説明

レベルコンバータ

【課題】ラッチ回路の初期値が確定可能であり、出力信号の立ち上がり/立ち下がり特性の対称性に優れたレベルコンバータを提供すること。
【解決手段】シフト回路12のラッチ回路31を構成する第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子となるノードN1,N2とトランジスタTp1,Tp2との間に初期値設定用のMOSトランジスタTp3,Tp4を挿入接続した。そして、MOSトランジスタTp3のゲートをグランドに接続し、MOSトランジスタTp4のゲートを初期値設定回路34に接続した。初期値設定回路34は、第2の高電位電源VDEが所定レベル以下の場合には該MOSトランジスタTp4のゲート電位を第2の高電位電源VDEとグランドとの間の中間電位に制御し、第2の高電位電源VDEが所定レベルより高い場合には該MOSトランジスタTp4をオンするようそのゲート電位をグランドレベルに制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電源電圧で動作する半導体装置に使用されるレベルコンバータに関するものである。
近年の半導体装置は、低消費電力化を図るため、内部回路は半導体装置外部の信号レベルに比べてレベルが低い信号を扱うように構成されている。つまり、内部回路の動作電源電圧は、半導体装置外部の信号レベルに比べて低く設定されている。このため、半導体装置の入力回路及び出力回路には、内部回路の信号レベルを外部の信号レベルに変換するレベルコンバータが用いられている。
【背景技術】
【0002】
従来、出力回路として用いられるレベルコンバータは、互いに異なる第1電源電圧及び第2電源電圧が供給され、第1電源電圧にて動作する内部回路の信号を第2電源電圧の信号レベルにレベル変換する。このレベルコンバータ回路において、第1電源電圧と第2電源電圧が供給されるタイミングの差によって誤動作する場合がある。また、半導体装置の更なる低消費電力化のために、内部回路の動作電源である第1電源電圧の供給を停止する場合があり、第1電源電圧の停止によって出力信号のレベルが不定となる。
【0003】
この問題に対して、例えば、特許文献1には、第2電源電圧により動作する回路部分に出力信号のレベルを保持する保持回路を備えたレベルコンバータが開示されている。このレベルコンバータは、第1電源電圧が供給されていない場合においても、第2電源電圧にて動作する保持回路に保持したレベルに応じた出力信号を出力する。また、このレベルコンバータは、第2電源電圧とグランドにそれぞれ接続されたコンデンサを備え、これらコンデンサにより、第2電源電圧の供給時に保持回路に保持する信号レベルを設定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−336007号公報(第3図)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記コンデンサは、それぞれが接続されたノードに対して負荷となるため、各ノードにおける信号レベルの変化、つまりHレベルからLレベルへの変化に要する立ち下がり時間と、LレベルからHレベルへの変化に要する立ち上がり時間に大きな差が生じる。このため、上記のレベルコンバータは、波形の対称性が必要な信号の出力回路に用いることができなかったり、立ち上がり時間と立ち下がり時間との差によって動作が不安定になったりするという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ラッチ回路の初期値が確定可能であり、出力信号の立ち上がり/立ち下がり特性の対称性に優れたレベルコンバータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1及び第2インバータ回路の少なくとも一方の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、前記第1及び第2インバータ回路の少なくとも一方は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続され、ゲートに制御信号が供給される初期値設定用MOSトランジスタを有する、ものである。
【0008】
この構成によれば、第2の高電位電源が所定レベルより高い一定電圧にて供給されているとき、初期値設定用MOSトランジスタを制御信号によりオンすることで、ラッチ回路を構成する第1及び第2インバータ回路の出力端子に対するそれぞれ負荷はほぼ等しくなる。従って、入力信号のレベルが変化する場合において、第1及び第2インバータ回路の出力端子の電位の変化は、初期値設定用MOSトランジスタの影響を受けない。つまり、入力信号がHレベルからLレベルへと変化するときと、LレベルからHレベルへと変化するときにおいて、第1及び第2インバータ回路の出力端子の立ち上がり/立ち下がり時間がほぼ等しくなり、出力信号の立ち上がり/立ち下がり特性の対称性が従来例に比べてよい。また、第2の高電位電源が所定レベル以下の場合、初期値設定用MOSトランジスタを制御信号の電圧に応じた抵抗値とし、ラッチ回路を構成する第1及び第2インバータ回路において、第2の高電位電源と低電位電源との間の抵抗値が異なるようにすることで、制御信号の電圧に応じてラッチ回路の初期値が確定される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレベルコンバータにおいて、1つの前記初期値設定用MOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2の高電位電源のレベルに応じて前記ゲートの電位を制御する初期値設定回路を備えた。この構成によれば、初期値設定回路を備えることにより、第2の高電位電源のレベルに応じて初期値設定用MOSトランジスタを制御することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1又は第2インバータ回路の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、を備え、前記第1インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続され、ゲートが前記低電位電源に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、ゲートが前記第2の高電位電源に接続されたNチャネルMOSトランジスタとのうちの何れか一方を有し、前記第2インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続されゲートに制御信号が印加される初期値設定用MOSトランジスタを有するものである。
【0011】
この構成によれば、第2の高電位電源が所定レベルより高い一定電圧にて供給されているとき、第1インバータ回路に設けられたMOSトランジスタはオンしており、第2インバータ回路に設けられた初期値設定用MOSトランジスタを制御信号によりオンすることで、ラッチ回路を構成する第1及び第2インバータ回路の出力端子に対するそれぞれ負荷はほぼ等しくなる。従って、入力信号のレベルが変化する場合において、第1及び第2インバータ回路の出力端子の電位の変化は、初期値設定用MOSトランジスタの影響を受けない。つまり、入力信号がHレベルからLレベルへと変化するときと、LレベルからHレベルへと変化するときにおいて、第1及び第2インバータ回路の出力端子の立ち上がり/立ち下がり時間がほぼ等しくなり、出力信号の立ち上がり/立ち下がり特性の対称性が従来例に比べてよい。
【0012】
請求項4に記載の発明は、低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1又は第2インバータ回路の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、前記第1インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続され、ゲートが前記低電位電源に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、ゲートが前記第2の高電位電源に接続されたNチャネルMOSトランジスタとのうちの少なくとも一方を有し、前記第2インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続された初期値設定用MOSトランジスタを有し、前記初期値設定用MOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2の高電位電源が所定レベル以下の場合には該初期値設定用MOSトランジスタのゲート電位を前記第2の高電位電源と前記低電位電源との間の中間電位に制御し、前記第2の高電位電源が所定レベルより高い場合には該初期値設定用MOSトランジスタをオンするようそのゲート電位を制御する初期値設定回路を備えたものである。
【0013】
この構成によれば、第2の高電位電源が所定レベルより高い一定電圧にて供給されているとき、第1及び第2インバータ回路に設けられたMOSトランジスタはオンしており、ラッチ回路を構成する第1及び第2インバータ回路の出力端子に対するそれぞれ負荷はほぼ等しくなる。従って、入力信号のレベルが変化する場合においても、第1及び第2インバータ回路の出力端子の電位の変化は、初期値設定用MOSトランジスタの影響を受けない。つまり、入力信号がHレベルからLレベルへと変化するときと、LレベルからHレベルへと変化するときにおいて、第1及び第2インバータ回路の出力端子の立ち上がり/立ち下がり時間がほぼ等しくなり、出力信号の立ち上がり/立ち下がり特性の対称性が従来例に比べてよい。
【0014】
また、第2の高電位電源が所定レベル以下の場合には初期値設定回路が出力する中間電位によって第2インバータ回路の初期値設定用MOSトランジスタはその中間電位に応じた抵抗値を持つようになる。第1インバータ回路のMOSトランジスタはそのゲートがオンするように接続されているため、初期値設定用MOSトランジスタよりも低い抵抗値を持つようになる。従って、ラッチ回路を構成する第1及び第2インバータ回路において、第2の高電位電源と低電位電源との間の抵抗値が異なることになり、それぞれの抵抗値に応じてラッチ回路の初期値が確定される。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のレベルコンバータにおいて、前記初期値設定回路は、前記第2の高電位電源と前記低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる第3のインバータ回路であり、該第3のインバータ回路の出力端子が前記初期値設定用MOSトランジスタのゲートに接続され、該第3のインバータ回路の入力端子は前記初期値設定用MOSトランジスタの導電型に応じて前記第2の高電位電源又は前記低電位電源に接続されたものである。
【0016】
この構成によれば、第2の高電位電源が初期値設定回路を構成するPチャネルMOSトランジスタ及びNチャネルMOSトランジスタが動作し始める電圧(しきい値電圧:例えば0.5〜1.0V)より低い電圧において、第2の高電位電源と低電位電源との中間電位を出力する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ラッチ回路の初期値が確定可能であり、出力信号の立ち上がり/立ち下がり特性の対称性に優れたレベルコンバータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第一実施形態のレベルコンバータ回路の回路図である。
【図2】レベルコンバータ回路の動作波形図である。
【図3】第二実施形態のレベルコンバータ回路の回路図である。
【図4】別のレベルコンバータ回路の回路図である。
【図5】別のレベルコンバータ回路の回路図である。
【図6】別のレベルコンバータ回路の回路図である。
【図7】別のレベルコンバータ回路の回路図である。
【図8】別のレベルコンバータ回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すように、レベルコンバータ10は、入力回路11とシフト回路12とを備えている。
【0020】
入力回路11は2つのインバータ回路21,22から構成されている。インバータ回路21,22の電源端子は、それぞれ第1の高電位電源VDDと低電位電源(本実施形態ではグランド)に接続されている。インバータ回路21は、入力信号Sinが入力され、該信号Sinを論理反転し第1の高電位電源VDDレベル(Hレベル)又はグランドレベル(Lレベル)の信号S1を出力する。インバータ回路22は、第1インバータ回路21の出力信号S1が入力され、該信号S1を論理反転し第1の高電位電源VDDレベル(Hレベル)又はグランドレベル(Lレベル)の信号S2を出力する。従って、入力回路11は、入力信号Sinに基づき、相補な信号S1,S2を出力する。
【0021】
シフト回路12には信号S1,S2が入力される。信号S1はNチャネルMOSトランジスタTn1のゲートに供給され、信号S2はNチャネルMOSトランジスタTn2のゲートに供給されている。両トランジスタTn1,Tn2のソースはグランドに接続され、両トランジスタTn1,Tn2のドレインはラッチ回路31に接続されている。
【0022】
ラッチ回路31は、2つのインバータ回路32,33をリング状に接続して構成されている。第1インバータ回路32は、第2の高電位電源VDEとグランドとの間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタTp1とNチャネルMOSトランジスタTn3とから構成され、第2インバータ回路33は、第2の高電位電源VDEとグランドとの間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタTp2とNチャネルMOSトランジスタTn4とから構成されている。第1インバータ回路32を構成するトランジスタTp1,Tn3の間のノードN1は第2インバータ回路33を構成するトランジスタTp2,Tn4のゲートに接続されている。第2インバータ回路33を構成するトランジスタTp2,Tn4の間のノードN2は第1インバータ回路32を構成するトランジスタTp1,Tn3のゲートに接続されている。第2の高電位電源VDEは第1の高電位電源VDDよりも高い電圧に設定されている。
【0023】
また、第1インバータ回路32を構成するトランジスタTp1,Tn3の間のノードN1は第2インバータ回路33を構成するトランジスタTp2,Tn4のゲートと、上記トランジスタTn1のドレインに接続されている。第2インバータ回路33を構成するトランジスタTp2,Tn4の間のノードN2は第1インバータ回路32を構成するトランジスタTp1,Tn3のゲートと、上記トランジスタTn2のドレインに接続されている。
【0024】
第1インバータ回路32において、トランジスタTp1とノードN1との間に初期値設定用MOSトランジスタとしてのPチャネルMOSトランジスタTp3が挿入接続されている。トランジスタTp3のソースはトランジスタTp1のドレインに接続され、トランジスタTp3のドレインはノードN1に接続され、トランジスタTp3のゲートはグランドに接続されている。そして、シフト回路12からノードN1のレベルを持つ信号Soutが出力される。
【0025】
第2インバータ回路33において、トランジスタTp2とノードN2との間に初期値設定用MOSトランジスタとしてのPチャネルMOSトランジスタTp4が挿入接続されている。トランジスタTp4のソースはトランジスタTp2のドレインに接続され、トランジスタTp4のドレインはノードN2に接続され、トランジスタTp4のゲートには初期値設定回路34が接続されている。
【0026】
初期値設定回路34は、CMOS構造のインバータ回路からなり、第2の高電位電源VDEとグランドとの間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタTp5及びNチャネルMOSトランジスタTn5により構成されている。両トランジスタTp5,Tn5のゲートは第2の高電位電源VDEに接続され、インバータ回路の出力端子である両トランジスタTp5,Tn5の間のノードN3は初期値設定用のPチャネルMOSトランジスタTp4のゲートに接続されている。
【0027】
上記のように構成されたレベルコンバータ10の作用を説明する。
先ず、第1の高電位電源VDD及び第2の高電位電源VDEが供給されている時の動作を説明する。
【0028】
初期値設定回路34は、両トランジスタTp5,Tn5のゲートが第2の高電位電源VDEに接続されているため、トランジスタTp5がオフし、トランジスタTn5がオンする。従って、ラッチ回路31の第4トランジスタTp4のゲートがオンしたトランジスタTn5を介してグランドに接続される。
【0029】
このため、ラッチ回路31を構成するトランジスタTp1,Tp2とノードN1,N2の間にそれぞれ接続されたPチャネルMOSトランジスタTp3,Tp4は、それぞれのゲートがグランドに接続されるためオンする。つまり、ラッチ回路31は、実質的に、第2の高電位電源VDEに接続されたPチャネルMOSトランジスタTp1,Tp2と、グランドに接続されたNチャネルMOSトランジスタTn3,Tn4により動作する。
【0030】
一例として、入力信号Sinが第1の高電位電源VDDレベルの場合、入力回路は、Lレベルの信号S1と第1の高電位電源VDDレベルの信号S2を出力する。シフト回路12において、トランジスタTn1はLレベルの信号S1に応答してオフし、トランジスタTn2は第1の高電位電源VDDレベルの信号S2に応答してオンする。従って、ラッチ回路31は、ノードN2をLレベルに保持し、ノードN1を第2の高電位電源VDEレベルに保持する。従って、レベルコンバータ10は、第1の高電位電源VDDレベルの入力信号Sinを、第2の高電位電源VDEレベルの信号Soutに変換し出力する。
【0031】
次に、入力信号SinがLレベルの場合、入力回路は、第1の高電位電源VDDレベルの信号S1とLレベルの信号S2を出力する。シフト回路12において、トランジスタTn1は第1の高電位電源VDDレベルの信号S1に応答してオンし、トランジスタTn2はLレベルの信号S2に応答してオフする。従って、ラッチ回路31は、ノードN2を第2の高電位電源VDEレベルに保持し、ノードN1をLレベルに保持する。従って、レベルコンバータ10は、Lレベルの信号Soutを出力する。
【0032】
上記の動作において、ラッチ回路31に設けられたトランジスタTp3,Tp4はオンしており、ラッチ回路31のノードN1,N2に対するそれぞれ負荷はほぼ等しくなる。従って、入力信号Sinのレベルが変化する場合においても、ノードN1,N2の電位の変化は、初期値設定用のトランジスタTp3,Tp4の影響を受けない。つまり、入力信号SinがHレベルからLレベルへと変化するときと、LレベルからHレベルへと変化するときにおいて、ノードN1,N2の電位の立ち上がり/立ち下がり時間がほぼ等しくなり、出力信号Soutの立ち上がり/立ち下がり特性の対称性が従来例に比べてよくなる。
【0033】
次に、第2の高電位電源VDEが第1の高電位電源VDDよりも前に投入される場合について説明する。
第2の高電位電源VDEが初期値設定回路34を構成するトランジスタTp5,Tn5が動作し始める電圧(しきい値電圧:例えば0.5〜1.0V)より低い電圧では、初期値設定回路34のインバータ回路の出力レベル(ノードN3のレベル)は、第2の高電位電源VDEとグランドとの中間レベルとなり、この中間レベルの制御信号がトランジスタTp4のゲートに供給される。ノードN3が接続されたゲートを有するトランジスタTp4は、ゲートに印加される電圧レベルに応じた抵抗値を持ち、このトランジスタTp4の抵抗値(R4)は、グランドに接続されたゲートを有するトランジスタTp3の抵抗値(R3)よりも大きい(R4>R3)。
【0034】
従って、トランジスタTp1,Tp3,Tn3からなる直列回路(インバータ回路32)と、トランジスタTp2,Tp4,Tn4からなる直列回路(インバータ回路33)において、第2の高電位電源VDEとグランドとの間の抵抗値が異なり、ラッチ回路31はヒステリシス特性を持つ。このため、図2に示すように、それぞれの抵抗値に応じて、ノードN1のレベルが第2の高電位電源VDEレベル、ノードN2のレベルがグランドレベルとなる(時刻t1)。そして、ノードN1のレベルは、上昇する第2の高電位電源VDEに応じて上昇する。
【0035】
次に、第1の高電位電源VDDが投入される(時刻t2)と、入力回路11が動作して入力信号Sinのレベル(この説明ではLレベル)に応じて図1のシフト回路12を構成するトランジスタTn1,Tn2がオン・オフし、図2に示すように、ノードN1のレベルがグランドレベル、ノードN2のレベルが第2の高電位電源VDEレベルとなる。そして、第2の高電位電源VDEは所定電圧まで上昇した後一定となり、ノードN1の電位も同様に一定となる。
【0036】
次に、第1の高電位電源VDDの供給が停止される(時刻t3)と、図1に示す入力回路11の出力信号S1,S2のレベルはグランドレベルとなる。このとき、第2の高電位電源VDEが供給されたラッチ回路31は、ノードN1,N2のレベルを維持する。
【0037】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)シフト回路12のラッチ回路31を構成する第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子となるノードN1,N2とPチャネルMOSトランジスタTp1,Tp2との間に初期値設定用のPチャネルMOSトランジスタTp3,Tp4を挿入接続した。そして、第1インバータ回路32のPチャネルMOSトランジスタTp3のゲートをグランドに接続し、第2インバータ回路33のPチャネルMOSトランジスタTp4のゲートを初期値設定回路34に接続した。初期値設定回路34は、第2の高電位電源VDEが所定レベル以下の場合には該MOSトランジスタTp4のゲート電位を第2の高電位電源VDEとグランドとの間の中間電位に制御し、第2の高電位電源VDEが所定レベルより高い場合には該MOSトランジスタTp4をオンするようそのゲート電位をグランドレベルに制御する。
【0038】
従って、第2の高電位電源VDEが所定レベルより高い一定電圧にて供給されているとき、第1及び第2インバータ回路32,33に設けられたMOSトランジスタTp3,Tp4はオンしており、ラッチ回路31を構成する第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子に対するそれぞれ負荷はほぼ等しくなる。従って、入力信号Sinのレベルが変化する場合においても、第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子の電位の変化は、初期値設定用のMOSトランジスタTp3,Tp4の影響を受けない。つまり、入力信号SinがHレベルからLレベルへと変化するときと、LレベルからHレベルへと変化するときにおいて、第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子の立ち上がり/立ち下がり時間がほぼ等しくなり、出力信号Soutの立ち上がり/立ち下がり特性の対称性を従来例に比べて向上することができる。
【0039】
(2)初期値設定回路34は、第2の高電位電源VDEが所定レベル以下の場合には中間レベルの制御信号を出力するため、第2インバータ回路33のMOSトランジスタTp4はその中間電位に応じた抵抗値R4を持つようになる。第1インバータ回路32のMOSトランジスタTp3はそのゲートがグランドに接続されているため、第2インバータ回路33のMOSトランジスタTp4よりも低い抵抗値R3を持つようになる。従って、ラッチ回路31を構成する第1及び第2インバータ回路32,33において、第2の高電位電源VDEとグランドとの間の抵抗値が異なることになり、ヒステリシス特性を持ち、それぞれの抵抗値に応じてラッチ回路31の初期値を確定することができる。
【0040】
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図3に従って説明する。
尚、第一実施形態と同じ部分については同じ符号を付し、その説明を一部省略する。
【0041】
図3に示すように、レベルコンバータ40は、入力回路11とシフト回路42とを備えている。
入力回路11は2つのインバータ回路21,22から構成され、入力信号Sinに基づき、相補な信号S1,S2を出力する。
【0042】
シフト回路42には信号S1,S2が入力される。信号S1はNチャネルMOSトランジスタTn1のゲートに供給され、信号S2はNチャネルMOSトランジスタTn2のゲートに供給されている。両トランジスタTn1,Tn2のソースはグランドに接続され、両トランジスタTn1,Tn2のドレインはラッチ回路31に接続されている。
【0043】
ラッチ回路31は、2つのインバータ回路32,33をリング状に接続して構成されている。インバータ回路32は、第2の高電位電源VDEとグランドとの間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタTp1とNチャネルMOSトランジスタTn3とから構成され、インバータ回路33は、第2の高電位電源VDEとグランドとの間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタTp2とNチャネルMOSトランジスタTn4とから構成されている。第1インバータ回路32を構成するトランジスタTp1,Tn3の間のノードN1は第2インバータ回路33を構成するトランジスタTp2,Tn4のゲートに接続されている。第2インバータ回路33を構成するトランジスタTp2,Tn4の間のノードN2は第1インバータ回路32を構成するトランジスタTp1,Tn3のゲートに接続されている。第2の高電位電源VDEは第1の高電位電源VDDよりも高い電圧に設定されている。
【0044】
また、第1インバータ回路32を構成するトランジスタTp1,Tn3の間のノードN1は第2インバータ回路33を構成するトランジスタTp2,Tn4のゲートと、上記トランジスタTn1のドレインに接続されている。第2インバータ回路33を構成するトランジスタTp2,Tn4の間のノードN2は第1インバータ回路32を構成するトランジスタTp1,Tn3のゲートと、上記トランジスタTn2のドレインに接続されている。そして、シフト回路42からノードN1のレベルを持つ信号Soutが出力される。
【0045】
第1インバータ回路32のノードN1には初期値設定用のPチャネルMOSトランジスタTp11が接続され、第2インバータ回路33のノードN2には初期値設定用のNチャネルMOSトランジスタTn11が接続されている。トランジスタTp11のソース及びゲートは第2の高電位電源VDEに接続され、トランジスタTp11のドレインはノードN1に接続されている。トランジスタTn11のソース及びゲートはグランドに接続され、トランジスタTn11のドレインはノードN2に接続されている。
【0046】
上記のように構成されたレベルコンバータ40の作用を説明する。
先ず、第1の高電位電源VDD及び第2の高電位電源VDEが供給されている時の動作を説明する。
【0047】
初期値設定用のトランジスタTp11は、ゲート及びソースが第2の高電位電源VDEに接続されているため、オフする。同様に、初期値設定用のトランジスタTn11は、ゲート及びソースがグランドに接続されているため、オフする。
【0048】
このため、本実施形態においても、第一実施形態と同様に、ラッチ回路31は、実質的に、第2の高電位電源VDEに接続されたPチャネルMOSトランジスタTp1,Tp2と、グランドに接続されたNチャネルMOSトランジスタTn3,Tn4により動作する。従って、レベルコンバータ40は、第1の高電位電源VDDレベルの入力信号Sinを、第2の高電位電源VDEレベルの信号Soutに変換し出力する。
【0049】
上記の動作において、ラッチ回路31に設けられたトランジスタTp11,Tn11はオフしており、ラッチ回路31のノードN1,N2に対するそれぞれ負荷はほぼ等しくなる。従って、入力信号Sinのレベルが変化する場合においても、ノードN1,N2の電位の変化は、初期値設定用のトランジスタTp11,Tn11の影響を受けない。つまり、入力信号SinがHレベルからLレベルへと変化するときと、LレベルからHレベルへと変化するときにおいて、ノードN1,N2の立ち上がり/立ち下がり時間がほぼ等しくなり、出力信号Soutの立ち上がり/立ち下がり特性の対称性が従来例に比べてよくなる。
【0050】
次に、第2の高電位電源VDEが第1の高電位電源VDDよりも前に投入される場合について説明する。
第2の高電位電源VDEがラッチ回路31を構成するトランジスタTp1,Tp2,Tn3,Tn4が動作し始める電圧(しきい値電圧:例えば0.5〜1.0V)より低い電圧では、オフ状態の両トランジスタTp11,Tn11にそれぞれ漏れ電流(オフリーク電流)が流れる。これらトランジスタTp11,Tn11におけるオフリーク電流によって、ノードN1,N2の電位が決定される。本実施形態では、PチャネルMOSトランジスタTp11が接続されたノードN1の電位が第2の高電位電源VDEレベルとなり、NチャネルMOSトランジスタTn11が接続されたノードN2の電位がグランドレベルとなる。以降の動作は第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)シフト回路42は、第1及び第2インバータ回路32,33からなるラッチ回路31を備え、第1インバータ回路32の出力端子となるノードN1と第2の高電位電源VDEとの間にはPチャネルMOSトランジスタTp11が接続され、第2インバータ回路33の出力端子となるノードN2とグランドとの間にはNチャネルMOSトランジスタTn11が接続されている。トランジスタTp11のゲートは第2の高電位電源VDEに接続され、トランジスタTn11のゲートはグランドに接続されている。
【0052】
従って、第2の高電位電源VDEが所定レベルより高い一定電圧にて供給されているとき、ラッチ回路31に設けられたPチャネルMOSトランジスタTp11及びNチャネルMOSトランジスタTn11はオフしており、ラッチ回路31を構成する第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子に対するそれぞれ負荷はほぼ等しくなる。従って、入力信号Sinのレベルが変化する場合においても、第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子の電位の変化は、初期値設定用のPチャネルMOSトランジスタTp11及びNチャネルMOSトランジスタTn11の影響を受けない。つまり、入力信号SinがHレベルからLレベルへと変化するときと、LレベルからHレベルへと変化するときにおいて、第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子の立ち上がり/立ち下がり時間がほぼ等しくなり、出力信号Soutの立ち上がり/立ち下がり特性の対称性を従来例に比べてよくすることができる。
【0053】
(2)第2の高電位電源VDEがラッチ回路31を構成するトランジスタTp1,Tp2,Tn3,Tn4が動作し始める電圧より低い電圧では、オフ状態のPチャネルMOSトランジスタTp11及びNチャネルMOSトランジスタTn11にそれぞれ漏れ電流(オフリーク電流)が流れる。これらPチャネルMOSトランジスタTp11及びNチャネルMOSトランジスタTn11におけるオフリーク電流によって、第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子の電位が決定されるため、ラッチ回路31の初期値を確定することができる。
【0054】
尚、上記各実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・第一実施形態において、初期値設定回路34を1段のインバータ回路により構成したが、インバータ回路の段数を適宜変更しても良い。例えば、図4に示すように、レベルコンバータ50は、入力回路11とシフト回路52とを備え、該シフト回路52は直列接続された2つのインバータ回路34a,34bからなる初期値設定回路を備えている。インバータ回路34aの出力端子はトランジスタTp4のゲートに接続され、インバータ回路34bの入力端子となるPチャネルMOSトランジスタ及びNチャネルMOSトランジスタのゲートは、トランジスタTp4のゲート電位をグランドレベルとするように、グランドに接続されている。このように構成されたレベルコンバータ50においても、第一実施形態と同様に、ラッチ回路31の初期値が確定可能であり、出力信号Soutの立ち上がり/立ち下がり特性の対称性に優れたレベルコンバータを提供することができる。
【0055】
・上記各実施形態では、シフト回路12,42のノードN1を出力端子に接続する構成としたが、ノードN2を出力端子に接続する構成としてもよい。この場合、レベルコンバータは、Lレベルの入力信号Sinに応答して第2の高電位電源VDEレベルの出力信号Soutを出力し、第1の高電位電源VDDレベルの入力信号Sinに応答してLレベルの出力信号Soutを出力する。即ち、入力信号Sinに対して論理反転した出力信号Soutを出力するレベルコンバータを構成することができる。もちろん、ノードN1とノードN2とをそれぞれ異なる出力端子に接続する構成としてもよいことは明らかである。
【0056】
・第一実施形態では、第2インバータ回路33に設けたトランジスタTp4のゲートにインバータ回路からなる初期値設定回路34の出力信号を供給するようにしたが、トランジスタTp4のゲート電位を制御する構成としてもよい。例えば、図5に示すレベルコンバータ60は、入力回路11とシフト回路62とを備え、該シフト回路62は第一実施形態のラッチ回路31及び入力回路11に接続されたトランジスタTn1,Tn2から構成されている。そして、第2インバータ回路33に設けられた初期値設定用のトランジスタTp4のゲートには制御信号SXが入力されている。この構成によれば、第2の高電位電源VDEが所定レベルより高い一定電圧にて供給されているとき、第1インバータ回路32に設けられたトランジスタTp3はオンしており、第2インバータ回路33に設けられたトランジスタTp4を制御信号SXによりオンすることで、ラッチ回路31を構成する第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子に対するそれぞれ負荷はほぼ等しくなる。従って、入力信号Sinのレベルが変化する場合において、第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子の電位の変化は、初期値設定用のMOSトランジスタTp3,Tp4の影響を受けない。つまり、第1及び第2インバータ回路の出力端子の立ち上がり/立ち下がり時間がほぼ等しくなり、出力信号の立ち上がり/立ち下がり特性の対称性が従来例に比べてよい。
【0057】
また、第2の高電位電源VDEが所定レベル以下の場合、第2インバータ回路33のトランジスタTp4は制御信号SXの電圧に応じた抵抗値を持ち、第1インバータ回路32のトランジスタTp3はそのゲートがグランドに接続されているため、そのゲート電位に応じた抵抗値を持つようになる。従って、制御信号SXの電圧によって、ラッチ回路31を構成する第1及び第2インバータ回路32,33において、第2の高電位電源VDEとグランドとの間の抵抗値が異なるようにすることで、制御信号SXの電圧に応じてラッチ回路31の初期値を確定することができる。
【0058】
・上記各実施形態において、ノードN1,N2のレベルを初期設定することができればよいため、初期値設定用のPチャネルMOSトランジスタTp3,Tp4の接続位置は、上記各実施形態に限定されない。例えば、図6に示すように、PチャネルMOSトランジスタTp3,Tp4を第2の高電位電源VDEとPチャネルMOSトランジスタTp1,Tp2との間にそれぞれ挿入接続してもよい。また、PチャネルMOSトランジスタTp3,Tp4を、ノードN1,N2とNチャネルMOSトランジスタTn3,Tn4との間に挿入接続してもよい。
【0059】
・第一実施形態において、ヒステリシス特性を持たせてラッチ回路31の初期値を確定する、即ちノードN1,N2のレベルを初期設定することができればよいため、挿入接続する素子は、PチャネルMOSトランジスタに限定されない。例えば、NチャネルMOSトランジスタをノードN1,N2とPチャネルMOSトランジスタTp1,Tp2又はNチャネルMOSトランジスタTn3,Tn4の間に挿入接続し、それら挿入接続したNチャネルMOSトランジスタのゲート電位を第2の高電位電源VDEレベルに制御するようにしてもよい。また、実施形態ではMOSトランジスタTp3,Tp4の抵抗値によりノードN1,N2のレベルを初期設定するため、抵抗として機能する素子(インピーダンスを有する素子)を挿入接続してもよい。
【0060】
・第一実施形態において、第1インバータ回路32のPチャネルMOSトランジスタTp3のゲートを初期値設定回路34に接続し、第2インバータ回路33のPチャネルMOSトランジスタTp4のゲートをグランドに接続するようにしてもよい。この構成により、第2の高電位電源VDEの立ち上がりにおいて、ノードN1をLレベル、ノードN2を第2の高電位電源VDEレベルに初期設定することができる。
【0061】
・第二実施形態において、初期値設定用のPチャネルMOSトランジスタTp11を第2インバータ回路33の出力端子であるノードN2に接続し、NチャネルMOSトランジスタTn11を第1インバータ回路32の出力端子であるノードN1に接続してもよい。この構成により、第2の高電位電源VDEの立ち上がりにおいて、ノードN1をLレベル、ノードN2を第2の高電位電源VDEレベルに初期設定することができる。
【0062】
・第一実施形態において、第2の高電位電源VDEが所定レベルより高い一定電圧にて供給されているとき、第1及び第2インバータ回路32,33に設けられたMOSトランジスタTp3,Tp4はオンしている。従って、MOSトランジスタTp3,Tp4のうちの何れか一方を省略しても、よい。
【0063】
・第一実施形態では、初期値設定回路34を構成するPチャネルMOSトランジスタTp5及びNチャネルMOSトランジスタTn5のゲートを第2の高電位電源VDEに接続した。これは、第2の高電位電源VDEが所定レベルより高い一定電圧のときに初期値設定回路34からMOSトランジスタTp4をオンするような電圧(Lレベル)が出力されればよい。従って、第1の高電位電源VDDと第2の高電位電源VDEとの電位、更に詳しく言えば第1の高電位電源VDDが初期値設定回路34を構成するインバータ回路のしきい値電圧より高い場合には、図7に示すように、初期値設定回路34を構成するトランジスタTp5,Tn5のゲートに第1の高電位電源VDDを供給するようにしてもよい。
【0064】
また、ノードN2とグランドとの間にNチャネルMOSトランジスタTn6を接続し、このトランジスタTn6のゲートを初期値設定回路34に接続してもよい。この場合、初期値設定回路34を構成するインバータ回路の入力端子に、第2の高電位電源VDEを供給する(図1参照)としてもよい。このトランジスタTn6は、第2の高電位電源VDEが所定レベル以下の場合に初期値設定回路34から供給される中間レベルの制御信号に応答して抵抗として機能し、ノードN2の電位を決定する。そして、第2の高電位電源VDEが所定レベルより高い一定電圧にて供給されているとき、トランジスタTn6のゲートにはLレベル(グランドレベル)となりオフするため、ラッチ回路31の動作に影響を与えない。
【0065】
なお、図7では、PチャネルMOSトランジスタTp4及びNチャネルMOSトランジスタTn6を備えたシフト回路12と入力回路11とからなるレベルコンバータ70を示したが、PチャネルMOSトランジスタTp4及びNチャネルMOSトランジスタTn6の何れか一方を備えたシフト回路に具体化してもよい。更に、NチャネルMOSトランジスタTn6と初期値設定回路34を、図1,3〜6に示す他のレベルコンバータ回路に付加してもよい。
【0066】
・上記各実施形態において、第1及び第2インバータ回路32,33の出力端子となるノードN1,N2の少なくとも1つにインバータ回路の入力端子を接続し、そのインバータ回路の出力端子から、入力信号Sinをレベルシフトした出力信号を出力するようにしてもよい。例えば、図8に、図4に示すレベルコンバータ回路にインバータ回路を追加した構成のレベルコンバータ80を示す。このレベルコンバータ80は、入力回路11とシフト回路82とを備え、シフト回路82のノードN2にはインバータ回路83が接続されている。インバータ回路83は、第2の高電位電源VDEとグランドとの間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタTp12とNチャネルMOSトランジスタTn12とからなり、両トランジスタTp12,Tn12のゲートがノードN2に接続されている。そして、インバータ回路83は、ノードN2のレベルを反転したレベルの信号So2を出力する。このインバータ回路83が接続されたノードN2のレベルは、2つのインバータ回路34a,34bからなる初期値設定回路によりLレベルに初期設定される。しかし、製造プロセスの製造条件によって、このレベルコンバータ80を備えた半導体装置におけるノードN2のレベルが不定となる場合がある。これは、PチャネルMOSトランジスタTp12のゲート−ソース間の容量によってノードN2が第2の高電位電源VDEと結合され、初期設定時に第2の高電位電源VDEに向かって引き上げられるためと考えられる。このため、ノードN1と第2の高電位電源VDEとの間には容量素子としてとして機能するPチャネルMOSトランジスタTp13が接続されている。トランジスタTp13のゲートはノードN1に接続され、トランジスタTp13のソース及びドレインは第2の高電位電源VDEに接続されている。トランジスタTp13は、トランジスタTp12よりも第2の高電位電源VDEの変化をより強くノードN1に与えるように、例えばトランジスタTp12よりも大きく形成されている。この構成により、ノードN1のレベルがノードN2のレベルよりも早く上昇することで、ノードN2のレベルを初期値設定回路に応じたレベル(Lレベル)に確実に初期化することができる。
【0067】
以上の様々な実施の形態をまとめると、以下のようになる。
(付記1)
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1又は第2インバータ回路の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
前記第1及び第2インバータ回路の何れか一方の出力端子と前記第2の高電位電源との間に接続され、ゲートが前記第2の高電位電源に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、
前記第1及び第2インバータ回路の何れか他方の出力端子と前記低電位電源との間に接続され、ゲートが前記低電位電源に接続されたNチャネルMOSトランジスタと、
を備えたことを特徴とするレベルコンバータ。
(付記2)
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1又は第2インバータ回路の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
前記第1インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続され、ゲートが前記低電位電源に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、ゲートが前記第2の高電位電源に接続されたNチャネルMOSトランジスタとのうちの少なくとも一方を有し、
前記第2インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続されたMOSトランジスタを有し、
前記第2インバータ回路のMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2の高電位電源が所定レベル以下の場合には該MOSトランジスタのゲート電位を前記第2の高電位電源と前記低電位電源との間の中間電位に制御し、前記第2の高電位電源が所定レベルより高い場合には該MOSトランジスタをオンするようそのゲート電位を制御する初期値設定回路を備えた、
ことを特徴とするレベルコンバータ。
(付記3)
前記初期値設定回路は、前記第2の高電位電源と前記低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる第3のインバータ回路であり、該第3のインバータ回路の出力端子が前記第2インバータ回路のMOSトランジスタのゲートに接続され、該第3のインバータ回路の入力端子は前記第2インバータ回路のMOSトランジスタの導電型に応じて前記第2の高電位電源又は前記低電位電源に接続されたことを特徴とする付記2記載のレベルコンバータ。
(付記4)
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1又は第2インバータ回路の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
を備え、
前記第1インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続され、ゲートが前記低電位電源に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、ゲートが前記第2の高電位電源に接続されたNチャネルMOSトランジスタとのうちの少なくとも一方を有し、
前記第2インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続されゲートに制御信号が印加されるMOSトランジスタを有する、
ことを特徴とするレベルコンバータ。
(付記5)
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1及び第2インバータ回路の少なくとも一方の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
前記第1インバータ回路の出力端子と前記第2の高電位電源との間に接続された第1の素子、及び前記第2インバータ回路の出力端子と前記低電位電源との間に接続された第2の素子の少なくとも一方の素子と、
を備え、
前記素子は、少なくとも前記第2の高電位電源が所定レベル以下のときに電流を流すように設定されてなる、
ことを特徴とするレベルコンバータ。
(付記6)
前記素子は、前記第2の高電位電源が所定レベルより高いときに導電型に基づいてチャネルがオフするように制御されたMOSトランジスタであることを特徴とする付記5記載のレベルコンバータ。
(付記7)
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1及び第2インバータ回路の少なくとも一方の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
前記第1及び第2インバータ回路の少なくとも一方は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続され、ゲートに制御信号が供給される初期値設定用MOSトランジスタを有する、
ことを特徴とするレベルコンバータ。
(付記8)
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1又は第2インバータ回路の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
前記第1及び第2インバータ回路の少なくとも一方は、前記PチャネルMOSトランジスタと前記第2の高電位電源との間、及び前記NチャネルMOSトランジスタと前記低電位電源との間とのうちの少なくとも一方に接続され、ゲートに制御信号が供給される初期値設定用MOSトランジスタと、
を備えたことを特徴とするレベルコンバータ。
(付記9)
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1又は第2インバータ回路の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
前記第1及び第2インバータ回路の少なくとも一方の出力端子と前記低電位電源との間に挿入接続され、ゲートに制御信号が供給される初期値設定用MOSトランジスタと、
を備えたことを特徴とするレベルコンバータ。
(付記10)
1つの前記初期値設定用MOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2の高電位電源のレベルに応じて前記ゲートの電位を制御する初期値設定回路を備えたことを特徴とする付記7〜9のうちの何れか一つに記載のレベルコンバータ。
(付記11)
前記初期値設定回路は、前記第2の高電位電源が所定レベル以下の場合には前記初期値設定用MOSトランジスタのゲート電位を前記第2の高電位電源と前記低電位電源との間の中間電位に制御し、前記第2の高電位電源が所定レベルより高い場合には前記初期値設定用MOSトランジスタのゲート電位を低電位電源レベルに制御する、ことを特徴とする付記10記載のレベルコンバータ。
(付記12)
前記初期値設定回路は、前記第2の高電位電源と前記低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる第3のインバータ回路であり、該第3のインバータ回路の出力端子が前記初期値設定用MOSトランジスタのゲートに接続され、該第3のインバータ回路の入力端子は前記初期値設定用MOSトランジスタの導電型に応じて前記第2の高電位電源又は前記低電位電源に接続されたことを特徴とする付記11記載のレベルコンバータ。
(付記13)
前記初期値設定回路は、前記第2の高電位電源と前記低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる第3のインバータ回路であり、該第3のインバータ回路の出力端子が前記初期値設定用MOSトランジスタのゲートに接続され、該第3のインバータ回路の入力端子は前記第1高電位電源に接続されたことを特徴とする付記11記載のレベルコンバータ。
(付記14)
前記第1及び第2のインバータ回路の出力端子の内の前記低電位電源のレベルに初期化される出力端子が接続され前記第2の高電位電源と低電位電源を動作電源とする出力用インバータ回路と、
前記第1及び第2のインバータ回路の出力端子の内の前記第2の高電位電源のレベルに初期化される出力端子と前記第2の高電位電源との間に接続された容量素子と、を有することを特徴とする付記1〜13のうちの何れか1つに記載のレベルコンバータ。
【符号の説明】
【0068】
10,40,50,60 レベルコンバータ
11 入力回路
12,42,52,62 シフト回路
31 ラッチ回路
32,33 インバータ回路
34 初期値設定回路
Sin 入力信号
Sout 出力信号
SX 制御信号
Tp3,Tp4 PチャネルMOSトランジスタ
Tp11 PチャネルMOSトランジスタ
Tn11 NチャネルMOSトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1及び第2インバータ回路の少なくとも一方の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
前記第1及び第2インバータ回路の少なくとも一方は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続され、ゲートに制御信号が供給される初期値設定用MOSトランジスタを有する、
ことを特徴とするレベルコンバータ。
【請求項2】
1つの前記初期値設定用MOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2の高電位電源のレベルに応じて前記ゲートの電位を制御する初期値設定回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のレベルコンバータ。
【請求項3】
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1又は第2インバータ回路の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
を備え、
前記第1インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続され、ゲートが前記低電位電源に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、ゲートが前記第2の高電位電源に接続されたNチャネルMOSトランジスタとのうちの少なくとも一方を有し、
前記第2インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続されゲートに制御信号が印加される初期値設定用MOSトランジスタを有する、
ことを特徴とするレベルコンバータ。
【請求項4】
低電位電源と第1の高電位電源とに接続され、入力信号に基づいて前記第1の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする相補な第1信号及び第2信号を生成する入力回路と、
前記第1の高電位電源と異なる電圧に設定された第2の高電位電源と低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる一対の第1及び第2インバータ回路の入力端子と出力端子を互いに接続して構成されたラッチ回路を備え、該ラッチ回路にて前記第1信号及び第2信号をラッチし、前記第1又は第2インバータ回路の出力端子から前記第2の高電位電源と前記低電位電源とを振幅範囲とする出力信号を出力するシフト回路と、
前記第1インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続され、ゲートが前記低電位電源に接続されたPチャネルMOSトランジスタと、ゲートが前記第2の高電位電源に接続されたNチャネルMOSトランジスタとのうちの少なくとも一方を有し、
前記第2インバータ回路は、前記PチャネルMOSトランジスタ又はNチャネルMOSトランジスタと出力端子との間に挿入接続された初期値設定用MOSトランジスタを有し、
前記初期値設定用MOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2の高電位電源が所定レベル以下の場合には該初期値設定用MOSトランジスタのゲート電位を前記第2の高電位電源と前記低電位電源との間の中間電位に制御し、前記第2の高電位電源が所定レベルより高い場合には該初期値設定用MOSトランジスタをオンするようそのゲート電位を制御する初期値設定回路を備えた、
ことを特徴とするレベルコンバータ。
【請求項5】
前記初期値設定回路は、前記第2の高電位電源と前記低電位電源との間に直列接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタからなる第3のインバータ回路であり、該第3のインバータ回路の出力端子が前記初期値設定用MOSトランジスタのゲートに接続され、該第3のインバータ回路の入力端子は前記初期値設定用MOSトランジスタの導電型に応じて前記第2の高電位電源又は前記低電位電源に接続されたことを特徴とする請求項4に記載のレベルコンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−151896(P2012−151896A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85270(P2012−85270)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2007−135675(P2007−135675)の分割
【原出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】