説明

ラジアルファン

【課題】高速ラジアルファンの冷却システム及び安全性を改善する。
【解決手段】高速ラジアルファンである場合を含むラジアルファンであって、羽根(8)と筐体(2)を有し、前記筐体(2)がハウジングカバー(25)を形成するために分割されており、少なくとも前記ハウジングカバー(25)は軽金属成型材料からなるラジアルファンにおいて、前記羽根(8)を囲むケージ(29)を形成するために、2つのケージプレート(18,24)が前記羽根(8)に対して前記ハウジングカバーの側と下方側とに設けられ、これらのケージプレートはスタッド状接合手段(26)により前記羽根(8)の周囲において互いに固定されており、少なくとも前記スタッド状接合手段(26)と前記ハウジングカバーの側のケージプレート(24)が、鋼を含む硬度と剛性をもつ材料からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根と筐体を備え、その筐体には羽根シャフト用の電気駆動装置のロータとステータが収容されておりかつ冷却手段を設けたラジアルファンに関し、好適には高速ラジアルファンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のラジアルファン、特に高速回転するものは公知であり、例えばレーザと連係されるなど、利用されている。放出すべき熱負荷が非常に大きいため、冷却手段が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−153017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術に鑑み、本発明は、この種のラジアルファンにおいて必要な冷却に関する問題点をさらに改良することを目的とする。
【0005】
このようなラジアルファンでは、極めて大きな熱負荷を放出しなければならないため、本発明は、必要とされる冷却手段に関して有効なこの種のラジアルファンを構築することを目的とする。
さらに、筐体内に収容された電気駆動装置により駆動される羽根を、安全性の点で有効であるように構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のラジアルファンは、筐体内に第1の冷却媒体と第2の冷却媒体のための通路を設ける。第1の冷却媒体による第2の冷却媒体の冷却は、筐体を利用して行われる。これらの通路は、筐体における継ぎ目のない壁部材により互いに分離されている。このようにして、ラジアルファンにおける、特に筐体及び/または筐体におけるロータとステータの領域における二重冷却、すなわち第1の冷却媒体と第2の冷却媒体による二重冷却を可能とする密閉材無しのシステムを構成している。第2の冷却媒体は二次冷却手段として機能する一方、第1の冷却媒体は一次冷却手段として機能する。2つの冷却媒体の通路は、互いに密閉的に分離されており、この分離は、筐体自体の壁部材により実現されている。このために、ラジアルファンの筐体は、成型材料からなることが好ましく、例えばアルミニウム等の軽量材料からなる厚い壁を形成している。
【0007】
好適な構成においては、筐体内において2種の通路が互いに所定の角度で、すなわち3次元的に見て所定の角度で延在している。これらの通路は互いに平行ではない。2つの冷却媒体の各通路は、例えば投影図上において鋭角をなし、それにより、投影図上においては冷却媒体の通路が交差している。好適な構成においては、これらの通路が互いに垂直に通っており、その場合、例えば第2の冷却媒体の通路が羽根のシャフト軸に平行に延びる一方、第1の冷却媒体の通路が羽根のシャフト軸を中心とした円周方向に延びている。
【0008】
これらの通路は、成型(キャスティング)工程及び/または削孔工程により筐体に形成される。従って、筐体を製造する成型工程においては、これらの通路を同時に形成できる。別の例として、特に剛性の筐体部品の場合、これらの通路は削孔として形成できる。第1の冷却媒体の通路は、筐体の外壁に設けられ、断面においてチャンバ状の筐体凹部として形成されることが好ましい。このチャンバ状筐体凹部は、製造工程において筐体に形成され、特に成型により製造されることが好ましい。チャンバ状筐体凹部は、筐体において径方向外側に開口し、さらに、第1の冷却媒体用に円周上に配置された2つの通路が1つのチャンバ状筐体凹部に連通している。従って、1つのチャンバ状筐体凹部には、円周方向に第1の冷却媒体の2つの連続通路が設けられることが好ましい。
【0009】
本発明の好適な構成においては、3つまたはそれ以上のチャンバ状筐体凹部が円周上に設けられる。さらに好適には、このようなチャンバ状筐体凹部が4つ設けられ、それらが円周方向に均等に配置される。
【0010】
筐体の軸方向においては、チャンバ状筐体凹部は、筐体と一体的な壁により区切られている。円周方向においても、隣り合う2つのチャンバ状筐体凹部は、筐体の剛体部分により互いに分離されている。その剛体部分には、これらの隣り合うチャンバ状筐体凹部同士を連通させて第1の冷却媒体を通すための少なくとも1つの通路が設けられている。
【0011】
チャンバ状筐体凹部は、筐体の軸方向に延在するカバーにより閉鎖されている。その結果、チャンバ状筐体凹部は全ての面を囲まれることになり、第1の冷却媒体用の通路の一部を形成する。従って、チャンバ状筐体凹部が円周上に分布しておりかつ隣り合う2つのチャンバ状筐体凹部の間に通路が設けられて筐体部分を貫通していることから、筐体の円周方向に循環路が設けられる。カバーは、筐体を囲む管状部品の形態でもよい。別の実施例では、プレート状のカバーを個々のチャンバ状筐体凹部に設けてもよい。
【0012】
ここで重要な点は、各チャンバ状筐体凹部が密閉状態で閉鎖されることである。1つのチャンバ状筐体凹部が、冷却媒体流入部として形成され、別の1つのチャンバ状筐体凹部が、冷却媒体流出部として形成されることが好ましい。従って、これらのチャンバ状筐体凹部、またはこれを閉鎖するカバー若しくはカバー部品に対して、外部の管やホースと接続するためのカプリング等を設けることが好ましい。
【0013】
筐体が円筒状であり、その一端には羽根が取り付けられ、他端は気密状態で筐体を密閉するべく脚部品を介して閉鎖されることにより、筐体が冷却媒体の通路を内蔵するとともに、羽根軸用の電気駆動装置を収容するようにしてもよい。密閉状態で閉鎖するために、他端には段形状の部分を形成し、この段形状に脚部品が嵌合するようにしてもよい。特にこの段形状の形成により、第2の冷却媒体の通路を外部に対して密閉状態とすることができる。
【0014】
同時に、脚部品には、筐体内側へ向かう方向に第2の冷却媒体の通路の一部を形成してもよい。さらに、脚部品は、電源用のプラグ状入力部を具備してもよい。また、センサシステムや関連する電子回路を具備してもよい。
【0015】
冷却システムに関する利点としては、第1の冷却媒体が筐体内において円周方向に流れ、そして少なくとも隣り合うチャンバ状筐体凹部の間の領域に第2の冷却媒体の通路が設けられて、第2の冷却媒体も筐体内を通過することである。第2の冷却媒体の通路は、剛性筐体部分の領域において羽根の軸方向に平行に延びることが好適であり、その剛性筐体部分は、円周上で隣り合う2つのチャンバ状筐体凹部を互いに分離している。これらの剛性筐体部分は、第1の冷却媒体を一方向に流す第1の冷却媒体の通路であるとともに、それに対して好適には垂直方向に流れる第2の冷却媒体の通路でもある。
【0016】
別の例として、第1の冷却媒体の通路を、径方向において第2の冷却媒体の通路のさらに外側に設けてもよい。
【0017】
さらに、好適な構成においては、第1の冷却媒体の通路が羽根のシャフト軸を中心とする円周状に形成される。各チャンバ状筐体凹部には一列に並べられ配置された複数の通路が設けられる。第1の冷却媒体用のこれら複数の通路は、筐体内の電気駆動装置の領域に対しては閉鎖されている。
【0018】
第2の冷却媒体の通路は、筐体のほぼ全軸方向長さ、すなわち羽根から反対側の脚部品まで延びていることが好ましい。本発明の構成の発展形態では、第1の冷却媒体の通路は、主としてステータの電力損を放散させるために、ステータ近傍に設けられる。これらの通路と冷却されるステータの間に残る筐体材料部分の直径は、冷却媒体通路の直径に相当するか若しくはやや小さい。
【0019】
第2の冷却媒体の通路に対応しかつ電気系ラインを収容するために用いられる軸方向の孔が設けられる。電気系ラインを軸方向に通すことは非常に容易であると同時に、第1の冷却システムに対する絶縁も確保できる。
【0020】
冷却システムに関する構成は、電気駆動装置の冷却が、圧縮された主気体流から分離した部分気体流により行われることに基づく。これにより、外部に対して気密閉鎖された状態で、大きな熱負荷を放散することができる冷却システムを実現する。この目的のために、ラジアルファンにより圧縮された気体が、特にロータとステータを収容する筐体領域において電気駆動装置の自己冷却に用いられる。冷却用に機能するべく分岐された部分気体流は、筐体、特にロータ/ステータ領域を通過させられる。さらに、この分岐された部分気体流は、冷却通路を通過した後にファンの羽根により主気体流へ戻される。この結果、ラジアルファンにおいて、外部に対して気密状態に密閉された冷却システムが実現される。好適な構成においては、密閉材の無いシステムを実現可能である。
【0021】
本発明の好適な構成においては、部分気体流の冷却が、能動的に冷却されている筐体壁との接触によって生じる。部分気体流は、筐体内において熱交換を生じる壁に沿って適切に設けられた通路に通すことができる。
【0022】
本発明の好適な構成においては、圧縮された主気体流から分離された部分気体流が、分離後に冷却チャネルハウジングの通路へ流れ込み、その冷却チャネルハウジングの通路部分において少なくとも間接的に、能動的に冷却されることにより冷却性能が向上する。この結果、部分気体流の(予備的な)冷却が行われる。第1段階では冷却チャネルハウジングの通路を画定するハウジング壁と接触することにより冷却が行われ、第2段階では冷却チャネルハウジング及び筐体通路の壁において別個に能動的に冷却される。このために、冷却チャネルハウジングは良好な熱伝導性を有し、さらに好適には金属材料からなり、特に軽金属材料からなる。例えば、アルミニウム成型部材の形態である。冷却性能をさらに向上させるために、筐体のための能動的冷却手段も設けられる。これは、部分気体流から除去される熱を筐体壁を介し吸収しかつ放散させることを意味する。
【0023】
冷却チャネルハウジングの通路は、曲がりくねったものでもよい。これにより、部分気体流の予備的冷却において、曲がりくねった冷却チャネルハウジングの通路内のハウジング壁と接触することにより大きな表面積を得ることが可能となる。さらに、冷却チャネルハウジングの通路が径方向において外側から内側へ向かうことが好ましい。部分気体流は、拡散器の領域における羽根の径方向外側において、特に好適には拡散器からの出口において主気体流から分離されることが好ましい。ここで圧力差が利用される。この圧力差は、ラジアルファンの動作中に拡散器出口における高圧と、筐体における低圧との間で生じる。低圧領域においては、羽根の外側周縁すなわち拡散器入口において部分気体流が主気体流に再合流する。これにより、ラジアルファンの筐体内で自動的に流れる部分気体流による冷却循環路が得られる。
【0024】
部分気体流は、冷却のために、ファンの筐体及び電気駆動装置内に強制的に流される。部分気体流は、まず径方向内側に流れた後、電気駆動装置を収容した筐体領域の筐体壁を流れ、好ましくは羽根軸に平行に流れ、さらに、断面にて羽根軸周囲の筐体に設けられた部分気体流のための複数の同様の通路を流れる。
【0025】
電気駆動装置における羽根と反対側の端部において、部分気体流は筐体から出て、ステータとロータの間の空間へ流入し、ロータとステータの表面上を通過して熱を放散する。
【0026】
別の形態では、あるいは組み合わせた形態では、駆動シャフトが中空シャフト形態であり、羽根とは反対側の電気駆動装置の端部において部分気体流が筐体から出て、駆動シャフト内へ流入し、駆動シャフト内を通過する。これにより、シャフト壁と接触することで熱を放散する。
【0027】
部分気体流が、中空シャフトである駆動シャフトを流れる形態と、ステータとロータの間を流れる形態とを組み合わせて両方を流れてもよく、これらの2つの部分気体流は、ステータとロータの流れの方向における下流側において合流する。ステータとロータの間を流れる部分気体流の流れ及び中空シャフトを流れる部分気体流の流れの向きは、曲がりくねった通路から筐体を通り羽根の反対側の端部へ流れる部分気体流の流れの向きと反対である。
【0028】
最終的に、部分気体流は、羽根の径方向外側周縁にて主気体流へと戻る。この場所では、拡散器出口領域である径方向外側位置に比べて低い圧力である。拡散器出口領域では、部分気体流が主気体流から分岐する。こうして、圧力差制御による循環路が確立される。
【0029】
本発明の好適な構成では、筐体の能動的冷却手段が、水冷手段の形態で設けられる。この水冷手段は一次冷却手段を形成しており、二次冷却手段を形成する気体冷却手段とは気密性をもって分離され、基本的に密閉材の無いシステムである。気体は、ヘリウム、窒素、空気またはこれらのうちの2種若しくはそれ以上の混合物である。
【0030】
安全性の局面に関する上記の目的は、請求項1の構成により解決される。この構成は、羽根を取り囲むケージを形成することを基本とする。2つのケージプレートが、ハウジングカバー側と羽根の下方側に設けられる。これらのケージプレートは、例えばスタッド状接合手段により羽根の周囲で互いに固定される。少なくとも接合手段とハウジングカバー側のケージプレートは、鋼等の硬度と剛性をもつ材料からなる。
【0031】
この構成は、破壊に対する安全策を提供する。これにより、羽根が破壊したときの第1段階において、軽金属成型部材からなるハウジングカバー側のハウジング部品が跳ね飛ばされたり破損したりすることが避けられる。もしハウジングカバーが跳ね飛んだり破損したりしたならば、ラジアルファンにおいて外側に開口した空気ギャップが拡大して、バラバラになった羽根の比較的大きな破片がこの拡大したギャップから高速で飛び出すおそれがある。この危険性には、ハウジングカバー側のケージプレートを設けることで対処できる。このケージプレートは、鋼等の交互と剛性をもつ材料からなり、例えばST50である。このハウジングカバー側のケージプレートは、背面側に配置されたハウジングカバーに対する保護シールドを形成する。ケージプレートのハウジングカバー側とは、羽根と反対側である。
【0032】
ハウジングカバー側と羽根の下方側に設けられた2つのケージプレートは、径方向においても軸方向においても変位に対して固定され、このためにスタッド状接合手段が設けられる。これらの接合手段は、ケージプレートを予め設定された軸方向位置に設置させる。本発明においては、これらの接合手段もまた、鋼等の硬度と剛性をもつ材料からなるので、これらは、破壊に起因する破片による破損に対して保護される。
【0033】
ハウジングカバーを形成するために、筐体は羽根の回転面に対して平行な面で分割されている。さらに、2つのケージプレートが鋼等の硬度と剛性をもつ材料からなることが特に有用であり、例えば、ST50である。この構成により、羽根を取り囲むケージが全体的に硬度と剛性をもつ材料から形成される。径方向に延びる空気出口ギャップの厚さは、羽根軸に平行な方向について計測される。その厚さは、羽根が破壊したときに最悪の状況においても径方向外側へ通過するのは、小さい破片のみとなるような大きさである。もっと大きな、そしてより危険な破片は、この環状ギャップを通り抜けられない。なぜなら、このギャップを広げないようにケージが設けられているからである。
【0034】
上述のハウジングカバーに加えて、筐体もまた、軽金属成型の形態で設けてもよい。例えば、アルミニウムから形成する。羽根の下方側を囲むケージプレートには、軽金属の筐体が破片により破損しないように保護する作用もある。好適な構成においては、接合手段は、筐体とハウジングカバーの双方において螺合される。これにより、筐体とハウジングカバーとの間の接合も形成し、破損と衝撃に対処する。破壊が起きたときの力の伝達は、先ず、接合手段に螺合された鋼ナットを介して行われ、ケージプレートを背面で支持しケージプレート間のギャップ拡大に対抗する。鋼ナットの替わりに、接合手段に鋼製のカラーを形成してもよい。
【0035】
拡散器は、ハウジングカバーの下方に配置されることが好適であり、ハウジングカバー側のケージプレートがハウジングカバーと拡散器との間に配置される。接合手段は、ここではハウジングカバー内の螺合による係合のために、拡散器を貫通する。
【0036】
本発明の構成の発展形態においては、第1のハウジング部品が羽根の下方に配置され、第1のハウジング部品における羽根と反対側の面に冷却チャネルカバーが嵌合する。下方側のケージプレートは、羽根と第1のハウジング部品との間に配置されることが好ましい。さらに、第1のハウジング部品は、下方側に配置された冷却チャネルカバーにより閉鎖される冷却チャネルを具備する。羽根用の電気駆動装置を収容する筐体は、第1のハウジング部品に対して締結される。第1のハウジング部品は、冷却チャネルハウジングを形成する。
【0037】
接合手段は、その一端が冷却チャネルハウジングに固定され、2つのケージプレートと拡散器と第1のハウジング部品とを挟んで、その他端がハウジングカバーに固定されることが好ましい。接合手段は、螺合のために、両端部に螺子山を設けたスタッドの形態とすることが好ましい。
【0038】
さらに、ケージプレートは環状部品とし、その内径は、羽根の外径に合致させる、すなわち羽根の外径よりやや大きくすることが好ましい。環状部品の径方向の幅は、羽根の半径とほぼ同じかやや小さく、さらに羽根の半径の3分の1、4分の1、2分の1、3分の2若しくは4分の3またはさらに他の割合でもよい。羽根は刃を備えており、刃は径方向において異なる高さを有する。2つのケージプレートにより形成されるギャップは、刃の高さの一部とのみ重なり、その重なる部分は、刃の最大径における高さに少なくとも対応するように設定される。従って、ケージプレート間のギャップは、最大径領域における羽根またはその刃の軸方向長さに相当する。よってギャップの大きさは、軸方向における羽根の全高の一部に相当する。つまり、刃の最大高さの一部に相当する。ギャップは、刃の最大高さの2分の1に相当することが好ましいが、4分の1、3分の1若しくは3分の2から4分の3に相当する大きさでもよい。
【0039】
さらに、下方側のケージプレートは刃の裾領域へと軸方向に延びている。好適には、径方向内側において羽根の下方側と係合する。従って、下方側のケージプレートには、羽根の最大外径に相当するような凹部が設けられる。そして、その凹部内に羽根が配置される。下方側のケージプレートのその部分は、径方向の幅を有し、その厚さは刃の最大径における最小高さにほぼ相当する。
【0040】
ケージが破壊と衝撃に耐え得るように、裾領域において直径100mm以上の羽根の場合、少なくとも1つの接合スタッドが、直径の大きさに対し25mm毎の本数で設けられる。従って、直径100mm以上の羽根の場合、少なくとも4本の接合スタッドが設けられ、これらは、円周上に均等に配置される。この点において、直径150mmの場合は、6本以上の接合スタッド、例えば7本、8本または10本の接合スタッドが、円周上に均等な角度で配置される。これらの接合スタッドは全て、一端がハウジングカバー内おいて、他端が冷却チャネルカバー内においてねじ止め固定されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるラジアルファンの斜視図である。
【図2】図1に対応する斜視図であり、第1のケージプレートを露出させるためにカバーを除去している。
【図3】図2に対応する斜視図であり、拡散器を露出させるためにさらにケージプレートを除去している。
【図4】図1に対応する斜視図であり、第2のケージプレートを露出させるために拡散器を除去している。
【図5】図2に対応する斜視図であり、曲がりくねった通路を具備するハウジング部品を露出させるために第2のケージプレートを除去している。
【図6】ラジアルファンの展開図であり、羽根を駆動するために必要な電気駆動装置は省いている。
【図7】ラジアルファンの正面図である。
【図8】図7のVIII−VIIIラインに沿った断面図である。
【図8a】図8のVIIIa領域の拡大断面図である。
【図9】図7のIX−IXラインに沿った断面図である。
【図10】図9のX−Xラインに沿った断面図であるが、電気駆動装置は省いている。
【図11】図9に対応する断面図であるが、ラジアルファンの別の実施例に関する。ケージプレートとハウジングカバーを除去している。
【図12】図11のXII−XIIラインに沿った断面図である。
【図13】第2の実施例におけるファン筐体の斜視図である。
【図14】第2の実施例におけるファン筐体の斜視図であるが、筐体のカバーを除去している。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明するが、図示のものは例示である。
【0043】
ラジアルファン1の第1の実施例は、高速ラジアルファンの形態であり、図1〜図6に示す例により説明する。
【0044】
ラジアルファン1は、互いに連係する駆動部Aとファン部Bとを有する。
(上下の位置関係については、駆動部Aの方をを下方側、ファン部Bの方を上方側として説明する。)
【0045】
駆動部Aは、筐体2を備えている。筐体2は、軽金属成型部材で形成され、ファン部Bの方に向いた端部領域は、円形断面をもつ中空円筒となっている。この断面は、ほぼ筐体2の長さ全体に亘って続いているが、円形断面の切り欠き部分として複数の平坦面3が形成されている。4つの平坦面3が設けられ、それらは図10に示すように、断面において正方形に配置されている。これに対して、正方形断面の角部は、環状筐体部分の円弧により丸くなっている。
【0046】
筐体2内には、ステータ5とロータ6を有する電気駆動装置4が収容されている。ロータ6は、軸形状の、特に中空軸形状の駆動シャフト7を形成する。
【0047】
駆動シャフト軸xは、筐体の縦軸と一致する。駆動シャフト7は、例えば磁気ベアリング等のベアリンク(図示せず)を介して駆動される。
【0048】
側面図に示すように、駆動シャフト7は、筐体2の環状端部を超えて延びており、ファン部Bの羽根8が回転するように接続されている
【0049】
羽根8と反対側を向いた筐体2の端部は、脚部品9により閉じられている。このために、筐体2は、大部分が空洞の形状であって段形状部10を有している。段形状部10に嵌合するように、段形状の脚部品9が密閉状態で配置される。
【0050】
ファン部Bは、駆動シャフト軸xに沿った他端に続いて配置されたほぼ回転対称の部品から形成されている。
【0051】
ファン部Bは、第1の実施例においては、冷却チャネルカバー11を有する。この冷却チャネルカバー11に続いて、筐体2から駆動シャフト軸方向に向かって冷却チャネルハウジング14があり、これが第1のハウジング部品13を形成している。この冷却チャネルハウジング14における筐体2の方へ向いた面を覆うために、冷却チャネルハウジング14と冷却チャネルカバー11とが螺合される。
【0052】
符号15で示される別の環状部品は、駆動部Aの構成部品であり、筐体2へ螺合される。
【0053】
第1のハウジング部品13、すなわち冷却チャネルハウジング14は、平面図において環状要素として形成され、環状部品である冷却チャネルアダプター15に合致する空間内径を有している。冷却チャネルアダプター15の内径は、対向する環状の筐体部分の空間内径に合致している。
【0054】
さらに、冷却チャネルハウジング14の空間内径は、羽根8の最大外形よりもやや小さく設定される。羽根8は、冷却チャネルハウジング14の、冷却チャネルカバー11とは反対側に配置される。羽根8は、回転するように固定されて駆動シャフト7に対して接続される。
【0055】
羽根8は、中心領域から径方向外側へ延びる複数の刃16を備え、これらの刃は径方向において異なる高さを有している。すなわち、径方向外側へ向かって低くなっている。刃16の径方向外側に向いた周縁部は、例えば図8に示すように、断面においてほぼ凹状となっている。刃16の最大径領域、つまり羽根8の裾領域における刃16の高さh’は、羽根8の軸方向における全高hの約4分の1に対応する。羽根8の裾領域は冷却チャネルハウジング14の方に向かっている。
【0056】
冷却チャネルハウジング14における羽根8の方へ向いた面には、中心に皿状の凹部17が設けられている。この凹部は、羽根8の裾領域よりも大きな直径を有する。
【0057】
凹部17の中には、平面図にて環状のケージプレート18が配置されている。このケージプレート18は、硬度と剛性をもつ材料からなり、例えば、ST50鋼である。このケージプレート18の外径は、冷却チャネルハウジング内の凹部17の内径に合致する。ケージプレート18の内径は、羽根8がその最大径まで延びるように設定される。つまり、羽根8の裾領域が回転自在なように、ケージプレート18の環状空間内に若干の隙間を設けて配置される。さらに、ケージプレート18の径方向内側において羽根8の下方側と係合するように形成される。このために、ケージプレート18の全厚さよりも薄い環状カラー19が、ケージプレート18の内側の環状縁部から径方向内側に延びている。
【0058】
拡散器20は、同様に回転対称部品として形成され、ケージプレート18における冷却チャネルハウジング14と反対側の面に固定される。この拡散器20は、中心に受容部分を有し、その中に羽根8が挿入される。さらに、ケージプレート18の上面に隣接して径方向外側に開口する環状ギャップ21には、その中を貫通する拡散刃22が公知の手段で設けられ、これらの拡散刃は、気体を径方向外側へ送出し、この過程で径方向外側への気圧を高める。
【0059】
拡散器20は、ケージプレート18とは反対側の面に環状の凹部23を有し、これは、駆動シャフト軸xと同心状の関係である。凹部23には、別のケージプレート24が配置される。図示の例では、ケージプレート24は、駆動シャフト軸x方向における厚さがケージプレート18の厚さの約3分の2であり、拡散器20に嵌め込まれている。このケージプレート24も、ST50鋼等の硬度と剛性をもつ材料からなる。
【0060】
そして、ケージプレート24上には、拡散器20の煙突状取り込み部分も覆って軸方向の気体流入を生じさせるように、ハウジングカバー25が配置される。このハウジングカバー25、拡散器20、冷却チャネルハウジング14、冷却チャネルアダプター15及び筐体2は、例えばアルミニウムである軽金属成型材料からなることが好適である。
【0061】
ハウジングカバー25及び冷却チャネルハウジング14は、2つのケージプレート24及び18並びに拡散器20を間に挟んで互いに締め付けられている。このようにするために、図示の例では、7つの接合手段26が用いられ、それらは円周状に均等に分布されたスタッド27の形であり、少なくともその端部には螺子山を備えている。これらのスタッド27はその一端が螺子止めされ、冷却チャネルハウジング14の対応する螺子付き穴へ所定の長さだけ延びており、駆動シャフト軸xと平行な案内用かつ固定用のスタッドを形成している。これらのスタッド27は、冷却チャネルハウジング14の嵌合する凹部に配置される径方向カラー27’を具備し、固定ボルトの形で用いられる。これにより、これらのスタッド27は、冷却チャネルハウジング14と同一面上から突出することになる。組立においては、先ず、下方側のケージプレート18がこれらのスタッド27に対して軸方向に押し込まれる。その後、羽根8が先ず駆動シャフト7に固定され、拡散器20及びケージプレート24がスタッド27に対して軸方向に押し込まれる。次に、鋼ナット27”を用いてケージプレート24を軸方向に固定する。鋼ナット27”は、スタッド27に螺合され、ハウジングカバー25に形成された嵌合する凹部に位置することになる。ハウジングカバー25は最後に取り付けられる。スタッドは、ハウジングカバー25を貫通して終端し、ナット28が螺合される。これにより、上記部品が把持されかつ固定される。
【0062】
スタッド状接合手段26、その径方向カラー27’及びナット27”もまた、ST50鋼等の硬度と剛性をもつ材料からなり、これらがケージプレート18及び24とともにケージ29を形成し、筐体2とファン部の部品を保護する。例えばハウジングカバー25は、羽根8が破損した場合の保護である。
【0063】
2つのケージプレート18と24の間にはギャップSが設けられている。このギャップSには、拡散刃が通っている。ギャップSは、羽根の刃16の高さhの一部のみに相当する大きさである。つまり、全高hの約半分程度であり、少なくとも羽根8の裾領域近傍である最大直径における刃16の高さh’はある。
【0064】
上記の通り、硬度と剛性をもつ材料から形成されたケージ29の構成により、羽根8が破損した場合に、大きな、よって危険な破片が遠心力によって径方向外側へ飛び散らないことを確保する。さらに、ハウジングカバー25及び/または、ギャップSの下方に位置する筐体2あるいは冷却チャネルハウジング14に対する破片による損傷に対処する。この場合、ケージプレート24は、破壊により誘起されるギャップの拡大に対する保護シールドとして機能する。カラー27’及びナット27”上のケージプレート18及び24による両面支持は、ケージプレート18と24の間のギャップ拡大に対抗する。
【0065】
特に、電気駆動装置4を冷却するために、ラジアルファン1は冷却システムを備えている。この冷却システムは、実質的に2つに分離されている。二次冷却システムは、外側方向に対して気密性をもって閉鎖された内部気体流を利用する。一次冷却システムは、水冷手段の形態であり、筐体2を通過して外側へ流れる。その水は、対応するポンプ手段等により供給される。
【0066】
第2の冷却媒体は、図中の符号Kで示され、上述の二次冷却システムの内部気体流である。この場合、ラジアルファン1の動作中における、羽根8の径方向外側周縁の領域と拡散器の環状ギャップ21の径方向外側出口領域との間の圧力差が利用される。それにより、能動的な補助手段なしで自動的な流れを生成することができる。羽根8の径方向外側周縁の領域は、環状ギャップ21の径方向外側出口領域よりも低い圧力P’である。そして、圧力Pは、拡散刃22により高められる結果、径方向内側の圧力P’のほぼ2倍に相当する。
【0067】
生じた圧力差を利用することにより、径方向外側へ通過する主気体流Hから部分気体流Tが分流する。この部分気体流は、電気駆動装置4を冷却するために適切な通路30を介して供給される。部分気体流の主気体流Hへの再合流は、低い圧力P’の領域で行われる。すなわち、羽根8の径方向外側周縁領域である。この結果、気体の循環が実現される。
【0068】
この気体は、ヘリウム及び/または窒素及び/または空気及び/またはこれらの気体のうち2種またはそれ以上の混合物であることが好ましい。
【0069】
第2の冷却媒体Kの上記の通路30は、駆動シャフト軸xと実質的に平行に延び、かつ、冷却チャネルハウジング14と筐体2の脚部品9との間に延びている。
【0070】
ケージプレート18の方に向いた上面において、冷却チャネルハウジング14には、複数の(図5の例では7個の)曲がりくねったハウジング通路31が設けられ、それらのハウジング通路31はそれぞれ分岐チャネル32を介して径方向外側における環状ギャップ21の径方向外側領域に開口している。この領域では、ラジアルファン1の動作中には圧力Pが高められている。個々の曲がりくねったハウジング通路の他端は、冷却チャネルハウジング14の内側へ向かって、図示のように径方向において軸方向チャネル33へと一つになっている。軸方向チャネル33は、環状部品である冷却チャネルアダプター15における対応する位置に設けられた軸孔34と連通する。軸孔34は筐体2に繋がっている。
【0071】
曲がりくねった通路31は、冷却チャネルハウジング14の平面図に示すように曲がりくねった通路をとり、このような曲がりくねった通路31は、円周上において互いに隣り合う2つのスタッド状接合手段26の間の各空間に設けられている。
【0072】
電気駆動装置4を収容する筐体壁35は、剛体構造であり、冷却体の役割も果たす。
【0073】
冷却チャネルアダプター15の軸孔34の延長方向において、冷却媒体チャネル36が筐体壁35内に延びている。これらのチャネル36は、隣り合う2つの平坦面3の間の、断面において丸い角部領域において駆動シャフト軸xと平行に設けられている。特に、図10に示すように、筐体壁35の各角部領域には、このような冷却チャネル36が3つずつ設けられ、それらは冷却チャネルアダプター15及び冷却チャネルハウジング14における対応する数の孔及びチャネルに連通している。
【0074】
上述のように、二次冷却は、圧力差制御により主気体流Hから分離した部分気体流Tにより行われる。この部分気体流Tは、拡散器20の領域において環状ギャップ21の径方向外側位置から分岐され、冷却チャネルハウジング14の曲がりくねった通路31を通って径方向内側へ誘導される。その後、部分気体流Tは、冷却チャネルハウジング14の軸方向チャネル33、冷却チャネルアダプター15の軸孔34及び筐体壁35の冷却媒体チャネル36を通過し、筐体2の端部における脚部品9の領域に設けられた図示しない通路により最終的に約180度反転される(図9)。部分気体流Tの一部は、その後ロータ6とステータ5の間の空間を流れる。部分気体流Tの残部は、中空シャフトとして形成されている駆動シャフト7を通って流れ、それにより、羽根8の下方領域において径方向外側へ向かい筐体2の内側に出てくる。この筐体2の内側部分から、部分気体流Tは、羽根8の径方向外側周縁の近傍における低い圧力P’の領域へ戻り、圧縮されることになる主気体流へと合流する。
【0075】
部分気体流Tの最初の冷却は、筐体壁35と接触することにより生じる。この冷却効果は、能動的な第2の冷却システムによりさらに強化される。この第2の冷却システムは、水冷手段である。この第1の冷却媒体は、符号Kで示され、図10の例では通路37を通過する。通路37は、第2の冷却媒体Kの通路30に対して垂直に設けられている。これらの通路37は、駆動シャフト軸xに対して円周状に延びており、ほぼステータ領域を覆うように拡がっている。
【0076】
通路37を形成するために、一実施例では、断面において外側に開口するチャンバ状筐体凹部38が、筐体2の外壁の平坦面3に当たる部分に設けられる。従って、これらの筐体凹部38は、筐体壁35の円周上において隣り合う2つの丸い角部の間に位置する。角部領域には、上述の通り、第2の冷却媒体Kの通路30が設けられており、通路30はこれらの通路37に対して垂直に通っている。
【0077】
図示の例では、4つのチャンバ状筐体凹部38が互いに90°の角度で離れている。これらの筐体凹部38は、孔39により互いに連通している。孔39は、筐体2内部における筐体2の部材が、ステータ5の方向と筐体壁35の角部領域を通る気体通路30の方向の両方向において繋がっているように配置されている。従って、第1の冷却媒体Kの通路37と第2の冷却媒体Kの通路30は、継ぎ目のない部材壁40により互いに分離されている。
【0078】
孔39を設ける替わりに、成型工程によって筐体凹部38同士の間を連通させてもよい。
【0079】
筐体凹部38同士の間の連通により、第1の冷却媒体Kの通路37は、全円周上を通ることになる。
【0080】
図示されるように軸方向においてチャンバ状筐体凹部38は、筐体2と一体的な壁41により区切られる。筐体凹部38は、径方向外側はプレート状カバー42で区切られる。プレート状カバー42は、筐体2の外壁上の凹部縁部に沿って、隣の角部領域に対し密閉状態で固定される。
【0081】
カバー42には、冷却媒体流入部44を形成するために接続部43が設けられる。このカバーの直径について反対側に位置する同様のカバー42には、冷却媒体流出部45を形成するために接続部43が設けられる。
【0082】
特に図9及び図10に示すように、チャンバ状筐体凹部38を連通させる孔39は、スロット状の孔として形成され、筐体の内側に設けられたステータ5のほぼ軸方向長さ全体に延びている。
【0083】
第1の冷却媒体Kの通路37(水循環路)は、径方向において第2の冷却媒体Kの通路30よりも内側に設けられている。少なくともチャンバ状筐体凹部38同士の間の領域においてはそのように設けられている。すなわち、剛性筐体角部領域においては、通路30が通路37を包囲している。
【0084】
2つの冷却媒体KとKの通路30と37は、互いに所定の角度で通っている。通路30と37を分離するためのいかなる密閉手段も設けられていない。この分離は、完全に筐体部材だけを用いて実現されている。
【0085】
図11〜図13は、ラジアルファン1の、特に筐体2の別の実施例を示す。ケージ、拡散器及びハウジングカバーは、前述の実施例と同じである。
【0086】
冷却循環路の機能及び通常の作用は、前述の実施例に相当する。
【0087】
本質的な違いは、筐体2の全体構成である。この第2の実施例においては、筐体が実質的に全体が円筒状であり、円形断面を備えている。4つの円周上に均等に分布されたチャンバ状筐体凹部38が、剛性の筐体壁35内に形成され、それらの間に、軸方向に通る第2の冷却媒体K2用の通路30を収容している筐体壁部分が円周上に存在する。チャンバ状筐体凹部38を連通させる孔39は、これらの壁部分の径方向内側領域に設けられている。特に図14に示す通り、各チャンバー状筐体凹部が複数の孔39を具備し、それらは駆動シャフト軸xの方向に一列に並んで設けられている。図11の断面図に示すように、これらの孔39は、軸方向においてステータの延在する領域に亘って存在する。
【0088】
第2の実施例においては、チャンバ状筐体凹部38を閉鎖しているカバー42が管状部品46として形成されている。管状部品46は、筐体2を囲みかつ適宜配置された密閉手段により筐体壁35の外面上に固定されている。
【0089】
一方の冷却媒体流入部44及び他方の冷却媒体流出部45は、直径における2つの反対側領域に形成され、各々がチャンバ状筐体凹部38に設けられている。
【0090】
開示された全ての特徴は本発明に関する。関連する優先権書類の開示内容もまた、本願のクレームにおけるこれらの書類の記載内容を包含させるために本願の開示に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1:ラジアルファン
2:筐体
3:平坦面
4:電気駆動装置
5:ステータ
6:ロータ
7:駆動シャフト
8:羽根
9:脚部品
10:段形状部
11:冷却チャネルカバー
13:第1のハウジング部品
14:冷却チャネルハウジング
15:冷却チャネルアダプター
18、24:ケージプレート
19:環状カラー
20:拡散器
24:ケージプレート
25:ハウジングカバー
26:スタッド状接合手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速ラジアルファンである場合を含むラジアルファンであって、羽根(8)と筐体(2)を有し、前記筐体(2)がハウジングカバー(25)を形成するために分割されており、少なくとも前記ハウジングカバー(25)は軽金属成型材料からなるラジアルファンにおいて、前記羽根(8)を囲むケージ(29)を形成するために、2つのケージプレート(18,24)が前記羽根(8)に対して前記ハウジングカバー(25)の側と下方側とに設けられ、これらのケージプレート(18,24)はスタッド状接合手段(26)により前記羽根(8)の周囲において互いに固定されており、少なくとも前記スタッド状接合手段(26)と前記ハウジングカバー(25)の側のケージプレート(24)が、鋼を含む、硬度と剛性をもつ材料からなることを特徴とするラジアルファン。
【請求項2】
前記ハウジングカバー(25)を形成するために、前記筐体(2)が、前記羽根(8)の回転面に平行な面で分割されていることを特徴とする請求項1に記載のラジアルファン。
【請求項3】
前記2つのケージプレート(18,24)が、鋼を含む、硬度と剛性をもつ材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載のラジアルファン。
【請求項4】
前記筐体(2)が軽金属成型材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項5】
前記スタッド状接合手段(26)が、前記筐体(2)及び前記ハウジングカバー(25)の双方に対して螺合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項6】
拡散器(20)が、前記ハウジングカバー(25)の下方側に配置され、前記ハウジングカバー(25)の側のケージプレート(24)が、前記ハウジングカバー(25)と前記拡散器(20)との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項7】
前記スタッド状接合手段(26)が、前記拡散器(20)を貫通することを特徴とする請求項6に記載のラジアルファン。
【請求項8】
第1のハウジング部品(13)が前記羽根(8)の下方側に配置されるとともに、冷却チャネルカバー(11)が前記第1のハウジング部品(13)における前記羽根(8)と反対側の面に嵌合させられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項9】
前記スタッド状接合手段(26)が、その両端部に螺子山をもつスタッド(27)の形態であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項10】
前記2つのケージプレート(18,24)が環状部品の形態であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項11】
前記2つのケージプレート(18,24)の内径が、前記羽根(8)の外径に合致させられることを特徴とする請求項10に記載のラジアルファン。
【請求項12】
前記環状部品の径方向の幅が、前記羽根(8)の半径以下であることを特徴とする請求項10または11に記載のラジアルファン。
【請求項13】
前記羽根(8)が複数の刃(16)を備え、前記刃(16)は径方向において異なる高さを有し、前記2つのケージプレート(18,24)により形成されるギャップが、前記刃(16)の高さ(h)の一部とのみ重なっており、その重なった部分が少なくとも前記刃(16)の最大径における高さ(h')に相当するように設定されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項14】
前記下方側のケージプレート(18)は、前記刃(16)の裾領域内へ軸方向に延びていることを特徴とする請求項13に記載のラジアルファン。
【請求項15】
前記下方側のケージプレート(18)は、径方向内側に前記羽根(8)の下方側と係合していることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項16】
前記ギャップ(S)の大きさは、前記羽根(8)の全高(h)の2分の1以下であることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項17】
羽根(8)が、その裾領域において100mm以上の直径をもつ場合は、直径に対して25mm毎の本数だけ前記スタッド状接合手段(26)が設けられることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載のラジアルファン。
【請求項18】
羽根(8)が、その裾領域において150mm以上の直径をもつ場合は、6本以上の前記スタッド状接合手段(26)が円周上に均等な角度で配置されることを特徴とする請求項17に記載のラジアルファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8a】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−177028(P2011−177028A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134374(P2011−134374)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【分割の表示】特願2008−515187(P2008−515187)の分割
【原出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(399013454)ゲーエーベーエル.ベッケル・ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】