説明

モーションキャプチャー装置およびそれに係る方法

本発明はN個の関節化されたセグメントで構成されるある構造体の運動を捕捉するための装置に関し、以下の特徴的構成を有する。
− 連続的に時間tにおいて、基準を形成するある基準座標系におけるランク


少なくとも出力する第一の手段(ML)、ここで、kは1か、または1より大きい整数である、そして、
− 様々なセグメントにわたって分布し、ランク1からランクnの各セグメン


本発明は生体力学の解析、遠隔操作、ある人物のアニメーション等に応用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモーションキャプチャー装置と、それに係るモーションキャプチャー方法に関する。さらに、本発明はモーション再生装置と、それに係るモーション再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある構造体の運動を捕捉する装置は、処理によって、前記構造体の運動を表現可能とする量を計測する装置である。その構造体は、例えば、辺りを動き回ったり、止まったりしている人またはロボットであってもよい。
人間の運動を捕捉することは、様々な分野、生体力学の解析、遠隔操作、人物のアニメーションおよび人間工学などの応用に広く使用されている技術である。
【0003】
第一のカテゴリーのモーションキャプチャー装置は、二つの別個の部分から成る装置で構成され、第一の部分は動いている物体上に配置され、そして、第二の部分は物体の運動に対して固定されている。
この第一のカテゴリーには、主に、光学的な装置、電磁気的な装置、および超音波の装置がある。これらの装置は正確性に関して効果的である。
【0004】
しかしながら、これらは、ある程度の欠点を有している。つまり、装備を、物体上と物体の所在する環境との両方に組み込む必要があり、全ての場合において、これらの装置は(物理的なソースが及ぶ範囲内の)到達範囲が短く、据付と調整とに、かなり長い時間を要する。また、これらの装置はコストも非常に高い。
【0005】
現時点で恐らく最も使用されている技術は、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されているような光学に基づいたものである。
これらの装置は、アクションが発生しているシーンの周り全体に配置されたカメラ群で捕らえた画像により身体の運動を再生することができる。
動いている物体上に、カメラに対して非常に目立つマーカーが配置されている。ステレオスコープの原理を利用して、処理により各マーカーの3D位置(3Dは「三次元的」を意味する)が定まる。
【0006】
これにもかかわらず、光の遮蔽(optical occlusion)の問題が多数存在し、これにより使用すべき最小限のカメラの数が多くなる。
【0007】
例えば、非特許文献1に記すように、このタイプの欠点の低減を提案する著者もいる。
また、他の著者は、非特許文献2に記すように、カメラから抽出されたシルエットに基づき、動いている物体のモデルと、このシルエットとを関連づける処理方法を提案している。
電磁気学に基づく上記の装置では、物体上に配置されているセンサーの位置および角度が再生される。
超音波の装置では、光学的な装置と同様に、発信機の位置が検出される。これら2つの技術は、カメラに基づく技術と同じように空間的な制限を受ける。
【0008】
第二のカテゴリーの装置は、動いている物体上に配置された一体型ユニットから成る装置に関する。これは外骨格型の装置(exoskeletal device)の場合である。
これらの装置は捕捉される量に制限を無くすることを可能とするが、人間または構造体上に配置された機械式多関節腕で構成されているため窮屈である。
動作の再生には、位置の替わりに、関節部材のセグメント間での角度の計測を使用している。
【0009】
さらに最近では、かなり古くからある原理(慣性ユニットの原理)に基づいた装置が、従来より小さく、概して一辺数センチのスケールで実現されている(特許文献3参照)。
これらの装置は角速度センサー(ジャイロメーター)を備え、動いている物体または動いている人間上に配置されている。
ドリフトを生じさせる角速度センサーの測定値を1回の積分することによって、セグメントの回転角を得ている。
動作がより緩やかなときはいつも、地磁気と重力場に基づく、それら測定値により、方位のずれがリセットされ、これにより、ドリフトを打ち消すために、加速度計、あるいは磁力計でさえ、時にジャイロメーターと組み合わされる。
【0010】
それにもかかわらず、素早い動作を捕捉するには、加速度が残ると、もはやリセットが生じないので、問題が残されている。
加えて、ジャイロメーターは依然として使用が不便なセンサーであり、かなり高価で、また、加速度に対して一定の敏感さを有する。
【0011】
他のアプローチ(特許文献4参照)においては、多関節セグメントとジャイロメーターから構成される角度センサーとを並設することにより動作を再生する。
【0012】
特許文献5には、基準座標系中で動く剛体の方位を捕捉する装置が記載されている。
このモーションキャプチャー装置は、剛体上に配置された軸方向センサーまたはベクトルセンサーから得られる測定値から、基準座標系における剛体の基準座標系を動かすことにより形成される少なくとも方位角θを得る。
【0013】
ここで使用されているセンサーは好ましくは磁力計および加速度計である。
これらから、測定値M、基準座標系における表現される重力場G、基準座標系における表現される磁場Hおよび方位角θの間には以下の式(1)が存在する。
M=F(θ,G,H) (1)
【0014】
加速度計および磁力計それぞれにより計測される物理量の測定値Mは、関数Fとしてモデリングされ、剛体が動いている固定された基準座標系に関して剛体に付属した基準座標系の回転θを示す。
方位角θは以下の等式(2)により等式(1)から導出される。
θ=F−1(M,G,H) (2)
【0015】
もし、運動が加速された場合、この装置は新しい等式(3)で表される。
すなわち、
M=F(θ,a,G,H) (3)
ここで未知数θおよびaは高次元空間を形成し、実践的な形で、関数Fの反転を禁止する。
これにより、未知数θおよびaを等式(3)から抽出することは不可能である。
【0016】
更なる情報なしでは、前記装置では動いている物体が加速された場合、または、少なくとも動いている物体の加速が無視できない場合、方位角の測定ができない。これは欠点である。
【特許文献1】米国特許出願第2003−0215130号公報
【特許文献2】米国特許出願第2005−0088333号公報
【特許文献3】米国特許第6162191号
【特許文献4】米国特許第6820025号
【特許文献5】フランス特許出願第2838185号
【非特許文献1】「Skeleton−Based Motion Capture for Robust Reconstruction of Human Motion」(L.Herda;P.Fua;R.Plankers;R.Boulic;D.Thalmann,Computer Graph Lab (LIG),EPFL−web 01/2000)
【非特許文献2】「Marker−free Kinematic Skeleton Estimation from Sequences of Volume Data」(C.Theobalt;E.Aguiar;M.Magnor;H.Theisel;H−P.Seidel;MPI Informatik)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は上記装置の欠点を有しないように実施されることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
これは本発明がある構造体の運動を捕捉するための装置に関し、前記構造体は互いに関節状に連なったN個の連続したランク1からランクN(Nは2以上の整数)までの剛体セグメントで構成されており、ランクn(n=2、…、N)のセグメントはランクn−1のセグメントと関節点Pで連接され、以下の特徴的構成を有する。すなわち、
【0019】
− ある基準座標系におけるランク1のセグメント上の一点の絶対加速度ベク

より大きい整数)出力する第一の手段、
− 前記ランク1のセグメントに固定された第二の測定手段で、時間t毎に、

値を出力し、
【0020】
そして、
− ランクn(n=2,…,N)の各セグメントに固定された追加測定手段で、

る。
【0021】
本発明の補足的な特徴として、前記第二の測定手段および前記追加測定手段は加速度計と前記構造体が移動する前記空間中に存在する一様な物理的場の測定値を出力するセンサーとで構成され、前記センサーは前記基準座標系における既知の方向を有する。
【0022】
本発明の別の補足的な特徴として、前記第二の測定手段および前記追加測定手段は更に少なくともジャイロメトリック軸で構成されている。
【0023】
本発明の更なる別の補足的な特徴として、前記基準座標系における既知の方向の一様な物理的場の測定値を出力する前記センサーは磁力計である。
【0024】
本発明の更なる別の補足的な特徴として、前記基準座標系における既知の方向の一様な物理的場の測定値を出力する前記センサーは光電素子である。
【0025】
本発明の更なる別の補足的な特徴として、前記第一の手段は速度測定手段で構成され、これにより、前記ランク1のセグメント上の一点の絶対加速度ベクトルを再現可能とする前記情報は前記一点の速度である。
【0026】
本発明の更なる別の補足的な特徴として、前記第一の手段は位置測定手段で構成され、これにより、前記ランク1のセグメント上の一点の絶対加速度ベクトルを再現可能とする前記情報は前記一点の位置である。
【0027】
本発明はまたある構造体の運動を再生するための装置に関し、前記構造体は互いに関節状に連なったN個の連続したランク1からランクN(Nは2以上の整数)までの剛体セグメントで構成され、ランクn(n=2,…,N)のセグメントはランクn−1のセグメントと関節点Pで連接され、以下の特徴的構成を有する。
【0028】
すなわち、
− 本発明に係るモーションキャプチャー装置において、ランクnのセグメントの前記追加測定手段は前記関節点Pの近くに配置され、これにより、ランクnのセグメントの前記追加測定手段と前記関節点Pとを隔てる距離はゼロであるとみなせる。
【0029】
そして
− 複数の演算手段は時間t毎に以下を計測する。
すなわち、
a) 前記第一の手段から出力された前記情報から前記基準座標系における前

c) 以下の等式から、前記基準座標系における前記関節点Pの加速度ベクト

向けて向き付けられたベクトルであり、前記関節点Pn−1から前記関節点Pを隔てる距離をそのモジュラス値とする。
そして、

【0030】
本発明は、また、ある構造体の運動を再生するための装置に関し、前記構造体は互いに関節状に連なったN個の連続したランク1からランクN(Nは2以上の整数)までの剛体セグメントで構成され、ランクn(n=2,…,N)のセグメントはランクn−1のセグメントと関節点Pで連接され、以下の特徴的構成を有する。
【0031】
すなわち、
− 本発明に係るモーションキャプチャー装置であり、ランクnのセグメントの前記追加測定手段は前記関節点Pから離れており、
そして、
− 複数の演算手段は瞬間t毎に以下を計測する。
すなわち、
a) 前記第一の手段から出力された前記情報から前記基準座標系における前

c) 以下の等式から、前記基準座標系における前記関節点Pの加速度ベクト

すなわち、

向けて向き付けられたベクトルであり、前記関節点Pn−1から前記関節点Pを隔てる距離をそのモジュラス値とする。
【0032】
そして、

ンクnのセグメント上に固定された前記追加測定手段の前記測定一点の加速度ベ

ただし、前記測定値(M)は前記ランクnのセグメントの前記方位を表し、前記ランクnのセグメントの前記方位ベクトルは前記時間tより少なくとも2回分

すなわち、

段に向けて向き付けられたベクトルであり、そのモジュラスは実質的に前記関節点Pと前記ランクnのセグメントの前記追加測定手段とを隔てる距離に等しい。
【0033】
本発明の更なる特徴として、前記第一の測定手段および前記第二の測定手段から前記演算手段に出力された前記測定値を示す基本電気信号を送信する無線手段を備える。
【0034】
本発明の別の更なる特徴として、前記無線手段は前記基本電気信号を受信する中継ユニットを備え、この中継ユニットは前記基本電気信号を示す一つ電気信号を前記演算手段に再送信する。
【0035】
本発明の別の更なる特徴として、前記第一の測定手段および前記第二の測定手段から出力された前記測定値を記憶する記憶手段を備える。
【0036】
本発明の別の更なる特徴として、前記記憶手段は前記構造体上に配置されている。
【0037】
本発明はまた以下に関する。
すなわち、
− 独立項14に係るモーションキャプチャー方法
− 独立項18に係るモーション再生方法
そして、
− 独立項19に係るモーション再生方法
【0038】
本発明に係る基本測定装置は二つのタイプのセンサーで構成され、その内一つは加速度計である。
好ましくは、2002年4月5日、出願者により出願されている特許文献5に記載の剛体回転運動を捕捉するための装置を用いて基本測定装置が製造される。
従って、この基本測定装置は、加速度計、センサーXとの一組で構成されている。
センサーXは、前記動く物体が動いている前記空間中に存在する一様な物理的場の測定値を出力するいずれかのセンサーを指す。
【0039】
前記物理的な場の方向は前記基準座標系における既知であり、或いは基準位置中にて測定される。
前記センサーXに関する唯一の制約は第一に前記センサーが加速度に敏感でない必要があり、第二に測定される前記物理的な場の方向は垂直とは異なることである。
【0040】
前記センサーXは、それ故に地磁気の方向を測定する磁力計であってもよい。
前記センサーXは、また光電素子であってもよく、この場合、測定対象は前記電池上に到達する光量である。
【0041】
例えば、もし照明光源が太陽であり、前記光量が測定される時、日付、時間、経度および緯度が既知である場合、絶対基準座標系における太陽光線の入射角を予測でき、結果的に、前記測定は前記太陽光線の方向に対して前記装置が作る前記角度に従って変調される。
これは、それ故にある角度を測定する別の方法である。
【0042】
前記センサーXは、また前記加速度計による前記測定値を補完する一つ以上のジャイロメトリック軸を備えることができる。

情報を出力する前記第一の手段は局部測定装置により実行されることができる。
単純な加速度計は、重力加速度補正用の手段が利用できない場合不適切である。
【0043】
ある人間の運動を測定する具体例の場合、前記局部測定装置は、有利には重力の中心に配置され、または、前記人間の体の重心の近くに(例えば、ウエスト位置に)配置される。
前記局部測定装置は、例えば、微分回路を有するGPSタイプ(GPSは「全地球測位装置」を意味する)の装置であってもよい。
【0044】
前記GPS装置は、それを携帯する要素の位置をいつでも知ることができ、ここで、微分回路は位置データを2階微分することで、地理的基準座標系における絶対加速度を測定する。
前記局部測定装置は、また微分回路を有する無線位置装置を用いて実行されることができる。
無線位置装置はビーコンの使用を必要とする(ULBレーダー、ULBは「超広帯域」を意味する、光学ビーコン等)。
無線位置装置は、そのため、前記局部測定装置の自律的特徴を喪失させる。
【0045】
しかし、前記無線位置装置は、複数のビーコンが最初配置されているエンクロージャ中で運動を追従するとき、非常に有利に使用できる。
また、前記無線装置の使用は、データ伝達と位置測定という二重の利点がある(特にULB装置の場合)。
【0046】
前記GPS装置の場合と同じように、前記無線位置装置により出力された前記位置測定値は加速度測定を得るために2階微分される。
ある指向性圧力測定(チューブ)は空中における人体の速度と直接関連している。
そのため、圧力測定器が固定されているセグメントの速度ベクトルを三つの座標軸に沿って決定することができる。
前記速度測定値を1階微分することによって加速度が得られる。
【0047】
前記モーションキャプチャー装置は、前記運動する構造の階層型構造に関して有利には「ダイナミック」であってもよい。
例えば、人型構造(人間またはロボット)の場合、「ダイナミック」であることは、前記局部測定装置またはML装置が足、手、ウエスト等または剛体要素と同一視可能な他の体の部分のいずれかに配置されることができることを意味する。
【0048】
本発明の他の実施例では、前記ランク1のセグメント上の一点の絶対加速度ベ

【0049】
ここで、セグメント上の一点は前記基準座標系中で固定されていることが知られており、このセグメント上で加速度測定を行うことは実質不必要である。
そして、このセグメントは有利には、前記ランク1のセグメントとして選択されることができる。
【0050】

現可能とする情報を出力する前記第一の手段は、例えば、前記基準座標系における前記ランク1のセグメント上の一点により占有されている固定位置の情報を有する記憶手段であってもよい。
【0051】

現可能とする情報を出力する前記第一の手段は前記ランク1のセグメントに固定された測定手段MLである。
【0052】
前記測定手段MLは前記第二の測定手段MD上に重ね合わさっていると考えられ、前記第二の測定手段MDも前記ランク1のセグメントに固定されている。
さらに一般的な場合では、前記測定手段MLおよびMDは相互に離れており、前記測定手段MLの位置は、その結果前記ランク1のセグメントとランク0の仮想的セグメントとの間のバーチャル関節点と同一視することができる。
【0053】
測定装置MDは、一種のアイドリング状態を特徴づけることができる。
前記装置MDにより出力される信号の分散は、そのため閾値以下である。
【0054】
一点で一種のアイドリング状態が検出され次第、この一点が前記固定された基準座標系中で静止しているという高い可能性が存在する(これは、等速直線運動が一種のアイドリング状態と同じ結果を生じさせるが、しかし、このような運動は起こり難く、そして継続が困難であるためである)。
【0055】
「静止」と検出される場合、前記構造体の加速度は0となり前記静止状態を検出できる。
しかし、関節がある特定の運動中にて静止している場合も存在する。
これは、例えば、歩行の場合であり、ここで、それぞれの足は相互に瞬間的に静止している。
【0056】
この場合、本発明による方法が適用されると、前記ランク1のセグメントは、交互に右足または左足である。
本明細書の残りの部分において、連続したセグメントで構成される関節構造の動作の捕捉および再生に関する本発明の記述をする。
【0057】
しかし、本発明は任意の形の任意の非関節状の固形物(これは、ひいては前記関節構造の前記ランク1のセグメントと同一に扱われることができる)、または、数セットの関節セグメントから構成される複雑な関節構造にも適用されることは明らかである。
【0058】
本発明の他の特徴および利点は、添付図を参照して最良の実施の形態を読解すれば明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
図1は本発明に係るモーションキャプチャー装置に関する関節構造体の一例を示す図である。
【0060】
前記構造体は、例えば、人体または人型ロボットであり、互いに関節状に連なった多くの剛体要素で構成される複数のセグメントの集まりに分割される。
【0061】
これにより、全てのセグメントは頭部セグメントTE、首セグメントC,セットとしての胴体セグメントT1,T2およびT3、セットとしての左腕セグメントBG1,BG2,BG3およびBG4,セットとしての右腕セグメントBD1、BD2,BD3およびBD4、セットとしての左脚セグメントJG1,JG2,JG3,JG4およびJG5、そして、セットとしての右脚セグメントJD1,JD2,JD3,JD4およびJD5に分割される。
【0062】
図2は本発明に係るモーションキャプチャー装置を備える関節構造体を示す図である。
【0063】
前記構造体は例えば肩から手までの範囲における四つの関節セグメントB,B,BおよびBで構成されるロボット腕である。
前記セグメントBは局部測定装置MLおよび基本方位測定装置MDを備える。
前記基本方位測定装置MDは前記局部測定装置MLから離れている。
前記局部測定装置MLの装着位置と前記基本方位測定装置MDの装着位置と

定義される。
【0064】
上で述べたように、前記ランク1のセグメント上の一点が固定されている時、それにより基準座標系におけるこの一点の加速度が0であることが知られているため、前記局部測定装置MLは不必要である。
【0065】
各セグメントB(n=2,3,4)は、関節点Pを備え、隣接しているセグメントBn−1を連接している。
各セグメントB上に基本方位測定装置MDが配置されている。
基本方位測定装置MDの装着位置は関節点Pから離れている。
【0066】
基本方位測定装置MDの装着位置と関節点Pとにより、PからMDに向け

【0067】
本発明に係るモーション再生装置の機能は、第一のセグメントBの方位および加速度についての知識から徐々に前記様々なセグメントの連続した関節点の加速度および前記様々なセグメントが相互に作る角度を推定することである。
【0068】
以下の図および考察において、nはセグメントの一般的なインデックスまたはランクであり、kは一般的な時間増分インデックスである。
また、aは固定された基準座標系におけるランクnのセグメントの関節点Pの加速度であり、そしてθは前記固定された基準座標系におけるランクnのセグメントの三次元の方位(3D方位)である。
【0069】
便宜を図るために、この特許出願において、加速度aおよび方位θは通常スカラー形式で表示される。
【0070】
しかし、留意すべき点として、これらの量はすべて前記基準座標系における三次元ベクトルである。
【0071】
図3は本発明に係るモーションキャプチャー装置を取り付けた運動する構造体の詳視図である。
【0072】
ここで、セグメントSは、関節点PにおいてセグメントSn−1と連接されている。
セグメントSの長さは、関節点Pから関節点Pn+1を隔てる距離Lと同一視できる。
【0073】
同様に、前記セグメントSn−1の長さは、前記関節点Pn−1から前記関節点Pを隔てる距離Ln−1と同一視できる。
【0074】
前記関節点Pn−1およびPにより、Pn−1からPに向けて向き付けられたベ

−1を隔てる距離に等しい。
【0075】
関節点Pは加速度aを有し、また、関節点Pn−1は加速度an−1を有する。
ランクnおよびランクn−1のそれぞれのセグメント上における装置MDおよびMDn−1の測定点は、それぞれ加速度bおよびbn−1を有する。
【0076】

開示される。
【0077】

【0078】

1のセグメントの3D方位ベクトルを示す。
これは、運動の合成法則に従い以下の等式で表される。すなわち、

【0079】

することができる。すなわち、

ただし、Mはランクnのセグメント上に配置された基本測定装置MDにより出力された測定値を表し、そして、GおよびHは、それぞれランクnのセグメントにおける前記基準座標系中で測定された重力場および磁場である。
【0080】
等式(5)は上記等式(2)に対応していることで、それ自体知られている等式である。
【0081】
図4Bは、本発明との関連で使用されている測定処理方法の通常の場合の必須の処理を示す図である。
【0082】

のように記される。すなわち、

または、再び、

その結果、量b(t)を以下の形式で記すことができる。すなわち、

る。
【0083】

される。すなわち、

ただし、関数Lは関数FおよびKを組み合わせた関数であり、以下を満たす。
すなわち、

【0084】
図5Aは、図4Aに示す測定処理方法の必須の処理の詳細流れ図を示す図である。
【0085】
図5Aに示す処理ユニットは量a(t)およびθ(t)の計測方法を詳述し、これらは時間tにおいてランクnのセグメントと関連している。
ランクnのセグメントの量a(t)およびθ(t)は以下の測定または計測データから決定される。
【0086】
すなわち、
− 三つの異なる時間t、tk−1およびtk−2ごとに計測されたランクn−1のセグメントに関連する加速度an−1(t)、an−1(tk−1)およびan−1(tk−2)、そして、
− 異なる二つの時間tk−1およびtk−2において、基本測定装置MDn−1により出力される測定値Mn−1(tk−1)およびMn−1(tk−2)、
− 時間tにおいて計測されるランクn−1のセグメントの方位θn−1(t)、そして
− 時間tにおいて基本測定装置MDにより出力される測定値M(t)。
【0087】
量an−1(tk−2)およびMn−1(tk−2)は演算子2に適用され、演算子2は等式(5)を用いて方位θn−1(tk−2)を出力する。
同様に、量an−1(tk−1)およびMn−1(tk−1)は演算子2に適用され、演算子2は等式(5)を用いて方位θn−1(tk−1)を出力する。
量θn−1(tk−2)およびθn−1(tk−1)並びに時間情報の間隔Δt21は以下を満たす。
【0088】
すなわち、
Δt21=tk−2−tk−1
次に、これらは微分演算子DIFFに適用され、微分演算子DIFFは、量ωn−1(tk−1)を以下のように計測する。
【0089】
すなわち、
ωn−1(tk−1)=(θn−1(tk−2)−θn−1(tk−1))/Δt21
そして、量ωn−1(t)およびd(ωn−1(t))/dtを以下のように計測する。
【0090】
すなわち、
− 量ωn−1(t)は微分演算子DIFFを用いて以下のように計測される。
すなわち、
ωn−1(t)=(θn−1(tk−1)−θn−1(t))/Δt10
ただし、θn−1(tk−1)は上記計測された量であり、θn−1(t)は既知であり(以前計測された)、またΔt10=tk−1−t、そして、量d(ωn−1(t))/dtは微分演算子DIFFを用いて以下のように計測される。
【0091】
すなわち、d(ωn−1(t))/dt=(ωn−1(tk−1)−ωn−1(t))/Δt10
ただし、ωn−1(tk−1)およびωn−1(t)は上記計測された量であり、そしてΔt10=tk−1−tである。
【0092】
次に、量an−1(t)、ωn−1(t)およびd(ωn−1(t))/dtは演算子1に適用され、演算子1は等式(4)を用いて量a(t)を出力する。
次に、計測された量a(t)およびM(t)を取った既知測定値は演算子2に適用され、演算子2は等式(5)を用いて方位量θ(t)を出力する。
【0093】
本発明に係る関節化されたモーションキャプチャー装置により取得された各種測定値の処理は、前記運動する構造体の各セグメントの前記関節点における加速度の測定と前記基準座標系における方位の測定につながる。
これにより、例えば、画面上で前記構造体の運動を描写することができる。
【0094】
図5Aを参照すれば明白であるように、時間tにおけるランクnのセグメントの一組の[a(t)、θ(t)]の測定は、他の要素のうち、先行する時間tk−1およびtk−2におけるランクn−1のセグメントに関する情報から推定される。
【0095】
結果的に、前記構造体のすべてのセグメントに関連する加速度および方位データの全てを第一(最初)の測定から知り得ることができないことは明らかである。
つまり、前記関節化された運動が、それを全体として再生されるためには、ある所定回数の測定を取得する必要がある。
【0096】
図5Bは、図4Bに示す前記測定処理方法の必須の処理の詳細流れ図を示す図である。
【0097】
図5Aを参照して記述した前記データに加えて、ランクnのセグメントの量

のために計測された方位θ(tk−1)およびθ(tk−2)から測定される。
次に、量an−1(tk−2)、Mn−1(tk−2)および量θn−1(tk−3)、θn−1(tk−4)は演算子2に適用され、演算子2は等式(6)を用いて方位θn−1(tk−2)を出力する。
【0098】
同様に、an−1(tk−1),θn−1(tk−2),θn−1(tk−3)およびMn−1(tk−1)は演算子2に適用され、演算子2は、等式(6)を用いて、方位θn−1(tk−1)を出力する。
次に、量an−1(t)、ωn−1(t)およびd(ωn−1(t))/dtは演算子1に適用され、演算子1は、等式(4)を用いて量a(t)を出力する。
【0099】
時間tよりも2回先行するそれぞれの時間において推定された方位θn−1(tk−1)およびθn−1(tk−2)、前記計測された量a(t)、そして、既知の測定値サンプルM(t)は、次に演算子2に適用され、演算子2は等式(6)を用いる。
ただし、ω(t)およびdω(t)は、演算子DIFFにより上記と同様に与えられる。
【0100】
すなわち、
ω(t)=(θ(tk−1)−θ(t))/Δt10
d(ω(t))/dt=(ω(tk−1)−ω(t))/Δt10
ここで、
ω(tk−1)=(θ(tk−2)−θ(tk−1))/Δt21
次に、演算子2は方位量θ(t)を出力する。
【0101】
本発明に係る関節化されたモーションキャプチャー装置により取得された各種測定値の処理は、前記運動する構造の各セグメントの前記関節点における加速度の測定と前記基準座標系における方位の測定につながる。
これにより、例えば、画面上で前記構造体の動作を描写することができる。
【0102】
図5Aを参照すれば明白であるように、時間tにおけるランクnのセグメントの一組の[a(t)、θ(t)]の測定は、他の要素のうち、先行する時間tk−1およびtk−2におけるランクn−1のセグメントに関する情報から推定される。
【0103】
結果的に、前記構造体のすべてのセグメントに関連する加速度および方位データの全てを第一(最初)の測定から知り得ることができないことは明らかである。
つまり、前記関節化された動作が、それを全体として再生されるためには、ある所定回数の測定を取得する必要がある。
【0104】

法を初期化するためにはランクnのセグメントの連続した二つの先行する方位を知る必要がある。
【0105】
これらの方位は、例えば、前記セグメントが不動の時、特許文献5に記載の方法を用いて取得することができる。
【0106】
一方で、上に図示するように、ランクnのセグメントの前記方位を示す前記測定手段が関節点Pに十分近い場合は、前記連続した二つの先行する方位を知る必要がなく、前記方法は簡易化される。
【0107】

セグメントを有する構造体の様々なセグメントのために取得した方位データおよび加速度の経時的変化を示す象徴図である。
【0108】
図6Aにおいて、水平軸は前記構造体を作り上げる前記セグメントのランクnを表し、また垂直軸は継続した測定時間tを示す。
ランクnと時間tの交差点において、ランクnのセグメントの時間tにおいて知られている前記量(加速度および方位)が記される。
これらの量は測定データおよび/または前記測定データより推定されたデータから構成されている。
【0109】

【0110】
更に、以下を満たす。すなわち、
− dθ(t)=θ(t)−θ(tk−1),
− dt(t)=t−tk−1
− dθ(t)=dθ(t)−dθ(tk−1),
− dt(t)=t−tk−1
【0111】
時間tにおいて、前記セグメントに関連する唯一の既知量は以下の通りである。
すなわち、
− a(t),θ(t
これらのデータは、当然前記構造体の運動を描写するには不十分である。
【0112】
時間tにおいて、ランク1から5までの前記セグメントに関連する既知量は以下の通りである。すなわち、
(t),θ(t),dθ/d(t
これらのデータは依然として前記構造体の運動を描写するには不十分である。
【0113】
時間tにおいて、前記セグメントに関連する既知量は以下の通りである。すなわち、
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t
これらのデータは依然として前記構造体の運動を描写するには不十分である。
【0114】
時間tにおいて、既知量は以下の通りである。すなわち、
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t
これらのデータは依然として前記構造体の運動を描写するには不十分である。
【0115】
時間tにおいて、既知量は以下の通りである。すなわち、
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t
これらのデータは依然として前記構造体の運動を描写するには不十分である。
【0116】
時間tにおいて、ランク1から5までの前記セグメントに関連する既知量はそれぞれ以下の通りである。すなわち、
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t
これらのデータは依然として前記構造体の運動を描写するには不十分である。
【0117】
時間tにおいて、ランク1から5までの前記セグメントに関連する既知量はそれぞれ以下の通りである。すなわち、
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t
これらのデータは依然として前記構造体の運動を描写するには不十分である。
【0118】
時間tにおいて、既知量は以下の通りである。すなわち、
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t
【0119】
時間tにおいて、既知量は以下の通りである。
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t),dθ/dt(t),dθ/dt(t),
− a(t),θ(t
これらのデータはここで初めて前記構造体の運動を完全に描写することを可能とする。
【0120】
前記描写がその後の時間t10およびt11において継続された場合、以下を満たす。
すなわち、
− 時間t10において、ランク1から5までの前記セグメントに関連する既知量はそれぞれ以下の通りである。すなわち、
− a(t10),θ(t10),dθ/dt(t10),dθ/dt(t10),
− a(t10),θ(t10),dθ/dt(t10),dθ/dt(t10),
− a(t10),θ(t10),dθ/dt(t10),dθ/dt(t10),
− a(t10),θ(t10),dθ/dt(t10),dθ/dt(t10),
− a(t10),θ(t10),dθ/dt(t10
【0121】
そして、
− 時間t11において、ランク1から5までの前記セグメントに関連する既知量はそれぞれ以下の通りである。すなわち、
− a(t11),θ(t11),dθ/dt(t11),dθ/dt(t11),
− a(t11),θ(t11),dθ/dt(t11),dθ/dt(t11),
− a(t11),θ(t11),dθ/dt(t11),dθ/dt(t11),
− a(t11),θ(t11),dθ/dt(t11),dθ/dt(t11),
− a(t11),θ(t11),dθ/dt(t11),dθ/dt(t11
【0122】
五つのセグメントを有する前記構造体の前記関節化された運動は前記五つのセグメント(n=5)の前記加速度および方位を知り得る次第、つまり、時間t(k=9)から完全に定義される。
同様に、例えば三つのセグメント(n=3)を有する構造体において、前記三つのセグメントの前記加速度および方位は時間t(k=5)から知り得ることが分かる。
【0123】
その結果、整数nおよび整数kとの間において、前記モーションキャプチャー装置が正常に機能している。
つまり、前記モーションキャプチャー装置が前記構造体の全てのセグメントに必要な全ての加速度および方位情報を出力しているという事実を解釈する関係を確立することができる。
【0124】
前記関係は以下のように記される。
すなわち、
k>2n−2
【0125】
図6Bは、上記通常の場合、関節化されたセグメントを有する構造体の様々なセグメントのために徐々に取得した方位および加速度データの計測結果を示す象徴図である。
前記方位および加速度データの計測は、以下に、最初の三つのセグメントの場合について記述される。
【0126】
〔第一のセグメントの場合〕
第一のステップにおいて、測定値値a(t)およびM(t)が使用され、これらはセグメント1上で測定(計測)された加速度(第一の測定手段MLのおかげで)および第二の測定手段(MD1)により出力された測定値にそれぞれ対応している。
また、先行する時間(tk−1およびtk−2)において与えられる(または計測される)前記第一のセグメントの方位θ(tk−1)およびθ(tk−2)も使用される。
【0127】
これら四つの項目の情報のおかげで、時間tにおけるセグメント1の方位θ(t)を計測することが可能となる。
第二のステップにおいて、セグメント1上で測定(または計測)された加速度a(t)が使用され(第一の測定手段MLのおかげで)、また、一つ前のステップで計測された前記第一のセグメントの方位名θ(t)も使用され、先行する時間(tk−1およびtk−2)において与えられる(または計測される)θ(tk−1)およびθ(tk−2)も使用される。
これらの量を用いて、関節点pにおける加速度a(t)が計測される。
【0128】
〔第二のセグメントの場合〕
第一のステップにおいて、時間tにおいて、以前のステップで計測された加速度a(t)および第二のセグメントの測定手段MDの測定値M(t)が使用される。
また、先行する時間(tk−1およびtk−2)において与えられる(または計測される)前記第二のセグメントの方位θ(tk−1)およびθ(tk−2)も使用される。
【0129】
これら四つの項目の情報のおかげで、時間tにおけるセグメント1の方位θ(t)を計測することが可能となる。
第二のステップにおいて、前記第一のセグメントの第二のステップにおいて測定(または計測)された加速度a(t)が使用され、また、一つ前のステップで計測された前記第二のセグメントの方位θ(t)も使用され、先行する時間(tk−1およびtk−2)において与えられる(または計測される)θ(tk−1)およびθ(tk−2)も使用される。
これらの量を用いて、関節点pにおける加速度a(t)が計測される。
【0130】
〔第三のセグメントの場合〕
第二のセグメント用と同様な二つのステップが実行されるが、ここで、インデックス3はインデックス4に代替され、インデックス2はインデックス3に代替され、そしてインデックス1はインデックス2に代替される。これは、n番目のセグメントに至るまで続く。
【0131】
すなわち、第二のセグメント用と同様な二つのステップが実行されるが、ここで、インデックス3はインデックスN+1に代替され、インデックス2はインデックスNに代替され、そしてインデックス1はインデックスN−1に代替される。
【0132】
次に、すべてのセグメントが考慮された時、継続する時間tは再開始するため待ち受ける。
通常の場合、時間tにおけるセグメントの推定方位を知るためには、前記同一セグメントの先行する2回のtk−1およびtk−2分の前記推定方位を知る必要があることは特筆すべきである。
【0133】
結果的に、第一の計測時間のために、それよりも先行する時間における前記方位の値を初期化する必要がある。
この目的のために、例えば、静的測定を行うことができるが、ここでの加速度は低く、結果的に無視できる。
そして、その結果、角度を特許文献5に記載のように計測することができる。
【0134】
また、前記角度を初期化するために他の手段を用いることもできる(応力のある初期位置に設定された角度符号器等)。
【0135】
図7Aおよび図7Bは、本発明に係るモーション再生装置の二つの実施例を示す図である。
【0136】
n個の関節化されたセグメントから構成される構造体Sは代表的に長方形で表される。
構造体Sは、例えば、一人の人間または一体のロボットであり、一連の装置MD(i=1,2,…,n)および一連の局部測定装置ML(j=1,2,…,m)を備える。
装置MDおよび装置MLは上述のように前記構造体全体にわたって分布している。
【0137】
また、上述のように、図7Aおよび図7Bにはm個の局部測定装置が表示されているが、本発明の実施にはたった局部測定装置でも十分である。
【実施例】
【0138】
第一の実施例において、装置MDにより出力された測定値および局部測定装置MLにより出力された測定値はそれぞれの無線信号RDおよびRLにより計測装置3、例えばコンピュータに送信される(図7A)。
【0139】
前記モーション再生装置は結果的に無線送信手段を備える。
計測装置3は前記信号RDおよびRLを受信する受信アンテナRを備える。
【0140】
計測装置3はまた入力パラメータとして基準座標系における局部重力場の値G、前記基準座標系における局部磁気の値Hおよび前記様々なセグメントを示す様々

【0141】
次に、計測装置3は、図5および図6を参照した上記記述と一致してデータ処理を実行する。
【0142】
次に、表示装置E、例えば、スクリーンは、前記関節化された構造体の運動をディスプレイする。
図7Bは、図7Aと異なり、無線信号RDおよびRLは、直接、計測装置3に送信されず、ここでは、構造体Sに固定された中継ユニットDEMに送信される。
【0143】
次に、前記DEMユニットは、受信したデータを、計測装置3に無線信号RFの形式で送信する。
構造体S上における中継ユニットDEMの存在は、有利に本発明の別の実施例を実行することを可能とする。
【0144】
これは、構造体Sが計測装置3から遠く離れて移動している場合、前記RF信号の範囲は劣化する恐れがあるためである。中継ユニットDEMに配置されたメモリカードはそのとき信号RDおよびRLを記録することができる。
前記データ処理は、その結果、前記動作が一旦実行された後、前記測定値を捕捉した後に前記メモリカード上に記録されたデータの読取により実施されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明に係るモーションキャプチャー装置に関する関節構造体の一例を示す象徴図である。
【図2】四つの関節セグメントを有する構造体の場合の本発明に係るモーションキャプチャー装置の一例を示す図である。
【図3】本発明に係るモーションキャプチャー装置を備える二つの連続した関節セグメントを示す図である。
【図4A】本発明との関連で使用されている測定処理方法の特定の場合の必須の処理を示す図である。
【図4B】本発明との関連で使用されている前記測定処理方法の通常の場合の必須の処理を示す図である。
【図5A】図4Aに示す前記測定処理方法の必須の処理の詳細流れ図を示す図である。
【図5B】図4Bに示す前記測定処理方法の必須の処理の詳細流れ図を示す図である。
【図6A】上記特定の場合、五つの関節セグメントを有する構造体の様々なセグメントのために取得した方位データおよび加速度の経時的変化を示す象徴図である。
【図6B】上記通常の場合、関節セグメントを有する構造体の様々なセグメントのために徐々に取得した方位データおよび加速度の計測結果を示す象徴図である。
【図7A】本発明に係るモーションキャプチャー装置の二つの実施例を示す図である。
【図7B】本発明に係るモーションキャプチャー装置の二つの実施例を示す図である。 全ての添付図において、同じ参照記号は同じ要素を示す。
【符号の説明】
【0146】
1 演算子
2 演算子
3 演算手段
ML 第一の手段
MD 第二の測定手段(基本方位測定装置)
MD 追加測定手段(基本方位測定装置)
MD 測定装置
MD 装置
ML 局部測定装置

関節点
n−1 関節点

測定値
測定値
時間
RD 電気信号
RL 電気信号
RF 電気信号
DEM 中継ユニット
θ(t) 方位
θ(t) 方位
DIFF 微分演算子
X センサー
G 重力場
H 磁場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランク1からランクN(Nは2以上の整数)までの関節状に繋がれたN個の連続した剛体セグメントによって構成され、ランクn(n=2,…,N)のセグメントはランクn−1のセグメントと関節点Pで連接された構造体のモーションキャプチャー装置であって、
基準座標系における前記ランク1のセグメント上の一点の絶対加速度ベクトル

の手段(ML)と、
前記ランク1のセグメントに固定され、かつ前記基準座標系における前記ラン

二の測定手段(MD)と、
ランクn(n=2,…,N)の各セグメントに固定され、かつ前記ランクnの

(MD)と、
を有することを特徴とするモーションキャプチャー装置。
【請求項2】
前記第二の測定手段(MD)および前記追加測定手段(MD)が、
加速度計と、
前記構造体が移動する空間中に存在し、かつ前記基準座標系における、ある知られた方向をもった一様な物理的場の測定値を出力するセンサーと、
によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のモーションキャプチャー装置。
【請求項3】
前記第二の測定手段(MD)および前記追加測定手段(MD)が、少なくとも一つのジャイロメトリック軸を更に有することを特徴とする請求項2に記載のモーションキャプチャー装置。
【請求項4】
前記基準座標系における、ある知られた方向をもった一様な物理的場の測定値を出力する前記センサーが、磁力計であることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか一項に記載のモーションキャプチャー装置。
【請求項5】
前記基準座標系における、ある知られた方向をもった一様な物理的場の測定値を出力する前記センサーが、光電素子であることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか一項に記載のモーションキャプチャー装置。
【請求項6】
前記ランク1のセグメント上の前記一点の絶対加速度ベクトルを再現可能とするデータ項目が前記一点の速度となるように、前記第一の手段(ML)が速度測定手段で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第一の手段(ML)が、前記ランク1のセグメント上の前記一点の絶対加速度ベクトルを再現可能とする前記データ項目を前記一点の位置とする位置測定手段によって構成された測定手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
ランク1からランクN(Nは2以上の整数)までの関節状に繋がれたN個の連続した剛体セグメントによって構成され、ランクn(n=2,…,N)のセグメントはランクn−1のセグメントと関節点Pで連接された構造体のモーション再生装置であって、
前記ランクnのセグメントの追加測定手段(MD)と前記関節点Pとを隔てる距離がゼロとみなせるような前記関節点Pの近傍に前記ランクnのセグメントの追加測定手段(MD)が配置されている請求項1から請求項7のいずれか一項に係るモーションキャプチャー装置と、
そして、時間t毎に、
a) 前記第一の手段によって出力された前記情報により、前記基準座標系に


き付けられたベクトルであり、前記関節点Pn−1から前記関節点Pを隔てる距離を、そのモジュラス値とする。)により、前記基準座標系における前記関節点P

を算出する演算手段(3)と、
を有していることを特徴とするモーション再生装置。
【請求項9】
ランク1からランクN(Nは2以上の整数)までの関節状に繋がれたN個の連続した剛体セグメントによって構成され、ランクn(n=2,…,N)のセグメントはランクn−1のセグメントと関節点Pで連接された構造体のモーション再生装置であって、
前記ランクnのセグメントの追加測定手段(MD)が前記関節点Pから離れている請求項1から請求項7のいずれか一項に係るモーションキャプチャー装置と、
そして、時間t毎に、
a) 前記第一の手段によって出力された前記情報により、前記基準座標系に

き付けられたベクトルであり、前記関節点Pn−1から前記関節点Pを隔てる距離を、そのモジュラス値とする。)により、前記基準座標系における前記関節点P

と、そして、前記時間tを少なくとも2回分先行した前記ランクnのセグメントの方位ベクトルとから、

手段に向けて向き付けられたベクトルであり、そのモジュラスは実質的に前記関節点Pと前記ランクnのセグメントの前記追加測定手段とを隔てる距離に等しい。)
を使って、前記ランクnのセグメントに固定された追加測定手段の前記測定点の

を算出する演算手段(3)と、
を有していることを特徴とするモーション再生装置。
【請求項10】
前記第一の測定手段(ML)および前記第二の測定手段(MD)によって前記演算手段(3)に出力された前記測定値を示す基本電気信号(RD,RL)を送信する無線手段を備えることを特徴とする請求項8または請求項9のいずれか一項に記載のモーション再生装置。
【請求項11】
前記無線手段が、前記基本電気信号(RD,…,RD,RL,…,RL)を受信し、そして、前記演算手段(3)への基本電気信号を示す電気信号(RF)を再送信する中継ユニットを有していることを特徴とする請求項10に記載のモーション再生装置。
【請求項12】
前記第一の測定手段(ML)および前記第二の測定手段(MD)によって出力された前記測定値を記憶する記憶手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記記憶手段が前記構造体上に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ランク1からランクN(Nは2以上の整数)までの関節状に繋がれたN個の連続した剛体セグメントによって構成され、ランクn(n=2,…,N)のセグメントはランクn−1のセグメントと関節点Pで連接された構造体のモーションキャプチャー方法であって、
連続的な時間t(kは1以上の整数)での、ある基準座標系における前記ラン

少なくとも一回の測定と、
連続的な時間t毎に、前記基準座標系における前記ランク1のセグメントの方

ランクnの各セグメントに対して、連続的な時間t毎に、前記基準座標系にお

と、
を含むことを特徴とするモーションキャプチャー方法。
【請求項15】

ぞれ、前記構造体が移動する空間中に存在し、かつ前記基準座標系における、ある知られた方向をもった一様な物理的場の測定であることを特徴とする請求項14に記載のモーションキャプチャー方法。
【請求項16】
ある基準座標系における前記ランク1のセグメント上の一点の絶対加速度ベク

あることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のモーションキャプチャー方法。
【請求項17】
ある基準座標系における前記ランク1のセグメント上の一点の絶対加速度ベク

あることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のモーションキャプチャー方法。
【請求項18】
ランク1からランクN(Nは2以上の整数)までの関節状に繋がれたN個の連続した剛体セグメントによって構成され、ランクn(n=2,…,N)のセグメントはランクn−1のセグメントと関節点Pで連接された構造体のモーション再生方法であって、
請求項14から請求項17のいずれか一項に係るモーションキャプチャー方法と、
そして、時間t毎に、

き付けられたベクトルであり、前記関節点Pn−1から前記関節点Pを隔てる距離を、そのモジュラス値とする。)により、前記基準座標系における前記関節点P

の算出と、
を含むことを特徴とするモーション再生方法。
【請求項19】
ランク1からランクN(Nは2以上の整数)までの関節状に繋がれたN個の連続した剛体セグメントによって構成され、ランクn(n=2,…,N)のセグメントはランクn−1のセグメントと関節点Pで連接された構造体のモーション再生方法であって、
請求項14から請求項17のいずれか一項に係るモーションキャプチャー方法と、
そして、時間t毎に、
a) 前記第一の手段によって出力された前記情報により、前記基準座標系に

き付けられたベクトルであり、前記関節点Pn−1から前記関節点Pを隔てる距離を、そのモジュラス値とする。)により、前記基準座標系における前記関節点P

と、そして、前記時間tを少なくとも2回分先行した前記ランクnのセグメントの方位ベクトルとから、

手段に向けて向き付けられたベクトルであり、そのモジュラスは実質的に前記関節点Pと前記ランクnのセグメントの前記追加測定手段とを隔てる距離に等しい。)
を使って、前記ランクnのセグメントに固定された追加測定手段の前記測定点の

の算出と、
を含むことを特徴とするモーション再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2009−526980(P2009−526980A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554785(P2008−554785)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051522
【国際公開番号】WO2007/093641
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】