説明

リフター

【課題】荷物を支持するリフトテーブルの上面に載荷センサを設置する形態は、リミットスイッチ等からなる載荷センサが、荷物底面と直接に摩擦接触されるため、載荷センサに故障、損傷を生じ易く、又、リフトテーブルの折畳収納等の取扱時に邪魔になり易い。
【解決手段】リフトフレーム1に対して昇降されるリフトキャリッジ2に、リフトテーブル3を取付けて支持するテーブルベース4を垂下させて設け、これらリフトキャリッジ2とテーブルベース4との間に載荷センサ5を設けたことを特徴とするリフターの構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、穀物袋や、果実コンテナ等の荷物をトラックの荷台等に積降しするために用いられるリフターに関するもので、これらの荷物の積置の有無を検出する載荷センサを、荷物に直接しないように設置したものである。
【背景技術】
【0002】
リフターにおいて、荷物を載置するリフトテーブルの載置面に、荷物を直接受けて載荷の有無状態を検出する載荷センサを設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3371419号公報(第3項、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
荷物を支持するリフトテーブルの上面に載荷センサを設置する形態は、リミットスイッチ等からなる載荷センサが、荷物底面と直接に摩擦接触されるため、載荷センサに故障、損傷を生じ易く、又、リフトテーブルの折畳収納等の取扱時に邪魔になり易い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、リフトフレーム1に対して昇降されるリフトキャリッジ2に、リフトテーブル3を取付けて支持するテーブルベース4を垂下させて設け、これらリフトキャリッジ2とテーブルベース4との間に載荷センサ5を設けたことを特徴とするリフターの構成とする。リフトテーブル3に荷物を載せると、このリフトテーブル3の荷重がテーブルベース4に働いて、このテーブルベース4とリフトキャリッジ2との間に設けられる載荷センサ5を検出作動させる。この載荷センサ5の載荷検出のもとにリフトキャリッジ2がリフトフレーム1に沿って昇降されて、荷物の積降しを行わせる。このとき載荷センサ5は、リフトキャリッジ2と、このリフトキャリッジ2に対して垂下方向に沿うテーブルベース4との間にあって、荷物面との直接の摩擦接触は少なく、このリフトキャリッジ2の昇降移動によって、リフトテーブル3に荷物を載せた状態で昇降する。又、このリフトテーブル3テーブルベース4やリフトキャリッジ2に対して水平方向へ突出するため、このテーブルベース4を上方等へ折畳んで収納したり、又は、テーブルベース4から取外して格納する等の場合は、載荷サンサ5がこのリフトテーブル3には取付けられていないため、載荷センサ5の着脱や、配線、乃至コネクタの継替処理等を要することなく、リフトテーブル3のみの折畳や、着脱を簡単に行わせることができる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明は、載荷センサ5が、荷物の直接載せられないテーブルベース4と、このテーブルベース4を垂下させて取付けるリフトキャリッジ2との間に設けられるため、リフトテーブル3のテーブルベース4に対する着脱や、折畳等を、この載荷センサ5に関係なく行うことができ、載荷センサ5の故障や、損傷等を少なくすることができ、構成、及び着脱等の操作を簡単にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図例に基づいて、リフターは、トラックの荷台に装着して、このリフトテーブル3をリフトフレーム1に沿って昇降移動させて、荷物の積降し作業を行わせる。このリフターは、トラックの荷台に対して取付けるための取付ハンガー10を有した上下方向に沿うリフトフレーム1を主体として、このリフトフレーム1の上下端のスプロケット軸11,12間にわたって掛けわたされる昇降チェン13と、この昇降チェン13によって昇降される左右一対のリフトキャリッジ2と、このリフトキャリッジ2に取付けられて一体昇降するテーブルベース4と、及びリフトテーブル3等から構成される。前記リフトキャリッジ2はリフトフレーム1に案内させて回転昇降させるガイドローラ14を有して、このリフトキャリッジ2の円滑な昇降を行わせる。又、この左右のリフトキャリッジ2は昇降チェン13の上昇行程側と下降行程側とに連結されて、相互に反対方向へ同時昇降移動する形態である。
ここに、この発明に係るリフターは、リフトフレーム1に対して昇降されるリフトキャリッジ2に、リフトテーブル3を取付けて支持するテーブルベース4を垂下させて設け、これらリフトキャリッジ2とテーブルベース4との間に載荷センサ5を設けたことを特徴とするリフターの構成とする。リフトテーブル3に荷物を載せると、このリフトテーブル3の荷重がテーブルベース4に働いて、このテーブルベース4とリフトキャリッジ2との間に設けられる載荷センサ5を検出作動させる。この載荷センサ5の載荷検出のもとにリフトキャリッジ2がリフトフレーム1に沿って昇降されて、荷物の積降しを行わせる。このとき載荷センサ5は、リフトキャリッジ2と、このリフトキャリッジ2に対して垂下方向に沿うテーブルベース4との間にあって、荷物面との直接の摩擦接触は少なく、このリフトキャリッジ2の昇降移動によって、リフトテーブル3に荷物を載せた状態で昇降する。又、このリフトテーブル3テーブルベース4やリフトキャリッジ2に対して水平方向へ突出するため、このテーブルベース4を上方等へ折畳んで収納したり、又は、テーブルベース4から取外して格納する等の場合は、載荷サンサ5がこのリフトテーブル3には取付けられていないため、載荷センサ5の着脱や、配線、乃至コネクタの継替処理等を要することなく、リフトテーブル3のみの折畳や、着脱を簡単に行わせることができる。
【0007】
前記左右各リフトキャリッジ2の外側面に沿って方形状のテーブルベース4を、この上端部をベース支軸15によって吊下形態にして取付ける。このテーブルベース4はリフトキャリッジ2に対してベース支軸15の周りに回動自在で垂下状態に設けられる。このテーブルベース4の下端部に方形状のリフトテーブル3がテーブル支軸16によって取付けられる。このリフトテーブル3はテーブル支軸6周りに上方へ回動してテーブルベース4と略平行状態の折畳状態Cに折畳回動可能に構成すると共に、横外側へは略水平状の載荷姿勢となる状態に開拡回動可能に構成する。この開拡回動位置はストッパ機構17によって停止する形態としている。
前記載荷センサ5は、リミットスイッチ21等から構成されるが、リフトキャリッジ2とテーブルベース4との間の上部に設けて、このテーブルベース4が載荷W重量によってリフトキャリッジ2側へ押付けられる押付力を受けて、載荷センサ5がON、OFFされる。テーブルベース4が荷物Wを支持しない状態ではリフトキャリッジ2との間に適宜の間隙部18を形成するようにスプリング19及びストッパボルト20を設けているが、リフトテーブル3が載荷されると、このスプリング19に抗してテーブルベース4がリフトキャリッジ2に押付接近されて、載荷センサ5をONにするものである。この間隙部18はストッパボルト20によってスプリング19よる開拡力に抗して拡縮調節することができる。この載荷センサ5は、テーブルベース4側にセンサカバー22を固定して、このセンサカバー22の内側にリミットスイッチ21を取付けている。又、このリミットスイッチ21の接点作動子24を覆うセンサーカバー22が前記ベース支持15の周りに回動自在で、このベース支軸15周りに巻きつけたスプリング19によって開き方向に弾発される。このスプリング19による開き角度域は、これらリフトキャリッジ2とテーブルベース4間にわたって挿通するストッパボルト20によって決められて、調節される構成としている。
【0008】
このように構成されたリフターでは、トラックの荷台の外側面に取付ハンガー10を介して取付けられて、荷物Wの積降しを行わせることができる。昇降チェン13を電動モータ等で駆動することによって、リフトキャリッジ2を上昇、下降させる。このリフトテーブル3の上面に対して荷物Wを載せることにより、載荷センサ5がONして、昇降チェン13がモータ駆動され、この荷物Wをリフトテーブル3から取除くと、載荷センサ5はOFFして、昇降チェン13は駆動されない。この載荷センサ5のON、OFF検出作動は、前記リフトテーブル3に荷物Wが載せられていないときは、スプリング19力によってテーブルベース4が押されてストッパボルト20による停止域の間隙部18が形成された非載荷状態Aにある。この非載荷状態Aでは、載荷センサ5はOFFの状態にある。ここで、このリフトテーブル3上面に荷物Wを載せると、この荷重によってテーブルベース4がスプリング19力に抗してベース支軸15周りに、リフトキャリッジ2側へ接近するように回動されて、載荷状態Bとなり、載荷センサ5がONの状態となる。このようなリフトテーブル3上面に荷物Wが載せられた状態では、この荷物Wの背面は殆んど背面の載荷センサ5に接触されることはなく、又、この載荷センサ5がテーブルベース4面に露出、乃至突出する形態であっても、この荷物Wの重量を直接受けないで、単に背もたれ状態として接触案内作用を受けるだけのものであるから、大きい荷重や、摩擦力を受け受けることは少ない。又、このテーブルベース4とリフトキャリッジ2との間にわたって設けられる載荷センサ5にはセンサ回路としての配線コードが連結されるが、リフトテーブル3を折畳んだり、着脱するとき、このコードの抜き差し処理するような対応操作を要しない。
【0009】
次に、主として図4に基づいて、前記リフトテーブル3をテーブルベース4に対してテーブル支軸16の抜き差しによって着脱可能に構成し、このテーブル3のテーブル支軸16をテーブルベース4のボス部30に嵌合することによって、フックレバー31の基端部32を押して、このフックレバー31をスプリング33に抗して回動させて、先端のフック34をリフトキャリッジ2のロックピン35に対する係合を外して、テーブルベース4や、リフトテーブル3等の揺動、乃至振動固定を解除して、荷物Wの積降し作用を行なわせる状態にするものである。リフトテーブル3をテーブル支軸16部の抜き外しによって取外すと、このテーブル支軸16の先端部で押されていたフックレバー31がスプリング33によって戻されて、フック34がロックピン35に係合されて、リフター運搬時等において、テーブルベース4や載荷センサ5等の振動、乃至揺動することがなくなり、載荷センサ5の故障等を防止することができる。
【0010】
次に、前記載荷センサ5を利用したリフターの制御例を、主として図5、図6に基づいて説明する。前記左・右両側部にリフトテーブル3を有する形態のリフターにおいて、リフトテーブル3を有する形態のリフターにおいて、リフトフレーム1を有する機体にコントローラ40、制御用の各種スイッチ、及び前記昇降チェン13を駆動するモータM等を設けている。このスイッチ類としては、前記載荷センサ5としての左・右テーブル載荷リミットスイッチLSW3、LSW4が設けられる。更に、左・右各リフトテーブル3の下降位置を検出するテーブル位置リミットスイッチLSW1,LSW2が機体の下端部に設けられる。又、このリフターを作動するための電源スイッチSW1、リフターによって荷物Wを積み上げたり、又は降ろす作業を選択する積降作業選択スイッチSW2、左・右いずれの側のテーブル3を使用するかを選択する左・右テーブル選択スイッチSW3等を配置する。
そして、荷物Wの積み上げ作業を行うときは、スイッチSW1をONにして、上げ側のスイッチSW2をONにしておき、しかも、左・右いずれかの側のリフトテーブル3を使用するかを選択するスイッチSW3を切替える。このスイッチSW3は、左右両側のリフトテーブル3を利用する位置に切替えることができる。
【0011】
ここで、例えば、左・右両側のリフトテーブル3を用いて荷物Wの積み上げを行うときは、スイッチSW2を上げ位置に、スイッチSW3を左・右両側テーブル位置に操作しておく。そして、この左側の下限位置にあるリフトテーブル3Lに荷物Wを載せると、この荷重によってスイッチLSW3がONされる。このスイッチLSW3の検出によってタイマーが働き、このタイマーの設定時間(T=2秒)後にモータMが正転されて、この左側の荷物Wを載せているリフトテーブル3Lが上昇され、スイッチLSW1がOFFとなる。この上昇途中の中間位置ではリフトテーブル3L面から荷物Wを取り出すことも可能であるが、この荷物Wの取出しによってスイッチLSW3がOFFになってモータMによるリフトテーブル3Lの上昇は停止されないで、上限位置にまで上昇してから右側のスイッチLSW2がONされることによって停止されることとなる。又、この上昇位置での左側リフトテーブル3Lから荷物Wを取出すことによって、このスイッチLSW3がOFFになる。又、右側のリフトテーブル3Rに荷物Wを載せて上げるときは、この右側のリフトテーブル3RのスイッチLSW4等の働きによって該左側と同様にして積み上げ作動を行わせる。このようなスイッチ制御回路において、前記スイッチLSW1とLSW2の同時ON、及びスイッチLSW3と、LSW4の同時ONは、共に禁止するように設定するセフティー回路の構成としている。
【0012】
このようなリフター作業において、通常は床側と車体の荷台側との両方に作業者が居て、各々タイミングを合わせながら作業するものであるが、左側のリフトテーブル3Lが荷物Wを上げるとき、上昇の途中で荷物Wが取除かれてスイッチLSW3が検出しても、リフトテーブル3Lはそのまま上昇限界位置まで上りきるように作動される。又、この反対の右側のリフトテーブル3Rは下りきることとなる。そして、リフトテーブル3L、3Rは共に荷物Wの有無に拘らず上限位置と下限位置との一定位置に昇降したとき停止するため、各作業タイミングの狂いを少なくすることができ、作業性を高めることができる。
又、左側、又は右側の片側のみのリフトテーブル3L、3Rを使用する場合は、スイッチSW2、及びSW3の切替操作しておくことによって、前記同様にして作業することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】リフトテーブルの作動状態を示す側面図。
【図2】その載荷センサ部の拡大側面図。
【図3】リフターの側面図。
【図4】一部別例をを示すテーブルベース部の側面図、及び底面図。
【図5】リフト作業例を示すスイッチ配置図。
【図6】その制御ブロック図。
【符号の説明】
【0014】
1 リフトフレーム
2 リフトキャリッジ
3 リフトテーブル
4 テーブルベース
5 載荷センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフトフレーム(1)に対して昇降されるリフトキャリッジ(2)に、リフトテーブル(3)を取付けて支持するテーブルベース(4)を垂下させて設け、これらリフトキャリッジ(2)とテーブルベース(4)との間に載荷センサ(5)を設けたことを特徴とするリフター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−106555(P2007−106555A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299578(P2005−299578)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000144980)株式会社アテックス (111)
【Fターム(参考)】