説明

モジュール式マイクロ流体システムおよびモジュール式マイクロ流体システムの構築方法

多数のマイクロ流体部材を互いに接続して、より大きな集積システムを形成することによって製造できる「プラグ・アンド・プレイ(plug-n-play)」のモジュール式マイクロ流体システムがここに記載されている。例えば、このモジュール式マイクロ流体システムは、外部のデータ収集デバイスおよびシステム制御デバイスへの電気接続を提供する相互接続チャンネルおよび集積電極(または電極を通すための孔)を備えたマザーボードを備えている。このモジュール式マイクロ流体システムは、チャンネル・インサート(マザーボードのチャンネル内に配置される)、ヒータ・ユニット、アクチュエータ・ユニット、取付部材およびマザーボード上に配置される異なる機能を有するマイクロチップ/モジュールを備えても差し支えない。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2008年3月20日に出願された、「モジュール式マイクロ流体システムおよびモジュール式マイクロ流体システムの構築方法」と題する米国特許出願第12/077621号の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、生化学分野に関し、詳しくは、モジュール式マイクロ流体システムおよびモジュール式マイクロ流体システムの構築方法に関する。
【背景技術】
【0003】
製造業者は、化学と生物学の研究を行うために使用されるマイクロ流体システムの製造へのより大きな関心を示している。マイクロ流体システムは、非常に小さな体積の流体を使用しながら、複雑な化学反応や生体反応を行えるので、評判がよい。典型的なマイクロ流体システムは、例えば、相互接続部またはマイクロチャンネルを通じて流体的に連通した反応槽、ミキサおよび検出器などの多くの異なる部材を有する。この典型的なマイクロ流体システムには、流体サンプルを加熱する、ポンプ輸送するおよび案内する、ヒータ、アクチュエータおよびバルブなどの部材がその中に組み込まれている。
【0004】
マイクロ流体システムは、高価な試薬の消費を減少させる、反応時間を減少させる、温度サイクル時間を短縮する、混合を向上させる、流体の小さな体積を精密に操作することなどのいくつかの利点を提供する複雑なシステムの小型化および集積を含むマイクロ流体技術を実践する。マイクロ流体技術により、大規模のベンチトップ型実験プロトコルを自動化し、それらを低コストでポータブルなマイクロ流体システムに集約することが可能になる。
【0005】
しかしながら、今日、高機能のマイクロ流体システムを開発するために、個々の部材を最適化し、次いで、それらの集積を最適化してマイクロ流体システムを設計するには、膨大な時間と専門知識が要求される。例えば、ある部材を最適化すれば、それだけで良好に機能するかもしれないが、一旦、他の部材と集積したら、不十分な集積により、または動作条件の変化により、その性能が損なわれてしまうかもしれない。それに加え、マイクロ流体システムへのわずかな変更にはシステム全体の再構築がしばしば必要であり、これにより、開発時間が長くかかり、相当なコストを負うことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、機能性マイクロ流体システムを構築するための部材を迅速にカスタマイズできるようにする、応答時間の速い低コストの器具を開発することが非常に望ましいであろう。この必要性と他の必要性は、本発明の「プラグ・アンド・プレイ(plug-n-play)」方式のモジュール式マイクロ流体システムおよび「プラグ・アンド・プレイ」方式のモジュール式マイクロ流体システムを構築する方法によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある態様において、本発明は、(a)中に複数のチャンネルが形成された上面を有するマザーボード、(b)マザーボード内のチャンネルの内の1つの中に各々が配置されるようなサイズの少なくとも1つのチャンネル・インサート、(c)少なくとも1つの取付部材、および(d)少なくとも1つのマイクロモジュールを有するモジュール式マイクロ流体システムであって、少なくとも1つのマイクロモジュールの内の1つが1つの取付部材を通じて1つのチャンネル・インサートに連結され、1つのマイクロモジュール、1つの取付部材、および1つのチャンネル・インサートの間が流体連通しているモジュール式マイクロ流体システムを含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、モジュール式マイクロ流体システムを構築する方法であって、(a)複数のチャンネルを備えた上面を有するマザーボードを提供し、(b)複数のチャンネル・インサートを提供し、(c)マザーボード内の1つ以上チャンネルの内部に1つ以上のチャンネル・インサートを配置し、(d)少なくとも1つのマイクロモジュールを提供し、(e)少なくとも1つの取付部材を使用して、マイクロモジュールの内の1つを、マザーボードのチャンネル内に配置された少なくとも1つのチャンネル・インサートに連結する各工程を有してなり、1つのマイクロモジュール、少なくとも1つの取付部材、および少なくとも1つのチャンネル・インサートの間が流体連通している方法を含む。
【0009】
さらに別の態様において、本発明は、マイクロ流体デバイスを構築するためのキットを含む。このキットは、(a)中に複数のチャンネルが形成された上面を有するマザーボード、(b)マザーボード内のチャンネルの内の1つの中に各々が配置されるようなサイズの少なくとも1つのチャンネル・インサート、(c)少なくとも1つの取付部材、および(d)少なくとも1つのマイクロモジュールを含み、ここで、マイクロ流体デバイスが、少なくとも、1つのマイクロモジュールおよび1つの取付部材の間に流体−気体連通があるように1つの取付部材に接続された1つのマイクロモジュールを使用して構築されており、1つのマイクロモジュールおよび1つの取付部材が、逆目取付具、テーパー取付具、ルアー(Luer)取付具またはルアーロック取付具によって互いに連結されている。
【0010】
本発明の追加の態様は、一部には、以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲に述べられており、一部は、詳細な説明から導かれ、もしくは本発明の実施によって分かるであろう。先の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示と説明だけであり、開示された発明を制限するものではないのが理解されよう。
【0011】
本発明は、添付の図面と共に解釈したときに、以下の詳細な説明を参照することによって、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本発明の実施の形態による例示のモジュール式マイクロ流体システムを示す斜視図
【図1B】本発明の実施の形態による別の例示のモジュール式マイクロ流体システムを示す平面図
【図2A】本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体デバイスを構築するために使用できる異なるサイズと形状を有する様々なチャンネル・インサートを示す平面図
【図2B】本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体デバイスを構築するために使用できるチャンネル・インサートを示す斜視図
【図2C】本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体デバイスを構築するために使用できるチャンネル・インサートの作用を示す斜視図
【図2D】本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体デバイスを構築するために使用できるチャンネル・インサートの作用を示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体デバイスを構築するために使用できる様々な異なるマイクロモジュール(またはマイクロチップモジュール)を示す平面図
【図4A】本発明の実施の形態による2つのチャンネル・インサートに接続される2つの取付部材に1つのマイクロモジュールをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される斜視図
【図4B】本発明の実施の形態による2つのチャンネル・インサートに接続される2つの取付部材に1つのマイクロモジュールをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図4C】本発明の実施の形態による2つのチャンネル・インサートに接続される2つの取付部材に1つのマイクロモジュールをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図5A】本発明の別の実施の形態による2つのチャンネル・インサートに接続される2つの取付部材に1つのマイクロモジュールをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される斜視図
【図5B】本発明の別の実施の形態による2つのチャンネル・インサートに接続される2つの取付部材に1つのマイクロモジュールをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図5C】本発明の別の実施の形態による2つのチャンネル・インサートに接続される2つの取付部材に1つのマイクロモジュールをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図6A】本発明の別の実施の形態による2つのチャンネル・インサートに接続される2つの取付部材に1つのマイクロモジュールをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される斜視図
【図6B】本発明の別の実施の形態による2つのチャンネル・インサートに接続される2つの取付部材に1つのマイクロモジュールをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図6C】本発明の別の実施の形態による2つのチャンネル・インサートに接続される2つの取付部材に1つのマイクロモジュールをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図7】本発明のさらに別の実施の形態による、上部ではなく端部に開口を有する2つのチャンネル・インサートに1つのマイクロモジュールを接続できる様式の説明に役立つように使用される断面図
【図8】本発明のさらに別の実施の形態による、上部ではなく端部に開口を有する2つのチャンネル・インサートに1つのマイクロモジュールを接続できる別の様式の説明に役立つように使用される断面図
【図9】本発明のさらに別の実施の形態による、上部ではなく端部に開口を有する2つのチャンネル・インサートに1つのマイクロモジュールを接続できるさらに別の様式の説明に役立つように使用される断面図
【図10A】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、2つのチャンネル・インサートおよび1つのヒータをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される斜視図
【図10B】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、2つのチャンネル・インサートおよび1つのヒータをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図10C】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、2つのチャンネル・インサートおよび1つのヒータをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図11A】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、2つのチャンネル・インサートおよび1つの電気接触ユニットをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される斜視図
【図11B】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、2つのチャンネル・インサートおよび1つの電気接触ユニットをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図11C】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、2つのチャンネル・インサートおよび1つの電気接触ユニットをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図12A】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、4つのチャンネル・インサートおよび1つの電気接触ユニットをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される斜視図
【図12B】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、4つのチャンネル・インサートおよび1つの電気接触ユニットをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図12C】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、4つのチャンネル・インサートおよび1つの電気接触ユニットをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13A】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、2つのチャンネル・インサートおよび1つのアクチュエータをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される斜視図
【図13B】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、2つのチャンネル・インサートおよび1つのアクチュエータをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13C】本発明の実施の形態によるマザーボードに、1つのマイクロモジュール(一体式取付部材を備えた)、2つのチャンネル・インサートおよび1つのアクチュエータをどのように接続できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13D】本発明の実施の形態によるマイクロモジュール内の流体の流れを制御するために、アクチュエータがポンプまたはバルブとしてどのように機能できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13E】本発明の実施の形態によるマイクロモジュール内の流体の流れを制御するために、アクチュエータがポンプまたはバルブとしてどのように機能できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13F】本発明の実施の形態によるマイクロモジュール内の流体の流れを制御するために、アクチュエータがポンプまたはバルブとしてどのように機能できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13G】本発明の実施の形態によるマイクロモジュール内の流体の流れを制御するために、アクチュエータがポンプまたはバルブとしてどのように機能できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13H】本発明の実施の形態によるマイクロモジュール内の流体の流れを制御するために、アクチュエータがポンプまたはバルブとしてどのように機能できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13I】本発明の実施の形態によるマイクロモジュール内の流体の流れを制御するために、アクチュエータがポンプまたはバルブとしてどのように機能できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13J】本発明の実施の形態によるマイクロモジュール内の流体の流れを制御するために、アクチュエータがポンプまたはバルブとしてどのように機能できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図13K】本発明の実施の形態によるマイクロモジュール内の流体の流れを制御するために、アクチュエータがポンプまたはバルブとしてどのように機能できるかの説明に役立つように使用される断面図
【図14】本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体デバイスをテストするための実験中に撮られた写真
【図15A】本発明の実施の形態による異なるモジュール式マイクロ流体デバイスをテストするための実験中に撮られた写真
【図15B】図15Aのモジュール式マイクロ流体デバイスをテストするための実験中に撮られた写真
【図15C】図15Aのモジュール式マイクロ流体デバイスをテストするための実験中に撮られた写真
【図16A】本発明の実施の形態による異なるモジュール式マイクロ流体デバイスをテストするための実験中に撮られた写真
【図16B】図16Aのモジュール式マイクロ流体デバイスをテストするための実験中に撮られた写真
【図16C】図16Aのモジュール式マイクロ流体デバイスをテストするための実験中に撮られた写真
【図17】本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体デバイスをテストするための実験中に撮られた写真
【図18】本発明の実施の形態によるプリント制御回路(PCB)基板上に構築された例示のモジュール式マイクロ流体システムの斜視図
【図19】本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体システムを構築する方法の各工程を示す流れ図
【図20A】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な平面図
【図20B】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な断面図
【図21A】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な平面図
【図21B】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な断面図
【図22A】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な平面図
【図22B】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な断面図
【図23A】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な平面図
【図23B】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な断面図
【図24A】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な平面図
【図24B】本発明の実施の形態により構築できる例示のマイクロ流体デバイスの基本的な断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、より大きな集積システムを形成するために複数のマイクロ流体部材を接続することによって製造される「プラグ・アンド・プレイ」方式のマイクロ流体システムに関する。このモジュール式マイクロ流体システムは、相互接続チャンネルおよび外部のデータ収集デバイスおよびシステム制御デバイスへの電気接続を提供する集積電極(または電極を通すための孔)を備えたマザーボードを備えている。このモジュール式マイクロ流体システムは、チャンネル・インサート(マザーボードのチャンネル内に配置される)、ヒータ・ユニット、アクチュエータ・ユニット、およびマザーボード114上に配置される異なる機能を有するマイクロチップ/モジュールも備えている。ある実施の形態において、マイクロモジュールおよびチャンネル・インサートはマザーボードに差し込まれて、集積マイクロ流体システムを形成している。マイクロモジュールおよびチャンネル・インサートは、集積ビルトイン取付具またはチャンネルおよびマイクロモジュールに差し込むことのできる取付具を介して互いに取り付けられて、漏れのない流体接続を提供する。その上、ヒータおよびアクチュエータを、マザーボード上のどこかに配置し、集積モジュール式マイクロ流体システムのための加熱、ポンプ動作およびバルブ動作を提供するために使用できる。組立てとテスト後、別のモジュール式マイクロ流体システムの構築にさらに使用するために、全ての部材を取り外し、再配置することもできる。それゆえ、集積モジュール式マイクロ流体システムの異なる構成を設計し、容易に構築することができる。モジュール式マイクロ流体システムおよびその様々な部材についての詳細な考察が、図1〜13に関して以下に挙げられている。
【0014】
図1Aを参照すると、本発明の実施の形態による例示のモジュール式マイクロ流体システム100の斜視図が示されている。モジュール式マイクロ流体システム100は、マザーボード114の上面に差し込まれるまたは配置される多種多様の部材102,104,106,108,110および112の任意の組合せを有しても差し支えない(注記:部材104,108および110並びに112は、図4および図10〜13に見ることができる)。図示された例示のマザーボード114は、相互接続チャンネル/溝116の網状構造、電極または光ファイバをその中に通すことのできる孔118、および異なる部材106,108,110および112を中に配置できる凹部120を備えた上面115を有する。所望であれば、マザーボード114は、電極または光ファイバをその中に通すことのできる孔118の代わりに、またはそれに加え、中に形成された集積電極を有していてもよい(例えば、図12参照)。マザーボード114の上面に差し込めるまたは配置できる異なる部材102,104,106,108,110および112としては、チャンネル・インサート102(またはチャンネル接続部102)、取付部材104(例えば、図4A参照のこと)、マイクロチップモジュールまたはマイクロモジュール106、アクチュエータ108(例えば、図11B参照のこと)、ヒータ110(例えば、図11B参照のこと)および電気接続ユニット112(例えば、図1B参照のこと)が挙げられる。
【0015】
図1Bは、異なるサイズのマイクロモジュール106、チャンネル・インサート102およびヒータ110をマザーボード114の上面に配置できる、本発明の実施の形態を示している。チャンネル116の網状構造、孔118、凹部120を備えた、マザーボード114は、多くのタイプとサイズの部材との接続を形成できるように構造化され、配置されている。異なる部材102,104,106,108,110および112、並びにそれらをどのようにマザーボード114に接続できるかが、図3〜13に関して、以下に詳しく記載される。
【0016】
図2A〜2Bを参照すると、本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体デバイス100の構築に役立つように使用できる異なるサイズと形状を有する多種多様なチャンネル・インサートが示されている。図2Aに示されているように、チャンネル・インサート102は、透明(図示されている)であっても、不透明(図示されていない)であっても差し支えなく、多種多様なサイズと形状を有していて差し支えなく、代表的ないくつかだけが、ここに示され説明される。図示された例示のチャンネル・インサート102としては:(1)短い真っ直ぐなチャンネル・インサート102a(例えば、1.5mm(幅)×2mm(厚)×4mm(長));(2)中くらいの真っ直ぐなチャンネル・インサート102b;(3)長い真っ直ぐなチャンネル・インサート102c;(4)短い左曲がりのチャンネル・インサート102d;(5)長い左曲がりのチャンネル・インサート102e;(6)短い右曲がりのチャンネル・インサート102f;(7)長い右曲がりのチャンネル・インサート102g;(8)小さいH形チャンネル・インサート102h;(9)大きいH形チャンネル・インサート102i;(10)小さいT形チャンネル・インサート102j;および(11)大きいT形チャンネル・インサート102kが挙げられる。各チャンネル・インサート102a,102b・・・・102kは、少なくとも2つの開口124および少量の流体が中を通る内部に形成されたチャンネル126を有する。本開示の目的のために、「流体」という用語は、本発明のマイクロ流体システムの実施の形態を通って流動できる液体または気体を意味する。使用者は、モジュール式マイクロ流体システム100を構築するときに、マザーボード114の相互接続チャンネル116内に所望のチャンネル・インサート102a,102b・・・・102kを選択し、配置する。別の実施の形態において、チャンネル・インサート102は、図7〜9に関して以下に検討するように、1つ以上の開口124を、上面の代わりに、端部に有していてもよい。
【0017】
ある実施の形態において、チャンネル・インサート102は、チャンネル126内の流体の流れを可能にするまたは防ぐように制御できる回転バルブ103を備えることができる。例えば、図2Bは、小さなH形チャンネル・インサート102h’内に配置される回転バルブ103(真っ直ぐなチャンネル105を備えたオン・オフ回転バルブ)を示している。また、図2C〜2Dは、小さなH形チャンネル・インサート102h”内に配置される別のタイプの回転バルブ103’(L形チャンネル105’を備えた90°回転バルブ)を示している。図2Cにおいて、回転バルブ103’は、流体が小さなH形チャンネル・インサート102h”を一方向に移動できる(図面の矢印に示された流動方向)1つの位置にある。図2Dにおいて、回転バルブ103’は、流体が小さなH形チャンネル・インサート102h”を別の方向に移動できる(図面の矢印に示された流動方向)別の位置にある。もちろん、チャンネル・インサート102は、幅広い異なるバルブを備えることができる。
【0018】
図3を参照すると、本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体デバイス1000の構築に役立つように使用できる異なるタイプのマイクロモジュール106(またはマイクロチップモジュール106)が示されている。マイクロモジュール106は、透明(図示されている)であっても、不透明(図示せず)であっても差し支えない。例えば、モジュール式マイクロ流体デバイス100の構築に役立つように使用できるマイクロモジュール106としては:(1)混合モジュール106a(サンプル流体を混合するために使用される);(2)検出チャンバマイクロモジュール106b(バイオセンサとして使用される);(3)反応マイクロモジュール106c(加熱でき、冷却でき、真空にでき、ポリメラーゼ連鎖反応などの化学または生化学反応、細胞培養または分子増幅を行うために使用される);および(4)電気泳動マイクロモジュール106d(分子を分離するために使用される)が挙げられる。各マイクロモジュール106a,106b・・・106dは、少なくとも2つの開口128および少量の流体がその中を流れる内部に形成されたチャンネル103を有する(例示の反応マイクロモジュール106cの断面側面図については、図10を参照のこと)。マイクロモジュール106a,106b・・・106dは、異なる機能を有することに加え、異なるサイズおよび形状を有していても差し支えない(図1B参照のこと)。例えば、マイクロモジュール106a,106b・・・106dは、どのような厚さ(例えば、2mm)であってもよく、7.5mm×7.5mm、16.5mm×16.5mm、7.5mm×17.5mm、25.5mm×25.5m、および34.5mm×34.5mmの寸法を有していて差し支えない。様々な用途および機能を有する異なるマイクロモジュール106を製造でき、このプラグ・アンド・プレイ方式のマイクロ流体システム100に使用できることが理解されよう。例えば、製造でき、このプラグ・アンド・プレイ方式のマイクロ流体システム100に使用できるいくつかの代わりのマイクロモジュール106としては、濾過マイクロモジュール(サンプル流体を濾過するために使用される)、分離マイクロモジュール(サンプル流体を分離するために使用される)、加熱マイクロモジュール(サンプル流体を加熱するための内部ヒータを有する)、バルブマイクロモジュール(サンプル流体を方向付けたり、停止させたりするために使用される)、ポンプマイクロモジュール(サンプル流体をポンプ輸送するための内部ポンプを有する)、ポンプ・バルブマイクロモジュール(サンプル流体をポンプ輸送し、サンプル流体を方向付けたり停止させたりする両方のために使用される)、および単離マイクロモジュール(サンプル流体を単離するために使用される)、もしくはこれらの組合せが挙げられる。
【0019】
図4A〜4Cを参照すると、本発明のある実施の形態による2つのチャンネル・インサート102’および102”に接続される2つの取付部材104’および104”に1つのマイクロモジュール106をどのように接続できるかの説明に役立つように使用できる3つの図面が示されている。図4Aは、2つの取付部材104’と104”および2つのチャンネル・インサート102’と102”から外されたマイクロモジュール106を示す斜視図である。図4Bは、互いに接続される前の、マイクロモジュール106、2つの取付部材104’と104”および2つのチャンネル・インサート102’と102”を示す断面図である。この例において、マイクロモジュール106は、内部チャンバ130と流体連通した、中に形成された2つの孔128’と128”(例えば、雌ルアー取付具128’と128”、雌ルアーロック取付具128’と128”)を有する。各取付部材104’と104”は、第1の端部132aと132b(例えば、雄ルアー取付具132aと132b、雄ルアーロック取付具132aと132b)、管134(例えば、可撓管134)、および第2の端部138aと138b(例えば、雄ルアー取付具138aと138b、雄ルアーロック取付具138aと138b)を有する。それに加え、各チャンネル・インサート102’と102”は、2つの開口124aと124b(例えば、雌ルアー取付具124aと124b、雌ルアーロック取付具124aと124b)およびその中に形成されたチャンネル126(例えば、チャンネル126は、ここでは円形であるのが示されているが、任意の幾何学形状であって差し支えない)。ある実施の形態において、マイクロモジュール106は、2つのチャンネル・インサート102’と102”の孔124aと124bに差し込まれるように構成された第2の端部132aと132bを有する2つの取付部材104’および104”の第1の端部138aと138bを受け入れるように構成された孔128’と128”を有する。図4Cは、流体が1つのチャンネル・インサート102’から、マイクロモジュール106を通って他の取付部材104”に、次いで、他のチャンネル・インサート102”へと流動できるように接続された、マイクロモジュール106、2つの取付部材104’と104”、および2つのチャンネル・インサート102’と102”を示す断面図である。所望であれば、マイクロモジュール106は、1つ以上のチャンネル・インサート102と平行に接続でき、その場合、流体はマイクロモジュール106およびチャンネル・インサート102の両方で流動させても差し支えない。
【0020】
図5A〜5Cを参照すると、本発明の別の実施の形態による2つのチャンネル・インサート102’と102”に接続できる2つの一体取付部材104’および104”を、1つのマイクロモジュール106’、この場合には反応槽がどのように有するかの説明に役立つように使用される3つの図面が示されている。図5Aは、2つのチャンネル・インサート102’と102”から外されたマイクロモジュール106’を示す斜視図である。図5Bは、互いに接続される前の、マイクロモジュール106’および2つのチャンネル・インサート102’と102”を示す断面図である。この例において、マイクロモジュール106’は、内部チャンネル130および各々が露出端136aと136b(例えば、雄ルアー取付具136aと136b、雄ルアーロック取付具136aと136b)を有する2つの一体取付部材104aおよび104bを有する。それに加え、各チャンネル・インサート102’および102”は、2つの開口124aと124b(例えば、雌ルアー取付具124aと124b、雌ルアーロック取付具124aと124b)およびその中に形成されたチャンネル126を有する。ある実施の形態において、マイクロモジュール106’は、チャンネル・インサート102’と102”内の孔124aと124bに差し込まれるように構成された第2の端部136aと136bも有する取付部材104aと104bの第1の端部をその中に組み込んでいる。図5Cは、流体が1つのチャンネル・インサート102’から1つの一体取付部材104aに、そしてマイクロモジュール106’のチャンネル130を通って、他の一体取付部材104bに、次いで、他のチャンネル・インサート102”中に通過できるように、2つのチャンネル・インサート102’と102”に接続された2つの一体取付部材104aと104bを備えたマイクロモジュール106’を示す断面図である。
【0021】
図6A〜6Cを参照すると、本発明の別の実施の形態による一体取付部材104a’と104b’を有する2つのチャンネル・インサート102”’と102””に1つのマイクロモジュール106をどのように接続できるかの説明に役立つように使用される3つの図面が示されている。図6Aは、2つのチャンネル・インサート102”’と102””から外されたマイクロモジュール106を示す斜視図である。図6Bは、互いに接続される前の、マイクロモジュール106および2つのチャンネル・インサート102”’と102””を示す断面図である。この例において、マイクロモジュール106は、内部チャンバ130と流体連通したその中に形成された2つの孔128’と128”(例えば、雌ルアー取付具128’と128”、雌ルアーロック取付具128’と128”)を有する。各チャンネル・インサート102”’と102””は、中に形成されたチャンネル126に加え、各々が露出端136a’と136b’(例えば、雄ルアー取付具136a’と136b’、雄ルアーロック取付具136a’と136b’)を備えた2つの一体取付部材104a’と104b’を有する。ある実施の形態において、チャンネル・インサート102”’と102””は、マイクロモジュール106内の孔128’と128”に差し込まれるように構成された第2の端部136aと136bも有する取付部材104a’と104b’の第1の端部をその中に組み込んでいる。図6Cは、流体が1つのチャンネル・インサート102”’から1つの一体取付部材104a’に、そしてマイクロモジュール106を通って、他の一体取付部材104b’に、次いで、他のチャンネル・インサート102””中に通過できるように、2つのチャンネル・インサート102”’と102””に接続されたマイクロモジュール106を示す断面図である。
【0022】
図7〜9を参照すると、本発明のさらにいくつかの実施の形態による、上部ではなく端部に開口124を有する2つのチャンネル・インサート102に1つマイクロモジュール106を接続できる3つの異なる様式を示すのに使用される3つの図面が示されている。図7は、2つの取付部材104’と104”および2つのチャンネル・インサート102’と102”から取り外されたマイクロモジュール106(図4A〜4Cに先に記載したような底面ではなく側面に2つの開口128を有する)を示す平面図である。図8は、2つのチャンネル・インサート102’と102”から取り外されたマイクロモジュール106(図5A〜5Cに先に示したような底面ではなく側面に2つの一体取付部材104aと104bを有する)を示す平面図である。図9は、一体取付部材104a’と104b’を有する2つのチャンネル・インサート102”’と102””から取り外されたマイクロモジュール106(図6A〜6Cに先に記載したような底面ではなく側面に2つ開口128を有する)を示す平面図である。これらの実施の形態の各々において、マイクロモジュール106は、全ての部品が取付部材104を介して互いに接続されたときに、それぞれのチャンネル・インサート102と流体連通しているであろう。それに加え、マザーボード114内の溝116および/または凹部120は、上述したように部材を一緒に組み立てたときに、調節する必要があるかもしれない。
【0023】
チャンネル・インサート102、取付部材104および/またはマイクロモジュール106のいずれかが、互いに接続するためにルアー取付具またはルアーロック取付具を使用する場合には、それらのルアー取付具は、標準的な6%のルアーテーパーを有して差し支えない。漏れのない接続を形成することが望ましい場合には、任意の2つの部材102,104および106を取り付ける前に、予備硬化したポリジメチルシロキサン(PDMS)などの予備硬化ポリマーを数滴、取付具に加えて差し支えない。予備硬化ポリマーの付加の利点は、硬化後に、取付製造の不完全さにより存在するかもしれない任意の隙間を封止し、流体の漏れを防ぐことである。それゆえ、取付製造の許容範囲を、予備硬化ポリマーの付加により減少させることができる。また、永久的なプロセスではないので、部材102,104および106は、容易に分離し、再利用することができる。接着剤または同様の防水性材料を、その材料が部材102,104および106を永久的に取り付けず、接着材料が容易に除去できる限り、予備硬化ポリマーの代わりに使用しても差し支えない。逆目取付具およびテーパー状取付具などの多種多様の取付具形状を本発明に使用できることが理解されよう。本発明について行った概念実証の全ての実験で、予備硬化ポリマーも、接着剤も、防水性材料も使用しなかった(図14〜17参照)。
【0024】
図10A〜10Cを参照すると、本発明の実施の形態によるマザーボード114に、1つのマイクロモジュール106’(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”および1つのヒータ110をどのように取り付けられるかの説明に役立つように使用される3つの図面が示されている。図10Aは、マザーボード114に取り付けられたマイクロモジュール106’および2つのチャンネル・インサート102’と102”を示す斜視図である(注記:一体取付部材104aと104bおよびヒータ110は見えない)。図10Bは、互いに接続され、マザーボード114に取り付けられる前の、マイクロモジュール106’(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”、およびヒータ110を示す断面図である。この例において、マザーボード114は、凹部120中に存在しかつ電気接点を通じてヒータ110に電力を供給するために使用される2つの一体電気コネクタ1002aと1002bを有する。図10Cは、互いに接続され、マザーボード114に取り付けらた、マイクロモジュール106’(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”、およびヒータ110を示す断面図である。ヒータ110は、マイクロモジュール106’の下に配置されており、熱をマイクロモジュール106’に供給する。所望であれば、熱グリースまたは接着剤を用いて、ヒータ110をマイクロモジュール106’の底面に取り付けて、ヒータ110とマイクロモジュール106’との間の良好な熱伝導を確実にしても差し支えない。マイクロモジュール106’(一体取付部材104aと104bを備えた)、および2つのチャンネル・インサート102’と102”は、流体が、1つのチャンネル・インサート102’から、1つの取付部材104aを通り、次いで、マイクロモジュール106’の内部チャンバ130を通り、他の取付部材104bに、次いで、他のチャンネル・インサート102”に通過できるように互いに接続されているのが分かる。あるいは、マイクロモジュール106を外的に加熱する代わりに、一体ヒータを使用することによって、内的に加熱しても差し支えない。
【0025】
図11A〜11Cを参照すると、本発明の実施の形態によるマザーボード114に、1つのマイクロモジュール106”(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”および1つの電気接触ユニット112をどのように取り付けられるかの説明に役立つように使用される3つの図面が示されている。図11Aは、マザーボード114に取り付けられたマイクロモジュール106”(2つの電気パッド1102aと1102bを有する)および2つのチャンネル・インサート102’と102”を示す斜視図である(注記:この例においては、マイクロモジュール106”は、電気化学検出テストを可能にする検出チャンバを有する)。図11Bは、互いに接続され、マザーボード114に取り付けられる前の、マイクロモジュール106”(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”、および電気接触ユニット112を示す断面図である。この例において、マザーボード114は、電気接触ユニット112に接続された2つの電極1104aと1104bを通す2つの孔118aと118bを有する。電気接触ユニット112は、マイクロモジュール106”上の2つの電気パッド1102aと1102bに接続した2つの電気接点1106aと1106bも有する。電気接触ユニット112は、マザーボード114の凹部120内に適合するような大きさである。図11Cは、互いに接続され、マザーボード114に取り付けらた、マイクロモジュール106”(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”、および電気接触ユニット112を示す断面図である。電気接触ユニット112は、マイクロモジュール106”の下に配置され、電気をマイクロモジュール106”に供給するか、あるいはマイクロモジュール106”からの電気信号を測定する(注記:所望であれば、電気接触ユニット112は、マザーボード114内の一体電極に接触する電気接触パッドを底部に有してもよい)。マイクロモジュール106”(一体取付部材104aと104bを備えた)、および2つのチャンネル・インサート102’と102”は、流体が、1つのチャンネル・インサート102’から、1つの取付部材104aを通り、次いで、マイクロモジュール106”を通り、他の取付部材104bに、次いで、他のチャンネル・インサート102”に通過できるように互いに接続されているのが分かる。電気接触ユニットは、一体電極(または電極が通るための孔)を有していてもよく、電気接触ユニットは、外部のデータ収集デバイスおよびシステム制御デバイスに電気の接続を提供してもよい。
【0026】
図12A〜12Cを参照すると、本発明の実施の形態によるマザーボード114に、1つのマイクロモジュール106”’(一体取付部材104aと104bを備えた)、4つのチャンネル・インサート102’(3つが示されている)と102”(1つが示されている)、および1つの電気接触ユニット112’をどのように取り付けられるかの説明に役立つように使用される3つの図面が示されている。図12Aは、マザーボード114に取り付けられたマイクロモジュール106”’(4つの電気パッド1202a,1202b,1202cおよび1202dを有する)を示す斜視図である(注記:この例においては、マイクロモジュール106”’は、電気泳動テストを可能にするチャンバを有する)。図12Bは、互いに接続され、マザーボード114に取り付けられる前の、マイクロモジュール106”’(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”、および電気接触ユニット112’を示す断面図である。この例において、マザーボード114は、電気接触ユニット112’に接続された4つの電極1204aと1204b(2つが示されている)を通す4つの孔118aと118b(2つが示されている)を有する。電気接触ユニット112’は、マイクロモジュール106”’上の4つの電気パッド1202a,1202b,1202cおよび1202dにそれぞれ接続した4つの電気接点1206aと1206b(2つが示されている)も有する。さらに、電気接触ユニット112’は、光ファイバ1208がその中を通り、マイクロモジュール106”’とインターフェースで接続する孔を有する。マザーボード114も、光ファイバ1208がその中を通り、外部デバイスと接続できる別の孔118eも有し、この場合、例えば、光ファイバ1208は蛍光検出に使用できる。電気接触ユニット112’は、マザーボード114の凹部120内に適合するような大きさである。代わりの実施の形態において、モジュールは、マザーボードの凹部内に適合するような大きさでなくてもよいが、マザーボードの上面に積層されてよく、またはマザーボードのない状況で組み立てられてもよい。図12Cは、互いに接続され、マザーボード114に取り付けらた、マイクロモジュール106”’(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”、および電気接触ユニット112を示す断面図である。電気接触ユニット112’は、マイクロモジュール106”’の下に配置され、電気をマイクロモジュール106”’に供給する(注記:所望であれば、電気接触ユニット112’は、マザーボード114内の一体電極に接触する電気接触パッドを底部に有してもよい)。マイクロモジュール106”’(一体取付部材104aと104bを備えた)および4つのチャンネル・インサート102’(3つが示されている)と102”(1つが示されている)は、流体が、界面動電的および/または電気浸透的流れにより、3つのチャンネル・インサート102’から、3つの取付部材104aを通り、次いで、マイクロモジュール106”’を通り、別の取付部材104bに、次いで、他のチャンネル・インサート102”に通過できるように接続されているのが分かる。
【0027】
図13A〜13Cを参照すると、本発明の実施の形態によるマザーボード114に、1つのマイクロモジュール106””(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”、および1つのアクチュエータ108をどのように取り付けられるかの説明に役立つように使用される3つの図面が示されている。図13Aは、マイクロモジュール106””およびその下のアクチュエータ108(3つのピストン1302a,1302bおよび1302cを有する)を示す斜視図であり、マイクロモジュール106””およびアクチュエータ108の両方がマザーボード114に取り付けられている。図13Bは、互いに接続され、マザーボード114に取り付けられる前の、マイクロモジュール106””(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”、およびアクチュエータ108を示す断面図である。この例において、マザーボード114は、アクチュエータ108に電力を供給する3つの一体電気コネクタ1304a,1304bおよび1304cを有する。例示のアクチュエータ108は、マザーボード114内の3つの一体電気コネクタ1304a,1304bおよび1304cと接触する3つの電極1306a,1306bおよび1306cを有する。あるいは、マザーボード114は、アクチュエータ108の3つの電極1306a,1306bおよび1306cを通す3つのチャンネル118を有しても差し支えない。アクチュエータ108は、マザーボード114の凹部120内に適合するような大きさである。図13Cは、互いに接続され、マザーボード114に取り付けらた、マイクロモジュール106””(一体取付部材104aと104bを備えた)、2つのチャンネル・インサート102’と102”、およびアクチュエータ108を示す断面図である。マイクロモジュール106””(一体取付部材104aと104bを備えた)、および2つのチャンネル・インサート102’と102”は、流体が、1つのチャンネル・インサート102’から、1つの取付部材104aを通り、次いで、マイクロモジュール106””の内部通路130を通り、他の取付部材104bに、次いで、他のチャンネル・インサート102”に通過できるように互いに接続されているのが分かる。アクチュエータ108は、流体がマイクロモジュール106””内のいずれの方向にも流れられるような構成で示されている。しかしながら、アクチュエータ108を用いて、マイクロモジュール106””を通して流体をいずれの方向にポンプ輸送しても差し支えなく、マイクロモジュール106””を通る流体の流れを防ぐためのバルブとして使用しても差し支えない。可撓性底部を有するマイクロモジュール106””内の流体をポンプ輸送するおよびバルブで調節するアクチュエータ108の例が、図13D〜13Kに関して次に記載されている。
【0028】
図13D〜13Iは、マイクロモジュール106””内でアクチュエータ108がどのように流体を左から右にポンプ輸送できるかの説明に役立つように使用される。最初に、アクチュエータ108は、左のピストン1302aが持ち上げられて、マイクロモジュール106””中の通路130内の流体の流れを遮断するように制御される(図13D参照)。次いで、アクチュエータ108は、左のピストン1302aと真ん中のピストン1302bが持ち上げられて、マイクロモジュール106””中の通路130内で流体を左から右にポンプ輸送するように制御される(図13E参照)。次に、アクチュエータ108は、左のピストン1302aが下げられ、真ん中のピストン1302bと右のピストン1302cの両方が持ち上げられて、マイクロモジュール106””中の通路130内で流体を左から右にさらにポンプ輸送するように制御される(図13F参照)。その後、アクチュエータ108は、左のピストン1302aと真ん中のピストン1302bが下げられて、右のピストン1302cが持ち上げられて、より多くの流体がマイクロモジュール106””中の通路130に進入するように制御される(図13G参照)。次いで、アクチュエータ108は、左のピストン1302aと右のピストン1302cが挙げられて、マイクロモジュール106””中の通路130の真ん中部分にある流体を押し込めるように制御される(図13H参照)。その後、アクチュエータ108は、左のピストン1302aと真ん中のピストン1302bが持ち上げられ、右のピストン1302cが下げられて、流体をマイクロモジュール106””中の通路130内を左から右にポンプ輸送するように制御される(図13I参照)。このようにして、アクチュエータ108は、蠕動ポンプと似たように、ピストン1302a,1302bおよび1302cを上げ下げして、流体をマイクロモジュール106””中の通路130内の任意の所望の方向にポンプ輸送するように制御できることが認識されるであろう。
【0029】
図13Jは、アクチュエータ108がどのようにして、マイクロモジュール106””内の流体の流れを遮断できるかの説明に役立つように使用される。ある実施の形態において、アクチュエータ108は、真ん中のピストン1302bが持ち上げられて、マイクロモジュール106””中の通路130内の流体の流れを遮断するように制御されるであろう。もちろん、アクチュエータ108は、所望であれば、ピストン1302a,1302bおよび1302cのいずれをまたは任意の組合せを持ち上げて、マイクロモジュール106””中の通路130内の流体の流れを遮断するように制御しても差し支えない。図13Kは、それぞれ、ソレノイド1312a’,1312b’および1312c’の動作を制御することによって圧縮されるバネ1310a’,1310b’および1310c’を備えた、3つのピストン1302a’,1302b’および1302c’を有する例示のアクチュエータ108’の概略図である。また、3つのピストン1302a’,1302b’および1302c’は、例えば、マザーボード114内の孔118を通して提供できる空気圧を含む、幅広い代わりの方法によって圧縮しても差し支えないことが理解されよう。所望であれば、市販のマイクロポンプを使用し、マザーボード114に取り付けても、またはマザーボード114の隣りに配置しても差し支えない。市販のマイクロポンプの例としては、Bartels Mikrotechik GmbH、Star Micronica Co., Ltd,および高砂電気工業により製造されているポンプが挙げられる。
【0030】
本願の発明者等は、モジュール式マイクロ流体システム100の機能性を確認するためにいくつかの異なる実験を行った。これらの実験の結果が、図14〜17に関して次に記載されている。最初の実験において、本発明者等は、例示のモジュール式マイクロ流体システム100a内の圧力をテストした(図14参照)。図14は、例示のモジュール式マイクロ流体システム100aを示す写真であり、ここで、マイクロモジュール106が、小型ルアー取付部材104(図示せず)によりT形チャンネル・インサート102jおよびH形チャンネル・インサート102hに差し込まれており、その全てがマザーボード114上にある。シリンジとシリンジポンプ(図示せず)を用いて、水をモジュール式マイクロ流体システム100a中に100μl/分でポンプ輸送した。圧力計1402をシリンジとモジュール式マイクロ流体システム100aとの間に接続した。モジュール式マイクロ流体システム100aに水を充填した後、ポンプ操作を続けたが、システム100aの出口は、相互接続部のいずれの間に流体漏れがあるか否かを見るために塞いだ。51.1psi(約352kPa)の圧力でさえ、流体漏れは観察されず、この特別な実験を停止した。
【0031】
第2の実験において、本発明者等は、例示のモジュール式マイクロ流体システム100bと100b’を構築し、テストした(図15A〜15C参照のこと)。図15Aは、1つのT形チャンネル・インサート102jおよび3つのH形チャンネル・インサート102hがその上に最初に配置されたマザーボード114を示す写真である。図15Bは、チャンネル・インサート102hおよび102jに、長い反応槽マイクロモジュール106c、流れデフレクタ・マイクロモジュール106bを備えた反応槽および小さな反応槽マイクロモジュール106c’が差し込まれて、モジュール式マイクロ流体システム100bを形成していることを示す写真である。流体流(水および着色水)は、電池1502により電力が与えられたポータブル・マイクロポンプ1500(Bartel Mikrotechik GmbH ポータブル・マイクロポンプ1500)により供給した。図15Cは、先のモジュール式マイクロ流体システム100bの部材の取り外しと再構成によって、1分未満で製造した再構成モジュール式マイクロ流体システム100b’を示す写真である。
【0032】
第3の実験において、本発明者等は、例示のモジュール式マイクロ流体システム100cおよび100c’を構築し、テストした(図16A〜16C参照)。図16Aは、4つのT形チャンネル・インサート102jおよび7つのH形チャンネル・インサート102hが最初にその上に配置されたマザーボード114を示す写真である。図16Bは、4つの入口1602および1つの出口1604を有するモジュール式マイクロ流体システム100cを形成するように、チャンネル・インサート102hおよび102jに差し込まれた小さい反応槽マイクロモジュール106’、大きいミキサ・マイクロモジュール106a、流れデフレクタ・マイクロモジュール106bを備えた反応槽および長い反応槽マイクロモジュール106cを示す写真である。流体流(水および3種類の異なる着色水)はシリンジポンプにより供給した。図16Cは、上述したモジュール式マイクロ流体システム100cに似ているが、代わりに、マザーボード114を使用せずに平らな表面上に構築したモジュール式マイクロ流体システム100c’を示す写真である。
【0033】
第4の実験において、本発明者等は、例示のモジュール式マイクロ流体システム100dを構築し、テストした(図17参照)。図17は、2つのヒータ110が最初にその上に配置され、各ヒータ110の上にマイクロモジュール106が配置された、マザーボード114を示す写真である。2つのヒータ110は、Thermofoil(商標)の可撓性ヒータモデル:HK5565R5.3L6BおよびHK5572R26.5L12B(ミネソタ州、ミネアポリス所在のMinco)であった。この写真は、マイクロモジュール106内の温度分布を示す熱映像も示している。この実験において、これらのヒータ110で、マイクロモジュール106を溶融させずに、90℃より高い温度が達成された。
【0034】
プラグ・アンド・プレイ方式のモジュール式マイクロ流体システム100を製造する際に、多種多様な技術を使用して差し支えない。例えば、標準的なマイクロ加工技術、射出成形技術、ソフトリソグラフィーやステレオリソグラフィーなどの様々な高速試作成形技術もしくはこれらの製造技術の任意の組合せを用いて、プラグ・アンド・プレイ方式のモジュール式マイクロ流体システム100の部材を製造することができる。また、マザーボード114は、標準的なプリント回路基板(PCB)技術を用いて製造することができる。このようにして、電気回路をマザーボード114に容易に集積することができる。所望であれば、マザーボード114は、様々な部材の配列に役立つようにスロットおよび孔を備えて差し支えない。プリント回路基板(PCB)上に製造された例示のモジュール式マイクロ流体システム100を、図18に関して次に記載する。
【0035】
図18を参照すると、本発明の実施の形態によるプリント回路基板(PCB)1802上に製造された例示のモジュール式マイクロ流体システム100eの斜視図が示されている。このモジュール式マイクロ流体システム100eは、そこに取り付けられた様々なチャンネル取付具102および様々なマイクロモジュール106を有するマザーボード114が上に配置されたPCB1802を備えている。マザーボード114は、PCB1802の上面1806上に配置された電気ピンコネクタ1804(5つが示されている)に接続された集積電極(図示せず)を有する。電気ピンコネクタ1804は、データ収集およびシステム制御を提供する外部電子装置に繋がっているそこから延在した可撓ケーブル1810を有するケーブルコネクタ1808に接続されているのが示されている。PCB1802は、マザーボード114へのインターフェースを提供し、マイクロモジュール106における光検出に使用できる光ファイバコネクタ1812も備えている(図12参照)。
【0036】
図19を参照すると、本発明の実施の形態によるモジュール式マイクロ流体システム100を構築するための例示の方法1900の各工程を示す流れ図が示されている。工程1902で、チャンネル116の網状構造を備えた上面115を有するマザーボード114が提供される。次いで、工程1904と1906で、異なるタイプのチャンネル・インサート102が提供され、次いで、マザーボード114内に配置されたチャンネル116の1つ以上の内部に1つ以上のチャンネル・インサート102が配置される。工程1908と1910で、少なくとも1つのマイクロモジュール106が提供され、ここで、マイクロモジュール106の内の1つは、少なくとも1つの取付部材104を通じて、マザーボード114内に配置された少なくとも1つのチャンネル・インサート102に接続される。工程1912で(随意的)、1つのマイクロモジュール106をチャンネル・インサート102に接続する前に、ポンピング−バルビング・アクチュエータ108を提供し、マザーボード114とマイクロモジュール106の内の1つとの間に配置しても差し支えない(図13参照)。工程1914で(随意的)、1つのマイクロモジュール106をチャンネル・インサート102に接続する前に、ヒータ110を提供し、マザーボード114とマイクロモジュール106の内の1つとの間に配置しても差し支えない(図10参照)。工程1916で(随意的)、1つのマイクロモジュール106をチャンネル・インサート102に接続する前に、電気接触ユニット112を提供し、マザーボード114とマイクロモジュール106の内の1つとの間に配置しても差し支えない(図11参照)。それゆえ、集積されたモジュール式マイクロ流体システム100を構築するために、チャンネルを備えたチャンネル・インサート102を、マザーボード114内のスロットまたは溝116に最初に取り付けるかまたは配置する。次いで、所望であれば、マイクロモジュール106(マイクロチップ106)を補助取付部材104によりチャンネル・インサート102に取り付ける前に、再利用できるアクチュエータ108、ヒータ110、および/または電気接触ユニット112をマザーボード114に取り付けることができる。
【0037】
本発明の特定の実施の形態を先に記載してきたが、特に先の教示を踏まえて、多くの改変が当業者により行われてよいので、本発明はこれらの実施の形態に制限されないことが理解されよう。これを説明するために、いくつかの追加の実施の形態を以下に検討して、本発明の実施の形態による「プラグ・アンド・プレイ」方式のマイクロ流体システム100を構築するために使用できる異なる可能な接続の組合せの内のいくつかをさらに説明する。また、チャンネル・インサート102は、マイクロモジュール106の多くの実施の形態の内の1つであることも理解すべきである。
【0038】
先に記載された例示のマイクロ流体デバイス100は、少なくとも2つのチャンネル・インサート102および少なくとも1つのマイクロモジュール106を有していた。しかしながら、ある場合には、たった1つの取付部材104および1つのマイクロモジュール106を用いてマイクロ流体デバイス100(例えば、図20A〜20Bおよび21A〜21Bに示された2つの例示のマイクロ流体デバイス100を参照のこと)を構築しても差し支えない。他の場合には、少なくとも2つのマイクロモジュール106を用いてマイクロ流体デバイス100を構築しても差し支えなく、チャンネル・インサート102は必要とされないであろう(例えば、図22A〜22Bに示された2つの例示のマイクロ流体デバイス100を参照のこと)。それに加え、部材102および106は、互いの上部に差し込んで、3次元のマイクロ流体システム100(例えば、図23A〜23Bおよび24A〜24Bに示された2つの例示のマイクロ流体デバイス100を参照のこと)を形成しても差し支えない。あるいは、チャンネル・インサート102は、マイクロモジュール106の上面に差し込むことができ、次いで、他のマイクロモジュール106をチャンネル・インサート102(図示せず)に差し込むことができる。これらの場合の全てにおいて、少なくとも1つの取付部材104(例えば、雄と雌のルアー取付具)を用いて、マイクロ流体デバイス100を製造した(注記:マザーボード114の使用は随意的である)。本発明の部材を使用した所望のマイクロ流体デバイス100を参照を製造するのに使用できる組合せが数多くあり、これらの組合せと変更例の全てが、本発明の「プラグ・アンド・プレイ」方式のマイクロ流体デバイスの実施の形態を形成することが分かる。
【0039】
プラグ・アンド・プレイ方式のモジュール式マイクロ流体システム100に関連する追加の利点および特徴のいくつかを以下に挙げる:
・ 様々な部材102,104および106の間の漏れのない流体連通を提供するために、Oリング、平面ガスケット、フェルールまたはサムスクリューなどの余計な部材は必要ない。
・ マイクロ流体システム100により、液体の代わりに気体を流すことができる。
・ マザーボード114は、ヒータ110、アクチュエータ108等、並びにデータ収集およびシステム制御を提供する外部電子装置のための電気接続の全てを提供できる。
・ 全ての受動的(反応、検出、混合など)および能動的(ポンプ、バルブなど)機能をマイクロチップ部材106中に組み込むことができる。
・ ポンプ動作およびバルブ動作のための、マザーボード114上のどこかに配置できる、アクチュエータ108は、再利用でき、マザーボード114に容易に取付け、取外しができる。
・ 部材102,104,106,108,110および112は、さらに使用するために、損傷なく、容易に再配置、取付け、取外しが可能である。
・ マイクロチップおよびチャンネル部材102,104および106の全ては、使い捨て式であって差し支えなく、マザーボード114、アクチュエータ108、ヒータ110などは、費用を削減するために再利用できるものであり得る。
・ 集積マイクロ流体システム100の異なる構成を、容易に設計し、構築できる。
・ マザーボード114は、標準的なマイクロプレートのフットプリントを有することができ、例えば、96の個別のチャンバマイクロチップ106を取り付けることによって、96ウェル状のマイクロプレートに転換できる。
【0040】
本発明のいくつかの実施の形態を添付の図面に示し、先の詳細な説明に記載してきたが、本発明は、開示された実施の形態に制限されず、以下の特許請求の範囲に述べられ、定義された本発明の精神から逸脱せずに、多図多くの再構成、改変および置換が可能であることが理解されよう。
【符号の説明】
【0041】
100 モジュール式マイクロ流体システムまたはデバイス
102 チャンネル・インサート
103 回転バルブ
104 取付部材
106 マイクロモジュール
108 アクチュエータ
110 ヒータ
112 電気接続ユニット
114 マザーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式マイクロ流体システムにおいて、
複数のチャンネルが中に形成された上面を有するマザーボード、
各々が前記マザーボード内のチャンネルの内の1つに配置できる大きさの少なくとも1つのチャンネル・インサート、
少なくとも1つの取付部材、および
前記少なくとも1つの取付部材により、前記少なくとも1つのチャンネル・インサートに連結される少なくとも1つのマイクロモジュール、
を備え、前記少なくとも1つのマイクロモジュール、前記少なくとも1つの取付部材、および前記少なくとも1つのチャンネル・インサートの間で流体連通していることを特徴とするモジュール式マイクロ流体システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの取付部材が第1の端部と第2の端部を有し、該第1の端部がマイクロモジュールと一体となり、前記第2の端部が前記少なくとも1つのチャンネル・インサート内の孔と連結して、逆目取付部、テーパー取付部、ルアー取付部またはルアーロック取付部を形成するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のモジュール式マイクロ流体システム。
【請求項3】
少なくとも1つのヒータをさらに備え、各ヒータが、前記マザーボードと前記少なくとも1つのマイクロモジュールの内の1つとの間に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のモジュール式マイクロ流体システム。
【請求項4】
少なくとも1つのポンプ−バルブアクチュエータをさらに備え、各ポンプ−バルブアクチュエータが、前記マザーボードと、中にマイクロチャンネルが形成された前記少なくとも1つのマイクロモジュールの内の1つとの間に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のモジュール式マイクロ流体システム。
【請求項5】
少なくとも1つの電気接触ユニットをさらに備え、各電気接触ユニットが、前記マザーボードと前記少なくとも1つのマイクロモジュールの内の1つとの間に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のモジュール式マイクロ流体システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図13G】
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【図13H】
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【図13I】
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【図13J】
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【図13K】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【公表番号】特表2011−519019(P2011−519019A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500812(P2011−500812)
【出願日】平成21年3月20日(2009.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/001770
【国際公開番号】WO2009/117147
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】