説明

レーザ源および内蔵電源を備える携帯レーザデバイス

本発明は、少なくとも10mWの定格パワーを有するレーザ源(2)と、電力をレーザ源へ供給するよう適合された内蔵電源(3)と、使用時にレーザ源によって生成されたビーム(3)を処理する少なくとも1つの光学エレメント(7)と、を備えるレーザビーム(8)を出射する携帯デバイス(1)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビームを出射する携帯デバイスに関する。本発明は、特に、内蔵電源を有するコンパクトなハイパワーレーザデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザは、一般的にはアブレーションによって、また、材料を焦がすあるいは変色させることによっても、レーザエネルギーを吸収することができる基体のマーキングに広く用いられている。WO97/47397は、製品に識別インデックスをつける方法および装置を開示している。コーティング層はマークされる基体上に形成される。コーティング層は、CO2ガスレーザビームの作用によって黒っぽくなる付加物を含んでいる。CO2レーザは、少なくとも10,000時間動作するというその長動作寿命ゆえに、一般的にこの目的のために用いられている。コーティングは、レーザ源の集束されたエネルギーを有する照射によって黒っぽくなる。
【0003】
レーザは、また、例えば、カーボンブラックを用いて、一般的には近赤外領域で、硬化可能な調合物を用いることによって、溶着を達成するよう広く用いられている。他の硬化用途も、例えば、接着剤あるいはシーラントの硬化において知られている。
【0004】
一方、レーザエネルギー源を用いた多くの大規模なマーキング/プリントおよび硬化用途が知られているが、これらは、概して、セットアップ時間が長く、電力消費が多い、大きく高価な装置を有している。
【0005】
発明の要約
第1の態様において、本発明は、少なくとも10mWの定格パワーを有するレーザ源と、電力をパワー源へ供給するよう適合された内蔵電源と、使用時にレーザ源によって生成されたビームを処理する少なくとも1つの光学エレメントと、を備えるレーザビームを出射する携帯デバイスである。
【0006】
本発明のデバイスは、小さくて、容易に操作でき、自己完結型であり、しかも、センチメートル以下のオーダーの、小型から超小型のプリント/およびまたは硬化用途に使用するのに十分なエネルギーのレーザビームを出射する有用性がある。
【0007】
第2の態様において、本発明は、レーザによってエネルギーを与えられたとき変色可能な付加物を有する基体を提供するステップと、本発明の第1の態様を有する携帯デバイスを提供するステップと、携帯デバイスを基体の上に配置するステップと、ビームによって基体上の少なくとも1つの所望のポイントにエネルギーを与え、これにより、付加物を前記ポイントで変色させるようにレーザ源を作動してデバイスにレーザビームを出射させるステップと、を備えるインクレスプリントの方法である。
【0008】
第3の態様において、本発明は、レーザによってエネルギーを与えられると硬化する基体を提供するステップと、本発明の第1の態様を有する携帯デバイスを提供するステップと、携帯デバイスを基体の上に配置するステップと、ビームによって基体にエネルギーを与え、これにより、基体を硬化させるようにレーザ源を作動してデバイスにレーザビームを出射させるステップと、を備える基体を硬化する方法である。
【0009】
発明の説明
本発明の第1の態様にかかる携帯デバイスは、赤外、可視、あるいはUVレーザ源を備えることができる。デバイスは、集束レンズ、好ましくはオートフォーカスレンズ、および/またはコリメーティングレンズとできる少なくとも1つの光学エレメントを備える。光学エレメントは、さらに、レーザビームの少なくとも一部がデバイスから出ていく前に通過するマスクであってもよい。他の光学エレメントに加えて、マスクを備えてもよい。マスク上に形成される潜像は固定あるいは可変であってもよく、例えば、予めプログラム可能なあるいはアクティブにコントロール可能な液晶光学シャッタアレイであってもよい。内蔵電源は、好ましくは、取り外し可能であり充電可能なバッテリである。
【0010】
レーザ源は、レーザダイオード、ファイバ連結レーザダイオード、レーザアレイ、あるいはダイオード励起固体レーザであってもよい。レーザ源の定格パワーは、10〜20mW、20〜30mW、30〜40mW、40〜50mW、50〜100mW、100〜200mW、200〜500mW、500mW〜1W、1〜10W、10〜20W、20〜50W、50〜100Wの間にあるか、あるいはこれらの範囲のいずれかの組合せであってもよい。レーザ源の定格パワーは用途に応じて選択してもよく、そして、そのパワー出力は一定であっても、またその定格内でアクティブにあるいはパッシブにコントロールされてもよい。携帯デバイスは、好ましくは、ユーザによって押されたときにレーザ源を作動するボタンを有する。一旦作動されると、レーザ源は、そのボタンあるいは他のユーザ入力手段が解放されるか、またはそうでなければ非係合されるまで作動されたままである。またあるいは、レーザ源が自動的に作動解除されるまで、デバイスを所定時間の間作動されたままであるよう適合することもできる。
【0011】
好ましい実施形態において、デバイスは、受光器をさらに備える。受光器は、好ましくは、受光器の受光方向の上流に配置される光学フィルタを有することができるフォトダイオードである。光学フィルタは、好ましくは、狭帯域フィルタである。
【0012】
デバイスは、特に、レーザで「書く」用途において使用するペン型とでき、あるいは、その用途に応じた他の適当な人間工学的な形状(ergonomic shape)を有することもできる。
【0013】
図面の説明
次に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態にかかる携帯デバイスの概略図である。
【0015】
図2は、本発明の他の実施形態にかかる携帯デバイスの概略図である。
【0016】
図3は、第1構成におけるレーザビームの光学経路の概略図である。
【0017】
図4は、代替的な構成にかかるレーザビームの経路の概略図である。
【0018】
詳細な説明
まず、図1を参照して、携帯デバイスは、10mWの定格パワーを有するレーザダイオード2を有するハウジング1を備えている。レーザダイオード2は、バッテリ3に制御電子モジュール4を介して電気的に接続されている。レーザダイオード2は、制御電子モジュール4に接続されているボタン5のユーザによる押し下げに応じて、作動される。ボタン5の押し下げ時に、電力がレーザダイオード2に供給される。レーザダイオード2は、大きい広がり角でレーザビーム3を出射する。レーザビーム3のフットプリントは、概ね楕円形状である。レーザビーム6は、レーザビーム6を処理する光学エレメント7に入り、その結果、光学エレメント4を出ていくレーザビーム8は、所望の焦点距離、均一性およびスポットサイズを有する。ハウジング1から延びるのは、ガイド9であり、使用において、ガイド9が、デバイスから放射するレーザの焦点を示しているため、ユーザがデバイスを配置するのを支援する。適切な安全対策に関して、安全なレーザ暴露限度を超えないことを保証するよう、デバイスを用いなければならない。
【0019】
上述した携帯デバイスは、インクレスプリント、マーキングおよび硬化用途における使用に適している。これらの用途のそれぞれにおいて、シールドエレメント9がプリント、マーキング、あるいは硬化されるべき基体10の近傍にあるよう、デバイスは配置される。デバイスを、レーザビーム8の光軸が照射されるべき基体10の表面にほぼ垂直となるように配置する必要がある。制御電子モジュール4を、ボタン5の押し下げ時にレーザダイオード2に所定時間の間バッテリ3から電力が供給されるように適合してもよい。あるいは制御電子モジュール4を、ユーザがもう一度ボタン5を押し下げるまでバッテリ3からレーザダイオード2へ継続して電力を供給するように適合させてもよい。いずれの場合も、適切なマーキングあるいは硬化用途をもたらすために基体10が必要とする流束量レベルが得られるように、照射時間を適合させる必要がある。
【0020】
レーザダイオード2のパワー出力は、例えば、レーザダイオード2の最大定格パワーで一定としてもよく、あるいはレーザダイオード2の最大定格パワーレベルよりも低いパワーレベルで一定としてもよい。またあるいは、レーザダイオード2のパワー出力を可変にし、制御電子モジュール4によってコントロールしてもよい。光学エレメント7は、コリメーティングレンズ、集束レンズ、オートフォーカスレンズ、あるいはこれらの組合せであってもよい。エレメント7は、さらに、潜在的なイメージが形成されるマスクを有してもよい。マスクの潜在的なイメージを、固定としても、あるいは可変として制御電子モジュール4によってコントロールしてもよい。マスクは、レーザビーム6の少なくとも一部を選択的に通過可能にし、これにより、レーザビーム8を形成する。適当なマスクは、LCD光学シャッタアレイ等であってもよい。このような光学シャッタアレイの詳細は、出願人の同時係属中の英国特許出願0520115.7号において提供される。
【0021】
図1の携帯デバイスは、ペン型であり、その結果、デバイスは、特に、インクレスで「書く」用途に適している。このような用途において、基体10はレーザによってエネルギーが与えられたとき変色可能な付加物を含む、あるいはその付加物を含むコーティングを有する。適当な付加物は、出願人の同時係属中の出願PCT/GB05/00121およびGB0418676.3において開示されている。これら2つの出願は、現在のところ容易に利用可能なダイオードレーザの2つの波長である、近赤外および紫/紫外域の波長でイメージングするための好ましい材料を、それぞれ、詳述している。付加物のタイプおよび濃度を、入射する照射の流束量レベルに整合させる必要があり、したがって、レーザダイオード2のタイプと、露光時間と、光学エレメント7のタイプと、に整合させる必要がある。硬化用途についても、同じことが言える。
【0022】
図2は、図1のデバイスに光検出手段が追加された、本発明の携帯デバイスの代替的な実施形態を示している。光検出手段は、狭帯域フィルタ/コレクター11と、フォトダイオード受光器12と、制御電子回路13と、を備えている。受光手段は、例えば、書類のセキュリティ検証における使用に適している。検証プロセスは、携帯デバイスによって出射されたレーザ光の波長に対応する蛍光剤などの材料を含むコーティングを有する基体10を照射すること、を含む。蛍光剤は、デバイスによって出射された波長とは異なる波長の光を発する。蛍光剤によって発せられた光は、特定の波長の光のみを通過させる狭帯域フィルタ/コレクター11に入る。狭帯域フィルタ/コレクター11を通過した光は、フォトダイオード受光器12に入る。フォトダイオード受光器12による受光の検出は、制御電子回路13によって行なわれる。このような光検出手段を用いることにより、特定のコーティングの有無を判断することが可能になる。このことは、領収書、銀行紙幣、セキュリティ文書、あるいは他のPOS用途の小口検証に、特に、役立つ。
【0023】
図3は、第1機構にかかる図1および2図のデバイスによるレーザ光の通過を示す。光学エレメント7は集束レンズを含む。集束レンズは、固定レンズあるいはオートフォーカスレンズのいずれであってもよい。光学エレメント7は、さらに、フォトマスクを含んでもよい。このような機構は、特に、基体10上のマイクロドットあるいはマイクロシグネチャイメージをプリントする際の使用に適している。レーザビームを特異点の近くに固定することによって、基体10の表面上に適切な流束量レベルを達成するために、比較的低いレーザビームパワーを用いることができる。このことは、電池サイズと電力消費の点から、特に有用である。このマイクロプリントは、プリントされた最終物が肉眼あるいはある低倍率の顕微鏡でさえ見えないセキュリティプリントの分野において、特に実用性がある。
【0024】
光学エレメント7の焦点距離を変えることによって、基体10の表面のスポットまたはイメージフットプリントのサイズを大きくしてもよく、これにより、プリントされたイメージのサイズが大きくなる。しかしながら、この場合は、同様な基体10に対して、より大きいレーザダイオード2パワー出力または露光時間の増加のいずれかを要する。このようなセキュリティプリントにおいては、どのようなときでも、携帯レーザデバイスを基体に整合させることで、プリントされる書類のセキュリティを改善する。なぜなら、偽造者が基体と携帯デバイスの両方にアクセスできる場合にのみ、そのプリントされる書類を複写することができるからである。
【0025】
マイクロドットあるいはマイクロシグネチャのプリントは、供給チェーン検証(supply chain verification)および/またはブランド品の検査の分野において、さらなる実用性がある。このような検証は、どのようなものでも、品物自体にマーキングされることが、多くの場合、望ましい。しかしながら、ある用途においては、このマーキングがエンドユーザに容易には見えないことが望ましい。このことは、マークが、紫外光あるいは赤外光の下でのみ見えるように、あるいはマークが肉眼では見えない程小さくするように、基体をマーキングすることによって達成できる。パスポートおよび他のID書類のマーキングも、この技術を用いることによって、見通しが立つ。
【0026】
本発明の他に可能性のある用途は、タトゥーの分野にある。適当な透明コーティングを肌に塗り、続いて、その肌を本発明にかかる携帯デバイスを用いて照射し、これにより、タトゥーを描くために、変色させることが考えられる。コーティング調合物に応じて、単色、グレースケール、あるいは十分に多階調な色のイメージを、デバイスを用いた単一の露光から現像できる。レーザ安全規則に適合できる限り、携帯デバイスを、適当なコーティング調合物を塗ることなくイメージを直接基体に描くよう用いることもできることも、また、考えられる。
【0027】
小規模な硬化のための硬化用途の分野において、硬化させようとする調合物が、所定の流束量レベルでの露光後に変色を呈することは有用である。例えば、硬化を受ける同じ調合物は、硬化を果たすために必要とされる同レベルに対応する特定の露光強度レベルで所定時間後に、変色することができる。適当な硬化基体は、コスメティックトリートメントからハンドクラフトまでの種々の用途を有する多くの重合体、セラミックス、およびプレセラミックスである。特定の位置にある変色可能な付加物の濃度を変えることによって、基体上の隣接点の流束量と同じ流束量レベルの下で、異なる変色を果たすことが可能になる。このことは、特定の硬化プロシージャに対しマイクロシグネチャあるいは日付印を描くことが必要な場合、特に有用である。このようなマーキングの検証を、図2の実施形態を用いて、果たすことができる。同じ技術を、光学メディアの書き込みの確認に用いることができる。
【0028】
図4は、光学エレメント7がいわゆるリレーイメージングセットアップ(relay imaging setup)で配置されている、デバイスの代替的な光学機構を示す。光学エレメント7は、イメージマスク7c上に形成されたイメージを基体10上へとリレーするために用いられるレンズ焦点距離fを有するレンズ7dを、備える。レンズ7dは、イメージマスク7cと距離をおいて配置され、当該距離は、レンズ焦点距離fより大きくしてもよい(uはfより大きい)。縮小化されたイメージは、イメージングレンズ7aから、公知の式(1/f)=((1/u)+(1/v))に応じた距離vにある基板10上に形成される。縮小比率は、(v/u)で与えられる。
【0029】
高縮小には、単純に、一のシステムのイメージ面を次のシステムに対する実質的なマスクとして機能するよう用いることにより、いくつかのリレーイメージングシステムを、直列に縦続接続することができる。これにより、経路長を長くする必要がなくなる(縮小=v/u)。逆に、単一の縮小が好ましく、結果的に、経路リンクを大きくする必要がある場合、ミラーを用いて経路を集約/折り返すことができ、これにより、コンパクトな設計を利用することができる。
【0030】
図4のシステムにおいて、レーザダイオード2によって出射された光は、リレーイメージの前に、広がって、切り取られる。広がった光は、レンズ7aによって集束され、アパーチャ7bによって切り取られる。これにより、より均一なビーム輪郭を形成することが可能になり、結果的に、マスク7cのより均一な照射が可能になる。これにより、より均一な光ビームがマスク7c上に入射することができる。
【0031】
動作の代替的なモードでは、焦点が合ったジオメトリで、フーリエ変換イメージングを用いることもできよう。これを達成するために、リレーイメージングごとに、基板10上のイメージ面に代わる、レンズ7dの焦点で必要とされる最終イメージのフーリエイメージマスクで、マスク7cを置き換えなければならない。そして、シンプルな集束レンズが、極めて精密なイメージを小さなスポットに形成することになる。また、これにより、1つのレンズとフーリエイメージマスクとで構成された比較的シンプルでコンパクトな機構の使用が容易になる。
【0032】
光学エレメント7を置き換える、あるいは光学エレメント7が基板10にホログラフィーのイメージを形成可能なホログラフィーのエレメントあるいは光学構造を備えることができるであろうことも、また、想定される。
【0033】
携帯デバイスのバッテリ3は、チャージャーへの適当な接続を有する充電可能なバッテリ、あるいは必要に応じて取り外し可能なバッテリのどちらであってもよいことが想定される。レーザダイオードをレーザ源として、デバイスを説明してきたが、具体的には、ファイバ連結レーザダイオード、レーザアレイ、あるいはダイオード励起固体レーザを、代わりに用いてもよいことが想定されている。レーザ源の定格パワーは、上述した特定の用途に適するよう、少なくとも10mWである。しかしながら、特定の用途に応じて、定格パワーを、10〜20mW、20〜30mW、30〜40mW、40〜50mW、50〜100mW、100〜200mW、200〜500mW、500mW〜1W、1〜10W、10〜20W、20〜50W、50〜100Wの間にあるか、あるいはこれらの範囲のいずれかの組合せを、適当とすることもできることを述べておく。
【0034】
上述した基体材料に加えて、以下の基体材料を、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の方法において使用するのに適当とすることもできる:金属と、合金と、ガラスと、セラミックと、プラスチックと、ファブリックと、木材と、紙と、カードと、樹脂と、ゴムと、泡と、複合材と、石と、壁と、身体の組織と、である。硬化用において使用される基体材料は、特に、接着剤、シーラント、あるいは歯科用の合成物とすることができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも10mWの定格パワーを有するレーザ源と、
電力をレーザ源へ供給するよう適合された内蔵電源と、
使用時にレーザ源によって生成されたビームを処理する少なくとも1つの光学エレメントと、
を備えるレーザビームを出射する携帯デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯デバイスであって、レーザ源は、IR、VISあるいはUVレーザ源である携帯デバイス。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の携帯デバイスであって、光学エレメントは集束レンズである携帯デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯デバイスであって、集束レンズはオートフォーカスレンズである携帯デバイス。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の携帯デバイスであって、光学エレメントはコリメーティングレンズである携帯デバイス。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の携帯デバイスであって、光学エレメントは、少なくともレーザビームの一部がデバイスから出ていく前に通過するマスクである携帯デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯デバイスであって、マスク上に形成される潜像が固定あるいは可変である携帯デバイス。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の携帯デバイスであって、内蔵電源はバッテリである携帯デバイス。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の携帯デバイスであって、レーザ源が、ダイオードレーザ、ファイバ連結ダイオードレーザ、レーザアレイ、あるいはダイオード励起固体レーザである携帯デバイス。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の携帯デバイスであって、レーザ源の定格パワーは、10〜20mW、20〜30mW、30〜40mW、40〜50mW、50〜100mW、100〜200mW、200〜500mW、500mW〜1W、1〜10W、10〜20W、20〜50W、50〜100Wの間にあるか、あるいはこれらの範囲のいずれかの組合せである携帯デバイス。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の携帯デバイスであって、レーザ源は、ユーザの入力によって作動される携帯デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載の携帯デバイスであって、レーザ源は、作動された後、さらなるユーザの入力によって作動解除される携帯デバイス。
【請求項13】
請求項11に記載の携帯デバイスであって、レーザ源は、作動された後、自動的に作動解除される携帯デバイス。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の携帯デバイスであって、さらに、受光器を備える携帯デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の携帯デバイスであって、受光器はフォトダイオードである携帯デバイス。
【請求項16】
請求項14または請求項15に記載の携帯デバイスであって、さらに、光学フィルタが、受光器の受光方向の上流に配置されている携帯デバイス。
【請求項17】
請求項16に記載の携帯デバイスであって、光学フィルタは狭帯域フィルタである携帯デバイス。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の携帯デバイスであって、デバイスがペン型である携帯デバイス。
【請求項19】
レーザによってエネルギーを与えられたとき変色可能な付加物を有する基体を提供するステップと、
請求項1から18のいずれかに記載の携帯デバイスを提供するステップと、
前記基体の上に前記携帯デバイスを配置するステップと、
レーザ源を作動して前記デバイスにレーザビームを射出させ、ビームによって前記基体上の少なくとも1つの所望のポイントにエネルギーを与え、これにより、付加物を前記ポイントで変色させるステップと、
を備えるインクレスプリントの方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記基体を提供するステップは、基体における付加物あるいは付加物の濃度を、デバイスによって達成可能な流束量レベルの範囲と、整合させるステップを含む方法。
【請求項21】
請求項19または請求項20に記載の方法であって、グレースケールのイメージが、異なる複数の流束量レベルで前記基体にエネルギーを与えることによって、前記基体上に現像される方法。
【請求項22】
請求項19または請求項20に記載の方法であって、多階調のカラーイメージが、異なる複数の流束量レベルで前記基体にエネルギーを与えることによって、前記基体上に現像される方法。
【請求項23】
請求項19から22のいずれかに記載の方法であって、前記基体上に、マイクロドットイメージが現像される方法。
【請求項24】
請求項19から23のいずれかに記載の方法であって、前記基体材料は、金属、合金、ガラス、セラミック、プラスチック、ファブリック、木材、紙、カード、樹脂、ゴム、泡、複合材、石、食べ物および身体の組織から選択される方法。
【請求項25】
レーザによってエネルギーを与えられたとき硬化する基体を提供するステップと、
請求項1から18のいずれかに記載の携帯デバイスを提供するステップと、
前記基体の上に前記携帯デバイスを配置するステップと、
前記レーザ源を作動してデバイスにレーザビームを射出させ、前記ビームによって前記基体にエネルギーを与え、これにより、前記基体を硬化させるステップと、
を備える基体を硬化する方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、前記基体は、近赤外レーザ光で硬化可能である方法。
【請求項27】
請求項25または請求項26に記載の方法であって、前記基板材料は、接着剤、シーラント、および歯科用の合成物から選択される方法。

【公表番号】特表2009−515730(P2009−515730A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539492(P2008−539492)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004177
【国際公開番号】WO2007/054692
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(507055925)データレース リミテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】DATALASE LTD.
【Fターム(参考)】