説明

リフロー装置

【課題】ベース部材上でのフラックスの滞留を抑制する。
【解決手段】冷却ゾーンZ3には、減圧部40Aが設けられる。減圧部40Aは、容器側連結部42と連結チューブ44と本体側連結部46とから構成される。連結チューブ44の一端は容器側連結部42を介して回収用容器34の内部に連通され、連結チューブ44の他端は本体側連結部46を介して冷却ゾーンZ3の吸い込み部S1に連通される。連結チューブ44を介して回収用容器34の内部の圧力が冷却ゾーンZ3の負圧とされる吸い込み部S1によって減圧される。これにより、モータベース20上に堆積しているフラックスをドレン部22に効果的に流動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラックスを含むはんだ上に電子部品が実装された基板をリフロー処理することにより電子部品を基板上にはんだ付けするリフロー装置に関する。詳しくは、リフロー処理により発生した気化したフラックスの一部が予備加熱ゾーンと本加熱ゾーンと冷却ゾーンに配置されているファンを回転させるためのモータ回転軸に付着して固化することを防止するためのフラックス回収装置を備えたリフロー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線基板上に電子部品をはんだ付けする場合には、一般にリフロー装置が使用される。リフロー装置は、プリント配線基板を搬送するコンベアとコンベアによりプリント配線基板が搬送されるリフロー装置本体とを備える。リフロー装置本体の内部は、予備加熱ゾーン、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンのそれぞれに分割されている。予備加熱ゾーンおよび加熱ゾーンにはヒータおよびモータが設置され、冷却ゾーンには冷却部材、冷却ファンおよびモータが設置されている。
【0003】
リフロー処理においては、予めはんだペーストが印刷された基板がリフロー装置内に搬送される。基板に印刷されるはんだペーストには、粉末はんだ、溶剤、フラックスが含まれている。このうちフラックスは、成分としてロジンなどを含んでおり、はんだ付けされる金属表面の酸化膜を除去すると共にはんだ付けの際に加熱で再酸化するのを防止し、はんだの表面張力を小さくして濡れ性を良くする効果を有している。
【0004】
リフロー装置内に搬送された基板は、予備加熱ゾーンにおいて、ペーストはんだに含まれる溶剤が揮発される。続けて、加熱ゾーンにおいて、熱風が基板に吹き付けられてペーストはんだが溶融される。そして、冷却ゾーンにおいて、加熱されたプリント基板が冷却され、溶融したはんだが固化される。このような一連の工程により、プリント基板上の接合部に電子部品がはんだ付けされる。
【0005】
ところで、上述した加熱工程では、ヒータによる加熱により、フラックスが気化してリフロー装置内に充満する。このように、リフロー本体内に充満した気化したフラックスは、一般的にはマッフル外に設けられたフラックス成分を除去する除去装置を介して清浄化された後、循環路を経由してマッフル内に再び戻される。しかし、リフロー処理ではファンの回転駆動に伴って、ファンの背面側に回り込む流れが生じるため、この流れにより気化したフラックスの一部がファンの背面側に回り込んでしまう場合がある。ファンの背面側に回り込んだ気化したフラックスは、温度の低下に伴い流動性のある液体のフラックスとなるので、この場合には液体化したフラックスがファンの背面側に設けられたベース部材上に滞留してしまう問題が発生する。
【0006】
この問題を解決するために、ファンの背面側に設けられたベース部材の周縁部にフラックス回収用のドレン部を設けると共に、ベース部材の中心からドレン部に向かって傾斜した傾斜面を設けたリフロー装置が提案されている(特許文献1参照)。また、ファンの背面側では中央に向かって気体が流れることを利用して、ベース部材の中央部にドレン部を設け、ドレン部の排出側にドレン部から排出されるフラックスを回収するためのフラックス回収用容器を配管を介して設置したリフロー装置も提案されている。これらのリフロー装置によれば、ベース部材上に堆積するフラックスを効率的に回収できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−272793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1等に開示されるリフロー装置等では、以下のような問題がある。すなわち、近年では、モータの回転軸とその周辺部の中央ドレンブロックとの間に機密性の高いシール部材が取り付けられている。そのため、この近辺における圧力が外部等に漏れ出すことがないので、ファンの背面側やフラックス回収容器内は高気密となる。このような高気密の環境下では、上記特許文献1のようにベース部材のドレン部に向かって傾斜した傾斜面を設けたとしても、フラックスの流動性が悪くなってしまい、フラックスがモータベース上で停滞してしまう場合があった。その結果、フラックスの再蒸発やフラックス停滞による汚れ等を引き起こしてしまうという問題がある。
【0009】
また、従来のリフロー装置では、フラックスがベース部材上からドレン部に流動したとしてもドレン部とフラックス回収用器との間に配設される配管が斜めに延在しているので、ドレン部から流動したフラックスが配管の途中で停滞してしまう場合があった。この場合には、配管の途中でフラックスが堆積して固着し、配管を詰まらせてしまうという問題が発生する。配管におけるフラックスの固着問題は、特に、配管同士を接続する接続部において発生することが多い。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベース部材上や配管等でのフラックスの滞留を抑制することが可能なリフロー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るリフロー装置は、駆動部と当該駆動部と回転軸を介して接続されたファンとを有するリフロー装置本体のリフロー処理によって発生したフラックスを回収するためのフラックス回収装置を備えたリフロー装置であって、フラックス回収装置は、リフロー装置本体に取り付けられるベース部材と、ベース部材のファンとの対向側であってかつ回転軸の周辺部に設けられ、リフロー処理により発生したフラックスを流入させて外部に排出するドレン部と、フラックスをドレン部を介して回収するフラックス回収部と、該フラックス回収部内を減圧させる減圧部とを備えるものである。
【0012】
また、本発明に係るリフロー装置は、駆動部と当該駆動部と回転軸を介して接続されたファンとを有するリフロー装置本体のリフロー処理によって発生したフラックスを回収するためのフラックス回収装置を備えたリフロー装置であって、フラックス回収装置は、リフロー装置本体に取り付けられるベース部材と、該ベース部材に設けられ、当該ベース部材上に堆積したフラックスを流入させて外部に排出するドレン部と、一端がドレン部にドレン管を介して接続され、他端がドレン管から鉛直方向に向かって延びる排出管と、排出管の他端に着脱可能に取り付けられ、排出管を介して流れるフラックスを回収するフラックス回収部とを備えるものである。
【0013】
さらに、本発明に係るリフロー装置は、駆動部と当該駆動部と回転軸を介して接続されたファンとを有するリフロー装置本体のリフロー処理によって発生したフラックスを回収するためのフラックス回収装置を備えたリフロー装置であって、フラックス回収装置は、リフロー装置本体に取り付けられるベース部材と、該ベース部材に設けられ、当該ベース部材上に堆積したフラックスを流入させて外部に排出するドレン部と、一端がドレン部にドレン管を介して接続され、他端がドレン管から延びる排出管と、排出管の他端に着脱可能に取り付けられ、排出管を介して流れるフラックスを回収するフラックス回収部とを有し、ドレン管の排出管側の端部の外径は、この端部と係合する排出管の内径以下に選定され、ドレン管の端部は、排出管の内側に挿入して取り付けられたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フラックス回収部内を減圧部により減圧させるので、ベース部材上やドレン部等に堆積したフラックスをフラックス回収部内に強制的に吸引させることができる。
【0015】
また、本発明によれば、ドレン部とフラックス回収部との間に設けられる排出管を鉛直方向に延在させるので、この排出管に流入したフラックスをその自重によりフラックス回収部に落下させることができる。これにより、フラックスを排出管途中に堆積させることなく、効果的かつ容易にフラックス回収部に収容させることができる。
【0016】
さらに、本発明によれば、ドレン管の排出管側の端部の外径をこの端部と係合する排出管の内径以下に選定して、ドレン管の端部を排出管の内側に挿入することにより排出管をドレン管に取り付けるので、この排出管とドレン管との接続部にフラックスが固着した場合でも、フラックスはドレン管の内側に固着することになるので、ドレン管の外側に取り付けられる排出管についてはドレン管から容易に取り外すことが可能となる。これにより、装置のメンテナンス作業の負担を軽減させることができると共に、メンテナンス作業時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るリフロー装置の構成例を示す図である。
【図2】冷却ゾーンの構成例を示す図である(その1)。
【図3】冷却ゾーンの構成例を示す図である(その2)。
【図4】減圧部の設置例を示す斜視図である。
【図5】フラックス回収装置の構成例を示す斜視図である。
【図6】フラックス回収装置の構成例を示す断面図である。
【図7】フラックス回収装置の構成例を示す分解斜視図である。
【図8】排出管の蓋部の構成例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るリフロー装置の減圧部の設置例を示す斜視図である。
【図10】減圧部を構成するエジェクターの構成例を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るフラックス回収装置の構成例を示す斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係るフラックス回収装置の構成例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。
<1.第1の実施の形態>
[リフロー装置の構成例]
図1は、本発明に係るリフロー装置100Aの構成の一例を示している。本発明に係るリフロー装置100Aは、リフロー装置本体10とコンベア92とを備える。リフロー装置本体10は、搬入口10aと搬出口10bとを有したトンネル状の筐体からなる。コンベア92は、搬入口10aから搬出口10bに至る搬送経路Xに沿うようにして延在しており、プリント基板90をリフロー装置本体10の搬入口10aから搬出口10bに向かって所定の速度で搬送する。
【0019】
リフロー装置本体10の内部には、搬送経路Xに沿って、予備加熱ゾーンZ1、加熱ゾーンZ2および冷却ゾーンZ3が順番に設けられている。予備加熱ゾーンZ1は、はんだペーストに含まれる溶剤を揮発させるための領域であり、ヒータ12、ファン14およびモータ16等が設置される。はんだペーストとしては、例えば錫−銀−銅や錫−亜鉛−ビスマス等を含有する鉛フリーはんだが用いられる。この溶融はんだの融点は、例えば180℃〜220℃程度である。加熱ゾーンZ2は、プリント基板90を加熱することによりはんだを溶融させるための領域であり、ヒータ12、ファン14およびモータ16等が設置される。なお、予備加熱ゾーンZ1と加熱ゾーンZ2では、ヒータ12、ファン14およびモータ16の構成は、同一構成を用いて温度設定のみ異なるようにすることが一般的には行われているが、異なる構成としても良い。異なる構成を採用した場合においても基本的な構成および機能は同一であるため、便宜上説明を省略する。
【0020】
ヒータ12は、コンベア92の上下のそれぞれに対向するようにして配置され、予備加熱ゾーンZ1および加熱ゾーンZ2内部の空気を加熱する。本例の場合、図1に示すように、予備加熱ゾーンZ1には上下のそれぞれに3個のヒータ12が配置され、加熱ゾーンZ2には上下のそれぞれに2個のヒータ12が配置される。
【0021】
モータ16は、コンベア92の上下のそれぞれに対向するようにして配置され、各ゾーンに配置されるファン14を回転駆動させる。本例の場合、図1に示すように、予備加熱ゾーンZ1には上下のそれぞれに3個のモータ16が配置され、加熱ゾーンZ2には上下のそれぞれに2個のモータ16が配置される。
【0022】
ファン14は、例えばターボファンやシロッコファン等から構成され、モータ16に電気的に接続される。このファン14は、モータ16の駆動により回転駆動し、ヒータ12によって加熱された熱風を予備加熱ゾーンZ1および加熱ゾーンZ2内部で循環させてプリント基板90の上面および下面のそれぞれに吹き付ける。本例の場合、予備加熱ゾーンZ1には上下のそれぞれに3個のファン14が配置され、加熱ゾーンZ2には上下のそれぞれに2個のファン14が配置される。
【0023】
[冷却ゾーンの構成例]
次に、冷却ゾーンZ3の構成の一例について説明する。なお、以下の説明では、リフロー装置本体10の下部側に設けられた冷却ゾーンZ3の構成について説明する。図2は搬送経路Xに直交する方向でリフロー装置本体10の冷却ゾーンZ3を切断した断面図を示しており、図3は略搬送経路Xに沿って冷却ゾーンZ3を切断した断面図を示している。
【0024】
図1〜図3に示すように、リフロー装置本体10の冷却ゾーンZ3は、加熱ゾーンZ2で加熱されたプリント基板90を冷却して溶融したはんだを固化するための領域である。冷却ゾーンZ3には、冷却部材18とファン14とモータ16とフラックス回収装置80Aとが設けられる。これらの部材が配置される冷却ゾーンZ3には、複数の隔壁によって仕切られた吸い込み部S1と吹き出し部S2とがそれぞれ独立して設けられている。吸い込み部S1は、図2および図3に示すように、ノズル70に形成された吸込孔から吸い込んだ空気をファン14に供給するための空間部である。吹き出し部S2は、図3に示すように、ファン14から吹き出された空気をノズル70に形成された吹出孔に供給するための空間部である。
【0025】
冷却部材18は、ノズル70下方の吸い込み部S1に配置され、ノズル70の吸込孔から吸い込まれた気体を冷却する。冷却部材18は、搬送経路Xに直交(Y方向)して延びる冷却管18aと、この冷却管18aの長手方向に沿って取り付けられた円盤状をなす多数のフィン18bとから構成される。本例では、図3に示すように、4個の冷却部材18が搬送経路Xに沿って所定間隔を隔てて並設されている。冷却部材18とファン14との間には横板15が設けられる。この横板15の略中央部(ファンの正面)には、冷却部材18によって冷却された空気を下方のファン14に供給するための流入口15aが形成されている。冷却管18aは一例としてパイプ状となっており、パイプ内に冷却用の水、空気等の冷却媒体が通過することによってパイプ自体が冷却されるようになっている。
【0026】
ファン14は、例えばターボモータ等により構成され、横板15の流入口15aの下方側に設置される。ファン14は、モータ16の駆動により回転軸17を介して回転駆動し、冷却部材18により冷却された空気をプリント基板90の下面に吹き付ける。ファン14の側方に位置する図示しない隔壁には、ファン14によって吸い込まれた冷気を吹き出し部S2に供給するための図示しない流出口が形成される。
【0027】
モータ16は、リフロー装置本体10を構成するケーシングの外面部に取り付けられ、回転軸17を介してファン14を回転駆動する。本例の場合、図1に示すように、冷却ゾーンZ3には上下のそれぞれに1個のファン14、ヒータ12および冷却部材18が配置される。なお、モータ16は、駆動部の一例を構成している。
【0028】
続けて、冷却ゾーンZ3を構成するケーシングの外面側に設けられるフラックス回収装置80Aの構成の一例について説明する。図4は、フラックス回収装置80Aの設置例を示す斜視図である。図5はフラックス回収装置80Aを含むリフロー装置100Aの構成の一例を示す斜視図であり、図6はその断面図であり、図7はその分解斜視図である。図8は、排出管32を構成する蓋部33の構成例を示している。なお、モータベース20に堆積した液体のフラックスは、その自重により下方に流動するため、フラックス回収装置80Aは基本的に図1に示すリフロー装置100Aのコンベア92の下方側にのみ設置されるものとする。
【0029】
図4〜図8に示すように、フラックス回収装置80Aは、モータベース20とドレン部22とドレン管28と排出管32と回収用容器34と減圧部40Aとを備える。モータベース20は、ファン14よりも若干大きな外径を有した円盤状をなし、例えばステンレス(SUS)やアルミ等の耐食性、耐熱性に優れた金属材料から構成される。モータベース20は、後述するモータ16を支持する部材であって、ベース部材の一例を構成している。モータベース20のファン14との対向面には、その周縁部から回転軸17(中心部)に向かって平面部の高さが低くなるように傾斜した傾斜面21が形成される。後述するように、回転軸17の周辺部にはドレン部22が形成されるので、傾斜面21によりモータベース20に堆積したフラックスを効率的にドレン部22に流動させることができる。
【0030】
モータベース20の背面側(ファン14と反対側)には、中央ドレンブロック26を介してモータ16が取り付けられている。モータ16は、例えば図示しない商用の電源部に接続されており、図示しない制御装置からの指示に基づいて回転軸17を介してファン14を回転駆動させる。
【0031】
回転軸17の外周面と中央ドレンブロック26の内周面との間には、回転軸17と中央ドレンブロック26との間隙へのフラックスヒュームや外気(大気)の侵入を防止するためのシール部材24が介挿されている。シール部材24には、例えば、オイルシールやVパッキン、テフロン(登録商標)シール等の接触型のシール部材や、非接触型のシール部材(例えば、ラビリンスシール)等が用いられる。本例では、Vパッキンおよびテフロン(登録商標)シールを使用した例を示している。
【0032】
ドレン部22は、モータベース20上に堆積するフラックスをモータベース20から外部に排出するものである。このドレン部22は、谷部(溝部)により構成され、モータベース20の中心に位置する回転軸17の周方向に沿って形成されている。ドレン部22をモータベース20の中心部に形成するのは、ファン14の回転時に発生する中心に向かう風によりフラックスがモータベース20の中心部(回転軸17)に集まってくることを考慮したためである。このドレン部22は、図5に示すように、モータベース20の平面位置からモータベース20の背面側に設けられるドレン管38(排出口23)に向かって傾斜した傾斜面22cを有する。ドレン部22の傾斜面22cの下流側に位置した壁面部22dには、図5に示すように、ドレン部22に流入したフラックスを外部に排出するための排出口23が形成されている。
【0033】
ドレン管28は、図7に示すように、ドレン部22に形成された排出口23に連通され、ドレン部22に流れ込んだフラックスを回収用容器34に供給する。このドレン管28は、ドレン管本体28aとフランジ部28bと挿入部28cとを有する。ドレン管本体28aは、排出口23から斜め下方に延在しており、ドレン部22の排出口23から排出されたフラックスを後段の排出管32に導くものである。挿入部28cは、ドレン管本体28aの先端部から円筒状に突設されると共に、その外径D1が排出管32の内径D2以下に選定されることで、排出管32の内側に挿脱(係合)可能となっている。これにより、挿入部28cは、排出管32の上端入口よりも奥側に侵入するようになる。フランジ部28bは、挿入部28cの基端に外方向に延出して設けられ、後述するパッキン36の形状に対応して平面視矩形状に構成される。このフランジ部28bの4箇所のそれぞれの角部には、図7に示すように、排出管32を取り付けるためのねじ孔28dが形成される。
【0034】
排出管32は、図6および図7に示すように、フランジ部32aと排出管本体32bと蓋部33とを有する。排出管本体32bは、その上端側がドレン管本体28aの延在方向に沿って斜め下方に延在し、その長手方向の中間部よりも若干上側で鉛直方向に折り曲げられて所定の長さだけ延在している。フランジ部32aは、排出管本体32bのドレン管28側の端部に外方向に延出して設けられ、後述するパッキン36の形状に対応して平面視矩形状に構成される。このフランジ部32aの4箇所の角部のそれぞれには、図7に示すように、ドレン管28に取り付けるためのねじ孔32cが形成される。
【0035】
蓋部33は、後述する回収用容器34の蓋として機能するものであり、排出管本体32bの下端部に取り付けられる。この蓋部33は、図6〜図8に示すように、回収用容器34の外径と略同一の径を有する頂面部33aと、頂面部33aの周縁に形成された側壁部33bとを有する。側壁部33bの内周面には、図8に示すように、回収用容器34のねじ溝34bに対応したねじ溝33cが形成される。また、頂面部33aの内面側には、排出管本体32bに連通すると共に鉛直方向に突出した円筒状の突出部33dが設けられる。この突出部33dは、排出管32から回収用容器34内に流れ込むフラックスが頂面部33aの内面や側壁部33bのねじ溝33c等に固着しないようにするための防波堤として機能する。
【0036】
回収用容器34は、フラックス回収部の一例を構成しており、排出管32を介してドレン管28に連結され、ドレン部22、排出口23、ドレン管28および排出管32を経由して流れ込むフラックスを収容する。回収用容器34は、上端が開口されると共に下端に底部を有する円筒状の容器本体34aを備える。この容器本体34aの上端部周縁には、その周方向に沿ってねじ溝34bが形成されている。このねじ溝34bを蓋部33のねじ溝33cをねじ込むことで、回収用容器34を排出管32に着脱可能に取り付けることが可能となっている。この回収用容器34は、作業者が取り外し易く、かつ、フラックスがある程度収容可能な大きさに選定される。また、回収用容器34は、回収用容器34の内部に回収されたフラックス量を確認し易いように透明材料により構成しても良い。回収用容器34は、鉛直方向に延びる排出管32の端部に取り付けられるので、その取り付け角度も鉛直方向となる。そのため、例えば、回収用容器34を斜めに取り付ける場合と比べて、フラックスの収容量を多くすることができる。
【0037】
このように構成された排出管32のフランジ部32aのねじ孔32c、パッキン36のねじ孔36bおよびドレン管28のフランジ部28bのねじ孔28dの対応したねじ孔のそれぞれに、図7に示すように、ねじ60が締め付けられ、排出管32がパッキン36を介してドレン管28に着脱可能に取り付けられる。
【0038】
減圧部40Aは、回収用容器34内を減圧させて、回収用容器34内にフラックスを吸引して回収するためのものである。回収用容器34内を減圧させる手段の一例として、図3に示すように、ファン14の回転駆動によってファン14の裏面側やドレン管28、排出管32および回収用容器34が加圧状態とされる場合に、この圧力を冷却ゾーンZ3の負圧となっている吸い込み部S1(図2および図3参照)に回収用容器34と連通する本体側連結部46を設け、回収用容器34内を減圧させるようにしたものである。この減圧部40Aは、容器側連結部42と連結チューブ44と本体側連結部46とから構成される。容器側連結部42は、蓋部33の頂面部33aの外面の排出管32と重ならない位置に取り付けられており、蓋部33を介して回収用容器34の内部に連通している。本体側連結部46は、リフロー装置本体10の冷却ゾーンZ3を構成するケーシングの側壁部10cに取り付けられており、この側壁部10cを介して冷却ゾーンZ3の吸い込み部S1に連通している。連結チューブ44は、一端が容器側連結部42に接続され、他端が本体側連結部46に接続される。
【0039】
[リフロー装置の動作例]
次に、上述した減圧部40を採用した場合におけるリフロー装置100Aの動作の一例について説明する。以下では、冷却ゾーンZ3について詳細に説明する。リフロー装置100Aの電源オンがオンされると、コンベア92やファン14が駆動すると共に、ヒータ12がオンされる。そして、リフロー装置本体10内部の酸素濃度を低くするために、リフロー装置本体10の内部に窒素が注入される。
【0040】
モータ16の駆動によりファン14が回転駆動すると、ファン14の正面側に吸い込み方向の流れが発生する。そのため、吸い込み部S1は負圧となる。これにより、ノズル70に形成された吸込孔から吸い込んだ空気が吸い込み部S1に吸い込まれ、吸い込まれた空気がノズル70の下方に設けられた冷却部材18を通過することで冷却される。冷却された空気は、流入口15aを介してファン14に供給される。ファン14に供給された冷気は、ファン14の側方から吹き出され、吹き出し部S2を経由してノズル70に形成された吹出孔から吹き出される。これにより、プリント基板90の下面側に冷気が吹き付けられ、プリント基板90が冷却される。プリント基板90の下面に吹き付けられた冷気は、プリント基板90の熱を奪って温度が上昇する。この上昇した気体は、上述したノズル70の吸込孔から再び吸い込まれ、冷却部材18によって冷却されてファン14に供給される。冷却ゾーンZ3では、このような気体の循環が繰り返し行われ、コンベア92によって搬送されるプリント基板90を冷却する。
【0041】
一方で、ファン14が回転駆動すると、ファン14の背面側には圧力がかかる。このファン14とモータベース20との間の空間部は、ドレン管28、排出管32および回収用容器34に連通しているので、これらの内部も加圧された状態となる。このとき、シール部材24により、回転軸17とファン14の中央ドレンブロック26との間が密閉されているので、上述したファン14の背面側の空間部、ドレン管28、排出管32および回収用容器34の内部は高気密となる。さらに、冷却ゾーンZ3は、雰囲気温度が低いため、他の予備加熱ゾーンZ1および加熱ゾーンZ2と比べてフラックスの粘度が増加する。そのため、圧力(気体)の流れが停滞してしまい、フラックスの流動が妨げられる。
【0042】
本発明では、回収用容器34と冷却ゾーンZ3の吸い込み部S1との間を連結チューブ44により接続している。そのため、回収用容器34側の圧力が減圧されるため、フラックスが吸引されるので、モータベース20上に堆積したフラックスが回収用容器34に収容される。
【0043】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、回収用容器34と冷却ゾーンZ3の吸い込み部S1との間を連結チューブ44により接続することにより、回収用容器34側の圧力が減圧されるため、傾斜面21上でのフラックスの停滞を防止できる。その結果、モータベース20上で停滞しているフラックスの再蒸発、停滞するフラックスによる汚れ、垂れを回避することができるので、リフロー装置100Aのメンテナンス時間の短縮を図ることができる。
【0044】
ここで、ドレン管を排出管の内側ではなく外側に外装し、上述した回収用容器の取り付け角度を鉛直方向ではなく斜め方向に取り付けたリフロー装置が提案されている。しかしながら、このリフロー装置では、ドレン管と排出管との隙間にドレン部から流れるフラックスが侵入して固着してしまうという問題があった。さらに、回収用容器の取り付け角度が斜めなので、フラックスの収容量が少ないという問題があった。
【0045】
これに対し、本発明のリフロー装置100Aによれば、排出管32の回収用容器34側を鉛直方向に延在させることにより、この排出管32に取り付けられる回収用容器34の取り付け角度も鉛直方向とすることができるので、回収用容器34に収容可能なフラックス量を、回収用容器34を斜めに取り付けた場合と比べて多くすることができる。これにより、回収用容器34内部のフラックスの回収頻度を少なくすることができ、ユーザのメンテナンス時間の短縮を図ることができる。
【0046】
また、ドレン管28に挿入部28cを設け、挿入部28cを排出管32の内側に挿入して排出管32の上端入口よりも奥側に侵入させるので、ドレン管28の外周面と排出管32の内周面との間隙へのフラックスの侵入を確実に防止できる。これにより、ドレン管28と排出管32との連結部でのフラックスの固着を防止できる。さらに、フラックスが固着した場合でも、フラックスはドレン管28の内側に固着することになるので、ドレン管28の外側に装着される排出管32についてはドレン管28から容易に取り外すことができる。その結果、メンテナンス作業の負担を軽減できると共に、メンテナンス作業時間の短縮を図ることができる。
【0047】
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、エジェクター50を用いて回収用容器34の内部の圧力を強制的に減圧させる点において第1の実施の形態と相違している。なお、その他のリフロー装置100Bおよびフラックス回収装置80B等の構成は上述した第1の実施の形態で説明したリフロー装置100Aおよびフラックス回収装置80Aの構成と同一であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0048】
[減圧部の構成例]
図9は、エジェクター50を有する減圧部40Bが採用されたリフロー装置100Bの冷却ゾーンZ3におけるフラックス回収装置80Bの構成の一例を示している。減圧部40Bは、図9に示すように、エジェクター50とエジェクター側連結部58と容器側連結部42と連結チューブ44とを有する。エジェクター50は、一定方向に気体を注入したときにその流れの周辺が負圧になることを利用することにより、回収用容器34側の圧力を強制的に冷却ゾーンZ3に引っ張り込む部材である。
【0049】
図10は、エジェクター50の断面の構成の一例を示している。エジェクター50の内部には、水平方向に延びる窒素供給経路50aと、窒素供給経路50aの途中から下方に分岐した吸い込み経路50bとが設けられる。窒素供給経路50aのリフロー装置本体10と反対側の端部は入口50cとなっており、他端は出口50dとなっている。吸い込み経路50bの下端は吸込口50eとなっている。窒素供給経路50aの分岐部には、内側に絞られた凹部50fが設けられる。
【0050】
エジェクター50の吸込口50eには、図9および図10に示すように、エジェクター側連結部58を介して連結チューブ44の一端が接続される。連結チューブ44の他端には容器側連結部42が接続される。これにより、回収用容器34の内部と冷却ゾーンZ3の吸い込み部S1の内部とが連結チューブ44を介して連通される。エジェクター50の入口50cには、窒素供給連結部54を介して窒素供給チューブ56の一端が接続される。窒素供給チューブ56の他端には図示しない窒素発生部が取り付けられる。エジェクター50の出口50dは、リフロー装置本体10の冷却ゾーンZ3の側壁部10cに接続される。
【0051】
[リフロー装置の動作例]
次に、減圧部40Bが用いられたリフロー装置100Bの動作の一例について説明する。窒素発生部により発生した窒素が窒素供給チューブ56を介してエジェクター50に供給されると、供給された窒素はエジェクター50内部の窒素供給経路50aを通過する。このとき、窒素供給経路50aの途中に設けられた凹部50fにより窒素が高流ジェット気流となり、気流が増す代わりに圧力が低下する。つまり、この圧力損失により、吸い込み経路50bが負圧となる。これにより、回収用容器34側の圧力(気体)が連結チューブ44を介してエジェクター50の吸い込み経路50bに引き込まれ、分岐部において瞬時に窒素供給経路50aを流れる窒素に混ざり合う。混ざり合った窒素および回収用容器34側の気体は、冷却ゾーンZ3の吸い込み部S1に流れ込む。このように第2の実施の形態では、窒素の注入時に発生させた負圧を利用して、回収用容器34の内部を減圧させて回収用容器34内にフラックスを強制的に吸引する。
【0052】
以上説明したように、第2の実施の形態の圧力均等化手法は、第1の実施の形態で説明した連結チューブ44を用いて回収用容器34と冷却ゾーンZ3とを直接接続することによる圧力の吸引力が不足するような場合に好適に利用できる。すなわち、エジェクター50を用いることで、窒素注入によるより大きな引き込み力(負圧)で、モータベース20の傾斜面21上に堆積したフラックスをドレン部22に流動させて、回収用容器34内にフラックスを強制的に吸引させることができる。その結果、傾斜面21上でのフラックスの停滞を防止できるので、モータベース20上で停滞しているフラックスの再蒸発、停滞するフラックスによる汚れ、垂れを回避することができ、リフロー装置100Bのメンテナンス時間の短縮を図ることができる。
【0053】
<3.第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、ドレン部22をモータベース20の中央部ではなく、モータベース20の周縁部の2箇所に形成する点において上記第1の実施の形態と相違している。なお、その他のリフロー装置100C等の構成は上述した第1の実施の形態で説明したリフロー装置100Aの構成と同一であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0054】
図11および図12は、フラックス回収装置80Cの構成の一例を示している。図11および図12に示すように、フラックス回収装置80Cは、モータベース20とドレン部22と排出管32と回収用容器34と減圧部40Cとを備える。
【0055】
ドレン部22は、ドレン管22aとフランジ部22bと挿入部22eとを有する。ドレン管22aは、モータベース20の上面の周縁部からモータベース20を斜め外下方に貫通するようにして形成される。本例では、ドレン部22が2箇所に設けられており、これらのドレン部22,22の上端開口がモータベース20の周縁部の互いに対向する位置に形成されている。モータベース20の上面部は、モータベース20の中心部から外方向に形成されたドレン部22に向かって傾斜した傾斜面20aとなっている。これにより、液化したフラックスは、傾斜面20aに沿って外方向に流動し、ドレン部22に流れ込んで後述する回収用容器34に排出される。
【0056】
挿入部22eは、ドレン管22aの先端部に設けられ、その外径D1が排出管32の内径D2以下に選定されることで、排出管32の内側に挿脱(係合)可能となっている。フランジ部22bは、挿入部22eの基端に設けられ、パッキン36の形状に対応して平面視矩形状に構成される。このフランジ部22bの4箇所のそれぞれの角部には、排出管32を取り付けるためのねじ孔(図示省略)が形成される。
【0057】
排出管32は、フランジ部32aと排出管本体32bと蓋部33とを有する。排出管本体32bは、その上端側がドレン管22aの延在方向に沿って斜め下方に延在し、その中間部よりも若干上側で鉛直方向に折り曲げられて所定の長さだけ下方に延在している。フランジ部32aは、排出管本体32bのドレン部22側の端部に設けられ、パッキン36の形状に対応して平面視矩形状に構成される。このフランジ部32aの4箇所の角部のそれぞれには、ドレン部22に取り付けるためのねじ孔(図示省略)が形成される。
【0058】
蓋部33は、後述する回収用容器34の蓋として機能するものであり、排出管本体32bの下端部に取り付けられる。この蓋部33は、回収用容器34の外径と略同一の径を有する頂面部33aと、頂面部33aの周縁に形成された側壁部33bとを有する。側壁部33bの内周面には、回収用容器34のねじ溝に対応したねじ溝が形成される(図示省略)。また、頂面部33aの内面側には、ドレン部22から回収用容器34内に流れ込んだフラックスが頂面部33aの内周面や側壁部33bのねじ溝等に固着しないようにするための円筒状の突出部33dが設けられる。
【0059】
回収用容器34は、蓋部33に着脱可能に取り付けられ、ドレン部22および排出管32を経由して流れ込むフラックスを収容する。回収用容器34は、上端が開口されると共に下端に底部を有する円筒状の容器本体34aを備える。この容器本体34aの上端部周縁には、その周方向に沿ってねじ溝が形成される(図示省略)。
【0060】
減圧部40Cは、モータ16の両側に設けられる2個の回収用容器34のそれぞれに設置される。減圧部40Cは、容器側連結部42と連結チューブ44と本体側連結部46とから構成される。容器側連結部42は、蓋部33の頂面部33aの外面の排出管32と重ならない位置に取り付けられており、蓋部33を介して回収用容器34の内部に連通している。本体側連結部46は、リフロー装置本体10の冷却ゾーンZ3を構成する側壁部10cに取り付けられ、冷却ゾーンZ3の吸い込み部S1に連通している(図2参照)。連結チューブ44は、一端が容器側連結部42に接続され、他端が本体側連結部46に接続される。
【0061】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、ドレン部22をモータベース20の周縁部に形成した場合でも、それぞれに設けた減圧部40Cにより、回収用容器34側の圧力を減圧することができる。これにより、モータベース20の傾斜面20a上においてもドレン部22に向かう気体の流れが生じるので、傾斜面20a上でのフラックスの停滞を防止できる。その結果、モータベース20上で停滞しているフラックスの再蒸発、停滞するフラックスによる汚れ、垂れを回避することができると共に、効率的にフラックスを回収用容器34に流入させることができるので、リフロー装置100Cのメンテナンス時間の短縮を図ることができる。
【0062】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。上述した第1〜第3の実施の形態では、連結チューブ44の他端を冷却ゾーンZ3の吸い込み部S1に連結させていたが、これに限定されることはない。例えば、リフロー装置100に負圧を発生させる吸引装置を設け、この吸引装置に連結チューブ44の他端を連結するようにしても良い。また、吸引装置には、例えば吸引レベルを調整するための機能を設け、ベース部材上に堆積するフラックス量に応じて吸引レベルを調節できるようにしても良い。これによれば、ベース部材上のフラックスをより効率的に回収用容器34に流入させることができる。さらに、上述した冷却ゾーンZ3の吸い込み部S1以外で、負圧が発生するような空間部がリフロー装置100内にあれば、その空間部に連結チューブ44の他端を接続することもできる。
【0063】
また、上述した第1〜第3の実施の形態では、減圧部40A,40B,40Cを冷却ゾーンZ3に設置した場合について詳細に説明したが、予備加熱ゾーンZ1および加熱ゾーンZ2のそれぞれにも減圧部40A,40B,40Cを適用することができる。これにより、予備加熱ゾーンZ1および加熱ゾーンZ2においても、モータベース20上へのフラックスの堆積を効果的に抑制できる。
【符号の説明】
【0064】
10・・・リフロー装置本体、12・・・ヒータ、14・・・ファン、16・・・モータ、20・・・モータベース(ベース部材)、22・・・ドレン部、28・・・ドレン管、30A,30C・・・フラックス回収部、32・・・排出管、34・・・回収用容器(フラックス回収部)、40A,40B,40C・・・減圧部、50・・・エジェクター(減圧部)、80A,80B,80C・・・フラックス回収装置、100A,100B,100C・・・リフロー装置、S1・・・吸い込み部、S2・・・吹き出し部、Z1・・・予備加熱ゾーン、Z2・・・加熱ゾーン、Z3・・・冷却ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部と当該駆動部と回転軸を介して接続されたファンとを有するリフロー装置本体のリフロー処理によって発生したフラックスを回収するためのフラックス回収装置を備えたリフロー装置であって、
前記フラックス回収装置は、
前記リフロー装置本体に取り付けられるベース部材と、
前記ベース部材の前記ファンとの対向側であってかつ前記回転軸の周辺部に設けられ、前記リフロー処理により発生した前記フラックスを流入させて外部に排出するドレン部と、
前記フラックスを前記ドレン部を介して回収するフラックス回収部と、
該フラックス回収部内を減圧させる減圧部と
を備えることを特徴とするリフロー装置。
【請求項2】
前記リフロー装置本体は、予備加熱ゾーン、加熱ゾーンおよび冷却ゾーンを有し、
前記予備加熱ゾーン、前記加熱ゾーンおよび前記冷却ゾーンのそれぞれには、前記ファンの駆動に伴って、前記気体が吸い込まれる吸い込み部と、前記気体が吹き出される吹き出し部とが設けられ、
前記減圧部の前記一端は前記フラックス回収部に接続され、前記減圧部の前記他端は前記リフロー装置本体の前記吸い込み部のいずれかに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のリフロー装置。
【請求項3】
前記リフロー装置本体には、当該リフロー装置本体の内部に窒素を供給するための窒素注入部がエジェクターを介して接続され、
前記エジェクターは、窒素注入口と、窒素出力口と、前記窒素の注入に伴って気体を引き込む引込口とを有し、
前記減圧部は、一端が前記フラックス回収部に接続され、他端が前記エジェクターの前記引き込み口に接続されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリフロー装置。
【請求項4】
駆動部と当該駆動部と回転軸を介して接続されたファンとを有するリフロー装置本体のリフロー処理によって発生したフラックスを回収するためのフラックス回収装置を備えたリフロー装置であって、
前記フラックス回収装置は、
前記リフロー装置本体に取り付けられるベース部材と、
該ベース部材に設けられ、当該ベース部材上に堆積した前記フラックスを流入させて外部に排出するドレン部と、
一端が前記ドレン部にドレン管を介して接続され、他端が前記ドレン管から鉛直方向に向かって延びる排出管と、
前記排出管の他端に着脱可能に取り付けられ、前記排出管を介して流れる前記フラックスを回収するフラックス回収部と
を備えることを特徴とするリフロー装置。
【請求項5】
駆動部と当該駆動部と回転軸を介して接続されたファンとを有するリフロー装置本体のリフロー処理によって発生したフラックスを回収するためのフラックス回収装置を備えたリフロー装置であって、
前記フラックス回収装置は、
前記リフロー装置本体に取り付けられるベース部材と、
該ベース部材に設けられ、当該ベース部材上に堆積した前記フラックスを流入させて外部に排出するドレン部と、
一端が前記ドレン部にドレン管を介して接続され、他端が前記ドレン管から延びる排出管と、
前記排出管の他端に着脱可能に取り付けられ、前記排出管を介して流れる前記フラックスを回収するフラックス回収部と
を有し、
前記ドレン管の前記排出管側の端部の外径は、この端部と係合する前記排出管の内径以下に選定され、
前記ドレン管の前記端部は、前記排出管の内側に挿入して取り付けられた
ことを特徴とするリフロー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−230143(P2011−230143A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101326(P2010−101326)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000199197)千住金属工業株式会社 (101)
【Fターム(参考)】