説明

リンク装置および車両用空調装置

【課題】騒音の発生を抑制し、小形化を図ることができるリンク装置および車両用空調装置を提供する。
【解決手段】駆動プレート32には、複数の溝として第1の独立溝51、第2の独立溝52、および共通溝53が形成される。また駆動プレート32には、複数の突起である複数のリブ61〜63が形成される。第2の駆動ピン34は、共通溝53の凹部53cに嵌合する。したがって第2の駆動ピン34は、共通溝53であっても、凹部53cによって共通溝53に沿って案内することができる。第1の駆動ピン33は、小径円柱部33cが第1の独立溝51に嵌合することによって、第1の独立溝51に係合する。また第1の駆動ピン33は、共通溝53に係合している場合には、第1の駆動ピン33の段差から後端の外周面である中径円柱部33bまたは大径円柱部33aの外周面が各リブ61〜63に接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動プレートを回動させて被駆動体を駆動させるリンク装置、およびリンク装置を用いて空気通路の開度を調整する車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用空調装置は、吹出し口の切替、吹出し温度調整、および内外気切替などを実行させるための駆動機構としてリンク装置を備えている。リンク装置は、複数のドアを駆動するために、1枚の駆動プレートに形成される複数の溝と、溝に嵌合し、溝に沿って変位する駆動ピンとを備える。駆動プレートに形成される複数の溝は、互いに独立しており、交差および重複しないように形成される。このような駆動プレートを回転させることによって、駆動ピンの位置が溝に沿って変位し、駆動ピンに一体に設けられるレバーが変位する。レバーはドアと連動しており、レバーが変位することによって、ドアを変位させている。
【0003】
このようなリンク装置では、前述のように駆動プレートに形成されている溝がそれぞれ独立して形成されているので、複数の溝を形成するために駆動プレート自体が大きくなり、重量を軽減することができないという問題がある。また駆動プレートが大きくなることによって、リンク装置が占めるスペースが大きくなるので、リンク装置付近の部品の配置が制限されるという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するリンク装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のリンク装置では、駆動プレートを小型化するために、段がある溝と段がない溝と、2つの溝が連なる共通溝が形成される。共通溝では、段差を有する駆動ピンと、段差を有さない駆動ピンとのいずれもが嵌合するが、独立した2つの溝では、段の有無によっていずれか一方の駆動ピンとしか嵌合しない。したがって共通溝であっても、駆動ピンを所定の溝の経路で動作をさせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−218819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のリンク装置では、段差のない駆動ピンが共通溝に入るとき、段がある溝に落ち込む場合がある。これによって、位置ずれが発生し、駆動ピンのスムーズな動作の妨げになることがある。また落ち込んだときに発生する駆動ピンと溝による打音、および駆動ピンの引掛り音などが発生するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、騒音の発生を抑制し、小形化を図ることができるリンク装置および車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0009】
請求項1に記載の発明では、複数の溝(51〜53)および複数の突起(61〜63)が形成されてなる板状の駆動プレート(32)と、
複数の溝に係合する複数の駆動ピン(33,34)と、
複数の駆動ピンのそれぞれに連結される複数の被駆動体(35,36)と、
駆動プレートを回動させる回動手段(31)と、を含み、
複数の駆動ピンのうち2つの駆動ピンは、外周面に段差を有する柱状の第1の駆動ピン(33)、および先端に外周面に段差を有しない柱状の柱状部を有する第2の駆動ピン(34)であり、
複数の溝のうち3つの溝は、第1の駆動ピンおよび第2の駆動ピンが係合する共通溝(53)、第1の駆動ピンが係合し、共通溝から分岐する第1の独立溝(51)、ならびに第2の駆動ピンが係合し、共通溝から分岐する第2の独立溝(52)であり、
第1の駆動ピンの外径は、段差の先端側が段差の反先端側よりも小さく、
共通溝の底には、第2の独立溝に連なり、柱状部が嵌合する凹部(53c)が共通溝が延びる方向に延びて形成されており、
凹部の幅および共通溝における深さは、第2の独立溝の幅および深さと等しく、
第1の独立溝の深さは、第2の独立溝の深さよりも小さく、
複数の突起は、共通溝が延びる方向に延びる板状に形成され、
第1の駆動ピンは、段差から先端までが第1の独立溝に嵌合することによって、第1の独立溝に係合し、
共通溝に第1の駆動ピンが係合している場合には、第1の駆動ピンの段差から反先端側の外周面が複数の突起に接触し、
共通溝に第2の駆動ピンが係合している場合には、凹部に柱状部が嵌合していることを特徴とするリンク装置である。
【0010】
請求項1に記載の発明に従えば、駆動プレートには、複数の溝として第1の独立溝、第2の独立溝、および共通溝が形成される。また駆動プレートには、複数の突起が形成される。共通溝の底には、第2の独立溝に連なり、柱状部が嵌合する凹部が共通溝が延びる方向に延びて形成される。第1の駆動ピンは、第1の独立溝に係合する柱状であって、外周面に段差を有する。また第1の駆動ピンは、共通溝にも係合する。第2の駆動ピンは、先端に外周面に段差を有しない柱状の柱状部を有する。この柱状部は、共通溝の凹部に嵌合する。したがって第2の駆動ピンは、共通溝であっても、凹部によって共通溝に沿って案内することができる。凹部の幅および共通溝における深さは、第2の独立溝の幅および深さと等しい。凹部の共通溝のおける深さとは、凹部だけの深さではなく、凹部の底から共通溝が形成される駆動プレートの面までの距離である。これによって第2の駆動ピンが第2の独立溝に沿って共通溝に侵入しても、異音が発生することを抑制することができる。
【0011】
第1の駆動ピンは、段差から先端までが第1の独立溝に嵌合することによって、第1の独立溝に係合する。また第1の駆動ピンは、共通溝に係合している場合には、第1の駆動ピンの段差から反先端側の外周面が複数の突起に接触する。したがって第1の駆動ピンが共通溝に係合している状態では、共通溝に沿って延びる複数の突起によって、共通溝に沿って案内することができる。したがって第1の駆動ピンが第1の独立溝から共通溝に進行するときに、第1の駆動ピンが不安定になることを抑制することができる。これによって第1の駆動ピンが共通溝に接触することによって発生する異音を軽減することができる。
【0012】
したがって2つの駆動ピンに係合する共通溝を形成することができるので、2つの溝の一部は1本の共通溝で兼用できて駆動プレートを小さく形成することができる。これによって駆動プレートの重量を軽減することができ、またコスト低減を図ることができる。さらに駆動プレートを小さく形成することによってリンク装置の設置スペースも縮小することができて省スペース化を図ることが可能となる。
【0013】
また請求項2に記載の発明では、複数の突起(61,62)は、共通溝を挟んで対をなすように形成されてなり、
共通溝に第1の駆動ピンが係合している場合には、第1の駆動ピンの段差から反先端側の外周面が対をなす突起に接触することを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明に従えば、複数の突起は、共通溝を挟んで対をなすように形成されている。共通溝に第1の駆動ピンが係合している場合には、第1の駆動ピンの段差から反先端側の外周面が対をなす突起に接触するので、第1の駆動ピンを両側から対をなす突起によって案内することができる。これによって第1の駆動ピンが所定の経路からずれることをさらに抑制することができる。
【0015】
さらに請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載のリンク装置(11)と、
車室内に送風される空気が通過する第1の空気通路(24)および第2の空気通路(25)を内部に形成する空調ケース(12)と、
空調ケース内に配置され、第1の空気通路を通過する空気の通過量を開度により調整する第1のドア(21)と、
空調ケース内に配置され、第2の空気通路を通過する空気の通過量を開度により調整する第2のドア(22)と、を含み、
第1の駆動ピンに連結される第1の被駆動体によって第1のドアの開度を調整し、第2の駆動ピンに連結される第2の被駆動体によって第2のドアの開度を調整することを特徴とする車両用空調装置である。
【0016】
請求項3に記載の発明に従えば、リンク装置は車両用空調装置に適用され、リンク装置によって第1のドアおよび第2のドアの開度を調整する。前述のようにリンク装置の小形化ができるので、車両用空調装置を小形化することができる。またリンク装置から異音の発生が抑制できるので、車両用空調装置から発生する異音を抑制することができる。
【0017】
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車両用空調装置10の概略構成を示す模式図である。
【図2】リンク装置11を正面から見て示す斜視図である。
【図3】リンク装置11を背面から見て示す斜視図である。
【図4】ケーシング30を正面から見て示す斜視図である。
【図5】ケーシング30を背面から見て示す斜視図である。
【図6】駆動プレート32と第1のレバー35を示す斜視図である。
【図7】駆動プレート32と第2のレバー36を示す斜視図である。
【図8】駆動プレート32を示す斜視図である。
【図9】リンク装置11を示す側面図である。
【図10】リンク装置11を示す正面図である。
【図11】図10の切断面線A−Aから見て示す断面図である。
【図12】図10の切断面線B−Bから見て示す断面図である。
【図13】図10の切断面線C−Cから見て示す断面図である。
【図14】第1の駆動ピン33の動作を説明するための図である。
【図15】第2実施形態における第1の駆動ピン33Aを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各実施形態で先行する実施形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。また各実施形態にて構成の一部を説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している実施形態と同様とする。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0020】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図14を用いて説明する。図1は、車両用空調装置10の概略構成を示す模式図である。車両用空調装置10は、車室内空調運転の実施可能な装置である。車両用空調装置10は、リンク装置11を含んで構成される。リンク装置11は、車両用空調装置10を構成する2つのドアを駆動する装置である。
【0021】
車両用空調装置10は、空調ケース12、および空調ケース12と車室内の所定部位に開口する各吹出口(図示せず)を接続する各吹き出し用ダクト(図示せず)を含んで構成されている。空調ケース12はたとえば複数のケース部材からなり、その材質はたとえばポリプロピレンなどの樹脂成形品である。空調ケース12は、自動車の車室内の前方付近に設けられている。
【0022】
空調ケース12は、空気が流れる空気通路として、冷風が流れる冷風通路13、温風が流れる温風通路14および冷風および温風が混ざり合うエアミックス室15を内部に形成する。
【0023】
空調ケース12の最も上流側には、空気を取り入れる導入口16が形成されている。導入口16の上流側には、車室内または車室外の空気を空調用部品に送風するための送風機(図示せず)が設けられる。
【0024】
空調ケース12内には、空調用部品として、空気通路全体を横断的に塞ぐように設けられたエバポレータ17と、エバポレータ17を通過してきた空気を加熱するヒータコア18と、エバポレータ17を通過した空気のうちヒータコア18を通過する空気の風量を調整するエアミックスドア19と、冷風通路13と温風通路14が合流するエアミックス室15の下流に設けられたデフ用ドア20、フェイス用ドア21およびフット用ドア22と、を含んでいる。図1は、車両に設置した状態で図の上側が上に、図の下側が下に位置し、図の左側が車両前方に、右側が車両後方に向いている。
【0025】
エバポレータ17は、図示しない冷凍サイクル内の膨張弁で減圧された低温低圧の冷媒を送風機の送風を受けて内部で蒸発させるものであり、冷媒が流れるチューブの周囲を通過する送風空気を冷却する冷却手段である。エバポレータ17よりも下流には冷風通路13とヒータコア18が設けられており、さらに冷風通路13を通過する空気とヒータコア18に向かう空気との風量割合を調整するエアミックスドア19が設けられている。
【0026】
冷凍サイクルは、図示は省略するが、インバータにより回転数制御されて冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮された冷媒を凝縮液化させる凝縮器、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒を下流に流す気液分離器、液冷媒を減圧膨張させる膨張弁、減圧膨張された冷媒を蒸発気化させるエバポレータ17、およびこれらを環状に接続する冷媒配管等から構成されている。
【0027】
ヒータコア18は、走行用エンジンの高温の冷却水を熱源として空調ケース12内の空気と熱交換させ、周囲を流れる空気を加熱する加熱手段であり、エバポレータ17よりも空気流れ方向の下流側の通路を部分的に塞ぐように配置されている。ヒータコア18の下流には、温風通路14が空調ケース12内の車両後方側から上方に向けて設けられ、エアミックス室15につながっている。
【0028】
エアミックスドア19は、エバポレータ17よりも下流に設けられた片側枢支式の板状ドアである。エアミックスドア19は、ドア本体の開度が制御されることにより、エバポレータ17で冷却された空気量のうちヒータコア18で加熱する空気量(風量比率)を調整し、ヒータコア18を通る空気とヒータコア18を迂回する空気とがエアミックス室15で混合することにより空気の温調がなされる。
【0029】
エアミックス室15は、エバポレータ17から流れてきた空気とヒータコア18で加熱されて温風通路14を流れてくる空気とが混ざり合う空間であり、下流側でデフ吹き出し通路23、フェイス吹き出し通路24およびフット吹き出し通路25に連通している。この空間で温度調節された空調風は、デフ用ドア20、フェイス用ドア21、フット用ドア22などの各モード吹き出しドアの開度を制御することによって適正な風量割合に調整されて車室内へ供給される。
【0030】
このうち、エアミックスドア19およびデフ用ドア20は単独で、フェイス用ドア21およびフット用ドア22はそれぞれ連動して作動されている。フェイス用ドア21とフット用ドア22とは1つのリンク装置11で駆動される。
【0031】
フェイス吹き出し通路24は、空調ケース12に形成されるフェイス吹き出し用の開口を含む第1の空気通路であり、接続されたフェイス吹出ダクト(図示せず)を介して車室内に開口するフェイス吹出口(図示せず)を含む。このフェイス吹出口は乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すためにインストルメントパネルの中央部または車室内の両側部で開口しており、主に冷房時に乗員の上半身付近に向けて冷風が吹き出される。
【0032】
フェイス用ドア21は、板状のドア本体および正逆方向に円運動(回動)してドア本体を回動させるドアシャフト21a等からなる。ドアシャフト21aは、リンク装置11によってフット用ドア22とともに駆動される第1のドアである。フェイス吹き出し通路24は吹き出しモードに応じてフェイス用ドア21のドアシャフト21aの回動を制御することにより開度が調整される。これによってフェイス吹き出し通路24を通過する空気の通過量を、フェイス用ドア21の開度によって調整することができる。
【0033】
フット吹き出し通路25は、空調ケース12に形成されるフット吹き出し用の開口を含む第2の空気通路であり、接続されたフット吹出ダクト(図示せず)を介して車室内に開口するフット吹出口(図示せず)を含む。フット吹出口は、前席乗員や後席乗員の足元へ空調風を吹き出すための開口であり、主に暖房時に温風が吹き出される。フット用ドア22は、板状のドア本体および正逆方向に円運動(回動)してドア本体を回動させるドアシャフト22a等からなり、ドアシャフト22aはフェイス用ドア21と同一のリンク装置11を介してフェイス用ドア21とともに駆動される第2のドアである。フット吹き出し通路25は、ドアシャフト22aの回動を制御することにより開度が調整される。これによってフット吹き出し通路25を通過する空気の通過量を、フット用ドア22の開度によって調整することができる。
【0034】
次に、リンク装置11に関して説明する。図2は、リンク装置11を正面から見て示す斜視図である。図3は、リンク装置11を背面から見て示す斜視図である。リンク装置11は、ケーシング30、サーボモータ31、駆動プレート32、第1の駆動ピン33、第2の駆動ピン34、第1のレバー35、第2のレバー36、アーム体37および歯車機構38を含んで構成される。サーボモータ31は、駆動プレート32を回動する回動手段であって、ケーシング30の外方に設けられる。ケーシング30の内方には、駆動プレート32、第1の駆動ピン33、第2の駆動ピン34、第1のレバー35、第2のレバー36および歯車機構38などが設けられる。
【0035】
図4は、ケーシング30を正面から見て示す斜視図である。図5は、ケーシング30を背面から見て示す斜視図である。図6は、駆動プレート32と第1のレバー35を示す斜視図である。図7は、駆動プレート32と第2のレバー36を示す斜視図である。図8は、駆動プレート32を示す斜視図である。図9は、リンク装置11を示す側面図である。図10は、リンク装置11を示す正面図である。
【0036】
サーボモータ31は、図2に示すように、ケーシング30に外方に設けられ、ケーシング30内に設けられる駆動プレート32を所定の方向へ回動させる。駆動プレート32が回動することによって、図4および図5に示すように、第1の駆動ピン33、第1のレバー35およびアーム体37を順次介してフット用ドア22のドアシャフト22aに動力が伝達される。また駆動プレート32が回動することによって、第2の駆動ピン34、第2のレバー36および歯車機構38を順次介してフェイス用ドア21のドアシャフト21aに動力が伝達される。したがって駆動プレート32の回動位置によって、各ドア21,22の開度が調節される。
【0037】
第1の駆動ピン33は、図7に示すように、回動可能に配置されて第1のレバー35の一端に連結されている。第1のレバー35は、第1の被駆動体であって、全体がL字状であって、屈曲している屈曲部35aを中心にしてケーシング30に回動可能に配置され、第1のレバー35の他端には、図5に示すように、駆動用ピン40が設けられる。駆動用ピン40は、アーム体37に形成される係合溝41に係合される。アーム体37は、一端に係合溝41を形成して第1のレバー35の駆動用ピン40を摺動可能に連結し、他端に例えばフット用ドア22のシャフト22aを一端に装着している。そして第1のレバー35の回動によりアーム体37を、屈曲部35aを中心に回動させる。これによってフット用ドア22の開度を調節する。
【0038】
第2の駆動ピン34は、図6に示すように、回動可能に配置されて第2のレバー36の一端に連結されている。第2のレバー36は、第2の被駆動体であって、全体がL字状であって、屈曲している屈曲部36aを中心にしてケーシング30に回動可能に配置され、第2のレバー36の他端には歯車機構38に噛合するギヤ38aが形成される。歯車機構38は、図5に示すように、2つの駆動用ギヤ38b,38cを備え、後段の駆動用ギヤ38cにはフェイス用ドア21のドアシャフト21aを一端に装着している。そして第2のレバー36の回動により歯車機構38によって動力を伝達し、後段の駆動用ギヤ38cを回動させることによって、ドアシャフト21aを回動させる。これによってフェイス用ドア21の開度を調節する。
【0039】
次に、駆動プレート32に関して説明する。駆動プレート32は、図8および図10に示すように、円板状であって、3本の溝51〜53、3つのリブ61〜63、および回動軸用凹部70が形成される(図4参照)。回動軸用凹部70は、駆動プレート32の中心軸に凹となるように形成される。回動軸用凹部70に、サーボモータ31の回動軸が連結される。これによってサーボモータ31の回動軸が回転すると、駆動プレート32が一体となって回転する。駆動プレート32の回動方向は、一定ではなく各ドアの開度に応じて適宜制御される。
【0040】
3本の溝51〜53は、それぞれ駆動プレート32の軸線を中心に円弧状に形成される。3本の溝51〜53は、第1の独立溝51、第2の独立溝52および共通溝53である。第1の独立溝51および第2の独立溝52は、分岐していない独立した1本の溝である。共通溝53は、端部において、第1の独立溝51と第2の独立溝52とに連なる。換言すると、共通溝53は、第1の独立溝51と第2の独立溝52とが合流した溝である。共通溝53となる部分は、2箇所である。換言すると、各独立溝51,52は一端合流して共通溝53に至り、その後、一方の共通溝53aが分岐して、再び第1の独立溝51および第2の独立溝52となり、さらに再び各独立溝51,52が合流して、他方の共通溝53bとなる。以下、2箇所の共通溝53a,53bのいずれかを特定しない場合には、符号「a」,「b」を省略して、単に共通溝53という。
【0041】
第1の独立溝51は、共通溝53の部分を含めると、全体が環状に形成される。第1の独立溝51は、駆動プレート32の回動中心との距離を略徐々に変化するように形成されている。したがって第1の駆動ピン33が第1の独立溝51および共通溝53を走行することによって、第1の駆動ピン33は、回動軸との距離の変移により第1のレバー35の屈曲部35aを中心に回動されることとなる。
【0042】
第2の独立溝52は、共通溝53の部分を含めると、全体が円弧状に形成される。第2の独立溝52は、駆動プレート32の回動中心との距離を略徐々に変化ように形成されている。したがって第2の駆動ピン34が第2の独立溝52および共通溝53を走行することによって、第2の駆動ピン34は、回動軸との距離の変移により第2のレバー36の屈曲部36aを中心に回動されることとなる。
【0043】
次に各溝、各駆動ピン33,34および各リブ61〜63の形状について説明する。図11は、図10の切断面線A−Aから見て示す断面図である。図12は、図10の切断面線B−Bから見て示す断面図である。図13は、図10の切断面線C−Cから見て示す断面図である。図12では、理解が容易となるように、第1の駆動ピン33を二点鎖線で示す。また図13では、理解が容易となるように、第1の駆動ピン33を二点鎖線で示し、第2の駆動ピン34を破線で示す。
【0044】
第1の駆動ピン33は、図11に示すように、大径円柱部33a、中径円柱部33bおよび小径円柱部33cを有して段差を有するように形成されている。各円柱部33a〜33cは、それぞれ外径が異なる円柱状であり、同軸となるように連結される。第1の駆動ピン33の外径は、段差の先端側が段差の後端側(反先端側)よりも小さくなるように形成される。したがって第1の駆動ピン33は、先端に向かうにつれて、段階的に縮径するように各円柱部33a〜33cの外径が選択される。第1の駆動ピン33は、第1の独立溝51および共通溝53に係合している場合は、最も先端に位置する小径円柱部33cだけが第1の独立溝51および共通溝53に嵌合している。
【0045】
第2の駆動ピン34は、図12に示すように、小径円柱部34aおよび肉厚部34bを有して段差を有するように形成されている。小径円柱部34aは、柱状の柱状部であって、第2の駆動ピン34の先端に外周面に段差を有しないように形成される。小径円柱部34aおよび肉厚部34bは、それぞれ円柱状であり、各軸がずれて連結される。小径円柱部34aは、肉厚部34bよりも外径が小さい。また小径円柱部34aの外周面と、肉厚部34bの外周面とは一部で面一となるように各軸が配置される。第2の駆動ピン34は、第2の独立溝52および共通溝53に係合している場合は、最も先端に位置する小径円柱部34aだけが第2の独立溝52および共通溝53に嵌合している。第1の駆動ピン33の小径円柱部33cと、第2の駆動ピン34の小径円柱部34aとは、外径が等しい。また第1の駆動ピン33における小径円柱部33cの長さは、第2の駆動ピン34における小径円柱部34aの長さよりも小さい。
【0046】
第1の独立溝51の幅(溝幅)は、第1の駆動ピン33の小径円柱部33cが係合できるように、第1の駆動ピン33の小径円柱部33cよりも僅かに大きい。第2の独立溝52の幅は、第2の駆動ピン34の小径円柱部34aが係合できるように、第2の駆動ピン34の小径円柱部34aよりも僅かに大きい。第1の独立溝51の幅は、第2の独立溝52の幅と等しい。また各溝51〜53の深さは、各駆動ピン33,34における小径円柱部33c,34aの長さに対応している。したがって第1の独立溝51の深さは、第2の独立溝52の深さより小さい。
【0047】
次に、3つのリブ61〜63に関して説明する。図14は、第1の駆動ピン33の動作を説明するための図である。各リブ61〜63は、駆動プレート32の表面から軸方向外方に突出する突起である。各リブ61〜63は、共通溝53の溝幅方向に離間した位置に、共通溝53が延びる方向(以下、「溝方向」ということがある)に延びる板状に形成される。溝幅方向は、溝方向に直交する方向である。各リブ61〜63は、共通溝53に第1の駆動ピン33が係合している場合に、第1の駆動ピン33における中径円柱部33bまたは大径円柱部33aのいずれかに接触する。
【0048】
3つのリブ61〜63は、それぞれ第1のリブ61、第2のリブ62および第3のリブ63とする。第1のリブ61と第2のリブ62とは、一方の共通溝53aが延びる方向に延びる板状であって、一方の共通溝53aを挟んで対をなすように形成されてなる。第1のリブ61および第2のリブ62の高さは、第3のリブ63よりも小さい。第1のリブ61および第2のリブ62の高さは、第1の駆動ピン33における中径円柱部33bの長さによりもやや小さくなるように選択される。また第1のリブ61および第2のリブ62の一方の共通溝53aからの距離は、中径円柱部33bの半径に対応している。換言すると、一方の共通溝53aに第1の駆動ピン33が係合している場合には、中径円柱部33bが第1のリブ61および第2のリブ62に接触するように配置される。
【0049】
第3のリブ63は、他方の共通溝53bが延びる方向に延びる板状であって、他方の共通溝53bから駆動プレート32の径方向内方に位置するよう形成されてなる。第3のリブ63の高さは、第1の駆動ピン33における中径円柱部33bの長さによりもやや大きくなるように選択される。また第3のリブ63の他方の共通溝53bからの距離は、大径円柱部33aの半径に対応している。換言すると、他方の共通溝53bに第1の駆動ピン33が係合している場合には、大径円柱部33aが第3のリブ63に接触するように配置される。
【0050】
共通溝53の底には、第2の駆動ピン34が嵌合する凹部53cが形成されている。共通溝53の幅は、部分的に異なるが、少なくとも第1の独立溝51の幅以上であり、第1の駆動ピン33における中径円柱部33bの外径よりも小さい。また共通溝53の底に形成される凹部53cの幅は、第2の独立溝52の幅と等しい。さらに共通溝53の凹部53cにおける深さは、第2の独立溝52の深さに等しい。共通溝53の凹部53cは、第2の独立溝52に連なるように形成される。したがって第2の独立溝52に嵌合して、第2の独立溝52に沿って移動する第2の駆動ピン34は、共通溝53に至ると、共通溝53の凹部53cに嵌合して、共通溝53の凹部53cに沿って移動する。
【0051】
次に、第1の駆動ピン33の動作に関して図14を参照して説明する。第1の独立溝51に嵌合して、第1の独立溝51に沿って移動する第1の駆動ピン33は、一方の共通溝53aに至ると、中径円柱部33bが第1のリブ61および第2のリブ62に接触する。これによって第1の駆動ピン33は、一方の共通溝53aにおいて溝幅方向への変位が規制され、共通溝53に沿って所定の変位をすることができる。また第1の駆動ピン33が第1のリブ61だけに接触する場合には、径方向内側への変位は第1のリブ61によって規制され、径方向外側への変位は、第1の駆動ピン33における小径円柱部33cが一方の共通溝53aに係合していることによって規制される。したがって第2のリブ62は、一方の共通溝53aにおいて、凹部53cが径方向外側に位置し、第1の駆動ピン33の経路が、第2の駆動ピン34の経路の径方向内側に位置している部分において、中径円柱部33bと接触する。
【0052】
他方の共通溝53bの場合も同様であり、第1の独立溝51に嵌合して、第1の独立溝51に沿って移動する第1の駆動ピン33は、他方の共通溝53bに至ると、第3のリブ63に接触する。これによって第1の駆動ピン33は、他方の共通溝53bにおいて溝幅方向への変位が規制され、共通溝53に沿って所定の変位をすることができる。また第1の駆動ピン33が第3のリブ63に接触する場合には、径方向内側への変位は第3のリブ63によって規制され、径方向外側への変位は、第1の駆動ピン33における小径円柱部33cが共通溝53に係合していることによって規制される。
【0053】
また各リブは、軸方向に見て、溝方向における端部が面取りされている。これによって各リブに中径円柱部33bまたは大径円柱部33aが接触する場合に、スムーズに溝方向に沿って第1の駆動ピン33を案内することができる。
【0054】
以上説明したように本実施の形態の駆動プレート32には、複数の溝として第1の独立溝51、第2の独立溝52、および共通溝53が形成される。また駆動プレート32には、複数の突起である複数のリブ61〜63が形成される。第2の駆動ピン34は、共通溝53の凹部53cに嵌合する。したがって第2の駆動ピン34は、共通溝53であっても、凹部53cによって共通溝53に沿って案内することができる。これによって第2の駆動ピン34が共通溝53に接触することによって発生する異音を軽減することができる。
【0055】
第1の駆動ピン33は、段差から先端までである小径円柱部33cが第1の独立溝51に嵌合することによって、第1の独立溝51に係合する。また第1の駆動ピン33は、共通溝53に係合している場合には、第1の駆動ピン33の段差から後端の外周面である中径円柱部33bまたは大径円柱部33aの外周面が各リブ61〜63に接触する。したがって第1の駆動ピン33が共通溝53に係合している状態では、複数のリブ61〜63によって、共通溝53に沿って案内することができる。したがって第1の駆動ピン33が第1の独立溝51から共通溝53に進行するときに、第1の駆動ピン33が不安定になることを抑制することができる。これによって第1の駆動ピン33が共通溝53に接触することによって発生する異音を軽減することができる。
【0056】
したがって2つの駆動ピン33,34に係合する共通溝53を形成することができるので、2つの溝52,53の一部は1本の共通溝53で兼用できて駆動プレート32を小さく形成することができる。これによって重量を軽減することができ、またコスト低減を図ることができる。さらに駆動プレート32を小さく形成することによってリンク装置11の設置スペースも縮小することができて省スペース化を図ることが可能となる。
【0057】
また本実施の形態では、第1の独立溝51の深さは、第2の独立溝52の深さよりも小さく、第2の独立溝52の深さは、共通溝53の凹部53cの深さと等しい。したがって第2の独立溝52に係合している第2の駆動ピン34が、共通溝53に進行するとスムーズに共通溝53の凹部53cに嵌合させることができる。
【0058】
さらに本実施の形態では、複数のリブである第1のリブ61および第2のリブ62は、共通溝53が延びる方向に延びる板状であって、共通溝53を挟んで対をなすように形成されている。共通溝53に第1の駆動ピン33が係合している場合には、第1の駆動ピン33の小径円柱部33cの外周面が対をなすリブ61,62に接触するので、第1の駆動ピン33を両側から対をなすリブ61,62によって案内することができる。これによって第1の駆動ピン33が所定の経路からずれることを抑制することができる。
【0059】
また本実施の形態では、リンク装置11は車両用空調装置10に適用され、リンク装置11によって第1のドアであるフット用ドア22および第2のドアであるフェイス用ドア21の開度を調整する。前述のようにリンク装置11の小形化ができるので、車両用空調装置10を小形化することができる。またリンク装置11から異音の発生が抑制できるので、車両用空調装置10から発生する異音を抑制することができる。
【0060】
さらに本実施の形態では、第2の駆動ピン34には肉厚部34bが形成される。肉厚部34bは、第2の駆動ピン34の強度を向上するための部分である。これによって第2の駆動ピン34における小径円柱部34aの付け根付近に応力が集中して、第2の駆動ピン34が損傷することを抑制することができる。
【0061】
また本実施の形態では、第1の駆動ピン33の外径に応じて、各リブ61〜63の位置を決定することができる。したがって各リブ61〜63の位置は外径に応じて可変であるので、各リブ61〜63が設置可能な部分を決定するだけで、本実施の形態の駆動プレート32を製造することができる。したがって複雑な計算などが不要であるので、駆動プレート32の設計が容易である。
【0062】
さらに本実施の形態では、第3のリブ63ように、常に対をなすリブである必要がなく、1つのリブであっても、共通溝53と協働することによって、共通溝53において第1の駆動ピン33を所定の経路で案内することができる。これによってリブは1つだけでもよいので、リブを設ける設置スペースの省スペース化を図ることができる。これによって省資源効果を得ることができ、製造コストを低減することができる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に関して、図15を用いて説明する。図15は、第2実施形態における第1の駆動ピン33Aを示す斜視図である。本実施の形態では、第1の駆動ピン33Aに、前述のリブ61〜63に対応する突起81,82が設けられている点に特徴を有する。駆動プレート32には、リブはなく、第1の独立溝51および共通溝53に平行に延びるリブ用溝(図示せず)が形成される。リブ用溝には、第1の駆動ピン33Aに設けられる各突起81,82が係合する。これによって突起81,82がリブ溝に係合していることによって、共通溝53において第1の駆動ピン33Aの小径円柱部33cの位置ずれを、突起81,82とリブ溝との嵌合によって抑制することができる。
【0064】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0065】
前述の第1実施形態では、独立溝は、第1の独立溝51と第2の独立溝52との2つのであったが、2つに限るものではなく、3つ以上の独立溝を形成してもよい。同様に、リブの数も3つに限るものではなく、1、2または4つ以上であってよい。
【0066】
またリンク装置11は、車両用空調装置10におけるフェイス用ドア21とフット用ドア22とを駆動する構成であったが、他のドアであってもよく、またドアに限るものではなく、開閉弁など他の駆動部材を駆動してもよい。また各種ドアは、回動軸を中心として回動することにより通路の開度を調整する構造であるが、このような構造の板ドアに限定するものではない。たとえば、フィルムドア、スライドドア、回動軸から半径方向に延びる半径方向側板および周方向に延びる周方向側板とで形成されるロータリ式のドアであってもよい。
【0067】
さらにリンク装置11は、車両用空調装置10に適用されたが、車両用空調装置10に限るものではなく、複数の駆動部材を1つのリンク装置11を用いて駆動する機構であれば適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
10…車両用空調装置
11…リンク装置
12…空調ケース
21…フェイス用ドア(第1のドア)
22…フット用ドア(第2のドア)
24…フェイス吹き出し通路(第1の空気通路)
25…フット吹き出し通路(第2の空気通路)
31…サーボモータ(回動手段)
32…駆動プレート
33…第1の駆動ピン
33a…大径円柱部
33b…中径円柱部
33c…小径円柱部
34…第2の駆動ピン
35…第1のレバー(被駆動体)
36…第2のレバー(被駆動体)
51…第1の独立溝
52…第2の独立溝
53…共通溝
53c…凹部
61…第1のリブ(突起)
62…第2のリブ(突起)
63…第3のリブ(突起)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の溝(51〜53)および複数の突起(61〜63)が形成されてなる板状の駆動プレート(32)と、
前記複数の溝に係合する複数の駆動ピン(33,34)と、
前記複数の駆動ピンのそれぞれに連結される複数の被駆動体(35,36)と、
前記駆動プレートを回動させる回動手段(31)と、を含み、
前記複数の駆動ピンのうち2つの駆動ピンは、外周面に段差を有する柱状の第1の駆動ピン(33)、および先端に外周面に段差を有しない柱状の柱状部を有する第2の駆動ピン(34)であり、
前記複数の溝のうち3つの溝は、前記第1の駆動ピンおよび前記第2の駆動ピンが係合する共通溝(53)、前記第1の駆動ピンが係合し、前記共通溝から分岐する第1の独立溝(51)、ならびに前記第2の駆動ピンが係合し、前記共通溝から分岐する第2の独立溝(52)であり、
前記第1の駆動ピンの外径は、段差の先端側が段差の反先端側よりも小さく、
前記共通溝の底には、前記第2の独立溝に連なり、前記柱状部が嵌合する凹部(53c)が前記共通溝が延びる方向に延びて形成されており、
前記凹部の幅および前記共通溝における深さは、第2の独立溝の幅および深さと等しく、
前記第1の独立溝の深さは、前記第2の独立溝の深さよりも小さく、
前記複数の突起は、共通溝が延びる方向に延びる板状に形成され、
前記第1の駆動ピンは、前記段差から先端までが前記第1の独立溝に嵌合することによって、前記第1の独立溝に係合し、
前記共通溝に前記第1の駆動ピンが係合している場合には、前記第1の駆動ピンの前記段差から前記反先端側の外周面が前記複数の突起に接触し、
前記共通溝に前記第2の駆動ピンが係合している場合には、前記凹部に前記柱状部が嵌合していることを特徴とするリンク装置。
【請求項2】
前記複数の突起(61,62)は、前記共通溝を挟んで対をなすように形成されてなり、
前記共通溝に前記第1の駆動ピンが係合している場合には、前記第1の駆動ピンの前記段差から前記反先端側の外周面が前記対をなす前記突起に接触することを特徴とする請求項1に記載のリンク装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のリンク装置(11)と、
車室内に送風される空気が通過する第1の空気通路(24)および第2の空気通路(25)を内部に形成する空調ケース(12)と、
前記空調ケース内に配置され、前記第1の空気通路を通過する空気の通過量を開度により調整する第1のドア(21)と、
前記空調ケース内に配置され、前記第2の空気通路を通過する空気の通過量を開度により調整する第2のドア(22)と、を含み、
前記第1の駆動ピンに連結される第1の被駆動体によって前記第1のドアの開度を調整し、前記前記第2の駆動ピンに連結される第2の被駆動体によって前記第2のドアの開度を調整することを特徴とする車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−241897(P2011−241897A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114454(P2010−114454)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】