説明

レボチロキシン及び/又はリオチロニン塩を含む固体医薬製剤

本発明は、有効成分としてレボチロキシン及び/又はリオチロニンの水溶性の塩を含む固体製剤に関し、製剤の水分活性は、室温で測定して0.4未満、好ましくは0.1〜0.3の値に調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効成分としてレボチロキシン及び/又はリオチロニンの水溶性の塩を含む固体医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
最初に明らかにされた種類の甲状腺ホルモンは、様々な包装で市販されている。従来の甲状腺ホルモンの錠剤は、確実に、有効成分が1バッチの錠剤すべてに均一に分布し、時間が経過しても有効成分が同一濃度で存在するようにするために多くの分量(measures)を必要とする。いわゆる「コンテンツ均一性(content uniformity)」に関するこうした問題はまた、有効成分の安定性に関する多くの問題を伴う。即ち、例えばレボチロキシンナトリウム塩及びリオチロニンナトリウム塩が、カリウム塩として存在する場合には、水に不溶性であり、したがって、もはや有効な形態として生物にとって利用可能ではなくなることが知られている。さらに、不安定性、特に貯蔵上の不安定性は、湿度、温度、及び光線に関係があることが見出された。その結果、甲状腺ホルモンの錠剤の安定性を高めるために多くの試みがなされ、今までに、錠剤にプラスの影響を及ぼす補助剤を添加することにより前記安定性を向上させる試みが基本的になされてきた。この目的のために、米国特許第5225204号では、それぞれのナトリウム塩に加えて水溶性のポリビニルピロリドンを使用し、得られた混合物をセルロースの担体に吸収させて錠剤、粉末剤、又はカプセル剤を形成することが提唱された。
【0003】
米国特許第5635209号では、レボチロキシンNaというナトリウム塩に加えて、ヨウ化ナトリウム、並びに湿潤剤及び滑沢剤も用いられている。
【0004】
米国特許第5958979号では、安定化成分としてチオ硫酸ナトリウムが提唱されている。
【0005】
米国特許第6399101号からは、シリコン処理をした微晶質セルロースを使用すると有利であることが解釈できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの知られた試みはすべて、多少の安定性の向上をもたらすが、それでも必要とされる貯蔵期間にわたり十分な安定性が保持されず、特に、均一性の保証は容易に実現可能ではなく、甲状腺ホルモンの投与量が比較的低いことを考えると均一性を維持するのは困難である。
【0007】
通常、レボチロキシンナトリウムは、室温で安定な五水和物の形態で存在する。こういった五水和物の水分活性を測定すると、室温で約0.4〜0.6である。ここで、水分活性とは平衡含水率(equilibrium moisture content)であると理解すべきであり、50%の相対的水分は定められた温度での0.5の水分活性に相当する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、補助剤の添加とはほぼ無関係に、特に、安定性を向上させると思われる特定の補助剤を添加せずに、確実に、前記医薬製剤の安定性を向上させ、前記製剤を迅速且つ簡単に生産できるようにし、有効成分の分布の均一性を向上させ、また、有効成分が迅速に溶出するようにすること(最適のバイオアベイラビリティ)を目的とする。この目的を解決するために、本質的に、本発明による固体医薬製剤は、前記医薬製剤の水分活性が室温で測定して0.4未満、好ましくは0.1〜0.3の値に調整されることにある。実際、五水和物の形態で通常存在する有効成分から少なくとも1モルの水を抜き出した場合、驚くべきことに安定性は大幅に向上することが分かっており、この場合、任意選択で使用する補助剤を選択する際には、水分が再び取り込まれるのを防ぐために吸湿性の補助剤の使用は避けるよう注意するだけでよい。この驚くべき効果は、通常存在する五水和物では、1モルの水は、残りの4モルの水とは対照的に、古典的な水和物としてではなくクラスターの形態で存在するためであると推測される。つまり、まさに4モルを超える水は容易に漏れ出して気体になることができるが、同じくらい容易にレボチロキシン結晶のクラスターの形態に再挿入されるということである。したがって、クラスターの形態で存在するこの1モルの水は、比較的容易に動くことができ、結晶には緩く結合しているにすぎず、そのことがまた室温で水分活性の相応の上昇として反映される。5番目の比較的容易に動くことのできる1モルの水が存在するにもかかわらず、有効成分はそれ自体十分に安定であるが、この結晶内で結合していない揮発性で容易に動くことのできる水が、錠剤の製造に必要な通常の補助剤と共に、1モルのクラスター水に、遊離のクラスター水とあいまって、補助剤の部分及び前記の溶解した補助剤の部分との相互作用を引き起こさせ、特にそれらの溶解を引き起こさせて、レボチロキシンナトリウムの安定性にもはや許容できない程度の影響を及ぼすようにする。リオチロニンナトリウムも同様に4%までの水を含み、レボチロキシンナトリウムと同様の安定性挙動を示す。驚くべきことに、室温で水分活性を0.4未満、特に0.1〜0.3の値にまで低下させることにより、この比較的容易に動くことのできる水を除去すれば、特別な安定化補助剤がなくても適切な長期貯蔵安定性が保証されることが、今回実証された。制御なしに乾燥し、水分活性を0.1未満に低下させると、レボチロキシンナトリウムは無定形状態となるため、再びますます不安定になる。これが今度は溶解性挙動を、溶出を劣化させる方向に変化させることになる。上に示した最適の水分活性は、調整された水分活性で相応に乾燥した開始物質を使用して錠剤製造における相応の乾燥処理を行い、有効成分も相応の乾燥形態(水分活性)で混合し、その後直接錠剤化することにより、又は錠剤混合物を必要とされる水分活性まで乾燥することにより、又は既製の錠剤を選択的に後乾燥することにより達成される。このように水分活性の低い錠剤の製造は実際には容易に実行可能ではなく、多大な注意を払ってできるだけ表面積の大きな担体に有効成分を均一に適用しなければならない。錠剤湿潤剤を適当な量で添加することにより、0.1程度の低い水分活性に微調整できるようになる。水分活性を、例えば0.1〜0.3とすることができる錠剤を、その後緊密に包装する場合、十分な安定性及び貯蔵可能性が保証される。例えばマンニトールなどのように、室温で水分活性が低いことで知られる十分に又はまったく非吸湿性の補助剤をこのような錠剤の製造に使用し、錠剤をその後通常のブリスター包装で包装すると、相応に緊密な包装を提供するという選択に加えて、最適な水分活性が達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
したがって、有効成分が迅速に溶出することの問題点、即ち既知の組成物では必ずしも保証されていない迅速且つ完全なバイオアベイラビリティは、有効成分を水溶性の担体に均一に適用するといったごく簡単な方法で解決される。したがって、水溶性の担体に細かく分散させて適用した水溶性の低い有効成分は、水溶性の担体と共に迅速に溶出するので、このような水溶性の担体は湿潤剤の使用を必要とすることなく、錠剤投与後に、迅速且つ確実に有効成分の溶出を引き起こす。有利には、水溶性担体としてマンニトールが用いられる。
【0010】
水に不溶の塩を形成することにより活性が低下するという問題に対処するためには、使用する担体材料、補助剤、又は溶媒中のそれぞれのカルシウム含量を考慮に入れると有利である。この点に関して、特に水溶性の担体中に生じる不可避のCa++イオンがいかなる妨害作用も生じないよう防止するために、担体のCa++含量に実質的に対応する量のEDTA−Na、及び任意にクエン酸をさらに加えた混合物で担体を処理するように構成を考案するのが有利である。所定の水分活性に到達するまで水分が除去されるよう注意しながら、水溶液から処理を行う。概して、製剤が錠剤の形態で存在し、非吸湿性の補助剤と共に調合され、且つ/又はわずかに水蒸気透過性若しくは防湿の包装内にあるので、所望の均一性、所望の溶解性、特に透明な溶液を形成する溶解性、迅速な生産能力、及び無水操作による安定性の向上が保証される。
【0011】
本発明による、最初に定義した種類の医薬製剤を簡単且つ迅速に製造するための方法は、マンニトールの担体に有効成分のメタノール又はアルコール溶液を添加し又は噴霧し、その後水分ファクターが0.4未満、特に0.3未満に達するまでアルコール溶液を蒸発させ、続いて、場合により滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを添加して錠剤化を行うことを本質的に特徴とする。ナトリウム塩のアルコール溶媒、特にメタノール又はエタノール溶媒を用いることにより、確実に有効成分が担体に相応に均一に分布するようになる。したがって、錠剤内での有効成分の均一な分布に関する問題(「含量均一性」)を避けることができる。溶媒を蒸発させた後は、確実に水溶性の塩が担体上に結果的に均一に分布するようになり、必要とされる水分ファクターが守られていることを確認することにより安定な製品が直ちに得られる。残りの水分を蒸発させ、それと共に、溶媒、即ちレボチロキシンナトリウム又はリオチロニンナトリウムの水溶性塩ではメタノール及び/又はエタノールを蒸発させるための乾燥処置をとると、所望の水分ファクターを迅速に観察でき、その際、特に前記のメタノール又はエタノールの溶液では、蒸発中過剰の水分を除去するための一種のドラッグ効果が観察でき、したがって迅速な乾燥が起こる。
【0012】
吸湿性の錠剤湿潤剤などのさらなる補助剤を錠剤化手順で使用しない場合、直接錠剤化が可能なマンニトール、特にパーリトール(Pearlitol)を担体として使用する方法で錠剤化手順を行うことができる。場合により必要とされる錠剤化補助剤を選択する際には、再湿潤化を避けるために、吸湿性の物質の使用はやめるべきである。この目的で、錠剤化補助剤、特に滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムのような疎水性補助剤を使用する方法で行うのが有利である。
【0013】
上記ですでに述べたように、担体材料に場合により含まれるCa++イオンが、水に不溶性のホルモンの塩の形成をもたらさないようにするために、担体に有効成分の溶液をコーティング又は噴霧する前に、担体の2価イオンと錯体を作るのに十分な量で、EDTA−Na、及び場合によりクエン酸担体も補充する方法で行うことができる。高温で中間乾燥した後に、有効成分のアルコール溶液を適用する。この直後に、溶媒由来又は製造装置由来のさらに存在するイオンと結合させるために、上記に述べたように、さらなる量の錯化水溶液を添加する。Ca++イオンと錯体を作るために用いられるEDTA−Naのそれぞれの量は、いずれにしても過剰に用いられるべきではない。というのはEDTA−Na/クエン酸自体はレボチロキシンナトリウム又はリオチロニンナトリウム塩の安定性を容易に向上させないからである。
【0014】
或いは、マンニトールからなる担体を、場合により、デンプン、グアー、又は他の顆粒化剤と混合し、有効成分のメタノール又はアルコール溶液を添加し、この直後に、場合によりEDTA−Na及び/又はクエン酸を含む水溶液で湿式造粒することができる。場合により続けて添加する湿潤剤により、所望の水分活性に達するまで水分を乾燥させる。錠剤化用滑沢剤を混合すると、水分活性の低い錠剤が製造される。その後の、好ましい包装は防湿である。このようにして製造された錠剤を25℃で貯蔵すると、特に安定である。
【0015】
以下に、例示的実施形態及び比較のアッセイにより、本発明をより詳しく説明する。
【実施例1】
【0016】
有効成分の水溶性の塩を、無水の有機溶媒、例えばメタノール及びエタノールに溶解した。微量の、マンニトールの形態の吸湿性担体物質(パーリトール400 DC)に、有効成分溶液を注ぐ又は噴霧して湿らせた。この後、乾燥処置の間、水分ファクターを0.3に調節して、流動化床乾燥又は真空排気により溶媒を除去した。錠剤化には湿潤剤はまったく使用しなかった。錠剤化滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムを使用した。この例示的実施形態では、以下の組成を選択した:
パーリトール400 DC 2749g
メタノール 60g
レボチロキシンナトリウム 1.632g
ステアリン酸マグネシウム 32g
【0017】
このようにして得られた混合物は、問題なく直接錠剤化が可能であり、外観、硬度、破砕性、及び他の薬剤上のパラメータの点で完全な錠剤が得られた。錠剤は1分以内に崩壊し、同時に透明な溶液を形成したが、水面上にステアリン酸マグネシウムが浮遊していた。微量の不溶性のステアリン酸マグネシウムが溶解溶液に存在する以外は他の不溶性補助剤は存在しないため、有効成分の最適のバイオアベイラビリティが提供されることが予想される。
【0018】
これらの錠剤の水分ファクターは、25℃の室温で0.2であった。予め同様に乾燥して水分ファクターを0.2にした従来処方(例えば、錠剤湿潤剤、及び他の薬剤上の補助剤を含む)の錠剤に対し、25℃、相対湿度60%、貯蔵時間24時間で貯蔵する間の試験で吸水率を試験した。本発明による構成では、吸水率は0.11%にすぎず、水分ファクターは0.3が観察されたが、従来処方では吸水率は0.75%(約7倍高い)及び水分ファクターは0.5に達した。
【実施例2】
【0019】
実施例1ですでに実施されたレボチロキシンナトリウムのメタノール溶液を適用する前に、実施例2では同量、即ち2749gのパーリトールを予め60gのメタノールで湿らし、続けて水40g、無水クエン酸0.12g、及びEDTA−二ナトリウム4.0gで前処理した。この方法で得られた混合物を乾燥して水分ファクターを0.2〜0.25にし、続けて錠剤化したところ、約1分のうちに良好な錠剤化可能性及び錠剤崩壊性が観察された。実施例1の記述は、この場合にも当てはまった。有効成分は実施例1と同様に担体上に均一に適用され、成分不均一のおそれはない(「含量均一性」)。錯化溶液の適用によって2価イオンをさらに保護することにより、有効成分のいかなる不活性化も防がれる。
【実施例3】
【0020】
実施例3では、2つの乾燥処理を行う。ここではパーリトールを前述のEDTA溶液及びメタノールで処理後、第1の乾燥処理を行い、その後、前述のメタノール溶液として有効成分の適用を、別の一部量のEDTA二ナトリウム溶液と同時に実施し、その後新たな乾燥処理を行った。
【実施例4】
【0021】
この実施例では、従来の水性顆粒化方法により、通常の錠剤化補助剤、例えば、担体(マンニトール)、顆粒化剤(グアー)、錠剤湿潤剤(カルボキシメチルデンプンナトリウム)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム及びタルク)、並びに通常の錯化物質(EDTA−Na、クエン酸)を使用した製造でも、指示に従って水分活性を調整し(0.3)、その後緊密な包装を提供するならば、有効成分が非常に安定な錠剤が得られることが実証される。
【0022】
この例示的実施形態では、以下の組成を選択した。
マンニトール 11.78944kg
グアー 0.44kg
メタノール 0.3kg
レボチロキシンナトリウム 0.00816g
水 2.5kg
EDTA−Na 0.08kg
クエン酸 0.0024kg
カルボキシメチルデンプンナトリウム 1.2kg
タルク 0.32kg
ステアリン酸マグネシウム 0.16kg
【0023】
グアーと混合した担体に、有効成分溶液を添加し、続けてEDTA−Naとクエン酸を含む水溶液を補充して湿式造粒し、その後水分活性が0.3未満になるまで乾燥した。水分活性0.45で製造し、25℃、相対湿度60%で12カ月PVCブリスター中に貯蔵した錠剤では、有効成分含量は公表値(当初100%)の88.6%にすぎず、したがって、もはや市場向きではなかった。同錠剤を、水分活性が0.3になるまで乾燥し、PVC中にブリスター包装し防水防湿袋に包装したものを、同条件下で貯蔵した場合、12カ月後に通常の分析上の変動を考慮に入れると、当初の含量の99.6%を示す。したがって、この錠剤は非常に安定である。
【0024】
実施例1から3に該当する製剤で、以下のような安定性の向上が得られ、有効成分の様々な濃度に対する前記安定性の向上が確定された。
【0025】
レボチロキシンナトリウム100μg、相対湿度40〜50%(水分ファクター0.4〜0.5)。レボチロキシンナトリウムの部分は、3カ月後に87重量%まで低下し、そこで、結果を加速するために40℃及び相対湿度75%の保存条件を選択した。対照的に、レボチロキシンナトリウムを100μg含む製剤では、水分ファクター0.3で3カ月後もなお92.9%の活性を示した。レボチロキシンナトリウム160μgを含む製剤に対し水分ファクター0.4〜0.5で同様の保存条件で測定を行ったところ、3カ月後の残存活性は90.7重量%を示したが、活性は、水分ファクター0.3で最初の95.2重量%と測定された。レボチロキシンナトリウム及びリオチロニンナトリウムを含む組合せ製剤では、同等の向上が観察され、それによりリオチロニンナトリウムを25μgしか含まない製剤は、水分ファクター0.4〜0.5のとき、含量は1カ月後にすでに87.2%まで低下したが、水分ファクター0.25で同様の分析を行ったところ、1カ月後に、使用した量の97.7重量%の活性が依然としてあることが示された。
【0026】
総合すると、乾燥条件下で直接錠剤化を行うことは、長期安定性を示す相応の均一な組成物の製造に、特に迅速で特に簡単な製造方法となることが判明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分としてレボチロキシン及び/又はリオチロニンの水溶性の塩を含む固体製剤であって、前記製剤の水分活性が、室温で測定して0.4未満の値に調整されることを特徴とする固体製剤。
【請求項2】
前記製剤の水分活性が、室温で測定して0.1〜0.3の範囲の値に調整されることを特徴とする、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
メタノール/エタノール溶液からの有効成分を、場合によりデンプン、グアー、又は顆粒化剤と混合されている担体に均一に適用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
有効成分を水溶性の担体に適用することを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載の製剤。
【請求項5】
水溶性の担体としてマンニトールを用いることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項6】
担体を、担体のCa++含量に実質的に対応する量のEDTA−Na、及び場合によりクエン酸で処理することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項7】
製剤が、錠剤の形態で存在し、非吸湿性の補助剤と共に調合され、且つ/又はわずかに水蒸気透過性若しくは防湿の包装内にあることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項8】
マンニトールの担体に有効成分のアルコール溶液をコーティング又は噴霧し、その後水分ファクターが0.4未満、特に0.3未満に達するまでアルコール溶媒を蒸発させ、続いて錠剤化を実施することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の製剤の製造方法。
【請求項9】
前記溶媒を蒸発させる前に、水、或いはEDTA−Na及び/又はクエン酸を含む水溶液を塗布することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
担体として、直接錠剤化が可能なマンニトール、特にパーリトール(Pearlitol)を用いることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
錠剤化補助剤として、特に滑沢剤として、疎水性の補助剤、例えばステアリン酸マグネシウムを用いることを特徴とする、請求項8、9、又は10に記載の方法。
【請求項12】
担体に、有効成分の溶液をコーティング又は噴霧する前に、担体及び溶媒などの他の供給源の二価イオンと錯体を形成するのに十分な量でEDTA−Na及び場合によりクエン酸を補充することを特徴とする、請求項8から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
EDTA−Na及び場合によりクエン酸を補充する前に、担体をメタノールで湿らせることを特徴とする、請求項8から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
組成物が吸湿性の補助剤なしで維持されることを特徴とする、請求項8から13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
組成物が吸湿性の補助剤を含むが、防湿包装に包装されることを特徴とする、請求項8から13までのいずれか一項に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分としてレボチロキシン及び/又はリオチロニンの水溶性の塩を含む固体医薬製剤であって、前記医薬製剤の水分活性(water activity)が、室温で測定して0.4未満且つ0.1超の値に調整されることを特徴とする、固体製剤。
【請求項2】
前記医薬製剤の水分活性が、室温で測定して0.1〜0.3の範囲の値に調整されることを特徴とする、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
メタノール/エタノール溶液からの有効成分を、任意にデンプン、グアール、又は顆粒化剤と混合されている担体に均一に適用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
有効成分を水溶性の担体に適用することを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載の製剤。
【請求項5】
水溶性の担体としてマンニトールを用いることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項6】
担体を、担体のCa++含量に実質的に対応する量のEDTA−Na、及び場合によりクエン酸で処理することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項7】
前記製剤が、錠剤の形態で存在し、非吸湿性の補助剤と共に調合され、且つ/又はわずかに水蒸気透過性若しくは防湿の包装内にあることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の製剤。
【請求項8】
マンニトールの担体に有効成分のアルコール溶液をコーティング又は噴霧し、その後水分ファクターが0.4未満、特に0.3未満、且つ0.1超に達するまでアルコール溶媒を蒸発させ、続いて錠剤化を実施することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の製剤の製造方法。
【請求項9】
前記溶媒を蒸発させる前に、水、或いはEDTA−Na及び/又はクエン酸を含む水溶液塗布することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
担体として、直接錠剤化が可能なマンニトール、特にパーリトール(Pearlitol)を用いることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
錠剤化補助剤として、特に滑沢剤として、疎水性の補助剤、例えばステアリン酸マグネシウムを用いることを特徴とする、請求項8、9、又は10に記載の方法。
【請求項12】
担体に、有効成分の溶液をコーティング又は噴霧する前に、担体及び溶媒などの他の供給源の二価イオンと錯体を形成するのに十分な量で、EDTA−Na及び場合によりクエン酸を補充することを特徴とする、請求項8から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
EDTA−Na及び場合によりクエン酸を補充する前に、担体をメタノールで湿らせることを特徴とする、請求項8から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
組成物が吸湿性の補助剤なしで維持されることを特徴とする、請求項8から13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
組成物が吸湿性の補助剤を含むが、防湿包装に包装されることを特徴とする、請求項8から13までのいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2006−525234(P2006−525234A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503952(P2006−503952)
【出願日】平成16年5月3日(2004.5.3)
【国際出願番号】PCT/AT2004/000150
【国際公開番号】WO2004/096177
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(505407612)グロボファーム ファーマツォイティシェ プロドゥクティオンズ − ウント ハンデルスゲゼルシャフト エム.ベー.ハー. (1)
【Fターム(参考)】