説明

リソグラフィ方法および構成

【課題】リソグラフィプロセスをモデル化する際に使用するための情報を取得する方法およびその方法を実行するためのリソグラフィ構成、を提供する。
【解決手段】リソグラフィプロセスをモデル化する際に使用される情報を取得する方法が開示される。基板のターゲット部分に放射ビームを投影することによって、基板のターゲット部分にパターンフィーチャが形成される。リソグラフィプロセスはターゲット部分について、基板の表面に沿った第1方向において変化する第1性質および基板の表面に沿った第2方向において変化する第2性質の一方または両方によって特徴付けられる。そのパターンフィーチャの性質が測定される。測定されたパターンフィーチャの性質と、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、プロセスをモデル化する際に使用される情報が取得される。リソグラフィプロセスは、基板の表面への放射ビームの投影であってもよいし、それを含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリソグラフィプロセスをモデル化する際に使用するための情報を取得する方法、およびその方法を実行するためのリソグラフィ構成に関する。リソグラフィ構成は、後述のリソグラフィ装置であってもよいし、それを含んでもよい。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、基板のターゲット部分に所望のパターンを付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に用いることができる。この場合、マスク、レチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いて、ICの個々の層に対応する回路パターンを生成できる。このパターンは、放射線感受性材料(レジスト)の層を有する基板(例えばシリコンウェハ)上のターゲット部分(例えば、一つまたは複数のダイの部分からなる)に転写され得る。一般に、単一の基板は、連続してパターン形成される隣接するターゲット部分のネットワークを有する。通常のリソグラフィ装置には、いわゆるステッパといわゆるスキャナとがある。ステッパでは、各ターゲット部分にパターンの全体を一度に露光することによって、各ターゲット部分が照射される。スキャナでは、所与の方向(「走査」方向)にビームを用いてパターンを走査する一方、この方向と平行にまたは逆平行に基板を同期させて走査することによって、各ターゲット部分が照射される。
【0003】
基板にパターンフィーチャを提供する際、リソグラフィプロセスのモデル(しばしば、リソグラフィプロセスモデルと称される)を使用することが一般的である。リソグラフィプロセスのモデルによると、基板の処理を考慮に入れることができるので、基板にパターンを望むとおりに(すなわち、均一に)に付与することができる。基板の処理は、例えば、基板上にある量の物質を提供すること(例えば、基板上に物質の層をひとつ提供すること)や、基板からある量の物質を除去すること(例えば、デベロッパやエッチング処理などを使用して)や、基板にリソグラフィによってパターンを付与すること、を含みうる。リソグラフィプロセスのモデルがそれに組み込まれる形で、基板に適用されうる異なる処理の間の関係の詳細やこれらの処理が互いに与えうる影響の詳細を有することは一般的である。例えば、基板のターゲット部分へ付与されるべきパターンフィーチャであって所定のクリティカルディメンジョンや側壁角を有するパターンフィーチャ、について、リソグラフィプロセスのモデルを使用して、そのパターンフィーチャを提供するために使用される放射ビームにとって必要なドーズや焦点特性を少なくとも示すことができ、または計算することができる。これを達成するため、リソグラフィプロセスのモデルはそれに組み込まれる形で、放射ビームが所与の放射のドーズを提供し、かつ、決まった焦点特性を有する場合に、基板上への物質の提供や基板からの物質の除去がパターンフィーチャのクリティカルディメンジョンや側壁角にどのような影響を与えうるかに関する関係を有する必要がありうる。
【0004】
リソグラフィプロセスのモデルを確立し生成するために、測定を行うことができる。その測定結果に基づいて関係を決定することができる。その関係はモデルの基礎を形成しうる。その関係に基づいて、例えば、パターンフィーチャのクリティカルディメンジョンおよび/または側壁角の変化を処理条件の関数として予測したりや計算したりすることが可能となる。例えば、基板にデポジットされたレジストの厚さを測定できる。次に、そのレジストを使用して提供されるパターンフィーチャのクリティカルディメンジョンや側壁角を測定できる。そしてクリティカルディメンジョン、側壁角およびレジストの厚さの間の関係を確立してリソグラフィプロセスのモデルの少なくとも一部の基礎を形成することができる。その後この関係を使用して放射ビームによって提供される放射のドーズを制御することにより、例えばパターンフィーチャのクリティカルディメンジョンおよび側壁角が、レジストの厚さの変化が考慮されない場合よりも基板に亘って均一となることを保証することができる。
【0005】
厚みの変化を避けるための最善の努力がなされてはいるものの、大抵の場合、レジスト(または他の物質)は均一な厚さでは基板上に提供されない。例えば、レジストなどのデポジションは径方向の厚みプロファイルを有しうる。例えば、レジストは、基板の中心から基板の外側に向けて厚さが増大する場合もあれば、基板の中心から基板の外側に向けて厚さが減少する場合もある。そのような変化は、基板へのレジストのスピンコーティングの結果であるかもしれない。代替的にまたは付加的に、基板からの物質の除去度合いもまた基板に亘って変化しうる。例えば、基板から物質をエッチングした結果、基板のある領域から除去される物質は、基板の別の領域から除去される物質よりも多いかもしれない。まとめると、基板の処理はそれに伴うフィンガープリントを有するであろう。このフィンガープリントは、例えば、基板上に提供された物質の厚さの関数であってもよく、または基板から除去された物質の量の関数(例えば、厚さの変化プロファイルやエッチングレートプロファイル)であってもよく、またはこれらの関数の組み合わせであってもよい。そのようなフィンガープリントに関する情報を決定し、そのフィンガープリントを考慮に入れたリソグラフィプロセスのモデルを形成することが知られている。そのようなモデルを使用することで、パターンフィーチャを基板により均一に付与できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば上記フィンガープリントが考慮されうるようにリソグラフィプロセスをモデル化するための情報を取得する種々の異なる方法が提案された。これらの方法のうちのいくつかは、基板の小さな領域に対してのみパターンフィーチャの測定を行うことを含む。この場合、基板の全表面または大部分の表面に亘る情報を得ることができない。他の方法は、基板上の複数の小さなターゲット部分を使用することを含み、ターゲット部分ごとに露光条件を変える。この方法によって基板の全表面または大部分の表面に亘ってある程度の情報を決定することはできる。しかしながら、より多くの情報を取得できることが望ましい。
【0007】
従来技術のひとつまたは複数の問題をそれが本明細書で指摘されているかそれ以外によって指摘されているかにかかわらず取り除くまたは和らげるものあるいは既存の方法や装置に対する代替を提供するもの、ここでは例えばリソグラフィプロセスをモデル化する際に使用するための情報を取得する方法およびその方法を実行するためのリソグラフィ構成、を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このセクションは、本発明のある態様を要約しある好適な実施の形態を紹介するためのものである。このセクションの目的が分かりにくくなることをさけるために単純化または省略がなされうる。そのような単純化や省略は、本発明の範囲を制限するものではない。
【0009】
本発明のある実施の形態によると、リソグラフィプロセスをモデル化するための情報を取得する方法が提供される。基板のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板のターゲット部分にパターンフィーチャが形成される。リソグラフィプロセスはターゲット部分について、基板の表面に沿った第1方向において変化する第1性質および基板の表面に沿った第2方向において変化する第2性質の一方または両方によって特徴付けられる。そのパターンフィーチャの性質が測定される。測定されたパターンフィーチャの性質と、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、プロセスモデルで使用するための情報が取得される。リソグラフィプロセスは、基板の表面への放射ビームの投影であってもよいし、それを含んでもよい。
【0010】
第1方向は第2方向と実質的に直交してもよい。パターンフィーチャが放射ビームを基板に亘って走査することによって形成される場合、第1方向または第2方向は走査における走査方向と実質的に平行であってもよい。第1性質および第2性質はそれぞれ、焦点特性、放射のドーズ、オーバーレイ、および照明特性のうちのひとつであって互いに異なってもよい。
【0011】
本発明のある実施の形態によると、方法は、基板の異なる複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板の異なる複数のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することを含んでもよい。リソグラフィプロセスは、ターゲット部分が異なると異なる第3性質を有してもよい。リソグラフィプロセスは、基板の表面への放射ビームの投影であってもよいし、それを含んでもよい。
【0012】
本発明のある実施の形態によると、方法は、基板の異なる複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板の異なる複数のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することを含んでもよい。方法は、基板の異なる複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板の異なる複数のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することを含んでもよい。第1性質および/または第2性質の変化はターゲット部分が異なると異なってもよい。方法は、基板の異なる複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板の異なる複数のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することを含んでもよい。基板の異なる複数のターゲット部分は基板の表面の大部分をカバーしてもよい。
【0013】
第1性質および前記第2性質のうちのひとつまたは両方は、性質が第1の値から第2の値へ増大または減少するように変化してもよい。第1性質および第2性質のうちのひとつまたは両方の変化は、関心値を含むような性質の変化、および/または関心値から増大または減少するような性質の変化、および/または関心値に向けて増大または減少するような性質の変化、および/または関心値を含んでもよい関心値付近での性質の変化、であってもよい。
【0014】
測定されたパターンフィーチャの性質は、基板の処理に依存する性質である。ある実施の形態によると、基板の処理は、基板上にある量の物質を提供すること、および/または基板からある量の物質を除去すること、および/または基板に放射ビームを投影すること、および/または基板上にある量の物質が提供されている間の温度および/または基板からある量の物質が除去されるときの温度および/または基板に放射ビームが投影されるときの温度、のうちの少なくともひとつと関係づけられてもよい。
【0015】
ある実施の形態によると、測定されたパターンフィーチャの性質は、パターンフィーチャのクリティカルディメンジョン(例えば、ライン幅、ギャップ幅、ラインエンド、ライン長)、および/またはパターンフィーチャの寸法、および/またはパターンフィーチャの側壁角、のうちの少なくともひとつであってもよい。
【0016】
ある実施の形態によると、測定されたパターンフィーチャの性質と、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、プロセスモデルで使用するための情報を取得することは、リソグラフィプロセスの第1性質および/またはリソグラフィプロセスの第2性質の変化と、測定されたパターンフィーチャの性質と、の間のひとつの関係(または複数の関係)を確立することを含んでもよい。リソグラフィプロセスモデルの少なくとも一部はその関係に基づいてもよい。そのようなひとつまたは複数の関係は、基板の処理に伴うフィンガープリントであってもよいし、それを記述してもよいし、それを含んでもよいし、それに関してもよい。
【0017】
本発明の別の実施の形態によると、リソグラフィプロセスを実施するためのリソグラフィ構成が提供される。このリソグラフィ構成は、放射ビームを提供するための照明システムを含む。サポート構造は、放射ビームの断面にパターンを付与するパターニングデバイスを支持する。基板テーブルは、基板を保持する。投影システムは、基板のターゲット部分にパターン付与された放射ビームを投影する。ひとつまたは複数のコントローラは、使用中、基板のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板のターゲット部分にパターンフィーチャを形成するようにリソグラフィ構成の少なくとも一部を制御する。ひとつまたは複数のコントローラはそのターゲット部分について、リソグラフィプロセスが基板の表面に沿った第1方向において変化する第1性質および基板の表面に沿った第2方向において変化する第2性質の一方または両方を有することを保証する。リソグラフィ構成はさらに、パターンフィーチャの性質を測定するための測定構成を含む。計算構成は、測定されたパターンフィーチャの性質と、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、リソグラフィプロセスモデルで使用するための情報を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施の形態は、例示のみを目的として添付の模式的な図面を参照して説明される。図面では、対応する参照番号は、対応する要素を示す。
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るリソグラフィ装置を模式的に示す図である。
【0020】
【図2】基板の模式的な上面図である。
【0021】
【図3】基板およびその基板の処理に伴うフィンガープリントを示す模式的な上面図である。
【0022】
【図4】基板の模式的な上面図である。
【0023】
【図5】基板およびパターンフィーチャの付与対象であるその基板のターゲット部分の形および位置を示す模式的な上面図である。
【0024】
【図6】基板のターゲット部分を模式的に示す図である。
【0025】
【図7】本発明の実施の形態における、基板のターゲット部分と、そのターゲット部分の第1方向におけるリソグラフィプロセスの第1性質の変化と、そのターゲット部分についての第2方向におけるそのリソグラフィプロセスの第2性質の変化と、を模式的に示す図である。
【0026】
【図8】本発明の実施の形態に係る方法を要約したフローチャートを模式的に示す図である。
【0027】
【図9】基板のターゲット部分の形および位置と、その基板のターゲット部分内でのリソグラフィプロセスの性質の変化と、その基板のターゲット部分間でのリソグラフィプロセスの性質の変化と、を示す基板の模式的な上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、本発明の種々の「実施の形態」についての以下の説明から良く理解されるであろう。「実施の形態」は本発明のある見方であるが、それぞれの実施の形態は本発明全体ではない。本明細書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を例として説明しているが、本明細書で説明されるリソグラフィ装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁区メモリ用ガイダンスおよび検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどがある。当業者であればこれらの他の適用に際して、本明細書における「ウェハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。本明細書で言及される基板は露光前または露光後においてトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、またはインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はこれらのまたは他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は処理されている多数の処理層を既に含む基板をも意味する。
【0029】
本明細書において「放射」および「ビーム」という用語は、紫外(UV)放射(例えば365nm、248nm、193nm、157nm、または126nm、またはそれら以下の波長を有する)および極端紫外(EUV)放射(例えば5nm−20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆる種類の電磁放射を示す。
【0030】
本明細書に使用されている「パターニングデバイス」という用語は、放射ビームの断面にパターンを付与し、それにより基板のターゲット部分にパターンを生成するべく使用することができるデバイスを意味するものとして広義に解釈されたい。放射ビームに付与されるパターンは、基板のターゲット部分における所望のパターンに必ずしも厳密に対応している必要はないことに留意されたい。放射ビームに付与されるパターンは、通常、ターゲット部分に生成されるデバイス、たとえば集積回路などのデバイス中の特定の機能層に対応している。
【0031】
パターニングデバイスは透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、例えばマスクやプログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネルなどがある。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッド型マスクが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜されるというものがある。このようにすることで、反射されたビームにパターンが付与されることになる。
【0032】
サポート構造はパターニングデバイスを保持する。サポート構造は、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計および他の条件、たとえばパターニングデバイスが真空環境中で保持されているか否か等に応じた方法でパターニングデバイスを保持している。サポートは、機械的固定、真空固定、または真空環境中での静電固定などの他の固定用技術を使用できる。サポート構造は、例えば必要に応じて固定または移動させることができ、パターニングデバイスを例えば投影システムに対して所望の位置に確実に配置することができるフレームまたはテーブルであってもよい。本明細書における「レチクル」または「マスク」という用語の使用はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語の同義語とみなすことができる。
【0033】
本明細書に使用されている「投影システム」という用語は、たとえば使用する露光放射に適した、もしくは液浸液の使用または真空の使用などの他の要因に適した、屈折光学系、反射光学系、カタディオプトリック光学系を含む種々の種類の投影システムが包含されているものとして広義に解釈されたい。本明細書における「投影レンズ」という用語の使用はすべて、より一般的な「投影システム」という用語の同義語とみなすことができる。
【0034】
照明システムは、放射ビームを方向付け、成形し、あるいは制御するために、屈折光学素子、反射光学素子、反射屈折光学素子、を含む様々な種類の光学素子を含んでもよい。以下、そのような素子は、集合的にまたは単独で、「レンズ」と称されうる。
【0035】
リソグラフィ装置は2つ以上(2つの場合にはデュアルステージと呼ばれる)の基板テーブル(および/または2つ以上のサポート構造)を備える種類のものであってもよい。このような「多重ステージ」型の装置においては追加されたテーブルは並行して使用されるか、あるいは1以上のテーブルで露光が行われている間に他の1以上のテーブルで準備工程を実行するようにしてもよい。
【0036】
また、リソグラフィ装置は、基板が比較的屈折率の大きい液体、たとえば水に浸けられ、それにより投影システムの最終要素と基板の間の空間が充填されるタイプの装置であってもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を大きくするため技術として周知である。
【0037】
図1は、本発明の実施の形態に係るリソグラフィ装置を模式的に示す図である。この装置は、
放射ビームPB(例えばUV放射またはEUV放射)を調整するための照明システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するためのサポート構造(例えば、サポート構造)MTであって、要素PLに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするよう構成されている第1の位置決め装置PMに接続されているサポート構造MTと、
基板(例えばレジストでコーティングされたウェハ)Wを保持するための基板テーブル(例えばウェハテーブル)WTであって、要素PLに対して基板を正確に位置決めするよう構成されている第2の位置決め装置PWに接続されている基板テーブルWTと、
パターニングデバイスMAにより放射ビームPBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイからなる)ターゲット部分Cに投影するよう構成されている投影システム(例えば屈折投影レンズ)PLと、を備える。
【0038】
ここに図示されるのは、(例えば透過型マスクを用いる)透過型のリソグラフィ装置である。これに代えて、(例えば上述のようなプログラマブルミラーアレイを用いる)反射型のリソグラフィ装置を用いることもできる。
【0039】
イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば光源がエキシマレーザである場合には、光源とリソグラフィ装置とは別体であってもよい。この場合、光源はリソグラフィ装置の一部を構成しているとはみなされなく、放射ビームは光源SOからイルミネータILへとビーム搬送系BDを介して受け渡される。ビーム搬送系BDは例えば適当な方向変更用のミラー及び/またはビームエキスパンダを含んで構成される。あるいは光源が例えば水銀ランプである場合には、光源はリソグラフィ装置に一体に構成されていてもよい。光源SOとイルミネータILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射システムと総称される。
【0040】
イルミネータILはビームの角強度分布を調整するためのアジャスタAMを備えてもよい。一般には、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも半径方向外径及び/または内径の大きさ(通常それぞれ「シグマ−アウタ(σ−outer)」、「シグマ−インナ(σ−inner)」と呼ばれる)が調整される。加えてイルミネータILは一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの種々の他の要素を備えてもよい。イルミネータは、ビーム断面における所望の均一性及び強度分布を有する、調整された放射ビームPBを提供する。
【0041】
放射ビームPBは、サポート構造MTに保持されるパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する。パターニングデバイスMAを通過したビームPBはレンズPLを通る。レンズPLはビームを基板Wのターゲット部分Cに集束する。第2の位置決め装置PWと位置センサIF(例えば干渉計)により基板テーブルWTを正確に移動させることができる。基板テーブルWTは例えばビームPBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように移動される。同様に、第1の位置決め装置PMと他の位置センサ(図1には明示せず)とを使用して、ビームPBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。この位置決めは例えばマスクライブラリからのマスクの機械的交換後や露光走査中に行われる。一般に物体テーブルMT、WTの移動は、位置決め装置PM、PWの一部を構成するロングストロークモジュール(粗い位置決め用)及びショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により実現されるであろう。ステッパでは(スキャナとは逆に)、サポート構造MTはショートストロークのアクチュエータにのみ接続されているか、あるいは固定されていてもよい。パターニングデバイスMAと基板Wとは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。
【0042】
図示の装置は例えば以下の好ましいモードで使用され得る。
【0043】
1.ステップモードにおいては、放射ビームPBに付与されたパターンの全体が1回の照射(すなわち単一静的露光)でターゲット部分Cに投影される間、サポート構造MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる。そして基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動されて、異なるターゲット部分Cが露光される。ステップモードでは露光フィールドの最大サイズが単一静的露光で転写されるターゲット部分Cのサイズを制限することになる。
【0044】
2.スキャンモードにおいては、ビームPBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間(すなわち、リソグラフィプロセス露光の単一動的モデル)、サポート構造MT及び基板テーブルWTは同期して走査される。サポート構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影系PLの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められる。スキャンモードでは露光フィールドの最大サイズが単一動的露光でのターゲット部分の(非走査方向の)幅を制限し、スキャン移動距離がターゲット部分の(走査方向の)長さを決定する。
【0045】
3.別のモードにおいては、サポート構造MTがプログラム可能パターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、ビームPBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、基板テーブルWTが移動または走査される。このモードではパルス放射源が通常用いられ、プログラム可能パターニングデバイスは、基板テーブルWTの毎回の移動後、または走査中の連続放射パルス間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上述のプログラマブルミラーアレイ等のプログラム可能パターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0046】
上記で記載したモードを組み合わせて動作させてもよいし、各モードに変更を加えて動作させてもよいし、さらに全く別のモードでリソグラフィ装置を使用してもよい。
【0047】
リソグラフィを使用して基板にパターンフィーチャを提供する場合、上述の通り、リソグラフィプロセスのモデル(ときにプロセスモデルとも称される)を使用することが一般的である。リソグラフィプロセスのモデルは、基板への物質の提供や基板からの物質の除去などの基板の処理と基板へのパターンフィーチャの提供との間の複数の関係、およびそれらの複数の関係の間の関係に基づく。リソグラフィプロセスのモデルを使用することにより、例えば、クリティカルディメンジョン(例えば、ライン幅、ギャップ幅、ラインエンド、ライン長)やパターンフィーチャの側壁角などを所望の通りにする(例えば、および/または基板に亘って均一にする)ためには、基板の異なる部分に対してどのような露光条件が要求されるのか、を決めることが可能となる。
【0048】
図2は、基板2(例えば、図1に関連して上述された基板)を模式的に示す図である。図1に関連して上述された通り、基板2にはレジストの層が設けられ、そのレジストの層には放射ビームが投影されうる。レジストの層は基板に亘って均一な厚さを有すると仮定することも可能である。しかしながらこれは非現実的である。実際は、レジストの厚さには、小さいけれども重要な基板2に亘る変化が存在する。
【0049】
図3は、同じ基板2を模式的に示す図である。点線は、同じ厚さを有するレジストの領域を表す等高線4を示す。図3に示される例では、レジストの厚さは放射状の分布を有するように示される。例えば、基板2の中心から離れるにつれてレジストの厚さが増大してもよく、または基板2の中心から離れるにつれてレジストの厚さが減少してもよい。この増大または減少は、例えばスピンコーティングや同様の手段によってレジストが基板2に設けられたことによって生じうる。したがって、基板2に物質(この例では、レジスト)を提供するための基板の処理は、等高線4の形でのフィンガープリントを伴う。引き続いて基板2を露光する際に基板2へパターンフィーチャを正確に付与するためには、リソグラフィプロセスのモデルを使用して、等高線4によって示されるフィンガープリントを考慮に入れた形で必要な露光条件を決定することが望ましい。レジストの厚さに変化が存在する場合に、基板の異なる領域(例えば、ターゲット部分)に形成されるパターンフィーチャについて、そのクリティカルディメンジョン(例えば、ライン幅、ギャップ幅、ラインエンド、ライン長)や側壁角などの不均一性を軽減または除去することが目的である。後続の基板の処理において同じ処理条件が使用されると、それに伴う処理フィンガープリントもまた同じまたは似たものとなる。したがって、リソグラフィプロセスのモデルは、後に処理される基板にパターンフィーチャを提供する際に使用されうる。
【0050】
図3は基板に形成されるレジストの厚さに関するフィンガープリントを伴う基板処理に関して説明されたが、基板の他の処理に伴うフィンガープリントは、リソグラフィプロセスのモデルにおいて考慮される必要がある代替的なまたは追加的なフィンガープリントを提供しうる。例えば、基板からの物質の除去(例えば、現像や基板からの物質のエッチングを含む)を含む任意のプロセスもまた、リソグラフィプロセスのモデルにおいて考慮される必要があるフィンガープリントを伴いうる。例えば、エッチングプロセスを使用した基板からの物質の除去は、基板に亘って均一とはならずに、基板の中央から除去される物質の量が基板の外周から除去される物質の量より多くなることなどもある。
【0051】
リソグラフィプロセスのモデルを生成または確立するためには、基板に付与されるパターンフィーチャの性質が基板に亘ってどのように変化するかを決定できることが望ましい。例えば、基板に亘って同じパターンフィーチャが付与されたものの、引き続く測定によってそのパターンフィーチャのクリティカルディメンジョンや側壁角が基板に亘って変化することが示される場合、基板の処理に伴うフィンガープリントを認識することができ、後の露光においてそのフィンガープリントを考慮に入れることができる。リソグラフィプロセスのモデルは、後の露光においてこのフィンガープリントを考慮に入れるべく生成されてもよい。
【0052】
基板に付与されるパターンフィーチャを測定することでリソグラフィプロセスのモデルを確立するためには、この測定を行うために要求される基板の数を最小化しつつ可能な限り多くの情報を可能な限り素早く取得することが望ましい。本発明のひとつの実施の形態によると、リソグラフィプロセスのモデルに使用するための情報を取得する方法が提供される。この方法は、基板のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することを含む。リソグラフィプロセス(例えば、ターゲット部分に投影される放射ビーム)はそのターゲット部分について、基板の表面に沿った第1方向において変化する第1性質および/または基板の表面に沿った第2方向において変化する第2性質を有する。この方法はさらに、そのパターンフィーチャの性質を測定することを含む。この方法はさらに、測定されたパターンフィーチャの性質と、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、モデルで使用するための情報を取得することを含む。本発明のこの実施の形態の利点は、基板のターゲット部分について、リソグラフィプロセス(例えば、ターゲット部分に投影される放射ビーム)は、基板の表面に沿った第1方向において変化する第1性質および/または基板の表面に沿った第2方向において変化する第2性質を有する点である。放射ビームを基板の単一のターゲット部分に投影する際リソグラフィプロセスの第1性質および/または第2性質を変えることで、第1性質および/または第2性質がそのターゲット部分について一定とされる場合よりも、リソグラフィプロセスのモデルに使用するための情報をより多く決定することができる。これは、測定されたパターンフィーチャの性質のどのような変化も、リソグラフィプロセス(例えば、ターゲット部分に投影される放射ビーム)の第1性質および第2性質の一方または両方の変化と関連付けられるからである。より多くの情報を取得できるので、情報の取得は既存の方法よりも速くなり、リソグラフィプロセスのモデルに使用するためのより正確な情報を決定でき、および/またはモデルに使用するための情報を取得するのに必要な基板の数が少なくて済む。
【0053】
例示のみを目的とし図4から図9を参照して、本発明の実施の形態が説明される。
【0054】
図4は、基板6(例えば、図1に関連しておよび/または図2および図3に関連して上述された基板)の模式的な上面図である。基板6にはレジストの層が設けられる。そのレジストの層を使用してパターンフィーチャを形成するために、そのレジストの層は放射ビームによって露光されうる。処理条件によっては、レジストの層は処理に伴う処理フィンガープリントを有しうる。この処理フィンガープリントは、例えば図3で等高線によって表され図3を参照して説明されたフィンガープリントである。リソグラフィプロセスのモデルに使用するための情報を取得可能とするために、レジストの層を使用してパターンフィーチャが提供される。そのパターンフィーチャの性質を測定し、そこからそのような処理フィンガープリントを決定して考慮に入れるために使用できる情報を取得することができる。
【0055】
図5は、基板6の模式的な上面図である。基板6にパターンフィーチャを付与するために、リソグラフィ装置(例えば、図1に示され図1を参照して説明された装置)が使用される。基板6の各ターゲット部分に放射ビームを投影することによって、基板6の種々のターゲット部分8にパターンフィーチャを形成する。
【0056】
図5に示されるように、基板のターゲット部分にパターンフィーチャを形成するために使用される露光フィールドは、基板の外周を超えて延在してもよい。基板のターゲット部分は、基板の表面に入射する所定の露光フィールドの部分として代替的にまたは追加的に記述されてもよい。
【0057】
図6は、基板の典型的なターゲット部分8は、従来知られているように矩形を有することを示す。リソグラフィプロセスのモデルに使用するための情報を取得する既存の方法では、放射ビームを投影する基板のターゲット部分を変更するたびに放射ビームの性質を変えることが知られている。全く対照的に、本発明の実施の形態によると、リソグラフィプロセス(例えば、ターゲット部分に投影される放射ビーム)の性質をひとつのターゲット部分のなかで変える。
【0058】
図7は、本発明の実施の形態に関連する原理を模式的に示す。図7は、基板のターゲット部分間で放射ビームの性質を変える代わりに、基板の所与のターゲット部分のなかで(すなわち、所与のターゲット部分について)放射ビームの性質を変えることを示す。特に図7は、ターゲット部分8について、放射ビームは、基板の表面に沿った第1方向(矢印で表示)において変化する第1性質10と、基板の表面に沿った異なる第2方向(矢印で表示)において変化する第2性質12と、を有することを示す。本実施の形態では、第1方向は第2方向と実質的に直交する。放射ビームを基板に亘って走査することによって基板のターゲット部分8が露光される場合(すなわち、パターンフィーチャが形成される場合)、第1方向または第2方向はその走査における走査方向と実質的に平行であってもよい。例えば、図7を参照すると、放射ビームがY方向に走査される場合、放射ビームの第1性質10がY方向と平行な方向において変化することが示される。
【0059】
変化する第1性質および変化する第2性質は互いに異なってもよい。これにより、基板のひとつのターゲット部分内における露光条件をより大きく変えることができる。第1性質および第2性質はそれぞれ、放射ビームの投影の性質を含んでもよいリソグラフィプロセスの性質であってもよい。第1性質および第2性質はそれぞれ、放射ビームによって提供される放射のドーズ、焦点特性(例えば、ターゲット部分を露光するために使用されるリソグラフィ構成の焦点距離や焦点深度)、オーバーレイ、または照明特性(例えば、放射の波長や偏光状態や開口数や放射ビームの直径や角度強度分布や、照明モード)のうちのひとつであって互いに異なってもよい。
【0060】
第1性質および第2性質は、任意の適切な方法で変えられてもよい(すなわち、制御されてもよい)。例えば、ドーズ、焦点特性、オーバーレイ、および照明特性は任意の適した方法で変えられてもよい。放射ビームに透過率が変化する物体を通過させることによって、または放射ビームを反射率が変化する物体で反射することによって、ドーズを変えることができる。基板を傾けることによって、または放射ビームを提供する装置内の複数の光学要素のうちのひとつを動かしたり向きを変えたりすることによって、焦点特性を変えることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)を基板に関して(または基板をパターニングデバイスに関して)動かすことによって、または放射ビームの基板への投影のされ方を変えることによって(例えば、拡大係数を制御することによって)、オーバーレイを変えることができる。照明モードを変更することによって、(例えば、所与の方向においてターゲット部分を露光する際に照明モードを変更することによって)、照明特性を変えることができる。これは、例えばパルス放射源のパルス間に照明モードを変更することなどによって達成されうる。
【0061】
方法は、基板の異なる複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板の異なる複数のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することを含んでもよい。異なる複数のターゲット部分は基板の表面の大部分をカバーしてもよく、または基板の表面の実質的に全体をカバーしてもよい。これにより、基板の表面の大部分または基板の全表面についての処理情報を得ることができる。
【0062】
リソグラフィプロセスの第1性質および第2性質のうちのひとつまたは両方は、性質が第1の値から第2の値へ増大または減少するように変化してもよい。例えば、放射ビームによって提供される放射のドーズは、ひとつのターゲット部分に亘って増大または減少してもよい。代替的にまたは追加的に、放射ビームの焦点を、ターゲット部分を横切る方向に沿って、基板のターゲット部分に向けて動かしてもよく、または基板のターゲット部分から遠ざけてもよい。リソグラフィプロセスの第1性質および第2性質の変化は任意ではなく、関心値などの特定の値付近で変動するように選択されてもよい。関心値は、さらなる検討を必要とする値や将来の露光に使用される可能性が高い値や過去に問題を引き起こした値などであってもよい。第1性質および第2性質の一方または両方について、各性質は関心値を含むように、および/または関心値から増大または減少するように、および/または関心値そのものを含んでもよい関心値付近で、変化してもよい。ある例では、ドーズや焦点特性の変化がどのように放射ビームを使用して提供されるパターンフィーチャのクリティカルディメンジョンや側壁角に影響を与えるかについての情報を取得することが望ましい。特定の放射のドーズや放射ビームの特定の焦点位置についてのまたはその周りについての情報が要求されうる。したがって、ある例では、ターゲット部分の第1方向において、放射のドーズは第1の値から第2の値へ増大してもよく、関心のあるドーズの値はこれらの第1および第2の値の間に位置してもよい。第2方向において、放射ビームの焦点は第1の値から第2の値へ変化してもよく、関心のある焦点は第1および第2の値の間に位置してもよい。
【0063】
所与のターゲット部分についての変化であってリソグラフィプロセスの第1性質および/または第2性質の変化、はターゲット部分が異なると異なってもよい。基板の異なる部分におけるリソグラフィプロセスの第1性質および/または第2性質の異なる値についての情報を取得することが望まれる場合に、そのような差異が要求されうる。
【0064】
基板のひとつまたは複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによってそのひとつまたは複数のターゲット部分にひとつまたは複数のパターンフィーチャを形成した場合、それまたはそれらのパターンフィーチャの性質が測定される。その性質は例えば、パターンフィーチャのクリティカルディメンジョン(例えば、ライン幅、ギャップ幅、ラインエンド、ライン長)やパターンフィーチャの側壁角やパターンフィーチャのライン幅などであってもよい。一般に、測定されるパターンフィーチャの性質は、基板の処理に依存する性質である。例えば、その処理は、基板上へある量の物質を提供すること(例えば、基板上にレジストなどの層を形成すること)、および/または基板からある量の物質を除去すること(例えば、レジストを現像することや、基板から物質をエッチングすること)、または基板への放射ビームの投影、のうちの少なくともひとつと関連付けられてもよい。
【0065】
パターンフィーチャの性質が測定されると、その測定されたパターンフィーチャの性質と、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質のうちの少なくともひとつと、が使用され、リソグラフィプロセスのモデルを構築するための情報が取得される。これは、リソグラフィプロセスの第1性質および/またはリソグラフィプロセスの第2性質の変化と、測定されたパターンフィーチャの性質と、の間の関係を確立することを含んでもよい。したがってある実施の形態では、方法は、基板のひとつまたは複数のターゲット部分について、放射ドーズおよび焦点特性の変化とそれに伴う測定されたパターンフィーチャの性質(例えば、ライン幅、側壁角、クリティカルディメンジョン、またはパターンフィーチャの他の任意の寸法)の変化との間の関係を決定することを含んでもよい。関係(またはひとつまたは複数のそのような関係)はリソグラフィプロセスのモデルの少なくとも一部を形成してもよい。パターンフィーチャの性質(例えば、クリティカルディメンジョンやライン幅や側壁角などのパターンフィーチャの寸法)を所望もしくは特定の値または所望もしくは特定の範囲とするためには、ドーズおよび焦点特性(または、放射ビームの他の任意の性質もしくはより一般的にはリソグラフィプロセスの他の任意の性質)をどのようにする必要があるのかを決定可能とするために、以降の露光の実施においてそのようなモデルを使用することができる。
【0066】
本発明の実施の形態によると、ひとつまたは複数のパターンフィーチャを基板のターゲット部分に形成する際にリソグラフィプロセスの第1性質および第2性質を変化させることにより、リソグラフィプロセスのモデルに使用するための情報をより多く取得することができる。例えば、ひとつのターゲット部分について、測定されたひとつまたは複数のパターンフィーチャの性質は、それがどのような性質であれ、リソグラフィプロセスのひとつまたはふたつの性質(すなわち、第1性質および/または第2性質)の変化と関連付けられうる。対照的に、(既存の方法のように)この情報がターゲット部分間で放射ビームの性質を変えることのみによって取得される場合は、より多くのターゲット部分が必要となるであろう。このため、実行するのにより時間がかかるであろうし、および/またはより広い基板スペースが必要となるであろうし、および/またはより多くの基板が必要となるであろう。既存の方法に関して、ターゲット部分間で放射ビームのひとつの性質を変えるので、そのターゲット部分について放射ビームの(またはより一般的にはリソグラフィプロセスの)他の性質に関する情報を得ることができない。これにより、そのターゲット部分について得られうる情報が少なくなる。本発明の実施の形態はこの不利な点を有しない。
【0067】
基板のターゲット部分にひとつのパターンフィーチャが付与されてもよい。しかしながら、基板の任意の所与のターゲット部分に複数のパターンフィーチャを付与するとより有益でありうる。そこでは、そららのパターンフィーチャを互いに同じものまたは実質的に同じものとすることが意図されている。したがって、これらのパターンフィーチャは、それに対する任意の変化が測定されうる定点を提供する。これよると、例えば、パターンフィーチャの性質の測定をパターンフィーチャ間で比較することが可能となる。その結果、測定された性質の任意の依存性を、リソグラフィプロセスの第1性質および第2性質の一方または両方の関数としてより容易かつ正確に決定することができる。
【0068】
図8は、上述の方法を模式的に示すフローチャートである。第1ステップ14では、基板にフォトレジストなどの物質の層を設ける。そしてその基板はリソグラフィ装置18に取り込まれる(矢印16で表示)。
【0069】
基板のひとつまたは複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板のひとつまたは複数のターゲット部分にひとつまたは複数のパターンフィーチャを形成するために、リソグラフィ装置が使用される。リソグラフィプロセス(例えば、基板への放射ビームの投影)はそのひとつまたは複数のターゲット部分について、基板の表面に沿った第1方向において変化する第1性質および基板の表面に沿った第2方向において変化する第2性質を有する。リソグラフィ装置のひとつまたは複数のコントローラは、リソグラフィプロセスの性質が上記の通りになるようにリソグラフィ装置のひとつまたは複数の部分を制御してもよい。
【0070】
次に、基板は測定構成22(例えば、しばしばメトロロジステージと称される)へ受け渡される(矢印20で表示)。測定構成22は、上述の通り、パターンフィーチャのひとつまたは複数の性質を測定する。その性質は例えば、パターンフィーチャのクリティカルディメンジョンや、パターンフィーチャの側壁角や、基板の処理に依存しうるパターンフィーチャの他の適切な寸法であってもよい。そして、測定された性質に少なくとも関連する情報が計算構成26に受け渡される(矢印24で表示)。測定された性質に少なくとも関連する情報は、測定された性質そのもの、測定された性質を示す情報、測定された性質に比例する情報、または測定された性質に他の態様で伴うもしくは関連する情報、でありうる。
【0071】
計算構成26は、測定されたパターンフィーチャのひとつまたは複数の性質と、リソグラフィプロセス(例えば、放射ビーム)の第1性質およびリソグラフィプロセス(例えば、放射ビーム)の第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、リソグラフィプロセスのモデルで使用するための情報を取得する。例えば、計算構成26は、測定されたパターンフィーチャの性質と放射ビームの性質の変化との間のひとつまたは複数の関係を上述の通りに確立してもよい。そのような測定を通じて処理フィンガープリントが決定されてもよい。これらの測定を使用して確立された関係を使用することで、将来の露光においてこのフィンガープリントを考慮に入れてもよい。計算構成はリソグラフィ装置18に情報を提供してもよい(矢印28で表示)。その結果、例えば、将来の露光において上述の方法を使用して取得された情報を備えるリソグラフィプロセスのモデルもしくは測定された情報を使用して確立された関係を備えるリソグラフィプロセスのモデルを使用してリソグラフィ装置を制御することで、基板により均一にパターンフィーチャを付与できる。
【0072】
図9は、基板30と種々のターゲット部分32とを、図5に関連して上述された部分と同様に模式的に示す図である。所与のターゲット部分32のなかで、リソグラフィプロセス(例えば、放射ビームの投影)の第1性質は基板の表面に沿った第1方向において変えられてもよく、リソグラフィプロセス(例えば、放射ビームの投影)の第2性質は基板の表面に沿った第2方向において変えられてもよい。このことは矢印34によって表示される。矢印34は、ターゲット部分32のなかに位置するものとして示される。加えて、リソグラフィプロセスのモデルに使用するためのさらに多くの情報を取得するために、方法は、基板の異なる複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板の異なる複数のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することを含んでもよい。リソグラフィプロセス(例えば、放射ビームの投影)は第3性質を有する。その第3性質は、それらの異なるターゲット部分のそれぞれに対して異なっている(言い換えると、変えられている)。このことは図において模式的に矢印36によって表示される。矢印36は、ターゲット部分32間での放射ビームの第3性質の変化を示す。リソグラフィプロセスの第3性質は例えば、リソグラフィプロセス(例えば放射ビームの投影)の第1性質および第2性質に関連して上述された通り、焦点特性、ドーズ、オーバーレイ、または照明特性であってもよい。第4性質もまた変えられてもよい。例えば、第3性質は第1方向に沿ってターゲット部分が異なるごとに変えられてもよく、また、第4性質は第2の異なる方向に沿ってターゲット部分が異なるごとに変えられてもよい。
【0073】
リソグラフィプロセス(例えば、放射ビームの投影)の第3性質は、任意の適切な方法で変えられても(すなわち、制御されても)よい。例えば、ドーズ、焦点特性、オーバーレイ、または照明特性が任意の適した方法で変えられてもよい。放射ビームに透過率が変化する物体を通過させることによって、または放射ビームを反射率が変化する物体で反射することによって、ドーズを変えることができる。基板を傾けることによって、または放射ビームを提供する装置内の複数の光学要素のうちのひとつを動かしたり向きを変えたりすることによって、焦点特性を変えることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)を基板に関して(または基板をパターニングデバイスに関して)動かすことによって、または放射ビームの基板への投影のされ方を変えることによって(例えば、拡大係数を制御することによって)、オーバーレイを変えることができる。照明モードを変更することによって、(例えば、異なるターゲット部分の露光の合間にひとつまたは複数の光学要素(例えば、透過性要素、屈折性要素、回折性要素、反射性要素)の形状や位置や設定を変えることによって)照明特性を変えることができる。
【0074】
リソグラフィプロセス(例えば、放射ビームの投影)の第1性質および/または第2性質の変化に関連して上述されたのと同様に、リソグラフィプロセス(例えば、放射ビームの投影)の第3性質は、性質が第1の値から第2の値へ増大または減少するように変化してもよい。代替的にまたは追加的に、第3性質は、関心値を含むように、および/または関心値に向けて増大または減少するように、および/または関心性質から増大または減少するように、および/または関心性質そのものを含んでもよい関心性質付近で、変化してもよい。
【0075】
ある例では、第1性質、第2性質および第3性質はいずれも互いに異なる。この場合、露光条件を最大限変えることができる。これにより、より多くの関係を確立することが可能となり、その結果リソグラフィプロセスのモデルをより正確かつ/またはより速く確立することができる。別の実施の形態では、第3性質は第1性質または第2性質と同じでありうる。
【0076】
上述の方法の少なくとも一部を実行するための構成が提供されてもよい。リソグラフィ構成が提供されてもよい。このリソグラフィ構成は、放射ビームを提供するための照明システムと、放射ビームの断面にパターンを付与するパターニングデバイス(例えば、マスクやミラーアレイ)を支持するためのサポート構造と、基板を保持するための基板テーブルと、基板のターゲット部分にパターン付与された放射ビームを投影するための投影システムと、ひとつまたは複数のコントローラと、を備えてもよい。ひとつまたは複数のコントローラは、使用中、基板のターゲット部分に放射ビームを投影することによって基板のターゲット部分(またはひとつもしくは複数のターゲット部分)にパターンフィーチャ(またはひとつもしくは複数のパターンフィーチャ)を形成するようにリソグラフィ構成の少なくとも一部を制御してもよい。ひとつまたは複数のコントローラはターゲット部分について、リソグラフィプロセス(例えば、放射ビームの投影)が基板の表面に沿った第1方向において変化する第1性質および基板の表面に沿った第2方向において変化する第2性質を有することを保証してもよい。
【0077】
ひとつまたは複数のコントローラは、リソグラフィ構成の一つまたは複数の部分(例えば、リソグラフィ構成のひとつまたは複数の部分の設定、位置、形状、配向、透過率、または反射率)を制御することによって、リソグラフィプロセス(例えば、放射ビームの投影)の第1性質または第2性質を変えてもよい(すなわち、制御してもよい)。
【0078】
リソグラフィ構成は、パターンフィーチャの性質を測定するための測定構成を備えてもよい。リソグラフィ構成は、測定されたパターンフィーチャの性質と、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、リソグラフィプロセスのモデルで使用するための情報を取得する計算構成を備えてもよい。
【0079】
測定構成は、パターンフィーチャの寸法(例えば、ライン幅、クリティカルディメンジョン、側壁角)などのパターンフィーチャの性質を測定できる任意の構成であってよい。例えば周知のように、測定構成は、ひとつまたは複数の顕微鏡や放射ビーム反射、屈折、散乱構成を備えてもよい。計算構成は、測定されたパターンフィーチャの性質と、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、リソグラフィプロセスのモデルで使用するための情報を取得するよう構成された任意の構成であってよい。計算構成は、測定されたパターンフィーチャの性質と、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、リソグラフィプロセスのモデルで使用するための情報を取得するよう構成された、コンピュータまたは組み込みプロセッサなどのコンピュータ以外の構成または、インストラクション、命令行もしくは他のソフトウエアを有する他のハードウエアであってもよい。
【0080】
リソグラフィ構成は、(例えば、図1に関連して上述されたような)リソグラフィ装置およびその装置のひとつまたは複数の部分を制御するためのひとつまたは複数のコントローラおよび測定構成および計算構成であってもよい。
【0081】
上述の実施の形態では、リソグラフィプロセスの第1性質およびリソグラフィプロセスの第2性質の変化が説明された。別の実施の形態では、ひとつの性質だけが変えられてもよい。ひとつの性質だけを変える場合は、ふたつの性質を変える場合に得られるほどの量の情報は得られないであろう。しかしながら、性質をひとつだけ変化させる場合は実装がより容易であり、また、パターンフィーチャのひとつまたは複数の性質の測定からその変化に関する情報をより速くまたはより容易に抽出できる。
【0082】
本発明の実施の形態の説明において、「ターゲット部分」という用語が使用された。この用語はしばしば「フィールド」という用語とほぼ同じ意味で使用され、パターンが付与されるべき基板のパターンを含む。したがって、本発明の実施の形態の説明においては、「ターゲット部分」と「フィールド」とはほぼ同じ意味で使用されてもよい。
【0083】
本発明の実施の形態の説明において、リソグラフィプロセスのモデルは、例えば基板への物質の追加および/または基板からの物質の除去を含む基板の処理を考慮に入れるために使用されるものとして説明された。他の処理要素もまた、基板に付与されるパターンフィーチャのひとつまたは複数の性質の均一性に影響を与えうる。例えば、パターンフィーチャを形成するために使用されるフォトリソグラフィプロセスのいずれかの段階(例えば、基板にある量の物質が提供されている段階、基板からある量の物質が除去されている段階、放射ビームが基板に投影されている段階)になにがしかの温度依存性が存在する場合、温度はパターンフィーチャのひとつまたは複数の性質に影響を与えうる。代替的にまたは追加的に、リソグラフィ装置そのものに伴う誤差があるかもしれない。この誤差のために、基板に付与されるパターンフィーチャのひとつまたは複数の性質は意図された通りにならないかもしれない。例えば、マスクパターンが所定の形状のパターンフィーチャを有していたとしても、そのマスクパターンを使用して基板に付与されたパターンフィーチャの形状は、投影システムの収差によって歪む場合がある。基板への放射ビームの投影そのものが、上述のフィンガープリントを伴う誤差を有しうる。これらの処理要素の全てがリソグラフィプロセスのモデルによって考慮されてもよい。
【0084】
本発明の具体的な実施の形態が上述のように説明されたが、本発明は上述の形式以外の形式でも実施可能であると理解されたい。上記の説明は本発明を限定することを意図していない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィプロセスをモデル化する際に使用するための情報を取得する方法であって、
基板のターゲット部分に放射ビームを投影することによって前記基板の前記ターゲット部分にパターンフィーチャを形成することを含み、
前記リソグラフィプロセスは前記ターゲット部分について、前記基板の表面に沿った第1方向において変化する第1性質および前記基板の表面に沿った第2方向において変化する第2性質の一方または両方を有し、
当該方法はさらに、
前記パターンフィーチャの性質を測定することと、
測定された前記パターンフィーチャの性質と、前記リソグラフィプロセスの前記第1性質および前記リソグラフィプロセスの前記第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、前記モデルで使用するための情報を取得することと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1方向は前記第2方向と実質的に直交する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターンフィーチャが前記放射ビームを前記基板に亘って走査することによって形成される場合、前記第1方向または前記第2方向は前記走査における走査方向と実質的に平行である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1性質および前記第2性質はそれぞれ、焦点特性、放射のドーズ、オーバーレイ、および照明特性のうちのひとつであって互いに異なる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記基板の異なる複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって前記基板の前記異なる複数のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することをさらに含み、
前記リソグラフィプロセスは、ターゲット部分が異なると異なる第3性質を有する、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記基板の異なる複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって前記基板の前記異なる複数のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することをさらに含み、
前記第1性質および/または第2性質の変化はターゲット部分が異なると異なる、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記基板の異なる複数のターゲット部分に放射ビームを投影することによって前記基板の前記異なる複数のターゲット部分にパターンフィーチャを形成することをさらに含み、
前記基板の前記異なる複数のターゲット部分は前記基板の表面の大部分をカバーする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第1性質および前記第2性質のうちのひとつまたは両方は、性質が第1の値から第2の値へ増大または減少するように変化する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記第1性質および前記第2性質のうちのひとつまたは両方の変化は、
関心値を含むような性質の変化、および/または
関心値から増大または減少するような性質の変化、および/または
関心値に向けて増大または減少するような性質の変化、および/または
関心値を含んでもよい関心値付近での性質の変化、
である、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
測定された前記パターンフィーチャの性質は、前記基板の処理に依存する性質である、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記基板の前記処理は、
前記基板上にある量の物質を提供すること、および/または
前記基板からある量の物質を除去すること、および/または
前記基板に前記放射ビームを投影すること、および/または
前記基板上にある量の物質が提供されるときの温度および/または前記基板からある量の物質が除去されるときの温度および/または前記基板に前記放射ビームが投影されるときの温度を制御すること、
のうちの少なくともひとつを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
測定された前記パターンフィーチャの性質は、
前記パターンフィーチャのクリティカルディメンジョン、および/または
前記パターンフィーチャの寸法、および/または
前記パターンフィーチャの側壁角、
のうちの少なくともひとつである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
測定された前記パターンフィーチャの性質と、前記リソグラフィプロセスの前記第1性質および前記リソグラフィプロセスの前記第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、前記モデルで使用するための情報を取得することは、
前記リソグラフィプロセスの前記第1性質および/または前記リソグラフィプロセスの第2性質の変化と、測定された前記パターンフィーチャの性質と、の間の関係を確立することを含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記モデルの少なくとも一部は前記関係に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
リソグラフィプロセスを実施するためのリソグラフィ構成であって、
放射ビームを提供するための照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを付与するパターニングデバイスを支持するためのサポート構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記基板のターゲット部分にパターン付与された放射ビームを投影するための投影システムと、
ひとつまたは複数のコントローラと、を備え、
前記ひとつまたは複数のコントローラは、使用中、前記基板のターゲット部分に放射ビームを投影することによって前記基板の前記ターゲット部分にパターンフィーチャを形成するように前記リソグラフィ構成の少なくとも一部を制御し、
前記ひとつまたは複数のコントローラは、前記ターゲット部分について、前記リソグラフィプロセスが前記基板の表面に沿った第1方向において変化する第1性質および前記基板の表面に沿った第2方向において変化する第2性質の一方または両方を有することを保証し、
当該リソグラフィ構成はさらに、
前記パターンフィーチャの性質を測定するための測定構成と、
測定された前記パターンフィーチャの性質と、前記リソグラフィプロセスの前記第1性質および前記リソグラフィプロセスの前記第2性質のうちの少なくとも一方と、を使用して、リソグラフィプロセスのモデルで使用するための情報を取得する計算構成と、を備える、リソグラフィ構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−3894(P2011−3894A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−129556(P2010−129556)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】