説明

リーク点検出器

【課題】低コスト化、ポンプやバッテリ電源の長寿命化が容易であり、しかも、検出対象ガスの検出精度を安定に確保できるリーク点検出器の提供。
【解決手段】赤外線ガスアナライザ12のキュベット12aに1本のリーク点探索用ガスパイプ11が接続されており、このリーク点探索用ガスパイプ11の先端から前記キュベット12aへのガス導入を行うためのポンプ13が予め設定した周期でオン・オフ切り換えされるようになっているリーク点検出器10を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、冷蔵庫やクーラーなどの製造工程における冷媒循環回路の漏れ試験等、タンク等の密閉容器や流体送通用の配管回路を有する各種機器の漏れ試験に用いることができるリーク点検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫やクーラーなどの製造工場における冷媒循環回路の漏れ試験等、タンクや流体送通用の配管回路を有する各種機器の漏れ試験に用いることができるリーク点検出器の一例として、特許文献1記載の技術を公知例として挙げることができる。
この特許文献1記載のリーク点検出器(ガスアナライザ)は、リーク点探索用ガスパイプ(ガス吸引用パイプ)と、探索点周辺の参照用ガス(例えば大気)を吸引するための参照ガス用ガスパイプと、これらガスパイプが選択的に接続されるキュベットを有する赤外線ガスアナライザと、この赤外線ガスアナライザの前記キュベットに対してリーク点探索用ガスパイプ及び参照ガス用ガスパイプを選択的に接続するための電磁弁と、ガス吸引用のポンプとを有し、キュベットに導くガスを電磁弁で切り換えて、リーク点探索用ガスパイプで吸引したガスと参照ガス用パイプで吸引したガスの成分の差による赤外線吸収量の違いにより、リーク点を検出する構成となっている。特許文献1では、検査対象機器に赤外線活性のテストガスを導入しておき、リーク点探索用ガスパイプで吸引したガス中に含まれるテストガスを、赤外線ガスアナライザでの赤外線吸収量の測定値から検出することで、リーク点を検出する技術を開示している。
【特許文献1】特表2004−515777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の特許文献1記載のリーク点検出器は、ガス吸引用の2本のパイプ、電磁弁、電磁弁の切り換え制御用の制御回路が必要な構成であり、構造が複雑であり、コストも高く付くといった問題があった。また、電磁弁は機械構造であり、他の構成品である電子部品等に比べて寿命が短いという欠点があった。
また、このリーク点検出器は、電磁弁によって、リーク点探索用ガスパイプと参照ガス用ガスパイプのキュベットに対する接続を短時間で交互に切り換える構成になっているが、ガス吸引用のポンプは連続運転されるためポンプの寿命、バッテリ電源の寿命にも影響があった。
バッテリ電源に関しては、乾電池(例えばIEC 80086あるいはJIS 8500に適合するもの)等の小型のものを使用すると短期間で交換せねばならなくなり、鉛蓄電池等の比較的大型のものを使用すると重量が大きいためリーク点検出器の可搬性に大きな影響を与える。
【0004】
本発明は、前記課題に鑑みて、低コスト化、ポンプやバッテリ電源の長寿命化が容易であり、しかも、検出対象ガスの検出精度を安定に確保できるリーク点検出器の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、密閉容器あるいは流路配管である検査対象部材に赤外線活性を持つテストガスを導入して、前記テストガスの前記検査対象部材からの漏出箇所を検出する試験に用いられるリーク点検出器であって、キュベットに発光器及び受光器を対向配置してなる赤外線ガスアナライザと、この赤外線ガスアナライザの前記キュベットに連通された1本のリーク点探索用ガスパイプと、このリーク点探索用ガスパイプの先端から前記キュベットへのガス導入を行うためのポンプと、このポンプの駆動を予め設定した周期でオン・オフ切り換えするポンプ駆動制御回路とを具備することを特徴とするリーク点検出器を提供する。
第2の発明は、さらに、ポンプの駆動中において赤外線ガスアナライザの受光器にて受光した赤外線強度と、ポンプの駆動開始直前の前記ポンプの駆動停止時間中において前記受光器にて受光した赤外線強度とを比較し、ポンプ駆動中における赤外線強度が駆動開始直前における赤外線強度よりも低い場合にテストガス検出信号を出力する比較検出部を具備することを特徴とする第1の発明のリーク点検出器を提供する。
第3の発明は、前記比較検出部から出力されたテストガス検出信号に基づいてテストガスが検出されたことを報知するための報知情報を出力する報知部とを具備することを特徴とする第2の発明のリーク点検出器を提供する。
第4の発明は、前記ポンプ駆動制御回路による前記ポンプの駆動が、ポンプの駆動停止時間が0.3〜0.5秒であり、周期当たり0.5〜1秒でオン・オフ切り換えされることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明のリーク点検出器を提供する。
第5の発明は、前記キュベットから延出する前記リーク点探索用ガスパイプの先端部が、手動で移動操作可能な移動操作部に設けられていることを特徴とする第1〜4のいずれかの発明のリーク点検出器を提供する。
【0006】
本発明に係るリーク点検出器は、例えば数g/年程度の微量のリークガスの発生を生じるリーク点の検出に好適に用いることができる。
ポンプ駆動制御回路によって、ポンプの駆動を予め設定した周期でオン・オフ切り換えする構成であり、ポンプの駆動中において赤外線ガスアナライザの受光器にて受光した赤外線強度と、ポンプの駆動開始直前の前記ポンプの駆動停止時間中において前記受光器にて受光した赤外線強度との比較から、リーク点の存在を把握(リーク点を検出)することが可能である。
例えば、ポンプの駆動開始直前の駆動停止中において赤外線ガスアナライザの受光器にて受光した赤外線の強度を記憶する記憶部を設けておく。そして、ポンプが駆動停止状態から駆動状態(駆動時間)に入ったときに、記憶部に記憶された赤外線吸収量とポンプの駆動中に赤外線ガスアナライザの受光器にて受光した赤外線の強度とを比較する。
【0007】
また、本発明に係るリーク点検出器によれば、ポンプの駆動によって検査対象部材の周囲からガスを吸引して赤外線ガスアナライザのキュベットに導入するためのリーク点探索用ガスパイプが1本のみであり、従来技術(特許文献1)のリーク点検出器が具備する参照ガス用ガスパイプは設けられていないため、ポンプの駆動停止中の受光器における赤外線の受光強度及びポンプの駆動中の受光器における赤外線の受光強度の計測、比較は、いずれも、リーク点探索用ガスパイプから赤外線ガスアナライザのキュベットに導入されたガスについて行うことになる。キュベットには、リーク点探索用ガスパイプのみからガスが導入される。
【0008】
また、本発明では、リーク点が、テストガスのリーク量が数g/年程度の微量である微小なリーク点である場合、ポンプのオン・オフ制御によりポンプの駆動時間の合間に駆動停止時間が確保されることで、リーク点付近に、リーク点から漏れ出したテストガスが滞留する滞留部を生じさせることができる。オン・オフ制御による駆動停止時間の経過後のポンプの駆動時に、この滞留部のテストガスを吸引することで、微小なリーク点を効率良く検出できる。
この点、リーク量が数g/年程度のリーク点の検出については、第4の発明のように、ポンプの駆動停止時間が0.3〜0.5秒であれば、ポンプの駆動による吸引動作で滞留部が消滅した後、駆動停止時間中に、再び、リーク点の検出を確実に行える程度の大きさの滞留部を生じさせることができ、微小なリーク点を効率良く検出できる。
【0009】
リーク量が数g/年程度の微量であるリーク点付近からのガス吸引の場合、キュベット内のテストガス濃度は、ポンプの駆動による吸引動作でリーク点付近のテストガスの滞留部が消滅した後、赤外線ガスアナライザのキュベット内のガスが、滞留部の消滅後にキュベットに導入されたガスに置換されることで、低下していく(図4参照)。赤外線ガスアナライザのキュベット内のガスが、滞留部の消滅後にキュベットに導入されたガスに置換されることは、置換後にキュベット内に導入されたテストガスの検知精度の確保に寄与する。
【0010】
例えば、第4の発明の場合は、ポンプの駆動が周期当たり0.5〜1秒でオン・オフ切り換えられる。また、ポンプの駆動停止時間が0.3〜0.5秒である。ポンプの駆動時間は、0.2〜0.5秒の範囲で、ポンプの駆動停止時間が0.3〜0.5秒、ポンプの駆動のオン・オフ切り換えの1周期当たりの時間が0.5〜1秒、を満たすように確保される。
リーク点付近からのガス吸引の開始から、前記滞留部を構成するテストガスの吸引によってキュベット内のテストガス濃度が最高値に達するまでの時間(図4参照)は、赤外線ガスアナライザのキュベットの容積、ポンプの能力(吸引量)に依存する。第4の発明のリーク点検出器の構成は、換言すれば、ポンプの駆動停止時間が0.3〜0.5秒、ポンプの駆動のオン・オフ切り換えの1周期当たりの時間が0.5〜1秒、を満たすように、赤外線ガスアナライザのキュベットの容積、ポンプの能力(吸引量)を設定した構成である。
【0011】
本発明に係るリーク点検出器は、ポンプの駆動を周期当たり0.5〜1秒でオン・オフ切り換えるため、ポンプは間欠運転される。したがって、ポンプの寿命を延長できる。
また、電動のポンプをバッテリ電源で駆動する場合、バッテリ電源からポンプへの給電を間欠的に行ってポンプを間欠運転する。この場合、バッテリ電源の消耗が小さくて済み、バッテリ電源の寿命を延長することができる。
【0012】
第5の発明によれば、移動操作部を移動操作することで、検査対象部材についてのリーク点の探索作業を効率良く行うことができる。
なお、移動操作部には、キュベットから延出する前記リーク点探索用ガスパイプの先端部のみならず、例えば、赤外線ガスアナライザ、ポンプ、ポンプ駆動制御回路の1以上を組み込んでも良い。また、第2の発明に係る比較検出部、第3の発明に係る報知部を移動操作部に設けること、電動式のポンプの駆動用のバッテリ電源を移動操作部に設けることも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るリーク点検出器によれば、ポンプの駆動によって検査対象部材の周囲からガスを吸引して赤外線ガスアナライザのキュベットに導入するためのリーク点探索用ガスパイプが1本のみであり、従来技術(特許文献1)のリーク点検出器が具備する参照ガス用ガスパイプは設けられていないため構成が単純である。また、従来技術のように、赤外線ガスアナライザのキュベットに対する2本のパイプの接続を交番的に切り換える電磁弁、電磁弁の切り換え制御用の制御回路も不要であり、構造の単純化、低コスト化も容易に実現できる。電磁弁の寿命を考慮する必要が無くなる。ポンプはオン・オフ切り換えされるため、連続運転される場合に比べて長寿命化できる。電動式のポンプの駆動用のバッテリ電源も長寿命化できる。また、小型、軽量のバッテリ電源で充分な動作時間を確保できるため、可搬性に優れたリーク点検出器を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施したリーク点検出器の1実施形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係るリーク点検出器10の構成を説明するモデル図、図2は検出器本体21と手動で移動操作可能な移動操作部22とを具備するリーク点検出器10の一例を説明する全体図、図4はリーク点検出器10の動作を説明する動作チャート、図5はリーク点検出器10の比較検出部15の構成の一例を示す図である。
【0016】
このリーク点検出器10は、タンク等の密閉容器や流体送通用の配管回路を有する各種機器(検査対象機器)の漏れ試験に用いられるものであり、例えば、冷蔵庫やクーラーなどの製造工程における冷媒循環回路等の漏れ試験に用いられる。
前記漏れ試験は、密閉容器あるいは流路配管である検査対象部材1(図1、図2参照)に赤外線活性を持つテストガスGを導入し、このテストガスGの前記検査対象部材1からの漏出をリーク点検出器10を用いて検出することで行う。また、本発明に係るリーク点検出器10は、リーク点Rの探索に用いることができる。本発明に係るリーク点検出器10は、特に、目視では確認が難しい微小なリーク点Rの探索に好適に用いることができる。このリーク点検出器10を用いることで、検査対象部材1のリーク点の有無を検査できる。
なお、検査対象部材1としては、気密性が要求されるものの他、水密性が要求されるものも採用し得る。例えば、地下布設された通信ケーブルの接続点を収納する地下設置用クロージャ等も対象となり得る。
【0017】
テストガスGとしては、赤外線活性を有するものであり、例えば、フロンガス、その他のハロゲンガスを採用できる。
なお、検査対象部材の使用時に導入するガスが、赤外線活性を有するものである場合は、この使用時導入ガス自体をテストガスとして扱って漏れ試験を行うことも可能である。
【0018】
図1に示すように、このリーク点検出器10は、1本のリーク点探索用ガスパイプ11と、このリーク点探索用ガスパイプ11からガスが導入されるキュベット12aを有する赤外線ガスアナライザ12と、リーク点探索用ガスパイプ11及び前記キュベット12aへの外気導入用のポンプ13と、ポンプ駆動制御回路14と、前記赤外線ガスアナライザ12の受光器12c(後述)にて受光した赤外線強度が赤外線ガスアナライザ12から入力される比較検出部15と、テストガスが検出されたことを報知するための報知情報を出力する報知部16とを具備して構成されている。
【0019】
赤外線ガスアナライザ12は、前記キュベット12aと、このキュベット12aの内側空間12s内のガスの赤外線吸収量を計測するための赤外線を出力する発光器12bと、この発光器12bから出力された赤外線を受光する受光器12cとを具備して構成されている。
発光器12bと受光器12cとは、キュベット12aの内側空間12sを介して両側に対向配置されている。
【0020】
リーク点探索用ガスパイプ11は、赤外線ガスアナライザ12の前記キュベット12aに連通されている。リーク点探索用ガスパイプ11は、赤外線ガスアナライザ12のキュベット12aに直接接続して連通させても良いが、可撓性のホース等を介してキュベット12aに接続して連通させても良い。
また、このリーク点検出器10は、前記キュベット12aから延出する排気パイプ17を具備しており、この排気パイプ17にポンプ13が接続されている。
【0021】
前記ポンプ13は、赤外線ガスアナライザ12の前記キュベット12a内のガスを吸引する。ポンプ13の吸引力は、赤外線ガスアナライザ12のキュベット12aを介して、該キュベット12aに連通する前記リーク点探索用ガスパイプ11に作用する。
このリーク点検出器10では、排気パイプ17に設けられたポンプ13の駆動によって、前記リーク点探索用ガスパイプ11のキュベット12aとは反対側の先端からのガス吸引、及び、前記リーク点探索用ガスパイプ11に吸引したガスの前記キュベット12aへの導入が行われる。
なお、前記ポンプ13の設置位置は、前記排気パイプ17に限定されず、例えば、リーク点探索用ガスパイプ11の途中あるいはその長手方向の端部(キュベット12a側の端部、キュベット12aとは反対側の端部のいずれでも良い)であっても良い。
【0022】

ポンプ駆動制御回路14、比較検出部15は、このリーク点検出器10の全体の駆動制御用の制御部18内に設けられている。
【0023】
図示例の制御部18において、前記ポンプ駆動制御回路14は、電動式のポンプ13の駆動用電源回路131に設けられているスイッチ132の駆動を制御することで、ポンプ13の駆動を予め設定した周期でオン・オフ切り換えする機能を果たす。
前記スイッチ132は、駆動用電源回路131を開閉する。
【0024】
前記ポンプ13の駆動は、前記ポンプ駆動制御回路14によって、例えば、周期当たり0.5〜1秒でオン・オフ切り換えされる。
ポンプ13の駆動停止時間は、0.3〜0.5秒である。但し、1周期に要する時間よりも短い範囲に設定することは言うまでもない。
ポンプ13の駆動停止時間を0.3秒以上確保することで、リーク点R(図1参照)付近の滞留部Gがリーク点探索用ガスパイプ11に吸引されて消滅した後に、微小なリーク点R(図1参照)の付近に、リーク点から漏れ出したテストガスGが滞留する滞留部G1を再び生じさせることができ、この滞留部のテストガスを吸引することで、微小なリーク点Rを効率良く検出できる。
【0025】
比較検出部15は、図5に示すように、前記ポンプ13が駆動停止状態にあるときに赤外線ガスアナライザ12の受光器12cにて受光した赤外線強度を記憶する記憶部15aと、駆動停止状態の前記ポンプ13の駆動を開始したときに、前記ポンプ13の駆動中において赤外線ガスアナライザ12の受光器12cにて計測された赤外線強度と前記記憶部15aに記憶された赤外線強度とを比較する比較部15bと、比較部15bでの赤外線強度の比較の結果、前記ポンプ13の駆動中において赤外線ガスアナライザ12の受光器12cにて受光した赤外線強度が記憶部15aに記憶されている赤外線強度よりも低い(弱い。テストガス濃度が高い)場合に、テストガス検出信号を出力する出力部15cとを具備する。
なお、赤外線ガスアナライザ12の発光器12bの赤外線出力は一定である。
【0026】
記憶部15aは、前記ポンプ駆動制御回路14によって駆動がオン・オフされるポンプ13の駆動停止の度に、赤外線ガスアナライザ12の受光器12cにて受光した赤外線強度を更新記憶する。但し、記憶部15aは、駆動開始直前の前記ポンプ13の駆動停止時間中に受光器12cにて受光した赤外線強度を記憶する。この際、既に記憶済みのデータ(赤外線強度)がある場合は、これを新規に記憶するものに更新する。
比較部15bは、駆動停止状態から駆動を開始した前記ポンプ13の駆動中において赤外線ガスアナライザ12の受光器12cにて受光した赤外線強度と、記憶部15aに記憶された赤外線強度、すなわち、駆動開始直前の前記ポンプ13の駆動停止時間中に赤外線ガスアナライザ12の受光器12cにて受光した赤外線強度の計測値とを比較する。
図1に示すように、出力部15cは、ここでは具体的には、テストガス検出信号として報知部16の駆動指令を出力する。報知部16は、この駆動指令に基づいて駆動して、報知情報を出力する。
【0027】
図1において、報知部16は具体的には、報知情報を音声出力するスピーカ装置である。報知情報は、リーク点検出器10の使用者にテストガスの検出、リーク点Rの検出を報知するための情報であり、音声情報に限定されない。報知部16としてはスピーカ装置に限定されず、例えば、駆動指令によって点灯されるランプ、報知情報を画像情報(文字情報を含む)として出力する液晶表示装置等であっても良い。
【0028】
なお、赤外線ガスアナライザ12は、受光器12cにて受光した赤外線強度に対応する信号を出力する構成にかえて、キュベット内のガスを透過した赤外線の赤外線吸収量に対応する信号を出力する構成としても良い。
この場合、比較検出部15は、前記ポンプ13が駆動停止状態にあるときの赤外線吸収量を記憶する記憶部15aと、駆動停止状態の前記ポンプ13の駆動を開始したときに、前記ポンプ13の駆動中において計測された赤外線吸収量とこの駆動開始直前の前記ポンプ13の駆動停止時間中に記憶部15aに記憶された赤外線吸収量とを比較する比較部15bと、比較部15bでの赤外線吸収量の比較の結果、前記ポンプ13の駆動中において計測された赤外線吸収量が前記記憶部15aに記憶された赤外線吸収量よりも多い(テストガス濃度が高い)場合に、テストガス検出信号を出力する出力部15cとを具備する構成とする。
【0029】
本発明に係るリーク点検出器10は、所望位置に設置した据え置き型のものであっても良いが、後述するように、使用者が携行できる可搬型のものとすることもできる。
なお、据え置き型の場合は、例えば、リーク点検出器のリーク点探索用ガスパイプ11に対して検査対象部材を移動させるなどしてリーク点の探索を行うことができる。
【0030】
図2に示すリーク点検出器10Aは、可搬型リーク点検出器の1例(可搬型リーク点検出器の第1例)であり、ポンプ13駆動用の駆動用電源回路131(図1参照)、バッテリ電源133(図1参照)、制御部18(図1参照)を筐体内に組み込んでなる検出器本体21と、手動で移動操作可能な移動操作部22とを具備する構成となっている。
移動操作部22は、赤外線ガスアナライザ12、ポンプ13及び該ポンプ13が接続された排気パイプ17を筐体に組み込んでなる操作部本体221と、この操作部本体221から突出された吸気パイプ222とを具備している。吸気パイプ222は、リーク点検出器10のリーク点探索用ガスパイプ11として機能するものであり、図3に示すように接続パイプ24を介して、操作部本体221の筐体223内の赤外線ガスアナライザ12のキュベット12aと連通されている。なお、図3では、操作部本体221の筐体223が吸気パイプ222と一体のプラスチック一体成形品になっている構成を例示している。
但し、吸気パイプ222と赤外線ガスアナライザ12のキュベット12aとの接続形態は図3に例示した構成に限定されず、例えば、吸気パイプ222の操作部本体221内部に延長した部分を直接キュベット12aに連通させた構成等も採用可能である。
【0031】
検出器本体21は可搬性であり、使用者が吊り紐211等の携行用補助具を使用して携行することができる。
移動操作部22は、可撓性の信号線ケーブル23を介して検出器本体21と接続されており、手動で楽に移動操作することができる。
【0032】
図2に示すリーク点検出器10Aは、検出器本体21の細長筒状の筐体の軸方向片端(長手方向片端)に、該筐体よりも細い吸気パイプ222が突設された構造であり、例えば、検査対象部材1が組み込まれている機器2(検査対象機器)内の狭隘なスペースに吸気パイプ222を差し込んで漏れ試験、リーク点の探索を行うといったことも容易である。
【0033】
リーク点検出器10の赤外線ガスアナライザ12としては、例えば、長さ数十mm〜200mm程度の円筒状のキュベット12aの長手方向両端に発光器12b、受光器12cを対向配置した構成を採用することができる。赤外線ガスアナライザ12としては、キュベット12aの容積が小さい程、オン・オフ制御によるポンプ13の駆動開始の度に、キュベット12a内のガスの入れ替えを迅速に行うことができるため、検出感度の向上の点で好ましい。このことは、特に微量のテストガスの検出に有効に寄与する。
【0034】
図4に示す動作チャートは、横軸が時間である。
ここでは、検査対象部材に存在する、数g/年程度の微量のテストガスのリークが生じるリーク点の検出について説明する。
なお、図4中、「吸引」はポンプ13が駆動されている状態、「停止」はポンプ13の駆動が停止されている状態を指す。但し、「吸引」は詳細にはポンプ13に駆動用電流を供給しているとき、「停止」は詳細にはポンプ13に駆動用電流を供給していないとき、を指す。
【0035】
リーク点検出器10は、ポンプ13の駆動によって、前記リーク点付近にて、前記リーク点から漏れ出したテストガスを、リーク点の周囲に存在するガス(空気)とともにリーク点検出器10先端から吸引してキュベット12a内に導入することで、キュベット12a内のテストガス濃度が上昇する。
【0036】
なお、赤外線ガスアナライザ12は、発光器12bからの赤外線の発光、受光器12cでの受光、受光器12cにて受光した赤外線強度の計測値の制御部18への入力(詳細には比較検出部15への入力)を常時行う。
【0037】
比較検出部15は、図4の「停止」の駆動停止状態にあるときに、赤外線ガスアナライザ12から入力された赤外線強度の計測値を記憶部15aに記憶する。記憶部15aは、具体的には、予め制御部18(具体的にはポンプ駆動制御回路14)に設定しておいた駆動停止時間(図4の「停止」の駆動停止状態にある時間)の終了時、「吸引」状態に入る直前に、赤外線ガスアナライザ12の受光器12cにて受光した赤外線強度を記憶する。また、「吸引」、「停止」の繰り返しサイクル(周期)において、図4中「停止」の駆動停止状態に入る度に、記憶部15aに記憶される赤外線強度の計測値が更新される。
【0038】
リーク点検出器10は、図4中の「吸引」の駆動状態に入ると、赤外線ガスアナライザ12の受光器12cが受光した赤外線強度の計測値の比較検出部15への入力を開始する。また、比較検出部15での、記憶部15aに記憶された赤外線強度の計測値と、赤外線ガスアナライザ12から入力された計測値(赤外線強度)との比較を開始する(詳細には、比較部15bでの比較)。
赤外線ガスアナライザ12から比較検出部15へ入力された赤外線強度の計測値が、記憶部15aに記憶された赤外線強度の計測値よりも小さく(低く)なると、比較検出部15の出力部15cから報知部16へ駆動指令が出力され、この駆動指令を受信した報知部16が報知情報を出力する。
【0039】
なお、リーク点検出器10は、メイン電源スイッチ(図示略)がオンされて起動した時に、「吸引」、「停止」の繰り返しサイクルを、「停止」状態(駆動停止状態)から開始しても良いし、「吸引」状態(駆動状態)から開始しても良い。
前者の「停止」状態から開始する場合は、赤外線ガスアナライザ12にて、発光器12bからの赤外線の発光、受光器12cでの受光、受光器12cにて受光した赤外線強度の計測値の制御部18への入力(詳細には比較検出部15への入力)が行われ、記憶部15aに計測値(受光器12cにて受光した赤外線強度)が記憶される。
【0040】
ところで、数g/年程度の微量のテストガスのリークが生じるリーク点の場合は、リーク点から漏れ出してリーク点付近に滞留するテストガスをリーク点検出器10のリーク点探索用ガスパイプ11の先端から吸引することで、効率良く検出できる。
以下、このリーク点付近からのリーク点検出器10によるガス吸引、リークガス検出、リーク点検出について説明する。
この場合、リーク点からのテストガスの流出量は微量であるため、このリーク点にリーク点検出器10のリーク点探索用ガスパイプ11の先端を接近させて、リーク点の付近に存在するガスを吸引し、吸引前にリーク点の付近に存在していたテストガスGの滞留部G1(図1参照)が消滅すると、その後は、吸引によるキュベット12aへのテストガスの導入量は微量に留まる。
【0041】
図4に示すように、吸引開始(図4中符号a。ポンプの駆動開始)直後には、滞留部G1を構成するテストガスがキュベット12a内に導入されて、キュベット12a内のテストガス濃度が上昇(赤外線ガスアナライザ12の受光器12cが受光する赤外線強度は低下)する。
吸引前にリーク点付近に存在していたテストガスの滞留部G1が消滅すると、キュベット12a内のテストガス濃度は低下(赤外線ガスアナライザ12の受光器12cが受光する赤外線強度は上昇)し始める。このためテストガス濃度のピーク値が現れる(図4中符号b)。つまり、リーク点付近に滞留していたテストガスの吸引が完了した後も吸引が継続されると、テストガスを殆ど含まない空気の吸引、実質的に空気だけを吸引している状態となり、キュベット12a内のテストガスがパージされてテストガス濃度が低下する。「吸引」状態の時間(駆動時間)の終了までに、キュベット12a内部の全てのガスが、滞留部G1の消滅後に吸引されたガス、つまりテストガスを殆ど含まない空気に置換される(図4中符号c)。
【0042】
リーク点検出器10の「吸引」、「停止」の繰り返しサイクルの周期当たりの時間は、「吸引」状態の時間を、リーク点付近に滞留していたテストガスの吸引と、その後のテストガスを殆ど含まない空気への置換とを完了できるように設定する。
リーク点付近におけるテストガスの滞留は、テストガスの空気中への拡散により、滞留量の増大に限界がある。本発明者等の鋭意検討により、例えば、排気量(吸引量)が100〜300mL/分のポンプ13を使用した場合は、数g/年程度の微量のテストガスのリークが生じるリーク点付近に生じる滞留部G1が、吸引開始から0.2秒以内で消滅することが把握できた。
【0043】
そして、本発明では、ポンプの駆動時間(図4中「吸引」の時間)を0.2秒以上確保して、滞留部G1の消滅後の吸引継続時間によって、キュベット12a内のガスを滞留部G1の消滅後に吸引したガスに置換できるようにする。吸引継続時間の長さは、吸引開始から滞留部G1の消滅までと同等、あるいはそれ以上の長さ(但し、出来るだけ短時間に設定することが好ましい)とすることが好ましい。
数g/年程度の微量のテストガスのリークが生じるリーク点の検出の場合、図4の「吸引」の時間(ポンプの駆動時間)を0.2〜0.5秒とすることで、ポンプの駆動時間(図4中「吸引」の時間)内で、リーク点付近に滞留していたテストガスの吸引、及び、その後のテストガスを殆ど含まない空気への置換とを確実に完了できる。これにより、ポンプ13が駆動停止状態の後、駆動を再開したときに、テストガスの検出を高精度で行うことが可能となり、数g/年程度の微量のテストガスのリークが生じるリーク点の検出に好適である。
【0044】
ポンプ13が、図4中「吸引」の駆動状態から「停止」の駆動停止状態に入る(図4中符号d)と、キュベット12aへのテストガスの導入は停止されるため、キュベット12a内のテストガス濃度は上昇しない。
【0045】
ポンプ13が、図4中「停止」の駆動停止状態から「吸引」の駆動状態に入る(図4中符号a)と、吸引が再開される。
既述のように、駆動停止時間の終了時、駆動状態に入る直前に、比較検出部15の記憶部15aが赤外線ガスアナライザ12の受光器12cにて受光した赤外線強度を記憶する。そして、駆動状態では、この記憶部15aに記憶された赤外線強度の計測値と、駆動開始後に赤外線ガスアナライザ12から比較検出部15に入力された赤外線強度の計測値とを、比較検出部15にて比較する。駆動開始後に赤外線ガスアナライザ12から比較検出部15に入力された赤外線強度の計測値が、記憶部15aに記憶された赤外線強度の計測値よりも高くなれば、報知部16から報知情報が出力される。
【0046】
駆動停止時間の確保によって、リーク点付近にテストガスの滞留部G1が形成される。このため、リーク点を確実に検出することができる。
【0047】
駆動停止中に記憶部15aに記憶される赤外線強度の計測値は、テストガスを微量に含むガス(空気)がキュベット12aに導入された状態で、赤外線ガスアナライザ12の受光器12cにて受光した赤外線強度である。比較検出部15での赤外線強度の比較は、駆動停止中に記憶部15aに記憶された赤外線強度の計測値をバックグランドとして行われる。
したがって、例えば、リーク点検出器10を検査対象部材に沿ってゆっくりと移動させてリーク点探索作業を行う場合、リークガスを検出したならば、この検出位置及びその近傍でリーク点検出器10の移動を継続することでリーク点を効率良く検出できる。リーク点探索用ガスパイプ11の先端のリーク点からの距離が増大し、テストガスの吸引量が減少すると、キュベット12a内のテストガス濃度が低下して報知部16からの報知情報の出力が停止するため、リーク点探索用ガスパイプ11の先端のリーク点からの距離が増大していることが判る。報知部16からの報知情報の出力が継続する範囲でリーク点の位置を把握できる。これにより、リーク量が少ない微小なリーク点についても効率良く検出することができる。
また、検査対象機器2内の空間にリーク点探索用ガスパイプ11を差し入れてリーク点探索作業を行う場合も、同様に効率良くリーク点を検出できる。
【0048】
このリーク点検出器10は、例えば、リーク量が数g/年程度の微小なリーク点の検出のみならず、これよりもリーク量が多いリーク点の検出にも利用できることは言うまでも無い。
【0049】
また、このリーク点検出器10は、検査対象部材1の周囲からガスを吸引して赤外線ガスアナライザ12のキュベット12aに導入するためのパイプがリーク点探索用ガスパイプ11の1本で済み、キュベットと複数本のパイプとの接続を切り換えるための電磁弁が不要であるため、低コスト化できる。
さらに、従来技術(特許文献1)のように2本のパイプから交互に吸引する構成の場合に比べて、ポンプ13の稼働が半分で済むため、ポンプ13の寿命を延長できる。また、ポンプ13の駆動用のバッテリ電源の寿命延長や、小型化等も実現できる。小型、軽量のバッテリ電源の使用でも充分な動作時間を確保できる上、可搬性に優れたリーク点検出器を得ることができる。
【0050】
(別態様:可搬型リーク点検出器の第2例)
上述の実施形態では、可搬型に構成した場合の例(第1例)として、手動で移動操作可能な移動操作部22に、赤外線ガスアナライザ12、ポンプ13及び該ポンプ13が接続された排気パイプ17を組み込み、検出器本体21にポンプ13駆動用の駆動用電源回路131、バッテリ電源133、制御部18を組み込んだ構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図6、図7に示すリーク点検出器10B(可搬型リーク点検出器の第2例)のように、赤外線ガスアナライザ12、排気パイプ17を検出器本体に組み込んだ構成としても良い。ここで説明するリーク点検出器10Bは、検出器本体21aと移動操作部22aとを具備している。なお、可搬型リーク点検出器の第1例と共通の構成部分には同一の符号を付す。
【0051】
このリーク点検出器10Bは検出器本体21aは、ポンプ13駆動用の駆動用電源回路131、バッテリ電源133、制御部18、赤外線ガスアナライザ12、ポンプ13、排気パイプ17を筐体内に組み込んだ構成である。
図6、図7に示すように、このリーク点検出器10Bの移動操作部22aは、操作部本体221を、検出器本体21aの赤外線ガスアナライザ12から延出させたガス導入用ホース25の先端に取り付けて、リーク点検出器10のリーク点探索用ガスパイプ11として機能する吸気パイプ222をガス導入用ホース25に連通させ、前記吸気パイプ222にポンプ13の吸引力が前記ガス導入用ホース25を介して作用するように構成する。例えば図8に示すように、ガス導入用ホース25の先端を操作部本体221の筐体223に取り付け、該筐体223を介して吸気パイプ222と連通させる。
但し、ガス導入用ホース25と吸引パイプ222とを互いに連通させて接続する接続形態はこれに限定されず、適宜変更可能である。ポンプ13の吸引力によって吸気パイプ222の先端から吸引したガスを赤外線ガスアナライザ12に導入するように構成することは既述の可搬型リーク点検出器の第1例と同様である。
【0052】
このリーク点検出器10Bの場合、移動操作部22aの小型化、軽量化を容易に実現できる。これにより、移動操作部22aの操作性を向上させることができ、リーク点の探索の作業効率を高めることができる。
【0053】
本発明者等は、上述の可搬型リーク点検出器の第2例として説明した構成のリーク点検出器を試作して、試験を行った。
ポンプとして、吸引量200mL/分のものを用いた。
また、ポンプ駆動制御回路によってポンプのオン・オフ切り換えを1Hzで行うようにした。
リーク点探索用ガスパイプ11を探索移動速度1cm/秒で移動して、1g/年のフロンガス(R22)のリーク点の検出をテストしたところ、リーク点を検出できた。
また、1g/年、2g/年、3g/年のフロンガス(R22)のリーク点の検出を行い、赤外線アナライザからの受光器における赤外線受光強度の出力を調べたところ、赤外線アナライザからの出力は、リーク点からのリーク量に対してリニアな関係が得られていることを確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る1実施形態のリーク点検出器の構成を説明するモデル図である。
【図2】携行可能な検出器本体と手動で移動操作可能な移動操作部とを具備するリーク点検出器(可搬型リーク点検出器の第1例)の一例を説明する全体図である。
【図3】図2のリーク点検出器の移動操作部における吸気パイプとキュベットとの接続形態の一例を示す図である。
【図4】本発明に係るリーク点検出器の動作を説明する動作チャートである。
【図5】図1のリーク点検出器の比較検出部の構成の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る可搬型リーク点検出器の第2例の構成を説明するモデル図である。
【図7】本発明に係る可搬型リーク点検出器の第2例の構成を説明する全体図である。
【図8】図7のリーク点検出器の移動操作部における吸気パイプとキュベットとの接続形態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1…検査対象部材、2…検査対象機器、10、10A、10B…リーク点検出器、11…リーク点探索用ガスパイプ、12…赤外線アナライザ、12a…キュベット、12b…発光器、12c…受光器、13…ポンプ、131…駆動用電源回路、132…スイッチ、133…バッテリ電源、14…ポンプ駆動制御回路、15…比較検出部、15a…記憶部、15b…比較部、15c…出力部、16…報知部、17…排気パイプ、18…制御部、21、21a…検出器本体、211…吊り紐、22、22a…移動操作部、221…操作部本体、222…吸気パイプ、23…信号線ケーブル、24…接続パイプ、25…ガス導入用チューブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器あるいは流路配管である検査対象部材に赤外線活性を持つテストガスを導入して、前記テストガスの前記検査対象部材からの漏出箇所を検出する試験に用いられるリーク点検出器であって、
キュベットに発光器及び受光器を対向配置してなる赤外線ガスアナライザと、この赤外線ガスアナライザの前記キュベットに連通された1本のリーク点探索用ガスパイプと、このリーク点探索用ガスパイプの先端から前記キュベットへのガス導入を行うためのポンプと、このポンプの駆動を予め設定した周期でオン・オフ切り換えするポンプ駆動制御回路とを具備することを特徴とするリーク点検出器。
【請求項2】
さらに、ポンプの駆動中において赤外線ガスアナライザの受光器にて受光した赤外線強度と、ポンプの駆動開始直前の前記ポンプの駆動停止時間中において前記受光器にて受光した赤外線強度とを比較し、ポンプ駆動中における赤外線強度が駆動開始直前における赤外線強度よりも低い場合にテストガス検出信号を出力する比較検出部を具備することを特徴とする請求項1記載のリーク点検出器。
【請求項3】
前記比較検出部から出力されたテストガス検出信号として出力された駆動指令に基づいてテストガスが検出されたことを報知するための報知情報を出力する報知部とを具備することを特徴とする請求項2記載のリーク点検出器。
【請求項4】
前記ポンプ駆動制御回路による前記ポンプの駆動が、ポンプの駆動停止時間が0.3〜0.5秒であり、周期当たり0.5〜1秒でオン・オフ切り換えされることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリーク点検出器。
【請求項5】
前記キュベットから延出する前記リーク点探索用ガスパイプの先端部が、手動で移動操作可能な移動操作部に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリーク点検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−60410(P2010−60410A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225819(P2008−225819)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(591044647)株式会社 スズキ技研 (36)
【Fターム(参考)】