説明

リブ付き壁材

【課題】 リブ付き壁材を平担形状或いは湾曲形状に保持させる場合に、簡単な加工で形状を自己保持することができ、又、軽量化を達成できると共に、断熱性、遮音性に優れ、かつ耐火性に優れたリブ付き壁材の提供。
【解決手段】 外面に突出するように曲げ形成した筋条リブ部10と平面部11が交互に形成されることで断面凹凸状に形成された壁材本体1と、前記筋条リブ部の内部に充填される状態で壁材本体の内面に全面的に形成された硬質発泡材層2とで形成されている。更に、硬質発泡材層の内面に耐火層5が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面構築に用いられるリブ付き壁材に関し、特に、リブ付き壁材の形状保持技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、壁面構築用の壁材として断面凹凸状に形成されたリブ付き壁材が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このリブ付き壁材は、外面に突出するように曲げ形成した筋条リブ部と平面部が交互に形成されることで断面凹凸状に形成されたものである。
このリブ付き壁材は、筋条リブ部の筋方向と直交する方向の曲げに対して剛性を有するが、筋条リブ部の筋方向と平行方向へは容易に屈曲するという特性を有することから、この屈曲性を利用して湾曲形状に形成した状態で取り付けることが可能になる。
このように、リブ付き壁材は、平担形状だけでなく湾曲形状でも使用できるが、その平担形状或いは湾曲形状に保持させる必要がある。
【0004】
従来のリブ付き壁材は、その形状を保持するため、平面部に筋条リブ部を跨いで外面材を取り付けるようにしていた。
このような外面材をリブ付き壁材の形状保持手段として用いると、外面材を取り付けるための加工に多くの手間と設備が必要になるし、外面材によって全体重量が重くなってしまうという問題が生じる。
【特許文献1】特許公開平8−120808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、リブ付き壁材を平担形状或いは湾曲形状に保持させる場合に、簡単な加工で形状を自己保持することができ、又、軽量化を達成できると共に、断熱性、遮音性に優れたリブ付き壁材を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)のリブ付き壁材は、
外面に突出するように曲げ形成した筋条リブ部と平面部が交互に形成されることで断面凹凸状に形成された壁材本体と、前記筋条リブ部の内部に充填される状態で壁材本体の内面に全面的に形成された硬質発泡材層とで形成されている構成とした。
【0007】
又、本発明(請求項2)のリブ付き壁材は、
請求項1記載のリブ付き壁材において、前記硬質発泡材層の内面に耐火層が形成されている構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明のリブ付き壁材は、壁材本体に形成された筋条リブ部の内部に充填される状態で壁材本体の内面に硬質発泡材層が全面的に形成されている構成に特徴がある。
このように、筋条リブ部の内部を含めて壁材本体の内面に全面的に硬質発泡材層が形成されているため、この硬質発泡材層が壁材本体の形状を固める変形防止部材として機能し、その形状を自己保持することができる。
そして、この硬質発泡材層は、硬質発泡材をスプレーガンによって壁材本体の内面に吹き付けるだけの簡単な加工で形成することができる。
又、硬質発泡材層であるため、軽量化を達成できると共に、断熱性、遮音性に優れたリブ付き壁材を得ることができる。
【0009】
又、硬質発泡材層の内面に耐火層を形成させると(請求項2)、耐火性(難燃性)に優れたリブ付き壁材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明第1実施例のリブ付き壁材の断面図、図2はそのリブ付き壁材の壁材本体を示す外面図である。
このリブ付き壁材Aは、断面凹凸状に形成された壁材本体1と、この壁材本体の内面に全面的に形成された硬質発泡材層2とで形成されている。
【0011】
前記壁材本体1は、板材に縦方向に延長して多数の筋条リブ部10が形成されたもので、外面に突出するように曲げ形成した筋条リブ部10と平面部11が交互に繰り返し形成されることで断面凹凸状に形成され、かつ両端にツバ部12が形成され、全体としては平担形状に形成されている。
実施例では、前記筋条リブ部10のサイズは、平面部11から高さ45mm程度で、幅15mm程度の角形状に形成され、かつ各筋条リブ部10はピッチ60mmで形成されている。
又、壁材本体1の外形サイズは、横幅450mm、縦幅3000mmの壁材本体1を、その端部に形成したツバ部12,12同士を重ね合わせて2枚継ぎ合わせることで広幅サイズ(450mm×2)に形成されている。
なお、その継ぎ合わせ部分にジョイントカバー13が設けられている。
【0012】
筋条リブ部10のサイズや壁材本体1の外形サイズは、実施例に限定されるものではないし、筋条リブ部10の形状も、角形状に限らず、上端幅を基端幅よりも狭く形成した台形状、上端を円弧に形成した円弧形状等に形成してもよい。
又、壁材本体1の材料についても、一般的にアルミ板、ステンレス板、ガルバ板等を使用するが、これらに限定されない。
【0013】
前記硬質発泡材層2は、前記筋条リブ部10の内部に充填される状態で壁材本体1の内面に全面的に形成されている。
この硬質発泡材層2は、硬質発泡ウレタンをスプレーガンによって壁材本体1の内面に吹き付けることで形成され、実施例では、筋条リブ部10の内部に完全に充填すると共に、壁材本体1の内面に20mm厚程度の層に形成されている。
なお、硬質発泡材としては、硬質発泡ウレタンに限定されず、形状を保持するのに必要な硬度を有し、かつ軽量で断熱性及び遮音性を有するものを使用できる。
【0014】
従って、前記リブ付き壁材Aは、筋条リブ部10の内部を含めて壁材本体1の内面に全面的に硬質発泡材層2が形成されているため、この硬質発泡材層2が壁材本体1の形状を固める変形防止部材として機能し、その平坦形状を自己保持することができる。
そして、この硬質発泡材層2は、硬質発泡材をスプレーガンによって壁材本体1の内面に吹き付けるだけの簡単な加工で形成することができる。
又、硬質発泡材層2であるため、軽量化を達成できると共に、断熱性、遮音性に優れたリブ付き壁材を得ることができる。
【0015】
なお、上記のように形成されたリブ付き壁材Aは、例えば、家屋の骨組みを形成する鉄骨材3に胴縁4を介して取り付けることになるが、軽量であるし、それ自身に断熱性、遮音性を有するため、別途に断熱材や遮音材を装填する作業が不要になり、作業性を著しく向上させることができる。
【0016】
次に、図3は本発明第2実施例のリブ付き壁材の断面図である。
このリブ付き壁材Bは、壁材本体1が全体としては湾曲形状に形成され、かつ硬質発泡材層2の内面に耐火層5が形成されている点に特徴がある。
前記耐火層5は、無機質プレ発泡材をスプレーガンによって硬質発泡材層2の内面に吹き付けることで形成され、実施例では、10mm厚程度に形成した硬質発泡材層2の内面に20mm厚程度の層に形成されている。
尚、その他の構成は、前記第1実施例と同様である。
【0017】
従って、前記リブ付き壁材Bは、硬質発泡材層2によって壁材本体1の湾曲形状を自己保持することができるし、特に、耐火層5によって優れた耐火性(難燃性)を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明第1実施例のリブ付き壁材の断面図である。
【図2】そのリブ付き壁材の壁材本体を示す外面図である。
【図3】本発明第2実施例のリブ付き壁材の断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 壁材本体
10 筋条リブ部
11 平面部
12 ツバ部
13 ジョイントカバー
2 硬質発泡材層
3 鉄骨材
4 胴縁
5 耐火層
A リブ付き壁材
B リブ付き壁材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面に突出するように曲げ形成した筋条リブ部と平面部が交互に形成されることで断面凹凸状に形成された壁材本体と、前記筋条リブ部の内部に充填される状態で壁材本体の内面に全面的に形成された硬質発泡材層とで形成されていることを特徴とするリブ付き壁材。
【請求項2】
前記硬質発泡材層の内面に耐火層が形成されている請求項1記載のリブ付き壁材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−327198(P2007−327198A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157418(P2006−157418)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(598102225)有限会社偕成産業 (1)
【Fターム(参考)】