説明

ユニバーサルデザイン縁石

【課題】
バリアーフリーが重要視される世の中になって、道路の断面構造も車道と歩道が平坦で縁石だけが突出している形に変化してきている。その縁石に歩行者や自転車などの交通弱者がつまずく、という新たな問題が発生している。
【解決手段】
歩道と車道を区分する縁石の表面を、明度の高い親水性の白色塗料で塗装し、その縁石の上に、ある間隔で有彩色の立体的な反射式標示物を施工することにより、縁石と標示物が目立ち自動車は勿論、交通弱者などが縁石につまずいたりする事故を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者や自転車、乳母車、車椅子などのいわゆる交通弱者のために、車道の外側部に沿って設置される縁石、並びにその周辺のバリアーフリーの推進に併せて、利用する全ての人に優しいユニバーサルデザイン化と交通安全に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、歩車道分離の道路構造は、高齢化社会の到来と社会福祉の充実ということもあって、バリアーフリー化することが重要視される世の中になっている。
【0003】
そのような中にあって、道路の断面構造も車道と歩道がほぼ平坦となり、縁石だけが道路から突出している形に変化している。その突出した縁石に歩行者や自転車、乳母車、車椅子などの交通弱者が、つまずいて怪我をするという、新たな問題が発生しているのである。
【0004】
特許文献1には、表面の汚損を抑制することで景観を損なうことがないようにし、同時に、水分の吸水を防止することでアルカリが中和されることによるコンクリート強度の低下を防止し、さらに歩道と車道の境界面をはっきりさせて縁石ブロックに車が接触する等の事故を防止することができるようにした縁石ブロックを提供する。とあり、その解決手段として、設置状態での外部露出表面に撥水及び吸水防止加工が施されている。と記載がある。
【0005】
特許文献2には、標示の劣化を防止し、耐用寿命の長い道路標示構造物及びその製造方法を提供する。とあり、その解決手段として、道路に設置されて必要な標示に用いられるものであり、コンクリートや金属で形成される基体部材の鉛直面状の標示面にアクリル系樹脂からなる塗料層を形成し、この塗料層に無数のビーズを固定し、それを光反射層としたもの。と記載がある。
【0006】
特許文献3には、シリコーン樹脂を含有する水分散エマルジョンに光触媒粒子を含有してなり、紫外線を含む光の照射により水に対する接触角が60度以下の親水性膜を形成することを特徴とするコーティング組成物とあり、そのコーティング組成物は、塗料或いはコーティング剤の分野において最も要求度の高い脱溶剤化を実現し、しかも塗膜の耐候性、防汚性を兼ね備えたコーティング組成物である。即ち、バインダーに水分散シリコーン樹脂含有エマルジョンを用い、光触媒粒子の光触媒反応を利用して塗膜にセルフクリーニング性を付与したものである。更に、光触媒粒子の分散安定性は、有機溶剤中よりも比誘電率が高い水中の方が優れており、光触媒粒子の凝集を防ぐため分散安定性にも優れる。しかも、この水分散エマルジョンは、有機溶剤を実質的に含まないものであり、従来公知のシリコーン樹脂含有エマルジョンに比べて、保存安定性が格段に優れており、光触媒粒子との共存に十分耐えられるものである。と記載があり、このような親水性のある塗料で縁石の表面を白色に色づけする塗料として採用した。
【0007】
特許文献4には、夜間において設置位置が確認しにくくなる縁石を自動車のヘッドライトの反射光を使って明らかにするようにした道路用縁石を提供すること。とあり、その縁石本体の上面に隆起凸部を形成し、この隆起凸部の起立壁面部に光反射板を付設して走行する自動車のヘッドライトの光をこの光反射板に照射し、その反射光によって運転者に前記縁石の付設位置を確認させ、縁石との衝突、或いは乗り挙げを回避するようにした道路用縁石。の記載がある。
【特許文献1】特開2001−115410
【特許文献2】特開平11−107227
【特許文献3】特開平10−279886
【特許文献4】特開2002−212912
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1は、縁石の耐久性の向上は図れると思うが、境界面をはっきりさせたり、防汚性能は充分に発揮できないし、この縁石の上に、通常よく取付けられる主として対自動車用の道路鋲を施工しても、歩行者や自転車、車椅子などの交通弱者には、突出した縁石の存在が判明しづらく効果的でない。
【0009】
特許文献2は、縁石の耐久性は上がっても、縁石の表面は、路面に施工する白線のようにタイヤによる磨耗がなく、白さを保つことができないので防汚性能は発揮出来ないし、表層のガラスビーズは、夜間対自動車用としては、指向性反射するので効果があっても、交通弱者には意味のないものである。しかも、ガラスビーズの散布による表層の凹凸が早期に縁石を汚くする。
【0010】
特許文献4は、その縁石本体の上面に隆起凸部を形成し、この隆起凸部の起立壁面部に光反射板を付設して、とある部分が特許の中心であると思われるが、縁石の上に隆起を設けるには、コンクリートの成型型枠の投資が必要であるし、わざわざ隆起させなくても背の高い反射板付きの成型物を取りつけることで済むことである。また、反射板を自動車用として反射させても、歩行者やその他の交通弱者には、反射板の背景となる縁石が経年変化でどす黒く汚れて、障害物として全体が視認しづらいのである。
【0011】
通常、車道の外側部に沿って設置される縁石は、土埃、自動車の排気ガス、雨水などによって汚れやすい環境に設置されている。表面の汚損で車道と歩道の境界がはっきりせず、特に降雨時や夕暮れ時、夜間には見えづらくなる。縁石に自動車は勿論、歩行者や自転車、乳母車、車椅子などが乗り上げたり、ぶつけたり、つまずいたりする事故が多発しているという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、上記の課題を解決するために、連続して設置される道路構造物で歩道と車道を区分する縁石の表面を親水性の白色塗料で塗装し、その縁石に有彩色の立体的な反射式標示物を施工することにより、背景となる縁石が白色であることで、標示物が目立ち、歩道と車道の境界がはっきりする。その結果、自動車や歩行者、自転車、乳母車、車椅子、などが縁石にぶつかったり、つまずいたりする事故を防止することになり、全ての人に優しいユニバーサルデザイン化を推進することになるのを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、連続して設置される道路構造物で歩道と車道を区分する縁石において、その表面を親水性の白色塗料で塗装し、前記縁石に有彩色の立体的な反射式標示物が施工されてなるユニバーサルデザイン縁石を提供することにある。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載のユニバーサルデザイン縁石において、立体的な反射式標示物の高さ及び幅は、30ミリメートルから200ミリメートルで、その奥行きは、1ミリメートルから200ミリメートルに構成してなるユニバーサルデザイン縁石を提供することにある。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1に記載のユニバーサルデザイン縁石において、立体的な反射式標示物の標示部形状を板状、又は十字形、舌片形、矢印形、筒形及び逆V字形としたことを特徴とするユニバーサルデザイン縁石を提供することにある。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1に記載のユニバーサルデザイン縁石において、立体的な反射式標示物の下部に台座を設け、縁石の上に接着剤及び又は、アンカーで固定したことを特徴とするユニバーサルデザイン縁石を提供することにある。
【0017】
歩道と車道を区分する道路構造物の縁石は、コンクリートの成形物を車道の路肩付近に設置されるが、従来の道路断面では、歩道面が車道面より150ミリメートルから300ミリメートル程度高くして施工されていた。
【0018】
しかし、最近ではバリアーフリー化の流れの中で歩道と車道がほぼ同じ高さ、即ち、平坦となり、結果として歩道と車道の境界にコンクリートの縁石が150ミリメートルから300ミリメートル突出する形で設置されているのである。
【0019】
歩道と車道の境界に立体的に大きく存在することとなった縁石は、バリアーフリー化の推進で仕方がないといっても邪魔な存在であることには間違いなく、全ての人に優しいと言うユニバーサルデザイン化が、かえって出来ていないという結果になっている。かといって除去してしまうわけにはいかないのである。
【0020】
そこで本発明の請求項1では、連続して設置される道路構造物で歩道と車道を区分するとともに、その表面を親水性の白色塗料で塗装し、前記縁石に有彩色の立体的な反射式標示物が施工されてなるユニバーサルデザイン縁石を提供することにある。
【0021】
縁石の表面の一部または全体を親水性の白色塗料で塗装することで、周囲の環境になじみ、降雨時の親水性の作用で付いた汚れが洗い流されて、いつまでも白いのである。継続して良好な視認性が維持できるので自動車のドライバーは勿論のこと、歩行者や自転車、乳母車、車椅子などの交通弱者からも昼夜間縁石がより見えやすくなる。更に、その縁石の上に高さのある有彩色で立体的な反射式標示物を取付けることで、より視認性を向上させたユニバーサルデザインの道路空間を作るようにしたのである。
【0022】
親水性塗料は、特許文献3以外に、コロイダルシリカを使ったナノレベルのエマルジョン樹脂などの塗装により、現象的に親水性効果が発揮され汚れを落とすことが確認されており、長期間その効果が持続される。
【0023】
通常、歩道と車道を区分する道路構造物の縁石は、コンクリート製で、その露出部分の寸法は、長さが600ミリメートルから2000ミリメートルでその断面は幅が150ミリメートルから300ミリメートルで、高さも150ミリメートルから300ミリメートル程度で施工されている。
【0024】
歩道と車道を区分する道路構造物の縁石の表面を親水性塗料で白くしたのは、白色は明度が一番高く、従って、昼夜間共に最も視認しやすいからである。そして、塗料はコンクリートに密着性が良くて、耐久性があればよいのであるが、長期に亘り白さを保つために、親水性を持たせることにした。更に、より一層白く見せるために、ブルー系の色目のものを若干混入したり、また、付近の景観を考えて、少し黄色系の白とか、グリーン系の白にしても良い。
【0025】
そして、その縁石の上に施工された有彩色の立体的な反射式標示物の色と、縁石の白色とを対比させることで、自動車からも、歩行者や自転車、乳母車、車椅子などの交通弱者に対しても、より鮮明に縁石の存在と,その大きさや、端部がわかりやすい、いわゆるユニバーサルデザインの道路空間となるのである。
【0026】
有彩色で立体的な反射式標示物の色彩は、安全色ではJISZ9101(安全色および安全標識)およびJISZ9103(安全色一般的事項)にもあるように、赤、黄赤、黄、緑、青、赤紫と六色あり、それぞれが彩度の高い鮮明な色となっているし、反射材もこの安全色でほぼ揃っているので好都合である。また、この反射式標示物は、成形品によるプリズム式反射器でも良いし、その色目は、安全色又は蛍光色で構成するのが一般的であるが、その他の色でも良い。
【0027】
蛍光色の反射体を採用する場合は、安全色系の色に蛍光が混ざったものでもいいが、蛍光色単体で黄色系のレモンイエローとか赤系でピンク、青色や緑色の蛍光色でも良い。
【0028】
安全色の赤は、マンセル値が7.5R4/14で主に防火や、禁止、停止、高度の危険に対して使用される。本発明では、行き止まりなどの停止や、交差点部の停止線などに使うと良い。
【0029】
黄赤は、マンセル値が2.5YR6/14で主に危険や航海、航空の保安施設で使用され、飛行場や、港湾の周りで使用される。また、視線誘導標の設置基準に定める橙色であってもよい。
【0030】
黄は、マンセル値が2.5Y8/12で主に注意の意味で使用されるが、縁石の表面に走行注意の意味合いで、頻繁に使用される色彩である。
【0031】
緑は、マンセル値が10G4/10で主に安全、避難、衛生、救護、保護、進行の意味合いで使用され、青は、マンセル値が2.5PB4/10で主に義務的行動、指示用に使用される。特に青色は、精神的に安定させることが最近の研究でわかってきている。このことから、危険でない通常の場所では、積極的に使用されるようになるものと思われる。また、青色は周辺の風景を盛り立てる役割も期待できるので、そのような所では青色が望ましい。
【0032】
赤紫は、マンセル値が2.5RP4/12で主に放射能の意味で使用されるが、縁石の表面に使用されるのは、まれである。
【0033】
以上、各安全色について述べてきたが、安全色の対比色として白色、灰色、黒色が考えられるが、その中でも白色は一番明度が高く、自動車や自転車、歩行者からも良く目立ち、これをベース色に採用することとした。
【0034】
この時使用される有彩色の立体的な反射式標示物の形状、寸法、材質は、いろいろな物が考えられる。現在最も多く使用されているのが、スタッドと呼ばれる貼付け用の道路鋲でその寸法は、高さが13ミリメートルから20ミリメートルで100ミリメートル角程度のタイル状の製品がある。
【0035】
これらは、もともと路面への貼付け用であり、高さを抑えて車のヘッドライトで反射させるという構造となっているので、自動車の運転者に対しての視認性はよいが、歩行者や自転車、乳母車、車椅子などの交通弱者には、高さが13ミリメートルから20ミリメートル程度と低いこともあって、見えづらいものである。
【0036】
また、反射式標示物の色を蛍光色にして、自動車のヘッドライトの光りにLED(発光ダイオード)で紫外線が出るタイプを混ぜるようにするなどの工夫をすれば、よりクッキリと浮かび上がるように見える。これは自転車のライトや懐中電灯でも同じこととなる。
【0037】
請求項2では、立体的な反射式標示物の高さ及び幅は、30ミリメートルから200ミリメートルで、その奥行きは、1ミリメートルから200ミリメートルに構成してなる請求項1に記載のユニバーサルデザイン縁石の大きさについて限定した。
【0038】
有彩色で立体的な反射式標示物を構成する基材は、ポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂など耐候性と耐衝撃性を考慮したものが良いが、アルミ形材、アルミ鋳物、アルミダイキャスト、ステンレスなどの金属製のものであってもよい。また、その大きさは、高さと幅が30ミリメートルから200ミリメートルで、その奥行きは、1ミリメートルから200ミリメートル程度の立体的なものを取付ける。勿論、その標示物は、板状、筒状、その他の形状で、しかも、その天端の形状は、角にアールがついたもの、尖ったようになっているもの、おむすび形になったものなどでも良い。
【0039】
高さを30ミリメートル以上としたのは、30ミリメートルより低いと歩行者や自転車などの交通弱者から見にくいし、200ミリメートルより高いとかえって邪魔になる。また、幅は30ミリメートル程度以上でないと視認性や安定感に欠けるし、仮に200ミリメートル以上にすると、縦長の不安定なものになる。また、奥行きは、板状のものであれば1ミリメートルから20ミリメートル程度でよいし、筒状であれば直径が30ミリメートルから200ミリメートル程度でよい。縁石への取付けは、標示物の下部に台座を設けて、接着剤で貼付けるか、アンカーボルト止め、もしくは、両方を併用してもよいし、その他縁石の目地部に挟み込ませるようにして取付けてもよい。
【0040】
請求項3では、立体的な反射式標示物の標示部形状を板状、又は十字形、舌片形、矢印形、筒形及び逆V字形としたことを特徴とする請求項1に記載のユニバーサルデザイン縁石の形状について選定した。
【0041】
このことは、立体的な反射式標示物の形状を色々工夫することで、主として車両に前方の道路の形状を予告する。例えば、舌片の先が左を向けると、前方が左にカーブになっているとか、十字形になっていると前方に交差点があるなどの意味合いを、標示物の形状に持たせたのである。
【0042】
請求項4では、立体的な反射式標示物の下部に台座を設け、縁石の上に接着及び又は、アンカーで固定したことを特徴とする請求項1に記載のユニバーサルデザイン縁石の固定方法について選定した。
【0043】
高さが13ミリメートルから20ミリメートル程度で100ミリメートル角程度の扁平な道路鋲では、縁石の上に接着剤で貼り付ける方法が一般的であるが、本発明の背の高い標示物では、通学路などイタヅラが予想される現場に使用される場合には、アンカーボルトで固定するとか、接着剤による固定とアンカーボルトによる固定を共用すると良い。
【発明の効果】
【0044】
上記、解決手段による発明の効果を説明すると、請求項1では、歩道と車道を区分する道路構造物の縁石の表面を、親水性の白色塗料で塗装することで、自動車は勿論のこと、歩行者や自転車、乳母車、車椅子などの交通弱者においても昼夜間にかかわらず、最も縁石が視認しやすくなる。しかも、親水性塗料は、降雨のたびに親水性効果が発揮され汚れを落とすことができ、長期間その効果が持続される。
【0045】
これだけでもかなりの効果があると思うが、親水性の白色塗料で塗装した縁石に、視認性の高い安全色又は、蛍光色などの有彩色で立体的な高さのある反射式標示物を施工することで、この色彩がベースの白色の中に浮かび上がるので、更に、視認性が大幅に向上するのである。
【0046】
この親水性塗料で塗装した白い縁石に施工される立体的な反射式標示物は、白い縁石が突出した上に施工されているので、車両にも歩行者にも踏まれることが無い。立体的であっても障害になりにくく、使用する場所々々で、より効果的な形状、寸法が採用できる。
【0047】
請求項2のように、立体的な反射式標示物の高さと幅は、30ミリメートルから200ミリメートル、奥行きは、1ミリメートルから200ミリメートルとすると共に、その形状でカーブ地点や交差点をイメージさせること。例えば、請求項3のように、立体的な反射式標示物の先端部を道路線形の曲がりの方向に曲げたり、交差点付近では十字形にしたりなどで自由となる。以上のようなことをすることで、縁石がいつまでも白い、ということと相まって、より安全な道路環境を全ての人に提供できるようになり、ユニバーサルデザインの道路空間となるので、その効果は顕著である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
バリアーフリー化するため、連続して設置される道路構造物で歩道と車道を区分する縁石4は、図1のような道路断面の位置にあり、その縁石4の断面の幅は、200ミリメートルで、高さが200ミリメートル程度で施工され、この縁石4の少なくともその路面上に露出している表面が親水性の白色塗料で塗装されていて、その上に高さが100ミリメートルで、幅が100ミリメートル、奥行きが3ミリメートルの青色で立体的な反射式標示物7を2メートル間隔で施工する。
【0049】
縁石4を白色にするのに、コンクリートに密着性が良くて、親水性のある白色塗料を塗装することにした。親水性塗料では、コロイダルシリカとアクリルシリコン樹脂の組み合わせによる60ナノメートル程度以下の粒子のエマルジョン樹脂で構成した塗料を採用することで、安価であると共に、汚れを落とす効果が長期に亘り維持できる。
【0050】
図2は、縁石4の上に、路面への貼付け用の高さの低い道路鋲6を取付けた斜視図である。道路鋲6は、高さを抑えて車のヘッドライトで反射する製品であり、バリアーフリー化で縁石4だけが突出して使用される場面では、縁石4の上に取付けするのに極端に反射部分を低く抑える必要が無いし、歩行者や自転車、乳母車、車椅子などの交通弱者には見えづらいので、好ましくないのである。
【0051】
図3は、本発明の路面上に露出して、表面が親水性の白色塗料で塗装された縁石4と端末縁石5で、その上に青色で色付けされた立体的なL字形反射式標示物7を取付けた斜視図である。このようにいつでも白い縁石4を背景にして、青色の立体的な反射式標示物7がクッキリと浮かび上がって歩行者や自転車、乳母車、車椅子などの交通弱者にも昼夜間見えやすいものとなり、縁石4にぶつかる事故が極端に少なくなるのである。また、天災による避難路として利用される道路にあっては、その効能は顕著なものとなる。
【0052】
最近の研究によると、青色を色々な場所で使って犯罪が減少したという文献報告があり、採用が広がりつつある。これは、青色が人の心を落ち着かせる効果がありそうなのである。
【0053】
図4は、立体的なL字形反射式標示物7を施工した事例の部分斜視図である。白色の縁石4の上への取付けは、台座13を設けて接着剤で貼付けた後、アンカーボルト11で固着する。また、図5のように白色の縁石4の突合せ部の目地12に立体的な目地用板状反射式標示物8の脚部を差し込んで、接着剤などで固定しても良い。
【0054】
図6は、白色の縁石4の上に台座を持つ立体的な逆V字形の反射式標示物9を、施工した部分斜視図である。形状的に安定した立体的な反射式標示物である。
【0055】
図7のように、白色の縁石4の上に、すぐ前方の道路のカーブの向きを立体的な舌片形反射式標示物10で知らせると効果的である。この立体的な舌片形反射式標示物10は、高さが200ミリメートルで、幅は70ミリメートル位で製作される。この図では舌片の向きが左に向いているので、左に道路が曲がっているとかがわかり、カーブ地点の存在と向きを知らせることとなる。
【0056】
図8でも、白色の縁石4の上に、すぐ前方の交差道路の存在を立体的な十字形反射式標示物14で知らせると効果的である。この立体的な十字形反射式標示物14は、高さが200ミリメートルで、幅は200ミリメートル位の大きさの枠内で製作される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】は、歩道付道路の道路断面図である。
【図2】は、縁石の上に道路鋲を貼付けた斜視図である。
【図3】は、本発明の表面が白色の縁石の上に、有彩色の立体的な反射式標示物を施工した斜視図である。
【図4】は、立体的なL字形反射式標示物を施工した事例の部分斜視図である。
【図5】は、立体的な板状反射式標示物を目地に施工した事例の部分斜視図である。
【図6】は、立体的な逆V字形反射式標示物を施工した事例の部分斜視図である。
【図7】は、立体的な舌片形反射式標示物の正面図である。
【図8】は、立体的な十字形反射式標示物の正面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 道路断面
2 車道
3 歩道
4 縁石
5 端末縁石
6 道路鋲
7 立体的なL字形反射式標示物
8 立体的な目地用板状反射式標示物
9 立体的な逆V字形反射式標示物
10 立体的な舌片形反射式標示物
11 アンカーボルト
12 目地
13 台座
14 立体的な十字形反射式標示物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して設置される道路構造物で歩道と車道を区分する縁石において、その表面を親水性の白色塗料で塗装し、前記縁石に有彩色の立体的な反射式標示物が施工されてなるユニバーサルデザイン縁石。
【請求項2】
立体的な反射式標示物の高さ及び幅は、30ミリメートルから200ミリメートルで、その奥行きは、1ミリメートルから200ミリメートルに構成してなる請求項1に記載のユニバーサルデザイン縁石。
【請求項3】
立体的な反射式標示物の標示部形状を板状、又は十字形、舌片形、矢印形、筒形及び逆V字形としたことを特徴とする請求項1に記載のユニバーサルデザイン縁石。
【請求項4】
立体的な反射式標示物の下部に台座を設け、縁石の上に接着剤及び又は、アンカーボルトで固定したことを 特徴とする請求項1に記載のユニバーサルデザイン縁石。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−24476(P2009−24476A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290740(P2007−290740)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(503373377)ワンダー技研有限会社 (24)
【Fターム(参考)】