説明

リモートコントロールシステム

【課題】低消費電力で動作するリモートコントロールシステムを得ること。
【解決手段】固定配置される情報処理装置と、情報処理装置へ指示情報を送出して情報処理装置を遠隔操作するリモートコントローラ10とを有するリモートコントロールシステムにおいて、リモートコントローラ10は、情報処理装置からの距離を装置間情報として算出するための赤外線信号を情報処理装置に送出する赤外線LED16と、情報処理装置が赤外線信号を受信した際に情報処理装置から送出される超音波信号を受信する超音波センサ11と、赤外線LED16が赤外線信号を送出してから超音波センサが超音波信号を受信するまでの時間、赤外線信号および超音波信号の伝播速度に基づいて装置間情報を算出する算出部19と、赤外線LED16が赤外線信号を送出する際の送信電力を装置間情報に基づいて制御する制御部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離に応じて信号の出力を制御するリモートコントロールシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ等の電化製品を容易に遠隔操作することが望まれており、種々のリモートコントローラが普及している。リモートコントローラは、例えば赤外線によって遠隔操作の対象となる装置に信号を送信している。
【0003】
また、ペンやマウス等の移動体の位置(座標)や軌跡に応じて、遠隔位置からコンピュータ(固定機)等に文字や図形等の情報を入力するシステム(以下、座標検出システムという)がある。このような座標検出システムにおいては、移動体と固定機の間で超音波等を送受信して移動体(ペン先等)の位置や方向を検出し、移動体の位置や方向に応じた情報を固定機に入力している。
【0004】
上述したリモートコントローラや座標検出システムにおいては、低消費電力で信号の送受信を行うことが望まれる。例えば、赤外線LED(Light Emitting Diode)によって信号を出力するリモートコントローラの場合、赤外線LEDとテレビ等が備える赤外線センサとの距離が分からないので、赤外線LEDが出力する信号を距離に応じて変更することができない。このため、赤外線LEDと赤外線センサの距離に関わらず、所定の出力で赤外線を出力する必要があった。
【0005】
リモートコントローラとテレビ等の距離を検出する技術として、テレビ等が備える赤外線センサによってリモートコントローラが備える赤外線LEDからの信号の受信レベルを検知し、この受信レベルをリモートコントローラにフィードバックする技術がある。しかしながら、赤外線LEDから出力される信号の受信レベルを検知し、リモートコントローラにフィードバックするためには、高価な装置等を必要としたり、消費電力が増加するといった問題が生じる。
【0006】
また、座標検出システムにおいて、固定機と移動体の距離に応じて超音波の出力を制御する技術がある。例えば、特許文献1に記載の超音波型座標入力装置は、超音波あるいは赤外線等でペンと固定機間で双方向の信号を授受する手段と、ペンの距離や方向、ペンの移動速度等の特定状態を判定する手段と、これらの判定結果により超音波や赤外線の出力や送信周期を可変にできる手段とを有している。そして、例えば、固定機とペンの距離が近くて超音波や赤外線の出力を下げることが可能な場合には、ペンあるいは固定機から発生する出力を下げることで消費電力を低減している。
【0007】
【特許文献1】特開2004−102896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術では、固定機側はペンのスイッチがオンになったか否かを認識できないため、固定機は距離を測定する際に出力する同期用の赤外線を常に出力し続ける必要がある。このため、固定機側の消費電力が増大するといった問題があった。本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、固定配置されて操作対象となる情報処理装置と、前記情報処理装置へ指示情報を送出して前記情報処理装置を遠隔操作するリモートコントローラとを有するリモートコントロールシステムにおいて、前記リモートコントローラは、前記情報処理装置からの距離を装置間情報として算出するための第1の信号を前記情報処理装置に送出する第1の信号送出部と、前記情報処理装置が前記第1の信号を受信した際に前記情報処理装置から送出される、前記第1の信号と伝播速度が異なる第2の信号を受信する第1の受信部と、前記第1の信号送出部が前記第1の信号を送出してから前記第1の受信部が前記第2の信号を受信するまでの時間、前記第1の信号の伝播速度および前記第2の信号の伝播速度に基づいて、前記装置間情報を算出する第1の算出部と、前記第1の信号送出部が前記第1の信号を送出する際の送信電力を、前記第1の算出部が算出した前記装置間情報に基づいて制御する第1の出力制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項9に記載の発明は、固定配置されて操作対象となる情報処理装置と、前記情報処理装置へ指示情報を送出して前記情報処理装置を遠隔操作するリモートコントローラとを有するリモートコントロールシステムにおいて、前記リモートコントローラは、前記情報処理装置が、前記リモートコントローラからの距離を装置間情報として算出するための第1の信号を前記情報処理装置に送出する第1の信号送出部と、前記情報処理装置が、前記リモートコントローラからの距離を装置間情報として算出するための、前記第1の信号と伝播速度が異なる第2の信号を前記情報処理装置に送出する第2の信号送出部と、を備えるとともに、前記情報処理装置は、前記リモートコントローラからの第1の信号および第2の信号に基づいて前記装置間情報を算出する算出部を備え、前記リモートコントローラは、前記情報処理装置から送られる前記装置間情報を受信し、前記第1の信号送出部が前記第1の信号を送出する際の送信電力、前記第2の信号送出部が前記第2の信号を送出する際の送信電力および前記指示情報を送出する際の送信電力を、前記装置間情報に基づいて制御することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明に係るリモートコントロールシステム、リモートコントローラおよび情報処理装置の実施の形態を説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、本発明のリモートコントロールシステム、リモートコントローラおよび情報処理装置の概略と特徴を実施の形態として説明し、その後にリモートコントロールシステム、リモートコントローラおよび情報処理装置に関する実施例を説明する。
【0012】
[実施の形態]
本実施の形態におけるリモートコントロールシステムは、固定の位置に配置される操作対象となる情報処理装置と、情報処理装置を遠隔操作するリモートコントローラとを有している。また、リモートコントローラは情報処理装置の遠隔操作をする際には情報処理装置を遠隔操作する指示情報を送出して(送出しながら)情報処理装置を遠隔操作する。
【0013】
リモートコントローラは、情報処理装置からの距離(距離情報)を測定するため、情報処理装置との間の距離を測定(算出)するための第1の信号(例えば赤外線信号)を情報処理装置に送る。情報処理装置は、リモートコントローラから第1の信号を受信すると、第1の信号と伝播速度が異なる第2の信号(例えば超音波信号)をリモートコントローラに送出する。すなわち、情報処理装置は常時第2の信号を送出する必要はなく、リモートコントローラから第1の信号を受信した場合にのみ第2の信号を送出すればよい。
【0014】
リモートコントローラは、情報処理装置に第1の信号を送出してから、当該情報処理装置から第2の信号を受信するまでの時間、第1の信号の伝播速度、第2の信号の伝播速度に基づいて距離情報を算出する。そして、リモートコントローラは算出した距離情報に応じた電力制御によって情報処理装置に第1の信号を送出する。
【0015】
これにより、情報処理装置は低消費電力でリモートコントローラに距離情報を測定させることが可能となる。また、リモートコントローラは、情報処理装置を遠隔操作するための指示情報を送出する際の送出電力を、算出した距離情報に応じて制御してもよい。さらに、リモートコントローラが情報処理装置に距離情報を送出し、情報処理装置がリモートコントローラからの距離情報に応じて第2の信号を送出する際の送出電力を制御してもよい。
【0016】
このように、実施の形態によれば、情報処理装置は、リモートコントローラから第1の信号を受信した際に第2の信号をリモートコントローラに送出するので、情報処理装置は常時第2の信号を送出する必要がなくなる。このため、情報処理装置は低消費電力でリモートコントローラに距離情報を測定させることが可能となり、リモートコントローラは距離情報に応じた電力制御で情報処理装置に信号を送出することが可能となる。したがって、リモートコントローラと情報処理装置の間の遠隔操作を高効率に行なうことが可能となる。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施例1にかかるリモートコントロールシステムの概念を説明するための図である。リモートコントロールシステムは、リモートコントローラ10と固定機(情報処理装置)20からなる。
【0018】
リモートコントローラ10は、固定機20の遠隔位置から所定の信号を送信して固定機20に情報を入力する。リモートコントローラ10は、超音波センサ11と赤外線LED16を備えている。また、リモートコントローラ10は、固定機20へ信号を送信する際に、固定機20との距離に応じて信号の出力を制御する。
【0019】
固定機20は、テレビ、ディスプレイ装置等を備えて構成され、リモートコントローラ10から送出される信号に基づいて所定の動作を行なう。固定機20は、リモートコントローラ10との距離や相対位置(座標)に応じて、超音波を送信する。固定機20は、1〜複数の超音波送信部で構成される超音波送信部群26、赤外線センサ21を備えている。また、固定機20は、テレビやディスプレイ装置等の画面にテレビ番組の一覧表等の情報を表示させるとともに、リモートコントローラ10によって操作(移動)可能なカーソル(後述するカーソル30(ポインタ))等を画面に表示する。
【0020】
本実施例1においては、リモートコントローラ10の使用者がリモートコントローラ10を介して、固定機20の画面に表示されるカーソルによって画面内の所定の情報(テレビ番組名等)を選択(指定)し、選択した情報に対して所定の操作(番組録画の予約等)を行なう。
【0021】
リモートコントロールシステムの動作としては、リモートコントローラ10の電源がオンになると、まずリモートコントローラ10の赤外線LED16から最大出力で赤外線同期信号を固定機20に送出する(1)。固定機20は、リモートコントローラ10からの赤外線同期信号を赤外線センサ21によって受信すると、超音波送信部群26からリモートコントローラ10へ最大出力で超音波を送出する(2)。すなわち、本実施例1では、固定機20は常時超音波を出力するのではなく、リモートコントローラ10からの赤外線同期信号を受信した後、リモートコントローラ10へ超音波を送出する。
【0022】
リモートコントローラ10は、固定機20からの超音波を超音波センサ11によって受信する。リモートコントローラ10は、受信した超音波に基づいてリモートコントローラ10(超音波センサ11)と固定機20(超音波送信部群26)の間の距離(以下、距離情報という)や、固定機20に対するリモートコントローラ10の座標(相対位置)(以下、座標情報という)を算出する。そして、リモートコントローラ10は、距離情報や座標情報に基づいて、赤外線LED16から送出する赤外線同期信号や固定機20を操作する際の赤外線信号の出力を調整(変更)し、この調整されて出力される赤外線によって固定機20を操作する(3)。
【0023】
また、固定機20を操作するためにリモートコントローラ10から送出される赤外線には、距離情報や座標情報の情報を含めておく。固定機20は、リモートコントローラ10からの距離情報や座標情報の情報を受信すると、距離情報や座標情報に基づいて、超音波送信部群26から出力する超音波を調整(変更)して、リモートコントローラ10に超音波を送出する(4)。以降、リモートコントローラ10の電源がオフになるまで(3)と(4)の処理が繰り返される。
【0024】
なお、リモートコントローラ10が距離情報を算出する場合は、超音波送信部群26の超音波送信部は1つで構成してもよい。また、リモートコントローラ10が座標情報を算出する場合は、超音波送信部群26の超音波送信部は3つ以上で構成する。ここでは、リモートコントローラ10の超音波送信部群26が3つの超音波送信部(後述する超音波送信27A〜27C)を備え、リモートコントローラ10が座標情報(距離情報を含む)を算出する場合について説明する。
【0025】
図2は、実施例1にかかるリモートコントローラの構成を示すブロック図である。リモートコントローラ10は、超音波センサ11、アンプ12、コンパレータ13、制御部14、LED駆動部15、赤外線LED16、スイッチ部17、入力キー部18、算出部19を備えている。
【0026】
なお、ここでの赤外線LED16が特許請求の範囲に記載の、リモートコントローラが備える第1の信号送出部、信号送出部に対応する。また、ここでの超音波センサ11が特許請求の範囲に記載の、リモートコントローラが備える第1の受信部、受信部に対応する。また、ここでの算出部19が特許請求の範囲に記載の、リモートコントローラが備える第1の算出部、算出部に対応する。また、ここでの制御部14、LED駆動部15が特許請求の範囲に記載の、リモートコントローラが備える第1の出力制御部、出力制御部に対応する。
【0027】
超音波センサ11は、固定機20から送出される超音波を受信するセンサである。超音波センサ11は、受信した超音波(超音波信号)をアンプ12に入力する。アンプ12は、超音波センサ11が検出した超音波信号を増幅する。アンプ12は、増幅した超音波信号をコンパレータ13に入力する。コンパレータ13は、予め設定しておいた閾値とアンプ12で増幅された超音波信号を比較して超音波信号が所定のレベルにあるか否かを判定する。
【0028】
算出部19は、赤外線LED16から送出する同期用赤外線の送出タイミング、超音波センサ11が固定機20からの超音波を受信するタイミングに基づいて、座標情報(相対位置情報)を算出する。算出部19は、算出した座標情報に応じて、赤外線LED16から赤外線を出力する際の駆動電流値(以下、赤外線駆動電流値という)等を算出する。算出部19は、リモートコントローラ10と固定機20の距離が長い場合には、赤外線LED16の赤外線駆動電流値が大きくなるよう算出し、リモートコントローラ10と固定機20の距離が短い場合には、赤外線LED16の赤外線駆動電流値が小さくなるよう算出する。すなわち、算出部19は、リモートコントローラ10と固定機20の距離が短くなるにつれて、赤外線LED16の赤外線駆動電流値が小さくなるよう赤外線駆動電流値を算出する。
【0029】
また、算出部19は、赤外線センサ21の感度の指向性を考慮して、リモートコントローラ10(赤外線LED16)の座標が固定機20(赤外線センサ21)の正面方向に近い位置にある場合に、赤外線LED16の赤外線駆動電流値が小さくなるよう算出し、リモートコントローラ10の座標が固定機20の正面方向に遠い位置にある場合(赤外線センサ21に対する赤外線LED16の赤外線送出方向の角度が小さい場合)に、赤外線LED16の赤外線駆動電流値が大きくなるよう算出する。これにより、リモートコントローラ10と固定機20の距離が短い場合であっても、赤外線センサ21が赤外線を受信しにくい場合に赤外線駆動電流値が小さくなりすぎないようにする。算出部19は、算出した赤外線駆動電流値等を、新たな赤外線駆動電流値を算出するか、リモートコントローラ10の電源がオフになるまで記憶しておく。
【0030】
LED駆動部15は、赤外線LED16を駆動する。LED駆動部15は、赤外線LED16に流す電流等を制御することによって赤外線LED16が送出する赤外線の出力を制御する。LED駆動部15は、制御部14からの指示に基づいて赤外線LED16の駆動電流を制御する。赤外線LED16は、LED駆動部15による駆動制御に基づいて赤外線を送出する。
【0031】
スイッチ部17は、リモートコントローラ10のオン/オフを設定するためのスイッチである。スイッチ部17は、例えばリモートコントローラ10の使用者がリモートコントローラ10を握るとリモートコントローラ10をオンにさせ、リモートコントローラ10を手から離すとリモートコントローラ10をオフにさせる。スイッチ部17は、例えば使用者がリモートコントローラ10を把持する手、使用者の手から流れる電流等を検知するセンサ(図示せず)等を備えて構成されている。そして、このセンサがリモートコントローラ10が把持されていることを検知するとリモートコントローラ10をオンにし、把持されていることを検知できない場合にリモートコントローラ10をオフにする。入力キー部18は、固定機20の操作を行なうための情報(指示情報)を入力するキーである。
【0032】
制御部14は、超音波センサ11、アンプ12、コンパレータ13、LED駆動部15、赤外線LED16、スイッチ部17、入力キー部18、算出部19を制御する。制御部14は、例えばリモートコントローラ10による固定機20の操作、座標情報の算出等を制御する。具体的には、制御部14はスイッチ部17によるリモートコントローラ10の把持の検知に基づいてリモートコントローラ10のオン/オフを制御する。また、制御部14は入力キー部18に固定機20を操作するための情報が入力(所定のキーの押下、ポインテイングデバイスの操作)されると、赤外線LED16から送出する赤外線に固定機20を操作するための指示情報(リモートコントロールコード)を含めて送出するよう赤外線LED16を制御する。また、制御部14は算出部19が算出した算出結果に基づいて、LED駆動部15を制御し、赤外線LED16から送出する赤外線出力を制御させる。
【0033】
図3は、実施例1にかかる固定機の構成を示すブロック図である。固定機20は、赤外線センサ21、アンプ22、コンパレータ23、制御部24、超音波駆動部25、超音波送信部群26、算出部29を備えている。
【0034】
なお、ここでの赤外線センサ21が特許請求の範囲に記載の、情報処理装置が備える第2の受信部、受信部に対応する。また、ここでの超音波送信部群26が特許請求の範囲に記載の、情報処理装置が備える第2の信号送出部、信号送出部に対応する。また、ここでの制御部24、超音波駆動部25が特許請求の範囲に記載の、情報処理装置が備える第2の出力制御部、出力制御部に対応する。
【0035】
赤外線センサ21は、リモートコントローラ10から送出される赤外線を受信するセンサである。赤外線センサ21は、受信した赤外線(赤外線信号)をアンプ22に入力する。アンプ22は、赤外線センサ21が検出した赤外線信号を増幅する。アンプ22は、増幅した赤外線信号をコンパレータ23に入力する。コンパレータ23は、予め設定しておいた閾値とアンプ22で増幅された赤外線信号を比較して赤外線信号が所定のレベルにあるか否かを判定する。
【0036】
制御部24は、リモートコントローラ10からの赤外線信号に基づいて、赤外線センサ21、アンプ22、コンパレータ23、超音波駆動部25、超音波送信部群26を制御する。また、制御部24はリモートコントローラ10からの赤外線信号に含まれる座標情報等に基づいて、図示しないディスプレイの制御(画面に表示するカーソル位置の制御)を行なう。また、制御部24はリモートコントローラ10からの赤外線信号に含まれる座標情報に基づいて、超音波駆動部25を制御し、超音波送信部27A〜27Cから送出する超音波出力を制御させる。
【0037】
超音波送信部群26は、1〜複数の超音波送信部からなる。ここでは、超音波送信部群26が3つの超音波送信部27A〜27Cで構成される場合について説明する。各超音波送信部27A〜27Cは、超音波駆動部25による制御に基づいて超音波を送出する。
【0038】
超音波駆動部25は、超音波送信部群26(超音波送信部27A〜27C)を駆動する。超音波駆動部25は、超音波送信部群26の各超音波送信部27の駆動電圧等を制御することによって各超音波送信部27が出力する超音波を制御する。超音波駆動部25は、制御部24からの指示に基づいて超音波送信部27の駆動電圧(後述する超音波駆動電圧値)を制御する。
【0039】
算出部29は、リモートコントローラ10から送出される座標情報に基づいて、超音波送信部27A〜27Cから超音波を出力する際の駆動電圧値(以下、超音波駆動電圧値という)等を算出する。算出部19は、リモートコントローラ10と固定機20の距離が長い場合には、超音波送信部27A〜27Cの超音波駆動電圧値が大きくなるよう算出し、リモートコントローラ10と固定機20の距離が短い場合には、超音波送信部27A〜27Cの超音波駆動電圧値が小さくなるよう算出する。すなわち、算出部29は、リモートコントローラ10と固定機20の距離が短くなるにつれて、超音波送信部27A〜27Cの超音波駆動電圧値が小さくなるよう超音波駆動電圧値を算出する。
【0040】
また、算出部29は、超音波送信部27A〜27Cの送信出力の指向性を考慮して、リモートコントローラ10(超音波センサ11)の座標が固定機20(超音波送信部群26)の正面方向に近い位置にある場合に、超音波駆動電圧値が小さくなるよう算出し、リモートコントローラ10の座標が固定機20の正面方向に遠い位置にある場合(超音波センサ11に対する超音波送信部群26の超音波送出方向の角度が小さい場合)に、超音波送信部群26の超音波駆動電圧値が大きくなるよう算出する。これにより、リモートコントローラ10と固定機20の距離が短い場合であっても、超音波センサ11が超音波を受信しにくい場合に超音波駆動電圧値が小さくなりすぎないようにする。
【0041】
図4は、実施例1に係る固定機の概略構成を示す図である。同図に示すように、固定機20は、ディスプレイ装置等を備えて構成されており、ディスプレイ装置の前面部等に複数の超音波送信部27A〜27C、赤外線センサ21を配置している。超音波送信部27A〜27Cは、それぞれディスプレイ装置の前面部の異なる位置に配置されており、リモートコントローラ10は各超音波送信部27A〜27Cから送出される超音波の受信タイミングに基づいて座標情報を算出する。
【0042】
つぎに、実施例1に係るリモートコントロールシステムの動作手順について説明する。図5は、実施例1に係るリモートコントロールシステムの動作手順を示すフローチャートである。
【0043】
スイッチ部17は、リモートコントローラ10が使用者に把持されているか(スイッチがオンされたか)否かを確認する(ステップS10)。リモートコントローラ10が使用者によって把持されると、スイッチ部17はリモートコントローラ10が把持されていることを検知し、検知信号を制御部14に入力する。制御部14は、スイッチ部17からの検知信号に基づいて、リモートコントローラ10の電源をオンにする。
【0044】
リモートコントローラ10のスイッチがオンになると(ステップS10、Yes)、制御部14は算出部19が座標情報を記憶しているか否かを判断する(ステップS20)。ここでは、リモートコントローラ10の電源がオンになった後、算出部19が座標情報を算出していないので、制御部14は算出部19が座標情報を記憶していないと判断する(ステップS20、No)。
【0045】
制御部14は、算出部19が座標情報を記憶していないので、最大出力で赤外線LED16に赤外線同期信号を出力させる。すなわち、制御部14はLED駆動部15を制御して赤外線LED16から送出する赤外線出力を予め設定しておいた最大値にさせる。赤外線LED16は、LED駆動部15による制御に基づいて最大出力で赤外線同期信号を送出する(ステップS30)。このとき、制御部14は、赤外線LED16から出力する赤外線同期信号に座標情報が含まれていないことを示すフラグを付加させてもよい。
【0046】
赤外線LED16からの赤外線同期信号は、固定機20の赤外線センサ21によって受信される(ステップS110)。赤外線センサ21は、受信した赤外線信号をアンプ22に入力し、アンプ22は赤外線センサ21が検出した赤外線信号を増幅する。アンプ22は、増幅した赤外線信号をコンパレータ23に入力し、コンパレータ23は予め設定しておいた閾値とアンプ22で増幅された赤外線信号を比較して赤外線信号が所定のレベルにあるか否かを判定する。ここでのコンパレータ23は、赤外線信号が所定のレベルにあると判定する。
【0047】
固定機20の制御部24は、受信した赤外線同期信号に座標情報が含まれているか否かを判断する(ステップS120)。ここでは、リモートコントローラ10からの赤外線同期信号に座標情報が含まれていないと判断される。
【0048】
固定機20の制御部24は、赤外線同期信号に座標情報が含まれていないので、最大出力で超音波送信部27A〜27Cに超音波を出力させる。すなわち、制御部24は超音波駆動部25を制御して超音波送信部27A〜27Cから送出する超音波出力を予め設定しておいた最大値にさせる。超音波送信部27A〜27Cは、超音波駆動部25による制御に基づいて最大出力で超音波信号を例えば同時に送出する(ステップS130)。
【0049】
超音波送信部27A〜27Cからの超音波信号は、リモートコントローラ10の超音波センサ11によって受信される(ステップS50)。超音波センサ11は、受信した超音波信号をアンプ12に入力し、アンプ12は超音波センサ11が検出した超音波信号を増幅する。アンプ12は、増幅した超音波信号をコンパレータ13に入力し、コンパレータ13は予め設定しておいた閾値とアンプ12で増幅された超音波信号を比較して超音波信号が所定のレベルにあるか否かを判定する。ここでのコンパレータ13は、超音波信号が所定のレベルにあると判定する。
【0050】
算出部19は、赤外線LED16から同期用赤外線を送出した時刻(時間)、超音波センサ11が固定機20の各超音波送信部27A〜27Cからの超音波を受信した時刻、超音波信号の伝播速度、赤外線信号の伝播速度に基づいて、各超音波送信部27A〜27Cと超音波センサ11との間の各超音波の伝播時間を算出する。ここでの算出部19は、各超音波の伝播時間を、リモートコントローラ10から固定機20への赤外線の伝播時間、リモートコントローラ10から赤外線が送出されて固定機20から超音波が送出されるまでの時間、固定機20からリモートコントローラ10への超音波の伝播時間の合計として算出している。すなわち、ここではリモートコントローラ10から固定機20への赤外線の伝播時間、リモートコントローラ10から赤外線が送出されて固定機20から超音波が送出されるまでの時間を0として超音波の伝播時間を算出している。
【0051】
算出部19は、各超音波の伝播時間や伝播速度に基づいて、各超音波送信部27A〜27Cと超音波センサ11との間の距離を算出するとともに、座標情報(固定機20に対する超音波センサ11の座標)を算出する(ステップS60,S70)。
【0052】
ここで、算出部19による座標情報の算出原理を説明する。図6は、座標情報の算出原理を説明するための図である。ここでの点P1(x1,y1,z1)がリモートコントローラ10の超音波センサ11に対応する。また、点A(0,0,0)が超音波送信部27Aに対応し、点B(0,yb,0)が超音波送信部27Bに対応し、点C(0,yc,zc)が超音波送信部27Cに対応している。すなわち、ここでのyz平面が超音波送信部27A〜27Cの配置される固定機20の前面に対応している。
【0053】
点P1から点A〜点Cまでの各距離をそれぞれRa〜Rcとすると、Ra〜Rcは(1)〜(3)によって表せる。
・(x1)2+(y1)2+(z1)2=Ra2・・・式(1)
・(x1)2+(yb−y1)2+(z1)2=Rb2・・・式(2)
・(x1)2+(yc−y1)2+(zc−z1)2=Rc2・・・式(3)
【0054】
Ra〜Rcは、超音波送信部27A〜27Cから超音波センサ11までの各超音波の伝播時間、伝播速度に基づいて算出することが可能である。また、A(0,0,0)を原点とした場合のB(0,yb,0)、C(0,yc,zc)は予め測定しておくことができる。このため、算出部19が(1)〜(3)を解くことによって「x1」、「y1」、「z1」を算出することが可能となる。
【0055】
算出部19は、座標情報が算出されると、算出された座標情報に基づいて赤外線LED16から赤外線を出力する際の赤外線駆動電流値等を算出する。算出部19は、算出した赤外線駆動電流値等を、新たな赤外線駆動電流値を算出するかリモートコントローラ10の電源がオフになるまで記憶しておく。
【0056】
算出部19によって座標情報が算出された後(ステップS70)、ここではリモートコントローラ10の電源がオンであるため(ステップS10、Yes)、制御部14は算出部19が座標情報を記憶しているか否かを判断する(ステップS20)。ここでの制御部14は算出部19が座標情報を記憶していると判断する(ステップS20、Yes)。
【0057】
制御部14は、算出部19が算出した赤外線駆動電流に基づいて赤外線LED16に赤外線同期信号を出力させる。すなわち、制御部14はLED駆動部15を制御して赤外線LED16から送出する赤外線出力を算出した赤外線駆動電流値にさせる。これにより、赤外線LED16は、LED駆動部15によって赤外線の出力を調整され、固定機20に赤外線を送出する(ステップS40)。このとき、制御部14は赤外線LED16から送出される赤外線に座標情報を付加して赤外線を送出させる。
【0058】
この後、リモートコントローラ10がオフになるまで、制御部14は算出部19が算出した赤外線駆動電流に基づいて赤外線LED16に赤外線を送出させる。また、算出部19は固定機20から超音波を受信する度に、各超音波の新たな伝播時間、新たな座標情報、新たな赤外線駆動電流を算出する。そして、算出部19は算出した新たな赤外線駆動電流値等を、次の新たな赤外線駆動電流値を算出するかリモートコントローラ10の電源がオフになるまで記憶しておく。
【0059】
リモートコントローラ10の使用者は、必要に応じてリモートコントローラ10の位置や方向(固定機20に対する位置や方向)変化させること、または図示しないポインテイングデバイスを操作することによって固定機20の画面に表示されるカーソルを移動させる。そして、固定機20の画面内の情報(テレビ番組名等)は、固定機20の画面内のカーソルの位置が指定されることによって選択される。また、リモートコントローラ10の使用者は、必要に応じて入力キー部18から固定機20を操作するための指示情報(リモートコントロールコード)を入力する。
【0060】
入力キー部18から入力される指示情報等は、赤外線LED16を介して赤外線信号として固定機20に送出される。このときの指示情報等を含んだ赤外線信号も制御部14からの制御に基づく赤外線出力(赤外線駆動電流値)によって赤外線LED16から固定機20に送出される。
【0061】
赤外線LED16がLED駆動部15によって赤外線の出力を調整され、固定機20に座標情報や指示情報を含む赤外線(赤外線同期信号)を送出すると(ステップS40)、この赤外線同期信号は、固定機20の赤外線センサ21によって受信される(ステップS110)。
【0062】
赤外線センサ21は、受信した赤外線信号をアンプ22によって増幅し、コンパレータ23は赤外線信号が所定のレベルにあるか否かを判定する。ここでのコンパレータ23は、赤外線信号が所定のレベルにあると判定する。
【0063】
固定機20は、受信した指示情報に応じた処理(カーソルの移動、番組録画の予約、テレビのチャンネルの変更、音量の変更等)を行なう。また、固定機20の制御部24は、受信した赤外線同期信号に座標情報が含まれているか否かを判断する(ステップS120)。ここでは、リモートコントローラ10からの赤外線同期信号に座標情報が含まれていると判断する。
【0064】
算出部29は、リモートコントローラ10から赤外線同期信号を受信すると、赤外線同期信号に含まれる座標情報に基づいて、超音波送信部27A〜27Cから超音波を出力する際の超音波駆動電圧値を算出する。
【0065】
制御部24は、算出部29が算出した超音波駆動電圧値に基づいて、超音波送信部27A〜27Cに超音波信号を出力させる。すなわち、制御部24は超音波駆動部25を制御して超音波送信部27A〜27Cが送出する超音波を、算出した超音波駆動電圧値によって送出させる。これにより、超音波送信部27A〜27Cは、超音波駆動部25によって超音波の出力が調整され、リモートコントローラ10に超音波を送出する(ステップS140)。
【0066】
この後、リモートコントローラ10がオフになるまで、制御部24は算出部29が算出した超音波駆動電圧値に基づいて超音波送信部27A〜27Cに超音波を送出させる。算出部29は、リモートコントローラ10から赤外線同期信号を受信する度に、座標情報に基づいて超音波送信部27A〜27Cから超音波を出力する際の新たな超音波駆動電圧値を算出する。そして、算出部19は算出した新たな超音波駆動電圧値等を、次の新たな超音波駆動電圧値を算出するか、固定機20またはリモートコントローラ10の電源がオフになるまで記憶しておく。
【0067】
図7は、固定機のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。同図に示すように、ディスプレイにはテレビ番組の一覧表(EPG(Electronic Program Guide))等が表示されるとともに、カーソル30が表示される。この画面に表示されるカーソル30はリモートコントローラ10の位置や方向を変化させることによって画面内を移動する。すなわち、リモートコントローラ10の位置や方向が変化することによって、指示情報(カーソル30を所定の位置に移動させる指示)が変化し、この指示情報が固定機20に送出されるため、制御部24はこの指示情報に基づいて画面上のカーソル30を表示(移動)させる(ステップS150)。
【0068】
また、このカーソル30が所定のテレビ番組名等を指定(カーソル30をテレビ番組名の上に移動)した状態で、リモートコントローラ10の入力キー部18からカーソル30が指定したテレビ番組等を選択する指示情報を入力(所定のキーを押下)すると、カーソル30によって指定されたテレビ番組等が選択される。この後、リモートコントローラ10の使用者は、選択されたテレビ番組等に対し、テレビ番組を録画予約等する指示情報等を入力キー部18を介して入力し、固定機20の操作を行う。
【0069】
リモートコントローラ10は、固定機20からの超音波に基づいて算出された赤外線駆動電流値によって固定機20に赤外線同期信号を送出し(ステップS50〜70、ステップS10,S20,S40)、固定機20はリモートコントローラ10からの赤外線同期信号内の座標情報に基づいて算出された超音波駆動電圧値によってリモートコントローラ10に超音波を送出する処理(ステップS110,S120,S140)を繰り返す。
【0070】
この間、スイッチ部17はリモートコントローラ10が使用者に把持されているか否かを確認している(ステップS10)。リモートコントローラ10が使用者の手から離されると、スイッチ部17はリモートコントローラ10が把持されていないことを検知し、検知信号を制御部14に入力する。制御部14は、スイッチ部17からの検知信号に基づいて、リモートコントローラ10の電源をオフにする。制御部14は、リモートコントローラ10の電源をオフにする際、算出部19が記憶していた座標情報や赤外線駆動電流値をクリアさせる(ステップS80)。
【0071】
なお、算出部19が記憶していた座標情報や赤外線駆動電流値のクリアは、リモートコントローラ10の電源オフと同時に行なう場合に限られず、例えば1〜数秒後にクリアすることとしてもよい。これにより、リモートコントローラ10の使用者が誤ってリモートコントローラ10を手離した場合等であっても、新たにリモートコントローラ10による座標情報の取得処理を行なう必要がなくなる。
【0072】
なお、本実施例1においては、リモートコントローラ10から固定機20への赤外線の伝播時間、リモートコントローラ10から赤外線が送出されて固定機20から超音波が送出されるまでの時間を0として算出部19が超音波の伝播時間を算出したが、算出部19はこれらの時間を考慮して超音波の伝播時間を算出してもよい。
【0073】
また、本実施例1においては、超音波送信部群26が3つの超音波送信部27A〜27Cを備える構成としたが、超音波送信部群26が1つの超音波送信部を備える構成としてもよい。この場合、リモートコントローラ10の算出部19は、1つの超音波送信部から受信した超音波に基づいて距離情報を算出する。そして、リモートコントローラ10は、算出した距離情報に基づいて、赤外線駆動電流値を算出し、赤外線LED16からの赤外線出力を制御させる。また、超音波送信部群26が4つ以上の超音波送信部を備える構成としてもよい。
【0074】
また、本実施例1においては、リモートコントローラ10から赤外線を送出し、固定機20から超音波を送出する構成としたが、リモートコントローラ10および固定機20から送出される信号はこれらに限られない。本実施例1においては超音波等の低速な信号が送出されて、この信号がいつ受信されたか(低速な信号の伝播時間)に基づいてリモートコントローラ10と固定機20の間の距離を測定している。すなわち、本実施例1のリモートコントロールシステムにおいては、赤外線の伝搬時間は超音波の伝搬時間に比べて無視できるくらい短い(瞬時に伝わる)ので、高速な(超音波に比べて十分に速い)赤外線を使用することによってタイミングの同期を取っている。換言すると、本実施例1のリモートコントロールシステムでは互いに伝播速度が異なる信号波である低速波および低速波に比べて十分高速な高速波によってリモートコントローラ10と固定機20の間の距離を測定している。このため、本実施例1のリモートコントロールシステムにおいては、リモートコントローラ10から赤外線以外の高速な信号を送出し、固定機20から超音波以外の低速な信号を送出することによって、リモートコントローラ10と固定機20の間の距離を測定してもよい。例えば、リモートコントロールシステムにおいて、リモートコントローラ10から赤外線の代わりに可視光を含む電磁波等を送出し、固定機20から可聴周波数の音波等を送出する構成としてもよい。
【0075】
また、本実施例1においては、使用者がリモートコントローラ10を把持するとリモートコントローラ10がオンになり、使用者の手からリモートコントローラ10が離れるとリモートコントローラ10がオフになる構成としたが、リモートコントローラ10に電源のオン/オフを切替えるスイッチ(ボタン)を備える構成としてもよい。この場合、リモートコントローラ10の使用者がスイッチを押すことによってリモートコントローラ10の電源のオン/オフを切替える。
【0076】
このように、リモートコントローラ10の電源がオンになった際に、リモートコントローラ10の赤外線LED16から赤外線が送出されるので、固定機20はリモートコントローラ10からの赤外線を受信した際に超音波を送出すればよい。すなわち、固定機20はリモートコントローラ10の電源がオフの場合には超音波を送出する必要がなく、リモートコントローラ10が座標検出を行なう場合に超音波を送出すればよい。
【0077】
また、リモートコントローラ10は、固定機20からの超音波に基づいて座標情報を取得することが可能となるので、座標情報に基づいて赤外線出力の赤外線駆動電流を制御することが可能となる。
【0078】
また、固定機20は、リモートコントローラ10から座標情報を取得することが可能となるので、座標情報に基づいて超音波出力の超音波駆動電圧値を制御することが可能となる。
【0079】
このように実施例1によれば、リモートコントローラ10が座標検出を行なう際に、リモートコントローラ10から赤外線同期信号を送出するので、固定機20はリモートコントローラ10が座標検出を行なう際に超音波を送出するだけでリモートコントローラ10に座標検出を行なわせることが可能となる。このため、簡易な構成で固定機20による超音波送出の消費電力を低減させることが可能となる。
【0080】
また、リモートコントローラ10は、座標情報に応じて固定機20に送出する赤外線の出力を制御するので、簡易な構成で赤外線出力の際の消費電力を低減させることが可能となる。
【0081】
また、固定機20は、座標情報に応じてリモートコントローラ10に送出する超音波の出力を制御するので、簡易な構成で超音波出力の際の消費電力を低減させることが可能となる。
【実施例2】
【0082】
つぎに、図8を用いてこの発明の実施例2について説明する。実施例2では座標情報に加えて、固定機20に対するリモートコントローラ10の方向(角度)に応じた赤外線駆動電流値、超音波駆動電圧値を算出する。
【0083】
図8は実施例2に係るリモートコントロールシステムの構成を示す図である。図8の各構成要素のうち図2および図3に示す実施例1のリモートコントローラ10や固定機20と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0084】
本実施例2においては、リモートコントローラ10が超音波センサ11の代わりに2つの超音波センサ31A,31Bを備えている。そして、それぞれの超音波センサ31A,31Bが固定機20からの超音波を受信する。なお、実施例2のリモートコントローラ10は、実施例1の図2で説明したリモートコントローラ10と同様にアンプ12、コンパレータ13、制御部14、LED駆動部15、赤外線LED16、スイッチ部17、入力キー部18、算出部19を備えている。
【0085】
算出部19は、赤外線LED16から送出する同期用赤外線の送出タイミング、それぞれの超音波センサ31A,31Bが固定機20からの超音波を受信するタイミングに基づいて、固定機20に対するリモートコントローラ10の赤外線LED16の赤外線送出方向(以下、送出方向情報という)を算出する。具体的には、算出部19は赤外線LED16から送出する同期用赤外線の送出タイミング、それぞれの超音波センサ31A,31Bが固定機20からの超音波を受信するタイミングに基づいて各超音波センサ31A,31Bのそれぞれの座標情報を算出する。そして、これら2つの座標情報に基づいて送出方向情報(方向情報)を算出する。
【0086】
算出部19は、算出した送出方向情報、座標情報に応じて、赤外線LED16から赤外線を出力する際の赤外線駆動電流値を算出する。算出部19は、リモートコントローラ10の赤外線LED16の赤外線送出方向が、固定機20の赤外線センサ21に対して正面方向に近い場合(赤外線センサ21の前面部と赤外線LED16の赤外線送出方向の成す角度θが90度に近い場合)に赤外線駆動電流値が小さくなるよう算出する。
【0087】
また、算出部19はリモートコントローラ10の赤外線LED16の赤外線送出方向が、固定機20の赤外線センサ21に対して正面方向から離れている場合(赤外線センサ21の正面方向と赤外線LED16の赤外線送出方向の成す角度θが0度に近い場合)に赤外線駆動電流値が大きくなるよう算出する。これにより、リモートコントローラ10は、送出方向情報、座標情報に応じた出力で赤外線の送出を行なうことが可能となる。
【0088】
実施例2の固定機20は、実施例1の図3で説明した固定機20と同様に赤外線センサ21、アンプ22、コンパレータ23、制御部24、超音波駆動部25、超音波送信部群26、算出部29を備えている。本実施例2においては、固定機20の算出部29は、リモートコントローラ10からの送出方向情報、座標情報に応じて、超音波送信部群26から超音波を出力する際の超音波駆動電圧値を算出する。これにより、固定機20は、送出方向情報、座標情報に応じた出力で超音波の送出を行なうことが可能となる。
【0089】
したがって、リモートコントローラ10と固定機20の距離が短い場合であっても、赤外線センサ21が赤外線を受信しにくい場合に赤外線駆動電流値が小さくなりすぎないように制御することが可能となる。
【0090】
また、リモートコントローラ10と固定機20の距離が短い場合であっても、超音波センサ11が超音波を受信しにくい場合に超音波駆動電圧値が小さくなりすぎないように制御することが可能となる。
【0091】
なお、算出部19は、送出方向情報と座標情報に基づいて赤外線駆動電流値を算出する場合に限られず、算出部19が送出方向情報のみに基づいて赤外線駆動電流値を算出してもよい。また、算出部29は、算出部29が送出方向情報のみに基づいて超音波駆動電圧値を算出してもよい。
【0092】
このように実施例2によれば、リモートコントローラ10が、送出方向情報、座標情報に応じて固定機20に送出する赤外線の出力を制御するので、簡易な構成で赤外線出力の際の消費電力を低減させることが可能となる。
【0093】
また、固定機20は、送出方向情報、座標情報に応じてリモートコントローラ10に送出する超音波の出力を制御するので、簡易な構成で超音波出力の際の消費電力を低減させることが可能となる。
【実施例3】
【0094】
つぎに、図9を用いてこの発明の実施例3について説明する。実施例3ではリモートコントローラ10から固定機20に超音波を送信し、固定機20が座標情報等を算出する。そして、固定機20によって算出された座標情報がリモートコントローラ10に送られる。
【0095】
図9は実施例3に係るリモートコントロールシステムの構成を示す図であり、図10は実施例3に係るリモートコントローラの構成を示すブロック図であり、図11は実施例3に係る固定機の構成を示すブロック図である。
【0096】
図9〜図11の各構成要素のうち図2および図3に示す実施例1のリモートコントローラ10や固定機20と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0097】
本実施例3においては、リモートコントローラ10が赤外線LED16とともに超音波送信部57、超音波駆動部55を備えている。また、リモートコントローラ10が超音波センサ11の代わりに赤外線センサ51を備えている。なお、実施例3のリモートコントローラ10は、実施例1の図2で説明したリモートコントローラ10と同様にアンプ12、コンパレータ13、制御部14、LED駆動部15、赤外線LED16、スイッチ部17、入力キー部18、算出部19を備えている。
【0098】
なお、ここでの超音波送信部57が特許請求の範囲に記載の、リモートコントローラが備える第2の信号送出部に対応する。
【0099】
赤外線センサ51は、赤外線センサ21と同様の機能を有している。すなわち、赤外線センサ51は、固定機20から送出される赤外線を受信しアンプ22に入力する。超音波駆動部55は、超音波駆動部25と同様の機能を有している。すなわち、超音波駆動部55は、超音波送信部57を駆動する。超音波送信部57は、超音波送信部27A〜27Cと同様の機能を有している。すなわち、超音波送信部57は、超音波駆動部55による制御に基づいて超音波を送出する。
【0100】
ここでの算出部19は、固定機20から送出される座標情報に基づいて、超音波送信部57から超音波を送出する際の超音波駆動電圧値、赤外線LED16から赤外線を送出する際の赤外線駆動電流値を算出する。
【0101】
また、固定機20は、赤外線センサ21とともに超音波センサ41A〜41Cを備えている。また、固定機20は超音波送信部群26の代わりに赤外線LED46とLED駆動部45を備えている。なお、実施例2の固定機20は、実施例1の図3で説明した固定機20と同様に赤外線センサ21、アンプ22、コンパレータ23、制御部24、超音波駆動部25、算出部29を備えている。なお、ここでの算出部29が特許請求の範囲に記載の、情報処理装置が備える算出部に対応する。
【0102】
超音波センサ41A〜41Cは、超音波センサ11と同様の機能を有している。すなわち、超音波センサ41A〜41Cは、リモートコントローラ10から送出される超音波を受信しアンプ22に入力する。
【0103】
LED駆動部45は、LED駆動部15と同様の機能を有している。すなわち、LED駆動部45は、赤外線LED46を駆動する。赤外線LED46は、赤外線LED16と同様の機能を有している。すなわち、赤外線LED46は、LED駆動部45による駆動制御に基づいて赤外線を送出する。
【0104】
ここでの算出部29は、赤外線LED16から送出されるする同期用赤外線の受信タイミング(時刻)、超音波センサ41A〜41Cがリモートコントローラ10からの超音波を受信するタイミング、超音波信号の伝播速度等に基づいて座標情報を算出する。算出部29は、算出した座標情報に応じて、赤外線LED46から赤外線を出力する際の赤外線駆動電流値を算出する。算出部29は、算出した赤外線駆動電流値を、新たな赤外線駆動電流値を算出するか、リモートコントローラ10の電源がオフになるまで記憶しておく。
【0105】
つぎに、実施例3に係るリモートコントロールシステムの動作手順について説明する。図12は、実施例3に係るリモートコントロールシステムの動作手順を示すフローチャートである。
【0106】
スイッチ部17は、リモートコントローラ10が使用者に把持されているか否かを確認する(ステップS210)。リモートコントローラ10が使用者によって把持されると、スイッチ部17はリモートコントローラ10が把持されていることを検知し、検知信号を制御部14に入力する。制御部14は、スイッチ部17からの検知信号に基づいて、リモートコントローラ10の電源をオンにする。
【0107】
リモートコントローラ10のスイッチがオンになると(ステップS210、Yes)、制御部14は算出部19が座標情報を記憶しているか否かを判断する(ステップS220)。ここでは、リモートコントローラ10の電源がオンになった後、固定機20から座標情報を取得していないので、制御部14は算出部19が座標情報を記憶していないと判断する(ステップS220、No)。
【0108】
制御部14は、算出部19が座標情報を記憶していないので、最大出力で赤外線LED16に赤外線同期信号を送出させるとともに最大出力で超音波送信部57に超音波を送出させる。すなわち、制御部14はLED駆動部15を制御して赤外線LED16から送出する赤外線出力、超音波送信部57から送出する超音波を予め設定しておいた最大値にさせる。赤外線LED16はLED駆動部15による制御に基づいて最大出力で赤外線同期信号を送出し、超音波送信部57は超音波駆動部55による制御に基づいて最大出力で超音波信号を送出する(ステップS230)。
【0109】
赤外線LED16からの赤外線同期信号は、固定機20の赤外線センサ21によって受信される。また、超音波送信部57からの超音波信号は固定機20の超音波センサ41A〜41Cによって受信される(ステップS310)。赤外線センサ21は、受信した赤外線信号と超音波信号をアンプ22に入力し、アンプ22は赤外線センサ21が検出した赤外線信号と超音波信号を増幅する。アンプ22は、増幅した赤外線信号、超音波信号をコンパレータ23に入力し、コンパレータ23は予め設定しておいた閾値とアンプ22で増幅された赤外線信号、超音波信号を比較して赤外線信号、超音波信号が所定のレベルにあるか否かを判定する。ここでのコンパレータ23は、赤外線信号、超音波信号が所定のレベルにあると判定する。
【0110】
算出部29は、赤外線LED16から同期用赤外線を受信した時刻、超音波センサ41A〜41Cがリモートコントローラ10の超音波送信部57からの超音波を受信した時刻に基づいて、超音波送信部57と各超音波センサ41A〜41Cとの間の各超音波の伝播時間を算出する。
【0111】
算出部29は、各超音波の伝播時間や伝播速度に基づいて、超音波送信部57と各超音波センサ41A〜41Cとの間の距離を算出するとともに、座標情報(固定機20に対する超音波送信部57の座標)を算出する(ステップS320,S330)。算出部29は、座標情報が算出されると、算出された座標情報に基づいて赤外線LED46から赤外線を出力する際の赤外線駆動電流値を算出する。
【0112】
この後、リモートコントローラ10がオフになるまで、制御部24は算出部29が算出した赤外線駆動電流値に基づいて赤外線LED46に赤外線を送出させる。算出部29は、リモートコントローラ10から赤外線同期信号と超音波を受信する度に、座標情報を算出し、算出した座標情報に基づいて赤外線LED46から赤外線を出力する際の新たな赤外線駆動電流値を算出する。算出部29は、算出した赤外線駆動電流値を、新たな赤外線駆動電流値を算出するかリモートコントローラ10の電源がオフになるまで記憶しておく。
【0113】
制御部24は、算出部29が算出した赤外線駆動電流値に基づいて、赤外線LED46に赤外線信号を出力させる。すなわち、制御部24はLED駆動部45を制御して赤外線LED46が送出する赤外線を、算出した赤外線駆動電流値によって送出させる。これにより、赤外線LED46は、LED駆動部45によって赤外線の出力が調整され、リモートコントローラ10に赤外線を送出する(ステップS340)。このとき、制御部24は赤外線LED46から送出される赤外線に座標情報を付加して赤外線を送出させる。
【0114】
赤外線LED46からの赤外線信号は、リモートコントローラ10の赤外線センサ51によって受信される(ステップS250)。赤外線センサ51は、受信した赤外線信号をアンプ12によって増幅し、コンパレータ13は赤外線信号が所定のレベルにあるか否かを判定する。ここでのコンパレータ13は、赤外線信号が所定のレベルにあると判定する。
【0115】
算出部19は、固定機20から赤外線信号を受信すると、赤外線信号に含まれる座標情報に基づいて、超音波送信部57から超音波を出力する際の超音波駆動電圧値、赤外線LED16から赤外線を出力する際の赤外線駆動電流値を算出する。
【0116】
算出部19によって超音波駆動電圧値、赤外線駆動電流値が算出された後、ここではリモートコントローラ10の電源がオンであるため(ステップS210、Yes)、制御部14は算出部19が座標情報を記憶しているか否かを判断する(ステップS220)。ここでの制御部14は算出部19が座標情報を記憶していると判断する(ステップS220、Yes)。
【0117】
制御部14は、算出部19が算出した超音波駆動電圧値、赤外線駆動電流値に基づいて、超音波送信部57に超音波信号を出力させ、赤外線LED16に赤外線信号を出力させる。すなわち、制御部14は超音波駆動部55を制御して、超音波送信部57が送出する超音波を算出した超音波駆動電圧値によって送出させる。これにより、超音波送信部57は、超音波駆動部55によって超音波の出力が調整され、固定機20に超音波を送出する。
【0118】
また、制御部14はLED駆動部15を制御して、赤外線LED16が送出する赤外線を算出した赤外線駆動電流値によって送出させる。これにより、赤外線LED16は、LED駆動部15によって赤外線の出力が調整され、固定機20に赤外線信号を送出する(ステップS240)。
【0119】
この後、リモートコントローラ10がオフになるまで、制御部14は算出部19が算出した超音波駆動電圧値、赤外線駆動電流値に基づいて超音波送信部57に超音波を送出させ、超音波赤外線LED16に赤外線を送出させる。また、算出部19は固定機20から座標情報を含む赤外線信号を受信する度に、新たな超音波駆動電圧値、新たな赤外線駆動電流値を算出する。そして、算出部19は算出した新たな超音波駆動電圧値、新たな赤外線駆動電流値等を、次の新たな超音波駆動電圧値、新たな赤外線駆動電流値を算出するかリモートコントローラ10の電源がオフになるまで記憶しておく。
【0120】
リモートコントローラ10の使用者は、必要に応じてリモートコントローラ10の位置や方向を変化させることによって固定機20の画面に表示されるカーソル30を移動させる。また、リモートコントローラ10の使用者は、必要に応じて入力キー部18から固定機20を操作するための指示情報(リモートコントロールコード)を入力する。
【0121】
入力キー部18から入力される指示情報等は、赤外線LED16を介して赤外線信号として固定機20に送出される。このときの指示情報等を含んだ赤外線信号も制御部14からの制御に基づく赤外線出力(赤外線駆動電流値)によって赤外線LED16から固定機20に送出される。
【0122】
赤外線LED16からの指示情報を含んだ赤外線信号は、固定機20の赤外線センサ21によって受信される。固定機20の制御部24は、リモートコントローラ10の位置や方向の変化に応じて、画面に表示させるカーソル30を移動させる(ステップS350)。そして、固定機20は、受信した指示情報に応じた処理を行なう。
【0123】
リモートコントローラ10は、固定機20からの座標情報に基づいて算出された赤外線駆動電流値によって固定機20に赤外線同期信号を送出するとともに、固定機20からの座標情報に基づいて算出された超音波駆動電圧値によって固定機20に超音波を送出する処理(ステップS250、ステップS210,S220,S240)を繰り返す。固定機20はリモートコントローラ10からの赤外線同期信号、超音波に基づいて算出した座標情報に応じた赤外線駆動電流値を算出する。そして、固定機20は、算出された赤外線駆動電流値によってリモートコントローラ10に赤外線を送出する処理(ステップS310〜S350)を繰り返す。
【0124】
この間、スイッチ部17はリモートコントローラ10が使用者に把持されているか否かを確認している(ステップS210)。リモートコントローラ10が使用者の手から離されると、スイッチ部17はリモートコントローラ10が把持されていないことを検知し、検知信号を制御部14に入力する。制御部14は、スイッチ部17からの検知信号に基づいて、リモートコントローラ10の電源をオフにする。制御部14は、リモートコントローラ10の電源をオフにする際、算出部19が記憶していた赤外線駆動電流値や超音波駆動電圧値をクリアさせる。
【0125】
なお、本実施例3においては、固定機20が3つの超音波センサ41A〜41Cを備える構成としたが、固定機20が1つの超音波センサを備える構成としてもよい。この場合、固定機20の算出部29は、1つの超音波センサが受信した超音波に基づいて距離情報を算出する。そして、固定機20は算出した距離情報に基づいて赤外線駆動電流値を算出し、赤外線LED46からの赤外線出力を制御させる。また、リモートコントローラ10は、固定機20から受信した距離情報に基づいて、赤外線駆動電流値や超音波駆動電圧値を算出し、赤外線LED16からの赤外線出力や超音波送信部57からの超音波出力を制御させる。また、固定機20において4つ以上の超音波センサを備える構成としてもよい。
【0126】
このように、リモートコントローラ10から赤外線同期信号および超音波信号を送出するので、固定機20がリモートコントローラ10の座標検出を行なうことが可能となる。また、固定機20が算出した座標情報をリモートコントローラ10に送信するので、リモートコントローラ10は固定機20から座標情報を取得することが可能となる。
【0127】
このように実施例3によれば、リモートコントローラ10が固定機20から座標情報を取得するので、リモートコントローラ10は座標情報に応じて固定機20に送出する赤外線、超音波の出力を制御することが可能となり、簡易な構成で赤外線出力、超音波出力の際の消費電力を低減させることが可能となる。
【0128】
また、固定機20は、座標情報に応じてリモートコントローラ10に送出する赤外線信号の出力を制御するので、簡易な構成で赤外線出力の際の消費電力を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の実施例1にかかるリモートコントロールシステムの概念を説明するための図である。
【図2】実施例1にかかるリモートコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1にかかる固定機の構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1に係る固定機の概略構成を示す図である。
【図5】実施例1に係るリモートコントロールシステムの動作手順を示すフローチャートである。
【図6】座標情報の算出原理を説明するための図である。
【図7】固定機のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【図8】実施例2に係るリモートコントロールシステムの構成を示す図である。
【図9】実施例3に係るリモートコントロールシステムの構成を示す図である。
【図10】実施例3に係るリモートコントローラの構成を示すブロック図である。
【図11】実施例3に係る固定機の構成を示すブロック図である。
【図12】実施例3に係るリモートコントロールシステムの動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0130】
10 リモートコントローラ
11,31A,31B,41A〜41C 超音波センサ
12,22 アンプ
13,23 コンパレータ
14,24 制御部
15,45,45 LED駆動部
16,46 赤外線LED
17 スイッチ部
18 入力キー部
19,29 算出部
20 固定機
21,51 赤外線センサ
25,55 超音波駆動部
26 超音波送信部群
27A〜27C,57 超音波送信部
30 カーソル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定配置されて操作対象となる情報処理装置と、前記情報処理装置へ指示情報を送出して前記情報処理装置を遠隔操作するリモートコントローラとを有するリモートコントロールシステムにおいて、
前記リモートコントローラは、
前記情報処理装置からの距離を装置間情報として算出するための第1の信号を前記情報処理装置に送出する第1の信号送出部と、
前記情報処理装置が前記第1の信号を受信した際に前記情報処理装置から送出される、前記第1の信号と伝播速度が異なる第2の信号を受信する第1の受信部と、
前記第1の信号送出部が前記第1の信号を送出してから前記第1の受信部が前記第2の信号を受信するまでの時間、前記第1の信号の伝播速度および前記第2の信号の伝播速度に基づいて、前記装置間情報を算出する第1の算出部と、
前記第1の信号送出部が前記第1の信号を送出する際の送信電力を、前記第1の算出部が算出した前記装置間情報に基づいて制御する第1の出力制御部と、
を備えることを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項2】
前記第1の出力制御部は、前記指示情報を送出する際の送信電力を、前記第1の算出部が算出した前記装置間情報に基づいて制御することを特徴とする請求項1に記載のリモートコントロールシステム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記リモートコントローラから送出される第1の信号を受信する第2の受信部と、
前記第2の受信部が前記第1の信号を受信した際に前記第2の信号を3箇所以上の位置から送出する3つ以上の第2の信号送出部と、
を備え、
前記装置間情報は、前記情報処理装置に対する前記リモートコントローラの相対位置座標を含み、
前記第1の算出部は、前記第1の信号送出部が前記第1の信号を送出してから前記第1の受信部が前記第2の信号送出部のそれぞれから前記第2の信号を受信するまでの時間、前記第1の信号の伝播速度および前記第2の信号の伝播速度に基づいて前記相対位置座標を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のリモートコントロールシステム。
【請求項4】
前記リモートコントローラの第1の受信部は、複数からなるとともに前記第2の信号送出部から送出される前記第2の信号を2箇所以上の位置で受信し、
前記装置間情報は、前記情報処理装置に対して前記リモートコントローラが向いている方向に関する方向情報を含み、
前記第1の算出部は、前記第1の信号送出部が前記第1の信号を送出してから複数からなる前記第1の受信部のそれぞれが前記第2の信号を受信するまでの各時間、前記第1の信号の伝播速度および前記第2の信号の伝播速度に基づいて方向情報を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のリモートコントロールシステム。
【請求項5】
前記リモートコントローラは、前記装置間情報を前記情報処理装置に送信するとともに、
前記情報処理装置は、
前記第2の信号送出部が前記第2の信号を送出する際の送信電力を前記装置間情報に基づいて制御する第2の出力制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のリモートコントロールシステム。
【請求項6】
前記リモートコントローラは、
前記リモートコントローラの使用者によって把持されている場合に電源をオンにし、前記リモートコントローラの使用者によって把持されていない場合に電源をオフにするスイッチ部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のリモートコントロールシステム。
【請求項7】
固定配置されて操作対象となる情報処理装置へ指示情報を送出して前記情報処理装置を遠隔操作するリモートコントローラにおいて、
前記情報処理装置からの距離を装置間情報として算出するための第1の信号を前記情報処理装置に送出する信号送出部と、
前記情報処理装置が前記第1の信号を受信した際に前記情報処理装置から送出される、前記第1の信号と伝播速度が異なる第2の信号を受信する受信部と、
前記信号送出部が前記第1の信号を送出してから前記受信部が前記第2の信号を受信するまでの時間、前記第1の信号の伝播速度および前記第2の信号の伝播速度に基づいて、前記装置間情報として算出する算出部と、
前記信号送出部が前記第1の信号を送出する際の送信電力を、前記算出部が算出した前記装置間情報に基づいて制御する出力制御部と、
を備えることを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項8】
指示情報を送出して遠隔操作を行うリモートコントローラからの前記指示情報によって遠隔操作されるとともに固定配置される情報処理装置において、
前記リモートコントローラが、前記リモートコントローラからの距離に関する装置間情報を算出するために前記リモートコントローラが送出する第1の信号を受信する受信部と、
前記第1の信号を受信すると前記第1の信号と伝播速度が異なる第2の信号を前記リモートコントローラに送信する信号送出部と、
前記リモートコントローラが算出した前記装置間情報に応じて前記第1の信号を送出する際の出力を制御する出力制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
固定配置されて操作対象となる情報処理装置と、前記情報処理装置へ指示情報を送出して前記情報処理装置を遠隔操作するリモートコントローラとを有するリモートコントロールシステムにおいて、
前記リモートコントローラは、
前記情報処理装置が、前記リモートコントローラからの距離を装置間情報として算出するための第1の信号を前記情報処理装置に送出する第1の信号送出部と、
前記情報処理装置が、前記リモートコントローラからの距離を装置間情報として算出するための、前記第1の信号と伝播速度が異なる第2の信号を前記情報処理装置に送出する第2の信号送出部と、
を備えるとともに、
前記情報処理装置は、
前記リモートコントローラからの第1の信号および第2の信号に基づいて前記装置間情報を算出する算出部を備え、
前記リモートコントローラは、
前記情報処理装置から送られる前記装置間情報を受信し、前記第1の信号送出部が前記第1の信号を送出する際の送信電力、前記第2の信号送出部が前記第2の信号を送出する際の送信電力および前記指示情報を送出する際の送信電力を、前記装置間情報に基づいて制御することを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項10】
固定配置されて操作対象となる情報処理装置へ指示情報を送出して前記情報処理装置を遠隔操作するリモートコントローラの遠隔操作方法において、
前記リモートコントローラが、前記情報処理装置からの距離を装置間情報として算出するための第1の信号を前記情報処理装置に送出する信号送出ステップと、
前記情報処理装置が前記第1の信号を受信した際に前記情報処理装置から送出される、前記第1の信号と伝播速度が異なる第2の信号を、前記リモートコントローラが受信する信号受信ステップと、
前記リモートコントローラが、前記第1の信号を送出してから前記第2の信号を受信するまでの時間、前記第1の信号の伝播速度および前記第2の信号の伝播速度に基づいて、前記装置間情報を算出する算出ステップと、
前記リモートコントローラが前記第1の信号を送出する際の送信電力を、算出した前記装置間情報に基づいて制御する出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする遠隔操作方法。









【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−295635(P2006−295635A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114868(P2005−114868)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】