説明

ライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷方法、両面印刷装置および製本方法

【課題】フラッシングによるスループットの低下を抑制でき、両面印刷の位置合わせを正確に行い得る両面印刷方法を提供する。
【解決手段】ライン型インクジェットヘッドからなる印刷ヘッドを用いて記録紙4に両面印刷を行う両面印刷方法では、記録紙4の表面4cに表面印刷データを印刷する表面印刷工程において、表面印刷データの印刷部分の後端に連続する部分にフラッシングを行って位置決め用のフラッシングマークCを形成する。記録紙4の裏面4dに裏面印刷データを印刷する裏面印刷工程では、フラッシングマークCの位置に基づき、裏面印刷位置を定める。両面印刷後の切断工程でもフラッシングマークCの位置に基づき両面印刷後の記録紙40の切断位置を定める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライン型インクジェットヘッドを用いて連続用紙に両面印刷を行う両面印刷方法および当該両面印刷方法により印刷を行う両面印刷装置、ならびに当該両面印刷方法を用いて製本用の両面印刷ページを作成する製本方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ライン型インクジェットヘッドを用いて連続用紙に両面印刷を行う両面印刷装置としては、連続用紙の表面印刷用のライン型インクジェットヘッドおよび裏面印刷用のライン型インクジェットヘッドを備えたものが知られている。この構成の両面印刷装置では、連続用紙の表裏の印刷データ量、印刷データ長等に起因した表裏の印刷速度差を吸収できるように、連続用紙を双方のインクジェットヘッドの間において弛みを持たせた状態で搬送するようにしている。
【0003】
弛み量が変動する場合において、表面印刷位置と裏面印刷位置の位置合わせを正確に行うために、連続用紙の表面に一定の間隔で付されているレジストマークを読み取り、これに基づき裏面側の印刷位置を決めるようにしている。特許文献1に記載の両面印刷システムにおいては、連続用紙の表面に印刷を行うライン型インクジェットヘッドを用いてレジストマークを印刷し、このレジストマークを裏面印刷時に読み取ることにより、裏面印刷位置と表面印刷位置の位置合わせを行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−131868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ライン型インクジェットヘッドは1ライン分の印刷を同時に行うので、連続用紙の幅方向に往復移動しながら印刷を行うシリアル型のインクジェットヘッドを用いる場合に比べて印刷速度が速い。しかしながら、ライン型インクジェットヘッドは、そのノズル詰まり防止などのためにインク液滴を各ノズルから無駄打ちするフラッシングを行う場合に、シリアル型の場合のように印刷のための移動経路の延長線上の位置でフラッシングを行う場合とは異なり、印刷位置からフラッシング位置への移動、フラッシング位置から印刷位置への移動に時間を要する。このために、定期的に行われるフラッシングが印刷のスループット低下の大きな要因となっている。
【0006】
また、ライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷においては、特許文献1に記載されているように、表裏の印刷位置を精度良く合わせるために位置合わせ用のレジストマークを印刷することが望ましい。しかしながら、本来の印刷には不要なレジストマークを印刷することは、その分、印刷のスループットが低下し、また、インク消費量も増加してしまう。
【0007】
本発明の課題は、これらの点に鑑みて、フラッシングによるスループットの低下を抑制でき、しかも、両面印刷の位置合わせを正確に行うことのできるライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷方法および両面印刷装置を提案することにある。
【0008】
また、本発明の課題は、かかる新たな両面印刷方法を用いて製本用の両面印刷ページを効率良く作成することのできる製本方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、ライン型インクジェットヘッドを用いて連続用紙に両面印刷を行う両面印刷方法において、
前記連続用紙の第1面に第1面印刷データを印刷する第1面印刷工程と、
前記連続用紙の第2面における前記第1面印刷データの印刷部分に対応する部分に第2面印刷データを印刷する第2面印刷工程と、
前記連続用紙を幅方向に切断する切断工程とを有し、
前記第1面印刷工程では、前記連続用紙の前記第1面における前記第1面印刷データの印刷部分の先端および後端のうちの少なくとも一方の端に連続する部分に、ノズル詰まり防止のために前記ライン型インクジェットヘッドの全ノズルからインク液滴を吐出させるフラッシングを行って、前記連続用紙の幅方向に延びるライン状の第1面フラッシングマークを形成し、
前記第2面印刷工程では、前記第1面フラッシングマークの位置に基づき、前記第2面印刷データの印刷位置を定め、
前記切断工程では、前記第1面フラッシングマークの位置に基づき、前記連続用紙の切断位置を定めることを特徴としている。
【0010】
ここで、第2面印刷時においてもフラッシングを第2面上に行うようにすることができる。この場合には、第1面フラッシングマークが形成されているマーク形成部分に対応する第2面上の部分(マーク形成部分の裏面)にフラッシングを行えば良い。すなわち、前記第2面印刷工程において、前記連続用紙における前記第1面フラッシングマークが形成されているマーク形成部分に対応する前記第2面上の部分に、前記フラッシングを行って、ライン状の第2面フラッシングマークを形成すればよい。
【0011】
本発明において、製本用の両面印刷ページなどの両面印刷を行う場合、前記第1面印刷データおよび前記第2印刷データとして、それぞれ、複数ページ分の印刷データが用意される。この場合には、前記第1面印刷工程において、前記連続用紙の前記第1面において、前記第1面印刷データの印刷開始位置の前側部分、当該第1面印刷データの予め定めたページ枚数分の印刷終了位置の後側部分、および、前記第1面印刷データの印刷終了位置の後側部分に、予め定めた長さの前記マーク形成部分を確保し、これらのマーク形成部分に前記フラッシングを行うようにすればよい。
【0012】
次に、マーク形成部分は不要な部分であるので、前記切断工程において、前記連続用紙における前記第1面印刷データおよび前記第2面印刷データが印刷された後の両面印刷部分から、前記第1面フラッシングマークが形成されているマーク形成部分(第2面にもフラッシングを行う場合には、第1面フラッシングマークおよび第2面フラッシングマークが形成されているマーク形成部分)を切断すればよい。
【0013】
ここで、両面印刷を単一のライン型インクジェットヘッドを用いて行うことができる。このためには、前記第1面印刷工程では、前記ライン型インクジェットヘッドの印刷位置を経由させて前記連続用紙をその先端側から搬送して前記第1面に前記第1面印刷データおよび前記第1面フラッシングマークを印刷すると共に、前記連続用紙を前記第1面の印刷終了後の位置で切断し、前記第2面印刷工程では、切断後の所定長さの連続用紙片を、その後端側から前記ライン型インクジェットヘッドの印刷位置を経由させて搬送して、前記第2面に前記第2面印刷データおよび前記第2面フラッシングマークを印刷するようにすればよい。
【0014】
単一のライン型インクジェットヘッドを用いる代わりに、前記連続用紙の前記第1面に印刷を行う第1ライン型インクジェットヘッドと、前記連続用紙の前記第2面に印刷を行う第2ライン型インクジェットヘッドとを用いることもできる。
【0015】
次に、本発明は上記の両面印刷方法により連続用紙に両面印刷を行う両面印刷装置であって、
ライン型インクジェットヘッドと、
前記ライン型インクジェットヘッドの印刷位置を経由する搬送経路に沿って連続用紙を搬送する搬送機構と、
前記搬送経路における前記印刷位置よりも搬送方向の下流側の位置において前記連続用紙を切断する第1切断機構と、
前記搬送経路における前記印刷位置よりも搬送方向の上流側の位置において前記連続用紙の前記第1面に印刷されている前記第1面フラッシングマークを検出するマーク検出器と、
前記ライン型インクジェットヘッド、前記搬送機構および前記第1切断機構を駆動制御して前記第1面印刷工程、前記第2面印刷工程および前記切断工程を実行する駆動制御部とを有していることを特徴としている。
【0016】
ここで、単一のライン型インクジェットヘッドを用いて両面印刷を行う場合には、前記搬送経路における前記印刷位置よりも搬送方向の上流側の位置において前記連続用紙を切断する第2切断機構を配置しておき、前記駆動制御部は、前記第1面印刷工程において、前記ライン型インクジェットヘッドの前記印刷位置を経由させて前記連続用紙をその先端側から搬送して前記第1面に前記第1面印刷データおよび前記第1面フラッシングマークを印刷させると共に、前記第2切断機構によって前記連続用紙を前記第1面の印刷終了後の位置で切断させ、前記第2面印刷工程では、切断後の所定長さの連続用紙片を、その後端側から前記ライン型インクジェットヘッドの印刷位置を経由させて搬送させ、前記第2面に前記第2面印刷データおよび前記第2面フラッシングマークを印刷させるようにすればよい。
【0017】
次に、本発明による上記の両面印刷方法は製本のための両面印刷ページを作成するために用いるのに適している。
【0018】
この場合、フラッシングマークが付いているマーク形成部分を製本用の綴じ代部分に挟み込むようにすれば、当該マーク形成部分を切り取る必要がなくなるので、マーク形成部分の切断工程を省略できる。
【0019】
また、マーク形成部分が中綴じ部分に位置するようにしてもマーク形成部分の切断工程を省略できる。すなわち、第1面印刷データおよび第2面印刷データとして、中綴じ本製作用の両面印刷ページが得られる印刷データを用意し、第1面印刷工程では、前記マーク形成部分が前記中綴じ本の中綴じ部分に位置するように、当該マーク形成部分を形成すればよい。
【0020】
さらに、前記切断工程を行う前あるいは当該切断工程の終了後に、前記マーク形成部分に製本用の糊を付与(塗布、吐出)するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の両面印刷方法、両面印刷装置では、第2面印刷データの印刷位置を定めるためのレジストマークとして、ライン型インクジェットヘッドのフラッシングにより連続用紙の第1面に形成したフラッシングマークを用いている。また、フラッシングによって形成された第1面フラッシングマークを、第1面印刷データの印刷位置に対する第2面印刷データの位置決め用のマーク、および両面印刷後の連続用紙の切断位置を定めるための基準として利用している。
【0022】
したがって、フラッシングのためにライン型インクジェットヘッドをメンテナンスユニットなどの専用の場所に移動させる必要がないので、その分、印刷のスループットを高めることができる。また、フラッシングによって形成されたマークを両面印刷の位置決めに用いているので、位置決め用のマークを別途印刷する必要がなく、その分、印刷のスループットを高めることができ、無駄に消費されるインク量も減らすことができる。この結果、フラッシングによって吐出された廃インクを回収するための廃インクタンクの容量も少なくて済むという利点もある。さらに、フラッシングマークに基づき両面印刷後の連続用紙の部分を正確な位置で切断することができ、特に、両面印刷部分とマーク形成部分とを正確な位置で切断してマーク形成部分を切除することができる。
【0023】
次に、本発明の製本方法では、連続用紙を用いて効率良く両面印刷ページを作成することができ、同一幅の連続用紙を用いて多様なサイズの両面印刷ページを作成することができるので便利である。また、フラッシングマークが付いているマーク形成部分が綴じ代部分となるように印刷を行えば、マーク形成部分の切断工程を省略できるので、一層効率良く製本を行うことができる。したがって、本発明の両面印刷方法、両面印刷装置を用いた製本方法は、電子出版におけるオンデマンド製本機として用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した両面印刷装置を示す概略構成図である。
【図2】両面印刷装置の表面印刷工程を示す説明図である。
【図3】両面印刷装置の第1切断動作、巻き取り動作を示す説明図である。
【図4】両面印刷装置の裏面印刷工程を示す説明図である。
【図5】両面印刷ページの作成例を示す説明図である。
【図6】製本用の両面印刷ページの作成例を示す説明図である。
【図7】製本用の両面印刷ページの作成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照して本発明を適用した両面印刷装置の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る両面印刷装置は、例えば、連続用紙を用いて製本用の両面印刷ページを作成するために用いるのに適したものであるが、本発明は製本用の両面印刷ページ以外の両面印刷を行うために用いることができることは勿論である。
【0026】
(全体構成)
図1は本実施の形態に係る両面印刷装置を示す概略構成図である。両面印刷装置1は、装置ケース2の内部に形成されたロール紙収納部3を備えており、ここには連続用紙である記録紙4が巻き取られた構成のロール紙5が収納される。ロール紙収納部3のロール紙5から繰り出される記録紙4は、第1紙送り経路6に沿って、装置ケース2に形成されている記録紙排出口7に向けて案内される。第1紙送り経路6は不図示の複数の紙ガイドによって規定される経路であり、図1においては太い実線で示してある。この第1紙送り経路6には、その上流側のロール紙収納部3からその下流側の記録紙排出口7に向けて、上流側紙送りローラー対8、第2カッター9(第2切断機構)、下流側紙送りローラー対10、印刷ヘッド11、排紙ローラー12および第1カッター13(第1切断機構)が配置されている。第1カッター13の下流側には、排紙サポートローラー対31が配置されている。
【0027】
印刷ヘッド11は、第1紙送り経路6の幅方向の全幅に亘る長さのノズル列を備えたライン型インクジェットヘッドである。カラー印刷を行う場合には、ライン型インクジェットヘッドのノズル面には、各色のインク液滴を吐出するための各色のノズル列が形成されている。あるいは、各色のインク液滴を吐出するノズル列を備えた各色のライン型インクジェットヘッドを備えた構成とされる。本発明のライン型インクジェットヘッドは、これらのいずれの場合も含む意味で用いている。
【0028】
印刷ヘッド11と第1カッター13の間には、第1紙送り経路6からの分岐点14が形成されている。分岐点14には搬送方向切替爪15が配置されている。搬送方向切替爪15が図1の実線で示す第1位置15Aに位置している場合には、印刷ヘッド11の印刷位置11Aを通り過ぎた記録紙4は搬送方向切替爪15の第1案内面15aに沿ってそのまま第1紙送り経路6に沿って記録紙排出口7に向けて案内される。搬送方向切替爪15が図1の想像線で示す第2位置15Bに切り替わると、印刷位置11Aを通り過ぎた後の記録紙4の先端は、排紙ローラー12に沿って、搬送方向切替爪15の第2案内面15bによって分岐点14から紙回収経路16の側に分岐させられる。
【0029】
紙回収経路16は図1において太い破線で示してあり、分岐点14から巻き取り・繰り出し部17に至る経路である。巻き取り・繰り出し部17は円形外周面18aを備えた巻き取り芯18を備えており、この巻き取り芯18は転動可能な状態で下側から一対のガイドローラー19a、19bによって支持されている。巻き取り芯18の円形外周面18aには、巻き取り・繰り出しローラー20が所定の付勢力で押し付けられている。紙回収経路16に案内されて巻き取り・繰り出し部17に至った記録紙4は、巻き取り・繰り出しローラー20によって巻き取り芯18を反時計回り方向CCWに回転させることにより、巻き取り芯18の円形外周面18aに巻き付けられる。
【0030】
ここで、巻き取り芯18の外周側において、巻き取り・繰り出しローラー20に対して時計回り方向CWに所定角度離れた位置には、巻き取られた記録紙4をその後端の側から引き出すためのガイド爪21が配置されている。ガイド爪21の先端面は湾曲ガイド面21aとなっている。湾曲ガイド面21aは巻き取り・繰り出しローラー20の側を向いており、この湾曲ガイド面21aの一方の端21bが巻き取り芯18の円形外周面18aの側に向けて所定の付勢力によって付勢されている。また、湾曲ガイド面21aの端21bに連続して、円形外周面18aの接線方向にほぼ沿って、巻き取り・繰り出しローラー20から離れる方向に延びるローラー当接面21cが形成されている。
【0031】
巻き取り芯18を巻き取り・繰り出しローラー20によって時計回り方向CWに回転させることにより巻き取り芯18に巻き付けられている記録紙4をその後端から引き出すことができる。すなわち、巻き取り状態における記録紙4の後端がガイド爪21によってすくい上げられ、その湾曲ガイド面21aに沿って、巻き付け時の湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら外方に引き出すことができる。
【0032】
ガイド爪21によって引き出された記録紙4は、図1において太い一点鎖線で示す第2紙送り経路22によって案内されて合流点23において第1紙送り経路6に合流するようになっている。合流点23は、第1紙送り経路6における第2カッター9による切断位置と下流側紙送りローラー対10のニップ部との間に位置している。また、第1紙送り経路6における合流点23と印刷ヘッド11による印刷位置との間の部位には、記録紙4の表面に印刷されている第1面フラッシングマークを読み取るためのマーク検出器24が配置されている。
【0033】
ここで、第1紙送り経路6に沿って記録紙4を搬送する紙送り機構は、上流側紙送りローラー対8、下流側紙送りローラー対10、排紙サポートローラー対31、および、これらを駆動するための紙送りモーター25、26、排紙モーター32等から構成される。単一の紙送りモーターによって双方のローラー対8、10を駆動するようにしてもよい。紙回収経路16に沿って記録紙4を搬送する紙送り機構は、下流側紙送りローラー対10、巻き取り・繰り出しローラー20、当該巻き取り・繰り出しローラー20を回転駆動する繰り出しモーター27等から構成される。第2紙送り経路22に沿って記録紙4を搬送する紙送り機構は、巻き取り・繰り出しローラー20、モーター27等から構成される。
【0034】
また、両面印刷装置1はCPU、ROM、RAMなどを備えたマイクロコンピューターを中心に構成される駆動制御部28を備えている。この駆動制御部28は、上位機器29からの指令に基づき、あるいは、操作部30からの入力指令に基づき、ROM内に格納されている制御プログラムを実行して、印刷ヘッド11、上記構成の紙送り機構、搬送方向切替爪15、第1、第2カッター13、9を駆動制御して、記録紙4の印刷動作、切断動作などを行わせる。
【0035】
(印刷動作)
図2および図3は両面印刷装置1による記録紙4の第1面印刷工程を示す動作説明図である。第1面印刷工程すなわち記録紙4の表面への印刷工程は、第1紙送り動作、表面印刷動作、巻き取り動作および第1切断動作を含んでいる。
【0036】
まず、図2を参照して説明すると、ロール紙収納部3に収納されたロール紙5は、そこから引き出された記録紙4の先端4aが第1紙送り経路6上において、上流側紙送りローラー対8よりも下流側に位置する所定の状態にセットされる。この状態から、第1紙送り経路6に沿って記録紙4を搬送する第1紙送り動作が開始される。この第1紙送り動作では、搬送方向切替爪15が第2位置15Bに切り替えられている。上流側紙送りローラー対8および下流側紙送りローラー対10によって第1紙送り経路6に沿って搬送される記録紙4は、その表面4c(第1面)が印刷ヘッド11の側に向いた状態で搬送され、当該表面4cには印刷ヘッド11によって所定の印刷が施される(表面印刷動作)。
【0037】
印刷位置を経由した後の記録紙4の先端4aは搬送方向切替爪15によって第1紙送り経路6から紙回収経路16に案内される。紙回収経路16に案内された記録紙4の先端4aは当該紙回収経路16に沿って巻き取り・繰り出し部17まで送られる。巻き取り・繰り出し部17の巻き取り芯18は、巻き取り・繰り出しローラー20によって記録紙巻き取り方向である反時計回り方向CCWに回転している。したがって、巻き取り芯18におけるガイドローラー19aに接している円形外周面18aの部位に到達した記録紙4の先端4aは、当該円形外周面18aとガイドローラー19aの間を通って送り込まれ、当該円形外周面18aに徐々に巻き付けられていく。本例では、かかる巻き取り動作において、記録紙4は、その表面4cが外側を向く状態に巻き付けられていく。
【0038】
次に、図3を参照して記録紙4の第1切断動作を説明する。ロール紙5から繰り出される記録紙4の長さが予め定めた長さ分に達すると、上流側の第2カッター9が駆動され、記録紙4が幅方向に切断される。切断時には、紙送り動作、表面印刷動作および巻き取り動作が一時的に停止され、記録紙の搬送が停止した状態で当該記録紙4が切断される。記録紙4が切断された後は上流側紙送りローラー対8は停止したままに保持され、下流側紙送りローラー対10および巻き取り・繰り出しローラー20が再び回転を開始して、第2カッター9の下流側に位置している記録紙4Aを搬送する紙送り動作、その表面に印刷する表面印刷動作、および、巻き取り芯18に巻き取る巻き取り動作を行う。
【0039】
巻き取り動作は、切断された後の記録紙4Aの後端4bが巻き取り芯18に巻き付けられるまで行われる。この結果、図3(b)に示すように、巻き取り芯18には、切断後の所定長さの記録紙4Aが多重に巻き付けられる。なお、記録紙4Aの後端4bが、ガイド爪21と巻き取り・繰り出しローラー20の間に位置する状態で巻き取り動作を停止することが望ましい。
【0040】
図4は、巻き取り動作の後に行われる第2面印刷工程すなわち裏面印刷工程を示す動作説明図である。第2面印刷工程は、第2紙送り動作および裏面印刷動作を含んでいる。第2面印刷工程は、上記の巻き取り動作に引き続いて行うことも可能であるが、所定時間が経過した後に行うことも可能である。
【0041】
第2紙送り動作においては、搬送方向切替爪15が第1位置15Aに戻され、この状態で、巻き取り・繰り出しローラー20によって巻き取り芯18が時計回り方向CWに回転駆動させられる。巻き取り芯18の円形外周面18aに巻き付けられている記録紙4Aの後端4bがガイド爪21の湾曲ガイド面21aの端に当たると、当該湾曲ガイド面21aによって外方にすくい上げられ、当該湾曲ガイド面21aに沿って第2紙送り経路22に導かれる。
【0042】
ここで、湾曲ガイド面21aによって、記録紙4Aは巻き付け状態の湾曲方向とは逆方向に強制的に湾曲させられながら案内される。これにより、記録紙4Aに付いている巻き癖を除去あるいは緩和させることができる。この結果、巻き癖のある記録紙4Aを搬送することによって生ずる紙詰まりなどの弊害の発生を回避あるいは抑制することができる。
【0043】
次に、第2紙送り経路22に沿って搬送される記録紙4Aの後端4bは、合流点23において第1紙送り経路6に入り、ここから下流側紙送りローラー対10によって印刷位置11Aに向けて搬送される。記録紙4Aは、その裏面4dが印刷ヘッド11の側を向く状態に搬送される。したがって、第2紙送り動作においては、記録紙4Aの裏面4dに印刷ヘッド11によって印刷が施される裏面印刷動作が行われる。また、後述のように、裏面印刷動作においては、印刷に先立って、マーク検出器24によって記録紙4Aの表面4cに印刷されている第1面フラッシングマークが検出され、これに基づき、裏面印刷データの印刷位置が表面印刷データの印刷位置に対して位置決めされるようになっている。
【0044】
第2面印刷工程である裏面印刷工程の次に、切断工程が実行されて両面印刷状態の記録紙4Aが切断される。すなわち、裏面印刷後の記録紙4Aは、搬送方向切替爪15によって第1カッター13の側に案内される。裏面印刷動作においては、例えば、一定の長さ毎に所定の情報を印刷する。印刷情報の境界位置が第1カッター13の切断位置まで搬送された時点で記録紙4Aの搬送を止めて、第1カッター13によって記録紙4Aを切断する。裏面印刷動作および切断動作を繰り返し行うことにより、両面印刷が施された一定長さの記録紙片が繰り返し記録紙排出口7から発行される。
【0045】
(両面印刷ページの作成例)
次に、上記構成の両面印刷装置1を用いて製本用の両面印刷ページを作成するための印刷動作を説明する。
【0046】
図5(a)は表裏8ページ分の両面印刷ページの印刷例を示す説明図である。この図に示す8ページ分の両面印刷ページが連続している記録紙40は、第1カッター13によって切断される前の両面印刷終了後の前述の記録紙4Aに相当するものである。第1面印刷データである表面印刷データとして各偶数ページ(2、4、6、8ページ)の印刷データが用意され、第2面印刷データである裏面印刷データとして各奇数ページ(1、3、5、7ページ)の印刷データが用意される。
【0047】
このような両面印刷ページ用の印刷データを含む印刷指令を上位機器29などから受信すると、両面印刷装置1の駆動制御部28は、前述のように、記録紙4の表面4c(第1面)に表面印刷データを印刷する表面印刷工程を実行し、次に、記録紙4の裏面4d(第2面)に裏面印刷データを印刷する裏面印刷工程を実行して、裏面4dにおける表面印刷データの各偶数ページに対応する部分に各奇数ページを印刷する。次に印刷済の記録紙40を第1カッター13によって幅方向に切断する切断工程を実行して、各両面印刷ページ41、42、43、44を切り離す。
【0048】
詳細に説明すると、図5(b)に示すように、表面印刷工程では、記録紙4の表面において、表面印刷データの印刷開始位置の前側部分、すなわち記録紙4の先端4aから一定長さのマーク形成部分45を確保し、このマーク形成部分45における記録紙長さ方向のほぼ中央の位置に対して印刷ヘッド11のフラッシングを行い、ライン状のフラッシングマークAを付ける。また、表面印刷データにおける予め定めたページ枚数分の印刷終了毎にフラッシングマークを付ける。本例では表面に4ページ分だけ印刷されるので、3ページ目の印刷が終了した位置の後側部分に同一長さのマーク形成部分46を確保し、ここにフラッシングを行ってフラッシングマークBを付ける。さらに、表面印刷データの印刷終了位置の後側部分、本例では4ページ目の8ページ印刷位置の後側部分にも同一長さのマーク形成部分47を確保し、ここにフラッシングを行ってフラッシングマークCを付ける。このマーク形成部分47の後端D(4b)が第2カッター9によって切断されて、所定長さの記録紙40が記録紙4から切り離される。
【0049】
図5(c)に示すように、裏面印刷工程では、表面印刷が終了して切断された一定長さの記録紙40がその後端D(4b)を先頭として搬送され、当該記録紙40の裏面に裏面印刷データが印刷される。最初の7ページの印刷に先立って、表面側のマーク形成部分47に対応する後端Dから一定長さのマーク形成部分を確保し、ここにフラッシングを行ってフラッシングマークEを付ける。すなわち、マーク形成部分47の裏面にフラッシングマークEを付ける。これに続く7ページの印刷開始位置は、表面側のフラッシングマークCをマーク検出器24によって検出し、検出時点からの記録紙40の搬送量に基づき定めるようにしている。これにより、表面側の8ページの端(印刷終了位置)と裏面側の7ページの端(印刷開始位置)とを精度良く一致させることができる。また、後続の5、3、1ページの印刷位置を、対応する表面側の6、4、2ページのそれぞれの印刷位置に精度良く一致させることができる。
【0050】
また、裏面印刷では、表面側のマーク形成部分47だけでなく、それ以外のマーク形成部分46、45の裏面にも、それぞれにフラッシングを行ってフラッシングマークF、Gを付ける。このように、表面印刷および裏面印刷において、印刷開始時点、印刷終了時点および所定量の印刷を行った後の時点においてフラッシングが行われるので、ライン型インクジェットヘッドからなる印刷ヘッド11のノズル詰まりを確実に防止できる。また、フラッシングのために印刷ヘッド11を不図示のメンテナンス位置に退避させる動作が不要であるので、印刷のスループットの低下を防止できる。さらに、フラッシングによって形成されたフラッシングマークを利用して表裏の印刷位置の位置決めを行っているので、専用のレジストマークを印刷する必要がないので、その分、印刷のスループットを改善できると共にインク消費の無駄も抑制できる。
【0051】
次に、切断工程においても、表面に印刷されたフラッシングマークCの検出結果に基づき、第1カッター13による切断動作を制御している。すなわち、マーク検出器24による検出位置から印刷ヘッド11の印刷位置11Aまでの距離、印刷位置11Aから第1カッター13の切断位置までの距離はそれぞれ既知であるので、マーク検出器24によるフラッシングマークCの検出時点からの記録紙40の搬送量に基づき、各両面印刷ページ41〜44を、図5(c)に示すように、それぞれ、切断位置H〜Mにおいて正確に切断することができる。
【0052】
(両面印刷ページの製本例1)
上記の作成例1ではマーク形成部分45〜47を切断して各両面印刷ページ41〜44から切り離して廃棄するようにしている。しかしながら、中綴じによる製本の場合には、マーク形成部分45〜47のいずれか、あるいは全てを綴じ代部分に収まるように挟み込むようにすれば、マーク形成部分45〜47の切断工程を省略できる。
【0053】
例えば、上述した図5に示す作成例1の場合には、図6(a)に示すように、6、5ページが印刷されている両面印刷ページ43にマーク形成部分46を付けたままとする。そして、マーク形成部分46を綴じ代部分に収まるように折り込めばよい。例えば、図6(b)に示すように、マーク形成部分46を5ページの側に折り畳み、当該5ページと4ページの間に挟み込むように綴じて製本化すればよい。なお、マーク形成部分45〜47が各両面印刷ページ41〜44における同一の側に位置するように形成しておけば、これらマーク形成部分45〜47を綴じ代部分に挟み込んで見えなくすることができるので、記録紙の切断回数を大幅に減らすことができ、両面印刷動作あるいは製本用両面印刷ページの作成動作の効率化を図ることができる。
【0054】
(両面印刷ページの製本例2)
次に、図7は、両面印刷装置1を用いて中綴じ用の両面印刷ページを作成する場合の例を示す説明図である。例えば、8ページ分の両面印刷ページの場合には、図7(a)に示すように、表面印刷データとして4、5、2、7ページの順に印刷されるデータを用意し、裏面印刷データとして3、6、1、8ページの順に印刷されるデータを用意し、フラッシングを行うマーク形成部分51〜54を、表裏のそれぞれにおける印刷開始位置の前の部分、印刷終了位置の後側の部分、および、隣接する4ページと5ページの間、および2ページと7ページの間に配置する。この場合には両面印刷後の記録紙60を図7(a)に示す3箇所のカット位置55〜57で切断する。この結果、2枚の両面印刷ページ58、59が得られる。この結果、図7(b)に示すように、これらの両面印刷ページ58、59を中綴じ状態で製本することにより、マーク形成部分52、53が中綴じ部分に位置することになる。
【0055】
なお、上記の各例において、フラッシングが行われた記録紙のマーク形成部分に製本用の糊を塗布あるいは吐出して付与しておけば、製本時に糊付け作業が不要になるので便利である。例えば、塗布ローラー、ノズルから糊を吐出あるいは押し出し可能な糊塗布機構を両面印刷装置1に内蔵あるいは外付けしておけばよい。
【0056】
(その他の実施の形態)
上記の各例は製本用の両面印刷ページを作成する場合のものであるが、本発明は製本用の両面印刷ページ以外の両面印刷データの印刷に用いることができることは勿論である。
【0057】
また、上記の両面印刷装置1ではライン型インクジェットヘッドからなる印刷ヘッド11を用いて記録紙の表面および裏面に印刷を行うものであるが、表面印刷用のライン型インクジェットヘッドからなる印刷ヘッドと、裏面印刷用のライン型インクジェットヘッドからなる印刷ヘッドとを備えた構成の両面印刷装置を用いることも勿論可能である。
【符号の説明】
【0058】
1…両面印刷装置、2…装置ケース、3…ロール紙収納部、4…記録紙、4A…所定長さの記録紙、4a…先端、4b…後端、4c…表面、4d…裏面、5…ロール紙、6…第1紙送り経路、7…記録紙排出口、8…上流側紙送りローラー対、9…第2カッター、10…下流側紙送りローラー対、11…印刷ヘッド、11A…印刷位置、12…排紙ローラー、13…第1カッター、14…分岐点、15…搬送方向切替爪、15A…第1位置、15B…第2位置、15a…第1案内面、15b…第2案内面、16…紙回収経路、17…巻き取り・繰り出し部、18…巻き取り芯、18a…円形外周面、18b…凹部、19a,19b…ガイドローラー、20…巻き取り・繰り出しローラー、21…ガイド爪、21a…湾曲ガイド面、21b…端、21c…ローラー当接面、22…第2紙送り経路、23…合流点、24…マーク検出器、25,26 紙送りモーター、27 繰り出しモーター、28 駆動制御部、29 上位機器、30 操作部、31 排紙サポートローラー対、32…排紙モーター、40…記録紙、41〜44…両面印刷ページ、45〜47,45a〜47a…マーク形成部分、51〜54…マーク形成部分、55〜57…カット位置、58,59…両面印刷ページ、A〜C,E〜G…フラッシングマーク、D…後端、H〜M…切断位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン型インクジェットヘッドを用いて連続用紙に両面印刷を行う両面印刷方法において、
前記連続用紙の第1面に第1面印刷データを印刷する第1面印刷工程と、
前記連続用紙の第2面における前記第1面印刷データの印刷部分に対応する部分に第2面印刷データを印刷する第2面印刷工程と、
前記連続用紙を幅方向に切断する切断工程とを有し、
前記第1面印刷工程では、前記連続用紙の前記第1面における前記第1面印刷データの印刷部分の先端および後端のうちの少なくとも一方の端に連続する部分に、ノズル詰まり防止のために前記ライン型インクジェットヘッドのノズルからインク液滴を吐出させるフラッシングを行って、前記連続用紙の幅方向に延びるライン状の第1面フラッシングマークを形成し、
前記第2面印刷工程では、前記第1面フラッシングマークの位置に基づき、前記第2面印刷データの印刷位置を定め、
前記切断工程では、前記第1面フラッシングマークの位置に基づき、前記連続用紙の切断位置を定めることを特徴とするライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2面印刷工程では、前記連続用紙における前記第1面フラッシングマークが形成されているマーク形成部分に対応する前記第2面上の部分に、前記フラッシングを行って、ライン状の第2面フラッシングマークを形成することを特徴とするライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1面印刷データおよび前記第2印刷データは、それぞれ、複数ページ分の印刷データであり、
前記第1面印刷工程では、前記連続用紙の前記第1面において、前記第1面印刷データの印刷開始位置の前側部分、当該第1面印刷データの予め定めたページ枚数分の印刷終了位置の後側部分、および、前記第1面印刷データの印刷終了位置の後側部分に、予め定めた長さの前記マーク形成部分を確保し、これらのマーク形成部分に前記フラッシングを行うことを特徴とするライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記切断工程では、前記連続用紙における前記第1面印刷データおよび前記第2面印刷データが印刷された後の両面印刷部分から、前記第1面フラッシングマークが形成されているマーク形成部分を切断することを特徴とするライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記第1面印刷データおよび前記第2面印刷データは、製本用の両面印刷ページを印刷するためのデータであることを特徴とするライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記第1面印刷工程では、前記ライン型インクジェットヘッドの印刷位置を経由させて前記連続用紙をその先端側から搬送して前記第1面に前記第1面印刷データおよび前記第1面フラッシングマークを印刷すると共に、前記連続用紙を前記第1面の印刷終了後の位置で切断し、
前記第2面印刷工程では、切断後の所定長さの連続用紙片を、その後端側から前記ライン型インクジェットヘッドの印刷位置を経由させて搬送して、前記第2面に前記第2面印刷データおよび前記第2面フラッシングマークを印刷することを特徴とするライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷方法。
【請求項7】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記ライン型インクジェットヘッドとして、前記連続用紙の前記第1面に印刷を行う第1ライン型インクジェットヘッドと、前記連続用紙の前記第2面に印刷を行う第2ライン型インクジェットヘッドとを用いることを特徴とするライン型インクジェットヘッドを用いた両面印刷方法。
【請求項8】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載の両面印刷方法により連続用紙に両面印刷を行う両面印刷装置であって、
ライン型インクジェットヘッドと、
前記ライン型インクジェットヘッドの印刷位置を経由する搬送経路に沿って連続用紙を搬送する搬送機構と、
前記搬送経路における前記印刷位置よりも搬送方向の下流側の位置において前記連続用紙を切断する第1切断機構と、
前記搬送経路における前記印刷位置よりも搬送方向の上流側の位置において前記連続用紙の前記第1面に印刷されている前記第1面フラッシングマークを検出するマーク検出器と、
前記ライン型インクジェットヘッド、前記搬送機構および前記第1切断機構を駆動制御して前記第1面印刷工程、前記第2面印刷工程および前記切断工程を実行する駆動制御部とを有していることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記搬送経路における前記印刷位置よりも搬送方向の上流側の位置において前記連続用紙を切断する第2切断機構を有し、
前記駆動制御部は、前記第1面印刷工程において、前記ライン型インクジェットヘッドの前記印刷位置を経由させて前記連続用紙をその先端側から搬送して前記第1面に前記第1面印刷データおよび前記第1面フラッシングマークを印刷させると共に、前記第2切断機構によって前記連続用紙を前記第1面の印刷終了後の位置で切断させ、前記第2面印刷工程では、切断後の所定長さの連続用紙片を、その後端側から前記ライン型インクジェットヘッドの印刷位置を経由させて搬送させ、前記第2面に前記第2面印刷データおよび前記第2面フラッシングマークを印刷させることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項10】
請求項1ないし7のうちのいずれかの項に記載の両面印刷方法を用いて連続用紙に両面印刷を行うことにより両面印刷ページを作成することを特徴とする製本方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記切断工程では、前記連続用紙の前記両面印刷部分をページ毎に切断すると共に、前記マーク形成部分が前端あるいは後端に連続しているページについては、当該マーク形成部分が付いた状態のまま切断し、
切断後に得られた各両面印刷ページのうち、前記マーク形成部分が付いている両面印刷ページについては当該マーク形成部分を折り込み、当該折り込み部分が綴じ代部分の間に挟まれるように、各両面印刷ページを所定の順番で綴じて製本化することを特徴とする製本方法。
【請求項12】
請求項10において、
前記第1面印刷データおよび前記第2面印刷データとして、中綴じ本製作用の前記両面印刷ページが得られる印刷データを用意し、
前記第1面印刷工程では、前記マーク形成部分が前記中綴じ本の中綴じ部分に位置するように、当該マーク形成部分を形成することを特徴とする製本方法。
【請求項13】
請求項11または12において、
前記切断工程を行う前あるいは当該切断工程の終了後に、前記マーク形成部分に製本用の糊を付与する糊付与工程を有していることを特徴とする製本方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−187791(P2012−187791A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52614(P2011−52614)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】