説明

リソグラフィ装置又はその一部を較正又は検定する方法及びデバイス製造方法

【課題】リソグラフィ装置又はその一部を較正又は検定する方法及びデバイス製造方法を提供すること。
【解決手段】リソグラフィ装置又はその一部を検定又は較正する方法において、チョーベネットの判定基準などの所定の客観的判定基準を使用して、視野毎に、又は基板毎に個々に測定ポイントが除外される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィ装置又はその一部を較正又は検定する方法に関し、また、較正済み又は検定済みの装置を使用したデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、基板、一般的には基板の目標部分に所望のパターンを適用するマシンである。リソグラフィ装置は、たとえば集積回路(IC)の製造に使用することができる。その場合、マスク又はレチクルとも呼ばれているパターニング・デバイスを使用して、ICの個々の層に形成すべき回路パターンが生成される。生成されたパターンは、基板(たとえばシリコン・ウェハ)上の目標部分(たとえば部分的に1つ又は複数のダイからなっている)に転送される。パターンの転送は、通常、基板の上に提供されている放射線感応材料(レジスト)の層への画像化を介して実施されている。通常、1枚の基板には、順次パターン化される目標部分に隣接する回路網が含まれている。知られているリソグラフィ装置には、パターン全体を1回で目標部分に露光することによって目標部分の各々が照射されるいわゆるステッパと、パターンを放射ビームで所与の方向(「走査」方向)に走査し、且つ、基板をこの方向に平行又は非平行に同期走査することによって目標部分の各々が照射されるいわゆるスキャナがある。また、パターンを基板に転写することによってパターニング・デバイスから基板へパターンを転送することも可能である。
【0003】
リソグラフィ装置は、その変化がフィーチャの物理特性の望ましくない変化の原因になる臨界寸法(CD)即ち1つ又は複数のフィーチャの寸法が小さくなる一方のデバイスの製造に使用されるため、トランジスタのゲート幅などのリソグラフィ縮小化においては、首尾一貫した結果及び高い歩留りを保証するためのリソグラフィ装置の較正及び検定がますます重要になっている。
【0004】
装置又は装置の一部を較正及び/又は検定するためには、リソグラフィ装置の多くの異なるパラメータを測定しなければならず、ほとんどの場合、所与のパラメータの測値を適切な精度で、正確に得るためには、極めて多数の測値を獲得しなければならない。基板ホルダ(ピンプル・プレート又は露光チャックとも呼ばれている)の平面度は、その一例である。基板ホルダは、低CTE材料でできた平らなディスクを備えている。このディスクのサイズは基板のサイズに対応しており、両面に極めて多数の微小突起を有している。微小突起の先端は、対応する共通平面内に位置していなければならない。露光に際しては、基板テーブル上の一方の面の突起に基板ホルダが支えられ、もう一方の面の突起に基板が支えられる。基板とホルダ及びテーブルとホルダの間の空間は、基板を所定の位置でクランプするために排気される。基板ホルダに何らかのひずみが存在しているか、或いは突起の高さに偏りが存在している場合、延いては基板がひずむことになり、そのために焦点スポット・オーバレイ誤差が生じ、また、歩留りが悪くなる。したがって、使用に先立って基板ホルダが十分に平らであることを保証することが必要である。しかしながら、突起が小さく、また、その数が多いため、これらの突起の先端が適切な平らな平面に位置しているかどうかを直接測定することは困難である。
【0005】
従来、基板ホルダの平面度は、基板ホルダをリソグラフィ装置の中に置き、試験基板を基板ホルダの上に置き、試験基板の頂部表面の高さ及び/又は局部傾斜を極めて多数の位置、たとえば200mmの基板の場合、8,000ヶ所ないし9,000ヶ所で測定することによって決定されている。次にこの測定が10枚以上の試験基板に対して繰り返され、得られたデータから、統計的手法を使用して試験基板の非平面性による寄与を分離することによって基板ホルダの平面度が決定されている。しかしながら、この方法は、実際に検定要求事項に合致している基板ホルダを除外することがあることが分かっており、これは、基板ホルダの製造が困難であり、したがって高価であるため、不経済である。
【0006】
しばしば複数の試験ウェハにわたる極めて多数の試験測値を使用した較正及び/又は検定方法のもう1つの実施例は、装置の総合オーバレイ(X、Y)及び集束(Z)性能の較正及び/又は検定である。この場合、装置の性能に影響する可能性のあるすべての固有要因及び外的要因が考慮されるため、結果の再現性が劣っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リソグラフィ装置及び/又はその一部を較正及び/又は検定するための改良型方法が提供されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置を較正する方法であって、
複数の測定値を含んだ第1のデータ・セットを生成するために、リソグラフィ装置の性能を表すパラメータの値を、複数の異なる位置で、複数回にわたって測定し、且つ/又はリソグラフィ装置の複数の設定値で測定するステップと、
第1のデータ・セットのサブセットである第2のデータ・セットを生成するステップであって、前記第1のデータ・セットのうちの前記第2のデータ・セットに包含するためのデータ値を選択する所定の判定基準を使用して生成するステップと、
第2のデータ・セットから較正値を引き出すために所定の統計的プロセスを使用するステップとを含む方法が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、パターニング・デバイスから基板へパターンを転送するようになされたリソグラフィ装置を使用したデバイス製造方法であって、
複数の測定値を含んだ第1のデータ・セットを生成するために、リソグラフィ装置の性能を表すパラメータの値を、複数の異なる位置で、複数回にわたって測定し、且つ/又はリソグラフィ装置の複数の異なる設定値で測定するステップと、
第1のデータ・セットのサブセットである第2のデータ・セットを生成するステップであって、前記第1のデータ・セットのうちの前記第2のデータ・セットに包含するためのデータ値を選択する所定の判定基準を使用して生成するステップと、
第2のデータ・セットから較正値を引き出すために所定の統計的プロセスを使用するステップと
によってリソグラフィ装置を較正するステップと、
リソグラフィ装置のパラメータを調整するために、較正値を使用して第2の基板にデバイス・パターンを転送するステップとを含む方法が提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置の一部を検定する方法であって、
複数の測定値を含んだ第1のデータ・セットを生成するために、前記部分の所望の品質を表すパラメータの値を、複数の異なる位置で測定し、且つ/又は複数回にわたって測定するステップと、
第1のデータ・セットのサブセットである第2のデータ・セットを生成するステップであって、前記第1のデータ・セットのうちの前記第2のデータ・セットに包含するためのデータ値を選択する所定の判定基準を使用して生成するステップと、
第2のデータ・セットから検定値を引き出すために所定の統計的プロセスを使用するステップであって、前記部分を使用する是非を検定値に基づいて判断することができるステップとを含む方法が提供される。
【0011】
以下、本発明の実施例について、単なる実施例にすぎないが、添付の略図を参照して説明する。図において、対応する参照記号は対応する部品を表している。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の一実施例に使用されるリソグラフィ装置を略図で示したものである。このリソグラフィ装置は、
− 放射ビームB(たとえばUV放射又はDUV放射)を条件付けるようになされた照明システム(イルミネータ)IL
− パターニング・デバイス(たとえばマスク)MAを支持するように構築された、特定のパラメータに従って該パターニング・デバイスを正確に位置決めするようになされた第1のポジショナPMに接続された支持構造(たとえばマスク・テーブル)MT
− 基板(たとえばレジスト被覆ウェハ)Wを保持するように構築された、特定のパラメータに従って該基板を正確に位置決めするようになされた第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(たとえばウェハ・テーブル)WT
− パターニング・デバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの目標部分C(たとえば1つ又は複数のダイが含まれている)に投影するようになされた投影システム(たとえば屈折投影レンズ系)PS
を備えている。
【0013】
照明システムは、放射を導き、整形し、或いは制御するための、屈折光学コンポーネント、反射光学コンポーネント、磁気光学コンポーネント、電磁光学コンポーネント、静電光学コンポーネント又は他のタイプの光学コンポーネント、或いはそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学コンポーネントを備えることができる。
【0014】
支持構造は、パターニング・デバイスを支持している。つまり、支持構造は、パターニング・デバイスの重量を支えている。支持構造は、パターニング・デバイスの配向、リソグラフィ装置の設計及び他の条件、たとえばパターニング・デバイスが真空環境中で保持されているか否か等に応じた方法でパターニング・デバイスを保持している。支持構造には、パターニング・デバイスを保持するための機械式クランプ技法、真空クランプ技法、静電クランプ技法又は他のクランプ技法を使用することができる。支持構造は、たとえば必要に応じて固定又は移動させることができるフレーム又はテーブルであっても良い。支持構造は、パターニング・デバイスをたとえば投影システムに対して所望の位置に確実に配置することができる。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用はすべて、より一般的な「パターニング・デバイス」という用語の同義語と見なすことができる。
【0015】
本明細書に使用されている「パターニング・デバイス」という用語は、放射ビームの断面にパターンを付与し、それにより基板の目標部分にパターンを生成するべく使用することができる任意のデバイスを意味するものとして広義に解釈されたい。放射ビームに付与されるパターンは、たとえばそのパターンに移相フィーチャ又はいわゆる補助フィーチャが含まれている場合、基板の目標部分における所望のパターンに必ずしも厳密に対応している必要はないことに留意されたい。放射ビームに付与されるパターンは、通常、目標部分に生成されるデバイス、たとえば集積回路などのデバイス中の特定の機能層に対応している。
【0016】
パターニング・デバイスは、透過型であっても或いは反射型であっても良い。パターニング・デバイスの実施例には、マスク、プログラム可能ミラー・アレイ及びプログラム可能LCDパネルがある。マスクについてはリソグラフィにおいては良く知られており、バイナリ、交番移相及び減衰移相などのマスク・タイプ、並びに様々なハイブリッド・マスク・タイプが知られている。プログラム可能ミラー・アレイの実施例には、マトリックスに配列された、入射する放射ビームが異なる方向に反射するよう個々に傾斜させることができる微小ミラーが使用されている。この傾斜したミラーによって、ミラー・マトリックスで反射する放射ビームにパターンが付与される。
【0017】
本明細書に使用されている「投影システム」という用語は、使用する露光放射に適した、若しくは液浸液の使用又は真空の使用などの他の要因に適した、屈折光学系、反射光学系、カタディオプトリック光学系、磁気光学系、電磁光学系、静電光学系又はそれらの任意の組合せを始めとする任意のタイプの投影システムが包含されているものとして広義に解釈されたい。本明細書における「投影レンズ」という用語の使用はすべて、より一般的な「投影システム」という用語の同義語と見なすことができる。
【0018】
図に示すように、このリソグラフィ装置は、透過型(たとえば透過型マスクを使用した)タイプの装置である。別法としては、このリソグラフィ装置は、反射型(たとえば上で参照したタイプのプログラム可能ミラー・アレイを使用した、或いは反射型マスクを使用した)タイプの装置であっても良い。
【0019】
リソグラフィ装置は、2つ(二重ステージ)以上の基板テーブル(及び/又は複数のマスク・テーブル)を有するタイプの装置であっても良い。このような「多重ステージ」マシンの場合、追加テーブルを並列に使用することができ、或いは1つ又は複数の他のテーブルを露光のために使用している間、1つ又は複数のテーブルに対して予備ステップを実行することができる。
【0020】
また、リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が比較的屈折率の大きい液体、たとえば水で覆われ、それにより投影システムと基板の間の空間が充填されるタイプの装置であっても良い。また、リソグラフィ装置内の他の空間、たとえばマスクと投影システムの間の空間に液浸液を適用することも可能である。液浸技法は、当分野では、投影システムの開口数を大きくすることで良く知られている。本明細書に使用されている「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に浸すことを意味しているのではなく、単に、露光の間、投影システムと基板の間に液体が置かれることを意味しているにすぎない。
【0021】
図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受け取っている。放射源がたとえばエキシマ・レーザである場合、放射源及びリソグラフィ装置は、個別の構成要素にすることができる。このような場合、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとは見なされず、放射ビームは、たとえば適切な誘導ミラー及び/又はビーム・エキスパンダを備えたビーム引渡しシステムBDを使用して放射源SOからイルミネータILへ引き渡される。それ以外のたとえば放射源が水銀灯などの場合、放射源はリソグラフィ装置の一構成要素にすることができる。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビーム引渡しシステムBDと共に放射システムと呼ぶことができる。
【0022】
イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを備えることができる。通常、イルミネータのひとみ平面内における強度分布の少なくとも外部及び/又は内部ラジアル・エクステント(一般に、それぞれσ−外部及びσ−内部と呼ばれている)は調整が可能である。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネントを備えることができる。イルミネータを使用して放射ビームを条件付け、所望する一様な強度分布をその断面に持たせることができる。
【0023】
支持構造(たとえばマスク・テーブルMT)の上に保持されているパターニング・デバイス(たとえばマスクMA)に投影ビームBが入射し、パターニング・デバイスによってパターン化される。マスクMAを透過した放射ビームBは、放射ビームを基板Wの目標部分Cに集束させる投影システムPSを通過する。基板テーブルWTは、第2のポジショナPW及び位置センサIF(たとえば干渉デバイス、直線エンコーダ又は容量センサ)を使用して正確に移動させることができ、それによりたとえば異なる目標部分Cを放射ビームBの光路内に配置することができる。同様に、第1のポジショナPM及びもう1つの位置センサ(図1には明確に示されていない)を使用して、たとえばマスク・ライブラリから機械的に検索した後、又は走査中に、マスクMAを放射ビームBの光路に対して正確に配置することができる。通常、マスク・テーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成している長ストローク・モジュール(粗位置決め)及び短ストローク・モジュール(精密位置決め)を使用して実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成している長ストローク・モジュール及び短ストローク・モジュールを使用して実現することができる。ステッパの場合(スキャナではなく)、マスク・テーブルMTは、短ストローク・アクチュエータのみに接続することができ、或いは固定することも可能である。マスクMA及び基板Wは、マスク・アライメント・マークM1、M2及び基板アライメント・マークP1、P2を使用して整列させることができる。図には専用目標部分を占有している基板アライメント・マークが示されているが、基板アライメント・マークは、目標部分と目標部分の間の空間に配置することも可能である(このような基板アライメント・マークは、スクライブ・レーン・アライメント・マークとして知られている)。同様に、複数のダイがマスクMAの上に提供される場合、ダイとダイの間にマスク・アライメント・マークを配置することができる。
【0024】
図に示す装置は、以下に示すモードのうちの少なくとも1つのモードで使用することができる。
1.ステップ・モード:マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTが基本的に静止状態に維持され、放射ビームに付与されたパターン全体が目標部分Cに1回で投影される(即ち単一静止露光)。次に、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向にシフトされ、異なる目標部分Cが露光される。ステップ・モードでは、露光視野の最大サイズによって、単一静止露光で画像化される目標部分Cのサイズが制限される。
2.走査モード:放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影されている間、マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTが同期走査される(即ち単一動的露光)。マスク・テーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの倍率(縮小率)及び画像反転特性によって決まる。走査モードでは、露光視野の最大サイズによって、単一動的露光における目標部分の幅(非走査方向の幅)が制限され、また、走査運動の長さによって目標部分の高さ(走査方向の高さ)が決まる。
3.その他のモード:プログラム可能パターニング・デバイスを保持するべくマスク・テーブルMTが基本的に静止状態に維持され、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影されている間、基板テーブルWTが移動又は走査される。このモードでは、通常、パルス放射源が使用され、走査中、基板テーブルWTが移動する毎に、或いは連続する放射パルスと放射パルスの間に、必要に応じてプログラム可能パターニング・デバイスが更新される。この動作モードは、上で参照したタイプのプログラム可能ミラー・アレイなどのプログラム可能パターニング・デバイスを利用しているマスクレス・リソグラフィに容易に適用することができる。
【0025】
上で説明した使用モードの組合せ及び/又はその変形形態、或いは全く異なる使用モードを使用することも可能である。
【0026】
上で言及したように、基板ホルダの平面度は、リソグラフィ装置の歩留りに寄与する重要な要素である。したがって、使用に先立って基板ホルダに対する検定プロセスを実行し、基板ホルダが関連する仕様を満足しているかどうかを決定しなければならない。
【0027】
基板ホルダ(露光チャック即ちE−チャックとも呼ばれている)の平面度を検定するための測定技法は、複数の試験ウェハの測定に基づいており、試験ウェハの各々が、下に位置している基板ホルダに対する複数の異なる位置で複数回にわたって測定される。計算モデルを使用して、ウェハの平面度の寄与を数学的に除去した後のチャックの平面度が高い信頼性で予測される。得られる結果は、いわゆるウェハ毎のモデル化ハイト・マップであり、図2の左側に示すように、n枚のウェハの各々に対してm個の格子ポイントからなっている。基板ホルダの平面度を最も良好に予測するために、個々のウェハのモデル結果から、図2の中央に示すようにm個の値の格子からなる平均ハイト・マップが計算される。この平均ハイト・マップは、基板ホルダの上面の平面度を、局部平面度(SFSD、SFQD)、局部傾斜(Rx、Ry)及びエッジ・ロール・オフを含む複数のパラメータの形で決定するために適用される基板ホルダ検定モデルに対する入力である。
【0028】
図2は、測定格子の個々の位置に対する平均ハイト・マップの計算及びこのマップ中の予測誤差を示したものである。引き出される検定パラメータにも同じ原理を適用することができることに留意されたい。通常、測定格子には8000〜9000個のポイント(m)が含まれており、X方向及びY方向の測定ピッチは1〜3ミリメートル程度である。検定格子の個々のポイントiは、n個の測値即ちウェハに対して決定される平均値μ及び標準偏差σによって特性化される。試験性能結果の品質を評価するために、平均μにおける予測誤差が計算される。検定格子の個々の有効ポイント中に画定されるこの誤差の尺度は、
【0029】
【数1】


であることが仮定されている。この誤差は、定義によって、
【0030】
【数2】


で表すことができる。
【0031】
本発明の一実施例では、基準がそのセット中の測値の数n(ウェハ)に基づいている統計的客観的方法の適用に基づくメカニズムを使用して、かけ離れた測値が除外される。一連のn個の測値の中には、偏差が標準偏差σよりはるかに大きい1つ又は複数の測値が生じることがある。これらの孤立値は、平均値μ及びn個の測値の分散に影響することがある。データを除外する方法の1つは、チョーベネットの判定基準(Chauvenet’s criterion)を適用することである。データを除外するためのこの統計的判定基準には、次のように記述されている。
「平均からの逸脱が生じる確率が1/2nより小さい場合、一連のn個の測値からその特定の測値が除外される。」
【0032】
分布は、標準正規分布であることが仮定されている。偏差dで平均μに対する特定の(疑わしい)測値の距離を表すことにする。チョーベネットの判定基準を適用するためには、測値の偏差dをこのような偏差が生じる確率pに関連付けなければならない。「偏心率」eは、特定の(疑わしい)測値の正規化偏差、e=d/σを表しており、標準化Z偏差値の絶対値を単純に表している。表1は、測値の数nを関数とした偏心率eの多数の値を示したものである。絶対値で取った、eより大きい偏心率eが生じる確率pを考察する場合、これらの値は、標準正規分布のZ偏差値テーブルの値を探索することによって得ることができる。p<1/2nであり、したがってe>eの場合、測値iを除外することができる。
【0033】
【表1】

【0034】
パースの判定基準(Peirce’s Criterion)などの代替判定基準を使用することも可能である。もう1つの代替は、絶対基準を適用して、完全な統計量以外の考察に基づいて測定データを除外することである。絶対基準は、既知の誤差寄与又は予想誤差寄与に基づいて引き出すことができる。たとえば試験品質のための基準は、事前に定量的に推定することができる(多少なりとも)予測可能な方法で試験品質に影響する関連パラメータを識別した後の試験バジェット解析に基づいて引き出すことができる。
【0035】
図3に示す本発明の一実施例では、ステップS1で、n枚の基板のm個のポイントの測値が獲得され、次にステップS2で、基板ハンドラーの非平面度をモデル化するために処理され、(n、m)のデータ・ポイントを含む第1のデータ・セットDS1が得られる。個々のデータ・ポイントは、局部非平面度、二次元の局部傾斜及び高さのうちの一部又はそれらのすべての値を含むことができる。次にステップS3で、標準の統計的技法を使用してこのデータ・セットが処理され、基板ホルダの平均非平面度及び予測誤差が引き出される。この平均非平面度及び予測誤差は、第2のデータ・セットDS2として記憶される。ステップS4で、上で説明した統計的判定基準が二次元検定格子の個々のポイントiに自動的に適用され、適合しない(疑わしい)測値が特定のウェハから除外される。より詳細には、
− 最初に、個々の格子ポイントiの特定のウェハj毎に偏心率ei、jが計算され、
− 次に、チョーベネットの判定基準が適用され、偏心率が客観的統計的基準を超えている、つまりei、j>eである変動性の大きい領域の個々のウェハ・ポイントが除外される。
その結果、信頼性の高いウェハ・ポイントのみが含まれている第3のデータ・セットDS3が得られる。したがって、n枚の試験ウェハの一部又はすべてに対して、それぞれm個未満のポイントが存在しているが、失われるポイントが個々のウェハで同じであってはならない。除外する測値が多すぎる場合、すべての測定が繰り返される。
【0036】
第2の任意選択フェーズでは、基板全体に除外判定基準を適用することができる(ステップS5)。たとえば、個々の基板の残りの有効検定領域を評価し、且つ、もう一度チョーベネットの判定基準を適用することによって完全な基板を除外することができる。これは、n枚未満の基板のデータを含んだ第4のデータ・セットDS4を生成するために、無効領域が広すぎる完全な基板が自動的に除外されることを意味している。この場合、以下の手順が適用される。
− 有効検定領域の百分率[%]を基板j毎に計算する。この領域は、ステップS4で除外されたデータ・ポイントを参照することによって決定される。
− それまでと同じ統計的判定基準を使用し、且つ、異なるパラメータ、つまり有効領域の百分率を適用して、適合しない1つ又は複数の基板を除外する。
【0037】
非平面度マップがデータ・ポイント毎に複数のパラメータを含んでいる場合、この手法は、2つの異なる方法で適用することができる。第1のオプションは、平均ハイト・マップを最適化し、且つ、引き出された性能パラメータを再計算することである。第2のオプションは、引き出されたパラメータ毎に平均性能マップを個別に最適化し、次に、新しい平均及び新しい標準偏差及び/又は誤差を再計算することである。
【0038】
基板毎の特定の測値の除外に基づいて、ステップS6で新しい平均及び新しい標準偏差(及び誤差)が格子ポイント毎に計算され、第5のデータ・セットDS5を形成する、フィルタリングされた新しい検定マップが特性化される。次にステップS7で基板ホルダに対する総合検定要求事項が適用され、検定マップがフィルタリングされる。このフィルタリングにより、測定誤差に起因する良好な基板ホルダの不適切な除外が回避される。
【0039】
図4は、一例として、完全な基板除外プロセスが適用される実験データ・セットを示したものである。図4の上の方のチャートには、第1のフェーズで測値が除外された個々のウェハの百分率領域が、4つのパラメータ(高さ−Z、局部非平面度−SFSD及び局部傾斜−Rx、Ry)毎に示されている。図から分かるように、除外された百分率は、ウェハ1ないし11のすべてのパラメータに対して約5%であるか、或いは5%よりかなり低いが、ウェハ12に対しては、すべてのパラメータに対してかなり高くなっている。図の下の方のチャートは、個々のウェハのパラメータ毎の偏心率e、及び図に「Crit」で示す臨界閾値を示したものである。「Crit」は、上で定義した、そのセット中の測値の数(ウェハ)から上で説明したように引き出されるeに等しい。データ・セット中のウェハの最初の数はn=12であり、それによって得られる除外基準はe=2.04である。明らかに、ウェハ12の偏心率がすべてのパラメータに対して閾値を超えていることが分かる。したがってウェハ12の測値が除外される。
【0040】
この実施例の変形態様では、かけ離れた測定データの除外を完全な基板に適用する代わりに、視野に適用することができる。したがって、基準がそのセット中の測値の数n(視野)に基づいている統計的客観的方法が適用される。(これらの視野は、単一の基板又は複数の基板に露光することができる。)一連のn個の測値の中には、偏差が標準偏差σよりはるかに大きい1つ又は複数の測値が生じることがある。これらの孤立値は、平均値μ及びn個の測値の分散に影響することがある。より詳細には、以下に示すように、上で説明した統計的判定基準が検定視野の個々のポイントiに適用される。
− 最初に、個々の視野ポイントiの特定の視野j毎に偏心率ei、jが計算され、
− 次に、チョーベネットの判定基準が適用され、偏心率が客観的統計的基準を超えている、つまりei、j>eである変動性の大きい領域の個々の視野ポイントが除外される。
【0041】
ウェハ(特定の視野の)毎の特定の測値の除外に基づいて、新しい平均及び新しい標準偏差(及び誤差)が視野ポイント毎に計算され、フィルタリングされた新しい検定視野マップが特性化される。
【0042】
この手法によれば、平均視野マップ(たとえばレンズ及びレチクルのひずみに関連する修正不能誤差の不変パターン)を最適化することができ、且つ、引き出された性能パラメータ(たとえば予測測定雑音)を再計算することができる。
【0043】
この場合も、任意選択の第2のフェーズで、個々の視野の残りの有効検定領域を評価し、且つ、もう一度チョーベネットの判定基準を適用することによって完全な視野を除外することができる。これは、無効領域が広すぎる完全な視野が自動的に除外されることを意味している。この場合、以下の手順が適用される。
− 有効検定領域の百分率[%]を視野j毎に計算する。この領域は、上で説明したように、視野毎に測値を除外することによって決定される。
− 同じ統計的判定基準を使用し、且つ、異なるパラメータ、つまりe>eである有効領域の百分率を適用して、適合しない1つ又は複数の視野を除外する。
− 適合しない1つ又は複数の視野を除外した後、新しい平均及び新しい標準偏差(及び誤差)を視野ポイント毎に再計算し、フィルタリングされた新しい検定マップを特性化する。
【0044】
図5は、視野ベースの自動データ除外方法を示すための一例として使用されるいくつかのオーバレイ測定データを示したものである。詳細には、図5は、クリア・スポット(図に示されている)を使用したオーバレイ測定データのベクトル・プロットを示したものである。図には、残留誤差即ち系統的誤差を除去した後に得られた修正不能誤差が示されている。このプロットは、25枚のウェハのバッチから選択された基板番号22を表している。この基板に対する視野の最初の数はn=44であり、それによって得られる除外基準はe=2.53である(表1)。視野毎のポイントの数は25個である。
【0045】
解析は、偏心率をウェハ上のポイント毎に計算し、且つ、偏心率が基準を超えている測値を除外することから開始される。図6は、除外されているXデータ・ポイント及びYデータ・ポイントの空間分布を示したものである。逸脱しているei、j>e(=2.53)のデータ・ポイントには、X及びYに三角の印が付けられている。判定基準に適合しているすべてのデータには十字の印が付けられている。図5と6を比較すると、大きいオーバレイ値に対応する領域、とりわけ図5に示す円で取り囲まれた視野のデータ・ポイントが除外されていることが分かる。図5及び6には、一番下の行には左から右へ、2番目の行には右から左へ、また、3番目の行には左から右へ、等々の番号が振られた44個の視野が示されていることに留意されたい。
【0046】
この実施例では、特定の視野位置iで除外された測値の最大個数は2個である(表2参照)。これは、その位置の平均が最初の44個に代わって42個の有効測値に基づいて再計算されることを意味している。X及びYの残留誤差に関しては、これは、視野の25個のポイントのうち、それぞれ4つのポイント及び1つのポイントで発生している。43個の視野からの測定データに基づいて、それぞれ平均視野の13個のポイント(X)及び9個のポイント(Y)を検定することができる。また、n=44個の最初の測値セットに基づいて、8個のポイント(X)及び15個のポイント(Y)を検定することができる。これは、この測値のYの品質がXの品質と比較してより良好であることを意味している。n=44個の最初のセットに基づいて平均修正不能フィンガプリントを再計算すると、それぞれ32%(X)及び60%(Y)になる。
【0047】
【表2】

【0048】
ここでは、取るべき3つの手順が存在している。平均修正不能フィンガプリント及び測定雑音を次のうちのいずれかによって計算することができる。
− 単一ポイント(部分視野)を除外する(すべての視野が維持されるが、特定の視野の特定のポイントから部分的に除外される)
− 視野を除外する(孤立値が極端に多い視野のみが完全に除外される)
− 単一ポイントの除外と視野の除外を組み合わせる
【0049】
これについて、図7を参照して説明する。図7の上の部分には、X及びYの残余に対する視野毎の除外領域、及び視野全体に対して計算された平均(点線)が示されている。図の下の部分には、チョーベネットの判定基準を有効領域[%]に適用した視野偏心率eが示されている。閾値eは、黒い線で示す2.53である。
【0050】
図7の上の部分には、視野毎のデータ除外(水平軸)の概観が、影響された領域の形で示されている。たとえば視野1には1つの孤立測値がXに含まれており、視野検定領域が4%(25個のポイントのうちの1つ)であることを表している。視野1の除外領域は4%であると言える。このプロットから、X及びYにおける除外ポイントがそれぞれ4つのポイント(16%)及び5つのポイント(20%)である視野23(図5の円で取り囲まれた視野)の極端な場合を直ちに観察することができる。
【0051】
図7の下の部分は、もう1度チョーベネットの判定基準を適用した視野除外方法を適用した結果を示したものであるが、ここでは、視野毎の除外領域の違いが評価されている。このグラフには、n=44個の視野に基づくチョーベネットの判定基準(黒い線)が含まれている。視野6、9及び23は、X、Yのいずれか、又はX及びYの両方に対する除外領域が極端に広いため、それらを除外しなければならないことが分かる。
【0052】
表3及び表4は、視野の一部を除外する方法及び視野全体を除外する方法の両方の有効性を示したものである。この実施例では、最初の修正不能フィンガプリントが既にゼロに近づいているが、いずれの手法によってもフィンガプリントが減少し、且つ、測定雑音が著しく抑制されるため、試験結果の信頼性が高くなることに留意されたい。
【0053】
図8は、ウェハの最初のバッチに対するXの測定雑音を示したもので、この解析に際してはウェハ22が取り上げられている。黒い線は、平均雑音レベルを表している。孤立測値を除外した後のウェハ22の雑音レベルは、平均バッチ雑音レベルに近くなっていることに留意されたい。投影システムの検定(修正不能誤差)、マシンの較正又は検証(マッチング又はレベリング)、或いは基準基板の検定などの他のアプリケーションでは、雑音を抑制することによって精度が向上し、モデル(較正)パラメータをより良好な信頼レベルで予測することができる。
【0054】
【表3】

【0055】
【表4】

【0056】
本明細書においては、とりわけICの製造におけるリソグラフィ装置の使用が参照されているが、本明細書において説明したリソグラフィ装置は、集積光学系、磁気領域メモリのための誘導及び検出パターン、フラット・パネル・ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造などの他のアプリケーションを有していることを理解されたい。このような代替アプリケーションのコンテキストにおいては、本明細書における「ウェハ」又は「ダイ」という用語の使用はすべて、それぞれより一般的な「基板」又は「目標部分」という用語の同義語と見なすことができることは当業者には理解されよう。本明細書において参照されている基板は、たとえばトラック(通常、基板にレジストの層を塗布し、且つ、露光済みのレジストを現像するツール)、度量衡学ツール及び/又は検査ツール中で、露光前又は露光後に処理することができる。適用可能である場合、本明細書における開示は、このような基板処理ツール及び他の基板処理ツールに適用することができる。また、基板は、たとえば多層ICを生成するために複数回にわたって処理することができるため、本明細書において使用されている基板という用語は、処理済みの複数の層が既に含まれている基板を指している場合もある。
【0057】
また、本発明による実施例の使用について、とりわけ光リソグラフィのコンテキストの中で参照されているが、本発明は、他のアプリケーション、たとえば転写リソグラフィに使用することができ、コンテキストが許容する場合、光リソグラフィに限定されないことは理解されよう。転写リソグラフィの場合、基板に生成されるパターンは、パターニング・デバイスのトポグラフィによって画定される。パターニング・デバイスのトポグラフィが、基板に供給されているレジストの層にプレスされ、次に、レジストを硬化させるべく、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せが印加される。レジストが硬化すると、パターニング・デバイスがレジストから除去され、後にパターンが残される。
【0058】
本明細書に使用されている「放射」及び「ビーム」という用語には、紫外(UV)放射(たとえば波長が365nm、355nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの放射或いはその近辺の波長の放射)、及び極紫外(EUV)放射(たとえば波長の範囲が5〜20nmの放射)、並びにイオン・ビーム又は電子ビームなどの粒子線を含むあらゆるタイプの電磁放射が包含されている。
【0059】
コンテキストが許容する場合、「レンズ」という用語は、屈折光学コンポーネント、反射光学コンポーネント、磁気光学コンポーネント、電磁光学コンポーネント及び静電光学コンポーネントを始めとする様々なタイプの光学コンポーネントのうちの任意の1つ又は組合せを意味している。
【0060】
以上、本発明の特定の実施例について説明したが、説明した以外の方法で本発明を実践することができることは理解されよう。たとえば本発明は、上で開示した方法を記述した1つ又は複数の機械可読命令シーケンスを含んだコンピュータ・プログラムの形態を取ることができ、或いはこのようなコンピュータ・プログラムを記憶したデータ記憶媒体(たとえば半導体記憶装置、磁気ディスク又は光ディスク)の形態を取ることができる。
【0061】
以上の説明は、本発明の例示を意図したものであり、本発明を何ら制限するものではない。したがって、特許請求の範囲に示す各請求項の範囲を逸脱することなく、上で説明した本発明に改変を加えることができることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施例によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】基板ホルダを検定するための測定技法を示す図である。
【図3】本発明の一実施例の流れ図である。
【図4】本発明の一実施例として使用されるデータのサンプル・セットにおける測値除外を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施例に使用されるオーバレイ残留誤差データをプロットしたグラフである。
【図6】図5に示すデータ例で除外された測値を示すグラフである。
【図7】図5に示す例における測値除外の2つのステージの効果を示すグラフである。
【図8】図5に示すデータ例における測値除外の効果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0063】
AD 放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタ
B 放射ビーム
BD ビーム引渡しシステム
C 基板の目標部分
CO コンデンサ
DS1〜DS5 データ・セット
IF 位置センサ
IL 照明システム(イルミネータ)
IN インテグレータ
MA パターニング・デバイス(マスク)
MT 支持構造(マスク・テーブル)
M1、M2 マスク・アライメント・マーク
PM 第1のポジショナ
PS 投影システム
PW 第2のポジショナ
P1、P2 基板アライメント・マーク
SO 放射源
S1〜S7 ステップ
W 基板
WT 基板テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置を較正する方法であって、
複数の測定値を含んだ第1のデータ・セットを生成するために、前記リソグラフィ装置の性能を表すパラメータの値を、複数の異なる位置で、複数回にわたって測定し、且つ/又は前記リソグラフィ装置の複数の設定値で測定するステップと、
前記第1のデータ・セットのサブセットである第2のデータ・セットを生成するステップであって、前記第1のデータ・セットのうちの前記第2のデータ・セットに包含するためのデータ値を選択する所定の判定基準を使用して生成するステップと、
前記第2のデータ・セットから較正値を引き出すために所定の統計的プロセスを使用するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記パラメータが、1つ又は複数の次元におけるオーバレイ性能及び集束性能のうちのいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の測値が、基板の領域全体に間隔を隔てて配置された異なる位置で獲得される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の測値が、複数の異なる基板を使用して獲得される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の測値が、前記複数の基板の個々の基板上で獲得された複数の測値を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の判定基準が個々の基板の個々の測値を選択又は除外するために個々に適用され、次に、第2の判定基準が個々の基板の測値の複数のグループに集合的に適用され、それによりそのグループのすべての測値が選択又は除外される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の所定の判定基準が、閾値に対する前記所定の判定基準によって除外された個々のグループの測値の割合の比較を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のグループの各々が、対応する基板のすべての測値を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のグループの各々が、対応する基板の視野のすべての測値を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記所定の判定基準がチョーベネットの判定基準又はパースの判定基準である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の判定基準が絶対閾値である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
パターニング・デバイスから基板へパターンを転送するようになされたリソグラフィ装置を使用したデバイス製造方法であって、
複数の測定値を含んだ第1のデータ・セットを生成するために、前記リソグラフィ装置の性能を表すパラメータの値を、複数の異なる位置で、複数回にわたって測定し、且つ/又は前記リソグラフィ装置の複数の異なる設定値で測定するステップと、
前記第1のデータ・セットのサブセットである第2のデータ・セットを生成するステップであって、前記第1のデータ・セットのうちの前記第2のデータ・セットに包含するためのデータ値を選択する所定の判定基準を使用して生成するステップと、
前記第2のデータ・セットから較正値を引き出すために所定の統計的プロセスを使用するステップ
とによって前記リソグラフィ装置を較正するステップと、
前記リソグラフィ装置のパラメータを調整するために、前記較正値を使用して第2の基板にデバイス・パターンを転送するステップとを含む方法。
【請求項13】
リソグラフィ装置の一部を検定する方法であって、
複数の測定値を含んだ第1のデータ・セットを生成するために、前記部分の所望の品質を表すパラメータの値を、複数の異なる位置で測定し、且つ/又は複数回にわたって測定するステップと、
前記第1のデータ・セットのサブセットである第2のデータ・セットを生成するステップであって、前記第1のデータ・セットのうちの前記第2のデータ・セットに包含するためのデータ値を選択する所定の判定基準を使用して生成するステップと、
前記第2のデータ・セットから検定値を引き出すために所定の統計的プロセスを使用するステップであって、前記部分を使用する是非を前記検定値に基づいて判断することができるステップとを含む方法。
【請求項14】
前記複数の測値が、基板の領域全体に間隔を隔てて配置された異なる位置で獲得される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の測値が、複数の異なる基板を使用して獲得される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の測値が、前記複数の基板の個々の基板上で獲得された複数の測値を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記所定の判定基準が個々の基板の個々の測値を選択又は除外するために個々に適用され、次に、第2の判定基準が個々の基板の測値の複数のグループに集合的に適用され、それによりそのグループのすべての測値が選択又は除外される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の所定の判定基準が、閾値に対する前記所定の判定基準によって除外された個々のグループの測値の割合の比較を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のグループの各々が、対応する基板のすべての測値を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のグループの各々が、対応する基板の視野のすべての測値を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記所定の判定基準がチョーベネットの判定基準又はパースの判定基準である、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記所定の判定基準が絶対閾値である、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記部分が基板ホルダであり、前記パラメータが前記基板ホルダの平面度である、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記部分が投影システムであり、前記パラメータが修正不能誤差である、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
前記部分が基準基板ホルダであり、前記パラメータが前記基準基板の平面度である、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−27718(P2007−27718A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188743(P2006−188743)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】