説明

ラベル、ラベル付き容器及びラベルの剥離方法

【課題】熱により接着性を発現し、被着物に貼着された状態で水に浸漬された場合に容易に剥離することができるラベルを提供する。
【解決手段】基材の一面に水性エマルション系接着剤からなる感熱接着層を形成して、ラベルが構成される。前記水性エマルション系接着剤が、エマルション状態の熱可塑性樹脂及び界面活性剤を含有すると共に、タッキファイヤーの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して10重量部以下、ワックスの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して5重量部以下である。被着体に貼着されたラベルを水に浸漬した場合、感熱接着層が膨潤して感熱接着層の接着性が低減し、ラベルを被着体から容易に剥離することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品名や各種情報等の表示を主な目的として、商品やその容器等に貼り付けて使用されるラベル、ラベル付き容器、及びラベルの剥離方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品やその容器に貼り付けるラベルの素材としては、紙類、各種フィルム等の多種多彩な素材が用いられている。
【0003】
ラベルを貼着する方法として、被着体に貼り付ける直前にラベル裏面に糊を塗布し、その後圧力をかけて貼り付ける方法(以下、グルー糊方式という。)、粘着性を有する糊が予めラベル製造時にラベルの裏面に塗布されており、圧をかけて貼り付ける方法(以下、タック糊方式という。)、加熱されると粘着性が発現する感熱糊が予めラベルの裏面に塗布されており、貼り付ける直前に熱風等でラベルを加熱して糊に粘着性を発現させ、これに圧をかけて貼り付ける方法(以下、ヒート糊方式という。)等がある。
【0004】
これらの方法のうち、グルー糊方式では塗布量の設定、糊の追加・交換、使用後の糊の清掃等に煩雑な手間を要し、また糊量の調整、粘度管理等に作業者の熟練を要するものである。
【0005】
また、タック糊方式では予めタック糊が塗布されているため、ラベルが貼り付けられる直前までは他に付着しないように特殊な処理をした合紙(離型紙)を必要とする。この離型紙はラベル使用後にゴミとして廃棄されるため、廃棄物の増加と資源の浪費を招いてしまう。また、離型紙が高価であるため、コストアップの要因ともなっている。また、ラベルを貼るスピードが遅く、大量に貼り付けられるラベルには不向きでもある。
【0006】
これに対して、ヒート糊方式では、予めラベルの裏面には加熱前には貼着性がなく、加熱により粘着性が発現する感熱糊が塗布されているため、感熱糊を加熱した後に貼着するだけでラベルの貼着を行うことができ、作業者の熟練を要せず、且つ貼着作業を短時間で行うことができ、また作業終了後の清掃も簡単にするようになる。また、タック糊方式の場合のような離型紙は必要とされず、廃棄物の削減にも寄与するものである。このような利便性のため、ヒート糊方式は近年広く用いられるようになってきている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−84673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、ゴミの減量と分別回収によるリサイクルの必要性により、使用済みの被着体からラベルを剥がして別々に廃棄又は回収することが行われるようになってきている。例えば、ガラス瓶の回収においても、消費者がラベルを剥がした後に回収するように指導する自治体が増えてきており、また、消費者の意識の高まりにより被着体の廃棄や回収時に消費者が積極的にラベルを剥がすようになってきている。このため、被着体を水に浸漬するなどした場合に容易に手で剥がせる再剥離性のラベルの必要性が高まってきている。
【0008】
しかるに、このようなラベルが貼着されるガラス瓶等の容器には、破壊防止等の目的のため、スズ化合物やポリエチレンワックス等によるデュアルコーティングがなされているものが多く、このような容器にラベルを貼着した場合、容器表面の撥水性が高くなり、容器を水に浸漬するなどしてもラベルを剥離することが難しいという問題がある。このため、水に浸漬することにより接着性が十分に低減して容易に剥離することが可能なラベルが求められている。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、熱により接着性を発現し、被着物に貼着された状態で水に浸漬された場合に容易に剥離することができるラベル、このラベルが貼着された容器、及びこのラベルの剥離方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、基材の一面に水性エマルション系接着剤からなる感熱接着層が形成されたラベルであって、前記水性エマルション系接着剤が、エマルション状態の熱可塑性樹脂及び界面活性剤を含有すると共に、タッキファイヤーの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して10重量部以下、ワックスの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して5重量部以下であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1において、タッキファイヤーの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜10重量部であること、及びワックスの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜5重量部であることの、少なくとも一方を満たすことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1において、上記水性エマルション系接着剤が、タッキファイヤー及びワックスを含有しないことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項において、上記界面活性剤が、カチオン系界面活性剤であることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係るラベル付き容器は、容器に請求項1乃至4のいずれか一項に記載のラベルを貼着して成ることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項5において、上記容器が、デュアルコーティングが施されたガラス製の容器であることを特徴とする。
【0016】
請求項7に係るラベルの剥離方法は、請求項5又は6に記載のラベル付き容器のラベル貼着部位を水に浸漬することでラベルと容器の間の接着力を低減し、この状態でラベルを容器から剥離することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係るラベルによれば、このラベルの感熱接着層を加熱することでこの感熱接着層に接着性を発現させることができ、この状態でこの感熱接着層を適宜の被着体に重ねることでラベルを被着体に貼着することができる。また、このラベルを被着体に貼着した後、このラベルを水に浸漬すると、感熱接着層が膨潤して感熱接着層の接着性が低減し、ラベルを被着体から容易に剥離することができる。このため、デュアルコーティングが施されたガラス瓶等のようにラベルの剥離が困難な被着体であっても、ラベルを容易に剥離することが可能となるものである。
【0018】
また請求項2に係る発明では、タッキファイヤーやワックスによってラベルの接着性を調整することで、ラベルの剥離性を向上しつつ、その剥離性の程度を調整し、容器に接着されたラベルに冷水が付着したり、短時間冷水に浸漬したりしただけでは、ラベルが簡単には剥離されないようにすることができる。
【0019】
また請求項3に係る発明では、水性エマルション系接着剤中にタッキファイヤー及びワックスを含有しないことから、ラベルの剥離時に感熱接着層を水に浸漬した場合のラベルの剥離性を著しく向上することができる。
【0020】
また請求項4に係る発明では、水性エマルション系接着剤におけるエマルションを安定化させると共にこの水性エマルション系接着剤にて形成される感熱接着層の接着性を維持することができる。
【0021】
また請求項5に係るラベル付き容器は、ラベルを水に浸漬すると、感熱接着層が膨潤して感熱接着層の接着性が低減し、ラベルを被着体から容易に剥離することができる。
【0022】
また請求項6に係るラベル付き容器では、容器がデュアルコーティングが施されたガラス製の容器であっても、ラベルを容易に剥離することが可能となるものである。
【0023】
また請求項7に係るラベルの剥離方法は、容器からラベルを容易に剥離することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0025】
本発明に係るラベルの基材としては、紙基材、樹脂フィルム基材、金属シート、樹脂ラミネートされた金属シート等の適宜のものが用いられる。
【0026】
感熱接着層を形成するための水性エマルション系接着剤は、エマルション状態の熱可塑性樹脂と界面活性剤とを含有する。
【0027】
上記熱可塑性樹脂は、室温以下では粘着性を発現しないものが挙げられる。具体的には、例えばアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル、エチレン−塩化ビニル、エチレン−アクリル酸エステル、エチレン−アクリル酸、ポリブタジエン、ウレタン、スチレン−イソプレンブロックポリマ−等の樹脂が挙げられる。
【0028】
界面活性剤としては、特にカチオン系界面活性剤を用いれば、水性エマルション系接着剤におけるエマルションを安定化させると共にこの水性エマルション系接着剤にて形成される感熱接着層の接着性を維持することができる。このようなカチオン系界面活性剤の具体例としては、脂肪族4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩等を挙げることができる。ここで、ノニオン系界面活性剤の場合は乳化能力に乏しく、エマルション化のためには大量に使用する必要が生じて接着性に悪影響が及ぶおそれがあり、またアニオン系界面活性剤の場合にはエマルションの安定化に欠けるおそれがある。
【0029】
また、この水性エマルション系接着剤には、必要に応じて成膜助剤、分散剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等)、有機フィラー、無機フィラー、変性ロジン樹脂等のタッキファイヤー、パラフィンワックス等のワックスなど、適宜の添加剤を添加しても良い。
【0030】
水性エマルション系接着剤中の各成分の含有量は、良好な樹脂エマルションを形成可能であり、且つこの水性エマルション系接着剤を塗布乾燥することにより感熱接着層を形成可能な程度に適宜調整されるものであり、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂の含有量は30〜60重量%の範囲、界面活性剤の含有量は0.5〜10重量%の範囲とすることができ、また、水の含有量は30〜70重量%の範囲とすることができる。
【0031】
また、本発明では、上記添加剤のうち、変性ロジン樹脂等のタッキファイヤーや、パラフィンワックス等のワックスを用いる場合には、タッキファイヤーについてはその含有量は熱可塑性樹脂100重量部に対して10重量部以下、ワックスについてはその含有量は熱可塑性樹脂100重量部に対して5重量部以下とする必要がある。このタッキファイヤーやワックスの含有量が前記範囲を超える場合には、ラベルに十分な剥離性を付与することができなくなる。
【0032】
本発明に係るラベルは、基材の一面に水性エマルション系接着剤を成膜した被膜(感熱接着層)を設けることで形成される。
【0033】
基材への水性エマルション系接着剤の塗布の際は、水性エマルション系接着剤中の分散媒である水の含有量を適宜調整した上で、適宜の手法で行うことができる。このとき、感熱接着層の接着特性は水性エマルション系接着剤の塗布量により大きく左右されるため、塗布量の管理が容易な方式を採用することが好ましく、例えばロールコーター方式、リバースコーター方式、グラビアコーター方式等の手法を採用することができる。この水性エマルション系接着剤の塗布後、熱風等により加熱乾燥して、感熱接着層を形成することができる。加熱乾燥条件は水性エマルション系接着剤の組成等に応じて適宜設定されるが、例えば熱風にて加熱する場合に、塗布された水性エマルション系接着剤に30〜120℃の熱風を5〜15秒間吹き付けるようにする。
【0034】
形成される感熱接着層の乾燥塗膜量は3〜20g/m3の範囲であることが好ましい。この乾燥塗膜量が過少であると十分な接着力が得られなくなるおそれがある。またこの乾燥塗膜量が過剰であると、このラベルを剥離するために水に浸漬する際に要する時間が長くなり、また感熱接着層の成膜に要する時間も長くなって作業性が悪くなるおそれがある。
【0035】
このように形成されるラベルの感熱接着層を熱風の噴射等により加熱して接着性を発現させ、容器等の被着体に重ねることで、被着体にラベルを貼着することができる。被着体としては、ガラス瓶等のガラス製容器や、ペットボトル等のプラスチック製容器等の適宜のものを挙げることができる。ガラス製容器としては、特にいわゆるデュアルコーティングが施されたガラス製の容器を挙げることができる。デュアルコーティングとは、ガラス製の容器に高温下で有機スズ化合物を吹き付けた後、冷却後、ポリエチレンワックス等を吹き付けて表面コーティングを施す処理である。
【0036】
ラベルの貼着時の感熱接着層の加熱条件は水性エマルション系接着剤の組成等に応じて適宜の条件とするが、例えば250〜600℃の熱風にて0.5〜2秒間加熱することにより感熱接着層に接着性を発現させてラベルの貼着を行うことができる。
【0037】
このようにして得られるラベル付き容器からラベルを剥離する場合には、この容器のラベル部分を水に浸漬する。このとき、ラベルの感熱接着層には熱可塑性樹脂の乾燥固形分と界面活性剤とが含まれていることから、感熱接着層は吸水性が高く、感熱接着層が容易に膨潤し、これにより感熱接着層の接着性が低減する。そのため、ラベルを容器から容易に剥離することができることとなる。特に、容器としてデュアルコーティングがなされたガラス容器を用いるような場合は、既述のように一般的にはラベルの剥離が困難なものであるが、このような容器を用いる場合であっても、本発明に係るラベルを用いれば、ラベルの剥離を容易に行うことができる。
【0038】
また、上記のようにラベルを水に浸漬して感熱接着層が膨潤している状態では、感熱接着層の接着性は完全には失われず、ラベルを剥離しない場合に不用意にラベルを水に濡らしても、これを乾燥することで再び接着性を回復することができる。
【0039】
また、ラベルを水に濡らした状態でも、容器表面におけるラベルの滑りは容易には生じない。このため、ガラス瓶にラベル貼着した場合に、ラベルを濡らした状態でガラス瓶のラベルが貼着されている部位を握りながらガラス瓶のキャップを開栓しようとしても、ラベルの位置ずれは容易には生じないものである。
【0040】
ここで、水性エマルション性接着剤中にタッキファイヤーやワックスを含有させる場合に、既述のようにこれらの含有量はタッキファイヤーについては熱可塑性樹脂100重量部に対して10重量部以下、ワックスについては熱可塑性樹脂100重量部に対して5重量部以下とする必要があるが、この範囲においてタッキファイヤーやワックスの含有量を適宜調整すれば、ラベルに十分な剥離性を付与しつつ、タッキファイヤーによって感熱接着層の接着性を調整したり、ワックスによって感熱接着層の柔軟性を調整したりすることで、このラベルの剥離性の程度を調整することができる。特にタッキファイヤーを含有させる場合にはその含有量を熱可塑性樹脂100重量部に対して2重量部以上、より好ましくは4重量部以上とし、ワックスを含有させる場合にはその含有量を熱可塑性樹脂100重量部に対して1重量部以上、より好ましくは2重量部以上とすれば、容器に貼着されたラベルを剥離する際、ラベルの剥離性を調整して水にある程度の時間浸漬したりある程度の温度の水に浸漬したりすることではじめてラベルを剥離することができるようにすることができる。この場合、容器に貼着されたラベルに不用意に冷水が付着しただけであったり、短時間冷水に浸漬したりしただけでは、ラベルが簡単には剥離しないようにすることができる。
【0041】
また、上記のような冷水等によるラベルの不用意な剥離を考慮することなく、ラベルに高い剥離性が求められる場合には、水性エマルション系接着剤中にタッキファイヤー及びワックスを含有させないようにすることが好ましい。この場合、容器に貼着されたラベルを水に短時間浸漬するだけで、ラベルを容易に剥離することができるようになる。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例により更に詳述する。
【0043】
基材としては、片アート紙(王子製紙株式会社製「金藤片面アートL」)を用いた。この基材の表面には、グラビア輪転印刷機を用い、水性インキを使用して印刷層を形成した。
【0044】
また、接着剤として、下記接着剤A〜Cを用意した。
【0045】
接着剤A:エチレン−酢酸ビニル系樹脂を50重量%、カチオン系界面活性剤(脂肪族4級アンモニウム塩)を2重量%含有し、残部が水である水性エマルション系接着剤
接着剤B:エチレン−アクリル系樹脂を50重量%、カチオン系界面活性剤(芳香族4級アンモニウム塩)を3重量%含有し、残部が水である水性エマルション系接着剤
接着剤C:エチレン−酢酸ビニル−アクリル系樹脂を35重量%、カチオン系界面活性剤(脂肪族4級アンモニウム塩)を2重量%、タッキファイヤー(変性ロジン樹脂)を10重量%、ワックス(パラフィンワックス)を5重量%含有し、残部が水である水性エマルション系接着剤
また、容器としては、デュアルコーティングが施されたガラス瓶(日本山村硝子株式会社製のデュアルコート瓶)を用いた。
【0046】
(実施例1)
基材の裏面に接着剤Aをロールコーターにより塗布し、45〜75℃で10秒間加熱乾燥することにより、乾燥塗膜量15±2g/m2の感熱接着層を形成して、ラベルを得た。
【0047】
このラベルの感熱接着層を350℃の熱風で1秒間加熱し、この状態で感熱接着層を、温度37〜42℃の容器の表面に重ねることで貼着し、ラベル付き容器を得た。
【0048】
(実施例2)
接着剤として、上記接着剤Aに代えて、接着剤Bを使用した。それ以外は実施例1と同様にし、ラベル及びラベル付き容器を得た。
【0049】
(実施例3)
接着剤として、上記接着剤Aと接着剤Cとを2:1の重量比で混合したものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、ラベル及びラベル付き容器を得た。
【0050】
(実施例4)
接着剤として、上記接着剤Aと接着剤Cとを3:1の重量比で混合したものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、ラベル及びラベル付き容器を得た。
【0051】
(比較例)
接着剤として上記接着剤Cを用いた以外は実施例1と同様にして、ラベル及びラベル付き容器を得た。
【0052】
(剥離性試験)
各実施例及び比較例で得られたラベル付き容器では、ラベルを貼着した直後では、ラベルの外観に特に問題はなく、このラベルを水に浸漬することなく手で剥離しようとすると、全ての実施例及び比較例において、基材の破れが生じた。
【0053】
この各実施例及び比較例で得られたラベル付き容器のラベル部分を5℃、25℃、40℃の水に浸漬した場合に、ラベルが手で容易に剥離可能になるまでに要した時間を測定した。その結果を表1に示す。
【0054】
(開栓性試験)
各実施例で得られたラベル付き容器のラベル部分を5℃、25℃の水に浸漬した場合に、容器のラベル部分を握った状態で容器のキャップを開栓する際に、ラベルのずれが生じるか否かを測定した。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一面に水性エマルション系接着剤からなる感熱接着層が形成されたラベルであって、前記水性エマルション系接着剤が、エマルション状態の熱可塑性樹脂及び界面活性剤を含有すると共に、タッキファイヤーの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して10重量部以下、ワックスの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して5重量部以下であることを特徴とするラベル。
【請求項2】
タッキファイヤーの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜10重量部であること、及びワックスの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜5重量部であることの、少なくとも一方を満たすことを特徴とする請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
上記水性エマルション系接着剤が、タッキファイヤー及びワックスを含有しないことを特徴とする請求項1に記載のラベル。
【請求項4】
上記界面活性剤が、カチオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項5】
容器に請求項1乃至4のいずれか一項に記載のラベルを貼着して成ることを特徴とするラベル付き容器。
【請求項6】
上記容器が、デュアルコーティングが施されたガラス製の容器であることを特徴とする請求項5に記載のラベル付き容器。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のラベル付き容器のラベル貼着部位を水に浸漬することでラベルと容器の間の接着力を低減し、この状態でラベルを容器から剥離することを特徴とするラベルの剥離方法。

【公開番号】特開2008−214393(P2008−214393A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50054(P2007−50054)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(591241512)寿精版印刷株式会社 (26)
【Fターム(参考)】