglitazone)、ピオグリタゾーン(pioglitazone)、エングリタゾーン(englitazone)、イソグリタゾーン(isaglitazone)(MCC−555)、BRL49653、ロシグリタゾーン(rosiglitazone)、CLX−0921、5−BTZD)、GW−0207、LG−100641及びLY−300512など)並びにWO97/10813号、WO97/27857号、97/28115号、97/28137号及び97/27847号に開示されている化合物、(ii)ビグアニド(biguanides)、例えばメトフォルミン(metfomin)(グルコファージ(Glucophage)(登録商標))、ブフォルミン(buformin)及びフェンフォルミン(phenformin)を含むインスリン増感剤;
(b)インスリン又はインスリン疑似薬、例えば、ビオタ(biota)、LP−100、ノバラピド(novarapid)、インスリンデテミル(detemir)、インスリンリスプロ(lispro)、インスリングラルギン(glargine)、インスリン亜鉛懸濁液(レンテ(lente)及びウルトラレンテ(ultralente)、Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン(insulintropin))及びGLP−1(7−36)−NH);
(c)スルホニルウレア、例えば、トルブタミド及びグリピジド、アセトヘキサミド、クロルプロパミド(chlorpropamide)、ジアビネス(diabinese)、グリベンクラミド(glibenclamide)、グリブリド(glyburide)、グリメピリド(glimepiride)、グリクラジド(gliclazide)、グリペンチド(glipentide)、グリキドン(gliquidone)、グリソラミド(glisolamide)及びトラザミド(tolazamide);
(d)α−グルコシダーゼ阻害薬(例えば、アカルボーゼ(acarbose)、アジポシン(adiposine)、カミグリボーゼ(camiglibose)、エミグリタート(emiglitate)、ミグリトール(miglitol)、ボグリボーゼ(voglibose)、プラジミシン(pradimicin)−Q、サルボスタチン(salbostatin)、CKD−711、MDL−25,637、MDL−73,945及びMOR14など);
(e)コレステロール低下剤、例えば、(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬(ロバスタチン、シムバスタチン(simvastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)、イタバスタチン(itavastatin)、リバスタチン(rivastatin)、ロスバスタチン(rosuvastatin)、ZD−4522及び他のスタチン)、(ii)金属イオン封鎖剤(コレスチラミン(cholestyramine)、コレスチポール(colestipol)及び架橋したデキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、コレセベルム(colesevelum)、コレスチド(Colestid)(登録商標)、ロコレスト(LoCholest)(登録商標)など、(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はこの塩、(iii)増殖活性剤受容体α作用薬、例えば、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル(gemfibrozil)、クロフィブラート(clofibrate)及びベンザフィブラート(benzafibrate)、(iv)コレステロール吸収の阻害薬、例えば、β−シトステロール(beta−sitosterol)、スタノールエステル、ステロールグリコシド、例えば、チケシド(tiqueside)及びアゼチジノン、例えば、エゼチミベ(ezetimibe)、エフシミベ(efucimibe)、KY505、SMP797など並びに(アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ)阻害薬、例えば、メリナミド(melinamide)及びアバシミベ(avasimibe)、(v)抗酸化剤、例えば、プロブコル(probucol)、(vi)ビタミンE並びに(vii)甲状腺類似物質;
(f)PPARδ作用薬、例えば、国際特許出願公開第WO97/28149号明細書に開示されているもの並びにGW501516及びGW590735など;
(g)抗肥満セロトニン作動薬、例えば、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン及びシブトラミン;
(h)β3−アドレナリン受容体作用薬、例えば、AD9677/TAK677(大日本/武田)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、GW427353、BTA−243、トレカドリン(Trecadrine)、ゼネカ(Zeneca)D7114、SR59119A並びに米国特許出願第5,705,515号明細書及び米国特許第5,451,677号明細書並びにPCT特許出願WO94/18161号、WO95/29159号、WO97/46556号、WO98/04526号及びWO98/32753号、WO01/74782号、及びWO02/32897号に開示されているもの;
(i)膵リパーゼ阻害薬、例えば、オルリスタット(ゼニカル(Xenical)(登録商標))、トリトンWR1339、RHC80267、リプスタチン(lipstatin)、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン(teasaponin)、ジエチル−ウンベリフェリルホスフェート(diethyl−umbelliferyl phosphate)、FL−386、WAY−l21898、Bay−N−3176、バリラクトン(valilactone)、エステラシン(esteracin)、エベラクトンA(ebelactone A)、エベラクトンB及びRHC80267並びにPCT特許出願WO01/77094号、及び米国特許第4,598,089号、同第4,452,813号、同第5,512,565号、同第5,391,571号、5,602,151号、同第4,405,644号、同第4,189,438号、及び同第4,242,453号に開示されているもの;
(j)給餌挙動改質剤、例えば、神経ペプチドY Y1及びY5拮抗薬、例えば、WO97/19682号、WO97/20820号、WO97/20821号、WO97/20822号、WO97/20823号、WO01/14376号、及び米国特許第6,191,160号に開示されているもの、神経ペプチドY1拮抗薬、例えば、BIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A、並びに米国特許第6,001,836号、及びPCT特許公報第WO96/14307号、WO01/23387号、WO99/51600号、WO01/85690号、WO01/85098号、WO01/85173号、及びWO01/89528号に開示されているもの並びに神経ペプチドY5拮抗薬、例えば、152,804、GW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR235,208、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、LY−366377、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A、JCF−104、及びH409/22、並びに米国特許第6,140,354号、同第6,191,160号、同第6,258,837号、同第6,313,298号、同第6,337,332号、同第6,329,395号、同第6,326,375号、同第6,335,345号、及び同第6,340,683号、欧州特許第EP−01010691号、及びEP−01044970号、及びPCT特許公報第WO97/19682号、WO97/20820号、WO97/20821号、WO97/20822号、WO97/20823号、WO98/27063号、WO00/107409号、WO00/185714号、WO00/185730号、WO00/64880号、WO00/68197号、WO00/69849号、WO01/09120号、WO01/14376号、WO01/85714号、WO01/85730号、WO01/07409号、WO01/02379号、WO01/02379号、WO01/23388号、WO01/23389号、WO01/44201号、WO01/62737号、WO01/62738号、WO01/09120号、WO02/20488号、WO02/22592号、WO02/48152号、WO02/49648及びWO02/094789号、並びにNormanら、J.Med.Chem.、第43巻、第4288−4312頁(2000年)に開示されているもの;
(k)オレキシン−1(orexin−l)受容体拮抗薬、例えば、SB−334867−A並びにPCT特許公報第WO01/96302号、WO01/68609号、WO02/51232号、WO02/51838号、及びWO03/023561号に開示されているもの;
(l)例えば、Glaxoによる国際特許出願公開第WO97/36579号明細書に記載されているようなPPARα作用薬並びにPPARα作用薬、例えば、ベクロフィブラート(beclofibrate)、ベンザフィブラート(benzafibrate)、シプロフィブラート(ciprofibrate)、クロフィブラート(clofibrate)、エトフィブラート(etofibrate)、フェノフィブラート(fenofibrate)、ゲムカベン(gemcabene)、ゲムフィブロジル(gemfibrozil)、GW7647、BM170744及びLY518674並びに他のフィブリル酸誘導体、例えば、アトロミド(Atromid)(登録商標)、ロピド(Lopid)(登録商標)及びトリコル(Tricor)(登録商標)など;
(m)国際特許出願公開第WO97/10813号明細書に記載されているようなPPARγ拮抗薬;
(n)セロトニン再利用阻害薬、例えば、フルオキセチン(fluoxetine)、パロキセチン(paroxetine)及びセルトラリン(sertraline);
(o)成長ホルモン分泌促進薬、例えば、MK−0677並びに成長ホルモン分泌促進薬受容体作用薬/拮抗薬、例えば、NN703、ヘキサレリン(hexarelin)、SM−130686、CP−424,391、L−692,429及びL−163,255並びに例えば、米国特許第5,536,716号、及び同第6,358,951号、米国特許出願公報第2002/049196号及び2002/022637号、及びPCT特許公報第WO01/56592号及びWO02/32888号に開示されているもの;
(p)カンナビノイド受容体リガンド、例えば、カンナビノイドCB受容体拮抗薬又は反作用薬、例えば、リモナバント(rimonabant)(サノフィ・シンセラボ(Sanofi Synthelabo))並びにSR−147778及びSR141716A(サノフィ・シンセラボ)、SLV−319(ソルベイ(Solvay))、BAY65−2520(バイエル(Bayer))並びに米国特許第5,532,237号、同第4,973,587号、同第5,013,837号、同第5,081,122号、同第5,112,820号、同第5,292,736号、同第5,624,941号、同第6,028,084号、PCT出願第WO96/33159号、WO98/33765号、WO98/43636号、WO98/43635号、WO01/09120号、WO98/31227号、WO98/41519号、WO98/37061号、WO00/10967号、WO00/10968号、WO97/29079号、WO99/02499号、WO01/58869号、WO01/64632号、WO01/64633号、WO01/64634号、WO02/076949号、WO03/0060007号、及びWO03/007887;及びEPO出願第EP−658546号、EP−656354号、EP−576357号に開示されているもの;
(q)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害薬;
(r)抗肥満薬、例えば、(1)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体拮抗薬、例えば、国際特許出願公開第WO01/21577号明細書及び国際特許出願公開第WO01/21169号明細書に開示されているもの、(2)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCH1R)拮抗薬、例えば、T−226296(武田)、SNP−7941並びにPCT特許出願第WO01/82925号、WO01/87834号、WO02/051809号、WO02/06245号、WO02/04433号、WO02/076929号、WO02/076947号、WO02/51809号、WO02/083134号、WO02/094799号、及びWO03/004027号、及び日本特許出願第JP13226269号に開示されているもの、(3)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)作用薬/拮抗薬、(4)セロトニン再利用阻害薬、例えば、フルオキセチン、パロキセチン及びセルトラリン並びに米国特許出願第6,365,633号明細書並びにPCT特許出願第WO01/27060号明細書及び同第WO01/162341号明細書に開示されているもの、(5)メラノコルチン作用薬、例えば、メラノタン(Melanotan)II又は国際特許出願公開第WO99/64002号明細書及び同第WO00/74679号明細書に記載されているもの、(6)他のMc4r(メラノコルチン4受容体)作用薬、例えば、CHIR86036(チロン(Chiron))、ME−10142及びME−10145(メラキュア(Melacure))並びにPCT出願第WO01/991752号、WO01/74844号、WO02/12166号、WO02/11715号、及びWO02/12178号に開示されているもの、(7)5HT−2作用薬、(8)5HT2C(セロトニン受容体2C)作用薬、例えば、BVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065、IK264及びPNU22394並びに米国特許第3,914,250号、及びPCT出願第WO02/36596号、WO02/48124号、WO02/10169号、WO01/66548号、WO02/44152号、WO02/51844号、WO02/40456号、及びWO02/40457号に開示されているもの、(9)ガラニン(galanin)拮抗薬、(10)CCK作用薬、(11)CCK−A(コレシストキニン(cholecystokinin)−A)作用薬、例えば、AR−R15849、GI18l771、JMV−180、A−71378、A−71623及びSR146131並びに米国特許第5,739,106号明細書に記載されているもの、(12)GLP−1(グルカゴン(glucagon)様ペプチド1作用薬)、(13)コルチコトロピン放出ホルモン作用薬、(l4)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター、(15)ヒスタミン受容体−3(H3)拮抗薬/反作用薬、例えば、ヒオペラミド(hioperamide)、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル N−(4−ペンテニル)カルバマート、クロベンプロピト(clobenpropit)、ヨードフェンプロピト(iodophenpropit)、イモプロキシファン(imoproxifan)、GT2394(グリアテック(Gliatech))、A331440及びPCT特許出願第WO02/15905号明細書に記載され、開示されているもの並びにO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カルバマート(Kiec−Kononowicz,K.ら、Pharmazie、第55巻、第349−55頁(2000年))、ピペリジン含有ヒスタミンH3−受容体拮抗薬(Lazewska,D.ら、Pharmazie、第56巻、第927−32頁(2001年))、ベンゾフェノン誘導体及び関連化合物(Sasse,A.ら、Arch.Pharm.(Weinheim)第334巻、第45−52頁(2001年))、置換N−フェニルカルバマート(Reidemeister,S.ら、Pharmazie、第55巻、第83−6頁(2000年))及びプロキシファン(proxifan)誘導体(Sasse,A.ら、J.Med.Chem.、第43巻、第3335−43頁(2000年))、(16)11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1阻害薬(11β−HSD−1)、例えば、BVT3498、BVT2733並びに国際特許出願公開第WO01/90091号明細書、同第WO01/90090号明細書、同第01/90092号明細書に開示されているこれらの化合物、(17)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害薬、例えば、テオフィリン(theophylline)、ペントキシフィリン(pentoxifylline)、ザプリナスト(zaprinast)、シルデナフィル(sildenafil)、アムリノン(amrinone)、ミルリノン(milrinone)、シロスタミド(cilostamide)、ロリプラム(rolipram)及びシロミラスト(cilomilast)、(18)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害薬、(19)NE(ノルエピネフリン)運搬阻害薬、例えば、GW320659、デスピラミン(despiramine)、タルスプラム(talsupram)及びノミフェンシン(nomifensine)、(20)グレリン受容体拮抗薬、例えば、PCT特許出願第WO01/87335号明細書及び同第WO02/08250号明細書に開示されているもの、(21)レプチン(leptin)、組換えヒトレプチン(PEG−OB、ホフマン・ラ・ロッシェ(Hoffman La Roche))及び組換えメチオニルヒトレプチン(アムゲン(Amgen))を含む、(22)レプチン誘導体、例えば、米国特許第5,552,524号、同第5,552,523号、同第5,552,522号、同第5,521,283号、及びPCT国際公報第WO96/23513号、WO96/23514号、WO96/23515号、WO96/23516号、WO96/23517号、WO96/23518号、WO96/23519号、及びWO96/23520号に開示されているもの、(23)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)作用薬、(24)CNTF(毛様体向神経性因子)、例えば、GI−18177 1(グラクソ−スミスクライン(Glaxo−SmithKline))、SR146131(サノフィ・シンセラボ)、ブタビンジド(butabindide)、PD170,292及びPD149164(ファイザー(Pfizer))、(25)CNTF誘導体、例えば、アキソキン(axokine)(レジェネロン(Regeneron))並びにPCT特許出願第WO94/09134号明細書、同第WO98/22128号明細書及び同第WO99/43813号明細書に開示されているもの、(26)モノアミン再利用阻害薬、例えば、シブトラミン(メリジア(Meridia)(登録商標)/レダクチル(Reductil)(登録商標))並びに米国特許第4,746,680号、同第4,806,570号、及び同第5,436,272号、及び米国特許公報第2002/0006964号、WO01/27068号、及びWO01/62341号に開示されているもの、(27)UCP−1(非カップリングタンパク質−1)、2又は3活性化剤、例えば、フィタン酸(phytanic acid)、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸及びPCT特許出願第WO99/00123号明細書に開示されているもの、(28)甲状腺ホルモンβ作用薬、例えば、KB−2611(カロバイオ(KaroBio)BMS)並びにPCT特許出願第WO02/15845号明細書及び日本特許出願第JP2000256190号明細書に開示されているもの、(29)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害薬、例えば、セルレニン(Cerulenin)及びC75、(30)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害薬、(31)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害薬、(32)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害薬、(33)グルココルチコイド拮抗薬、(34)アシル−エストロゲン、例えば、del Mar−Grasa,M.ら、Obesity Research、第9巻、第202−9頁(2001)に開示されているオレオイル−エストロン、(35)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害薬、例えば、イソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、NVP−DPP728、LAF237、P32/98P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444、並びにWO03/004498号、WO03/004496号、EP1258476号、WO02/083128号、WO02/062764号、WO03/000250号、WO03/002530号、WO03/002531号、WO03/002553号、WO03/002593号、WO03/000180号、及びWO03/000181号;NVP−DPP728;P32/98;LAF237、TSL225に開示されている化合物、バリンピロリジド、TMC−2A/2B/2C、CD−26阻害薬、FE999011、P9310/K364、VIP0177、DPP4、SDZ274−444並びにWO03/004498号、WO03/004496号、EP1258476号、WO02/083128号、WO02/062764号、WO03/000250号、WO03/002530号、WO03/002531号、WO03/002553号、WO03/002593号、WO03/000180号、及びWO03/000181号に開示されている化合物、(36)脂肪酸運搬体阻害薬、(37)ジカルボキシラート運搬体阻害薬、(38)グルコース運搬体阻害薬、(39)ホスファート運搬体阻害薬、(40)トピラマート(Topiramate)(トピマックス(Topimax)(登録商標))、(41)5HT(セロトニン)運搬体阻害薬、例えば、パロキセチン(paroxetine)、フルオキセチン(fluoxetine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、セルトラリン(sertraline)及びイミプラミン(imipramine)、(42)オピオイド拮抗薬、例えば、ナルメフェン(nalmefene)(レベックス(Revex)(登録商標))、3−メトキシナルトレクソン、ナロキソン及びナルトレクソン並びに国際特許出願公開第WO00/21509号明細書に開示されているもの、(43)Mc3r(メラノコルチン−3受容体)作用薬、(44)フィトファーム(phytopharm)化合物57(CP644,673)、(45)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害薬、例えば、セルレニン及びC75、(46)SCD−1(ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1)阻害薬など、(47)アミノレックス(aminorex)、(48)アムフェクロラル(amphechloral)、(49)アムフェタミン(amphetamine)、(50)ベンズフェタミン(benzphetamine)、(51)クロルフェンテルミン(chlorphentermine)、(52)クロベンゾレックス(clobenzorex)、(53)クロフォレックス(cloforex)、(54)クロミノレックス(clominorex)、(55)クロルテルミン(clortermine)、(56)シクレキセドリン(cyclexedrine)、(57)デキストロアンフェタミン(dextroamphetamine)、(58)ジエチルプロピオン(diethylpropion)、(59)ジフェメトキシジン(diphemethoxidine)、(60)N−エチルアンフェタミン、(61)フェンブトラザート(fenbutrazat
e)、(62)フェニゾレックス(fenisorex)、(63)フェンプロポレックス(fenproporex)、(64)フルドレックス(fludorex)、(65)フルミノレックス(fluminorex)、(66)フルフリルメチルアンフェタミン、(67)レバムフェタミン(levamfetamine)、(68)レボファセトペラン(levophacetoperane)、(69)マジンドール(mazindol)、(70)メフェノレックス(mefenorex)、(71)メタムフェプラモン(metamfepramone)、(72)メタムフェタミン(methamphetamine)、(ノルシュードエフェドリン(norpseudoephedrine)、(73)ペントレックス(pentorex)、(74)フェンジメトラジン(phendimetrazine)、(75)フェンメトラジン(phenmetrazine)、(76)フェニルプロパノールアミン、(77)ピシロレックス(picilorex)、(78)ゾニサミド(zonisamide)、(79)PYY、PYY3−36及び国際特許出願公開第WO03/026591号明細書に開示されているもののようなPYY作用薬などなど;
(s)脂質低下剤、例えば、(1)CETP阻害薬、例えば、JTT705、トルセトラピブ(torcetrapib)、CP532,632、BAY63−2149、SC591、SC795など、(2)スクアレンシンテターゼ阻害薬、(3)FXR受容体モジュレーター、例えば、GW4064、SR103912など、(4)LXR受容体、例えば、GW3965、T9013137及びXTCO179628など、(5)リポタンパク質合成阻害薬、例えば、ニアシン(niacin)、(6)レニンアンギオテンシン系阻害薬、(7)PPARδ部分作用薬、(8)胆汁酸再吸収阻害薬、例えば、BARI1453、SC435、PHA384640、S892l、AZD7706など、(9)トリグリセリド合成阻害薬、(10)ミクロソームトリグリセリド運搬(MTTP)阻害薬、例えば、インプリタピド(inplitapide)、LAB687及びCP346086など、(11)転写モジュレーター、(12)スクアレンエポキシダーゼ阻害薬、(13)低密度リポタンパク質(LDL)受容体インデューサー、(14)血小板凝集阻害薬、(15)5−LO又はFLAP阻害薬並びに(16)ニアシン受容体作用薬;
(t)抗糖尿病薬、例えば、(1)メグリチニド(meglitinides)、例えば、レパグリニド(repaglinide)及びナテグリニド(nateglinide)など、(2)α−アミラーゼ阻害薬、例えば、テンダミスタット(tendamistat)、トレスタチン(trestatin)及びAl−3688など、(3)インスリン分泌促進物質、例えば、リノグリリド(linogliride)及びA−4166など、(4)脂肪酸酸化阻害薬、例えば、クロモキシル(clomoxir)及びエトモキシル(etomoxir)など、(5)A2拮抗薬、例えば、ミダグリゾール(midaglizole)、イサグリドール(isaglidole)、デリグリドール(deriglidole)、イダゾキサン(idazoxan)、エアロキサン(earoxan)及びフルパロキサン(fluparoxan)など、(6)非−チアゾリジンジオン、例えば、JT−501及びファルグリタザル(farglitazar)(GW−2570/GI−262579)など、(7)PPARα/γ二重作用薬、例えば、CLX−0940、GW−1536、GW1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90、SB219994、及びMK−767など、(8)他のインスリン増感薬並びに(9)VPAC2受容体作用薬;
(u)抗高血圧薬、例えば、(1)利尿薬、例えば、クロルタリドン(chlorthalidone)、クロルチアジド(chlorthiazide)、ジクロロフェンアミド(dichlorophenamide)、ヒドロフルメチアジド(hydroflumethiazide)、インダパミド(indapamide)及びヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide);係蹄利尿薬、例えば、ブメタニド(bumetanide)、エタクリン酸(ethacrynic acid)、フロセミド(furosemide)及びトルセミド(torsemide);カリウムスパーリング薬(potassium sparing agents)、例えば、アミロリド(amiloride)及びトリアムテレン(triamterene)並びにアルドステロン拮抗薬、例えば、スピロノラクトン(spironolactone)、エピレノン(epirenone)など、(2)β−アドレナリン作用性遮断薬、例えば、アセブトロール(acebutolol)、アテノロール(atenolol)、ベタクソロール(betaxolol)、ベバントロール(bevantolol)、ビソプロロール(bisoprolol)、ボピンドロール(bopindolol)、カルテオロール(carteolol)、カルベジロール(carvedilol)、セリプロロール(celiprolol)、エスモロール(esmolol)、インデノロール(indenolol)、メタプロロール(metaprolol)、ナドロール(nadolol)、ネビボロール(nebivolol)、ペンブトロール(penbutolol)、ピンドロール(pindolol)、プロパノロール(propanolol)、ソタロール(sotalol)、テルタトロール(tertatolol)、チリソロール(tilisolol)及びチモロール(timolol)など、(3)カルシウムチャンネル遮断薬、例えば、アムロジピン、アラニジピン(aranidipine)、アゼルニジピン(azelnidipine)、バルニジピン(barnidipine)、ベニジピン(benidipine)、ベプリジル(bepridil)、シナルジピン(cinaldipine)、クレビジピン(clevidipine)、ジルチアゼム(diltiazem)、エフォニジピン(efonidipine)、フェロジピン(felodipine)、ガロパミル(gallopamil)、イスラジピン(isradipine)、ラシジピン(lacidipine)、レミルジピン(lemildipine)、レルカニジピン(lercanidipine)、ニカルジピン(nicardipine)、ニフェジピン(nifedipine)、ニルバジピン(nilvadipine)、ニモデピン(nimodepine)、ニソルジピン(nisoldipine)、ニトレンジピン(nitrendipine)、マニジピン(manidipine)、プラニジピン(pranidipine)及びベラパミル(verapamil)など、(4)アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬、例えば、ベナゼプリル(benazepril)、カプトプリル(captopril)、シラザプリル(cilazapril)、デラプリル(delapril)、エナラプリル(enalapri)、フォシノプリル(fosinopril)、イミダプリル(imidapril)、ロシノプリル(losinopril)、モエキシプリル(moexipril)、キナプリル(quinapril)、キナプリラット(quinaprilat)、ラミプリル(ramipril)、ペリンドプリル(perindopril)、ペリンドロプリル(perindropril)、クアニプリル(quanipril)、スピラプリル(spirapril)、テノカプリル(tenocapril)、トランドラプリル(trandolapril)及びゾフェノプリル(zofenopril)など、(5)中性エンドペプチダーゼ阻害薬、例えば、オマパトリラット(omapatrilat)、カドキサトリル(cadoxatril)及びエカドトリル(ecadotril)、フォシドトリル(fosidotril)、サンパトリラット(sampatrilat)、AVE7688、ER4030など、(6)エンドセリン拮抗薬、例えば、テゾセンタン(tezosentan)、A308165及びYM62899など、(7)血管拡張薬、例えば、ヒドララジン(hydralazine)、クロニジン(clonidine)、ミノキシジル(minoxidil)及びニコチニルアルコールなど、(8)アンギオテンシンII受容体拮抗薬、例えば、カンデサルタン(candesartan)、エプロサルタン(eprosartan)、イルベサルタン(irbesartan)、ロサルタン(losartan)、プラトサルタン(pratosartan)、タソサルタン(tasosartan)、テルミサルタン(telmisartan)、バルサルタン(valsartan)並びにEXP−3137、FI6828K及びRNH6270など、(9)α/βアドレナリン作用性遮断薬、例えば、ニプラジロール(nipradilol)、アロチノロール(arotinolol)及びアモスラロール(amosulalol)など、(10)アルファ1遮断薬、例えば、テラゾシン(terazosin)、ウラピジル(urapidil)、プラゾシン(prazosin)、ブナゾシン(bunazosin)、トリマゾシン(trimazosin)、ドキサゾシン(doxazosin)、ナフトピジル(naftopidil)、インドラミン(indoramin)、WHIP164及びXEN010など、(11)アルファ2作用薬、例えば、ロフェキシジン(lofexidine)、チアメニジン(tiamenidine)、モキソニジン(moxonidine)、リルメニジン(rilmenidine)及びグアノベンズ(guanobenz)など並びに(12)アルドステロン阻害薬など。
【0122】
式Iの化合物と組み合わせて使用することができる他の抗肥満症薬の例は、「新規な抗肥満症薬での特許重点(Patent focus on new anti−obesity agents)」、Exp.Opin.Ther.Patents、第10巻、第819−831頁(2000年);「新規な抗肥満症薬(Novel anti−obesity drugs)」、Exp.Opin.Invest.Drugs、第9巻、第1317−1326頁(2000年)及び「給餌抑制剤に於ける最近の進歩:肥満症の治療のための可能性のある治療戦略(Recent advances in feeding suppressing agents: potential therapeutic strategy for the treatment of obesity)」、Exp.Opin.Ther.Patents、第11巻、第1677−1692頁(2001年)に開示されている。肥満症に於ける神経ペプチドYの役割は、Exp.Opin.Invest.Drugs、第9巻、第1327−1346頁(2000年)で検討されている。カンナビノイド受容体リガンドは、Exp.Opin.Invest.Drugs、第9巻、第1553−1571頁(2000年)で検討されている。肥満症の治療のための種々の薬理学的アプローチは、J−A Fernandez−Lopez、Drugs、第62巻、第915−944頁(2002年)に於いて;H.Baysら、「抗肥満症薬開発(Anti−obesity drug development)」、Exp.Opin.Invest.Drugs、第11巻、第1189−1204頁(2002年)に於いて及びD.Spanswickら、「出現する抗肥満症薬(Emerging Anti−obesity Drugs)」、Exp.Opin.Emerging Drugs、第8(1)巻、第217−237頁(2003年)に於いて検討されている。
【0123】
別々に又は同じ医薬組成物内で投与される、男性又は女性性機能不全、特に男性勃起機能不全の治療又は予防のために、式Iの化合物と組み合わせることができる他の活性成分の例には、これらに限定されないが、(a)シルデナフィル及び(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351)を含む、V型環式−GMP−特異ホスホジエステラーゼ(PDE−V)阻害薬、(b)フェントラミン及びヨヒンビン又はこれらの医薬適合性の塩を含む、α−アドレナリン作用性受容体拮抗薬、(c)ドパミン受容体作用薬、例えば、アポモルヒネ又はこの医薬適合性の塩並びに(d)酸化窒素(NO)供与体が含まれる。
【0124】
本発明には、また、第二活性成分と組み合わせてMC−4R作用薬を共に含有する単一の薬物用量配合物の投与並びにそれぞれの活性薬物の、それ自体分離した薬物用量配合物での投与が含まれる。分離した用量配合物が使用される場合、組成物の個々の成分は、本質的に同じ時点で、即ち同時に又は別々に互い違いの時間で、即ち、組成物の他の成分の投与の逐次的に前又は後で投与することができる。従って、本発明は、同時又は交互治療のこのような処方の全てを含むように理解されるべきであり、及び用語「投与」及び「投与すること」は、それなりに解釈されるべきである。これらの種々の方法に於ける投与は、MC−4R作用薬と第二活性成分との組合せの有利な薬物効果が、実質的に同時に被検者によって実現される限り、本発明の組成物のために適している。このような有利な効果は、好ましくは、それぞれの活性成分の目標血液レベル濃度が実質的に同時に維持されるとき達成される。MC−4R作用薬と第二活性成分との組合せが、1日1回投与スケジュールで同時に投与されることが好ましいが、投与スケジュールを、MC−4R作用薬を1日1回、及び第二活性成分を1日当たり1回、2回又はそれ以上のように変えることも、本発明に包含される。MC−4R作用薬及び第二活性成分の両方を含む単一経口用量配合物が好ましい。単一用量配合物は、被検者に便利性を与えるであろう。この便利性は、特に、糖尿病を患っている被検者又は複数の薬物治療が必要であり得る肥満した被検者にとって、重要な考慮事項である。
【0125】
上記の組合せには、本発明の組成物と、1種の他の活性化合物のみならず、2種又はそれ以上の他の活性化合物との組合せが含まれる。限定されない例には、本発明の組成物と、脂質低下薬及び抗高血圧薬から選択された1種、2種又はそれ以上の活性化合物との組合せが含まれる。本発明の組成物と、脂質低下薬及び抗糖尿病薬から選択された1種、2種又はそれ以上の活性化合物との組合せは、メタボリック症候群を治療し、制御し又は予防するために有用である。特に、抗糖尿病薬及び/又は脂質低下薬に加えて、抗肥満症薬、例えば、メラノコルチン−4受容体作用薬、抗高血圧薬を含む組成物は、メタボリック症候群を相乗的に治療し、制御し又は予防するために有用であろう。
【0126】
本発明の組合せに於ける化合物は、別々に投与することができ、従って、本発明は、別個の医薬組成物を一つのキット形態に組み合わせることに関する。本発明に従ったキットには、2個の別個の医薬組成物、即ち、予防的に又は治療的に有効量のメラノコルチン−4受容体作用薬又はこの医薬適合性の塩若しくはエステル及び第一単位剤形中の医薬適合性の担体又は希釈剤を含む第一単位剤形並びに予防的に又は治療的に有効量の第二活性成分若しくは薬物又はこの医薬適合性の塩若しくはエステル及び第二単位剤形中の医薬適合性の担体又は希釈剤を含む第二単位剤形が含まれる。
【0127】
一つの実施態様に於いて、このキットには、更に、容器が含まれる。このようなキットは、固体経口剤形、例えば、錠剤又はカプセル剤の付与のために特に適している。このようなキットには、好ましくは、多数の単位剤形が含まれる。このようなキットには、これらの意図される使用の順序で配置された用量を有するカードが含まれてよい。このようなキットの例は、「ブリスターパック」である。ブリスターパックは、包装工業に於いて周知であり、薬物単位剤形を包装するために広く使用されている。所望により、例えば、番号、文字若しくは他の標識の形態で又は用量を投与することができる治療スケジュールに於ける日若しくは時間を指定したカレンダー装入物と共に、記憶補助具を提供することができる。
【0128】
医薬組成物
本発明の別の側面は、式Iの化合物及び医薬適合性の担体を含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物には、活性成分として式Iの化合物又はこの医薬適合性の塩が含有され、及びまた、医薬適合性の担体及び場合により他の治療成分が含有されていてよい。用語「医薬適合性の塩」は、無機塩基又は酸及び有機塩基又は酸を含む、医薬適合性の非毒性の塩基又は酸から製造された塩を指す。
【0129】
この組成物には、経口、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含む)、眼(眼科用)、肺(鼻又は頬吸入)又は鼻投与のために適した組成物が含まれるが、あらゆる与えられた場合に於ける最も適した経路は、治療する状態の性質及び酷度並びに活性成分の特性に依存するであろう。これらは便利には単位剤形で提供され、及び薬学の技術分野で周知の方法の何れによっても製造することができる。
【0130】
実際的使用に於いて、式Iの化合物は、活性成分として、一般的な薬物配合技術に従って薬物坦体と、緊密な混合物で組み合わせることができる。坦体は、投与、例えば、経口又は非経口(静脈内を含む)投与のために所望される剤形に依存する、広範囲の種々の形態を取り得る。経口剤形のための組成物を製造する際に、通常の薬物媒体、例えば、経口液体製剤、例えば、懸濁剤、エリキシル剤及び水剤の場合に、水、グリコール、油、アルコール、矯味・矯臭剤、保存剤、着色剤など、又は経口固体製剤、例えば、散剤、硬質及び軟質カプセル剤並びに錠剤の場合に、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような坦体の何れも使用することができ、固体経口製剤が液体製剤よりも好ましい。
【0131】
これらの投与の容易性に基づいて、錠剤及びカプセル剤が、最も有利な経口用量単位剤形(この場合に、固体薬物担体が使用される)を表す。所望により、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術によって被覆することができる。このような組成物及び製剤には、少なくとも0.1パーセントの活性化合物が含有されていなくてはならない。勿論、これらの組成物中の活性化合物のパーセンテージは、変えることができ、及び便利には、単位の重量の約2パーセントから約60パーセントであろう。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な用量が得られるようなものである。活性化合物は、例えば、液滴又はスプレーとして鼻腔内に投与することもできる。
【0132】
錠剤、丸剤、カプセル剤などには、また、結合剤、例えば、トラガカントゴム、アラビアゴム、トウモロコシデンプン又はゼラチン;賦形剤、例えばリン酸二カルシウム;崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸;滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム及び甘味剤、例えば、スクロース、ラクトース又はサッカリンが含有されていてよい。用量剤形がカプセル剤であるとき、これには、また、上記の種類の材料に加えて、脂肪油のような液体担体が含有されていてよい。
【0133】
皮膜として又は用量単位の物理的形態を修正するために、種々の他の材料が存在していてよい。例えば、錠剤を、シェラック、糖又は両方で被覆することができる。シロップ剤又はエリキシル剤には、活性成分に加えて、甘味剤としてのスクロース、保存剤としてのメチル及びプロピルパラベン、色素並びに矯味・矯臭剤、例えば、チェリー又はオレンジフレーバーが含有されていてよい。
【0134】
式Iの化合物は、また、非経口的に投与することができる。これらの活性化合物の水剤又は懸濁剤は、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と適切に混合された水中で製造することができる。分散剤は、また、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及び油中のこれらの混合物中で製造することができる。貯蔵及び使用の通常の条件下で、これらの製剤には、微生物の成長を防止するために、保存剤が含有されている。
【0135】
注射使用のために適している薬物形態には、無菌水溶液又は分散液及び無菌注射可能溶液又は分散液のこの場での調製のための無菌粉末が含まれる。全ての場合に、この形は無菌性でなくてはならず、及び容易な注射可能性が存在する程度まで流動性でなくてはならない。これは、製造及び貯蔵の条件下で安定でなくてはならず、及び微生物、例えば、細菌及び真菌の汚染作用に対して保存されなくてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、これらの適切な混合物及び植物油を含む、溶媒又は分散媒体であってよい。
【0136】
本発明の化合物の製造
本発明の構造式Iの化合物は、適切な材料を使用して、下記の反応図式及び実施例の手順に従って製造することができ、及び下記の特別の実施例によって更に例示される。更に、本明細書に含まれる開示と連係させて、PCT国際特許出願公開第WO02/068387号明細書(2002年9月6日)及び同第WO02/068388号明細書(2002年9月6日)(これらは、これらの全部を参照してここに組み込まれる)中に詳細に記載されている手順を使用することによって、当業者は、本件に於いて特許請求された本発明の追加の化合物を容易に製造することができる。しかしながら、実施例中に示された化合物は、本発明として考えられる唯一の種類を形成するとして解釈されるべきではない。実施例は、更に、本発明の化合物の製造について詳細に例示する。当業者は、下記の製造手順の条件及びプロセスの公知の変形を使用して、これらの化合物を製造することができることを容易に理解するであろう。本発明の化合物は、一般的に、これらの医薬適合性の塩、例えば、本明細書に於いて前記したものの形態で単離される。単離された塩に対応する遊離アミン塩基は、適切な塩基、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムで中和し、及び単離された遊離アミンを有機溶媒の中に抽出し、続いて蒸発させることによって、生じさせることができる。この方法で単離されたアミン遊離塩基は、有機溶媒中に溶解させ、続いて適切な酸を添加し、次いで蒸発、沈殿又は結晶化させることによって、別の医薬適合性の塩に転化させることができる。他の方法で記載しない限り、全ての温度はセルシウス度である。質量スペクトル(MS)は、電子スプレーイオン質量分光法によって測定した。
【0137】
用語「標準的ペプチドカップリング反応条件」は、ジクロロメタンのような不活性溶媒中で、HOBTのような触媒の存在下で、酸活性化剤、例えば、EDC、DCC及びBOPを使用して、カルボン酸をアミンとカップリングさせることを意味する。所望の反応を容易にし、及び所望しない反応を最小にするために、アミン官能基及びカルボン酸官能基のための保護基を使用することは、十分に文献に記載されている。保護基を除去するために必要な条件は、標準的教科書、例えば、Greene,T.及びWuts,P.G.M.著、「有機合成に於ける保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons)、ニューヨーク州ニューヨーク、1991年刊に記載されている。CBZ及びBOCは、有機合成に於いて一般的に使用される保護基であり、これらの除去条件は、当業者に公知である。例えば、CBZは、貴金属又はこの酸化物、例えば、活性炭上のパラジウムの存在下で、プロトン性溶媒、例えば、メタノール又はエタノール中で、接触水素化によって除去することができる。接触水素化が、他の潜在的に反応性の官能基の存在のために使用できない場合に、CBZ基の除去は、また、酢酸中の臭化水素の溶液による処理により又はTFAと硫化ジメチルとの混合物による処理により達成することができる。BOC保護基の除去は、塩化メチレン、メタノール又は酢酸エチルのような溶媒中の、強酸、例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸又は塩化水素ガスにより実施される。
【0138】
本発明の化合物の製造の説明中に使用する略語
BOC(boc)はt−ブチルオキシカルボニルであり、BOPはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチル−アミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファートであり、Buはブチルであり、calcは「計算された」であり、CBZ(Cbz)はベンジルオキシカルボニルであり、c−hexはシクロヘキシルであり、c−penはシクロペンチルであり、c−proはシクロプロピルであり、DIEAはジイソプロピルエチルアミンであり、DIPEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり、DMAPは4−ジメチルアミノピリジンであり、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、EDCは1−(3−ジメチル−アミノプロピル)3−エチルカルボジイミドHClであり、eqは当量であり、ES−MSは電子スプレーイオン質量分光法であり、Etはエチルであり、EtOAcは酢酸エチルであり、hrは時間であり、minは分であり、HATUはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートであり、HOAt又はHOAtは1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールであり、HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物であり、HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、IPAはイソプロピルアルコールであり、LDAはリチウムジイソプロピルアミドであり、LiHMDSはリチウムヘキサメチルジシラザンであり、MC−xRはメラノコルチン受容体(xは数字である)であり、Meはメチルであり、MFは分子式であり、MPLCは中圧液体クロマトグラフィーであり、MSは質量スペクトルであり、Msはメタンスルホニルであり、MTBEはtert−ブチルメチルエーテルであり、NMMはN−メチルモルホリンであり、OTfはトリフルオロメタンスルホニルであり、Phはフェニルであり、Pheはフェニルアラニンであり、Prはプロピルであり、prepは「製造した」であり、PyBOPはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジンホスホニウムヘキサフルオロホスファートであり、RT(rt)は室温であり、(S)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジンは(S)−テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロールであり、TEAはトリエチルアミンであり、TFAはトリフルオロ酢酸であり、THFはテトラヒドロフランであり、及びTLCは薄層クロマトグラフィーである。
【0139】
反応図式AからFは、構造式Iの本発明の化合物の合成で使用される方法を示す。全ての置換基は、他の方法で示さない限り、前記定義された通りである。
【0140】
反応図式Aは、本発明の構造式Iの新規な化合物の合成に於ける重要な工程を示す。反応図式Aに示すように、タイプ1のピペリジン誘導体と式2のカルボン酸誘導体との反応によって、構造式Iの標題化合物が得られる。反応図式Aに示されるアミド結合カップリング反応は、適切な不活性溶媒、例えば、DMF、塩化メチレンなど中で実施され、及びアミドカップリング反応のために適した種々の試薬、例えば、HATU、EDC又はPyBOPと共に実施することができる。反応図式Aに示されるアミド結合カップリング反応のための好ましい条件は、有機化学の当業者に知られている。このような修正には、これらに限定されないが、塩基性試薬、例えば、TEA、DIPEA若しくはNMMの使用又は添加物、例えば、HOAt又はHOBtの添加が含まれてよい。代わりに、式1の4−置換ピペリジンを、カルボン酸2から誘導される活性エステル又は酸クロリドで処理することができ、これによって、また、構造式Iの化合物が得られる。反応図式Aに示されるアミド結合カップリングは、通常、0℃と室温との間の温度で、時々上昇した温度で実施され、及びこのカップリング反応は、典型的に、1から24時間の間実施される。
【0141】
【化16】

【0142】
反応図式A中のアミド結合カップリング反応に於いて使用される一般式2のカルボン酸の合成は、以前、国際特許出願公開第WO02/068387号明細書(2002年9月6日)及び同第WO02/068388号明細書(2002年9月6日)に記載されている。反応図式BからFは、反応図式A中に示されるアミド結合カップリング反応に於いて使用される一般式2のカルボン酸の合成のための方法を示す。これらの反応図式は、また、一般式Iの化合物の修正又は仕上げのための方法を特徴付ける。
【0143】
反応図式Bは、一般式2(式中、r及びsの値は、得られる複素環が、3−アリール−4−ピロリジンカルボン酸誘導体8であるように選択される)の化合物の合成のための戦略を示す。一般式8の化合物の合成のための好ましい方法には、一般式4のアゾメチンイリド前駆体と置換ケイ皮酸エステル3との、アゾメチンイリド3+2シクロ付加反応が含まれる。3と4とのアゾメチンシクロ付加反応により、3,4−二置換ピロリジン5が得られ、及び新規に形成されたピロリジン環上の置換基の立体化学的関係は、ケイ皮酸エステル3内の二重結合の立体化学によって決定される。従って、トランスエステル3によって、式5のトランス3,4−二置換ピロリジンが得られる。対応するシスケイ皮酸エステル3によって、一般式5のシス3,4−二置換ピロリジンが得られる。一般式5のシス又はトランス3−アリールピロリジン−4−カルボン酸エステルは、5及びキラルカルボン酸から誘導されるジアステレオ異性体塩の結晶化による分割のような方法を使用するか又はキラル固定相液体クロマトグラフィーカラムの使用により直接的に分割して、エナンチオマー的に純粋な化合物を得ることができる。反応図式Bは、トランスケイ皮酸エステル3をトランス3,4−二置換ピロリジン5に転化させ、続くこの分割により、エナンチオマー的に純粋なトランスピロリジンエステル6及び7を得る場合を示す。最後に、一般式5のエステル(又はこれらの純粋なエナンチオマー6及び7)を加水分解して、反応図式Bの下部分に示されるような一般式8の対応するアミノ酸塩酸塩にする。
【0144】
一般式8のアミノ酸は双性イオン性である。従って、或る場合には、水性反応物又は仕上げ物からの、これらの化合物の有効な分離及び精製を達成することは困難である。これらの場合に、ジエチルエーテル中のカリウム トリメチルシラノラートのような試薬を使用する加水分解を実施することが好ましい。これらの条件下で、カルボン酸のカリウム塩が製造され、エーテル中で容易に単離される沈殿が得られる。次いで、得られる塩を、適切な溶媒、例えば酢酸エチル中で過剰の塩化水素で処理することによって、対応するアミノ酸塩酸塩に転化させる。代わりに、5のようなエステルを、酸性加水分解条件下で、アミノ酸塩酸塩8に直接的に加水分解させることができる。エステル5の加水分解は、上昇させた温度で濃塩酸との長時間の反応によって達成される。例えば、この反応は、8M塩酸中で、還流下で一晩実施することができる。次いで、この反応混合物を冷却し、及び真空中で蒸発させて、アミノ酸塩酸塩8を得る。一般式8のアミノ酸塩酸塩は、一般式2(式中、r及びsは1である)のアミノ酸塩酸塩に対応し、反応図式A中に示したアミド結合カップリング工程に於いて直接使用して、構造式Iの本発明の化合物を製造することができる。
【0145】
【化17】

【0146】
構造式Iの新規な標題化合物の個々のエナンチオマーを製造することを望む場合、有機合成の技術分野に於いて公知である方法の一つを使用して、構造式Iの化合物の分割を実施することが可能である。例えば、エナンチオマー的に純粋な化合物(I)は、構造式Iのラセミ化合物及び光学活性カルボン酸から形成されたジアステレオ異性体塩の結晶化によって製造することができる。2種のジアステレオ異性体塩を、分別結晶によって互いに分離し、次いで、精製した塩を塩基で処理することによって、構造式Iのエナンチオマー的に純粋な化合物を再生させる。代わりに、構造式Iのラセミ化合物を、市販のキラル固定相カラムを使用する分取HPLCによって分割することができる。構造式Iのエナンチオマー的に純粋な化合物の製造のための他の戦略には、一般式2のエナンチオマー的に純粋な化合物を製造し、次いで、反応図式Aに於いて概説したアミド結合形成反応に於いて、これらを使用することが含まれる。前の反応図式に於いて記載したような、一般式2のラセミ化合物又は式2の化合物を製造するために使用される中間体(即ち、酸8又はエステル5)は、また、前に検討された古典的方法を使用して分割することができる。
【0147】
反応図式Cは、一般式9のアミンで出発する、式4のアゾメチン前駆体の製造を示す。高温度で、及び溶媒の不存在下での、式9のアミンとクロロメチルトリメチルシランとの反応によって、一般式10のN−トリメチルシリルメチル置換アミンが得られる。次いで、メタノール及び塩基、例えば炭酸カリウムの存在下での、10とホルムアルデヒド水溶液との次の反応によって、一般化されたイリド前駆体4が得られ、これは、前記のシクロ付加反応で使用することができる。
【0148】
【化18】

【0149】
反応図式Dは、一般式2(式中、rは1又は2であり、及びsは1である)の化合物の合成のための戦略を示す。この合成には、アルコール12を与えるための化合物11のケトンの立体選択的還元及び化合物13を与えるためのtert−ブチルアミンによる塩化物の置換が含まれる。次いで、窒素を、アクリロニトリルへのマイケル付加により又は離脱基置換アルキルニトリル、例えば、ブロモブチロニトリル若しくはブロモプロピオニトリルとの反応によりアルキル化して、化合物14を得ることができる。次いで、化合物14を環化して化合物15を得、及び化合物15のニトリルを加水分解して、ピロリジン酸16を得ることができる。
【0150】
【化19】


【0151】
代わりに、反応図式Eに於いて示されるように、化合物15のニトリルを、アミド17を経てメチルエステル18に転化させ、続いて加水分解して酸16を得ることにより、化合物15のニトリルをピロリジン酸16に転化させることができる。
【0152】
【化20】

【0153】
反応図式Fは、構造式I(式中、Rは、−(CH(NR)C(O)Rであり、メチレン(CHは、1から2個の、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシからなる群から選択された置換基により場合により置換されている)の化合物を生じさせるための、アリールピペリジン置換基の仕上げのための好ましい方法を示す。極性不活性有機溶媒、例えば、メチルスルホキシド中で、適切なパラジウム(II)触媒、例えば、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl)及び酢酸カリウムの存在下で、約80℃で不活性雰囲気下で、6から24時間の間、エノールトリフラート19(Rohr,M.;Chayer,S.;Garrido,F.;Mann,A.;Taddei,M.;Wermuth,C.−G.、Heterocycles、1996年、第43巻、第2131頁に記載されているようにして製造した)をビス(ピナコラト)ジホウ素試薬で処理することによって、ビニルジオキサボロラン20を得る。ボロラン20の合成は、以前、国際特許出願公開第WO02/068388号明細書に開示された。トリフラート23は、エタノール及びトルエンの脱気した混合物中で、パラジウム触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)及び炭酸ナトリウム水溶液の存在下で、加熱して、ボロラン20と反応させることによって更に仕上げて、カップリングした4−アリールテトラヒドロピリジン生成物24を得ることができる。トリフラート23は、フェノール21を、塩化アルミニウムの存在下でプロピオン酸クロリドによって処理して、置換されたフェノール22を得ることによって、製造される。フェノール21は、また、他の酸クロリドで処理して、適切なオルトケトン置換基を与えることができる。フェノール22は、不活性溶媒、例えば、塩化メチレン中で、第三級アミン、例えばトリエチルアミン及び触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンの存在下で、低い温度で、トリフラート化剤、例えばトリフル無水物(triflic anhydride)を使用して、トリフラートに転化させることができる。中間体24の二重結合の還元は、不活性溶媒、例えば、エタノール、酢酸エチル、酢酸又はこれらの混合物中で、大気圧での水素及び炭素上の貴金属触媒、例えば、酸化白金(IV)又はパラジウム(0)で処理することによって実施することができる。カルボニル部分は、同じ条件で還元することができ又は希(noble)還元剤、例えば、ホウ水素化ナトリウム又はこのシアノホウ水素化ナトリウムによる処理によって更に還元されて、4−アリールピペリジン25を与える。アルコールのアミドへの転化及びピペリジン25を硫酸及びアセトニトリルで処理することによるtert−ブチルオキシカルボニル保護基の除去によって、26のアミン塩が得られる。反応図式Fに示されるように、化合物26は、反応図式Aに記載されているように、多数のアミド結合形成試薬の何れかを使用することによって、酸2とカップリングさせて、化合物27(式中、Rが−CH(R)NHCOCHであり、R、R、R及びRが前記の通りであり、及びRがC1−4アルキルである構造式I)を形成させることができる。
【0154】
【化21】


【0155】
反応図式G及びHは、構造式Iの化合物を製造するために有用な、ピロリジン酸中間体(G−6、G−7)及びピペリジン酸中間体(H−5)の合成のための好ましい方法を示す。
【0156】
【化22】


【0157】
中間体(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸G−6の製造
工程A:MTBE(10L)中の、(S)−テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール(131mL、トルエン中1M)、ボラン−N,N−ジエチルアニリン(46.36L)の溶液を、38から42℃に加熱し、次いで、MTBE(16L)中の2−クロロ−2’,4’−ジ−フルオロ−アセトフェノンG−1(4891g)の溶液を、10時間かけて添加した。この均一溶液を40℃で1時間撹拌し、次いで18℃まで冷却させ、及び一晩撹拌した。メタノール(2.3L)を、冷却により温度を<20℃に維持しながら、60分間かけて添加した。この反応混合物を30分間撹拌し、次いで、5N HCl水溶液(10L)を、冷却により温度を22から25℃に維持しながら、30分間かけて添加した。30分間撹拌した後、相を分離し、及び有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、次いで真空中で濃縮して、化合物G−2の溶液を得た。
【0158】
工程B:工程AからのMTBE溶液中の化合物G−2(5040g、98重量%、25.67モル)を、メタノール(5L)で希釈し、次いでtert−ブチルアミン(25L)を添加した。この混合物を25℃まで冷却し、固体NaOHペレット(1048g)を添加し、及び得られる反応混合物を撹拌し、及び還流まで加温した。還流で12から20時間後に、この混合物を真空中で1/3体積にまで濃縮し、次いで水(5L)及びMTBE(20L)を添加した。相を分離し、及び水性相をMTBE(2×2L)で再抽出した。一緒にした抽出液を、飽和NaCl水溶液(1L)で洗浄し、次いで真空中で濃縮した。ヘプタン(40L)を添加し、及び濃縮を続けて、体積を20Lにした。この混合物を約90℃に加熱して全ての固体を溶解し、次いで22℃まで冷却させて、4時間かけて結晶化させた。この混合物を0℃まで冷却し、12から15時間撹拌し、及び濾過した。得られた濾液を冷ヘプタン(2×5L)で洗浄し、次いで真空中で35℃で乾燥して、化合物G−3を得た。
【0159】
工程C:化合物G−3(5.205kg、99.9%、22.68モル)及びアクリロニトリル(26.9L、408モル)の混合物を、窒素雰囲気下で還流(約77℃)まで加熱した。20時間加熱した(約90%転化)後、それぞれ1当量のエタノール(1.32L、22.68モル)及びホルムアミド(0.9L、22.68モル)を添加し、及び加熱を12時間続けた。22℃まで冷却した後、溶液を、蒸留(20から22℃のポット温度で80から90トール)により12Lまで濃縮し、及び得られた残渣を酢酸イソプロピル(22L)で希釈し、及び再濃縮した(55から75トール及び22から27℃のポット温度)。これを繰り返した。次いで、残渣を酢酸イソプロピルで34Lの全体積にまで希釈し、及び10から15μmの多孔性フィルターを使用して上澄み液を濾過した。フィルターケークを酢酸イソプロピルで洗浄し、及び濾液を合計24Lの酢酸イソプロピルで希釈した。一緒にした濾液(約54L)を、水(31.2L)、酢酸(52mL、4モル%)及び飽和ブライン(3.1L)から作った溶液で洗浄し、続いて12%NaCl水性洗浄液(2×34L)で洗浄した。有機層を約15L体積にまで濃縮し(15から45トール及び5から29℃)、及び5×6Lのn−ヘプタンでフラッシュし、この間に生成物が結晶化した。このスラリーをn−ヘプタンで23Lの体積にまで希釈し、及び10g/18Lの濃度が得られるまで、0から5℃で1から3日間撹拌し、次いで濾過し、及び冷(5℃)n−ヘプタン(14L)で洗浄した。湿ったケークを、窒素を流しながら真空中で20℃で乾燥して、化合物G−4を得た。
【0160】
工程D:乾燥THF(31.3L)中の化合物G−4(5.73kg、99.9%、20.28モル)の溶液を、−20℃まで冷却し、次いでクロロジエチルホスファート(3.79kg、21.29モル)を添加した。LiHMDS(THF溶液中1.35M、31.5L、42.58モル)を、反応温度を−15℃に維持しながら、1.5時間かけてゆっくり添加した。−15℃で2時間撹拌した後、反応混合物を、水(50.6L)で<15℃でクエンチし、及び20℃でn−ヘプタン(40.5L)で抽出した。有機層を10%NaCl水溶液(52L)で洗浄し、温度を<35℃に維持するように冷却しながら、3N HCl溶液(40.6L、121.8モル)で抽出した。水性層(58L)を、50%NaOH水溶液(6.13L、116.1モル)でpH11から12に調節し、及びn−ヘプタン(54L)で抽出した。有機相を10%NaCl水溶液(26L)で1回洗浄し、及び得られた化合物G−5を含有するヘプタン溶液を、工程Eで使用した。
【0161】
工程E:工程Dからのn−ヘプタン(合計約65L)中の化合物G−5(4.88kg、18.46モル)の溶液を、エタノール(合計約20.6L)に溶媒切り替えした。この溶液に、50%NaOH水溶液(2.7L、51.15モル)を撹拌しながら2分間かけて添加した。NaOHを添加すると、混合物の温度は16℃から34℃まで上昇した。次いで、この混合物を、窒素下で5から6時間、還流(78から80℃)まで加熱した。20℃まで冷却した後、溶液をエタノール(25.4L)及びメタノール(40.6L)で希釈した。次いでこの溶液を12℃まで冷却し、温度を約20℃で維持しながら、pHを、96%HSO(1.42L、25.6モル)で見掛けpH6.8に調節した。硫酸ナトリウムスラリーを、ソルカ−フロック(Solka−Floc)(登録商標)(5kg)及び無水粉末NaSO(4kg)の床に通して濾過し、及び1:1EtOH:MeOH(20L)で洗浄した。濾液を、濾過し、濃縮し、及び2−プロパノール溶液(約15L体積)に溶媒切り替えした。得られたスラリーを還流(約80℃)で2時間加熱し、次いで16℃にまで冷却した。この混合物に、MTBE(30.4L、IPAに対して3体積)を、5時間かけて添加した。16から17℃で3日間撹拌した後、得られたスラリーを濾過し、及び12Lの1:3IPA:MTBEで洗浄した。固体を、窒素を流しながら真空中(150トール)で50℃で乾燥して、化合物G−6を得た。
【0162】
反応図式Gに於ける合成経路に従い、及び適切な試薬、(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2−フルオロ−4−クロロフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸G−7を製造した。
【0163】
【化23】

【0164】
【化24】

【0165】
(3S,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(H−5)の製造
工程A:化合物G−3(24g、0.105モル)、4−ブロモブチロニトリル(42g、0.28モル、2.7eq)、KCO(22g、0.16モル、1.52eq)及びDMF(70mL)の混合物を、50℃で64時間加熱した。この反応物を水(500mL)の中にクエンチし、及びエーテル(2×250mL)で抽出した。エーテル層を1N HCl(2×125mL)で抽出し、及び得られた水性層をヘキサン(2×100mL)で抽出した。次いで、水性層を5N NaOHで塩基性にし、及びエーテル(2×250mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮した。残渣をクロマトグラフィー処理(シリカ、9/1ヘキサン/THF次いで4:1ヘキサン/THF)して、化合物H−1を無色油として得た。
【0166】
工程B:化合物H−1(50g、0.169モル)をTHF(500mL)中に溶解させ、及びこの溶液を−15℃まで冷却した。ジエチルクロロホスホナート(25mL、1.74モル、1.03eq)を添加し、続いてTHF中の1M LiHMDS(350mL、2.07eq)を滴下により添加した。LiHMDSは、−12℃と−15℃との間の反応温度を維持しながら、100分間かけて添加した。この反応物をRTにまでゆっくり加温し、及び一晩熟成させた。この反応物を水でクエンチし、及びエーテルで2回抽出した。エーテル層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、及び濃縮して、化合物H−2を得た。
【0167】
工程C:化合物H−2をエタノール(150mL)中に溶解し、50%NaOH(24mL)を添加し、及びこの混合物を5時間還流させた。この反応物を12N HCl(60mL)で酸性にし、この時点でこれは固化した。この物体をエタノール(50mL)及びメタノール(200mL)で希釈し、及び濾過した。ケークをエタノールで洗浄し、及び濾液を濃縮し、及びイソプロピルアルコール(500mL)でフラッシュした。追加のイソプロピルアルコールを添加し、及びこの混合物を約300mLにまで濃縮した。スラリーを濾過し、及び得られたケークをイソプロピルアルコールで洗浄した。固体ケークを一緒にして、化合物H−3を得た。
【0168】
工程D:化合物H−3をメタノール(1L)中に溶解し、及びHClガスで飽和させた。この溶液を72時間還流させ、次いで濃縮し、及びエーテルと飽和NaHCO溶液との間に分配させた。エーテル層をNaSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮して、化合物H−4を得た。上記の濾液から、HCl/MeOHによる同様の処理、続くクロマトグラフィー(シリカ 90/10/1 CHCl/MeOH/NHOH)により、追加の化合物H−4を得た。
【0169】
工程E:化合物H−4を6N HCl(300mL)中に溶解し、この溶液を3時間還流させた。次いで、この溶液を濃縮し、得られた残渣を水中に溶解し、及び再濃縮した。次いで、残渣をイソプロピルアルコール(2×300mL)及び酢酸エチル(2×500mL)でフラッシュした。得られたスラリーを室温で1時間撹拌し、及び濾過した。得られた固体を、酢酸エチルで洗浄し、及び乾燥して、化合物H−5を得た。
【0170】
(実施例1)
【0171】
【化25】

【0172】
工程A:4,5−ジメチル−2−プロピオニルフェニルトリフルオロメタンスルホナート(1−2)の製造
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.4mL、31.9ミリモル)を、0℃の塩化メチレン(100mL)中のケトン1−1(5.0g、30.4ミリモル、アクロス社(ACROS))及びピリジン(7.4mL、91.2ミリモル)の撹拌した混合物に添加した。この反応混合物をRTまでゆっくり加温し、及びRTで一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、及び得られた残渣を、80:20ヘキサン/酢酸エチルで溶離するMPLCによって精製して、1−2を白色固体として得た。
【0173】
工程B:tert−ブチル 4−(4,5−ジメチル−2−プロピオニルフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(1−3)の製造
エタノール/トルエン/HO(60mL/60mL/10mL)中の、トリフラート1−2(4.45g、15ミリモル)、炭酸ナトリウム(4.77g、45ミリモル)、tert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(4.635g、15ミリモル)及びテトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.479g、3.0ミリモル)の激しく撹拌した溶液を、3回の真空/窒素導入サイクルにより脱気し、及び65℃に3日間加熱した。反応混合物中の得られた固体を濾別し、及び濾液を真空中で濃縮した。シリカゲル上でのMPLC(勾配溶離:0%−20%酢酸エチル/ヘキサン)による、得られた粗製残渣の精製によって、1−3を明褐色油として得た。
【0174】
工程C:1−4の製造
イソプロピルアミン(2.1mL、24.3ミリモル)中のケトン1−3(2.0g、6.07ミリモル)の撹拌した溶液に、Ti(OEt)(2.77g、12.14ミリモル)を添加した。RTで週末を越えて撹拌した後、メタノール(50mL)を添加し、続いてNaBH(675.6mg、18.2ミリモル)を添加した。30分後に、反応物を1N NaOH(50mL)でクエンチし、及びEtOAcで3回抽出した。一緒にした有機抽出液を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、及び濾液を真空中で濃縮して、粗製生成物を得、これを更に精製することなく工程Dに於いて使用した。
【0175】
工程D:1−5の製造
ピリジン(5mL)中の化合物1−4(1.6g、4.3ミリモル)の撹拌した溶液に、室温で無水酢酸(4.1mL、20.1ミリモル)を添加した。この混合物を80℃で一晩撹拌し、次いで濃縮し、及びMPLC(勾配溶離:0%EtOAc→40%EtOAc)によって精製して、所望の生成物1−5を得た。
【0176】
工程E:(1−6)の製造
EtOH−EtOAc(50mL/50mL)中の化合物1−5(1.35g、3.24ミリモル)の撹拌した溶液に、Pd(OH)/C(500mg)を添加した。この系を、2回の真空/水素導入サイクルにより脱気し、及びRTでHの存在下で3日間撹拌した。触媒を濾別し、及び濾液を真空中で濃縮して、所望の生成物1−6を白色固体として得た。
【0177】
工程F:tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5,4−ジメチルフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー(1−6a及び1−6b)の製造
tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5,4−ジメチルフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラートのラセミ混合物1−6(640mg)を、キラルセル(ChiralCel)OD20×250mm上の高速液体クロマトグラフィー(注入当たり約50mg;アイソクラチック溶出、ヘプタン中5%IPA;流量=9mL/分;UV検出器波長=254)を使用して分離して、標題化合物1−6a及び1−6bを白色固体として得た。
【0178】
工程G:N−{1−[2−(1−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−クロロ−5−メチルフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(1−7a)の製造
tert−ブチル 4−(2−{1−[アセチルアミノ]エチル}−5−クロロ−4−メチルフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー1−6a(220mg、0.522ミリモル)に、ジオキサン中の4N HCl(10mL)をRTで添加した。この混合物を室温で60分間撹拌し、次いで揮発物質を減圧下で除去した。得られた残渣をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸H−5(180mg、0.539ミリモル)、DIEA(0.375mL、0.636ミリモル)、HOAT(73mg、0.539ミリモル)及びHATU(410mg、1.078ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去し、及び得られた残渣を、ジクロロメタン中の10%MeOHで溶離する分取TLCによって精製して、化合物1−7aを得た。化合物1−7aを単離し、及びエーテル中の1N HClで処理することによってHCl塩に転化させた。C3242ClFについてのCalc MW.:596;実測値:597(M+H)。
【0179】
工程H:N−{1−[2−(1−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−クロロ−5−メチルフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(1−7b)の製造
tert−ブチル 4−(2−{1−[アセチルアミノ]エチル}−5−クロロ−4−メチルフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー1−6b(220mg、0.522ミリモル)に、ジオキサン中の4N HCl(10mL)をRTで添加した。この混合物を室温で60分間撹拌し、次いで揮発物質を減圧下で除去した。残渣の一部(70mg、0.198ミリモル)をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸H−5(66.2mg、0.198ミリモル)、DIEA(0.138mL、0.636ミリモル)、HOAT(27mg、0.198ミリモル)及びHATU(151mg、0.396ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、次いで濃縮して残渣を得た。この残渣を、ジクロロメタン中の10%MeOHで溶離する分取TLCによって精製して、化合物1−7bを得た。化合物1−7bを単離し、及びエーテル中の1N HClで処理することによってHCl塩に転化させた。C3242ClFについてのCalc MW.:596;実測値:597(M+H)。
【0180】
実施例1について上記したものと同様の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0181】
【化26】

【0182】
【表1】

【0183】
(実施例10)
【0184】
【化27】


【0185】
工程A:1−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン−1−オン(10−2)の製造
3−クロロ−4−メチルフェノール10−1(5.00g、35.1ミリモル)及びプロピオン酸クロリド(3.35mL、38.6ミリモル)のスラリーに、三塩化アルミニウム(4.68g、35.1ミリモル)を少しずつ添加し、ガス発生が始まった。ガス発生が終わったとき、反応物を180℃に1時間加熱し、及びスラリーは黄色固体になった。この反応混合物を室温にまで冷却し、及び25mLの濃HCl水溶液と100mLの水との混合物で処理した。この懸濁液を3時間激しく撹拌し、及び綿毛状の固体を濾過し、及び冷水で洗浄した。次いで、この固体を乾固まで高真空下に置いて、標題化合物10−2を得た。
【0186】
工程B:5−クロロ−4−メチル−2−プロピオニルフェニルトリフルオロメタンスルホナート(10−3)の製造
塩化メチレン(50mL)中の1−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン−1−オン10−2(5.50g、27.7ミリモル)の溶液に、ジメチルアミノ−ピリジン(0.338g、2.77ミリモル)を添加し、及びこの溶液を−78℃にまで冷却した。トリエチルアミン(4.63mL、33.2ミリモル)を添加し、続いて、反応温度を−70℃以下に維持して、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.45mL、9.14ミリモル)を、30分間かけて添加した。この反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで氷冷却した水の中に注ぎ、及びEtOAcで希釈した。得られた層を分離し、水性層を2×200mLのEtOAcで抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、及び濃縮して、粗製残渣を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10%酢酸エチル/ヘキサン)による、この粗製残渣の精製によって、標題化合物10−3を白色ワックス状固体として得た。
【0187】
工程C:tert−ブチル 4−(5−クロロ−4−メチル−2−プロピオニルフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(10−4)の製造
5−クロロ−4−メチル−2−プロピオニルフェニルトリフルオロメタンスルホナート10−3(9.00g、27.2ミリモル)、無水エタノール(60mL)、トルエン(60mL)及び2Mの炭酸ナトリウム水溶液(50mL)の混合物に、tert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(8.42g、27.2ミリモル)を添加した。この混合物を排気し、及び窒素で3回フラッシュした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.16g、2.72ミリモル)を添加した後、この混合物を75℃で1時間加熱した。室温にまで冷却した後、この混合物を水の中に注ぎ、及びEtOAc(3×250mL)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮して、黒色油を得た。この粗製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中10%EtOAc)によって精製して、標題化合物10−4を無色油として得た。
【0188】
工程D:tert−ブチル 4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシプロピル)−4−メチルフェニル]ピペリジン−1−カルボキシラート(10−5)の製造
200mLのエタノール中のtert−ブチル 4−(3−クロロ−4−メチル−2−プロピオニルフェニル)−ピペリド−3−エン−1−カルボキシラート10−4(6.90g、19.0ミリモル)の溶液に、酸化白金(0.431mg、1.90ミリモル)を添加した。水素で3回パージした後、この混合物を大気圧の水素下で室温で一晩撹拌した。得られた固体を濾過し、EtOHで3回洗浄した。濾液を一緒にし、及び濃縮して、粗製生成物を得た。この粗製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10%→20%EtOAc/ヘキサン勾配溶離)によって精製して、標題化合物10−5を白色固体として得た。
【0189】
工程E:tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5−クロロ−4−メチルフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラート(10−6)の製造
アセトニトリル(60mL)中のtert−ブチル 4−[5−クロロ−4−メチル−2−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキシラート10−5(2.00g、5.44ミリモル)の溶液に、30mLのアセトニトリル中の濃HSO(4.35mL、81.5ミリモル)を添加した。この混合物を60℃で一晩撹拌した。室温にまで冷却した後、この混合物を水でクエンチし、及び30分間撹拌し、続いて混合物のpHがpH9になるまで5N NaOH水溶液を添加した。この混合物をEtOAc(3×150mL)で抽出し、及び一緒にした有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮して、残渣を得た。この残渣をジクロロメタン(20mL)中に溶解し、及びBocO(1.78g、8.15ミリモル)及びトリエチルアミン(10.0mL)を添加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶離:5→20%イソプロパノール/ヘキサン)による、得られた粗製残渣の精製によって、標題化合物10−6を油として得た。
【0190】
工程F:tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5−クロロ−4−メチルフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー(10−6a及び10−6b)の製造
tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5−クロロ−4−メチルフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラート10−6のラセミ混合物(2.00g、4.89ミリモル)を、キラルセルAD20×250mm上の高速液体クロマトグラフィー(注入当たり約50mg;アイソクラチック溶出、ヘプタン中3%EtOH;流量=9mL/分;UV検出器波長=254)を使用して分離して、標題化合物10−6a及び10−6bを白色固体として得た。
【0191】
工程G:N−{1−[2−(1−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−クロロ−5−メチルフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(10−7a)の製造
ジクロロメタン(0.1mL)中の、tert−ブチル 4−(2−{1−[アセチルアミノ]エチル}−5−クロロ−4−メチルフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー10−6a(0.050g、0.122ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4N HCl(1.0mL)を添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いで揮発物質を減圧下で除去した。得られた残渣をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸G−6(0.042g、0.147ミリモル)、HATU(0.056g、0.147ミリモル)、HOAT(0.020g、0.147ミリモル)及びDIEA(0.108mL、0.636ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣を、逆相半分取HPLCで精製した。溶離溶液を、1N NaOH水溶液の添加によって塩基性に調節し、及びEtOAcで3回抽出した。一緒にした有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮して、標題化合物10−7aを白色固体として得た。ESI−MS C3242ClFについての計算値:573;実測値:574(M+H)。
【0192】
工程H:N−{1−[2−(1−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−クロロ−5−メチルフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(10−7b)の製造
ジクロロメタン(0.20mL)中の、tert−ブチル 4−(2−{1−[アセチルアミノ]エチル}−5−クロロ−4−メチルフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー10−6b(0.140g、0.342ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4N HCl(2.0mL)を添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いで揮発物質を減圧下で除去した。得られた残渣をジクロロメタン(10mL)中に溶解し、(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸G−6(0.116g、0.411ミリモル)、HATU(0.156g、0.411ミリモル)、HOAT(0.056g、0.411ミリモル)及びDIEA(0.301mL、1.78ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣を、逆相半分取HPLCで精製した。溶離溶液を、1N NaOH水溶液の添加によって塩基性に調節し、及びEtOAcで3回抽出した。一緒にした有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮して、標題化合物10−7bを白色固体として得た。ESI−MS C3242ClFについての計算値:573;実測値:574(M+H)。
【0193】
工程I:N−{1−[2−(1−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−クロロ−5−メチルフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(10−8a)の製造
ジクロロメタン(0.1mL)中の、tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5−クロロ−4−メチルフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー10−6a(0.050g、0.122ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4N HCl(1.0mL)を添加した。この反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで揮発物質を減圧下で除去した。この残渣をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、(3R,4R)−1−tert−ブチル−4−カルボキシ−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジニウムクロリドH−5(0.049g、0.147ミリモル)、HATU(0.056g、0.147ミリモル)、HOAT(0.020g、0.147ミリモル)及びDIEA(0.103mL、0.611ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣を、HPLCによって精製して、標題化合物10−8aを白色固体として得た。ESI−MS C3344ClFについての計算値:573;実測値:588(M+H)。
【0194】
工程J:N−{1−[2−(1−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−クロロ−5−メチルフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(10−8b)の製造
ジクロロメタン(0.1mL)中の、tert−ブチル 4−(2−{1−[アセチルアミノ]エチル}−5−クロロ−4−メチルフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー10−6b(0.080g、0.196ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4N HCl(1.0mL)を添加した。この反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで揮発物質を減圧下で除去した。得られた残渣をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、(3R,4R)−1−tert−ブチル−4−カルボキシ−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジニウムクロリドH−5(0.078g、0.235ミリモル)、HATU(0.089g、0.235ミリモル)、HOAT(0.032g、0.235ミリモル)及びDIEA(0.165mL、0.978ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、溶媒を真空下で除去した。HPLCによる得られた粗製残渣の精製によって、標題化合物10−8bを白色固体として得た。ESI−MS C3344ClFについての計算値:573;実測値:588(M+H)。
【0195】
実施例10について上記したものと同様の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0196】
【化28】

【0197】
【表2】

【0198】
(実施例17)
【0199】
【化29】



【0200】
工程A:1−(4−メチル−2−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン−1−オン(17−2)の製造
3−メチル−4−クロロフェノール17−1(5.00g、35.1ミリモル)及びプロピオン酸クロリド(3.35mL、38.6ミリモル)のスラリーに、三塩化アルミニウム(4.68g、35.1ミリモル)を少しずつ添加し、ガス発生が始まった。ガス発生が終わったとき、反応物を180℃に1時間加熱し、及び反応スラリーは黄色固体になった。この反応混合物を室温にまで冷却し、及び25mLの濃HCl/100mLの水の溶液で処理した。この懸濁液を3時間激しく撹拌し、及び得られた綿毛状の固体を濾過し、及び冷水で洗浄した。この固体を高真空下で一晩乾燥し、標題化合物17−2を灰白色固体として得た。
【0201】
工程B:5−メチル−4−クロロ−2−プロピオニルフェニルトリフルオロメタンスルホナート(17−3)の製造
塩化メチレン(50mL)中の1−(4−メチル−2−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン−1−オン17−2(5.50g、27.7ミリモル)の溶液に、ジメチルアミノ−ピリジン(0.338g、2.77ミリモル)を添加した。この溶液を−78℃にまで冷却し、次いで、トリエチルアミン(4.63mL、33.2ミリモル)を添加し、続いて、反応温度を−70℃以下に維持して、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.45mL、9.14ミリモル)を、30分間かけて添加した。この反応物を−78℃で30分間撹拌し、次いで氷冷却した水の中に注ぎ、及びEtOAcで希釈した。得られた層を分離し、水性層を2×200mLのEtOAcで抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、及び濃縮して、粗製残渣を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10%酢酸エチル/ヘキサン)による、この粗製残渣の精製によって、標題化合物17−3を白色固体として得た。
【0202】
工程C:tert−ブチル 4−(5−メチル−4−クロロ−2−プロピオニルフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(17−4)の製造
5−メチル−4−クロロ−2−プロピオニルフェニルトリフルオロメタンスルホナート17−3(9.00g、27.2ミリモル)、無水エタノール(60mL)、トルエン(60mL)及び2Mの炭酸ナトリウム水溶液(50mL)の混合物に、tert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(8.42g、27.2ミリモル)を添加した。この混合物を排気し、及び窒素で3回フラッシュした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.16g、2.72ミリモル)を添加した後、この混合物を75℃で1時間加熱した。室温にまで冷却した後、この混合物を水の中に注ぎ、及びEtOAc(3×250mL)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮して、黒色油を得た。この粗製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物17−4を無色油として得た。
【0203】
工程D:tert−ブチル 4−[5−メチル−2−(1−ヒドロキシプロピル)−4−クロロフェニル]ピペリジン−1−カルボキシラート(17−5)の製造
200mLのエタノール中のtert−ブチル 4−(3−メチル−4−クロロ−2−プロピオニルフェニル)−ピペリド−3−エン−1−カルボキシラート17−4(6.90g、19.0ミリモル)の溶液に、酸化白金(0.431mg、1.90ミリモル)を添加した。水素で3回パージした後、この混合物を大気圧の水素下で室温で一晩撹拌した。固体を濾別し、EtOHで3回洗浄した。一緒にした濾液を濃縮して、粗製生成物を得た。この粗製生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶離:10%→20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物17−5を白色固体として得た。
【0204】
工程E:tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5−メチル−4−クロロフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラート(17−6)の製造
アセトニトリル(60mL)中のtert−ブチル 4−[5−メチル−4−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキシラート17−5(2.00g、5.44ミリモル)の溶液に、30mLのアセトニトリル中の濃HSO(4.35mL、81.5ミリモル)を添加した。この混合物を60℃で一晩撹拌し、次いで室温にまで冷却し、及び水でクエンチした。この混合物を30分間撹拌し、続いて混合物のpHがpH9になるまで5N NaOH水溶液を添加した。次いで、この混合物をEtOAc(3×150mL)で抽出し、及び一緒にした有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(20mL)中に溶解し、及びBocO(1.78g、8.15ミリモル)及びトリエチルアミン(10.0mL)を添加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで濃縮して、粗製残渣を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶離:5→20%イソプロパノール/ヘキサン)による、この粗製残渣の精製によって、標題化合物17−6を白色固体として得た。
【0205】
工程F:(1S)−及び(1R)−tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5−メチル−4−クロロフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラート(17−6a及び17−6b)の製造
tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5−メチル−4−クロロフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラート3−6のラセミ混合物(2.00g、4.89ミリモル)を、キラルセルAD20×250mm上の高速液体クロマトグラフィー(注入当たり約50mg;アイソクラチック溶出、ヘプタン中4%EtOH;流量=9mL/分;UV検出器波長=254)を使用して分離して、標題化合物17−6a及び17−6bを白色固体として得た。
【0206】
工程G:N−{1−[2−(1−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−クロロ−5−メチルフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(17−7a)の製造
ジクロロメタン(0.1mL)中の、tert−ブチル 4−(2−{1−[アセチルアミノ]エチル}−5−メチル−4−クロロフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー17−6a(0.050g、0.122ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4N HCl(1.0mL)を添加し、及びこの混合物を室温で30分間撹拌し、及び揮発物質を減圧下で乾固まで除去した。この残渣をジクロロメタン(5.0mL)中に溶解し、(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸G−6(0.042g、0.147ミリモル)、HATU(0.056g、0.147ミリモル)、HOAT(0.020g、0.147ミリモル)及びDIEA(0.108mL、0.636ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、溶媒を真空下で除去した。この残渣を、逆相半分取HPLCで精製した。溶離溶液を、1N NaOH水溶液の添加によって塩基性に調節し、及びEtOAcで3回抽出した。一緒にした有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮して、標題化合物17−7aを白色固体として得た。ESI−MS C3242ClFについての計算値:573;実測値:574(M+H)。
【0207】
工程H:N−{1−[2−(1−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−クロロ−5−メチルフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(17−7b)の製造
ジクロロメタン(0.20mL)中の、tert−ブチル 4−(2−{1−[アセチルアミノ]エチル}−5−メチル−4−クロロフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー17−6b(0.140g、0.342ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4N HCl(2.0mL)を添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いで揮発物質を減圧下で除去した。この残渣をジクロロメタン(10mL)中に溶解し、(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸G−6(0.116g、0.411ミリモル)、HATU(0.156g、0.411ミリモル)、HOAT(0.056g、0.411ミリモル)及びDIEA(0.301mL、1.78ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、次いで真空中で濃縮した。得られた残渣を、逆相半分取HPLCで精製した。溶離溶液を、1N NaOH水溶液の添加によって塩基性に調節し、及びEtOAcで3回抽出した。一緒にした有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、及び濃縮して、標題化合物17−7bを白色固体として得た。ESI−MS C3242ClFについての計算値:573;実測値:574(M+H)。
【0208】
工程I:N−{1−[2−(1−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−メチル−5−クロロフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(17−8a)の製造
ジクロロメタン(0.1mL)中の、tert−ブチル 4−{2−[1−(アセチルアミノ)プロピル]−5−メチル−4−クロロフェニル}ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー17−6a(0.050g、0.122ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4N HCl(1.0mL)を添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いで揮発物質を減圧下で除去した。得られた残渣をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、(3R,4R)−1−tert−ブチル−4−カルボキシ−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジニウムクロリドH−5(0.049g、0.147ミリモル)、HATU(0.056g、0.147ミリモル)、HOAT(0.020g、0.147ミリモル)及びDIEA(0.103mL、0.611ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、次いで真空中で濃縮して、残渣を得た。この残渣を、HPLCによって精製して、標題化合物17−8aを白色固体として得た。ESI−MS C3344ClFΝについての計算値:587;実測値:588(M+H)。
【0209】
工程J:N−{1−[2−(1−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)−4−メチル−5−クロロフェニル]プロピル}アセトアミドの単一ジアステレオマー(17−8b)の製造
ジクロロメタン(0.1mL)中の、tert−ブチル 4−(2−{1−[アセチルアミノ]エチル}−5−メチル−4−クロロフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラートの単一エナンチオマー17−6b(0.080g、0.196ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4N HCl(1.0mL)を添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いで揮発物質を減圧下で除去した。得られた残渣をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、(3R,4R)−1−tert−ブチル−4−カルボキシ−3−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペリジニウムクロリドH−5(0.078g、0.235ミリモル)、HATU(0.089g、0.235ミリモル)、HOAT(0.032g、0.235ミリモル)及びDIEA(0.165mL、0.978ミリモル)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、次いで真空中で濃縮して、粗製残渣を得た。HPLCによる粗製残渣の精製によって、標題化合物17−8bを白色固体として得た。ESI−MS C3344ClFΝについての計算値:587;実測値:588(M+H)。
【0210】
実施例17について上記したものと同様の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0211】
【化30】

【0212】
【表3】

【0213】
(実施例21)
【0214】
【化31】


【0215】
工程A:(17−5a)及び(17−5b)の製造
酸化白金(182mg、5モル%)を、エタノール(200mL)中の化合物17−4(5.6g、16.0ミリモル)の溶液に添加した。水素の雰囲気下で18時間撹拌した後、この反応物に酸化白金(182mg、5モル%)を再装入し、及び24時間撹拌した。この反応混合物をセライト(Celite)(登録商標)の短いパッドに通して濾過し、及び真空中で濃縮して、粗製残渣を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶離:2%→40%アセトン/塩化メチレン)によるこの粗製残渣の精製によって、ジアステレオマーの混合物として17−5を得た。このジアステレオマーを、HPLC(9mL/分の流量で、5%イソプロパノール/n−ヘプタンで溶離する、キラルセルOJ20×250mmカラム、100mg/溶液mLの注入当たり1mL)によって分離して、標題化合物17−5a及び17−5bを白色固体として得た。(m/z(ES)354(MH))。
【0216】
工程B:(21−1a)及び(21−1b)の製造
化合物21−1aを、17−7aについて記載したものと同様の手順に従って、17−5aから製造した。(m/z(ES)519(MH))。
【0217】
化合物21−1bを、17−7bについて記載したものと同様の手順に従って、17−5bから製造した。(m/z(ES)519(MH))。
【0218】
工程C:(21−2a)及び(21−2b)の製造
ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(0.21mL、1.08ミリモル)を、周囲温度で、塩化メチレン(5mL)中のテトラゾール(3.43mL、アセトニトリル中の0.45M溶液、1.54ミリモル)及び21−1a(80mg、0.154ミリモル)の溶液中の、ジフェニルホスフィノ−ポリスチレン(2.2ミリモル/g、525mg、1.16ミリモル)の懸濁液に、30分間かけて滴下により添加した。周囲温度で一晩撹拌した後、この反応混合物を濾過し、及び真空中で濃縮して、粗製残渣を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶離:0%→20%メタノール/塩化メチレン)による、この粗製残渣の精製によって、21−2aを白色固体として得た。この固体を最小量の塩化メチレン中に溶解し、及び塩化水素(ジエチルエーテル中の1M溶液)で酸性にし、及び真空中で濃縮して、21−2aのHCl塩を白色固体として得た。(m/z(ES)571(MH))。
【0219】
化合物21−2bを、21−2aについて記載したものと同様の手順に従って、21−1bから製造した。(m/z(ES)571(MH))。
【0220】
実施例21について上記したものと同様の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0221】
【化32】

【0222】
【表4】

【0223】
バイオアッセイ
A.結合アッセイ。マウスL−又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)−細胞内で発現するクローン化ヒトMCRに結合する、125I−NDP−α−MSH([Nle4,D−Phe7]−α−メラニン細胞刺激ホルモン)の競争阻害薬を同定するために、膜結合アッセイを使用した。
【0224】
メラノコルチン受容体を発現する細胞系を、組成:1Lの、4.5gのL−グルコース、25mMのヘペスを含有し、ピルビン酸ナトリウムを含有しない、ダルベッコの変性イーグル培地(DMEM)(ギブコ/BRl社(Gibco/BRl));100mLの、10%熱不活性化ウシ胎仔血清(シグマ社);10mLの、10,000単位/mLのペニシリン及び10,000μg/mLのストレプトマイシン(ギブコ/BRl社);10mLの、200mMのL−グルタミン(ギブコ/BRl社);1mg/mLのゲネチシン(geneticin)(G418)(ギブコ/BRl社)の選択的培地を含有する、T−180フラスコ内で増殖させた。細胞を、所望の細胞密度及び細胞数が得られるまで、CO及び湿度調節して37℃で増殖させた。
【0225】
この培地を流し出し、及び10mls/単層の酵素無し会合培地(スペシャルティ・メディア社(Specialty Media Inc.))を添加した。この細胞を、37℃で10分間又はフラスコを手に対してぶつけたとき細胞が無くなるまでインキュベーションした。
【0226】
細胞を、200mLの遠心管の中に取り込み、及び1000rpm、4℃で10分間回転させた。上澄み液を捨て、及び細胞を、組成:10mMのトリスpH7.2から7.4;4μg/mLのロイペプチン(Leupeptin)(シグマ社);10μMのホスホラミドン(Phosphoramidon)(べーリンガー・マンハイム社(Boehringer Mannheim));40μg/mLのバシトラシン(シグマ社);5μg/mLのアプロチニン(シグマ社);10mMのペファブロック(Pefabloc)(べーリンガー・マンハイム社)を有する、5mls/単層膜調製緩衝液中に再懸濁させた。この細胞を、モーター駆動ドゥンス(dounce)(タルボーイ(Talboy)セッティング40)で、10ストロークを使用して均質化し、及びこのホモジェネートを6,000rpm、4℃で15分間遠心分離した。
【0227】
このペレットを、0.2mls/単層膜プレプ(prep)緩衝液中に再懸濁させ、及びアリコートを管の中に入れ(500から1000μL/管)、液体窒素中で急速冷凍し、及び−80℃で貯蔵した。
【0228】
試験化合物又は未標識NDP−α−MSHを、100μLの膜結合緩衝液に1μMの最終濃度まで添加した。この膜結合緩衝液は、組成:50mMのトリスpH7.2;2mMのCaCl;1mMのMgCl;5mMのKCl;0.2%のBSA;4μg/mLのロイペプチン(シグマ社);10μMのホスホラミドン(べーリンガー・マンハイム社);40μg/mLのバシトラシン(シグマ社);5μg/mLのアプロチニン(シグマ社)及び10mMのペファブロック(べーリンガー・マンハイム社)を有していた。10から40μgの膜タンパク質を含有する100μLの膜結合緩衝液を添加し、続いて100μM 125I−NDP−α−MSHを100pMの最終濃度まで添加した。得られた混合物を簡単にかき混ぜ、及び振盪させながら室温で90から120分間インキュベーションした。
【0229】
この混合物を、0.1%のポリエチレンイミン(シグマ社)を含有するパッカード・ユニフィルター(Packard Unifilter)96ウエルGF/Cフィルターを使用してパッカード・マイクロプレート196フィルター装置で濾過した。このフィルターを、組成:50mMのトリス−HCl pH7.2及び20mMのNaClを有する、室温のフィルター洗液で洗浄した(ウエル当たり合計10mLで5回)。このフィルターを乾燥し、底をシールし、及び50μLのパッカード・マイクロシント(Microscint)−20を、それぞれのウエルに添加した。頂部をシールし、及びパッカード・トップカウント・マイクロプレート・シンチレーションカウンターで放射能を定量した。
【0230】
本発明の代表的化合物を試験し、及びメラノコルチン−4受容体に結合することが見出された。これらの化合物は、一般的に、10μMよりも小さいIC50値を有することが見出された。
【0231】
B.機能アッセイ。機能細胞基本アッセイが、拮抗薬からメラノコルチン受容体作用薬を差別するために開発された。
【0232】
ヒトメラノコルチン受容体を発現する細胞(例えば、CHO−若しくはL−細胞又は他の真核生物細胞)(例えば、Yang−YK;Ollmann−MM;Wilson−BD;Dickinson−C;Yamada−T;Barsh−GS;Gantz−I;Mol−Endocrinol.1997年3月、第11(3)巻、第274−80頁参照)を、組織培養フラスコから、Ca及びMg非含有リン酸緩衝食塩水(14190−136、ライフ・テクノロジーズ社(Life Technologies)、メリーランド州ガイテルスブルク(Gaithersburg))で洗浄することによって解離し、及び分離し、続いて酵素非含有解離緩衝液(S−014−B、スペシャルティ・メディア社、ニュージャージー州ラベレッテ(Lavellette))と共に37℃で5分間インキュベーションした。細胞を遠心分離によって集め、及びアールの平衡化塩溶液(Earle’s Balanced Salt Solution)(14015−069、ライフ・テクノロジーズ社、メリーランド州ガイテルスブルク)中に、10mMのヘペスpH7.5、5mMのMgCl、1mMのグルタミン及び1mg/mLウシ血清アルブミンの添加と共に、再懸濁させた。細胞をカウントし、及び1から5×10/mLにまで希釈した。ホスホジエステラーゼ阻害薬である3−イソブチル−1−メチルキサンチンを、細胞に0.6mMまで添加した。
【0233】
試験化合物を、DMSO中に希釈し(10−5から10−10M)、及び0.1体積の化合物溶液を、0.9体積の細胞懸濁液に添加した。最終DMSO濃度は1%であった。室温で45分間インキュベーションした後、細胞を、100℃で5分間のインキュベーションによって溶解させて、蓄積したcAMPを放出した。
【0234】
cAMPを、アメルシャム(Amersham)(イリノイ州アーリントンハイツ(Arlington Heights))cAMP検出アッセイ(RPA556)で、細胞溶解物のアリコート中で測定した。未知の化合物からもたらされるcAMP産生の量を、α−MSH(100%作用薬として定義した)に応答して産生されたcAMPの量に対して比較した。EC50は、それ自体の最大刺激レベルに対して比較したとき、最大刺激の半分になる化合物濃度として定義される。
【0235】
拮抗薬アッセイ:拮抗薬活性は、α−MSHに応答するcAMP産生を阻害するための化合物の能力として定義された。試験化合物の溶液及び受容体含有細胞の懸濁液を調製し、前記のようにして混合した。この混合物を15分間インキュベーションし、及びEC50用量(約10nMのα−MSH)を、細胞に添加した。このアッセイは、45分間で終結し、及びcAMPは前記のように定量された。阻害パーセントは、試験化合物の存在下で産生されたcAMPの量を、試験化合物の不存在下で産生されたものに対して比較することによって決定された。
【0236】
本発明の代表的化合物を、また、官能アッセイに於いて試験し、及び一般的に、10μMよりも小さいEC50値でメラノコルチン−4受容体を活性化することが見出された。
【0237】
C.インビボ食餌摂取及び体重モデル
1)ラットに於ける食餌摂取及び体重。スプレーグ・ドーリーラットに、暗サイクル(12時間)の開始の1時間前に、試験化合物を投与する。食餌摂取は、投与に続く朝、予備秤量した食餌の残留量の測定により又はそれぞれのラットの食餌が、コンピュータモニターした天秤の上に置かれているコンピュータ化システムを使用することにより決定される。化合物投与後16時間の蓄積食餌摂取を測定する。或る場合には、食餌摂取測定は2週間のように長く続く。体重は毎日測定し、或る場合には、肥満症がDEXA走査分析によって測定され、組織重量、及び血漿薬物レベルが測定される。動物には、多数の投与経路によって投与することができる。投与の経路には、静脈内(IV)、腹腔内(IP)、皮下(SC)及び大脳室内(ICV)が含まれる。
【0238】
本発明に於いて有用な化合物は、プラシーボに対して、食餌摂取を少なくとも20%ほど急速に減少させ、及び/又は体重を2週間以内に少なくとも4%ほど減少させる。
【0239】
2)食餌療法誘導肥満マウスに於ける食餌摂取。高脂肪食餌療法(30から60%脂肪カロリー)に維持された雄C57/B16Jマウスに、1から30日間試験化合物を投与する。食餌摂取及び体重を、夜間及び時々昼間に、30日の長さ測定する。レプチン、インスリン、トリグリセリド、遊離脂肪酸、コレステロール及び血清グルコースレベルを含む肥満症に関する生化学的パラメーター並びに薬物動態学的パラメーターを決定することができる。動物には、多数の投与経路によって投与することができる。投与の経路には、静脈内(IV)、腹腔内(IP)、皮下(SC)及び大脳室内(ICV)が含まれる。
【0240】
本発明に於いて有用な化合物は、プラシーボに対して、体重を少なくとも4%ほど減少させる。
【0241】
D.男性性機能不全:マウス電気刺激した海綿体神経(ESCN)アッセイ
雄C57BL6マウスに麻酔をかけ、内頚動脈を露出させ、動脈圧力の測定(MAP)のためにカニューレを挿入する。ヘパリン化した食塩水を充填した、PE10チューブに取り付けた30G針を、動脈の中に挿入し、及び所定の位置に接着した。1分間隔でデータを集めるためにPo−ne−mahソフトウエアを使用して、コンピュータに接続したグールド(Gould)8チャンネルオシロスコープで直接MAPを測定するために、このチューブを、圧力トランスデューサー及び増幅器に連結した。30G針に取り付けた他のPE10ラインを、化合物又は賦形剤投与のための前頚静脈の中に挿入した。海綿体神経及び陰茎体を、正中切開により露出させた。同側性骨盤神経節から生じ、及び前立腺に対して背側に配置された海綿体神経の可視化のために、周囲筋肉を焼灼し、及び除去した。ヘパリン化した食塩水を充填した、PE10チューブに取り付けた他の30G針を、脚の近くの海綿体の底部の中に挿入し、及びグールドシステムに連結した。このカニューレを海綿体の中に挿入したとき、約5から10mmHgの海綿体内圧力(ICP)に於ける僅かな増加が観察される。ヘパリン化した食塩水(200単位/mL)を、カニューレを通してフラッシュして、腫脹性を誘導するカニューレの適切な位置を確実にする。次いで、海綿体神経を、湾曲した#5デュモン(Dumont)鉗子を使用して分離し、修正した固定位置両極銀電極(ハーバード・アパレイタス社(Harvard Apparatus))の上に置いた。この電極をプラスチックのケースに入れて、周りの組織の追加の刺激無しに、この神経を刺激する。電極を前進させ、及びマイクロマニピュレーターによって保持し、及び0.5から6.0v、2から16Hz、1msの範囲内の刺激パラメーターで30秒間、電気インパルスを与えるための方形波刺激装置に取り付けた。電気刺激は、刺激の間5分間隔で、個々の動物に与えられた。それぞれの時点で報告された応答は、2個の刺激の平均を表す。ICP、MAP及びICP/MAP応答を、実験の期間、1秒間隔で連続的に記録した。
【0242】
ICP、MAP及びICP/MAP比の測定値を解析し、応答を、化合物又は賦形剤の存在下又は不存在下で、神経刺激に対して比較した。モニターしたそれぞれのパラメーターについて、二重に行った電気刺激により起こされた応答を平均し、この平均値を比較のために使用した。10秒の基線+30秒の刺激+150秒の後刺激の応答セグメントを使用して、海綿体神経の電気刺激に対する応答に於けるICPに於ける変化を評価した。ICPへの化合物投与の直接影響を評価するために、300秒の前化合物応答セグメントを、化合物投与直後の匹敵するセグメントに対して比較した。
【0243】
本発明に於いて有用である化合物は、プラシーボに対して、少なくとも15分間の時間、少なくとも25%ほど海綿体内圧力を上昇させる。
【0244】
E.女性性機能不全のモデル
女性性受容性に関するげっ歯動物アッセイには、脊柱前彎症の行動モデル及び交尾行動の直接観察が含まれる。また、雄ラット及び雌ラットの両方に於けるオルガスムを測定するための、麻酔をかけ脊椎で横切開したラットに於ける尿道性器反射モデルも存在する。女性性機能不全のこれらの及び他の確立された動物モデルは、McKenna KEら、「麻酔をかけた雄及び雌ラットに於ける性機能の研究用のモデル(A Model For The Study of Sexual Function In Anesthetized Male And Female Rats)」、Am.J.Physiol.(Regulatory Integrative Comp.Physiol 30):R1276−R1285、1991年;McKenna KEら、「雌ラットに於ける性反射のためのしきい値の末梢セロトニンによるモジュレーション(Modulation By Peripheral Serotonin of The Threshold For Sexual Reflexes In Female Rats)」、Pharm.Bioch.Behav.、第40巻、第151−156頁、1991年;及びTakahashi LKら、「雌ゴールデンハムスターに於ける、間脳に於ける二重エストラジオール作用及び社会性挙動の調節(Dual Estradiol Action In The Diencephalon And The Regulation Of Sociosexual Behavior In Female Golden Hamsters)」、Brain Res.、第359巻、第194−207頁、1985年に記載されている。
【0245】
(医薬組成物の実施例)
本発明の組成物の経口組成物の特別の実施態様として、5mgの実施例3が、サイズO硬質ゼラチンカプセルを充填するために580から1000mgの全量を与えるために十分な微細に分割されたラクトースと共に配合される。
【0246】
本発明の化合物の経口組成物の他の特別の実施態様として、2.5mgの実施例4が、サイズO硬質ゼラチンカプセルを充填するために580から1000mgの全量を与えるために十分な微細に分割されたラクトースと共に配合される。
【0247】
本発明を、このある種の好ましい実施態様を参照して記載し、例示したが、当業者は、種々の変更、修正及び置換を本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができることを認めるであろう。例えば、前記したような好ましい用量以外の有効な投与量を、吸収によって起こる骨異常症の酷さのため又は上記の本発明の化合物について他の適応症のために、治療している哺乳動物の応答性に於ける変動の結果として適用することができる。同様に、観察される特定の薬理学的応答は、選択される特別の活性化合物又は医薬坦体が存在するか否か並びに配合の形式及び使用される投与の様式により及びこれらに依存して変化し得るものであり、結果に於けるこのような予想される変動又は差異が本発明の目的及び実施により考慮される。従って、本発明は前記の請求の範囲の範囲によってのみ制限され、このような請求の範囲は妥当であるように広く解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、R及びRは、
(1)ハロゲン、
(2)CF
(3)CH、及び
(4)OCH
からなる群から選択され、
及びRは、独立して、
(1)−C1−4アルキル、
(2)−CF
(3)ハロゲン、
(4)−OC1−4アルキル、
(5)−OCF
(6)−OCHF
(7)−S(O)1−4アルキル、及び
(8)−CN
(但し、アルキルは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され又はR及びR置換基は、これらが結合している炭素と一緒になって、場合により、O、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されたヘテロ原子を含有する、4から6員環を形成し、
は、
(1)−C1−8アルキル、
(2)−(CH−ヘテロアリール、
(3)−(CHヘテロシクロアルキル、
(4)ハロゲン、
(5)−OR
(6)−(CHC(O)R
(7)−(CHOC(O)R
(8)−(CHC(O)OR
(9)−(CHC≡N、
(10)−(CHN(R
(11)−(CHC(O)N(R
(12)−(CHNRC(O)R
(13)−(CHNRC(O)OR
(14)−(CHNRC(O)−ヘテロアリール、
(15)−(CHNRC(O)N(R
(16)−(CHNR−ヘテロアリール、
(17)−(CHC(O)NRN(R
(18)−(CHC(O)NRNRC(O)R
(19)−(CHNRS(O)
(20)−(CHS(O)N(R
(21)−(CHS(O)
(22)−O(CHC(O)N(R
(23)−(CHCF、及び
(24)−O(CHCF
(但し、ヘテロアリールは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され、及びR中のあらゆるアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子は、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から2個の置換基によって置換されており又は同じR炭素原子上の2個の置換基は、この炭素原子と一緒になって、3から6員環を形成し、
それぞれのRは、独立して、
(1)水素、
(2)C1−8アルキル、
(3)フェニル、
(4)ヘテロアリール、
(5)−(CHヘテロシクロアルキル及び
(6)C3−6シクロアルキル
(但し、アルキル、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキルは、置換されていない又はハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシ及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され又は2個のR置換基は、これらが結合している原子と一緒になって、場合により、O、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択された追加のヘテロ原子を含有する、4から8員の単−又は二環式環系を形成し、
rは1又は2であり、
sは0、1又は2であり、
nは0、1、2、3又は4であり、及び
pは0、1又は2である]
の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項2】
がフルオロであり、及びRが、フルオロ及びクロロからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項3】
及びRが、独立して、
(1)メチル、
(2)フルオロ及び
(3)クロロ
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項4】
が、
(1)−(CH−ヘテロアリール、及び
(2)−(CHNRC(O)R
(但し、ヘテロアリールは、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から3個の置換基によって置換されている)からなる群から選択され、及びR中のあらゆるメチレン(CH)炭素原子は、置換されていない又はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから独立して選択された1から2個の置換基によって置換されており又は同じR炭素原子上の2個の置換基は、この炭素原子と一緒になって、3から6員環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
下記に示されるトランス相対立体化学配置の構造式IIa又はIIb:
【化2】

(式中、R及びRは、
(1)クロロ、
(2)フルオロ、
(3)ブロモ、
(4)CF
(5)CH及び
(6)OCH
からなる群から選択され、及びR、R、R、R、r、n及びpは、請求項1に於いて定義された通りである)
の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項6】
【化3】


からなる群から選択された、請求項5に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項7】
【化4】

である、請求項6に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項8】
【化5】

である、請求項6に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項9】
【化6】

である、請求項6に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物及び医薬適合性の担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
医薬適合性の塩が塩酸塩である、請求項6に記載の化合物。
【請求項12】
治療や予防が必要である被検者に於ける肥満症の治療又は予防のために有用である薬物の製造のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項13】
治療や予防が必要である被検者に於けるメタボリック症候群の治療又は予防のために有用である薬物の製造のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項14】
治療や予防が必要である被検者に於ける男性又は女性性機能不全の治療又は予防のために有用である薬物の製造のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項15】
治療や予防が必要である被検者に於ける男性勃起機能不全の治療又は予防のために有用である薬物の製造のための、請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−506696(P2008−506696A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521596(P2007−521596)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/024806
【国際公開番号】WO2006/019787
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】