説明

ユーザー認証装置

【課題】屋外や建物の出入り口等の環境光の変動が激しい場所であっても、ユーザー認証を精度良く行うことができるユーザー認証装置を提供することにある。
【解決手段】投光手段12を制御して所定周波数の変調信号で強度を変調した照射光を対象空間に照射させ、投光手段12の照射光の強度が異なるタイミングで撮像手段13を制御して高照度画像と低照度画像を撮像手段13に出力させる。高照度画像と低照度画像の各画素値の差分をとり、環境光による影響を除去した振幅画像を生成する。故に、振幅画像を元に顔検出手段16で検出したユーザーの顔画像からも環境光の影響が除去され、その結果、認証手段18cでは環境光の影響が除去されたユーザーの顔画像を用いてユーザー認証が行われるから、屋外や建物の出入り口等の環境光の変動が激しい場所であってもユーザー認証を精度良く行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーが携行する応答器から得られる識別情報によりユーザーが登録されているユーザーかどうかを判別するとともに、ユーザーが登録されたユーザーであれば撮像したユーザーの顔の画像を用いてユーザーの認証を行うユーザー認証装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、他人へのなりすましや偽造を防止する有効な手段として生体情報を用いたユーザー認証装置の開発が盛んに行われている。
【0003】
この種のユーザー認証装置で使用する生体情報としては、指紋、網膜(例えば目の網膜の毛細血管のパターン)、虹彩(例えば虹彩パターンの濃淡値のヒストグラム)、顔、血管(赤外線を手のひら、手の甲、指等に透過させて得られる静脈パターン)、音声(声紋)、筆跡、血液や唾液等に含まれるDNA等を利用することが提案されている。
【0004】
生体情報として顔を利用するユーザー認証装置としては、特許文献1に示すユーザー認証装置があり、このユーザー認証装置は、通過権限データ、及び識別情報として顔データを記憶した非接触ICカードからなる応答器(利用者装置)を携帯するユーザー(利用者)が質問器(無線通信部)の通信エリアに入った時に、質問器が応答器から通過権限データ及び顔画像のデータを受信し、通過権限データの有効/無効の判定結果をデータ記憶部に記憶し、認証部(利用者認証部)においてユーザーがゲートを通過する際にカメラの撮像画像から取得した顔画像を、質問器が応答器から得た顔データに対応する顔画像として予めデータベースに登録されている顔画像と照合することでユーザーの特定を行い、特定したユーザーの通過権限データ判定結果が有効である時に利用者の通過を許可するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−331323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上述べた特許文献1のユーザー認証装置によれば、ユーザーはゲートを通過する際に非接触ICカード等の応答器をゲートにかざす必要がないから、何ら特別な動作をしなくてもゲートを通過することができるようになっている。
【0007】
ところで、特許文献1のように顔画像を用いてユーザー認証を行う場合、ユーザー認証装置が室内等のように環境光の変動がなく安定した環境に設置されている場合には特に問題はないが、屋外や建物の出入り口等の環境光の変動が激しいところに設置されている場合には、環境光の変動の影響によって、撮像した顔画像において顔の部分に陰影ができたり、逆光状態になりコントラストがなくなってしまったりする事がある。
【0008】
このような場合、応答器に記憶されている顔データと対応する顔画像として予めデータベースに登録されている顔画像が、カメラの撮像画像より得られる顔画像に一致しなくなってユーザー認証が正しく行えなくなるという問題があった。
【0009】
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、屋外や建物の出入り口等の環境光の変動が激しい場所であっても、ユーザー認証を精度良く行うことができるユーザー認証装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のユーザー認証装置は、ユーザーが携行する応答手段に対して質問信号を送出する質問手段と、前記質問手段が前記質問信号に応対して得た応答信号に含まれる識別情報が登録されたユーザーの識別情報であるかどうかを判別するユーザー情報認証手段と、所定周波数の変調信号で強度を変調した照射光を対象空間に照射する投光手段と、前記対象空間から光を受光し受光光量に応じた受光出力を画素値として有する画像を出力する撮像手段と、前記投光手段が点灯している期間に得られる高照度画像と、前記投光手段が消灯している期間に得られる低照度画像との各画素値の差分を画素値として有する振幅画像を生成する振幅画像生成手段と、前記振幅画像から顔を検出する顔検出手段と、前記ユーザー情報認証手段により登録済みユーザーであると判別された場合に前記顔検出手段で検出した顔の画像を用いてユーザー認証を行う認証手段とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のユーザー認証装置は、屋外や建物の出入り口等の環境光の変動が激しい場所であっても、ユーザー認証を精度良く行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1のユーザー認証装置のブロック構成を示す説明図である。
【図2】(a)は撮像手段により得られる画像の説明図、(b)は振幅画像生成手段により得られる振幅画像の説明図である。
【図3】本発明の実施形態2のユーザー認証装置のブロック構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
本実施形態のユーザー認証装置1は、図1に示すように、例えば所定の部屋の出入り口のドア(図示せず)等に設置され自動で施解錠を行う電気錠3とともに用いられるものであって、ユーザーが携行する応答手段となる応答器2に対して質問信号を送出して当該質問信号に応対する応答信号を応答器2より受信する質問手段となる質問器10と、質問器10で受信した前記応答信号が有する識別情報が登録されたユーザーの識別情報であるかどうかを判別するユーザー情報認証手段11と、所定周波数(所定周期)で点灯/消灯され点灯時に照射光を対象空間に照射する投光手段12と、前記対象空間から光を受光し受光光量に応じた受光出力を画素値として有する画像を出力する撮像手段13と、投光手段12を所定周波数で点灯又は消灯させるとともに投光手段12の点灯時又は消灯時に撮像手段13を制御して投光手段12の点灯時の前記対象空間の画像及び投光手段12の消灯時の前記対象空間の画像を出力させる制御手段14と、投光手段12の点灯時の前記対象空間の画像の各画素値と投光手段12の消灯時の前記対象空間の画像の各画素値との差分を画素値として有する振幅画像を生成する振幅画像生成手段15と、前記振幅画像から前記対象空間内に存在するユーザーの顔を検出する顔検出手段16と、ユーザーの識別情報と関連付けられた顔画像が登録される顔データベース17と、質問器10で受信した前記応答信号が有する識別情報が登録されたユーザーの識別情報であるとユーザー情報認証手段11により判別された場合に(ユーザー情報認証手段11により登録されたユーザーであると判別された場合に)顔検出手段16で検出した顔の画像を用いてユーザー認証を行う認証手段18cを有する処理手段18と、処理手段18によるユーザー認証の結果に基づいて電気錠3の制御を行う外部機器制御手段19とを備えている。
【0014】
応答器2は、例えば電池(バッテリ)を内蔵して数十m程度の長距離で質問器10との交信(無線通信)が可能なアクティブ型RFIDタグ(アクティブRFIDタグ)であって、質問器10から送出される質問信号を受信した際に、ユーザーの識別情報(ID情報)としてID番号(以下、「入力ID番号」と称する)を有する応答信号を送出するように構成されている。尚、応答器2としては、上述したアクティブ型RFIDタグに限られるものではなく、例えば、アクティブ型RFIDタグとは異なり電池を内蔵していないパッシブ型RFIDタグ(パッシブRFIDタグ)や、非接触ICカードであってもよく、要は質問器10と交信を行える無線通信装置であればよい。
【0015】
質問器10は、例えば応答器2と交信可能なRFIDリーダであって、応答器2にユーザーの識別情報を有する応答信号を送出させるために質問信号を所定の送出範囲内に定期的に送出するとともに、応答器2から送出される応答信号を受信し、受信した応答信号が有する入力ID番号をユーザー情報認証手段11に出力するように構成されている。尚、質問器10としては、非接触ICカードリーダ(又は非接触ICカードリーダライタ)を用いることもできる。この場合、応答器2としては非接触ICカードを用いる。また、質問器10は、所定の部屋の出入り口近傍、例えば電気錠3が設けられたドアの近傍に設置される。
【0016】
ユーザー情報認証手段11は、登録されているユーザー(電気錠3を解錠する権利(前記所定の部屋に入室する権利)を有するユーザー)の識別情報であるID番号が登録されているユーザーIDデータベース11aを有し、ユーザーIDデータベース11aに登録されているID番号に入力ID番号と一致するものがあるかどうかを調べることによって、入力ID番号が登録されたユーザーのID番号であるかどうかを判別する(すなわち入力ID番号の登録/非登録を判別する)ように構成されている。ユーザー情報認証手段11は、入力ID番号が登録されているユーザーのID番号であれば(入力ID番号と同じID番号がユーザーIDデータベース11aに登録されていれば)、入力ID番号を処理手段18に出力し、入力ID番号が登録されているユーザーのID番号でなければ、入力ID番号のユーザーが登録されていない(入力ID番号のユーザーが電気錠3を解錠する権利を有していない)と判断し、非登録信号を処理手段18に出力するように構成されている。
【0017】
投光手段12は、制御手段14から出力される所定周波数の変調信号で強度が変調された照射光を対象空間に照射するように構成されている。投光手段12としては、例えば、多数個の発光ダイオードを一平面上に配列したものや、半導体レーザと発散レンズとを組み合わせたもの等を用いることができ、また投光手段12から放射される光は、赤外線と可視光とのどちらでもよい。尚、対象空間は、質問器10から送出される質問信号の送出範囲内にユーザーが存在している際に、少なくともユーザーの顔が位置するような空間としている。
【0018】
撮像手段13は、対象空間を撮像するためのものである。撮像手段13としては、例えばシリコン等の半導体を用いて形成され対象空間から光を受光し受光光量に応じた受光出力を生じる複数のホトダイオード等の受光素子(図示せず)を一枚の半導体基板に配列してなり、複数の受光素子それぞれの受光出力を画素値として有する画像を出力するイメージセンサ(例えばCCDイメージセンサや、CMOSイメージセンサ)が用いられている。尚、撮像素子13により対象空間を撮像するために、撮像素子13の前方には、複数の受光素子に対象空間を投影するためのレンズ等の光学系(図示せず)が配置される。
【0019】
制御手段14は、投光手段12及び撮像手段13の動作を制御するためのものであり、投光手段12には照射光の強度を変調するための変調信号を出力するように構成されている。変調信号としては、周波数が10kHz〜100kHz(周期が10μs〜100μs)の方形波(矩形波)で、デューティ比が50%であるような信号を用いている。このような変調信号を用いた場合、投光手段12は制御手段14によって10μs〜100μsの周期で点灯と消灯とを同じ時間ずつ交互に繰り返すように制御される。尚、投光手段12から放射される照射光が可視光である場合、変調信号の周波数(周期)は、人の目には連続して点灯して見えるように点灯/消灯を繰り返すような周波数(周期)とする。また、変調信号のデューティ比は50%に限られるものではない。
【0020】
また、制御手段14は、撮像手段13により対象空間を撮像するタイミングを制御するように構成されている。具体的には、制御手段14は、投光手段12の照射光の強度が異なるタイミング、すなわち投光手段12が点灯されているタイミング、及び投光手段12が消灯されているタイミングそれぞれで撮像手段13を制御し、投光手段12が点灯しているときの対象空間の画像(以下、「高照度画像」と称する)と投光手段12が消灯しているときの対象空間の画像(以下、「低照度画像」と称する)とを撮像手段13から出力させるように構成されている。ところで、上述したように投光手段12の点灯/消灯に合わせて対象空間を撮像する場合、撮像手段13の各受光素子が露光される時間は非常に短時間であって、振幅画像生成手段15で処理するために必要な画素値の画像を得ることが難しい場合があるので、投光手段12が点灯している際の各受光素子の受光出力それぞれを複数回の点灯に亘って加算したものを画素値として有する高照度画像(すなわち複数回積算した高照度画像)と、投光手段12が消灯している際の各受光素子の受光出力それぞれを前記複数回の消灯に亘って加算したものを画素値として有する低照度画像(すなわち複数回積算した低照度画像)とを撮像手段13から振幅画像生成手段15に出力させるようにしてもよい。
【0021】
尚、制御手段14は、上記のように投光手段12を所定周期で点灯又は消灯させて、投光手段12が点灯しているときと消灯しているときの対象空間を撮像するように投光手段12及び撮像手段13を制御するようなものに限らず、投光手段12の強度を所定の周期で変更して、投光手段12の強度が異なるときの対象空間を撮像するように投光手段12及び撮像手段13を制御するようにしてもよい。要は、制御手段14は、投光手段12を制御して所定周波数の変調信号で強度を変調した照射光を対象空間に出力させるとともに、前記照射光の強度が異なるタイミングで撮像手段13を制御して前記対象空間に照射された前記照射光の強度が異なる画像を出力させるように構成されていればよい。また、制御手段14により投光手段12及び撮像手段13を制御して高照度画像及び低照度画像を得るタイミングは、ユーザー情報認証手段11によって入力ID番号がユーザーIDデータベース11aに登録されていると判定された際に行うようにしてもよいし、常時行うようにしてもよい。
【0022】
振幅画像生成手段15は、高照度画像の各画素値(投光手段12が点灯しているときの撮像手段13の複数の受光素子それぞれの受光出力)と、低照度画像の各画素値(投光手段12が消灯しているときの撮像手段13の複数の受光素子それぞれの受光出力)との差分(投光手段12から放射される照射光の強度が異なる対象空間それぞれの画像間の各画素値の差分)を画素値として有する振幅画像を生成するように構成されている。
【0023】
ここで、高照度画像の画素値は環境光と投光手段12から放射される照射光に依存し、低照度画像の画素値は環境光のみに依存する。また、投光手段12の点灯/消灯の切り替えは10μs〜100μsの間に行われるため、投光手段12の照射光の強度変化は環境光の強度変化に対して非常に速く、投光手段12の点灯/消灯の一周期の間には環境光の強度は殆ど変化していないとみなすことができる。そのため、高照度画像の画素値と低照度画像の画素値との差分を求めることによって、環境光による影響を除去して投光手段12から対象空間に照射された照射光の成分のみを抽出できる。したがって、環境光の影響が強く(強度が強く)、図2(a)に示すように顔の陰影がつぶされてしまうような場合でも、高照度画像の画素値と低照度画像の画素値との差分を画素値として有する振幅画像によれば、画素値から環境光による影響が除去されて投光手段12から対象空間に照射された照射光の成分のみが画素値に反映されることになるため、図2(b)に示すように顔の陰影が明確になった画像を得ることができる。
【0024】
顔検出手段16は、振幅画像生成手段15より得た振幅画像から対象空間内に存在する顔の検出を行い、顔を検出した際には検出した顔の画像(以下、「検出顔画像」と称する)を処理手段18に出力するように構成されている。ここで、顔検出手段16により振幅画像から複数の顔が検出された際には、各顔の輝度情報を調べ、例えば輝度の平均値が最も高い顔(すなわち最も撮像手段13に近いと考えられる顔)を、応答器2を有するユーザーの顔として判定するようになっている。尚、顔検出手段16による顔の検出は、例えばエッジや輝度の変化から、目、鼻孔、口等の特徴部分を検出するとともに、これらの位置から顔の輪郭等を検出することによって行うことができる。また顔検出手段16による顔の検出方法については様々な方法が周知となっているため、詳細な説明は省略する。
【0025】
顔データベース17は、ユーザーのID番号と関連付けられて登録された顔画像からなるデータベースであって、例えばRAMやHDD等の記憶装置に記録されている。尚、顔データベース17としてはLAN等のネットワークを介して接続された、すなわち複数のユーザー認証装置1で共用している記憶装置に記録されているものであってもよい。
【0026】
処理手段18は、ユーザー認証装置1の動作モードを、ユーザー認証を行う認証モードとユーザー登録を行う登録モードのいずれかに切り換えるモード制御手段18aと、入力ID番号が登録されたユーザーのID番号であるとユーザー情報認証手段11により判別されたユーザーにユーザー認証又はユーザー登録を行う意思があるか否かを判定する意思確認手段18bと、認証モード時に動作される認証手段18cと、登録モード時に動作される登録手段18dとを備えている。
【0027】
モード制御手段18aは、切り替えスイッチ(図示せず)を操作することによって、ユーザー認証装置1の動作モードを認証モードと登録モードとのいずれかに設定できるように構成されている。モード制御手段18aにより動作モードが認証モードに設定されている場合には認証手段18cが動作され、動作モードが登録モードに設定されている場合には登録手段18dが動作される。尚、切り替えスイッチは、ユーザー認証又はユーザー登録を行おうとするユーザーが手動操作可能な場所に設けられていればよく、ユーザー認証装置1の筐体(図示せず)等に一体に設けられているか否かは問わない。また、切り替えスイッチは、手動操作可能なスイッチに限らず、音声操作が可能なスイッチ等であってもよい。
【0028】
意思確認手段18bは、入力ID番号を得た際に(入力ID番号が登録されたユーザーのID番号であるとユーザー情報認証手段11により判別された場合に)、検出顔画像に写っているユーザーにユーザー認証又はユーザー登録を行う意思があるか否か判定するためのものである。意思確認手段18bは、検出顔画像が撮像手段13に対して正面を向いた画像である場合(すなわちユーザーの顔が撮像手段13に正対している場合)に、ユーザーにユーザー認証又はユーザー登録を行う意思があると判定し、認証手段18c及び登録手段18dに開始信号を出力する。一方、意思確認手段18bは検出顔画像に写っているユーザーにユーザー認証又はユーザー登録を行う意思がないと判定した際には(検出顔画像のユーザーの顔が撮像手段13に対して正面を向いていない場合には)停止信号を出力して認証モード又は登録モードの動作を中止させるように構成されている。
【0029】
ここで検出顔画像のユーザーの顔の画像が撮像手段13に対して正面を向いているか否かの判定は、検出顔画像のユーザーの顔の領域における輝度値の分布の対称性を調べることによって行うことができ、前記輝度値の分布が左右対称であればユーザーの顔が撮像手段13に対して正面を向いていると判定すればよい。また、鼻の部分の方向成分の分布により顔の回転を検出することによっても、ユーザーの顔が撮像手段13に対して正面を向いているか否かを判定することができる。
【0030】
認証手段18cは、ユーザー認証装置1が認証モードに設定されている状態で、開始信号を受け取った際に(すなわち意思確認手段18bによりユーザーにユーザー認証を行う意思があると判定された際に)動作を開始して、検出顔画像を用いてユーザー認証を行うように構成されている。認証手段18cによるユーザー認証は、入力ID番号に関連付けられた顔画像を顔データベース17より取得して、当該顔画像と検出顔画像とをパターンマッチング等によって比較することで行われる。また、認証手段18cは、ユーザー認証の結果、顔データベース17から読み出した顔画像と検出顔画像とが一致すれば(一致度が所定の基準値以上であれば)、撮像手段13で撮像したユーザーを、入力ID番号のユーザーであると認証し、ユーザー認証成功信号を外部機器制御手段19に出力するように構成されている。一方、認証手段18aは、ユーザー認証の結果、顔データベース17から読み出した顔画像と検出顔画像とが一致しなければ(一致度が所定の基準値未満であれば)、撮像手段13で撮像したユーザーを入力ID番号のユーザーであると認証せず、ユーザー認証失敗信号を外部機器制御手段19に出力するように構成されている。
【0031】
登録手段18dは、ユーザー認証装置1が登録モードに設定されている状態で、開始信号を受け取った際に動作を開始して、検出顔画像を用いてユーザー登録を行うように構成されている。登録手段18aによるユーザー登録は、検出顔画像を入力ID番号と関連付けて顔データベース17に登録することによって行われる。
【0032】
一方、処理手段18は、前記非登録信号をユーザー情報認証手段11より受け取った際には、認証手段18cにおいてユーザー認証が失敗したときと同様に、ユーザー認証失敗信号を外部機器制御手段19に出力するように構成されている。
【0033】
外部機器制御手段19は、電気錠3の施錠/解錠を制御する施解錠制御手段(図示せず)と、電気錠3が設置されているドアの開閉を検知する開閉検知手段(図示せず)と、ユーザー認証の成否を表示するための報知手段(図示せず)とを備えている。尚、開閉検知手段は周知のものを利用することができるから説明を省略する。
【0034】
施解錠制御手段は、常時は電気錠3を施錠し、処理手段18からユーザー認証成功信号を受け取った際(認証手段18cによるユーザー認証が成功した際)には電気錠3を解錠し、処理手段18からユーザー認証失敗信号を受け取った際には電気錠3の施錠状態を維持するように構成されている。また、施解錠制御手段は、電気錠3を解錠した後に開閉検知手段によりドアが開かれたことを検知し、この後にドアが閉じられたこと検知した際には、ドアが閉じられてから所定時間経過後に電気錠3を施錠するように構成されている。
【0035】
報知手段は、例えば緑色LEDと赤色LEDとを備え、処理手段18よりユーザー認証成功信号を受け取った際には緑色LEDを所定時間点灯してユーザー認証が成功したことを報知し、処理手段18よりユーザー認証失敗信号を受け取った際には赤色LEDを所定時間点灯してユーザー認証が失敗したことを報知するように構成されている。
【0036】
次に、本実施形態のユーザー認証装置1の動作について説明する。ユーザー認証装置1の動作中、質問器10は所定の送出範囲内に質問信号を定期的に送出する。質問器10の送出範囲内に応答器2を携行しているユーザーが位置した際には、応答器2が質問信号を受信してユーザーの識別情報として入力ID番号を有する応答信号を質問器10に送出する。質問器10は応答器2が送出する応答信号を受信し、応答信号からユーザーの入力ID番号を取得してユーザー情報認証手段11に出力する。ユーザー情報認証手段11では、入力ID番号と一致するID番号がユーザーIDデータベース11aに登録されているかが調べられ、入力ID番号と同じID番号がユーザーIDデータベース11aに登録されていれば、入力ID番号を処理手段18に出力する。このとき入力ID番号がユーザーIDデータベース11aに登録されていなければ、非登録信号を処理手段18に出力する。
【0037】
一方、投光手段12は制御手段14により制御されて点灯、消灯を所定周期(10μs〜100μs)で繰り返しており、撮像手段13は制御手段14により制御されて投光手段12の点灯、消灯に合わせて対象空間を撮像し、高照度画像及び低照度画像を振幅画像生成手段15に出力する。振幅画像生成手段15は、撮像手段13から出力された高照度画像と低照度画像とを元にして振幅画像の生成を行う。ここで、振幅画像の生成は上述したように高照度画像の各画素値と、低照度画像の各画素値との差分を求めることによって行われる。振幅画像生成手段15から振幅画像を受け取った顔検出手段16では、受け取った振幅画像を元にユーザーの顔の検出が行われ、ユーザーの顔を検出した際には、顔検出手段16は検出顔画像を処理手段18に出力する。
【0038】
上述したように処理手段18には入力ID番号(又は非登録信号)と検出顔画像とが入力される。処理手段18がユーザー情報認証手段11から入力ID番号を受け取った際には、意思確認手段18bによりユーザーにユーザー認証又はユーザー登録を行う意思があるか否かが判定され、意思確認手段18bが当該ユーザーにユーザー認証又はユーザー登録を行う意思があると判定した場合には開始信号が出力され、ユーザー認証又はユーザー登録を行う意思がないと判定した場合には停止信号が出力される。ここで、停止信号が出力された際には、認証動作又は登録動作を停止する。一方、処理手段18がユーザー情報認証手段11から非登録信号を受け取った際には、ユーザー認証失敗信号が外部機器制御手段19に出力される。
【0039】
意思確認手段18bから開始信号が出力された際に、モード制御手段18aによってユーザー認証装置1の動作モードが認証モードに設定されていれば、処理手段18では認証手段18cによるユーザー認証が行われる。
【0040】
認証手段18cによるユーザー認証は、入力ID番号に関連付けられた顔画像を顔データベース17より取得して当該顔画像と検出顔画像とをパターンマッチング等によって比較することで行われる。その結果、顔データベース17から取得した顔画像と検出顔画像とが一致すれば、認証手段18cは撮像手段13で撮像したユーザーを入力ID番号のユーザーであると認証し、ユーザー認証成功信号を外部機器制御手段19に出力する。一方、ユーザー認証の結果、顔データベース17から取得した顔画像と検出顔画像とが一致しなければ、認証手段18cは撮像手段13で撮像したユーザーを入力ID番号のユーザーであると認証せず、ユーザー認証失敗信号を外部機器制御手段19に出力する。
【0041】
外部機器制御手段19ではユーザー認証成功信号を受け取った際に、施解錠制御手段によって電気錠3の解錠作業が行われるとともに、報知手段によってユーザー認証が成功したことを示す緑色LEDが所定時間点灯される。一方、外部機器制御手段19ではユーザー認証失敗信号を受け取った際には、施解錠制御手段による電気錠3の解錠が行われずに電気錠3の施錠状態が維持されるとともに、報知手段によってユーザー認証が失敗したことを示す赤色LEDが所定時間点灯される。
【0042】
また、意思確認手段18bから開始信号が出力された際に、モード制御手段18aによってユーザー認証装置1の動作モードが登録モードに設定されていれば、処理手段18では登録手段18dによるユーザー登録が行われる。登録手段18dによるユーザー登録は、入力ID番号と検出顔画像とを関連付けて顔データベース17に登録することによって行われる。
【0043】
本実施形態のユーザー認証装置1は上述の動作を行うように構成されている。そして、本実施形態のユーザー認証装置1によれば、投光手段12を制御して所定周波数の変調信号で強度を変調した照射光を対象空間に照射させるとともに、投光手段12の照射光の強度が異なるタイミングで撮像手段13を制御することで照射光の強度が異なる対象空間それぞれの画像を撮像手段13に出力させ、照射光の強度が異なる対象空間それぞれの画像間の各画素値の差分をとることによって、環境光による影響を除去して投光手段12から対象空間に照射された光の成分のみが反映された画素値を有する振幅画像を生成しているから、振幅画像を元に顔検出手段16で検出したユーザーの顔画像からも環境光の影響が除去され、その結果、認証手段18cでは環境光の影響が除去されたユーザーの顔画像を用いてユーザー認証が行われるから、屋外や建物の出入り口等の環境光の変動が激しい場所であってもユーザー認証を精度良く行うことができる(設置場所によらずにユーザー認証を精度良く行うことができる)という効果を奏する。
【0044】
また、モード制御手段18aによって動作モードを認証モードから登録モードに切り替えるだけの簡単な作業でユーザー登録を行うことができるから、ユーザー登録の際の操作を簡略化できるという効果を奏する。
【0045】
さらに、顔検出手段16で検出した顔の画像を、登録されたユーザーのID番号であるとユーザー情報認証手段11により判別された入力ID番号と関連付けて顔データベース17に登録することでユーザー登録を行うから、ユーザー登録時にユーザーが顔データベース17に登録するための顔画像を予め用意しておく必要がなくなり(例えばユーザー登録のためにユーザーが自身の顔画像を予め撮影しておくといった手間を省くことができ)、ユーザー登録を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0046】
また、ユーザーにユーザー認証又はユーザー登録を行う意思があるか否かを判定して、ユーザーにユーザー認証を行う意思又はユーザー登録を行う意思があると判定した際に、ユーザー認証又はユーザー登録を開始させるから、ユーザーがユーザー認証又はユーザー登録を行う意思が無い場合に、勝手にユーザー認証又はユーザー登録が行われてしまうことを防止できるという効果を奏する。例えば、電気錠3を解錠する権限を持つユーザーがユーザー認証装置1の近くを通りがかっただけの場合に、応答器2から質問器10に入力ID番号が送出されてユーザーが撮像手段13に写ってしまっても、ユーザーの顔画像が撮像手段13に対して正面を向いた画像でなければ、ユーザー認証が行われないから、電気錠3の解錠の意思がなくてもユーザー認証が行われて電気錠3が解錠されてしまうことを防止できる。
【0047】
しかも、顔検出手段16により得られたユーザーの顔の画像が撮像手段13に対して正面を向いた画像であれば、ユーザー認証又はユーザー登録を行う意思がユーザーにあると判定するから、ユーザー認証を行う場合には、撮像手段13に対して横や斜めを向いた状態の顔の画像を用いてユーザー認証が行われることが防止できて、ユーザー認証の精度を向上できるという効果を奏する。また、ユーザー登録を行う場合には、撮像手段13に対して横や斜めを向いた状態の顔の画像が登録されることを防止できるから、以後、撮像手段13に対して横や斜めを向いた状態の顔の画像を用いてユーザー認証が行われてしまうことが防止できて、ユーザー認証の精度を向上できるという効果を奏する。
【0048】
また、認証手段18cによるユーザー認証が成功したときに電気錠3を解錠する外部機器制御手段19を備えているから、応答器2を携行した状態で質問器10の送出範囲内に位置するとともに撮像手段13に顔を映すだけで、電気錠3の解錠が行え、応答器2を質問器10にかざしたり、手動による電気錠3の解錠操作を行ったりしなくて済むようになるという効果を奏する。
【0049】
ところで、本実施形態のユーザー認証装置1では、外部機器制御手段19として電気錠3の制御を行うものを採用しているが、外部機器としては照明器具を用いてもよく、この場合は外部機器制御手段19として前記照明器具の制御を行うものを用いれば、ユーザー認証が成功した際に照明器具を点灯させといった動作が可能になる。尚、外部機器としては、上述した電気錠3や照明器具に限らず、空調機器等、様々なものを採用することができる。
【0050】
また、本実施形態のユーザー認証装置1の登録手段18dは、モード制御手段18aによってユーザー認証装置1の動作モードが登録モードに設定されている場合に、意思確認手段18cから開始信号を受け取った際にユーザー登録を行うように構成されているが、登録手段18dは、人為的な操作により開始信号を出力する操作手段(図示せず)から前記開始信号を受け取った際に、ユーザー登録を行うように構成されていてもよい。
【0051】
このようにすれば、ユーザーが自らの意思でユーザー登録を開始するかどうかを操作手段を操作することによって選択できるという効果を奏する。尚、前記操作手段としては、ボタンスイッチ等の手動操作可能な操作装置の他に、音声操作可能な操作装置等を用いるようにしてもよい。また、前記操作手段は、ユーザー認証を行おうとするユーザーによって操作可能な場所に設けられていればよく、ユーザー認証装置1の筐体(図示せず)等に一体に設けられているか否かは問わない。
【0052】
一方、本実施形態のユーザー認証装置1では、モード制御手段18aによってユーザー認証装置1の動作モードが登録モードに設定されているときにユーザー登録を行う登録手段18dを備えているが、このような登録手段18dの代わりに、入力ID番号が登録されたユーザーのID番号であるとユーザー情報認証手段11により判別された際に入力ID番号に関連付けられた顔画像が顔データベース17に登録されていなければ、検出顔画像(顔検出手段16で検出した顔の画像)を入力ID番号(ユーザー情報認証手段11で登録されていると判別された識別情報)と関連付けて顔データベース17に登録することでユーザー登録を行う登録手段(自動登録手段)を設けるようにしてもよい。この場合、処理手段18にはモード制御手段18aを設けず、認証手段18cはユーザー情報認証手段11によって入力ID番号がユーザーIDデータベースに登録されていると判別された際に前記入力ID番号に関連付けられた顔画像が顔データベース17に登録されていた際にユーザー認証を行うように構成される。
【0053】
このようにすれば、ユーザー登録時にユーザーが顔データベース17に登録するための顔画像を予め用意しておく必要がなくなり(例えばユーザー登録を行うためにユーザーが自身の顔画像を予め撮影しておくといった手間を省くことができ)、ユーザー登録を容易に行うことができるという効果を奏し、しかもユーザーが特別な操作を行わなくても自動的にユーザー登録が行われるから、ユーザー登録がさらに容易に行えるようになるという効果を奏する。
【0054】
(実施形態2)
本実施形態のユーザー認証装置1はユーザー登録を行う機能を有していない点で実施形態1と異なっている。また、実施形態1のユーザー認証装置1に用いられる応答器2はユーザーの入力ID番号(識別情報)を有する応答信号を送出するものであるが、本実施形態のユーザー認証装置1に用いられる応答器2には、ユーザーの入力ID番号と、当該入力ID番号に関連付けられた顔画像(以下、「入力顔画像」と称する)とが記憶されており、応答器2は質問器10より質問信号を受信した際にはユーザーの入力ID番号に加えて入力顔画像を有する応答信号を送出するように構成されている。
【0055】
本実施形態のユーザー認証装置1は、図3に示すように顔データベース17及び外部機器制御手段19を有していない点、及び質問器10とユーザー情報認証手段11と処理手段18の構成が実施形態1と異なっている。尚、投光手段12、撮像手段13、制御手段14、振幅画像生成手段15、及び顔検出手段16の構成は実施形態1と同様であるから説明を省略する。
【0056】
質問器10は、応答器2にユーザーの入力ID番号及び入力顔画像を有する応答信号を送出させるために質問信号を所定の送出範囲内に定期的に送出するとともに、応答器2から送出される応答信号を受信し、受信した応答信号が有する入力ID番号及び入力顔画像をユーザー情報認証手段11に出力するように構成されている。
【0057】
ユーザー情報認証手段11は、実施形態1と同様に入力ID番号と同じID番号がユーザーIDデータベースに登録されているか否かを判定するように構成されているが、入力ID番号がユーザーIDデータベースに登録されていれば入力ID番号に加えて入力顔画像を処理手段18に出力するように構成されている点が異なっている。尚、ユーザー情報認証手段11は実施形態1と同様に入力ID番号と同じID番号がユーザーIDデータベースに登録されていなければ非登録信号を処理手段18に出力するように構成されている。
【0058】
処理手段18は、意思確認手段18bと、認証手段18cとを備えている。意思確認手段18bは、入力ID番号を得た際に、検出顔画像に写っているユーザーにユーザー認証を行う意思があるか否か判定するためのものである。意思確認手段18bは、検出顔画像のユーザーの顔が撮像手段13に対して正面を向いた状態である場合に、ユーザーにユーザー認証を行う意思があると判定し、認証手段18cに開始信号を出力するように構成されている。一方、意思確認手段18bは検出顔画像に写っているユーザーにユーザー認証を行う意思がないと判定した際には停止信号を出力して動作を中止させるように構成されている。
【0059】
認証手段18cは、開始信号を受け取った際に、入力ID番号に関連付けられた顔画像である入力顔画像と検出顔画像とに基づいてユーザー認証を行うように構成されている。例えば、ユーザー認証は入力顔画像と検出顔画像とをパターンマッチング等によって比較することで行われる。このユーザー認証の結果、入力顔画像と検出顔画像とが一致すれば(一致度が所定の基準値以上であれば)、撮像手段13で撮像したユーザーを入力ID番号のユーザーであると認証し、ユーザー認証成功信号を制御装置等の外部装置(図示せず)に出力するように構成されている。一方、認証手段18aは、ユーザー認証の結果、顔データベース17から読み出した顔画像と検出顔画像とが一致しなければ(一致度が所定の基準値未満であれば)、撮像手段13で撮像したユーザーを入力ID番号のユーザーであると認証せず、ユーザー認証失敗信号を前記外部装置に出力するように構成されている。
【0060】
一方、処理手段18は、前記非登録信号をユーザー情報認証手段11より受け取った際には、認証手段18cにおいてユーザー認証が失敗したときと同様に、ユーザー認証失敗信号を前記外部装置に出力するように構成されている。
【0061】
次に、本実施形態のユーザー認証装置1の動作について説明する。尚、投光手段12、撮像手段13、制御手段14、振幅画像生成手段15、及び顔検出手段16の動作については実施形態1と同様であるから説明を省略する。
【0062】
ユーザー認証装置1の動作中、質問器10は所定の送出範囲内に質問信号を定期的に送出する。質問器10の送出範囲内に応答器2を携行しているユーザーが位置した際には、応答器2が質問信号を受信してユーザーの入力ID番号と入力顔画像を有する応答信号を質問器10に送出する。質問器10は応答器2が送出する応答信号を受信し、応答信号からユーザーの入力ID番号及び入力顔画像を取得してユーザー情報認証手段11に出力する。ユーザー情報認証手段11では、入力ID番号と一致するID番号がユーザーIDデータベース11aに登録されているかが調べられ、入力ID番号と同じID番号がユーザーIDデータベース11aに登録されていれば、入力ID番号及び入力顔画像を処理手段18に出力する。一方、入力ID番号がユーザーIDデータベース11aに登録されていなければ、非登録信号を処理手段18に出力する。
【0063】
処理手段18には入力ID番号(又は非登録信号)と、入力顔画像と、検出顔画像とが入力される。処理手段18が入力ID番号をユーザー情報認証手段11から受け取った際には、意思確認手段18bによって検出顔画像に写っているユーザーにユーザー認証を行う意思があるか否か判定され、意思確認手段18bがユーザーにユーザー認証を行う意思があると判定した場合には開始信号が出力され、ユーザー認証を行う意思がないと判定した場合には停止信号が出力される。ここで、停止信号が出力された際には、認証動作を停止する。一方、処理手段18が非登録信号をユーザー情報認証手段11から受け取った際には、ユーザー認証失敗信号が出力される。
【0064】
意思確認手段18bから開始信号が出力された際には、処理手段18では認証手段18cによるユーザー認証が行われる。ユーザー認証は、入力顔画像と検出顔画像とをパターンマッチング等によって比較することで行われる。その結果、入力顔画像と検出顔画像とが一致すれば、認証手段18cは撮像手段13で撮像したユーザーを入力ID番号のユーザーであると認証し、ユーザー認証成功信号を出力する。一方、ユーザー認証の結果、入力顔画像と検出顔画像とが一致しなければ、認証手段18cは撮像手段13で撮像したユーザーを入力ID番号のユーザーであると認証せず、ユーザー認証失敗信号を出力する。
【0065】
本実施形態のユーザー認証装置1は上述の動作を行うように構成されている。そして、本実施形態のユーザー認証装置1によれば、応答手段がユーザーの識別情報に加えて当該識別情報に関連付けられた顔画像を有する応答信号を送出し、入力ID番号が登録されたユーザーのID番号であるとユーザー情報認証手段11により判別された際に、入力顔画像と検出顔画像とに基づいてユーザー認証を行うから、ユーザー認証装置1に顔データベース17を設けなくて済むようになって、顔データベース17を有していないユーザー認証装置1においてもユーザー認証が行えるようになるという効果を奏する。
【0066】
さらに、本実施形態のユーザー認証装置1によれば、実施形態1と同様に、投光手段12を制御して所定周波数の変調信号で強度を変調した照射光を対象空間に照射させるとともに、投光手段12の照射光の強度が異なるタイミングで撮像手段13を制御することで照射光の強度が異なる対象空間それぞれの画像を撮像手段13に出力させ、照射光の強度が異なる対象空間それぞれの画像間の各画素値の差分とることによって、環境光による影響を除去して投光手段12から対象空間に照射された光の成分のみが反映された画素値を有する振幅画像を生成しているから、振幅画像を元に顔検出手段16で検出したユーザーの顔画像からも環境光の影響が除去され、その結果、認証手段18cでは環境光の影響が除去されたユーザーの顔画像を用いてユーザー認証が行われるから、屋外や建物の出入り口等環境光の変動が激しい場所であってもユーザー認証を精度良く行うことができる(設置場所によらずにユーザー認証を精度良く行うことができる)という効果を奏する。
【0067】
また、ユーザー認証を行う意思がユーザーにあるか否かを判定して、ユーザー認証を行う意思がユーザーにあると判定した際に、ユーザー認証を行うから、ユーザー認証を行う意思がユーザーに無い場合に、勝手にユーザー認証が行われてしまうことを防止できるという効果を奏する。例えば、電気錠3を解錠する権限を持つユーザーがユーザー認証装置1の近くを通りがかっただけの場合に、応答器2から質問器10に入力ID番号及び入力顔画像が送出されてユーザーが撮像手段13に写ってしまっても、ユーザーの顔画像が撮像手段13に対して正面を向いた画像でなければ、ユーザー認証が行われないから、電気錠3の解錠の意思がなくてもユーザー認証が行われて電気錠3が解錠されてしまうことを防止できる。
【0068】
しかも、顔検出手段16により得られたユーザーの顔の画像が撮像手段13に対して正面を向いた画像であれば、ユーザー認証を行う意思がユーザーにあると判定するから、ユーザー認証を行う場合には、撮像手段13に対して横や斜めを向いた状態の顔の画像を用いてユーザー認証が行われることが防止できて、ユーザー認証の精度を向上できるという効果を奏する。
【0069】
尚、本実施形態のユーザー認証装置1は、実施形態1とは異なりユーザー認証のみを行うように構成されているが、質問器10としてRFIDリーダライタ等のように応答器2に書き込みを行えるものを用い、顔検出手段16で検出した検出顔画像を入力側ID番号と関連付けて応答器2に書き込むことによってユーザー登録を行えるようにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態のユーザー認証装置1では、ユーザー認証の結果であるユーザー認証成功信号又はユーザー認証失敗信号を、外部機器に直接的に出力するように構成されており、この場合、外部機器がユーザー認証成功信号又はユーザー認証失敗信号に基づいて自身の動作制御を行うことになるが、実施形態1のように外部機器制御手段19を設けて、外部機器制御手段19にユーザー認証成功信号又はユーザー認証失敗信号を出力し、外部機器制御手段19により電気錠3のような外部機器を制御するようにしてもよい。つまり、ユーザー認証装置1に外部機器制御手段19を設けるか否かは使用する外部機器に応じて選択すればよい。この点は実施形態1においても同様である。
【符号の説明】
【0071】
1 ユーザー認証装置
2 応答器(応答手段)
3 電気錠
10 質問器(質問手段)
11 ユーザー情報認証手段
12 投光手段
13 撮像手段
14 制御手段
15 振幅画像生成手段
16 顔検出手段
17 顔データベース
18a モード制御手段
18b 意思確認手段
18c 認証手段
18d 登録手段
19 外部機器制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが携行する応答手段に対して質問信号を送出する質問手段と、前記質問手段が前記質問信号に応対して得た応答信号に含まれる識別情報が登録されたユーザーの識別情報であるかどうかを判別するユーザー情報認証手段と、所定周波数の変調信号で強度を変調した照射光を対象空間に照射する投光手段と、前記対象空間から光を受光し受光光量に応じた受光出力を画素値として有する画像を出力する撮像手段と、前記投光手段が点灯している期間に得られる高照度画像と、前記投光手段が消灯している期間に得られる低照度画像との各画素値の差分を画素値として有する振幅画像を生成する振幅画像生成手段と、前記振幅画像から顔を検出する顔検出手段と、前記ユーザー情報認証手段により登録済みユーザーであると判別された場合に前記顔検出手段で検出した顔の画像を用いてユーザー認証を行う認証手段とを備えていることを特徴とするユーザー認証装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−22713(P2012−22713A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229380(P2011−229380)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【分割の表示】特願2006−281802(P2006−281802)の分割
【原出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】