説明

ランプユニット、加熱装置、画像形成装置

【課題】複数本の棒状の管型ヒータランプをコンパクトに連結することで、システム全体の小型化に寄与する。
【解決手段】両端が減圧による手法で封止されたシュリンクシール部12a,12bを備えたヒータランプ10Aと同じく両端が減圧による手法で封止されたシュリンクシール部12c,12dを備えたヒータランプ10Bとを、互いに接近させた状態で配置する。この状態でヒータランプ10A,10Bの両端部を共通の連結部材111,112を用いて支持する。シュリンクシール部12a〜12dをそれぞれ支持する連結部材111,112に形成された支持孔18a〜18dには、接着剤を導入させるための凹部21a〜21hを形成する。凹部21a〜21hは、支持孔18a〜18dを径小にさせることに寄与できることから連結部材111,112の小型化を図ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機やプリンタなどのトナー定着などに用いられる管型ヒータランプの複数本が一体化されたランプユニット、このランプユニットが用いた加熱装置、この加熱装置を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のランプユニットは、各々両端に減圧による封止が行われたシュリンクシール部を有する複数本備えた棒状のヒータランプが互いに平行に伸びるように配置され、各ヒータランプの両端部において共通の連結部材によって連結させ、バルブにおける直管状部分が互いに接触する状態または隣り合うヒータランプにおける直管部分の外周面の離間距離の大きさが1mm以下となるような接近した状態にされている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−4293公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1の技術は、ランプユニットの各両端シュリンクシール部の両端部を連結部材によって連結させている。しかし、シュリンクシール部は連結部材に形成された支持孔に挿入し、支持孔に接着剤を取り込んで、シュリンクシール部を連結部材に固着しているが、接着剤を取り込むにはシュリュンクシール部を、連結部材に形成した支持孔に遊嵌させる必要があり、連結部材の小型化の妨げとなっていた。
【0005】
この発明の目的は、複数本の棒状の管型ヒータランプを連結する連結部材のより小型化が図れることを可能としたランプユニット、このランプユニットが取り付けられた加熱装置、この加熱装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、この発明のランプユニットは、耐熱性のガラスで形成されたバルブ内に挿入したフィラメントと、該フィラメントの両端にそれぞれ接続した一対の金属箔と、該金属箔それぞれの他端に電力供給用のアウターリードを接続し、前記金属箔部分の前記バルブを減圧により封止したシュリンクシール部を備えた複数本の棒状のヒータランプを有し、これらヒータランプの両端部を連結する連結部材とからなるランプユニットにおいて、前記連結部材は、前記シュリンクシール部を支持する支持孔と、該支持孔にシュリンクシールを支持したときに前記アウターリードを挿入する挿入孔と、前記シュリンクシール部を前記支持孔に固着させる接着剤を導入させるため、前記支持孔の長さ方向に形成した凹部とからなることを特徴する。
【0007】
この発明の加熱装置は、上下に配置され、少なくとも一方には請求項1〜7のいずれかに記載のランプユニットを配置して加熱される第1および第2のローラと、予めトナーが転写された複写紙が前記第1および第2のローラとの間を移動させて前記トナーを定着させる手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
この発明の画像形成装置は、媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させてこのトナーを用紙に転写して所定の画像を形成する形成手段と、画像が形成された用紙を前記第1および第2のローラを通して加熱圧接しながら通過させることによって、トナーを定着するようにした請求項8記載の加熱装置とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、ヒータランプを連結させるための連結部材の小型にすることが可能となり、結果としてランプユニットの小型化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明のランプユニットに関する一実施形態の概略的な構成について説明するための斜視図。
【図2】図1の要部の斜視図。
【図3】ヒータランプ側から連結部材をみた状態の正面図。
【図4】図3の背面図。
【図5】図4のIa−Ib線断面図。
【図6】図4のIIa−IIb線断面図。
【図7】図4のIIIa−IIIb線断面図。
【図8】異なる発熱パターンを有するヒータランプ2本を連結部材でユニット化したこの発明のランプユニットの正面図。
【図9】図8の側面図。
【図10】図8のランプユニットの発熱パターン例について説明するための説明図。
【図11】この発明のランプユニットに関する他の実施形態について説明するための概略的な構成の斜視図。
【図12】図11の図2に相当する斜視図。
【図13】図11の図3に相当する側面図。
【図14】図13のIVa−IVb線の、(a)は連結部材を実線とした場合の、(b)は破線とした場合の側断面図。
【図15】この発明のトナー定着装置の一実施形態について説明するための概略的な構成図。
【図16】この発明の画像形成装置に関する一実施形態について説明するための説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1、図2は、この発明のランプユニットに関する一実施形態の概略的な構成について説明するための、図1は斜視図、図2は、図1の要部の斜視図である。
【0013】
図1において、ランプユニット100は、外径が6〜15mm程度の2本の棒状のヒータランプ10A,10Bが平行に伸びるよう配置され、ヒータランプ10A,10Bの両端部に耐熱性絶縁材料である、例えばセラミック製の連結部材111,112によって連結保持されて構成する。
【0014】
ヒータランプ10A,10Bは、両端に減圧封止により封止するシュリンクシール部12a,12bを形成された全体が略直管状のバルブ13a,13bを有する。バルブ13a内には、フィラメント14aがバルブ13aの管軸方向に沿って伸びるように配設されるとともに、不活性ガスおよびハロゲンガスが所要の封入量で封入される。バルブ13b内には、フィラメント14b,14cがバルブ13bの管軸方向に沿って伸びるように直列接続した状態で配設されるとともに、所要の不活性ガスおよびハロゲンガスが封入量で封入される。
【0015】
フィラメント14aの両端部は、シュリンクシール部12a,12bのそれぞれに気密に封着して埋設された、例えばモリブデン製の導電性箔16a,16bを介して、シュリンクシール部12a,12bの端面より突出して伸びる外部リード棒17a,17bに接続されている。また、直列接続されたフィラメント14b,14cの両端部は、シュリンクシール部12c,12dのそれぞれに気密に封着されて埋設された、例えばモリブデン製の導電性箔16c,16dを介して、シュリンクシール部12c,12dの端面より突出して伸びる外部リード棒17c,17dに接続されている。
【0016】
連結部材111は、シュリンクシール部12a,12cをそれぞれ挿入する径大の支持孔18a,18cと外部リード棒17a,17cがそれぞれ挿入される支持孔18a,18cより径小の挿入孔19a,19cが形成される。連結部材112には、シュリンクシール部12b,12dをそれぞれ挿入する径大の支持孔18b,18dと外部リード棒17b,17dがそれぞれ挿入される径小の挿入孔19b,19dが形成される。また、連結部材111,112には、支持部201,202を一体形成している。
【0017】
さらに、連結部材111の支持孔18aの内面には、この支持孔18aの深さ方向に凹部21a,21bが、支持孔18cの内面には、この支持孔18cの深さ方向に凹部21c,21dがそれぞれ形成される。連結部材112の支持孔18bの内面には、この支持孔18bの深さ方向に凹部21e,21fが、支持孔18dの内面には、この支持孔18dの深さ方向に凹部21g,21hがそれぞれ形成される。
【0018】
凹部21a,21bは、連結部材111の長辺に対し斜めに対向する位置関係に、凹部21c,21dも同様の位置関係で形成される。また、凹部21e,21fと凹部21g,21hもそれぞれ連結部材112の長辺に対し斜めに対向する位置関係に形成される。このように、対向の位置関係にある凹部の対向形成位置を、連結部材111,112の長辺の対し斜めとしたことにより、連結部材111,112の短辺の長さを短くした場合でも、支持孔18a〜18dを形成することができ、連結部材111,112の小型化を図ることが可能となる。
【0019】
この点についてさらに説明すると、図3、図4は、連結部材111側にヒータランプ10A,10Bのシュリンクシール部12a,12cが挿着された状態のヒータランプ10A,10B側からみた図3は正面図、図4は図3の背面図を示している。なお、連結部材112側も同様の構成であり、ここでは連結部材111側のみについて説明する。
【0020】
図3に示すように、支持孔18a,18cは、シュリンクシール部12a,12cよりも一回り大きい程度の径で形成されている。シュリンクシール部12a,12cは、対応の支持孔18a,18cにそれぞれ挿入した後に、絶縁性で耐熱性の接着剤31で固着させることになる。
【0021】
ところで、支持孔18a,18cとシュリンクシール部12a,12cとの間にそれぞれ接着剤31を導入させる場合に、支持孔18a,18cはシュリンクシール部12a,12cより一回り程度しか径が違わないことから、直接この部分に接着剤31を導入させるには困難がある。
【0022】
そこで、図3に示すように、シュリンクシール部12aと支持孔18aとの間隔Laとシュリンクシール部12aと凹部21a底部との間隔Lbの関係を、La<Lbとしている。これは、シュリンクシール部12cと支持孔18cそれにシュリンクシール部12cと凹部21c底部との間隔も同様の関係にある。
【0023】
つまり、凹部21c,21dは、支持孔18cの肉厚の厚い部分に形成された図4のIa−Ib線断面を示したシュリンクシール部12cから凹部21cと21dの図5の長さに比して、シュリンクシール部12cの一回り程度大きい図4のIIa−IIb線断面を示す図6の支持孔18cを小さくでき、図4のIIIa−IIIb線断面図を示した図7のランプユニットを実現できる。支持孔18aも同様に小さくすることができる。
【0024】
これは、図4に示すように凹部21c,21dは、連結部材111の長辺41に対して斜めの位置に対向形成され、連結部材111の短辺42が凹部21c,21dの影響を受けにくいことから、連結部材111の形状を連結部材111を小型化しながら凹部21a〜21dの形成が可能となる。
【0025】
図3では、ヒータランプ10A,10Bを連結せさる連結部材111は、ヒータランプ10A,10Bの外接円よりも大きい形状で示してあるが、図中の破線で示す連結部材(111)ようにヒータランプ10A,10Bの外接円より小さくすることも可能である。このとき、長辺41に対して傾ける対向位置にある凹部は、連結部材の肉厚のある部分に形成するとよい。
【0026】
このように、凹部21a〜21hは、支持孔18a〜18dが部分的に径大となっていることも言える。このため接着剤31は、支持孔18a〜18dのそれぞれの対向位置に形成された凹部21a〜21hからスムースに導入することができ、接着剤31の導入作業性も向上させることができる。さらに、凹部21a〜21hは連結部材111,112の長辺41に対して斜めの位置関係に対応の支持孔18a〜18dの対向形成したことから小型化を図ることができる。
【0027】
この実施形態では、小型化が可能な連結部材111にヒータランプ10A,10Bのシュリンクシール部12a,12cが、小型化が可能な連結部材112にヒータランプ10A,10Bのシュリンクシール部12b,12dがそれぞれ挿入固着されたランプユニット100を構成することができる。
【0028】
また、接着剤31を導入させる凹部21a〜21hは、支持孔18a〜18dのそれぞれに対向した位置の複数に形成させている。これにより、接着剤31による接着ポイントが増えて確実に支持できることから支持孔18a〜18dは、シュリンクシール部12a〜12dに対して極力小さくすることができ、連結部材111,112のより小型化に寄与する。
【0029】
なお、外部リード棒17a〜17dには、図示しないリード線の一端がそれぞれ連結部材111,112の挿入孔19a〜19d内でそれぞれ接続され、他端に電力が供給されることにより、ヒータランプ10A,10Bをそれぞれ点灯させる。電力供給用のリード線と外部リード棒17a〜17dとの挿入孔19a〜19d内での接続は、接着剤31でシュリンクシール部12a〜12dを接着させる前の段階で、接続部材111,112の外部で溶接等の手段を用いて接続することができる。
【0030】
ここで、減圧による封止が行われるシュリンクシール部12a〜12dの封止方法の一例について説明する。
【0031】
シュリンクシールによる封止は、封止される部分以外で一旦ヒータランプを封止し、封止部分を含むヒータランプ内部を減圧させた状態で、モリブデン箔を気密封止させるものである。この封止方法は、石英ガラスの肉厚がピンチシールによる封止方法のような偏りがないことから封止部強度が向上する。なお、複数のシュリンクシールによる封止が施された管型ヒータランプの具体例としては、特開平9−320547号公報にその方法が記載されている。
【0032】
図8〜図10を参照し、異なる発熱パターンを有するヒータランプ10A,10Bを連結部材111,112でユニット化して構成したランプユニット100について説明するための、図8は正面図、図9は図8の側面図、図10はランプユニット100の発熱領域について説明するための説明図である。
【0033】
ヒータランプ10A,10Bは、互いに発熱パターン(発熱領域)が異なるものとされている。例えば、ヒータランプ10Aは図10(a)に示すように、フィラメント14aがバルブ13aの中央部分に、ヒータランプ10Bは図10(b)に示すように、フィラメント14b,14cがバルブ13bの両端側部分に発熱領域を有するように構成したものである。ヒータランプ10Aは、例えばA4サイズの記録材用の定着用ヒータランプとし、ヒータランプ10A,10Bが合成される図10(c)は、例えばA3サイズの記録材用の定着用ヒータランプとして機能するものである。
【0034】
図11は、この発明のランプユニットに関する他の実施形態について説明するための概略的構成の斜視図である。なお、図1と同一の構成部分には同一の符号を付して説明する。この実施形態は、小型化が可能な連結部材で3本のヒータランプをユニット化したものである。
【0035】
すなわち、図11において、3本目のヒータランプ10Cは、両端に減圧封止により封止するシュリンクシール部12e,12fが形成された全体が略直管状のバルブ13cを有する。バルブ13c内には、ヒータランプ10A,10Bのフィラメント14a,14b,14cのそれぞれの長さをほぼ足した長さのフィラメント14dがバルブ13cの管軸方向に沿って伸びるように配設されるとともに、所要の封入量の不活性ガスおよびハロゲンガスが封入される。
【0036】
フィラメント14dの両端部は、シュリンクシール部12e,12fのそれぞれに気密に封着されて埋設された、例えばモリブデン製の導電性箔16e,16fを介して、シュリンクシール部12e,12fの端面より突出して伸びる外部リード棒17e,17fに接続されている。
【0037】
連結部材113には、シュリンクシール部12a,12c,12eをそれぞれ挿入する径大の支持孔18a,18c,18eと外部リード棒17a,17c,17eがそれぞれ挿入される径小の挿入孔19a,19c,19eが形成される。連結部材114には、シュリンクシール部12b,12d,12fをそれぞれ挿入する径大の支持孔18b,18d,18fと外部リード棒17b,17d,17fがそれぞれ挿入される径小の支持孔19b,19d,19fが形成される。また、連結部材113,114には、支持した場合に回り止めにもなる非円形状の支持部201,202を一体形成している。
【0038】
各支持孔18a〜18fの内面には、深さ方向に対向する位置に凹部が形成されている。すなわち、支持孔18aには凹部21a,21bを、支持孔18bには凹部21e,21fを、支持孔18cには凹部21c,21dを、持孔18dには凹部21g,21hを、持孔18eには凹部21i,21jを、持孔18fには凹部21k,21lをそれぞれ形成されている。
【0039】
このように、3本のヒータランプ10A〜10Cのシュリンクシール部12a〜12fを、連結部材113,114にそれぞれ挿入固定することにより、ランプユニット100を構成する。
【0040】
図12、図13を参照して連結部材113についてさらに説明する。図12は図11の図2に相当する斜視図、図13は図11の図3に相当する側面図である。なお、連結部材113と114は同様の形状であり、図12、図13では、連結部材113側のみを示して説明する。
【0041】
連結部材113は、ヒータランプ10A〜10Cのシュリンクシール部12a,12c,12eをそれぞれ挿入させる径大の支持孔18a,18c,18eと外部リード棒17a,17c,17eがそれぞれ挿入される支持孔18a,18c,18eよりも径小の挿入孔19a,19c,19eが形成される。また、連結部材113,114には、支持部201,202を一体形成している。
【0042】
図14(a),(b)は、それぞれ図13のIVa−IVb線側断面図であり、図14(a)は連結部材113が実線の大きさである場合を、図14(b)は連結部材113が破線の大きさである場合を示している。
【0043】
図14(a),(b)は、連結部材113の高さx1,x2と図13に示すバルブ13a〜13cでなす外接円Caの直径yとの関係を示している。図14(a)の場合の連結部材113の高さx1は、バルブ13a〜13cの外接円Caの直径yよりも長いが、図14(b)の場合の連結部材113の高さx2は、バルブ13a〜13cの外接円Caの直径yよりも短い。
【0044】
つまり、連結部材113は外接円Ca内に収まる大きさにも可能となる。これは、接着剤31を導入するための凹部を、支持孔18a,18c,18eに形成したことにより、支持孔18a,18c,18eをよりシュリンクシール部12a,12c,12eの大きさに近づけることが可能なことによるものである。
【0045】
このように、シュリンクシール部12a,12c,12eを支持する支持孔18a,18c,18eの大きさを、接着剤31を導入させるための凹部21a〜21d,21i,21jを設けたことにより極力小さくすることができる。このため、連結部材113が小型であってもシュリンクシール部12a,12c,12eをそれぞれ挿入させる支持孔18a,18c,18eを確保することが可能となる。なお、他方の連結部材114とシュリンクシール部12b,12d,12fの取り付けも同様である。
【0046】
ところで、ヒータランプ10A〜10Cは、互いに発熱パターンが異なっている。例えば、ヒータランプ10Aはフィラメント14aがバルブ13aの中央部分に、ヒータランプ10Bはフィラメント14b,14cがバルブ13bの両端側部分に発熱領域を有するように構成したものである。ヒータランプ10Aは、例えばA4サイズの記録材用の定着用ヒータランプとし、ヒータランプ10A,10Bは、例えばA3サイズの記録材用の定着用ヒータランプとして機能するものである。また、ヒータランプ10Cは発熱量が少ない余熱(待機)用途である。
【0047】
この発明のランプユニットでは、ヒータランプの本数は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜に設定することができる。また、凹部は支持孔の対向位置に形成した場合は、シュリンクシール部を支持孔の中心部に配置させ易いが、冶具などを使用すれば必ずしもその必要はなく、連結部材の肉厚が厚い部分に適宜形成してもよい。
【0048】
また、支持孔に形成される複数の凹部は、同じ形状とする必要なく、場所によっては凹部の深さを浅くしたり、幅を広くしたりすることで接着剤を取り込み易くすることも可能である。
【0049】
図15は、例えば図1〜図7で説明のランプユニット100を用いて複写機等のトナーを定着させる、この発明の加熱装置の一実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【0050】
300は加熱装置であり、上下には長尺の加熱ローラ301,302が対向配置されている。これら加熱ローラ301,302はアルミニウムや鉄製の管状体それぞれの表面に、シリコンゴムやテフロン(登録商標)などの被覆材303,304で被覆されている。
【0051】
また、加熱ローラ301,302のうちのほぼ中心軸上には、ランプユニット100が図示しない支持部を介して配設されており、図示しない電源部に接続して通電されると、ランプユニット100のフィラメントがそれぞれ発熱して加熱ローラ301,302がヒートアップ(昇温)する。
【0052】
図示しない転写ドラムなどからトナーTが所定分布状態に転写された複写紙Pを矢印方向に回転するヒートアップされた加熱ローラ301,302間に送り込ませることで、複写紙Pおよび前の工程で塗布されたトナーT1が上下から加熱され、加熱されたトナーT2が溶融後複写紙P上に定着し、所定の文字や図柄などとして描かれる。
【0053】
なお、加熱ローラ301,302は、いずれも加熱ローラである必要はなく、一方は加圧ローラであってもよい。
【0054】
次に、図16を参照して、この発明の加熱装置を搭載した複写機を例にした場合の、この発明の画像形成装置について説明する。図中、加熱装置300の部分は、上記した説明と同じであり、同一部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0055】
図16において、401は複写機400の筐体、402は筐体401の上面に設けられたガラス等の透明部材からなる原稿載置台で、矢印Y方向に往復動作させて原稿P1を走査する。
【0056】
筐体401内の上方向には光照射用のランプと反射鏡とからなる照明装置402が設けられており、この照明装置402により照射された原稿P1からの反射光源が短焦点小径結像素子アレイ403によって感光ドラム404上スリット露光される。なお、この感光ドラム404は矢印方向に回転する。
【0057】
また、405は帯電器で、例えば酸化亜鉛感光層あるいは有機半導体感光層が被覆された感光ドラム404上に一様に帯電を行う。この帯電器405により帯電された感光ドラム404には、結像素子アレイ403によって画像露光が行われた静電画像が形成される。この静電画像は、現像器406による加熱で軟化溶融する樹脂等からなるトナーを用いて顕像化される。
【0058】
カセット407内に収納されている複写用紙Pは、給送ローラ408と感光ドラム404上の画像と同期するタイミングをとって上下方向で圧接して回転される対の搬送ローラ409によって、感光ドラム404上に送り込まれる。そして、転写放電器410によって感光ドラム404上に形成されているトナー像は複写用紙P上に転写される。
【0059】
その後、感光ドラム404上から離れた用紙Pは、搬送ガイド411によって加熱装置300に導かれて加熱定着処理された後に、トレイ412内に排出される。なお、トナー像が転写された後、感光ドラム404上の残留トナーはクリーナ413を用いて除去される。
【0060】
加熱装置300は複写用紙Pの移動方向と直交する方向に、この複写機400が複写できる最大判用紙の幅(長さ)に合わせた有効長、すなわち最大判用紙の幅(長さ)より長いランプユニット100が内部にそれぞれ配置された加熱ローラ301,302を対向配置させている。そして、加熱ローラ301,302間との間を送られる用紙P上の未定着トナー像T1は、ランプユニット100の熱を受け溶融して複写用紙P面上に文字、英数字、記号、図面等の複写像を現出させる。
【0061】
この実施形態では、減圧により封止されたシュリンクシール部を有する複数本のランプヒータを小型化が可能な連結部材で連結できる構造の加熱装置を用いたことから、より小型化の複写機の実現に寄与することができる。
【0062】
ところで、ランプユニットの用途としては、複写機等の画像形成装置の定着用に用いたが、これに限らず、家庭用の電気製品、業務用や実験用の精密機器や化学反応用の機器等に装着して加熱や保温の熱源としても使用できる。
【符号の説明】
【0063】
100 ランプユニット
10A〜10C ヒータランプ
111,112,113,114 連結部材
12a〜12f シュリンクシール部
13a〜13c バルブ
14a〜14d フィラメント
16a〜16f 導電性箔
17a〜17f 外部リード棒
18a〜18f 支持孔
19a〜19f 挿入孔
201,202 支持部
300 加熱装置
301,302 加熱ローラ
303,304 被覆材
400 複写機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱性のガラスで形成されたバルブ内に挿入したフィラメントと、該フィラメントの両端にそれぞれ接続した一対の金属箔と、該金属箔それぞれの他端に電力供給用のアウターリードを接続し、前記金属箔部分の前記バルブを減圧により封止したシュリンクシール部を備えた複数本の棒状のヒータランプを有し、これらヒータランプの両端部を連結する連結部材とからなるランプユニットにおいて、
前記連結部材は、前記シュリンクシール部を支持する支持孔と、該支持孔にシュリンクシールを支持したときに前記アウターリードを挿入する挿入孔と、前記シュリンクシール部を前記支持孔に固着させる接着剤を導入させるため、前記支持孔の長さ方向に形成した凹部とからなることを特徴するランプユニット。
【請求項2】
前記凹部は、前記支持孔内に複数形成したことを特徴とする請求項1記載のランプユニット。
【請求項3】
前記凹部は、前記支持孔内の対向位置に形成したことを特徴とする請求項2記載のランプユニット。
【請求項4】
前記支持孔が形成された面の前記連結部材が矩形形状をし、前記凹部が対向位置にある場合は、前記連結部材の辺に対して傾斜した位置に形成したことを特徴とする請求項2記載のランプユニット。
【請求項5】
前記凹部は、前記支持孔内の非対向位置に複数形成したことを特徴とする請求項1または3記載のランプユニット。
【請求項6】
前記凹部は、深さまたは幅が異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のランプユニット。
【請求項7】
前記凹部は、前記支持孔の最も肉厚の薄い部分を避けて形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のランプユニット。
【請求項8】
上下に配置され、少なくとも一方には請求項1〜7のいずれかに記載のランプユニットを配置して加熱される第1および第2のローラと、
予めトナーが転写された複写紙が前記第1および第2のローラとの間を移動させて前記トナーを定着させる手段とを具備したことを特徴とする加熱装置。
【請求項9】
媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させてこのトナーを用紙に転写して所定の画像を形成する形成手段と、
画像が形成された用紙を前記第1および第2のローラを通して加熱圧接しながら通過させることによって、トナーを定着するようにした請求項8記載の加熱装置とを具備したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−165468(P2010−165468A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4510(P2009−4510)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】