説明

レーザー刻設包装の方法および装置

【課題】包装体は、縦型の形成、充填およびシール工程中における破れを避けるために増大した伸張強度を有し、包装体の外方縁および垂直シール部が、包装体を開封するための、容易に開始される引裂きの伝播による切り裂き領域を提供するアブレーション部を含むという高い可能性を提供する。
【解決手段】縦型の形成、充填およびシール工程によって形成される包装体は、縦型スリーブを形成するためにシールされ縁部分を備えるウエブ材料を含む。包装体は、また、シールされた包装体を形成するために縦型スリーブのいずれかの端に第一シール端部および第二シール端部を含む。包装体は、約0.25mmないし約0.75mmの長さの非アブレーション部によって隔てられた約1mmないし約3mmの長さのアブレーション部を備えた、ウエブ材料を横切って延びるレーザー刻設されたアブレーションパターンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、包装、より詳しくは、開封容易な食品包装に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野において、種々の包装方法およびタイプが知られている。商業上の包装体のための考察は、包装体の内容物の保護および包装体の内容物の消費者または使用者による包装体の使い易さを含む。例えば、包装された食品の場合、品目は、一般的に、保存期間を適切化するために包装体に密封される。消費者が生産品を購入する場合、消費者は、その中に保存された品目にアクセスするために包装体を開封しなければならない。しかしながら、密封された包装体を通して品目にアクセスすることは、しばしば、包装体を開封するのに過度の努力を必要とする。
【0003】
スティックパック包装体のような、ある包装体において、包装体の端部を容易に、かつ完全に除去することは、また、内容物が全て流出されることを可能とするために有利である。例えば、フレーバードリンク生産品のように、包装体の内容物が混合のために溶液に流入されることを意図される場合、包装体は、外部の湿気から内容物を保護するために密封されるが、消費者によって容易に開封されねばならない。そのような包装体は、典型的には、ウエブ材料が折り重ねられてシールされる、縦型の形成、充填およびシール工程によって製造される。このシールされた材料は、第一端で切断およびシールされ、それから包装体内容物を充填される。第二端は、また、それから切断およびシールされ、その中に、包装体内容物を密封する。包装体を開封するために、使用者は、シールを引き離すか、さもなければ、包装体を切断する、または引き裂く必要がある。
【0004】
種々の態様が、包装体の開封において消費者を支援するために、そのような包装体に付加される。一つの手法によれば、包装体の側面がカットされ、消費者に、包装体の破断の開始点を提供する。この手法は、しかしながら、包装体が、切断部分の周りでシールされることを要求し、それは、付加的な製造資源と努力を必要とする。他の公知の手法によれば、包装体の側縁は、包装体の側部を弱める物理的な微小磨耗工程によって傷つけられ、包装体は、使用者が包装体を開封するために引裂き力を適用するとき、縁部でより容易に裂ける。この手法および上述の切断手法においては、しかしながら、包装体は、包装材料に自然に存在する弱い領域に沿って単に裂け、裂け目は、包装体に沿って真っ直ぐに伝播しない。さらに、裂け目は、典型的に、使用者により適用される過度の付加的な力がないと、包装体の全長にわたるシール部で停止する。
【0005】
包装体の開封を支援するもう一つの公知方法は、一定の線に沿って包装材料を弱めることを含み、引き裂きは、包装体の開封時にその線に沿って伝播する可能性が高い。一つのそのような方法は、レーザーで包装材料をアブレートすることを含む。レーザーは、包装材料を完全に切断することなく材料を横切る線に沿って包装材料に傷を与える。このことは、使用者が包装体を引き裂くとき、包装体が、レーザーにより傷つけられた部分に沿って裂ける可能性をより高くする。包装体がレーザーにより包装体を横切って幅広く刻設されるときは、しかしながら、包装体は、しばしば、弱められ、製造工程中または包装体が開封されようとする前の使用者による通常の取り扱い中に、無傷でいられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
土または類似の相当重い材料の袋のような、荷重運搬用包装体に、付加的な強度を提供するため、包装材料にパターンをレーザー刻設することが知られている。従来の開示は、そのような適用のための破断線に沿った、レーザー刻設材料の、非刻設材料に対する長さの比が、およそ1対2であることを教示しており、換言すると、レーザーは、各々の刻設部の間の、中間にある非刻設材料の長さのおよそ半分の線を刻設する。刻設部に対する非刻設部の増大した量を有することは、そのような荷重運搬袋の増大した材料強度を与えるが、小さな食品包装体にとっては、そのようなレーザー刻設の比は、典型的に、包装体を横切る、きれいな、連続して真っ直ぐな破断線を十分に伴っておらず、または、包装体およびシール縁に存在するレーザー刻設が、引き裂きの開始および包装体シールを横切る引裂きの伝播の増大した容易性を提供することを確実にしない。
【0007】
上述の要求は、以下の詳細な説明中で説明される、レーザー刻設包装の方法および装置の提供によって、特に、図面と併せて検討されると、少なくとも部分的には満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般的に言って、これら種々の具体例に従って、縦型の形成、充填およびシール工程によって形成される包装体は、縦型スリーブを形成するためにシールされる縁部を備えるウエブ材料を含む。ウエブ材料は、また、シールされた包装体を形成するために縦型スリーブのいずれかの端部に、第一シール端部および第二シール端部を含む。包装体は、約0.25mmから約0.75mmの長さの非アブレーション部によって隔てられた、約1mmから約3mmの長さを有するアブレーション部を備える、ウエブ材料を横切って延びる、レーザースクライブされたアブレーションパターンを含む。
【0009】
そのように形成されると、包装体は、使用者が包装体のアブレーションパターンにそって開封するシールされた容器を提供する。包装体は、飲料用粉末、デザート用粉末、おやつ用ナッツ、調味料、およびトッピングのような、他の容器に、または消費者の口に直接注がれる食品を含む。レーザーアブレーションパターンは、約1mmから約3mmの破線状の刻設長さと、刻設間の約0.25mmから約0.75mmのスペースを有し、従来の縦型の形成、充填およびシール工程中における破れを避けるために増大した伸張強度を備えたウエブ材料を提供するが、また、包装体の外方縁が、使用者に包装体を開封するための開始が容易な引裂き領域を提供するためのアブレーション部を含むという高い可能性を提供する。同様に、このパターンは、垂直シールの縁部がアブレーション部を有し、包装体の破断がシールを横切ってより容易に伝播する高い可能性を提供する。また、アブレーション部間の狭いスペースは、破断がアブレーションパターンに沿う線で、包装体を横切って幅広く伝播する可能性を増大させ、その結果、包装体の端部は、相当容易に、かつ完全に除去され、包装体の内容物への制限されないアクセスを可能にする。
【0010】
換言すると、アブレーションパターンとしてのより長い破線または連続線は、過度にウエブ材料を弱め、より短い破線は、ウエブ材料を開封するのをより困難にする。アブレーション部間のより長いスペースは、引裂きが破断線から外れて移動するのを許す可能性があり、アブレーション部間のより短いスペースは、実線の刻設に似るため伸張強度を減少する。そのようなものとして、この開示の教示に従った破線パターンは、そのような包装体のための好ましい特徴の組み合わせを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の種々の具体例に従って構成される包装体を作成するのに用いるウエブ材料の平面図である。
【図2】本発明の種々の具体例に従って構成される包装体の底面図である。
【図3】本発明の種々の具体例に従って構成される包装体の一部の平面図である。
【図4】使用者によって包装体の縁に引裂き力が適用されたときの図3の包装体の一部の平面図である。
【図5】完全に除去されて内容物が全て空にされる端部を備えた本発明の種々の具体例に従って構成される包装体の側面図である。
【図6】本発明の種々の具体例に従って構成される三層のウエブ材料の斜視図である。
【図7】本発明の種々の具体例に従って構成されるアブレーションパターンに沿う断面に沿った三層のウエブ材料の正面図である。
【図8】本発明の種々の具体例に従って構成される二層のウエブ材料の斜視図である。
【図9】本発明の種々の具体例に従って構成されるアブレーションパターンに沿う断面に沿った二層のウエブ材料の正面図である。
【図10】本発明の種々の具体例に従って構成されるフィンタイプシールを有する包装体に形成されるウエブ材料の斜視図である。
【図11】本発明の種々の具体例に従って構成されるフィンタイプシールを有する包装体の斜視図である。
【図12】本発明の種々の具体例に従って構成されるオーバーラップシールを有する包装体に形成されるウエブ材料の斜視図である。
【図13】本発明の種々の具体例に従って構成されるオーバーラップシールを有する包装体の斜視図である。
【図14】本発明の種々の具体例に従って構成される二枚のウエブ材料を有する包装体の斜視図である。
【図15】図14の包装体のZ−Z線に沿った断面図である。
【図16】縦型の形成、充填およびシール装置の要素の斜視図である。
【図17】引裂き力についての試験結果を示す図である。
【図18】伸張強度についての試験結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
当業者は、図における要素が、単純化および明瞭化のために描かれ、必ずしも寸法に描かれていないことを理解する。例えば、図におけるいくつかの要素の寸法および/または相対的な位置は、本発明の種々の具体例の理解の改善を手助けするために、他の要素に対して誇張されている。また、商業的に実行可能な具体例に役立つかまたは必要である、一般のしかし良く理解されている要素は、本発明のこれら種々の具体例の妨げられない参照を確実にするために、しばしば、描かれない。さらに、当業者は順序に関する特異性が実際に要求されないことを理解するけれども、ある動作および/または工程は、発生の特定の順序で記載されまたは描かれることが理解される。また、ここにおいて使用される用語および表現は、異なる特別の意味がさもなければここにおいて説明される場合を除き、上述の技術分野の当業者による用語および表現と一致する。
【0013】
これらのおよび他の利点は、以下の詳細な説明の完全な検討および研究を行なうことによってより明らかとなる。続いて、図面を参照すると、特に、図1および図2において、多くのこれらの教示と両立する例示の包装体が次に説明される。縦型の形成、充填およびシール工程によって形成される包装体10は、シール部18において共にシールされる第一縁部14および第一縁部14に対向する第二縁部16を有するウエブ材料12を含む。包装体10は、シール部16の第一端22に第一シール端20を、シール部16の第二端に第二シール端24を含む。上述のどのシールも、例えば、積層シールを形成するための熱および圧力の適用を含む、従来方法によって作成される。これらのシールによって、包装体10の内容物は、内容物の品質に影響を与える水分および/または酸素のような外部要素から保護される。
【0014】
第一シール端部20および第二シール端部24は、第一包装体側縁部28および第二包装体側縁部30を画定しており、第一包装体側縁部28および第二包装体側縁部30は、シール端部20および24の縁によって、それらの間に形成された、折り重ねられたウエブ材料である。折られたウエブ材料は、折れ線15および17に沿って折れ、使用者にとっての側縁をよく画定し、包装体10の前面から背面に移行する丸みのある部分である。
【0015】
引き続いて、図1、図2および図3を参照すると、包装体10は、また、第一縁部14および第二縁部16の間のウエブ材料を横切って延びるアブレーションパターン32を含む。アブレーションパターン32は、約0.25ないし約0.75mmの長さの非アブレーション部36(例えば、図6に線37で示される)によって隔てられた、一連の、約1ないし約3mmの長さのアブレーション部(例えば、図6に線35で示される)を含み、アブレーションパターン32は、包装体10を横切る破断線39を画定する。
【0016】
そのようなアブレーションパターンでもって、使用者によって、図3および図4に示された第一包装体側縁部28または第二包装体側縁部30に分離する力が加えられたときに、包装体10は、実質的に、破断線39から逸脱することなくシール18を横切り破断線39に沿う線に沿って裂ける。ここに教示されるアブレーション部の長さおよび非アブレーション部の長さの範囲は、また、第一包装体側縁部28、第二包装体側縁部30およびシール部18の縁部29がアブレーション部を有するという可能性を増大させ、それにより、包装体10が、使用者によって加えられる破断力の実質的な増加なしに、破断を開始し、シール18を通って破断を続行する容易性を改良する。そのように構成されているので、使用者は、図5に示されるように、全ての包装体の端部をより容易に除去して包装体の内容物を排出する。さらに、ウエブ材料12は、非アブレーション部36によって十分な伸張強度を維持し、実質的に破れることなく、縦型の形成、充填およびシール工程に耐える。
【0017】
図6ないし図9を参照して、ウエブ材料12およびアブレーションパターン32がさらに説明される。ウエブ材料12は、典型的には少なくとも2層を含むが、1またはそれ以上の材料層を含む。複数層のウエブ材料12は、PET(ポリエチレンテレフタレート)およびOPP(延伸ポリプロピレンフィルム)を含む群のうちの少なくとも一つから成っている、少なくとも外層40を含む。外層40は、ブランドおよび生産物情報を含む。第二層42は、PET、OPPおよび箔を含む群のうちの少なくとも一つを含み、典型的には、二層構造のためのシーリング材を含む。任意の第三層44は、シーリング材層として機能し、典型的には、主として、PE(ポリエチレン)または包装体の内容物11との接触に適切な他の材料を含み、遮蔽層として作用する第二層とともに、当該技術分野において一般的に知られているような適切なシール特性を提供する。一またはそれ以上の層のいずれも、また、金属化され、包装体の内容物11の保護を増大する。
【0018】
アブレーション部34は、縦型の形成、充填およびシール工程中にスクライブされるけれども、典型的には、アブレーション部34は、ウエブ材料12の製造中に、縦型の形成、充填およびシール加工工程に先立って、炭酸ガスレーザーによってスクライブされる。アブレーション部34を形成するために他のタイプのレーザーが使用される。
【0019】
レーザースクライビングのための典型的な手法において、図7及び図9に示されるように、アブレーション部分34は、包装体10の外層40の厚みより小さい深さを有する。この深さは、包装体シールの完全性およびウエブ材料12の強度を維持する。アブレーションパターン32は、一般的に、均一パターンとしてここに示されるけれども、ここに教示された、アブレーションおよび非アブレーション部分のための長さ範囲内で、非均一パターン50を有する。
【0020】
他の手法によって、第二のアブレーションパターン48が、第一のアブレーションパターン32に対向して、および、実質的に整列して、ウエブ材料側面46に配置される。加えて、レーザー刻設配置に対する種々の手法が可能であり、例えば、包装体10の外部の一本のアブレーションパターン、包装体10の内部の単一のアブレーションパターン、包装体10の外側および内側部の実質的に互いに整列するそれぞれ一本のアブレーションパターン、包装体の内側および/または外側部の二本のアブレーションパターンおよびその他を含む。
【0021】
図10ないし図13を参照すると、ウエブ材料12の第二縁部16への第一縁部14のシール18は、当該技術分野で知られている任意のタイプを含むが、典型的には、フィンタイプシール52およびオーバーラップシール62を含む。そのようなシールは当該技術分野において知られているが、主として明確化のために説明される。図10および図11を参照して、フィンタイプシール52は、第一縁部14および第二縁部16の内部46同士が接触するようにウエブ材料12を折ることによって形成される。これらの縁部は、一緒にシールされ、包装体10に向って折られ、その結果、「フィン」を形成する。アブレーションパターン32がウエブ材料12の全体を横切って延びるときに、アブレーションパターン32は、フィンタイプシール52を横切って弱め線を形成し、それによって、シールをより容易に裂かれるようにする。アブレーションパターン32が、この開示の教示に従って形成されるとき、アブレーション部分34は、より好ましくは、フィンタイプシール52の縁部29に位置され、破断の伝播がシール52を横切って継続することを手助けする。
【0022】
図12および図13を参照して、オーバーラップシール62は、第一縁部14および第二縁部16のいずれか一方が他方に重なるようにウエブ材料12を折りたたむことによって形成される。例えば、図12は、第一縁部14が第二縁部16と重なっていることを示す。これらの縁部はそれから一緒にシールされ、フィンタイプシール52のように折られる部分の必要性をなくす。アブレーションパターン32がウエブ材料12の全体を横切って延びるときに、アブレーションパターン32は、オーバーラップシール62を横切って弱め線を形成し、それによって、シールをより容易に裂かれるようにする。アブレーションパターン32が、この開示の教示に従って形成されるとき、アブレーション部分34は、より好ましくは、フィンタイプシール62の縁部29に位置され、破断の伝播がシール62を横切って継続することを手助けする。
【0023】
異なった手法によって、および、図14および図15を参照して、包装体100は、内部スペース105を画定するために一緒にシールされる二つのウエブ材料102および104を含む。一つの方法によって、第一ウエブ材料102は、第二ウエブ材料104に、第一側縁シール128に沿う第一側縁114および第二側縁シール130に沿う第二側縁116でシールされる。包装体100は、また、第一側縁シール128および第二側縁シール130の間で包装体100をシールする第一シール端部120および第二シール端部124を含む。上述のアブレーションパターン32は、第一側縁114および第二側縁116の間で少なくとも第一ウエブ材料102を横切って延びており、アブレーションパターン32は、包装体100を横切って破断線39を画定する。第一側縁シール114および第二側縁シール116がアブレーション部分34を有することの高い可能性を有するように形成されるので、使用者によって、第一側縁114または第二側縁116に、分離する力が加えられたときに、包装体100は、実質的に、破断線39に沿う線に沿って、および、第一側縁シール128および第二側縁シール130を横切って破断する。ウエブ材料102および104は、また、十分な伸張強度を維持し、実質的に破れることなく、縦型の形成、充填およびシール工程に耐える。
【0024】
第一側縁114および第二側縁116間で、第一ウエブ材料102のアブレーションパターン32と実質的に整列する、第二ウエブ材料104を横切って延びる第二アブレーションパターン132を有することが可能である。他のアブレーションパターンの形成が可能であり、本開示の範囲内に考慮される。
【0025】
図16を参照して、本開示の教示に従う包装体10の製造方法が説明される。方法は、ウエブ材料12の第一縁部14および第二縁部16の間で、ウエブ材料12を横切るアブレーションパターン32を刻設するレーザーを含み、および、(参照番号210で概略的に示されるように)縦型の形成、充填およびシール工程用装置200にウエブ材料12を送る。図16に現されるようにアブレーションパターン32は、ウエブ材料12の製造中に、縦型の形成、充填およびシール工程用装置200に送る前に、レーザー刻設される。他の手法によって、レーザーは、縦型の形成、充填およびシール工程用装置200に組み込まれ、アブレーションパターン32は、ウエブ材料12を縦型の形成、充填およびシール工程用装置200に送った後に加えられる。さらに別の手法によって、レーザー刻設は、ウエブ材料12の二側面で、および、材料のいずれかの側面のアブレーションパターンと実質的に整列して、ウエブ材料12をアブレートする。ウエブ材料12は、それから、少なくとも一つのシール18を形成するために垂直方向に沿ってシールされ、縦型の形成、充填およびシール工程用装置200内に進められる。ウエブ材料12は、包装体10の第一端部22で少なくとも一つのシール18を横切って水平にシールされ、切断される。ウエブ材料は、それから、第一端部22および第二端部26の間にアブレーションパターンを備えるように、包装体10の第二端部26で切断される。典型的に、第二切断は、第一端部22から第二端部26までの長さが約75ないし約200mmであるようにウエブ材料12を切断する。
【0026】
図16に現された縦型の形成、充填およびシール工程用装置200は、フィンタイプシールを形成するように設計されているが、上述の方法は、例えば、オーバーラップシール包装体および二重のウエブ材料の包装体を含む、ここに記載された任意の他の包装体に適用される。例えば、シールを形成するための垂直方向に沿ったウエブ材料のシール工程は、ウエブ材料12を第二のウエブ材料にシールすることを含む。この実施例では、ウエブ材料の垂直側縁の二つの垂直シールが、この工程において形成される。同様に、第二ウエブ材料は、第二アブレーションパターンでレーザー刻設される。レーザー刻設パターンおよびシール方法の他の変形例が、当業者によって認識される。
【0027】
そのように構成されているので、そのような方法によって形成され、およびここに記載された包装体は、消費者がかなり小さいウエブベースの包装体を開封し易くするために提供されている以前の方法と比較して、包装体を開封するための開始の相対的な容易性を提供する。さらに、切断は、切断線に沿ってより確実に伝播し、包装体の垂直シールを越えて容易に伝播する。例えば、典型的なフィンタイプシールの包装体を通して切断を伝播させる間に適用される切断力を比較するための試験が実施された。試験は次のように実施された。レーザー刻設パターンを備える包装体は、使用者の回転する手首の動作を模すために、テープ状の引張り具に取り付けられた。刻設線下方の包装体の部分は試験装置にしっかりと固定され、他方、刻設線の上方に固定された伸張テープは、切断試験機のジョーに固定された。試験装置は、Vinatoru社のシール強度試験機であった。試験機のジョーは、包装体の対向側からテープを引っ張り、30度の角度で上方に、包装体の頂部を横切って進んだ。試験機のジョーは、力変換機に取り付けられ、規則的な間隔で、瞬間の力が記録された。
【0028】
図17は、試験結果を示す。ここに説明されるレーザースクライブされた破線のアブレーションパターン(「破線」と名づけられる)は、包装体に対して、ウエブ材料における連続するレーザー刻設線(「連続」と名づけられる)とほぼ同じ力、または、開封の容易性でもって開封するのを可能にする。両方のレーザー刻設された包装体は、刻み目が入れられた手法(「刻み目 縁/フィン」と名づけられる)および微小磨耗による手法(包装体のFANCY CUT(登録商標)に対して「ファンシーカット」と名づけられる)より実質的により小さい開封力を必要とする。
【0029】
図18の表に明示されるように、しかしながら、破線のアブレーションパターンは、連続する刻設線を有する包装体より一貫して改良された伸張強度を有する。図18に示されたデータは、Instron社の試験機を用いて包装体の伸張強度を計測することによって収集された。データは、アブレーションパターンが、図17に示されるように、ほぼ同じの開封力を有する一方で、縦型の形成、充填およびシール工程でより破れそうにないため、連続する刻設線より十分に改良された伸張強度を有することを明示している。
【0030】
当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上述の具体例に関して幅広い種々の変更、置換および組み合わせがなされることを認識する。例えば、ここに示された多くの実施例は、特定の、はっきりした縁部を備えた、一般的に四角形状の包装体に関する。他の卵形または丸い包装体の形状が可能である。また、包装体に複数の破断線を設けるために、複数の刻設線の任意の変更が提供される。そのような変更、置換および組み合わせは、発明の概念の範囲内であるとして見られるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦型の形成、充填およびシール工程によって形成される包装体であって、共にシール部においてシールされる第一縁部および第一縁部に対向する第二縁部を備え、シール部の第一端における第一シール端部およびシール部の第二端における第二シール端部を備えるウエブ材料を含み、第一シール端部および第二シール端部は、第一包装体側縁および第二包装体側縁を画定し、第一包装体側縁および第二包装体側縁は、折り重ねられたウエブ材料を含んでおり、第一縁部および第二縁部間でウエブ材料を横切って延びるアブレーションパターンを含み、アブレーションパターンは、約0.25mmないし約0.75mmの長さの非アブレーション部によって隔てられた約1mmないし約3mmの長さの一連のアブレーション部を含んでおり、アブレーションパターンは、包装体を横切る破断線を画定しており、包装体は、第一包装体側縁または第二包装体側縁で使用者により分離する力が適用されると、破断線に沿う線に沿い、シールを横切って、実質的に裂け、ウエブ材料は、実質的に破れることなく、縦型の形成、充填およびシール工程に耐える伸張強度を維持することを特徴とする包装体。
【請求項2】
請求項1の包装体であって、約75mmないし約200mmの、第一シール端部から第二シール端部までの長さを有することを特徴とする包装体。
【請求項3】
請求項1の包装体であって、ウエブ材料が少なくとも二層を含むことを特徴とする包装体。
【請求項4】
請求項1の包装体であって、ウエブ材料が、PET(ポリエチレンテレフタレート)およびOPP(延伸ポリプロピレンフィルム)を含む群のうちの少なくとも一つを含む外層、および、PET、OPPおよび箔を含む群のうちの少なくとも一つを含む少なくとも第二の層を含むことを特徴とする包装体。
【請求項5】
請求項1の包装体であって、アブレーション部が、包装体の外層の厚さより小さい深さを有することを特徴とする包装体。
【請求項6】
請求項1の包装体であって、アブレーションパターンが非均一であることを特徴とする包装体。
【請求項7】
請求項1の包装体であって、第一包装体側縁、第二包装体側縁およびシール部の縁がアブレーション部を有することを特徴とする包装体。
【請求項8】
請求項1の包装体であって、さらに、第二のアブレーションパターンが、ウエブ材料の対向側面に、実質的にアブレーションパターンに沿って配置されることを特徴とする包装体。
【請求項9】
請求項1の包装体であって、シール部が、フィンタイプシールおよびオーバーラップシールを含む群のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする包装体。
【請求項10】
包装体の製造方法であって、ウエブ材料の第一縁部と第二縁部との間でウエブ材料を横切ってアブレーションパターンをレーザー刻設し、アブレーションパターンは、約0.25mmないし約0.75mmの長さの非アブレーション部によって隔てられた約1mmないし約3mmの長さの一連のアブレーション部を含み、ウエブ材料を、縦型の形成、充填およびシール工程用装置に移送し、ウエブ材料を縦方向にシールして少なくとも一つのシール部を形成し、縦型の形成、充填およびシール工程用装置内にウエブ材料を進め、包装体の第一端で該少なくとも一つのシ-ル部を横切って水平方向にウエブ材料をシールおよび切断し、第一端および第二端の間にアブレーションパターンを備える包装体の第二端を切断することを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10の方法であって、ウエブ材料の第一縁部および第二縁部の間でウエブ材料を横切って延びるアブレーションパターンが、約0.25mmないし約0.75mmの長さの非アブレーション部によって隔てられた約1mmないし約3mmの長さの一連のアブレーション部を含んでいる、アブレーションパターンをレーザー刻設する工程が、さらに、包装体の外層の厚さより小さい深さにウエブ材料をアブレートすることを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項10の方法であって、ウエブ材料の第一縁部および第二縁部の間でウエブ材料を横切って延びるアブレーションパターンが、約0.25mmないし約0.75mmの長さの非アブレート部分によって隔てられた約1mmないし約3mmの長さの一連のアブレート部分を含んでいる、アブレーションパターンをレーザー刻設する工程が、さらに、ウエブ材料の二側面でウエブ材料をアブレートすることを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項10の方法であって、ウエブ材料の第一縁部および第二縁部の間でウエブ材料を横切って延びるアブレーションパターンをレーザー刻設する工程が、縦型の形成、充填およびシール工程用装置にウエブ材料を移送する工程の後に行なわれることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項10の方法であって、第一位置および第二位置の間にアブレーションパターンを備えて第二位置でウエブ材料を切断する工程が、さらに、約75mmないし約200mmの、第一端から第二端までの長さで、ウエブ材料を切断することを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項10の方法であって、アブレーションパターンが、非均一であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項10の方法であって、さらに、ウエブ材料の対向側面に実質的にアブレーションパターンに沿って配置される、第二アブレーションパターンをレーザー刻設することを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項10の方法であって、縦方向に沿ってウエブ材料をシールし、少なくとも一つのシール部を形成する工程が、ウエブ材料を第二のウエブ材料にシールすることを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17の方法であって、さらに、第二ウエブ材料を横切って延びるアブレーションパターンが、約0.25mmないし約0.75mmの長さの非アブレーション部によって隔てられた約1mmないし約3mmの長さの一連のアブレーション部を含む、第二アブレーションパターンをレーザー刻設することを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
縦型の形成、充填およびシール工程によって形成される包装体であって、第一側縁シールに沿う第一側縁および第二側縁シールに沿う第二側縁で、第二ウエブ材料にシールされる第一ウエブ材料、第一側縁シールおよび第二側縁シールの間で包装体をシールする第一シール端部、第一側縁シールおよび第二側縁シールの間で包装体をシールする第二シール端部、第一側縁および第二側縁の間で少なくとも第一ウエブ材料を横切って延びるアブレーションパターンを含み、アブレーションパターンが、約0.25mmないし約0.75mmの長さの非アブレーション部によって隔てられた約1mmないし約3mmの長さの一連のアブレーション部を含んでおり、アブレーションパターンは、包装体を横切る破断線を画定しており、包装体は、第一側縁または第二側縁で使用者により分離する力が適用されると、破断線に沿う線に沿って、第一側縁シールおよび第二側縁シールを横切って、実質的に裂け、ウエブ材料は、実質的に破れることなく、縦型の形成、充填およびシール工程に耐える伸張強度を維持することを特徴とする包装体。
【請求項20】
請求項19の包装体であって、さらに、第一側縁および第二側縁の間で第二ウエブ材料を横切って延び、第一ウエブ材料のアブレーションパターンに実質的に一致する第二アブレーションパターンを含むことを特徴とする包装体。
【請求項21】
請求項19の包装体であって、包装体が、約75mmないし約200mmの、第一シール端部から第二シール端部までの長さを有することを特徴とする包装体。
【請求項22】
請求項19の包装体であって、第一ウエブ材料および第二ウエブ材料が、PET(ポリエチレンテレフタレート)およびOPP(延伸ポリプロピレンフィルム)を含む群のうちの少なくとも一つを含む外層、および、PET、OPPおよび箔を含む群のうちの少なくとも一つを含む少なくとも第二の層を含むことを特徴とする包装体。
【請求項23】
請求項19の包装体であって、アブレーション部が、包装体の外層の厚さよりも小さい深さを有することを特徴とする包装体。
【請求項24】
請求項19の包装体であって、アブレーションパターンが非均一であることを特徴とする包装体。
【請求項25】
請求項19の包装体であって、第一側縁および第二側縁がアブレーション部を有することを特徴とする包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−161252(P2009−161252A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−381(P2009−381)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(508247877)クラフト・フーヅ・グローバル・ブランヅ リミテッド ライアビリティ カンパニー (53)
【Fターム(参考)】