説明

レーザ加工システムの安全区画を規定する方法

【課題】 機械加工デバイスにおいて安全区画又は制限区画を確立する方法を提供する。
【解決手段】 レーザ加工デバイスで利用される切削経路の安全区画を規定する方法。この方法は、計算機支援設計モデルにおける安全区画の位置座標を識別し、マシンビジョンシステムを使ってモデル化された物理的な加工デバイスを撮像し、設計モデルの安全区画の点と撮像された点の間の位置的な差を決定し、機械切削経路プログラムに入力させるために、設計モデルの安全区画の座標系を特定装置向け座標系に変換することを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、レーザ加工デバイスと、レーザ加工システムの機構と動作に関する。
【背景技術】
【0002】
材料除去デバイス、一般的には材料機械加工(material machining)又は単に機械加工と呼ばれているプロセスでは、切削ヘッド(cutting head)、典型的にはカーバイド切断ホイール又はビットの態様のカッター、又は、より高度な機械加工技術に基づくレーザ・ヘッドが、機械加工される材料と接触して配置されるか、又は、その近傍に配置される。その後、元の状態から所望の材料が除去される、及び/又は、変えられるまで、切削ヘッドが、材料を横断する移動経路に沿って動かされる。近代の機械加工機器では、切断経路とその他のパラメータが、機能の1つである所望の移動経路に沿って切削ヘッドを導くコンピュータプログラムを実行するコンピュータ数値制御(CNC)機械加工デバイスにプログラムされる。
【0003】
従来の機械加工デバイスとCNC機械加工デバイスにおいては、高価であり、多くの場合繊細である切削ヘッドが、それが切削ビットであろうとレーザであろうと、次の移動経路に置かれないことは大切なことである。即ち、その移動経路とは、機械加工されない材料の部分、又は、周囲のその他の機器、例えば、固定具の部分と接触する移動経路である。ここで、固定具とは、テーブル又はワークステーションに、機械加工される材料を配置して固定するものである。切削ヘッドが、それらの領域又は機器と意図しないか又は許可なく接触すると、切削ヘッドおよび/又は、機械加工される潜在的に繊細な材料が損傷するか、又は、位置づれを起こすことがある。
【0004】
切削ヘッドと周囲の機器又は材料の部分との意図しない接触を回避するために、安全領域を設けて、切削ヘッドが望まれない接触が起こる可能性のある区域に入れないようにする場合が多い。機械加工される材料、例えば、平面材料の表面又は非平面材料の表面、又は、複雑な固定具が使われている場所に依存するが、安全領域又は制限区画は、二次元のx−y座標領域の形態をとったり、又は、x−y領域とZ軸の高さ方向の成分をもつ三次元領域であってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
切削ヘッドが移動するか、又は、通過することが不適当である安全領域又は制限区画の規定はジョブ毎に行う必要がある。これは、機械加工される材料か又は物体の位置を決めるか、又は固定するために使われる固定具のいずれか一方が異なるからである。CNC機械では、三次元である場合が多いこれらの座標は、切削機械で使う座標系で識別されて、次に、コンピュータプログラムに入力される必要がある。多くの安全区画、および/又は、複雑な形状の安全区画が必要な場合、安全区画の座標又は境界の識別と、座標の入力作業は大変飽き飽きするもので、かつ、時間を消費する作業である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、機械加工デバイスにおいて安全区画又は制限区画を確立する方法を備える。この方法は、従来の方法よりも効率的であって、時間がかからない方法である。また、本発明は、所望の制限区画の境界を規定する3次元座標を識別して、それらをコンピュータ数値制御加工デバイスのコンピュータプログラム又はプログラムに移入する方法を備える。
その結果、本発明の実施形態は、レーザ加工システムにおいて安全区画又は制限区画を規定する方法を備える。これによって一旦それが規定されると、レーザ切削ヘッドは制限区画に入らないか又は通過しない。
【0007】
本発明の一態様によれば、任意の3次元座標系を使用する計算機支援設計(CAD)モデルを使って、所望の制限区画を一般的に識別することができる。ここで、制限区画とは、レーザ切削ヘッドが入りこむか又は通過してほしくない区画である。各制限区画の選択点又は複数の選択点は、CAD座標系で識別される。これらの選択点は、作成されるアプリケーションに含まれるアライメント基準位置として使われる。レーザ加工システムのマシン・ビジョン・サブシステムを使って、CAD座標系のアライメント基準点を特定のレーザ加工座標系に変えるか又は変換することができる。各所望の制限区画の残りの領域は、アライメント基準点に関する従来のCADの三次元座標データに基づいて、制限区画の周囲の長さの写像をとるか又は計算することによって、特定のレーザ加工座標系で確定される。
【0008】
本発明の一態様によれば、CADモデルの単純な幾何学的な図形又は容積部が識別される。それらの図形を連結することによって、制限区画を囲むか又は識別する包絡面を生成することができる。奇妙な形の、又は、複雑な形の制限区画については、幾つかの単純な幾何学的図形を連結することによって複雑な形の制限区画を形成することができる。
本願の記述では、添付の図面に言及する。ここでは、複数の図面に渡って同じ参照番号は同じ部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一例の方法の工程を示すフロー・チャートである。
【図2】1つ以上の物体が機械加工されるために位置決めされる2つの穴あけ領域を各々有する2つの固定具を備えるレーザ装置の一例を図解した透視図である。
【図3】一例としての制限区画と位置合わせ用基準点を示す図2の一例を図解した平面図である。
【図4】は、レーザ装置の特定の座標で制限区画を決定するレーザ加工システムで使用可能な機械視覚システムの一例を単純化して描いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1−図4を参照すると、一例としてのレーザ加工システムの安全区画又は制限区画を規定する方法の例が示されている。図1を参照すると、概要フロー・チャートが示されており、これは、このレーザ加工アプリケーションにおける制限区画を規定するために使われる方法の工程10の一例を紹介するものである。
【0011】
図2と図3には、三次元の計算機支援設計(CAD)モデルで示されるレーザ加工システムのための部品キャリアアセンブリの一例が示されており、以下の記述は、この例示されたレーザ加工システムの制限区画を規定する新しい方法に関する。一般的に、この制限区画を規定する新しい方法は、その他のレーザ加工システムとその他の材料加工デバイスでも利用可能であることを理解されたい。
【0012】
例示されたレーザ加工システム20の部品キャリアアセンブリを、図2に示す。図4に例示されるレーザ、カメラ、照明器、制御部等のレーザ加工システム20のその他の要素については、要点を明快にするために省略している。図示されたシステム20は、座標系18で示されるx−y座標平面を一般的に規定する支持表面26を一般的にもつ部品キャリア24を備える。部品キャリア24は、移動可能面か、又は、静止面でもよく、図示されているように、一平面の表面に限定されることはなく、当業者にとっては周知の特定の機械加工アプリケーションに適するその他の表面、又は、幾何学形体を備えていてもよい。
【0013】
さらに、機械加工システム20は、部品キャリア24に関して静止した状態で穴が空けられるか、又は、機械加工される特定の部品を位置決め及び/又は固定する際に支援する1つ以上の部品固定具30(2つ図示している)を備える。図2に示されるように、各固定具30は、蝶番42によって側壁に接続された固定具蓋40と、z方向に高い側壁34を備える。さらに、例示した各固定具30は、一般的に示される冷却ライン50と真空ライン44を備える。部品キャリア24と固定具30は、鋼、アルミニウム、又は、当業者にとっては周知の特定の機械加工プロセスに適したその他の材料から形成してもよい。
【0014】
図示した固定具蓋40と側壁34は、蓋40をz方向で支持面26に向かって深さ58まで延びる、穴空け領域、又は、機械加工領域54(4つが図示されている)を規定するものである。深さ58は、固定具側壁34の高さか、又は、それよりも浅くてもよい。深さ58が側壁34の高さ未満である場合、固定具30によって備えられた部品支持面(不図示)を使って、機械加工される部品の位置決めと固定を行うことができる。図示されているように、固定具30と例示した4つの穴あけ領域54によって、4つの領域、又は、アイランド62が規定されるので、一般的に、4つの穴あけ領域の位置がわかる。
【0015】
図2に示されて説明されるレーザ加工デバイス20については、制限区画、又は、安全区画を規定する方法の例が説明される。制限区画、又は、安全区画という用語の使い方に関しては、これらの区画、領域、又は、3次元の体積部は、レーザ加工ヘッドとコンポーネントと、それに接続したハードウェアが入っていくか又は通過するには不適当な領域として考えられる。何故ならば、その通過によって、レーザ・ヘッドとその他の機器、例えば、部品キャリア24、固定具30、又は、機械加工又は穴空けされる物体の衝突が発生するからである。
【0016】
例示したレーザ加工システム20において、安全区画又は制限区画を規定する新しい方法10の第一の工程66では、CADシステム132の既存の三次元CADモデルが使われるか、又は、作成される。これには、例えば、図2の部品キャリア24、固定具30、穴あけ領域54を含むレーザ加工システム20の周囲が含まれているか、又は、それについて詳述されている。CADモデルにおいては、制限区画又は安全区画、即ち、レーザ・ヘッドが進めない区域、又は、領域がCAD の3次元座標系18で識別される。例えば、図3は、長方形区域68、74、78、80の4つの制限区画を備える図2のレーザシステム20を示す。図3に示される二次元空間の4つの制限区画については、部品キャリア支持面26に関してz方向の−方角の頂上、又は、高さが異なっていてもよい。第5の区画84は制限区画としては含まれていないが、レーザ・ヘッドが通過することが望ましいか、又は、許容できる区画を示すものである。何故ならば、それが図2と図4に示される穴あけ領域54を囲んでいるからである。安全区画は、例示したレーザ・ヘッドが入ってゆかないか、又は、通過しない区画又は区域として説明したが、例えば、レーザ・ヘッドと機器、固定具、又は、その他のコンポーネントの間で衝突が発生することなく、レーザ・ヘッドか、又は、その他の加工ヘッドが上を通過するか、又は、部分的に通過することが許容されるよう、3区画を規定してもよいことがわかる。
【0017】
これらの制限区画68、74、78、80が、CADで三次元座標点(x、y、z)として規定されることが理解される。また、長方形区域として示したが、制限区画は、多角形や円柱や円や、当業者にとっては周知のその他の形等のどのような幾何学形であってもよいことも理解されている。さらに、三次元空間で制限区画を規定するために、例示した長方形を使う場合は、各制限区画の体積部か又は境界が、例えば、箱か又は長方形の頂部と底部の反対側の隅の、例えば、上部の2つの左側の隅と低部の2つの右側の隅の三次元座標を知ることによって得られることも理解される。これらの点から、本願の教示に基づく既知の方法を使って、残りの隅と制限区画の境界が計算される。さらに、従来のCADモデルとして説明されたが、計算機支援設計システムの別の態様、例えば、ソリッドモデリング・プログラムとその他のデザイン、又は、当業者にとって周知のエンジニアリング・システム等を使ってもよい。
【0018】
一旦、制限区画が一般的に識別され、それらの境界が、固有のCAD座標系18に基づく三次元座標空間で確認されると、CAD座標系の1つ以上の基準アライメント点92を識別する方法の工程90が使われる。図2と図3のCADモデルの一例としての点92によって1つ以上の基準点が識別され、これは、後述される特定レーザ装置向け座標系の位置合わせ点か又は基準点として役に立つ。基準アライメント点92はCADモデルのどこでもよいが、特定の制限区画の境界上か又は特定の制限区画内に位置づけられることが好ましい。どの形体が、例えば、部品キャリア24、固定具30、穴あけ(drill)領域54がアライメント点92として役に立つかについて決める際に、後述するレーザ加工システム20と共に使われる機械視覚システムによって形体が簡単に検出されるか又は識別可能であるかという点が考慮される。
【0019】
第一の工程66で識別された制限区画のCAD座標だけでなく、三次元アライメント点(又は、複数の点)92も、計算機アプリケーションファイルにロードされるか、又は、方法の工程100でプログラムされる。アプリケーションファイルのそのデータの使い方については、以下で議論される。
【0020】
特定の物理的なレーザ加工システムか、又は、例示した部品支持物24と固定具30と穴あけ領域54を含むデバイス20では、一般的に、上述した1対1のCAD座標系18と直接一致しない異なる位置座標系(特定装置向け座標系)をもつことができる。しかしながら、レーザ加工システム20は、当業者にとって公知の合理的な許容範囲内に上述した部品キャリア24と固定具30と穴あけ領域54とその他の関連コンポーネントのCADモデル化物理コンポーネントを備えることができる。
【0021】
好都合なことに、本発明の方法の実施形態は、以下で説明する工程とプロセスを使う特定装置向け座標系の制限区画68、74、78、80に関するCAD情報を利用することができる。
【0022】
図1と図4に一般的に示されているように、方法の工程120では、まず、以前にCADモデルで識別された物理コンポーネント上の基準アライメント点92を読みとるか又は見つけるために、レーザ加工システム20のコンポーネントと共にマシン・ビジョン・サブシステムか又はコンポーネントグループを使用する。一例においては、例えば、固定具30の物理コンポーネントの領域か又はその領域の画素からなる画像を得るために、1台以上のカメラ122が1つ以上の光か又は照明源124と組み合わせて使用される。ここでは、以前に識別された基準点か又は複数点92の位置が特定されるものと推定されている。一例においては、カメラ122は電荷結合素子型カメラ(CCD)であり、照明源124は発光ダイオード(LED)の1つ以上の輪である。例えば、明視野の照明か又は暗視野の照明を作るために、当業者とって周知の他の態様のカメラと照明源を使うこともできる。これらのコンポーネントに加えて、マシン・ビジョンコンポーネントは、マシン・ビジョンコンポーネントとCADシステム132との電子通信のために、カメラ122と照明源124のためのドライバーとコントローラ、カメラ122に取られた画像を見るための表示端末装置126、マイクロプロセッサ128、データ記憶装置及び/又はソフトウェア・ライブラリ130を全て備えていてもよい。
【0023】
1つ以上の既知の画像認識技術、又は、アルゴリズム、例えば、正規化相関、エッジ検出、ブロブ(blob)分析を使うことによって、CADモデルの基準点92と一致する物理的レーザ加工コンポーネント上の基準点が、特定装置向け座標系の3次元空間で識別される。物理コンポーネント上の一点か又はその他のマーカーの3次元空間における位置を決定する一例では、取り込まれた画像が画素として表わされる。レーザ加工システムは、どこにカメラがあるかわかっているので、例えば、取り込まれた画像の中心位置を容易に決定することができる。この位置か又はその他の既知の像点から、所望の点か又は基準アライメント点が、基準中心点からx−y座標で何画素分離れているかを容易に計算できる。カメラの解像度はわかっているので、ユーザは、例えば、各画素の幅が2ミクロン(μm)であることを知ることができる。その後、取り込まれた画像の、例示した基準点から基準アライメント点までの距離を、レーザ装置座標系で計算することができる。これは、基準アライメント点か、又は、特定装置向け座標系の点の正確な位置を規定する。ブロブ分析技術については、本発明の譲受人であるエレクトロ・サイエンティフィック・インダストリーズ社の米国特許7,055,112を参照されたい。別の照明源についても、エレクトロ・サイエンティフィック・インダストリーズ社に譲渡した米国特許6,870,949を参照されたい。この両方の特許の全てが本願の援用文献である。
【0024】
物理的レーザ加工システムの特定装置向け座標系における基準アライメント点又はこの複数点の位置を識別して決定すると、CAD座標系と装置座標系の両方における同じ基準点の位置がわかり、工程100で作成されたCADデータを含むアプリケーションデータ・ファイルを使う比較工程140の処理が始まる。その後、計算工程150で、CADの基準アライメント点又はこの複数点を特定装置向け座標系に写像するための座標変換を行う。座標の写像をとることの一例での座標変換としては、CAD座標系から装置座標系へのアファイン変換がある。座標変換の一例を次に示す。
【0025】
X_machine=a+b*x_CAD+c*y_CAD+d*x_CAD*y_CAD;及び
Y_machine=e+f*x_CAD+g*y_CAD+h*x_CAD*y_CAD
ここで、x_CADとy_CADは、例えば、CAD座標系における標準基点からのx−y座標値であり、X_machineとY_machineは、特定装置向け座標系における同じ起点のx−y座標である。a−h係数は座標変換を表わすパラメーターである。
【0026】
例示したこの変換に関する係数は、オフセット、回転、縮小、キーストン(keystone)効果を表わし、標準的な最小二乗法を使って、測定され写像された基準座標間の自乗誤差を最小化するような変換の特徴を表わす係数を計算することができる。記述した例以外に変換の特徴を表わすパラメーターを計算するために、当業者にとっては周知な別の座標系、又は、写像変換とその他の方法が使えることがわかっている。
【0027】
一旦、適切な数学的な変換又は座標変換が決定されると、以前にCADで決定された制限区画の境界点又は座標の全て又は残りの部分を含む上記アプリケーションデータ・ファイルに対して、座標変換を使った方法の工程160が適用される。所定の座標変換を使って、制限区画の境界を規定するその他のCAD点を変換するか又は「写像をとる(”mapped”)」ことによって、これらのCADの位置基点を計算するか、又は、特定レーザ装置向け座標点に変換することができる。
【0028】
一旦、上述したように変換又は変形されると、特定レーザ装置座標系の制限区画68、74、78、80の従来の基準CADデータが得られ、それは、切削ツールガイドパスを確率するため、又は、工作機械の経路外にある別の区域を識別するために利用可能になる。変換された特定レーザ装置向けデータをレーザ装置切削ツールプログラム又はその他のコンピュータプログラム又はサブ・プログラムに入力する方法の工程170を実行することが可能である。その後、このデータを使って、意図した切断経路がこれらの区画のうちの1つに接触しないか、又は、入ってないことを確認することができる。尚、この事象によって、衝突が発生したり、影響を受けやすい機器又は機械加工されるワークピースが損傷する可能性がある。
【0029】
本方法には幾つかの長所がある。既存のCADデータを使い、そのデータを安全区画又は制限区画で利用される特定装置向けデータに変換することによって、例示したプロセスは、各安全区画の境界点を手動で決定してその境界点を特定装置向けレーザシステムにインプリメントする厄介で時間のかかる処理を排除している。これらの利点は、システム構築時間が非常に短いことと、装置座標が必ずしも互いに一致しない複数の座標系で安全区画と制限区画を記述するために、CAD座標系で同じデータファイルを利用できることである。また、別の制限区画のトポロジー又は別の安全区画のトポロジー間の変更が容易になることである。これは、例えば、別のアプリケーションに別の部品固定具を使うことによって達成され、これにより使いやすさとシステム全体の生産性が向上する。
【0030】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするために説明されたものであって、本発明を限定するものではない。逆に、本発明は、添付の請求の範囲内での様々な修正と等価な構成を受容するものであって、請求の範囲は、法の下で許容される全ての修正と等価な構造を包含するような最も広い解釈がなされるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料加工システムでの利用が制限された安全区画を規定する方法であって、
物理的な材料加工デバイスの計算機支援設計モデルの少なくとも1つの安全区画の位置座標を識別し、
前記設計モデルの少なくとも1つの基準アライメント基準点の位置座標を識別し、
前記材料加工デバイスの少なくとも1つの基準点の位置座標を決定し、
前記設計モデルと前記材料加工デバイスとの間の前記基準点の位置の差を計算し、および
前記材料加工システムで使われる前記位置の差を使って、前記設計モデルの安全区画の位置座標を前記材料加工デバイスの座標系に変換する
ことを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの基準点は、前記安全区画の位置座標のうちの1つであることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
前記材料加工デバイスの少なくとも1つの基準点の位置座標を決定することは、
前記設計モデルで規定される、前記少なくとも1つの安全区画と基準点とを含む、材料加工デバイスの少なくとも一部の視覚画像を取り込む
ことを特徴とする請求項1か請求項2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記画像を取り込むことは、少なくとも1つの安全区画と基準点を含む、前記加工デバイスの少なくとも一部、の近傍に位置する光源とカメラを選択的に動作させる
ことを備えることを特徴とする請求項3の方法。
【請求項5】
前記基準点の位置の差を計算することは、前記設計モデルの基準点の位置を、前記画像上の基準点の位置から分離する画像画素の数を決定する
ことを備えることを特徴とする請求項4の方法。
【請求項6】
前記基準点の位置の差を計算することは、前記設計モデルの前記基準点の位置座標を前記加工デバイスの位置座標に変換するための座標変換を定義する工程をさらに備える
ことを特徴とする請求項1か請求項2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記座標変換の変換係数を決定することをさらに備え、
前記変換係数は、オフセット、回転、縮小、キーストン効果のうちの少なくとも1つを表わす
ことを特徴とする請求項6の方法。
【請求項8】
前記安全区画の位置座標を変換することは、所定の座標変換を前記設計モデルの前記安全区画の位置座標に適用することをさらに備える
ことを特徴とする請求項6の方法。
【請求項9】
規定された加工デバイスの安全区画を、材料加工システムのためのコンピュータ切断経路プログラムに移入する
ことをさらに備えることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項10】
前記物理的な材料加工デバイスの計算機支援設計モデルを生成することをさらに備えることを特徴とする請求項1か請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの安全区画は複数の安全区画であり、前記少なくとも1つの基準点は複数の基準点であり、前記複数の基準点の各々は、前記複数の安全区画のうちの1つにそれぞれ関連する安全区画の位置座標のうちの1つである
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項12】
前記材料加工システムはレーザ加工システムである
ことを特徴とする請求項1の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−524520(P2011−524520A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513541(P2011−513541)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/044611
【国際公開番号】WO2010/005636
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(593141632)エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド (161)
【Fターム(参考)】