説明

リパーゼ及びホスホリパーゼ阻害剤としてのベンゾチアゾール−2−オン誘導体

本発明は、一般式(I)
【化1】


のベンゾチアゾール−2−オン誘導体(明細書に記載した意味を有する)、その医薬上使用可能な塩、及び医薬物質としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式Iのベンゾチアゾール−2−オン誘導体、それらの医薬上有用な塩、及び医薬物質としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
類似構造のベンゾチアゾロン誘導体はEP 0334134、EP0391186及びDE 2101150に記載されている。しかしながら、これらは農薬及び殺菌剤として用いられる。
【0003】
ホルモン感受性リパーゼに対して阻害効果を有する化合物は先行技術、例えば WO2004/035550、WO2005/073199又はWO03/051842に記載されている。
【0004】
内皮リパーゼに対して阻害効果を有する化合物は先行技術、例えば WO2004/094394、WO2004/094393 に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ホルモン感受性リパーゼ又は内皮リパーゼに対して阻害効果を有する化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一般式Iのベンチアゾール−2−オン誘導体
【化1】

(式中の意味は下記の通りである:
R1は、(C5−C16)−アルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキルアミノカルボニル、(C1−C6)−アルコキシカルボニル、(C1−C6)−アルキルカルボニル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、(C1−C6)−アルキルスルホニル又はアミノスルホニルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2は、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2は、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和若しくは部分不飽和の4〜7員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の8〜14員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−C(=O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3、R4、R5は、水素、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−OR7、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキルスルホニル、(C1−C6)−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6は、水素、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
但し、置換基R3、R4、R5の1個よりも多くがハロゲン、トリフルオロメチル又は(C1−C6)−アルキルであることはなく;
R7は、水素、(C1−C6)−アルキル、ベンジルであり;
R8、R8aは、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、CO−OR7、シクロプロピル、シクロプロピレンであり;
R9、R10は、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキル、−(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、(C3−C12)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C3−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環である);
上記化合物の互変異性形及びその生理的に許容される塩に関する。
【0007】
好ましい式Iの化合物は、
R1が、(C6−C12)−アルキル、(C1−C3)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C3)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C3)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C4−C12)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、トリフルオロメチルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和の5〜6員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の9〜10員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−O−、−S−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3、R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、アミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキルアミノカルボニル、COOR7、(C1−C6)−アルキルスルホニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキル−アミノカルボニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
但し、置換基R3、R4、R5の1個よりも多くがハロゲン、トリフルオロメチル又は(C1−C6)−アルキルであることはなく;
R7が、水素、(C1−C6)−アルキル、ベンジルであり;
R8、R8aが、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、COOR7、シクロプロピル、シクロプロピレンであり;
R9、R10が、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、(C3−C12)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキルである、
化合物である。
【0008】
好ましい式Iの化合物はまた、
R1が、(C6−C12)−アルキル、(C1−C3)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C3)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C3)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C4−C12)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、トリフルオロメチルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和の5〜6員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の9〜10員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−O−、−S−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3、R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、アミノ、COOR7、(C1−C6)−アルキルスルホニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキル−アミノカルボニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
但し、置換基R3、R4、R5の1個よりも多くがハロゲン、トリフルオロメチル又は(C1−C6)−アルキルであることはなく;
R7が、水素、(C1−C6)−アルキル、ベンジルであり;
R8、R8aが、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、COOR7、シクロプロピル、シクロプロピレンであり;
R9、R10が、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキル、(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリールである、
化合物である。
【0009】
特に好ましい式Iの化合物は、
R1が、(C6−C12)−アルキル、(C1−C3)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C3)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C3)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C4−C12)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、トリフルオロメチルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和の5〜6員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の9〜10員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−O−、−S−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3、R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキル、ヒドロキシ、アミノ、COOR7、(C1−C6)−アルキルスルホニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキルアミノカルボニル、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
但し、置換基R3、R4、R5の1個よりも多くがハロゲン、トリフルオロメチル又は(C1−C6)−アルキルであることはなく;
R7が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;
R8、R8aが、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シクロプロピルであり;
R9、R10が、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキルである、
化合物である。
【0010】
更なる特に好ましい式Iの化合物は、
R1が、(C6−C12)−アルキル、ベンジル、(C1−C3)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C3)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環であり、ここで、ベンジル、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ又はトリフルオロメチルで置換されていてもよく;
R2が、水素であり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和の5〜6員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−NR9−のシリーズからの1〜2個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、ここで、R8は上記定義の通りであり、そしてR9は(C1−C6)−アルキル又はシクロプロピルである、
化合物である。
【0011】
更なる特に好ましい式Iの化合物はまた、
R1が、(C6−C12)−アルキル、ベンジル、(C1−C2)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C2)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環であり、ここで、ベンジル、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ又はトリフルオロメチルで置換されていてもよく;
R2が、水素であり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和の5〜6員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−NR9−のシリーズからの1〜2個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、ここで、R8は上記定義の通りであり、そしてR9は(C1−C6)−アルキル又はシクロプロピルである、
化合物である。
【0012】
実に特に好ましい式Iの化合物は、
R1が、(C7−C12)−アルキル、ベンジル、(C1−C3)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C3)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル又は(C8−C14)−二環であり、ここで、ベンジル、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ又はトリフルオロメチルで置換されていてもよく;
R2が、水素であり;
R3、R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキル、トリフルオロメチル、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシである、
化合物である。
【0013】
実に特に好ましい式Iの化合物はまた、
R1が、(C6−C12)−アルキル、ベンジル、CH2−(C5−C12)−ヘテロアリール又は(C8−C14)−二環であり、ここで、ベンジル、ヘテロアリール又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ又はトリフルオロメチルで置換されていてもよく;
R2が、水素であり;
R3、R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキル、トリフルオロメチル、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素である、
化合物である。
【0014】
更なる実に特に好ましい式Iの化合物は、
R1が、(C6−C12)−アルキル、ベンジルであり、ここで、ベンジルはメチルで置換されていてもよく;
R2が、水素であり;
R3が、水素であり;
R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチルであり;
R6が、水素である、
化合物である。
【0015】
R3が水素である式Iの化合物は、本発明の好ましい実施形態である。
【0016】
更なる好ましい式Iの化合物は、R3、R6が水素であり、そしてR4又はR5が水素でない化合物である。
【0017】
本発明は、塩、ラセミ体、ラセミ混合物及び純粋なエナンチオマーの形態の式Iの化合物、並びにそれらのジアステレオマー及びその混合物に関する。
【0018】
置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R8a、R9及びR10におけるアルキル基は、直鎖状又は分枝状の何れであってもよい。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特にフッ素又は塩素である。
【0019】
アリールは、一つ又は複数の環中に6〜10個の原子を含む、芳香族炭素環式の単環式又は二環式環系を意味する。
【0020】
ヘテロアリールは、環系中の少なくとも1個の原子がN、O及びSのシリーズからのヘテロ原子である、5〜12個の環構成員を有する単環式又は二環式の芳香族環系である。
【0021】
好適な「ヘテロアリール環」又は「ヘテロアリール基」は、例えば、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、キノリニル、フリル、フラザニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピロリル、チアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チオフェニルである。
【0022】
好ましいヘテロアリール基は、チオフェニル、ピリジル及びピラゾリルである。ヘテロアリール環又はヘテロアリール基は、好適な基で1回又はそれ以上置換されていてもよい。
【0023】
シクロアルキル基は、1個又はそれ以上の環を含み、そして飽和又は部分不飽和(1個又は2個の二重結合を有する)の形態にあり、そして炭素原子だけから構成される環系である。シクロアルキル基は、好適な基で1回又はそれ以上置換されていてもよい。
【0024】
二環は、飽和又は部分不飽和形態にあり、そして炭素のほかに1個又はそれ以上のヘテロ原子、例えば窒素、酸素又は硫黄等を含んでいてもよい、二環式の環系を意味する。この定義は、縮合したベンゼン核を含む環系をも包含する。挙げ得る例は、テトラヒドロナフチル、アルファ−若しくはベータ−テトラロン−、インダニル−又はインダン−1−オン−イル基である。好ましい二環式基は、式Icの基
【化2】

であり、ここで、q=1又は2である。
【0025】
医薬上許容される塩は、それらの水における溶解度が最初の又は基本の化合物よりも大きいので、医学的応用に特に適している。これらの塩は医薬上許容される陰イオン又は陽イオンを有する必要がある。本発明の化合物の好適な医薬上許容される酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸の塩、並びに有機酸、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及び酒石酸等の塩である。好適な医薬上許容される塩基の塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム及びカリウム塩)、及びアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム及びカルシウム塩)、並びにトロメタモール(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ジエタノールアミン、リジン又はエチレンジアミンの塩である。
【0026】
医薬上許容されない陰イオンとの塩、例えばトリフルオロ酢酸塩等もまた、医薬上許容される塩を製造若しくは精製するための有用な中間体として、及び/又は非治療的な、例えばインビトロでの応用に使用するために、本発明の範囲内に同様に属する。
【0027】
本明細書で用いられる「生理的に機能性の誘導体」という用語は、哺乳動物、例えばヒト等に投与すると式Iの化合物又はその活性代謝物を(直接的又は間接的に)形成し得る、本発明の式Iの化合物のあらゆる生理的に許容される誘導体、例えばエステルを指す。
【0028】
生理的に機能性の誘導体はまた、例えば H. Okada et al., Chem. Pharm. Bull. 1994,
42, 57-61 に記載されているような、本発明の化合物のプロドラッグを包含する。このようなプロドラッグは、生体内で本発明の化合物に代謝され得る。これらのプロドラッグはそれら自体が活性であっても活性でなくてもよい。
【0029】
本発明の化合物はまた、種々の多形形態で、例えば無定形及び結晶性の多形形態として存在することができる。本発明の化合物の全ての多形形態は本発明の範囲内に属し、そして本発明のもう一つの側面である。
【0030】
「式Iの化合物」の全ての言及は、以下、上記の式Iの化合物、並びに本明細書に記載したそれらの塩、溶媒和物及び生理的に機能性の誘導体を指す。
【0031】
使用
一般式I中の意味が下記の通りである:
R1が、(C5−C16)−アルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキルアミノカルボニル、(C1−C6)−アルコキシカルボニル、(C1−C6)−アルキルカルボニル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、(C1−C6)−アルキルスルホニル又はアミノスルホニルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和若しくは部分不飽和の4〜7員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の8〜14員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−C(=O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3、R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−OR7、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキルスルホニル、(C1−C6)−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1
−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R7が、水素、(C1−C6)−アルキル、ベンジルであり;
R8、R8aが、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、CO−OR7、シクロプロピル、シクロプロピレンであり;
R9、R10が、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキル、−(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、(C3−C12)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C3−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環である一般式Iの化合物;
該化合物の互変異性形及びその生理的に許容される塩は、ホルモン感受性リパーゼ、HSL、すなわち、インスリンにより阻害され、脂肪細胞中の脂肪の分解に関与し、従って脂肪成分の血流中への輸送に関与する、脂肪細胞中のアロステリック酵素に対して驚くべき阻害効果を有する。従ってこの酵素の阻害は、本発明の化合物のインスリン様効果に相当し、最終的に血液中の遊離脂肪酸及び血糖の低下をもたらす。従ってそれらは代謝異常のために、例えばインスリン非依存性糖尿病のため、糖尿病性症候群のため及び直接膵臓損傷のため等に用いることができる。
【0032】
本発明の一般式Iの化合物、特にR2が水素である化合物は、内皮リパーゼ(EL)に対する阻害効果を更に有する。ELのための好ましい基質はHDLであり、これは抗アテローム性動脈硬化活性を有する。HDLレベルの低下はアテローム性動脈硬化症の進行及びその続発症、例えば冠状動脈性心疾患につながり、そして更にメタボリック症候群及びその続発性糖尿病の発症を助長する。従ってELの阻害は、一般的にアテローム動脈硬化性障害の予防をもたらすはずであり、そして間接的には糖尿病の高い危険性を有する人々の発病の確率を低下させるはずである。
【0033】
更に、本発明の一般式Iの化合物の阻害効果は、他のリパーゼに関して選択的であることを見出した。
【0034】
本発明の式Iの化合物はまた、トリグリセリドリパーゼに対して阻害効果を有することがある。
【0035】
このタイプの化合物は、下記の治療及び/又は予防に特に適している:
1.− 脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害
2.− 筋細胞、脂肪細胞及び肝細胞のインスリン感受性の障害(インスリン抵抗性)
− メタボリック症候群
3.糖尿病、特に2型糖尿病、それに関連する続発症の予防を包含する。
これに関して特別な側面は、
− 高血糖症
− インスリン抵抗性の改善
− 耐糖能の改善
− 膵臓β細胞の保護
− 大血管及び微小血管障害の予防
4.異脂肪血症(dyslipidemias)及びその続発症、例えば、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、脳血管障害等、特に下記要因の一つ又はそれ以上を特徴とするもの(しかし、それらに限定されない):
− 高い血漿トリグリセリド濃度、高い食後血漿トリグリセリド濃度
− 低いHDLコレステロール濃度
− 低いアポAリポタンパク質濃度
− 高いLDLコレステロール濃度
− 小さく高比重のLDLコレステロール粒子
− 高いアポBリポタンパク質濃度
5.メタボリック症候群に関連することのある種々の他の身体状態、例えば:
− 肥満(過剰体重)、中心性肥満を包含する
− 血栓症、凝固亢進及び血栓症前の状態(動脈及び静脈)
− 高血圧
− 心不全、例えば、心筋梗塞、高血圧性心疾患又は心筋症等に続くもの(しかしこれらに限定されない)
6.例えば炎症反応又は細胞分化が関与することのある他の障害又は身体状態は、下記のものである:
− アテローム性動脈硬化症、例えば、狭心症又は心筋梗塞を包含する冠状動脈硬化症、卒中等(しかしこれらに限定されない)
− 血管再狭窄又は再閉塞
− 慢性炎症性腸疾患、例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎等
− 膵臓炎
− 他の炎症性状態
− 網膜症
− 脂肪細胞腫
− 脂肪細胞癌、例えば、脂肪肉腫等
− 固形腫瘍及び新生物、例えば、消化管、肝臓、胆道及び膵臓の癌、内分泌腫瘍、肺、腎臓及び尿路、生殖管の癌、前立腺癌等(しかしこれらに限定されない)
− 急性及び慢性骨髄増殖性疾患及びリンパ腫
− 血管新生
− 神経変性疾患
− アルツハイマー病
− 多発性硬化症
− パーキンソン病
− 紅斑落屑性皮膚疾患、例えば、乾癬等
− 尋常性挫瘡
− PPARにより調節される他の皮膚障害及び皮膚科学的状態
− 湿疹及び神経皮膚炎
− 皮膚炎、例えば、脂漏性皮膚炎又は光線皮膚炎等
− 角膜炎及び角化症、例えば、脂漏性角化症、老人性角化症、光線性角化症、光誘発角化症又は毛包性角化症等
− ケロイド及びケロイド予防
− いぼ、コンジローマ又は尖圭コンジローマを包含する
− ヒト乳頭種ウイルス(HPV)感染、例えば、性病性乳頭種等、ウイルス性いぼ、例えば、伝染性軟属腫、白板症等
− 丘疹性皮膚炎、例えば、扁平苔癬等
− 皮膚癌、例えば、基底細胞癌、黒色腫又は皮膚T細胞リンパ腫等
− 限局性良性表皮性腫瘍、例えば、角皮症、表皮母斑等
− 凍瘡
− 高血圧
− X症候群
− 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
− 喘息
− 骨関節炎
− 紅斑性狼瘡(LE)又は炎症性リウマチ障害、例えば、関節リウマチ等
− 脈管炎
− 消耗(悪液質)
− 痛風
− 虚血/再かん流症候群
− 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
【0036】
内皮リパーゼを阻害する化合物は、下記の治療及び/又は予防に特に適している:
1.異脂肪血症及び脂質代謝の全身障害(general impairment)、並びにそれらの続発症、例えば、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、脳血管障害等、特に下記要因の一つ又はそれ以上を特徴とするもの(しかし、それらに限定されない):
− 高い血漿トリグリセリド濃度、高い食後血漿トリグリセリド濃度
− 低いHDLコレステロール濃度
− 低いアポAリポタンパク質濃度
− 高いLDLコレステロール濃度
− 小さく高比重のLDLコレステロール粒子
− 高いアポBリポタンパク質濃度
2.メタボリック症候群に関連することのある種々の他の身体状態、例えば:
− 肥満(過剰体重)、中心性肥満を包含する
− 血栓症、凝固亢進及び血栓症前の状態(動脈及び静脈)
− 高血圧
− 心不全、例えば、心筋梗塞、高血圧性心疾患又は心筋症等に続くもの(しかしこれらに限定されない)
− 糖尿病、特に2型糖尿病、それに関連する続発症(高血糖、耐糖能障害、膵臓β細胞の減少、大血管及び微小血管障害)の予防を包含する
3.例えば炎症反応又は細胞分化が関与することのある他の障害又は症状は、下記のものである:
− アテローム性動脈硬化症、例えば、狭心症又は心筋梗塞を包含する冠状動脈硬化症、卒中等(しかしこれらに限定されない)
− 血管再狭窄又は再閉塞
− 慢性炎症性腸疾患、例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎等
− 膵臓炎
− 他の炎症性状態
− 網膜症
− 脂肪細胞腫
− 脂肪細胞癌、例えば、脂肪肉腫等
− 固形腫瘍及び新生物、例えば、消化管、肝臓、胆道及び膵臓の癌、内分泌腫瘍、肺、腎臓及び尿路、生殖管の癌、前立腺癌等(しかしこれらに限定されない)
− 急性及び慢性骨髄増殖性疾患及びリンパ腫
− 血管新生
− 神経変性疾患
− アルツハイマー病
− 多発性硬化症
− パーキンソン病
− 紅斑落屑性皮膚疾患、例えば、乾癬等
− 尋常性挫瘡
− PPARにより調節される他の皮膚障害及び皮膚科学的状態
− 湿疹及び神経皮膚炎
− 皮膚炎、例えば、脂漏性皮膚炎又は光線皮膚炎等
− 角膜炎及び角化症、例えば、脂漏性角化症、老人性角化症、光線性角化症、光誘発角化症又は毛包性角化症等
− ケロイド及びケロイド予防
− いぼ、コンジローマ又は尖圭コンジローマを包含する
− ヒト乳頭種ウイルス(HPV)感染、例えば、性病性乳頭種等、ウイルス性いぼ、例えば伝染性軟属腫、白板症等
− 丘疹性皮膚炎、例えば、扁平苔癬等
− 皮膚癌、例えば、基底細胞癌、黒色腫又は皮膚T細胞リンパ腫等
− 限局性良性表皮性腫瘍、例えば、角皮症、表皮母斑等
− 凍瘡
− 高血圧
− X症候群
− 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
− 喘息
− 骨関節炎
− 紅斑性狼瘡(LE)又は炎症性リウマチ障害、例えば、関節リウマチ等
− 脈管炎
− 消耗(悪液質)
− 痛風
− 虚血/再かん流症候群
− 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
【0037】
製剤
所望の生物学的効果を達成するために必要な本発明の化合物の量は、多くの要因、例えば選択した特定の化合物、使用目的、投与方式及び患者の臨床状態に依存する。1日量は、一般に1日当たり及び体重1キログラム当たり0.3mg〜100mg(典型的には3mg〜50mg)の範囲、例えば3〜10mg/kg/日である。静脈内用量は、例えば0.3mg〜1.0mg/kgの範囲にあってよく、これは1キログラム当たり及び1分当たり10ng〜100ngの注入として好適に投与することができる。これらの目的に適する注入液剤は、例えば1ミリリットル当たり0.1ng〜10mg、典型的には1ng〜10mgを含有することができる。単回投与剤は、例えば1mg〜10gの活性成分を含有することができる。従って、注射用アンプルは、例えば1mg〜100mgを含有することができ、そして経口投与し得る単回投与製剤、例えば錠剤又はカプセルは、例えば0.05〜1000mg、典型的には0.5〜600mgを含有することができる。上記の身体状態を治療するために、式Iの化合物は化合物それ自体として使用できるが、それらは好ましくは許容される担体との医薬組成物の形態にある。担体は当然のことながら、組成物の他の成分と適合性であり、かつ患者の健康に有害でないという意味で許容される必要がある。担体は固体若しくは液体又は両方であってよく、そして本化合物と共に単回投与剤として、例えば錠剤として好ましく製剤化され、それは0.05%〜95質量%の活性成分を含有することができる。本発明の他の化合物を包含する他の医薬活性物質もまた存在させることができる。本発明の医薬組成物は、成分を薬理的に許容される担体及び/又は添加剤と混合することから本質的になる、公知の製薬方法の一つにより製造することができる。
【0038】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、局所、口腔内(例えば舌下)及び非経口(例えば皮下、筋肉内、皮内又は静脈内)投与に適するものであるが、最適な投与方式は、それぞれ個別の場合の治療すべき身体状態の性質及び重症度、並びにそれぞれの場合に用いられる式Iの化合物の性質に依存する。被覆製剤及び被覆徐放性製剤もまた、本発明の範囲内に属する。耐酸性及び耐胃液性製剤が好ましい。胃液に抵抗性の好適な被覆剤は酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、並びにメタクリル酸及びメタクリル酸メチルの陰イオン性ポリマーを含む。
【0039】
経口投与に適する医薬調製物は、それぞれが規定量の式Iの化合物を含有する個別単位の形態、例えばカプセル剤、カシェ剤、サッカブル錠剤(suckable tablet)又は錠剤等;散剤又は顆粒剤等;水性又は非水性液体中の液剤又は懸濁剤等;又は水中油滴型若しくは油中水滴型エマルジョン剤等の形態にあってよい。これらの組成物は、既に述べたように、活性成分及び担体(これらは1種又はそれ以上の追加成分からなっていてもよい)を接触させる工程を含む任意の好適な製薬方法により製造することができる。組成物は、一般に活性成分を液状の及び/又は微粉化した固体の担体と一様かつ均一に混合し、その後、生成物を必要に応じて成形することによって製造される。従って、例えば、錠剤は、必要に応じて1種又はそれ以上の追加成分を含む本化合物の粉末又は顆粒を圧縮又は成形することにより製造することができる。圧縮錠剤は、自由流動性形態、例えば粉末又は顆粒の本化合物を、必要に応じて結合剤、流動促進剤、不活性賦形剤及び/又は1種又はそれ以上の界面活性/分散剤と、好適な装置で混合し打錠することにより製造することができる。湿製錠剤は、粉末形態にあり、かつ不活性液体希釈剤で湿らせた本化合物を、好適な装置で成型することにより製造することができる。
【0040】
口腔内(舌下)投与に適する医薬組成物は、式Iの化合物を着香料、普通はショ糖及びアラビアゴム又はトラガントガムと共に含有するサッカブル錠剤、並びに不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセロール又は蔗糖及びアラビアゴム中に本化合物を含むパステル剤を包含する。
【0041】
非経口投与に適する医薬組成物は、好ましくは式Iの化合物の滅菌水性調製物を包含し、これらは好ましくは意図されるレシピエントの血液と等張性である。これらの調製物は好ましくは静脈内投与できるが、投与は皮下、筋肉内又は皮内注射により行ってもよい。これらの調製物は、本化合物を水と混合し、そして得られた溶液を滅菌しかつ血液と等張性にすることにより好ましく製造することができる。本発明の注射用組成物は、一般的に0.1〜5質量%の活性化合物を含有する。
【0042】
直腸投与に適する医薬組成物は、好ましくは単回投与坐剤の形態にある。これらは式Iの化合物を1種又はそれ以上の従来の固体担体、例えばカカオ脂と混合し、そして得られた混合物を成形することにより製造される。
【0043】
皮膚への局所使用に適する医薬組成物は、好ましくは軟膏、クリーム、ローション、ペースト、スプレー、エアゾール又はオイルの形態にある。使用できる担体は、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール類、アルコール及びこれらの物質の2種又はそれ以上の組み合わせである。活性成分は、一般的に組成物の0.1〜15質量%、例えば0.5〜2%の濃度で存在する。
【0044】
経皮投与も可能である。経皮使用に適する医薬組成物は、患者の表皮との長期の密接な接触に適する単回投与パッチの形態にあってよい。このようなパッチは、好適には、接着剤に溶解及び/又は分散されたか又はポリマーに分散された活性成分を、必要に応じて緩衝化された水溶液中に含有する。好適な活性成分濃度は、約1%〜35%、好ましくは約3%〜15%である。活性成分を放出させるための特別の可能性は、例えば Pharmaceutical Research, 2(6): 318 (1986) に記載されたようなエレクトロトランスポート又はイオントフォレーゼによるものである。
【0045】
R2が水素である式Iの化合物は、脂質代謝の障害に対する好ましい効果によって区別される。それらはHDL対LDL比に有利な影響を及ぼし、そして脂質異常症及びメタボリック症候群並びにそれらの広範な続発症、例えばアテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、心不全、肥満及び糖尿病の予防及び治療に適している。
【0046】
他の医薬との併用
本発明の化合物は、単独で、又は例えば代謝障害若しくはそれにしばしば関連する障害に対して好ましい効果を有する1種若しくはそれ以上の他の薬理活性物質と組み合わせて投与することができる。このような医薬の例は下記のものである:
1 血糖を低下させる医薬、抗糖尿病剤
2 異脂肪血症を治療するための活性成分
3 抗アテローム性動脈硬化剤
4 抗肥満剤
5 抗炎症活性成分
6 悪性腫瘍を治療するための活性成分
7 抗血栓性活性成分
8 高血圧を治療するための活性成分
9 心不全を治療するための活性成分、並びに
10 糖尿病に起因するか又は糖尿病に関連する合併症を治療又は予防するための活性成分。
【0047】
それらは、特に効果を相乗的に改善するために本発明の式Iの化合物と組み合わせることができる。活性成分組み合わせの投与は、患者に活性成分を別々に投与するか、又は一つの医薬調製物中に複数の活性成分が存在する組み合わせ製品の形態で投与するかの何れによっても行うことができる。
【0048】
挙げることのできる例は、下記のものである:
抗糖尿病剤
好適な抗糖尿病剤は、例えば Rote Liste 2001, chapter12 又は USP Dictionary of USAN and International Drug Names, US Pharmacopeia, Rockville 2003に記載されている。抗糖尿病剤は、全てのインスリン類及びインスリン誘導体、例えば Lantus(登録商標) (www.lantus.com 参照) 又はApidra(登録商標)、及び他の速効性インスリン (US6,221,633 参照)、WO01/04146に記載されたGLP−1受容体モジュレーター 又はそのほかに、例えば Novo Nordisk A/S の WO98/08871 に開示されたものを包含する。
【0049】
経口的に有効な血糖降下活性成分は、好ましくは、ベータ細胞のATP−依存性カリウムチャンネルに作用するスルホニル尿素(例えばWO 97/26265及びWO 99/03861に記載されたもの)、ビグアニド、メグリチニド、グルカゴン拮抗剤、経口GLP−1作動剤、DPP−IV阻害剤、インスリン抵抗性改善剤、例えばPPAR及びPXRモジュレーター、並びに例えば、オキサジアゾリジンジオン、チアゾリジンジオン等のような活性成分、糖新生及び/又はグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素の阻害剤、グルコース取り込みのモジュレーター、例えばグルコシダーゼ阻害剤等、脂質代謝を変更して血中脂質組成の変化に導く化合物、食物摂取又は食物取り込みを減少させる化合物を包含する。
【0050】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、インスリンと組み合わせて投与される。
【0051】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、肝臓グルコース生成に影響を与える物質、例えば、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤 (WO01/94300、WO 02/096864、WO 03/084923、WO 03/084922、WO 03/104188 参照) と組み合わせて投与される。
【0052】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、ベータ細胞のATP−依存性カリウムチャンネルに作用する活性成分、例えば、スルホニル尿素(例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド)又はグリニド(例えばレパグリニド)等と組み合わせて投与される。
【0053】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、ビグアニド、例えばメトホルミン等と組み合わせて投与される。
【0054】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、PPARガンマ作動剤又はチアゾリジンジオン、例えばシグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン又は Dr.Reddy's Research FoundationのWO 97/41097に記載された化合物、特に 5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオンと組み合わせて投与される。
【0055】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、例えば WO98/19998、WO99/61431、WO99/67278、WO99/67279、WO01/72290、WO 02/38541、WO03/040174に記載されたDPPIV阻害剤、特にP93/01(1−シクロペンチル−3−メチル−1−オキソ−2−ペンタンアンモニウムクロリド)、P31/98、LAF237(1−[2−[3−ヒドロキシアダマンタ−1−イルアミノ)アセチル]ピロリジン−2−(S)−カルボニトリル]、TS021((2S, 4S)−4−フルオロ−1−[[(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]アセチル]ピロリジン−2−カルボニトリルモノベンゼンスルホネート)と組み合わせて投与される。
【0056】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、SGLT−1及び/又は2に対して阻害効果を有する化合物、例えばWO2004/007517、WO2004/052902、WO2004/052903及びWO2005/121161に直接又は間接的に記載されたものと組み合わせて投与される。
【0057】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトール又はアカルボース等と組み合わせて投与される。
【0058】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、上記化合物の2種以上と組み合わせて、例えばスルホニル尿素及びメトホルミン、スルホニル尿素及びアカルボース、レパグリニド及びメトホルミン、インスリン及びスルホニル尿素、インスリン及びメトホルミン、インスリン及びトログリタゾン、インスリン及びロバスタチン等と組み合わせて投与される。
【0059】
脂質モジュレーター
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、HMGCoAレダクターゼ阻害剤、例えばロバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、イバスタチン(ivastatin)、イタバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンと組み合わせて投与される。
【0060】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、胆汁酸吸収阻害剤(例えば US6,245,744、US 6,221,897、US 6,277,831、EP 0683 773、EP 0683 774 参照)と組み合わせて投与される。
【0061】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、ポリマー胆汁酸吸着剤、例えばコレスチラミン(cholestyramine)、コレセベラム等と組み合わせて投与される。
【0062】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、例えば WO02/50027 に記載されたコレステロール再吸収阻害剤、又はエゼチミド、チクエシド、パマクエシドと組み合わせて投与される。
【0063】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、LDL受容体インデューサー(例えば US6,342,512 参照)と組み合わせて投与される。
【0064】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、膨張性薬剤、好ましくは不溶性膨張性薬剤(例えば、イナゴマメ/Caromax(登録商標) (Zunft H J; et al., Carob pulp preparation for treatment of hypercholesterolemia, ADVANCES IN THERAPY (2001 Sep-Oct), 18(5), 230-6)参照)。Caromax は、Nutrinova, Nutrition Specialties & Food Ingredients GmbH, Industriepark Hoechst, 65926 Frankfurt/Main)からのイナゴマメ含有製品である。Caromax(登録商標)との組み合わせは、一つの調製物において、又は式Iの化合物及び Caromax(登録商標) の別々の投与により行うことができる。これに関して、Caromax(登録商標) はまた、食物製品の形態で、例えばベーカリー製品又はミューズリー・バーとして投与することができる。
【0065】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、PPARアルファ作動剤と組み合わせて投与される。
【0066】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、混合PPARアルファ/ガンマ作動剤、例えば、AZ242(テサグリタザル、(S)−3−(4−[2−(4−メタンスルホニルオキシフェニル)エトキシ]フェニル)−2−エトキシプロピオン酸)、BMS 298585(N−[(4−メトキシフェノキシ)カルボニル]−N−[[4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]フェニル]メチル]グリシン)又は WO99/62872、WO 99/62871、WO 01/40171、WO 01/40169、WO96/38428、WO01/81327、WO 01/21602、WO 03/020269、WO 00/64888 若しくは WO 00/64876に記載されたもの等と組み合わせて投与される。
【0067】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、フィブラート、例えばフェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブラート、ベザフィブラート等と組み合わせて投与される。
【0068】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、ニコチン酸又はナイアシンと組み合わせて投与される。
【0069】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、CETP阻害剤、例えば CP-529, 414(トルセトラピブ)と組み合わせて投与される。
【0070】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、ACAT阻害剤と組み合わせて投与される。
【0071】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、MTP阻害剤、例えばインプリタピド等と組み合わせて投与される。
【0072】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、抗酸化剤と組み合わせて投与される。
【0073】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、リポタンパク質リパーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0074】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、ATPクエン酸リアーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0075】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、スクアレン合成酵素阻害剤と組み合わせて投与される。
【0076】
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、リポタンパク質(a)拮抗剤と組み合わせて投与される。
【0077】
抗肥満剤
本発明の一つの実施形態において、式Iの化合物は、リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタット等と組み合わせて投与される。
一つの実施形態において、更なる活性成分は、フェンフルラミン又はデクスフェンフルラミンである。
別の実施形態において、更なる活性成分は、シブトラミンである。
【0078】
更なる実施形態において、式Iの化合物は、CARTモジュレーター(“Cocaine-amphetamine-regulated transcript influences energy metabolism, anxiety and gastric emptying in mice” Asakawa,A, etal., M.: Hormone and Metabolic Research (2001), 33(9), 554-558 参照)、NPY拮抗剤、例えばナフタレン−1−スルホン酸{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]シクロヘキシルメチル}アミド;塩酸塩(CGP 71683A))、MC4作動剤(例えば 1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸[2−(3a−ベンジル−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]アミド; (WO01/91752))、オレキシン拮抗剤(例えば 1−(2−メチルベンゾオキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イル尿素;塩酸塩(SB-334867-A))、H3作動剤(3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)プロパン−1−オンシュウ酸塩(WO00/63208));TNF作動剤、CRF拮抗剤(例えば [2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオレン−4−イル]ジプロピルアミン(WO00/66585))、CRF BP拮抗剤(例えばウロコルチン)、ウロコルチン作動剤、β3作動剤(例えば 1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]エタノール;塩酸塩(WO01/83451))、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)作動剤、CCK−A作動剤(例えば {2−[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸トリフルオロ酢酸塩 (WO 99/15525))、セロトニン再取り込み阻害剤(例えばデクスフェンフルラミン)、混合セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性化合物(例えば WO00/71549)、5HT作動剤、例えば 1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジンシュウ酸塩(WO 01/09111)、ボンベシン作動剤、ガラニン拮抗剤、成長ホルモン(例えばヒト成長ホルモン)、成長ホルモン放出化合物(6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピルアミノエチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸第三級ブチルエステル(WO01/85695))、TRH作動剤(例えばEP 0 462 884 参照)、脱共役タンパク質2又は3モジュレーター、レプチン作動剤(例えば Lee,DanielW.; Leinung, Matthew C.; Rozhavskaya-Arena, Marina; Grasso, Patricia. Leptin agonists as a potential approach to the treatment of obesity. Drugs of the Future (2001), 26(9), 873-881 参照)、DA作動剤(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えば WO00/40569)、PPARモジュレーター(例えば WO00/78312)、RXRモジュレーター又はTR−β作動剤と組み合わせて投与される。
【0079】
別の実施形態において、更なる活性成分は、カンナビノイド1受容体拮抗剤(例えば、リモナバン(rimonabant)、SR147778、又は例えば EP 0656354、WO 00/15609、WO 02/076949、WO2005080345、WO2005080328、WO2005/080343、WO2005/075450、WO2005/080357、WO2001/70700、WO2003/026647-48、WO2003/02776、WO2003/040107、WO2003/007887、WO2003/027069、US6,509,367、WO2001/32663、WO2003/086288、WO2003/087037、WO2004/048317、WO2004/058145、WO2003/084930、WO2003/084943、WO2004/058744、WO2004/013120、WO2004/029204、WO2004/035566、WO2004/058249、WO2004/058255、WO2004/058727、WO2004/069838、US2004/0214837、US2004/0214855、US2004/0214856、WO2004/096209、WO2004/096763、WO2004/096794、WO2005/000809、WO2004/099157、US2004/0266845、WO2004/110453、WO2004/108728、WO2004/000817、WO2005/000820、US2005/0009870、WO2005/00974、WO2004/111033-34、WO2004/11038-39、WO2005/016286、WO2005/007111、WO2005/007628、US2005/0054679、WO2005/027837、WO2005/028456、WO2005/063761-62、WO2005/061509、WO2005/077897 に記載されたもの)である。
【0080】
本発明の一つの実施形態において、更なる活性成分は、レプチンである。
【0081】
一つの実施形態において、更なる活性成分は、デクスアンフェタミン、アンフェタミン、マジンドール又はフェンテルミンである。
【0082】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、冠循環及び脈管系に対して効果を有する医薬、例えば、ACE阻害剤(例えばラミプリル)、アンギオテンシン−レニン系に作用する医薬、カルシウム拮抗剤、ベータ遮断剤等と組み合わせて投与される。
【0083】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、抗炎症効果を有する医薬と組み合わせて投与される。
【0084】
一つの実施形態において、式Iの化合物は、がん治療及びがん予防のために用いられる医薬と組み合わせて投与される。
【0085】
本発明の化合物と、上記化合物の1種又はそれ以上、及び場合により1種又はそれ以上の他の薬理活性物質との全ての好適な組み合わせは、本発明により与えられる保護範囲に属するものとされることがよく分かるだろう。
【0086】
本発明の式Iの化合物の活性を下記の酵素アッセイ系で試験した:
1.HSL阻害アッセイ
1.1.部分的に精製したHSLの調製:
未処理の雄ラット(Wistar, 220−250g)の精巣上体脂肪組織から、公表された方法(例えば S.Nilsson et al., Anal. Biochem. 158, 1986, 399-407; G.Fredrikson et al., J. Biol. Chem. 256, 1981, 6311-6320; H.Tornquist et al., J. Biol. Chem. 251, 1976, 813-819)によるコラゲナーゼ処理によって、単離したラット脂肪細胞を得る。10匹のラットからの脂肪細胞を毎回50mlの均質化緩衝液 (25ml Tris/HCl, pH7.4, 0.25M ショ糖, 1mM ETDA, 1mM DTT, 10μg/ml ロイペプチン, 10μg/ml アンチパイン, 20μg/ml ペプスタチン) で浮遊させることにより3回洗浄し、最後に10mlの均質化緩衝液に溶解させる。脂肪細胞をテフロン張りガラス製ホモジナイザー (Braun-Melsungen) において、1500rpm及び15℃での10ストロークにより均質化する。このホモジネートを遠心分離する (Sorvall SM24 チューブ, 5000rpm, 10分, 4℃)。一番上の脂肪層とペレットとの間のサブネイタント(subnatant) を除去し、遠心分離を繰り返す。それから得られたサブネイタントを再び遠心分離する (Sorvall SM24 チューブ, 20000rpm, 45分, 4℃)。サブネイタントを除去し、1gのヘパリン−セファロース (Pharmacia-Biotech, CL6B, 25mM Tris/HCl, pH7.4, 150mM NaClで5回洗浄) を加える。4℃で60分間のインキュベーション(15分間隔で振盪)の後、この混合物を遠心分離する (Sorvall SM24 チューブ, 3000rpm, 10分, 4℃)。上澄み液を氷酢酸の添加によりpH5.2に調整し、4℃で30分間インキュベートする。沈殿を遠心分離 (Sorvall SS34, 12 000rpm, 10分, 4℃) により集め、2.5mlの20mM Tris/HCl、pH7.0、1mM EDTA、65mM NaCl、13% ショ糖、1mM DTT、10μg/ml ロイペプチン/ペプスタチン/アンチパインに懸濁させる。懸濁液を25mM Tris/HCl、pH7.4、50% グリセロール、1mM DTT、10μg/ml ロイペプチン、ペプスタチン、アンチパインに対して4℃で一夜透析し、次いでヒドロキシアパタイトカラム上にローディングする (1mlの懸濁液当たり0.1g, 10mM リン酸カリウム, pH7.0, 30% グリセロール, 1mM DTT で平衡化)。カラムを4容積の平衡化緩衝液で 20〜30ml/hの流速で洗浄する。0.5M リン酸カリウムを含有する平衡化緩衝液の1容積でHSLを溶離し、次いで透析し (上記参照)、 そして4℃での限外濾過 (Amicon Diaflo PM 10 Filter) により5〜10倍に濃縮する。この部分的に精製したHSLは−70℃で4〜6週間保存することができる。
【0087】
1.2.HSL活性アッセイ:
基質を調製するために、25〜50μCiの [3H]トリオレオイルグリセロール (トルエン中)、6.8μmolの未標識トリオレオイルグリセロール及び0.6mgのリン脂質 (ホスファチジルコリン/ホスファチジルイノシトール 3:1 w/v) を混合し、N2で乾燥し、次いで2mlの 0.1M KPi (pH7.0) に超音波処理 (Branson 250, マイクロチップ, 設定 12, 2×1分, 1分間隔) により溶解させる。1mlのKPiの添加及び新たな超音波処理 (氷上で4×30秒, 30秒間隔) の後、1mlの20% BSA (KPi中) を加える (トリオレオイルグリセロールの最終濃度 1.7mM)。反応させるために、100μl の基質溶液を100μlのHSL溶液 (上記のように調製した HSL, 20mM KPi, pH7.0, 1mM EDTA, 1mM DTT, 0.02% BSA, 20μg/ml ペプスタチン, 10μg/ml ロイペプチン中に希釈) にピペットで加え、37℃で30分間インキュベートする。3.25mlのメタノール/クロロホルム/ヘプタン (10:9:7) 及び1.05mlの0.1M K2CO3、0.1M ホウ酸 (pH10.5) を加えた後、よく混合し、最後に遠心分離する (800×g, 20分)。相を分離した後、1当量の上相 (1ml) を除去し、液体シンチレーション測定法により放射能を測定する。
【0088】
1.3.HSL阻害効果の評価:
物質を通常は四つの独立した混合物で試験する。試験物質によるHLS酵素活性の阻害を、阻害されていない対照の反応との比較により測定する。少なくとも10種の試験物質濃度による阻害プロットからIC50を計算する。データ分析のために GRAPHIT, Elsevier-BIOSOFT ソフトウェアパッケージを用いる。
【0089】
2.EL阻害アッセイ:
2.1.ELの調製
ELは、組換え細胞系(CHO, HEK293)により細胞培養培地(ならし培地)中に分泌タンパク質として高濃度に放出される。これを濃縮後に酵素溶液として用いる。
【0090】
2.2.EL活性アッセイ
内皮リパーゼの酵素活性及び阻害剤の効果を特性決定するために、ホスホリパーゼ特異的基質 1,2−ビス(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ウンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(製造業者 Molecular Probes)を用いる。このリン脂質のA1エステル結合を酵素により加水分解すると、蛍光色素 Bodipy が遊離し、これは薄層クロマトグラフィーによる分離後にHPTLCプレート(シリカゲル 60, Merck)上で、又は蛍光の測定により反応容器中で直接に検出することができる。
【0091】
100μgの1,2−ビス(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ウンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(製造業者 Molecular Probes)、2.4mgのトリパルミチン(Sigma)及び7.9mgのDOP−コリン(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)を393μlのクロロホルムに溶解し、次いで157μlを新しい反応容器に移すことによって、基質溶液を調製する。溶剤を蒸発させた後、この脂質混合物を4mlの200mM TRIS−HCl、150mM 塩化ナトリウム、pH=7.4に2回の音波処理により溶解する。その後の酵素反応を37℃で60分間行う。この目的のために、45μlの基質溶液を1μlの適切濃度の阻害剤(DMSO に溶解, 純 DMSO 溶液を対照として使用)及び5μlの酵素溶液(ならし培地)と共にインキュベートする。次いで3μlのアッセイ混合物をHPTLCプレート(シリカゲル 60, Merck)上にローディングし、遊離した蛍光色素を検出のために溶離剤(ジエチルエーテル:石油ベンジン:酢酸 [78:22:1])で分離する。溶離液を蒸発させた後、プレートを蛍光スキャナーで読み取る。阻害されていない反応における蛍光色素の遊離量の増加は、酵素活性の尺度として観測すべきである。
【0092】
2.3.EL阻害効果の評価:
使用した阻害剤濃度の関数として酵素活性を換算し、そして半値酵素活性が観測される酵素濃度をIC50と呼ぶ。
【0093】
2.4.更なるEL阻害アッセイ:
内皮リパーゼの酵素活性及び阻害剤の効果を特性決定するために、ホスホリパーゼ特異的基質 1,2−ビス(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ウンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(製造業者 Molecular Probes)を用いる。このリン脂質のA1エステル結合を酵素により加水分解すると、蛍光色素 Bodipy が遊離し、これは薄層クロマトグラフィーによる分離後にHPTLCプレート(シリカゲル 60, Merck)上で、又は蛍光の測定により反応容器中で直接に検出することができる。
【0094】
100μgの1,2−ビス(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ウンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(製造業者 Molecular Probes)を100μlのDMSOに溶解し、そして20mg/mlのDOP−コリン(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)を含む393μlのクロロホルム中の2.4mgのトリパルミチン(Sigma)に溶解させることによって、基質溶液を調製する。39.3μlのこの脂質混合物を新しい反応容器に移し、溶剤を蒸発除去する。この脂質混合物を4mlの200mM TRIS−HCl、150mM 塩化ナトリウム、pH=7.4に2回の音波処理により溶解する。その後の酵素反応を37℃で90分間行う。この目的のために、20μlの基質溶液を2μlの適切濃度の阻害剤(10% DMSO に溶解, 10% 濃度の DMSO 溶液を対照として使用)及び2μlの酵素溶液(ならし培地)と共にインキュベートする。4μlのアッセイ混合物をHPTLCプレート(シリカゲル 60, Merck)上に負荷し、遊離した蛍光色素を検出のために溶離剤(ジエチルエーテル:石油ベンジン:酢酸 [78:22:1])で分離する。溶離液を蒸発させた後、プレートを蛍光スキャナーで読み取る。阻害されていない反応における蛍光色素の遊離量の増加は、酵素活性の尺度として観測すべきである。
【0095】
このアッセイにおいて、実施例の化合物は下記のIC50値を示した:
【表1】

【0096】
製造方法
本発明の一般式Iの化合物は、自体公知の方法により、例えば置換又は非置換のベンゾチアゾール−2−オン誘導体IIをカルバモイルクロリドIIIでアシル化すること(方法A)、又は二段階で、ベンゾチアゾール−2−オン誘導体IIをホスゲン若しくは同効物、例えばトリクロロメチルクロロカルボネート、ジトリクロロメチルカルボネート若しくは4−ニトロフェニルクロロホルメートと反応させ、そして生成したベンゾチアゾール−2−オンカルボン酸誘導体を更にアミンIVと反応させること(方法B)により製造される。R2が水素である化合物のためには、ベンゾチアゾール−2−オン誘導体IIを適切なイソシアネートV R1−N=C=Oと反応させることもできる(方法C)。
【化3】

【0097】
これらの反応において普通は酸が遊離するので、促進のために塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム溶液又はアルカリ金属炭酸塩を加えることが勧められる。これらの反応は広い温度範囲で行うことができる。通常は0℃〜使用溶媒の沸点で操作することが有利であることが分かった。用いられる溶媒の例は、塩化メチレン、THF、DMF、トルエン、酢酸エチル、n−ヘプタン、ジオキサン、ジエチルエーテル又はピリジンである。無水条件を用いる場合には、非プロトン性溶媒、例えばTHF又はDMF中の強塩基、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム又はカリウム tert−ブトキシドが好適であることも分かった。
【0098】
出発化合物IIとして用いられるベンゾチアゾール−2−オン誘導体は市販されているか、又は文献(例えば C. Flouzat, Y. Bresson, A. Mattio, J. Bonnet, G. Guillaumet J. Med. Chem 1993, 36, 497-503; F. Mutterer, C.D. Weis, J. Het. Chem. 1976, 13, 1103-1104; K. Takeda; H. Ogura, Synthetic Communications (1982), 12(3), 213-17; K. Konishi, I. Nishiguchi; T. Hirashima, N. Sonoda; S. Murai, Synthesis (1984), (3), 254-5)から公知の方法により製造することができる。
【実施例】
【0099】
下記の詳細な実施例は本発明の説明に資するものであるが、本発明を限定するものではない。
【0100】
〔実施例1〕
2−オキソベンゾチアゾール−3−ヘキシルカルボキサミド
3H−ベンゾチアゾール−2−オン 75mg (0.45mmol) をピリジン 10mlに溶解した。1−イソシアネートヘキサン 76mg (0.59mmol) を加えた後、100℃で6時間攪拌し、同量のイソシアネートヘキサンを再び加え、100℃で6時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を水に溶解し、酢酸エチルで抽出した。有機相を濃縮し、プレパラティブHPLC(PR18, アセトニトリル/水 0.1% TFA)により精製した。収量: 38mg (28%), M+H+: 279.15。
【0101】
〔実施例2〕
2−オキソベンゾチアゾール−3−ヘプチルカルボキサミド
3H−ベンゾチアゾール−2−オン 300mg (1.98mmol) を実施例1と同様にしてジオキサン中で 1−イソシアネートヘプタン 336mg (2.38mmol) と80℃で反応させた。収量: 125mg (22%), M+H+: 293,11。
【0102】
〔実施例3〕
2−オキソベンゾチアゾール−3−(2−メチルベンジル)カルボキサミド
3H−ベンゾチアゾール−2−オン 300mg (1.98mmol) を実施例1と同様にして 1−イソシアネートメチル−2−メチルベンゼン 350mg (2.38mmol) と反応させた。収量: 129mg (22%), M+H+: 299.05。
【0103】
〔実施例4〕
2−オキソベンゾチアゾール−3−(3−メチルベンジル)カルボキサミド
3H−ベンゾチアゾール−2−オン 300mg (1.98mmol) を実施例1と同様にしてジオキサン中で 1−イソシアネートメチル−3−メチルベンゼン 350mg (2.38mmol) と80℃で反応させた。収量: 130mg (22%), M+H+: 299.05。
【0104】
〔実施例5〕
6−ブロモ−2−オキソベンゾチアゾール−3−ヘキシルカルボキサミド
6−ブロモ−3H−ベンゾチアゾール−2−オン 200mg (0.869mmol) を実施例1と同様にしてジオキサン中で 1−イソシアネートヘキサン 132.7mg (1.04mmol) と80℃で反応させた。収量: 185mg (59%), M+H+: 357.1。
【0105】
〔実施例6〕
5−クロロ−2−オキソベンゾチアゾール−3−ヘプチルカルボキサミド
5−クロロ−3H−ベンゾチアゾール−2−オン 300mg (1.37mmol) を実施例1と同様にしてジオキサン中で 1−イソシアネートヘプタン 174mg (1.37mmol) と80℃で反応させた。収量: 100mg (19%), M+H+: 327.38。
【0106】
〔実施例7〕
2−オキソ−5−トリフルオロメチルベンゾチアゾール−3−ヘキシルカルボキサミド
5−トリフルオロメチル−3H−ベンゾチアゾール−2−オン 300mg (1.37mmol) を実施例1と同様にしてジオキサン中で 1−イソシアネートヘキサン 202mg (1.37mmol) と80℃で反応させた。収量: 125mg (26%), M+H+: 347.05。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
R1は、(C5−C16)−アルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキルアミノカルボニル、(C1−C6)−アルコキシカルボニル、(C1−C6)−アルキルカルボニル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、(C1−C6)−アルキルスルホニル又はアミノスルホニルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2は、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2は、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和若しくは部分不飽和の4〜7員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の8〜14員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−C(=O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3は、水素であり;
R4、R5は、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−OR7、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキルスルホニル、(C1−C6)−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6は、水素、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
但し、置換基R3、R4、R5の1個よりも多くがハロゲン、トリフルオロメチル又は(C1−C6)−アルキルであることはなく;
R7は、水素、(C1−C6)−アルキル、ベンジルであり;
R8、R8aは、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、CO−OR7、シクロプロピル、シクロプロピレンであり;
R9、R10は、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキル、−(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、(C3−C12)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C3−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環である]
の化合物、その互変異性形及びその生理的に許容される塩。
【請求項2】
R1が、(C6−C12)−アルキル、(C1−C3)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C3)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C3)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C4−C12)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、トリフルオロメチルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和の5〜6員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の9〜10員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−O−、−S−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3が、水素であり;
R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、アミノ、COOR7、(C1−C6)−アルキルスルホニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキルアミノカルボニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、又は非置換の又はモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
但し、置換基R3、R4、R5の1個よりも多くがハロゲン、トリフルオロメチル又は(C1−C6)−アルキルであることはなく;
R7が、水素、(C1−C6)−アルキル、ベンジルであり;
R8、R8aが、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、COOR7、シクロプロピル、シクロプロピレンであり;
R9、R10が、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキル、(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリールである、
請求項1に記載の一般式Iの化合物。
【請求項3】
R1が、(C6−C12)−アルキル、(C1−C3)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C3)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C3)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C4−C12)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、トリフルオロメチルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和の5〜6員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の9〜10員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−O−、−S−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3が、水素であり;
R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキル、ヒドロキシ、アミノ、COOR7、(C1−C6)−アルキルスルホニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素、ヒドロキシ、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキルアミノカルボニル、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
但し、置換基R3、R4、R5の1個よりも多くがハロゲン、トリフルオロメチル又は(C1−C6)−アルキルであることはなく;
R7が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;
R8、R8aが、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シクロプロピルであり;
R9、R10が、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキルである、
請求項1又は2に記載の一般式Iの化合物。
【請求項4】
R1が、(C6−C12)−アルキル、ベンジル、(C1−C2)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C2)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環であり、ここで、ベンジル、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ又はトリフルオロメチルで置換されていてもよく;
R2が、水素であり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和の5〜6員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−NR9−のシリーズからの1〜2個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、ここで、R8は請求項1〜3のいずれかに定義の通りであり、そしてR9は(C1−C6)−アルキル又はシクロプロピルである、
請求項1〜3のいずれかに記載の式Iの化合物。
【請求項5】
R1が、(C6−C12)−アルキル、ベンジル、CH2−(C5−C12)−ヘテロアリール又は(C8−C14)−二環であり、ここで、ベンジル、ヘテロアリール又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ又はトリフルオロメチルで置換されていてもよく;
R2が、水素であり;
R3が、水素であり;
R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキル、トリフルオロメチル、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素である、
請求項1〜4のいずれかに記載の式Iの化合物。
【請求項6】
R1が、(C6−C12)−アルキル、ベンジルであり、ここで、ベンジルは、メチルで置換されていてもよく;
R2が、水素であり;
R3が、水素であり;
R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチルであり;
R6が、水素である、
請求項1〜5のいずれかに記載の式Iの化合物。
【請求項7】
R3、R6が水素であり、そしてR4又はR5が水素でない、請求項1〜6のいずれかに記載の式Iの化合物。
【請求項8】
式I中、
R1が、(C5−C16)−アルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキルアミノカルボニル、(C1−C6)−アルコキシカルボニル、(C1−C6)−アルキルカルボニル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、(C1−C6)−アルキルスルホニル、アミノスルホニルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和若しくは部分不飽和の4〜7員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の8〜14員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−C(=O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3、R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−OR7、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキルスルホニル、(C1−C6)−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
但し、置換基R3、R4、R5の1個よりも多くがハロゲン、トリフルオロメチル又は(C1−C6)−アルキルであることはなく;
R7が、水素、(C1−C6)−アルキル、ベンジルであり;
R8、R8aが、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、CO−OR7、シクロプロピル、シクロプロピレンであり;
R9、R10が、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキル、−(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、(C3−C12)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C3−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環である;
式Iの化合物、その互変異性形及びその生理的に許容される塩、又は請求項1〜7に記載の式Iの化合物の1種又はそれ以上を含む医薬。
【請求項9】
式I中、
R1が、(C5−C16)−アルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C4−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又は二環は、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C2−C8)−アルキルアミノカルボニル、(C1−C6)−アルコキシカルボニル、(C1−C6)−アルキルカルボニル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、(C1−C6)−アルキルスルホニル、アミノスルホニルで1回又はそれ以上置換されていてもよく;
R2が、水素、(C1−C6)−アルキルであり;又は
R1及びR2が、それらを有する窒素原子と一緒になって、単環式の飽和若しくは部分不飽和の4〜7員環系又は二環式の飽和若しくは部分不飽和の8〜14員環系を形成し、そのうち該環系の個々の構成員は、−CHR8−、−CR8R8a−、−(C=R8)−、−NR9−、−C(=O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの1〜3個の原子又は原子団で置き換えられていてもよく、但し、−O−、−S−、−SO−、−SO2−のシリーズからの2個の単位は隣接し得ず;
R3、R4、R5が、同一であるか又は異なり、水素、ハロゲン、(C1−C6)−アルキル、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、(C1−C6)−アルキルカルボニル、CO−OR7、トリフルオロメチル、(C1−C6)−アルキルスルホニル、(C1−C6)−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R6が、水素、(C1−C3)−アルキルオキシ−(C1−C3)−アルキレン、ヒドロキシ、(C1−C6)−アルキルメルカプト、アミノ、(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C2−C12)−アルキルアミノ、ペンタフルオロスルファニル、(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、CO−NR9R10、O−CO−NR9R10、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−O−(C1−C6)−アルキル、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−OH、O−CO−(C1−C6)−アルキレン−CO−NR9R10、又は非置換の、若しくはモノ−若しくはポリ−F−置換された(C1−C6)−アルキルオキシであり;
R7が、水素、(C1−C6)−アルキル、ベンジルであり;
R8、R8aが、同一であるか又は異なり、(C1−C6)−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、CO−OR7、シクロプロピル、シクロプロピレンであり;
R9、R10が、同一であるか又は異なり、水素、(C1−C6)−アルキル、−(C6−C10)−アリール、(C5−C12)−ヘテロアリール、(C3−C12)−シクロアルキル、(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、(C1−C4)−アルキレン−(C5−C12)−ヘテロアリール、(C1−C4)−アルキレン−(C3−C12)−シクロアルキル、(C8−C14)−二環である;
式Iの化合物、その互変異性形及びその生理的に許容される塩、又は請求項1〜7のいずれかに記載の式Iの化合物の脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための使用。
【請求項10】
インスリン抵抗性が関与する障害の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、請求項1〜9のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項11】
糖尿病及びそれに関連する続発症の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、請求項1〜9のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項12】
異脂肪血症及びその続発症の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、請求項1〜9のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項13】
メタボリック症候群に関連する身体状態の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、請求項1〜9のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項14】
低下したHDLレベルに関連する身体状態の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、請求項1〜9のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項15】
アテローム動脈硬化性障害の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、請求項1〜9のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項16】
インスリン抵抗性が関与する障害の治療及び/又は予防用の医薬を製造するための、少なくとも1種の他の活性成分と組み合わせた請求項1〜9のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
【請求項17】
請求項1〜9に記載の式Iの化合物を医薬に適する担体と混合し、そしてこの混合物を投与に適する形態に変換することを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の式Iの化合物の1種又はそれ以上を含む医薬の製造方法。
【請求項18】
式IIのベンゾチアゾール−2−オン誘導体を
a)式IIIのカルバモイルクロリドでアシル化すること;
又は
b)二段階で、最初にホスゲン又は同効物、例えばトリクロロメチルクロロカルボネート、ジトリクロロメチルカルボネート又は4−ニトロフェニルクロロホルメートと反応させ、そして第二段階で式IVのアミンと反応させること
【化2】

(式中の置換基は請求項1〜7のいずれかに記載のとおりである)
を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の一般式Iの化合物の製造方法。
【請求項19】
式IIのベンゾチアゾール−2−オン誘導体を式V:O=C=N−R1のイソシアネートと反応させること
【化3】

を含む、R2が水素である請求項1〜7のいずれかに記載の一般式Iの化合物の製造方法。

【公表番号】特表2008−542411(P2008−542411A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515096(P2008−515096)
【出願日】平成18年5月27日(2006.5.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005096
【国際公開番号】WO2006/131232
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】